Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
HYALURONAN PRODUCTION ACCELERATOR AND HYALURONAN DECOMPOSITION SUPPRESSANT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/129607
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide a hyaluronan production accelerator, a hyaluronan decomposition suppressant, and a skin care agent. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] A drug containing a hyaluronan as an active ingredient. The hyaluronan preferably is a tetrasaccharide (HA4) comprising two units of -D-glucuronic acid-β-1,3-D-N-acetylglucosamine-β-1,4-.

Inventors:
ASARI AKIRA (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/057741
Publication Date:
October 30, 2008
Filing Date:
April 06, 2007
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
GLYCOSCIENCE LAB INC (JP)
ASARI AKIRA (JP)
International Classes:
A61K31/702; A61K8/60; A61K31/728; A61P17/16; A61Q19/00; C07H7/033; C08B37/08
Foreign References:
JPH01272511A1989-10-31
JPS6413008A1989-01-17
JPS62292710A1987-12-19
JPH05504757A1993-07-22
JP2003210134A2003-07-29
JP2007126453A2007-05-24
Attorney, Agent or Firm:
OKUYAMA, Shoichi et al. (Akasaka NOA Bldg.2-12, Akasaka 3-chom, Minato-ku Tokyo 52, JP)
Download PDF:
Claims:
 ヒアルロナンを有効成分とする、ヒアルロナン産生促進剤。
 上記ヒアルロナンは、-D-グルクロン酸-β-1,3-D-N-アセチルグルコサミン-β-1,4-を1単位とし、これを2個含む4糖である請求項1記載のヒアルロナン産生促進剤。
 ヒアルロナンを有効成分とする、ヒアルロナン分解抑制剤。
 上記ヒアルロナンは、-D-グルクロン酸-β-1,3-D-N-アセチルグルコサミン-β-1,4-を1単位とし、これを2個含む4糖である請求項3記載のヒアルロナン分解抑制剤。
 ヒアルロナンを有効成分とする、スキンケア剤。
 上記ヒアルロナンは、-D-グルクロン酸-β-1,3-D-N-アセチルグルコサミン-β-1,4-を1単位とし、これを2個含む4糖である請求項5記載のスキンケア剤。
 上記ヒアルロナンは、-D-グルクロン酸-β-1,3-D-N-アセチルグルコサミン-β-1,4-を1単位とし、これを1個含む2糖、これを2個含む4糖、これを3個含む6糖、これを4個含む8糖及びこれを5個含む10糖を含む混合物である請求項5記載のスキンケア剤。
 皮膚に対して塗布される剤形である請求項5記載のスキンケア剤。
 経口投与に適した剤形である請求項5記載のスキンケア剤。
 哺乳動物に有効量のヒアルロナンを投与するステップを含む、皮膚の保湿性を向上させる方法。
 上記ヒアルロナンは、-D-グルクロン酸-β-1,3-D-N-アセチルグルコサミン-β-1,4-を1単位とし、これを2個含む4糖である請求項10記載の方法。
 上記ヒアルロナンは、-D-グルクロン酸-β-1,3-D-N-アセチルグルコサミン-β-1,4-を1単位とし、これを1個含む2糖、これを2個含む4糖、これを3個含む6糖、これを4個含む8糖及びこれを5個含む10糖を含む混合物である請求項10記載の方法。
 ヒアルロナンが皮膚に塗布される請求項10記載の方法。
 ヒアルロナンが経口投与される請求項10記載の方法。
Description:
ヒアルロナン産生促進剤及びヒ ルロナン分解抑制剤

 本発明は、ヒアルロナンを有効成分とす ヒアルロナン産生促進剤及びヒアルロナン 解抑制剤に関する。また、本発明は、ヒア ロナン

 ヒアルロナンは、D-グルクロン酸とN-アセ チル-D-グルコサミンとの2糖繰り返し単位か 構成されている長鎖の多糖であり、一方、 リゴ糖も知られている。ヒアルロナンは鶏 、さい帯、皮膚、関節液などの生体組織か の抽出液、またはストレプトコッカス属の 菌を用いる発酵法などにより製造され、毒 学的および免疫学的作用が存在しないため 薬剤や化粧品として利用されており、例え ヒアルロナンの関節内注射による関節炎の 療がよく知られている。以下の説明におい 、4糖のヒアルロナンをHA4と記載する。

 HA4には、臓器保存、肝障害および胃潰瘍 対する治療・抑制効果があることが報告さ ている(特許文献1参照)。また、HA4には、ス レス蛋白発現増強作用および細胞死抑制作 があることが知られている(非特許文献1参 )。

 なお、一般に『ヒアルロン酸』と表現す 場合、4糖のヒアルロナンを含み、糖の数に 拘わらず広くヒアルロナンを含む意味である 。現在まで、ヒアルロナンの産業への応用は 広く研究されてきた。しかしヒアルロナン自 体の合成を促進したり、ヒアルロナンの分解 を抑制する手法は、十分に研究されていない のが実状であった。

WO2002/004471 Xu H, Ito T, Tawada A, Maeda H, Yamanokuchi H , Isahara K, Yoshida K, Uchiyama Y, AsariA. Effect  of hyaluronan oligosaccharides on the expression of h eat shock protein 72. J Biol Chem. 2002 10;277(19):1 7308-14.

