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Title:
HYDROPHILIC MEMBERS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/096531
Kind Code:
A1
Abstract:
Hydrophilic members comprising various substrates and surface layers formed on the surfaces thereof, wherein the layers are soft and excellent in stainproofness, quick-drying properties against water and so on, and wear resistance. A hydrophilic member characterized by having, on the substrate, both a top coat formed from (A) a hydrophilic polymer bearing a specific structure and (B) a hydrophilic composition which contains at least one hydrophilic polymer bearing a specific structure and an under coat formed from an undercoating composition which comprises (C) an alkoxide represented by general formula (III): M(OR14)4 (wherein M is an element selected from among Si, Ti, and Zr) and (D) an alkoxysilane represented by general formula (IV): Si(OR15)aR16 4-a (wherein R14 to R16 are each independently hydrogen or a hydrocarbon group; and a is 2 or 3).

Inventors:
TANAKA SATOSHI
KONDO YOSHIAKI
Application Number:
PCT/JP2009/051594
Publication Date:
August 06, 2009
Filing Date:
January 30, 2009
Export Citation:
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Assignee:
FUJIFILM CORP (JP)
TANAKA SATOSHI
KONDO YOSHIAKI
International Classes:
B32B27/30; B05D5/00; C08F18/22; C08F28/02; C08F220/54; C09D5/00; C09D7/12; C09D143/02; C09D143/04; C09D183/04
Domestic Patent References:
WO1996029375A11996-09-26
Foreign References:
JP2007254265A2007-10-04
JP2002361800A2002-12-18
JP2002060527A2002-02-26
JP2000044875A2000-02-15
JP2003127268A2003-05-08
JPS6486101A1989-03-30
JPH04338901A1992-11-26
JPH0629332B21994-04-20
JPH0716940A1995-01-20
JP2002361800A2002-12-18
JPS62170950A1987-07-28
JPS62226143A1987-10-05
JPS60168144A1985-08-31
JPS58185677A1983-10-29
JPS61190537A1986-08-25
JPH02782A1990-01-05
JPH05197075A1993-08-06
JPH0934057A1997-02-07
JPS462784A1971-10-21
JPH05194483A1993-08-03
US3214463A1965-10-26
JPS4830492B11973-09-20
JPS5621141B21981-05-18
JPH1088106A1998-04-07
JPH04298503A1992-10-22
JPH0853427A1996-02-27
JPH08239368A1996-09-17
JPH10182621A1998-07-07
JPH08501291A1996-02-13
EP0223739A11987-05-27
EP0309401A11989-03-29
EP0309402A11989-03-29
EP0310551A21989-04-05
EP0310552A11989-04-05
EP0459416A21991-12-04
DE3435443A11986-04-03
JPS5448535A1979-04-17
JPS62262047A1987-11-14
JPS63113536A1988-05-18
JPS63163351A1988-07-06
JPH02262654A1990-10-25
JPH0271262A1990-03-09
JPH03121449A1991-05-23
JPH0561166A1993-03-12
JPH05119449A1993-05-18
US4814262A1989-03-21
US4980275A1990-12-25
JP2001049200A2001-02-20
JP2001253181A2001-09-18
JP2001322365A2001-11-20
US2714066A1955-07-26
US3181461A1965-05-04
US3280734A1966-10-25
US3902734A1975-09-02
JPS3622063B11961-11-15
US3276868A1966-10-04
US4153461A1979-05-08
US4689272A1987-08-25
JP2002106882A2002-04-10
JP2002156135A2002-05-31
Other References:
ARTICLE OF THE CHEMICAL DAILY NEWS, 30 January 1995 (1995-01-30)
J. SOL-GEL. SCI. AND TEC., vol. 16, 1999, pages 209
Attorney, Agent or Firm:
TAKAMATSU, Takeshi et al. (Kawabe Bldg. 7-9, Shimbashi 3-chome, Minato-k, Tokyo 04, JP)
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Claims:
 基板上に
(A)下記一般式(I-1)で表される構造と、一般式(I-2)で表される構造とを含む親水性ポリマー(A)及び一般式(II-1)で表される構造と、一般式(II-2)で表される構造とを含む親水性ポリマー(B)の少なくとも一つを含有する親水性組成物から形成される上塗り層と、
(C)一般式(III)M(OR 14 ) 4 で表されるアルコキシド(MはSi、Ti、Zrから選択される元素を表す。)及び
(D)一般式(IV)Si(OR 15 ) a R 16 4-a で表されるアルコキシシラン(R 14 ~R 16 はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基を表す。aは2又は3である)を含有する下塗り層用組成物から形成される下塗り層とを有することを特徴とする親水性部材。
 一般式(I-1)および(I-2)中、R 101 ~R 108 はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基を表す。pは1~3の整数を表し、L 101 は単結合又は-CONH-、-NHCONH-、-OCONH-、-SO 2 NH-、-SO 3 -からなる群より選択される構造を1つ以上有する多価の有機連結基を表す。L 102 は単結合又は多価の有機連結基を表す。x及びyは組成比を表し、xは0<x<100、yは0<y<100となる数を表す。A 101 は-OH、-OR a 、-COR a 、-CO 2 R e 、-CON(R a )(R b )、-N(R a )(R b )、-NHCOR d 、-NHCO 2 R a 、-OCON(R a )(R b )、-NHCON(R a )(R b )、-SO 3 R e 、-OSO 3 R e 、-SO 2 R d 、-NHSO 2 R d 、-SO 2 N(R a )(R b )、-N(R a )(R b )(R c )、-N(R a )(R b )(R c )(R g )、-PO 3 (R e )(R f )、-OPO 3 (R e )(R f )、または-PO 3 (R d )(R e )を表す。ここで、R a 、R b 及びR c は、それぞれ独立に水素原子または直鎖、分岐または環状のアルキル基を表し、R d は、直鎖、分岐または環状のアルキル基を表し、R e 及びR f は、それぞれ独立に水素原子または直鎖、分岐または環状のアルキル基、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはオニウムを表し、R g はハロゲンイオン、無機アニオン、または有機アニオンを表す。
 一般式(II-1)および(II-2)中、R 201 ~R 205 はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基を表す。qは1~3の整数を表し、L 201 およびL 202 は、それぞれ独立に単結合又は多価の有機連結基を表す。A 201 は-OH、-OR a 、-COR a 、-CO 2 R e 、-CON(R a )(R b )、-N(R a )(R b )、-NHCOR d 、-NHCO 2 R a 、-OCON(R a )(R b )、-NHCON(R a )(R b )、-SO 3 R e 、-OSO 3 R e 、-SO 2 R d 、-NHSO 2 R d 、-SO 2 N(R a )(R b )、-N(R a )(R b )(R c )、-N(R a )(R b )(R c )(R g )、-PO 3 (R e )(R f )、-OPO 3 (R e )(R f )、または-PO 3 (R d )(R e )を表す。ここで、R a 、R b 及びR c は、それぞれ独立に水素原子または直鎖、分岐または環状のアルキル基を表し、R d は、直鎖、分岐または環状のアルキル基を表し、R e 及びR f は、それぞれ独立に水素原子または直鎖、分岐または環状のアルキル基、アルカリ金属、アルカリ土類金属、またはオニウムを表し、R g はハロゲンイオン、無機アニオン、または有機アニオンを表す。
 前記親水性組成物が更に(E)触媒を含有することを特徴とする請求項1に記載の親水性部材。
 前記親水性組成物が更に(F)Si、Ti、Zr、Alから選択される元素のアルコキシド化合物を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の親水性部材。
 前記下塗り層用組成物が更に(E)触媒を含有することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の親水性部材。
 (E)触媒が不揮発性の触媒であることを特徴とする請求項2~4のいずれかに記載の親水性部材。
 前記親水性組成物が(A)親水性ポリマー及び(B)親水性ポリマーを含み、該(A)親水性ポリマーと(B)親水性ポリマーの質量比((A)親水性ポリマー/(B)親水性ポリマー)が95/5~50/50の範囲内であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の親水性部材。
 前記下塗り層用組成物が更に(G)界面活性剤を含有することを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の親水性部材。
 前記(G)界面活性剤がアニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及びフッ素系界面活性剤から選ばれる少なくとも一つであることを特徴とする請求項7に記載の親水性部材。
 前記下塗り層用組成物中の(C)アルコキシドと(D)アルコキシシランの質量比((C)アルコキシド/(D)アルコキシシラン)が90/10~30/70の範囲内であることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の親水性部材。
 基板上に、前記下塗り層用組成物を塗布し、加熱、乾燥することで下塗り層を形成し、その上に前記親水性組成物を塗布し、加熱、乾燥することで上塗り層を形成して得られたことを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の親水性部材。
 基板がフレキシブルな基板であることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の親水性部材。
 請求項1~11のいずれかに記載の親水性部材を用いたフィン材。
 請求項12に記載のフィン材がアルミニウム製であるアルミニウム製フィン材。
 請求項13に記載のアルミニウム製フィン材を用いた熱交換器。
 請求項14に記載の熱交換器を用いたエアコン。
Description:
親水性部材

 本発明は、各種の基板表面に防汚性、耐 耗性に優れ、且つ柔軟性を有する親水性部 に関する。

 部材表面への油性汚れの付着を防止する技 は、種々提案されている。特に、反射防止 、光学フィルター、光学レンズ、眼鏡レン 、鏡等の光学部材は、人が使用することに って、指紋、皮脂、汗、化粧品等の汚れが 着し、その機能を低下させると共に、汚れ 除去が煩雑であるため、効果的な汚れ防止 理を施すことが望まれている。
 また、近年、モバイルの普及に伴い、ディ プレイが屋外で使用されることが多くなっ きたが、外光が入射されるような環境下で 用されると、この入射光はディスプレイ表 において正反射され、反射光が表示光と混 して表示画像が見にくくなるなどの問題を き起こす。このため、ディスプレイ表面に 射防止光学部材を配置することがよく行わ ている。
 このような反射防止光学部材としては、例 ば、透明基板の表面に金属酸化物などから る高屈折率層と低屈折率層を積層したもの 透明基板の表面に無機や有機フッ化化合物 どの低屈折率層を単層で形成したもの、或 は、透明プラスチックフィルム基板の表面 透明な微粒子を含むコーティング層を形成 、凹凸状の表面により外光を乱反射させる のなどが知られている。これら反射防止光 部材表面も、前述の光学部材と同様に、人 使用することによって、指紋や皮脂などの れが付着しやすいが、汚れが付着した部分 け高反射となり、汚れがより目立つという 題に加え、反射防止膜の表面には通常、微 な凹凸があり、汚れの除去が困難であると う問題もあった。

 固体部材の表面に汚れを着き難くしたり、 着した汚れを取りやすくした性能を持つ汚 防止機能を表面に形成する技術が種々提案 れている。特に反射防止部材と防汚性部材 の組合わせとしては、例えば、主として二 化ケイ素からなる反射防止膜と、有機ケイ 置換基を含む化合物で処理してなる防汚性 耐摩耗性材料(例えば、特許文献1参照。)、 板表面に末端シラノール有機ポリシロキサ で被覆した防汚性、耐摩耗性のCRTフィルタ (例えば、特許文献2参照。)が提案されてい 。また、ポリフルオロアルキル基を含むシ ン化合物をはじめとするシラン化合物を含 する反射防止膜(例えば、特許文献3参照。) 、二酸化ケイ素を主とする光学薄膜とパー ルオロアルキルアクリレートとアルコキシ ラン基を有する単量体との共重合体との組 せ(例えば、特許文献4参照。)が、それぞれ 案されている。
 しかしながら、従来の方法で形成された防 層は、防汚性が不十分であり、特に、指紋 皮脂、汗、化粧品等の汚れが拭き取りにく 、また、フッ素やケイ素などの表面エネル ーの低い材料による表面処理は経時的な防 性能の低下が懸念され、このため、防汚性 耐久性の優れた防汚性部材の開発が望まれ いる。

 光学部材などの表面に汎用される樹脂フ ルム、或いは、ガラスや金属等の無機材料 、その表面は疎水性であるか、弱い親水性 示すものが一般的である。樹脂フィルム、 機材料などを用いた基板の表面が親水化さ ると、付着水滴が基板表面に一様に拡がり 一な水膜を形成するようになるので、ガラ 、レンズ、鏡の曇りを有効に防止でき、湿 による失透防止、雨天時の視界性確保等に 立つ。さらに、都市媒塵、自動車等の排気 スに含有されるカーボンブラック等の燃焼 成物、油脂、シーラント溶出成分等の疎水 汚染物質が付着しにくく、付着しても降雨 水洗により簡単に落せるようになるので、 々の用途に有用である。

 従来提案されている親水化するための表 処理方法、例えば、エッチング処理、プラ マ処理等によれば、高度に親水化されるも の、その効果は一時的であり、親水化状態 長期間維持することができない。また、親 性樹脂の一つとして親水性グラフトポリマ を使用した表面親水性塗膜も提案されてい (例えば、非特許文献1参照。)が、この塗膜 ある程度の親水性を有するものの、基板と 親和性が充分とはいえず、より高い耐久性 求められている。

 また、表面親水性に優れたフィルムとし は従来から酸化チタンを使用したフィルム 知られており、例えば、基板表面に光触媒 有層形成し、光触媒の光励起に応じて表面 高度に親水化する技術が開示されており、 の技術をガラス、レンズ、鏡、外装材、水 り部材等の種々の複合材に適用すれば、こ ら複合材に優れた防汚性を付与できること 報告されている(例えば、特許文献5参照。) しかしながら酸化チタンを用いた親水性フ ルムは充分な膜強度を有さず、さらに光励 されないと親水化効果が発現されないこと ら使用部位に制限があるという問題がある め、持続性があり、且つ、良好な耐摩耗性 有する防汚性部材が求められている。

 上記課題を達成するために、ゾルゲル有機 機ハイブリッド膜の特性に着眼し、親水性 リマーとアルコキシドとを加水分解、縮重 することにより架橋構造を備えた親水性表 が優れた防汚性を示し、且つ、良好な耐摩 性を有することを見出されている(特許文献 6参照)。このような架橋構造を有する親水性 面層は反応性基を有する特定の親水性ポリ ーと、架橋剤とを組合せることにより得ら る。
 しかし、従来技術の親水性の材料は、フィ ム状の基板に被膜を形成した場合、柔軟性 欠けるという欠点があった。

特開昭64-86101号公報

特開平4-338901号公報

特公平6-29332号公報

特開平7-16940号公報

国際公開第96/29375号パンフレット

特開2002-361800号公報 新聞"化学工業日報"1995年1月30日付け記事

 本発明の目的は、ゾルゲル有機無機ハイ リッド膜の研究をさらに進めることで、上 先行技術を発展させ、各種の基板表面に防 性、水などの速乾性、耐摩耗性に優れ、且 柔軟性な表面を有する親水性部材を提供す ことにある。

 本発明者らは、ゾルゲル有機無機ハイブリ ド膜の研究をさらに発展させた結果、親水 ポリマーを加水分解、縮重合することによ 形成された架橋構造を備えた親水性表面層 適切な基板表面に作製し、さらには、この うな架橋構造を有する親水性表面層が反応 基を側鎖に有し、かつ反応性基を親水性の い連結鎖で主鎖と連結させた特定の親水性 リマーと、好ましくは架橋剤との組合せに り得られ、これにより先行技術と同等の防 性、水などの速乾性を有し、より優れた耐 耗性を発現できることを見出した。またこ ような親水性層にさらに反応性基をポリマ 鎖の末端に有する親水性ポリマーを混合す ことで、親水性層の最表面に親水性ポリマ 鎖がグラフト状に配向し、より優れた防汚 を発現することを見出した。さらに下塗り として3もしくは2官能のアルコキシシラン 4官能のアルコキシドとを組み合わせること 、基板上に形成された被膜の柔軟性を付与 ることができ、防汚性、水などの速乾性、 摩耗性に優れ、且つ柔軟性な表面を有する 水性部材を完成させた。
 即ち、本発明は以下のとおりである。

〔1〕
 基板上に
(A)下記一般式(I-1)で表される構造と、一般式( I-2)で表される構造とを含む親水性ポリマー(A )及び一般式(II-1)で表される構造と、一般式(I I-2)で表される構造とを含む親水性ポリマー(B )の少なくとも一つを含有する親水性組成物 ら形成される上塗り層と、
(C)一般式(III)M(OR 14 ) 4 で表されるアルコキシド(MはSi、Ti、Zrから選 される元素を表す。)及び
(D)一般式(IV)Si(OR 15 ) a R 16 4-a で表されるアルコキシシラン(R 14 ~R 16 はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基を 表す。aは2又は3である)を含有する下塗り層 組成物から形成される下塗り層とを有する とを特徴とする親水性部材。

 一般式(I-1)および(I-2)中、R 101 ~R 108 はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基を 表す。pは1~3の整数を表し、L 101 は単結合又は-CONH-、-NHCONH-、-OCONH-、-SO 2 NH-、-SO 3 -からなる群より選択される構造を1つ以上有 る多価の有機連結基を表す。L 102 は単結合又は多価の有機連結基を表す。x及 yは組成比を表し、xは0<x<100、yは0<y< 100となる数を表す。A 101 は-OH、-OR a 、-COR a 、-CO 2 R e 、-CON(R a )(R b )、-N(R a )(R b )、-NHCOR d 、-NHCO 2 R a 、-OCON(R a )(R b )、-NHCON(R a )(R b )、-SO 3 R e 、-OSO 3 R e 、-SO 2 R d 、-NHSO 2 R d 、-SO 2 N(R a )(R b )、-N(R a )(R b )(R c )、-N(R a )(R b )(R c )(R g )、-PO 3 (R e )(R f )、-OPO 3 (R e )(R f )、または-PO 3 (R d )(R e )を表す。ここで、R a 、R b 及びR c は、それぞれ独立に水素原子または直鎖、分 岐または環状のアルキル基を表し、R d は、直鎖、分岐または環状のアルキル基を表 し、R e 及びR f は、それぞれ独立に水素原子または直鎖、分 岐または環状のアルキル基、アルカリ金属、 アルカリ土類金属、またはオニウムを表し、 R g はハロゲンイオン、無機アニオン、または有 機アニオンを表す。

 一般式(II-1)および(II-2)中、R 201 ~R 205 はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基を 表す。qは1~3の整数を表し、L 201 およびL 202 は、それぞれ独立に単結合又は多価の有機連 結基を表す。A 201 は-OH、-OR a 、-COR a 、-CO 2 R e 、-CON(R a )(R b )、-N(R a )(R b )、-NHCOR d 、-NHCO 2 R a 、-OCON(R a )(R b )、-NHCON(R a )(R b )、-SO 3 R e 、-OSO 3 R e 、-SO 2 R d 、-NHSO 2 R d 、-SO 2 N(R a )(R b )、-N(R a )(R b )(R c )、-N(R a )(R b )(R c )(R g )、-PO 3 (R e )(R f )、-OPO 3 (R e )(R f )、または-PO 3 (R d )(R e )を表す。ここで、R a 、R b 及びR c は、それぞれ独立に水素原子または直鎖、分 岐または環状のアルキル基を表し、R d は、直鎖、分岐または環状のアルキル基を表 し、R e 及びR f は、それぞれ独立に水素原子または直鎖、分 岐または環状のアルキル基、アルカリ金属、 アルカリ土類金属、またはオニウムを表し、 R g はハロゲンイオン、無機アニオン、または有 機アニオンを表す。
〔2〕
 前記親水性組成物が更に(E)触媒を含有する とを特徴とする〔1〕に記載の親水性部材。
〔3〕
 前記親水性組成物が更に(F)Si、Ti、Zr、Alか 選択される元素のアルコキシド化合物を含 することを特徴とする〔1〕または〔2〕に記 載の親水性部材。
〔4〕
 前記下塗り層用組成物が更に(E)触媒を含有 ることを特徴とする〔1〕~〔3〕のいずれか 記載の親水性部材。
〔5〕
 前記(E)触媒が不揮発性の触媒であることを 徴とする〔2〕~〔4〕のいずれかに記載の親 性部材。
〔6〕
 前記親水性組成物が(A)親水性ポリマー及び( B)親水性ポリマーを含み、該(A)親水性ポリマ と(B)親水性ポリマーの質量比((A)親水性ポリ マー/(B)親水性ポリマー)が95/5~50/50の範囲内で あることを特徴とする〔1〕~〔5〕のいずれか に記載の親水性部材。
〔7〕
 前記親水性組成物が更に(G)界面活性剤を含 することを特徴とする〔1〕~〔6〕のいずれ に記載の親水性部材。
〔8〕
 前記(G)界面活性剤がアニオン性界面活性剤 両性界面活性剤、及びフッ素系界面活性剤 ら選ばれる少なくとも一つであることを特 とする〔7〕に記載の親水性部材。
〔9〕
 前記下塗り層用組成物中の前記(C)アルコキ ドと前記(D)アルコキシシランの質量比((C)ア ルコキシド/(D)アルコキシシラン)が90/10~30/70 範囲内であることを特徴とする〔1〕~〔8〕 いずれかに記載の親水性部材。
〔10〕
 基板上に、前記下塗り層用組成物を塗布し 加熱、乾燥することで下塗り層を形成し、 の上に前記親水性組成物を塗布し、加熱、 燥することで上塗り層を形成して得られた とを特徴とする〔1〕~〔9〕のいずれかに記 の親水性部材。
〔11〕
 基板がフレキシブルな基板であることを特 とする〔1〕~〔10〕のいずれかにに記載の親 水性部材。
〔12〕
 〔1〕~〔11〕のいずれかに記載の親水性部材 を用いたフィン材。
〔13〕
 〔12〕に記載のフィン材がアルミニウム製 あるアルミニウム製フィン材。
〔14〕
 〔13〕に記載のアルミニウム製フィン材を いた熱交換器。
〔15〕
 〔14〕に記載の熱交換器を用いたエアコン

