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Title:
HINGE DEVICE AND PORTABLE DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/081702
Kind Code:
A1
Abstract:
A hinge device having a damping function that can be easily enabled and disabled. A movable cam (9) and a shaft body (7) are received in a tube body (6). The movable cam (9) is received in the tube body (6) so as to be slidable in the direction of the axis of the tube body (6) but not rotatable. The shaft body (7) is received in the tube body (6) so as to be rotatable about the axis of the tube body (6) but not slidable in the direction of the axis. A cam section (9c) of the movable cam (9) and a contact section (11) of the shaft body (7) face each other, and a sliding motion of the movable cam (9) and a rotation motion of the shaft body (7) are associated with each other. A through-hole (9b) extending in the direction of the axis of the tube body (6) is formed in the movable cam (9), and a shaft section (7b) penetrating through the through-hole (9b) of the movable cam (9) is provided on the shaft body (7). First and second chambers (S1, S2) inside the tube body (6) partitioned by the movable cam (9) are filled with a viscous fluid (20). Between the shaft section (7b) of the shaft body (7) and the movable cam (9) is provided a fluid passage (P) for leading the viscous fluid (20) from either of the first and second chambers (S1, S2) to the other.

Inventors:
HASEGAWA MANABU (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/074172
Publication Date:
July 10, 2008
Filing Date:
December 14, 2007
Export Citation:
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Assignee:
SUGATSUNE KOGYO (JP)
HASEGAWA MANABU (JP)
International Classes:
F16C11/04; F16C11/10; F16F9/14; H04M1/02
Foreign References:
JP2001182770A2001-07-06
JP2004019795A2004-01-22
JPH0633966A1994-02-08
JPH10311359A1998-11-24
Attorney, Agent or Firm:
SHIOJIMA, Toshiyuki (2-12 Kandasakumacho,Chiyoda-k, Tokyo 25, JP)
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Claims:
 内部に空洞を有する筒体と、
 前記筒体内に前記筒体の軸線方向にスライド可能にかつ回転できないように収容され、前記軸線方向に伸びる貫通孔を有する可動カムと、
 前記筒体内に前記筒体の軸線の回りを回転可能にかつ前記軸線方向にスライドできないように収容される軸体と、
 前記軸体の前記軸線の回りの回転と、前記可動カムの前記軸線方向へのスライドとを連動させることができるように、前記可動カム又は前記軸体の一方に設けられるカム部と、
 前記可動カム又は前記軸体の他方に設けられ、前記カム部に当接する当接部と、
 前記可動カムによって仕切られた前記筒体内の第一及び第二室に充填される流体と、
 前記可動カムの前記貫通孔を貫通する軸部と、
 前記軸部と前記可動カムとの間に設けられ、前記第一室又は前記第二室の一方に充填される前記流体を他方に導くと共に、前記軸部に対して前記可動カムが相対的にスライドし、及び/又は相対的に回転することによって、前記流体の抵抗が変化する流体通路と、
 を備えるヒンジ装置。
 前記軸体と前記軸部とが、一体であることを特徴とする請求項1に記載のヒンジ装置。
 前記軸体の前記軸部には、軸線方向に伸び、前記流体通路を構成する流体通路溝が形成され、
 前記軸部に対して前記可動カムが相対的にスライドすると共に、相対的に回転することによって、前記可動カムが前記流体通路溝の前記軸線方向の端部を覆うことを特徴とする請求項2に記載のヒンジ装置。
 前記可動カムに前記カム部が設けられ、
 前記軸体に前記当接部が設けられ、
 前記当接部に当接する前記カム部の傾斜面によって、前記カム部には周方向に位置をずらして凹部と凸部が形成され、
 前記軸部に対して前記可動カムが相対的に回転して、前記可動カムの前記凹部が前記流体通路溝の位置にきたとき、前記流体通路溝の前記軸線方向の端部が露出し、
 前記軸部に対して前記可動カムが相対的に回転して、前記可動カムの前記凸部が前記流体通路溝の位置にきたとき、前記流体通路溝の前記軸線方向の端部が、前記可動カムの前記凸部によって覆われることを特徴とする請求項3に記載のヒンジ装置。
 前記ヒンジ装置はさらに、
 前記筒体内に収容され、前記可動カムを前記軸体に付勢する付勢手段を備えることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のヒンジ装置。
 前記軸部の一方の端部が、有底円筒状の前記筒体の底面に回転可能に支持されると共に、
 前記軸体が前記筒体の開放端部に回転可能に支持されることを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載のヒンジ装置。
 前記軸体には、前記当接部として、前記軸線に直交する方向に突出するピンが設けられることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のヒンジ装置。
 前記軸部の軸線方向の途中には、前記流体通路を構成する小径部が形成され、
 前記軸部に対して前記可動カムがスライドすることによって、前記可動カムが前記小径部の前記軸線方向の端部を覆うことを特徴とする請求項1に記載のヒンジ装置。
 前記可動カムに前記カム部が設けられ、
 前記軸体に前記当接部が設けられ、
 前記当接部に当接する前記カム部の傾斜面によって、前記カム部には周方向に位置をずらして凹部と凸部が形成され、
 前記可動カムが前記小径部の前記軸線方向の端部に向かってスライドするとき、前記可動カムは、前記凹部と前記凸部の形状を利用して、前記小径部の端部を除々に塞ぐことを特徴とする請求項8に記載のヒンジ装置。
 前記カム部の展開図の形状が、頂部並びに頂部の両側に第一及び第二の傾斜面を有する山形状に形成され、
 前記当接部が前記頂部に当接するときの前記流体通路の前記流体の抵抗は、前記当接部が前記頂部から離間した所定位置から前記第一の傾斜面の底部にあるときの前記流体通路の流体抵抗よりも小さいか、又は、前記当接部が前記頂部から離間した所定位置から前記第二の傾斜面の底部にあるときの前記流体通路の流体抵抗よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のヒンジ装置。
 前記カム部の展開図の形状が、頂部並びに頂部の両側に第一及び第二の傾斜面を有する山形状に形成され、
 前記当接部が前記頂部に当接するときの前記流体通路の前記流体の抵抗は、前記当接部が前記頂部から離間した所定位置から前記第一の傾斜面の底部にあるときの前記流体通路の流体抵抗よりも小さく、かつ、前記当接部が前記頂部から離間した所定位置から前記第二の傾斜面の底部にあるときの前記流体通路の流体抵抗よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のヒンジ装置。
 前記軸部は、前記軸体とは別体であると共に、前記可動カムが前記筒体の前記軸線方向にスライドすることによって発生する、前記第一及び前記第二室に充填された流体の圧力差を利用して、前記軸体に対して相対的にスライドできることを特徴とする請求項1に記載のヒンジ装置。
 前記軸部には、軸線方向に伸び、前記流体通路を構成する流体通路溝が形成され、
 前記軸部が前記軸体に対して相対的にスライドすることによって、前記可動カムが前記流体通路溝の前記軸線方向の端部を覆うことを特徴とする請求項12に記載のヒンジ装置。
 前記軸部の軸線方向の途中には、前記流体通路を構成する小径部が形成され、
 前記軸部に対して前記可動カムがスライドすることによって、前記可動カムが前記小径部の前記軸線方向の端部を覆うことを特徴とする請求項12に記載のヒンジ装置。
 前記軸体には、前記軸部の前記軸線方向の端部が嵌められる穴が開けられ、
 前記軸部の端部には、前記軸部が前記軸体の穴に嵌った状態で前記穴内に前記流体を充填できるように切欠きが形成されることを特徴とする請求項12ないし14のいずれかに記載のヒンジ装置。
 請求項1ないし15のいずれかに記載のヒンジ装置が、第一の筐体と第二の筐体の連結部分に組み込まれてなる携帯機器。

 
Description:
ヒンジ装置及び携帯機器

 本発明は、筒体に収容される軸体が筒体 対して相対的に回転できるヒンジ装置に関 、特に筒体に対する軸体の相対的な回転角 が所定角度以上になったとき、又は所定角 以下になったとき、軸体の回転を制動させ ダンパ機能が付加されたヒンジ装置に関す 。

 携帯電話機、携帯ゲーム機などの携帯機 においては、キーボタンが配列される操作 筐体と、液晶表示装置等の表示装置が配置 れるディスプレイ側筐体とが、ヒンジ装置 介して開閉できるように連結される。

 携帯機器の開閉を容易にするために、携 機器を閉じた状態から僅かに開くとコイル プリングのばね力によって自動的に一気に 開するヒンジ装置が知られている(例えば特 許文献1参照)。図32に示されるように、固定 131内には、可動カム132のカム部132aと回転軸1 33の当接部133aが対面して配置される。可動カ ム132は固定筒131に対して軸線方向にスライド できる。回転軸133は固定筒131に対して回転で きる。コイルスプリング134は可動カム132を回 転軸133の当接部133aに付勢する。可動カム132 付勢力はカム部132a及び当接部133aによって、 回転軸133を回転させる回転力に変換される。

