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Title:
HYBRID HEAT TREATMENT DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/156110
Kind Code:
A1
Abstract:
A hybrid heat treatment device is used to temper a workpiece (W) and has a horizontal conveyor (20) extended to pass through a furnace (2) and conveying the workpiece (W), a temperature raising zone (40) placed in the furnace (2) and having far-infrared heaters (46) for quickly raising the temperature of the workpiece (W) up to its tempering temperature, and a keep-warm zone (42) placed adjacent to the temperature raising zone (40) on its downstream side and maintaining the workpiece (W) at the tempering temperature. The keep-warm zone (42) has a warm air outlet duct (62) placed below the conveyor (20) and blowing warm air to the workpiece (W), and also has a warm air suction duct (66) placed above the conveyor (20) and sucking warm air in the keep-warm zone (42).

Inventors:
NITTA HAJIME (JP)
OZAKI RYOJI (JP)
ITO SHIGERU (JP)
SUZUKI AKIRA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/061142
Publication Date:
December 24, 2008
Filing Date:
June 18, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NETUREN CO LTD (JP)
DAITO SEIKI (JP)
NITTA HAJIME (JP)
OZAKI RYOJI (JP)
ITO SHIGERU (JP)
SUZUKI AKIRA (JP)
International Classes:
C21D1/34; C21D1/18; F27B9/10; F27B9/36
Foreign References:
JPH07100422A1995-04-18
JP2000271937A2000-10-03
JPH04363578A1992-12-16
JP2000130952A2000-05-12
JP2002005573A2002-01-09
JPH0240489A1990-02-09
JP2006266616A2006-10-05
JP2003065678A2003-03-05
JPS6138388A1986-02-24
JPH0278553U1990-06-15
JP2001198671A2001-07-24
JPH09145248A1997-06-06
JPH0240490A1990-02-09
JPH03502160A1991-05-23
Attorney, Agent or Firm:
NAGATO, Kanji (8-1 Shinbashi 5-chom, Minato-ku Tokyo 04, JP)
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Claims:
 熱処理されるべき金属のワークピースを搬送する搬送経路と、
 前記搬送経路に配置され、前記ワークピースを所定の目標温度まで昇温させるための昇温ゾーンであって、前記ワークピースに遠赤外線を照射する遠赤外線照射装置を含む、昇温ゾーンと、
 前記搬送経路に配置され、昇温された前記ワークピースを前記目標温度に維持する保温ゾーンであって、前記ワークピースに外気温よりも高い温度の温風を吹付ける温風吹出し装置を含む、保温ゾーンと
を備えたハイブリッド型熱処理機。
 前記ワークピースは、前記搬送経路に沿う複数の列を形成した状態で搬送され、
 前記遠赤外線照射装置は、前記ワークピースの列の上方に配置された遠赤外線ヒータを含み、この遠赤外線ヒータは前記ワークピースに向けて斜めに遠赤外線を照射する、請求項1のハイブリッド型熱処理機。
 前記遠赤外線ヒータは、前記ワークピースの搬送方向に沿って延びる遠赤外線の照射面を有し、この照射面とこの照射面から下方に延びる鉛直線とがなす傾斜角は15°~75°の範囲から選択されている、請求項2のハイブリッド型熱処理機。
 前記ワークピースの過熱を防止する過熱防止システムを更に備えている、請求項3のハイブリッド型熱処理機。
 前記過熱防止システムは、前記傾斜角を前記範囲外にすべく前記遠赤外線ヒータを回転させる傾斜角調整装置、前記遠赤外線ヒータの電源スイッチ、前記温風吹出し装置への温風の供給を停止する停止装置、前記温風吹出し装置に前記温風に代えて冷風を供給する供給装置及び前記遠赤外線ヒータを昇降させる昇降装置の少なくとも1つを含む、請求項4のハイブリッド型熱処理機。
 前記ワークピースの搬送中、前記ワークピースを回転させる回転装置を更に備える、請求項3のハイブリッド型熱処理機。
 前記昇温ゾーン及び前記保温ゾーンを形成するための炉を更に含み、
 前記温風吹出し装置は、前記遠赤外線ヒータからの遠赤外線の照射方向とは逆向きの方向から前記ワークピースに前記温風を吹付ける、請求項2のハイブリッド型熱処理機。
 前記遠赤外線ヒータは前記ワークピースの各列に一対ずつ割り当てられ、これら遠赤外線ヒータは、対応するワークピースの列の両側に配置され、且つ、前記昇温ゾーンの全域に亘り、搬送経路に沿って連続して延びている、請求項7のハイブリッド型熱処理機。
 前記温風吹出し装置は、可燃ガスを燃焼させた燃焼ガスを前記温風として発生させる燃焼室と、この燃焼室からの前記温風を前記保温ゾーンを経て前記燃焼室に導く温風循環経路とを含む、請求項7のハイブリッド型熱処理機。
 前記温風吹出し装置は、前記温風循環経路に配置され、前記ワークピースに向けて温風を吹出す温風吹出しダクトと、この温風吹出しダクトよりも下流にて前記温風循環経路に配置され、前記ワークピースを通過した温風を吸い込む温風吸込みダクトとを含む、請求項9のハイブリッド型熱処理機。
 前記炉は、前記ワークピースの搬入及び搬出を許容する入口及び出口と、これら入口及び出口を開閉可能なシャッタとを含む、請求項7のハイブリッド型熱処理機。
 前記昇温ゾーンは、前記ワークピースに外気温よりも高い温度の温風を吹付ける温風吹出し装置を更に含む、請求項7のハイブリッド型熱処理機。
 前記昇温ゾーン及び前記保温ゾーンの前記温風吹出し装置は、前記昇温ゾーンから前記保温ゾーンに亘って延びる共通の温風吹出しダクトを含み、この温風吹出しダクトは前記ワークピースの各列に対応し且つ前記搬送経路に沿って延びるスリットをそれぞれ有し、これらスリットから前記ワークピースに向けて温風を吹き出す、請求項12のハイブリッド型熱処理機。
 前記温風吹出しダクトは、前記スリットの幅を調整する調整手段を更に有する、請求項13のハイブリッド型熱処理機。
Description:
ハイブリッド型熱処理機

 本発明は、金属材料のワークピースを焼 し処理するためのハイブリッド型焼戻し用 処理機に関する。

 熱処理機は、ワークピースを加熱するた に種々の加熱媒体を使用している。具体的 は、加熱媒体として温風を使用する焼戻し (例えば、特開平8-199232号公報)、加熱媒体と して遠赤外線を使用する乾燥装置(特許第37357 69号明細書)及び加熱媒体としてホットプレー ト及び熱風を使用する熱処理装置等が知られ ている。更には、上述の加熱媒体によらず、 ワークピースを誘導加熱によっても加熱する 誘導加熱装置も知られている。

