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Patent Searching and Data


Title:
HYDRAULIC DRIVER AND HYDRAULIC DRIVE VEHICLE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/090762
Kind Code:
A1
Abstract:
Operation intended by an operator is executed easily with a good hydraulic efficiency kept without causing complication of operation. The hydraulic driver comprises a pump control section (31) having a pump reference command value setting section (31a) for setting a pump reference command value of an HST pump (10) depending on the number of revolutions of an engine (3), a pump correction command value operating section (31b) for specifying an inching rate dependent on its controlled variable when an inching operation is performed and setting a pump command value by correcting the pump reference command value according to the inching rate thus specified, and a pump control command value setting section (31c) for setting a pump control command value for controlling the capacity of the HST pump (10) based on a pump command value set at the pump correction command value operating section (31b).

Inventors:
OHTSUKASA NARITOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/050133
Publication Date:
July 31, 2008
Filing Date:
January 09, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KOMATSU MFG CO LTD (JP)
OHTSUKASA NARITOSHI (JP)
International Classes:
F16H61/42; E02F9/22; F16H61/421; F16H61/431; F16H61/433; F16H61/438; F16H61/66; F16H59/38
Foreign References:
JP2001027319A2001-01-30
JPH11257489A1999-09-21
JPH0216851U1990-02-02
JP2004232469A2004-08-19
US5638677A1997-06-17
US5784883A1998-07-28
Other References:
See also references of EP 2128498A4
Attorney, Agent or Firm:
SAKAI, Hiroaki (Kasumigaseki Building2-5, Kasumigaseki 3-chom, Chiyoda-ku Tokyo 20, JP)
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Claims:
 エンジンによって駆動される可変容量型の油圧ポンプと、前記油圧ポンプから吐出した圧油によって駆動される可変容量型の油圧モータとを備え、前記油圧モータの駆動を外部出力する油圧駆動装置において、
 前記エンジンの回転数に応じて前記油圧ポンプに対するポンプ基準指令値を設定するポンプ基準指令値設定部と、
 インチング操作が行われた場合にその操作量に応じたインチング率を特定し、該特定したインチング率に従って前記ポンプ基準指令値を補正することによりポンプ指令値を設定するポンプ補正指令値演算部と、
 前記ポンプ補正指令値演算部の設定したポンプ指令値に基づいて前記油圧ポンプの容量を制御するためのポンプ制御指令値を設定するポンプ制御指令値設定部と
 を有したポンプ制御手段を備えることを特徴とする油圧駆動装置。 
 前記ポンプ制御指令値設定部は、前記油圧ポンプ及び前記油圧モータの間を流通する圧油の圧力に応じてポンプ制御指令上限値を設定し、前記ポンプ指令値がこのポンプ制御指令上限値以下の場合には当該ポンプ指令値をポンプ制御指令値として設定する一方、前記ポンプ指令値が前記ポンプ制御指令上限値を上回る場合には当該ポンプ制御指令上限値をポンプ制御指令値として設定することを特徴とする請求項1に記載の油圧駆動装置。
 前記油圧モータに要求される出力トルクの上限値を設定するトルク上限値設定手段をさらに備え、
 前記ポンプ制御手段は、前記トルク上限値設定手段によって設定された出力トルクの上限値に応じて前記ポンプ制御指令上限値を設定し、該設定したポンプ制御指令上限値に従って前記ポンプ制御指令値を設定することを特徴とする請求項1に記載の油圧駆動装置。
 エンジンによって駆動される可変容量型の油圧ポンプと、前記油圧ポンプから吐出した圧油によって駆動される可変容量型の油圧モータとを備え、前記油圧モータの駆動を外部出力する油圧駆動装置において、
 前記エンジンの回転数に応じて前記油圧モータに対するモータ基準指令値を設定するモータ基準指令値設定部と、
 インチング操作が行われた場合にその操作量に応じたインチング率を特定し、該特定したインチング率に従って前記モータ基準指令値を補正することによりモータ指令値を設定するモータ補正指令値演算部と、
 前記モータ補正指令値演算部の設定したモータ指令値に基づいて前記油圧モータの容量を制御するためのモータ制御指令値を設定するモータ制御指令値設定部と
 を有したモータ制御手段を備えることを特徴とする油圧駆動装置。 
 前記モータ制御指令値設定部は、前記油圧ポンプ及び前記油圧モータの間を流通する圧油の圧力に応じてモータ制御指令上限値を設定し、前記モータ指令値がこのモータ制御指令上限値以下の場合には当該モータ指令値をモータ制御指令値として設定する一方、前記モータ指令値が前記モータ制御指令上限値を上回る場合には当該モータ制御指令上限値をモータ制御指令値として設定することを特徴とする請求項4に記載の油圧駆動装置。
 エンジンによって駆動される可変容量型の油圧ポンプと、前記油圧ポンプから吐出した圧油によって駆動される可変容量型の油圧モータとを備え、前記油圧モータの駆動を外部出力する油圧駆動装置において、
 前記エンジンの回転数に応じて前記油圧ポンプに対するポンプ基準指令値を設定するポンプ基準指令値設定部と、
 前記エンジンの回転数に応じて前記油圧モータに対するモータ基準指令値を設定するモータ基準指令値設定部と、
 インチング操作が行われた場合にその操作量に応じたインチング率を特定し、該特定したインチング率に従って前記ポンプ基準指令値を補正することによりポンプ指令値を設定するポンプ補正指令値演算部と、
 インチング操作が行われた場合にその操作量に応じたインチング率を特定し、該特定したインチング率に従って前記モータ基準指令値を補正することによりモータ指令値を設定するモータ補正指令値演算部と、
 前記ポンプ補正指令値演算部の設定したポンプ指令値に基づいて前記油圧ポンプの容量を制御するためのポンプ制御指令値を設定するポンプ制御指令値設定部と、
 前記モータ補正指令値演算部の設定したモータ指令値に基づいて前記油圧モータの容量を制御するためのモータ制御指令値を設定するモータ制御指令値設定部と
 を有した制御手段を備えることを特徴とする油圧駆動装置。 
 請求項1~6のいずれかの一つに記載の油圧駆動装置を駆動源として走行することを特徴とする油圧駆動車両。 
Description:
油圧駆動装置及び油圧駆動車両

