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Title:
HLA-A*1101-RESTRICTED WT1 PEPTIDE AND PHARMACEUTICAL COMPOSITION COMPRISING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/081701
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed are: an HLA-A*-1101-restricted WT1 peptide, specifically a peptide which comprises an amino acid sequence composed of nine contiguous amino acid residues derived from WT1 protein, is capable of binding to an HLA-A* 1101 molecule and has a CTL-inducing ability; a peptide dimer which comprises two peptide monomers each comprising an amino acid sequence composed of nine contiguous amino acid residues containing at least one cysteine residue and derived from WT1 protein, wherein the two peptide monomers are linked to each other via a disulfide bond and the peptide dimer is capable of binding to an HLA-A* 1101 molecule and has a CTL-inducing ability; a polynucleotide encoding the peptide; a pharmaceutical composition for the treatment and/or prevention of cancer, which comprises the peptide or the peptide dimer; and others.

Inventors:
SUGIYAMA, Haruo (2-19-30, Senbanishi Minoo-sh, Osaka 36, 5620036, JP)
Application Number:
JP2007/074146
Publication Date:
July 10, 2008
Filing Date:
December 14, 2007
Export Citation:
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Assignee:
International Institute of Cancer Immunology, Inc. (13-9, Enoki-cho Suita-sh, Osaka 53, 5640053, JP)
株式会社癌免疫研究所 (〒53 大阪府吹田市江の木町13番9号 Osaka, 5640053, JP)
International Classes:
C12N15/12; A61K31/7088; A61K38/00; A61K48/00; A61P35/00; A61P35/02; C07K14/82; C12N5/06; C12Q1/02; G01N33/574
Attorney, Agent or Firm:
TANAKA, Mitsuo et al. (AOYAMA & PARTNERS, IMP Building3-7, Shiromi 1-chome,Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 01, 5400001, JP)
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Claims:
 WT1タンパク質由来の9個の連続するアミノ酸からなるアミノ酸配列を含むペプチドであって、HLA-A * 1101分子との結合能を有し、かつCTL誘導能を有する、ペプチド。
 アミノ酸配列の第9位のアミノ酸がLysまたはArgである、請求項1記載のペプチド。
 アミノ酸配列が以下の群:
 Ala Ala Gly Ser Ser Ser Ser Val Lys(配列番号:2)、
 Pro Ile Leu Cys Gly Ala Gln Tyr Arg(配列番号:3)、
 Arg Ser Ala Ser Glu Thr Ser Glu Lys(配列番号:4)、
 Ser Ala Ser Glu Thr Ser Glu Lys Arg(配列番号:5)、
 Ser His Leu Gln Met His Ser Arg Lys(配列番号:6)、
 Thr Gly Val Lys Pro Phe Gln Cys Lys(配列番号:7)、
 Lys Thr Cys Gln Arg Lys Phe Ser Arg(配列番号:8)、
 Ser Cys Arg Trp Pro Ser Cys Gln Lys(配列番号:9)、
 Asn Met His Gln Arg Asn Met Thr Lys(配列番号:10)、からなる群より選択される、請求項1記載のペプチド。
 アミノ酸配列がAla Ala Gly Ser Ser Ser Ser Val Lys(配列番号:2)である、請求項3記載のペプチド。
 少なくとも1個のシステイン残基を含むWT1タンパク質由来の9個の連続するアミノ酸からなるアミノ酸配列を含む2個のペプチド単量体が、ジスルフィド結合により互いに結合しているペプチド二量体であって、HLA-A * 1101分子との結合能を有し、かつCTL誘導能を有する、ペプチド二量体。
 ペプチド単量体のアミノ酸配列が、以下の群:
 Pro Ile Leu Cys Gly Ala Gln Tyr Arg(配列番号:3)、
 Thr Gly Val Lys Pro Phe Gln Cys Lys(配列番号:7)、
 Lys Thr Cys Gln Arg Lys Phe Ser Arg(配列番号:8)、
 Ser Cys Arg Trp Pro Ser Cys Gln Lys(配列番号:9)、
からなる群より選択される、請求項5記載のペプチド二量体。
 請求項1記載のペプチドおよび/または請求項5記載のペプチド二量体を含む、癌を治療または予防するための医薬組成物。
 有効量の請求項1記載のペプチドおよび/または請求項5記載のペプチド二量体をHLA-A * 1101陽性対象に投与することを特徴とする、癌を治療または予防するための方法。
 請求項1記載のペプチドをコードするポリヌクレオチド。
 請求項9記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。
 請求項9記載のポリヌクレオチドまたは請求項10記載のベクターを含む、癌を治療または予防するための医薬組成物。
 有効量の請求項9記載のポリヌクレオチドまたは請求項10記載のベクターをHLA-A * 1101陽性対象に投与することを特徴とする、癌を治療または予防するための方法。
 請求項1記載のペプチドおよび/または請求項5記載のペプチド二量体により誘導される、WT1特異的CTL。
 末梢血単核球を請求項1記載のペプチドおよび/または請求項5記載のペプチド二量体の存在下で培養し、該末梢血単核球からWT1特異的CTLを誘導することを特徴とする、WT1特異的CTLの誘導方法。
 請求項1記載のペプチドおよび/または請求項5記載のペプチド二量体を必須構成成分として含む、WT1特異的CTLを誘導するためのキット。
 請求項1記載のペプチドおよび/または請求項5記載のペプチド二量体により誘導される、WT1ペプチドを提示する抗原提示細胞。
 未熟抗原提示細胞を請求項1記載のペプチドおよび/または請求項5記載のペプチド二量体の存在下で培養し、該未熟抗原提示細胞からWT1ペプチドを提示する抗原提示細胞を誘導することを特徴とする、WT1ペプチドを提示する抗原提示細胞の誘導方法。
 請求項1記載のペプチドおよび/または請求項5記載のペプチド二量体を必須構成成分として含む、WT1ペプチドを提示する抗原提示細胞を誘導するためのキット。
 請求項13記載のCTLまたは請求項16記載の抗原提示細胞を用いることを特徴とする、癌の診断方法。
Description:
HLA-A * 1101拘束性WT1ペプチド、およびそれを含む医 組成物

 本発明は、HLA-A * 1101拘束性WT1ペプチド、詳細には、WT1タンパ 質由来の9個の連続するアミノ酸からなるア ノ酸配列を含むペプチドであって、HLA-A * 1101分子と結合能を有し、かつCTL誘導能を有 るペプチド、および少なくとも1個のシステ ン残基を含むWT1タンパク質由来の9個の連続 するアミノ酸からなるアミノ酸配列を含む2 のペプチド単量体が、ジスルフィド結合に り互いに結合しているペプチド二量体であ て、HLA-A * 1101分子と結合能を有し、かつCTL誘導能を有 る、ペプチド二量体に関する。さらに本発 は、該ペプチドをコードするポリヌクレオ ド、それらを含む癌治療および/または予防 医薬組成物などに関するものである。