 そこで、本発明は、新規なヒアルロナン 生促進剤及びヒアルロナン分解抑制剤を提 し、ヒアルロナン産生促進作用及びヒアル ナン分解抑制作用を利用したスキンケア剤 提供することを目的とする。

 上述した目的を達成した本発明に係るヒ ルロナン産生促進剤、ヒアルロナン分解抑 剤及びスキンケア剤は、4糖のヒアルロナン を有効成分として含有する。本発明に係るヒ アルロナン産生促進剤は、細胞内のヒアルロ ナンの産生を促進、ヒアルロナンの分解を抑 制する。また、本発明に係るスキンケア剤は 、上記有効成分による細胞内のヒアルロナン 産生促進作用及びヒアルロナン分解抑制作用 によって、皮膚の保湿を向上させる。また、 本発明の方法により、ヒアルロナンの産生が 促進され、及びヒアルロナンの分解が抑制さ れることにより、皮膚の保湿性が向上する。

 本発明に係るヒアルロナン産生促進剤、 アルロナン分解抑制剤及びスキンケア剤は 4糖のヒアルロナンを有効成分とするもので あるから、比較的安価にかつ容易に大量生産 できる利点がある。また、4糖のヒアルロナ は毒性や抗原性がほとんどないこと、生体 元来有している治療作用や疾患の防止作用 増強することから副作用の極めて少ない剤 して期待される。

 以下、本発明を詳細に説明する。本発明 係るヒアルロナン産生促進剤は、細胞によ ヒアルロナンの産生を促進する機能を有す 薬剤である。また、本発明に係るヒアルロ ン分解抑制剤は、産生されたヒアルロナン 分解を抑制する薬剤である。さらに、本発 に係るスキンケア剤は、細胞におけるヒア ロナン産生促進作用及びヒアルロナン分解 制作用を介して皮膚の保湿性を改善する薬 である。

 以下の説明において、本発明に係るヒア ロナン産生促進剤、ヒアルロナン分解抑制 及びスキンケア剤を単に薬剤と称する。本 明に係る薬剤に含まれるヒアルロナンとし は、基本的にはβ-D-グルクロン酸の1位とβ-D -N-アセチルグルコサミンの3位とが結合した2 単位を少なくとも1個含む2糖以上のもので つβ-D-グルクロン酸とβ-D-N-アセチルグルコ ミンとから基本的に構成されるものであれ 、2糖単位が1個または複数個結合したものに それらの要素が結合した糖であってもよく、 またこれらの誘導体、例えば、アシル基等の 加水分解性保護基を有したもの等も使用し得 る。該糖は不飽和糖であってもよく、不飽和 糖としては、非還元末端糖、通常、グルクロ ン酸の4,5位炭素間が不飽和のもの等が挙げら れる。本発明で使用するヒアルロナンとして は、具体的には動物等の天然物から抽出され たもの、微生物を培養して得られたもの、化 学的もしくは酵素的に合成されたものなどい ずれも使用することができる。例えば鶏冠、 さい帯、皮膚、関節液などの生体組織から公 知の抽出法と精製法によって得ることができ る。またストレプトコッカス属の細菌等を用 いた発酵法によっても製造できる。

 本発明においては、ヒアルロナンオリゴ もヒアルロナンに包含され、上記2糖単位1 からなる2糖およびその誘導体のような低分 量のヒアルロナンも含まれる。より好まし は2~20糖程度のヒアルロナンを挙げることが できる。

 特に、本発明においてヒアルロナンとし は、-D-グルクロン酸-β-1,3-D-N-アセチルグル サミン-β-1,4-を1単位とし、これを1個含む2 、これを2個含む4糖、これを3個含む6糖、こ を4個含む8糖及びこれを5個含む10糖を含む 合物であることが好ましい。

 ヒアルロナンのうち分子量の低いものは 具体的には、酵素分解法、アルカリ分解法 加熱処理法、超音波処理法(Biochem., 33(1994)p6 503-6507)等の公知の方法によってヒアルロナン を低分子化する方法、化学的もしくは酵素的 に合成する方法(Glycoconjugate J., (1993)p435-439、 WO93/20827) などで製造することが好ましい。 えば酵素分解法としては、ヒアルロナン分 酵素(ヒアルロニダーゼ(睾丸由来)、ヒアル ニダーゼ(Streptomyces由来)、ヒアルロニダーゼ SDなど)、コンドロイチナーゼAC、コンドロイ ナーゼACII、コンドロイチナーゼACIII 、コ ドロイチナーゼABCなどのヒアルロナンを分 する酵素をヒアルロナンに作用させてヒア ロナンオリゴ糖を生成する方法(新生化学実 講座「糖質II-プロテオグリカンとグリコサ ノグリカン-」p244-248、1991年発行、東京化学 同人 参照)などが挙げられる。

