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Patent Searching and Data


Title:
HYDROCRACKING CATALYST FOR HEAVY OIL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/119390
Kind Code:
A1
Abstract:
A hydrocracking catalyst for heavy oil which is essentially composed of a carrier and an active metal supported on the carrier, wherein the carrier comprises both a crystalline alumino- silicate and a porous inorganic oxide exclusive of the crystalline aluminosilicate. Further, the hydrocracking catalyst has the following characteristics: (a) the carrier comprises 18 mass% to less than 45 mass% of a crystalline aluminosilicate and more than 55 mass% to 82 mass% of a porous inorganic oxide based on the total amount of the crystalline aluminosilicate and the porous inorganic oxide; (b) the active metal is one or more selected from among molybdenum, tungsten, and nickel; and (c) the hydrocracking catalyst has such a pore distribution that the pore volume of pores having pore diameters of 500 to 10,000 Ǻ is 10% or below of the total pore volume of pores having pore diameters of 50 to 10,000 Ǻ and the pore volume of pores having pore diameters of 100 to 200 Ǻ is 60% or above thereof. The hydrocracking catalyst has excellent desulfurization function and exerts excellent cracking activity on a high-boiling fraction having a boiling point of 525°C or above, e.g., vacuum residue.

Inventors:
IINO, Akira (2-1 Anesakikaigan, Ichihara-shi Chiba, 07, 29901, JP)
飯野 明 (〒07 千葉県市原市姉崎海岸2番地1 Chiba, 29901, JP)
Application Number:
JP2009/055190
Publication Date:
October 01, 2009
Filing Date:
March 17, 2009
Export Citation:
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Assignee:
PETROLEUM ENERGY CENTER, A JURIDICAL INCORPORATED FOUNDATION (3-9 Toranomon 4-chome, Minato-ku Tokyo, 01, 10500, JP)
財団法人石油産業活性化センター (〒01 東京都港区虎ノ門四丁目3番9号 Tokyo, 10500, JP)
IDEMITSU KOSAN CO., LTD. (1-1 Marunouchi 3-chome, Chiyoda-ku Tokyo, 21, 10083, JP)
出光興産株式会社 (〒21 東京都千代田区丸の内三丁目1番1号 Tokyo, 10083, JP)
International Classes:
B01J29/16; B01J35/10; C10G45/06; C10G45/08; C10G45/12; C10G47/20
Attorney, Agent or Firm:
OHTANI, Tamotsu (OHTANI PATENT OFFICE, Bridgestone Toranomon Bldg. 6F.25-2, Toranomon 3-chome,Minato-k, Tokyo 01, 10500, JP)
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Claims:
 結晶性アルミノシリケートと該結晶性アルミノシリケートを除く多孔性無機酸化物とを含む担体に活性金属を担持した重質油水素化分解触媒であって、
(a)前記担体が、結晶性アルミノシリケートと該結晶性アルミノシリケートを除く多孔性無機酸化物の合計量基準で、結晶性アルミノシリケート18質量%以上45質量%未満と該結晶性アルミノシリケートを除く多孔性無機酸化物55質量%超82質量%以下を含み、(b)前記活性金属が、モリブデン、タングステン、及びニッケルから選ばれる一種又は二種以上の金属であり、かつ、(c)前記重質油水素化分解触媒の細孔分布が、細孔径50~10,000Åの細孔の総細孔容積に対し、細孔径500~10,000Åの細孔の細孔容積が10%以下、細孔径100~200Åの細孔の細孔容積が60%以上である重質油水素化分解触媒。
 固定床水素化脱硫装置に用いる請求項1に記載の重質油水素化分解触媒。
 結晶性アルミノシリケートが、USYゼオライト又は金属担持USYゼオライトであり、多孔性無機酸化物の主要成分がアルミナである請求項1に記載の重質油水素化分解触媒。
 結晶性アルミノシリケートが鉄担持USYゼオライトである請求項1に記載の重質油水素化分解触媒。
Description:
重質油水素化分解触媒

 本発明は、重質油水素化分解触媒に関し 詳しくは、良好な脱硫機能を有し、かつ重 油の分解活性に優れる重質油水素化分解触 に関するものである。

 原油の常圧蒸留残渣油は、重油直接脱硫装 (以下、「直脱装置」と称する)にて水素化 硫され、脱硫ナフサ、脱硫灯油、脱硫軽油 どの留出油と脱硫重油を生成する。この脱 重油は、低硫黄C重油として電力用のボイラ 燃料などに用いられている。同時に脱硫重 は、流動接触分解(FCC)装置の原料としても 用され、接触分解ガソリン(以下、「FCCガソ ン」と称する)、接触分解軽油(以下、「LCO :ライトサイクルオイルと称する)、LPG留分等 の軽質留分が生産されている。
 近年、石油精製において使用できる原油は 質化し、重質油を多量に含む原油が多くな 傾向にある。しかも、発電、ボイラー用の 油の需要が減少するなど重質油の利用量は 少しつつある。また、流動接触分解装置か のLCO留分の需要も減少しつつある。一方、 ソリン需要は拡大し、また、プロピレン、 テン及びベンゼン、トルエン、キシレンな のBTX等の多数の石油化学製品の原料として 用されるLPG留分やナフサ留分の需要も増大 てきている。したがって、常圧蒸留残渣油 どの重質油からガソリンやナフサ留分、LPG 分などの軽質留分を多量に製造する技術開 が重要な課題となっている。