 WT1遺伝子(Wilms' tumor 1 gene)は、小児の腎 であるウイルムス腫瘍の責任遺伝子として 定された遺伝子であり(非特許文献1および2) 、ジンクフィンガー構造を有する転写因子で ある。当初、WT1遺伝子は癌抑制遺伝子である とされたが、その後の研究(非特許文献3、4、 5および6)により、造血器腫瘍や固形癌におい てはむしろ癌遺伝子として働くことが示され た。

 WT1遺伝子が多くの悪性腫瘍において高発現 ていることから、変異のない自己タンパク であるWT1遺伝子産物の生体内における免疫 性の有無が検証されてきた。その結果、腫 細胞で高発現しているWT1遺伝子由来のタン ク質は細胞内プロセッシングにより断片化 れ、生じたペプチドがMHCクラスI分子と複合 体を形成して細胞表面に提示されること、お よびかかる複合体を認識するCTLがWT1ペプチド ワクチネーションにより誘導され得ることが 明らかとなった(非特許文献7、8および9)。さ に、WT1ペプチドまたはWT1 cDNAで免疫された ウスは、移植されたWT1遺伝子発現腫瘍細胞 高い確率で拒絶するが(非特許文献7および10 )、WT1遺伝子を生理的に発現している正常組 は誘導されたCTLによって傷害されないこと 示された(非特許文献7)。ヒト細胞を用いた ンビトロの実験において、ヒトMHCクラスI分 の1つであるHLA-A * 0201分子高結合性Db126ペプチドおよびWH187ペプ ド(配列番号:1におけるアミノ酸187-195、SLGEQQ YSV)を用いてHLA-A * 0201を持つヒト末梢血単核球を刺激すると、WT 1特異的CTLが誘導され、誘導されたCTLは内因 にWT1遺伝子を高発現している腫瘍細胞に対 特異的な傷害活性を有すること、およびか るCTLの傷害活性はHLA-A2拘束性であることが された(非特許文献11)。HLA-Aアリールのうち 日本人に最も多いHLA-A * 2402に適合するWT1ペプチド(WT1235;配列番号:1に けるアミノ酸235-243、CMTWNQMNL)を用いたヒト 胞でのインビトロの実験において、WT1特異 CTL(TAK-1)が誘導され(非特許文献12)、誘導され たCTLは、一部WT1遺伝子を生理的に発現してい る正常造血幹細胞のコロニー形成能を抑制し ないことが示された(非特許文献12および13)。 これらの報告から、マウスだけでなくヒトに おいてもWT1特異的CTLの誘導が可能であり、か かるCTLがWT1遺伝子を高発現する腫瘍細胞に対 しては傷害活性を有するが、WT1遺伝子を生理 的に発現する正常細胞には傷害活性を有さな い可能性が強く示唆された(非特許文献7、10 11、12および13)。

 WT1遺伝子産物は核内タンパク質として存在 、細胞質内でプロテアソームによってプロ ッシングを受け、ペプチドに断片化される 断片化されたペプチドは、TAP(transporter assoc iated with antigen processing)分子によって小胞体 内腔へと導かれ、MHCクラスI分子と複合体を 成し、細胞表面に提示される。CTL前駆細胞 TCRを介してWT1ペプチド-MHCクラスI分子複合体 を認識することによって、WT1特異的CTLが誘導 され、MHCクラスI分子を介してWT1遺伝子産物 提示する腫瘍細胞に対して細胞傷害作用を 揮する(非特許文献7、8および9)。そうすると 、WT1遺伝子産物を標的とした癌免疫療法にお いて用いられるWT1ペプチドは、少なくとも生 体内でMHCクラスI分子に結合する形態となる 要がある。しかし、MHCクラスI分子には多様 があり、それぞれのMHCクラスI分子に結合す るWT1ペプチドのアミノ酸配列は異なるため、 MHCクラスIの型別に適合するペプチドを用意 る必要がある。しかしながら、現在分かっ いるHLA分子に拘束性のWT1ペプチドは、HLA-A * 2402分子、HLA-A * 0201分子、HLA-A * 2601分子、HLA-A * 3303分子拘束性のもののみである(それぞれ、 許文献1、非特許文献11、特許文献2、および 特許文献3)。従って、HLA-A * 1101拘束性WT1ペプチドを見出す必要があった

国際公開2003/106682号公報

国際公開2005/095598号公報

特願2006-45287 Daniel A. Haber et al., Cell. 1990 Jun 29;61(7 ):1257-69. Call KM et al., Cell. 1990 Feb 9;60(3):509-20. Menke AL et al., Int Rev Cytol. 1998;181:151-21 2. Review. Yamagami T et al., Blood. 1996 Apr 1;87(7):2878 -84. Inoue K et al., Blood. 1998 Apr 15;91(8):2969-7 6. Tsuboi A et al., Leuk Res. 1999 May;23(5):499-5 05. Oka Y et al., J Immunol. 2000 Feb 15;164(4):18 73-80. Melief CJ et al., Immunol Rev. 1995 Jun;145:167 -77. Ritz J, J Clin Oncol. 1994 Feb;12(2):237-8. Tsuboi A et al., J Clin Immunol. 2000 May;20(3 ):195-202. Oka Y et al., Immunogenetics. 2000 Feb;51(2):99- 107. Ohminami H et al., Blood. 2000 Jan 1;95(1):286- 93. Gao L et al., Blood. 2000 Apr 1;95(7):2198-203.

