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Title:
HOLOGRAM PATTERN FORMING METHOD, METHOD FOR MANUFACTURING FILM HAVING HOLOGRAM PATTERN, LAMINATE FILM AND CONTAINER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/004789
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a hologram pattern forming method by which manufacturing cost for forming a hologram pattern is reduced, while suppressing cost required for a mother die. A method for manufacturing a film having the hologram pattern is also provided. The hologram pattern forming method is provided with a coating step of coating a base material with a self-curable material; an overlapping step of overlapping the uncured self-curable material, which is applied on the base material in the coating step, on an uneven hologram pattern formed on the resin mother die; and a peeling step of peeling the self-curable material to which the hologram pattern is transferred in the overlapping step and the resin mother die one from the other.

Inventors:
AKIMOTO MUNEKAZU (JP)
HIRATA KATSUYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/001714
Publication Date:
January 08, 2009
Filing Date:
July 01, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYO SEIKAN KAISHA LTD (JP)
AKIMOTO MUNEKAZU (JP)
HIRATA KATSUYUKI (JP)
International Classes:
G03H1/20; B65D25/20
Foreign References:
JPS61190369A1986-08-25
JPS63247784A1988-10-14
JPS61176968A1986-08-08
JPH0232946A1990-02-02
Other References:
See also references of EP 2166418A4
None
Attorney, Agent or Firm:
HIRAYAMA, Iwao (Minami-yawata Ichikawa-cit, Chiba 23, JP)
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Claims:
基材上に自己硬化型材料を塗布する塗布工程と、
樹脂製母型に形成された凹凸状のホログラムパターン上に、前記塗布工程で前記基材上に塗布された硬化前の自己硬化型材料を重ね合わせる重ね合わせ工程と、
前記重ね合わせ工程において前記ホログラムパターンが転写された前記自己硬化型材料と、前記樹脂製母型とを剥離する剥離工程と、
を備えることを特徴とするホログラムパターン形成方法。
前記自己硬化型材料は、含まれる物質が気化することにより硬化する材料である請求項1に記載のホログラムパターン形成方法。
前記自己硬化型材料は、含まれる物質間の化学反応により硬化する材料である請求項1又は請求項2に記載のホログラムパターン形成方法。
前記自己硬化型材料はイソシアネートを含む請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のホログラムパターン形成方法。
前記樹脂製母型はOPPフィルムからなる請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のホログラムパターン形成方法。
前記剥離工程において剥離された前記自己硬化型材料に転写されたホログラムパターンの凹凸形状に沿って、反射性材料層を形成する工程を備える請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のホログラムパターン形成方法。
前記反射性材料はアルミニウムを含み、蒸着によって前記反射性材料層を形成する請求項6に記載のホログラムパターン形成方法。
前記剥離工程において剥離された前記自己硬化型材料に転写された前記ホログラムパターンの凹凸形状に沿って、透過性高屈折率材料層を形成する工程を備える請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のホログラムパターン形成方法。
前記透過性高屈折率材料は、酸化珪素、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫化亜鉛、ジルコニウム化合物、又は、酸化インジウム錫を含む請求項8に記載のホログラムパターン形成方法。
前記剥離工程において剥離された前記自己硬化型材料上の所定範囲に塗料を塗布する塗布工程を備える請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のホログラムパターン形成方法。
前記剥離工程において剥離された、前記自己硬化型材料付き基材を、容器に貼着する工程を備える請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のホログラムパターン形成方法。
前記容器は缶体である請求項11に記載のホログラムパターン形成方法。
前記容器はプラスチック製容器である請求項11に記載のホログラムパターン形成方法。
前記容器は紙製容器である請求項11に記載のホログラムパターン形成方法。
前記容器はアルミを含む容器である請求項11に記載のホログラムパターン形成方法。
フィルム上に自己硬化型材料を塗布する塗布工程と、
樹脂製母型に形成された凹凸状のホログラムパターン上に、前記塗布工程で前記フィルム上に塗布された硬化前の自己硬化型材料を重ね合わせる重ね合わせ工程と、
前記重ね合わせ工程において前記ホログラムパターンが転写された前記自己硬化型材料と、前記樹脂製母型とを剥離する剥離工程と、
を備えることを特徴とするホログラムパターン付フィルム製造方法。
基材と、基材上に塗布された自己硬化型材料と、を備えた積層フィルムであって、
前記自己硬化型材料には、凹凸状のホログラムパターンが形成されていることを特徴とする積層フィルム。
基材と、基材上に塗布された自己硬化型材料と、を備えた積層フィルムであって、
前記自己硬化型材料には、樹脂製母型から転写された凹凸状のホログラムパターンが形成されていることを特徴とする積層フィルム。
前記自己硬化型材料は、含まれる物質が気化することにより硬化する材料である請求項17又は請求項18に記載の積層フィルム。
前記自己硬化型材料は、含まれる物質間の化学反応により硬化する材料である請求項17から請求項19のいずれか1項に記載の積層フィルム。
前記凹凸状のホログラムパターンに沿って反射性材料層が形成されている請求項17から請求項20のいずれか1項に記載の積層フィルム。
前記凹凸状のホログラムパターンに沿って透過性高屈折率材料層が形成されている請求項17から請求項21のいずれか1項に記載の積層フィルム。
請求項17から請求項22のいずれか1項に記載の積層フィルムを備えることを特徴とする容器。
前記容器は缶体である請求項23に記載の容器。
前記容器はプラスチック製容器である請求項23に記載の容器。
前記容器は紙製容器である請求項23に記載の容器。
前記容器はアルミを含む容器である請求項23に記載の容器。
Description:
ホログラムパターン形成方法、 ログラムパターン付きフィルム製造方法、 層フィルム、及び容器

