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Patent Searching and Data


Title:
HYBRID ELECTRIC VEHICLE DRIVE DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/017034
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a motor (16) in which a drive force from an engine (2) can be transmitted from a first clutch via a first gear mechanism (26) to drive wheels (44) and from a second clutch (8) via a second gear mechanism (34) to drive wheels (44). A first input shaft (12) of the first gear mechanism (26) connected to the output side of the first clutch (6) serves as a rotary shaft of the motor (16). By selecting one of the gear stages of the first gear mechanism (26) when the drive force of the engine (2) is transmitted to the drive wheels (44) via the gear stage selected by the second gear mechanism (34) by connecting the second clutch (8) and disconnecting the first clutch (6) so as to select one of the gear stages of the second gear mechanism (34), the drive force of the motor (16) can also be transmitted to the drive wheels (44) via the gear stage selected by the first gear mechanism (26).

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Inventors:
KIUCHI TATSUO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/063302
Publication Date:
February 05, 2009
Filing Date:
July 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI FUSO TRUCK & BUS (JP)
KIUCHI TATSUO (JP)
International Classes:
B60K6/36; B60K6/387; B60K6/40; B60K6/48; B60K6/547; B60K17/04; B60L50/16; B60W10/02; B60W10/08; B60W10/10; B60W20/00; F16H3/091; F16H3/093
Domestic Patent References:
WO2006040150A12006-04-20
Foreign References:
JP2005186931A2005-07-14
JP2005147312A2005-06-09
JP2003237393A2003-08-27
JP2002089594A2002-03-27
JP2001526999A2001-12-25
JP2005214417A2005-08-11
JP2006118590A2006-05-11
JP2002362197A2002-12-18
JP2005329813A2005-12-02
JP2003079005A2003-03-14
JP2008150033A2008-07-03
Attorney, Agent or Firm:
NAGATO, Kanji (8-1 Shinbashi 5-chom, Minato-ku Tokyo 04, JP)
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Claims:
 変速機を介し、エンジンの駆動力及び電動機の駆動力を車両の駆動輪に伝達可能なハイブリッド電気自動車の駆動装置において、
 上記変速機は、
 第1クラッチを介して上記エンジンからの駆動力が伝達され、上記電動機の回転軸と機械的に結合された第1入力軸と、
 第2クラッチを介して上記エンジンからの駆動力が伝達される第2入力軸と、
 上記駆動輪に伝達される駆動力を出力する出力軸と、
 上記第1入力軸と上記出力軸との間に設けられて複数の変速段を構成する第1歯車機構と、
 上記第2入力軸と上記出力軸との間に設けられて複数の変速段を構成する第2歯車機構と、
 上記第1歯車機構のいずれかの変速段を選択可能な第1変速段切換手段と、
 上記第2歯車機構のいずれかの変速段を選択可能な第2変速段切換手段とを備え、
 上記第1クラッチ及び第2クラッチを共に切断すると共に、上記第1変速段切換手段により上記第1歯車機構のいずれかの変速段を選択した第1状態と、
 上記第1クラッチを接続する一方、上記第2クラッチを切断し、上記第1変速段切換手段により上記第1歯車機構のいずれかの変速段を選択することにより、上記第1歯車機構を介し、上記エンジンの駆動力を上記駆動輪に伝達する第2状態と、
 上記第2クラッチを接続する一方、上記第1クラッチを切断し、上記第2変速段切換手段により上記第2歯車機構のいずれかの変速段を選択することにより、上記第2歯車機構を介し、上記エンジンの駆動力を上記駆動輪に伝達する第3状態とのいずれかを駆動状態として少なくとも選択可能であって、
 上記第3状態にあるときに上記電動機の駆動力を上記駆動輪に伝達する場合には、上記第1変速段切換手段により上記第1歯車機構のいずれかの変速段を選択するように構成されたことを特徴とするハイブリッド電気自動車の駆動装置。
 上記第1入力軸は、管状をなして上記第1クラッチの出力側に接続され、上記第2クラッチの出力側に接続された上記第2入力軸を内側にして上記第2入力軸と同心状に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド電気自動車の駆動装置。
 
Description:
ハイブリッド電気自動車の駆動 置

 本発明はハイブリッド電気自動車の駆動 置に関し、特にエンジンの駆動力及び電動 の駆動力が変速機を介して車両の駆動輪に 達されうるハイブリッド電気自動車の駆動 置に関する。

 従来より、エンジンと電動機とを車両に 載し、エンジンの駆動力と電動機の駆動力 をそれぞれ車両の駆動輪に伝達可能とした いわゆるパラレル型ハイブリッド電気自動 が開発され実用化されている。

 このようなパラレル型ハイブリッド電気 動車として、エンジンと変速機とを機械的 断接するクラッチを設け、電動機の回転軸 介してクラッチの出力軸と変速機の入力軸 を連結したハイブリッド電気自動車が知ら ている。このハイブリッド電気自動車では クラッチを接続してエンジンの駆動力を駆 輪に伝達しているときに電動機をモータ作 させることにより、エンジンの駆動力と電 機の駆動力とを共に駆動輪に伝達すること 可能となる。また、クラッチを切断して電 機をモータ作動させることにより、電動機 駆動力のみを駆動輪に伝達することができ 。

 ところで、車両に搭載される変速機とし 、平行に設けられた入力軸と出力軸との間 複数の変速段を構成したいわゆる平行軸式 変速機が知られている。平行軸式の変速機 おいて変速段の切り換えを行う場合、同一 入力軸上で2つの変速段が同時に選択された 状態とすることはできないため、その時点で 選択されている変速段における変速ギヤの噛 み合いを解除した後に、新たな変速段の選択 を行う。しかしながら、このような変速段の 切り換えを行う際にはエンジンなどの動力源 から変速装置への駆動力伝達が一時的に遮断 されるため、運転者がアクセルペダルを踏ん でいても駆動輪への連続的な駆動力伝達が行 われず、運転フィーリングが悪化するという 問題点があった。

 そこで、このような問題点を解決するた 、第1入力軸と出力軸との間に複数の変速段 を構成する第1歯車機構を設けると共に、第2 力軸と出力軸との間に複数の変速段を構成 る第2歯車機構を設け、第1クラッチを介し 動力源からの駆動力を第1入力軸に伝達可能 する一方、第2クラッチを介して上記駆動力 を第2入力軸に伝達可能とした、いわゆるデ アルクラッチ式変速機が開発されている。

 このデュアルクラッチ式変速機では、例 ば第1歯車機構の変速段が選択されて動力源 からの駆動力が第1クラッチを介して第1入力 に伝達されているときには、第2クラッチが 切断されることによって、第2入力軸には動 源からの駆動力が伝達されないようになっ いる。このとき第2歯車機構において、次の 速段切換時に予測される変速段を予め選択 て噛み合わせ、変速段の切換指示があると 1クラッチを切断していきながら第2クラッ を接続していくことにより、駆動輪への動 伝達を連続的に行うようにして運転フィー ングを改善している。