 操作側筐体又はディスプレイ側筐体のい れか一方に、固定筒131が固定される。操作 筐体又はディスプレイ側筐体の残りの一方 、回転軸133が固定される。ディスプレイ側 体を操作側筐体に対して閉じた状態から手 で僅かに開くと、回転軸133と可動カム132と ロックが解除され、ディスプレイ側筐体が 動的に全開まで一気に開く。

 ディスプレイ側筐体が操作側筐体に対し 勢いよく開くと、ディスプレイ側筐体が全 したときに衝撃が生ずる。この衝撃を緩和 るために、ヒンジ装置にはダンパとして機 する作動体135が設けられる。作動体135は、 転軸133が固定筒131に対して所定角度回転し ときに回転軸133と共に回転し、固定筒131に してすべり運動する。このとき作動体135と 定筒131との間に、摩擦力が発生する。この 擦力が回転軸133の回転に抵抗する。

 しかし、摩擦力を利用したのでは、安定 た大きな制動力が得られない。特許文献2に は、ダンパの他の例として、図33に示される うに、粘性流体をダンパとして機能させる ンジ装置が開示されている。このヒンジ装 は、便座を便器に回転可能に連結するのに いられる。開いた状態の便座を閉じようと ると、便座が自重によって回転する。便座 所定角度以上回転し、便器に近づいたとき 便座の回転に制動力が付与される。

 固定筒141内には可動カム142が軸線方向にス イド可能に設けられる。可動カム142の周囲 はOリング143が設けられ、可動カム142は固定 筒141内をピストンのように動く。可動カム142 によって仕切られる固定筒141内の第一及び第 二室S1,S2には、粘性流体が充満される。固定 141の内周面には、軸線方向に伸びるバイパ 溝141aが形成される。回転軸144の回転角度が 所定角度未満のときは、すなわち、可動カム 142の右から左への移動量が少ないときは、可 動カム142のOリング143がバイパス溝上に位置 るので、粘性流体はバイパス溝141aを経由し 第一室S1から第二室S2に流れ込む。このとき 、粘性流体は可動カム142の軸線方向への移動 にあまり抵抗できない。一方、回転軸144の回 転角度が所定角度以上のときは、すなわち可 動カム142のOリング143が左から右へバイパス 141aから外れた位置まで移動するときは、粘 流体はバイパス溝141aを経由することはでき ず、オリフィス145を経由して第一室S1から第 室S2に流入する。よって、粘性流体が可動 ム142の軸線方向への移動に抵抗する。

特開2004-340209号公報(請求項1、図1)

特開平10-331895号公報(請求項1、図6)

 従来のヒンジ装置にあっては、粘性流体 第一室S1から第二室S2へバイパスさせるバイ パス溝141aが固定筒141の内周面に設けられる そして、可動カム142がスライドするときのO ング143の位置によってダンパを効かせたり 効かせなかったりしている。

 しかし、可動カム142のストロークはもと と小さい。特に携帯機器に組み込まれるヒ ジ装置は小型であるので、可動カムのスト ークもより一層小さくなる。可動カムの小 いストロークの中で、ダンパを効かせたり 効かせなかったりするのは困難が伴う。ま 、特許文献2に記載のように、固定筒141にバ イパス溝141aを設けるのは加工がしにくくな だけでなく、固定筒141を筐体に組み込んだ きに、固定筒141が変形してバイパス溝141aが れるおそれもある。

 そこで本発明は、ダンパを効かせたり、 かせなかったりすることが容易なヒンジ装 及びヒンジ装置を組み込んだ携帯機器を提 することを目的とする。

 以下、本発明について説明する。なお、 発明の理解を容易にするために添付図面の 照番号を括弧書きにて付記するが、それに り本発明が図示の形態に限定されるもので ない。

 上記課題を解決するために、請求項1に記 載の発明は、内部に空洞を有する筒体(6,31,51, 76)と、前記筒体(6,31,51,76)内に前記筒体の軸線 方向にスライド可能にかつ回転できないよう に収容され、前記軸線方向に伸びる貫通孔(9b ,34b,54e,78b)を有する可動カム(9,24,34,54,78)と、 記筒体(6,31,51,76)内に前記筒体(6,31,51,76)の軸 の回りを回転可能にかつ前記軸線方向にス イドできないように収容される軸体(7,23,33,52 ,77)と、前記軸体(7,23,33,52,77)の前記軸線の回 の回転と、前記可動カム(9,24,34,54,78)の前記 線方向へのスライドとを連動させることが きるように、前記可動カム(9,24,34,54,78)又は 記軸体(7,23,33,52,77)の一方に設けられるカム (9c,34d,54c,78c)と、前記可動カム(9,24,34,54,78)又 前記軸体(7,23,33,52,77)の他方に設けられ、前 カム部(9c,34d,54c,78c)に当接する当接部(11,33b,6 8,88)と、前記可動カム(9,24,34,54,78)によって仕 られた前記筒体(6,31,51,76)内の第一及び第二 (S1,S2)に充填される流体(20)と、前記可動カ (9,24,34,54,78)の前記貫通孔(9b,34b,54e,78b)を貫通 る軸部(7b,35,53,82,91)と、前記軸部(7b,35,53,82,91 )と前記可動カム(9,24,34,54,78)との間に設けら 、前記第一室(S1)又は前記第二室(S2)の一方に 充填される前記流体(20)を他方に導くと共に 前記軸部(7b,35,53,82,91)に対して前記可動カム( 9,24,34,54,78)が相対的にスライドし、及び/又は 相対的に回転することによって、前記流体(20 )の抵抗が変化する流体通路(P)と、を備える ンジ装置である。

 請求項2に記載の発明は、請求項1に記載 ヒンジ装置において、前記軸体(7,52)と前記 部(7b,53)とが、一体であることを特徴とする

 請求項3に記載の発明は、請求項2に記載 ヒンジ装置において、前記軸体(7,52)の前記 部(7b,53)には、軸線方向に伸び、前記流体通 を構成する流体通路溝(7b1,53b)が形成され、 記軸部(7b,53)に対して前記可動カム(9,54)が相 対的にスライドすると共に、相対的に回転す ることによって、前記可動カム(9,54)が前記流 体通路溝(7b1,53b)の前記軸線方向の端部(21)を うことを特徴とする。

 請求項4に記載の発明は、請求項3に記載 ヒンジ装置において、前記可動カム(9,54)に 記カム部(9c,54c)が設けられ、前記軸体(7,52)に 前記当接部(11,68)が設けられ、前記当接部(11,6 8)に当接する前記カム部(9c,54c)の傾斜面によ て、前記カム部(9c,54c)には周方向に位置をず らして凹部(29a,65)と凸部(29b,66)が形成され、 記軸部(7b,53)に対して前記可動カム(9,54)が相 的に回転して、前記可動カム(9,54)の前記凹 (29a,65)が前記流体通路溝(7b1,53b)の位置にき とき、前記流体通路溝(7b1,53b)の前記軸線方 の端部(21)が露出し、前記軸部(7b,53)に対して 前記可動カム(9,54)が相対的に回転して、前記 可動カム(9,54)の前記凸部(29b,66)が前記流体通 溝(7b1,53b)の位置にきたとき、前記流体通路 (7b1,53b)の前記軸線方向の端部(21)が、前記可 動カム(9,54)の前記凸部(29b,66)によって覆われ ことを特徴とする。

 請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4 いずれかに記載のヒンジ装置において、前 ヒンジ装置はさらに、前記筒体(6,31,51,76)内 収容され、前記可動カム(9,24,34,54,78)を前記 体(7,23,33,52,77)に付勢する付勢手段(8,24,25,32,5 6,79,80)を備えることを特徴とする。

 請求項6に記載の発明は、請求項2ないし4 いずれかに記載のヒンジ装置において、前 軸部(7b,35,53)の一方の端部が、有底円筒状の 前記筒体(6,31,51)の底面に回転可能に支持され ると共に、前記軸体(7,23,33,52)が前記筒体(6,31, 51)の開放端部に回転可能に支持されることを 特徴とする。

 請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6 いずれかに記載のヒンジ装置において、前 軸体(7)には、前記当接部として、前記軸線 直交する方向に突出するピン(11)が設けられ ることを特徴とする。

 請求項8に記載の発明は、請求項1に記載 ヒンジ装置において、前記軸部(35)の軸線方 の途中には、前記流体通路(P)を構成する小 部(35a)が形成され、前記軸部(35)に対して前 可動カム(34)がスライドすることによって、 前記可動カム(34)が前記小径部(35a)の前記軸線 方向の端部(49)を覆うことを特徴とする。

 請求項9に記載の発明は、請求項8に記載 ヒンジ装置において、前記可動カム(34)に前 カム部(34d)が設けられ、前記軸体(33)に前記 接部(33b)が設けられ、前記当接部(33b)に当接 する前記カム部(34d)の傾斜面によって、前記 ム部(34d)には周方向に位置をずらして凹部(3 8)と凸部(37)が形成され、前記可動カム(34)が 記小径部(35a)の前記軸線方向の端部(49)に向 ってスライドするとき、前記可動カム(34)は 前記凹部(38)と前記凸部(37)の形状を利用し 、前記小径部(35a)の端部を除々に塞ぐことを 特徴とする。