 本発明の解決課題は、HLA-A * 1101分子拘束性であって、WT1タンパク質由来 アミノ酸配列を含むペプチド、およびそれ コードするポリヌクレオチド、ならびにそ らを含む癌の治療および/または予防用医薬 成物などを提供することにある。

 本発明者は、上記事情に鑑み鋭意研究を重 た結果、WT1タンパク質由来の9個の連続する アミノ酸からなるアミノ酸配列を含むペプチ ドのうちHLA-A * 1101分子と結合能を有するペプチドが、高い 率でWT1特異的CTLを誘導できることを見出し 本発明を完成するに至った。

 すなわち、本発明は、
(1)WT1タンパク質由来の9個の連続するアミノ からなるアミノ酸配列を含むペプチドであ て、HLA-A * 1101分子と結合能を有し、かつCTL誘導能を有 る、ペプチド、
(2)アミノ酸配列の第9位のアミノ酸がLysまた Argである、(1)記載のペプチド、
(3)アミノ酸配列が以下の群:
 Ala Ala Gly Ser Ser Ser Ser Val Lys(配列番号:2 )、
 Pro Ile Leu Cys Gly Ala Gln Tyr Arg(配列番号:3 )、
 Arg Ser Ala Ser Glu Thr Ser Glu Lys(配列番号:4 )、
 Ser Ala Ser Glu Thr Ser Glu Lys Arg(配列番号:5 )、
 Ser His Leu Gln Met His Ser Arg Lys(配列番号:6 )、
 Thr Gly Val Lys Pro Phe Gln Cys Lys(配列番号:7 )、
 Lys Thr Cys Gln Arg Lys Phe Ser Arg(配列番号:8 )、
 Ser Cys Arg Trp Pro Ser Cys Gln Lys(配列番号:9 )、
 Asn Met His Gln Arg Asn Met Thr Lys(配列番号:1 0)、
からなる群より選択される、(1)記載のペプチ ド、
(4)アミノ酸配列がAla Ala Gly Ser Ser Ser Ser V al Lys(配列番号:2)である、(3)記載のペプチド
(5)少なくとも1個のシステイン残基を含むWT1 ンパク質由来の9個の連続するアミノ酸から るアミノ酸配列を含む2個のペプチド単量体 が、ジスルフィド結合により互いに結合して いるペプチド二量体であって、HLA-A * 1101分子と結合能を有し、かつCTL誘導能を有 る、ペプチド二量体、
(6)ペプチド単量体のアミノ酸配列が、以下の 群:
 Pro Ile Leu Cys Gly Ala Gln Tyr Arg(配列番号:3 )、
 Thr Gly Val Lys Pro Phe Gln Cys Lys(配列番号:7 )、
 Lys Thr Cys Gln Arg Lys Phe Ser Arg(配列番号:8 )、
 Ser Cys Arg Trp Pro Ser Cys Gln Lys(配列番号:9 )、
からなる群より選択される、(5)記載のペプチ ド二量体、
(7)(1)記載のペプチドおよび/または(5)記載の プチド二量体を含む、癌を治療または予防 るための医薬組成物、
(8)有効量の(1)記載のペプチドおよび/または(5 )記載のペプチド二量体をHLA-A * 1101陽性対象に投与することを特徴とする、 を治療または予防するための方法、
(9)(1)記載のペプチドをコードするポリヌクレ オチド、
(10)(9)記載のポリヌクレオチドを含む発現ベ ター、
(11)(9)記載のポリヌクレオチドまたは(10)記載 ベクターを含む、癌を治療または予防する めの医薬組成物、
(12)有効量の(9)記載のポリヌクレオチドまた (10)記載のベクターをHLA-A * 1101陽性対象に投与することを特徴とする、 を治療または予防するための方法、
(13)(1)記載のペプチドおよび/または(5)記載の プチド二量体により誘導される、WT1特異的C TL、
(14)末梢血単核球を(1)記載のペプチドおよび/ たは(5)記載のペプチド二量体の存在下で培 し、該末梢血単核球からWT1特異的CTLを誘導 ることを特徴とする、WT1特異的CTLの誘導方 、
(15)(1)記載のペプチドおよび/または(5)記載の プチド二量体を必須構成成分として含む、W T1特異的CTLを誘導するためのキット、
(16)(1)記載のペプチドおよび/または(5)記載の プチド二量体により誘導される、WT1ペプチ を提示する抗原提示細胞、
(17)未熟抗原提示細胞を(1)記載のペプチドお び/または(5)記載のペプチド二量体の存在下 培養し、該未熟抗原提示細胞からWT1ペプチ を提示する抗原提示細胞を誘導することを 徴とする、WT1ペプチドを提示する抗原提示 胞の誘導方法、
(18)(1)記載のペプチドおよび/または(5)記載の プチド二量体を必須構成成分として含む、W T1ペプチドを提示する抗原提示細胞を誘導す ためのキット、
(19)(13)記載のCTLまたは(16)記載の抗原提示細胞 を用いることを特徴とする、癌の診断方法、
を提供するものである。

 本発明により、HLA-A * 1101拘束性であって、WT1タンパク質由来の9個 連続するアミノ酸からなるアミノ酸配列を むペプチド、およびそれをコードするポリ クレオチド、ならびにそれらを含む癌の治 および/または予防用医薬組成物などが得ら れるので、HLA-A * 1101を有する対象におけるインビボおよびイ ビトロでのWT1特異的CTLの誘導が可能となる 日本人におけるHLA-A * 1101陽性率は、約17.9%と高いことから、広範囲 の対象においてWT1特異的CTLを誘導できる。

図1は、WT1 251 を用いて誘導されたCTLの細胞傷害活性を示す 。 図2は、WT1 279 を用いて誘導されたCTLの細胞傷害活性を示す 。 図3は、WT1 312 を用いて誘導されたCTLの細胞傷害活性を示す 。 図4は、WT1 313 を用いて誘導されたCTLの細胞傷害活性を示す 。 図5は、WT1 338 を用いて誘導されたCTLの細胞傷害活性を示す 。 図6は、WT1 378 を用いて誘導されたCTLの細胞傷害活性を示す 。 図7は、WT1 386 を用いて誘導されたCTLの細胞傷害活性を示す 。 図8は、WT1 415 を用いて誘導されたCTLの細胞傷害活性を示す 。 図9は、WT1 436 を用いて誘導されたCTLの細胞傷害活性を示す 。 図10は、WT1 378 ペプチドを用いて誘導されたCTLの細胞傷害活 性を示す(a、b、cは、それぞれHLA-A * 1101陽性健常人ドナー1、2、3由来PBMCを用いた きの細胞傷害活性を示す)。 図11は、WT1 378 ペプチド二量体を用いて誘導されたCTLの細胞 傷害活性を示す(aおよびbは、それぞれHLA-A * 1101陽性健常人ドナー1および2由来PBMCを用い ときの細胞傷害活性を示す)。 図12は、改変WT1 378 ペプチド(G→I)を用いて誘導されたCTLの細胞 害活性を示す(a、b、cは、それぞれHLA-A * 1101陽性健常人ドナー1、2、3由来PBMCを用いた きの細胞傷害活性を示す)。 図13は、改変WT1 378 ペプチド(G→V)を用いて誘導されたCTLの細胞 害活性を示す(a、b、cは、それぞれHLA-A * 1101陽性健常人ドナー1、2、3由来PBMCを用いた きの細胞傷害活性を示す)。 図14は、WT1 379 ペプチドを用いて誘導されたCTLの細胞傷害活 性を示す(a、b、cは、それぞれHLA-A * 1101陽性健常人ドナー1、2、3由来PBMCを用いた きの細胞傷害活性を示す)。