 前述したパラレル型ハイブリッド電気自 車にも、このデュアルクラッチ式変速機を 用することが考えられるが、そのようなハ ブリッド電気自動車は、例えば日本国特開2 005-329813号公報(以下、特許文献1という)に開 されている。

 特許文献1のハイブリッド電気自動車では 、エンジンのクランク軸と電動機のロータと が動力切り換えクラッチを介して連結されて いる。そして、電動機のロータは第1クラッ を介してデュアルクラッチ式変速機の第1入 軸に連結されると共に、第2クラッチを介し てデュアルクラッチ式変速機の第2入力軸に 結されている。

 従って、エンジン及び電動機の駆動力を に駆動輪に伝達する場合には、動力切り換 クラッチを接続した状態で、第1入力軸側の 変速段及び第2入力軸側の変速段のうちのい れか所望の変速段を選択し、第1及び第2クラ ッチのうち、選択した変速段に対応するクラ ッチを接続する。即ち、例えば第1入力軸の 速段のいずれかを選択している場合には、 1クラッチを接続し、第2入力軸の変速段のい ずれかを選択している場合には、第2クラッ を接続する。

 また、電動機の駆動力のみを駆動輪に伝 する場合には、動力切り換えクラッチを切 した状態で、同様に第1入力軸側の変速段と 第2入力軸側の変速段のうちのいずれか所望 変速段を選択し、第1及び第2クラッチのうち 、選択した変速段に対応するクラッチを接続 する。

 前述した、クラッチの出力軸と変速機の 力軸との間に電動機の回転軸を連結して構 されるパラレル型ハイブリッド電気自動車 場合、変速機にデュアルクラッチ式変速機 用いると、クラッチが第1クラッチと第2ク ッチとに分割されるため、第1クラッチ及び 2クラッチのそれぞれに電動機を設ける必要 がある。これらの電動機はいずれか一方のみ が使用されるため、単一の電動機を搭載する 場合の電動機と同様の出力容量の電動機を2 搭載しなければならない。このため、コス が倍増するばかりでなく、電動機を車両に 載するためのスペースや車両の重量も増大 、車両の限られた空間に搭載することが困 となる。

 また、上記特許文献1のハイブリッド電気 自動車の場合、第1クラッチ及び第2クラッチ 入力側に電動機が配置されるため搭載され 電動機は1台であるが、電動機のみによる駆 動輪の駆動を可能とするために、第1クラッ 及び第2クラッチの変速クラッチのほかに、 力切り換えクラッチを設けなければならな 。このため、特許文献1のハイブリッド電気 自動車の場合にも、コストや車両重量が増大 すると共に、動力切り換えクラッチのための スペースが必要となるという問題がある。

 本発明はこのような課題に鑑みてなされ ものであり、その目的とするところは、機 の搭載スペースの増大を抑制しながらデュ ルクラッチ式変速機を採用したハイブリッ 電気自動車の駆動装置を提供することにあ 。

 上記目的を達成するため、本発明のハイ リッド電気自動車の駆動装置は、変速機を し、エンジンの駆動力及び電動機の駆動力 車両の駆動輪に伝達可能なハイブリッド電 自動車の駆動装置において、上記変速機は 第1クラッチを介して上記エンジンからの駆 動力が伝達され、上記電動機の回転軸と機械 的に結合された第1入力軸と、第2クラッチを して上記エンジンからの駆動力が伝達され 第2入力軸と、上記駆動輪に伝達される駆動 力を出力する出力軸と、上記第1入力軸と上 出力軸との間に設けられて複数の変速段を 成する第1歯車機構と、上記第2入力軸と上記 出力軸との間に設けられて複数の変速段を構 成する第2歯車機構と、上記第1歯車機構のい れかの変速段を選択可能な第1変速段切換手 段と、上記第2歯車機構のいずれかの変速段 選択可能な第2変速段切換手段とを備え、上 第1クラッチ及び第2クラッチを共に切断す と共に、上記第1変速段切換手段により上記 1歯車機構のいずれかの変速段を選択した第 1状態と、上記第1クラッチを接続する一方、 記第2クラッチを切断し、上記第1変速段切 手段により上記第1歯車機構のいずれかの変 段を選択することにより、上記第1歯車機構 を介し、上記エンジンの駆動力を上記駆動輪 に伝達する第2状態と、上記第2クラッチを接 する一方、上記第1クラッチを切断し、上記 第2変速段切換手段により上記第2歯車機構の ずれかの変速段を選択することにより、上 第2歯車機構を介し、上記エンジンの駆動力 を上記駆動輪に伝達する第3状態とのいずれ を駆動状態として少なくとも選択可能であ て、上記第3状態にあるときに上記電動機の 動力を上記駆動輪に伝達する場合には、上 第1変速段切換手段により上記第1歯車機構 いずれかの変速段を選択するように構成さ る。

 このように構成されたハイブリッド電気 動車の駆動装置によれば、駆動状態として 1状態が選択されると第1クラッチ及び第2ク ッチが共に切断され、エンジンの駆動力は 1入力軸及び第2入力軸のいずれにも伝達さ なくなる。このとき、第1変速段切換手段に り第1歯車機構のいずれかの変速段が選択さ れているので、第1入力軸と機械的に結合さ た回転軸を有する電動機を作動させること より、電動機の駆動力が第1歯車機構で選択 れた変速段を介して駆動輪に伝達可能とな 。

 また、第1歯車機構を介し、エンジンの駆 動力を駆動輪に伝達する場合には、駆動状態 として第2状態が選択される。この第2状態で 、第1クラッチが接続される一方、第2クラ チが切断され、第1変速段切換手段により第1 歯車機構のいずれかの変速段が選択されてい る。この結果、エンジンの駆動力は、第1ク ッチを介して第1入力軸に伝達され、更に第1 歯車機構で選択されている変速段を介して出 力軸に出力された後、駆動輪に伝達される。

 このとき、第1入力軸が電動機の回転軸と 機械的に結合されているので、電動機を作動 させれば、電動機の駆動力も第1入力軸から 1歯車機構で選択されている変速段を介して 力軸に出力され、駆動輪に伝達することが きる。

 一方、第2歯車機構を介し、エンジンの駆 動力を駆動輪に伝達する場合には、駆動状態 として第3状態が選択される。この第3状態で 、第2クラッチが接続される一方、第1クラ チが切断され、第2変速段切換手段により第2 歯車機構のいずれかの変速段が選択されてい る。この結果、エンジンの駆動力は、第2ク ッチを介して第2入力軸に伝達され、更に第2 歯車機構で選択されている変速段を介して出 力軸に出力された後、駆動輪に伝達される。

 この第3状態において電動機の駆動力を駆 動輪に伝達する場合には、第1変速段切換手 により第1歯車機構のいずれかの変速段を選 する。この結果、電動機の駆動力は第1歯車 機構で選択された変速段を介して出力軸に出 力され、エンジンからの駆動力と共に駆動輪 に伝達される。