 請求項10に記載の発明は、請求項1に記載 ヒンジ装置において、前記カム部(54c)の展 図の形状が、頂部(61)並びに頂部(61)の両側に 第一及び第二の傾斜面(63,64)を有する山形状 形成され、前記当接部(68)が前記頂部(61)に当 接するときの前記流体通路(P)の前記流体の抵 抗は、前記当接部(68)が前記頂部(61)から離間 た所定位置から前記第一の傾斜面(63)の底部 にあるときの前記流体通路(P)の流体抵抗より も小さいか、又は、前記当接部(68)が前記頂 (61)から離間した所定位置から前記第二の傾 面(64)の底部にあるときの前記流体通路(P)の 流体抵抗よりも小さいことを特徴とする。

 請求項11に記載の発明は、請求項1に記載 ヒンジ装置において、前記カム部(54c)の展 図の形状が、頂部(61)並びに頂部(61)の両側に 第一及び第二の傾斜面(63,64)を有する山形状 形成され、前記当接部(68)が前記頂部(61)に当 接するときの前記流体通路(P)の前記流体の抵 抗は、前記当接部(68)が前記頂部(61)から離間 た所定位置から前記第一の傾斜面(63)の底部 にあるときの前記流体通路(P)の流体抵抗より も小さく、かつ、前記当接部(68)が前記頂部(6 1)から離間した所定位置から前記第二の傾斜 (64)の底部にあるときの前記流体通路(P)の流 体抵抗よりも小さいことを特徴とする。

  請求項12に記載の発明は、請求項1に記 のヒンジ装置において、前記軸部(82,91)は、 記軸体(77)とは別体であると共に、前記可動 カム(78)が前記筒体(76)の前記軸線方向にスラ ドすることによって発生する、前記第一及 前記第二室(S1,S2)に充填された流体の圧力差 を利用して、前記軸体(77)に対して相対的に ライドできることを特徴とする。

請求項13に記載の発明は、請求項12に記載 ヒンジ装置において、前記軸部(82)には、軸 方向に伸び、前記流体通路を構成する流体 路溝(82b)が形成され、前記軸部(82)が前記軸 (77)に対して相対的にスライドすることによ って、前記可動カム(78)が前記流体通路溝(82b) の前記軸線方向の端部(82b1)を覆うことを特徴 とする。

請求項14に記載の発明は、請求項12に記載 ヒンジ装置において、前記軸部(91)の軸線方 の途中には、前記流体通路を構成する小径 (91a)が形成され、前記軸部(91)に対して前記 動カム(78)がスライドすることによって、前 記可動カム(78)が前記小径部(91a)の前記軸線方 向の端部を覆うことを特徴とする。

請求項15に記載の発明は、請求項12ないし14 のいずれかに記載のヒンジ装置において、前 記軸体(77)には、前記軸部(82)の前記軸線方向 端部(82d)が嵌められる穴(77c)が開けられ、前 記軸部(82)の端部(82d)には、前記軸部(82)が前 軸体(77)の穴(77c)に嵌った状態で前記穴(77c)内 に前記流体を充填できるように切欠き(82c)が 成されることを特徴とする。

 請求項16に記載の発明は、請求項1ないし1 5のいずれかに記載のヒンジ装置が、第一の 体(1)と第二の筐体(2)の連結部分に組み込ま てなる携帯機器である。

 請求項1に記載の発明によれば、第一室又 は第二室の一方から他方へ流体を導く流体通 路が、軸部と可動カムとの間に設けられる。 軸部に対する可動カムの相対的な回転運動及 び/又はスライド運動、並びに起伏に富んだ ム形状が形成される可動カムを利用して、 体通路の流体の抵抗を変化させので、ダン を効かせたり、効かせなかったりするのが 易になる。また、軸部と可動カムとの間に 体通路を形成することで、ヒンジ装置を筐 に取り付けるときに筒体が変形したとして 、流体通路が潰れることがない。

 請求項2に記載の発明によれば、軸体と共 に軸部を回転させることができる。

 請求項3に記載の発明によれば、可動カム が軸部の流体通路溝の端部を覆う面積が変化 するので、流体通路の流体の抵抗を変化させ ることができる。

 請求項4に記載の発明によれば、起伏に富 んだカム部の形状を利用して、可動カムが軸 部の流体通路溝の端部を覆う面積を変化させ ることができる。

 請求項5に記載の発明によれば、可動カム のカム部を軸体の当接部に付勢することがで きる。

 請求項6に記載の発明によれば、軸体を安 定して回転させることができる。

 請求項7に記載の発明によれば、可動カム を貫通する軸体の軸部に当接部を設けること ができる。

 請求項8に記載の発明によれば、軸部に流 体通路としての小径部を加工することで、軸 部の加工が容易になる。

 請求項9に記載の発明によれば、起伏に富 んだ可動カムのカム部の凹部及び凸部の形状 を利用して、徐々に軸部の小径部の端部を塞 ぐことができる。このため、軸部に対する可 動カムのスライド運動だけでも、ダンパの調 整が容易になる。

 請求項10に記載の発明によれば、付勢手 の付勢力によって、当接部がカム部の頂部 通過したときに、流体通路の流路が狭まっ 大きなダンパ力を発生させることができる

 請求項11に記載の発明によれば、当接部 頂部から第一の傾斜面側に移動するときに 、第二の傾斜面側に移動するときにも、ダ パ力を発生させることができる。

 請求項12に記載の発明によれば、軸体が 体に対して時計回りに回転する場合と反時 回りに回転する場合とで、ダンパを効かせ タイミングを変えることができる。

 請求項13に記載の発明によれば、可動カ が軸部の流体通路溝の端部を覆う面積が変 するので、流体通路の流体抵抗を変化させ ことができる。

 請求項14に記載の発明によれば、可動カ が軸部の流体通路溝の端部を覆う面積が変 するので、流体通路の流体抵抗を変化させ ことができる。

 請求項15に記載の発明によれば、軸体か 軸部が離間するとき、軸体の穴内が真空状 になるのを防止することができる。

 請求項16に記載の発明によれば、携帯機 が開閉するとき、ダンパを効かせたり、効 せなかったりすることができる。

本発明の第一の実施形態のヒンジ装置 組み込まれる携帯電話機を示す斜視図 上記携帯電話機の分解斜視図 本発明の第一の実施形態のヒンジ装置 斜視図 ヒンジ装置の外観図(図中(a)は平面図、 (b)は正面図、(c)は底面図、(d)は側面図をそれ ぞれ示す) ヒンジ装置の断面図 ヒンジ装置の分解斜視図 携帯電話機の開き角度と、キャッチの 線方向の位置、軸体の回転角度との関係を す図 携帯電話機の開き角度と、第一及び第 室の体積との関係を示す断面図 本発明の第二の実施形態のヒンジ装置 断面図 上記ヒンジ装置の分解斜視図 本発明の第三の実施形態のヒンジ装置 の斜視図 ヒンジ装置の断面図 ヒンジ装置の分解斜視図 携帯電話機の開き角度と、キャッチの 軸線方向の位置、軸体の回転角度との関係を 示す図 携帯電話機の開き角度と、第一及び第 二室の体積との関係を示す断面図 本発明の第四の実施形態のヒンジ装置 の外観図(図中(a)は平面図、(b)は正面図、(c) 側面図をそれぞれ示す) ヒンジ装置の断面図 ヒンジ装置の分解斜視図 キャッチのカム線図 携帯電話機の開き角度と、キャッチの 軸線方向の位置、軸体の回転角度との関係を 示す図 携帯電話機の開き角度と、第一及び第 二室の体積との関係を示す断面図 本発明の第五の実施形態のヒンジ装置 の外観図 ヒンジ装置の分解斜視図 ヒンジ装置の断面図(図中(a)はキャッ が上昇する状態を示し、(b)はキャッチが下 する状態を示す) 軸体の詳細図(図中(a)は平面図を示し (b)は側面図を示し、(c)は(b)のA-A線断面図を し、(d)は底面図を示す) 軸部の詳細図(図中(a)は平面図を示し (b)は側面図を示し、(c)は正面図を示し、(d) 底面図を示す) 軸体に軸部を嵌めた状態を示す図(図 (a)は側面図を示し、(b)は(a)のB―B線断面図を 示し、(c)は分解斜視図を示す) 携帯電話機の開き角度と、キャッチ、 軸体及び軸部の動きとの関係を示す図 携帯電話機を開くときと閉じるときと でダンパが作動するタイミングが異なること を示す図 本発明の第六の実施形態のヒンジ装置 を示す分解斜視図 ヒンジ装置の断面図 従来のヒンジ装置の断面図 従来のヒンジ装置の断面図