 上述の焼戻し炉は、ワークピースが所定 温度に均一に昇温するのに長時間を要する また、焼戻し炉はバッチ式にて、ワークピ スの吹き戻し処理を行うので、多量なワー ピースの焼戻しに適していない。

 上述の乾燥装置や誘導加熱装置は、ワー ピースの急速な昇温に優れているものの、 ークピースの温度を一定に維持するのが困 であり、所定の保温時間を要求する焼戻し 理に好適しない。

 更に、ホットプレートを使用する熱処理 置の場合には、加熱すべきワークピースの 状や大きさがホットプレートに制約される かりでなく、ワークピースの加熱処理は前 の焼戻し炉と同様にバッチ式にならざるを ない。

 本発明の目的は、金属材料からなるワー ピースの昇温を急速に行えるばかりでなく 昇温後のワークピースの保温に容易に行う とができ、しかも、ワークピースの多量処 に好適したハイブリッド型熱処理機を提供 ることにある。

 上述の目的を達成するため、本発明のハ ブリッド型熱処理機は、熱処理されるべき 属のワークピースを搬送する搬送経路と、 の搬送経路に配置され、ワークピースを所 の目標温度まで昇温させるための昇温ゾー であって、ワークピースに遠赤外線を照射 る遠赤外線照射装置を含む、昇温ゾーンと 搬送経路に配置され、昇温されたワークピ スを目標温度に維持する保温ゾーンであっ 、ワークピースに外気温よりも高い温度の 風を吹付ける温風吹出し装置を含む、保温 ーンとを備える。

 上述のハイブリッド型熱処理機によれば ワークピースは昇温ゾーン内を搬送される き、遠赤外線照射装置からの遠赤外線の照 を受け、目標温度に向けて急速に加熱され 。それ故、ワークピースの温度が目標温度 到達するのに要する時間は大幅に短縮され 。

 この後、目標温度に昇温されたワークピ スは昇温ゾーンから保温ゾーン内に搬送さ る。保温ゾーン内にて、ワークピースには 風吹出し装置からの温風の吹付けを受ける このような温風の吹付けはワークピースの 度低下を直接的に防止し、また、温風は保 ゾーン内の温度を目標温度の近傍に良好に 持するのに役立つ。それ故、保温ゾーン内 て、ワークピースの温度は目標温度に容易 保持される。

 更に、ワークピースの昇温及び保温は、 ークピースが搬送経路に沿って搬送される 程にて連続的に実施されるので、本発明の 処理機は多量なワークピースの熱処理に好 する。

 具体的には、ワークピースは、搬送経路 沿う複数の列を形成した状態で搬送される この場合、遠赤外線照射装置は、ワークピ スの列の上方に配置された遠赤外線ヒータ 含み、この遠赤外線ヒータはワークピース 向けて斜めに遠赤外線を照射する。好まし は、遠赤外線ヒータは、ワークピースの搬 方向に沿って延びる遠赤外線の照射面を有 、この照射面とこの照射面から下方に延び 鉛直線とがなす傾斜角は15°~75°の範囲から 択されている。更に、熱処理機は、ワーク ースの過熱を防止する過熱防止システムを に備えることができる。

 本発明の熱処理機は、昇温ゾーン及び保 ゾーンを形成するための炉を含んでおり、 の場合、温風吹出し装置は、遠赤外線ヒー からの遠赤外線の照射方向とは逆向きの方 からワークピースに温風を吹付ける。

 また、温風吹出し装置は、可燃ガスを燃 させた燃焼ガスを温風として発生させる燃 室と、この燃焼室からの温風を前記保温ゾ ンを経て燃焼室に導く温風循環経路とを含 ことができる。この場合、温風吹出し装置 、温風循環経路に配置され、ワークピース 向けて温風を吹出す温風吹出しダクトと、 の温風吹出しダクトよりも下流にて温風循 経路に配置され、ワークピースを通過した 風を吸い込む温風吸込みダクトとを有する

 更に、昇温ゾーンは、ワークピースに外 温よりも高い温度の温風を吹付ける温風吹 し装置を更に含むことができ、この場合、 温ゾーン及び保温ゾーンの温風吹出し装置 、昇温ゾーンから保温ゾーンに亘って延び 共通の温風吹出しダクトを有するのが望ま い。

 本発明のより具体的な構造や、これら構 から導き出される本発明の利点は、後述の 明から明らかになる。

本発明のハイブリッド型熱処理機を概 的に示した図である。 図1の遠赤外線照射装置の詳細を示す図 である。 本発明の熱処理機の変形例を示す概略 である。 図1の熱処理機を具体化した一実施例の 熱処理機を示す縦断面図である。 図4の炉の内部を示した上方から示した 図である。 図4の遠赤外線ヒータの配置を遠赤外線 ヒータの上方から示した図である。 図4の遠赤外線ヒータの配置をワークピ ースの搬送方向から示した図である。 ワークピースのための座の変形例を示 た図である。 図4の炉の内部を示した横断面図である 。 図4の保温ゾーンをワークピースの搬 方向からみた図である。 図4の炉内でのワークピースの昇温過 及び保温辞状態を示したグラフである。 遠赤外線ヒータの水平配置を示す図で ある。 遠赤外線ヒータの1つの傾斜配置を示 図である。 遠赤外線ヒータの1つの傾斜配置を示 図である。 遠赤外線ヒータの1つの傾斜配置を示 図である。 ワークピースの昇温速度が遠赤外線ヒ ータの配置により異なることを示すグラフで ある。 ワークピースのための座の変形例を示 した図である。 図18の回転トレイの回転装置を概略的 示した図である。 ワークピースのための座の他の変形例 を示した平面図である。 図19中、A-A線に沿う断面図である。 過熱防止システムを示したブロック線 図である。 図21の傾斜角調整装置の概略図である 図21の電源スイッチの配置を示した図 ある。 図21の温風停止装置及び冷風供給装置 具体的に示した図である。 図21の昇降装置の概略図である。

 図1は、本発明におけるハイブリッド型焼 戻し用熱処理機1の概略を示し、この熱処理 1は焼入炉と冷却装置との間に配置されてい 。熱処理機1は、焼戻し処理すべきワークピ ースWのための搬送経路3を備え、この搬送経 3は熱処理機1を水平方向に貫通して延びて る。具体的には、搬送経路3はベルトコンベ を含み、このベルトコンベアは無端状のメ シュベルト5を有する。このメッシュベルト 5はワークピースWを受取り可能な多数の座7を 有し、これらの座7はメッシュベルト5の走行 向に所定の間隔を存して配置され、メッシ ベルト5の走行方向に延びる座列を形成して いる。