 従って、本発明のハイブリッド電気自動 の駆動装置によれば、第1歯車機構で選択さ れた変速段を介してエンジンの駆動力が駆動 輪に伝達される第2状態と、第2歯車機構で選 された変速段を介してエンジンの駆動力が 動輪に伝達される第3状態とのいずれの駆動 状態においても、同一で且つ単一の電動機の 駆動力を駆動輪に伝達することが可能となる 。

 また、駆動状態として第1状態を選択する ことにより、エンジンの駆動力を遮断して電 動機の駆動力のみを駆動輪に伝達することが 可能となるので、第1クラッチ及び第2クラッ のほかにエンジンの駆動力を遮断するため クラッチを設ける必要がなくなる。

 この結果、機器の搭載スペースや車両重 の増大を抑制しながら、デュアルクラッチ の変速機を採用して運転フィーリングを向 したハイブリッド電気自動車の駆動装置を 供することが可能となる。

 また好ましくは上記ハイブリッド電気自 車の駆動装置において、上記第1入力軸は、 管状をなして上記第1クラッチの出力側に接 され、上記第2クラッチの出力側に接続され 上記第2入力軸を内側にして上記第2入力軸 同心状に配置されていても良い。

 このようにハイブリッド電気自動車の駆 装置を構成した場合には、第2入力軸との干 渉を考慮することなく第1入力軸と機械的に 合された回転軸を有した電動機を配設する とが可能となる。この結果、第1入力軸と第2 入力軸とをそれぞれ分離して配置した場合に 比して、変速機をコンパクトに構成しつつ電 動機を変速機に配設することが可能となる。

本発明の第1実施形態に係るハイブリッ ド電気自動車の駆動装置の概略構成図、 図1の駆動装置において、第1クラッチ 接続される一方で第2クラッチが切断されて るときの駆動力の伝達状態を示す図、 図1の駆動装置において、第2クラッチ 接続される一方で第1クラッチが切断されて るときの駆動力の伝達状態を示す図、 本発明の第2実施形態に係るハイブリッ ド電気自動車の駆動装置の概略構成図、 図1の駆動装置において、第1クラッチ 接続される一方で第2クラッチが切断されて るときの駆動力の伝達状態を示す図、及び 図1の駆動装置において、第2クラッチ 接続される一方で第1クラッチが切断されて るときの駆動力の伝達状態を示す図である

 以下、図面に基づき本発明の実施形態につ て説明する。
 図1は、本発明の第1実施形態に係るハイブ ッド電気自動車の駆動装置の概略構成図で る。

 動力源の1つであるエンジン2の出力軸2aは 、クラッチユニット4の入力側に連結されて る。クラッチユニット4は第1クラッチ6及び 2クラッチ8からなり、クラッチユニット4の 力側が、第1クラッチ6及び第2クラッチ8の入 側として共用されている。第1クラッチ6の 力側には変速機10の第1入力軸12が連結され、 第2クラッチ8の出力側には変速機10の第2入力 14が連結されている。第1入力軸12は管状を し、第2入力軸14が第1入力軸12に対して回転 能に嵌入されることにより、第2入力軸14を 心として第1入力軸12と第2入力軸14とが同心 に設けられる。第2入力軸14は第1入力軸12の ラッチユニット4とは逆側の端部から露出し 、クラッチユニット4から離れる方向に延設 されている。これら第1入力軸12及び第2入力 14は、図示しない支持部材によりそれぞれ独 立して回転可能に変速機10に支持されている また、第1クラッチ6及び第2クラッチ8は、図 示しないクラッチアクチュエータによってそ れぞれの接続及び切断が独立して行われるよ うになっている。

 第1入力軸12には、変速機10の図示しない ーシング内に配設された、もう1つの動力源 ある電動機16のロータ16aが固定されており 第1入力軸12が電動機16の回転軸を兼ねること により、第1入力軸12が電動機16の回転軸と機 的に結合された構成になっている。なお、 動機16のステータ16bは、変速機10のケーシン グに固定されている。

 図1に示すように第1入力軸12には、第1ク ッチ6側から第1速ドライブギヤ18a、第3速ド イブギヤ20a、及び第5速ドライブギヤ22aが第1 入力軸12に対して相対回転可能に配設されて る。また、変速機10のケーシングに回転可 に支持されて第1入力軸12及び第2入力軸14と 行に配設されたカウンタ軸24には、第1速ド イブギヤ18aと常時噛み合う第1速ドリブンギ 18b、第3速ドライブギヤ20aと常時噛み合う第 3速ドリブンギヤ20b、及び第5速ドライブギヤ2 2aと常時噛み合う第5速ドリブンギヤ22bが固定 されている。そして、これら3対のドライブ ヤ18a,20a,22aとドリブンギヤ18b,20b,22bとにより 1歯車機構26が構成される。

 一方、第2入力軸14の第1入力軸12から露出 て延設された部分には、第2クラッチ8側か 第2速ドライブギヤ28a、第4速ドライブギヤ30a 、及び第6速ドライブギヤ32aが第2入力軸14に して相対回転可能に配設されている。また カウンタ軸24には、第2速ドライブギヤ28aと 時噛み合う第2速ドリブンギヤ28b、第4速ドラ イブギヤ30aと常時噛み合う第4速ドリブンギ 30b、及び第6速ドライブギヤ32aと常時噛み合 第6速ドリブンギヤ32bが固定されている。そ して、これら3対のドライブギヤ28a,30a,32aとド リブンギヤ28b,30b,32bとにより第2歯車機構34が 成される。

 カウンタ軸24の第6速ドリブンギヤ32b側の 部にはカウンタギヤ36が固定されている。 速機10のケーシングに回転可能に支持された 出力軸38には出力ギヤ40が固定されており、 ウンタギヤ36がこの出力ギヤ40と常時噛み合 ことにより、カウンタ軸24の駆動力が出力 38に伝達される。そして、出力軸38から出力 れた駆動力が差動装置42を介して左右の駆 輪44に伝達されることにより、ハイブリッド 電気自動車が走行する。

 なお、変速機10にはハイブリッド電気自 車を後退させるためのリバースギヤ機構も けられているが、ここでは簡略化のためリ ースギヤ機構についての図示及び説明を省 する。

 第1歯車機構26において、第1速ドライブギ ヤ18aと第3速ドライブギヤ20aとの間には第1入 軸12と一体的に回転する第1同期装置46が配 され、第3速ドライブギヤ20aと第5速ドライブ ギヤ22aとの間には第1入力軸12と一体的に回転 する第2同期装置48が配設されている。これら 第1同期装置46及び第2同期装置48は、本発明の 第1変速段切換手段に相当する。

 第1同期装置46は第1入力軸12の軸線方向に 動可能な第1スリーブ50を有している。この 1スリーブ50が第1速ドライブギヤ18a側に移動 して第1速ドライブギヤ18aに固定されている 1速クラッチギヤ52と係合することにより、 1速ドライブギヤ18aが第1入力軸12に連結され 第1速変速段が選択される。