 本発明は、エンジンによって駆動される 変容量型の油圧ポンプと、前記油圧ポンプ ら吐出した圧油によって駆動される可変容 型の油圧モータとを備え、前記油圧モータ 駆動を外部出力する油圧駆動装置及び油圧 動車両に関するもので、特に、ホイールロ ダやブルドーザ等の建設機械として使用さ る車両の走行系として好適な油圧駆動装置 び油圧駆動車両に関する。

 ホイールローダやブルドーザ等、建設機 として使用される車両には、駆動源である ンジンと、駆動車輪との間にHST(Hydro-Static T ransmission)と称される油圧駆動装置が設けられ ているものがある。油圧駆動装置は、閉回路 である主油圧回路に、エンジンによって駆動 される可変容量型の油圧ポンプと、この油圧 ポンプから吐出された圧油によって駆動され る可変容量型の油圧モータとを備えて構成さ れており、油圧モータの駆動を駆動車輪に伝 達することによって車両を走行させるように したものである。

 この油圧駆動装置を適用した車両によれ 、油圧ポンプの容量及び油圧モータの容量 適宜調節することにより、互いの回転数の 率を任意に変更することができるため、煩 なレバー操作を行うことなくアクセルペダ の操作のみにより車両の速度を無段階に変 することができ、操作性を著しく向上させ ことが可能となる。

 通常、この種の油圧駆動装置では、駆動 る際の主油圧回路の圧力を減少させること よって圧力損失を低減させ、油圧効率の向 を図ることが行われている。例えば、チャ ジポンプからのパイロット圧に応じて油圧 ンプの傾転角を制御するようにした油圧駆 装置では、パイロット圧を供給する油路に ットオフバルブを介在させたものが提供さ ている。この油圧駆動装置では、主油圧回 の圧力がカットオフバルブに設定されたカ トオフ圧以上となった場合にパイロット圧 減圧され、油圧ポンプの傾転角が減少する とによって主油圧回路に対する油圧ポンプ 圧油吐出量が低下されることになる(例えば 、特許文献1参照)。

 また、HSTを適用した油圧駆動装置では、 イロット圧を供給する油路にインチングバ ブを介在させたものも提供されている。こ 油圧駆動装置では、操作者がインチングペ ルを操作した場合にパイロット圧が減圧さ 、油圧ポンプの傾転角が減少することによ 主油圧回路に対する油圧ポンプの圧油吐出 が制限されることになる。

特開2004-232469号公報(図1)

 上述した特許文献1に記載のものによれば 、操作者が操作パネルのスイッチ操作を行う ことにより、少なくとも2段階のカットオフ を選択して設定することができ、油圧効率 向上を図ることができるようになる。

 しかしながら、圧力のみを考慮した特許 献1に記載のものにあっては、例えば、上述 したカットオフ圧を、一旦定格付近のエンジ ン回転数で運転するのに最適な値に設定して しまうと、エンジンの燃費効率の点で好まし くない事態を招来する虞れがある。すなわち 、カットオフ圧を定格付近のエンジン回転数 で運転するのに最適な値に設定すると、アク セルペダルの踏み込みを緩めてエンジン回転 数を下げたり、インチングペダルを踏み込ん で油圧ポンプの圧油吐出量を低下させた場合 には、エンジン出力に対して余裕がある状況 下になったとしても、主油圧回路の圧力が定 格エンジン回転数での作動を考慮したカット オフ圧による圧力のままとなり、燃費効率の 悪いエンジン出力で運転することになる。

 こうした事態を回避するためには、主油 回路が所望とする圧力となるように、状況 応じて都度操作者がカットオフ圧を切り替 なければならないこととなり、油圧駆動装 の操作を煩雑化する虞れがある。

 本発明の目的は、上記実情に鑑みて、操 の煩雑化を招来することなく、油圧効率が 好な状態で操作者の意に即した操作を容易 実行することのできる油圧駆動装置及び油 駆動車両を提供することにある。

 上記目的を達成するため、本発明の請求 1に係る油圧駆動装置は、エンジンによって 駆動される可変容量型の油圧ポンプと、前記 油圧ポンプから吐出した圧油によって駆動さ れる可変容量型の油圧モータとを備え、前記 油圧モータの駆動を外部出力する油圧駆動装 置において、前記エンジンの回転数に応じて 前記油圧ポンプに対するポンプ基準指令値を 設定するポンプ基準指令値設定部と、インチ ング操作が行われた場合にその操作量に応じ たインチング率を特定し、該特定したインチ ング率に従って前記ポンプ基準指令値を補正 することによりポンプ指令値を設定するポン プ補正指令値演算部と、前記ポンプ補正指令 値演算部の設定したポンプ指令値に基づいて 前記油圧ポンプの容量を制御するためのポン プ制御指令値を設定するポンプ制御指令値設 定部とを有したポンプ制御手段を備えること を特徴とする。

 また、本発明の請求項2に係る油圧駆動装 置は、上述した請求項1において、前記ポン 制御指令値設定部は、前記油圧ポンプ及び 記油圧モータの間を流通する圧油の圧力に じてポンプ制御指令上限値を設定し、前記 ンプ指令値がこのポンプ制御指令上限値以 の場合には当該ポンプ指令値をポンプ制御 令値として設定する一方、前記ポンプ指令 が前記ポンプ制御指令上限値を上回る場合 は当該ポンプ制御指令上限値をポンプ制御 令値として設定することを特徴とする。