 図1に示されているワークピースWは金属 料のディスク形状をなし、その両面中央に スをそれぞれ有する。更に、ワークピースW その中央にセンタボアを有し、このセンタ アはワークピースの両方のボスを貫通して る。なお、センタボアはワークピースWにと って必要不可欠ではなく、ワークピースWは 実であってもよい。

 上述のワークピースWの場合、個々の座7 メッシュベルト5に形成された円形の開口に り提供されており、開口は、ワークピースW の外径よりも小さく各ボスの外径よりも大き な外径を有する。

 焼入炉にて焼入処理されたワークピースW は、熱処理機1の外側にてメッシュベルト5の 7にその向きのボスを差し込んで状態で受け 取られる。この後、メッシュベルト5上のワ クピースWはメッシュベルト5の走行により、 メッシュベルト5とともに熱処理機1内を通過 る。

 より詳しくは、熱処理機1内は、急速昇温 ゾーンと保温ゾーンとに区分されており、急 速昇温ゾーンは熱処理機1の入口に隣接して 置され、そして、保温ゾーンは急速昇温ゾ ンから熱処理機1の出口に亘って延びている 即ち、急速昇温ゾーン及び保温ゾーンはメ シュベル5の走行方向に互いに隣接して配置 されている。

 急速昇温ゾーンには複数の遠赤外線照射 置9が配置されている。これら遠赤外線照射 装置9はメッシュベルト5の上方に位置付けら 、メッシュベルト5の走行方向に互いに離間 している。より詳しくは、図2に示されるよ に各遠赤外線装置9は2つの遠赤外線ヒータ11 含み、これら遠赤外線ヒータ11は、メッシ ベルト5の走行でみて、ワークピースWの両側 に位置すべく配置されている。また、各遠赤 外線ヒータ11はワークピースWに向けられた遠 赤外線照射面11aを有し、この照射面11aはワー クピースWの上向きのボスに向けて遠赤外線 照射すべく、ワークピースWの軸線(メッシュ ベルト5の法線)に対し、所定の角度を存して 斜している。

 具体的には、遠赤外線ヒータ11は波長5.1μ m~3.8μmの遠赤外線を照射し、この場合、遠赤 線照射面11aの温度は約280℃~約485℃に達する 。そして、遠赤外線照射面11aは、85mm(メッシ ベルト5の幅方向)×400mm(メッシュベルト5の 行方向)の照射面積を有する。また、メッシ ベルト5と赤外線ヒータ11との間の高さHhは15 0mm~200mmの範囲から選択されている。なお、ワ ークピースWは160mmの直径Dと、その軸線方向 関して100mmの高さHwを有する。

 また、急速昇温ゾーンは温風吹出し器13 更に備えており、この温風吹出し器13は、前 述した搬送経路3の下方、即ち、走行メッシ ベルト5内に配置されている。温風吹出し装 13は温風吹出しダクト15を含み、この温風吹 出しダクト5はメッシュベルト5の走行方向に い、急速昇温ゾーンのほほ全域に亘って延 ている。温風吹出しダクト15はその上面に 数の温風吹出し口17を有し、これら温風吹出 し口17はメッシュベルト5の走行方向に間隔を 存して配置されている。温風吹出しダクト15 その温風吹出し口17からメッシュベルト5上 ワークピースW、即ち、その下向きのボスに 向けて温風を吹出し可能である。ここで、温 風の吹出し速度は5m/s~10m/sの範囲内にあり、 出された温風はワークピースWのセンタボア メッシュベルトを通過して上方に流れる。

 一方、保温ゾーンは、搬送経路3の下方、 即ち、メッシュベルト5内に温風吹出し器19を 備えている。この温風吹出し器19もまた温風 出しダクト21を含み、この温風吹出しダク 21はメッシュベルト5の走行方向に沿い、保 ゾーンの全域に亘って延びている。温風吹 しダクト21はその上面に複数の温風吹出し口 23を有し、これら温風吹出し口23はメッシュ ルト5の走行方向に間隔を存して配置されて る。温風吹出しダクト21は、前述した温風 出しダクト15での場合と同様にその温風吹出 し口23からメッシュベルト5上のワークピース W、即ち、その下向きのボスに向けて温風を 出し可能である。ここでも、温風吹出しダ ト21から吹出された温風は、ワークピースW センタボアやメッシュベルト5を通過して上 に流れる。

 更に、保温ゾーンは搬送経路3の上方に温 風吸込み器25を更に備えており、この温風吸 み器25は温風吸込みダクト27を含む。図1か 明らかなように、温風吸込みダクト27は温風 吹出しダクト21に対向するように配置され、 の下面に複数の温風吸込み口29を有し、こ ら温風吸込み口29はメッシュベルト5の走行 向に間隔を存して配置されている。

 具体的には、前述した温風吹出しダクト1 5,21には、例えば急速昇降ゾーン内の空気、 ち、遠赤外線照射装置9により加熱された空 が温風として供給され、この温風をメッシ ベルト5上のワークピースWに向けて吹出す とができる。このため、図1に示されている うに、急速昇温ゾーンには温風排出口31が えられている。この温風排出口31からは温風 供給管路33が延び、この温風供給管路33は分 点にて2つに分岐し、温風吹出しダクト15,21 それぞれ接続されている。そして、温風供 管路33には分岐点の上流に送風機35が配置さ ている。この送風機35は温風排出口31を通じ て急速昇温ゾーン内の温風を吸込み、吸い込 んだ温風を温風吹出しダクト15,21に温風供給 路33を通じて供給する。

 一方、温風吸込みダクト27には排気ファ 37が接続されており、この排気ファン37は、 温ゾーン内の空気、即ち、温風を温風吸込 ダクト27内に温風吸い込み口29を通じて吸込 み、吸い込んだ温風を熱処理機1の外部に排 する。なお、温風吸込みダクト27内に吸い込 まれる温風には、温風吹出しダクト21から吹 される温風のみならず、温風吹出しダクト1 5から吹出される温風をも含まれる。

 上述の熱処理機1によれば、急速昇温ゾー ン内に進入したワークピースWは、遠赤外線 射装置9からの遠赤外線の照射を受ける一方 温風吹出しダクト15の温風吹出し口17からの 温風の吹付けを受ける。それ故、ワークピー スWは上下から遠赤外線及び温風により加熱 れるので、急速昇温ゾーン内にて所定の焼 し温度(例えば、160℃)まで急速に昇温される 。

 この後、ワークピースWは急速昇温ゾーン から保温ゾーン内に進入する。この保温ゾー ン内では、温風吹出しダクト21の温風吹出し 23から吹出された温風が温風吸込みダクト27 に向け、メッシュベルト5を通過して上方に れ、そして、温風吸込みダクト27の温風吸込 み口29を通じて温風吸込みダクト27内に吸い まれる。即ち、保温ゾーン内にはメッシュ ルト5を通過する温風の上昇流が常時発生し おり、保温ゾーン内の温度は一定に維持さ ている。