符号の説明

1…操作側筐体(第一の筐体)
2…ディスプレイ側筐体(第二の筐体)
4…ヒンジ装置
6,31,51,76…筒体
7,23,33,52,77…軸体
7b,35,53,82,91…軸部
7b1,53b,82b…流体通路溝
7e…ピン貫通孔
8,32,56,79,80…コイルスプリング(付勢手段)
9,24,34,54,78…キャッチ(可動カム)
35a,91a…小径部
9b,34b,54e,78b…貫通孔
9c,34d,54c,78c…カム部
11…ピン(当接部)
20…粘性流体(流体)
21,82b1…流体通路溝の下端部(流体通路溝の軸 方向の端部)
29a,38,65…凹部
29b,37,66…凸部
33b…カム部(当接部)
49…小径部の下端部
61…頂部
63…第一の傾斜面
64…第二の傾斜面
68,88…当接部
P…流体通路
S1…第一室
S2…第二室

 以下添付図面に基づいて、本発明の第一 実施形態におけるヒンジ装置を説明する。 1はヒンジ装置が組み込まれる携帯電話機を 示す。携帯電話機は、キーボタンが配列され る操作側筐体1と、液晶表示装置等の表示装 3が配置されるディスプレイ側筐体2と、を備 える。操作側筐体1には、小型のマイクロフ ン及び各種キーボタンが設けられる。ディ プレイ側筐体2には、小型のスピーカ及び液 表示装置3が設けられる。

 操作側筐体1の端部には、二つの連結筒部 1aが設けられる。この二つの連結筒部1aは、 作側筐体1の左右方向の両端部に配置される 操作側筐体1は、キーボタンが配列される表 面側の分割筐体1bと、裏面側の分割筐体1cと 二分割される。ディスプレイ側筐体2の端部 は、操作側筐体1の二つの連結筒部1a間に挟 れる一つの連結筒部2aが設けられる。操作 筐体1の連結筒部1aの中心線とディスプレイ 筐体2の連結筒部2aの中心線とは、互いに一 する。

 図2は携帯電話機の分解斜視図を示す。デ ィスプレイ側筐体2及び操作側筐体1は、ヒン 装置4を介して、中心線Lの周りを回転でき ように連結される。ディスプレイ側筐体2の 結筒部2aには、軸線方向の両端部からヒン 装置4及びダミーヒンジ5が挿入される。ヒン ジ装置4の筒体6の外面には、平坦面6aが設け れる。連結筒部2aにも、筒体6の平坦面6aに対 応する平坦面が設けられる。ヒンジ装置4を 結筒部2aに挿入したとき、筒体6が連結筒部2a に対して回転できないように、筒体6の平坦 6aと連結筒部2aの平坦面が接触する。ダミー ンジ5は筒形状である。

 連結筒部2aから突出したヒンジ装置4の一 とダミーヒンジ5の一部は、表側の分割筐体 1bと裏側の分割筐体1cとの間に挟まれる。ヒ ジ装置4の軸体7には、平坦面7aが設けられる 表側の分割筐体1bには、軸体7の平坦面7aに 応させた平坦面が設けられる。ヒンジ装置4 軸体7を表側の分割筐体1bと裏側の分割筐体1 cとで挟んだとき、軸体7の平坦面7aに表側の 割筐体1bの平坦面が接触する。このため、操 作側筐体は軸体7に対して回転できなくなる ヒンジ装置4の軸体7が筒体6に対して相対的 回転するから、結局ディスプレイ側筐体2が 作側筐体1に対して相対的に回転する。

 図3はヒンジ装置4の斜視図を示し、図4は なる四つの方向からみたヒンジ装置4を示す 。いずれの図においても、筒状のヒンジ装置 4の軸線を鉛直方向に向けている。ヒンジ装 4は、有底円筒形状の筒体6と、筒体6の内部 収容される軸体7と、を備える。筒体6の側面 には、互いに平行な一対の平坦面6aが設けら る。この平坦面6aは、筒体6の上端から下端 向かって途中まで伸びる。筒体6の底部6b(図 3では上部)には、直径を狭めた頭部6cが設け れる。筒体6は薄板状の金属をプレス加工す ことで製造される。

 軸体7の下端部は、筒体6の下端から突出 る。軸体7の、筒体6の下端から突出する部分 には、互いに平行な一対の平坦面7aが設けら る。

 図5はヒンジ装置4の断面図を示し、図6は 解斜視図を示す。筒体6には、付勢手段であ るコイルスプリング8、可動カムであるキャ チ9、軸体7が順次収容される。

 コイルスプリング8は、筒体6の底部6bとキ ャッチ9との間に介在され、キャッチ9を軸体7 に付勢する。

 図6に示されるように、キャッチ9の側面 は、筒体6の平坦面に対応させた平行な一対 平坦面9aが設けられる。キャッチ9の平坦面9 aと筒体6の内面とは平面接触する。このため キャッチ9は筒体6に対して筒体6の軸線方向 スライドでき、かつ筒体6の軸線の回りを回 転できない。キャッチ9には軸線方向に伸び 貫通孔9bが開けられる。この貫通孔9bを軸体7 の軸部7bが貫通する。キャッチ9の下端には、 えぐれた傾斜面9dを有するカム部9cが設けら る。カム部には、傾斜面9dによって周方向に 位置をずらして凹部29aと凸部29bが形成される 。カム部9cは軸線を中心にした点対称に形成 れる。

 軸体7は、筒体6の軸線方向に伸びる軸部7b と、キャッチ9のカム部9cに対向するカム部7c 、カム部7cから下方に伸びる連結軸部7dと、 から構成される。軸部7bは、キャッチ9の貫通 孔9bを貫通する。軸部7bには、その上端から 方に向かって軸部7bの途中まで伸びる流体通 路溝7b1が加工される。カム部7cはキャッチ9の カム部9cに対応させている。このカム部7cも 線を中心にした点対象に形成される。軸部7b の根元には、軸線と直交する方向に伸びるピ ン貫通孔7eが開けられる。この貫通孔7eに当 部であるピン11が挿入される。ピン11はキャ チ9のカム部9cに当接する。キャッチ9のカム 部9cと軸体7のピン11とが、軸体7の回転運動と キャッチ9のスライド運動を連動させる。連 軸部7dには、上述の平坦面7aが加工される。

 なお、カム部7cを軸部7b及び連結軸部7dか 分離してもよい。この場合、一体に形成さ た軸部7b及び連結軸部7dが、貫通孔が形成さ れたカム部7cに挿入される。カム部7c及び連 軸部7dの部分が軸体7に相当し、カム部7cより も筒体6の底部6bに向かって突出している部分 が軸部7bに相当する。

 軸体7を筒体6内に挿入する際、軸体7の軸 7bをキャッチ9の貫通孔9bに通し、軸部7bをコ イルスプリング8の内側に通す。そして、軸 7bの先端を筒体6の頭部6cに嵌める。軸体7を 体6に挿入した後、軸体7の外周にOリング12、 軸受13、ワッシャ14を順次嵌める。図5に示さ るように、Oリング12は軸体7のカム部7cより 下方の段差を付けた部分の外周に嵌められ 筒体6内に充填される粘性流体20が漏れるの 防止する。軸受13には、連結軸部7dの断面形 状に合わせた開口が開けられる。軸受13及び ッシャ14は、連結軸部7dの外周に嵌められる 。ワッシャ14を軸体7に嵌めた後、筒体6の開 端部がワッシャ14を押さえるように内側に折 り曲げられる。

 軸体7は、筒体6の軸線の回りを回転でき かつ軸線方向にスライドできない。軸体7の 部7bの先端部は、筒体6の頭部6cに回転可能 支持される。軸体7の下部は軸体7と一体に回 転する軸受13と共に、筒体6の開放端部に設け たワッシャ14に回転可能に支持される。軸体7 の回転は筒体6の上下の二箇所で支持される で、軸体7にラジアル方向の荷重がかかった きも軸体7が安定して回転する。軸受13は、 体7が上下に振れるのを防止する。

 キャッチ9によって、筒体6の内部空間は 線方向に第一室S1と第二室S2とに区画される( 図7及び図8参照)。第一室S1及び第二室S2それ れには、粘性流体20が充填される。

 図7は、携帯電話機の開き角度と、キャッ チ9の軸線方向の位置、軸体7の回転角度との 係を示す図である。図中上段が携帯電話機 開き角度を示し、中段がキャッチ9と軸体7 位置関係を示し、下段が流体通路溝7b1の詳 図を示す。

 図中(a)に示されるように、携帯電話機を じた状態では、軸体7のピン11は、キャッチ9 の昇り傾斜面16に当接したままロックされる この状態から、手動によってディスプレイ 筐体2をわずかに(例えば20度)回転させると 軸体7のピン11は、キャッチ9の昇り傾斜面16 最上部17に乗り上げる。このとき、キャッチ 9は、コイルスプリング8のばね力に抗して図 上方向にわずかに移動している(図中(b))。 体7のピン11が傾斜面の最上部17を通りすぎる と、ロックが解除されてピン11は下り傾斜面1 8に移動する。こうなると、コイルスプリン 8が、ばね力によってキャッチ9を図中下方へ スライドさせる。キャッチ9の下方向へのス イドによって、ピン11が下り傾斜面18を転が 、軸体7が自動的に回転する。すなわち、図 中(b)に示される変換点をすぎると、図中(c)~(e )に示されるように、携帯電話機は自動的に 開まで開く。携帯電話機が全開まで開いた き、キャッチ9は最も下方に移動し、ピン11 下り傾斜面18の最もえぐれた底部19へ移動す 。