 また、本発明の請求項3に係る油圧駆動装 置は、上述した請求項1において、前記油圧 ータに要求される出力トルクの上限値を設 するトルク上限値設定手段をさらに備え、 記ポンプ制御手段は、前記トルク上限値設 手段によって設定された出力トルクの上限 に応じて前記ポンプ制御指令上限値を設定 、該設定したポンプ制御指令上限値に従っ 前記ポンプ制御指令値を設定することを特 とする。

 また、本発明の請求項4に係る油圧駆動装 置は、エンジンによって駆動される可変容量 型の油圧ポンプと、前記油圧ポンプから吐出 した圧油によって駆動される可変容量型の油 圧モータとを備え、前記油圧モータの駆動を 外部出力する油圧駆動装置において、前記エ ンジンの回転数に応じて前記油圧モータに対 するモータ基準指令値を設定するモータ基準 指令値設定部と、インチング操作が行われた 場合にその操作量に応じたインチング率を特 定し、該特定したインチング率に従って前記 モータ基準指令値を補正することによりモー タ指令値を設定するモータ補正指令値演算部 と、前記モータ補正指令値演算部の設定した モータ指令値に基づいて前記油圧モータの容 量を制御するためのモータ制御指令値を設定 するモータ制御指令値設定部とを有したモー タ制御手段を備えることを特徴とする。

 また、本発明の請求項5に係る油圧駆動装 置は、上述した請求項4において、前記モー 制御指令値設定部は、前記油圧ポンプ及び 記油圧モータの間を流通する圧油の圧力に じてモータ制御指令上限値を設定し、前記 ータ指令値がこのモータ制御指令上限値以 の場合には当該モータ指令値をモータ制御 令値として設定する一方、前記モータ指令 が前記モータ制御指令上限値を上回る場合 は当該モータ制御指令上限値をモータ制御 令値として設定することを特徴とする。

 また、本発明の請求項6に係る油圧駆動装 置は、エンジンによって駆動される可変容量 型の油圧ポンプと、前記油圧ポンプから吐出 した圧油によって駆動される可変容量型の油 圧モータとを備え、前記油圧モータの駆動を 外部出力する油圧駆動装置において、前記エ ンジンの回転数に応じて前記油圧ポンプに対 するポンプ基準指令値を設定するポンプ基準 指令値設定部と、前記エンジンの回転数に応 じて前記油圧モータに対するモータ基準指令 値を設定するモータ基準指令値設定部と、イ ンチング操作が行われた場合にその操作量に 応じたインチング率を特定し、該特定したイ ンチング率に従って前記ポンプ基準指令値を 補正することによりポンプ指令値を設定する ポンプ補正指令値演算部と、インチング操作 が行われた場合にその操作量に応じたインチ ング率を特定し、該特定したインチング率に 従って前記モータ基準指令値を補正すること によりモータ指令値を設定するモータ補正指 令値演算部と、前記ポンプ補正指令値演算部 の設定したポンプ指令値に基づいて前記油圧 ポンプの容量を制御するためのポンプ制御指 令値を設定するポンプ制御指令値設定部と、 前記モータ補正指令値演算部の設定したモー タ指令値に基づいて前記油圧モータの容量を 制御するためのモータ制御指令値を設定する モータ制御指令値設定部とを有した制御手段 を備えることを特徴とする。

 また、本発明の請求項7に係る油圧駆動車 両は、上述した請求項1~6のいずれか一つの油 圧駆動装置を駆動源として走行することを特 徴とする。

 本発明によれば、エンジンの回転数に応 て設定した容量基準指令値を、インチング 作が行われた場合の操作量に応じたインチ グ率に従って補正し、この補正した容量指 値に基づいて油圧ポンプや油圧モータの容 を制御するようにしている。従って、イン ング操作が行われさえすればエンジン回転 の全域に亘って圧力を減少させ、油圧効率 向上を図ることが可能になる。しかも、イ チング操作は、従来より車両を微動や寸動 せる際に一般的に実行されるものであり、 望とする圧力の状況に応じて都度操作者が り替えなければならない専用の切り替え手 ではない。従って、油圧駆動装置の操作を 雑化することはなく、油圧効率が良好な状 で操作者の意に即した操作を容易に実施す ことが可能となる。

図1は、本発明の実施の形態である油圧 駆動装置の構成を示す回路図である。 図2は、図1に示した油圧駆動装置の制 系を示すブロック図である。 図3は、図1に示した油圧駆動装置に適 するインチングペダルのペダルストローク インチング率との関係を例示するグラフで る。 図4は、図1に示した油圧駆動装置に適 するエンジン回転数-指令圧力データの一例 示すグラフである。 図5は、図1に示した油圧駆動装置に適 する油圧ポンプの負荷圧力に対するポンプ 御圧力の関係を例示する図表である。 図6は、図1に示した油圧駆動装置に適 する油圧ポンプのポンプ容量に対する負荷 力の関係を例示するグラフである。 図7は、図1に示した油圧駆動装置に適 する油圧モータの負荷圧力に対するモータ 御圧力の関係を例示するグラフである。 図8は、図1に示した油圧駆動装置に適 する油圧モータのモータ容量に対する負荷 力の関係を例示するグラフである。 図9は、図2に示したコントローラのポ プ制御部が実行する処理の内容を示すフロ チャートである。 図10は、図2に示したコントローラのモ ータ制御部が実行する処理の内容を示すフロ ーチャートである。

符号の説明

  1,2   油圧供給管路
  3   エンジン
  4   トランスファ
  5   チャージポンプ
  6   作業機油圧ポンプ
  7   油圧作業機
 10   HSTポンプ
 11   ポンプ容量設定ユニット
 12   前進ポンプEPCバルブ
 13   後進ポンプEPCバルブ
 14   ポンプ容量制御シリンダ
 20   HSTモータ
 21   モータ容量設定ユニット
 22   モータEPCバルブ
 23   モータ用シリンダ制御バルブ
 24   モータ容量制御シリンダ
 30   コントローラ
 31   ポンプ制御部
 31a   ポンプ基準指令値設定部
 31b   ポンプ補正指令値演算部
 31c   ポンプ制御指令値設定部
 32   モータ制御部
 32a   モータ基準指令値設定部
 32b   モータ補正指令値演算部
 32c   モータ制御指令値設定部
 33   メモリ
 40   インチングポテンショメータ
 40a   インチングペダル
 41   走行モード切替スイッチ
 42   方向入力レバースイッチ
 42a   方向入力レバー
 43   エンジン回転センサ
 44,45   圧力検出センサ
 100   主油圧回路 