 本発明によれば、各種の基板表面に防汚 、水などの速乾性、密着性、耐摩耗性に優 、且つ柔軟性な表面を有する親水性部材を 供することができる。

 以下、本発明を詳細に説明する。
 本発明の親水性部材は、基板上に
(A)下記一般式(I-1)で表される構造と、一般式( I-2)で表される構造とを含む親水性ポリマー(A )及び一般式(II-1)で表される構造と、一般式(I I-2)で表される構造とを含む親水性ポリマー(B )の少なくとも一つを含有する親水性組成物 ら形成される上塗り層と、
(C)一般式(III)M(OR 14 ) 4 で表されるアルコキシド(MはSi、Ti、Zrから選 される元素を表す。)及び
(D)一般式(IV)Si(OR 15 ) a R 16 4-a で表されるアルコキシシラン(R 14 ~R 16 はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基を 表す。aは2又は3である)を含有する下塗り層 組成物から形成される下塗り層とを有する とを特徴とする。

 一般式(I-1)および(I-2)中、R 101 ~R 108 はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基を 表す。pは1~3の整数を表し、L 101 は単結合又は-CONH-、-NHCONH-、-OCONH-、-SO 2 NH-、-SO 3 -からなる群より選択される構造を1つ以上有 る多価の有機連結基を表す。L 102 は単結合又は多価の有機連結基を表す。x及 yは組成比を表し、xは0<x<100、yは0<y< 100となる数を表す。A 101 は-OH、-OR a 、-COR a 、-CO 2 R e 、-CON(R a )(R b )、-N(R a )(R b )、-NHCOR d 、-NHCO 2 R a 、-OCON(R a )(R b )、-NHCON(R a )(R b )、-SO 3 R e 、-OSO 3 R e 、-SO 2 R d 、-NHSO 2 R d 、-SO 2 N(R a )(R b )、-N(R a )(R b )(R c )、-N(R a )(R b )(R c )(R g )、-PO 3 (R e )(R f )、-OPO 3 (R e )(R f )、または-PO 3 (R d )(R e )を表す。ここで、R a 、R b 及びR c は、それぞれ独立に水素原子または直鎖、分 岐または環状のアルキル基を表し、R d は、直鎖、分岐または環状のアルキル基を表 し、R e 及びR f は、それぞれ独立に水素原子または直鎖、分 岐または環状のアルキル基、アルカリ金属、 アルカリ土類金属、またはオニウムを表し、 R g はハロゲンイオン、無機アニオン、または有 機アニオンを表す。

 一般式(II-1)および(II-2)中、R 201 ~R 205 はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基を 表す。qは1~3の整数を表し、L 201 およびL 202 は、それぞれ独立に単結合又は多価の有機連 結基を表す。A 201 は-OH、-OR a 、-COR a 、-CO 2 R e 、-CON(R a )(R b )、-N(R a )(R b )、-NHCOR d 、-NHCO 2 R a 、-OCON(R a )(R b )、-NHCON(R a )(R b )、-SO 3 R e 、-OSO 3 R e 、-SO 2 R d 、-NHSO 2 R d 、-SO 2 N(R a )(R b )、-N(R a )(R b )(R c )、-N(R a )(R b )(R c )(R g )、-PO 3 (R e )(R f )、-OPO 3 (R e )(R f )、または-PO 3 (R d )(R e )を表す。ここで、R a 、R b 及びR c は、それぞれ独立に水素原子または直鎖、分 岐または環状のアルキル基を表し、R d は、直鎖、分岐または環状のアルキル基を表 し、R e 及びR f は、それぞれ独立に水素原子または直鎖、分 岐または環状のアルキル基、アルカリ金属、 アルカリ土類金属、またはオニウムを表し、 R g はハロゲンイオン、無機アニオン、または有 機アニオンを表す。

 側鎖に親水性基とシランカップリング基 有するポリマー又は/及び側鎖に親水性基と ポリマー鎖の末端にシランカップリング基を 有するポリマーの加水分解、縮重合により形 成された架橋構造を有する上塗り層は、架橋 構造を有する有機無機複合体皮膜が形成され ているため、比較的高強度の皮膜となる。具 体的には、(A)親水性ポリマー又は(B)親水性ポ リマーを適当な溶媒に溶解させ、攪拌するこ とで、系中で加水分解・重縮合が進行し、ゾ ル状の親水性組成物が得られ、それを基板上 に被膜し、乾燥することにより基板表面上に 親水性の官能基を有し、(A)親水性ポリマー及 び(B)親水性ポリマーに含まれるシランカップ リング基同士が反応して形成される架橋構造 を有する有機無機複合体皮膜が形成される。

 さらに、先行技術では親水性ポリマーの末 にシランカップリング基を導入することで 親水性層を形成した際、親水性ポリマーが 面上にグラフト状に偏在することでポリマ 鎖の自由度が増大し、水との親和性が向上 ることで高い親水性を発現していた。本発 において(A)親水性ポリマーのみを用いた場 はシランカップリング基がポリマーの側鎖 存在するため上記の効果は期待されず、親 性の劣化が懸念されたが、シランカップリ グ基とポリマー主鎖を親水性の高い連結鎖 つなぐことで先行技術と同様の親水性を維 可能であったと考えられる。
 また、シランカップリング基がポリマーの 鎖に導入されていることで、(F)特定アルコ シドを使用する場合は、これと(A)特定親水 ポリマーとの相溶性が向上し、有機成分と 機成分が均一に分散した有機無機複合体皮 が得られる。これにより、非常に優れた耐 耗性を有する親水性部材が得られるものと えられる。
 また(A)親水性ポリマーと(B)親水性ポリマー 混合して用いた場合は、(A)親水性ポリマー 上記特徴と、(B)親水性ポリマーが末端にシ ンカップリング基を有することによって、 水性ポリマーが表面上にグラフト状に存在 ることを組み合わせることで非常に優れた 水性、耐摩耗性を得られたものと考えられ 。

 本発明では、さらに基板と上塗り層との間 密着性と、被膜全体の柔軟性を向上するた に下塗り層を設けることが必須である。基 と上塗り層の密着性は、基板表面と上塗り の反応性基同士が反応することにより実現 れる。実際には基板上にはそれほどの反応 基が無い場合、反応性基の豊富な下塗り層 介して上塗り層を密着させることができる また、その下塗り層には不揮発性の触媒を いることで、親水性部材を作成する際の乾 過程においても揮発せずに活性を維持した ま膜中に存在することができる。これによ 経時においてさらに架橋反応を進めること 可能となり、非常に高強度な塗膜となる。
 さらに基板との界面においても、不揮発性 触媒が活性を失わずに存在するために、基 と下塗り層との反応が経時により進行し、 い密着性を実現することが可能である。ま 本発明では、(C)特定アルコキシドと(D)特定 ルコキシシランを含有する下塗り層を用い ことで、ゾルゲル架橋構造の強固な3次元ネ ットワークが緩和され、下塗り層に適度の柔 軟性と架橋密度を付与できる。これによって 、基板と上塗り層の密着性を失うことなく、 全体として柔軟な被膜を基板上に形成するこ とが可能となる。被膜が柔軟であると、優れ た耐摩耗性を有する親水性部材が得られる。
 また、高い密着性を有し柔軟な被膜とする とができるため、フレキシブルな基板にも いることができる。

 以下に、本発明の親水性部材に含まれる 成分について説明する。

〔一般式(I-1)で表される構造及び(I-2)で表 れる構造を含む親水性ポリマー(A)〕

 一般式(I-1)および(I-2)中、R 101 ~R 108 はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基を 表す。pは1~3の整数を表し、L 101 は単結合又は-CONH-、-NHCONH-、-OCONH-、-SO 2 NH-、-SO 3 -からなる群より選択される構造を1つ以上有 る多価の有機連結基を表す。L 102 は単結合又は多価の有機連結基を表す。x及 yは組成比を表し、xは0<x<100、yは0<y< 100となる数を表す。A 101 は-OH、-OR a 、-COR a 、-CO 2 R e 、-CON(R a )(R b )、-N(R a )(R b )、-NHCOR d 、-NHCO 2 R a 、-OCON(R a )(R b )、-NHCON(R a )(R b )、-SO 3 R e 、-OSO 3 R e 、-SO 2 R d 、-NHSO 2 R d 、-SO 2 N(R a )(R b )、-N(R a )(R b )(R c )、-N(R a )(R b )(R c )(R g )、-PO 3 (R e )(R f )、-OPO 3 (R e )(R f )、または-PO 3 (R d )(R e )を表す。ここで、R a 、R b 及びR c は、それぞれ独立に水素原子または直鎖、分 岐または環状のアルキル基を表し、R d は、直鎖、分岐または環状のアルキル基を表 し、R e 及びR f は、それぞれ独立に水素原子または直鎖、分 岐または環状のアルキル基、アルカリ金属、 アルカリ土類金属、またはオニウムを表し、 R g はハロゲンイオン、無機アニオン、または有 機アニオンを表す。

 上記一般式(I-1)及び(I-2)において、R 101 ~R 108 はそれぞれ独立に、水素原子または炭化水素 基を表す。炭化水素基としては、アルキル基 、アリール基などが挙げられ、炭素原子数1~8 の直鎖、分岐または環状のアルキル基が好ま しい。具体的には、メチル基、エチル基、プ ロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル 基、ヘプチル基、オクチル基、イソプロピル 基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブチル基 イソペンチル基、ネオペンチル基、1-メチル ブチル基、イソヘキシル基、2-エチルヘキシ 基、2-メチルヘキシル基、シクロペンチル 等が挙げられる。R 101 ~R 108 は、効果及び入手容易性の観点から、好まし くは水素原子、メチル基またはエチル基であ る。

 これらの炭化水素基は更に置換基を有し いてもよい。アルキル基が置換基を有する き、置換アルキル基は置換基とアルキレン との結合により構成され、ここで、置換基 しては、水素を除く一価の非金属原子団が いられる。好ましい例としては、ハロゲン 子(-F、-Br、-Cl、-I)、ヒドロキシル基、アル キシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、 ルキルチオ基、アリールチオ基、アルキル チオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N- ルキルアミノ基、N,N-ジアリールアミノ基、N -アルキル-N-アリールアミノ基、アシルオキ 基、カルバモイルオキシ基、ν-アルキルカ バモイルオキシ基、N-アリールカルバモイル オキシ基、N,N-ジアルキルカルバモイルオキ 基、N,N-ジアリールカルバモイルオキシ基、N -アルキル-N-リールカルバモイルオキシ基、 ルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ 、アシルチオ基、アシルアミノ基、N-アルキ ルアシルアミノ基、N-アリールアシルアミノ 、ウレイド基、N’-アルキルウレイド基、N ,N’-ジアルキルウレイド基、N’-アリール レイド基、N’,N’-ジアリールウレイド基、N ’-アルキル-N’-アリールウレイド基、N-アル キルウレイド基、N-アリールウレイド基、N’ -アルキル-N-アルキルウレイド基、N’-アルキ ル-N-アリールウレイド基、N’,N’-ジアルキ -N-アルキルウレイト基、N’,N’-ジアルキル- N-アリールウレイド基、N’-アリール-ν-アル ルウレイド基、N’-アリール-N-アリールウ イド基、N’,N’-ジアリール-N-アルキルウレ ド基、N’,N’-ジアリール-N-アリールウレイ ド基、N’-アルキル-N’-アリール-N-アルキル レイド基、N’-アルキル-N’-アリール-N-ア ールウレイド基、アルコキシカルボニルア ノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N- アルキル-N-アルコキシカルボニルアミノ基、 N-アルキル-N-アリーロキシカルボニルアミノ 、N-アリール-N-アルコキシカルボニルアミ 基、N-アリール-N-アリーロキシカルボニルア ミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシ ル基、アルコキシカルボニル基、

アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基 、N-アルキルカルバモイル基、N,N-ジアルキル カルバモイル基、N-アリールカルバモイル基 N,N-ジアリールカルバモイル基、N-アルキル- N-アリールカルバモイル基、アルキルスルフ ニル基、アリールスルフィニル基、アルキ スルホニル基、アリールスルホニル基、ス ホ基(-SO 3 H)およびその共役塩基基(以下、スルホナト基 と称す)、アルコキシスルホニル基、アリー キシスルホニル基、スルフィナモイル基、N- アルキルスルフィナモイル基、N,N-ジアルキ スルフィナモイル基、N-アリールスルフィナ モイル基、N,N-ジアリールスルフィナモイル 、N-アルキル-N-アリールスルフィナモイル基 、スルファモイル基、N-アルキルスルファモ ル基、N,N-ジアルキルスルファモイル基、N- リールスルファモイル基、N,N-ジアリールス ルファモイル基、N-アルキル-N-アリールスル ァモイル基ホスフォノ基(-PO 3 H 2 )およびその共役塩基基(以下、ホスフォナト と称す)、ジアルキルホスフォノ基(-PO 3 (alkyl) 2 )、ジアリールホスフォノ基(-PO 3 (aryl) 2 )、アルキルアリールホスフォノ基(-PO 3 (alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノ基(-PO 3 H(alkyl))およびその共役塩基基(以後、アルキ ホスフォナト基と称す)、モノアリールホス ォノ基(-PO 3 H(aryl))およびその共役塩基基(以後、アリール ホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキシ (-OPO 3 H 2 )およびその共役塩基基(以後、ホスフォナト キシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキ シ基(-OPO 3 (alkyl) 2 )、ジアリールホスフォノオキシ基(-OPO 3 (aryl) 2 )、アルキルアリールホスフォノオキシ基(-OPO (alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ (-OPO 3 H(alkyl))およびその共役塩基基(以後、アルキ ホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリー ホスフォノオキシ基(-OPO 3 H(aryl))およびその共役塩基基(以後、アリール フォスホナトオキシ基と称す)、モルホルノ 、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アル ニル基、アルキニル基が挙げられる。

 これらの置換基における、アルキル基の具 例としては、R 101 ~R 108 において挙げたアルキル基が同様に挙げられ 、アリール基の具体例としては、フェニル基 、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キ シリル基、メシチル基、クメニル基、クロロ フェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチ ルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メト キシフェニル基、エトキシフェニル基、フェ ノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、 ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェ ニル基、フェニルチオフェニル基、メチルア ミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基 、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフ ェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、 エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシ カルボニルフェニル基、N-フェニルカルバモ ルフェニル基、フェニル基、シアノフェニ 基、スルホフェニル基、スルホナトフェニ 基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナト ェニル基等を挙げることができる。また、 ルケニル基の例としては、ビニル基、1-プ ペニル基、1-ブテニル基、シンナミル基、2- ロロ-1-エテニル基等が挙げられ、アルキニ 基の例としては、エチニル基、1-プロピニ 基、1-ブチニル基、トリメチルシリルエチニ ル基等が挙げられる。アシル基(G 1 CO-)におけるG 1 としては、水素、ならびに上記のアルキル基 、アリール基を挙げることができる。

 これら置換基のうち、より好ましいもの してはハロゲン原子(-F、-Br、-Cl、-I)、アル キシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基 アリールチオ基、N-アルキルアミノ基、N,N- アルキルアミノ基、アシルオキシ基、N-ア キルカルバモイルオキシ基、N-アリールカバ モイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル 基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシ カルボニル基、アリーロキシカルボニル基、 カルバモイル基、N-アルキルカルバモイル基 N,N-ジアルキルカルバモイル基、N-アリール ルバモイル基、N-アルキル-N-アリールカル モイル基、スルホ基、スルホナト基、スル ァモイル基、N-アルキルスルファモイル基、 N,N-ジアルキルスルファモイル基、N-アリール スルファモイル基、N-アルキル-N-アリールス ファモイル基、ホスフォノ基、ホスフォナ 基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリール スフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、 ルキルホスフォナト基、モノアリールホス ォノ基、アリールホスフォナト基、ホスフ ノオキシ基、ホスフォナトオキシ基、アリ ル基、アルケニル基が挙げられる。

 一方、置換アルキル基におけるアルキレ 基としては好ましくは炭素数1から20までの ルキル基上の水素原子のいずれか1つを除し 、2価の有機残基としたものを挙げることが き、より好ましくは炭素原子数1から12まで 更に好ましくは炭素原子数1から8の直鎖状、 より好ましくは炭素原子数3から12までの、更 に好ましくは炭素原子数3から8までの分岐状 らびにより好ましくは炭素原子数5から10ま 、更に好ましくは炭素原子数5から8までの 状のアルキレン基を挙げることができる。 置換基とアルキレン基を組み合わせる事に り得られる置換アルキル基の、好ましい具 例としては、クロロメチル基、ブロモメチ 基、2-クロロエチル基、トリフルオロメチル 基、ヒドロキシメチル基、メトキシメチル基 、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシ メチル基、フェノキシメチル基、メチルチオ メチル基、トリルチオメチル基、エチルアミ ノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モ ルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル 基、ベンゾイルオキシメチル基、N-シクロヘ シルカルバモイルオキシエチル基、N-フェ ルカルバモイルオキシエチル基、アセチル ミノエチル基、N-メチルベンゾイルアミノプ ロピル基、2-オキシエチル基、2-オキシプロ ル基、カルボキシプロピル基、メトキシカ ボニルエチル基、アリルオキシカルボニル チル基、

 クロロフェノキシカルボニルメチル基、 ルバモイルメチル基、N-メチルカルバモイ エチル基、N,N-ジプロピルカルバモイルメチ 基、N-(メトキシフェニル)カルバモイルエチ ル基、N-メチル-N-(スルホフェニル)カルアバ イルメチル基、スルホブチル基、スルホナ ブチル基、スルファモイルブチル基、N-エチ ルスルファモイルメチル基、N,N-ジプロピル ルファモイルプロピル基、N-トリルスルファ モイルプロピル基、N-メチル-N-(ホスフォノフ ェニル)スルファモイルオクチル基、ホスフ ノブチル基、ホスフォナトヘキシル基、ジ チルホスフォノブチル基、ジフェニルホス ォノプロピル基、メチルホスフォノブチル 、メチルホスフォナトブチル基、トリルホ フォノへキシル基、トリルホスフォナトヘ シル基、ホスフォノオキシプロピル基、ホ フォナトオキシブチル基、ベンジル基、フ ネチル基、α-メチルベンジル基、1-メチル-1- フェニルエチル基、p-メチルベンジル基、シ ナミル基、アリル基、1-プロペニルメチル 、2-ブテニル基、2-メチルアリル基、2-メチ プロペニルメチル基、2-プロピニル基、2-ブ ニル基、3-ブチニル基等を挙げることがで る。

 親水性の観点から上記のなかでもヒドロ シメチル基が好ましい。

 L 102 は単結合または有機連結基を表す。ここで単 結合とはポリマーの主鎖とXが連結鎖なしに 接結合していることを表す。
 L 102 が有機連結基を表す場合、L 102 は非金属原子からなる多価の連結基を表し、 0個から60個までの炭素原子、0個から10個まで の窒素原子、0個から50個までの酸素原子、0 から100個までの水素原子、及び0個から20個 での硫黄原子から成り立つものである。具 的には、-N<、脂肪族基、芳香族基、複素 基、及びそれらの組合せから選ばれること 好ましく、-O-、-S-、-CO-、-NH-、あるいは、-O- または-S-または-CO-または-NH-を含む組合せで 2価の連結基であることが好ましい。
 より具体的な連結基としては下記の構造単 またはこれらが組合わされて構成されるも を挙げることができる。

 一般式(I-1)において、L 101 は単結合、または、-CONH-、-NHCONH-、-OCONH-、-SO 2 NH-及び-SO 3 -からなる群より選択される構造を1つ以上有 る連結基である。