 それ故、保温ゾーン内に進入したワーク ースWは一定温度の温風雰囲気に取り囲まれ 、前述した焼戻し温度に高精度に保持可能と なる。この後、ワークピースWは保温ゾーン にて所定の期間、即ち、焼戻し時間(例えば 約15分から約20分)だけ留まり、そして、保 ゾーンから熱処理機1の出口を通じて熱処理 1の外に送出される。

 急速昇温ゾーン内にて、ワークピースWを 所望の焼戻し温度に急速に昇温させ、また、 保温ゾーン内にて、ワークピースWの温度を の焼戻し温度に保持するために、前述した 赤外線照射装置9の遠赤外線照射量や、送風 35及び排気ファン37の駆動が適切に制御され ることは言うまでもない。なお、前述した焼 戻し時間はメッシュベルト5の走行速度によ 決定される。

 なお、熱処理機1から送出されたワークピ ースWは冷却装置に供給され、この冷却装置 て室温まで冷却される。

 図1の熱処理機1はメッシュベルト5の走行 向に隣接した急速昇温ゾーン及び保温ゾー を有するが、これら急速昇温ゾーン及び保 ゾーンは共通ゾーンに纏めることも可能で る。

 即ち、図3の熱処理機1は、1つの急速昇温/ 保温ゾーンのみを備えている。この急速昇温 /保温ゾーンは、メッシュベルト5の下方に配 された温風吹出しダクト37を含み、この温 吹出しダクト37は複数の温風吹出し口39を有 、前述した温風吹出しダクト15,21の機能を 揮する。

 一方、急速昇温/保温ゾーンは、メッシュ ベルト5の上方に配置された複数の遠赤外線 射装置9及び温風吸込みダクト27を含み、温 吸込みダクト27の温風吸込み口29は、遠赤外 照射装置9間にそれぞれ位置付けられている 。

 図3の熱処理機1の場合、急速昇温/保温ゾ ン内にワークピースWが配置されたとき、遠 赤外線照射装置9、温風吹出しダクト37及び温 風吸込みダクト27が共に機能し、ワークピー Wを焼戻し温度まで急速に昇温させる。この 後、遠赤外線照射装置9の作動は停止され、 ークピースWは温風吹出しダクト37及び温風 込みダクト27の働きにより、焼戻し温度にて 、焼戻し時間だけ保持される。

 図4及び図5は、図1の熱処理機1を具体化し た一実施例のハイブリッド型の連続焼戻し用 熱処理機2を示す。この熱処理機2は熱処理ラ ンに配置されている。この熱処理ラインに 熱処理機2の上流に焼入炉が配置され、一方 、熱処理機2の下流に冷却装置としての冷却 防錆装置4、バッファコンベア及び箱詰め機 順次配置されている。このような熱処理ラ ンは、ワークピースに対する焼入、焼戻し 冷却・防錆及び箱詰めの一連の処理を連続 て行う。なお、図4及び図5中、焼入炉、バ ファコンベア及び箱詰め機の具体的な図示 省略されている。

 熱処理機2は炉10を含み、この炉10は複数 脚12を介して支持されている。炉10は水平方 に延び、その両端に入口14及び出口16をそれ ぞれ有する。これら入口14及び出口16はシャ タ18をそれぞれ備えており、これらシャッタ 18は入口14及び出口16を開閉可能である。

 炉10内には前述の搬送経路3としてのコン ア20が水平に配置され、このコンベア20は入 口14から出口16まで延びている。より具体的 は、コンベア20は、両端部は入口14及び出口1 6を通じて炉10の外にそれぞれ突出した両端部 を有し、これら両端部は入口14及び出口16の 面をそれぞれ形成している。即ち、コンベ 20は炉10を貫通して延びている。

 入口14側のコンベア20の端部は前述した焼 入炉に接続され、この焼入炉から焼入処理さ れたワークピースWを受け取ることができる 即ち、図5から明らかなように、コンベア20 ワークピースWのサイズよりも充分に広い幅 有する。例えば、コンベア20はその幅方向 8個のワークピースWを並べた状態で、これら ワークピースWを水平方向に搬送することが きる。従って、ワークピースWはワークコン ア20上を8列にして搬送される。

 より詳しくは、コンベア20はその両端部 スプロケット軸22a,22bを有し、これらスプロ ット軸22は回転自在に支持されている。ス ロケット軸22a,22bはそれらの両端に一対ずつ スプロケット24a,24bを有し、これらスプロケ ット24a,24b間に前述したメッシュベルト5とし の無端状の搬送ベルト26が掛け渡されてい 。この搬送ベルト26はワークピースWのため 搬送面を形成する。なお、ワーク搬送ベル 26に関しては後述する。

 図4から明らかなように、出口16側のスプ ケット軸22bはその一端にプーリ32を有し、 のプーリ32は無端状の伝動ベルト34を介して 動プーリ36に接続されている。この駆動プ リ36は駆動モータ38の出力軸に取り付けられ いる。駆動モータ38は間欠駆動可能であり 炉10の脚12に支持されている。

 駆動モータ38が駆動されたとき、出口16側 のスプロケット24bは回転し、搬送ベルト26を 方向に走行させる。なお、駆動モータ38の 欠駆動は例えば、タクトスイッチ又はタイ 等により制御される。

 図5に示されているように、炉10の内部は 口14側に位置した急速昇温ゾーン40と、出口 側16側に位置した保温ゾーン42とに区分され いる。また、入口14から突出したコンベア20 端部はワークピースWの投入ゾーン44を形成 、この投入ゾーンにて、ワークピースWはコ ンベア20上に受け取られる。

 図4に示されているように、急速昇温ゾー ン40内には前述した遠赤外線照射装置9として 、複数の遠赤外線ヒータ46が配置されている これら遠赤外線ヒータ46は、コンベア20上の ワークピースWの各列に対し、一対ずつ割り てられている。

 より詳しくは、図6から明らかなように、 ワークピースWの各列のための一対の遠赤外 ヒータ46はプレート形状をなす。これら遠赤 外線ヒータ46はワークピースWの列の両側にて 対称に位置付けられている。この実施例の場 合、図6に示されるように各遠赤外線ヒータ46 は、ワークピースWの搬送方向に沿い、急速 温ゾーン40の全域に亘って延びている。

 また、図7から明らかなように、一対の遠 赤外線ヒータ46は、前述した遠赤外線ヒータ1 1の場合と同様に、ワークピースWに対して傾 して配置されている。即ち、各遠赤外線ヒ タ46は遠赤外線の出射面46aを有し、この出 面46aに対する法線と鉛直線との間に所定の 斜角αが確保されている。