 一方、第1スリーブ50が第3速ドライブギヤ 20a側に移動すると、第1スリーブ50が第3速ド イブギヤ20aに固定されている第3速クラッチ ヤ54と係合することにより、第3速ドライブ ヤ20aが第1入力軸12に連結されて第3速変速段 が選択される。

 また、第2同期装置48は第1入力軸12の軸線 向に摺動可能な第2スリーブ56を有している この第2スリーブ56が第5速ドライブギヤ22a側 に移動して第5速ドライブギヤ22aに固定され いる第5速クラッチギヤ58と係合することに り、第5速ドライブギヤ22aが第1入力軸12に連 されて第5速変速段が選択される。

 第2歯車機構34では、第2速ドライブギヤ28a と第4速ドライブギヤ30aとの間に第2入力軸14 一体的に回転する第3同期装置60が配設され 第4速ドライブギヤ30aと第6速ドライブギヤ32a との間に第2入力軸14と一体的に回転する第4 期装置62が配設されている。これら第3同期 置60及び第4同期装置62は、本発明の第2変速 切換手段に相当する。

 第3同期装置60は第2入力軸14の軸線方向に 動可能な第3スリーブ64を有しており、この 3スリーブ64が第2速ドライブギヤ28a側に移動 して第2速ドライブギヤ28aに固定されている 2速クラッチギヤ66と係合することにより、 2速ドライブギヤ28aが第2入力軸14に連結され 第2速変速段が選択される。

 一方、第3スリーブ64が第4速ドライブギヤ 30a側に移動すると、第3スリーブ64が第4速ド イブギヤ30aに固定されている第4速クラッチ ヤ68と係合することにより、第4速ドライブ ヤ30aが第2入力軸14に連結されて第4速変速段 が選択される。

 また、第4同期装置62は第2入力軸14の軸線 向に摺動可能な第4スリーブ70を有しており この第4スリーブ70が第6速ドライブギヤ32a側 に移動して第6速ドライブギヤ32aに固定され いる第6速クラッチギヤ72と係合することに り、第6速ドライブギヤ32aが第2入力軸14に連 されて第6速変速段が選択される。

 このようにして第1乃至第4同期装置46,48,60 ,62に設けられた各スリーブが適宜移動するこ とにより変速段の選択が行われるが、第1歯 機構26には第1クラッチ6を介してエンジン2の 駆動力が伝達され、第2歯車機構34には第2ク ッチ8を介してエンジン2の駆動力が伝達され る。従って、例えば第1クラッチ6を接続状態 する一方で、第2クラッチ8を切断状態とす ことにより、第1歯車機構26で選択されたい れかの変速段を介して出力軸38にエンジン2 らの駆動力を出力しながら、第2歯車機構34 おいていずれかの変速段を選択することが 能となる。

 また、第1クラッチ6を切断状態とする一 で、第2クラッチ8を接続状態とすることによ り、第2歯車機構34で選択されたいずれかの変 速段を介して出力軸38にエンジン2からの駆動 力を出力しながら、第1歯車機構26においてい ずれかの変速段を選択することが可能となる 。

 従って、変速段の切り換えを行う際には 第1歯車機構26及び第2歯車機構34のうち、そ 時点でエンジン2の駆動力が伝達されていな い方の歯車機構において次に予測される変速 段を予め選択しておき、変速段の切換要求が あったときに第1クラッチ6及び第2クラッチ8 うちの接続状態にある方を切断しながら切 状態にある方を接続していくことにより、 速段の切り換えの際にも連続的に出力軸38か ら駆動力を出力することが可能となる。この 結果、変速段切換時の運転フィーリングを向 上させることができる。

 ところで、前述したように第1入力軸12に 電動機16のロータ16aが固定されており、第1 力軸12が電動機16の回転軸となっている。従 って、第1クラッチ6を接続状態とする一方で 2クラッチ8を切断状態とし、第1歯車機構26 おいていずれかの変速段を選択した状態(第2 状態)で、エンジン2の駆動力が第1歯車機構26 介して駆動輪44に伝達されているときに電 機16を作動させれば、エンジン2の駆動力に えて電動機16の駆動力が第1歯車機構26を介し て駆動輪44に伝達される。

 このような状態の例を図2に示す。図2の では、第1クラッチ6が接続状態となる一方で 第2クラッチ8が切断状態となっており、第1歯 車機構26の第2スリーブ56が第5速ドライブギヤ 22a側に移動して第5速ドライブギヤ22aに固定 れている第5速クラッチギヤ58と係合するこ により、第5速変速段が選択されている。

 図2中に太線A1で示すように、エンジン2が 発生した駆動力は、接続状態にある第1クラ チ6を介して第1入力軸12に伝達され、電動機1 6が作動することによって発生した駆動力と に、第1歯車機構26で選択されている第5変速 を介して出力軸38に出力された後、差動装 42を介して左右の駆動輪44に伝達される。

 このとき、ハイブリッド電気自動車が必 とする駆動力が図示しない制御装置によっ 求められ、エンジン2及び電動機16に割り振 れる。そして、それぞれに割り振られた駆 力は、第1歯車機構26で選択されている第5変 速段のギヤ比に基づきエンジン2及び電動機16 が出力すべき駆動力に変換され、それぞれ変 換された駆動力を発生するように、制御装置 によってエンジン2及び電動機16が制御される 。従って、ハイブリッド電気自動車の運転状 態によって、電動機16はモータ作動して正の 動力を発生したり、或いは発電機作動して の駆動力を発生したりすることになる。

 このようにして第1歯車機構26を介してエ ジン2及び電動機16の駆動力を駆動輪44に伝 している場合、第2クラッチ8の切断によって 第2クラッチ8からはエンジン2の駆動力が第2 力軸14に伝達されない。従って、前述したよ うに第2歯車機構34において次に予想される変 速段を予め選択しておくことが可能となる。 図2の例では、現在第5速変速段が第1歯車機構 26において選択されているので、次に選択さ る変速段として第6速変速段を予測し、第4 リーブ70を第6速ドライブギヤ32a側に移動さ て第6速ドライブギヤ32aに固定されている第6 速クラッチギヤ72と係合させることにより、 6速変速段が予め選択されている。

 なお、第1クラッチ6が接続状態にあって 2クラッチ8が切断状態にあるときに、第1歯 機構26及び第2歯車機構34でそれぞれ選択され る変速段は、図2の例に限られるものではな 、ハイブリッド電気自動車の運転状態など 応じて別の変速段を適宜選択可能である。

 一方、第2クラッチ8を接続状態とする一 で第1クラッチ6を切断状態とし、第2歯車機 34でいずれかの変速段を選択した状態(第3状 )で、エンジン2の駆動力が第2歯車機構34を して駆動輪44に伝達されている状態の例を図 3に示す。図3の例では、第2クラッチ8が接続 態となる一方で第1クラッチ6が切断状態とな っており、第2歯車機構34の第4スリーブ70が第 6速ドライブギヤ32a側に移動して第6速ドライ ギヤ32aに固定されている第6速クラッチギヤ 72と係合することにより、第6速変速段が選択 されている。