 以下に添付図面を参照して、本発明に係 油圧駆動装置及び油圧駆動車両の好適な実 の形態について詳細に説明する。

 図1は、本発明の実施の形態である油圧駆 動装置を示したものである。ここで例示する 油圧駆動装置は、いわゆるHSTと称され、ホイ ールローダやブルドーザ等、建設機械として 使用される油圧駆動車両に搭載されるもので 、閉回路となる主油圧回路100の油圧供給管路 1,2によって接続された油圧ポンプ10及び油圧 ータ20を備えている。

 油圧ポンプ(以下、「HSTポンプ10」という) は、車両のエンジン3によって駆動されるも で、例えば斜板傾転角を変更することによ て容量を変更することのできる可変容量型 ものを適用している。

 油圧モータ(以下、「HSTモータ20」という) は、HSTポンプ10から吐出した圧油によって駆 されるもので、例えば斜軸傾転角を変更す ことによって容量を変更することのできる 変容量型のものを適用している。HSTモータ2 0は、その出力軸20aがトランスファ4を介して 示せぬ車両の駆動車輪に接続してあり、駆 車輪を回転駆動することで車両を走行させ ことができる。このHSTモータ20は、HSTポン 10からの圧油の供給方向に応じて回転方向を 切り替えることが可能であり、車両を前進、 もしくは後進させることができる。尚、以下 の説明においては便宜上、油圧供給管路1か HSTモータ20に圧油が供給された場合に車両が 前進する一方、油圧供給管路2からHSTモータ20 に圧油が供給された場合に車両が後進するも のとして説明を行う。

 この油圧駆動装置には、ポンプ容量設定 ニット11、モータ容量設定ユニット21及びチ ャージポンプ5が設けてある。

 ポンプ容量設定ユニット11は、HSTポンプ10 に付設されるもので、前進用ポンプ電磁比例 制御バルブ(以下、「前進ポンプEPCバルブ12」 という)、後進用ポンプ電磁比例制御バルブ( 下、「後進ポンプEPCバルブ13」という)及び ンプ容量制御シリンダ14を備えて構成して る。このポンプ容量設定ユニット11では、前 進ポンプEPCバルブ12及び後進ポンプEPCバルブ1 3に対して後述するコントローラ30から指令信 号が与えられると、この指令信号に応じてポ ンプ容量制御シリンダ14が作動し、HSTポンプ1 0の斜板傾転角が変化することによってその 量が設定変更されることになる。

 より詳細に説明すると、まず、ポンプ容 制御シリンダ14は、無負荷状態においてピ トン14aが中立位置に保持されている。この 態においては、HSTポンプ10の斜板傾転角もゼ ロとなっており、エンジン3が回転した場合 も主油圧回路100への圧油の吐出量はゼロで る。

 この状態から、例えば、前進ポンプEPCバ ブ12に対してコントローラ30からHSTポンプ10 容量を増大する旨の指令信号が与えられる 、この指令信号に応じて前進ポンプEPCバル 12からポンプ容量制御シリンダ14に対してポ ンプ制御圧力が与えられ、ピストン14aが図1 おいて左側に移動する。ポンプ容量制御シ ンダ14のピストン14aが図1において左側に移 すると、これに連動してHSTポンプ10の斜板が 油圧供給管路1に対して圧油を吐出する方向 向けて傾転する。HSTポンプ10における斜板の 傾転角は、前進ポンプEPCバルブ12から供給さ るポンプ制御圧力が増大するに従ってピス ン14aの移動量が大きくなるため、その変化 も大きなものとなる。つまり、前進ポンプE PCバルブ12に対してコントローラ30から指令信 号が与えられると、この指令信号に応じたポ ンプ制御圧力が前進ポンプEPCバルブ12からポ プ容量制御シリンダ14に与えられ、ポンプ 量制御シリンダ14の作動によりHSTポンプ10の 板が油圧供給管路1に対して所望量の圧油を 吐出できるように傾転する。この結果、エン ジン3を回転させれば、HSTポンプ10から油圧供 給管路1に圧油が吐出され、HSTモータ20を前進 方向に回転させることができるようになる。

 上述の状態から前進ポンプEPCバルブ12に してコントローラ30からHSTポンプ10の容量を 少する旨の指令信号が与えられると、この 令信号に応じて前進ポンプEPCバルブ12から ンプ容量制御シリンダ14に供給するポンプ制 御圧力が減少するため、ピストン14aが中立位 置に向けて移動する。この結果、HSTポンプ10 斜板傾転角が減少し、HSTポンプ10から油圧 給管路1への圧油の吐出量が減少する。

 一方、後進ポンプEPCバルブ13に対してコ トローラ30からHSTポンプ10の容量を増大する の指令信号が与えられると、この指令信号 応じて後進ポンプEPCバルブ13からポンプ容 制御シリンダ14に対してポンプ制御圧力が与 えられ、ピストン14aが図1において右側に移 する。ポンプ容量制御シリンダ14のピストン 14aが図1において右側に移動すると、これに 動してHSTポンプ10の斜板が油圧供給管路2に して圧油を吐出する方向へ向けて傾転する HSTポンプ10の斜板傾転角は、後進ポンプEPCバ ルブ13から供給されるポンプ制御圧力が増大 るに従ってピストン14aの移動量が大きくな ため、その変化量も大きなものとなる。つ り、後進ポンプEPCバルブ13に対してコント ーラ30から指令信号が与えられると、この指 令信号に応じたポンプ制御圧力が後進ポンプ EPCバルブ13からポンプ容量制御シリンダ14に えられ、ポンプ容量制御シリンダ14の作動に よりHSTポンプ10の斜板が油圧供給管路2に対し て所望量の圧油を吐出できるように傾転する 。この結果、エンジン3を回転させれば、HST ンプ10から油圧供給管路2に圧油が吐出され HSTモータ20を後進方向に回転させることがで きるようになる。