 また、アルカリ分解法としては、例えば アルロナンの溶液に1N程度の水酸化ナトリ ム等の塩基を加え、数時間加温して、低分 化させた後、塩酸等の酸を加えて中和して 低分子量のヒアルロナンを得る方法などが げられる。本発明で用いるヒアルロナンは 塩の形態を包含し、製剤上の必要に応じて その薬学上許容できる塩を用いることがで る。例えばナトリウム塩、カリウム塩など アルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシ ム塩などのアルカリ土類金属塩、トリ(n-ブ ル)アミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジ 塩、アミノ酸塩等のアミン塩などであるこ ができる。

 本発明の薬剤は、ある分子量のヒアルロ ン単独又は種々の分子量のヒアルロナンを み合わせたものなど特に限定することなく 用できる。本発明の薬剤は、ヒアルロナン 有効成分とするものであり、その有効量を トを含む哺乳動物に投与することによって 体に悪影響を与えることなく、ヒアルロナ の産生を促進し、細胞内外のヒアルロナン 分解を抑制することができる。

 本発明の薬剤は、ヒアルロナン又はその を、そのまままたは必要に応じて担体、賦 剤、その他の添加物と共に、経口的あるい 非経口的に投与(関節内投与、静脈内、筋肉 内、皮下などの組織内投与(注射)、経腸投与 経皮投与など)するための医薬品として、任 意の剤形に製剤化することが可能であり、任 意の投与方法で患者に投与される。特に、本 発明に係る薬剤は、経口製剤とすることが好 ましい。

 経口製剤としては、散剤、顆粒剤、カプ ル剤、錠剤等の固形製剤;シロップ剤、エリ キシル剤、乳剤等の液状製剤を挙げることが できる。散剤は、例えば、乳糖、デンプン、 結晶セルロース、乳酸カルシウム、リン酸水 素カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネ シウム、無水ケイ酸等の賦形剤と混合して得 ることができる。顆粒剤は、上記賦形剤のほ か、必要に応じ、例えば白糖、ヒドロキシプ ロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等 の結合剤や、カルボキシメチルセルロース、 カルボキシメチルセルロースカルシウム等の 結合剤や、カルボキシメチルロース、カルボ キシメチルセルロースカルシウム等の崩壊剤 をさらに加え、湿式又は乾式で造粒して得る ことができる。錠剤は、上記散剤又は顆粒剤 をそのまま、或いはステアリン酸マグネシウ ム、タルク等の滑沢剤を加えて打錠して得る ことができる。また、上記錠剤又は顆粒剤は 、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタ レート、メタアクリル酸メチルコポリマー等 の腸溶性基剤で被覆し、或いはエチルセルロ ース、カルナウバロウ、硬化油等で被覆し、 これらを腸溶性或いは持続性製剤にすること ができる。硬カプセル剤は、上記散剤又は顆 粒剤を硬カプセルに充填して得ることができ る。また軟カプセル剤は、ヒアルロナン又は その塩を、グリセリン、ポリエチレングリコ ール、ゴマ油、オリーブ油等に混合し、これ をゼラチン膜で被覆して得ることができる。 シロップ剤は、白糖、ソルビトール、グルセ リン等の甘味剤とヒアルロナン又はその塩と を、水に溶解して得ることができる。また、 甘味剤及び水のほかに、精油、エタノール等 を加えてエリキシル剤とするか、或いはアラ ビアゴム、トラガカント、ポリソルベート80 カルボキシメチルセルロースナトリウム等 加えて乳剤又は懸濁剤にすることができる またこれらの液状製剤には必要に応じ、矯 剤、着色剤、保存剤等を加えることができ 。

 非経口製剤としては、注射剤、直腸投与 、ペッサリー、皮膚外用剤、吸入剤、エア ール剤、点眼剤等を挙げることができる。 射剤は、ヒアルロナン又はその塩に塩酸、 酸化ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、 ン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナト ウム等のpH調節剤;塩化ナトリウムウム、ブ ウ糖等の等張化剤;及び注射用蒸留水を加え 、滅菌濾過した後、アンプルに充填して得る ことができる。また、更にマンニトール、デ キストリン、シクロデキストリン、ゼラチン 等を加えて真空凍結乾燥し、用時溶解型の注 射剤とすることができる。またヒアルロナン 又はその塩にレシチン、ポリソルベート80、 リオキシエチレン硬化ヒマシ油等の乳化剤 加えた後、水中で乳化された注射用乳剤と ることもできる。