 このような状況から、重質油を直脱装置、 脱装置などの水素化脱硫装置にて水素化脱 処理して得られる脱硫重油、脱硫重質軽油 どをさらに分解して、脱硫ナフサ、脱硫灯 、脱硫軽油を増産する水素化分解法が開発 れている。また、流動接触分解装置にて前 脱硫重油、脱硫重質軽油を高い分解率で接 分解することにより、LPG留分、FCCガソリン 分、LCO留分などの軽質留分へ転換すること 行われている。
 例えば、常圧蒸留残渣油を水素化分解処理 ることにより、脱硫灯軽油留分、脱硫ナフ 留分の得率を増大して脱硫重油を低減し、 つその脱硫重油を流動接触分解装置にてLPG 分、FCCガソリン留分、LCO留分を生産するこ によって、トータル的に残渣油を低減し、 質油留分を増大させる方法が提案されてい (例えば、特許文献1参照)。
 そして、ここでは、重質油水素化分解触媒 して、例えば、特許文献2に記載されている 結晶性アルミノシリケート担体からなる触媒 が使用されている。
 しかしながら、このような触媒を用いると 脱硫機能が低く硫黄分の低下が不充分であ 、また、原料中の沸点が525℃以上の減圧残 油のような高沸点成分に対する分解活性が く、軽質留分の得率が充分ではないという 点があった。
 したがって、脱硫機能が良好であり、減圧 渣油のような沸点が525℃以上の高沸点成分 対する分解活性が優れる重質油水素化分解 媒が必要とされている。

特開平5-112785号公報

特許第2908959号公報

 本発明は、このような状況下でなされた のであり、良好な脱硫機能を有し、かつ減 残渣油のような沸点が525℃以上の高沸点留 に対し優れた分解活性を有する重質油水素 分解触媒を提供することを目的とするもの ある。

 本発明者らは、前記目的を達成するため 、鋭意研究を重ねた結果、特定の結晶性ア ミノシリケートと多孔性無機酸化物とを特 の割合で含む担体を用いた触媒で、かつ特 の細孔分布等を有する触媒が、前記課題を 決し得ることを見出した。本発明はかかる 見に基づいて完成されたものである。

 すなわち、本発明は、
〔1〕結晶性アルミノシリケートと該結晶性 ルミノシリケートを除く多孔性無機酸化物 を含む担体に活性金属を担持した重質油水 化分解触媒であって、
(a)前記担体が、結晶性アルミノシリケートと 該結晶性アルミノシリケートを除く多孔性無 機酸化物の合計量基準で、結晶性アルミノシ リケート18質量%以上45質量%未満と該結晶性ア ルミノシリケートを除く多孔性無機酸化物55 量%超82質量%以下を含み、(b)前記活性金属が 、モリブデン、タングステン、及びニッケル から選ばれる一種又は二種以上の金属であり 、かつ、(c)前記重質油水素化分解触媒の細孔 分布が、細孔径50~10,000Åの細孔の総細孔容積 に対し、細孔径500~10,000Åの細孔の細孔容積 10%以下、細孔径100~200Åの細孔の細孔容積が6 0%以上である重質油水素化分解触媒、
〔2〕固定床水素化脱硫装置に用いる前記〔1 に記載の重質油水素化分解触媒、
〔3〕結晶性アルミノシリケートが、USYゼオ イト又は金属担持USYゼオライトであり、多 性無機酸化物の主要成分がアルミナである 記〔1〕又は〔2〕に記載の重質油水素化分解 触媒、及び
〔4〕結晶性アルミノシリケートが鉄担持USY オライトである前記〔1〕~〔3〕のいずれか 記載の重質油水素化分解触媒、
を提供するものである。

 本発明によれば、良好な脱硫機能を有し かつ減圧残渣油のような沸点が525℃以上の 沸点留分に対し優れた分解活性を有する重 油水素化分解触媒を提供することができる

 本発明は、結晶性アルミノシリケートと該 晶性アルミノシリケートを除く多孔性無機 化物(以下、多孔性無機酸化物と略記するこ とがある)を含む担体に活性金属を担持した 質油水素化分解触媒であって、
(a)前記担体が、結晶性アルミノシリケートと 多孔性無機酸化物の合計量基準で、結晶性ア ルミノシリケート18質量%以上45質量%未満と多 孔性無機酸化物55質量%超82質量%以下を含み、 (b)前記活性金属が、モリブデン、タングステ ン、及びニッケルから選ばれる一種又は二種 以上の金属であり、かつ、(c)前記水素処理触 媒の細孔分布が、細孔径50~10,000Åの細孔の総 細孔容積に対し、細孔径500~10,000Åの細孔の 孔容積が10%以下、細孔径100~200Åの細孔の細 容積が60%以上である重質油水素化分解触媒 ある。

 本発明の水素化分解処理触媒は、結晶性ア ミノシリケートと多孔性無機酸化物の混合 からなる担体に金属を担持した触媒である とが必要である。
 前記結晶性アルミノシリケートとしては、 々のものが使用できるが、例えば、水素型 ォージャサイト、USYゼオライト、金属担持U SYゼオライトなどが挙げられ、中でもUSYゼオ イト、金属担持USYゼオライトが好ましく、 に、金属担持USYゼオライトが好ましい。
 当該金属担持USYゼオライトとしては、USYゼ ライトに周期表第3~16族から選ばれる1種ま は2種以上の金属を担持した金属担持USYゼオ イトが好ましく、特に、金属として鉄を担 した鉄担持USYゼオライトが好適である。