 軸部7bの流体通路溝7b1とキャッチ9の内周 との間には、第一室S1又は第二室S2の一方か ら他方へ粘性流体を導く流体通路Pが設けら る(図8参照)。キャッチ9の下方向へのスライ 運動と軸体7の回転運動によって、流体通路 Pは、粘性流体を導くときの流体の抵抗を変 させる。すなわち、流体通路Pを構成する流 通路溝7b1は、開き角度が0度~90度の間、第一 室S1にも第二室S2にも露出する。そして、流 通路Pは、第一室S1と第二室S2とを繋ぐ。その 一方、開き角度が90度を超えると、流体通路 7b1の軸線方向の下端部21がキャッチ9の傾斜 18の最もえぐれた底部19を通過して、キャッ チ9に覆われ始める。流体通路溝7b1の下端部21 がキャッチ9で覆われる面積は、徐々に大き なるように変化していき、開き角度が120度 ときに流体通路溝7b1の下端部21の全体がキャ ッチ9で塞がれる。言い換えれば、流体通路 7b1の下端部21が第二室S2内で露出する面積は 徐々に小さくなるように変化していき、開 角度が120度のときに流体通路溝7b1の下端部2 1が第二室S2内で露出しなくなる。こうなると 、流体通路Pは第一室S1と第二室S2とを繋ぐこ ができなくなる。

 上述したように、流体通路Pは、開き角度 が0度~90度の間、第一室S1と第二室S2とを繋ぐ 流体通路Pが第一室S1と第二室S2を繋げてい 間は、キャッチ9が上方向又は下方向にスラ ドし、第一室S1と第二室S2の体積が変化した としても、粘性流体20は流体通路Pを経由して 、第一室S1から第二室S2へ又は第二室S2から第 一室S1へとスムーズに移動する。よって、開 角度が0度~90度の間、ダンパはあまり効いて いない。キャッチ9は下方向へ素早くスライ し、軸体7は素早く回転する。

 開き角度が90度を超えると、流体通路溝7b 1の下端部21が第二室S2内で露出する面積が徐 に小さくなる。このため、流体通路Pの流体 の抵抗も徐々に大きくなる。こうなると、キ ャッチ9が下方向へスライドしたとき、ダン が作用して、粘性流体20が第二室S2から第一 S1へと移動し難くなる。ダンパ力は開き角 が120度になるまで徐々に大きくなる。開き 度が90度~120度の間、ダンパが徐々に作用す ので、キャッチ9の下方向へのスライドは徐 に減速し、軸体7の回転も徐々に減速する。

 開き角度が120度を超えると、流体通路Pが 第一室S1と第二室S2とを繋ぐことができなく る。このため、キャッチ9が下方向へスライ したとき、最も大きなダンパ力が発生する ダンパは開き角度が全開の170度になるまで 用する。このとき、粘性流体20は、軸体7と ャッチ9との間の僅かなすきまや、キャッチ 9と筒体6との間の僅かなすきまを経由して第 室S2から第一室S1へ移動する。開き角度が120 度~170度の間、最も大きなダンパ力が作用し いるので、キャッチ9は下方向へゆっくりと ライドし、軸体7もゆっくり回転する。

 開いた状態の携帯電話機を閉じるときは 上述の動作と逆の動作になる。すなわち、 ず、手動でコイルスプリング8のばね力に抗 して170度から20度まで閉じる。20度以下にす と、昇り傾斜面16及びコイルスプリング8の ね力によって、携帯電話機が自動的に閉じ 。ダンパは170度から120度の間効いていて、12 0度未満のときは効いていない。全開の170度 ときにもダンパが効いているので、全開の 態を保ち易い。

 図8は、携帯電話機の開き角度によって、 第一及び第二室S1,S2の体積がどのように変化 るかを示す。(a)~(e)の全ての図において、軸 体7を流体通路溝7b1のあるところで断面にし いる。開き角度が0度~20度になるのに伴って 第一室S1の体積が減り、第二室S2の体積が増 える。そして、開き角度が20度~90度に大きく るのに伴って、第二室S2の体積が減り、第 室S1の体積が増える。流体通路Pは、開き角 が0度~90度の間は第一室S1と第二室S2を繋いで いる。開き角度が90度~120度になると、流体通 路溝7b1の下端部21がキャッチ9によって徐々に 覆われ、流体通路Pの流体の抵抗も徐々に大 くなる。開き角度が120度~170度になると、流 通路溝7b1の下端部21がキャッチ9によって完 に覆われ、流体通路Pが第一室S1と第二室S2 を繋げられなくなる。

 本実施形態によれば、第一室S1又は第二 S2の一方から他方へ流体を導く流体通路Pが ャッチ9と軸部7bの流体通路溝7b1との間に設 られる。軸部7bの回転運動とキャッチ9のス イド運動を併用し、また起伏に富んだキャ チのカム形状を利用して、流体通路の流体 抵抗を変化させることができるので、ダン を効かせたり、効かせなかったりするのが 易になる。

 なお、特許文献2に記載のように、筒体に バイパス溝を設けると、筒体に外力が作用し て変形した場合、バイパス溝もふさがってそ の機能を果たさなくなるおそれがある。本実 施形態によれば、軸体7に流体通路溝7b1を設 ているので、筒体6が変形しても、流体通路P が機能を果たさなくなる危険性が低い。また 、特許文献2に記載のように、筒体の内周面 バイパス溝を形成すると、筒体の加工がし くなる。本実施形態では、図7に示されるよ にキャッチ9が下方向へ移動する途中でダン パを作用させているので、仮に筒体6にバイ ス溝を形成しようとすると、バイパス溝を 体6の奥側に設けなければならず、よりバイ ス溝の加工が困難になる。本実施形態によ ば、軸体7の外周面に流体通路溝7b1を形成す るので、加工がし易くなる。

 図9及び図10は、本発明の第二の実施形態 ヒンジ装置を示す。この実施形態では、キ ッチ24を軸体23に付勢するコイルスプリング 8が設けられていない点が第一の実施形態の ンジ装置と相違する。コイルスプリング8の わりに軸体にもう一本のピン25が設けられ 。キャッチ24の上面及び下面には、第一カム 部24a及び第二カム部24bが設けられる。第一カ ム部24aの傾斜面は第二カム部24bの傾斜面と同 じ形状であり、これらの傾斜面間の距離は一 定である。軸体23には、上下に一対の貫通孔2 3a,23bが開けられ、一対の貫通孔23a,23bそれぞ に第一及び第二のピン26,25が挿入される。第 一及び第二のピン26,25は、キャッチ24を上下 向に挟む。筒体6に対して軸体23を回転させ と、キャッチ24が上下方向にスライドする。 キャッチ24の上下方向へのスライドが第一及 第二のピン26,25によって規制されているの 、コイルスプリング8がキャッチを軸体に付 しているときと同様にキャッチ24が動く。O ング12、軸受13、ワッシャ14の構成は第一の 施形態のヒンジ装置と同一なので、同一の 号を附してその説明を省略する。

 このようにコイルスプリング8の替わりに 、第一及び第二のピン26,25でキャッチ24を挟 でもよい。ただし、コイルスプリング8がな と、自動的に開くことができなくなる。よ て、この実施形態のヒンジ装置は携帯機器 いうよりもむしろ、便座の自重によって回 する力が作用する便座と便蓋の連結部分に いられる。

 図11は、本発明の第三の実施形態のヒン 装置の斜視図を示す。この実施形態のヒン 装置は、第一の実施形態のヒンジ装置と同 に、携帯電話機の操作側筐体1の連結筒部1a ディスプレイ側筐体2の連結筒部2aとの間に み込まれる。ヒンジ装置の筒体31の外面には 、ディスプレイ側筐体2の連結筒部2aに対して 、筒体31が中心線の回りを回転しないように 坦面31aが設けられる。

 図12は、ヒンジ装置の断面図を示し、図13 は、ヒンジ装置の分解斜視図を示す。有底円 筒状の筒体31内には、付勢手段であるコイル プリング32、可動カムであるキャッチ34が収 容される。コイルスプリング32は、筒体31の 部31bとキャッチ34との間に介在され、キャッ チ34を軸体33に付勢する。この実施形態の軸 33は軸部35から分離している。

 図13は、ヒンジ装置の分解斜視図を示す キャッチ34の側面には、筒体31の平坦面に対 させた平行な一対の平坦面34aが設けられる キャッチ34の平坦面34aと筒体31の内面とは平 面接触するので、キャッチ34は筒体31に対し 筒体31の軸線方向にスライドでき、かつ筒体 31の軸線の回りを回転できない。キャッチ34 、筒体31内の空間を第一室S1と第二室S2とに 切る。キャッチ34には軸線方向に伸びる貫通 孔34bが開けられる。キャッチ34の下端には、 ム部34dである一対の傾斜面が形成される。 のカム部34dはキャッチ34の軸線を中心にし 点対象に形成される。カム部34dには、周方 に凹部38と凸部37とが交互に二個ずつ形成さ る。