 直腸投与剤は、ヒアルロナン又はその塩 カカオ脂肪酸のモノ、ジ又はトリグリセリ 、ポリエチレングリコール等の坐剤用基剤 加えた後、加温して溶解し、これを型に流 込んで冷却するか、或いはヒアルロナン又 その塩をポリエチレングリコール、大豆油 に混合した後、ゼラチン膜で被覆して得る とができる。皮膚外用剤は、ヒアルロナン はその塩に、白色ワセリン、ミツロウ、流 パラフィン、ポリエチレングリコール等を え、必要に応じて加温し、混練して得るこ ができる。テープ剤は、ヒアルロナン又は の塩を、ロジン、アクリル酸アルキルエス ル重合体等の粘着剤と混練し、これを不織 等に展延して得ることができる。吸入剤は 例えば薬学的に許容される不活性ガス等の 射剤に、ヒアルロナン又はその塩を溶解又 分散し、これを耐圧容器に充填して得るこ ができる。

 特に本発明に係るスキンケア剤の具体的 剤形としては、特に限定されず、乳液、ク ーム、ローション及びシート状含水ゲル等 剤形を挙げることができる。本発明に係る キンケア剤は、上述した有効成分の他、一 的にスキンケア剤として含有されるその他 成分を含めることができる。その他の成分 しては、基剤、可溶化剤、保湿剤、乳化剤 溶解安定剤、防腐剤、抗酸化剤、pH調整剤 けん化剤及び溶剤を挙げることができる。 発明に係るスキンケア剤は、これら他の成 から選ばれる1以上の成分を含むことができ 。

 可溶化剤としては、特に限定されないが 例えば、モノラウリン酸デカグリセリル、 ノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビ ン、ポリオキシエチレンラノリンアルコー 、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキ エチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレ ポリオキシプロピレンデシルテトラデシル ーテル、ポリオキシエチレンオレイルエー ルなどを挙げることができる。保湿剤とし は、特に限定されないが、例えば、グリセ ン、キシリット、ソルビット、ジプロピレ グリコール、ブチレングリコール、プロピ ングリコール、ポリエチレングリコール(200 、400、600、1000、2000等)、高重合ポリエチレン グリコール、メチルグルセス、D-マンニット ヒドロキシプロリンなどを挙げることがで る。溶解安定剤としては、特に限定されな が、例えば、塩化カリウム、塩化ナトリウ 、クエン酸、亜硫酸ナトリウムなどを挙げ ことができる。防腐剤としては、特に限定 れないが、例えば、パラオキシ安息香酸エ テル、塩酸クロルヘキシジン、オルトフェ ルフェノール、グルコン酸クロルヘキシジ 、トリクロサン、トリクロカルバン、フェ キシエタノールを挙げることができる。抗 化剤としては、特に限定されないが、例え 、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE(dl -α-トコフェロール)、クエン酸、クエン酸ナ リウム、ジブチルヒドロキシトルエンを挙 ることができる。pH調節剤としては、特に 定されないが、例えば、コハク酸、クエン 、無水クエン酸、クエン酸ナトリウム、ア ギニン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ 、リン酸ナトリウムを挙げることができる 基剤としては、特に限定されないが、例え 、ラノリン、セレシン、パラフィン、マイ ロクリスタリンワックス、ワセリン、ホホ 油、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン 、イソステアリン酸、オレイン酸、ステアリ ン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、ミリスチン 酸、高級アルコール(イソステアリルアルコ ル、オレイルアルコール、オクチルドデカ ール、コレステロール、セタノール、ステ リルアルコール、デシルテトラデカノール フィトステロール、ヘキシルデカノールな )、パルミチン酸セチル、パルミチン酸オク ル、ラノリン酸イソプロピルを挙げること できる。乳化剤としては、特に限定されな が、例えば、水素添加大豆リン脂質、ジス アリン酸グリセリン、モノステアリン酸ポ オキシエチレングリセリン、モノステアリ 酸ソルビタン、ポリオキシエチレンステア ルエーテル、ポリオキシエチレンラウリル ーテル、モノステアリン酸ポリエチレング コール、ジステアリン酸ポリエチレングリ ール、N-ステアロイル-L-グルタミン酸ナト ウム、N-アシル-L-グルタミン酸ナトリウム、 自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、親 油型モノステアリン酸グリセリンを挙げるこ とができる。けん化剤としては、特に限定さ れないが、例えば、水酸化カリウム、水酸化 ナトリウム、トリエタノールアミンを挙げる ことができる。

 また、他の成分としては、通常の医薬品 医薬部外品、化粧品等に用いられる成分、 とえばコンディショニング成分、色素、顔 などの着色剤、粘度調整剤、pH調節剤、塩 、ビタミン剤、香料、紫外線吸収剤、紫外 散乱剤、金属封鎖剤、粘度調整剤、乳化安 剤などを挙げることができる。

 (投与方法)本発明のヒアルロナンを有効 分とする薬剤の投与方法は、特に限定され いが、静脈内投与、経口投与、関節内投与 び皮膚塗布を挙げることができる。

 (投与量)投与量は、対象とする疾患、患 の年令、健康状態、体重等に応じ適宜決定 るが、静脈内投与、経口投与及び関節内投 の場合、一般には0.05~50mg/kgを1日1回あるはそ れ以上に分けて投与する。また、皮膚塗布の 場合、一般には、0.01~10%濃度を1日数回投与す る。