 前記USYゼオライト、金属担持USYゼオライト 、例えば、以下の方法によって製造するこ ができる。
 USYゼオライトの原料として、アルミナに対 るシリカの比率(モル比)、つまりSiO 2 /Al 2 O 3 が4.5以上、好ましくは5.0以上であり、また、 Na 2 Oが2.4質量%以下、好ましくは1.8質量%以下のY ゼオライトを用いる。
 まず、上記のY型ゼオライトをスチーミング 処理してUSYゼオライトとする。ここでスチー ミング処理の条件としては様々な状況に応じ て適宜選定すればよいが、温度510~810℃の水 気の存在下で処理するのが好ましい。水蒸 は、外部から導入してもよいし、Y型ゼオラ トに含まれる物理吸着水や結晶水を使用し もよい。また、スチーミング処理して得ら たUSYゼオライトに鉱酸を加え、混合攪拌処 することによって、ゼオライト構造骨格か の脱アルミニウムとスチーミングおよび鉱 処理により脱落アルミニウムの洗浄除去を う。
 このような鉱酸としては各種のものが挙げ れるが、塩酸、硝酸、硫酸などが一般的で り、そのほかリン酸、過塩素酸、ペルオク 二スルホン酸、二チオン酸、スルファミン 、ニトロソスルホン酸等の無機酸、ギ酸、 リクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機 などを用いることもできる。添加すべき鉱 の量は、USYゼオライト1kgあたり0.5~20モルと 、好ましくは3~16モルとする。鉱酸濃度は0.5 ~50質量%溶液、好ましくは1~20質量%溶液である 。処理温度は、室温~100℃、好ましくは50~100 である。処理時間は0.1~12時間である。

 続いてこの系に金属塩溶液を加えてUSYゼ ライトに金属を担持する。担持する方法と ては混合攪拌処理、浸漬法、含浸法が挙げ れ、混合撹拌処理が好ましい。金属として 周期表第3族のイットリア、ランタン、第4 のジルコニウム、チタン、第5族のバナジウ 、ニオブ、タリウム、第6族のクロム、モリ ブデン、タングステン、第7族のマンガン、 ニウム、第8族の鉄、ルテニウム、オスミウ 、第9族のコバルト、ロジウム、イリジウム 、第10族のニッケル、パラジウム、白金、第1 1族の銅、第12族の亜鉛、カドミウム、第13族 アルミニウム、ガリウム、第14族のスズ、 15族のリン、アンチモン、第16族のセレンな が上げられる。この中で、チタン、鉄、マ ガン、コバルト、ニッケル、パラジウム、 金が好ましく、特に鉄が好ましい。

 各種金属の塩としては硫酸塩、硝酸塩が好 しい。金属塩溶液処理を行う場合、状況に り異なり一義的に決定することはできない 、通常は処理温度30~100℃、好ましくは50~80 、処理時間0.1~12時間、好ましくは0.5~5時間と し、これらの金属の担持はゼオライト構造骨 格から脱アルミニウムと同時に行うことが好 ましく、pH2.0以下、好ましくは1.5以下の範囲 適宜選定し、実施する。鉄の塩の種類は、 酸第一鉄、硫酸第二鉄を挙げることができ が、硫酸第二鉄が好ましい。この鉄の硫酸 はそのまま加えることもできるが、溶液と て加えることが好ましい。この際の溶媒は 塩を溶解するものであればよいが、水、ア コール、エーテル、ケトン等が好ましい。 た、加える鉄の硫酸塩の濃度は、通常は0.02 ~10.0モル/リットル、好ましくは0.05~5.0モル/リ ットルである。
 なお、この鉱酸と鉄の硫酸塩を加えて結晶 アルミノシリケートを処理するにあたって 、そのスラリー比、すなわち、処理溶液容 (リットル)/アルミノシリケート重量(kg)は、 1~50の範囲が好都合であり、特に5~30が好適で る。
 上述の処理により得られる鉄担持結晶性ア ミノシリケートは、さらに必要に応じて水 、乾燥を行う。
 以上のようにして、USYゼオライト、金属担 USYゼオライトを製造することができる。

 一方、結晶性アルミノシリケートと混合し 担体を構成する多孔性無機酸化物としては アルミナ、シリカ-アルミナ、シリカ、アル ミナ-ボリア、アルミナ-ジルコニア、アルミ -チタニアが挙げられ、アルミナとしてはベ ーマイトゲル、アルミナゾルおよびこれらか ら製造されるアルミナが用いられる。中でも 活性金属が高分散担持できる点でアルミナが 好適である。
 前記多孔性無機酸化物は複数種混合して用 ても良いが、その場合でも好ましくはアル ナが主成分(アルミナ含有量が最も多い)で る。

