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Patent Searching and Data


Title:
HYDROPHILIC MEMBER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/119605
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a hydrophilic member comprising: a base material; a hydrophilic layer which is arranged on the base material and is formed from a hydrophilic composition that contains a hydrophilic polymer (A) having at least one of a hydroxy group and a hydrolyzable functional group and also having a silicon atom; and a slightly eluting layer which is arranged on the hydrophilic layer and comprises a hydrophilic polymer (a) having a reactive group. The hydrophilic member has excellent hydrophilicity, excellent wear resistance and excellent stain-proofing properties and can exhibit these properties for a long period.

Inventors:
TANAKA SATOSHI
YAMAZAKI SUMIAKI
Application Number:
PCT/JP2009/055854
Publication Date:
October 01, 2009
Filing Date:
March 24, 2009
Export Citation:
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Assignee:
FUJIFILM CORP (JP)
TANAKA SATOSHI
YAMAZAKI SUMIAKI
International Classes:
B32B27/00; F28F13/18
Foreign References:
JP2005344144A2005-12-15
JP2002361800A2002-12-18
JP2000336233A2000-12-05
JPH10323619A1998-12-08
Attorney, Agent or Firm:
TAKAMATSU, Takeshi et al. (JP)
Takamatsu 猛 (JP)
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Claims:
 基板上に、(A)水酸基及び加水分解性官能基の少なくともいずれかを有する珪素原子を有する親水性ポリマーを含有する親水性組成物から形成された親水性層を有し、さらにその上に(a)反応性基を有する親水性ポリマーを含有する低溶出性層用組成物から形成された低溶出性層を有することを特徴とする親水性部材。
 前記低溶出性層用組成物中に、さらに(b)架橋剤を含有することを特徴とする請求項1に記載の親水性部材。
 前記(b)架橋剤の含有量が、(a)親水性ポリマーに対して0.01~15質量%であることを特徴とする請求項2に記載の親水性部材。
 前記(A)水酸基及び加水分解性官能基の少なくともいずれかを有する珪素原子を有する親水性ポリマーが、下記一般式(a-2)で表される構造単位を有し、且つ、ポリマー鎖の末端に下記一般式(a-1)で表される部分構造を有する親水性ポリマー(A1)、及び下記一般式(a-3)で表される構造単位と、下記一般式(a-4)で表される構造単位とを有する親水性ポリマー(A2)のうち少なくとも1種であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の親水性部材。

 一般式(a-1)、(a-2)、(a-3)および(a-4)中、R 1 ~R 13 はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基を表す。L 1 ~L 4 は、それぞれ独立に単結合又は多価の有機連結基を表す。x及びyは組成比を表し、xは0<x<100、yは0<y<100である。nおよびmは、それぞれ独立に1~3の整数を表す。Y 1 およびY 2 は、それぞれ独立に、-OH、-OR a 、-COR a 、-CO 2 R e 、-CON(R a )(R b )、-N(R a )(R b )、-NHCOR d 、-NHCO 2 R a 、-OCON(R a )(R b )、-NHCON(R a )(R b )、-SO 3 R e 、-OSO 3 R e 、-SO 2 R d 、-NHSO 2 R d 、-SO 2 N(R a )(R b )、-N(R a )(R b )(R c )、-N(R a )(R b )(R c )(R g )、-PO 3 (R e )(R f )、-OPO 3 (R e )(R f )、および-PO 3 (R d )(R e )からなる群より選択される構造を1つ以上有する基を表す。ここで、R a 、R b 及びR c は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表し、R d は、アルキル基を表し、R e 及びR f は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル基、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはオニウムを表し、R g は、アルキル基、ハロゲン原子、無機アニオン、または有機アニオンを表す。
 前記親水性組成物に、前記(A)水酸基及び加水分解性官能基の少なくともいずれかを有する珪素原子を有する親水性ポリマーの反応を促進する(B)触媒を含有することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の親水性部材。
 前記親水性組成物に含まれる(B)触媒が、不揮発性の触媒であることを特徴とする請求項5に記載の親水性部材。
 前記親水性組成物に(C)Si、Ti、Zr、及びAlから選択される元素のアルコキシド化合物を含有することを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の親水性部材。
 前記基板と前記親水性層との間に、下塗層を有することを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の親水性部材。
 前記下塗層が、(P)触媒を含有する組成物を塗布することにより形成されたものであることを特徴とする請求項8に記載の親水性部材。
 前記下塗層を形成する組成物に含まれる(P)触媒が、不揮発性の触媒であることを特徴とする請求項9に記載の親水性部材。
 前記下塗層が、さらに(Q)Si、Ti、Zr、及びAlから選択される元素のアルコキシド化合物を含有する組成物を塗布することにより形成されたものであることを特徴とする請求項8~10のいずれかに記載の親水性部材。
 前記基板が、ガラス、金属、セラミックス、またはプラスチックで形成されたものであることを特徴とする請求項1~11のいずれかに記載の親水性部材。
 前記(A)水酸基及び加水分解性官能基の少なくともいずれかを有する珪素原子を有する親水性ポリマーとして、前記親水性ポリマー(A1)及び前記親水性ポリマー(A2)を含み、前記親水性ポリマー(A1)と前記親水性ポリマー(A2)の質量比(親水性ポリマー(A1)/親水性ポリマー(A2))が、5/95~50/50の範囲であることを特徴とする請求項4~12のいずれかに記載の親水性部材。
 パルミチン酸に一時間曝気、30分間水洗、30分間乾燥を1サイクルとし、該サイクルを5サイクル繰返した後の水接触角が40°以下である請求項1~13のいずれかに記載の親水性部材。
 請求項1~14のいずれかに記載の親水性部材を有するフィン材。
 請求項15に記載のフィン材がアルミニウム製であるアルミニウム製フィン材。
 請求項16に記載のアルミニウム製フィン材を有する熱交換器。
 請求項17に記載の熱交換器を有するエアコン。
Description:
親水性部材

 本発明は、防汚性、耐摩耗性および親水 続性に優れた親水性部材に関する。

 樹脂フィルム等の有機材料や、ガラスや 属等の無機材料は、高い親水性を有するも は少ない。有機材料や無機材料などを用い 基材の表面が親水化されると、付着水滴が 材表面に一様に拡がり均一な水膜を形成す ようになるので、ガラス、レンズ、鏡の曇 を有効に防止でき、湿分による失透防止、 天時の視界性確保等に役立つ。さらに、都 媒塵、自動車等の排気ガスに含有されるカ ボンブラック等の燃焼生成物、油脂、シー ント溶出成分等の疎水性汚染物質が付着し くく、付着しても降雨や水洗により簡単に せるようになるので、種々の用途に有用で る。

 従来提案されている親水化するための表 処理方法、例えば、エッチング処理、プラ マ処理等によれば、高度に親水化されるも の、その効果は一時的であり、親水化状態 長期間維持することができない。また、親 性樹脂の一つとして親水性グラフトポリマ を使用した表面親水性塗膜も提案されてい (非特許文献1)。この報告によればこの塗膜 ある程度の親水性を有するものの、基材と 親和性が充分とはいえず、より高い耐久性 求められている。

 また、その他の親水性に優れた表面とし は、酸化チタンを使用した部材が知られて る。例えば、特許文献1において、基材表面 に光触媒含有層を形成すると、光触媒の光励 起に応じて表面が高度に親水化されることが 開示されており、この技術をガラス、レンズ 、鏡、外装材、水回り部材等の種々の複合材 に適用すれば、これら複合材に優れた防曇、 防汚等の機能を付与できることが報告されて いる。しかしながら酸化チタンを用いた親水 性フィルムは充分な膜強度を有さず、より良 好な耐摩耗性を有する親水性材料が求められ ていた。

 上記課題を達成するために、ゾルゲル有 無機ハイブリッド膜の特性に着眼し、親水 ポリマーとアルコキシドとを加水分解、縮 合することにより架橋構造を備えた親水性 面が優れた防曇性、防汚性を示し、且つ、 好な耐摩耗性を有することを見出されてい (特許文献2参照)。このような架橋構造を有 る親水性表面層は反応性基を末端に有する 定の親水性ポリマーと、架橋剤とを組合せ ことにより容易に得られる。しかし、防汚 の観点からは、様々な汚れ物質に対して不 分であった。

 基材表面に防汚性を付与する技術として 、特許文献3に記載のものが知られている。 特許文献3には、アルミニウム板上に、耐食 被膜及び親水性被膜を設け、さらにこの上 ポリエーテルポリール化合物に有機系架橋 を用いて架橋させた遅溶出性潤滑皮膜を有 る親水性表面処理フィン材が記載されてい 。しかし、親水性及び防汚性等の持続性は さらなる改善が望まれている。

国際公開第96/29375号パンフレット

特開2002-361800号公報

特開2005-344144号公報 新聞“化学工業日報”1995年1月30日付け 事

 本発明は、上記のような従来の課題を解 し、親水性、耐摩耗性、防汚性に優れ、か それらの持続性にも優れた親水性部材を提 することを目的とする。

1. 基板上に、(A)水酸基及び加水分解性官能 の少なくともいずれかを有する珪素原子を する親水性ポリマーを含有する親水性組成 から形成された親水性層を有し、さらにそ 上に(a)反応性基を有する親水性ポリマーを 有する低溶出性層用組成物から形成された 溶出性層を有することを特徴とする親水性 材。
2. 前記低溶出性層用組成物中に、さらに(b) 橋剤を含有することを特徴とする上記1に記 の親水性部材。
3. 前記(b)架橋剤の含有量が、(a)親水性ポリ ーに対して0.01~15質量%であることを特徴とす る上記2に記載の親水性部材。
4. 前記(A)水酸基及び加水分解性官能基の少 くともいずれかを有する珪素原子を有する 水性ポリマーが、下記一般式(a-2)で表される 構造単位を有し、且つ、ポリマー鎖の末端に 下記一般式(a-1)で表される部分構造を有する 水性ポリマー(A1)、及び下記一般式(a-3)で表 れる構造単位と、下記一般式(a-4)で表され 構造単位とを有する親水性ポリマー(A2)のう 少なくとも1種であることを特徴とする上記 1~3のいずれかに記載の親水性部材。

 一般式(a-1)、(a-2)、(a-3)および(a-4)中、R 1 ~R 13 はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基を 表す。L 1 ~L 4 は、それぞれ独立に単結合又は多価の有機連 結基を表す。x及びyは組成比を表し、xは0<x <100、yは0<y<100である。nおよびmは、そ ぞれ独立に1~3の整数を表す。Y 1 およびY 2 は、それぞれ独立に、-OH、-OR a 、-COR a 、-CO 2 R e 、-CON(R a )(R b )、-N(R a )(R b )、-NHCOR d 、-NHCO 2 R a 、-OCON(R a )(R b )、-NHCON(R a )(R b )、-SO 3 R e 、-OSO 3 R e 、-SO 2 R d 、-NHSO 2 R d 、-SO 2 N(R a )(R b )、-N(R a )(R b )(R c )、-N(R a )(R b )(R c )(R g )、-PO 3 (R e )(R f )、-OPO 3 (R e )(R f )、および-PO 3 (R d )(R e )からなる群より選択される構造を1つ以上有 る基を表す。ここで、R a 、R b 及びR c は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル 基を表し、R d は、アルキル基を表し、R e 及びR f は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル 基、アルカリ金属、アルカリ土類金属、また はオニウムを表し、R g は、アルキル基、ハロゲン原子、無機アニオ ン、または有機アニオンを表す。
5. 前記親水性組成物に、前記(A)水酸基及び 水分解性官能基の少なくともいずれかを有 る珪素原子を有する親水性ポリマーの反応 促進する(B)触媒を含有することを特徴とす 上記1~4のいずれかに記載の親水性部材。
6. 前記親水性組成物に含まれる(B)触媒が、 揮発性の触媒であることを特徴とする上記5 記載の親水性部材。
7. 前記親水性組成物に(C)Si、Ti、Zr、及びAlか ら選択される元素のアルコキシド化合物を含 有することを特徴とする上記1~6のいずれかに 記載の親水性部材。
8. 前記基板と前記親水性層との間に、下塗 を有することを特徴とする上記1~7のいずれ に記載の親水性部材。
9. 前記下塗層が、(P)触媒を含有する組成物 塗布することにより形成されたものである とを特徴とする上記8に記載の親水性部材。
10. 前記下塗層を形成する組成物に含まれる( P)触媒が、不揮発性の触媒であることを特徴 する上記9に記載の親水性部材。
11. 前記下塗層が、さらに(Q)Si、Ti、Zr、及びA lから選択される元素のアルコキシド化合物 含有する組成物を塗布することにより形成 れたものであることを特徴とする上記8~10の ずれかに記載の親水性部材。
12. 前記基板が、ガラス、金属、セラミック 、またはプラスチックで形成されたもので ることを特徴とする上記1~11のいずれかに記 載の親水性部材。
13. 前記(A)水酸基及び加水分解性官能基の少 くともいずれかを有する珪素原子を有する 水性ポリマーとして、前記親水性ポリマー( A1)及び前記親水性ポリマー(A2)を含み、前記 水性ポリマー(A1)と前記親水性ポリマー(A2)の 質量比(親水性ポリマー(A1)/親水性ポリマー(A2 ))が、5/95~50/50の範囲であることを特徴とする 上記4~12のいずれかに記載の親水性部材。
14. パルミチン酸に一時間曝気、30分間水洗 30分間乾燥を1サイクルとし、該サイクルを5 イクル繰返した後の水接触角が40°以下であ る上記1~13のいずれかに記載の親水性部材。

15. 上記1~14のいずれかに記載の親水性部材を 有するフィン材。
16. 上記15に記載のフィン材がアルミニウム であるアルミニウム製フィン材。
17. 上記16に記載のアルミニウム製フィン材 有する熱交換器。
18. 上記17に記載の熱交換器を有するエアコ 。

 本発明に係る親水性部材は、親水性ポリマ からなる低溶出性層が設けられているので 優れた親水性と防汚性を有する。すなわち 表面に汚れ物質が付着した際に、流水等に って汚れとともに低溶出層も流れることで れた防汚性を発現できる。しかし、低溶出 層が簡単に溶出してしまうと長期の防汚性 維持できない。このような低溶出性層とし 親水性ポリマーからなる被膜を形成するこ は、架橋度が高くなく容易に表面から溶け す懸念があるため通常は用いられない。
 そこで本発明では、(a)反応性基を有する親 性ポリマー(以下、(a)親水性ポリマーという )を含有する組成物から得られる低溶出性層 下に、(A)水酸基及び加水分解性官能基の少 くともいずれかを有する珪素原子を有する 水性ポリマー(以下、(A)親水性ポリマーとい )を含有する親水性組成物から形成された親 水性層を設けている。このため、上記の親水 性・防汚性を長期に渡って維持することがで きる。これは、(A)親水性ポリマーにより形成 された親水性層上にあるシラノール基(SiOH)と (a)親水性ポリマーの反応性官能基(例えば、 酸基等)とが反応するために、優れた親水性 防汚性とその持続性を発現できたものと考 られる。
 また、本発明に係る親水性部材は、(A)親水 ポリマーが架橋構造を形成し得るため、高 度の皮膜となり、耐摩耗性に優れている。

 なお、本発明でいう低溶出性層とは、形成 れた被膜が流水等によりゆっくりと流れ出 て溶出する層を意味し、この低溶出性層の 出度は、25℃、95%RHの恒温槽中で30分間静置 たとき、被膜の重量の変化量が1%以上50%以 である。好ましくは、低溶出性層の溶出度 、2%以上45%以下であり、より好ましくは5%以 40%以下である。
 被膜の重量の変化量は、基板上に親水性層 低溶出性層を設けた親水性部材を前記恒温 に静置した後の重量と、恒温槽に置く前に 定した親水性部材の重量との差を算出し、 溶出性層の全重量に対する割合を求めるこ により得られる。低溶出性層の全重量は、 溶出性層を形成する前の部材の重量と、低 出性層を形成した後の部材の重量との差か 求めることができる。

 本発明のより具体的な態様の一例としては (A)親水性ポリマーを適当な溶媒に溶解させ 攪拌することで、加水分解・重縮合が進行 、ゾル状の親水性組成物が得られ、この親 性組成物を基板表面に塗布して被膜を形成 、乾燥することにより、基板表面上に親水 の官能基を有する有機無機複合体皮膜(親水 性層)を形成することができる。さらにその に(a)親水性ポリマーを含む低溶出性層用組 物を塗布し、低溶出性層を形成する。
 好ましい態様としては、前記親水性組成物 に、(C)Si、Ti、Zr、及びAlから選択される元 のアルコキシド化合物(以下、(C)アルコキシ 化合物という)を含むものである。(C)アルコ キシド化合物を含むことで、加水分解・重縮 合において、架橋を形成する反応サイトが増 加し、より高密度で強固な架橋構造を有する 有機無機複合体皮膜を形成することができる 。この有機無機複合体皮膜による親水性層は 、さらに高強度となり、優れた耐摩耗性が発 現し、高い親水性を長期間保持し得るものと 考えられる。

 本発明の親水性部材は、基板表面が親水 、耐摩耗性、防汚性及びそれらの持続性に れた、親水性部材を提供することができる

 以下、本発明に係る親水性部材の好適な実 形態について説明する。
 本発明は、基板上に、(A)水酸基及び加水分 性官能基の少なくともいずれかを有する珪 原子を有する親水性ポリマーを含有する親 性組成物から形成された親水性層を有し、 らにその上に(a)反応性基を有する親水性ポ マーを含有する低溶出性層用組成物から形 された低溶出性層を有することを特徴とす 親水性部材に関する。
<親水性層>
[(A)親水性ポリマー]
 親水性層は、少なくとも(A)親水性ポリマー( すなわち、(A)水酸基及び加水分解性官能基の 少なくともいずれかを有する珪素原子を有す る親水性ポリマー)を含有する親水性組成物 ら形成される。
 より具体的には、(A)親水性ポリマーを溶媒 溶解し、よく攪拌することで、これらの成 が加水分解、重縮合し、有機-無機複合体ゾ ル液である親水性組成物を形成することがで きる。そして、このゾル溶液によって、高い 親水性と高い膜強度を有する親水性層が形成 することができる。