本発明は、フィルムその他の基材上に凹凸 状のホログラムパターンを形成する方法、ホ ログラムパターン付きフィルムの製造方法、 積層フィルム、及び容器に関する。

近年、装飾を目的として、容器、包装物そ の他の対象物の外面にホログラムパターンを 備えたものが提案されている。このホログラ ムパターンは、平面内に記録された干渉縞の パターンを、エンボス状又はレリーフ状をな す微細な凹凸形状としたものであって、容器 外面に直接形成し、又は、別途形成したパタ ーンを容器外面に貼着する方法が検討されて いる。

ホログラムパターンを容器外面に直接形成す る方法としては、凹凸状のホログラムパター ンが形成された金属板を対象物たる容器表面 に係合させるものが提案されている。また、 ホログラムパターンを別途形成する方法とし ては、金属薄膜からなる母型に形成された凹 凸状のホログラムパターンを、熱可塑性樹脂 や紫外線硬化型樹脂に加圧成形し、樹脂を硬 化させた後に、容器外面に接着するものが提 案されている(特許文献1~3)。

特開平10-329831号公報

特開平11-268746号公報

特開2000-128176号公報

しかしながら、従来のホログラムパターン の形成方法では、容器外面に直接形成する場 合は、容器上にパターンを形成するたびに、 凹凸状のホログラムパターンが形成された金 属板を消費しなければならず、製造コストが 高くならざるを得なかった。また、ホログラ ムパターンを別途形成する場合においても、 パターンを形成するたびに金属薄膜からなる 母型を高温下にさらし、かつ、加圧成形に用 いるため、母型の寿命が短くなりやすく、母 型製造のためのコストが高いことも相俟って 、ホログラムパターンの形成のためのコスト が高くなっていた。さらに、母型の製造、ホ ログラムパターンの形成、及び、ホログラム パターン付きフィルムの接着という工程が必 要となるため、製造に時間がかかり、これが 容器価格の高騰につながるおそれがあった。

また、ホログラムパターンを別途形成する 場合には、加圧成形された熱可塑性樹脂や紫 外線硬化型樹脂を硬化させるために、既存の 容器製造ラインに加熱装置や紫外線照射装置 その他の新たな設備を追加しなければならな いことから、さらに製造コストが引き上げら れるおそれがあった。