 図3中に太線A2で示すように、エンジン2が 発生した駆動力は、接続状態にある第2クラ チ8を介して第2入力軸14に伝達され、第2歯車 機構34で選択されている第6速変速段を介して 出力軸38に出力された後、差動装置42を介し 左右の駆動輪44に伝達される。このとき、第 1歯車機構26では、第2スリーブ56が第5速ドラ ブギヤ22a側に移動して、第5速ドライブギヤ2 2aに固定されている第5速クラッチギヤ58と係 することにより、第5速変速段が選択されて いる。このときカウンタ軸24は、第2入力軸14 ら第2歯車機構34の第6速変速段を介してエン ジン2の駆動力が伝達されることにより、エ ジン2の回転速度に第6速変速段のギヤ比を乗 じた回転速度で回転している。第1入力軸12は 、第1クラッチ6が切断状態にあることによっ エンジン2の出力軸2aと切り離されているの 、第5速変速段が選択されている場合には、 カウンタ軸24のこのような回転に伴い、カウ タ軸24の回転速度を第5速変速段のギヤ比で した回転速度で回転する。

 この状態において電動機16を作動させれ 、図3中に太線A3で示すように、電動機16の駆 動力は第1入力軸12から第1歯車機構26で選択さ れている第5速変速段を介してカウンタ軸24に 伝達され、第2歯車機構34で選択されている第 6速変速段を介してカウンタ軸24に伝達された エンジン2の駆動力と共に出力軸38に伝達され た後、差動装置42を介して左右の駆動輪44に 達される。

 この場合においても、ハイブリッド電気 動車が必要とする駆動力が制御装置によっ 求められ、エンジン2及び電動機16に割り振 れる。但し、このときにはエンジン2の駆動 力が第2歯車機構34で選択されている第6速変 段を介して出力軸38に伝達される一方で、電 動機16の駆動力は第1歯車機構26で選択されて る第5速変速段を介して出力軸38に伝達され 。従って、エンジン2に割り振られた駆動力 は第2歯車機構34で選択されている第6速変速 のギヤ比に基づきエンジン2が出力すべき駆 力に変換され、電動機16に割り振られた駆 力は第1歯車機構26で選択されている第5速変 段のギヤ比に基づき電動機16が出力すべき 動力に変換される。そして、それぞれ変換 れた駆動力を発生するように、制御装置に ってエンジン2及び電動機16が制御される。 って、この場合もハイブリッド電気自動車 運転状態によって、電動機16はモータ作動し て正の駆動力を発生したり、或いは発電機作 動して負の駆動力を発生したりすることにな る。

 このようにして第2歯車機構34を介してエ ジン2の駆動力を駆動輪44に伝達している場 、第1クラッチ6の切断によって第1クラッチ6 からはエンジン2の駆動力が第1入力軸12に伝 されない。従って、このようにして第2歯車 構34を介してエンジン2の駆動力を駆動輪44 伝達している場合に、前述したように第1歯 機構26において次に予想される変速段を予 選択しておくことが可能である。この場合 予め予想して選択された第1歯車機構26の変 段のギヤ比に基づき、電動機16に割り振られ た駆動力が電動機16の出力すべき駆動力に変 され、変換後の駆動力を発生するように電 機16が制御される。なお図3の例では、第6速 変速段が第2歯車機構34において選択されてお り、これ以上高速側の変速段が第1歯車機構26 にないので、次に選択される変速段として第 5速変速段を予測し、第2スリーブ56を第5速ド イブギヤ22a側に移動させて第5速ドライブギ ヤ22aに固定されている第5速クラッチギヤ58と 係合させることによって、第5速変速段が予 選択されている。

 なお、第2クラッチ8が接続状態にあって 1クラッチ6が切断状態にあるときに、第1歯 機構26及び第2歯車機構34でそれぞれ選択され る変速段は、図3の例に限られるものではな 、ハイブリッド電気自動車の運転状態など 応じて別の変速段を適宜選択可能である。

 本実施形態において、エンジン2の駆動力 を駆動輪44に伝達しつつ、必要に応じて電動 16の駆動力を駆動輪に伝達するような場合 ついては以上の通りであるが、エンジン2の 動力を駆動輪44に伝達せず、電動機16の駆動 力のみを駆動輪44に伝達するようにすること 可能である。

 この場合、第1クラッチ6及び第2クラッチ8 が共に切断状態とされ、第1歯車機構26のいず れかの変速段が選択された状態(第1状態)とさ れる。従って、エンジン2の出力軸2aは第1入 軸12及び第2入力軸14のいずれとも切り離され 、エンジン2の駆動力は第1入力軸12及び第2入 軸14に伝達されなくなる。このとき制御装 はハイブリッド電気自動車が必要とする駆 力を求め、第1歯車機構26で選択されている 速段のギヤ比に基づき、電動機16が出力すべ き駆動力に変換する。そして、電動機16は変 後の駆動力を発生するように制御装置によ て制御される。この結果、電動機16が発生 た駆動力は、第1歯車機構26で選択されてい 変速段を介して出力軸38に伝達され、更に差 動装置42から左右の駆動輪44に伝達される。

 以上のように、本実施形態に係るハイブ ッド電気自動車の駆動装置では、変速機10 第1歯車機構26及び第2歯車機構34のいずれの 速段を選択している場合においてもエンジ 2及び電動機16の駆動力を駆動輪44に伝達可能 である。更に、エンジン2の駆動力を駆動輪44 に伝達せずに、電動機16の駆動力のみを第1歯 車機構26で選択した変速段を介して駆動輪44 伝達することも可能である。そして、これ いずれの場合においても、共通で且つ単一 電動機16を使用することができる。また、第 1クラッチ6及び第2クラッチ8を切断するだけ 電動機16のみによる駆動が可能となるため、 エンジン2の駆動力を遮断するためのクラッ を別途設ける必要がなくなる。従って、デ アルクラッチ方式の変速機10を採用して運転 フィーリングを向上すると共に、機器の搭載 スペースや車両重量の増大を抑制することが 可能となる。

 また、特に本実施形態に係るハイブリッ 電気自動車の駆動装置では、電動機16の回 軸となる第1入力軸12が第2入力軸14と同心状 配置されている。このため、第2入力軸14と 干渉を考慮することなく第1入力軸12を回転 とした電動機16を配設することが可能となり 、電動機16が設けられた変速機10をコンパク に構成することができる。

 なお、このように第1入力軸12と第2入力軸 14とを同心状に配置することよる効果は得る とができないものの、第1入力軸と第2入力 とを分離して設けることも可能である。そ で、このような変速機を用いたハイブリッ 電気自動車の駆動装置を第2実施形態として 下に説明する。なお、上述した第1実施形態 と実質的に同じ部材については同じ符号を用 いる。