 (A)親水性ポリマーは、水酸基及び加水分解 官能基の少なくともいずれかを有する珪素 子を含む。このような構造としては、シラ ール基または加水分解性シリル基が好まし 。
 (A)親水性ポリマーは、ポリマーの末端部及 /又は側鎖に、シラノール基または加水分解 性シリル基を有するものであることが好まし い。加水分解性シリル基とは、水と反応して シラノール(Si-OH)生成するものであって、例 ば、ケイ素に1以上のメトキシ基、エトキシ 、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブ トキシ基、等のアルコキシ基、塩素等が結合 したものを指す。

 (A)親水性ポリマーは、好ましくは、下記親 性ポリマー(A1)及び/又は下記親水性ポリマ (A2)である。
・下記一般式(a-2)で表される構造単位を有し 且つ、ポリマー鎖の末端に下記一般式(a-1) 表される部分構造を有する親水性ポリマー(A 1)。
・下記一般式(a-3)で表される構造単位と、下 一般式(a-4)で表される構造単位とを有する 水性ポリマー(A2)。

 一般式(a-1)、(a-2)、(a-3)および(a-4)中、R 1 ~R 13 はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基を 表す。L 1 ~L 4 は、それぞれ独立に単結合又は多価の有機連 結基を表す。x及びyは組成比を表し、xは0<x <100、yは0<y<100である。nおよびmは、そ ぞれ独立に1~3の整数を表す。Y 1 およびY 2 は、それぞれ独立に、-OH、-OR a 、-COR a 、-CO 2 R e 、-CON(R a )(R b )、-N(R a )(R b )、-NHCOR d 、-NHCO 2 R a 、-OCON(R a )(R b )、-NHCON(R a )(R b )、-SO 3 R e 、-OSO 3 R e 、-SO 2 R d 、-NHSO 2 R d 、-SO 2 N(R a )(R b )、-N(R a )(R b )(R c )、-N(R a )(R b )(R c )(R g )、-PO 3 (R e )(R f )、-OPO 3 (R e )(R f )、および-PO 3 (R d )(R e )からなる群より選択される構造を1つ以上有 る基を表す。ここで、R a 、R b 及びR c は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル 基を表し、R d は、アルキル基を表し、R e 及びR f は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル 基、アルカリ金属、アルカリ土類金属、また はオニウムを表し、R g は、アルキル基、ハロゲン原子、無機アニオ ン、または有機アニオンを表す。

 R 1 ~R 13 が炭化水素基を表す場合の炭化水素基として は、炭素数1~8の炭化水素基が好ましく、例え ばアルキル基、アリール基などが挙げられ、 炭素数1~8の直鎖、分岐または環状のアルキル 基が好ましい。具体的には、メチル基、エチ ル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、 ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソ プロピル基、イソブチル基、s-ブチル基、t- チル基、イソペンチル基、ネオペンチル基 1-メチルブチル基、イソヘキシル基、2-エチ ヘキシル基、2-メチルヘキシル基、シクロ ンチル基等が挙げられる。
 R 1 、R 2 、R 12 、R 13 は、効果および入手容易性の観点から、好ま しくは、メチル基、エチル基、プロピル基ま たはイソプロピル基である。
 R 3 ~R 5 、R 6 ~R 11 は、効果および入手容易性の観点から、好ま しくは水素原子、メチル基またはエチル基で ある。

 これらの炭化水素基は更に置換基を有して てもよい。
 アルキル基が置換基を有するとき、置換ア キル基は置換基とアルキレン基との結合に り構成される。
 ここで、置換基としては、水素を除く一価 非金属原子団が用いられる。好ましい例と ては、ハロゲン原子(-F、-Br、-Cl、-I)、ヒド キシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基 メルカプト基、アルキルチオ基、アリール オ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ 、アミノ基、N-アルキルアミノ基、N,N-ジア ールアミノ基、N-アルキル-N-アリールアミ 基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ 、ν-アルキルカルバモイルオキシ基、N-アリ ールカルバモイルオキシ基、N,N-ジアルキル ルバモイルオキシ基、N,N-ジアリールカルバ イルオキシ基、N-アルキル-N-リールカルバ イルオキシ基、アルキルスルホキシ基、ア ールスルホキシ基、アシルチオ基、アシル ミノ基、N-アルキルアシルアミノ基、N-アリ ルアシルアミノ基、ウレイド基、N’-アル ルウレイド基、N’,N’-ジアルキルウレイド 、N’-アリールウレイド基、N’,N’-ジアリ ルウレイド基、N’-アルキル-N’-アリール レイド基、N-アルキルウレイド基、N-アリー ウレイド基、N’-アルキル-N-アルキルウレ ド基、N’-アルキル-N-アリールウレイド基、 N’,N’-ジアルキル-N-アルキルウレイト基、N ,N’-ジアルキル-N-アリールウレイド基、N’ -アリール-ν-アルキルウレイド基、N’-アリ ル-N-アリールウレイド基、N’,N’-ジアリー -N-アルキルウレイド基、N’,N’-ジアリール -N-アリールウレイド基、N’-アルキル-N’-ア ール-N-アルキルウレイド基、N’-アルキル-N ’-アリール-N-アリールウレイド基、アルコ シカルボニルアミノ基、アリーロキシカル ニルアミノ基、N-アルキル-N-アルコキシカル ボニルアミノ基、N-アルキル-N-アリーロキシ ルボニルアミノ基、N-アリール-N-アルコキ カルボニルアミノ基、N-アリール-N-アリーロ キシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシ ル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニ ル基、

アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基 、N-アルキルカルバモイル基、N,N-ジアルキル カルバモイル基、N-アリールカルバモイル基 N,N-ジアリールカルバモイル基、N-アルキル- N-アリールカルバモイル基、アルキルスルフ ニル基、アリールスルフィニル基、アルキ スルホニル基、アリールスルホニル基、ス ホ基(-SO 3 H)およびその共役塩基基(以下、スルホナト基 と称す)、アルコキシスルホニル基、アリー キシスルホニル基、スルフィナモイル基、N- アルキルスルフィナモイル基、N,N-ジアルキ スルフィナモイル基、N-アリールスルフィナ モイル基、N,N-ジアリールスルフィナモイル 、N-アルキル-N-アリールスルフィナモイル基 、スルファモイル基、N-アルキルスルファモ ル基、N,N-ジアルキルスルファモイル基、N- リールスルファモイル基、N,N-ジアリールス ルファモイル基、N-アルキル-N-アリールスル ァモイル基ホスフォノ基(-PO 3 H 2 )およびその共役塩基基(以下、ホスフォナト と称す)、ジアルキルホスフォノ基(-PO 3 (alkyl) 2 )、ジアリールホスフォノ基(-PO 3 (aryl) 2 )、アルキルアリールホスフォノ基(-PO 3 (alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノ基(-PO 3 H(alkyl))およびその共役塩基基(以後、アルキ ホスフォナト基と称す)、モノアリールホス ォノ基(-PO 3 H(aryl))およびその共役塩基基(以後、アリール ホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキシ (-OPO 3 H 2 )およびその共役塩基基(以後、ホスフォナト キシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキ シ基(-OPO 3 (alkyl) 2 )、ジアリールホスフォノオキシ基(-OPO 3 (aryl) 2 )、アルキルアリールホスフォノオキシ基(-OPO (alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ (-OPO 3 H(alkyl))およびその共役塩基基(以後、アルキ ホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリー ホスフォノオキシ基(-OPO 3 H(aryl))およびその共役塩基基(以後、アリール フォスホナトオキシ基と称す)、モルホルノ 、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アル ニル基、アルキニル基が挙げられる。

 これらの置換基における、アルキル基の具 例としては、前述のアルキル基が同様に挙 られ、アリール基の具体例としては、フェ ル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル 、キシリル基、メシチル基、クメニル基、 ロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロ メチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基 メトキシフェニル基、エトキシフェニル基 フェノキシフェニル基、アセトキシフェニ 基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチ フェニル基、フェニルチオフェニル基、メ ルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェ ル基、アセチルアミノフェニル基、カルボ シフェニル基、メトキシカルボニルフェニ 基、エトキシフェニルカルボニル基、フェ キシカルボニルフェニル基、N-フェニルカ バモイルフェニル基、フェニル基、シアノ ェニル基、スルホフェニル基、スルホナト ェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフ ナトフェニル基等を挙げることができる。 た、アルケニル基の例としては、ビニル基 1-プロペニル基、1-ブテニル基、シンナミル 、2-クロロ-1-エテニル基等が挙げられ、ア キニル基の例としては、エチニル基、1-プロ ピニル基、1-ブチニル基、トリメチルシリル チニル基等が挙げられる。アシル基(G 1 CO-)におけるG 1 としては、水素、ならびに上記のアルキル基 、アリール基を挙げることができる。

 これら置換基のうち、より好ましいもの してはハロゲン原子(-F、-Br、-Cl、-I)、アル キシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基 アリールチオ基、N-アルキルアミノ基、N,N- アルキルアミノ基、アシルオキシ基、N-ア キルカルバモイルオキシ基、N-アリールカバ モイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル 基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシ カルボニル基、アリーロキシカルボニル基、 カルバモイル基、N-アルキルカルバモイル基 N,N-ジアルキルカルバモイル基、N-アリール ルバモイル基、N-アルキル-N-アリールカル モイル基、スルホ基、スルホナト基、スル ァモイル基、N-アルキルスルファモイル基、 N,N-ジアルキルスルファモイル基、N-アリール スルファモイル基、N-アルキル-N-アリールス ファモイル基、ホスフォノ基、ホスフォナ 基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリール スフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、 ルキルホスフォナト基、モノアリールホス ォノ基、アリールホスフォナト基、ホスフ ノオキシ基、ホスフォナトオキシ基、アリ ル基、アルケニル基が挙げられる。

 一方、置換アルキル基におけるアルキレ 基としては前述の炭素数1から20までのアル ル基上の水素原子のいずれか1つを除し、2 の有機残基としたものを挙げることができ 好ましくは炭素原子数1から12までの直鎖状 炭素原子数3から12までの分岐状ならびに炭 原子数5から10までの環状のアルキレン基を げることができる。該置換基とアルキレン を組み合わせる事により得られる置換アル ル基の、好ましい具体例としては、クロロ チル基、ブロモメチル基、2-クロロエチル基 、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基 、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシ メチル基、フェノキシメチル基、メチルチオ メチル基、トリルチオメチル基、エチルアミ ノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モ ルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル 基、ベンゾイルオキシメチル基、N-シクロヘ シルカルバモイルオキシエチル基、N-フェ ルカルバモイルオキシエチル基、アセチル ミノエチル基、N-メチルベンゾイルアミノプ ロピル基、2-オキシエチル基、2-オキシプロ ル基、カルボキシプロピル基、メトキシカ ボニルエチル基、アリルオキシカルボニル チル基、

 クロロフェノキシカルボニルメチル基、 ルバモイルメチル基、N-メチルカルバモイ エチル基、N,N-ジプロピルカルバモイルメチ 基、N-(メトキシフェニル)カルバモイルエチ ル基、N-メチル-N-(スルホフェニル)カルバモ ルメチル基、スルホブチル基、スルホナト チル基、スルファモイルブチル基、N-エチル スルファモイルメチル基、N,N-ジプロピルス ファモイルプロピル基、N-トリルスルファモ イルプロピル基、N-メチル-N-(ホスフォノフェ ニル)スルファモイルオクチル基、ホスフォ ブチル基、ホスフォナトヘキシル基、ジエ ルホスフォノブチル基、ジフェニルホスフ ノプロピル基、メチルホスフォノブチル基 メチルホスフォナトブチル基、トリルホス ォノへキシル基、トリルホスフォナトヘキ ル基、ホスフォノオキシプロピル基、ホス ォナトオキシブチル基、ベンジル基、フェ チル基、α-メチルベンジル基、1-メチル-1-フ ェニルエチル基、p-メチルベンジル基、シン ミル基、アリル基、1-プロペニルメチル基 2-ブテニル基、2-メチルアリル基、2-メチル ロペニルメチル基、2-プロピニル基、2-ブチ ル基、3-ブチニル基等を挙げることができ 。

 L 1 ~L 4 は、それぞれ独立に単結合又は多価の有機連 結基を表す。
 ここで単結合とは、ポリマーの主鎖と-SiR 1 3-n (OR 2 ) n 、-SiR 13 3-m (OR 12 ) m 、Y 1 、Y 2 が連結鎖なしに直接結合していることを表す 。
 有機連結基とは、非金属原子からなる連結 を示し、非金属原子からなる2価の連結基を 示すことが好ましく、0個から200個までの炭 原子、0個から150個までの窒素原子、0個から 200個までの酸素原子、0個から400個までの水 原子、および0個から100個までの硫黄原子か 成り立つものであることが好ましい(ただし 、炭素原子、窒素原子、酸素原子、水素原子 および硫黄原子のすべてが0個であることは い)。-O-、-S-、-CO-、-NH-、-N<、脂肪族基、 香族基、複素環基、およびそれらの組合せ ら選ばれることがより好ましい。連結基は -O-、-S-、-CO-、-NH-、およびそれらの組合せか ら選ばれることがさらに好ましい。より具体 的な連結基としては下記の連結基またはこれ らが組み合わされて構成される連結基を挙げ ることができる。

 また、L 1 ~L 4 はポリマー又はオリゴマーから形成されてい てもよく、具体的には不飽和二重結合系モノ マーからなるポリアクリレート、ポリメタク リレート、ポリアクリロニトリル、ポリビニ ル、ポリスチレンなどを含むことが好ましく 、その他の好ましい例として、ポリ(オキシ ルキレン)、ポリウレタン、ポリウレア、ポ エステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリ ーボネート、ポリアミノ酸、ポリシロキサ 等が挙げられ、好ましくは、ポリアクリレ ト、ポリメタクリレート、ポリアクリロニ リル、ポリビニル、ポリスチレンが挙げら 、より好ましくは、ポリアクリレート、ポ メタクリレートである。
 これらポリマー及びオリゴマーに用いられ 構造単位は1種類でもよく、2種類以上であ てもよい。また、L 1 ~L 4 がポリマーまたはオリゴマーの場合は構成す る元素数に制限は特になく、分子量は1,000~1,0 00,000が好ましく、1,000~500,000がさらに好まし 、1,000~200,000が最も好ましい。

 x及びyは組成比を表し、xは0<x<100、yは0& lt;y<100である。xは10<x<99の範囲である とが好ましく、50<x<99の範囲であること さらに好ましい。yは1<y<90の範囲である ことが好ましく1<y<50の範囲であることが さらに好ましい。
 nおよびmはそれぞれ独立に1~3の整数を表す

 Y 1 及びY 2 は、各々独立に、-OH、-OR a 、-COR a 、-CO 2 R e 、-CON(R a )(R b )、-N(R a )(R b )、-NHCOR d 、-NHCO 2 R a 、-OCON(R a )(R b )、-NHCON(R a )(R b )、-SO 3 R e 、-OSO 3 R e 、-SO 2 R d 、-NHSO 2 R d 、-SO 2 N(R a )(R b )、-N(R a )(R b )(R c )、-N(R a )(R b )(R c )(R g )、-PO 3 (R e )(R f )、-OPO 3 (R e )(R f )、及び-PO 3 (R d )(R e )からなる群より選択される構造を1つ以上有 る基を表す。ここで、R a 、R b 及びR c は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル 基(好ましくは炭素数1~8の直鎖、分岐または 状のアルキル基)を表し、R d は、アルキル基(好ましくは炭素数1~8の直鎖 分岐または環状のアルキル基)を表し、R e 及びR f は、それぞれ独立に水素原子またはアルキル 基(好ましくは炭素数1~8の直鎖、分岐または 状のアルキル基)、アルカリ金属、アルカリ 類金属、またはオニウムを表し、R g は、アルキル基(好ましくは炭素数1~8の直鎖 分岐または環状のアルキル基)、ハロゲン原 、無機アニオン、または有機アニオンを表 。
 また、-CON(R a )(R b )、-OCON(R a )(R b )、-NHCON(R a )(R b )、-SO 2 N(R a )(R b )-PO 3 (R e )(R f )、-OPO 3 (R e )(R f )、-PO 2 (R d )(R e )、-N(R a )(R b )(R c )又は-N(R a )(R b )(R c )(R g )についてR a ~R g が互いに結合して環を形成していてもよく、 また、形成された環は酸素原子、硫黄原子、 窒素原子などのヘテロ原子を含むヘテロ環で あってもよい。R a ~R g はさらに置換基を有していてもよく、ここで 導入可能な置換基としては、前述の導入可能 な置換基として挙げたものを同様に挙げるこ とができる。

 R a 、R b 又はR c としては具体的には水素原子、メチル基、エ チル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基 、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、イ ソプロピル基、イソブチル基、s-ブチル基、t -ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル 、1-メチルブチル基、イソヘキシル基、2-エ ルヘキシル基、2-メチルヘキシル基、シク ペンチル基等が好適に挙げられる。

 R d としては具体的には、メチル基、エチル基、 プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシ ル基、ヘプチル基、オクチル基、イソプロピ ル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル 、イソペンチル基、ネオペンチル基、1-メチ ルブチル基、イソヘキシル基、2-エチルヘキ ル基、2-メチルヘキシル基、シクロペンチ 基等が好適に挙げられる。
 R e 、R f としては具体的には、R d で挙げられるアルキル基の他に、水素原子; チウム、ナトリウム、カリウム等のアルカ 金属;カルシウム、バリウム等のアルカリ土 金属、または、アンモニウム、ヨードニウ 、スルホニウムなどのオニウムが挙げられ 。
 R d ~R f がお互い結合して環を形成していてもよく、 また、形成された環は酸素原子、硫黄原子、 窒素原子などのヘテロ原子を含むヘテロ環で あってもよい。R d ~R f はさらに置換基を有していてもよく、ここで 導入可能な置換基としては、前述の導入可能 な置換基として挙げたものを同様に挙げるこ とができる。