 本発明は、1の態様において、WT1タンパク質 由来の9個の連続するアミノ酸からなるアミ 酸配列を含むペプチドであって、HLA-A * 1101分子と結合能を有し、かつCTL誘導能を有 るペプチド(本明細書において、「WT1ペプチ 」ともいう)に関するものである。ヒトWT1タ ンパク質のアミノ酸配列を配列番号:1に示す 本発明のペプチドは、かかる配列番号:1に されるアミノ酸配列中の連続する9個のアミ 酸からなるアミノ酸配列を含むものである 本発明のペプチドが、後述の配列番号3、7 8および9のアミノ酸配列などのシステインを 含むアミノ酸配列を含む場合、かかるアミノ 酸配列中のシステインを他のアミノ酸などの 別の物質(例えば、セリン、アラニン、α-ア ノ酪酸)に置換して、あるいはシステインのS H基を当該技術分野で既知の保護基(例えば、 ルボキシメチル基、ピリジルエチル基)で修 飾することにより、安定性を上昇させてもよ い。本発明のペプチドは、細胞内でプロセッ シングされて、プロセッシングされたペプチ ドが抗原提示細胞により提示されることによ り、CTLを誘導することができる癌抗原ペプチ ドである。

 本発明は、上述の通りHLA-A * 1101拘束性を有するペプチドを得ることを目 とする。従って、本発明のペプチドは、HLA-A * 1101分子と結合能を有するものである。結合 は、当該技術分野において既知の方法によ 調べることができる。かかる方法として、 えば、Rankpep、BIMAS、SYFPEITHIなどのコンピュ ターベースの方法、HLA-A * 1101分子結合能を有する既知のペプチドとの 合的結合試験などがある。例えば、調べた 合能を既知のHLA-A * 1101拘束性ペプチドの結合能と比較し、本発 のペプチドが結合能を有するかどうかを判 することができる。本発明における結合能 有するペプチドの例は、本願明細書の実施 1に記載した方法により得られるHLA-A * 1101分子に対する親和性スコアが4以上のもの 好ましくは、5以上のもの、より好ましくは 、6以上のものである。

 本発明のペプチドは、さらに、CTL誘導能 有するものである。WT1遺伝子は、例えば、 血病、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫、 性リンパ腫などの造血器腫瘍、胃癌、大腸 、肺癌、乳癌、胚細胞癌、肝癌、皮膚癌、 胱癌、前立腺癌、子宮癌、子宮頸癌、卵巣 などの固形癌において天然型で高発現して るので、本発明のペプチドは、かかる疾患 罹患した対象において、高い確率でCTLを誘 することなどが可能である。CTL誘導能は、 ンビボまたはインビトロにおいてCTLを誘導 ることができる能力をいう。かかる誘導能 、一般的な方法、例えば、Cr遊離アッセイ 用いてCTLの細胞傷害活性を調べることなど より調べることができる。

 本発明のペプチドは、アミノ酸配列の第9位 のアミノ酸がLysまたはArgのものであってもよ い。かかるアミノ酸を有することで、ペプチ ドのHLA-A * 1101分子との結合能が高くなると考えられる

 本発明のペプチドが含む該9個のアミノ酸か らなるアミノ酸配列のうち好ましいものは、 Ala Ala Gly Ser Ser Ser Ser Val Lys(配列番号:2) Pro Ile Leu Cys Gly Ala Gln Tyr Arg(配列番号:3 )、Arg Ser Ala Ser Glu Thr Ser Glu Lys(配列番号 :4)、Ser Ala Ser Glu Thr Ser Glu Lys Arg(配列番 :5)、Ser His Leu Gln Met His Ser Arg Lys(配列 号:6)、Thr Gly Val Lys Pro Phe Gln Cys Lys(配列 番号:7)、Lys Thr Cys Gln Arg Lys Phe Ser Arg(配 番号:8)、Ser Cys Arg Trp Pro Ser Cys Gln Lys( 列番号:9)、またはAsn Met His Gln Arg Asn Met  Thr Lys(配列番号:10)であり、最も好ましいも は、Thr Gly Val Lys Pro Phe Gln Cys Lys(配列番 号:7)である。さらに、配列番号:2~10のいずれ において、該9個のアミノ酸のうち1個ない 数個、好ましくは1個ないし5個のアミノ酸が 別のアミノ酸に置換されたものであってもよ い。また、該9個のアミノ酸および置換され 別のアミノ酸のいずれかが、適宜修飾され ものであってもよい。但し、いずれの場合 おいても、本発明のペプチドがHLA-A * 1101分子との結合能を保持していることが条 となる。

 上述の通り、本発明のペプチドは、WT1タン ク質由来であって、上記9個の連続するアミ ノ酸からなるアミノ酸配列を含んでいればよ い。従って、本発明のペプチドは、例えば、 配列番号:2~10に示すアミノ酸配列からなるペ チドそのものであってもよく、あるいは配 番号:2~10に示すアミノ酸配列を含む、WT1タ パク質またはその一部であってもよい。本 明のペプチドに含まれるアミノ酸の数は特 限定されないが、例えば、9~500個、9~300個、9 ~200個、9~100個、9~50個、9~30個、9~12個などであ る。本発明のペプチドはまた、上記9個の連 するアミノ酸からなるアミノ酸配列のN末端 よび/またはC末端に、種々の物質を結合さ ることができる。例えば、アミノ酸、ペプ ド、それらのアナログ等を結合させてもよ 。本発明のペプチドにこれらの物質が結合 ている場合、これらの物質が例えば、生体 酵素などにより、あるいは細胞内プロセッ ングなどの過程により処理され、最終的に 記9個のアミノ酸からなるアミノ酸配列を生 、HLA-A * 1101分子との複合体として細胞表面に提示さ ることにより、CTL誘導効果を得ることがで る。これらの物質は、本発明のペプチドの 解性を調節するものであってもよく、耐プ テアーゼ作用等その安定性を向上させるも であってもよく、また例えば、所定の組織 器官に特異的に本発明のペプチドをデリバ ーするようなものであってもよく、あるい また抗原提示細胞の取込み効率を増強させ 作用などを有するものであってもよい。こ らの物質はまた、CTL誘導能を増大させるも 、例えば、ヘルパーペプチドなどであって よい。

 本発明のペプチドは、当該技術分野にお て通常用いられる方法またはそれらの変法 用いて合成することができる。かかる合成 法は、例えば、Peptide Synthesis, Interscience, N ew York, 1966;The Proteins, Vol 2, Academic Press In c., New York, 1976;ペプチド合成、丸善(株),1975; ペプチド合成の基礎と実験、丸善(株),1985;医 品の開発 続 第14巻・ペプチド合成、広川 店,1991などに記載されている。