 軸部35は、キャッチ34の貫通孔34bを貫通す る。軸部35は、その長さ方向の途中に全周が り欠かれる小径部35aを有する。すなわち、 部35は、両端の大径部35bと、大径部35bの間 設けられる小径部35aと、から構成される。 の小径部35aの外周とキャッチ34の内周との間 に、第一室S1と第二室S2を繋げる流体通路P(図 12参照)が構成される。携帯電話機用のヒンジ 装置はもともと小さいものである。軸部35に って溝を加工するのは困難な場合もある。 のため、この実施形態のヒンジ装置におい は、加工を容易にするために軸部35の全周 小径部35aを加工する。図12に示されるように 、軸部35の大径部35bは筒体31の頭部31cに嵌め れ、軸部35の下端部は軸体33の挿入穴33a内に められる。

 軸体33は、キャッチ34のカム部34dに対向す るカム部33bと、カム部33bから下方に伸びる連 結軸部33cと、から構成される。この実施形態 の軸体33は、軸部35から分離している。軸体33 には、軸部35が挿入される挿入穴33aが開けら る。挿入穴33aには底があり、この底に軸部3 5の軸線方向の端面が接触する。軸体33は、筒 体31内に回転でき、かつスライドできないよ に収容される。軸体33のカム部33bは、キャ チ34のカム部34dに対応した形状をしていて、 軸体33の軸線を中心にした点対称に形成され 。当接部である軸体33のカム部33bが、キャ チ34のカム部34dに当接する。キャッチ34のカ 部34dと軸体33のカム部33bとが、キャッチ34の スライド運動と軸体33の回転運動を連動させ 。軸体33の連結軸部33cには、軸体33の回転を 操作側筐体1に伝動するための平坦面33dが形 される。

 図13に示されるように、軸体33の外周には 、Oリング40が嵌められる。Oリング40は、筒体 31内に充填される粘性流体が外部に漏れるの 防止する。軸体33には、軸体33と一緒に回転 する軸受41及びワッシャ42が嵌められる。筒 31の開放端部を内側に折り曲げることで、ワ ッシャ42が筒体31に固定される(図12参照)。軸 33及び軸受41は、ワッシャ42にすべりながら 転する。

 図14は、携帯電話機の開き角度と、キャ チ34のスライド運動及び軸体33の回転運動と 関係を示す。図中の上段が携帯電話機の開 角度を示し、中段がキャッチ34と軸体33の位 置関係を示し、下段が軸部35の小径部35aの詳 図を示す。

 図中(a)に示されるように、携帯電話機を じた状態では、当接部である軸体33のカム 33bがキャッチ34の昇り傾斜面43に当接したま ロックされる。この状態から手動によって ィスプレイ側筐体2をわずかに(例えば20度) 転させると、軸体33のカム部33bがキャッチ34 昇り傾斜面43の最上部44に乗り上げる。この とき、キャッチ34はコイルスプリング32のば 力に抗して図中上方向にわずかに上昇する( 中(b))。軸体33のカム部33bが傾斜面43の最上 44を通りすぎると、ロックが解除されてカム 部33bは下り傾斜面45に移動する。こうなると コイルスプリング32のばね力によってキャ チ34が図中下方へスライドする。キャッチ34 下方向へのスライドによって、カム部33bが り傾斜面45をスライドし、軸体33が自動的に 回転する。すなわち、図中(b)に示される変換 点をすぎると、図中(c)~(e)に示されるように 携帯電話機は自動的に全開まで開く。携帯 話機が全開まで開いたとき、キャッチ34は最 も下方にスライドし、カム部33bは下り傾斜面 45の底部45aへ移動する。

 軸部35の小径部35aの外周面とキャッチ34の 貫通孔34bの内周面との間に、第一室S1から第 室S2へ、又は第二室S2から第一室S1へ粘性流 を導く流体通路Pが形成される。流体通路P 、軸部35に対するキャッチ34のスライド運動 よって、流体の抵抗を変化させる。キャッ 34が軸部35に対して上下動している間、軸部 35の小径部35aの上端部46は常に露出していて キャッチ34によって覆われることはない。一 方、軸部35の小径部35aの下端部49は、キャッ 34によって覆われたり、覆われなかったりす る。

 具体的には、開き角度が0度~90度未満のと き、小径部35aの下端部49がキャッチ34によっ 覆われなくなる。キャッチ34のカム部34dに凹 部38が形成されているからである。このとき 流体通路Pは第一室S1と第二室S2とを繋いで る。開き角度が90度を超えると、キャッチ34 下方向にスライドするので、キャッチ34が 部35の小径部35aの下端部49を覆い始める。開 角度が120度を超えるとき、キャッチ34が小 部35aの下端部49を完全に覆う。小径部45aの下 端部49がキャッチ34によって覆われると、流 通路Pが第一室S1と第二室S2とを繋ぐことがで きなくなる。

 開き角度が0度~90度の間、流体通路Pは、 一室S1と第二室S2とを繋ぐ。流体通路Pが第一 室S1と第二室S2を繋げている間は、キャッチ34 が上方向又は下方向にスライドし、第一室S1 第二室S2の体積が変化したとしても、粘性 体20は流体通路Pを経由して、第一室S1から第 二室S2へ又は第二室S2から第一室S1へとスムー ズに移動する。このため、開き角度が0度~90 の間、ダンパはあまり効いていない。この め、キャッチ34は下方向へ素早くスライドし 、軸体33は素早く回転する。

 開き角度が90度を超えると、小径部35aが 二室S2内で露出する面積が徐々に小さくなる 。このため、流体通路Pの流体の抵抗も徐々 大きくなる。こうなると、キャッチ34が下方 向へスライドしたとき、ダンパ力が発生して 、粘性流体20が第二室S2から第一室S1へと移動 し難くなる。ダンパ力は開き角度が120度にな るまで徐々に大きくなる。開き角度が90度~120 度の間、ダンパ力が徐々に大きくなるので、 キャッチ34の下方向へのスライドは徐々に減 し、軸体33の回転も徐々に減速する。

 開き角度が120度を超えると、流体通路Pは 第一室S1と第二室S2とを繋ぐことができなく る。このため、キャッチ34が下方向へスライ ドしたとき、最も大きなダンパ力が発生する 。ダンパは開き角度が全開の170度になるまで 作用する。このとき、粘性流体20は軸体33と ャッチ34との間の僅かなすきまや、キャッチ 34と筒体31との間の僅かなすきまを経由して 二室S2から第一室S1へ移動する。開き角度が1 20度~170度の間、最も大きなダンパ力が作用し ているので、キャッチ34は下方向へゆっくり スライドし、軸体33もゆっくり回転する。

 図15は、携帯電話機の開き角度によって 第一及び第二室S1,S2の体積がどのように変化 するかを示す。開き角度が0度~20度になるの 伴って、第一室S1の体積が減り、第二室S2の 積が増える。そして、開き角度が20度~90度 大きくなるのに伴って、第一室S1の体積が増 え、第二室S2の体積が減る。流体通路Pは、開 き角度が0度~90度の間は、第一室S1と第二室S2 繋いでいる。開き角度が90度~120度になると 小径部35aの下端部49がキャッチ34によって徐 々に覆われ、流体通路Pの流体の抵抗も徐々 大きくなる。開き角度が120度~170度になると 小径部35aの下端部49がキャッチ34によって完 全に覆われ、流体通路Pが第一室S1と第二室S2 を繋げられなくなる。

 本実施形態によれば、第一室S1又は第二 S2の一方から他方へ流体を導く流体通路Pが ャッチ34と軸部35の小径部35aとの間に設けら る。キャッチ34のスライド運動並びにキャ チ34の起伏に富んだカム形状を利用して、流 体通路Pの流体の抵抗を変化させることがで るので、ダンパを効かせたり、効かせなか たりするのが容易になる。

 図16及び図17は、本発明の第四の実施形態 のヒンジ装置を示す。図16はヒンジ装置の外 図を示し、図17はヒンジ装置の断面図を示 。この実施形態のヒンジ装置は、第一の実 形態のヒンジ装置と同様に、内部に空洞を する筒体51と、筒体51内に回転のみできるよ に収容される軸体52と、筒体51の空洞内に収 容され、軸体52の軸部53が貫通する貫通孔54e 有する可動カムであるキャッチ54と、キャッ チ54を軸体52のカム部52bに付勢する付勢手段 あるコイルスプリング56と、を備える。この 実施形態のヒンジ装置は、携帯電話機のディ スプレイ側筐体2を操作側筐体1に対して開く きだけでなく、ディスプレイ側筐体2と操作 側筐体1とを閉じるときにもダンパ力を発生 せる。

 図16に示されるように、筒体51には、携帯 電話機の連結筒部の形状に合せて周方向に複 数の平坦面51a,51bが形成される。軸体52の連結 軸部52aにも、携帯電話機の連結筒部の形状に 合せた平坦面が形成される。