 R g としては具体的には、R a ~R c で挙げられるアルキル基の他に、水素原子; ッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲ 原子;硝酸アニオン、硫酸アニオン、テトラ ルオロホウ酸アニオン、ヘキサフルオロリ 酸アニオン等の無機アニオン、メタンスル ン酸アニオン、トリフルオロメタンスルホ 酸アニオン、ノナフルオロブタンスルホン アニオン、p-トルエンスルホン酸アニオン の有機アニオンが挙げられる。
 Y 1 及びY 2 は、-CO 2 - Na + 、-CONH 2 、-SO 3 - Na + 、-SO 2 NH 2 、-PO 3 H 2 等が好ましい。 

 (A)親水性ポリマーの分子量としては、1,00 0~1,000,000が好ましく、1,000~500,000がさらに好ま しく、1,000~200,000が最も好ましい。

 前述した(A)親水性ポリマーは単独で用いて 、2種以上併用してもよい。
 親水性ポリマー(A1)と親水性ポリマー(A2)を 合して用いる場合は親水性組成物中に含ま る親水性ポリマー(A1)と親水性ポリマー(A2)の 質量比(親水性ポリマー(A1)/親水性ポリマー(A2 ))は5/95~50/50の範囲であることが好ましい。8/9 2~45/55であることがより好ましく、10/90~40/60で あることがさらに好ましい。
 親水性ポリマー(A1)と親水性ポリマー(A2)の 量比率を上記範囲とすることで、良好な親 性を維持しつつ、密着性及び耐汚染性が優 たものとなる。

 以下に、親水性ポリマー(A1)の具体例及び 、親水性ポリマー(A2)の具体例をその質量平 分子量(M.W.)とともに以下に示すが、本発明 これらに限定されない。なお、以下に示す 体例のポリマーは、記載される各構造単位 記載のモル比で含まれるランダム共重合体 あることを意味する。

 親水性ポリマー(A1)の重合方法としては、前 記構造単位で表される、ラジカル重合可能な モノマーと、ラジカル重合において連鎖移動 能を有する化合物、若しくは、ラジカル開始 剤を用いてラジカル重合することにより合成 することができる。即ち、後者においては、 反応性基を有する化合物が連鎖移動能、若し くは、ラジカル開始能を有するため、ラジカ ル重合においてポリマー主鎖末端に反応性基 が導入されたポリマーを合成することができ る。
 親水性ポリマー(A2)の重合方法としては、に ついては、ラジカル重合法としては、従来公 知の方法の何れをも使用することができる。
 この反応様式は特に制限されるものではな が、ラジカル重合開始剤の存在下、或いは 高圧水銀灯の照射下において、バルク反応 溶液反応、懸濁反応などを行えばよい。具 的には、一般的なラジカル重合法は、例え 、新高分子実験学3、高分子の合成と反応1( 分子学会編、共立出版)、新実験化学講座19 高分子化学(I)(日本化学会編、丸善)、物質 学講座、高分子合成化学(東京電気大学出版 )等に記載されており、これらを適用するこ とができる。

 また、(A)親水性ポリマーは、他のモノマー の共重合体であってもよい。他のモノマー しては、例えば、アクリル酸エステル類、 タクリル酸エステル類、アクリルアミド類 メタクリルアミド類、ビニルエステル類、 チレン類、アクリル酸、メタクリル酸、ア リロニトリル、無水マレイン酸、マレイン イミド等の公知のモノマーも挙げられる。 のようなモノマー類を共重合させることで 製膜性、膜強度、親水性、疎水性、溶解性 反応性、安定性等の諸物性を改善すること できる。
 前記一般式で表される構造単位以外の、共 合体の合成に使用されるこれらの他のモノ ーの総割合は80質量%以下であることが好ま く、さらに好ましくは50質量%以下である。

 (A)親水性ポリマーは、親水性組成物の不 発性成分に対して、硬化性と親水性の観点 ら、好ましくは5~95質量%、更に好ましくは15 ~90質量%、最も好ましくは20~85質量%の範囲で 有される。(A)親水性ポリマーは、1種類で用 ても2種以上併用してもよい。 

[(B)触媒]
 親水性組成物には、前記(A)親水性ポリマー 反応を促進する(B)触媒を含有することが好 しい。(B)触媒を含有することにより、前述 有機無機複合体ゾル液の調製においては、 水分解及び重縮合反応を促進し、実用上好 しい反応効率を得ることができる。

 (B)触媒は、不揮発性の触媒であることが好 しい。ここで、不揮発性の触媒とは、沸点 125℃未満のもの以外の触媒を意味し、換言 れば、沸点が125℃以上のものや、そもそも 点がないもの(熱分解など、相変化を起こさ ないものを含む)等が含まれる。
 好ましくは、(B)触媒は、後述の(C)アルコキ ド化合物を加水分解、重縮合し、(A)親水性 リマーと結合を生起させる反応を促進する 酸性触媒又は塩基性触媒を用いることがで る。

 酸性触媒又は塩基性触媒は、酸性化合物も くは塩基性化合物をそのまま用いるか、又 、酸性化合物もしくは塩基性化合物を水ま はアルコールなどの溶媒に溶解させた状態 もの(以下、これらを包括してそれぞれ酸性 触媒、塩基性触媒とも称する)を用いること できる。
 酸性化合物もしくは塩基性化合物を溶媒に 解させる際の濃度については特に限定はな 、用いる酸性化合物もしくは塩基性化合物 特性、触媒の所望の含有量などに応じて適 選択すればよい。ここで、触媒を構成する 性化合物もしくは塩基性化合物の濃度が高 場合は、加水分解、重縮合速度が速くなる 向がある。但し、濃度の高い塩基性触媒を いると、ゾル溶液中で沈殿物が生成する場 があるため、塩基性触媒を用いる場合、そ 濃度は水溶液での濃度換算で1N以下である とが望ましい。

 酸性触媒及び塩基性触媒の種類は特に限定 れないが、濃度の濃い触媒を用いる必要が る場合には乾燥後に塗膜中にほとんど残留 ないような元素から構成される触媒がよい
 具体的には、酸性触媒としては、塩酸など ハロゲン化水素、硝酸、硫酸、亜硫酸、硫 水素、過塩素酸、過酸化水素、炭酸、蟻酸 酢酸などのカルボン酸、そのRCOOHで表され 構造式のRを他元素または置換基によって置 した置換カルボン酸、ベンゼンスルホン酸 どのスルホン酸などが挙げられる。塩基性 媒としては、アンモニア水などのアンモニ 性塩基、エチルアミンやアニリンなどのア ン類などが挙げられる。

 金属錯体からなるルイス酸触媒もまた好ま く使用できる。特に好ましい触媒は、金属 体触媒であり、周期律表の2A,3B,4A及び5A族か ら選ばれる金属元素とβ-ジケトン、ケトエス テル、ヒドロキシカルボン酸又はそのエステ ル、アミノアルコール、エノール性活性水素 化合物の中から選ばれるオキソ又はヒドロキ シ酸素含有化合物から構成される金属錯体で ある。
 構成金属元素の中では、Mg,Ca,Sr,Baなどの2A族 元素、Al,Gaなどの3B族元素,Ti,Zrなどの4A族元素 及びV,Nb及びTaなどの5A族元素が好ましく、そ ぞれ触媒効果の優れた錯体を形成する。そ 中でもZr、Al及びTiから得られる錯体が優れ おり、好ましい。

 上記金属錯体の配位子を構成するオキソ はヒドロキシ酸素含有化合物は、アセチル セトン(2,4-ペンタンジオン)、2,4-ヘプタンジ オンなどのβジケトン、アセト酢酸メチル、 セト酢酸エチル、アセト酢酸ブチルなどの トエステル類、乳酸、乳酸メチル、サリチ 酸、サリチル酸エチル、サリチル酸フェニ 、リンゴ酸,酒石酸、酒石酸メチルなどのヒ ドロキシカルボン酸及びそのエステル、4-ヒ ロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、4-ヒドロキ -2-ペンタノン、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ヘプ タノン、4-ヒドロキシ-2-ヘプタノンなどのケ アルコール類、モノエタノールアミン、N,N- ジメチルエタノールアミン、N-メチル-モノエ タノールアミン、ジエタノールアミン、トリ エタノールアミンなどのアミノアルコール類 、メチロールメラミン、メチロール尿素、メ チロールアクリルアミド、マロン酸ジエチル エステルなどのエノール性活性化合物、アセ チルアセトン(2,4-ペンタンジオン)のメチル基 、メチレン基またはカルボニル炭素に置換基 を有する化合物が挙げられる。

 好ましい配位子はアセチルアセトン誘導 である。アセチルアセトン誘導体とは、ア チルアセトンのメチル基、メチレン基また カルボニル炭素に置換基を有する化合物を す。アセチルアセトンのメチル基に置換す 置換基としては、いずれも炭素数が1~3の直 又は分岐のアルキル基、アシル基、ヒドロ シアルキル基、カルボキシアルキル基、ア コキシ基、アルコキシアルキル基であり、 セチルアセトンのメチレン基に置換する置 基としてはカルボキシル基、いずれも炭素 が1~3の直鎖又は分岐のカルボキシアルキル 及びヒドロキシアルキル基であり、アセチ アセトンのカルボニル炭素に置換する置換 としては炭素数が1~3のアルキル基であって の場合はカルボニル酸素には水素原子が付 して水酸基となる。

 好ましいアセチルアセトン誘導体の具体 としては、エチルカルボニルアセトン、n- ロピルカルボニルアセトン、i-プロピルカル ボニルアセトン、ジアセチルアセトン、1― セチル-1-プロピオニル-アセチルアセトン、 ドロキシエチルカルボニルアセトン、ヒド キシプロピルカルボニルアセトン、アセト 酸、アセトプロピオン酸、ジアセト酢酸、3 ,3-ジアセトプロピオン酸、4,4-ジアセト酪酸 カルボキシエチルカルボニルアセトン、カ ボキシプロピルカルボニルアセトン、ジア トンアルコールが挙げられる。

 中でも、アセチルアセトン及びジアセチ アセトンがとくに好ましい。上記のアセチ アセトン誘導体と上記金属元素の錯体は、 属元素1個当たりにアセチルアセトン誘導体 が1~4分子配位する単核錯体であり、金属元素 の配位可能の手がアセチルアセトン誘導体の 配位可能結合手の数の総和よりも多い場合に は、水分子、ハロゲンイオン、ニトロ基、ア ンモニオ基など通常の錯体に汎用される配位 子が配位してもよい。

 好ましい金属錯体の例としては、トリス( アセチルアセトナト)アルミニウム錯塩、ジ( セチルアセトナト)アルミニウム・アコ錯塩 、モノ(アセチルアセトナト)アルミニウム・ ロロ錯塩、ジ(ジアセチルアセトナト)アル ニウム錯塩、エチルアセトアセテートアル ニウムジイソプロピレート、アルミニウム リス(エチルアセトアセテート)、環状アルミ ニウムオキサイドイソプロピレート、トリス (アセチルアセトナト)バリウム錯塩、ジ(アセ チルアセトナト)チタニウム錯塩、トリス(ア チルアセトナト)チタニウム錯塩、ジ-i-プロ ポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタニウ 錯塩、ジルコニウムトリス(エチルアセトア セテート)、ジルコニウムトリス(安息香酸)錯 塩、等が挙げられる。これらは水系塗布液で の安定性及び、加熱乾燥時のゾルゲル反応で のゲル化促進効果に優れているが、中でも、 特にエチルアセトアセテートアルミニウムジ イソプロピレート、アルミニウムトリス(エ ルアセトアセテート)、ジ(アセチルアセトナ ト)チタニウム錯塩、ジルコニウムトリス(エ ルアセトアセテート)が好ましい。

 上記した金属錯体の対塩の記載を本明細書 おいては省略しているが、対塩の種類は、 体化合物としての電荷の中性を保つ水溶性 である限り任意であり、例えば硝酸塩、ハ ゲン酸塩、硫酸塩、燐酸塩などの化学量論 中性が確保される塩の形が用いられる。
 金属錯体のシリカゾルゲル反応での挙動に いては、J.Sol-Gel.Sci.and Tec.16.209(1999)に詳細 記載がある。反応メカニズムとしては以下 スキームを推定している。すなわち、塗布 中では、金属錯体は、配位構造を取って安 であり、塗布後の加熱乾燥過程に始まる脱 縮合反応では、酸触媒に似た機構で架橋を 進させるものと考えられる。いずれにして 、この金属錯体を用いたことにより塗布液 時安定性及び皮膜面質の改善と、高親水性 高耐久性の、いずれも満足させることがで る。

 上記の金属錯体触媒は、市販品として容 に入手でき、また公知の合成方法、例えば 金属塩化物とアルコールとの反応によって 得られる。

 (B)触媒は、親水性組成物中、不揮発性成 に対して、好ましくは0~50質量%、更に好ま くは5~25質量%の範囲で使用される。また、(B) 触媒は、単独で用いても2種以上併用しても い。

[(C)アルコキシド化合物]
 親水性組成物中には、(C)アルコキシド化合 (すなわち、(C)Si、Ti、Zr、及びAlから選択さ る元素のアルコキシド化合物)を含有するこ とが好ましい。アルコキシド化合物としては 、その構造中に重合性の官能基を有し、架橋 剤としての機能を果たす加水分解重合性化合 物であることが好ましい。このような(C)アル コキシド化合物が前記(A)親水性ポリマーとと もに親水性組成物に含まれていると、基板表 面に親水性組成物を塗布して加熱、乾燥した ときに、(A)親水性ポリマーと(C)アルコキシド 化合物とが縮重合して、架橋構造を有する強 固な被膜を形成することができる。
 (C)アルコキシド化合物は、下記一般式(3)又 (4)で表される化合物であることが好ましい

 (R 20 ) k -Z-(OR 21 ) 4-k         (3)
  Al-(OR 21 ) 3               (4)

 一般式(3)および(4)中、R 20 は水素原子、アルキル基又はアリール基を表 し、R 21 はアルキル基又はアリール基を表し、ZはSi、 Ti又はZrを表し、kは0~2の整数を表す。R 20 及びR 21 がアルキル基を表す場合の炭素数は好ましく は1から4である。アルキル基又はアリール基 置換基を有していてもよく、導入可能な置 基としては、ハロゲン原子、アミノ基、メ カプト基などが挙げられる。なお、この化 物は低分子化合物であり、分子量1000以下で あることが好ましい。

 以下に、一般式(3)又は(4)で表される特定ア コキシドの具体例を挙げるが、本発明はこ に限定されるものではない。
 ZがSiの場合、即ち、特定アルコキシド中に イ素を含むものとしては、例えば、トリメ キシシラン、トリエトキシシラン、トリプ ポキシシラン、テトラメトキシシラン、テ ラエトキシシラン、テトラプロポキシシラ 、メチルトリメトキシシラン、エチルトリ トキシシラン、プロピルトリメトキシシラ 、メチルトリエトキシシラン、エチルトリ トキシシラン、プロピルトリエトキシシラ 、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジ トキシシラン、γ-クロロプロピルトリエト シシラン、γ-メルカプトプロピルトリメト シシラン、γ-メルカプトプロピルトリエト シシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシ ラン、フェニルトリメトキシシラン、フェ ルトリエトキシシラン、フェニルトリプロ キシシラン、ジフェニルジメトキシシラン ジフェニルジエトキシシラン等を挙げるこ ができる。これらのうち特に好ましいもの しては、テトラメトキシシラン、テトラエ キシシラン、メチルトリメトキシシラン、 チルトリメトキシシラン、メチルトリエト シシラン、エチルトリエトキシシラン、ジ チルジエトキシシラン、フェニルトリメト シシラン、フェニルトリエトキシシラン、 フェニルジメトキシシラン、ジフェニルジ トキシシラン等を挙げることができる。

 ZがTiである場合、即ち、チタンを含むもの しては、例えば、トリメトキシチタネート テトラメトキシチタネート、トリエトキシ タネート、テトラエトキシチタネート、テ ラプロポキシチタネート、クロロトリメト シチタネート、クロロトリエトキシチタネ ト、エチルトリメトキシチタネート、メチ トリエトキシチタネート、エチルトリエト シチタネート、ジエチルジエトキシチタネ ト、フェニルトリメトキシチタネート、フ ニルトリエトキシチタネート等を挙げるこ ができる。
 ZがZrである場合、即ち、ジルコニウムを含 ものとしては、例えば、前記チタンを含む のとして例示した化合物に対応するジルコ ートを挙げることができる。
 一般式(4)で表される化合物、即ち、特定ア コキシド中にアルミニウムを含むものとし は、例えば、トリメトキシアルミネート、 リエトキシアルミネート、トリプロポキシ ルミネート、テトラエトキシアルミネート を挙げることができる。
 これらの中でも、ZがSiであるアルコキシド 被膜性の観点から好ましい。

 (C)アルコキシド化合物は、親水性組成物中 、不揮発性成分に対して、好ましくは5~80質 量%、更に好ましくは10~70質量%の範囲で使用 れる。(C)アルコキシド化合物は、単独で用 ても2種以上併用してもよい。
 (C)アルコキシド化合物は市販品が容易に入 できるし、公知の合成方法、たとえば各金 塩化物とアルコールとの反応によっても得 れる。

[その他の添加剤]
 親水性組成物には、前記必須成分に加え、 的に応じて種々の化合物を、本発明の効果 損なわない限りにおいて併用することがで る。以下、併用しうる成分について説明す 。

〔界面活性剤〕
 親水性組成物の被膜面状を向上させるため 界面活性剤を用いるのが好ましい。界面活 剤としては、ノニオン界面活性剤、アニオ 界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界 活性剤、フッ素系界面活性剤等が挙げられ 。

 本発明に用いられるノニオン界面活性剤 、特に限定されず、従来公知のものを用い ことができる。例えば、ポリオキシエチレ アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン ルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエ レンポリスチリルフェニルエーテル類、ポ オキシエチレンポリオキシプロピレンアル ルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エス ル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、 ンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類 プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル 、ショ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキ エチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類 ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部 エステル類、ポリエチレングリコール脂肪 エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エ テル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類 ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分 ステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N ,N-ビス-2-ヒドロキシアルキルアミン類、ポリ オキシエチレンアルキルアミン、トリエタノ ールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルア ミンオキシド、ポリエチレングリコール、ポ リエチレングリコールとポリプロピレングリ コールの共重合体が挙げられる。