 (毒性)本発明で使用するヒアルロナンは 医薬としての生物活性を示す投与量におい 細胞毒性はほとんどもしくは全く認められ かった。

 以下、本発明に係る薬剤を、実施例を用 てより詳細に説明するが、本発明の技術的 囲は以下の実施例に限定されるものではな 。

〔実施例1〕
 本実施例では、本発明に係る薬剤による細 内外におけるヒアルロナンの存在状態を、1 0糖以上のヒアルロナンに結合する物質を用 て測定した。当該物質としては、ビオチン 識ヒアルロナン結合性タンパク質(ビオチン 識HABP;生化学工業株式会社製)を使用した。

  賦活対象細胞
 本実施例では、測定対象の細胞としてHT1080( ヒト繊維肉腫細胞)を使用した。HT1080は理化 研究所より入手可能である。

  被検物質の調製
 本実施例では、1μg/mlのHA4を調整した。具体 的に、HA4は、Tawadaらの方法(Tawada A, Masa T, O onukiY, Watanabe A, Matsuzaki Y, AsariA. Large-scale  preparation, purification, and characterization of hyal uronan oligosaccharides from 4-mers to 52-mers. Glycob iology. 2002; 12(7):421-6.)により調製し、生理食 水で濃度を調節した。

  実験方法
 取得したHT1080細胞をトリプシン処理するこ で剥離した後、以下の条件でMEM培地に播種 、培養した(1×10 5 個/ml、96穴)。
  1群 無添加
  2群 HA4を培地に添加し(1μg/ml)、24時間イン キュベート。

 培養の後、冷メタノールで固定した。続 て、0.5%BSA(仔牛血清)添加PBS(BSA-PBS)にて洗浄 、ビオチン標識HABPでインキュベートした。 インキュベートの条件は4℃にて24時間とした 。その後、BSA-PBSにて洗浄後、FITC標識ストレ トアビジンでインキュベートした(室温(24℃ )にて30分)。インキュベート後、BSA-PBSにて洗 した。

 蛍光顕微鏡(ニコン社製)にて観察後、撮 した。また、顕微鏡下にて、ランダムに選 した3視野(200倍)において、細胞表面に拡散 (diffuse)HA染色像を持つ細胞を数えた。

  結果
 各群について撮影した画像を図1に示し、拡 散性HAを持つ細胞数を測定した結果を図2に示 す。図1に示した結果から、10糖以上のヒアル ロナンはいずれの群においても細胞質内に顆 粒状に染色された。そのような染色像に加え 、HA4処理群(2群)では拡散性HA染色像を持つ細 が、無添加群に比べ多く認められた(図1及 図2)。また図1に示したように、顆粒状HAは、 無添加群(1群)に多く認められた。

  考察
 HAは、細胞膜に存在するヒアルロナン合成 素(HAS)にて合成され、細胞膜の小孔より細胞 外に分泌される。したがって、細胞内に認め られた顆粒状HAは、合成途上にあるHAではな 、細胞外から細胞内のエンドゾーム、ファ ゾーム・リソゾームに取り込まれ、分解へ 運命をたどるHAであると考えられる。一方、 拡散性HAは、CD44あるいはHASによって細胞表面 に係留されているHAである。HASにより係留さ ているHAは、産生されたばかりのHAである。 したがって、拡散性HAを多く含む細胞は、HA 産生が活発であることを示している。

 上記の結果において、HA4処理群では、拡 性HAを含む細胞が多かったことを示してい 。したがって、HA4には、ヒアルロナン産生 進作用があることが示された。また、上記 結果において、HA4処理群では、分解途上に るHAを示す顆粒状HAの量が少なかったことを している。したがって、HA4には、ヒアルロ ン分解抑制作用があることが示された。

〔実施例2〕
 本実施例では、本発明に係る薬剤によるヒ ルロナン産生促進作用を、ヒト皮膚組織を いて実証した。

  皮膚組織
 東洋紡株式会社製のTESTSKIN TM  LSEを使用した。TESTSKIN TM LSEは、付属のアッセイ培地を用いて、付属の 6ウェルプレートを用いて培養することで、 ト皮膚組織モデルを構築することができる なお、6ウェルプレートにおける1つのウェル の模式図を図3に示す。図3に示すように、6ウ ェルプレートにおける個々のウェルは、底面 に透過膜1を備えたトランスウェル2から構成 れている。TESTSKIN TM  LSEは、トランスウェル2内及びトランスウェ ル2の底面の下方空間3にアッセイ培地を充填 ることによって、トランスウェルの底面上 培養され、ヒト皮膚組織モデル4を形成する こととなる。

  被検物質の調製
 実施例1と同様に調製したHA4を使用した。

  実験方法
 先ず、以下のように群分けして、TESTSKIN TM  LSEを6ウェルプレートにて、37℃、5% CO 2 で24時間培養した。
  1群[HA4(-)]:アッセイ培地1.2mlを添加した6ウ ルプレートに、TESTSKIN TM LSEの入ったトランスウェルを設置し、トラン スウェル内に1mlのアッセイ培地を添加した。
  2群[HA4(+)]:1μg/mlの濃度でHA4を含むアッセイ 培地1.2mlを添加した6ウェルプレートに、TESTSK IN TM  LSEの入ったトランスウェルを設置し、トラ スウェル内に1μg/mlの濃度でHA4を含むアッセ イ培地1mlを添加した。