 図4は、本発明の第2実施形態に係るハイ リッド電気自動車の駆動装置を、図1と同様 示す概略構成図である。

 図4に示すように、エンジン2の出力軸2aの 端部には、エンジン2の駆動力を第1クラッチ1 06側及び第2クラッチ108側にそれぞれ伝達する ためのエンジン出力ギヤ74が、出力軸2aと共 回転するように取り付けられている。この ンジン出力ギヤ74は、第1クラッチ106の入力 に結合された第1クラッチ入力軸76と共に回 する第1入力ギヤ78と噛み合うと共に、第2ク ッチ108の入力側に結合された第2クラッチ入 力軸80と共に回転する第2入力ギヤ82と噛み合 ている。

 第1クラッチ106の出力側には変速機110の第 1入力軸112が連結され、第2クラッチ108の出力 には変速機110の第2入力軸114が連結されてい る。第1入力軸112と第2入力軸114とは互いに平 に配設され、図示しない支持部材によりそ ぞれ回転可能に変速機110の図示しないケー ングに支持されている。また、第1クラッチ 106及び第2クラッチ108は、図示しないクラッ アクチュエータによってそれぞれの接続及 切断が独立して行われるようになっている

 第1入力軸112には、変速機110のケーシング 内に配設された電動機16のロータ16aが固定さ ており、第1入力軸112が電動機16の回転軸を ねることにより、第1入力軸112が電動機16の 転軸と機械的に結合された構成になってい 。なお、電動機16のステータ16bは、変速機11 0のケーシングに固定されている。

 図4に示すように第1入力軸112には、第1ク ッチ106に遠い側から第1速ドライブギヤ118a 第3速ドライブギヤ120a、及び第5速ドライブ ヤ122aが第1入力軸112に対して相対回転可能に 配設されている。また、変速機110のケーシン グに回転可能に支持されて第1入力軸112及び 2入力軸114と平行に配設されたカウンタ軸124 は、第1速ドライブギヤ118aと常時噛み合う 1速ドリブンギヤ118b、第3速ドライブギヤ120a 常時噛み合う第3速ドリブンギヤ120b、及び 5速ドライブギヤ122aと常時噛み合う第5速ド ブンギヤ122bが固定されている。そして、こ ら3対のドライブギヤ118a,120a,122aとドリブン ヤ118b,120b,122bとにより第1歯車機構126が構成 れる。

 一方、第2入力軸114には、第2クラッチ108 遠い側から第2速ドライブギヤ128a、第4速ド イブギヤ130a、及び第6速ドライブギヤ132aが 2入力軸114に対して相対回転可能に配設され いる。また、カウンタ軸124には、第2速ドラ イブギヤ128aと常時噛み合う第2速ドリブンギ 128b、第4速ドライブギヤ130aと常時噛み合う 4速ドリブンギヤ130b、及び第6速ドライブギ 132aと常時噛み合う第6速ドリブンギヤ132bが 定されている。そして、これら3対のドライ ブギヤ128a,130a,132aとドリブンギヤ128b,130b,132b により第2歯車機構134が構成される。

 このように構成された第1歯車機構126或い は第2歯車機構134からカウンタ軸124に伝達さ た駆動力は、差動装置42を介して左右の駆動 輪44に伝達され、ハイブリッド電気自動車が 行する。従って、本実施形態においては、 ウンタ軸124が本発明の出力軸に相当する。

 なお、前述した第1実施形態の変速機10と 様に、変速機110にはハイブリッド電気自動 を後退させるためのリバースギヤ機構も設 られているが、ここでは簡略化のためリバ スギヤ機構についての図示及び説明を省略 る。

 前述した第1実施形態の変速機10と同様に 第1歯車機構126には、第1速ドライブギヤ118a 第3速ドライブギヤ120aとの間に、第1入力軸1 12と一体的に回転する第1同期装置146が配設さ れ、第3速ドライブギヤ120aと第5速ドライブギ ヤ122aとの間に、第1入力軸112と一体的に回転 る第2同期装置148が配設されている。これら 第1同期装置146及び第2同期装置148は、本発明 第1変速段切換手段に相当する。

 第1同期装置146は、第1入力軸112の軸線方 に摺動可能な第1スリーブ150を有している。 の第1スリーブ150が第1速ドライブギヤ118a側 移動して、第1速ドライブギヤ118aに固定さ ている第1速クラッチギヤ152と係合すること より、第1速ドライブギヤ118aが第1入力軸112 連結されて第1速変速段が選択される。

 一方、第1スリーブ150が第3速ドライブギ 120a側に移動すると、第1スリーブ150が第3速 ライブギヤ120aに固定されている第3速クラッ チギヤ154と係合することにより、第3速ドラ ブギヤ120aが第1入力軸112に連結されて第3速 速段が選択される。

 また、第2同期装置148は第1入力軸112の軸 方向に摺動可能な第2スリーブ156を有してい 。この第2スリーブ156が第5速ドライブギヤ12 2a側に移動し、第5速ドライブギヤ122aに固定 れている第5速クラッチギヤ158と係合するこ により、第5速ドライブギヤ122aが第1入力軸1 12に連結されて第5速変速段が選択される。

 第2歯車機構134には、第2速ドライブギヤ12 8aと第4速ドライブギヤ130aとの間に、第2入力 114と一体的に回転する第3同期装置160が配設 され、第4速ドライブギヤ130aと第6速ドライブ ギヤ132aとの間に、第2入力軸114と一体的に回 する第4同期装置162が配設されている。これ ら第3同期装置160及び第4同期装置162は、本発 の第2変速段切換手段に相当する。

 第3同期装置160は、第2入力軸114の軸線方 に摺動可能な第3スリーブ164を有しており、 の第3スリーブ164が第2速ドライブギヤ128a側 移動して、第2速ドライブギヤ128aに固定さ ている第2速クラッチギヤ166と係合すること より、第2速ドライブギヤ128aが第2入力軸114 連結されて第2速変速段が選択される。

 一方、第3スリーブ164が第4速ドライブギ 130a側に移動すると、第3スリーブ164が第4速 ライブギヤ130aに固定されている第4速クラッ チギヤ168と係合することにより、第4速ドラ ブギヤ130aが第2入力軸114に連結されて第4速 速段が選択される。

 また、第4同期装置162は第2入力軸114の軸 方向に摺動可能な第4スリーブ170を有してお 、この第4スリーブ170が第6速ドライブギヤ13 2a側に移動し、第6速ドライブギヤ132aに固定 れている第6速クラッチギヤ172と係合するこ により、第6速ドライブギヤ132aが第2入力軸1 14に連結されて第6速変速段が選択される。

 このようにして第1乃至第4同期装置146,148, 160,162に設けられた各スリーブが移動するこ により変速段の選択が行われるが、前述し 実施形態と同様に、第1歯車機構126には第1ク ラッチ106を介してエンジン2の駆動力が伝達 れ、第2歯車機構134には第2クラッチ108を介し てエンジン2の駆動力が伝達される。従って 例えば第1クラッチ106を接続状態とする一方 、第2クラッチ108を切断状態とすることによ り、第1歯車機構126で選択されたいずれかの 速段を介してカウンタ軸124にエンジン2から 駆動力を出力しながら、第2歯車機構134でい ずれかの変速段を選択することが可能となる 。