 本発明に用いられるアニオン界面活性剤 、特に限定されず、従来公知のものを用い ことができる。例えば、脂肪酸塩類、アビ チン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン 塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキ スルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキル ンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベ ゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレン ルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオ シエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリ キシエチレンアルキルスルホフェニルエー ル塩類、N-メチル-N-オレイルタウリンナト ウム塩、N-アルキルスルホコハク酸モノアミ ド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫 酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸 エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、 ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エ ステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エス テル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェ ニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシ エチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エス テル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポ リオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エ ステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフ ェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレ ン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物 、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部 けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホル リン縮合物類が挙げられる。

 本発明に用いられるカチオン界面活性剤は 特に限定されず、従来公知のものを用いる とができる。例えば、アルキルアミン塩類 第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチ ンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリ ミン誘導体が挙げられる。
 本発明に用いられる両性界面活性剤は、特 限定されず、従来公知のものを用いること できる。例えば、カルボキシベタイン類、 ミノカルボン酸類、スルホベタイン類、ア ノ硫酸エステル類、イミタゾリン類が挙げ れる。
 なお、上記界面活性剤の中で、「ポリオキ エチレン」とあるものは、ポリオキシメチ ン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブ レン等の「ポリオキシアルキレン」に読み えることもでき、本発明においては、それ の界面活性剤も用いることができる。

 更に好ましい界面活性剤としては、分子 にパーフルオロアルキル基を含有するフッ 系界面活性剤が挙げられる。このようなフ 素系界面活性剤としては、例えば、パーフ オロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロ ルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキ リン酸エステル等のアニオン型;パーフルオ ロアルキルベタイン等の両性型;パーフルオ アルキルトリメチルアンモニウム塩等のカ オン型;パーフルオロアルキルアミンオキサ ド、パーフルオロアルキルエチレンオキシ 付加物、パーフルオロアルキル基及び親水 基を含有するオリゴマー、パーフルオロア キル基及び親油性基を含有するオリゴマー パーフルオロアルキル基、親水性基及び親 性基を含有するオリゴマー、パーフルオロ ルキル基及び親油性基を含有するウレタン のノニオン型が挙げられる。また、特開昭6 2-170950号、同62-226143号及び同60-168144号の各公 に記載されているフッ素系界面活性剤も好 に挙げられる。

 界面活性剤は、親水性膜形成用組成物中 、不揮発性成分に対して、好ましくは0.001~1 0質量%、更に好ましくは0.01~5質量%の範囲で使 用される。また、界面活性剤は、単独で又は 2種以上を組み合わせて用いることができる

 好ましい界面活性剤の具体例を以下に示 が、本発明はこれらに限定されない。

〔抗菌剤〕
 親水性部材に抗菌性、防カビ性、防藻性を 与するためには、親水性組成物に抗菌剤を 有させることができる。親水性層の形成に いて、親水性・水溶性の抗菌剤を含有させ ことが好ましい。親水性・水溶性の抗菌剤 含有させることにより、表面親水性を損な ことなく抗菌性、防カビ性、防藻性に優れ 親水性部材が得られる。
 抗菌剤としては、親水性部材の親水性を低 させない化合物を用いることが好ましく、 のような抗菌剤としては、無機系抗菌剤ま は、水溶性の有機系抗菌剤が挙げられる。 菌剤としては、黄色ブドウ球菌や大腸菌に 表される細菌類や、かび、酵母などの真菌 など、身の回りに存在する菌類に対して殺 効果を発揮するものが用いられる。

 有機系の抗菌剤としては、フェノールエー ル誘導体,イミダゾール誘導体,スルホン誘 体,N・ハロアルキルチオ化合物,アニリド誘 体,ピロール誘導体,第4アンモニウム塩、ピ ジン系、トリアジン系、ベンゾイソチアゾ ン系、イソチアゾリン系などが挙げられる
 例えば1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、N- ルオルジクロロメチルチオ-フタルイミド、 2,3,5,6-テトラクロロイソフタロニトリル、N- リクロロメチルチオ-4-シクロヘキセン-1,2-ジ カルボキシイミド、8-キノリン酸銅、ビス(ト リブチル錫)オキシド、2-(4-チアゾリル)ベン イミダゾール〈以後、TBZと表示〉、2-ベンズ イミダゾールカルバミン酸メチル〈以後、BCM と表示〉、10,10’-オキシビスフェノキシアル シン〈以後、OBPAと表示〉、2,3,5,6-テトラクロ ロ-4-(メチルスルフォン)ピリジン、ビス(2-ピ ジルチオ-1-オキシド)亜鉛〈以後、ZPTと表示 〉、N,N-ジメチル-N’-(フルオロジクロロメチ チオ)-N’-フェニルスルファミド〈ジクロル フルアニド〉、ポリ-(ヘキサメチレンビグア ド)ハイドロクロライド、ジチオ-2-2’-ビス( ベンズメチルアミド)、2-メチル-4,5-トリメチ ン-4-イソチアゾリン-3-オン、2-ブロモ-2-ニ ロ-1,3-プロパンジオール、ヘキサヒドロ-1,3- リス-(2-ヒドロキシエチル)-S-トリアジン、p- クロロ-m-キシレノール、1,2-ベンズイソチア リン-3-オン等が挙げられるが、これらに制 されるものではない。
 これら有機系の抗菌剤は、親水性、耐水性 昇華性、安全性等を考慮し、適宜選択して 用することができる。有機系抗菌剤中では 親水性、抗菌効果、コストの点から2-ブロ -2-ニトロ-1,3-プロパンジオール、TBZ、BCM、OBP A、ZPTが好ましい。

 無機系の抗菌剤としては、殺菌作用の高 順に、水銀、銀、銅、亜鉛、鉄、鉛、ビス スなどが挙げられる。例えば、銀、銅、亜 、ニッケル等の金属や金属イオンをケイ酸 系担体、リン酸塩系担体、酸化物、ガラス チタン酸カリウム、アミノ酸等に担持させ ものが挙げられる。たとえばゼオライト系 菌剤、ケイ酸カルシウム系抗菌剤、リン酸 ルコニウム系抗菌剤、リン酸カルシウム抗 剤、酸化亜鉛系抗菌剤、溶解性ガラス系抗 剤、シリカゲル系抗菌剤、活性炭系抗菌剤 酸化チタン系抗菌剤、チタニア系抗菌剤、 機金属系抗菌剤、イオン交換体セラミック 系抗菌剤、層状リン酸塩-四級アンモニウム 塩系抗菌剤、抗菌ステンレス等が挙げられる が、これらに制限されるものではない。

 天然系抗菌剤としては、カニやエビの甲殻 に含まれるキチンを加水分解して得られる 基性多糖類のキトサンがある。
 また、アミノ酸の両側に金属を複合させた ミノメタルからなる日鉱の「商品名ホロン ラービースセラ」が好ましい。
 これらは蒸散性ではなく、また、親水性層 ポリマーや架橋剤成分と相互作用しやすく 安定に分子分散あるいは固体分散可能であ 、親水性層表面に抗菌剤が効果的に露出し すく、かつ、水がかかっても溶出すること く、効果を長期間持続させることができ、 体に影響を及ぼすこともない。また、親水 層や塗布液に対して安定に分散することが き、親水性層や塗布液の劣化もおこらない
 上記抗菌剤の中では、抗菌効果が大きいこ から、銀系無機抗菌剤と水溶性有機抗菌剤 最も好ましい。特にケイ酸塩系担体である オライトに銀を担持させた銀ゼオライトや リカゲルに銀を担持させた抗菌剤や2-ブロ -2-ニトロ-1,3-プロパンジオール、TPN、TBZ、BCM 、OBPA、ZPTが好ましい。特に好ましい市販の ゼオライト系抗菌剤としては、品川燃料の ゼオミック」や富士シリシア化学の「シル ェル」や日本電子材料の「バクテノン」等 ある。その他、銀を無機イオン交換体セラ ックスに担持させた東亜合成の「ノバロン や触媒化成工業の「アトミーボール」やト アジン系抗菌剤の「サンアイバックP」(三愛 石油製)も好ましい。

 抗菌剤の含有量は、一般的には、親水性 成物中に、不揮発性成分に対して、0.001~10 量%であるが、0.005~5質量%が好ましく、0.01~3 量%がより好ましく、0.02~1.5質量%が特に好ま く、0.05~1質量%が最も好ましい。含有量が0.0 01質量%以上であれば効果的な抗菌効果を得る ことができる。また、含有量が10質量%以下で あれば親水性も低下せず、かつ経時性も悪化 せず、防汚性、防曇性に悪影響を及ぼさない 。

〔無機微粒子〕
 親水性組成物には、形成される親水性膜の 化被膜強度向上及び親水性向上のために無 微粒子を含有してもよい。無機微粒子とし は、例えば、シリカ、アルミナ、酸化マグ シウム、酸化チタン、炭酸マグネシウム、 ルギン酸カルシウムまたはこれらの混合物 好適に挙げられる。
 無機微粒子は、平均粒径が、好ましくは5nm~ 10μm、より好ましくは0.5~3μmであるのがよい 上記範囲であると、親水層中に安定に分散 て、親水層の膜強度を十分に保持し、親水 に優れる膜を形成することができる。上述 たような無機微粒子はコロイダルシリカ分 物等の市販品として容易に入手することが きる。

 無機微粒子は、親水性組成物中に、不揮 性成分に対して、好ましくは20質量%以下、 り好ましくは10質量%以下の範囲で使用され 。また、無機微粒子は、単独で又は2種以上 を組み合わせて用いることができる。

〔紫外線吸収剤〕
 親水性部材の耐候性向上、耐久性向上の観 から、親水性組成物には紫外線吸収剤を添 することができる。
 紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58-1 85677号公報、同61-190537号公報、特開平2-782号 報、同5-197075号公報、同9-34057号公報等に記 されたベンゾトリアゾール系化合物、特開 46-2784号公報、特開平5-194483号公報、米国特 第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系 合物、特公昭48-30492号公報、同56-21141号公報 、特開平10-88106号公報等に記載された桂皮酸 化合物、特開平4-298503号公報、同8-53427号公 、同8-239368号公報、同10-182621号公報、特表 8-501291号公報等に記載されたトリアジン系化 合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号 記載された化合物やスチルベン系、ベンズ キサゾール系化合物に代表される紫外線を 収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光 白剤、などが挙げられる。
 添加量は目的に応じて適宜選択されるが、 般的には、固形分換算で0.5~15質量%であるこ とが好ましい。

〔酸化防止剤〕
 親水性部材の安定性向上のため、親水性組 物に酸化防止剤を添加することができる。 化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許、 第223739号公報、同309401号公報、同第309402号 報、同第310551号公報、同第310552号公報、同 459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報 、特開昭54-48535号公報、同62-262047号公報、同6 3-113536号公報、同63-163351号公報、特開平2-26265 4号公報、特開平2-71262号公報、特開平3-121449 公報、特開平5-61166号公報、特開平5-119449号 報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4 980275号明細書等に記載のものを挙げることが できる。
 添加量は目的に応じて適宜選択されるが、 形分換算で0.1~8質量%であることが好ましい

〔溶剤〕
 親水性層形成時に均一な塗膜の形成性を確 するために、親水性組成物に適度に有機溶 を添加することも有効である。
 溶剤としては、例えば、アセトン、メチル チルケトン、ジエチルケトン等のケトン系 剤、メタノール、エタノール、2-プロパノ ル、1-プロパノール、1-ブタノール、tert-ブ ノール等のアルコール系溶剤、クロロホル 、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、 酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステ 系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロ ラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エ レングリコールモノメチルエーテル、エチ ングリコールジメチルエーテル等のグリコ ルエーテル系溶剤、などが挙げられる。
 この場合、VOC(揮発性有機溶剤)の関連から 題が起こらない範囲での添加が有効であり その量は親水性部材形成時の塗布液全体に し0~50質量%が好ましく、より好ましくは0~30 量%の範囲である。

〔高分子化合物〕
 親水性組成物には、親水性層の膜物性を調 するため、親水性を阻害しない範囲で各種 分子化合物を添加することができる。高分 化合物としては、アクリル系重合体、ポリ ニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラー 樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂 ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノ ル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニ ホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹 、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス 、その他の天然樹脂等が使用できる。また これらは2種以上併用してもかまわない。こ れらのうち、アクリル系のモノマーの共重合 によって得られるビニル系共重合が好ましい 。更に、「カルボキシル基含有モノマー」、 「メタクリル酸アルキルエステル」、又は「 アクリル酸アルキルエステル」を構造単位と して含む共重合体も好ましく用いられる。

〔その他〕
 さらにこの他にも、必要に応じて、例えば レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調 するためのワックス類、基板への密着性を 善するために、親水性を阻害しない範囲で ッキファイヤーなどを含有させることがで る。
 タッキファイヤーとしては、具体的には、 開2001-49200号公報の5~6pに記載されている高 子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アク ル酸と炭素数1~20のアルキル基を有するアル ールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭 数3~14の脂環族アルコールとのエステル、(メ タ)アクリル酸と炭素数6~14の芳香族アルコー とのエステルからなる共重合物)や、重合性 不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂 などである。

 親水性組成物には、耐摩耗性、耐酸性及び アルカリ性の観点から、ジルコニアの塩化 、硝酸塩、アルコキシド類および有機錯体 含有することができる。ジルコニアの塩化 としては、塩化ジルコニウム、オキシ塩化 ルコニウム(8水和物)、塩素含有ジルコニウ アルコキシドZr(OC m H 2m+1 ) x Cl y (m、x、y:整数、x+y=4)などが挙げられ、ジルコ ウムの硝酸塩としては、オキシ硝酸ジルコ ウム(2水和物)が挙げられ、ジルコニウムの ルコキシドとしては、ジルコニウムエトキ ド,ジルコニウムプロポキシド、ジルコニウ ムイソプロポキシド、ジルコニウムブトキシ ド、ジルコニウムt-ブトキシドなどが挙げら 、有機錯体としては、アセチルアセトン誘 体が挙げられ、具体的にはテトラキス(アセ チルアセトナト)ジルコニウム、ビス(アセチ アセトナト)ジルコニウムジブトキシド、ビ ス(アセチルアセトナト)ジルコニウムジクロ ド、テトラキス(3,5-ヘプタンジオネート)ジ コニウム、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル- 3,5-ヘプタンジオネート)ジルコニウム、ビス( 2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオネート) ルコニウムジイソプロポキシドなどが挙げ れる。
 上記ジルコニウム化合物は、親水性組成物 に、不揮発性成分として、好ましくは0~50質 量%、より好ましくは5~25質量%の範囲で使用さ れる。

[親水性組成物の調製]
 親水性組成物は、(A)親水性ポリマー(好まし くは、さらに(B)触媒及び(C)アルコキシド化合 物)をエタノールなどの溶媒に溶解後、攪拌 ることで調製できる。
 反応温度は室温~80℃であり、反応時間、即 攪拌を継続する時間は1~72時間の範囲である ことが好ましく、この攪拌により両成分の加 水分解・重縮合を進行させて、有機無機複合 体ゾル液を得ることができる。

 親水性組成物を調製する際に用いる溶媒 しては、各成分を均一に、溶解、分散し得 ものであれば特に制限はないが、例えば、 タノール、エタノール、水等の水系溶媒が ましい。

 前述のように、親水性層を形成するため 有機無機複合体ゾル液(親水性組成物)の調 は、ゾル-ゲル法を利用することができる。 ル-ゲル法については、作花済夫「ゾル-ゲ 法の科学」(株)アグネ承風社(刊)(1988年)、平 硯「最新ゾル-ゲル法による機能性薄膜作成 技術」総合技術センター(刊)(1992年)等の成書 に詳細に記述され、それらに記載の方法を 用することができる。

[親水性層の形成]
 親水性組成物を、適切な基板上に被膜し、 熱ないしは乾燥することで、親水性層を形 することができる。
 被膜の方法は公知の方法を用いることが可 であり、特に限定がなく、例えばスプレー ーティング法、ディップコーティング法、 ローコーティング法、スピンコーティング 、ロールコーティング法、フィルムアプリ ーター法、スクリーン印刷法、バーコータ 法、刷毛塗り、スポンジ塗り等の方法が適 できる。
 親水性層の形成において、親水性組成物で 膜した後の加熱、乾燥条件としては、高密 の架橋構造を効率よく形成するといった観 からは、50~200℃の温度範囲において、2分~1 間程度行うことが好ましく、80~160℃の温度 囲で、5~30分間乾燥することがより好ましい 。また、加熱手段としては、公知の手段、例 えば、温度調整機能を有する乾燥機などを用 いることが好ましい。

 また、親水性組成物で基板を被膜する場 、触媒を被膜直前に混合することができる 具体的には触媒混合直後~1時間以内で塗設 ることが好ましい。触媒を混合し、長時間 置したのちに塗設すると親水性組成物の粘 があがり、塗布むら等の欠陥を生じること ある。その他の成分も塗設直前に混合する とが好ましいが混合後、長時間保存しても まわない。

 親水性層の厚さは、0.01μm~100μmが好ましく 0.02μm~80μmがさらに好ましく、0.05μm~50μmが最 も好ましい。膜厚が0.01μm以上の場合は、十 な親水性、耐久性が得られるため好ましく 膜厚が100μm以下の場合は、クラックが入る ど製膜性に問題を来たすことがなく、好ま い。
 親水性層の乾燥塗布量を、好ましくは0.01g/m 2 ~100g/m 2 、より好ましくは0.02g/m 2 ~80g/m 2 、特に好ましくは0.05g/m 2 ~50g/m 2 とすることで、上記の膜厚を得ることができ る。