そこで本発明は、母型にかかるコストを抑 えつつ、ホログラムパターンを形成するため の製造コストを低減することのできる、ホロ グラムパターン形成方法、及びホログラムパ ターン付きフィルム製造方法を提供すること を目的とする。

上記課題を解決するために、本発明のホロ グラムパターン形成方法は、基材上に自己硬 化型材料を塗布する塗布工程と、樹脂製母型 に形成された凹凸状のホログラムパターン上 に、塗布工程で基材上に塗布された硬化前の 自己硬化型材料を重ね合わせる重ね合わせ工 程と、重ね合わせ工程においてホログラムパ ターンが転写された自己硬化型材料と、樹脂 製母型とを剥離する剥離工程と、を備えるこ とを特徴としている。

本発明のホログラムパターン形成方法にお いて、自己硬化型材料は、含まれる物質が気 化することにより硬化する材料であるとよい 。

本発明のホログラムパターン形成方法にお いて、自己硬化型材料は、含まれる物質間の 化学反応により硬化する材料であることが好 ましい。

本発明のホログラムパターン形成方法にお いて、自己硬化型材料はイソシアネートを含 むとよい

本発明のホログラムパターン形成方法にお いて、樹脂製母型はOPPフィルムで構成するこ とができる。

本発明のホログラムパターン形成方法にお いて、剥離工程において剥離された自己硬化 型材料に転写されたホログラムパターンの凹 凸形状に沿って、反射性材料層を形成する工 程を備えることが望ましい。

本発明のホログラムパターン形成方法にお いて、反射性材料はアルミニウムを含み、蒸 着によって反射性材料層を形成することがで きる。

本発明のホログラムパターン形成方法にお いて、剥離工程において剥離された自己硬化 型材料に転写されたホログラムパターンの凹 凸形状に沿って、透過性高屈折率材料層を形 成する工程を備えることが好ましい。

本発明のホログラムパターン形成方法にお いて、透過性高屈折率材料は、酸化珪素、酸 化亜鉛、酸化チタン、酸化アルミニウム、硫 化亜鉛、ジルコニウム化合物、又は、酸化イ ンジウム錫を含むとよい。

本発明のホログラムパターン形成方法にお いて、剥離工程において剥離された自己硬化 型材料上の所定範囲に塗料を塗布する塗布工 程を備えることが好ましい。

本発明のホログラムパターン形成方法にお いて、剥離工程において剥離された、自己硬 化型材料付き基材を、容器に貼着する工程を 備えるとよい。

本発明のホログラムパターン形成方法にお いて、容器は缶体、プラスチック製容器、紙 製容器、アルミを含む容器を用いることがで きる。

また、本発明のホログラムパターン付きフ ィルム製造方法は、フィルム上に自己硬化型 材料を塗布する塗布工程と、樹脂製母型に形 成された凹凸状のホログラムパターン上に、 塗布工程でフィルム上に塗布された硬化前の 自己硬化型材料を重ね合わせる重ね合わせ工 程と、重ね合わせ工程においてホログラムパ ターンが転写された自己硬化型材料と、樹脂 製母型とを剥離する剥離工程と、を備え、樹 脂製母型のホログラムパターンをフィルム上 の自己硬化型材料へ転写することを特徴とし ている。

本発明の積層フィルムは、基材と、基材上 に塗布された自己硬化型材料と、を備えた積 層フィルムであって、自己硬化型材料には、 凹凸状のホログラムパターンが形成されてい ることを特徴としている。

本発明の積層フィルムは、基材と、基材上 に塗布された自己硬化型材料と、を備えた積 層フィルムであって、自己硬化型材料には、 樹脂製母型から転写された凹凸状のホログラ ムパターンが形成されていることを特徴とし ている。