 本発明の重質油水素化分解触媒の担体は、 記のUSYゼオライトおよび金属担持USYゼオラ トなどの結晶性アルミノシリケートと多孔 無機酸化物を混合したものを用いる。また その混合割合は、結晶性アルミノシリケー と多孔性無機酸化物の合計量基準で、結晶 アルミノシリケート18質量%以上45質量%未満 多孔性無機酸化物55質量%超82質量%以下であ ことが必要である。結晶性アルミノシリケ トと多孔性無機酸化物との混合において結 性アルミノシリケートの割合が少なすぎる 、所望の分解率、軽質留分や中間留分を得 のに高い反応温度を必要とし、その結果、 媒の寿命に悪影響を与える。また、結晶性 ルミノシリケートの割合が多すぎると、常 蒸留残渣油(以下、AR(343+℃)留分と称す)の分 解活性は向上するが、より重質な減圧蒸留残 渣油(以下、VR(525+℃)留分と称す)の分解活性 低下するとともに軽質留分や中間留分の分 選択性が下がる。
 一方、アルミナなどの多孔性無機酸化物は 持される活性金属を高度に分散させるため 多孔性無機酸化物の割合が多いと水素化活 が高く、脱硫活性、脱窒素活性、脱残炭活 、脱アスファルテン活性、脱メタル活性が 上するが、結晶性アルミノシリケートの割 が少なくなり、所望の分解率が得られず、 質留分や中間留分を得るのが困難になる。 た、多孔性無機酸化物の割合が少ないと脱 活性、脱窒素活性、脱残炭活性、脱アスフ ルテン活性、脱メタル活性などの水素化活 が低下するという問題がある。そのため結 性アルミノシリケートと多孔性無機酸化物 混合割合は、結晶性アルミノシリケートと 孔性無機酸化物の合計量基準で、結晶性ア ミノシリケート20質量%以上45質量%未満と多 性無機酸化物55質量%超80質量%以下からなる のが好適であり、結晶性アルミノシリケー 25質量%以上43質量%以下と多孔性無機酸化物5 7質量%以上75質量%以下からなるものがより好 であり、特に結晶性アルミノシリケート30 量%以上40質量%以下と多孔性無機酸化物60質 %以上70質量%以下からなるものが特に好まし 。
 本発明の重質油水素化分解触媒の担体は、 記結晶性アルミノシリケートと多孔性無機 化物のみから成ることが好ましいが、必要 応じて粘土鉱物、リン等の第3成分を混合し てもよい。その場合、第3成分の含有量は、 晶性アルミノシリケート、多孔性無機酸化 及び第3成分の合計量を100質量%として、1~30 量%であり、特に3~25質量%が好ましい。30質量 %を超えると、担体の表面積が少なくなって 媒活性が十分に発現しない恐れが有る。1質 %未満の場合は、第3成分を加える事による 果の発現が期待できない恐れが有る。

 また、本発明の重質油水素化分解触媒の担 を製造するためには、上記USYゼオライトお び金属担持USYゼオライトなどの結晶性アル ノシリケートは水洗後の水を含有したスラ ー状態として使用することが好ましい。そ て、上記結晶性アルミノシリケートと多孔 無機酸化物を十分な水分量のもとにニーダ (混練機)にて十分に混合する。
 多孔性無機酸化物はゲル状又はゾル状であ が、結晶性アルミノシリケートと同じよう 水を加えてスラリー状として結晶性アルミ シリケートと混合する。それぞれのスラリ 状態での水分量は、結晶性アルミノシリケ トスラリーでは30~80質量%が好ましく、40~70 量%がより好ましい。多孔性無機酸化物スラ ーでは50質量%~90質量%が好ましく、55~85質量% がより好ましい。
 上記の結晶性アルミノシリケートと多孔性 機酸化物を混合捏和したのち、1/12インチ~1/ 32インチの径、長さ1.5mm~6mmに成型し、円柱状 三つ葉型、四葉型の形状の成型物を得る。 型物は30~200℃、0.1~24時間乾燥させ、次いで 300~750℃(好ましくは450~700℃)で、1~10時間(好 しくは2~7時間)焼成し担体とする。

 次に、この担体に、周期表第6族、第8族、 9族、第10族金属のうち少なくとも一種の金 を担持する。ここで周期表第6族に属する金 としては、モリブデン、タングステンが好 しく、また第8~10族に属する金属としては、 ニッケル、コバルトが好ましい。二種類の金 属の組合せとしては、ニッケル-モリブデン コバルト-モリブデン、ニッケル-タングステ ン、コバルト-タングステンなどが挙げられ なかでもコバルト-モリブデン、ニッケル-モ リブデンが好ましく、特に、ニッケル-モリ デンが好ましい。
 上記活性成分である金属の担持量は、特に 限はなく原料油の種類や、所望するナフサ 分の得率などの各種条件に応じて適宜選定 ればよいが、通常は第6族の金属は触媒全体 の0.5~30質量%、好ましくは5~20質量%、第8~10族 金属は、触媒全体の0.1~20質量%、好ましくは1 ~10質量%である。

 上記金属成分を担体に担持する方法につい は特に制限はなく、例えば、含浸法,混練法 ,共沈法などの公知の方法を採用することが きる。
 上記の金属成分を担体に担持したものは、 常30~200℃で、0.1~24時間乾燥し、次いで、250~ 700℃(好ましくは300~650℃)で、1~10時間(好まし は2~7時間)焼成して、触媒として仕上げられ る。