 一般式(I-2)中、A 101 は-OH、-OR a 、-COR a 、-CO 2 R e 、-CON(R a )(R b )、-N(R a )(R b )、-NHCOR d 、-NHCO 2 R a 、-OCON(R a )(R b )、-NHCON(R a )(R b )、-SO 3 R e 、-OSO 3 R e 、-SO 2 R d 、-NHSO 2 R d 、-SO 2 N(R a )(R b )、-N(R a )(R b )(R c )、-N(R a )(R b )(R c )(R g )、-PO 3 (R e )(R f )、-OPO 3 (R e )(R f )、または-PO 3 (R d )(R e )を表す。ここで、R a 、R b 及びR c は、それぞれ独立に水素原子または直鎖、分 岐または環状のアルキル基(好ましくは炭素 1~8)を表し、R d は、直鎖、分岐または環状のアルキル基(好 しくは炭素数1~8)を表し、R e 及びR f は、それぞれ独立に水素原子または直鎖、分 岐または環状のアルキル基(好ましくは炭素 1~8)、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ま はオニウムを表し、R g はハロゲンイオン、無機アニオン、または有 機アニオンを表す。また、-CON(R a )(R b )、-N(R a )(R b )、-OCON(R a )(R b )、-NHCON(R a )(R b )、-SO 2 N(R a )(R b )、-N(R a )(R b )(R c )、-N(R a )(R b )(R c )(R g )、-PO 3 (R e )(R f )、-OPO 3 (R e )(R f )、または-PO 3 (R d )(R e )についてR a ~R g がお互い結合して環を形成していてもよく、 また、形成された環は酸素原子、硫黄原子、 窒素原子などのヘテロ原子を含むヘテロ環で あってもよい。R a ~R g はさらに置換基を有していてもよく、ここで 導入可能な置換基としては、前記R 1 ~R 8 がアルキル基の場合に導入可能な置換基とし て挙げたものを同様に挙げることができる。

 R a ~R f において、直鎖、分岐または環状のアルキル 基としては、具体的には、メチル基、エチル 基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘ キシル基、ヘプチル基、オクチル基、イソプ ロピル基、イソブチル基、s-ブチル基、t-ブ ル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1- メチルブチル基、イソヘキシル基、2-エチル キシル基、2-メチルヘキシル基、シクロペ チル基等が好適に挙げられる。
 また、R a ~R g において、アルカリ金属としては、リチウム 、ナトリウムまたはカリウム等、アルカリ土 類金属としてしはバリウム等、オニウムとし てはアンモニウム、ヨードニウムまたはスル ホニウム等が好適に挙げられる。
 ハロゲンイオンとしてはフッ素イオン、塩 イオン、臭素イオンを挙げることでき、無 アニオンとしては硝酸アニオン、硫酸アニ ン、テトラフルオロホウ酸アニオン、ヘキ フルオロリン酸アニオン等が、有機アニオ としてはメタンスルホン酸アニオン、トリ ルオロメタンスルホン酸アニオン、ノナフ オロブタンスルホン酸アニオン、p-トルエ スルホン酸アニオン等が好適に挙げられる

 A 101 としては、具体的には、-NHCOCH 3 、-CONH 2 、-CON(CH 3 ) 2 、-COOH、-SO 3 - NMe 4 + 、-SO 3 - K + 、-(CH 2 CH 2 O) n H、モルホリル基等が好ましい。より好まし は、-NHCOCH 3 、-CONH 2 、-CON(CH 3 ) 2 、-SO 3 - K + 、-(CH 2 CH 2 O) n H、である。尚、上記において、nは1~100の整 を表すことが好ましい。

 pは1~3の整数を表し、好ましくは2~3、より 好ましくは3である。

 一般式(I-1)で表される構造及び(I-2)で表さ れる構造を含む親水性ポリマーにおいて、x びyは(A)特定親水性ポリマーにおける、一般 (I-1)で表される構造単位と一般式(I-2)で表さ れる構造単位の組成比を表す。xは0<x<100 yは0<y<100である。xは1<x<90の範囲で ることが好ましく、1<x<50の範囲である とがさらに好ましい。yは10<y<99の範囲 あることが好ましく、50<y<99の範囲であ ことがさらに好ましい。

 一般式(I-1)で表される構造及び(I-2)で表さ れる構造を含む親水性ポリマー(A)の共重合比 率は、親水性基を有する一般式(I-2)の量が上 範囲内になるように任意に設定することが きる。好ましくは、一般式(I-2)の構造単位 モル比(y)と加水分解性シリル基を有する一 式(I-1)の構造単位のモル比(x)が、y/x=30/70~99/1 範囲が好ましく、y/x=40/60~98/2がより好まし 、y/x=50/50~97/3が最も好ましい。y/xが30/70以上 あれば親水性が不足することなく、一方、y /x=99/1以下であれば、加水分解性シリル基量 十分量となり、十分な硬化が得られ、膜強 も十分なものとなる。

 一般式(I-1)で表される構造及び(I-2)で表さ れる構造を含むポリマーの質量平均分子量は 、1,000~1,000,000が好ましく、1,000~500,000がさら 好ましく、1,000~200,000が最も好ましい。

  以下に、一般式(I-1)で表される構造及び (I-2)で表される構造を含む親水性ポリマーの 体例をその質量平均分子量(M.W.)とともに以 に示すが、本発明はこれらに限定されるも ではない。なお、以下に示す具体例のポリ ーは記載される各構造単位が記載のモル比 含まれるランダム共重合体またはブロック 重合体であることを意味する。

 一般式(I-1)で表される構造及び(I-2)で表され る構造を含む親水性ポリマーを合成するため の各化合物は、市販されており、また容易に 合成することもできる。
 一般式(I-1)で表される構造及び(I-2)で表され る構造を含む親水性ポリマーを合成するため のラジカル重合法としては、従来公知の方法 の何れをも使用することができる。
 具体的には、一般的なラジカル重合法は、 えば、新高分子実験学3(1996年、共立出版)、 高分子の合成と反応1(高分子学会編、1992年、 共立出版)、新実験化学講座19(1978年、丸善)、 高分子化学(I)(日本化学会編、1996年、丸善)、 高分子合成化学(物質工学講座、1995年、東京 気大学出版局) 等に記載されており、これ を適用することができる。

〔(B)一般式(II-1)で表される構造単位と、一 般式(II-2)で表される構造単位とを有する親水 性ポリマー〕

 一般式(II-1)及び(II-2)中、R 201 ~R 205 はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基を 表す。qは1~3の整数を表し、L 201 及びL 202 は、それぞれ単結合又は多価の有機連結基を 表す。A 201 は-OH、-OR a 、-COR a 、-CO 2 R e 、-CON(R a )(R b )、-N(R a )(R b )、-NHCOR d 、-NHCO 2 R a 、-OCON(R a )(R b )、-NHCON(R a )(R b )、-SO 3 R e 、-OSO 3 R e 、-SO 2 R d 、-NHSO 2 R d 、-SO 2 N(R a )(R b )、-N(R a )(R b )(R c )、-N(R a )(R b )(R c )(R g )、-PO 3 (R e )(R f )、-OPO 3 (R e )(R f )、または-PO 3 (R d )(R e )を表す。ここで、R a 、R b 及びR c は、それぞれ独立に水素原子または直鎖、分 岐または環状のアルキル基を表し、R d は、直鎖、分岐または環状のアルキル基を表 し、R e 及びR f は、それぞれ独立に水素原子または直鎖、分 岐または環状のアルキル基、アルカリ金属、 アルカリ土類金属、またはオニウムを表し、 R g はハロゲンイオン、無機アニオン、または有 機アニオンを表す。

 一般式(II-1)で表される構造単位と、一般 (II-2)で表される構造単位とを有する親水性 リマー(B)は、上記一般式(II-2)で表される構 単位を有し、且つ、ポリマー鎖の末端に上 一般式(II-1)で表される部分構造を有するこ が好ましい。

 前記一般式(II-1)及び(II-2)において、R 201 ~R 205 は、それぞれ独立に水素原子または炭化水素 基を表し、R 201 ~R 205 が炭化水素基を表す場合の炭化水素基として は、アルキル基、アリール基などが挙げられ 、炭素数1~8の直鎖、分岐または環状のアルキ ル基が好ましい。具体的には、前記一般式(I- 1)及び(I-2)のR 101 ~R 108 で挙げたものと同様のものを挙げることがで きる。
 L 201 、L 202 は、それぞれ独立に単結合又は多価の有機連 結基を表す。ここで単結合とはポリマーの主 鎖とA 201 及びSi原子が連結鎖なしに直接結合している とを表す。L 201 、L 202 が多価の有機連結基を表す場合、具体的な例 及び好ましい例は、前記一般式(I-1)のL 102 で挙げたものと同様のものを挙げることがで きる。
 A 201 は-OH、-OR a 、-COR a 、-CO 2 R e 、-CON(R a )(R b )、-N(R a )(R b )、-NHCOR d 、-NHCO 2 R a 、-OCON(R a )(R b )、-NHCON(R a )(R b )、-SO 3 R e 、-OSO 3 R e 、-SO 2 R d 、-NHSO 2 R d 、-SO 2 N(R a )(R b )、-N(R a )(R b )(R c )、-N(R a )(R b )(R c )(R g )、-PO 3 (R e )(R f )、-OPO 3 (R e )(R f )、または-PO 3 (R d )(R e )を表す。A 201 の具体的な例及び好ましい例は一般式(I-2)のA 101 で挙げられたものと同様のものを挙げること ができる。
 qは1~3の整数を表す。好ましくは2~3、より好 ましくは3である。

 L 201 及びL 202 は、より好ましくは、-CH 2 CH 2 CH 2 S-、-CH 2 S-、-CONHCH(CH 3 )CH 2 -、-CONH-、-CO-、-CO 2 -、-CH 2 -である。

 一般式(II-1)及び(II-2)で表される構造を含 親水性ポリマーは、例えば、連鎖移動剤(ラ ジカル重合ハンドブック(エヌ・ティー・エ 、蒲池幹治、遠藤剛)に記載)やIniferter(Macromol ecules1986,19,p287-(Otsu)に記載)の存在下に、親水 モノマー(例、アクリルアミド、アクリル酸 、メタクリル酸3-スルホプロピルのカリウム )をラジカル重合させることにより合成でき る。連鎖移動剤の例は、3-メルカプトプロピ ン酸、2-アミノエタンチオール塩酸塩、3-メ ルカプトプロパノール、2-ヒドロキシエチル スルフィド、3-メルカプトプロピルトリメ キシシランを含む。また、連鎖移動剤を使 せず、反応性基を有するラジカル重合開始 を用いて、親水性モノマー(例、アクリルア ド)をラジカル重合させてもよい。

 一般式(II-1)で表される構造単位と、一般 (II-2)で表される構造単位とを有する親水性 リマーは、下記一般式(i)で表されるラジカ 重合可能なモノマーと、下記一般式(ii)で表 されるラジカル重合において連鎖移動能を有 するシランカップリング剤を用いてラジカル 重合することにより合成することができる。 シランカップリング剤(ii)が連鎖移動能を有 るため、ラジカル重合においてポリマー主 末端にシランカップリング基が導入された リマーを合成することができる。

 上記式(i)及び(ii)において、R 201 ~R 205 、L 201 、L 202 、A 201 、qは、上記一般式(II-1)及び(II-2)中のものと 義である。また、これらの化合物は、市販 れており、また容易に合成することもでき 。一般式(i)で表されるラジカル重合可能な ノマーは親水性基A 201 を有しており、このモノマーが親水性ポリマ ーにおける一構造単位となる。

 一般式(II-1)で表される構造単位と、一般 (II-2)で表される構造単位とを有する親水性 リマー(B)において、加水分解性シリル基を する一般式(II-1)の構造単位のモル数に対し 、一般式(II-2)の構造単位のモル数が、1000~10 倍の範囲が好ましく、500~20倍の範囲がより好 ましく、200~30倍の範囲が最も好ましい。30倍 上であれば親水性が不足することなく、一 、200倍以下であれば、加水分解性シリル基 が十分量となり、十分な硬化が得られ、膜 度も十分なものとなる。

 一般式(II-1)で表される構造単位と、一般 (II-2)で表される構造単位とを有する親水性 リマー(B)の質量平均分子量は、1,000~1,000,000 好ましく、1,000~500,000がさらに好ましく、1,0 00~200,000が最も好ましい。

 本発明に好適に用い得る親水性ポリマー( B)の具体例を以下に示すが、本発明はこれら 限定されるものではない。具体例中、*はポ リマーへの結合位置を表す。

 親水性ポリマー(A)または(B)は、他のモノ ーとの共重合体であってもよい。用いられ 他のモノマーとしては、例えば、アクリル エステル類、メタクリル酸エステル類、ア リルアミド類、メタクリルアミド類、ビニ エステル類、スチレン類、アクリル酸、メ クリル酸、アクリロニトリル、無水マレイ 酸、マレイン酸イミド等の公知のモノマー 挙げられる。このようなモノマー類を共重 させることで、製膜性、膜強度、親水性、 水性、溶解性、反応性、安定性等の諸物性 改善することができる。

 アクリル酸エステル類の具体例としては メチルアクリレート、エチルアクリレート (n-またはi-)プロピルアクリレート、(n-、i- sec-またはt-)ブチルアクリレート、アミルア リレート、2-エチルヘキシルアクリレート ドデシルアクリレート、クロロエチルアク レート、2-ヒドロキシエチルアクリレート、 2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒド キシペンチルアクリレート、シクロヘキシ アクリレート、アリルアクリレート、トリ チロールプロパンモノアクリレート、ペン エリスリトールモノアクリレート、ベンジ アクリレート、メトキシベンジルアクリレ ト、クロロベンジルアクリレート、ヒドロ シベンジルアクリレート、ヒドロキシフェ チルアクリレート、ジヒドロキシフェネチ アクリレート、フルフリルアクリレート、 トラヒドロフルフリルアクリレート、フェ ルアクリレート、ヒドロキシフェニルアク レート、クロロフェニルアクリレート、ス ファモイルフェニルアクリレート、2-(ヒド キシフェニルカルボニルオキシ)エチルアク レート等が挙げられる。

 メタクリル酸エステル類の具体例として 、メチルメタクリレート、エチルメタクリ ート、(n-またはi-)プロピルメタクリレート (n-、i-、sec-またはt-)ブチルメタクリレート アミルメタクリレート、2-エチルヘキシル タクリレート、ドデシルメタクリレート、 ロロエチルメタクリレート、2-ヒドロキシエ チルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピル タクリレート、2-ヒドロキシペンチルメタ リレート、シクロヘキシルメタクリレート アリルメタクリレート、トリメチロールプ パンモノメタクリレート、ペンタエリスリ ールモノメタクリレート、ベンジルメタク レート、メトキシベンジルメタクリレート クロロベンジルメタクリレート、ヒドロキ ベンジルメタクリレート、ヒドロキシフェ チルメタクリレート、ジヒドロキシフェネ ルメタクリレート、フルフリルメタクリレ ト、テトラヒドロフルフリルメタクリレー 、フェニルメタクリレート、ヒドロキシフ ニルメタクリレート、クロロフェニルメタ リレート、スルファモイルフェニルメタク レート、2-(ヒドロキシフェニルカルボニル キシ)エチルメタクリレート等が挙げられる

 アクリルアミド類の具体例としては、ア リルアミド、N-メチルアクリルアミド、N-エ チルアクリルアミド、N-プロピルアクリルア ド、N-ブチルアクリルアミド、N-ベンジルア クリルアミド、N-ヒドロキシエチルアクリル ミド、N-フェニルアクリルアミド、N-トリル アクリルアミド、N-(ヒドロキシフェニル)ア リルアミド、N-(スルファモイルフェニル)ア リルアミド、N-(フェニルスルホニル)アクリ ルアミド、N-(トリルスルホニル)アクリルア ド、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-メチル-N -フェニルアクリルアミド、N-ヒドロキシエチ ル-N-メチルアクリルアミド等が挙げられる。

 メタクリルアミド類の具体例としては、 タクリルアミド、N-メチルメタクリルアミ 、N-エチルメタクリルアミド、N-プロピルメ クリルアミド、N-ブチルメタクリルアミド N-ベンジルメタクリルアミド、N-ヒドロキシ チルメタクリルアミド、N-フェニルメタク ルアミド、N-トリルメタクリルアミド、N-(ヒ ドロキシフェニル)メタクリルアミド、N-(ス ファモイルフェニル)メタクリルアミド、N-( ェニルスルホニル)メタクリルアミド、N-(ト リルスルホニル)メタクリルアミド、N,N-ジメ ルメタクリルアミド、N-メチル-N-フェニル タクリルアミド、N-ヒドロキシエチル-N-メチ ルメタクリルアミド等が挙げられる。

 ビニルエステル類の具体例としては、ビニ アセテート、ビニルブチレート、ビニルベ ゾエート等が挙げられる。
 スチレン類の具体例としては、スチレン、 チルスチレン、ジメチルスチレン、トリメ ルスチレン、エチルスチレン、プロピルス レン、シクロヘキシルスチレン、クロロメ ルスチレン、トリフルオロメチルスチレン エトキシメチルスチレン、アセトキシメチ スチレン、メトキシスチレン、ジメトキシ チレン、クロロスチレン、ジクロロスチレ 、ブロモスチレン、ヨードスチレン、フル ロスチレン、カルボキシスチレン等が挙げ れる。

 本発明における親水性組成物は親水性ポリ ー(A)または(B)を単独あるいは2種以上混合し ても良い。
 親水性ポリマー(A)または(B)は硬化性と親水 の観点から、親水性組成物の全固形分に対 て20~99.5質量%使用されることが好ましく、30 ~99.5質量%使用されることがさらに好ましい。

 (A)親水性ポリマーと(B)親水性ポリマーを 用する場合、親水性組成物中に含まれる(A) 水性ポリマーと(B)親水性ポリマーの質量比( (A)親水性ポリマー/(B)親水性ポリマー)は95/5~50 /50の範囲であることが好ましい。92/8~55/45で ることがより好ましく、90/10~60/40のであるこ とがさらに好ましい。

 上記、親水性ポリマーは、金属アルコキ ドの加水分解、重縮合物と混合した状態で 橋皮膜を形成する。有機成分である親水性 リマーは、皮膜強度や皮膜柔軟性に対して 与しており、特に、親水性ポリマーの粘度 0.1~100mPa・s(5%水溶液、20℃測定)、好ましく 0.5~70mPa・s、さらに好ましくは1~50mPa・sの範 にあると、良好な膜物性を与える。

 共重合体の合成に使用されるこれらの他 モノマーの割合は、諸物性の改良に十分な である必要があるが、親水性膜としての機 が十分であり、(A)特定親水性ポリマー又は( B)特定親水性ポリマーを添加する利点を十分 るために、割合は大きすぎないほうが好ま い。従って、(A)特定親水性ポリマー又は(B) 定親水性ポリマー中の他のモノマー由来の 造単位の好ましい総割合は80質量%以下であ ことが好ましく、さらに好ましくは50質量% 下である。

 親水性ポリマー(A)または(B)の共重合比の 定は、核磁気共鳴装置(NMR)や、標準物質で 量線を作成し、赤外分光光度計により測定 ることができる。

 本発明に係る(A)特定親水性ポリマー及び( B)特定親水性ポリマーは、本発明の親水性組 物の不揮発性成分に対して、硬化性と親水 の観点から、好ましくは5~95質量%、更に好 しくは15~90質量%、最も好ましくは20~85質量% 範囲で含有される。これらは単独で用いて 2種以上併用してもよい。ここで、不揮発成 とは、揮発する溶媒を除いた成分をいう。

〔(C)一般式(III)で表されるアルコキシド〕
 本発明においては下塗り層用組成物中に(C) 記一般式(III)で表されるアルコキシド(以下( C)特定アルコキシドともいう)を用いる。

 M(OR 14 ) 4        一般式(III)

 一般式(III)中、R 14 は水素原子又は炭化水素基(好ましくはアル ル基又はアリール基)を表す。R 14 がアルキル基を表す場合の炭素数は好ましく は1~18、より好ましくは1~8である。アルキル 又はアリール基は置換基を有していてもよ 、導入可能な置換基としては、ハロゲン原 、アミノ基、メルカプト基などが挙げられ 。なお、この化合物は低分子化合物であり 分子量1000以下であることが好ましい。

 MはSi、Ti、Zrの群から選択される元素を表 す。以下に、(C)特定アルコキシドの具体例を 挙げるが、本発明はこれに限定されるもので はない。

 MがSiの場合、即ち、(C)特定アルコキシド にケイ素を含むものとしては、例えば、テ ラメトキシシラン、テトラエトキシシラン テトラプロポキシシラン、テトラブトキシ ン、メトキシトリエトキシシラン、エトキ トリメトキシシラン、メトキシトリプロポ シシラン、エトキシトリプロポキシシラン プロポキシトリメトキシシラン、プロポキ トリエトキシシラン、ジメトキシジエトキ シラン等を挙げることができる。これらの ち特に好ましいものとしては、テトラメト シシラン、テトラエトキシシラン等を挙げ ことができる。