 本発明のペプチドはまた、本発明のペプ ドをコードするヌクレオチド配列情報に基 き、遺伝子工学的手法を用いて製造するこ もできる。かかる遺伝子工学的手法は、当 者に周知のものである。

 本発明は、さらなる態様において、少なく も1個のシステイン残基を含むWT1タンパク質 由来の9個の連続するアミノ酸からなるアミ 酸配列を含む2個のペプチド単量体が、ジス フィド結合により互いに結合している、HLA- A * 1101分子との結合能を有し、かつCTL誘導能を する、ペプチド二量体(本明細書において、 WT1ペプチド二量体」ともいう)に関するもの である。本発明のペプチド二量体の安定性は 、二量体形態をとることによりペプチド単量 体と比較して増大する。本発明のペプチド二 量体は、細胞内でプロセッシングされて、プ ロセッシングされたペプチドが抗原提示細胞 により提示されることにより、CTLを誘導する ことができる癌抗原ペプチド二量体である。

 本発明のWT1ペプチド二量体は、2個のペプ チド単量体が、単量体に存在するシステイン 残基間のジスルフィド結合を介して結合する ことにより、形成される。従って、本発明の WT1ペプチド二量体に含まれるペプチド単量体 は、上述のWT1ペプチドであって、かつ少なく とも1個のシステイン残基を含むものである 本発明のWT1ペプチド二量体は、ホモ二量体 あっても、ヘテロ二量体であってもよい。

 本発明のWT1ペプチド二量体において、ペ チド単量体が含むアミノ酸配列のうち好ま いものは、 Pro Ile Leu Cys Gly Ala Gln Tyr A rg(配列番号:3)、Thr Gly Val Lys Pro Phe Gln Cys Lys(配列番号:7)、Lys Thr Cys Gln Arg Lys Phe Se r Arg(配列番号:8)、またはSer Cys Arg Trp Pro S er Cys Gln Lys(配列番号:9)であり、最も好まし いものは、Thr Gly Val Lys Pro Phe Gln Cys Lys( 列番号:7)である。

 本発明のWT1ペプチド二量体は、当該技術 野において既知の方法を用いて製造するこ ができる。例えば、ペプチド単量体が1対の システイン残基を含むとき、本発明のWT1ペプ チド二量体は、例えば、システイン側鎖上の 保護基を含む全ての保護基を除去し、次に、 得られた単量体溶液をアルカリ条件下で空気 酸化の対象とするか、あるいはアルカリまた は酸性条件下で酸化剤を添加することにより ジスルフィド結合を形成することにより、製 造され得る。酸化剤としては、例えば、ヨウ 素、ジメチルスルホキシド(DMSO)、フェリシア ン化カリウムなどが挙げられる。

 ペプチド単量体が2個以上のシステイン残 基を含むときも、本発明のWT1ペプチド二量体 は前記方法により合成される。この場合、異 なるタイプのジスルフィド結合に起因して、 異性体が得られる。あるいは、本発明のWT1ペ プチド二量体は、システイン側鎖の保護基の 組み合わせを選択することにより、製造され 得る。保護基の組み合わせとしては、例えば 、MeBzl(メチルベンジル)基とAcm(アセトアミド チル)基、Trt(トリチル)基とAcm基、Npys(3-ニト ロ-2-ピリジルチオ)基とAcm基、S-Bu-t(S-tert-ブチ ル)基とAcm基の組み合わせなどが挙げられる 例えば、MeBzl基とAcm基との組み合わせの場合 、WT1ペプチド二量体は、MeBzl基以外の保護基 よびシステイン側鎖上の保護基以外の保護 を除去し、得られた単量体溶液を空気酸化 対象とし、保護されたシステイン残基間で スルフィド結合を形成し、次に、ヨウ素に り脱保護および酸化して、Acmで保護されて たしシステイン残基間でジスルフィド結合 形成することにより、製造され得る。

 本発明は、もう1つの態様において、上記HLA -A * 1101拘束性WT1ペプチドおよび/またはWT1ペプチ 二量体を含む、癌を治療または予防するた の医薬組成物に関するものである。WT1遺伝 は、各種の癌や腫瘍、例えば、白血病、骨 異形成症候群、多発性骨髄腫、悪性リンパ などの造血器腫瘍、胃癌、大腸癌、肺癌、 癌、胚細胞癌、肝癌、皮膚癌、膀胱癌、前 腺癌、子宮癌、子宮頸癌、卵巣癌などの固 癌において高発現しているため、本発明の 薬組成物を癌の治療または予防のために用 ることができる。本発明の医薬組成物がHLA- A * 1101陽性対象に投与されると、該医薬組成物 含まれるHLA-A * 1101拘束性WT1ペプチドまたはWT1ペプチド二量 により、WT1特異的CTLが誘導され、かかるCTL より対象中の癌細胞が傷害される。

 本発明の医薬組成物は、有効成分としての 記HLA-A * 1101拘束性WT1ペプチドおよび/またはWT1ペプチ 二量体以外に、例えば、担体、賦形剤など 含んでいてもよい。本発明の医薬組成物に まれるHLA-A * 1101拘束性WT1ペプチドまたはWT1ペプチド二量 は、WT1特異的CTLを誘導することから、その 導効率を増強させるために、本発明の医薬 成物は適当なアジュバントを含むか、ある は適当なアジュバントと共に投与されても い。好ましいアジュバントとしては、例え 、完全または不完全フロイントアジュバン 、水酸化アルミニウムなどが挙げられるが れらに制限されない。

 本発明の医薬組成物の投与方法は、疾患 種類、対象の状態、標的部位などの条件に じて適宜選択することができる。当該方法 、例えば、皮内投与、皮下投与、筋肉内投 、静脈内投与、経鼻投与、経口投与などが げられるが、これらに限らない。本発明の 薬組成物に含まれるペプチドまたはペプチ 二量体の量、医薬組成物の剤形、投与回数 どは、疾患の種類、対象の状態、標的部位 どの条件に応じて適宜選択できるが、1回あ たりのペプチド投与量は、通常、0.0001mg~1000mg 、好ましくは、0.001mg~1000mgである。

 本発明は、別の態様において、有効量の上 WT1ペプチドおよび/またはWT1ペプチド二量体 をHLA-A * 1101陽性対象に投与することを特徴とする、 を治療または予防するための方法に関する のである。治療または予防される癌は、い れのものであってもよく、例えば、白血病 骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫、悪性リ パ腫などの造血器腫瘍、胃癌、大腸癌、肺 、乳癌、胚細胞癌、肝癌、皮膚癌、膀胱癌 前立腺癌、子宮癌、子宮頸癌、卵巣癌など 固形癌を含む。