本発明の積層フィルムにおいて、自己硬化 型材料は、含まれる物質が気化することによ り硬化する材料であることが好ましい。

本発明の積層フィルムにおいて、自己硬化 型材料は、含まれる物質間の化学反応により 硬化する材料とすることができる。

本発明の積層フィルムにおいては、凹凸状 のホログラムパターンに沿って反射性材料層 が形成されているとよい。

本発明の積層フィルムにおいては、凹凸状 のホログラムパターンに沿って透過性高屈折 率材料層が形成されていることが好ましい。

本発明の容器は、上述のいずれかの積層フ ィルムを備えることを特徴としている。

本発明の容器は缶体、プラスチック製容器 、紙製容器、アルミを含む容器から選択する ことができる。

本発明によると、母型を樹脂で形成すると ともに、自己硬化型材料に凹凸状のホログラ ムパターンを形成することにより、母型にか かる製造コストを低減することができるとと もに、容器にホログラムパターンを成形する ための製造コストの上昇を抑えることができ る。また、自己硬化型材料として、汎用の接 着剤を用いることができるため、材料コスト を低減し、開発コストを抑えることができる 。さらに、樹脂を硬化させるための加熱工程 や紫外線照射工程がないため、ホログラムパ ターン形成に関わる材料の選択肢を広げるこ とができ、これによっても製造コストを低減 することができる。

本発明の実施形態に係るホログラムパ ーン形成方法によってホログラムパターン 形成された容器の構成を示す部分拡大断面 である。 本発明の実施形態に係るホログラムパ ーン形成方法の各工程における層構成を示 断面図である。 剥離強度試験の条件及び結果を示す表 ある。 剥離強度試験時の各層の配置を示す概 図である。

符号の説明

10  樹脂製母型
10a ホログラムパターン
20  原型
20a ホログラムパターン
30  基材
31  自己硬化型材料
31a ホログラムパターン
32  接着剤層
33  蒸着層
35  ホログラムパターン付きフィルム(積層 ィルム)
40  容器(対象物)
50  表面保護層

以下、本発明の実施形態について図面を参照 しつつ詳しく説明する。
図1は、本実施形態に係るホログラムパター 形成方法によってホログラムパターン31aが 成された容器40の外周面40aの近傍の構成を示 す部分拡大断面図である。図1に示すように 器40の外周面40aには、本実施形態に係るホロ グラムパターン形成方法によって製造された ホログラムパターン付きフィルム35(積層フィ ルム)が接着固定されている。本実施形態で ホログラムパターンの視認性を維持するた に、ホログラムパターン31aの凹凸形状に沿 て蒸着層33を形成し、更に表面保護層50も追 形成される。

本実施形態に係るホログラムパターン形成方 法、及び、ホログラムパターン付きフィルム 製造方法は、図2に示すように、(1)基材30上に 自己硬化型材料31を塗布する塗布工程、(2)樹 製母型10のホログラムパターン10a上に、硬 前の自己硬化型材料31を、基材30とともに、 ね合わせる工程、(3)重ね合わせ後にホログ ムパターンが転写された自己硬化型材料31 、樹脂製母型10とを剥離する剥離工程、を備 え、樹脂製母型10のホログラムパターン10aを 材30上の自己硬化型材料31へ転写し、これに よってホログラムパターン31aを備えた基材30 製造するものである。ここで、図2は、本実 施形態に係るホログラムパターン形成方法の 各工程における層構成を示す断面図である。
以下に、各工程の詳細、並びに、ホログラム パターン形成方法、及び、ホログラムパター ン付きフィルム製造方法に用いる材料につい て、詳細に説明する。

(1)塗布工程
塗布工程では、基材30に自己硬化型材料31を 布する。塗布は、例えば、塗布ロールによ 転写、スプレーによる噴霧、スピンコート よって行うことができる。基材30は、強度、 膜厚の均一性の観点からPETフィルムを用いる ことが好ましい。また、基材30は、ホログラ パターンの形成対象物たる容器の種類や仕 に応じて、枚葉状、ロール状の何れの形態 使用できる。

自己硬化型材料31は、含まれる物質が気化( 揮発)することによって硬化する材料、又は 含まれる物質間の化学反応により硬化する 料である。ここで、含まれる物質が気化す ことによって硬化する材料には、気化後の 質間の化学反応によって硬化する材料を含 。