 MがTiである場合、即ち、チタンを含むも としては、例えば、テトラメトキシチタネ ト、テトラエトキシチタネート、テトラプ ポキシチタネート、テトライソプロポキシ タネート、テトラブトキシチタネート等を げることができる。

 MがZrである場合、即ち、ジルコニウムを含 ものとしては、例えば、前記チタンを含む のとして例示した化合物に対応するジルコ ートを挙げることができる。
 これらの中でも、MがSiであるアルコキシド 被膜性の観点から好ましい。

 本発明に係る(C)特定アルコキシドは、単独 用いても2種以上併用してもよい。
 (C)特定アルコキシドは、本発明の下塗り層 組成物中に、不揮発性成分に対して、好ま くは5~80質量%、更に好ましくは10~70質量%の 囲で使用される。
 (C)特定アルコキシドは市販品が容易に入手 きるし、公知の合成方法、たとえば各金属 化物とアルコールとの反応によっても得ら る。

〔(D)一般式(IV)で表されるアルコキシシラン
 本発明においては下塗り層用組成物中に(D) 記一般式(IV)で表されるアルコキシシラン( 下(D)特定アルコキシシランともいう)を用い 。なお、この化合物は低分子化合物であり 分子量2000以下であることが好ましく、1000 下であることがより好ましい。

 Si(OR 15 ) a R 16 4-a     一般式(IV)

(一般式(IV)中、R 15 およびR 16 はそれぞれ独立に水素原子又は炭化水素基( ましくはアルキル基又はアリール基)を表す R 15 およびR 16 がアルキル基を表す場合の炭素数は好ましく は1~18、より好ましくは1~8である。アルキル 又はアリール基は置換基を有していてもよ 、導入可能な置換基としては、ハロゲン原 、アミノ基、メルカプト基などが挙げられ 。aは2または3を表す。)

 以下に、(D)一般式(IV)で表される(D)特定ア ルコキシシランの具体例を挙げるが、本発明 はこれに限定されるものではない。aが2の場 、即ち3官能のアルコキシシランとしては、 例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジエチ ルジメトキシシラン、プロピルメチルジメト キシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジ エチルジエトキシシラン、ジプロピルジエト キシシラン、γ-クロロプロピルメチルジエト キシシラン、γ-クロロプロピルジメチルジメ トキシシラン、クロロジメチルジエトキシシ ラン、(p-クロロメチル)フェニルメチルジメ キシシラン、γ-ブロモプロピルメチルジメ キシシラン、アセトキシメチルメチルジエ キシシラン、アセトキシメチルメチルジメ キシシラン、アセトキシプロピルメチルジ トキシシラン、ベンゾイロキシプロピルメ ルジメトキシシラン、2-(カルボメトキシ)エ ルメチルジメトキシシラン、フェニルメチ ジメトキシシラン、フェニルエチルジエト シシラン、フェニルメチルジプロポキシシ ン、ヒドロキシメチルメチルジエトキシシ ン、N-(メチルジエトキシシリルプロピル)-O- ポリエチレンオキシドウレタン、N-(3-メチル エチキシシリルプロピル)-4-ヒドロキシブチ ルアミド、N-(3-メチルジエトキシシリルプロ ル)グルコンアミド、ビニルメチルジメトキ シシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、 ビニルメチルジブトキシシラン、イソプロペ ニルメチルジメトキシシラン、イソプロペニ ルメチルジエトキシシラン、イソプロペニル メチルジブトキシシラン、ビニルメチルビス (2-メトキシエトキシ)シラン、アリルメチル メトキシシラン、ビニルデシルメチルジメ キシシラン、ビニルオクチルメチルジメト シシラン、ビニルフェニルメチルジメトキ シラン、イソプロペニルフェニルメチルジ トキシシラン、2-(メタ)アクリロキシエチル チルジメトキシシラン、2-(メタ)アクリロキ シエチルメチルジエトキシシラン、3-(メタ) クリロキシプロピルメチルジメトキシシラ 、3-(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメ キシシラン、3-(メタ)-アクリロキシプロピ メチルジス(2-メトキシエトキシ)シラン、3-[2 -(アリルオキシカルボニル)フェニルカルボニ ルオキシ]プロピルメチルジメトキシシラン 3-(ビニルフェニルアミノ)プロピルメチルジ トキシシラン、3-(ビニルフェニルアミノ)プ ロピルメチルジエトキシシラン、3-(ビニルベ ンジルアミノ)プロピルメチルジエトキシシ ン、3-(ビニルベンジルアミノ)プロピルメチ ジエトキシシラン、3-[2-(N-ビニルフェニル チルアミノ)エチルアミノ]プロピルメチルジ メトキシシラン、3-[2-(N-イソプロペニルフェ ルメチルアミノ)エチルアミノ]プロピルメ ルジメトキシシラン、2-(ビニルオキシ)エチ メチルジメトキシシラン、3-(ビニルオキシ) プロピルメチルジメトキシシラン、4-(ビニル オキシ)ブチルメチルジエトキシシラン、2-( ソプロペニルオキシ)エチルメチルジメトキ シラン、3-(アリルオキシ)プロピルメチルジ メトキシシラン、10-(アリルオキシカルボニ )デシルメチルジメトキシシラン、3-(イソプ ペニルメチルオキシ)プロピルメチルジメト キシシラン、10-(イソプロペニルメチルオキ カルボニル)デシルメチルジメトキシシラン 3-[(メタ)アクリロキプロピル]メチルジメト シシラン、3-[(メタ)アクリロキシプロピル] チルジエトキシシラン、3-[(メタ)アクリロ メチル]メチルジメトキシシラン、3-[(メタ) クリロキシメチル]メチルジエトキシシラン γ-グリシドキシプロピルメチルジメトキシ ラン、N-[3-(メタ)アクリロキシ-2-ヒドロキシ プロピル]-3-アミノプロピルメチルジエトキ シラン、O-「(メタ)アクリロキシエチル」-N-( メチルジエトキシシリルプロピル)ウレタン γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシ ラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチ メチルジメトキシシラン、γ-アミノプロピ メチルジエトキシシラン、γ-アミノプロピ メチルジメトキシシラン、4-アミノブチルメ チルジエトキシシラン、11-アミノウンデシル メチルジエトキシシラン、m-アミノフェニル チルジメトキシシラン、p-アミノフェニル チルジメトキシシラン、3-アミノプロピルメ チルジス(メトキシエトキシエトキシ)シラン 2-(4-ピリジルエチル)メチルジエトキシシラ 、2-(メチルジメトキシシリルエチル)ピリジ ン、N-(3-メチルジメトキシシリルプロピル)ピ ロール、3-(m-アミノフェノキシ)プロピルメチ ルジメトキシシラン、N-(2-アミノエチル)-3-ア ミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-(2- ミノエチル)-3-アミノプロピルメチルジエト キシシラン、N-(6-アミノヘキシル)アミノメチ ルメチルジエトキシシラン、N-(6-アミノヘキ ル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン 、N-(2-アミノエチル)-11-アミノウンデシルメ ルジメトキシシラン、(アミノエチルアミノ チル)フェネチルメチルジメトキシシラン、 N-3-[(アミノ(ポリプロピレンオキシ))]アミノ ロピルメチルジメトキシシラン、n-ブチルア ミノプロピルメチルジメトキシシラン、N-エ ルアミノイソブチルメチルジメトキシシラ 、N-メチルアミノプロピルメチルジメトキ シラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルメチ ジメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノメ ルメチルジエトキシシラン、(シクロヘキシ アミノメチル)メチルジエトキシシラン、N- クロヘキシルアミノプロピルメチルジメト シシラン、ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミ ノプロピルメチルジエトキシシラン、ジエチ ルアミノメチルメチルジエトキシシラン、ジ エチルアミノプロピルメチルジメトキシシラ ン、ジメチルアミノプロピルメチルジメトキ シシラン、N-3-メチルジメトキシシリルプロ ル-m-フェニレンジアミン、N,N-ビス[3-(メチル ジメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミ 、ビス(メチルジエトキシシリルプロピル) ミン、ビス(メチルジメトキシシリルプロピ )アミン、ビス[(3-メチルジメトキシシリル) ロピル]-エチレンジアミン、ビス[3-(メチル エトキシシリル)プロピル]ウレア、ビス(メ ルジメトキシシリルプロピル)ウレア、N-(3- チルジエトキシシリルプロピル)-4,5-ジヒド イミダゾール、ウレイドプロピルメチルジ トキシシラン、ウレイドプロピルメチルジ トキシシラン、アセトアミドプロピルメチ ジメトキシシラン、2-(2-ピリジルエチル)チ プロピルメチルジメトキシシラン、2-(4-ピ ジルエチル)チオプロピルメチルジメトキシ ラン、ビス[3-(メチルジエトキシシリル)プ ピル]ジスルフィド、3-(メチルジエトキシシ ル)プロピルコハク酸無水物、γ-メルカプト プロピルメチルジメトキシシラン、γ-メルカ プトプロピルメチルジエトキシシラン、イソ シアナトプロピルメチルジメトキシシラン、 イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラ ン、イソシアナトエチルメチルジエトキシシ ラン、イソシアナトメチルメチルジエトキシ シラン、カルボキシエチルメチルシランジオ ールナトリウム塩、N-(メチルジメトキシシリ ルプロピル)エチレンジアミン三酢酸三ナト ウム塩、3-(メチルジヒドロキシシリル)-1-プ パンスルホン酸、ジエチルホスフェートエ ルメチルジエトキシシラン、3-メチルジヒ ロキシシリルプロピルメチルホスホネート トリウム塩、ビス(メチルジエトキシシリル) エタン、ビス(メチルジメトキシシリル)エタ 、ビス(メチルジエトキシシリル)メタン、1, 6-ビス(メチルジエトキシシリル)ヘキサン、1, 8-ビス(メチルジエトキシシリル)オクタン、p- ビス(メチルジメトキシシリルエチル)ベンゼ 、p-ビス(メチルジメトキシシリルメチル)ベ ンゼン、3-メトキシプロピルメチルジメトキ シラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオキシ) ロピル]メチルジメトキシシラン、メトキシ リエチレンオキシプロピルメチルジメトキ シラン、トリス(3-メチルジメトキシシリル ロピル)イソシアヌレート、[ヒドロキシ(ポ エチレンオキシ)プロピル]メチルジエトキ シラン、N,N'-ビス(ヒドロキシエチル)-N,N'-ビ (メチルジメトキシシリルプロピル)エチレ ジアミン、ビス-[3-(メチルジエトキシシリル プロピル)-2-ヒドロキシプロポキシ]ポリエチ ンオキシド、ビス[N,N'-(メチルジエトキシシ リルプロピル)アミノカルボニル]ポリエチレ オキシド、ビス(メチルジエトキシシリルプ ロピル)ポリエチレンオキシドを挙げること できる。これらのうち特に好ましいものと ては、入手容易な観点と親水性層との密着 の観点から、ジメチルジメトキシシラン、 エチルジメトキシシラン、ジメチルジエト シシラン、ジエチルジエトキシシラン等を げることができる。

 aが3の場合、即ち3官能のアルコキシシラ としては、例えば、メチルトリメトキシシ ン、エチルトリメトキシシラン、プロピル リメトキシシラン、メチルトリエトキシシ ン、エチルトリエトキシシラン、プロピル リエトキシシラン、γ-クロロプロピルトリ トキシシラン、γ-クロロプロピルトリメト シシラン、クロロメチルトリエトキシシラ 、(p-クロロメチル)フェニルトリメトキシシ ラン、γ-ブロモプロピルトリメトキシシラン 、アセトキシメチルトリエトキシシラン、ア セトキシメチルトリメトキシシラン、アセト キシプロピルトリメトキシシラン、ベンゾイ ロキシプロピルトリメトキシシラン、2-(カル ボメトキシ)エチルトリメトキシシラン、フ ニルトリメトキシシラン、フェニルトリエ キシシラン、フェニルトリプロポキシシラ 、ヒドロキシメチルトリエトキシシラン、N- (トリエトキシシリルプロピル)-O-ポリエチレ オキシドウレタン、N-(3-トリエチキシシリ プロピル)-4-ヒドロキシブチルアミド、N-(3- リエトキシシリルプロピル)グルコンアミド ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ キシシラン、ビニルトリブトキシシラン、 ソプロペニルトリメトキシシラン、イソプ ペニルトリエトキシシラン、イソプロペニ トリブトキシシラン、ビニルトリス(2-メト シエトキシ)シラン、アリルトリメトキシシ ラン、ビニルデシルトリメトキシシラン、ビ ニルオクチルトリメトキシシラン、ビニルフ ェニルトリメトキシシラン、イソプロペニル フェニルトリメトキシシラン、2-(メタ)アク ロキシエチルトリメトキシシラン、2-(メタ) クリロキシエチルトリエトキシシラン、3-( タ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラ ン、3-(メタ)アクリロキシプロピルトリメト シシラン、3-(メタ)-アクリロキシプロピルト リス(2-メトキシエトキシ)シラン、3-[2-(アリ オキシカルボニル)フェニルカルボニルオキ ]プロピルトリメトキシシラン、3-(ビニルフ ェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラン 3-(ビニルフェニルアミノ)プロピルトリエト シシラン、3-(ビニルベンジルアミノ)プロピ ルトリエトキシシラン、3-(ビニルベンジルア ミノ)プロピルトリエトキシシラン、3-[2-(N-ビ ニルフェニルメチルアミノ)エチルアミノ]プ ピルトリメトキシシラン、3-[2-(N-イソプロ ニルフェニルメチルアミノ)エチルアミノ]プ ロピルトリメトキシシラン、2-(ビニルオキシ )エチルトリメトキシシラン、3-(ビニルオキ )プロピルトリメトキシシラン、4-(ビニルオ シ)ブチルトリエトキシシラン、2-(イソプロ ペニルオキシ)エチルトリメトキシシラン、3- (アリルオキシ)プロピルトリメトキシシラン 10-(アリルオキシカルボニル)デシルトリメ キシシラン、3-(イソプロペニルメチルオキ )プロピルトリメトキシシラン、10-(イソプロ ペニルメチルオキシカルボニル)デシルトリ トキシシラン、3-[(メタ)アクリロキプロピル ]トリメトキシシラン、3-[(メタ)アクリロキシ プロピル]トリエトキシシラン、3-[(メタ)アク リロキメチル]トリメトキシシラン、3-[(メタ) アクリロキシメチル]トリエトキシシラン、γ -グリシドキシプロピルトリメトキシシラン N-[3-(メタ)アクリロキシ-2-ヒドロキシプロピ ]-3-アミノプロピルトリエトキシシラン、O- (メタ)アクリロキシエチル」-N-(トリエトキ シリルプロピル)ウレタン、γ-グリシドキシ プロピルトリエトキシシラン、β-(3,4-エポキ シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン 、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ- アミノプロピルトリメトキシシラン、4-アミ ブチルトリエトキシシラン、11-アミノウン シルトリエトキシシラン、m-アミノフェニ トリメトキシシラン、p-アミノフェニルトリ メトキシシラン、3-アミノプロピルトリス(メ トキシエトキシエトキシ)シラン、2-(4-ピリジ ルエチル)トリエトキシシラン、2-(トリメト シシリルエチル)ピリジン、N-(3-トリメトキ シリルプロピル)ピロール、3-(m-アミノフェ キシ)プロピルトリメトキシシラン、N-(2-ア ノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシ ン、N-(2-アミノエチル)-3-アミノプロピルト エトキシシラン、N-(6-アミノヘキシル)アミ メチルトリエトキシシラン、N-(6-アミノヘ シル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N -(2-アミノエチル)-11-アミノウンデシルトリメ トキシシラン、(アミノエチルアミノメチル) ェネチルトリメトキシシラン、N-3-[(アミノ( ポリプロピレンオキシ))]アミノプロピルトリ メトキシシラン、n-ブチルアミノプロピルト メトキシシラン、N-エチルアミノイソブチ トリメトキシシラン、N-メチルアミノプロピ ルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノ プロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ- アミノメチルトリエトキシシラン、(シクロ キシルアミノメチル)トリエトキシシラン、N -シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキ シラン、ビス(2-ヒドロキシエチル)-3-アミノ ロピルトリエトキシシラン、ジエチルアミ メチルトリエトキシシラン、ジエチルアミ プロピルトリメトキシシラン、ジメチルア ノプロピルトリメトキシシラン、N-3-トリメ トキシシリルプロピル-m-フェニレンジアミン 、N,N-ビス[3-(トリメトキシシリル)プロピル] チレンジアミン、ビス(トリエトキシシリル ロピル)アミン、ビス(トリメトキシシリル ロピル)アミン、ビス[(3-トリメトキシシリル )プロピル]-エチレンジアミン、ビス[3-(トリ トキシシリル)プロピル]ウレア、ビス(トリ トキシシリルプロピル)ウレア、N-(3-トリエ キシシリルプロピル)-4,5-ジヒドロイミダゾ ル、ウレイドプロピルトリエトキシシラン ウレイドプロピルトリメトキシシラン、ア トアミドプロピルトリメトキシシラン、2-(2- ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシ ラン、2-(4-ピリジルエチル)チオプロピルト メトキシシラン、ビス[3-(トリエトキシシリ )プロピル]ジスルフィド、3-(トリエトキシ リル)プロピルコハク酸無水物、γ-メルカプ プロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプ プロピルトリエトキシシラン、イソシアナ プロピルトリメトキシシラン、イソシアナ プロピルトリエトキシシラン、イソシアナ エチルトリエトキシシラン、イソシアナト チルトリエトキシシラン、カルボキシエチ シラントリオールナトリウム塩、N-(トリメ キシシリルプロピル)エチレンジアミン三酢 酸三ナトリウム塩、3-(トリヒドロキシシリル )-1-プロパンスルホン酸、ジエチルホスフェ トエチルトリエトキシシラン、3-トリヒドロ キシシリルプロピルメチルホスホネートナト リウム塩、ビス(トリエトキシシリル)エタン ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス(ト エトキシシリル)メタン、1,6-ビス(トリエト シシリル)ヘキサン、1,8-ビス(トリエトキシ リル)オクタン、p-ビス(トリメトキシシリル エチル)ベンゼン、p-ビス(トリメトキシシリ メチル)ベンゼン、3-メトキシプロピルトリ トキシシラン、2-[メトキシ(ポリエチレンオ シ)プロピル]トリメトキシシラン、メトキ トリエチレンオキシプロピルトリメトキシ ラン、トリス(3-トリメトキシシリルプロピ )イソシアヌレート、[ヒドロキシ(ポリエチ ンオキシ)プロピル]トリエトキシシラン、N,N '-ビス(ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(トリメト シシリルプロピル)エチレンジアミン、ビス -[3-(トリエトキシシリルプロピル)-2-ヒドロキ シプロポキシ]ポリエチレンオキシド、ビス[N ,N'-(トリエトキシシリルプロピル)アミノカル ボニル]ポリエチレンオキシド、ビス(トリエ キシシリルプロピル)ポリエチレンオキシド を挙げることができる。これらのうち特に好 ましいものとしては、入手容易な観点と親水 性層との密着性の観点から、メチルトリメト キシシラン、エチルトリメトキシシラン、メ チルトリエトキシシラン、エチルトリエトキ シシラン等を挙げることができる。

 本発明に係る(D)特定アルコキシシランは、 独で用いても2種以上併用してもよい。
 (D)特定アルコキシシランは市販品が容易に 手できるし、公知の合成方法、たとえば各 属塩化物とアルコールとの反応によっても られる。

 本発明における下塗り層用組成物中の(C)特 アルコキシドと(D)特定アルコキシシランの 量比((C)アルコキシド/(D)アルコキシシラン) 、90/10~30/70であることが好ましく、85/15~35/65 であることがより好ましく、80/20~40/60である とが更に好ましい。
 また、(C)特定アルコキシドと(D)特定アルコ シシランは下塗り層用組成物中に、不揮発 成分に対して、(C)特定アルコキシドと(D)特 アルコキシシランを合わせて、好ましくは5 ~99質量%、更に好ましくは10~98質量%の範囲で 用される。

〔(E)触媒〕
 本発明の親水性組成物および下塗層用組成 においては、(E)触媒を含有させることが好 しい。(E)触媒を含有させることにより(A)特 親水性ポリマー及び(B)特定親水性ポリマー 反応を促進させる、あるいは、(C)特定アル キシドおよび(D)特定アルコキシシランの反 を促進させることができる。(E)触媒として 酸、あるいは塩基性化合物をそのまま用い か、又は、酸、あるいは塩基性化合物を水 たはアルコールなどの溶媒に溶解させた状 のもの(以下、これらを包括してそれぞれ酸 性触媒、塩基性触媒とも称する)を用いる。 、あるいは塩基性化合物を溶媒に溶解させ 際の濃度については特に限定はなく、用い 酸、或いは塩基性化合物の特性、触媒の所 の含有量などに応じて適宜選択すればよい ここで、触媒を構成する酸或いは塩基性化 物の濃度が高い場合は、加水分解、重縮合 度が速くなる傾向がある。但し、濃度の高 塩基性触媒を用いると、ゾル溶液中で沈殿 が生成する場合があるため、塩基性触媒を いる場合、その濃度は水溶液での濃度換算 1N以下であることが望ましい。