 また、第1クラッチ106を切断状態とする一 方で、第2クラッチ108を接続状態とすること より、第2歯車機構134で選択されたいずれか 変速段を介してカウンタ軸124にエンジン2か らの駆動力を出力しながら、第1歯車機構126 いずれかの変速段を選択することが可能と る。

 従って、変速段の切り換えを行う際には 第1歯車機構126及び第2歯車機構134のうち、 の時点でエンジン2の駆動力が伝達されてい い方の歯車機構において次に予測される変 段を予め選択しておき、変速段の切換要求 あったときに第1クラッチ106及び第2クラッ 108のうちの接続状態にある方を切断しなが 切断状態にある方を接続していくことによ 、変速段の切り換えの際にも連続的にカウ タ軸124から駆動力を出力することが可能と る。この結果、前述した第1実施形態と同様 、変速段切換時の運転フィーリングを向上 せることができる。

 第1入力軸112には電動機16のロータ16aが固 されており、第1入力軸112が電動機16の回転 となっている。従って、前述の第1実施形態 と同様に第1クラッチ106を接続状態とする一 で第2クラッチ108を切断状態とし、第1歯車機 構126でいずれかの変速段を選択した状態(第2 態)で、エンジン2の駆動力が第1歯車機構126 介して駆動輪44に伝達されているときに電 機16を作動させれば、エンジン2の駆動力に えて電動機16の駆動力が第1歯車機構126を介 て駆動輪44に伝達される。

 このような状態の例を図5に示す。図5の では、第1クラッチ106が接続状態となる一方 第2クラッチ108が切断状態となっており、第 1歯車機構126の第2スリーブ156が第5速ドライブ ギヤ122a側に移動して第5速ドライブギヤ122aに 固定されている第5速クラッチギヤ158と係合 ることにより、第5速変速段が選択されてい 。

 図5中に太線B1で示すように、エンジン2が 発生した駆動力は、エンジン出力ギヤ74と第1 入力ギヤ78との噛み合いを介して第1クラッチ 106に伝達された後、第1クラッチ106を介して 1入力軸112に伝達される。第1入力軸112に伝達 されたエンジン2からの駆動力は、電動機16が 作動することによって発生した駆動力と共に 、第1歯車機構126で選択されている第5変速段 介してカウンタ軸124に出力され、差動装置4 2を介して左右の駆動輪44に伝達される。

 このとき、前述の第1実施形態と同様に、 ハイブリッド電気自動車が必要とする駆動力 が図示しない制御装置によって求められ、エ ンジン2及び電動機16に割り振られる。そして 、それぞれに割り振られた駆動力は、第1歯 機構126で選択されている第5変速段のギヤ比 基づきエンジン2及び電動機16がそれぞれ出 すべき駆動力に変換され、それぞれ変換さ た駆動力を発生するように、制御装置によ てエンジン2及び電動機16が制御される。従 て、本実施形態においても、ハイブリッド 気自動車の運転状態によって、電動機16は ータ作動して正の駆動力を発生したり、或 は発電機作動して負の駆動力を発生したり ることになる。

 このようにして第1歯車機構126を介してエ ンジン2及び電動機16の駆動力を駆動輪44に伝 している場合、第2クラッチ108の切断によっ て第2クラッチ108からはエンジン2の駆動力が 2入力軸114に伝達されない。従って、前述し たように第2歯車機構134において次に予想さ る変速段を予め選択しておくことが可能と る。図5の例では、現在第5速変速段が第1歯 機構126において選択されているので、次に 択される変速段として第6速変速段を予測し 第4スリーブ170を第6速ドライブギヤ132a側に 動させて第6速ドライブギヤ132aに固定され いる第6速クラッチギヤ172と係合させること より、第6速変速段が予め選択されている。

 なお、本実施形態においても、第1クラッ チ106が接続状態にあって第2クラッチ108が切 状態にあるときに、第1歯車機構126及び第2歯 車機構134でそれぞれ選択される変速段は、図 5の例に限られるものではなく、ハイブリッ 電気自動車の運転状態などに応じて別の変 段を適宜選択可能である。

 一方、第2クラッチ108を接続状態とする一 方で第1クラッチ106を切断状態とすると共に 第2歯車機構134でいずれかの変速段を選択し 状態(第3状態)で、エンジン2の駆動力が第2 車機構134を介して駆動輪44に伝達されている 状態の例を図6に示す。図6の例では、第2クラ ッチ108が接続状態となる一方で第1クラッチ10 6が切断状態となっており、第2歯車機構134の 4スリーブ170が第6速ドライブギヤ132a側に移 して第6速ドライブギヤ132aに固定されてい 第6速クラッチギヤ172と係合することにより 第6速変速段が選択されている。

 図6中に太線B2で示すように、エンジン2が 発生した駆動力は、エンジン出力ギヤ74と第2 入力ギヤ82との噛み合いを介して第2クラッチ 108に伝達された後、第2クラッチ108を介して 2入力軸114に伝達される。第2入力軸114に伝達 されたエンジン2からの駆動力は、第2歯車機 134で選択されている第6変速段を介してカウ ンタ軸124に出力された後、差動装置42を介し 左右の駆動輪44に伝達される。

 このとき、第1歯車機構126では、第2スリ ブ156が第5速ドライブギヤ122a側に移動して第 5速ドライブギヤ122aに固定されている第5速ク ラッチギヤ158と係合することにより、第5速 速段が選択されている。カウンタ軸124は、 述したように第2入力軸114から第2歯車機構134 の第6速変速段を介してエンジン2の駆動力が 達されることにより、エンジン2の回転速度 に第6速変速段のギヤ比を乗じた回転速度で 転している。そして第1入力軸112は、第1クラ ッチ106が切断状態となることによってエンジ ン2の出力軸2aと切り離されているので、第5 変速段が選択されている場合には、カウン 軸124のこのような回転に伴い、カウンタ軸12 4の回転速度を第5速変速段のギヤ比で除した 転速度で回転する。

 この状態において電動機16を作動させれ 、図6中に太線B3で示すように、電動機16の駆 動力は第1入力軸112から第1歯車機構126で選択 れている第5速変速段を介してカウンタ軸124 に伝達され、第2歯車機構134で選択されてい 第6速変速段を介してカウンタ軸124に伝達さ たエンジン2の駆動力と共に、差動装置42を して左右の駆動輪44に伝達される。

 この場合においても、前述の第1実施形態 と同様に、ハイブリッド電気自動車が必要と する駆動力が制御装置によって求められ、エ ンジン2及び電動機16に割り振られる。但し、 このときにはエンジン2の駆動力が第2歯車機 134で選択されている第6速変速段を介してカ ウンタ軸124に伝達される一方で、電動機16の 動力は第1歯車機構126で選択されている第5 変速段を介してカウンタ軸124に伝達される 従って、エンジン2に割り振られた駆動力は 2歯車機構134で選択されている第6速変速段 ギヤ比に基づきエンジン2が出力すべき駆動 に変換され、電動機16に割り振られた駆動 は第1歯車機構126で選択されている第5速変速 段のギヤ比に基づき電動機16が出力すべき駆 力に変換される。そして、それぞれ変換さ た駆動力を発生するように、制御装置によ てエンジン2及び電動機16が制御される。従 て、この場合においてもハイブリッド電気 動車の運転状態によって、電動機16はモー 作動して正の駆動力を発生したり、或いは 電機作動して負の駆動力を発生したりする とになる。