 本発明は、さらなる態様において、HLA-A * 1101陽性対象におけるWT1特異的CTLの存在また 量を決定する方法であって、
 (a)WT1ペプチドとHLA-A * 1101分子との複合体を該対象由来試料と反応 せ;次に、
 (b)該試料に含まれる該複合体を認識するCTL 存在または量を調べる、
工程を含む方法に関するものである。対象由 来試料は、リンパ球が含まれている可能性が あればいずれのものであってもよく、例えば 、血液、リンパ液などの体液、組織などが挙 げられる。WT1ペプチドとHLA-A * 1101分子との複合体は、例えば、ビオチンス レプトアビジン法などの当業者に既知の方 を用いて、例えば、テトラマー、ペンタマ などの形態にされていてもよい。かかる複 体を認識するCTLの存在または量は、当業者 既知の方法により測定することができる。 発明のこの態様において、上記複合体は標 されたものであってもよい。標識としては 蛍光標識、放射性標識などの公知のものを 用することができる。標識することで、CTL 存在または量の決定が容易かつ迅速になる

 従って、本発明はまた、HLA-A * 1101陽性対象におけるWT1特異的CTLの存在また 量を決定するための、HLA-A * 1101拘束性WT1ペプチドを含む組成物を提供す 。

 さらに、本発明は、HLA-A * 1101拘束性WT1ペプチドを含む、HLA-A * 1101陽性対象におけるWT1特異的CTLの存在また 量を決定するためのキットを提供する。

 本発明は、さらなる態様において、WT1ペプ ドとHLA-A * 1101分子との複合体を用いて、WT1特異的CTLを 成する方法であって、
 (a)試料と該複合体を反応させ、
 (b)該試料中に含まれる該複合体を認識するC TLを得る、
工程を含む方法に関するものである。WT1ペプ チドとHLA-A * 1101分子との複合体については上述の通りで る。試料は、リンパ球が含まれている可能 があればいずれのものであってもよく、例 ば、血液などの対象由来試料、細胞培養液 どが挙げられる。複合体を認識するCTLの取 は、例えば、FACS、MACSなど当業者に既知の方 法を用いて行うことができる。得られたWT1特 異的CTLを培養し、種々の癌の治療または予防 に用いることも可能になる。

 従って、本発明はまた、WT1ペプチドとHLA-A * 1101分子との複合体を用いて、WT1特異的CTLを 成する方法により得ることのできる、WT1特 的CTLに関するものである。

 本発明は、さらにもう1つの態様において上 記HLA-A * 1101拘束性WT1ペプチドをコードするポリヌク オチドに関するものである。本発明のポリ クレオチドは、DNAであってもRNAであっても い。本発明のポリヌクレオチドの塩基配列 、上記HLA-A * 1101拘束性WT1ペプチドのアミノ酸配列に基づ 決定できる。該ポリヌクレオチドは、例え 、化学合成法などの公知のDNAまたはRNA合成 法、PCR法などにより製造することができる

 本発明は、別の態様において上記ポリヌク オチドを含む発現ベクターに関するもので る。発現ベクターの種類、上記ポリヌクレ チド配列以外で含まれる配列等は、当該発 ベクターを導入する宿主の種類、目的等に じて適宜選択できる。本発明の発現ベクタ をHLA-A * 1101陽性対象に投与し、生体内においてHLA-A * 1101拘束性WT1ペプチドを産生させ、WT1特異的CT Lを誘導し、これにより対象中の造血器腫瘍 胞、固形癌細胞などを傷害することで、該 血器腫瘍、固形癌の治療または予防を行う とができる。

 本発明は、さらに別の態様において上記 リヌクレオチドまたは上記発現ベクターを む、癌を治療または予防するための医薬組 物に関するものである。本発明のこの態様 医薬組成物の組成、投与方法等は、上述の りである。

 本発明は、別の態様において、有効量の上 ポリヌクレオチドまたは発現ベクターをHLA- A * 1101陽性対象に投与することを特徴とする、 を治療または予防するための方法に関する のである。治療または予防される癌は、白 病、骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫、悪 リンパ腫などの造血器腫瘍、胃癌、大腸癌 肺癌、乳癌、胚細胞癌、肝癌、皮膚癌、膀 癌、前立腺癌、子宮癌、子宮頸癌、卵巣癌 どの固形癌を含む。

 本発明は、別の態様において、上記発現 クターを含有する細胞に関するものである 本発明の細胞は、例えば、大腸菌、酵母、 虫細胞、動物細胞などの宿主細胞を上記発 ベクターを用いて形質転換することにより 造することができる。宿主細胞への発現ベ ターの導入方法は、種々の方法を適宜選択 て用いることができる。形質転換した細胞 培養し、産生されたWT1ペプチドを回収・精 することにより、本発明のペプチドを製造 ることもできる。

 本発明は、さらなる態様において、上記HLA- A * 1101拘束性WT1ペプチドおよび/またはWT1ペプチ 二量体により誘導される、WT1特異的CTLに関 るものである。本発明のCTLは、WT1ペプチド HLA-A * 1101分子との複合体を認識する。従って、本 明のCTLを用いて、HLA-A * 1101陽性、かつWT1高発現腫瘍細胞を特異的に 害することができる。

 本発明は、別の態様において、WT1特異的CTL HLA-A * 1101陽性対象に投与することを特徴とする、 を治療または予防するための方法に関する のである。WT1特異的CTLの投与方法は、疾患 種類、対象の状態、標的部位などの条件に じて適宜選択することができる。当該方法 、例えば、静脈内投与、皮内投与、皮下投 、筋肉内投与、経鼻投与、経口投与などが げられるが、これらに限らない。

 本発明は、別の態様において、末梢血単核 を上記HLA-A * 1101拘束性WT1ペプチドおよび/またはWT1ペプチ 二量体の存在下で培養し、該末梢血単核球 らWT1特異的CTLを誘導することを特徴とする WT1特異的CTLの誘導方法に関するものである 末梢血単核球が由来する対象は、HLA-A * 1101陽性であればいずれであってもよい。末 血単核球をHLA-A * 1101拘束性WT1ペプチドおよび/またはWT1ペプチ 二量体の存在下で培養することで、末梢血 核球中のCTL前駆細胞からWT1特異的CTLが誘導 れる。本発明により得られたWT1特異的CTLをH LA-A * 1101陽性対象に投与することで、対象の造血 腫瘍、固形癌を治療または予防することが きる。