 酸性触媒あるいは塩基性触媒の種類は特 限定されないが、濃度の濃い触媒を用いる 要がある場合には乾燥後に塗膜中にほとん 残留しないような元素から構成される触媒 よい。具体的には、酸性触媒としては、塩 などのハロゲン化水素、硝酸、硫酸、亜硫 、硫化水素、過塩素酸、過酸化水素、炭酸 蟻酸や酢酸などのカルボン酸、そのRCOOHで される構造式のRを他元素または置換基によ て置換した置換カルボン酸、ベンゼンスル ン酸などのスルホン酸などが挙げられ、塩 性触媒としては、アンモニア水などのアン ニア性塩基、エチルアミンやアニリンなど アミン類などが挙げられる。

 また、(E)触媒は不揮発性の触媒であること 好ましい。不揮発性の触媒とは、沸点が125 未満のもの以外のものであり、換言すれば 沸点が125℃以上のものや、そもそも沸点が いもの(熱分解など、相変化を起こさないも のを含む)等である。
 本発明に用いられる不揮発性の触媒として 、特に限定されないが、金属のキレート化 物やシランカップリング剤が挙げられる。

 前記金属のキレート化合物(以下、金属錯体 とも称する)としては、特に限定されないが 周期律表の2A,3B,4A及び5A族から選ばれる金属 素とβ-ジケトン、ケトエステル、ヒドロキ カルボン酸又はそのエステル、アミノアル ール、エノール性活性水素化合物の中から ばれるオキソ又はヒドロキシ酸素含有化合 から構成される金属錯体がある。
 構成金属元素の中では、Mg,Ca,Sr,Baなどの2A族 元素、Al,Gaなどの3B族元素,Ti,Zrなどの4A族元素 及びV,Nb及びTaなどの5A族元素が好ましく、そ ぞれ触媒効果の優れた錯体を形成する。そ 中でもZr、Al及びTiから得られる錯体が優れ おり、好ましい。

 上記金属錯体の配位子を構成するオキソ はヒドロキシ酸素含有化合物は、本発明に いては、アセチルアセトン(2,4-ペンタンジ ン)、2,4-ヘプタンジオンなどのβジケトン、 セト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセ 酢酸ブチルなどのケトエステル類、乳酸、 酸メチル、サリチル酸、サリチル酸エチル サリチル酸フェニル、リンゴ酸,酒石酸、酒 石酸メチルなどのヒドロキシカルボン酸及び そのエステル、4-ヒドロキシー4-メチル-2-ペ タノン、4-ヒドロキシ-2-ペンタノン、4-ヒド キシ-4-メチル-2-ヘプタノン、4-ヒドロキシ-2 -ヘプタノンなどのケトアルコール類、モノ タノールアミン、N,N-ジメチルエタノールア ン、N-メチル-モノエタノールアミン、ジエ ノールアミン、トリエタノールアミンなど アミノアルコール類、メチロールメラミン メチロール尿素、メチロールアクリルアミ 、マロン酸ジエチルエステルなどのエノー 性活性化合物、アセチルアセトン(2,4-ペン ンジオン)のメチル基、メチレン基またはカ ボニル炭素に置換基を有する化合物が挙げ れる。

 好ましい配位子はアセチルアセトン又は セチルアセトン誘導体であり、アセチルア トン誘導体は、本発明においては、アセチ アセトンのメチル基、メチレン基またはカ ボニル炭素に置換基を有する化合物を指す アセチルアセトンのメチル基に置換する置 基としては、いずれも炭素数が1~3の直鎖又 分岐のアルキル基、アシル基、ヒドロキシ ルキル基、カルボキシアルキル基、アルコ シ基、アルコキシアルキル基であり、アセ ルアセトンのメチレン基に置換する置換基 してはカルボキシル基、いずれも炭素数が1 ~3の直鎖又は分岐のカルボキシアルキル基及 ヒドロキシアルキル基であり、アセチルア トンのカルボニル炭素に置換する置換基と ては炭素数が1~3のアルキル基であってこの 合はカルボニル酸素には水素原子が付加し 水酸基となる。

 好ましいアセチルアセトン誘導体の具体 としては、エチルカルボニルアセトン、n- ロピルカルボニルアセトン、i-プロピルカル ボニルアセトン、ジアセチルアセトン、1― セチル-1-プロピオニル-アセチルアセトン、 ドロキシエチルカルボニルアセトン、ヒド キシプロピルカルボニルアセトン、アセト 酸、アセトプロピオン酸、ジアセト酢酸、3 ,3-ジアセトプロピオン酸、4,4-ジアセト酪酸 カルボキシエチルカルボニルアセトン、カ ボキシプロピルカルボニルアセトン、ジア トンアルコールが挙げられる。中でも、ア チルアセトン及びジアセチルアセトンがと に好ましい。上記のアセチルアセトン誘導 と上記金属元素の錯体は、金属元素1個当た にアセチルアセトン誘導体が1~4分子配位す 単核錯体であり、金属元素の配位可能の手 アセチルアセトン誘導体の配位可能結合手 数の総和よりも多い場合には、水分子、ハ ゲンイオン、ニトロ基、アンモニオ基など 常の錯体に汎用される配位子が配位しても い。

 好ましい金属錯体の例としては、トリス( アセチルアセトナト)アルミニウム錯塩、ジ( セチルアセトナト)アルミニウム・アコ錯塩 、モノ(アセチルアセトナト)アルミニウム・ ロロ錯塩、ジ(ジアセチルアセトナト)アル ニウム錯塩、エチルアセトアセテートアル ニウムジイソプロピレート、アルミニウム リス(エチルアセトアセテート)、環状アルミ ニウムオキサイドイソプロピレート、トリス (アセチルアセトナト)バリウム錯塩、ジ(アセ チルアセトナト)チタニウム錯塩、トリス(ア チルアセトナト)チタニウム錯塩、ジ-i-プロ ポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタニウ 錯塩、ジルコニウムトリス(エチルアセトア セテート)、ジルコニウムトリス(安息香酸)錯 塩、等が挙げられる。これらは水系塗布液で の安定性及び、加熱乾燥時のゾルゲル反応で のゲル化促進効果に優れているが、中でも、 特にエチルアセトアセテートアルミニウムジ イソプロピレート、アルミニウムトリス(エ ルアセトアセテート)、ジ(アセチルアセトナ ト)チタニウム錯塩、ジルコニウムトリス(エ ルアセトアセテート)が好ましい。

 上記した金属錯体の対塩の記載を本明細書 おいては省略しているが、対塩の種類は、 体化合物としての電荷の中性を保つ水溶性 である限り任意であり、例えば硝酸塩、ハ ゲン酸塩、硫酸塩、燐酸塩などの化学量論 中性が確保される塩の形が用いられる。
 金属錯体のシリカゾルゲル反応での挙動に いては、J.Sol-Gel.Sci.and Tec.16.209(1999)に詳細 記載がある。反応メカニズムとしては以下 スキームを推定している。すなわち、塗布 中では、金属錯体は、配位構造を取って安 であり、塗布後の加熱乾燥過程に始まる脱 縮合反応では、酸触媒に似た機構で架橋を 進させるものと考えられる。いずれにして 、この金属錯体を用いたことにより塗布液 時安定性及び皮膜面質の改善と、高親水性 高耐久性の、いずれも満足させるに至った

 上記の金属錯体触媒は、市販品として容 に入手でき、また公知の合成方法、例えば 金属塩化物とアルコールとの反応によって 得られる。

 本発明において、不揮発性の触媒として いられるシランカップリング剤としては、 に限定されないが、酸性またはアルカリ性 示す官能基を有するものが挙げられ、さら 詳細には、ペルオキソ酸、カルボン酸、カ ボヒドラゾン酸、カルボキシミド酸、スル ン酸、スルフィン酸、スルフェン酸、セレ ン酸、セレニン酸、セレネン酸、テルロン 、及び上記のアルカリ金属塩などといった 性を示す官能基、或いは、アミノ基などと った塩基性を示す官能基を有するシランカ プリング剤が挙げられる。

 本発明に係る(E)触媒は、本発明の親水性 成物および下塗り層用組成物中に、不揮発 成分に対して、好ましくは0~50質量%、更に ましくは5~25質量%の範囲で使用される。また 、(E)触媒は、単独で用いても2種以上併用し もよい。

〔(F)Si、Ti、Zi、Alから選択される元素のアル キシド化合物〕
 親水性組成物中に、前記一般式(I-1)で表さ る構造及び一般式(I-2)で表される構造を含む 親水性ポリマーを含有する場合は、良好な硬 化性を得るために架橋剤を含有することが好 ましい。また、親水性組成物中に前記一般式 (II-1)で表される構造及び一般式(II-2)で表され る構造を含む親水性ポリマーを含有する場合 は架橋剤を含有しない場合でも良好な硬化性 を得ることはできるが、膜強度が非常に優れ た塗膜を得るためには架橋剤を含有してもよ い。

 架橋剤としては、Si、Ti、Zr、Alから選択さ る元素を含むアルコキシド化合物が特に好 しい。
 本発明においては、親水性組成物が、(F)Si Ti、Zr、Alから選択される元素のアルコキシ 化合物(以下、(F)特定アルコキシドともいう) を含有することが好ましい。
 (F)特定アルコキシドを含むことで、系中に ける加水分解・重縮合において、(A)特定親 性ポリマー及び(B)特定親水性ポリマーに含 れるシランカップリング基と(F)特定アルコ シドが加水分解した重合性の官能基によっ 、架橋を形成する反応サイトが増加し、よ 高密度で強固な架橋構造を有する有機無機 合体皮膜が形成されるため、得られる上塗 層の塗膜はさらに高強度となり、優れた耐 耗性が発現し、高い表面親水性を長期間保 し得るものと考えられる。また、親水性が 常に高い表面は水が付着した場合、水が広 るために空気界面との表面積が増加し、水 乾燥速度が非常に速くなり、速乾性に優れ 塗膜となる。
 本発明で用いられる(F)特定アルコキシドで るSi、Ti、Zr、Alから選択される元素のアル キシド化合物は、その構造中に重合性の官 基を有し、架橋剤としての機能を果たす加 分解重合性化合物であり、(A)特定親水性ポ マー及び(B)特定親水性ポリマーと縮重合す ことで、架橋構造を有する強固な被膜を形 する。

 金属アルコキシドは一般式(V-1)または一般 (V-2)で表すことができ、式中、R 20 は水素原子、アルキル基またはアリール基を 表し、R 21 およびR 22 はアルキル基またはアリール基を表し、ZはSi 、TiまたはZrを表し、mは0~2の整数を表す。R 20 およびR 21 がアルキル基を表す場合の炭素数は好ましく は1から4である。アルキル基またはアリール は置換基を有していてもよく、導入可能な 換基としては、ハロゲン原子、アミノ基、 ルカプト基などが挙げられる。なお、この 合物は低分子化合物であり、分子量2000以下 であることが好ましい。

 (R 20 ) m -Z-(OR 21 ) 4-m          (V-1)
  Al-(OR 22 ) 3               (V-2)

 以下に、一般式(V-1)または一般式(V-2)で表 される金属アルコキシドの具体例を挙げるが 、これに限定されるものではない。

 ZがSiの場合、即ち、加水分解性化合物中 ケイ素を含むものとしては、例えば、トリ トキシシラン、テトラメトキシシラン、テ ラエトキシシラン、テトラプロポキシシラ 、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジ トキシシラン、γ-クロロプロピルトリエト シシラン、γ-メルカプトプロピルトリメト シシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシ ラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフ ニルジメトキシシラン、等を挙げることが きる。これらのうち特に好ましいものとし は、トリメトキシシラン、テトラメトキシ ラン、テトラエトキシシラン、メチルトリ トキシシラン、ジメチルジメトキシシラン フェニルトリメトキシシラン、等を挙げる とができる。

 ZがTiである場合、即ち、チタンを含むもの しては、例えば、トリメトキシチタネート テトラメトキシチタネート、トリエトキシ タネート、テトラエトキシチタネート、テ ラプロポキシタネート、クロロトリメトキ チタネート、クロロトリエトキシチタネー 、エチルトリメトキシチタネート、メチル リエトキシチタネート、エチルトリエトキ チタネート、ジエチルジエトキシチタネー 、フェニルトリメトキシチタネート、フェ ルトリエトキシチタネート等を挙げること できる。ZがZrである場合、即ち、ジルコニ ムを含むものとしては、例えば、前記チタ を含むものとして例示した化合物に対応す ジルコネートを挙げることができる。
 また、中心金属がAlである場合、即ち、加 分解性化合物中にアルミニウムを含むもの しては、例えば、トリメトキシアルミネー 、トリエトキシアルミネート、トリプロポ シアルミネート、トリイソプロポキシアル ネート等を挙げることができる。

 上記のなかでも、テトラメトキシシラン テトラエトキシシラン、メチルトリメトキ シラン、メチルトリエトキシシランが特に ましい。

 本発明に係る(F)特定アルコキシドは、単独 用いても2種以上併用してもよい。
 (F)特定アルコキシドは、本発明の親水性組 物中に、不揮発性成分に対して、好ましく 5~80質量%、更に好ましくは10~70質量%の範囲 使用される。
 (F)特定アルコキシドは市販品が容易に入手 きるし、公知の合成方法、たとえば各金属 化物とアルコールとの反応によっても得ら る。

〔(G)界面活性剤〕
 さらに本発明の親水性組成物及び下塗り層 組成物は(G)界面活性剤を有することが好ま い。(G)界面活性剤は基板上に被膜を形成す 際の被膜面状を向上する効果のみならず、 水性を向上させる効果がある。界面活性剤 よる親水性向上は、界面活性剤自身が溶け すことによるものが一般的であるが、本発 での(G)界面活性剤はその他の効果がある。 膜形成時に(G)界面活性剤が表面へ偏在する 、(G)界面活性剤の親水性官能基が特定ポリ ー(A)、親水性ポリマー(B)中の親水性官能基 相互作用し、特定ポリマー(A)、親水性ポリ ー(B)中の親水性官能基も同時に表面に偏在 せることができる。これにより本発明では 常に高い親水性を発現できる。また、形成 れた被膜の表面自由エネルギーが75mN/m以上 なることで、被膜表面に付着した汚れ成分 被膜の間に水が入り込み優れた防汚性を発 できる。

 界面活性剤としては、ノニオン界面活性 、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性 、両性界面活性剤、フッ素系界面活性剤等 挙げられる。(G)界面活性剤は、アニオン性 面活性剤、両性界面活性剤、及びフッ素系 面活性剤から選ばれる少なくとも一つであ ことが好ましい。

 本発明に用いられるノニオン界面活性剤 、特に限定されず、従来公知のものを用い ことができる。例えば、ポリオキシエチレ アルキルエーテル類、ポリオキシエチレン ルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエ レンポリスチリルフェニルエーテル類、ポ オキシエチレンポリオキシプロピレンアル ルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エス ル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、 ンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類 プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル 、ショ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキ エチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類 ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部 エステル類、ポリエチレングリコール脂肪 エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エ テル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類 ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分 ステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N ,N-ビス-2-ヒドロキシアルキルアミン類、ポリ オキシエチレンアルキルアミン、トリエタノ ールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルア ミンオキシド、ポリエチレングリコール、ポ リエチレングリコールとポリプロピレングリ コールの共重合体が挙げられる。

 本発明に用いられるアニオン界面活性剤 、特に限定されず、従来公知のものを用い ことができる。例えば、脂肪酸塩類、アビ チン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン 塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキ スルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキル ンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベ ゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレン ルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオ シエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリ キシエチレンアルキルスルホフェニルエー ル塩類、N-メチル-N-オレイルタウリンナト ウム塩、N-アルキルスルホコハク酸モノアミ ド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫 酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸 エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、 ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エ ステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エス テル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェ ニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシ エチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エス テル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポ リオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エ ステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフ ェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレ ン/無水マレイン酸共重合物の部分けん化物 、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部 けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホル リン縮合物類が挙げられる。

 本発明に用いられるカチオン界面活性剤は 特に限定されず、従来公知のものを用いる とができる。例えば、アルキルアミン塩類 第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチ ンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリ ミン誘導体が挙げられる。
 本発明に用いられる両性界面活性剤は、特 限定されず、従来公知のものを用いること できる。例えば、カルボキシベタイン類、 ミノカルボン酸類、スルホベタイン類、ア ノ硫酸エステル類、イミタゾリン類が挙げ れる。
 なお、上記界面活性剤の中で、「ポリオキ エチレン」とあるものは、ポリオキシメチ ン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブ レン等の「ポリオキシアルキレン」に読み えることもでき、本発明においては、それ の界面活性剤も用いることができる。

 更に好ましい界面活性剤としては、分子内 パーフルオロアルキル基を含有するフッ素 界面活性剤が挙げられる。このようなフッ 系界面活性剤としては、例えば、パーフル ロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロア キルスルホン酸塩、パーフルオロアルキル ン酸エステル等のアニオン型;パーフルオロ アルキルベタイン等の両性型;パーフルオロ ルキルトリメチルアンモニウム塩等のカチ ン型;パーフルオロアルキルアミンオキサイ 、パーフルオロアルキルエチレンオキシド 加物、パーフルオロアルキル基及び親水性 を含有するオリゴマー、パーフルオロアル ル基及び親油性基を含有するオリゴマー、 ーフルオロアルキル基、親水性基及び親油 基を含有するオリゴマー、パーフルオロア キル基及び親油性基を含有するウレタン等 ノニオン型が挙げられる。また、特開昭62-1 70950号、同62-226143号及び同60-168144号の各公報 記載されているフッ素系界面活性剤も好適 挙げられる。
 界面活性剤は、本発明の親水性組成物中に 不揮発性成分に対して、好ましくは0.001~10 量%、更に好ましくは0.01~5質量%の範囲で使用 される。また、界面活性剤は、単独で又は2 以上を組み合わせて用いることができる。

 好ましい界面活性剤の具体例を以下に示 が、本発明はこれらに限定されない。

〔その他の成分〕
 本発明の親水性組成物および下塗り層用組 物には、目的に応じて種々の化合物を、本 明の効果を損なわない限りにおいて併用す ことができる。以下、併用しうる成分につ て説明する。

〔抗菌剤〕
 本発明の親水性部材に抗菌性、防カビ性、 藻性を付与するために、親水性組成物およ 下塗り層用組成物に抗菌剤を含有させるこ ができる。親水性、水溶性抗菌剤を含有さ ることが好ましい。親水性、水溶性抗菌剤 含有させることにより、表面親水性を損な ことなく抗菌性、防カビ性、防藻性に優れ 表面親水性部材が得られる。
 抗菌剤としては、親水性部材の親水性を低 させない化合物を添加することが好ましく そのような抗菌剤としては、無機系抗菌剤 たは、水溶性の有機系抗菌剤が挙げられる 抗菌剤としては、黄色ブドウ球菌や大腸菌 代表される細菌類や、かび,酵母などの真菌 類など、身の回りに存在する菌類に対して殺 菌効果を発揮するものが用いられる。

 有機系の抗菌剤としては、フェノールエー ル誘導体,イミダゾール誘導体,スルホン誘 体,N・ハロアルキルチオ化合物,アニリド誘 体,ピロール誘導体,第4アンモニウム塩、ピ ジン系、トリアジン系、ベンゾイソチアゾ ン系、イソチアゾリン系などが挙げられる
 例えば1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン、N- ルオルジクロロメチルチオ-フタルイミド、 2,3,5,6-テトラクロロイソフタロニトリル、N- リクロロメチルチオ-4-シクロヘキセン-1,2-ジ カルボキシイミド、8-キノリン酸銅、ビス(ト リブチル錫)オキシド、2-(4-チアゾリル)ベン イミダゾール〈以後、TBZと表示〉、2-ベンズ イミダゾールカルバミン酸メチル〈以後、BCM と表示〉、10,10'-オキシビスフェノキシアル ン〈以後、OBPAと表示〉、2,3,5,6-テトラクロ -4-(メチルスルフォン)ピリジン、ビス(2-ピリ ジルチオ-1-オキシド)亜鉛〈以後、ZPTと表示 、N,N-ジメチル-N'-(フルオロジクロロメチル オ)-N'-フェニルスルファミド〈ジクロルフル アニド〉、ポリ-(ヘキサメチレンビグアニド) ハイドロクロライド、ジチオ-2-2'-ビス(ベン メチルアミド)、2-メチル-4,5-トリメチレン-4- イソチアゾリン-3-オン、2-ブロモ-2-ニトロ-1,3 -プロパンジオール、ヘキサヒドロ-1,3-トリス -(2-ヒドロキシエチル)-S-トリアジン、p-クロ -m-キシレノール、1,2-ベンズイソチアゾリン- 3-オン等が挙げられるが、これらに制限され ものではない。
 これら有機系の抗菌剤は、親水性、耐水性 昇華性、安全性等を考慮し、適宜選択して 用することができる。有機系抗菌剤中では 親水性、抗菌効果、コストの点から2-ブロ -2-ニトロ-1,3-プロパンジオール、TBZ、BCM、OBP A、ZPTが好ましい。