<低溶出性層>
[(a)親水性ポリマー]
 低溶出性層は、(a)親水性ポリマー(すなわち 、(a)反応性基を有する親水性ポリマー)を含 する低溶出性層用組成物から形成される。 応性基としては、具体的には、水酸基、ア ノ基、カルボン酸基、スルホン酸基、スル ィン酸基、スルフェン酸基、リン酸基、ホ ホン酸基が挙げられ、中でも、水酸基、カ ボン酸基が好ましい。
 このような(a)親水性ポリマーとしては、公 のものを用いることができる。以下に、(a) 水性ポリマーの具体例を挙げるが、これら 限定されない。
 ポリエチレングリコール、ポリプロピレン リコール等のポリエーテル。ポリ(メタ)ア リル酸、ポリアクリルアミド-2-メチルプロ ンスルホン酸、ポリ(3-スルホプロピル(メタ) アクリレート)、ポリ(2-スルホエチル(メタ)ア クリレート)、ポリスチレンスルホン酸、ポ ビニルスルホン酸、ポリビニルホスホン酸 ポリマレイン酸、ポリイタコン酸、リン酸 含有ポリ(メタ)アクリレート等のアニオン性 のポリマーおよびこれらの塩、ポリアリルア ミン、ポリジメチルアリルアミン、ポリ(塩 (メタ)アクリロイルプロピルトリメチルアン モニウム)、ポリ(塩化(メタ)アクリルアミド ロピルトリメチルアンモニウム)、ポリ(4-ビ ルピリジン)、ポリ(2-ビニルピリジン)等の チオン性のポリマー、ポリ(メタ)アクリルア ミド、ポリジメチル(メタ)アクリルアミド、 リイソプロピル(メタ)アクリルアミド、ポ ビニルアルコール、ポリビニルピロリドン ポリビニルアセトアミド、ポリビニルモル リン等のノニオン性のポリマー、カルボキ ジメチルセルロース、ヒドロキシプロピル チルセルロース、カルボキシメチルセルロ ス、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ シプロピルセルロース、メチルセルロース のセルロース誘導体等。

 上記(a)親水性ポリマーの中でも、親水性層 相互作用の観点から、ポリエチレングリコ ル、ポリプロピレングリコール、ポリビニ アルコール、カルボキシジメチルセルロー 、カルボキシメチルセルロースが好ましく ポリエチレングリコール、カルボキシジメ ルセルロース、ポリビニルアルコールがよ 好ましい。
 (a)親水性ポリマーの親水性を低下させない りにおいて、その他のモノマー成分との共 合体も用いることができる。

 その他のモノマー成分としては、水酸基を するモノマーが好ましい。すなわち、(a)親 性ポリマーは、水酸基を有するモノマーと 共重合体であることが好ましい。水酸基を するモノマーとしては、2-ヒドロキシエチ アクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリ レート、2-ヒドロキシペンチルアクリレート トリメチロールプロパンモノアクリレート ペンタエリスリトールモノアクリレート、 ドロキシベンジルアクリレート、ヒドロキ フェネチルアクリレート、ジヒドロキシフ ネチルアクリレート、ヒドロキシフェニル クリレート、2-(ヒドロキシフェニルカルボ ルオキシ)エチルアクリレート、α-ヒドロキ シメチルメチルアクリレート、α-ヒドロキシ メチルエチルアクリレート、α-ヒドロキシメ チルn-プロピルアクリレート、α-ヒドロキシ チルイソプロピルアクリレート、α-ヒドロ シメチル(n-、i-、sec-またはt-)ブチルアクリ ート、α-ヒドロキシメチルシクロヘキシル クリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリ ート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート 、2-ヒドロキシペンチルメタクリレート、ト メチロールプロパンモノメタクリレート、 ンタエリスリトールモノメタクリレート、 ドロキシベンジルメタクリレート、ヒドロ シフェネチルメタクリレート、ジヒドロキ フェネチルメタクリレート、ヒドロキシフ ニルメタクリレート、2-(ヒドロキシフェニ カルボニルオキシ)エチルメタクリレート、 N-ヒドロキシメチルアクリルアミド、N-ヒド キシエチルアクリルアミド、N-(ヒドロキシ ェニル)アクリルアミド、α-ヒドロキシメチ アクリルアミド、α-ヒドロキシメチル-N、N- ジメチルアクリルアミド、α-ヒドロキシメチ ル-N-イソプロピルアクリルアミド、N-ヒドロ シエチル-N-メチルアクリルアミド、N-[トリ (ヒドロキシメチル)メチル]アクリルアミド N-ヒドロキシメチルメタクリルアミド、N-ヒ ドロキシエチルメタクリルアミド、N-(ヒドロ キシフェニル)メタクリルアミド、N-ヒドロキ シエチル-N-メチルメタクリルアミド、N-[トリ ス(ヒドロキシメチル)メチル]メタクリルアミ ド等が挙げられ、親水性を維持する観点から 、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒド キシエチルメタクリレート、α-ヒドロキシ チルメチルアクリレート、N-ヒドロキシエチ ルアクリルアミド、α-ヒドロキシメチルアク リルアミドが好ましく、2-ヒドロキシエチル クリレート、N-ヒドロキシエチルアクリル ミドがより好ましい。
 水酸基を有するモノマーの総割合は50質量% 下であることが好ましく、さらに好ましく 30質量%以下である。

 (a)親水性ポリマーの質量平均分子量とし は、500以上100,000以下が好ましく、500~80,000 さらに好ましく、1,000~50,000が最も好ましい 500以上であることにより、低溶出性層から (a)親水性ポリマーの溶出を遅らせることが きる。

 (a)親水性ポリマーは、低溶出性層用組成 中に、不揮発性成分に対して、好ましくは5 ~99質量%、更に好ましくは10~98質量%の範囲で 用される。

[(b)架橋剤]
 また、低溶出性層用組成物は(b)架橋剤を含 することが好ましい。(b)架橋剤を含有する とにより、(a)親水性ポリマーが早く溶出し しまうのを抑制する効果が得られる。
 (b)架橋剤は公知のものを用いることができ 。以下に、(b)架橋剤の具体例を挙げるが、 れらに限定されない。
 有機架橋剤としては、イソシアネート系架 剤、エポキシ系架橋剤を好適に用いること できる。イソシアネート系架橋剤としては イソホロンジイソシアネート、1,6-ヘキサメ チレンジイソシアネート、1,4-テトラメチレ ジイソシアネート、2,2,4-トリメチル-1,6-ヘキ サメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカメ レンジイソシアネート、1,3-トリメチレンジ イソシアネート、1,5-ペンタメチレンジイソ アネート、エチレンジイソシアネート、2,3- メチルエチレンジイソシアネート、1-メチ トリメチレンジイソシアネート、リジンジ ソシアネート、2,6-ジイソシアナトメチルカ ロエート、1,3-シクロヘキシレンジイソシア ネート、1,4-シクロヘキシレンジイソシアネ ト、1-イソシアナト-2-イソシアナトメチルシ クロペンタン、ビス-(4-イソシアナトシクロ キシル)-メタン、1,3-および1,4-ビス-(イソシ ナトメチル)-シクロヘキサン、ビス-(4-イソ アナトシクロへキシル)-メタン、2,4’-ジイ シアナトジシクロへキシルメタン、ビス-(4- ソシアナト-3-メチルシクロへキシル)-メタ 、1-イソシアナト-1-メチル-4(3)-イソシアナト メチルシクロヘキサン、1,3-シクロペンチレ ジイソシアネート、1,2-シクロヘキシレンジ ソシアネート、水素添加トリレンジイソシ ネート、水素添加キシレンジイソシアネー 、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネ ト、3,3’-ジメチル-4,4’-ジシクロヘキシル タンジイソシアネート、2,3-(ビス-(8-イソシ ナトオクチル)-4-オクチル-5-ヘキシルシクロ ヘキサン、3(4)-イソシアナトメチル-1-メチル クロヘキシルイソシアネート等の脂肪族、 環式のものが挙げられ、

2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレン イソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジ イソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジ ソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイ シアネート、4,4″-ジフェニルエーテルジイ ソシアネート、2-ニトロジフェニル-4,4″-ジ ソシアネート、2,2″-ジフェニルプロパン-4,4 ″-ジイソシアネート、3,3″-ジメチルジフェ ルメタン-4,4″-ジイソシアネート、4,4″-ジ ェニルプロパンジイソシアネート、ナフチ ン-1,4-ジイソシアネート、ナフチレン-1,5-ジ イソシアネート、3,3″-ジメトキシジフェニ -4,4″-ジイソシアネート、2,4-ジイソシアナ トルエン2,6-ジイソシアナトトルエン、1,3-キ シリレンジイソシアネート、1,4-キシリレン イソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシア ート、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンジ ソシアネート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフ ニレンジイソシアネート、2,3’-ジクロロ-4, 4’-ビフェニレンジイソシアネート、1,5-ナフ タレンジイソシアネート、ビス-(4-イソシア トフェニル)メタン、ノルボルナンジイソシ ネート、1,5-ジブチルペンタメチレンジイソ シアネート等の芳香族のものが挙げられる。
 これらジイソシアネート系架橋剤のうち、 ましくはイソホロンジイソシアネート、1,6- ヘキサメチレンジイソシアネート、2,4-トリ ンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシ ネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシア ネートが挙げられ、より好ましくは1,6-ヘキ メチレンジイソシアネート、2,4-トリレンジ ソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネー トが挙げられる。

 エポキシ系架橋剤としてはポリエチレン リコールジグリシジルエーテル、エチレン- ポリエチレングリコールジグリシジルエーテ ル、ポリプロピレングリコールジグリシジル エーテル、プロピレン-ポリプロピレングリ ールジグリシジルエーテル、ソルビトール- リグリシジルエーテル等が挙げられ、好ま くはポリエチレングリコールジグリシジル ーテル、エチレン-ポリエチレングリコール ジグリシジルエーテルが挙げられ、より好ま しくはポリエチレングリコールジグリシジル エーテルが挙げられる。

 無機架橋剤としては、アルコキシシリル を有する化合物を好適に用いることができ 。アルコキシシリル基を有する化合物とし は、テトラメトキシシラン、テトラエトキ シラン、テトラプロポキシシラン、テトラ トキシラン、ジメトキシジエトキシシラン ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメ キシシラン、プロピルメチルジメトキシシ ン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチル エトキシシラン、ジプロピルジエトキシシ ン、γ-クロロプロピルメチルジエトキシシ ン、γ-クロロプロピルジメチルジメトキシ ラン、クロロジメチルジエトキシシラン、( p-クロロメチル)フェニルメチルジメトキシシ ラン、γ-ブロモプロピルメチルジメトキシシ ラン、アセトキシメチルメチルジエトキシシ ラン、アセトキシメチルメチルジメトキシシ ラン、アセトキシプロピルメチルジメトキシ シラン、ベンゾイロキシプロピルメチルジメ トキシシラン、2-(カルボメトキシ)エチルメ ルジメトキシシラン、フェニルメチルジメ キシシラン、フェニルエチルジエトキシシ ン、フェニルメチルジプロポキシシラン、 ドロキシメチルメチルジエトキシシラン、N- (メチルジエトキシシリルプロピル)-O-ポリエ レンオキシドウレタン、N-(3-メチルジエチ シシリルプロピル)-4-ヒドロキシブチルアミ 、N-(3-メチルジエトキシシリルプロピル)グ コンアミド、ビニルメチルジメトキシシラ 、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニル チルジブトキシシラン、イソプロペニルメ ルジメトキシシラン、イソプロペニルメチ ジエトキシシラン、イソプロペニルメチル ブトキシシラン、ビニルメチルビス(2-メト シエトキシ)シラン、アリルメチルジメトキ シシラン、ビニルデシルメチルジメトキシシ ラン、ビニルオクチルメチルジメトキシシラ ン、ビニルフェニルメチルジメトキシシラン 、イソプロペニルフェニルメチルジメトキシ シラン、2-(メタ)アクリロキシエチルメチル メトキシシラン、2-(メタ)アクリロキシエチ メチルジエトキシシラン、3-(メタ)アクリロ キシプロピルメチルジメトキシシラン、3-(メ タ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシ ラン、3-(メタ)-アクリロキシプロピルメチル ジス(2-メトキシエトキシ)シラン、3-[2-(アリ オキシカルボニル)フェニルカルボニルオキ ]プロピルメチルジメトキシシラン、3-(ビニ ルフェニルアミノ)プロピルメチルジメトキ シラン、3-(ビニルフェニルアミノ)プロピル チルジエトキシシラン、3-(ビニルベンジル ミノ)プロピルメチルジエトキシシラン、3-( ビニルベンジルアミノ)プロピルメチルジエ キシシラン、3-[2-(N-ビニルフェニルメチルア ミノ)エチルアミノ]プロピルメチルジメトキ シラン、3-[2-(N-イソプロペニルフェニルメ ルアミノ)エチルアミノ]プロピルメチルジメ トキシシラン、2-(ビニルオキシ)エチルメチ ジメトキシシラン、3-(ビニルオキシ)プロピ メチルジメトキシシラン、4-(ビニルオキシ) ブチルメチルジエトキシシラン、2-(イソプロ ペニルオキシ)エチルメチルジメトキシシラ 、3-(アリルオキシ)プロピルメチルジメトキ シラン、10-(アリルオキシカルボニル)デシ メチルジメトキシシラン、3-(イソプロペニ メチルオキシ)プロピルメチルジメトキシシ ン、10-(イソプロペニルメチルオキシカルボ ニル)デシルメチルジメトキシシラン、3-[(メ )アクリロキプロピル]メチルジメトキシシ ン、3-[(メタ)アクリロキシプロピル]メチル エトキシシラン、3-[(メタ)アクリロキメチル ]メチルジメトキシシラン、3-[(メタ)アクリロ キシメチル]メチルジエトキシシラン、γ-グ シドキシプロピルメチルジメトキシシラン N-[3-(メタ)アクリロキシ-2-ヒドロキシプロピ ]-3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン 、O-「(メタ)アクリロキシエチル」-N-(メチル エトキシシリルプロピル)ウレタン、γ-グリ シドキシプロピルメチルジエトキシシラン、 β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルメチル ジメトキシシラン、γ-アミノプロピルメチル ジエトキシシラン、γ-アミノプロピルメチル ジメトキシシラン、4-アミノブチルメチルジ トキシシラン、11-アミノウンデシルメチル エトキシシラン、m-アミノフェニルメチル メトキシシラン、p-アミノフェニルメチルジ メトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジ (メトキシエトキシエトキシ)シラン、2-(4-ピ リジルエチル)メチルジエトキシシラン、2-( チルジメトキシシリルエチル)ピリジン、N-(3 -メチルジメトキシシリルプロピル)ピロール 3-(m-アミノフェノキシ)プロピルメチルジメ キシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプ ピルメチルジメトキシシラン、N-(2-アミノ チル)-3-アミノプロピルメチルジエトキシシ ン、N-(6-アミノヘキシル)アミノメチルメチ ジエトキシシラン、N-(6-アミノヘキシル)ア ノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2- ミノエチル)-11-アミノウンデシルメチルジメ トキシシラン、(アミノエチルアミノメチル) ェネチルメチルジメトキシシラン、N-3-[(ア ノ(ポリプロピレンオキシ))]アミノプロピル メチルジメトキシシラン、n-ブチルアミノプ ピルメチルジメトキシシラン、N-エチルア ノイソブチルメチルジメトキシシラン、N-メ チルアミノプロピルメチルジメトキシシラン 、N-フェニル-γ-アミノプロピルメチルジメト キシシラン、N-フェニル-γ-アミノメチルメチ ルジエトキシシラン、(シクロヘキシルアミ メチル)メチルジエトキシシラン、N-シクロ キシルアミノプロピルメチルジメトキシシ ン、ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノプロ ルメチルジエトキシシラン、ジエチルアミ メチルメチルジエトキシシラン、ジエチル ミノプロピルメチルジメトキシシラン、ジ チルアミノプロピルメチルジメトキシシラ 、N-3-メチルジメトキシシリルプロピル-m-フ ェニレンジアミン、N,N-ビス[3-(メチルジメト シシリル)プロピル]エチレンジアミン、ビ (メチルジエトキシシリルプロピル)アミン、 ビス(メチルジメトキシシリルプロピル)アミ 、ビス[(3-メチルジメトキシシリル)プロピ ]-エチレンジアミン、ビス[3-(メチルジエト シシリル)プロピル]ウレア、ビス(メチルジ トキシシリルプロピル)ウレア、N-(3-メチル エトキシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミ ゾール、ウレイドプロピルメチルジエトキ シラン、ウレイドプロピルメチルジメトキ シラン、アセトアミドプロピルメチルジメ キシシラン、2-(2-ピリジルエチル)チオプロ ルメチルジメトキシシラン、2-(4-ピリジルエ チル)チオプロピルメチルジメトキシシラン ビス[3-(メチルジエトキシシリル)プロピル] スルフィド、3-(メチルジエトキシシリル)プ ピルコハク酸無水物、γ-メルカプトプロピ メチルジメトキシシラン、γ-メルカプトプ ピルメチルジエトキシシラン、イソシアナ プロピルメチルジメトキシシラン、イソシ ナトプロピルメチルジエトキシシラン、イ シアナトエチルメチルジエトキシシラン、 ソシアナトメチルメチルジエトキシシラン カルボキシエチルメチルシランジオールナ リウム塩、N-(メチルジメトキシシリルプロ ル)エチレンジアミン三酢酸三ナトリウム塩 、3-(メチルジヒドロキシシリル)-1-プロパン ルホン酸、ジエチルホスフェートエチルメ ルジエトキシシラン、3-メチルジヒドロキシ シリルプロピルメチルホスホネートナトリウ ム塩、ビス(メチルジエトキシシリル)エタン ビス(メチルジメトキシシリル)エタン、ビ (メチルジエトキシシリル)メタン、1,6-ビス( チルジエトキシシリル)ヘキサン、1,8-ビス( チルジエトキシシリル)オクタン、p-ビス(メ チルジメトキシシリルエチル)ベンゼン、p-ビ ス(メチルジメトキシシリルメチル)ベンゼン 3-メトキシプロピルメチルジメトキシシラ 、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル ]メチルジメトキシシラン、メトキシトリエ レンオキシプロピルメチルジメトキシシラ 、トリス(3-メチルジメトキシシリルプロピ )イソシアヌレート、[ヒドロキシ(ポリエチ ンオキシ)プロピル]メチルジエトキシシラン 、N,N‘-ビス(ヒドロキシエチル)-N,N’-ビス(メ チルジメトキシシリルプロピル)エチレンジ ミン、ビス-[3-(メチルジエトキシシリルプロ ピル)-2-ヒドロキシプロポキシ]ポリエチレン キシド、ビス[N,N‘-(メチルジエトキシシリ プロピル)アミノカルボニル]ポリエチレン キシド、ビス(メチルジエトキシシリルプロ ル)ポリエチレンオキシド、