 このようにして第2歯車機構134を介してエ ンジン2の駆動力を駆動輪44に伝達している場 合、第1クラッチ106の切断によって第1クラッ 106からはエンジン2の駆動力が第1入力軸112 伝達されない。従って、このようにして第2 車機構134を介してエンジン2の駆動力を駆動 輪44に伝達している場合に、前述したように 1歯車機構126において次に予想される変速段 を予め選択しておくことが可能である。この 場合、予め予想して選択された第1歯車機構12 6の変速段のギヤ比に基づき、電動機16に割り 振られた駆動力が電動機16の出力すべき駆動 に変換され、変換後の駆動力を発生するよ に電動機16が制御される。図6の例では、現 第6速変速段が第2歯車機構134において選択 れており、これ以上高速の変速段が第1歯車 構126にないので、次に選択される変速段と て第5速変速段を予測し、第2スリーブ156を 5速ドライブギヤ122a側に移動させて第5速ド イブギヤ122aに固定されている第5速クラッチ ギヤ158と係合させることにより、第5速変速 が予め選択されている。

 なお、第2クラッチ108が接続状態にあって 第1クラッチ106が切断状態にあるときに、第1 車機構126及び第2歯車機構134でそれぞれ選択 される変速段は、図6の例に限られるもので なく、ハイブリッド電気自動車の運転状態 どに応じて適宜別の変速段を選択可能であ 。

 本実施形態において、エンジン2の駆動力 を駆動輪44に伝達しつつ、必要に応じて電動 16の駆動力を駆動輪に伝達するような場合 ついては以上の通りであるが、エンジン2の 動力を駆動輪44に伝達せず、電動機16の駆動 力のみを駆動輪44に伝達するようにすること 、前述の第1実施形態と同様に可能である。

 この場合、第1クラッチ106及び第2クラッ 108が共に切断状態とされ、第1歯車機構26の ずれかの変速段が選択された状態(第1状態) される。従って、エンジン2の出力軸2aの回 に伴って回転する第1クラッチ入力軸76及び 2クラッチ入力軸80は第1入力軸112及び第2入力 軸114のいずれとも切り離され、エンジン2の 動力は第1入力軸112及び第2入力軸114に伝達さ れなくなる。このとき、前述の第1実施形態 同様に、制御装置はハイブリッド電気自動 が必要とする駆動力を求め、第1歯車機構126 選択されている変速段のギヤ比に基づき、 動機16が出力すべき駆動力に変換する。そ て、電動機16は変換後の駆動力を発生するよ うに制御装置によって制御される。この結果 、電動機16が発生した駆動力は、第1歯車機構 126で選択されている変速段を介してカウンタ 軸124に伝達され、更に差動装置42から左右の 動輪44に伝達される。

 以上のように、本実施形態に係るハイブ ッド電気自動車の駆動装置では、前述の第1 実施形態と同様に、変速機110の第1歯車機構12 6及び第2歯車機構134のいずれの変速段を選択 ている場合においても、エンジン2及び電動 機16の駆動力を駆動輪44に伝達可能である。 に、エンジン2の駆動力を駆動輪44に伝達せ に、電動機16の駆動力のみを第1歯車機構126 選択されている変速段を介して駆動輪44に伝 達することも可能である。そして、これらい ずれの場合においても、共通で且つ単一の電 動機16を使用することができる。また、第1ク ラッチ106及び第2クラッチ108を切断するだけ 電動機16のみによる駆動が可能となるため、 エンジン2の駆動力を遮断するためのクラッ を別途設ける必要がなくなる。従って、デ アルクラッチ方式の変速機110を採用して運 フィーリングを向上すると共に、機器の搭 スペースや車両重量の増大を抑制すること 可能となる。

 以上で本発明の実施形態に係るハイブリ ド電気自動車の駆動装置についての説明を えるが、本発明は上記実施形態に限定され ものではない。

 例えば、上記第1及び第2実施形態におい 、変速機10,110は前進6段の変速機であったが 変速段の数はこれに限られるものではなく 必要に応じて変更することが可能である。

 また、上記第1及び第2実施形態において 、第1速乃至第3速ドライブギヤ18a,118a,20a,120a, 22a,122aをいずれも第1入力軸12,112に対して相対 回転可能とすると共に、第4速乃至第6速ドラ ブギヤ28a,128a,30a,130a,32a,132aをいずれも第2入 軸14,114に対して相対回転可能とする一方、 1速乃至第6速ドリブンギヤ18b,118b,20b,120b,22b,1 22b,28b,128b,30b,130b,32b,132bをいずれもカウンタ軸 24,124に固定するようにしたが、相対回転可能 とするギヤ及び固定されるギヤはこれに限ら れるものではなく、常時噛み合っているドラ イブギヤとドリブンギヤのいずれか一方を、 支持されている回転軸に対して相対回転可能 とすると共に、他方を支持されている回転軸 に固定するようにすれば良い。なお、この場 合には、支持されている回転軸に対して相対 回転可能となっているギヤに同期装置が設け られる。例えば、第1速乃至第3速ドライブギ 18a,118a,20a,120a,22a,122aをいずれも第1入力軸12,1 12に固定すると共に、第4速乃至第6速ドライ ギヤ28a,128a,30a,130a,32a,132aをいずれも第2入力 14,114に固定する一方、第1速乃至第6速ドリブ ンギヤ18b,118b,20b,120b,22b,122b,28b,128b,30b,130b,32b,13 2bをいずれもカウンタ軸24,124に対して相対回 可能としても良い。

 更に、第1歯車機構26,126や第2歯車機構34,13 4に振り分けられる変速段や、各変速段の配 、並びに各変速段における変速段の切換機 など、変速機10,110の構成についても、上記 1及び第2実施形態のものに限定されるわけで はなく、ハイブリッド電気自動車に求められ る運転性能や商品性などに応じて変更するこ とが可能である。

 また、上記第1及び第2実施形態では、電 機16が第1クラッチ6,106と第1歯車機構26,126と 間に配設されたが、電動機16の位置はこれに 限られるものではなく、第1入力軸12,112が電 機16の回転軸と機械的に結合された状態で電 動機16が配置されていれば良い。従って、第1 歯車機構26,126を間にして第1クラッチ6,106の反 対側に配置するようにしても良いし、第1歯 機構26,126の中に組み込むようにしても良い 即ち、変速機10,110の内部に形成される空間 有効に活用するように電動機16を配置するよ うにしても良い。更に、第1入力軸12,112と電 機16の回転軸との間に歯車機構などの動力伝 達機構を設けて、第1入力軸12,112が電動機16の 回転軸と機械的に結合されるようにしても良 い。