 上述の状態から後進ポンプEPCバルブ13に してコントローラ30からHSTポンプ10の容量を 少する旨の指令信号が与えられると、この 令信号に応じて後進ポンプEPCバルブ13から ンプ容量制御シリンダ14に供給するポンプ制 御圧力が減少し、ピストン14aが中立位置に向 けて移動する。この結果、HSTポンプ10の斜板 転角が減少し、HSTポンプ10から油圧供給管 2への圧油の吐出量が減少する。

 モータ容量設定ユニット21は、HSTモータ20 に付設されるもので、モータ電磁比例制御バ ルブ(以下、「モータEPCバルブ22」という)、 ータ用シリンダ制御バルブ23及びモータ容量 制御シリンダ24を備えて構成してある。この ータ容量設定ユニット21では、モータEPCバ ブ22に対してコントローラ30から指令信号が えられると、モータEPCバルブ22からモータ シリンダ制御バルブ23にモータ制御圧力が供 給されてモータ容量制御シリンダ24が作動す 。モータ容量制御シリンダ24が作動すると これに連動してHSTモータ20の斜軸傾転角が変 化することになり、指令信号に応じてHSTモー タ20の容量が設定変更されることになる。具 的には、モータEPCバルブ22から供給される ータ制御圧力が増加するに従ってHSTモータ20 の斜軸傾転角が減少するようにモータ容量設 定ユニット21が構成してある。

 チャージポンプ5は、車両のエンジン3に って駆動されるもので、上述した前進ポン EPCバルブ12及び後進ポンプEPCバルブ13を介し ポンプ容量制御シリンダ14にポンプ制御圧 を供給し、またモータEPCバルブ22を介してモ ータ用シリンダ制御バルブ23にモータ制御圧 を供給する機能を有している。

 尚、図1中の符号6は、車両のエンジン3に って駆動される作業機油圧ポンプである。 の作業機油圧ポンプ6は、建設機械の油圧作 業機7を駆動するための圧油を供給するもの ある。

 また、上記油圧駆動装置には、インチン ポテンショメータ40、走行モード切替スイ チ41、方向入力レバースイッチ42、エンジン 転センサ43及び2つの圧力検出センサ44,45が けてある。

 インチングポテンショメータ40は、イン ングペダル40aが操作された場合にその検出 号を出力するものである。インチングペダ 40aは、従前の建設機械において一般的に用 られるインチングペダルと同様に、操作者 車両を微動や寸動させる際に操作するもの して設けたもので、従前の建設機械と同様 車両の運転席から足踏み操作できる位置に 設してある。本実施の形態では、このイン ングペダル40aに、ペダルストロークに応じ 検出信号を連続的に出力することのできる ンチングポテンショメータ40が設けてある。 このインチングポテンショメータ40からの検 信号は、コントローラ30に与えられる。

 走行モード切替スイッチ41は、車両の操 者が走行モードを選択するためのスイッチ ある。走行モードとは、車両の使用状況を 引力の上限値(=HSTモータ20の出力トルク上限 )として規定したものである。本実施の形態 では、互いに車両の牽引力上限値が異なる「 ハイトラクションモード」、「ミッドトラク ションモード」、「ロートラクションモード 」の3つ走行モード(車両の牽引力上限値は「 イトラクションモード」>「ミッドトラク ションモード」>「ロートラクションモー 」)が用意してあり、走行モード切替スイッ 41によってこれらの走行モードを択一的に 択できるように構成してある。この走行モ ド切替スイッチ41は、運転席から選択操作で きる位置に設けてある。この走行モード切替 スイッチ41によって選択された走行モードを す情報は、選択信号としてコントローラ30 与えられることになる。

 方向入力レバースイッチ42は、車両の進 方向を入力するための選択スイッチである 本実施の形態では、運転席から選択操作で る位置に設けた方向入力レバー42aの操作に り、「前進」、「ニュートラル」、「後進 の3つの進行方向を選択することのできる方 入力レバースイッチ42を適用している。こ 方向入力レバースイッチ42によって選択され た進行方向を示す情報は、選択情報としてコ ントローラ30に与えられることになる。

 エンジン回転センサ43は、エンジン3の回 数を検出するものである。圧力検出センサ4 4,45は、HSTポンプ10とHSTモータ20との間の油圧 給管路1,2を流通する圧油の圧力を個別に検 するものである。エンジン回転センサ43に って検出されたエンジン3の回転数を示す情 及び圧力検出センサ44,45によって検出され 油圧供給管路1,2の圧力を示す情報は、それ れ検出信号としてコントローラ30に与えられ ることになる。

 一方、上記油圧駆動装置は、コントロー 30を備えている。コントローラ30は、インチ ングポテンショメータ40、走行モード切替ス ッチ41、方向入力レバースイッチ42、エンジ ン回転センサ43及び圧力検出センサ44,45から 入力信号に基づいて、前進ポンプEPCバルブ12 、後進ポンプEPCバルブ13及びモータEPCバルブ2 2に対する指令信号を生成し、かつ生成した 令信号をそれぞれのEPCバルブ12,13,22に与える 電子制御装置である。本実施の形態のコント ローラ30は、図2に示すように、ポンプ制御部 31、モータ制御部32を備えている。