 無機系の抗菌剤としては、殺菌作用の高 順に、水銀,銀,銅,亜鉛,鉄,鉛,ビスマスなど 挙げられる。例えば、銀、銅、亜鉛、ニッ ル等の金属や金属イオンをケイ酸塩系担体 リン酸塩系担体、酸化物、ガラスやチタン カリウム、アミノ酸等に担持させたものが げられる。たとえばゼオライト系抗菌剤、 イ酸カルシウム系抗菌剤、リン酸ジルコニ ム系抗菌剤、リン酸カルシウム抗菌剤、酸 亜鉛系抗菌剤、溶解性ガラス系抗菌剤、シ カゲル系抗菌剤、活性炭系抗菌剤、酸化チ ン系抗菌剤、チタニア系抗菌剤、有機金属 抗菌剤、イオン交換体セラミックス系抗菌 、層状リン酸塩-四級アンモニウム塩系抗菌 剤、抗菌ステンレス等が挙げられるが、これ らに制限されるものではない。

 天然系抗菌剤としては、カニやエビの甲殻 に含まれるキチンを加水分解して得られる 基性多糖類のキトサンがある。
 本発明には、アミノ酸の両側に金属を複合 せたアミノメタルから成る日鉱の「商品名 ロンキラービースセラ」が好ましい。
 これらは蒸散性ではなく、また、親水層の リマーや架橋剤成分と相互作用しやすく、 定に分子分散あるいは固体分散可能であり 上塗り層表面に抗菌剤が効果的に露出しや く、かつ、水がかかっても溶出することな 、効果を長期間持続させることができ、人 に影響を及ぼすこともない。また、上塗り や塗布液に対して安定に分散することがで 、上塗り層や塗布液の劣化もおこらない。
 上記抗菌剤の中では、抗菌効果が大きいこ から、銀系無機抗菌剤と水溶性有機抗菌剤 最も好ましい。特にケイ酸塩系担体である オライトに銀を担持させた銀ゼオライトや リカゲルに銀を担持させた抗菌剤や2-ブロ -2-ニトロ-1,3-プロパンジオール、TPN、TBZ、BCM 、OBPA、ZPTが好ましい。特に好ましい市販の ゼオライト系抗菌剤としては、品川燃料の ゼオミック」や富士シリシア化学の「シル ェル」や日本電子材料の「バクテノン」等 ある。その他、銀を無機イオン交換体セラ ックスに担持させた東亜合成の「ノバロン や触媒化成工業の「アトミーボール」やト アジン系抗菌剤の「サンアイバックP」も好 しい。

 抗菌剤の含有量は、一般的には、親水性 成物および下塗り層用組成物中に、不揮発 成分に対して、0.001~10質量%であるが、0.005~5 質量%が好ましく、0.01~3質量%がより好ましく 0.02~1.5質量%が特に好ましく、0.05~1質量%が最 も好ましい。含有量が0.001質量%以上であれば 効果的な抗菌効果を得ることができる。また 、含有量が10質量%以下であれば親水性も低下 せず、かつ経時性も悪化せず、防汚性、防曇 性に悪影響を及ぼさない。

〔無機微粒子〕
 本発明の親水性組成物および下塗り層用組 物には、形成される膜の硬化被膜強度向上 び親水性向上のために無機微粒子を含有し もよい。無機微粒子としては、例えば、シ カ、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化チ ン、炭酸マグネシウム、アルギン酸カルシ ムまたはこれらの混合物が好適に挙げられ 。
 無機微粒子は、平均粒径が、好ましくは5nm~ 10μm、より好ましくは0.5~3μmであるのがよい 上記範囲であると、層中に安定に分散して 膜強度を十分に保持し、親水性に優れる膜 形成することができる。上述したような無 微粒子はコロイダルシリカ分散物等の市販 として容易に入手することができる。

 本発明に係る無機微粒子は、本発明の親 性組成物および下塗り層用組成物中に、不 発性成分に対して、好ましくは20質量%以下 より好ましくは10質量%以下の範囲で使用さ る。また、無機微粒子は、単独で又は2種以 上を組み合わせて用いることができる。

 〔紫外線吸収剤〕
 本発明においては、親水性部材の耐候性向 、耐久性向上の観点から、紫外線吸収剤を いることができる。
 紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58-1 85677号公報、同61-190537号公報、特開平2-782号 報、同5-197075号公報、同9-34057号公報等に記 されたベンゾトリアゾール系化合物、特開 46-2784号公報、特開平5-194483号公報、米国特 第3214463号明細書等に記載されたベンゾフェ ン系化合物、特公昭48-30492号公報、同56-21141 号公報、特開平10-88106号公報等に記載された 皮酸系化合物、特開平4-298503号公報、同8-534 27号公報、同8-239368号公報、同10-182621号公報 特表平8-501291号公報等に記載されたトリアジ ン系化合物、リサーチディスクロージャーNo. 24239号に記載された化合物やスチルベン系、 ンズオキサゾール系化合物に代表される紫 線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆ 蛍光増白剤、などが挙げられる。
 添加量は目的に応じて適宜選択されるが、 般的には、固形分換算で0.5~15質量%であるこ とが好ましい。

 〔酸化防止剤〕
 本発明の親水性部材の安定性向上のため、 水性組成物および下塗り層用組成物に酸化 止剤を添加することができる。酸化防止剤 しては、ヨーロッパ公開特許、同第223739号 報、同309401号公報、同第309402号公報、同第3 10551号公報、同第310552号公報、同第459416号公 、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54- 48535号公報、同62-262047号公報、同63-113536号公 、同63-163351号公報、特開平2-262654号公報、 開平2-71262号公報、特開平3-121449号公報、特 平5-61166号公報、特開平5-119449号公報、米国 許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細 書等に記載のものを挙げることができる。
 添加量は目的に応じて適宜選択されるが、 形分換算で0.1~8質量%であることが好ましい

〔溶剤〕
 本発明の親水性部材の下塗り層および上塗 層形成時に、基板に対する均一な塗膜の形 性を確保するために、親水性組成物および 塗り層用組成物に適度に有機溶剤を添加す ことも有効である。
 溶剤としては、例えば、アセトン、メチル チルケトン、ジエチルケトン等のケトン系 剤、メタノール、エタノール、2-プロパノ ル、1-プロパノール、1-ブタノール、tert-ブ ノール等のアルコール系溶剤、クロロホル 、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、 酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステ 系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロ ラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エ レングリコールモノメチルエーテル、エチ ングリコールジメチルエーテル等のグリコ ルエーテル系溶剤、などが挙げられる。
 この場合、VOC(揮発性有機溶剤)の関連から 題が起こらない範囲での添加が有効であり その量は親水性部材形成時の塗布液全体に し0~50質量%が好ましく、より好ましくは0~30 量%の範囲である。

 〔高分子化合物〕
 本発明の親水性組成物および下塗り層用組 物には、膜物性を調整するため、親水性を 害しない範囲で各種高分子化合物を添加す ことができる。高分子化合物としては、ア リル系重合体、ポリビニルアルコール樹脂 ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン 脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、 ポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボ ート樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シ ラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、 ム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂 が使用できる。また、これらは2種以上併用 してもかまわない。これらのうち、アクリル 系のモノマーの共重合によって得られるビニ ル系共重合が好ましい。更に、高分子結合材 の共重合組成として、「カルボキシル基含有 モノマー」、「メタクリル酸アルキルエステ ル」、又は「アクリル酸アルキルエステル」 を構造単位として含む共重合体も好ましく用 いられる。

〔その他の添加剤〕
 さらにこの他にも、必要に応じて、例えば レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調 するためのワックス類、基板への密着性を 善するために、親水性を阻害しない範囲で ッキファイヤーなどを含有させることがで る。 タッキファイヤーとしては、具体的 は、特開2001-49200号公報の5~6pに記載されてい る高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ) アクリル酸と炭素数1~20のアルキル基を有す アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸 と炭素数3~14の脂環族アルコールとのエステ 、
(メタ)アクリル酸と炭素数6~14の芳香族アルコ ールとのエステルからなる共重合物)や、重 性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性 脂などである。

 本発明の親水性組成物および下塗り層用組 物には、耐摩耗性、耐酸性及び耐アルカリ の観点から、ジルコニアの塩化物、硝酸塩 アルコキシド類および有機錯体を含有する とができる。ジルコニアの塩化物としては 塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウ (8水和物)、塩素含有ジルコニウムアルコキ ドZr(OC m H 2m+1 ) x Cl y (m、x、y:整数、x+y=4)などが挙げられ、ジルコ ウムの硝酸塩としては、オキシ硝酸ジルコ ウム(2水和物)が挙げられ、ジルコニウムの ルコキシドとしては、ジルコニウムエトキ ド,ジルコニウムプロポキシド、ジルコニウ ムイソプロポキシド、ジルコニウムブトキシ ド、ジルコニウムt-ブトキシドなどが挙げら 、有機錯体としては、アセチルアセトン誘 体が挙げられ、具体的にはテトラキス(アセ チルアセトナト)ジルコニウム、ビス(アセチ アセトナト)ジルコニウムジブトキシド、ビ ス(アセチルアセトナト)ジルコニウムジクロ ド、テトラキス(3,5-ヘプタンジオネート)ジ コニウム、テトラキス(2,2,6,6-テトラメチル- 3,5-ヘプタンジオネート)ジルコニウム、ビス( 2,2,6,6-テトラメチル-3,5-ヘプタンジオネート) ルコニウムジイソプロポキシドなどが挙げ れる。
 上記ジルコニウム化合物は、本発明の親水 組成物および下塗り層用組成物中に、不揮 性成分として、好ましくは0~50質量%、より ましくは5~25質量%の範囲で使用される。

〔親水性組成物の調液〕
 親水性組成物の調製は、(A)特定親水性ポリ ー及び(B)特定親水性ポリマーの少なくとも つ、必要に応じて(E)触媒および(F)特定アル キシドをエタノールなどの溶媒に溶解後、 拌することで実施できる。反応温度は室温~ 80℃であり、反応時間、即ち攪拌を継続する 間は1~72時間の範囲であることが好ましく、 この攪拌により両成分の加水分解・重縮合を 進行させて、有機無機複合体ゾル液を得るこ とができる。

 前記親水性組成物を調製する際に用いる 媒としては、これらを均一に、溶解、分散 得るものであれば特に制限はないが、例え 、メタノール、エタノール、水等の水系溶 が好ましい。

 以上述べたように、本発明の親水性組成 により親水性膜を形成するための有機無機 合体ゾル液(親水性組成物)の調製は、ゾル ル法を利用している。ゾルゲル法について 、作花済夫「ゾル-ゲル法の科学」(株)アグ 承風社(刊)(1988年)、平島硯「最新ゾル-ゲル による機能性薄膜作成技術」総合技術セン ー(刊)(1992年)等の成書等に詳細に記述され、 それらに記載の方法を本発明において親水性 組成物の調製に適用することができる。

〔下塗り層用組成物の調液〕
 下塗り層用組成物の調製は、(C)特定アルコ シド及び(D)アルコキシシラン、必要に応じ (E)触媒をエタノールなどの溶媒に溶解後、 拌することで実施できる。
 下塗り層用組成物についても、上記親水性 成物同様の方法により調製可能である。

 このような本発明の下塗り層用組成物を含 溶液、親水性組成物を含む溶液を、適切な 板上に被膜し、乾燥することで、本発明の 水性部材を得ることができる。即ち、本発 の親水性部材は、基板上に、下塗り層用組 物を塗布し、加熱、乾燥することで下塗り を形成し、その上に親水性組成物を塗布し 加熱、乾燥することで上塗り層を形成する とにより得られる。
 加熱、乾燥条件としては、高密度の架橋構 を効率よく形成するといった観点からは、5 0~200℃の温度範囲において、2分~1時間程度行 ことが好ましく、80~160℃の温度範囲で、5~30 分間乾燥することがより好ましい。また、加 熱手段としては、公知の手段、例えば、温度 調整機能を有する乾燥機などを用いることが 好ましい。

 また、本発明の親水性部材は、上塗り層 び下塗り層を基板上に被膜する場合、基板 被膜する直前に触媒を混合することができ 。具体的には触媒混合直後~1時間以内で塗 することが好ましい。触媒を混合し、長時 放置したのちに塗設すると下塗り層用組成 または親水性組成物の粘度があがり、塗布 ら等の欠陥を生じることがある。その他の 分も塗設直前に混合することが好ましいが 合後、長時間保存してもかまわない。

〔基板〕
 本発明に用いられる基板は、特に限定され いが、ガラス、プラスチック、金属、セラ ックス、木、石、セメント、コンクリート 繊維、布帛、紙、皮革、タイル、ゴム、ラ ックス、それらの組合せ、それらの積層体 、いずれも好適に利用できる。特に好まし 基板は、プラスチック、金属等の柔軟性の るフレキシブルな基板である。フレキシブ な基板を用いることで、物品の変形などが 由に可能になり、取り付け作業や取り付け 所の自由度が増すばかりでなく、耐久性も すことができる。通常、本発明に用いられ (D)3官能または2官能のアルコキシシランを 塗り層に用いると、下塗り層の表面が疎水 となるため、その後親水性層を形成する際 ムラが生じたりや密着性が不足する懸念が る。このため、親水性部材の下塗り層に(D)3 能または2官能のアルコキシシランを用いら れることは問題があるとされていた。しかし 、本発明では、シランカップリング基を有す る親水性ポリマーとの組み合わせのため、格 別なる効果を発現できた。
 本発明に用いられるプラスチック基板とし は、特に制限はないが、光学部材として使 される基板は、透明性、屈折率、分散性な の光学特性を考慮して選択され、使用目的 より、種々の物性、例えば、耐衝撃性、可 性など強度をはじめとする物理的特性や、 熱性、耐候性、耐久性などを考慮して選択 れる。プラスチック基板としては、ポリエ テル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セ ファン、トリアセチルセルロース、ジアセ ルセルロース、アセチルセルロースブチレ ト、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニ アルコール、ポリスチレン、ポリカーボネ ト、ポリメチルペンテン、ポリスルフォン ポリエーテルケトン、アクリル、ナイロン フッ素樹脂、ポリイミド、ポリエーテルイ ド、ポリエーテルスルフォン等のフィルム しくはシートを挙げることができる。その でも特にポリエチレンテレフタレート,ポリ エチレンナフタレート等のポリエステフィル ムが好ましい。これらは、使用目的に応じて 、単独で用いられてもよく、或いは、2種以 を混合物、共重合体、積層体などの形態で み合わせて用いることもできる。プラスチ ク基板の厚みは、積層する相手によってさ ざまである。例えば曲面の多い部分では、 いものが好まれ、6~50μm程度のものが用いら る。また平面に用いられ、あるいは、強度 要求されるところでは50~400μmが用いられる

 基板と下塗り層の密着性を向上させる目 で、所望により基板の片面又は両面に、酸 法や粗面化法等により表面親水化処理を施 ことができる。上記酸化法としては、例え コロナ放電処理、グロー放電処理、クロム 処理(湿式)、火炎処理、熱風処理、オゾン 紫外線照射処理等が挙げられる。粗面化法 しては、サンドブラスト、ブラシ研磨等に り機械的に粗面化することもできる。

 プラスチック基板として、下記のガラス の説明において記載される無機化合物層を ラスチック板上に形成したものを用いるこ もできる。この場合、無機化合物層は反射 止層として作用させることもできる。無機 合物層をプラスチック板上に形成する場合 、前述した無機基板におけるのと同様の手 で形成することができる。

 透明プラスチック基板に無機化合物層を 成する場合、両層の間には、ハードコート を形成してもよい。ハードコート層を設け ことにより、基板表面の硬度が向上すると に、基板表面が平滑になるので、透明プラ チック基板と無機化合物層との密着性が向 し、耐引っ掻き強度の向上と、基板の屈曲 起因する無機化合物層へのクラックの発生 抑制することができる。このような基板を いることで親水性部材の機械的強度を改善 きる。ハードコート層の材質は、透明性、 度な強度、及び機械的強度を有するもので れば、特に限定されない。例えば、電離放 線や紫外線の照射による硬化樹脂や熱硬化 の樹脂が使用でき、特に紫外線照射硬化型 クリル系樹脂、有機ケイ素系樹脂、熱硬化 ポリシロキサン樹脂が好ましい。これらの 脂の屈折率は、透明プラスチック基板の屈 率と同等、もしくはこれに近似しているこ がより好ましい。

 このようなハードコート層の被膜方法は 特に限定されず、均一に塗布されるのであ ば任意の方法を採用することができる。ま 、ハードコート層の膜厚は3μm以上であれば 十分な強度となるが、透明性、塗工精度、取 り扱いの点から5~7μmの範囲が好ましい。さら にハードコート層に平均粒子径0.01~3μmの無機 あるいは有機物粒子を混合分散させることに よって、一般的にアンチグレアと呼ばれる光 拡散性処理を施すことができる。これらの粒 子は透明であれば特に限定されないが、低屈 折率材料が好ましく、酸化ケイ素、フッ化マ グネシウムが安定性、耐熱性等の点で特に好 ましい。光拡散性処理は、ハードコート層の 表面に凹凸を設けることによっても達成でき る。これらの無機化合物層やハードコート層 は基板と下塗り層との間に設けることで、基 板と下塗り層の密着性を向上させることがで きる。

 金属薄板としては、とくにアルミニウム板 好ましい。
 アルミニウム板は、純アルミニウム板、ア ミニウムを主成分とし、微量の異元素を含 合金板、または、アルミニウムもしくはア ミニウム合金の薄膜にプラスチックがラミ ートされているものである。アルミニウム 金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マ ガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、 スマス、ニッケル、チタン等がある。合金 の異元素の含有量は10質量%以下であるのが ましい。本発明においては、純アルミニウ 板が好ましいが、完全に純粋なアルミニウ は精錬技術上製造が困難であるので、わず に異元素を含有するものでもよい。アルミ ウム板は、その組成が特定されるものでは く、公知公用の素材のものを適宜利用する とができる。

 基板の厚さは0.05~0.6mmであるのが好ましく 、0.08~0.2mmであるのがより好ましい。

 アルミニウム板を使用するに先立ち、粗 化処理、陽極酸化処理等の表面処理を施す が好ましい。表面処理により、基板の親水 の向上、および下塗り層と基板との密着性 確保が容易になる。アルミニウム板を粗面 処理するに先立ち、所望により、表面の圧 油を除去するための界面活性剤、有機溶剤 アルカリ性水溶液等による脱脂処理が行わ る。アルミ基板の処理方法は公知の方法で うことができる。

 本発明で用いられる基板としては、上記の うな表面処理をされ陽極酸化皮膜を有する 板そのままでも良いが、上層との接着性の 層改良のため、必要に応じて、特開2001-25318 1号公報や特開2001-322365号公報に記載されてい る陽極酸化皮膜のマイクロポアの拡大処理や 封孔処理および親水性化合物を含有する水溶 液に浸漬する表面親水化処理などを適宜選択 して行うことができる。もちろんこれら拡大 処理、封孔処理はこれらに記載のものに限ら れたものではなく従来公知の何れも方法も行 うことができる。
 たとえば封孔処理としては、蒸気封孔のほ フッ化ジルコン酸の単独処理、フッ化ナト ウムによる処理、塩化リチウムを添加した 気封孔でも可能である。

<封孔処理>
 本発明に用いられる封孔処理は、特に限定 れず、従来公知の方法を用いることができ が、中でも、無機フッ素化合物を含有する 溶液による封孔処理、水蒸気による封孔処 および熱水による封孔処理が好ましい。以 にそれぞれ説明する。