自己硬化型材料31としては、硬化剤と樹脂を 剤に溶かした2液硬化型接着剤が好ましい。 このような2液硬化型接着剤の例としては、 の(1)から(3)の混合物を挙げることができる
(1)樹脂:ポリエステル、ウレタン、エポキシ ポリエステルポリウレタン、ポリエステル レタンポリオール、ウレタンポリオール、 ポキシポリオール、ポリエステルエポキシ
(2)硬化剤:脂肪族イソシアネート、芳香族イ シアネート
(3)溶剤:酢酸エチル、メチルエチルケトン、 ルエン、キシレン、シクロヘキサノン、メ ノール、エタノール

含まれる物質が気化することによって硬化 する自己硬化型材料としては、溶剤が気化す るものがあり、気化する溶剤としては、例え ば、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トル エン、キシレン、シクロヘキサノン、メタノ ール、エタノールがある。

さらに、樹脂と硬化剤は、次の組み合わせ(A) 、(B)が好ましい。
(A)樹脂:ポリエステルウレタンポリオール
   硬化剤:芳香族イソシアネート
(B)樹脂:ポリエステル
   硬化剤:脂肪族イソシアネート

自己硬化型材料31の塗布は次のように行う。
2液タイプであって、含まれる物質が気化す ことによって硬化する自己硬化型材料の場 は、まず、樹脂と硬化剤を溶剤に溶かして 材30に塗布する。次に、自己硬化型材料31に 風を吹きかけて溶剤を気化させた後に、樹 製母型10を重ね合わせる。ここで用いる温 の温度は、例えば40℃から90℃、より好まし は50℃から80℃であって、100℃を超えるよう な高温は必要ない。溶剤が気化した自己硬化 型材料31は、転写されたホログラムパターン3 1aを損なうことなく、樹脂製母型10から剥離 ることができる。その後、さらに加熱する 自己硬化型材料31は完全に硬化する。このよ うに、含まれる物質としての溶剤を気化する ことによって、短時間で、自己硬化型材料31 一定の形状を保持した状態となるため、樹 製母型10を長時間に渡って重ね合わせる必 がなくなり、製造効率を高めることが可能 なる。なお、樹脂製母型10の剥離は、自己硬 化型材料31が完全に硬化した後に行うことも きる。また、自己硬化型材料31の溶剤を気 させた後の塗布重量は0.1g/m 2 以上あればよく、より好ましくは0.3から10.0g/ m 2 であった。

一方、含まれる物質間の化学反応によって硬 化する自己硬化型材料の場合は、含まれる物 質が気化することによって硬化する場合と同 様に、まず、樹脂と硬化剤を溶剤に溶かして 基材30に塗布する。次に、自己硬化型材料31 温風を吹きかけて溶剤を気化させた後に、 脂製母型10を重ね合わせて放置する。自己硬 化型材料31の特性により、放置は、20℃から70 ℃、より好ましくは35℃から60℃にて、半日 上、より好ましくは1日から7日の間、行い、 その後、樹脂製母型10を剥離する。さらに自 硬化型材料31を完全に硬化させるために加 しても良い。なお、溶剤は自己硬化型材料31 の基材30への塗布を容易ならしめるために添 するものであって、樹脂と硬化剤の混合の で塗布可能な場合には必ずしも添加する必 はなく、添加しない場合には樹脂製母型10 の重ね合わせ前に温風を吹きかけなくても い。また、自己硬化型材料31の溶剤を気化さ せた後の塗布重量は0.1g/m 2 以上あればよく、より好ましくは、0.3から10. 0g/m 2 であった。

以上のような2液硬化型接着剤を用いると 高温加熱や紫外線の照射が不要となるとと に、硬化後の耐熱性、耐熱水性、接着性が いため好ましい。例えば耐熱性が高いと、 料用を含めた食品の缶詰及びパウチに代表 れる、レトルト殺菌が必要な容器へ、形成 れたホログラムパターン付きフィルムを使 することができる。なお、自己硬化型材料31 は、高温加熱や紫外線の照射が不要であって 、放置によって反応が進行して硬化するもの であれば、2液タイプ以外の自己硬化型材料 用いることができる。