 本実施例の場合、ワークピースWがリング 形状をなしているために、一対の遠赤外線ヒ ータ46はワークピースWの列に対して左右対称 となるべく、列の両側にそれぞれ配置されて いる。しかしながら、ワークピースWが左右 称ではない形状を有している場合、一対の 赤外線ヒータ46は必ずしもワークピースWの に対して左右対称に配置される必要はない この場合、一対の遠赤外線ヒータ46は、ワー クピースWが受ける遠赤外線の照射量を一様 すべく、ワークピースWの列の両側に配置さ ていればよい。更には、一対の遠赤外線ヒ タ46に加えて、ワークWの各列に補助的な遠 外線ヒータを割り当てることも可能である

 次に、搬送ベルト26に関して詳述する。
 搬送ベルト26は、その両側に配置された一 の無端状チェーンと、これらチェーン間に け渡された多数のホルダプレート28とから形 成されている。より詳しくは、各無端状チェ ーンは、対応する側のスプロケット24a,24bに れぞれ噛み合っている。一方、ホルダプレ ト28はコンベア20の搬送方向に所定間隔で配 され、一対の無端状チェーンに結合された 端を有する。

 図5は、コンベア20の両端部に位置するホ ダプレート28のみを示し、そして、図7はホ ダプレート28の一部を示す。各ホルダプレ ト28は、ワークピースWのための8個の座28sを し、これら座28sはホルダプレート28の長手 向、即ち、コンベア20の幅方向に所定の間隔 を存して配置されている。それ故、搬送ベル ト26は8列の座28sを有する。

 各座28sは円形の段付き孔から形成され、 ークピースWを受け取り可能な大径の凹所30a と、この凹所30aの底を貫通する連通孔30bとを 含み、この連通孔30bは凹所30aよりも小さく且 つワークピースのWの内径よりも大きな径を する。それ故、ワークピースWはその外周縁 凹所30aの環状の底に受け取られた状態で、 28sに保持されている。

 上述した座28sにワークピースWが保持され たとき、座28sはワークピースWの下部、具体 には、その下面の大部分を搬送ベルト26の下 方に露出させ、このとき、座28sの連通孔30bは ワークピースWのセンタボアに連通する。

 なお、ワークピースWがリング形状ではな く、中実の円筒形状をなしている場合、図8 示されるように、座28sは円形の連通孔30bの わりに矩形の連通孔30cを有することができ 。この連通孔30cはホルダプレート28の幅方向 に延びる長辺と、ホルダプレート28の長手方 に延びる短辺とを有する。長辺は凹所30aの よりも長く、短辺は凹所30aの径よりも短い 従って、連通孔30cは凹所30aからはみ出した 端部を有し、これら両端部はホルダプレー 28を上下方向に貫通する。連通孔30cもまた 述の連通孔30bと同様に、凹所30aにワークピ スWを受け止めるための底を残す。それ故、 8の座28sにワークピースWが保持されたとき ワークピースWの下面はその大部分が搬送ベ ト26の下方に露出する。

 一方、図7に示されているように、搬送ベ ルト26の直下には温風吹出しダクト62が配置 れ、この温風吹出しダクト62は前述した温風 吹出しダクト15,21の機能を発揮する。より詳 くは、温風吹出しダクト62はコンベア20の幅 にほぼ等しい幅を有し、急速昇温ゾーン40及 保温ゾーン42の全域に亘ってワークピースW 搬送方向に延びている。

 温風吹出しダクト62の上壁には8列のスリ ト62sが形成されており、これらスリット62s 、前述した座28sの各列に対応して配置され ワークピースWの搬送方向に延びている。即 ち、各スリット62sは上下方向でみて、対応す る列の座28sに対して常時対向している。

 更に、温風吹出しダクト62の上壁には多 のシャッタプレート64aを備え、これらシャ タプレート64aは急速昇温ゾーン40内に配置さ れ、各スリット62sに2個ずつ割り当てられて る。シャッタプレート64aはスリット62sに沿 て温風吹出しダクト62の長手方向に延び、そ して、温風吹出しダクト62の幅方向に移動可 である。それ故、各スリット62sに割り当て れた2個のシャッタプレート64aは互いに協働 して対応するスリット62aの幅を変化させるこ とができる。

 上述した温風吹出しダクト62には温風供 系を介して温風が供給され、この温風供給 に関して、以下に説明する。

 図4に示されているように温風供給系は燃 焼室48を備え、この燃焼室48は炉10の上方に配 置されている。燃焼室48は中空円筒状をなし 炉10の軸線方向に延びている。燃焼室48には ガスバーナ50が取り付けられており、このガ バーナ50は炉10の出口16側に位置した燃焼室4 8の一端に位置付けられている。ガスバーナ50 は燃焼室48内に配置されたノズル52を有し、 のノズル52には燃料供給管路54及び電動の給 ファン56がそれぞれ接続されている。燃料 給管路54はノズル52に可燃ガスGを供給し、一 方、給気ファン56はノズル52に空気を供給す 。ガスバーナ50は、燃焼室48内にて可燃ガスG を燃焼させ、この燃焼により燃焼ガスを発生 させる。この燃焼スは外気温度よりも高い温 度を有する。

 一方、燃焼室48の他端には電動の循環フ ン58が接続されており、この循環ファン58に 温風供給ダクト60が接続されている。図9に されているように、温風供給ダクト60は循 ファン58から炉10の幅方向に一旦水平に延び この後、下方に向けて屈曲されている。更 、温風供給ダクト60は炉体10の上壁に沿って 燃焼室48の一端側に向けて水平に延びた後、 に、下方に向けて屈曲されて炉10の上壁を 通し、炉10内に延びている。温風供給ダクト 60の先端は温風吹出しダクト62の側壁にて、 風吹出しダクト62に接続されている。

 図10に示されているように、温風吹出し クト62の上壁には、前述したシャッタプレー ト64aと同様なシャッタプレート64bが備えられ ている。これらシャッタプレート64bは保温ゾ ーン42内に配置され、シャッタプレート64aと 独立してスリット62sの幅を変化させること できる。

 更に、保温ゾーン42の上部には温風吸込 ダクト66が配置されている。この温風吸込み ダクト66はその下面が開口し、図4から明らか なように炉体10の出口16から急速昇温ゾーン40 の近傍までコンベア20の搬送方向に延びてい 。温風吸込みダクト66の上壁には温風戻り クト68が接続され、この温風戻りダクト68は 10の上壁を貫通して上方に延び、前述した 焼室48の一端に接続されている。