 本発明の重質油水素化分解触媒は、以下に す細孔分布を有することを要する。すなわ 、本発明の重質油水素化分解触媒は、マク 細孔である細孔径が500~10,000Åの細孔の細孔 容積が、全細孔である細孔径50~10,000Åの細孔 の総細孔容積の10%以下、好ましくは5%以下で り、メソ細孔である細孔径100~200Åの細孔の 細孔容積が、総細孔容積の60%以上、好ましく は70%以上である。
 又、細孔径100~200Åの細孔の細孔容積が、細 孔径50~500Åの細孔の細孔容積中に占める割合 が70%以上であることが、より好ましい。
 このような細孔分布を有する触媒は、残渣 中のアスファルテン分等の高分子量炭化水 を拡散しやすく制御でき、重質油の水素化 よび分解を行ない易くすることができる。
 なお、本発明では、直径50Å以上の触媒細 容積は、触媒細孔直径に応じて、ASTM D4284-03 に規定する、水銀圧入法により測定した。本 発明では、水銀の接触角(contact angle)は140度 表面張力(surface tension)は480dyne/cmとして求め 。

 さらに、本発明の重質油水素化分解触媒は 以下の条件を満たすものが好ましい。
(1)比表面積
 本発明に用いる重質油水素化分解触媒は、 表面積が200~600m 2 /gであるも
のが好ましく、250~450m 2 /gがより好ましい。比表面積が200m 2 /g以上であれば、重質油分解に適した分解活 点の充分な量を触媒表面に配置でき、600m 2 /g以下であれば、重質油分子の拡散に充分大 な細孔を有することができる。なお、比表 積は、BET窒素吸着法に従って測定し、解析 た(ASTM D4365-95)。結晶性アルミノシリケート および触媒体試料に対しては、予備前処理と して、400℃、3時間の真空加熱排気処理にて 充分に含有する水分を除去した。また、BET ロットから表面積を算出するP/P0の範囲は、0 .01~0.10を間の5点を直線に補間して、算出した 。
 なお、この測定方法は、本発明に用いる重 油水素化分解触媒を構成する結晶性アルミ シリケートの比表面積測定にも用いられる
(2)全細孔容量
また、当該触媒の窒素ガス吸着法による全細 孔容量は0.50cc/g以上であることが好ましく、0 .55cc/g以上がより好ましい。全細孔容量が0.50c c/g以上であれば減圧残渣油のような重質油分 子の拡散を高めることができる。
 尚、結晶性アルミノシリケートおよび触媒 体の全細孔容量は、窒素吸着・脱着等温線 ら算出した(ASTM D4222-03、D4641-94)。予備前処 として、400℃、3時間の真空加熱排気処理に て、充分に含有する水分を除去した。全細孔 容量は、窒素吸着等温線のP/P0=0.99時の窒素吸 着量から容量に換算して求めた。

 本発明の重質油水素化分解触媒は、重質 分の水素化活性が向上し、525℃以上の沸点 持つ留分(VR留分)の分解活性が高く、かつ343 ℃以上の沸点を持つ留分(AR留分)の分解活性 比較的高い。さらに脱残炭活性、脱硫活性 脱窒素活性が高い。したがって、この触媒 用いて水素化分解すれば、得られた脱硫重 油(脱硫常圧残油:DSARや脱硫減圧軽油:DSVGO)の 状が流動接触分解装置等の原料として好ま いものとなる。

 本発明における水素化分解処理触媒は、 素化分解反応に用いられるが、水素化分解 応と同時に水素化脱硫反応、水素化脱窒素 応、水素化脱メタル反応なども行われ、こ らは水素高圧下の条件で行う。このような 圧下での水素化分解反応を実施する装置と ては、通常、直脱装置が用いられる。

 本発明の重質油水素化分解触媒を用いる水 化分解の条件は、特に制限はなく、従来、 質油の水素化分解や水素化脱硫反応で行わ ている反応条件で行えばよく、通常は反応 度が好ましくは320~550℃、より好ましくは350 ~430℃、水素分圧が好ましくは1~30MPa、より好 しくは5~17MPa、水素/油比が好ましくは100~2000 Nm 3 /キロリットル、より好ましくは300~1000Nm 3 /キロリットル、液空間速度(LHSV)が好ましく 0.1~5h -1 、より好ましくは0.2~2.0h -1 の範囲で適宜選定すればよい。
 また、減圧残渣油、コーカー油、合成原油 抜頭原油、重質軽油、減圧軽油、LCO、HCO(ヘ ビーサイクルオイル)、CLO(クラリファイドオ ル)、GTL油、ワックス等の重質油を常圧蒸留 残渣油と混合して水素化分解処理をすること もできる。

 本発明の重質油水素化分解触媒は、これ 単独で用いてもよいが、一般の水素化処理 媒と組み合わせたものを用いてもよい。組 合わせのパターンとしては、例えば全触媒 填量に対して第一段目に脱メタル触媒を10~4 0容量%、第二段目に脱硫触媒を0~50容量%、第 段目に本発明の重質油水素化分解触媒を10~70 容量%、第四段目にフィニシングの脱硫触媒 して0~40容量%の充填パターンが好ましい。こ れらは原料油の性状等によっては種々の充填 パターンとすることができる。第一段目の脱 メタル触媒の前に原料油中に含まれる鉄粉、 無機酸化物等のスケールを除去する脱スケー ル触媒を充填しても良い。