ここで、後の重ね合わせ工程で自己硬化型 材料31を重ね合わせる樹脂製母型10の形成に いて説明する。樹脂製母型10は、あらかじめ 凹凸状のホログラムパターン20aが形成された 原型20を、母型材料の表面に対して、加熱下 押圧(熱圧成形)することにより形成する。 れにより、原型20に形成された微細な凹凸状 のホログラムパターン20aが、樹脂製母型10の 面にホログラムパターン10aとして転写され 。樹脂製母型10は、例えば、OPPフィルム、 イロン(商標)フィルム、PET(ポリエチレンテ フタレート)フィルムを用いることができる 、剥離性の観点からはOPPフィルムが好まし 。また、樹脂製母型10は、ホログラムパタ ンの形成対象物たる容器の種類や仕様に応 て、枚葉状、ロール状の何れの形態も使用 きる。

樹脂製母型10の形成に用いる原型20は、公 の方法で形成することができ、例えば次の うに形成する。まず、フォトレジストを塗 した乾板にレーザー干渉膜を露光して、そ 干渉縞の濃度に応じた凹凸のレジストパタ ンを形成する。次に、これに金属を蒸着し 薄膜を形成して導電性を持たせ、その上に ッケルをメッキする。最後に、このメッキ を剥離することにより、ニッケル上に微細 凹凸状のホログラムパターンが精密に転写 れた原型20が形成される。

(2)重ね合わせ工程
つづいて、樹脂製母型10に基材30上の自己硬 型材料31を重ね合わせて樹脂製母型10に形成 れたホログラムパターン10aを自己硬化型材 31上に転写する。重ね合わせは、樹脂製母 10に形成された凹凸状のホログラムパターン 10a上に、基材30上に塗布された硬化前の自己 化型材料31が接した状態で、樹脂製母型10と 基材30を互いに押圧することによって行う。 圧の圧力は、ホログラムパターンの解像度 樹脂製母型10及び自己硬化型材料31の材料特 性に応じて設定する。樹脂製母型10に基材30 押圧することによって、樹脂製母型10のホロ グラムパターン10aが自己硬化型材料31上にホ グラムパターン31aとして転写される。

自己硬化型材料31が、含まれる物質が気化 ることによって硬化する材料である場合は 温風を吹きかけて溶剤を気化させた自己硬 型材料31に、樹脂製母型10を重ね合わせる。 溶剤を気化させた自己硬化型材料31は、残っ 物質間の化学反応によって硬化が完了する では、一定の形状を保持しつつ、重ね合わ た樹脂製母型10のホログラムパターン10aに 応した凹凸形状を定着可能な状態である。

一方、自己硬化型材料31が、含まれる物質 の反応によって硬化する材料である場合は 樹脂製母型10と自己硬化型材料31とを重ね合 わせた状態を保持すると、自己硬化型材料31 硬化し、樹脂製母型10のホログラムパター 10aに対応した微細な凹凸形状が自己硬化型 料31にホログラムパターン31aとして定着する 。なお、重ね合わせ工程は、常温下で行うこ とができるが、自己硬化型材料31の特性や、 造工程における重ね合わせ工程に許容可能 時間によっては、加熱下で行うこともでき 。また、重ね合わせにおいては、例えば、 脂製母型10と基材30を、加温したローラ対間 に通すようにすると、より確実に樹脂製母型 10のホログラムパターン10aを自己硬化型材料3 1上に転写することができるとともに、自己 化型材料31の硬化反応を促進して重ね合わせ 工程にかかる時間を削減することができる。 なお、この場合のローラ対の温度は、例えば 40℃から90℃、より好ましくは50℃から80℃で って、100℃を超えるような高温は必要ない