 図18はヒンジ装置の分解斜視図を示す。 ャッチ54の側面には、筒体51の平坦面51a,51bに 対応させた複数の平坦面54a,54bが形成される キャッチ54の下端には、カム部54cが設けられ る。カム部54cの展開図は、図19に示されるよ に、0度~180度の区間において、頂部61並びに 頂部61の両側の第一及び第二の傾斜面63,64を する山形状に形成される。180度~360度の区間 おいても同様に、頂部61並びに頂部61の両側 の第一及び第二の傾斜面63,64を有する山形状 形成される。このため、図18に示されるよ に、カム部54cには、凹部65と凸部66が交互に 方向に約90度の間隔を開けて形成される。 ャッチ54には軸線方向に伸びる貫通孔54eが開 けられる。この貫通孔54eを軸体52の軸部53が 通する。

 軸体52は、筒体51の軸線方向に伸びる軸部 53と、キャッチ54のカム部54cに対向するカム 52bと、カム部52bから下方に伸びる連結軸部52 aと、から構成される。軸部53は、キャッチ54 貫通孔54eを貫通する。軸部53には、その上 から下方に向かって軸部53の途中まで伸びる 一対の流体通路溝53bが加工される。カム部52b の展開図の形状は、キャッチ54のカム部54cの 開図の形状に略等しい。カム部52bの凸部が キャッチ54のカム部54cに当接する当接部68に なる。

 軸体52の外周には、Oリング71が嵌められ 。軸体52の連結軸部52aには、軸受72が嵌めら る。軸受72は軸体52と一体に回転する。軸受 72の下には、筒体51の開放端部に固定される ッシャ73が設けられる。軸受72は、ワッシャ7 3に対してすべりながら回転する。

 図17に示されるように、キャッチ54によっ て、筒体51の内部空間は軸線方向に第一室S1 第二室S2とに区画される。第一室S1及び第二 S2それぞれには、粘性流体が充填される。

 図20は、携帯電話機の開き角度と、キャ チ54の軸線方向の位置、軸体52の回転角度と 関係を示す図である。図中の上段が携帯電 機の開き角度を示し、中段がキャッチ54と 体52の位置関係を示し、下段が流体通路溝53b の詳細図を示す。この実施形態の携帯電話機 においては、変換点が75度のところにあり、 じた状態の携帯電話機を開くとき、手動で7 5度まで開くと、自動的に165度まで全開にな 。一方、開いた状態の携帯電話機を閉じる き、手動で75度まで閉じると、自動的に0度 で閉じる。

 図中(a)に示されるように、携帯電話機を じた状態では、軸体52のカム部の当接部68は 、キャッチ54の第一の傾斜面63の底部に当接 たままロックされる。この状態から、手動 よってディスプレイ側筐体2を回転させると 軸体52の当接部68は、キャッチ54の第一の傾 面63に沿ってスライドする。そして、ディ プレイ側筐体2を75度回転させたとき、軸体52 の当接部68はキャッチ54のカム部54cの頂部61に 乗り上げる。このとき、キャッチ54はコイル プリング56のばね力に抗して図中上方向に ライドしている(図中(c))。

 軸体52の当接部68がキャッチ54の頂部61を りすぎると、軸体52の当接部68はキャッチ54 カム部54cの第二の傾斜面64に移動する。こう なると、コイルスプリング56のばね力によっ キャッチ54が図中下方へスライドし、軸体52 はその当接部68が第二の傾斜面64に沿ってす りながら回転する。すなわち、図中(c)に示 れる変換点をすぎると、図中(d)~(e)に示され ように、携帯電話機は自動的に全開まで開 。

 携帯電話機を閉じるときは、上述の動作 逆の動作が行われる。165度全開した状態の 帯電話機を閉じるとき、図中(c)に示される 換点である75度まで手動で閉じると、コイ スプリング56のばね力によって自動的に0度 で閉じる。

 軸部53の流体通路溝53bとキャッチ54の内周 面との間には、第一室S1又は第二室S2の一方 ら他方へ粘性流体を導く流体通路Pが設けら る。キャッチ54の下方向へのスライド運動 、軸体52の回転運動によって、流体通路Pは 流体の抵抗を変化させる。

 具体的には、開き角度が75度のとき(すな ち、軸体52の当接部68がキャッチ54の頂部61 当接するとき)、流体通路Pを構成する流体通 路溝53bは、第一室S1にも第二室S2にも露出し 第一室S1と第二室S2とを繋ぐ。このため、流 通路Pの流体の抵抗は小さい。

 その一方、開き角度が75度から35度へと小 さくなるにつれて、流体通路溝53bの軸線方向 の下端部がキャッチ54に除々に覆われ始める そして、開き角度が35度~0度のとき(すなわ 、軸体52の当接部68が頂部61から離間した所 位置~第一の傾斜面63の底部にあるとき)、流 通路溝53bの下端部がキャッチ54で完全に覆 れる。こうなると、流体通路Pは第一室S1と 二室S2とを繋ぐことができなくなり、流体通 路Pの流体の抵抗は大きくなる。

 開き角度が75度から135度と除々に大きく る場合も同じように、流体通路溝53bの軸線 向の下端部がキャッチ54に除々に覆われ始め る。そして、開き角度が135度~165度のとき(す わち、軸体52当接部68が頂部61から離間した 定位置から第二の傾斜面64の底部にあると )、流体通路溝53bの下端部がキャッチ54で完 に塞がれる。こうなると、流体通路Pは第一 S1と第二室S2とを繋ぐことができなくなり、 流体通路Pの流体の抵抗は大きくなる。

 図21は、携帯電話機の開き角度によって 第一及び第二室S2の体積がどのように変化す るかを示す。(a)~(e)の全ての図において、軸 52を流体通路溝53bのあるところで断面にして いる。開き角度が0度→75度になるのに伴って 、第一室S1の体積が減り、第二室S2の体積が える。一方、開き角度が75度→165度になるの に伴って、第一室S1の体積が増え、第二室S2 体積が減る。開き角度が35度~75度の間、流体 通路Pは、第一室S1と第二室S2を繋いでいる。 かし、開き角度が0度~35度の間、及び開き角 度が135度~165度の間、流体通路Pは、第一室S1 第二室S2とを繋ぐことができない。

 以上により、開き角度が0度~35度、135度~16 5度の間でダンパを効かせることが可能にな 。携帯電話機を開くとき、開き角度が135度 超えると、ダンパが作動するので、ディス レイ側筐体2が全開で急停止し、反動によっ 手から携帯電話機が抜け落ちるのを防止で る。また、携帯電話機を閉じるときにも、 ィスプレイ側筐体2が勢いよく閉じることが ないので、閉じたときの音が静かになるし、 ディスプレイ側筐体2と操作側筐体1との間で が挟まれたとしても、指が痛くなることは い。

 図22ないし図24は、本発明の第五の実施形 態のヒンジ装置を示す。図22はヒンジ装置の 観図を示し、図23は分解斜視図を示し、図24 は断面図を示す。図23に示されるように、こ 実施形態のヒンジ装置は、第一の実施形態 ヒンジ装置と同様に、内部に空洞を有する 体76と、筒体76内に回転のみできるように収 容される軸体77と、軸体77とは別体の軸部82と 、筒体76の空洞内に収容されると共に軸部82 貫通する貫通孔78bを有する可動カムである ャッチ78と、キャッチ78を軸体77のカム部77b 付勢する付勢手段であるコイルスプリング79 ,80と、を備える。

 この実施形態のヒンジ装置も、携帯電話 のディスプレイ側筐体2を操作側筐体1に対 て開くときだけでなく、ディスプレイ側筐 2と操作側筐体1とを閉じるときにもダンパ力 を発生させる。そして、携帯電話機を開くと きと閉じるときでダンパを作動させるタイミ ングを異ならせている。手動で携帯電話機を 開いたり、閉じたりするときにダンパを効か せないためである。

 図22に示されるように、筒体76には、携帯 電話機の連結筒部の形状に合せて周方向に複 数の平坦面76aが形成される。軸体77の連結軸 77aにも、携帯電話機の連結筒部の形状に合 た平坦面が形成される。

 図23に示されるように、キャッチ78の側面 には、筒体76の平坦面76aに対応させた複数の 坦面78aが形成される。キャッチ78の下端に 、カム部78cが設けられる。カム部78cの展開 は、第四の実施形態の携帯電話機のキャッ 78と同様に形成される。カム部78cには、周方 向に凹部83と凸部84が交互に二か所ずつ形成 れる。キャッチ78には、軸線方向に伸びる貫 通孔78bが開けられる。この貫通孔78bを軸部82 貫通する。

 図25は、軸体77の詳細図を示す。軸体77は キャッチ78のカム部78cに対向するカム部77b 、カム部77bから下方に伸びる連結軸部77aと から構成される。カム部77bの展開図の形状 、キャッチ78のカム部78cの展開図の形状に略 等しい。カム部77bの凸部が、キャッチ78のカ 部78cに当接する当接部88になる。

 軸体77には、軸部82の下端部が嵌められる 穴77cが開けられる。穴77cの内周には、平行な 一対の対向面77dが形成される。一対の対向面 77d間の距離L1は、軸部82の外周の一対の平坦 82a間の距離L2(図26(d)参照)に等しい。軸部82を 軸体77の穴77cに嵌めたとき、軸部82は軸体77に 対してスライドのみ許容され、回転はできな い。穴77cの底面には、突起77eが形成される。 穴77cの底面と軸部82との間にも粘性流体を行 渡らせるようにするためである。