 メチルトリメトキシシラン、エチルトリ トキシシラン、プロピルトリメトキシシラ 、メチルトリエトキシシラン、エチルトリ トキシシラン、プロピルトリエトキシシラ 、γ-クロロプロピルトリエトキシシラン、 -クロロプロピルトリメトキシシラン、クロ メチルトリエトキシシラン、(p-クロロメチ )フェニルトリメトキシシラン、γ-ブロモプ ロピルトリメトキシシラン、アセトキシメチ ルトリエトキシシラン、アセトキシメチルト リメトキシシラン、アセトキシプロピルトリ メトキシシラン、ベンゾイロキシプロピルト リメトキシシラン、2-(カルボメトキシ)エチ トリメトキシシラン、フェニルトリメトキ シラン、フェニルトリエトキシシラン、フ ニルトリプロポキシシラン、ヒドロキシメ ルトリエトキシシラン、N-(トリエトキシシ ルプロピル)-O-ポリエチレンオキシドウレタ 、N-(3-トリエチキシシリルプロピル)-4-ヒド キシブチルアミド、N-(3-トリエトキシシリ プロピル)グルコンアミド、ビニルトリメト シシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビ ルトリブトキシシラン、イソプロペニルト メトキシシラン、イソプロペニルトリエト シシラン、イソプロペニルトリブトキシシ ン、ビニルトリス(2-メトキシエトキシ)シラ ン、アリルトリメトキシシラン、ビニルデシ ルトリメトキシシラン、ビニルオクチルトリ メトキシシラン、ビニルフェニルトリメトキ シシラン、イソプロペニルフェニルトリメト キシシラン、2-(メタ)アクリロキシエチルト メトキシシラン、2-(メタ)アクリロキシエチ トリエトキシシラン、3-(メタ)アクリロキシ プロピルトリメトキシシラン、3-(メタ)アク ロキシプロピルトリメトキシシラン、3-(メ )-アクリロキシプロピルトリス(2-メトキシエ トキシ)シラン、3-[2-(アリルオキシカルボニ )フェニルカルボニルオキシ]プロピルトリメ トキシシラン、3-(ビニルフェニルアミノ)プ ピルトリメトキシシラン、3-(ビニルフェニ アミノ)プロピルトリエトキシシラン、3-(ビ ルベンジルアミノ)プロピルトリエトキシシ ラン、3-(ビニルベンジルアミノ)プロピルト エトキシシラン、3-[2-(N-ビニルフェニルメチ ルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキ シラン、3-[2-(N-イソプロペニルフェニルメ ルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキ シシラン、2-(ビニルオキシ)エチルトリメト シシラン、3-(ビニルオキシ)プロピルトリメ キシシラン、4-(ビニルオキシ)ブチルトリエ トキシシラン、2-(イソプロペニルオキシ)エ ルトリメトキシシラン、3-(アリルオキシ)プ ピルトリメトキシシラン、10-(アリルオキシ カルボニル)デシルトリメトキシシラン、3-( ソプロペニルメチルオキシ)プロピルトリメ キシシラン、10-(イソプロペニルメチルオキ シカルボニル)デシルトリメトキシシラン、3- [(メタ)アクリロキプロピル]トリメトキシシ ン、3-[(メタ)アクリロキシプロピル]トリエ キシシラン、3-[(メタ)アクリロキメチル]ト メトキシシラン、3-[(メタ)アクリロキシメチ ル]トリエトキシシラン、γ-グリシドキシプ ピルトリメトキシシラン、N-[3-(メタ)アクリ キシ-2-ヒドロキシプロピル]-3-アミノプロピ ルトリエトキシシラン、O-「(メタ)アクリロ シエチル」-N-(トリエトキシシリルプロピル) ウレタン、γ-グリシドキシプロピルトリエト キシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル) エチルトリメトキシシラン、γ-アミノプロピ ルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルト リメトキシシラン、4-アミノブチルトリエト シシラン、11-アミノウンデシルトリエトキ シラン、m-アミノフェニルトリメトキシシ ン、p-アミノフェニルトリメトキシシラン、 3-アミノプロピルトリス(メトキシエトキシエ トキシ)シラン、2-(4-ピリジルエチル)トリエ キシシラン、2-(トリメトキシシリルエチル) リジン、N-(3-トリメトキシシリルプロピル) ロール、3-(m-アミノフェノキシ)プロピルト メトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-アミ プロピルトリメトキシシラン、N-(2-アミノ チル)-3-アミノプロピルトリエトキシシラン N-(6-アミノヘキシル)アミノメチルトリエト シシラン、N-(6-アミノヘキシル)アミノプロ ルトリメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)- 11-アミノウンデシルトリメトキシシラン、( ミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメ キシシラン、N-3-[(アミノ(ポリプロピレンオ キシ))]アミノプロピルトリメトキシシラン、 n-ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン N-エチルアミノイソブチルトリメトキシシ ン、N-メチルアミノプロピルトリメトキシシ ラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメト キシシラン、N-フェニル-γ-アミノメチルトリ エトキシシラン、(シクロヘキシルアミノメ ル)トリエトキシシラン、N-シクロヘキシル ミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(2- ドロキシエチル)-3-アミノプロピルトリエト シシラン、ジエチルアミノメチルトリエト シシラン、ジエチルアミノプロピルトリメ キシシラン、ジメチルアミノプロピルトリ トキシシラン、N-3-トリメトキシシリルプロ ピル-m-フェニレンジアミン、N,N-ビス[3-(トリ トキシシリル)プロピル]エチレンジアミン ビス(トリエトキシシリルプロピル)アミン、 ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、 ス[(3-トリメトキシシリル)プロピル]-エチレ ンジアミン、ビス[3-(トリエトキシシリル)プ ピル]ウレア、ビス(トリメトキシシリルプ ピル)ウレア、N-(3-トリエトキシシリルプロ ル)-4,5-ジヒドロイミダゾール、ウレイドプ ピルトリエトキシシラン、ウレイドプロピ トリメトキシシラン、アセトアミドプロピ トリメトキシシラン、2-(2-ピリジルエチル) オプロピルトリメトキシシラン、2-(4-ピリジ ルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン ビス[3-(トリエトキシシリル)プロピル]ジス フィド、3-(トリエトキシシリル)プロピルコ ク酸無水物、γ-メルカプトプロピルトリメ キシシラン、γ-メルカプトプロピルトリエ キシシラン、イソシアナトプロピルトリメ キシシラン、イソシアナトプロピルトリエ キシシラン、イソシアナトエチルトリエト シシラン、イソシアナトメチルトリエトキ シラン、カルボキシエチルシラントリオー ナトリウム塩、N-(トリメトキシシリルプロ ル)エチレンジアミン三酢酸三ナトリウム塩 、3-(トリヒドロキシシリル)-1-プロパンスル ン酸、ジエチルホスフェートエチルトリエ キシシラン、3-トリヒドロキシシリルプロピ ルメチルホスホネートナトリウム塩、ビス( リエトキシシリル)エタン、ビス(トリメトキ シシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル) メタン、1,6-ビス(トリエトキシシリル)ヘキサ ン、1,8-ビス(トリエトキシシリル)オクタン、 p-ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン p-ビス(トリメトキシシリルメチル)ベンゼン 3-メトキシプロピルトリメトキシシラン、2- [メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]ト メトキシシラン、メトキシトリエチレンオ シプロピルトリメトキシシラン、トリス(3- リメトキシシリルプロピル)イソシアヌレー 、[ヒドロキシ(ポリエチレンオキシ)プロピ ]トリエトキシシラン、N,N’-ビス(ヒドロキ エチル)-N,N’-ビス(トリメトキシシリルプロ ピル)エチレンジアミン、ビス-[3-(トリエトキ シシリルプロピル)-2-ヒドロキシプロポキシ] リエチレンオキシド、ビス[N,N’-(トリエト シシリルプロピル)アミノカルボニル]ポリ チレンオキシド、ビス(トリエトキシシリル ロピル)ポリエチレンオキシドを挙げること ができる。

 これらのアルコキシシリル基を有する化 物のなかで、テトラメトキシシラン、テト エトキシシラン、ジメトキシジエトキシシ ン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチル メトキシシラン、プロピルメチルジメトキ シラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエ ルジエトキシシラン、メチルトリメトキシ ラン、エチルトリメトキシシランが好まし 、テトラメトキシシラン、テトラエトキシ ラン、メチルトリメトキシシラン、エチル リメトキシシランがより好ましく使用でき 。

 (b)架橋剤の低溶出性層用組成物中の含有 としては、(a)親水性ポリマーに対して0.01~15 質量%の範囲であることが好ましく、より好 しくは0.02~10質量%、さらに好ましくは0.05~8質 量%の範囲である。

 (b)架橋剤としてアルコキシシリル基を有す 化合物を用いる場合、(c)触媒を用いること 好ましい。好ましい触媒としては、前述の( B)触媒と同様のものを挙げることができる。
 (c)触媒は、低溶出性層用組成物中に、不揮 性成分に対して、好ましくは0.1~50質量%、更 に好ましくは1~25質量%の範囲で使用される。

[低溶出性層の形成]
 低溶出性層は、少なくとも前記(a)親水性ポ マーを適宜の溶媒に溶解、攪拌して低溶出 層用組成物を形成し、この低溶出性層用組 物を、親水性層が形成された基板上に被膜 乾燥することで、形成することができる。
 低溶出性層用組成物には、所望により前記( b)架橋剤及び前記触媒を添加することができ 。この場合は、反応温度として室温~80℃で り、反応時間、即ち攪拌を継続する時間は1 ~72時間の範囲であることが好ましい。この攪 拌により(a)親水性ポリマーと(b)架橋剤の反応 を進行させることができる。

 低溶出性層用組成物を調製する際に用い 溶媒としては、各成分を均一に、溶解、分 し得るものであれば特に制限はないが、例 ば、メタノール、エタノール、水、アセト 、メチルエチルケトン等の親水性溶媒が好 しい。

 低溶出性層の形成において、低溶出性層 組成物を被膜した後の加熱、乾燥条件とし は、溶剤の蒸発、架橋構造の形成を効率よ 行う観点からは、50~200℃の温度範囲におい 、2分~1時間程度行うことが好ましく、80~160 の温度範囲で、5~30分間乾燥することがより 好ましい。また、加熱手段としては、公知の 手段、例えば、温度調整機能を有する乾燥機 などを用いることが好ましい。

 低溶出性層の厚さは、0.01μm~50μmが好ましく 、0.02μm~20μmがさらに好ましく、0.05μm~10μmが も好ましい。膜厚が0.01μm以上の場合は、十 分な溶出性が得られるため好ましく、膜厚が 100μm以下の場合は、親水性に問題を来たすこ とがなく、好ましい。
 低溶出性層の乾燥塗布量を好ましくは0.01g/m 2 ~50g/m 2 、より好ましくは0.02g/m 2 ~20g/m 2 、特に好ましくは0.05g/m 2 ~10g/m 2 とすることで、上記の膜厚を得ることができ る。

<下塗層>
 基板と親水性層との間には下塗層を設ける とが好ましい。基板と親水性層の密着性は 基板表面と親水性層の反応性基同士が反応 ることにより実現される。実際には基板上 はそれほどの反応性基が無い場合、反応性 の豊富な下塗層を介して親水性層を密着さ ることができる。
 下塗層は、(P)触媒を含有することが好まし 、(P)触媒は、不揮発性の触媒であることが ましい。下塗層に不揮発性の触媒を用いる とで、下塗層や親水性層を形成する際の乾 過程においても、揮発せずに活性を維持し まま膜中に存在することができる。これに り経時においてさらに架橋反応を進めるこ が可能となり、非常に高強度な塗膜となる さらに基板との界面においても、不揮発性 触媒が活性を失わずに存在するために、基 と親水性層との反応が経時により進行し、 い密着性を実現することが可能である。

 不揮発性の触媒としては、具体的には、金 のキレート化合物やシランカップリング剤 挙げられる。
 前記金属のキレート化合物(以下、金属錯体 とも称する)としては、特に限定されないが 周期律表の2A,3B,4A及び5A族から選ばれる金属 素とβ-ジケトン、ケトエステル、ヒドロキ カルボン酸又はそのエステル、アミノアル ール、エノール性活性水素化合物の中から ばれるオキソ又はヒドロキシ酸素含有化合 から構成される金属錯体がある。
 構成金属元素の中では、Mg、Ca、Sr、Baなど 2A族元素、Al、Gaなどの3B族元素、Ti、Zrなど 4A族元素及びV、Nb及びTaなどの5A族元素が好 しく、それぞれ触媒効果の優れた錯体を形 する。その中でもZr、Al及びTiから得られる 体が優れており、好ましい。
 具体的は、親水性層で述べた金属錯体で示 れたものと同様のものが挙げられる。

 シランカップリング剤としては、特に限 されないが、酸性またはアルカリ性を示す 能基を有するものが挙げられ、さらに詳細 は、ペルオキソ酸、カルボン酸、カルボヒ ラゾン酸、カルボキシミド酸、スルホン酸 スルフィン酸、スルフェン酸、セレノン酸 セレニン酸、セレネン酸、テルロン酸、及 上記のアルカリ金属塩などといった酸性を す官能基、或いは、アミノ基などといった 基性を示す官能基を有するシランカップリ グ剤が挙げられる。

 不揮発性の触媒は、下塗層形成組成物中 不揮発性成分に対して、好ましくは0~50質量 %、更に好ましくは5~25質量%の範囲で使用され る。また、不揮発性の触媒は、単独で用いて も2種以上併用してもよい。

 また、下塗層は(Q)Si、Ti、Zr、Alから選択さ る元素のアルコキシド化合物を含有するこ が好ましい。(Q)Si、Ti、Zr、Alから選択される 元素のアルコキシド化合物とは前述のアルコ キシド化合物と同様のものが挙げられる。
 (Q)Si、Ti、Zr、Alから選択される元素のアル キシド化合物は、下塗層形成組成物中、不 発性成分に対して、好ましくは5~95質量%、更 に好ましくは10~90質量%の範囲で使用される。 また、(Q)Si、Ti、Zr、Alから選択される元素の ルコキシド化合物は、単独で用いても2種以 上併用してもよい。

 このような下塗層は、その中に不揮発性 触媒が活性を失わずに含有されて存在し、 にその表面にも存在することにより、下塗 上にさらに親水性層を設けた場合には、該 塗層と親水性層の界面における密着性が極 て高いものとなる。

 さらに、下塗層は、プラズマエッチング たは金属粒子を混入させて微細凹凸を設け ことにより、下塗層と親水性層の界面にお る密着性をさらに高いものとすることがで る。

 下塗層を形成する組成物には、親水性樹脂 水分散性ラテックスを用いることができる
 親水性樹脂としては、たとえば、ポリビニ アルコール(PVA)、セルロース系樹脂〔メチ セルロース(MC)、ヒドロキシエチルセルロー (HEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、等 〕、キチン類、キトサン類、デンプン、エー テル結合を有する樹脂〔ポリエチレンオキサ イド(PEO)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポ ビニルエーテル(PVE)等〕、カルバモイル基を 有する樹脂〔ポリアクリルアミド(PAAM)、ポリ ビニルピロリドン(PVP)、等〕等が挙げられる また、カルボキシル基を有するポリアクリ 酸塩、マレイン酸樹脂、アルギン酸塩、ゼ チン類等も挙げることができる。
 上記の中でも、ポリビニルアルコール系樹 、セルロース系樹脂、エーテル結合を有す 樹脂、カルバモイル基を有する樹脂、カル キシル基を有する樹脂、及びゼラチン類か 選ばれる少なくとも1種が好ましく、特に、 ポリビニルアルコール(PVA)系樹脂、ゼラチン が好ましい。

 水分散性ラテックスとしては、アクリル系 テックス、ポリエステル系ラテックス、NBR 脂、ポリウレタン系ラテックス、ポリ酢酸 ニル系ラテックス、SBR樹脂、ポリアミド系 テックス等が挙げられる。中でも、アクリ 系ラテックスが好ましい。
 上記の親水性樹脂及び水分散性ラテックス 、各々一種単独で用いるほか二種以上を併 してもよく、親水性樹脂と水分散性ラテッ スとを併用してもよい。
 また、上記親水性樹脂や水分散性ラテック を架橋する架橋剤を用いても良い。
 架橋剤としては、公知の熱により架橋を形 する架橋剤を用いることができる。一般的 熱架橋剤としては、「架橋剤ハンドブック 山下晋三、金子東助著、大成社刊(1981)に記 されているものがある。本発明に用いられ 架橋剤の官能基数は2個以上で、且つ、親水 性樹脂や水分散性ラテックスと有効に架橋可 能ならば特に制限はない。具体的な熱架橋剤 としては、ポリアクリル酸等のポリカルボン 酸、ポリエチレンイミン等のアミン化合物、 エチレンまたはプロピレングリコールジグリ シジルエーテル、テトラエチレングリコール ジグリシジルエーテル、ノナエチレンチレン グリコールジグリシジルエーテル、ポリエチ レンまたはポリプロピレングリコールグリシ ジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグ リシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジ リシジルエーテル、トリメチロールプロパ トリグリシジルエーテル、ソルビトールポ グリシジルエーテル等のポリエポキシ化合 、グリオキザル、テレフタルアルデヒドな のポリアルデヒド化合物、トリレンジイソ アネート、ヘキサメチレンジイソシアネー 、ジフェニルメタンイソシアネート、キシ レンジイソシアネート、ポリメチレンポリ ェニルイソシアネート、シクロヘキシルジ ソシアネート、シクロヘキサンフェニレン イソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシア ネート、イソプロピルベンゼン-2,4-ジイソシ ネート、ポリプロピレングリコール/トリレ ンジイソシアネート付加反応物などのポリイ ソシアネート化合物、ブロックポリイソシア ネート化合物、テトラアルコキンシランなど のシランカップリング剤、アルミニウム、銅 、鉄(III)のアセチルアセトナートなどの金属 橋剤、トリメチロールメラミン、ペンタエ スリトールなどのポリメチロール化合物、 どが挙げられる。これらの熱架橋剤のなか も、塗布溶液の調液のしやすさ、作製した 水性層の親水性低下を防止するという観点 ら水溶性の架橋剤であることが好ましい。
 前記親水性樹脂及び/又は水分散性ラテック スの、下塗層中における総量としては、0.01~2 0g/m が好ましく、0.1~10g/m がより好ましい。