 循環ファン58が駆動されているとき、燃 室48内に発生した燃焼ガス、即ち、温風は、 温風供給ダクト60を介して温風吹出しダクト6 2に導かれ、温風吹出しダクト62の各スリット 62sを通じて急速昇温ゾーン40及び保温ゾーン4 2にそれぞれ吹出される。この後、温風は温 吸込みダクト66及び温風戻りダクト68を通じ 燃焼室48に戻される。上述した温風供給ダ ト60、温風吹出しダクト62、温風吸込みダク 66及び温風戻りダクト68は、燃焼室48と炉体1 0の内部(急速昇温ゾーン40及び保温ゾーン42) の間にて温風を循環させる循環経路を形成 る。

 炉10の外面には入口14及び出口16の上方を うフード70,72がそれぞれ取り付けられてお 、これらフード70,72は下向きに開口し、排気 ダクト74,76を介して電動型の回収ファン78に 続されている。

 また、炉10の上壁には排気ダクト80が接続 されている。この排気ダクト80は、温風吸込 ダクト66と急速昇温ゾーン40との間にて、保 温ゾーン42内に接続された下端と、排気ダク 76に接続された上端とを有する。更に、排 ダクト74,76,80の下端部にはダンパ82,84,86がそ ぞれ取り付けられており、これらダンパ82,8 4,86は開閉可能である。

 一方、前述した冷却・防錆装置4は、炉10 出口16にて、コンベア20に隣接して配置され 、冷却・防錆ゾーンを形成する。冷却・防錆 装置4は2つの冷却槽92を含み、これら冷却槽92 はフレーム90に支持され、コンベア20の搬送 向に並んで配置されている。各冷却槽92はそ の内部に複数のシャワーノズル94を有してお 、これらシャワーノズル94は冷却槽92内の中 央位置、即ち、冷却位置に向けて上方又は下 方から防錆油を噴出させることができる。噴 出された防錆油は冷却槽92の底に集められ、 の底から回収される。なお、図5から明らか なように各シャワーノズル94は、コンベア20 幅方向に沿って冷却槽92内を延び、冷却槽92 の全域をカバーしている。

 また、冷却槽92の上方にはトラバーサ96が 配置されており、このトラバーサ96は冷却・ 錆装置4のフレーム90上を往復動可能である より詳しくは、トラバーサ96は、昇降可能 移送ヘッド98を含み、この移送ヘッド98はそ 下端にチャック列を有する。このチャック の個々のチャックは、炉10の出口16から送出 されたコンベア20上の先頭の行に含まれるワ クピースWを個々に把持することができる。

 更に、前述したバッファコンベアはコン ア20と同一線上に配置され、ワークピースW ためのバッファゾーンを形成し、そして、 述した箱詰め機はバッファコンベアから受 取ったワークピースWを所定の個数ずつ箱に 詰め込む。

 次に、上述した熱処理機2を使用して実施 されるワークピースWの焼戻し処理について 明する。

 先ず、焼入炉にて焼入処理されたワーク ースWは投入ゾーン44に供給され、投入ゾー 44に位置付けられている同一行の8個の座28a 保持される。この後、コンベア20は間欠的 駆動され、投入ゾーン44上のワークピースW 炉10の入口14を通じて炉10内、即ち、急速昇 ゾーン40内に搬入され、一方、投入ゾーン44 には新たな8個のワークピースWが同様にし 供給される。それ故、炉体10内にはコンベア 20の搬送方向に沿う8列のワークピースWが形 され、これらワークピースWはコンベア20上 連続的に搬送される。

 急速昇温ゾーン40内のワークピースWは、 ークピースWの各列に一対ずつ割り当てられ た遠赤外線ヒータ46から遠赤外線の照射を受 、目標加熱温度、即ち、その焼戻し温度に けて急速に加熱される。一対の遠赤外線ヒ タ46はワークピースWの両側に配置され、ワ クピースWの斜め上方から遠赤外線をワーク ピースWに向けて照射するので、ワークピー Wはその上面のみならず、その両側の周面も た遠赤外線の照射を受けることができる。 かも、遠赤外線ヒータ46はコンベア20の搬送 方向に延びているので、ワークピースWの間 搬送に拘わらず、急速昇温ゾーン40内のワー クピースWは赤外線ヒータ46により効果的に加 熱される。

 急速昇温ゾーン40内では、温風吹出しダ ト62の各スリット62sから上方に向けて温風が 吹出されているので、温風は前述した座28sの 連通孔30bを通じてワークWの下面に直接に吹 けられ、ワークピースWを加熱する。それ故 遠赤外線ヒータ46からの遠赤外線がワーク ースWの下面に照射されなくても、ワークピ スWは均一に加熱され、ワークピースWの温 は焼戻し温度に急速に上昇する。

 また、吹出された温風は、搬送ベルト26 おけるホルダプレート28間を通過し、そして 、前述した温風吸込みダクト66に吸い込まれ ので、温風がワークピースWの下方に滞留す ることはない。それ故、ワークピースWの下 には新たな温風が常時吹付けられ、ワーク ースWの良好且つ安定した急速加熱が保証さ る。

 なお、ワークピースWがリング形状をなし ている場合、温風はワークピースWのセンタ アをも通過するので、ワークピースWは効果 に加熱される。

 更に、スリット62sの幅、即ち、スリット6 2sの開度がシャッタプレート64aにより調整可 であるので、ワークピースWへの温風の吹付 け量を容易に調整することができる。それ故 、スリット62sの開度はワークピースWの均一 つ急速な加熱に大きく寄与する。

 ワークピースWの焼戻し温度が同一である 場合、遠赤外線の照射によるワークピースW 加熱は、温風のみによるワークピースWの加 に比べて、ワークピースWの温度を焼戻し温 度に短時間で到達させることができる。そし て、本実施例のようにワークピースWの加熱 遠赤外線と温風とが併用されれば、ワーク ースWの昇温に要する時間は更に短縮される

 この後、焼戻し温度に昇温されたワーク ースWは急速昇温ゾーン40から保温ゾーン42 進入する。この保温ゾーン42内にてワークピ ースWが間欠的に搬送される間、ワークピー Wは温風吹出しダクト62のスリット62sからの 風の吹付けを受ける。それ故、保温ゾーン42 内のワークピースWはその全体が温風により 助的に加熱されながら、焼戻し温度に保持 れる。

 保温ゾーン42にあっても、急速昇温ゾー 40での場合と同様に、温風は搬送ベルト26及 ワークピースWを通過して流れ、この後、温 風吸込みダクト66から温風戻りダクト68を通 て燃焼室48に戻される。それ故、ワークピー スWには常時新たな温風が吹付けられるので ワークピースWの温度は焼戻し温度に安定し 保持される。

 更に、保温ゾーン42にあっても、温風吹 しダクト62のスリット62sの開度がシャッタプ レート64bにより調整可能であるので、ワーク ピースWへの温風の吹付け量を容易に調整で 、ワークピースWを焼戻し温度に高精度に保 可能となる。