 ポンプ制御部31は、インチングポテンシ メータ40、エンジン回転センサ43、方向入力 バースイッチ42、走行モード切替スイッチ41 、圧力検出センサ44,45から入力信号が与えら た場合に、これらの入力信号及び予めメモ 33に格納したデータに基づいてHSTポンプ10の 容量を制御するためのポンプ制御指令値を設 定し、この設定したポンプ制御指令値を指令 信号として前進ポンプEPCバルブ12や後進ポン EPCバルブ13に出力するものである。ポンプ 御部31がポンプ制御指令値を設定する際に参 照するデータとしては、インチング率データ (図3参照)、エンジン回転数-指令圧力データ( 4参照)、ポンプ特性データ(図5及び図6参照) ある。図2に示すように、本実施の形態のポ ンプ制御部31は、ポンプ基準指令値設定部31a ポンプ補正指令値演算部31b、ポンプ制御指 値設定部31cを有している。

 ポンプ基準指令値設定部31aは、エンジン 転センサ43からの入力信号と、予め設定し エンジン回転数-指令圧力データとに基づい HSTポンプ10に対するポンプ基準指令値を設 するものである。図4は、本実施の形態で適 するエンジン回転数-指令圧力データの一例 を示すものである。図4の実線で示すように 本実施の形態では、エンジン回転数の増加 伴って指令圧力の増加率が漸次増大するよ にエンジン回転数に対して指令圧力が設定 てある。

 ポンプ補正指令値演算部31bは、インチン ポテンショメータ40からの入力信号と予め 定したインチング率データとに基づいてポ プ基準指令値を補正し、これをポンプ指令 として出力するものである。図3は、本実施 形態で適用するインチング率データの一例 示すものである。図3に示すインチング率デ ータでは、インチングペダル40aのペダルスト ローク(インチング操作量)に応じてインチン 率(=ゲイン)が設定してある。具体的には、 ンチングペダル40aのペダルストロークが0~25 %になるまではインチング率を1.0と設定し、 降、ペダルストロークが増加するに従って ンチング率が減少するように設定してある

 ポンプ制御指令値設定部31cは、方向入力 バースイッチ42及び圧力検出センサ44,45から の入力信号と、予め設定したポンプ制御圧力 -負荷圧力データとに基づいてポンプ制御指 上限値を設定する。さらにポンプ制御指令 設定部31cは、ポンプ補正指令値演算部31bか 出力されたポンプ指令値と、このポンプ制 指令上限値とのいずれか小さい値をポンプ 御指令値として設定するものである。

 ここで、負荷圧力とは、HSTポンプ10からHS Tモータ20に至る油圧供給管路1,2のうち、HSTモ ータ20の回転方向に対して順方向となる油圧 給管路の圧力である。例えば、HSTモータ20 前進方向に回転している状況下では油圧供 管路1に設けた圧力検出センサ44の検出結果 負荷圧力となり、HSTモータ20が後進方向に回 転している状況下では油圧供給管路2に設け 圧力検出センサ45の検出結果が負荷圧力とな る。

 図5は、本実施の形態で適用するポンプ制 御圧力-負荷圧力データを示すものである。 のポンプ制御圧力-負荷圧力データは、図6に 示す負荷圧力-ポンプ容量データに基づいて 定したもので、複数の負荷圧力上限閾値ご に負荷圧力に対応したポンプ制御指令上限 が予め設定してある。負荷圧力上限閾値は 上述した走行モード切替スイッチ41によって 走行モードを選択した場合に一義的に設定さ れるもので、「ハイトラクションモード」= 荷圧力上限閾値:1>「ミッドトラクション ード」=負荷圧力上限閾値:2>「ロートラク ョンモード」=負荷圧力上限閾値:3となるよ に設定してある。尚、図6からも明らかなよ うに、本実施の形態で適用するHSTポンプ10に 、負荷圧力が増大した場合に容量を減少さ ることによって駆動トルクを低減させ、エ ジン3がストールする事態を防止するための 機能(いわゆる、アンチストール機能)が設け ある。

 モータ制御部32は、インチングポテンシ メータ40、エンジン回転センサ43、圧力検出 ンサ44,45から入力信号が与えられた場合に これらの入力信号及び予めメモリ33に格納し たデータに基づいてHSTモータ20の容量を制御 るためのモータ制御指令値を設定し、この 定したモータ制御指令値を指令信号として ータEPCバルブ22に出力するものである。モ タ制御部32がモータ制御指令値を設定する場 合に参照するデータとしては、インチング率 データ(図3参照)、エンジン回転数-指令圧力 ータ(図4参照)、モータ特性データ(図7及び図 8参照)がある。図2に示すように、本実施の形 態のモータ制御部32は、モータ基準指令値設 部32a、モータ補正指令値演算部32b、モータ 御指令値設定部32cを有している。

 モータ基準指令値設定部32aは、エンジン 転センサ43からの入力信号と、予め与えら たエンジン回転数-指令圧力データとに基づ てHSTモータ20に対するモータ基準指令値を 定するものである。エンジン回転数-指令圧 データは、先に図4で示したものである。

 モータ補正指令値演算部32bは、インチン ポテンショメータ40からの入力信号と、図3 示したインチング率データとに基づいてモ タ基準指令値を補正し、これをモータ指令 として出力するものである。

 モータ制御指令値設定部32cは、方向入力 バースイッチ42及び圧力検出センサ44,45から の入力信号と、予め設定したモータ制御圧力 -負荷圧力データとに基づいてモータ制御指 上限値を設定する。さらにモータ制御指令 設定部32cは、モータ補正指令値演算部32bか 出力されたモータ指令値と、このモータ制 指令上限値とのいずれか小さい値をモータ 御指令値として設定するものである。

 図7は、本実施の形態で適用するモータ制 御圧力-負荷圧力データを示すものである。 のモータ制御圧力-負荷圧力データは、図8に 示す負荷圧力-モータ容量データに基づいて 定したもので、複数の負荷圧力上限閾値ご に負荷圧力に対応したモータ制御指令上限 が設定してある。負荷圧力上限閾値は、先 同様、「ハイトラクションモード」=負荷圧 上限閾値:1>「ミッドトラクションモード =負荷圧力上限閾値:2>「ロートラクション モード」=負荷圧力上限閾値:3となるように設 定してある。