 本発明の重質油水素化分解触媒は、例えば のように利用することができる。
 本発明の重質油水素化分解触媒を用いて、 圧蒸留残渣油を水素化分解処理し、得られ 生成油の残渣油、若しくは残油と留出油と 混合物を原料とし、流動接触分解処理する
 この場合、留出油としては、沸点120~400℃の 留出油が好適であり、150~350℃のものがより ましい。このような沸点範囲のものであれ 、良好な沸点範囲の分解生成物が得られ、FC Cガソリンなどを増量する効果がる。また、 動接触分解処理の原料における留出油の混 割合は、1~30容量%であることが好ましく、3~2 0容量%がより好ましい。このような範囲であ ば、良好にLPG留分やFCCガソリン留分を増量 る効果が認められる。

 なお、接触分解処理の条件は、特に制限 なく、公知の方法、条件で行えばよい。例 ば、シリカ-アルミナ、シリカ-マグネシア どのアモルファス触媒や、フォージャサイ 型結晶アルミノシリケートなどのゼオライ 触媒を用い、反応温度450~650℃、好ましくは4 80~580℃、再生温度550~760℃、反応圧力0.02~5MPa 好ましくは0.2~2MPaの範囲で適宜選定すればよ い。

 上記常圧蒸留残渣油の分解処理においては 最終工程である流動接触分解の生成油が、 料や石油化学製品の原料として有用な、FCC ソリン留分およびLPG留分の割合を高く、需 が少ないLCO留分の割合を低くすることがで る。
 さらに、中間工程である直脱装置などによ 水素化分解生成油におけるいわゆる中間留 である灯軽油留分や軽質留分であるナフサ 分などの得率が高く、燃料や石油化学製品 原料として活用できる。

 次に、本発明を実施例により具体的に説明 るが、これらの実施例になんら制限される のではない。
 なお、実施例、比較例では、原料として第1 表に示す性状を有するアラビアンヘビーの常 圧蒸留残渣油を用いた。

 また、実施例で用いた重質油水素化分解触 の調製及びその物性の評価は、以下のよう して行った。
 1.触媒の調製
 〔重質油水素化分解触媒I〕
(1)結晶性アルミノシリケートの調製
 Na-Y型ゼオライト(Na 2 O含量:13.3質量%,SiO 2 /Al 2 O 3 (モル比):5.0)をアンモニウムイオン交換し、NH 4 -Yゼオライト(Na 2 O含量:1.3質量%)を得た。これを650℃でスチー ング処理してスチーミングY型ゼオライトと た。10kgのスチーミングY型ゼオライトを純 115リットルに懸濁させた後、該懸濁液を75℃ に昇温し30分間攪拌した。次いでこの懸濁液 10質量%硫酸溶液63.7kgを35分間で添加し、更 濃度0.57モル/リットルの硫酸第二鉄溶液11.5kg を10分間で添加し、添加後更に30分間攪拌し 後、濾過、洗浄し、固形分濃度30.5質量%の鉄 担持USYゼオライトスラリーIを得た。X線回折 により求めた格子定数は24.30Åであった。
 (2)アルミナスラリーの調製
 アルミン酸ナトリウム溶液(Al 2 O 3 換算濃度:5.0質量%)80kg及び50質量%のグルコン 溶液240gを容器に入れ、60℃に加熱した。次 で硫酸アルミニウム溶液(Al 2 O 3 換算濃度:2.5質量%)88kgを別容器に準備し、15分 間でpH7.2になるように該硫酸アルミニウム溶 を添加し水酸化アルミニウムスラリーを得 。60℃に保ったまま、60分間熟成した。次い で、水酸化アルミニウムスラリーをろ過脱水 し、アンモニア水で洗浄し、アルミナケーキ とした。該アルミナケーキの一部を純水と15 量%のアンモニア水を用い、アルミナ濃度12. 0質量%、pH10.5のスラリーを得た。このスラリ を熟成タンクに入れ攪拌しながら95℃で8時 熟成した。次いで、この熟成スラリーに純 を加え、アルミナ濃度9.0質量%に希釈した後 、攪拌機付オートクレーブに移し、145℃で5 間熟成した。更にAl 2 O 3 換算濃度で20質量%となるように加熱濃縮する と同時に脱アンモニアし、アルミナスラリー Aを得た。

 (3)触媒の調製
 738gの鉄担持USYゼオライトスラリーI(30.5質量 %濃度)と2,625gのアルミナスラリーA(20質量%濃 )をニーダーに加え、加熱、攪拌しながら押 出し成形可能な濃度に濃縮した後、1/18イン チサイズの四つ葉型ペレット状に押し出し成 形した。次いで、110℃で16時間乾燥した後、5 50℃で3時間焼成し、鉄担持USYゼオライト/ア ミナ(固形分換算質量比)で30/70の担体Iを得た 。
 次いで、三酸化モリブデンと炭酸ニッケル 純水に懸濁したものを90℃に加熱し、次い リンゴ酸を加え溶解させた。この溶解液を 体Iにそれぞれ触媒全体に対してMoO 3 として10.5質量%、NiOとして4.25質量%になるよ に含浸し、次いで乾燥させ、550℃で3時間焼 し、重質油水素化分解触媒Iを得た。この触 媒は比表面積381m 2 /g、全細孔容量0.62cc/gであった。水銀圧入法 よる細孔径500~10,000Åの細孔容積が細孔径50~1 0,000Åの総細孔容積の1%であり、細孔径100~200 の細孔容積が細孔径50~10,000Åの総細孔容積 73%であった。触媒の組成及び物性を第2表に 示す。