 ワークピースWの保温に使用された温風は 、温風吸込みダクト66から温風戻りダクト68 通じて燃焼室48内に戻され、ガスバーナ50に り再加熱された後、新たな温風としてワー ピースWの保温に使用される。燃焼室48内に される温風は焼戻し温度に近い温度を有し いるので、温風の再加熱に要求されるエネ ギは小さい。この結果、温風の生成に要す 可燃ガスGの消費量、即ち、熱処理機2のラ ニングコストが大幅に低減され、熱処理機2 省エネルギ対策に優れたものとなる。

 この後、ワークピースWは保温ゾーン42内 ら出口16を通じて炉10の外に搬出される。

 前述の説明から明らかなように、本実施 の熱処理機2は、ワークピースWの昇温及び 温を温風のみで行う従来の装置と比べて、 ークピースWの昇温を急速に行うことができ 。それ故、ワークピースWの間欠的な搬送速 度が同一であれば、本実施例の熱処理機2は 来装置に比べ、急速昇温ゾーン40の長さを短 くできる。この結果、本実施例の熱処理機2 全長は従来装置に比べて短くなるので、そ 設置に要する面積もまた小さくて済み、省 ペース化に大きく寄与する。

 図11は、炉10内の温度の分布を示す。図11 ら明らかなように急速昇温ゾーン40内では 入口14から進むに連れて炉内温度は急激に上 昇し、そして、保温ゾーン42内での温度変化 焼戻し温度の10%以内に制御されている。

 上述した実施例の場合、炉10は入口14及び 出口16のそれぞれに開閉可能なシャッタ18を えているので、ワークピースWが入口14及び 口16を通過しないとき、シャッタ18は入口14 び出口16を閉じることができる。それ故、入 口14及び出口16からの熱損失が効果的に抑制 れ、炉内温度は効果的に保持される。特に 出口16がシャッタ18により開閉されれば、保 ゾーン42の終端部において、炉内温度が急 に低下されることもなく(図11中の1点鎖線の 内に示されている2点鎖線を参照)、ワーク ースWの温度は焼戻し温度により高精度に保 される。

 一方、炉10の入口14及び出口16から漏れる 風は、フード70,72、ダンパ82,84を備えた排気 ダクト74,76及び回収ファン78を通じて回収可 であるので、熱処理機2の周囲が温風、即ち 燃焼ガスによって汚染されことはない。

 また、急速昇温ゾーン40内の温風はダン 86を備えた排気ダクト80を通じて回収可能で るので、急速昇温ゾーン40内の温度は容易 制御可能である。

 炉10の外に搬出されたワークピースWは前 したトラバーサ96の移送ヘッド98に把持され 、移送ヘッド98とともにコンベア20上から一 の冷却槽92内に移送され、この冷却槽92内の 却位置に位置付けられる。この冷却位置に 、シャワーノズル94はワークピースWに向け 防錆油を噴霧し、この防錆油はワークピー Wを冷却するのみならず、ワークピースWの 錆のための皮膜を形成する。

 この後、冷却処理されたワークピースWは トラバーサ96の移送ヘッド98とともにバッフ コンベア上まで移送され、そして、バッフ コンベアに受け取られる。バッファコンベ 上のワークピースWは箱詰め機に向けて間欠 に移送され、この移送過程にて、ワークピ スWに付着した余剰の防錆油はバッファコン ベアを通過して垂れ落ち、そして、回収され る。この後、ワークピースWはバッファコン アから箱詰め機に供給される。

 次に、前述した遠赤外線ヒータ46の配置 ワークピースWの加熱、即ち、その昇温に及 す影響について説明する。

 図12~図15は、ワークピースWの1つの列に割り 当てられる一対の遠赤外線ヒータ46のうち、 方の遠赤外線ヒータ46を互いに異なる態様 配置した例をそれぞれ示す。
図12~図15中のワークピースWは中央にセンタボ アを有する円筒形状をなし、その高さ及び直 径はそれぞれ、100mm、160mmである。また、図12 ~図15中の斜線領域は、遠赤外線ヒータ46によ ワークピースのWの昇温可能域を表している 。

 図12の遠赤外線ヒータ46は、ワークピース Wに対して平行つまり水平に配置されている この場合、遠赤外線ヒータ46の遠赤外線の照 射域は、ワークピースWの中央からその外周 を超えた領域をカバーしている。遠赤外線 ータ46が水平に配置されている場合、ワーク ピースWの上面は良好に昇温される。しかし がら、ワークピースWの外側面はワークピー Wの上面から約10mm程度の範囲しか良好に昇 されない。それ故、ワークピースWに下方か の温風が吹付けられ、ワークピースWの昇温 が温風による助けられるとしても、ワークピ ースWの全体が焼戻し温度まで均一に昇温さ るまでには長い時間を要する。

 図13の遠赤外線ヒータ46は、図12の遠赤外 ヒータ46に比べて、ワークピースWの外周面 に向けて所定の距離だけ変位され、そして 15°の傾斜角αを有する。この場合、遠赤外 ヒータ46はワークピースWの上面をその中央 域を除き、良好に昇温させ、一方、ワークW の外側面の昇温可能域をワークピースWの上 から約60mm程度まで拡大させる。

 図14の遠赤外線ヒータ46は、図13の遠赤外 ヒータ46よりも、ワークピースWの外周面側 向けて更に変位され、60°の傾斜角αを有す 。この場合、遠赤外線ヒータ46はワークピ スWの上面のみならず、ワークピースWの高さ 方向に関してワークピースWの外周面全域を 好に昇温させることができ、それ故、前述 昇温時間は更に短縮される。

 図15の遠赤外線ヒータ46は75°の傾斜角αを 有する点のみで、図14の遠赤外線ヒータ46と 異なる。この場合でも、遠赤外線ヒータ46は ワークピースWの上面及び外周面を良好に昇 させることができる。しかしながら、ワー ピースWにおける上面の中央領域に着目した き、図15の遠赤外線ヒータ46による前記中央 域の昇温速度は、図14の遠赤外線ヒータ46の 合と比べて遅くなる。

 図13~図15の遠赤外線ヒータ46は何れも、図 12の遠赤外線ヒータ46に比べ、ワークピースW 温度が焼戻し温度に到達するまでに要する 温時間を短縮させることができ、それ故、 赤外線ヒータ46の傾斜角αは約15°~約75°の範 囲から選択されるのが望ましい。

 図16は、炉2内にワークピースWの昇温が搬 入された後、時間の経過とともにワークピー スWが昇温される状態を示す。図16中の曲線a 、図13~図15の遠赤外線ヒータ46が使用された 合を示し、図16中の曲線bは、傾斜角αが約15 °~約75°の範囲外にある遠赤外線ヒータを使 した場合を示す。なお、図16中の曲線cは図12 の遠赤外線ヒータ46が使用された場合を示す