<無機フッ素化合物を含有する水溶液によ 封孔処理>
 無機フッ素化合物を含有する水溶液による 孔処理に用いられる無機フッ素化合物とし は、金属フッ化物が好適に挙げられる。
 具体的には、例えば、フッ化ナトリウム、 ッ化カリウム、フッ化カルシウム、フッ化 グネシウム、フッ化ジルコン酸ナトリウム フッ化ジルコン酸カリウム、フッ化チタン ナトリウム、フッ化チタン酸カリウム、フ 化ジルコン酸アンモニウム、フッ化チタン アンモニウム、フッ化チタン酸カリウム、 ッ化ジルコン酸、フッ化チタン酸、ヘキサ ルオロケイ酸、フッ化ニッケル、フッ化鉄 フッ化リン酸、フッ化リン酸アンモニウム 挙げられる。中でも、フッ化ジルコン酸ナ リウム、フッ化チタン酸ナトリウム、フッ ジルコン酸、フッ化チタン酸が好ましい。

 水溶液中の無機フッ素化合物の濃度は、 極酸化皮膜のマイクロポアの封孔を十分に う点で、0.01質量%以上であるのが好ましく 0.05質量%以上であるのがより好ましく、また 、耐汚れ性の点で、1質量%以下であるのが好 しく、0.5質量%以下であるのがより好ましい 。

 無機フッ素化合物を含有する水溶液は、更 、リン酸塩化合物を含有するのが好ましい リン酸塩化合物としては、例えば、アルカ 金属、アルカリ土類金属等の金属のリン酸 が好適に挙げられる。
 具体的には、例えば、リン酸亜鉛、リン酸 ルミニウム、リン酸アンモニウム、リン酸 素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニ ム、リン酸一アンモニウム、リン酸一カリ ム、リン酸一ナトリウム、リン酸二水素カ ウム、リン酸水素二カリウム、リン酸カル ウム、リン酸水素アンモニウムナトリウム リン酸水素マグネシウム、リン酸マグネシ ム、リン酸第一鉄、リン酸第二鉄、リン酸 水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン 水素二ナトリウム、リン酸鉛、リン酸二ア モニウム、リン酸二水素カルシウム、リン リチウム、リンタングステン酸、リンタン ステン酸アンモニウム、リンタングステン ナトリウム、リンモリブデン酸アンモニウ 、リンモリブデン酸ナトリウム、亜リン酸 トリウム、トリポリリン酸ナトリウム、ピ リン酸ナトリウムが挙げられる。中でも、 ン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二ナト ウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素 カリウムが好ましい。
 無機フッ素化合物とリン酸塩化合物の組合 は、特に限定されないが、水溶液が、無機 ッ素化合物として、少なくともフッ化ジル ン酸ナトリウムを含有し、リン酸塩化合物 して、少なくともリン酸二水素ナトリウム 含有するのが好ましい。

 水溶液中のリン酸塩化合物の濃度は、耐 れ性の向上の点で、0.01質量%以上であるの 好ましく、0.1質量%以上であるのがより好ま く、また、溶解性の点で、20質量%以下であ のが好ましく、5質量%以下であるのがより ましい。

 水溶液中の各化合物の割合は、特に限定さ ないが、無機フッ素化合物とリン酸塩化合 の質量比が、1/200~10/1であるのが好ましく、 1/30~2/1であるのがより好ましい。
 また、水溶液の温度は、20℃以上であるの 好ましく、40℃以上であるのがより好ましく 、また、100℃以下であるのが好ましく、80℃ 下であるのがより好ましい。
 また、水溶液は、pH1以上であるのが好まし 、pH2以上であるのがより好ましく、また、p H11以下であるのが好ましく、pH5以下であるの がより好ましい。
 無機フッ素化合物を含有する水溶液による 孔処理の方法は、特に限定されず、例えば 浸漬法、スプレー法が挙げられる。これら 単独で1回または複数回用いてもよく、2種 上を組み合わせて用いてもよい。
 中でも、浸漬法が好ましい。浸漬法を用い 処理する場合、処理時間は、1秒以上である のが好ましく、3秒以上であるのがより好ま く、また、100秒以下であるのが好ましく、20 秒以下であるのがより好ましい。

<水蒸気による封孔処理>
 水蒸気による封孔処理は、例えば、加圧ま は常圧の水蒸気を連続的にまたは非連続的 、陽極酸化皮膜に接触させる方法が挙げら る。
 水蒸気の温度は、80℃以上であるのが好ま く、95℃以上であるのがより好ましく、また 、105℃以下であるのが好ましい。
 水蒸気の圧力は、(大気圧-50mmAq)から(大気圧 +300mmAq)までの範囲(1.00×10 5 ~1.043×10 5 Pa)であるのが好ましい。
 また、水蒸気を接触させる時間は、1秒以上 であるのが好ましく、3秒以上であるのがよ 好ましく、また、100秒以下であるのが好ま く、20秒以下であるのがより好ましい。

<熱水による封孔処理>
 水蒸気による封孔処理は、例えば、陽極酸 皮膜を形成させたアルミニウム板を熱水に 漬させる方法が挙げられる。
 熱水は、無機塩(例えば、リン酸塩)または 機塩を含有していてもよい。
 熱水の温度は、80℃以上であるのが好まし 、95℃以上であるのがより好ましく、また、 100℃以下であるのが好ましい。
 また、熱水に浸漬させる時間は、1秒以上で あるのが好ましく、3秒以上であるのがより ましく、また、100秒以下であるのが好まし 、20秒以下であるのがより好ましい。

<親水化処理>
 親水化処理としては、米国特許第2,714,066号 同第3,181,461号、同第3,280,734号および同第3,90 2,734号の各明細書に記載されているようなア カリ金属シリケート法がある。この方法に いては、支持体をケイ酸ナトリウム等の水 液で浸漬処理し、または電解処理する。そ ほかに、特公昭36-22063号公報に記載されて るフッ化ジルコン酸カリウムで処理する方 、米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号およ 同第4,689,272号の各明細書に記載されている うなポリビニルホスホン酸で処理する方法 が挙げられる。

 基板は、中心線平均粗さが0.10~1.2μmであ のが好ましい。この範囲で、下塗り層との 好な密着性と良好な汚れ難さが得られる。

 本発明で用いられるガラス板としては、 化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化マグネ ウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化ジルコ ウム、酸化ナトリウム、酸化アンチモン、 化インジウム、酸化ビスマス、酸化イット ウム、酸化セリウム、酸化亜鉛、ITO(Indium T in Oxide)等の金属性酸化物;フッ化マグネシウ 、フッ化カルシウム、フッ化ランタン、フ 化セリウム、フッ化リチウム、フッ化トリ ム等の金属ハロゲン化物;などで形成した無 機化合物層を備えたガラス板を挙げることが できる。また目的に応じ、フロート板ガラス 、型板ガラス、スリ板ガラス、網入ガラス、 線入ガラス、強化ガラス、合わせガラス、複 層ガラス、真空ガラス、防犯ガラス、高断熱 Low-E複層ガラスを使用することができる。ま 素板ガラスのまま、前記下塗り層および上 り層を塗設できるが、必要に応じ、下塗り および上塗り層の密着性を向上させる目的 、片面又は両面に、酸化法や粗面化法等に り表面親水化処理を施すことができる。上 酸化法としては、例えばコロナ放電処理、 ロー放電処理、クロム酸処理(湿式)、火炎 理、熱風処理、オゾン・紫外線照射処理等 挙げられる。粗面化法としては、サンドブ スト、ブラシ研磨等により機械的に粗面化 ることもできる。

 無機化合物層は、単層あるいは多層構成 することができる。無機化合物層はその厚 によって、光透過性を維持させることもで 、また、反射防止層として作用させること できる。無機化合物層の形成方法としては 例えば、ディップコーティング法、スピン ーティング法、フローコーティング法、ス レーコーティング法、ロールコーティング 、グラビアコーティング法などの塗布法、 空蒸着法、反応性蒸着法、イオンビームア スト法、スパッタリング法、イオンプレー ィング法等の物理蒸着法(PVD)、化学蒸着法(C VD)をはじめとする気相法など公知の方法を適 用することができる。

〔親水性部材使用時の層構成〕
 本発明の親水性部材を、防汚性及び/または 防曇性効果の発現を期待して使用する場合、 その目的、形態、使用場所に応じ、適宜別の 層を付加して使用することができる。以下に 必要に応じ付加される層構成について述べる 。

1)接着層
 本発明の親水性部材を、別の基板上に貼り けて使用する場合、基板の裏面に、接着層 して、感圧接着剤である粘着剤が好ましく いられる。粘着剤としては、ゴム系粘着剤 アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、 ニルエーテル系、スチレン系粘着剤などの 般的に粘着シートに用いられるものが使用 きる。
 光学的に透明なものが必要な場合は光学用 向けの粘着剤が選ばれる。着色、半透明、 ット調などの模様が必要な場合は、基板に ける模様付けのほかに粘着剤に、染料、有 や無機の微粒子を添加して効果を出すこと 行うことができる。
 粘着付与剤が必要な場合、樹脂、例えば、 ジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油系樹脂 スチレン系樹脂およびこれらの水素添加物 どの接着付与樹脂を1種類または混合して用 いることができる。
 本発明で用いられる粘着剤の粘着力は一般 言われる強粘着であり、200g/25mm以上、好ま くは300g/25mm以上、さらに好ましくは400g/25mm 上である。なお、ここでいう粘着力はJIS Z 0237 に準拠し、180度剥離試験によって測定 た値である。

2)離型層
 本発明の親水性部材が前記の接着層を有す 場合には、さらに離型層を付加することが きる。離型層には、離型性をもたせるため 、離型剤を含有させることが好ましい。離 剤しては、一般的に、ポリオルガノシロキ ンからなるシリコーン系離型剤、フッ素系 合物、ポリビニルアルコールの長鎖アルキ 変性物、ポリエチレンイミンの長鎖アルキ 変性物等が用いることができる。また、ホ トメルト型離型剤、ラジカル重合、カチオ 重合、重縮合反応等により離型性モノマー 硬化させるモノマー型離型剤などの各種の 型剤や、この他、アクリル-シリコーン系共 重合樹脂、アクリル-フッ素系共重合樹脂、 びウレタン-シリコーン-フッ素系共重合樹脂 などの共重合系樹脂、並びに、シリコーン系 樹脂とアクリル系樹脂との樹脂ブレンド、フ ッ素系樹脂とアクリル系樹脂との樹脂ブレン ドが用いられる。また、フッ素原子及び/又 ケイ素原子のいずれかの原子と、活性エネ ギー線重合性基含有化合物を含む硬化性組 物を、硬化して得られるハードコート離型 としてもよい。

3)その他の層
 上塗り層(親水性層)の上に、保護層を設け もよい。保護層は、ハンドリング時や輸送 、保管時などの親水性表面の傷つきや、汚 物質の付着による親水性の低下を防止する 能を有する。保護層としては、上記離型層 用いた親水性ポリマー層を使用することが きる。保護層は、親水性部材を適切な基板 貼り付けた後には剥がされる。

〔構造体の形態〕
 本発明の親水性層を有する構造体は、シー 状、ロール状あるいはリボン状の形態で供 されてもよく、適切な基板に貼り付けるた に、あらかじめカットされたもとして供給 ることもできる。

 本発明の親水性層を塗設した親水性部材は 窓ガラス等に適用(使用、貼り付け)する場 、視界確保の観点から透明性が重要である 本発明の親水性層は、透明性に優れ、膜厚 厚くても透明度が損なわれず、耐久性との 立が可能である。本発明の親水性層の厚さ 、0.01μm~100μmが好ましく、0.05μm~50μmがさら 好ましく、0.1μm~20μmが最も好ましい。膜厚 0.01μm以上の場合は、十分な親水性、耐久性 得ら好ましく、膜厚が100μm以下の場合は、 ラックが入るなど製膜性に問題を来たすこ がなく、好ましい。
 本発明の親水性層の乾燥塗布量を好ましく 0.01g/m 2 ~100g/m 2 、より好ましくは0.02g/m 2 ~80g/m 2 、特に好ましくは0.05g/m 2 ~50g/m 2 とすることで、上記の膜厚を得ることができ る。
 また、下塗り層の厚さは、0.01μm~100μmが好 しく、0.02μm~80μmがさらに好ましく、0.05μm~50 μmが特に好ましい。
 下塗り層組成物の乾燥塗布量を好ましくは0 .01g/m 2 ~100g/m 2 、より好ましくは0.02g/m 2 ~80g/m 2 、特に好ましくは0.05g/m 2 ~50g/m 2 とすることで、上記の膜厚を得ることができ る。
 透明性は、分光光度計で可視光領域(400nm~800 nm)の光透過率を測定し評価する。光透過率が 100%~70%が好ましく、95%~75%がより好ましく、95% ~80%の範囲にあることが最も好ましい。この 囲にあることによって、視界をさえぎるこ なく、親水性層を塗設した親水性部材を各 用途に適用することができる。

 本発明の親水性部材は、上記のように、下 り層用組成物および親水性組成物を、適切 基板上に塗布し、加熱、乾燥して表面親水 層を形成することで得ることができる。
 下塗り層用組成物および親水性組成物の塗 方法は、公知の塗布方法を採用でき、例え スプレーコーティング法、ディップコーテ ング法、フローコーティング法、スピンコ ティング法、ロールコーティング法、フィ ムアプリケーター法、スクリーン印刷法、 ーコーター法、刷毛塗り、スポンジ塗り等 方法が適用できる。

 本発明の親水性部材が適用可能なものとし は、例えば、防曇効果を期待する場合には 明なものであり、透明なガラス基板または 明なプラスチック基板、レンズ、プリズム 鏡等である。
 ガラスとしては、ソーダガラス、鉛ガラス 硼珪酸ガラスなどの何れのガラスを使用し も良い。また目的に応じ、フロート板ガラ 、型板ガラス、スリ板ガラス、網入ガラス 線入ガラス、強化ガラス、合わせガラス、 層ガラス、真空ガラス、防犯ガラス、高断 Low-E複層ガラスを使用することができる。
 防曇効果を有する部材が適用可能な用途と ては、車両用バックミラー、浴室用鏡、洗 所用鏡、歯科用鏡、道路鏡のような鏡;眼鏡 レンズ、光学レンズ、写真機レンズ、内視鏡 レンズ、照明用レンズ、半導体用レンズ、複 写機用レンズのようなレンズ;プリズム;建物 監視塔の窓ガラス;その他建材用ガラス;自 車、鉄道車両、航空機、船舶、潜水艇、雪 車、ロープウエイのゴンドラ、遊園地のゴ ドラ、種々の乗物の窓ガラス;自動車、鉄道 両、航空機、船舶、潜水艇、雪上車、スノ モービル、オートバイ、ロープウエイのゴ ドラ、遊園地のゴンドラ、種々の乗物の風 ガラス;防護用ゴーグル、スポーツ用ゴーグ ル、防護用マスクのシールド、スポーツ用マ スクのシールド、ヘルメットのシールド、冷 凍食品陳列ケースのガラス;計測機器のカバ ガラス、及び上記物品表面に貼付させるた のフィルムを含む。最も好ましい用途は、 動車用及び建材用のガラスである。

 また、本発明の表面親水性部材に防汚効果 期待する場合には、その基板は、例えば、 ラス、プラスチック以外にも、金属、セラ ックス、木、石、セメント、コンクリート 繊維、布帛、紙、それらの組合せ、それら 積層体が、いずれも好適に利用できる。
 防汚効果を有する部材が適用可能な用途と ては、建材、外壁や屋根のような建物外装 建物内装、窓枠、窓ガラス、構造部材、自 車、鉄道車両、航空機、船舶、自転車、オ トバイのような乗物の外装及び塗装、機械 置や物品の外装、防塵カバー及び塗装、交 標識、各種表示装置、広告塔、道路用防音 、鉄道用防音壁、橋梁、ガードレールの外 及び塗装、トンネル内装及び塗装、碍子、 陽電池カバー、太陽熱温水器集熱カバー、 ニールハウス、車両用照明灯のカバー、住 設備、便器、浴槽、洗面台、照明器具、照 カバー、台所用品、食器、食器洗浄器、食 乾燥器、流し、調理レンジ、キッチンフー 、換気扇、及び上記物品表面に貼付させる めのフィルムを含む。
 看板、交通標識、防音壁、ビニールハウス 碍子、乗物用カバー、テント材、反射板、 戸、網戸、太陽電池用カバー、太陽熱温水 等の集熱器用カバー、街灯、舗道、屋外照 、人工滝・人工噴水用石材・タイル、橋、 室、外壁材、壁間や硝子間のシーラー、ガ ドレール、ベランダ、自動販売機、エアコ 室外機、屋外ベンチ、各種表示装置、シャ ター、料金所、料金ボックス、屋根樋、車 用ランプ保護カバー、防塵カバー及び塗装 機械装置や物品の塗装、広告塔の外装及び 装、構造部材、住宅設備、便器、浴槽、洗 台、照明器具、台所用品、食器、食器乾燥 、流し、調理レンジ、キッチンフード、換 扇、窓レール、窓枠、トンネル内壁、トン ル内照明、窓サッシ、熱交換器用放熱フィ 、舗道、浴室用洗面所用鏡、ビニールハウ 天井、洗面化粧台、自動車ボディ、及びそ ら物品に貼着可能なフィルム、ワッペン等 含む。
 雪国用屋根材、アンテナ、送電線等への適 も可能であり、その際は、着雪防止性にも れた特性が得られる。

 また本発明の表面親水性部材に水等の速乾 を期待する場合にも、その基材は、例えば ガラス、プラスチック以外にも、金属、セ ミックス、木、石、セメント、コンクリー 、繊維、布帛、紙、それらの組合せ、それ の積層体が、いずれも好適に利用できる。 等の速乾性効果を有する部材が適用可能な 途としては、建材、外壁や屋根のような建 外装、建物内装、窓枠、窓ガラス、構造部 、自動車、鉄道車両、航空機、船舶、自転 、オートバイのような乗物の外装及び塗装 機械装置や物品の外装、防塵カバー及び塗 、交通標識、各種表示装置、広告塔、道路 防音壁、鉄道用防音壁、橋梁、ガードレー の外装及び塗装、トンネル内装及び塗装、 子、太陽電池カバー、太陽熱温水器集熱カ ー、ビニールハウス、車両用照明灯のカバ 、住宅設備、便器、浴槽、洗面台、照明器 、照明カバー、台所用品、食器、食器洗浄 、食器乾燥器、流し、調理レンジ、キッチ フード、換気扇、及び上記物品表面に貼付 せるためのフィルムを含む。
 看板、交通標識、防音壁、ビニールハウス 碍子、乗物用カバー、テント材、反射板、 戸、網戸、太陽電池用カバー、太陽熱温水 等の集熱器用カバー、街灯、舗道、屋外照 、人工滝・人工噴水用石材・タイル、橋、 室、外壁材、壁間や硝子間のシーラー、ガ ドレール、ベランダ、自動販売機、エアコ 室外機、屋外ベンチ、各種表示装置、シャ ター、料金所、料金ボックス、屋根樋、車 用ランプ保護カバー、防塵カバー及び塗装 機械装置や物品の塗装、広告塔の外装及び 装、構造部材、住宅設備、便器、浴槽、洗 台、照明器具、台所用品、食器、食器乾燥 、流し、調理レンジ、キッチンフード、換 扇、窓レール、窓枠、トンネル内壁、トン ル内照明、窓サッシ、熱交換器用放熱フィ 、舗道、浴室用洗面所用鏡、ビニールハウ 天井、洗面化粧台、自動車ボディ、及びそ ら物品に貼着可能なフィルム、ワッペン等 含む。またこれらの用途に使用される製品 製造する工程において乾燥工程を有する場 は乾燥時間が短縮でき生産性が向上する効 も期待できる。

 上記用途の中でも、本発明に係る親水性部 は、フィン材に適用することが好ましく、 ルミニウム製フィン材に適用することが好 しい。すなわち、本発明に係る親水性膜形 用組成物をフィン材(好ましくはアルミニウ ム製フィン材)に塗布し、フィン材表面に親 性層を形成することが好ましい。
 室内エアコンや自動車エアコン等の熱交換 等に用いられるアルミニウム製フィン材は 冷房時に発生する凝集水が水滴となりフィ 間にとどまることで水のブリッジが発生し 冷房能力が低下する。またフィン間に埃な が付着することでも、同様に冷房能力が低 する。これらの問題に対し、本発明の親水 部材をフィン材に適用することで、親水性 防汚性、及びそれらの持続性に優れたフィ 材が得られる。 本発明に係るフィン材は パルミチン酸に1時間曝気、30分水洗、30分乾 燥を5サイクル繰返した後の水接触角が40°以 であることが好ましい。

 フィン材に用いられるアルミニウムとし は、表面が脱脂されたもの、必要に応じて 成処理されたアルミニウム板を挙げること できる。アルミニウム製のフィン材は、表 が化成処理されていることが親水化処理皮 の付着性、耐食性などの点から好適である 上記化成処理としては、例えば、クロメー 処理を挙げることができ、その代表例とし 、アルカリ塩-クロム酸塩法(B.V.法、M.B.V.法 E.W.法、アルロック法、ピルミン法)、クロ 酸法、クロメート法、リン酸クロム酸法な の処理法、及びクロム酸クロムを主体とし 組成物による無水洗塗布型処理法などが挙 られる。