 〔重質油水素化分解触媒II〕
重質油水素化分解触媒Iの触媒の調製におい 、鉄担持USYゼオライトスラリーI(30.5質量%濃 )を1,148gとし、アルミナスラリーA(20質量%濃 )を2,625gとしてニーダーに加えた以外は同様 に調製し、鉄担持USYゼオライト/アルミナ(固 分換算質量比)で40/60の担体IIを得た。
 次いで、三酸化モリブデンと炭酸ニッケル 純水に懸濁したものを90℃に加熱し、次い リンゴ酸を加え溶解させた。この溶解液を 体IIにそれぞれ触媒全体に対してMoO 3 として10.5質量%、NiOとして4.25質量%になるよ に含浸し、次いで乾燥させ、550℃で3時間焼 し、重質油水素化分解触媒IIを得た。この 媒は比表面積409m 2 /g、全細孔容量0.60cc/gであった。水銀圧入法 よる細孔径500~10,000Åの細孔容積が細孔径50~1 0,000Åの総細孔容積の2%であり、細孔径100~200 の細孔容積が細孔径50~10,000Åの総細孔容積 79%であった。触媒の組成及び物性を第2表に 示す。

 〔重質油水素化分解触媒III〕
重質油水素化分解触媒Iの触媒の調製におい 、鉄担持USYゼオライトスラリーI(30.5質量%濃 )を1,230gとし、アルミナスラリーA(20質量%濃 )を1,876gとしてニーダーに加えた以外は同様 に調製し、鉄担持USYゼオライト/アルミナ(固 分換算質量比)で50/50の担体IIIを得た。
 引き続き、三酸化モリブデンと炭酸ニッケ を純水に懸濁したものを90℃に加熱し、次 でリンゴ酸を加え溶解させた。この溶解液 担体IIIにそれぞれ触媒全体に対してMoO 3 として10.5質量%、NiOとして4.25質量%になるよ に含浸し、次いで乾燥させ、550℃で3時間焼 し、重質油水素化分解触媒III得た。この触 は比表面積473m 2 /g、全細孔容量0.61cc/gであった。水銀圧入法 よる細孔径500~10,000Åの細孔容積が細孔径50~1 0,000Åの総細孔容積の10%であり、細孔径100~200 Åの細孔容積が細孔径50~10,000Åの総細孔容積 の59%であった。触媒の組成及び物性を第2表 示す。

 〔重質油水素化分解触媒IV〕
重質油水素化分解触媒Iの触媒の調製におい 、鉄担持USYゼオライトスラリーI(30.5質量%濃 )を1,476gとし、アルミナスラリーA(20質量%濃 )を1,500gとしてニーダーに加えた以外は同様 に調製し、鉄担持USYゼオライト/アルミナ(固 分換算質量比)で60/40の担体IVを得た。
 引き続き、三酸化モリブデンと炭酸ニッケ を純水に懸濁したものを90℃に加熱し、次 でリンゴ酸を加え溶解させた。この溶解液 担体IVにそれぞれ触媒全体に対してMoO 3 として10.5質量%、NiOとして4.25質量%になるよ に含浸し、次いで乾燥させ、550℃で3時間焼 し、重質油水素化分解触媒IVを得た。この 媒は比表面積517m 2 /g、全細孔容量0.56cc/gであった。水銀圧入法 よる細孔径500~10,000Åの細孔容積が細孔径50~1 0,000Åの総細孔容積の32%であり、細孔径100~200 Åの細孔容積が細孔径50~10,000Åの総細孔容積 の43%であった。触媒の組成及び物性を第2表 示す。

 〔重質油水素化分解触媒V〕
 アルミナスラリーAにAl 2 O 3 /B 2 O 3 の質量比で85/15となるようにホウ酸を添加し アルミナホウ酸スラリーを得た。このアル ナホウ酸スラリーを、アルミナスラリーAに 代えて混合した以外は重質油水素化分解触媒 Iと同様に調製し、鉄担持USYゼオライト/アル ナ/ボリア(固形分換算質量比)で20/68/12の担 Vを得た。
 引き続き、MoO 3 として15.0質量%、NiOとして4.2質量%とした以外 は重質油水素化分解触媒Iと同様に調製し、 質油水素化分解触媒Vを得た。この触媒は、 表面積積270m 2 /g、全細孔容量0.51cc/gであった。水銀圧入法 よる細孔径500~10,000Åの細孔容積が細孔径50~1 0,000Åの総細孔容積の1%であり、細孔径100~200 の細孔容積が細孔径50~10,000Åの総細孔容積 73%であった。触媒の組成および物性を第2表 に示す。

 2.鉄担持USYゼオライト(結晶性アルミノシリ ート)及び触媒の物性評価方法
 (1)格子定数:鉄担持USYゼオライトを乾燥させ たものとシリコン内部標準粉末をよく混合、 粉砕し、X線粉末回折(XRD)用サンプルホルダー に充填した。これをCu管球、印加電圧40KV、印 加電流40mAにてステップスキャンで測定し、 られたピーク角度より鉄担持USYゼオライト 格子定数(UD)を算出した。
 (2)結晶化度:ASTM D3906-03に従って評価し、Y型 ゼオライトとしての結晶性を、リンデSK-40を1 00%として表した相対結晶化度として算出した 。
 (3)細孔容積:前述に記載の通り。
 (4)比表面積および全細孔容量:前述に記載の 通り。