 次に、トランスウェルを切り取り、OCTコ パウンドに包埋し、凍結切片を作製した(厚 さ10μm)。次に、実施例1と同様にヒアルロン 結合タンパク質(HABP)によるヒアルロン酸染 を実施した。

 具体的には、凍結切片を4%パラホルムアル ヒド/PBSを用い、室温にて30分固定した、PBS 3回洗浄した。さらに、0.3%のH 2 O 2 /メタノールを用い、4℃にて30分間処理し、 因性のペルオキシダーゼのブロッキングを い、PBSで3回洗浄した。次に、内因性のビオ ンを内因性アビジンビオチンブロッキング ット(ニチレイ)を用い、プロトコールどお にブロッキングした。次に、100mMのSodium acet ate bufferを加え、37℃で15分インキュベートし た後、各群から選ばれた陰性コントロール群 には、20TRUの放線菌由来ヒアルロニダーゼ(生 化学工業)を添加し、60℃で2時間インキュベ トした。PBSで3回洗浄した後、1%のBSA/PBSを加 、室温で1時間ブロッキングした。ブロッキ ング剤を除き、1%のBSA/PBSで2ug/mlに希釈したビ オチン標識HABP(生化学工業)を加え、室温で1 間インキュベートし、PBSで3回洗浄した。1% BSA/PBSで200ng/mlに希釈したストレプトアビジ -HRP(カルビオケム)を添加し、室温で1時間イ キュベートし、PBSで3回洗浄した後、DAB(Zymed )で発色させ、顕微鏡下で観察した。

  結果
 各群について撮影した画像を図4に示した。 なお、図4におけるA)は1群[HA4(-)]のヒト皮膚組 織モデルであり、B)は2群[HA4(+)]のヒト皮膚組 モデルである。又、図4におけるC)は1群[HA4(- )]のヒト皮膚組織モデルに対して20TRUの放線 由来ヒアルロニダーゼ処理したサンプルで り、D)は2群[HA4(+)]のヒト皮膚組織モデルに対 して20TRUの放線菌由来ヒアルロニダーゼ処理 たサンプルである。

 図4に示すように2群[HA4(+)]のヒト皮膚組織 モデルにおいては、矢印で示すようにHABP染 陽性の細胞が多数検出された。これに対し 、1群[HA4(-)]のヒト皮膚組織モデルにおいて HABP染色陽性の細胞が極めて少ない。また、 アルロナンは細胞の周囲に観察された。一 、図4におけるC)及びD)に示すように、ヒア ロニダーゼ処理によって染色性は消失した

  考察
 以上の結果から、HA4はヒト皮膚組織モデル おいてヒアルロナン産生を促進する作用が ることが実証された。

〔実施例3〕
 本実施例では、本発明に係る薬剤を経口投 した場合のスキンケア効果を、実験動物を いて実証した。

  実験動物
 本実施例では、C57BL6マウスを使用した。

  被検物質の調製
 本実施例では、塩酸加水分解法によって図5 に示すような組成を有するヒアルロナンオリ ゴ糖混合物(以下、HAオリゴ糖混合物)を準備 た。ヒアルロナンオリゴ糖混合物は、以下 示すように所謂塩酸加水分解法によって調 した。塩酸加水分解法において原料として ヒアルロン酸Na(株式会社 紀文フードケミフ ァ社製、規格名:FCH-SU)を使用した。先ず、1L ーカーに蒸留水450mlを正確に測り取り、70℃ 昇温した。次に、原料50gを、スターラーバ 撹拌下、数回に分けて、上記蒸留水(70℃)に 入れた。粉体の溶解並びに溶液温度70℃を確 した後、6N 塩酸を正確に50ml加えた。なお 塩酸投入時点を反応開始時点とした。溶液 70℃に維持しながら、反応開示時点より16時 撹拌反応した。16時間経過後、直ちに、約 量(500ml)の蒸留水に注ぎ込み、2NのNaOHにて中 (pH6-7)した。その後、溶液(約1L)をエバポレ ターにて、200mlまで濃縮した。得られた濃縮 溶液10mlを脱塩処理(Sephadex G25)した。その後 HAオリゴ糖を含有する脱塩画分を集め、凍結 乾燥した。なお、HAオリゴ糖の確認は、カル ゾール反応及びHPLCによった。その結果、凍 結乾燥粉体として、1.96gのHAオリゴが得られ (組成を図5に示した)。

  実験方法
 本実施例では、先ず、HAオリゴ糖混合物を む蒸留水を給水瓶に入れ、C57BL6マウスに2週 飲ませた(1日あたりHAオリゴ糖混合物を200mg/ kg体重の割合で摂取するように、1日あたりの 平均摂水量から換算して、HAオリゴ糖混合物 濃度を調整した)。