 本発明は、さらに別の態様において、HLA-A * 1101拘束性WT1ペプチドおよび/またはWT1ペプチ 二量体を必須構成成分として含む、WT1特異 CTLを誘導するためのキットに関するもので る。好ましくは、該キットは上記WT1特異的C TLの誘導方法に用いられる。本発明のキット 、上記HLA-A * 1101拘束性WT1ペプチドおよび/またはWT1ペプチ 二量体のほかに、例えば、末梢血単核球の 得手段、アジュバント、反応容器等を含ん いてもよい。一般的には、キットには取扱 明書を添付する。本発明のキットを用いて WT1特異的CTLを効率よく誘導できる。

 本発明は、さらなる態様において、上記HLA- A * 1101拘束性WT1ペプチドおよび/またはWT1ペプチ 二量体により誘導される、WT1ペプチドをHLA- A * 1101分子を介して提示する抗原提示細胞(樹状 胞など)に関するものである。本発明の抗原 提示細胞を用いることで、上記WT1特異的CTLが 効率よく誘導される。

 本発明は、別の態様において、上記WT1ペプ ドをHLA-A * 1101分子を介して提示する抗原提示細胞をHLA-A * 1101陽性対象に投与することを特徴とする、 を治療または予防するための方法に関する のである。抗原提示細胞の投与方法は、疾 の種類、対象の状態、標的部位などの条件 応じて適宜選択することができる。当該方 は、例えば、静脈内投与、皮内投与、皮下 与、筋肉内投与、経鼻投与、経口投与など 挙げられるが、これらに限らない。

 本発明は、別の態様において、未熟抗原提 細胞を上記HLA-A * 1101拘束性WT1ペプチドおよび/またはWT1ペプチ 二量体の存在下で培養し、該未熟抗原提示 胞からWT1ペプチドをHLA-A * 1101分子を介して提示する抗原提示細胞を誘 することを特徴とする、WT1ペプチドをHLA-A * 1101分子を介して提示する抗原提示細胞の誘 方法に関するものである。未熟抗原提示細 は、未熟樹状細胞などの成熟して抗原提示 胞となり得る細胞をいう。未熟抗原提示細 が由来する対象は、HLA-A * 1101陽性であればいずれのものであってもよ 。未熟抗原提示細胞は、例えば、末梢血単 球などに含まれているため、かかる細胞を 記WT1ペプチドおよび/またはWT1ペプチド二量 の存在下で培養してもよい。

 本発明は、さらに別の態様において、上記H LA-A * 1101拘束性WT1ペプチドおよび/またはWT1ペプチ 二量体を必須構成成分として含む、WT1ペプ ドをHLA-A * 1101分子を介して提示する抗原提示細胞を誘 するためのキットに関するものである。好 しくは、該キットは上記抗原提示細胞の誘 方法に用いられる。本発明のキットに含ま るその他の構成成分等は上述の通りである 本発明のキットを用いて、WT1ペプチドをHLA-A * 1101分子を介して提示する抗原提示細胞を効 よく誘導できる。

 本発明は、別の態様において、HLA-A * 1101拘束性WT1ペプチドまたは該ペプチドをコ ドするポリヌクレオチドに対する抗体に関 るものである。本発明の抗体は、ポリクロ ナル抗体、モノクローナル抗体のいずれで ってもよい。

 本発明は、さらなる態様において、上記WT1 異的CTL、WT1ペプチドをHLA-A * 1101分子を介して提示する抗原提示細胞、ま はHLA-A拘束性WT1ペプチドまたは該ペプチドを コードするポリヌクレオチドに対する抗体を 用いることを特徴とする、癌の診断方法に関 するものである。好ましくは、WT1特異的CTLが 本発明の診断方法に用いられる。例えば、上 記CTL、抗原提示細胞または抗体をHLA-A * 1101陽性対象由来の試料とインキュベーショ する、あるいはHLA-A * 1101陽性対象に投与し、次に該CTL、抗原提示 胞または抗体の例えば、位置、部位、量等 決定することで、癌の診断が可能となる。 記CTL、抗原提示細胞または抗体は、標識さ たものであってもよい。かかる標識を付す とで、本発明の診断方法を効率よく行うこ ができる。

 以下に実施例を示して本発明を具体的か 詳細に説明するが、実施例は本発明を限定 るものと解してはならない。

WT1ペプチドの選択
 RANKPEP(http://bio.dfci.harvard.edu/Tools/rankpep.html)を 用いて、WT1タンパク質(配列番号:1)由来のペ チドから、HLA-A * 1101分子との結合能の高いWT1 251 、WT1 279 、WT1 312 、WT1 313 、WT1 338 、WT1 378 、WT1 386 、WT1 415 、およびWT1 436 を選択した。これらのペプチドのアミノ酸配 列、配列番号:1におけるアミノ酸番号、HLA-A * 1101分子に対する親和性スコアを表1に示す。

B-LCL細胞の調製
 HLA-A * 1101陽性健常人ドナーより採取した末梢血か Ficoll-Hypaque gradient density centrifugation法によ 末梢血単核球(PBMC)を分離した。次に、PBMCを 24ウェル細胞培養用プレートに10% FCS含有RPMI 1640培地中約1×10 7 個の密度で播種し、B95-8細胞(EBウイルス産生 胞)の培養上清を添加して、37℃、5% CO 2 で約1ヶ月間培養した。EBウイルスにより形質 転換された、B細胞系腫瘍細胞であるB-LCL細胞 を得た。得られたB-LCL細胞がWT1遺伝子を発現 ていないことを確認した。B-LCL細胞を20μg/ml  WT1 251 、WT1 279 、WT1 312 、WT1 313 、WT1 338 、WT1 378 、WT1 386 、WT1 415 、またはWT1 436 と共に2時間インキュベーションすることで ルスし、次に、放射線80Gyを照射させた。得 れたB-LCL細胞(以下、WT1ペプチドでパルスし B-LCL細胞という)を抗原提示細胞として以下 実験に用いた。

WT1特異的CTLの誘導
 自己のPBMC3×10 6 個を、24ウェル細胞培養用プレートにて20μg/m l WT1 251 、WT1 279 、WT1 312 、WT1 313 、WT1 338 、WT1 378 、WT1 386 、WT1 415 、またはWT1 436 を含む完全培地(45% RPMI、45% AMI-V培地、およ 10% ヒトAB血清)中、37℃、5% CO 2 で1週間培養し、応答細胞を得た。得られた 答細胞 2×10 6 個を、同じWT1ペプチドでパルスしたB-LCL細胞 1×10 6 個と完全培地中で1週間共培養した(1回目刺激 )。PBMCをWT1ペプチドでパルスしたB-LCL細胞と らに3回共培養し(2~4回目刺激)、その際20IU/ml( 最終濃度)IL2を、次の条件;2回目刺激:刺激開 の3日後から1日置き計2回;3回目および4回目 激:刺激開始の翌日から1日置き計3回添加し 。得られた細胞を、Negative Selection Columns Gr avity Feed Kit(StemSp)を用いてCD8陽性T細胞が約80 %となるよう濃縮し、次に、WT1ペプチドでパ スしたB-LCL細胞と共培養した(5回目刺激)。最 終刺激の5日後のCD8陽性T細胞(CTL)を細胞傷害 性の測定のために用いた。