 〔重質油水素化分解触媒の水素化分解活性 価〕
実施例1
重質油水素化分解触媒Iを高圧固定床反応器 100cc充填し、硫化処理した後、第1表のアラ アンヘビーの常圧蒸留残渣油を原料油とし 、以下の条件で水素化分解処理を行った。
 水素化分解条件
 反応温度(WAT, Weight Average Temperature,重量平 温度)  400℃
 液空間速度(LHSV)  0.3h -1
 水素分圧         12.9MPa(130kg/cm 2 )
 水素/油比        1,000Nm 3 /キロリットル

 上記水素化分解処理によって得られた生成 (以下、単に生成油と呼ぶ場合も有る)をガ クロマトグラフィー蒸留法(ASTM D 5307-97)に り分析を行い、沸点343℃超525℃以下の留分 沸点525+℃(525℃より高い沸点の留分)、中間 分として灯軽油留分(沸点範囲150~343℃留分) 各留分の収率を求めた。更に下記定義の343 + ℃/525 + ℃転化率を求めた。結果を第3表に示す。中 留分得率、転化率は値が大きいほど、重質 水素化分解触媒の水素化分解活性が高いこ を意味する。下記定義の原料油は、表1のア ビアンヘビーの常圧蒸留残渣油である。
 343 + ℃転化率(質量%)=(原料油中の残油留分-生成油 中の残油留分)/原料油中の残油留分
 525 + ℃転化率(質量%)=(原料油中の減圧残油留分-生 成油中の残油留分)/原料油中の減圧残油留分

  また、脱硫活性、脱窒素活性、脱残炭活 、脱アスファルテン活性、及び脱メタル活 を下記測定法及び定義に従って評価し、通 の方法にて算出した。結果を第3表に示す。
 上記水素化分解処理によって得られた生成 (以下、単に生成油と呼ぶ場合も有る)中の 黄分を放射線式励起法(JIS K 2541-4)で、窒素 を化学発光法(JIS K 2609)で、バナジウムと ッケル分を蛍光X線法(JPI-5S-62-2000)で、C7不溶 分をUOP 614-80法で、残留炭素分をミクロ法(J IS K 2270)で測定した。表1のアラビアンヘビ の常圧蒸留残渣油(以下、単に原料油と呼ぶ 合も有る)も、硫黄分を燃焼管式空気法(JIS  K 2541-3)で行った以外は、同じ方法で評価し 。
 脱硫活性(質量%)=(原料油中の硫黄分-生成油 の硫黄分)/原料油中の硫黄分
 脱窒素活性(質量%)=(原料油中の窒素分-生成 中の窒素分)/原料油中の窒素分
 脱残炭活性(質量%)=(原料油中の残留炭素分- 成油中の残留炭素分)/原料油中の残留炭素
 脱アスファルテン活性(質量%)=(原料油中のC7 不溶解分-生成油中のC7不溶解分)/原料油中のC 7不溶解分
 脱メタル活性(質量%)=(原料油中のVとNiの和- 成油中のVとNiの和)/原料油中のVとNiの和

実施例2
 実施例1において重質油水素化分解触媒Iを 質油水素化分解触媒IIに変えて用いた以外は 実施例1と同様にして水素化分解処理を行っ 。結果を第3表に示す。

実施例3
 実施例1において重質油水素化分解触媒Iを 質油水素化分解触媒Vに変えて用いた以外は
実施例1と同様にして水素化分解処理を行っ 。結果を第3表に示す。

比較例1
 実施例1において重質油水素化分解触媒Iを 質油水素化分解触媒IIIに変えて用いた
以外は実施例1と同様にして水素化分解処理 行った。結果を第3表に示す。

比較例2
 実施例1において重質油水素化分解触媒Iを 質油水素化分解触媒IVに変えて用いた以外は 実施例1と同様にして水素化分解処理を行っ 。結果を第3表に示す。

比較例3
 実施例1において重質油水素化分解触媒Iを 販脱硫触媒に変えた以外は実施例1と同様に て、水素化分解処理を行った。結果を第3表 に示す。

 第3表より、本発明の常圧蒸留残渣油の分解 方法(実施例1、2)は、本発明の重質油水素化 解触媒を用いない比較例1の方法より、水素 分解処理によるAR留分転化率は
やや劣るもののVR留分転化率が飛躍的に向上 ている。さらに、脱硫活性、脱窒素活性、 残炭活性は最高レベルであることが分る。
 これに対し、比較例2のように重質油水素化 分解触媒における結晶性アルミノシリケート の割合を60質量%にした方法では、水素化分解 処理によるAR留分転化率は高いものの、脱硫 性、脱窒素活性、脱残炭活性に劣り得られ 脱硫重油(DSAR、DSVGO)の品質が低くなる。ま 、比較例3の方法のように、市販脱硫触媒を いた場合では、VR留分転化率は高く、得ら た脱硫重油の性状も良好であるが、AR留分転 化率が低く中間留分得率が低い。

 本発明の重質油水素化分解触媒は、良好 脱硫機能を有し、かつ減圧残渣油のような 点が525℃以上の高沸点留分に対し優れた分 活性を有するため、これを用いれば、重質 を、灯軽油留分やナフサ留分等の軽質留分 効果的に転換すると共に、残りの重質留分 流動接触分解装置で効率的にガソリン留分 に変換できる。