[下塗層用組成物の調液・下塗層の形成]
 下塗層用組成物についても、上記親水性組 物と同様の方法により調整可能である。下 層は、複数層設けてもよい。
 下塗り層の厚さは0.01μm~100μmが好ましく、0. 02μm~80μmがさらに好ましく、0.05μm~50μmが最も 好ましい。
 下塗層用組成物の乾燥塗布量を好ましくは0 .01g/m 2 ~100g/m 2 、より好ましくは0.02g/m 2 ~80g/m 2 、特に好ましくは0.05g/m 2 ~50g/m 2 とすることで、上記の膜厚を得ることができ る。 

<その他の層>
 本発明の親水性部材は、その目的、形態、 用場所に応じ、適宜別の層を付加して使用 ることができる。以下に必要に応じ付加さ る層構成について述べる。
1)接着層
 本発明の親水性部材を、別の基板上に貼り けて使用する場合、基板の裏面に、接着層 して、感圧接着剤である粘着剤が好ましく いられる。粘着剤としては、ゴム系粘着剤 アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、 ニルエーテル系、スチレン系粘着剤などの 般的に粘着シートに用いられるものが使用 きる。
 光学的に透明なものが必要な場合は光学用 向けの粘着剤が選ばれる。着色、半透明、 ット調などの模様が必要な場合は、基板に ける模様付けのほかに粘着剤に、染料、有 や無機の微粒子を添加して効果を出すこと 行うことができる。
 粘着付与剤が必要な場合、樹脂、例えば、 ジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油系樹脂 スチレン系樹脂及びこれらの水素添加物な の接着付与樹脂を1種類または混合して用い ることができる。
 粘着剤の粘着力は一般に言われる強粘着で り、200g/25mm以上、好ましくは300g/25mm以上、 らに好ましくは400g/25mm以上である。なお、 こでいう粘着力はJIS Z 0237 に準拠し、180 剥離試験によって測定した値である。

2)離型層
 本発明の親水性部材が前記接着層を有する 合には、さらに離型層を付加することがで る。離型層には、離型性をもたせるために 離型剤を含有させることが好ましい。離型 としては、一般的に、ポリオルガノシロキ ンからなるシリコーン系離型剤、フッ素系 合物、ポリビニルアルコールの長鎖アルキ 変性物、ポリエチレンイミンの長鎖アルキ 変性物等が用いることができる。また、ホ トメルト型離型剤、ラジカル重合、カチオ 重合、重縮合反応等により離型性モノマー 硬化させるモノマー型離型剤などの各種の 型剤や、この他、アクリル-シリコーン系共 重合樹脂、アクリル-フッ素系共重合樹脂、 びウレタン-シリコーン-フッ素系共重合樹脂 などの共重合系樹脂、並びに、シリコーン系 樹脂とアクリル系樹脂との樹脂ブレンド、フ ッ素系樹脂とアクリル系樹脂との樹脂ブレン ドが用いられる。また、フッ素原子及び/又 ケイ素原子のいずれかの原子と、活性エネ ギー線重合性基含有化合物を含む硬化性組 物を、硬化して得られるハードコート離型 としてもよい。

3)その他の層
 親水性層の上に、保護層を設けてもよい。 護層は、ハンドリング時や輸送時、保管時 どの親水性表面の傷つきや、汚れ物質の付 による親水性の低下を防止する機能を有す 。保護層としては、上記離型層に用いた親 性ポリマー層を使用することができる。保 層は、親水性部材を適切な基板へ貼り付け 後には剥がされる。

<基板>
 基板は、特に限定されないが、ガラス、プ スチック、金属、タイル、セラミックス、 、石、セメント、コンクリート、繊維、布 、紙、皮革、それらの組合せ、それらの積 体が、いずれも好適に利用できる。ガラス 金属、セラミックス、またはプラスチック 形成された基板が好ましい。特に好ましい 板は、ガラス基板、プラスチック基板、ア ミニウム基板である。
 ガラス板としては、酸化ケイ素、酸化アル ニウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、 化スズ、酸化ジルコニウム、酸化ナトリウ 、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化 スマス、酸化イットリウム、酸化セリウム 酸化亜鉛、ITO(Indium Tin Oxide)等の金属性酸 物;フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム フッ化ランタン、フッ化セリウム、フッ化 チウム、フッ化トリウム等の金属ハロゲン 物;などで形成した無機化合物層を備えたガ ラス板を挙げることができる。また目的に応 じ、フロート板ガラス、型板ガラス、スリ板 ガラス、網入ガラス、線入ガラス、強化ガラ ス、合わせガラス、複層ガラス、真空ガラス 、防犯ガラス、高断熱Low-E複層ガラスを使用 ることができる。また素板ガラスのまま、 記親水層を塗設できるが、必要に応じ、親 層の密着性を向上させる目的で、片面又は 面に、酸化法や粗面化法等により表面親水 処理を施すことができる。上記酸化法とし は、例えばコロナ放電処理、グロー放電処 、クロム酸処理(湿式)、火炎処理、熱風処 、オゾン・紫外線照射処理等が挙げられる 粗面化法としては、サンドブラスト、ブラ 研磨等により機械的に粗面化することもで る。

 無機化合物層は、単層あるいは多層構成 することができる。無機化合物層はその厚 によって、光透過性を維持させることもで 、また、反射防止層として作用させること できる。無機化合物層の形成方法としては 例えば、ディップコーティング法、スピン ーティング法、フローコーティング法、ス レーコーティング法、ロールコーティング 、グラビアコーティング法などの塗布法、 空蒸着法、反応性蒸着法、イオンビームア スト法、スパッタリング法、イオンプレー ィング法等の物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(C VD)をはじめとする気相法など公知の方法を適 用することができる。

 プラスチック基板としては、特に制限はな が、光学部材として使用される基板は、透 性、屈折率、分散性などの光学特性を考慮 て選択され、使用目的により、種々の物性 例えば、耐衝撃性、可撓性など強度をはじ とする物理的特性や、耐熱性、耐候性、耐 性などを考慮して選択される。
 プラスチック基板としては、ポリエステル ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファ 、トリアセチルセルロース、ジアセチルセ ロース、アセチルセルロースブチレート、 リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ ニルアルコール、エチレンビニルアルコー 、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ チルペンテン、ポリスルフォン、ポリエー ルケトン、アクリル、ナイロン、フッ素樹 、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリ ーテルスルフォン等のフィルムもしくはシ トを挙げることができる。その中でも特に リエチレンテレフタレート,ポリエチレンナ フタレート等のポリエステフィルムが好まし い。これらは、使用目的に応じて、単独で用 いられてもよく、或いは、2種以上を混合物 共重合体、積層体などの形態で組み合わせ 用いることもできる。
 プラスチック基板の厚みは、積層する相手 よってさまざまである。例えば曲面の多い 分では、薄いものが好まれ、6~50μm程度のも のが用いられる。また平面に用いられ、ある いは、強度を要求されるところでは50~400μmが 用いられる。

 プラスチック基板として、ガラス板の説明 おいて記載した無機化合物層をプラスチッ 板上に形成したものを用いることもできる この場合、無機化合物層は反射防止層とし 作用させることもできる。無機化合物層を ラスチック板上に形成する場合も、前述し 無機基板におけるのと同様の手法で形成す ことができる。
 本発明の親水性部材は、パルミチン酸に一 間曝気、30分間水洗、30分間乾燥を1サイク とし、該サイクルを5サイクル繰返した後の 接触角が40°以下であることが好ましい。

<用途>
 本発明に係る親水性部材の用途としては、 に限定されず、建材、外壁や屋根のような 物外装、建物内装、窓枠、窓ガラス、構造 材、自動車、鉄道車両、航空機、船舶、自 車、オートバイのような乗物の外装及び塗 、機械装置や物品の外装、防塵カバー及び 装、看板、交通標識、各種表示装置、広告 、道路用防音壁、鉄道用防音壁、橋梁、ガ ドレールの外装及び塗装、トンネル内装及 塗装、碍子、太陽電池カバー、太陽熱温水 集熱カバー、ビニールハウス、テント材、 両用照明灯のカバー、自動販売機、住宅設 、ベランダ、エアコン室内機、エアコン室 機、熱交換器用放熱フィン、屋外ベンチ、 ャッター、便器、浴槽、浴室用洗面所用鏡 洗面台、照明器具、照明カバー、台所用品 食器、食器洗浄器、食器乾燥器、流し、調 レンジ、キッチンフード、換気扇、窓サッ (及び上記物品表面に貼付するためのフィル ムを含む。)等が挙げられる。
 またこれらの用途に使用される製品を製造 る工程において乾燥工程を有する場合は乾 時間が短縮でき生産性が向上する効果も期 できる。

 上記の中でも、本発明に係る親水性部材は フィン材に適用することが好ましく、アル ニウム製フィン材に適用することが好まし 。
 室内エアコンや自動車エアコン等の熱交換 等に用いられるアルミニウム製フィン材は 冷房時に発生する凝集水が水滴となりフィ 間にとどまることで水のブリッジが発生し 冷房能力が低下する。またフィン間に埃な が付着することでも、同様に冷房能力が低 する。これらの問題に対し、本発明の親水 部材をフィン材に適用することで、親水性 防汚性、及びそれらの持続性に優れたフィ 材が得られる。
 本発明に係るフィン材は、パルミチン酸に1 時間曝気、30分水洗、30分乾燥を5サイクル繰 した後の水接触角が40°以下であることが好 ましい。

 フィン材に用いられるアルミニウムとし は、表面が脱脂されたもの、必要に応じて 成処理されたアルミニウム板を挙げること できる。アルミニウム製のフィン材は、表 が化成処理されていることが親水化処理皮 の付着性、耐食性などの点から好適である 上記化成処理としては、例えば、クロメー 処理を挙げることができ、その代表例とし 、アルカリ塩-クロム酸塩法(B.V.法、M.B.V.法 E.W.法、アルロック法、ピルミン法)、クロ 酸法、クロメート法、リン酸クロム酸法な の処理法、及びクロム酸クロムを主体とし 組成物による無水洗塗布型処理法などが挙 られる。

 例えば、熱交換器用フィン材に用いられ アルミニウム等薄板としては、JIS規格で、1 100、1050、1200、1N30等の純アルミニウム板、201 7、2014等のAl-Cu系合金板、3003、3004等のAl-Mn系 金板、5052、5083等のAl-Mg系合金板、さらには 6061等のAl-Mg-Si系合金板等のいずれを用いても 良く、またその形状はシートおよびコイルの いずれでも良い。

 また、本発明に係るフィン材は、熱交換器 用いることが好ましい。本発明に係るフィ 材を用いた熱交換器は、優れた親水性、防 性及びそれらの持続性を有しているので、 ィン間に水滴や埃などが付着するのを防止 ることができる。熱交換器としては、例え 、室内用クーラーやエアコン、建設機械用 イルクーラー、自動車のラジエーター、キ パシタ等に使用される熱交換器が挙げられ 。
 また、本発明に係るフィン材を用いた熱交 器をエアコンに使用することが好ましい。 発明に係るフィン材は、優れた親水性、防 性及びそれらの持続性を有しているので、 述のような冷房能力の低下等の問題が改善 れたエアコンを提供することができる。エ コンとしては、ルームエアコン、パッケー エアコン、カーエアコン等、いずれのもの もよい。
 その他、本発明の熱交換器、エアコンには 知の技術(例えば特開2002-106882号公報、特開2 002-156135号公報など)を用いることができ、特 制限されない。

 以下本発明を実施例によって詳細に説明す が、本発明はこれらに限定されるものでは い。
(親水性ポリマー(I-1)の合成)
 200ml三口フラスコにアクリルアミド25g、3-メ ルカプトプロピルトリメトキシシラン3.5g、 メチルホルムアミド51.3gを入れて65℃窒素気 下、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニト ル)0.25g添加し、反応を開始した。6時間攪拌 した後、室温まで戻し、メタノール1.5L中に 入したところ固体が析出した。得られた固 をアセトンにて洗浄後、前記例示化合物(I-1) である親水性ポリマー(I-1)を得た。乾燥後の 量は21.7gであった。GPC(ポリエチレンオキシ 標準)により質量平均分子量9,000のポリマー あった。

(親水性ポリマー(II-1)の合成)
 500ml三口フラスコにアクリルアミド56.9g、ア クリルアミド-3-(エトキシシリル)プロピル11.6 g、及び1-メトキシ-2-プロパノール280gを入れ 80℃窒素気流下、2,2’-アゾビス(2-メチルプ ピオン酸)ジメチル2.3gを加えた。6時間攪拌 ながら同温度に保った後、室温まで冷却し 。アセトン2リットル中に投入し、析出した 体をろ取した。得られた固体をアセトンに 洗浄後、前記例示化合物(II-1)である親水性 リマー(II-1)を得た。乾燥後の質量は65.6gで った。GPC(ポリエチレンオキシド標準)により 質量平均分子量22,000のポリマーであった。

(実施例1)
〔親水性ゾルゲル液〕
 精製水100g中に、(A)親水性ポリマーとして、 親水性ポリマー(I-1)10gを混合し、室温で2時間 撹拌して、調製した。
〔親水性組成物〕
 前記親水性ゾルゲル液120gに下記アニオン系 界面活性剤の5質量%水溶液2.5gを混合し、親水 性組成物を作製した。
〔低溶出性層用組成物〕
 ジメチルアセトアミド100g中に、(a)親水性ポ リマーとしてポリエチレングリコール(PEG、 量平均分子量20,000)10gを混合し、室温で1時間 撹拌し、低溶出性層用組成物とした。
〔塗布方法〕
 アルカリ脱脂されたアルミ基板(厚み約100μm )を準備し、該アルミ基板に前記親水性組成 をバー塗布し、150℃、30分でオーブン乾燥し て、乾燥塗布量0.7g/m 2 の親水性層を形成した。さらにその上に、前 記低溶出性層用組成物をバー塗布し、150℃、 30分でオーブン乾燥して、塗布乾燥量0.2g/m 2 の低溶出性層を形成し、実施例1の親水性部 とした。親水性層の厚みは0.7μm、低溶出性 の厚みは0.2μmとした。

(実施例2)
 実施例1の(a)親水性ポリマーをポリビニルア ルコール(PVA、質量平均分子量50,000、けん化 99%)に変更した以外は実施例1と同様に実施例 2の親水性部材を作製した。

(実施例3)
 実施例1の低溶出性層用組成物に、(b)架橋剤 として1,4-テトラメチレンジイソシアネート0. 5gを添加した以外は実施例1と同様に実施例3 親水性部材を作製した。

(実施例4)
 実施例3において、親水性ゾルゲル液に(B)触 媒としてアセチルアセトン0.1g、オルトチタ 酸テトラエチル0.1gを添加した以外は実施例3 と同様にして、親水性部材を作製した。

(実施例5)
 実施例4の低溶出性層用組成物を以下の組成 物に変更した以外は実施例4と同様にして、 施例5の親水性部材を作製した。
 ジメチルアセトアミド80g、精製水20g中に、( a)親水性ポリマーとしてポリエチレングリコ ル(質量平均分子量20,000)10g、(b)架橋剤とし テトラメトキシシラン(TMOS)0.5g、(c)触媒とし アセチルアセトン0.05g、オルトチタン酸テ ラエチル0.05gを混合し、室温で1時間撹拌し 低溶出性層用組成物とした。

(実施例6)
 実施例4の(a)親水性ポリマーをポリビニルア ルコール(質量平均分子量50,000、けん化度99%) 変更した以外は実施例4と同様にして、実施 例6の親水性部材を作製した。

(実施例7)
 実施例5の(a)親水性ポリマーをポリビニルア ルコール(質量平均分子量50,000、けん化度99%) 変更した以外は実施例5と同様にして、実施 例7の親水性部材を作製した。

(実施例8、9)
 実施例4の親水性ゾルゲル液における(B)触媒 を下記のものに変更した以外は実施例4と同 にして、実施例8、9の親水性部材を作製した 。
 実施例8:エチルアセトアセテートアルミニ ムジイソプロピレート(川研ファインケミカ (株)製、ALCH)2g
 実施例9:ジルコニウムキレート化合物2g
 ジルコニウムキレート化合物は、撹拌器を えた反応機に、テトラブトキシジルコニウ 50g、アセト酢酸エチル20gを加え、室温で1時 間撹拌して得た。

(実施例10、11)
 実施例4の親水性ゾルゲル液における親水性 ポリマー(I-1)を下記のものに変更した以外は 施例4と同様にして、実施例10、11の親水性 材を作製した。
 実施例10:親水性ポリマー(I-2)(:例示化合物(I- 2)を使用)
 実施例11:親水性ポリマー(I-11)(:例示化合物(I -11)を使用)