 図9は、上述したコントローラ30のポンプ 御部31が実行するポンプ制御圧設定処理の 容を示すフローチャート、図10は、上述した コントローラ30のモータ制御部32が実行する ータ制御圧設定処理の内容を示すフローチ ートである。以下、これらの図を参照しな ら、上述した油圧駆動装置の動作について 述する。

 図9に示したポンプ制御圧設定処理におい てポンプ制御部31は、まず、エンジン回転セ サ43を通じてエンジン3の回転数を取得する ともに、方向入力レバースイッチ42を通じ 車両の進行方向を取得する処理を行う(ステ プS101)。エンジン3の回転数情報を取得した ンプ制御部31は、メモリ33に格納したエンジ ン回転数-指令圧力データに基づいてエンジ 3の回転数に対応したHSTポンプ10に対するポ プ基準指令値を設定する(ステップS102)。

 次いで、ポンプ制御部31は、インチング テンショメータ40を通じてインチングペダル 40aのペダルストロークを取得し(ステップS103) 、このペダルストロークとメモリ33に格納し インチング率データとに基づいてそのイン ング率を読み出す(ステップS104)。インチン 率を読み出したポンプ制御部31は、このイ チング率とポンプ基準指令値との積をポン 指令値として設定する(ステップS105)。

 この結果、操作者が車両を微動・寸動さ たり、停止させたりする等の目的でインチ グペダル40aを操作した場合には、図4に示す ように、インチング操作がない場合にエンジ ン回転数から決定される実線のポンプ基準指 令値に対して、破線や一点鎖線で示すような 減率されたポンプ指令値が設定されることに なる。

 ポンプ指令値を設定したポンプ制御部31 、次いで、方向入力レバースイッチ42及び圧 力検出センサ44,45を通じて主油圧回路100の負 圧力を取得するとともに、走行モード切替 イッチ41を通じて現在の走行モードを取得 る(ステップS106)。さらに走行モードから特 される負荷圧力上限閾値と負荷圧力とから ンプ制御圧力-負荷圧力データに基づいてポ プ制御指令上限値を設定する(ステップS107)

 ポンプ制御指令上限値とステップS105で設 定したポンプ指令値とを設定したポンプ制御 部31は、これらの比較を行い(ステップS108)、 ずれか小さい値をポンプ制御指令値として 定する処理を行う(ステップS109、ステップS1 10)。

 さらに、方向入力レバースイッチ42を通 て取得した車両の進行方向から、制御すべ ポンプEPCバルブ12,13の選択を行い(ステップS1 11)、選択したポンプEPCバルブにポンプ制御指 令値に見合った電流を出力する(ステップS112) 。

 これにより、HSTポンプ10の斜板傾転角が ンプ制御指令値で示されるポンプ制御圧力 応じて変化し、変化した斜板傾転角に対応 る容量を基準としてHSTポンプ10が駆動する。

 ここで、この油圧駆動装置では、上述し 前進ポンプEPCバルブ12、もしくは後進ポン EPCバルブ13からポンプ容量制御シリンダ14に 給するポンプ制御圧力に従ってHSTポンプ10 斜板傾転角が変化するようにポンプ容量設 ユニット11を構成している。従って、インチ ング操作に応じて減率されたポンプ制御圧力 が設定された場合には、インチング操作がな かった場合に比べてHSTポンプ10の斜板傾転角 小さくなる。つまり、インチング操作が行 れた場合には、そのペダルストロークに応 てポンプ指令値が減率されることになるた 、このポンプ指令値に基づいて設定される ンプ制御指令値、つまりポンプ制御圧力も じられたものとなる。従って、同じ回転数 エンジンが運転されている状況下であって インチング操作が行われた場合には、ポン 容量制御シリンダ14においてピストン14aの 立位置からの移動量が小さくなるため、HST ンプ10の斜板傾転角も小さくなり、その容量 も小さく設定されることになる結果、主油圧 回路100への圧油の吐出量も減少することにな る。これにより、主油圧回路100の負荷圧力を 抑え、油圧駆動装置の油圧効率向上を図るこ とが可能となる。

 しかも、上述した油圧効率の向上は、エ ジン3の回転数に関わらずインチング操作が 行われさえすれば奏することができるもので ある。従って、エンジン回転数の制限を受け ることなくその全回転数域に亘って主油圧回 路100の負荷圧力を抑えられることが可能であ る。

 さらに、建設機械におけるインチング操 は、従来より車両を微動や寸動させる際に 般的に実行されているものであり、所望と る負荷圧力の状況に応じて都度操作者が切 替えなければならない専用の切り替え手段 はない。しかも、インチング操作を行うイ チングペダル40aについては、これを従前の 設機械と同様に、車両の運転席から足踏み 作できる位置に配設してある。これらの結 、従前の建設機械と全く同様の操作を行え 、操作者が何等意識することなく上述した 用効果を奏することができるようになり、 圧駆動装置の操作を煩雑化する虞れも全く い。

 以降、所定のサイクルタイムごとに上述 たポンプ制御圧設定処理が繰り返し実行さ ることになり、エンジン3の回転数及びイン チング操作の有無、主油圧回路100の負荷圧力 に応じて容量が設定されたHSTポンプ10によっ 油圧駆動装置が運転されることになる。

 一方、図10に示したモータ制御圧設定処 においてモータ制御部32は、まず、エンジン 回転センサ43を通じてエンジン3の回転数を取 得する処理を行い(ステップS201)、取得したエ ンジン3の回転数情報と、メモリ33に格納した エンジン回転数-指令圧力データとに基づい エンジン3の回転数に対応したHSTモータ20に するモータ基準指令値を設定する(ステップS 202)。