 2週間の摂取後、C57BL6マウスの背部皮膚を 8mm径の大きさで2個摂取し、採取直後の重量 測定した。その結果得られた重量を湿重量 した。次に、凍結乾燥を48時間行い、凍結乾 燥後の重量を測定した。その結果得られた重 量を乾燥重量とした。そして、湿重量から乾 燥重量を差し引くことによって、背部皮膚に おける水分量を算出した。

 また、本実施例では、実施例1と同様にし て調製したHA4をC57BL6マウスに経口投与し(100mg /kg)、30分後に採血(門脈血及び動脈血)し、血 のHA4の存在をHPLCにて検出した。また、HA4を 分解する酵素であるchondroitinase ABC(生化学工 株式会社製)にて試料を処理し(1unit/ml、pH6.0 37℃及び1時間の処理条件とした)、HA4の位置 に出現するピークが確かにHA4であることを確 認した。

  結果
 HAオリゴ糖混合物を経口投与したC57BL6マウ 及び対照として蒸留水のみを投与したC57BL6 ウスについて、背部皮膚における水分量を 定した結果を図6に示す。図6に示すように、 HAオリゴ糖混合物を経口投与したC57BL6マウス おいては、対照のマウスと比較して湿重量 び乾燥重量ともに増加しており、且つ、水 量も増加していることが判明した。

 また、HA4を経口投与したC57BL6マウスから 取した門脈血及び動脈血をHPLCに供した結果 として得られたプロファイルを図7に示す。 7(a)は門脈血についてHPLCを行った結果であり 、(b)は動脈血についてHPLCを行った結果であ 、(c)は採取した動脈血にchondroitinase ABC処理 施した後にHPLCを行った結果である。図7に すように、HA4を経口投与したマウスの動脈 には、矢印に示す位置に顕著なピークが観 された(図7(a)及び(b))。このピークは、HA4の 現位置に一致し、また図7(c)に示すようにchon droitinase ABC処理によって消滅していることか らHA4に相当するピークであることが判った。

  考察
 以上の結果から、HA4を含むHAオリゴ糖混合 を経口摂取すると、血液を介して皮膚に移 し、皮膚における水分及びその他の皮膚成 を増加させること、すなわち、皮膚がみず ずしくなること(スキンケア効果)を示すこと が実証された。

〔実施例4〕
 本実施例では、本発明に係る薬剤を皮膚塗 した場合のスキンケア効果を、実験動物を いて実証した。

  実験動物
 本実施例では、生後七ヶ月齢の雌の肉用ブ (LWD種)を使用した。実験動物は、温湿度自 環境下、及び照明時間12時間(午前8時から午 8時)に設定された飼育室内で飼育した。飼 に際して、飲料水は自由摂取とし、飼料(ハ ブリード70)は1日2回の制限給餌とした。ま 、朝・夕刻時に豚房内を水洗した。

  被検物質の調製
 本実施例では、実施例3と同様にして調製し たHAオリゴ糖混合物を、表1に記載の組成から なる基材に0.1重量%となるように混合した塗 クリームとして準備した。また、比較例と て、HAオリゴ糖混合物を高分子ヒアルロナン (平均分子量80万)とした以外は同様に配合し 塗布クリーム及び基材のみからなる塗布ク ームを準備した。

  実験方法
 飼育している実験動物の背部皮膚を2cmの間 で一区画3cm四方に区分けし、上記塗布クリ ムを1日1回0.1gずつ塗布した。塗布クリーム 塗布は7日間行った。最終塗布の翌日に麻酔 科にて放血致死させ、背部皮膚を脂肪層ごと 摘出し、一部をOCTコンパウンドに包埋し、一 部を凍結した。

(ヒアルロナン結合タンパク質によるヒアル ナン染色実験)
 OTCコンパウンドに包埋したブタ背部皮膚を い、凍結切片を作製した(厚さ18μm)。切片を 4%パラホルムアルデヒド/PBSを用い、室温にて 30分固定した、PBSで3回洗浄した。さらに、0.3 % H 2 O 2 /メタノールを用い、4℃にて30分間処理し、 因性のペルオキシダーゼのブロッキングを い、PBSで三回洗浄した。次に、内因性のビ チンを内因性アビジンビオチンブロッキン キット(ニチレイ)を用い、プロトコールどお りにブロッキングした。次に、100mMのSodium ac etate bufferを加え、37℃で15分インキュベート た後、陰性コントロール群には、20TRUの放 菌由来ヒアルロニダーゼ(生化学工業)を添加 し、60℃で2時間インキュベートした。PBSで3 洗浄した後、1%のBSA/PBSを加え、室温で1時間 ロッキングした。ブロッキング剤を除き、1 %のBSA/PBSで2ug/mlに希釈したビオチン標識ヒア ロン酸結合性タンパク質(生化学工業)を加 、室温で1時間インキュベートし、PBSで三回 浄した。1%のBSA/PBSで200ng/mlに希釈したスト プトアビジン-HRP(カルビオケム)を添加し、 温で1時間インキュベートし、PBSで3回洗浄し た後、DAB(Zymed)で発色させ、顕微鏡下で観察 た。