(実施例12)
〔親水性ゾルゲル液〕
 エチルアルコール20g、精製水100g中に、(C)ア ルコキシド化合物としてテトラメトキシシラ ン12g、(A)親水性ポリマーとして親水性ポリマ ー(I-1)4gを混合し、室温で2時間撹拌して、調 した。
〔親水性組成物〕
 前記親水性ゾルゲル液に実施例1に記載のア ニオン系界面活性剤の5質量%水溶液4g、精製 60gを混合し、親水性組成物とした。
〔塗布方法〕
 アルカリ脱脂されたアルミ基板(厚み約100μm )を準備し、該アルミ基板に前記親水性組成 をバー塗布し、150℃、30分でオーブン乾燥し て、乾燥塗布量0.1g/m 2 の親水性層を形成した。さらにその上に、実 施例4の低溶出性層用組成物をバー塗布し、15 0℃、30分でオーブン乾燥して、塗布乾燥量0.2 g/m 2 の低溶出性層を形成し、実施例12の親水性部 とした。親水性層の厚みは0.1μm、低溶出性 の厚みは0.2μmとした。

(実施例13)
 実施例12の親水性ゾルゲル液に(B)触媒とし アセチルアセトン1.0g、オルトチタン酸テト エチル1.0gを添加した以外は実施例12と同様 して、実施例13の親水性部材を作製した。

(実施例14)
〔下塗層用ゾルゲル液〕
 エチルアルコール200g、(P)触媒としてアセチ ルアセトン10g、オルトチタン酸テトラエチル 10g、精製水100g中に、(Q)アルコキシド化合物 してテトラメトキシシラン8gを混合し、室温 で2時間撹拌して、調製した。
〔下塗層用組成物〕
 上記下塗層用ゾルゲル液500gに実施例1に記 のアニオン系界面活性剤の5質量%水溶液30g、 精製水450gを混合し、塗布液とした。
〔塗布方法〕
 アルカリ脱脂されたアルミ基板(厚み約100μm )を準備し、該アルミ基板に下塗層用組成物 バー塗布し、100℃、30分でオーブン乾燥して 、乾燥塗布量0.1g/m 2 の下塗層を形成した。下塗層の厚みは、0.1μm であった。室温で十分冷却した後に、下塗層 上に実施例4の親水性層、低溶出性層を形成 、実施例14の親水性部材を得た。

(実施例15)
 実施例14の親水性層を実施例12の親水性層に 変更した以外は実施例14と同様にして、実施 15の親水性部材を得た。

(実施例16)
 実施例14の親水性層を実施例13の親水性層に 変更した以外は実施例14と同様にして、実施 16の親水性部材を得た。

(比較例1)
 実施例4において、低溶出性層を形成しなか った以外は実施例4と同様にして、比較例1の 材を得た。

(比較例2)
 実施例3において、親水性層を形成しなかっ た以外は実施例3と同様にして、比較例2の部 を得た。

(実施例17)
〔親水性ゾルゲル液〕
 精製水100g中に、(A)親水性ポリマーとして、 親水性ポリマー(II-1)10gを混合し、室温で2時 撹拌して、調製した。
〔親水性組成物〕
 前記親水性ゾルゲル液120gに実施例1のアニ ン系界面活性剤の5質量%水溶液2.5gを混合し 親水性組成物とした。
〔低溶出性層用組成物〕
 ジメチルアセトアミド100g中に、(a)親水性ポ リマーとしてポリエチレングリコール(質量 均分子量20,000)10gを混合し、室温で1時間撹拌 し、低溶出性層用組成物とした。
〔塗布方法〕
 アルカリ脱脂されたアルミ基板(厚み約100μm )を準備し、該アルミ基板に前記親水性組成 をバー塗布し、150℃、30分でオーブン乾燥し て、乾燥塗布量0.7g/m 2 の親水性層を形成した。さらにその上に、上 記の低溶出性層用組成物をバー塗布し、150℃ 、30分でオーブン乾燥して、塗布乾燥量0.2g/m 2 の低溶出性層を形成し、実施例1の親水性部 とした。親水性層の厚みは0.7μm、低溶出性 の厚みは0.2μmとした。

(実施例18)
 実施例17の(a)親水性ポリマーをポリビニル ルコール(質量平均分子量50,000、けん化度99%) に変更した以外は実施例17と同様にして、実 例18の親水性部材を作製した。

(実施例19)
 実施例17の低溶出性層用組成物に(b)架橋剤 して1,4-テトラメチレンジイソシアネート0.5g を添加した以外は実施例17と同様にして、実 例19の親水性部材を作製した。

(実施例20)
 実施例19において、親水性ゾルゲル液に(B) 媒としてアセチルアセトン0.1g、オルトチタ 酸テトラエチル0.1gを添加した以外は実施例 19と同様にして、実施例20の親水性部材を作 した。

(実施例21)
 実施例20の低溶出性層用組成物を以下の組 物に変更した以外は実施例20と同様にして、 実施例21の親水性部材を作製した。
 ジメチルアセトアミド80g、精製水20g中に、( a)親水性ポリマーとしてポリエチレングリコ ル(質量平均分子量20,000)10g、(b)架橋剤とし テトラメトキシシラン0.5g、(c)触媒としてア チルアセトン0.05g、オルトチタン酸テトラ チル0.05gを混合し、室温で1時間撹拌し、低 出性層用組成物とした。

(実施例22)
 実施例20の(a)親水性ポリマーをポリビニル ルコール(質量平均分子量50,000、けん化度99%) に変更した以外は実施例20と同様にして、実 例22の親水性部材を作製した。

(実施例23)
 実施例21の(a)親水性ポリマーをポリビニル ルコール(質量平均分子量50,000、けん化度99%) に変更した以外は実施例21と同様にして、実 例23の親水性部材を作製した。

(実施例24、25)
 実施例20の親水性ゾルゲル液における(B)触 を下記のものに変更した以外は実施例20と同 様にして、親水性部材を作製した。
 実施例24:エチルアセトアセテートアルミニ ムジイソプロピレート(川研ファインケミカ ル(株)製、ALCH)2g
 実施例25:ジルコニウムキレート化合物2g
 ジルコニウムキレート化合物は、撹拌器を えた反応機に、テトラブトキシジルコニウ 50g、アセト酢酸エチル20gを加え、室温で1時 間撹拌して得た。

(実施例26、27)
 実施例20の親水性ゾルゲル液における親水 ポリマー(II-1)を下記のものに変更した以外 実施例20と同様にして、親水性部材を作製し た。
 実施例26:親水性ポリマー(II-6)(:例示化合物(I I-6)を使用)
 実施例27:親水性ポリマー(II-21)(:例示化合物( II-21)を使用)

(実施例28)
 実施例18の親水性層を以下のものに変更し 以外は実施例18と同様にして、実施例26の親 性部材を得た。
〔親水性ゾルゲル液〕
 エチルアルコール20g、精製水100g中に、(C)ア ルコキシド化合物としてテトラメトキシシラ ン12g、(A)親水性ポリマーとして親水性ポリマ ー(II-1)4gを混合し、室温で2時間撹拌して、調 製した。
〔親水性組成物〕
 前記親水性ゾルゲル液に実施例1に記載のア ニオン系界面活性剤の5質量%水溶液4g、精製 60gを混合し、親水性組成物とした。
〔塗布方法〕
 アルカリ脱脂されたアルミ基板(厚み約100μm )を準備し、該アルミ基板に前記親水性組成 をバー塗布し、150℃、30分でオーブン乾燥し て、乾燥塗布量0.1g/m 2 の親水性層を形成した。さらにその上に、実 施例20の低溶出性層用組成物をバー塗布し、1 50℃、30分でオーブン乾燥して、塗布乾燥量0. 2g/m 2 の低溶出性層を形成し、実施例28の親水性部 とした。親水性層の厚みは0.1μm、低溶出性 の厚みは0.2μmとした。

(実施例29)
 実施例28の親水性ゾルゲル液に(B)触媒とし アセチルアセトン1.0g、オルトチタン酸テト エチル1.0gを添加した以外は実施例28と同様 して、実施例29の親水性部材を作製した。

(実施例30)
〔下塗層用ゾルゲル液〕
 エチルアルコール200g、(P)触媒としてアセチ ルアセトン10g、オルトチタン酸テトラエチル 10g、精製水100g中に、(Q)アルコキシド化合物 してテトラメトキシシラン8gを混合し、室温 で2時間撹拌して、調製した。
〔下塗層用組成物〕
 上記下塗層用ゾルゲル液500gに実施例1に記 のアニオン系界面活性剤の5質量%水溶液30g、 精製水450gを混合し、塗布液とした。
〔塗布方法〕
 アルカリ脱脂されたアルミ基板(厚み約100μm )を準備し、該アルミ基板に下塗層用組成物 バー塗布し、100℃、30分でオーブン乾燥して 、乾燥塗布量0.1g/m 2 の下塗層を形成した。下塗層の厚みは、0.1μm であった。室温で十分冷却した後に、下塗層 上に実施例20の親水性層、低溶出性層を形成 、実施例30の親水性部材を得た。

(実施例31)
 実施例30の親水性層を実施例28の親水性層に 変更した以外は実施例30と同様にして、実施 31の親水性部材を得た。

(実施例32)
 実施例30の親水性層を実施例29の親水性層に 変更した以外は実施例30と同様にして、実施 32の親水性部材を得た。

(比較例3)
 実施例32において、低溶出性層を形成しな った以外は実施例32と同様にして、比較例3 部材を得た。

(比較例4)
 実施例29において、親水性ゾルゲル液にお る(A)親水性ポリマー(II-1)の代わりに下記構 を有する親水性ポリマー(比較ポリマー(1))を 用いた他は、同様にして比較例4の親水性部 を得た。

(比較例5)
 特開2005-344144号公報の段落0046(特開2002-201289 公報の表2・B1)に記載の、ポリアクリル酸( 均重合度400)100重量部と、カルボキシメチル ルロースナトリウム(平均重合度500)30重量部 からなる混合組成親水性皮膜(比較親水性膜 膜厚0.5μm)上に、実施例19の低溶出性層を形 し、比較例5の親水性部材を得た。

(実施例33)
〔親水性ゾルゲル液〕
 精製水100g中に、(A)親水性ポリマーとして、 親水性ポリマー(I-1)2.5g、親水性ポリマー(II-1) 7.5g、(B)触媒としてアセチルアセトン0.1g、オ トチタン酸テトラエチル0.1gを混合し、室温 で2時間撹拌して、調製した。
〔親水性組成物〕
 前記親水性ゾルゲル液120gに下記アニオン系 界面活性剤の5質量%水溶液2.5gを混合し、親水 性組成物を作製した。
〔低溶出性層用組成物〕
 ジメチルアセトアミド100g中に、(a)親水性ポ リマーとしてポリエチレングリコール(PEG、 量平均分子量20,000)10g、(b)架橋剤として1,4-テ トラメチレンジイソシアネート0.5gを混合し 室温で1時間撹拌し、低溶出性層用組成物と た。
〔塗布方法〕
 アルカリ脱脂されたアルミ基板(厚み約100μm )を準備し、該アルミ基板に上記の親水性組 物をバー塗布し、150℃、30分でオーブン乾燥 して、乾燥塗布量0.7g/m 2 の親水性層を形成した。さらにその上に、上 記の低溶出性層用組成物をバー塗布し、150℃ 、30分でオーブン乾燥して、塗布乾燥量0.2g/m 2 の低溶出性層を形成し、実施例1の親水性部 とした。親水性層の厚みは0.7μm、低溶出性 の厚みは0.2μmとした。

(実施例34)
 実施例33の(a)親水性ポリマーをポリビニル ルコール(PVA、質量平均分子量50,000、けん化 99%)に変更した以外は実施例33と同様に実施 34の親水性部材を作製した。

(実施例35)
 実施例33の低溶出性層用組成物を以下の組 物に変更した以外は実施例33と同様にして、 実施例35の親水性部材を作製した。
 ジメチルアセトアミド80g、精製水20g中に、( a)親水性ポリマーとしてポリエチレングリコ ル(質量平均分子量20,000)10g、(b)架橋剤とし テトラメトキシシラン0.5g、(c)触媒としてア チルアセトン0.05g、オルトチタン酸テトラ チル0.05gを混合し、室温で1時間撹拌し、低 出性層用組成物とした。

(実施例36)
 実施例35の(a)親水性ポリマーをポリビニル ルコール(質量平均分子量50,000、けん化度99%) に変更した以外は実施例35と同様にして、実 例36の親水性部材を作製した。

(実施例37、38)
 実施例33における(A)親水性ポリマー(I-1)を下 記のものに変更した以外は実施例33と同様に 水性部材を作成した。
 実施例37:親水性ポリマー(I-2)
 実施例38:親水性ポリマー(I-11)

(実施例39、40)
 実施例33における(A)親水性ポリマー(II-1)を 記のものに変更した以外は実施例33と同様に 親水性部材を作成した。
 実施例39:親水性ポリマー(II-6)
 実施例40:親水性ポリマー(II-21)

(実施例41、42)
 親水性ゾルゲル液中の親水性ポリマー(I-1) 親水性ポリマー(II-1)の添加量を下記のもの 変更した以外は実施例33と同様に親水性部材 を作成した。
 実施例41:親水性ポリマー(I-1)0.5g、親水性ポ マー(II-1)9.5g
 実施例42:親水性ポリマー(I-1)5.0g、親水性ポ マー(II-1)5.0g

(実施例43)
〔親水性ゾルゲル液〕
 エチルアルコール20g、精製水100g中に、(C)ア ルコキシド化合物としてテトラメトキシシラ ン12g、(A)親水性ポリマーとして親水性ポリマ ー(I-1)1.0g、親水性ポリマー(II-1)3.0g、(B)触媒 してアセチルアセトン1.0g、オルトチタン酸 トラエチル1.0gを混合し、室温で2時間撹拌 て、調製した。
〔親水性組成物〕
 前記親水性ゾルゲル液に実施例1に記載のア ニオン系界面活性剤の5質量%水溶液4g、精製 60gを混合し、親水性組成物とした。
〔塗布方法〕
 アルカリ脱脂されたアルミ基板(厚み約100μm )を準備し、該アルミ基板に前記親水性組成 をバー塗布し、150℃、30分でオーブン乾燥し て、乾燥塗布量0.1g/m 2 の親水性層を形成した。さらにその上に、実 施例33の低溶出性層用組成物をバー塗布し、1 50℃、30分でオーブン乾燥して、塗布乾燥量0. 2g/m 2 の低溶出性層を形成し、実施例12の親水性部 とした。親水性層の厚みは0.1μm、低溶出性 の厚みは0.2μmとした。

(実施例44)
〔下塗層用ゾルゲル液〕
 エチルアルコール200g、(P)触媒としてアセチ ルアセトン10g、オルトチタン酸テトラエチル 10g、精製水100g中に、(Q)アルコキシド化合物 してテトラメトキシシラン8gを混合し、室温 で2時間撹拌して、調製した。
〔下塗層用組成物〕
 上記下塗層用ゾルゲル液500gに実施例1に記 のアニオン系界面活性剤の5質量%水溶液30g、 精製水450gを混合し、塗布液とした。
〔塗布方法〕
 アルカリ脱脂されたアルミ基板(厚み約100μm )を準備し、該アルミ基板に下塗層用組成物 バー塗布し、100℃、30分でオーブン乾燥して 、乾燥塗布量0.1g/m 2 の下塗層を形成した。下塗層の厚みは、0.1μm であった。室温で十分冷却した後に、下塗層 上に実施例33の親水性層、低溶出性層を形成 、実施例44の親水性部材を得た。

(実施例45)
 実施例44の親水性層を実施例43の親水性層に 変更した以外は実施例44と同様にして、実施 45の親水性部材を得た。

 以上の構成を表1~3にまとめる。

(親水性部材の評価)
〔表面自由エネルギー〕
 親水性層表面の親水性度は、汎用的に、水 接触角(協和界面科学(株)製、DropMaster500)で 定される。しかし、本発明のような非常に 水性の高い表面においては、水滴接触角が10 °以下、さらには5°以下になることがあり、 水性度の相互比較を行うには、限界がある 一方、固体表面の親水性度をより詳細に評 する方法として、表面自由エネルギーの測 がある。種々の方法が提案されているが、 発明では、一例として、Zismanプロット法を いて表面自由エネルギーを測定した。具体 には、塩化マグネシウムなどの無機電解質 水溶液が濃度とともに表面張力が大きくな 性質を利用し、その水溶液を用いて空中、 温条件で接触角を測定した後、横軸にその 溶液の表面張力、縦軸に接触角をcosθに換 した値をとり、種々の濃度の水溶液の点を ロットして直線関係を得、cosθ=1すなわち、 触角=0°になるときの表面張力を、固体の表 面自由エネルギーと定義する測定方法である 。水の表面張力は72mN/mであり、表面自由エネ ルギーの値が大きいほど親水性が高いといえ る。

〔親水持続性〕
 親水性部材を超純水に5日間浸漬し、取り出 した後に風乾し、純水で接触角を測定したと きに接触角の変化が少ないほど親水持続性が 良好とする。浸漬後の接触角の変化が2°以下 の場合を○、2~7°の場合を△、7°以上の場合 ×と評価する。

〔耐摩擦性の評価〕
 得られた親水性部材表面を30mm×30mm角の不織 布(BEMCOT、旭化学繊維社製)で200gの負荷をかけ 250往復擦り、その前後の見た目の変化を目視 により観察する。
 ○:擦り前後の表面に傷なし
 △:1本程度傷あり
 ×:傷が多数存在

〔防汚性の評価〕
 50mlガラス容器の中にパルミチン酸0.2gを入 、そのガラス容器の口を上記で得られた50mm の親水性部材にて蓋をし、オーブンにて100 で1時間曝気した。その後、30分間流水に浸 し、80℃で30分乾燥した。これを1サイクル し、5サイクル行った後、水滴接触角(協和界 面科学(株)製、DropMaster500)を測定した。
 ○:20°未満
 △:20°以上、40°未満
 ×:40°以上
 以上の評価結果を下記表4~6に示す。

 以上より、本発明の組み合わせにより、 水性・防汚性、及びそれらの持続性に優れ 親水性部材が得られることがわかる。

 本発明の親水性部材は、例えば、エアコン 含まれる熱交換器用フィン材など、親水性 耐摩耗性、防汚性が求められる様々な用途 用いることができる。
 本出願は、2008年3月25日出願の日本特許出願 (特願2008-79314)に基づくものであり、それらの 内容はここに参照して組み込まれる。




 
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