 図26は、軸部82の詳細図を示す。軸部82に 、その上端から下方に向かって軸部82の途 まで伸びる一対の流体通路溝82bが加工され 。軸部82の軸線方向の端部82d(下端部)には、 行な一対の平坦面82aが形成される。この軸 82の端部82dが軸体77の穴77cに嵌められる。ま た、軸部82の端部82dには、アーチ形状の切欠 82cが形成される。切欠き82cは、軸部82の端 82dを軸体77の穴77cに嵌めた状態で、粘性流体 が穴77c内に流入できるようにする。こうする ことで、軸部82が軸体77に対して離間すると 、真空状態が発生して離間しにくくなるの 防止することができる。また、軸部82の上端 部には、径を狭めた突起82eが形成される。突 起82eの回りには、液体の圧力がかかる肩部82f が形成される。肩部82fに液体の圧力がかかる ようにすることで、軸部82が移動し易くなる

 図27は、軸体77に軸部82を嵌めた状態を示 。軸部82の平坦面82aの位置と軸体77の穴77cの 対向面77dとの位置とを合わせ、軸部82を軸体7 7の穴77cに嵌めることができる。軸部82を軸体 77の穴77cに嵌めたとき、軸部82の切欠き82cは 軸体77のカム部77bの凹部77fの位置にくる。そ して、軸部82の切欠き82cの上部は軸体77から 出する。このため、切欠き82cを通って粘性 体が軸体77の穴77c内に流れ込む。

 図23に示されるように、軸体77の外周には 、Oリング85が嵌められる。軸体77の連結軸部7 7aには、軸受86が嵌められる。軸受86は軸体77 共に回転する。軸受86の下には、筒体76の開 放端部に固定されるワッシャ87が設けられる 軸受86は、ワッシャ87に対してすべりながら 回転する。

 図24の断面図に示されるように、キャッ 78によって、筒体76の内部空間は軸線方向に 一室S1と第二室S2とに区画される。第一室S1 び第二室S2それぞれには、粘性流体が充填 れる。図中(a)に示されるように、コイルス リング79,80のばね力に抗してキャッチ78が図 (1)方向に上昇するとき、第一室S1の圧力が 二室S2の圧力よりも高くなる。このため、軸 部82は軸体77の穴77c内に押し付けられる。一 、図中(b)に示されるように、コイルスプリ グ79,80のばね力によってキャッチ78が図中(2) 向に下降するとき、第二室S2の圧力が第一 S1の圧力よりも高くなる。このため、軸部82 上方向にスライドし、突起82eが筒体76に接 する。

 図28は、携帯電話機の開き角度と、キャ チ78、軸体77及び軸部82の動きとの関係を示 図である。図中の上段が携帯電話機の開き 度を示し、中段がキャッチ78、軸体77及び軸 82の動きを示し、下段が軸部82の流体通路溝 82bの詳細図を示す。この実施形態の携帯電話 機においては、変換点が80度のところにあり 閉じた状態の携帯電話機を開く際、手動で8 0度まで開けば、自動的に165度まで全開にな 。一方、開いた状態の携帯電話機を閉じる 、手動で80度まで閉じれば、自動的に0度ま 閉じる。

 図中(a)に示されるように、携帯電話機を じた状態では、軸体77の当接部88がキャッチ 78の凹部83に当接する。この状態から、手動 よってディスプレイ側筐体2を回転させると 軸体77の回転によってキャッチ78が上昇する 。キャッチ78の上昇動作によって、第一室S1 高圧に、第二室S2が低圧になる。第一室S1と 二室S2との圧力差によって、軸部82が下方に スライドする。図中(b)に示されるように、軸 部82の下方へのスライドに伴い、比較的小さ 回転角度(13°)のうちに流体通路溝82bの端部8 2b1がキャッチ78から露出する。すなわち、開 角度が13°のとき、流体通路Pを構成する流 通路溝82bは、第一室S1にも第二室S2にも露出 、第一室S1と第二室S2とを繋ぐ。このため、 流体通路Pの流体の抵抗は小さくなり、ダン が効かない状態になる。このため、図中(c) 示される80°まで手動でディスプレイ側筐体 開くのが容易になる。

 開き角度が80°を超えたとき、コイルスプ リング79,80のばね力によって、キャッチ78が 動的に下降する。図中(d)に示されるように キャッチ78の下降動作によって、第一室S1が 圧に、第二室S2が高圧になる。こうなると 軸部82が第一室S1と第二室S2との圧力差によ て上昇する。軸部82が上昇すると、それほど 大きくない回転角度(153°)のうちから、流体 路溝82bの端部82b1がキャッチ78で完全に塞が る。流体通路Pは第一室S1と第二室S2とを繋ぐ ことができなくなるので、流体通路Pの流体 抵抗が大きくなり、ダンパが作動する。図 (e)に示されるように、ダンパが作動したま 携帯電話機はゆっくりと全開になる。

 図29は、携帯電話機を開くときと閉じる きとでダンパが作動するタイミングが異な ことを示す図である。図中上段が携帯電話 を開くときのヒンジ装置の断面図を示し、 中下段が携帯電話機を閉じるときのヒンジ 置の断面図を示す。上述したように、閉じ 状態の携帯電話機を開くときには、軸部82が 下降しているので、ディスプレイ側筐体2の 転角度が比較的小さい角度(13°)のうちにダ パがOFFになる。このため、変換点の80°まで 帯電話機を手動で開くのが容易になる。変 点(80°)を過ぎた後は、軸部82が上昇してい ので、それほど大きくない回転角度(153°)の ちからダンパがONになる。回転角度が153°→ 165°のときは、ダンパは作動し続ける。この め、携帯電話機が自動で全開になるときの 撃を緩和することができる。

 図中下段に示されるように、全開の携帯 話機を手動で閉じるとき、第一室S1が高圧 、第二室S2が低圧になるので、軸部82は下降 た位置にある。このとき、軸部82の流体通 溝82bは第一室S1と第二室S2とを繋げるので、 ンパがOFFの状態になる。このため、変換点( 80°)まで携帯電話機を手動で閉じるのが容易 なる。変換点(80°)を過ぎた後は、携帯電話 はコイルスプリング79,80のばね力によって 動的に閉じようとする。キャッチ78の下降に より、第一室S1が低圧に、第二室S2が高圧に る。軸部82が第一室S1と第二室S2との圧力差 よって上昇するので、比較的大きめの回転 度(38°)のうちからダンパがON状態になる。以 降、開き角度が38°→0°になるまでダンパがON 状態を保つので、携帯電話機が自動で全閉に なるときの衝撃力を緩和することができる。

 図30及び図31は、本発明の第六の実施形態 のヒンジ装置を示す。この実施形態のヒンジ 装置は、第五の実施形態のヒンジ装置と同様 に、携帯電話機を開くときと閉じるときとで 、ダンパを作動させるときのタイミングを異 ならせている。軸部91の構造のみが第五の実 形態のヒンジ装置とは異なる。その他の筒 76、コイルスプリング79,80、キャッチ78、軸 77、Oリング85、軸受86、ワッシャ87は、第五 実施形態のヒンジ装置と同一なので、同一 符合を附してその説明を省略する。

 この実施形態のヒンジ装置の軸部91は、 の長さ方向の途中に全周が切り欠かれる小 部91aを有する。すなわち、軸部91は、軸線方 向の両端の大径部91bと、大径部91bの間に設け られる小径部91aと、から構成される。この小 径部91aの外周とキャッチ78の内周との間に、 一室S1と第二室S2を繋げる流体通路Pが形成 れる(図31参照)。携帯電話機用のヒンジ装置 もともと小さいものであり、軸部91に溝を 工するのは困難な場合もある。このため、 の実施形態のヒンジ装置においては、加工 容易にするために軸部91の全周に小径部91aを 加工している。このように、軸部91に軸線方 に伸びる流体通路溝を形成する替わりに小 部91aを形成してもよい。

 なお、本発明は上記実施形態に限られる とはなく、本発明の要旨を変更しない範囲 他の実施形態に具現化できる。例えば、流 通路が第一室と第二室を繋がなくなったと 、流体通路よりも小さい断面積のオリフィ が第一室と第二室を繋ぐようにしてもよい また、ダンパを効かせるとき、第一室と第 室を繋ぐ流体通路の流体の抵抗が大きくな ばよく、流体通路を完全に閉じなくてもよ 。

 さらに、本発明のヒンジ装置は携帯電話 のみならず、ラップトップ、ハンドヘルド PDA,PocketPC,Palm等の携帯して使用が可能なポ タブルコンピュータや、携帯ゲーム機、化 用コンパクトなどの携帯機器に適用するこ ができる。また、便座と便蓋の連結部分に 適用することもできる。

 本明細書は、2006年12月28日出願の特願2006-356 362及び2007年6月8日出願の特願2007-153363に基づ 。この内容はすべてここに含めておく。