(3)剥離工程
剥離工程においては、重ね合わせ工程におい て硬化した自己硬化型材料31を、基材30とと に、樹脂製母型10から剥離する。これにより 、上面にホログラムパターン31aが形成された 自己硬化型材料31が基材30上に積層された構 のホログラムパターン付きフィルムを取り すことができる。なお、剥離後の樹脂製母 10は、繰り返し使用が可能である。

ここで、基材30及び樹脂製母型10の濡れ張力 剥離性との関係について行った剥離強度試 について、図3、図4を参照しつつ説明する。
図3は、剥離強度試験の条件及び結果を示す であり、図4は、剥離強度試験時の各層の配 を示す概略図である。また、図3の(a)欄及び (b)欄は、図4の(a)及び(b)に、それぞれ対応す 試験結果を示している。なお、図4において 、自己硬化型材料31の図示を省略している

各層に用いた材料は以下の通りである(図3)。 積層フィルムは幅15mmの短冊状とした。
(1)基材30:PETフィルム(厚さ12μm、濡れ張力33mN/m 、36mN/m)
(2)自己硬化型材料31:LX963/KW75(大日本インキ化 工業株式会社製)
この自己硬化型材料31は、上記の(A)の組合せ すなわち、樹脂:ポリエステルウレタンポリ オールと硬化剤:芳香族イソシアネートの組 合わせにあたる。また、塗布を容易ならし るために、溶剤として酢酸エチルを使用し 。溶剤を気化させた後の塗布重量は3.6g/m 2 とした。
(3)樹脂製母型10:OPPフィルム(厚さ20μm、濡れ張 力23mN/m、30mN/m)、PETフィルム(厚さ12μm、濡れ 力33mN/m、36mN/m)の4種類
すなわち、基材30は、いずれも濡れ張力が33mN /m以上であり、樹脂製母型10は、30mN/m未満の のと、30mN/m以上のものと、を含む。

自己硬化型材料31中の硬化剤の割合は、2.5 5、10、20、30(単位PHR(per hundred resin))とし、5 5°C3日間の条件で硬化させた。

以上の条件で形成した積層フィルムにおい て、図4(a)に示すように、樹脂製母型10の一端 を壁60に固定し、これに対応する基材30の一 に錘62を下げて放置することによって試験を 行った。錘62はフィルムに剥離又は破断が起 るまで、順次重いものに変更し、このとき 錘62の重量によって剥離強度を測定した。 た、図4(b)に示すように、基材30の一端を壁60 に固定し、これに対応する樹脂製母型10の一 に錘62を下げて放置することによって試験 行った。

測定の結果は、図3の(a)欄及び(b)欄に示す おりであって、基材30の濡れ張力が33mN/m以上 のとき、樹脂製母型10を、濡れ張力が30mN/m未 のOPPフィルムにしたモデルでは、破断する となく樹脂製母型10を剥離できた。剥離界 は全てOPPフィルムと自己硬化型材料31の境界 面であった。これに対して、樹脂製母型10を 濡れ張力が30mN/m以上のOPPフィルム又はPETフ ルムにしたモデルでは、フィルムが破断し 又は、きわめて大きな剥離強度を要した。 たがって、樹脂製母型10の濡れ張力が小さ 方が剥離性がよいことが分かった。

また、自己硬化型材料31から樹脂製母型10 剥離する剥離強度は、樹脂製母型10の幅15mm たり100mN未満であると、樹脂製母型10を損傷 せるおそれが小さいので好ましい。

次に、ホログラムパターン付きフィルム35 及び、ホログラムパターン付きフィルム35 貼着する対象物の外観デザインの向上、ホ グラムパターン31aの耐久性向上その他の目 のために、ホログラムパターン31a上に蒸着 行うことが好ましい。蒸着は、ホログラム ターン31aの凹凸状のパターンに沿った層33を 形成するものであって、例えば、反射性材料 層、透過性高屈折率材料層を形成する。ホロ グラムパターン31aの凹凸状のパターンに沿っ て層を形成することによって、自己硬化型材 料31上のホログラムパターン31aによる視覚効 を維持しつつ、外観デザインの向上や耐久 の向上を図ることができる。なお、ホログ ムパターン31aの凹凸状のパターンを埋めて まうことなく、パターンに沿って層を形成 ることができれば蒸着以外の方法(例えばス パッタリング)で層形成を行うことができる 以下に、ホログラムパターン31a上に形成す 蒸着層について説明する。