CTLの細胞傷害活性
 CTLの細胞傷害活性を 51 Cr遊離試験を用いて測定した。CTL細胞(以下、 エフェクター細胞ともいう)を、あらかじめ 51 Crを取り込ませた標的細胞と1:1ないし30:1の比 率(E/T比)となるよう培地 200μlに調製し、96ウ ェル細胞培養用プレート中、37℃、5% CO 2 で4時間培養した。標的細胞として、CTL誘導 用いたWT1ペプチドと同じペプチドでパルス たB-LCL細胞(BLCL-P)、およびWT1ペプチドをパル していないB-LCL細胞(BLCL-NP)を用いた。培養 、遠心して上清を回収し、液体シンチレー ョンカウンターを用いて、上清中に遊離し 51 Cr量を測定した。細胞傷害活性(%)を次の式:
(試料上清中の 51 Cr遊離量-自然発生 51 Cr遊離量)/(最大 51 Cr遊離量-自然発生 51 Cr遊離量)×100
(自然発生 51 Cr遊離量は、 51 Crを取り込ませた標的細胞のみを同様の条件 培養したときの 51 Cr遊離量であり、最大 51 Cr遊離量は、 51 Crを取り込ませた標的細胞を1% トリトンX-100 用いて全細胞を溶解させたときの 51 Cr遊離量である)
を用いて決定した。結果を図1~9に示す。図中 、縦軸は特異的溶解(%)を示し、横軸はE/T比を 示す。また、BLCL-Pを実線、BLCL-NPを点線で示 。WT1 251 、WT1 279 、WT1 312 、WT1 313 、WT1 338 、WT1 378 、WT1 386 、WT1 415 、およびWT1 436 を用いて誘導されたCTLは、BLCL-NP細胞と比較 て、WT1ペプチドをHLA-A * 1101分子との複合体として提示しているBLCL-P 胞を特異的に傷害することが確認できた。 下で、WT1 251 、WT1 279 、WT1 313 、WT1 338 、およびWT1 386 を用いて誘導されたCTLについてさらなる実験 を行った。

CTLの内因性WT1遺伝子発現細胞に対する細胞傷 害活性
 WT1 251 、WT1 279 、WT1 313 、WT1 338 、およびWT1 386 を用いて誘導されたCTLのWT1発現B-LCLに対する 胞傷害活性を上述の方法を用いて決定した WT1発現細胞は、ヒトWT1遺伝子を導入したB-LC L細胞であって、細胞内でWT1タンパク質を発 し、プロセスされて約9個のアミノ酸からな ペプチドをHLA-A * 1101分子上に発現する細胞をいう。結果を図1 2、4、5、および7に示す。図中、WT1発現B-LCL 破線で示す。WT1 251 、WT1 279 、WT1 313 、WT1 338 、およびWT1 386 を用いて誘導されたCTLが、WT1遺伝子を内因性 に発現している細胞に対しても傷害活性を有 することが確認できた。

 WT1ペプチド二量体の製造
 WT1 378 ペプチド単量体227.5mg、N-メチルグルカミン(NM G)227.5mgおよび水23mlの混合物を室温で約2日間 拌することにより、空気酸化した。得られ 混合液に酢酸ナトリウム2gを水5mlに溶解し 水溶液を加え約20分間、室温にて攪拌した。 水200mlとアセトニトリル約200mlを添加し、桐 ロート(ろ紙 No.5C)でろ過し、水(約50ml×3回) 洗浄した。残渣に水約200mlを添加し、凍結乾 燥を行い、粗ペプチドWT1 378 二量体158mgを得た。

 粗WT1ペプチド二量体の精製
 粗WT1ペプチド 378 二量体158mgをDMSO 9mlに溶解し、HPLC(島津製作 製 LC8AD型)にセットした、1液(H 2 O/1% AcOH)で平衡化したODS C 18 カラム(5cm φ×50cm L,YMC社製)にHPLCポンプを用 て注入した。カラムを約30分間そのままに 、0%~40%の濃度勾配の2液(CH 3 CN/1% AcOH)で360分間かけて溶出した。220nmでのU V吸収をモニターしながら、自動分画装置を いて、WT1ペプチド二量体を含む分画を回収 た。回収した分画を合わせ、HPLC(日立製 L-40 00型)にセットした、17%の2液で平衡化したODS  C 18 カラム(4.6mm φ×25cm L,YMC社製)に注入し、0%~47% の濃度勾配の2液で30分かけて溶出し、保持時 間20.51分の精製WT1 378 ペプチド二量体46.6mgを得た。
FAB.MS 2365.0(理論値 2342.70)Na +  F=0.25%

 WT1ペプチド二量体によるCTL誘導
 得られたWT1 378 ペプチド二量体、WT1 378 ペプチド、改変WT1 378 ペプチド(G→I)(配列番号:11)および改変WT1 378 ペプチド(G→V)(配列番号:12)、WT1 379 ペプチド(配列番号:13,国際公開第2002/28414号に おいて開示)のCTL誘導能を、上述の方法によ 、HLA-A * 1101陽性健常人ドナー1~3由来のPBMCを用いて調 た。結果を図10~14に示す。図中、縦軸は特 的溶解(%)を示し、横軸はE/T比を示す。また BLCL-Pを実線、BLCL-NPを点線で示す。WT1 378 ペプチド二量体がCTL誘導能を有することが確 認できた。また、WT1タンパク質のアミノ酸配 列において、WT1 378 ペプチドと1アミノ酸ずつ異なるWT1 379 ペプチドのCTL誘導能は、WT1 378 ペプチドと比較して極めて低く、本発明のWT1 ペプチドが既知のWT1ペプチドと比較して格別 顕著なCTL誘導能を有することがわかった。

 本発明により、HLA-A * 1101拘束性WT1ペプチド、該ペプチドをコード るポリヌクレオチド、およびそれらを含む 薬組成物等が提供されるので、医薬品等の 野、例えば、WT1遺伝子を高発現している種 の造血器腫瘍、固形癌の予防薬、または治 薬の開発、製造分野において利用可能であ 。

 SEQ ID NO: 11: Modified WT1 peptide
 SEQ ID NO: 12: Modified WT1 peptide