(皮膚内ヒアルロナン含量の測定実験)
 ブタ皮膚を60℃にて一晩乾燥させ、1mgあた 100ulの1%プロナーゼ(Merck)を添加し、40℃で17 間酵素消化した。100℃で10分処理しプロナー ゼを不活化した後、15000rpmで10分遠心し、上 をヒアルロン酸画分とした。

 分子量75万のHAを50mMのクエン酸-リン酸バ ファー(pH5)で0.1 μg/mlになるよう調製し、ア ミノプレート(住友ベークライト)に50μlずつ 加し、室温で15分放置した。蒸留水で10mg/ml 調製した水素化シアノホウ素ナトリウム 10 lをプレートに添加し、室温で1時間放置した 。TBSで3回洗浄後、200μlのブロックエース(大 本住友製薬)で4℃にて3日ブロッキングした PBS/0.05% Tweenで3回洗浄し、10倍に希釈したブ ロックエースで75倍に希釈したブタ皮膚ヒア ロン酸画分を50μl添加し、さらに100ng/mlにな るよう10倍に希釈したブロックエースで調製 たビオチン標識ヒアルロン酸結合性タンパ 質(生化学工業)を50μl添加し、37℃で1時間イ ンキュベートした。PBS/0.05 % Tweenで3回洗浄 、100μlの10倍希釈したブロックエースで4000 希釈したストレプトアビジン-HRP(Calbiochem)を 加し、37℃で1時間インキュベートした。PBS/ 0.05 % Tweenで3回洗浄し、100μlのTMB(MOSS)を加え 、発色させた後、1Nの塩酸で反応を停止させ 。A450/630nmを測定した。

  結果
 上述した「ヒアルロナン結合タンパク質に るヒアルロナン染色実験」の結果を図7に示 す。図7に示すように、基材のみを含有する 布クリーム及び高分子HAを含有する塗布クリ ームを使用した場合には、背部皮膚にヒアル ロナンの産生は認められなかった。これに対 して、HAオリゴ糖混合物を含有する塗布クリ ムを使用した場合には、背部皮膚にヒアル ナン染色が検出された。また、図7に示すよ うに、ヒアルロニダーゼ処理によってその染 色性は消失したことから、HAオリゴ糖混合物 含有する塗布クリームを使用した場合には ヒアルロナンの産生が促進されていること 実証された。

 また、上述した「皮膚内ヒアルロナン含 の測定実験」の結果を図8に示す。図8に示 ように、HAオリゴ糖混合物を含有する塗布ク リームを使用した場合には、基材のみからな る塗布クリーム及び高分子HAを含有する塗布 リームを使用した場合と比較して、ヒアル ナン含量が有意に増加した。この結果から 、HAオリゴ糖混合物を含有する塗布クリー を使用した場合には、ヒアルロナンの産生 促進されていることが実証された。

実施例1で調製した各群の細胞を撮像し た写真である。左の写真は、無添加(1群)であ り、右の写真はHA4を1μg/ml添加したものであ 。◆は顆粒状HAを示す細胞であり、*は拡散 HAを示す細胞である。 実施例1で調製した各群で、細胞質内に 拡散性HAを有する細胞の数を測定した結果を す特性図である。 実施例2で使用したヒト皮膚組織モデル を形成する、6ウェルプレートにおける1つの ェルの模式図である。 実施例2の各群におけるヒト皮膚組織モ デルの切片をヒアルロナン染色したものを撮 像した写真である。A)は1群[HA4(-)]、B)は2群[HA4 (+)]、C)は1群[HA4(-)]をヒアルロニダーゼ処理し たもの、D)は2群[HA4(+)]をヒアルロニダーゼ処 したものである。 実施例3で塩酸加水分解法により調製し たHAオリゴ糖混合物の組成を示す特性図であ 。 実施例3の各群におけるマウス背部皮膚 の単位面積あたりの(a)皮膚湿重量、(b)水分量 、及び(c)乾燥重量を示す特性図である。 実施例3の各群におけるマウスから採取 した門脈血及び動脈血をHPLCに供した結果と て得られた特性図である。マウス(N=2)へのHA4 投与後の血中濃度を示す。(a)は投与後15分の 脈血であり、(b)は投与後15分の動脈血であ 、(c)は投与後15分の動脈血をChase ABC処理し ものである。 実施例4の各群におけるブタ背部皮膚を 用いたヒアルロナン結合タンパク質によるヒ アルロナン染色実験の結果を示す写真である 。(1)は基材のみ、(2)はHAオリゴ糖(1mg/ml)、(3) 高分子HA(1mg/ml)である。 実施例4の各群におけるブタ背部皮膚を 用いた皮膚内ヒアルロナン含量の測定実験の 結果を示す特性図である。