 次いで、モータ制御部32は、インチング テンショメータ40を通じてインチングペダル 40aのペダルストロークを取得し(ステップS203) 、このペダルストロークとメモリ33に格納し インチング率データとに基づいてそのイン ング率を読み出す(ステップS204)。さらにス ップS202で設定したモータ基準指令値と、ス テップS204で読み出したインチング率との積 モータ指令値として設定する(ステップS205)

 この結果、操作者が車両を微動・寸動さ たり、停止させたりする等の目的でインチ グペダル40aを操作した場合には、図4に示す ように、インチング操作がない場合にエンジ ン回転数から決定される実線のモータ基準指 令値に対して、破線や一点鎖線で示すような 減率されたモータ指令値が設定されることに なる。

 モータ指令値を設定したモータ制御部32 、次いで、方向入力レバースイッチ42及び圧 力検出センサ44,45を通じて油圧供給管路1,2の 荷圧力を取得するとともに、走行モード切 スイッチ41を通じて現在の走行モードを取 する(ステップS206)。さらに走行モードから 定される負荷圧力上限閾値と負荷圧力とか モータ制御圧力-負荷圧力データに基づいて ータ制御指令上限値を設定する(ステップS20 7)。さらに、このモータ制御指令上限値とス ップS205で設定したモータ指令値との比較を 行い(ステップS208)、これらのうちのいずれか 小さい値をモータ制御指令値として設定する (ステップS209、ステップS210)。しかる後、モ タ制御指令値に見合った電流をモータEPCバ ブ22に出力し(ステップS211)、手順をリターン させる。これにより、HSTモータ20の斜軸傾転 がモータ制御指令値で示されるモータ制御 力に応じて変化し、変化した斜軸傾転角に 応する容量を基準としてHSTモータ20が駆動 る。

 ここで、上述したようにHSTモータ20では モータEPCバルブ22からモータ用シリンダ制御 バルブ23に供給するモータ制御圧力が増加す に従ってHSTモータ20の斜軸傾転角が減少す ようにモータ容量設定ユニット21を構成して いる。従って、インチング操作に応じて減率 されたモータ制御圧力が設定された場合には 、インチング操作がなかった場合に比べてHST モータ20の容量が大きく設定されることにな 。HSTモータ20の容量が大きく設定された場 には、油圧供給管路1,2を含んだ主油圧回路10 0の負荷圧力を低減する方向に作用する。従 て、主油圧回路100の負荷圧力を抑え、油圧 動装置の油圧効率向上を図ることが可能と る。

 しかも、上述した油圧効率の向上は、エ ジン3の回転数に関わらずインチング操作が 行われさえすれば奏することができるもので ある。従って、エンジン回転数の制限を受け ることなくその全回転数域に亘って主油圧回 路100の負荷圧力を抑えられることが可能であ る。

 さらに、建設機械におけるインチング操 は、従来より車両を微動や寸動させる際に 般的に実行されているものであり、所望と る負荷圧力の状況に応じて都度操作者が切 替えなければならない専用の切り替え手段 はない。しかも、インチング操作を行うイ チングペダル40aについては、これを従前の 設機械と同様に、車両の運転席から足踏み 作できる位置に配設してある。これらの結 、従前の建設機械と全く同様の操作を行え 、操作者が何等意識することなく上述した 用効果を奏することができるようになり、 圧駆動装置の操作を煩雑化する虞れも全く い。

 以降、所定のサイクルタイムごとに上述 たモータ制御圧設定処理が繰り返し実行さ ることになり、エンジン3の回転数及びイン チング操作の有無、主油圧回路100の負荷圧力 に応じて容量が設定変更されたHSTモータ20に って油圧駆動装置が運転されることになる

 以上説明したように、上記油圧駆動装置 は、コントローラ30のポンプ制御部31で実行 されるポンプ制御圧設定処理においてインチ ング操作及び主油圧回路100の負荷圧力を考慮 したポンプ制御圧力が設定され、油圧供給管 路1,2を含む主油圧回路100の負荷圧力を低減す ることができる。また、コントローラ30のモ タ制御部32で実行されるモータ制御圧設定 理においてインチング操作及び主油圧回路10 0の負荷圧力を考慮したモータ制御圧力が設 され、油圧供給管路1,2を含む主油圧回路100 負荷圧力を低減することができる。従って 上記油圧駆動装置によれば、圧力損失を低 して油圧効率の向上を図ることができるよ になる。

 しかも、インチング操作が行われてさえ れば、これに応じて負荷圧力が低減される とになるため、エンジン3の回転数全域に亘 って上述した作用効果を奏する。

 さらに、カットオフバルブ等のハードウ アを何等設ける必要がないため、製造コス の低減を図ることができるばかりでなく、 ンチング率を調整することでポンプ制御圧 やモータ制御圧力を容易に、かつ任意に変 することができ、油圧駆動装置の制御を柔 に行うことが可能となる。

 また、走行モード切替スイッチ41によっ 走行モードを選択することにより、負荷圧 上限閾値を変更し、この負荷圧力上限閾値 応じてポンプ制御圧力の上限値が変更され ことになるため、車両に要求される牽引力 上限値に応じて油圧供給管路1,2を含む主油 回路100の負荷圧力上限値を変更することが き、油圧効率の向上に寄与する。

 尚、上述した実施の形態では、HSTポンプ1 0のポンプ制御指令値及びHSTモータ20のモータ 制御指令値双方をインチング率に応じて補正 するようにしているが、少なくとも一方に対 してのみ実施しても構わない。

 また、上述した実施の形態では、車両を 行させるための油圧駆動装置を例示してい が、必ずしも車両を走行させるものに限ら 、汎用の駆動装置として用いることが可能 ある。

 さらに、上述した実施の形態では、走行 ードの選択によってHSTモータ20の出力トル 上限値を設定入力するようにしているが、 ずしもこれに限らず、直接出力トルクの上 値を設定入力するようにしても良い。この 合、出力トルクとしては必ずしも3段階の設 入力に限らず、3以上の複数であっても良い し、連続的に任意の値を設定入力できるよう にしても構わない。