 前述したワークピースWのための座28sは、 図17に示されるような回転トレイ100を含むこ ができる。回転トレイ100は環状をなし、ワ クピースWを保持可能な大きさを有する。回 転トレイ100は、座28aの連通孔30bに軸受102を介 して回転自在に支持され、その外周面にギヤ を有する。

 同一のホルダプレート26に配置された回 トレイ100は、無端状のタイミングベルト104 介して相互に接続され、このタイミングベ ト104は回転トレイ100のギヤに噛み合ってい 。即ち、図18に示されているように、タイミ ングベルト104はコンベア20の幅方向に延び、 ルダプレート28の両端部にて歯付きプーリ10 6にそれぞれ噛み合っている。一方の歯付き ーリ106は、モータ(図示しない)の出力軸に連 結されたプーリ108を有する。従って、モータ が駆動されたとき、一方の歯付きプーリ106は 一方向に回転され、タイミングベルト104を走 行させる。このようなタイミングベルト104の 走行は回転トレイ100を介してワークピースW 連動して回転させる。

 なお、図18中、回転トレイ100は3個しか示 れていないが、回転トレイ100はホルダプレ ト26の8個の座28sにそれぞれ備えられている

 図17に示されるように一対の遠赤外線ヒ タ46がワークピースWの列の両側に配置され いても、ワークピースWは回転されることで その外周面に遠赤外線ヒータ46からの遠赤 線の照射を均一に受けることができる。こ 結果、ワークピースWの外周面はより均一に 熱可能である。

 上述した回転トレイ100の回転装置は、複 のテンションプーリを更に含んでいるのが ましい。これらテンションプーリはタイミ グベルト104の所定位置に配置され、このタ ミングベルトと噛み合っている。テンショ プーリは、各回転トレイ100のギヤに対する イミングベルト104の巻付き角度を増加させ 回転トレイ100の安定した回転を保証する。

 ワークピースWは図19及び図20に示される うな中実の棒材であってよい。この場合、 28sは、ワークピースWの両端部のみを支持す 一対の凹所110と、これら凹所110間に亘って び、且つ、ワークピースWの径よりも大きな 幅を有する矩形の連通孔112とを含むことがで きる。温風吹出しダクト62のスリット62sから 出された温風は連通孔112を通過することで ワークピースWの外周面のほぼ全周に沿って 流れ、ワークピースWを均一に加熱する。な 、図20中、前述したシャッタプレート64a,64b 省略されている。

 上述した一実施例の熱処理機2は、温風吹 出しダクト62のスリット62sの幅をシャッタプ ート64a,64bにより変化させることで、ワーク ピースWの昇温及び保温を制御可能である。

 しかしながら、ワークピースWの昇温及び 保温をより高精度に制御するために、熱処理 機2は、図21に示されるようなワークピースW 過熱防止システムを更に備えることができ 。

 この過熱防止システムは、炉2内でのワー クピースWの温度を検出する温度センサ114と 過熱防止装置116と、温度センサ114にて検出 た温度に基づき、過熱防止装置116の作動を 御するコントローラ118とを含む。

 具体的には、過熱防止装置116は、遠赤外 ヒータ46の傾斜角調整装置120、遠赤外線ヒ タ46の電源スイッチ122、温風停止装置124、冷 風供給装置126及び遠赤外線ヒータ46の昇降装 128の少なくとも1つを有する。

 具体的には、図22に示されように傾斜角 整装置120は、遠赤外線ヒータ46を回転可能に 支持し、コントローラ118からの指令により、 遠赤外線ヒータ46の傾斜角αが約15°~約75°の 囲外となるべく、遠赤外線ヒータ46を回転さ せる。

 図23に示されるように電源スイッチ122は 電源130と遠赤外線ヒータ46との間に配置され 、コントローラ118からの指令により、遠赤外 線ヒータ46への電力の供給を停止させる。

 図24に示されるように温風停止装置124は 循環ファン58のためのファンスイッチ132と、 循環ファン58と温風吹出しダクト62との間に 置された電磁弁134との少なくとも1つを含む ファンスイッチ132及び/又は電磁弁134は、コ ントローラ118からの指令を受けて作動し、温 風吹出しダクト62への温風の供給を停止する 即ち、ファンスイッチ132が作動されたとき 循環ファン58の作動が停止され、電磁弁134 作動されたとき、電磁弁134は閉じられる。

 一方、冷風停止装置126は、図24に示され いるように燃焼室48と循環ファン58との間に 置された電磁三方弁136を含む。この電磁三 弁136は、通常、燃焼室48と循環ファン58とを 接続する一方、外気と循環ファン58との接続 遮断している。しかしながら、電磁三方弁1 36が作動されたとき、燃焼室48と循環ファン58 との接続が遮断され、外気と循環ファン58と 接続される。この場合、循環ファン58は外 を温風吹出しダクト62に供給する。なお、電 磁三方弁136は外気に代えて、外気よりも低温 の冷風を供給可能な冷風供給源に接続されて いてもよい。

 図25に示されように、昇降装置128は遠赤 線ヒータ46を昇降可能に支持し、コントロー ラ118からの指令により、遠赤外線ヒータ46を 昇させる。

 上述した傾斜角調整装置120、電源スイッ 122、温風停止装置124,冷風供給装置126及び昇 降装置128は何れも作動されたとき、ワークピ ースWの過熱を防止でき、ワークピースWの温 を焼戻し温度に高精度に維持するうえで役 つ。

 一実施例の熱処理機2は、急速昇温ゾーン 40から保温ゾーン42内に亘って延びる温風吹 しダクト62を備えているが、この温風吹出し ダクト62は、図1の熱処理機2の場合と同様に 急速昇温ゾーン40内及び保温ゾーン42内をそ ぞれ延びる部分に分割されていてもよい。

 また、急速昇温ゾーン40内の温風吹出し クトは省略することも可能であり、この場 、急速昇温ゾーン40内にて、ワークピースW 遠赤外線ヒータのみで加熱される。この場 、ワークピースWは、遠赤外線ヒータにより 下から加熱されるのが好ましい。

 更に、急速昇温ゾーン40内にてワークピ スWを昇温させるため、遠赤外線ヒータ及び 風吹出しダクトが共に使用される場合、ワ クピースWの搬送方向でみて、ワークピース Wの一方の側を遠赤外線ヒータにより加熱し ワークピースWの他方の側を温風吹出しダク から吹出される温風により加熱することも 能である。

 一方、温風は可燃ガスを燃焼させた燃焼 スの代わり、電気ヒータ等の加熱手段によ 加熱された空気等の加熱媒体であってよい

 ワークピースWの搬送は間欠搬送よらず、 連続搬送であってもよいし、そして、本発明 の熱処理機が焼戻し外の他の熱処理にも適用 可能であることは言うまでもない。