反射性材料層は、自己硬化型材料31へ入射 た光をホログラムパターン31aのパターン形 に応じて反射させるものであって、ホログ ムパターン付きフィルム35、及び、ホログ ムパターン付きフィルム35を貼着する対象物 の外観デザインの向上に特に寄与し得るもの である。反射性材料層に用いることのできる 物質としては、例えばアルミニウム、ニッケ ル、銀がある。

一方、透過性高屈折率材料層を設けると、 ホログラムパターン31aが周辺環境に影響を受 けるのを防ぐことができる。さらに、例えば ホログラムパターン付きフィルム35を容器表 に貼着した場合に、容器に触れる人の手に いた油分その他の物質により、ホログラム ターン31aの凹凸が埋められてしまうこと、 は、ホログラムパターン31a表面が汚染され しまうことを防止することができる。透過 高屈折率材料層に用いることのできる物質 しては、蒸着後においてもホログラムパタ ン31aの視認性が損なわれない程度に、自己 化型材料31の屈折率よりも20%以上、より好 しくは30%以上大きな屈折率を備える物質が ましく、例えば、酸化珪素、酸化亜鉛、酸 チタン、酸化アルミニウム、硫化亜鉛、ジ コニウム化合物、酸化インジウム錫(ITO)があ る。

アルミニウムやニッケルの反射性材料層や 、酸化珪素、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ア ルミニウム、硫化亜鉛、ジルコニウム化合物 、又は、酸化インジウム錫の透過性高屈折率 材料層を、自己硬化型材料31に形成するには 蒸着が好ましい。蒸着により、ホログラム ターン31aの凹凸形状に沿って、反射性材料 や透過性高屈折率材料層の薄膜を形成した 合には、手垢による汚染や結露などの水分 着の周辺環境の影響によるホログラムパタ ンの視認性低下はほとんどない。反射性材 層や透過性高屈折率材料層の薄膜を形成し 場合、自己硬化型材料31と同程度の屈折率 表面保護層50を付与(図1)しても、ホログラム パターンの視認性低下はほとんどない。

以上の工程で製造されたホログラムパター ン付きフィルム35は、対象物たる容器40に貼 される。貼着は、例えば、基材30の自己硬化 型材料31とは反対側の面に接着剤層32を形成 て、この接着剤層32によって容器40の外周面 接着することによって行う。容器40として 、例えば、缶体、プラスチック製容器、紙 容器、アルミを含む容器が挙げられる。な 、ホログラムパターン付きフィルム35は、容 器以外の対象物(例えば包装物、書籍)に対し 貼着することもできる。

また、自己硬化型材料31上の必要な範囲に いて、ホログラムパターン31aと同程度の屈 率を備えた物質(例えば塗料)を積層するこ によって凹凸状のパターンを埋めると、そ 範囲のホログラム効果を意図的に消すこと できる。この現象を利用すると、ホログラ パターン31aを形成する領域を自在に設計で る。

以上のように構成されたことから、上記実施 形態によれば、次の効果(1)~(3)を奏する。
(1)母型を樹脂で形成することにより、母型に かかる製造コストを低減することができる。
(2)自己硬化型材料31にホログラムパターンを 成することにより、加熱装置や紫外線照射 置その他の新たな設備を導入する必要がな なるため、製造コストの上昇を招くことが い。
(3)自己硬化型材料31を用いるため、ホログラ パターンを形成する材料の選択肢を広げる とができる

本発明について上記実施形態を参照しつつ 説明したが、本発明は上記実施形態に限定さ れるものではなく、改良の目的または本発明 の思想の範囲内において改良または変更が可 能である。

 以上のように、本発明に係るホログラム ターン形成方法、及びホログラムパターン きフィルム製造方法は、容器、包装物その の対象物の装飾に有用である。