 例えば、熱交換器用フィン材に用いられ アルミニウム等薄板としては、JIS規格で、1 100、1050、1200、1N30等の純アルミニウム板、201 7、2014等のAl-Cu系合金板、3003、3004等のAl-Mn系 金板、5052、5083等のAl-Mg系合金板、さらには 6061等のAl-Mg-Si系合金板等のいずれを用いても 良く、またその形状はシートおよびコイルの いずれでも良い。

 また、本発明に係るフィン材は、熱交換器 用いることが好ましい。本発明に係るフィ 材を用いた熱交換器は、優れた親水性、防 性及びそれらの持続性を有しているので、 ィン間に水滴や埃などが付着するのを防止 ることができる。熱交換器としては、例え 、室内用クーラーやエアコン、建設機械用 イルクーラー、自動車のラジエーター、キ パシタ等に使用される熱交換器が挙げられ 。
 また、本発明に係るフィン材を用いた熱交 器をエアコンに使用することが好ましい。 発明に係るフィン材は、優れた親水性、防 性及びそれらの持続性を有しているので、 述のような冷房能力の低下等の問題が改善 れたエアコンを提供することができる。エ コンとしては、ルームエアコン、パッケー エアコン、カーエアコン等、いずれのもの もよい。
 その他、本発明の熱交換器、エアコンには 知の技術(例えば特開2002-106882号公報、特開2 002-156135号公報など)を用いることができ、特 制限されない。

 以下本発明を実施例によって詳細に説明す が、本発明はこれらに限定されるものでは い。
(特定親水性ポリマー(I-1)の合成)
 300ml三口フラスコにアクリルアミド28.3g、ア クリルアミド-3-(トリエトキシシリル)プロピ 27.5g、及び1-メトキシ-2-プロパノール85gを入 れ、80℃窒素気流下、2,2'-アゾビス(2-メチル ロピオン酸)ジメチル0.7gを加えた。6時間攪 しながら同温度に保った後、室温まで冷却 た。n-ヘキサン2リットル中に投入し、析出 た固体をろ取した。得られた固体をn-ヘキサ ンにて洗浄後、前記例示化合物(I-1)である特 親水性ポリマー(I-1)を得た。乾燥後の質量 53.2gであった。GPC(ポリエチレンオキシド標 )により質量平均分子量22,000のポリマーであ た。
 以後、実施例にて使用した特定親水性ポリ ーは上記と同様の手法により合成し、評価 使用した。

(実施例1)
〔親水性ゾルゲル液〕
 精製水100g中に、(A)特定親水性ポリマー(I-1)1 1.3gを混合し、室温で2時間撹拌して、調製し 。
〔親水性組成物〕
 前記親水性ゾルゲル液に下記(G)アニオン系 面活性剤(1)の5質量%水溶液2.3g、精製水115gを 混合し、親水性組成物とした。
〔下塗り層用ゾルゲル液〕
 エチルアルコール14.2g、精製水50g中に、(C) トラメトキシシラン4.0g、(D)メチルトリメト シシラン4.0gを混合し、室温で2時間撹拌し 、調製した。
〔下塗り層用組成物〕
 上記下塗り層用ゾルゲル液に下記(G)アニオ 系界面活性剤(1)の5質量%水溶液2.8g、精製水2 40gを混合し、塗布液とした。
〔塗布方法〕
 アルカリ脱脂されたアルミ基板(厚み約100μm )を準備し、該アルミ基板に前記下塗り層用 成物をバー塗布し、150℃、30分でオーブン乾 燥して、乾燥塗布量0.1g/m 2 の下塗り層を形成した。室温まで十分冷却し た後に、前記親水性組成物をバー塗布し、150 ℃、30分でオーブン乾燥して、乾燥塗布量0.4g /m 2 の上塗り層を形成し、親水性部材を得た。

(実施例2)
 実施例1において、親水性ゾルゲル液に(E)触 媒として1N塩酸水溶液0.05gを添加した以外は 施例1と同様に親水性部材を作成した。
(実施例3)
 実施例1において、親水性ゾルゲル液に(E)触 媒としてアセチルアセトン0.1g、オルトチタ 酸テトラエチル0.1gを添加した以外は実施例1 と同様に親水性部材を作成した。

(実施例4、5)
 親水性ゾルゲル液に添加する(E)触媒を下記 ものに変更した以外は実施例2と同様に親水 性部材を作成した。
 実施例4:エチルアセトアセテートアルミニ ムジイソプロピレート(川研ファインケミカ (株)製、ALCH)0.2g
 実施例5:ジルコニウムキレート化合物0.2g
 撹拌器を備えた反応機に、テトラブトキシ ルコニウム50g、アセト酢酸エチル20gを加え 室温で1時間撹拌してジルコニウムキレート 化合物を得た。

(実施例6)
 実施例2において、下塗り層用ゾルゲル液に (E)触媒として1N塩酸水溶液0.05gを添加した以 は実施例2と同様に親水性部材を作成した。

(実施例7)
 実施例3において、下塗り層用ゾルゲル液に (E)触媒として1N塩酸水溶液0.05gを添加した以 は実施例2と同様に親水性部材を作成した。

(実施例8)
 実施例3において、下塗り層用ゾルゲル液に (E)触媒としてアセチルアセトン0.1g、オルト タン酸テトラエチル0.1gを添加した以外は実 例3と同様に親水性部材を作成した。

(実施例9、10)
 下塗り層用ゾルゲル液に添加する(E)触媒を 記のものに変更した以外は実施例8と同様に 親水性部材を作成した。
 実施例9:エチルアセトアセテートアルミニ ムジイソプロピレート(川研ファインケミカ (株)製、ALCH)0.2g
 実施例10:ジルコニウムキレート化合物0.2g
 撹拌器を備えた反応機に、テトラブトキシ ルコニウム50g、アセト酢酸エチル20gを加え 室温で1時間撹拌してジルコニウムキレート 化合物を得た。

(実施例11~13)
 実施例8において、親水性ゾルゲル液に下記 化合物を添加した以外は実施例8と同様に親 性部材を作成した。
 実施例11:テトラメトキシシラン0.5g
 実施例12:テトラメトキシシラン1.0g
 実施例13:テトラエトキシチタネート0.5g

(実施例14~18)
 (A)特定親水性ポリマー(I-1)を下記のものに 更した以外は実施例8と同様に親水性部材を 成した。
 実施例14:特定親水性ポリマー(I-5)
 実施例15:特定親水性ポリマー(I-21)
 実施例16:特定親水性ポリマー(I-34)
 実施例17:特定親水性ポリマー(I-71)
 実施例18:特定親水性ポリマー(I-81)

(実施例19~24)
 下塗り層用ゾルゲル液中の(C)テトラメトキ シラン、(D)メチルトリメトキシシランの組 合わせを下記のものに変更した以外は実施 8と同様に親水性部材を作成した。
 実施例19:(C)テトラエトキシチタネート、(D) チルトリエトキシシラン
 実施例20:(C)トリエトキシアルミエート、(D) チルトリエトキシシラン
 実施例21:(C)テトラメトキシシラン、(D)メチ トリエトキシシラン
 実施例22:(C)テトラメトキシシラン、(D)エチ トリメトキシシラン
 実施例23:(C)テトラエトキシシラン、(D)メチ トリメトキシシラン
 実施例24:(C)テトラメトキシシラン、(D)ジメ ルジメトキシシラン

(実施例25~29)
 下塗り層用ゾルゲル液中の(C)テトラメトキ シラン、(D)メチルトリメトキシシランの添 量を下記のものに変更した以外は実施例8と 同様に親水性部材を作成した。
 実施例25:(C)テトラメトキシシラン2.4g、(D)メ チルトリメトキシシラン5.6g
 実施例26:(C)テトラメトキシシラン5.6g、(D)メ チルトリメトキシシラン2.4g
 実施例27:(C)テトラメトキシシラン7.2g、(D)メ チルトリメトキシシラン0.8g
 実施例28:(C)テトラメトキシシラン7.6g、(D)メ チルトリメトキシシラン0.4g
 実施例29:(C)テトラメトキシシラン1.6g、(D)メ チルトリメトキシシラン6.4g

(実施例30~34)
 (G)アニオン系界面活性剤(1)を下記のものに 更した以外は実施例8と同様に親水性部材を 作成した。
 実施例30:アニオン系界面活性剤(2)
 実施例31:両性系界面活性剤(3)
 実施例32:両性系界面活性剤(4)
 実施例33:フッ素系界面活性剤(5)
 実施例34:フッ素系界面活性剤(6)

(実施例35)
 基板を下記のものに変更した以外は実施例8 と同様に親水性部材を作成した。
 実施例35:表面をグロー処理により親水化し ポリエチレンレテフタレート基板(厚み50μm)

(実施例36~38)
 (A)特定親水性ポリマー(I-1)を下記のものに 更した以外は実施例35と同様に親水性部材を 作成した。
 実施例36:特定親水性ポリマー(I-5)
 実施例37:特定親水性ポリマー(I-21)
 実施例38:特定親水性ポリマー(I-34)

(実施例39)
 基板を下記のものに変更した以外は実施例8 と同様に親水性部材を作成した。
 実施例39:表面がけん化処理により親水化し TAC基板(厚み30μm)

(実施例40~42)
 (A)特定親水性ポリマー(I-1)を下記のものに 更した以外は実施例39と同様に親水性部材を 作成した。
 実施例40:特定親水性ポリマー(I-5)
 実施例41:特定親水性ポリマー(I-21)
 実施例42:特定親水性ポリマー(I-34)

(実施例43、44)
 実施例8の親水性組成物に下記化合物2gを添 した以外は実施例8と同様に親水性部材を作 成した。
 実施例43:オキシ塩化ジルコニウム(添加剤1)
 実施例44:テトラキス(アセチルアセトナト) ルコニウム(添加剤2)

(実施例45、46)
 実施例8の親水性組成物に下記化合物0.5gを 加した以外は実施例8と同様に親水性部材を 成した。
 実施例45:TBZ(中国興業(株)製)(抗菌剤1)
 実施例46:ゼオミック(シナネン(株)製)(抗菌 2)

(比較例1)
 前記実施例8において、本発明の特定親水性 ポリマー(I-1)に代えて、本発明の範囲外の下 構造を有する比較親水性ポリマー(i)(質量平 均分子量10000)を用いた他は、同様にして比較 例1の親水性部材を得た。なお、繰り返し単 数値は、組成比である。

(比較例2)
 前記実施例8において、下塗り層用ゾルゲル 液中の(C)テトラメトキシシランを8gにし、(D) チルトリメトキシシランを添加しなかった 外は、同様にして比較例2の親水性部材を得 た。

(比較例3)
 前記実施例8において、下塗り層を形成せず に上塗り層を形成した以外は、同様にして比 較例3の親水性部材を得た。

(特定親水性ポリマー(II-1)の合成)
 200ml三口フラスコにアクリルアミド25g、3-メ ルカプトプロピルトリメトキシシラン3.5g、 メチルホルムアミド51.3gを入れて65℃窒素気 下、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリ ル)0.25g添加し、反応を開始した。6時間攪拌 た後、室温まで戻し、メタノール1.5L中に投 したところ固体が析出した。得られた固体 アセトンにて洗浄後、前記例示化合物(II-1) ある親水性ポリマー(II-1)を得た。乾燥後の 量は21.7gであった。GPC(ポリエチレンオキシ 標準)により質量平均分子量9,000のポリマー あった。
 以後、実施例にて使用した特定親水性ポリ ーは上記と同様の手法により合成し、評価 使用した。

(実施例47)
〔親水性ゾルゲル液〕
 精製水100g中に、(B)特定親水性ポリマー(II-1) 11.3g、(E)触媒として1N塩酸水溶液0.05gを混合し 、室温で2時間撹拌して、調製した。
〔親水性組成物〕
 前記親水性ゾルゲル液に実施例1に記載の(G) アニオン系界面活性剤(1)の5質量%水溶液2.3g、 精製水115gを混合し、親水性組成物とした。
〔下塗り層用ゾルゲル液〕
 エチルアルコール14.2g、精製水50g中に、(C) トラメトキシシラン4.0g、(D)メチルトリメト シシラン4.0g、(E)触媒として1N塩酸水溶液0.05 gを混合し、室温で2時間撹拌して、調製した
〔下塗り層用組成物〕
 上記下塗り層用ゾルゲル液に実施例1に記載 の(G)アニオン系界面活性剤(1)の5質量%水溶液2 .8g、精製水240gを混合し、塗布液とした。
〔塗布方法〕
 アルカリ脱脂されたアルミ基板(厚み約100μm )を準備し、該アルミ基板に前記下塗り層用 成物をバー塗布し、150℃、30分でオーブン乾 燥して、乾燥塗布量0.1g/m 2 の下塗り層を形成した。室温まで十分冷却し た後に、前記親水性組成物をバー塗布し、150 ℃、30分でオーブン乾燥して、乾燥塗布量0.4g /m 2 の上塗り層を形成し、親水性部材を得た。

(実施例48)
 親水性ゾルゲル液に添加する(E)触媒を下記 ものに変更した以外は実施例47と同様に親 性部材を作成した。
 実施例48:アセチルアセトン0.1g、オルトチタ ン酸テトラエチル0.1g

(実施例49)
 下塗り層用ゾルゲル液に添加する(E)触媒を 記のものに変更した以外は実施例48と同様 親水性部材を作成した。
 実施例49:アセチルアセトン0.1g、オルトチタ ン酸テトラエチル0.1g

(実施例50~53)
 (B)特定親水性ポリマー(II-1)を下記のものに 更した以外は実施例49と同様に親水性部材 作成した。
 実施例50:特定親水性ポリマー(II-12)
 実施例51:特定親水性ポリマー(II-32)
 実施例52:特定親水性ポリマー(II-81)
 実施例53:特定親水性ポリマー(II-91)

(実施例54~56)
 実施例49において、親水性ゾルゲル液に下 化合物を添加した以外は実施例49と同様に親 水性部材を作成した。
 実施例54:テトラメトキシシラン0.5g
 実施例55:テトラメトキシシラン1.0g
 実施例56:テトラエトキシチタネート0.5g

(実施例57~62)
 下塗り層用ゾルゲル液中の(C)テトラメトキ シラン、(D)メチルトリメトキシシランの組 合わせを下記のものに変更した以外は実施 49と同様に親水性部材を作成した。
 実施例57:(C)テトラエトキシチタネート、(D) チルトリエトキシシラン
 実施例58:(C)トリエトキシアルミエート、(D) チルトリエトキシシラン
 実施例59:(C)テトラメトキシシラン、(D)メチ トリエトキシシラン
 実施例60:(C)テトラメトキシシラン、(D)エチ トリメトキシシラン
 実施例61:(C)テトラエトキシシラン、(D)メチ トリメトキシシラン
 実施例62:(C)テトラメトキシシラン、(D)ジメ ルジメトキシシラン

(実施例63~67)
 下塗り層用ゾルゲル液中の(C)テトラメトキ シラン、(D)メチルトリメトキシシランの添 量を下記のものに変更した以外は実施例49 同様に親水性部材を作成した。
 実施例63:(C)テトラメトキシシラン2.4g、(D)メ チルトリメトキシシラン5.6g
 実施例64:(C)テトラメトキシシラン5.6g、(D)メ チルトリメトキシシラン2.4g
 実施例65:(C)テトラメトキシシラン7.2g、(D)メ チルトリメトキシシラン0.8g
 実施例66:(C)テトラメトキシシラン7.6g、(D)メ チルトリメトキシシラン0.4g
 実施例67:(C)テトラメトキシシラン1.6g、(D)メ チルトリメトキシシラン6.4g

(実施例68~72)
 (G)アニオン系界面活性剤(1)を下記のものに 更した以外は実施例49と同様に親水性部材 作成した。
 実施例68:実施例30に記載のアニオン系界面 性剤(2)
 実施例69:実施例31に記載の両性系界面活性 (3)
 実施例70:実施例32に記載の両性系界面活性 (4)
 実施例71:実施例33に記載のフッ素系界面活 剤(5)
 実施例72:実施例34に記載のフッ素系界面活 剤(6)

(実施例73)
 基板を下記のものに変更した以外は実施例4 9と同様に親水性部材を作成した。
 実施例73:表面をグロー処理により親水化し ポリエチレンレテフタレート基板(厚み50μm)

(実施例74)
 (B)特定親水性ポリマー(II-1)を下記のものに 更した以外は実施例73と同様に親水性部材 作成した。
 実施例74:特定親水性ポリマー(II-12)

(実施例75)
 基板を下記のものに変更した以外は実施例4 9と同様に親水性部材を作成した。
 実施例75:表面がけん化処理により親水化し TAC基板(厚み30μm)

(実施例76)
 (B)特定親水性ポリマー(II-1)を下記のものに 更した以外は実施例75と同様に親水性部材 作成した。
 実施例76:特定親水性ポリマー(II-12)

(比較例4)
 前記実施例49において、下塗り層用ゾルゲ 液中の(C)テトラメトキシシランを8gにし、(D) メチルトリメトキシシランを添加しなかった 以外は、同様にして比較例4の親水性部材を た。

(比較例5)
 前記実施例49において、下塗り層を形成せ に上塗り層を形成した以外は、同様にして 較例5の親水性部材を得た。

(実施例77)
〔親水性ゾルゲル液〕
 精製水100g中に、(A)特定親水性ポリマー(I-1)7 .5g、(B)特定親水性ポリマー(II-1)2.5g、(E)触媒 してアセチルアセトン0.1g、オルトチタン酸 トラエチル0.1gを混合し、室温で2時間撹拌 て、調製した。
〔親水性組成物〕
 前記親水性ゾルゲル液に実施例1に記載の(G) アニオン系界面活性剤(1)の5質量%水溶液2.3g、 精製水115gを混合し、親水性組成物とした。
〔下塗り層用ゾルゲル液〕
 エチルアルコール14.2g、精製水50g中に、(C) トラメトキシシラン4.0g、(D)メチルトリメト シシラン4.0g、(E)触媒としてアセチルアセト ン0.1g、オルトチタン酸テトラエチル0.1gを混 し、室温で2時間撹拌して、調製した。
〔下塗り層用組成物〕
 上記下塗り層用ゾルゲル液に実施例1に記載 の(G)アニオン系界面活性剤(1)の5質量%水溶液2 .8g、精製水240gを混合し、塗布液とした。
〔塗布方法〕
 アルカリ脱脂されたアルミ基板(厚み約100μm )を準備し、該アルミ基板に前記下塗り層用 成物をバー塗布し、150℃、30分でオーブン乾 燥して、乾燥塗布量0.1g/m 2 の下塗り層を形成した。室温まで十分冷却し た後に、前記親水性組成物をバー塗布し、150 ℃、30分でオーブン乾燥して、乾燥塗布量0.4g /m 2 の上塗り層を形成し、親水性部材を得た。

(実施例78、79)
 (B)特定親水性ポリマー(II-1)を下記のものに 更した以外は実施例77と同様に親水性部材 作成した。
 実施例78:特定親水性ポリマー(II-12)
 実施例79:特定親水性ポリマー(II-32)

(実施例80、81)
 (A)特定親水性ポリマー(I-1)を下記のものに 更した以外は実施例77と同様に親水性部材を 作成した。
 実施例80:特定親水性ポリマー(I-5)
 実施例81:特定親水性ポリマー(I-21)

(実施例82、83)
 親水性ゾルゲル液中の(A)特定親水性ポリマ (I-1)、(B)特定親水性ポリマー(II-1)の添加量 下記のものに変更した以外は実施例77と同様 に親水性部材を作成した。
 実施例82:(A)特定親水性ポリマー(I-1)9.5g、(B) 定親水性ポリマー(II-1)0.5g
 実施例83:(A)特定親水性ポリマー(I-1)5.0g、(B) 定親水性ポリマー(II-1)5.0g
 実施例84:(A)特定親水性ポリマー(I-1)9.8g、(B) 定親水性ポリマー(II-1)0.2g
 実施例85:(A)特定親水性ポリマー(I-1)4.0g、(B) 定親水性ポリマー(II-1)6.0g

(実施例86、87)
 実施例77において、親水性ゾルゲル液に下 化合物を添加した以外は実施例77と同様に親 水性部材を作成した。
 実施例86:テトラメトキシシラン0.5g
 実施例87:テトラメトキシシラン1.0g

(実施例88、89)
 下塗り層用ゾルゲル液中の(C)テトラメトキ シラン、(D)メチルトリメトキシシランの添 量を下記のものに変更した以外は実施例77 同様に親水性部材を作成した。
 実施例88:(C)テトラメトキシシラン5.6g、(D)メ チルトリメトキシシラン2.4g
 実施例89:(C)テトラメトキシシラン7.2g、(D)メ チルトリメトキシシラン0.8g

(実施例90)
 基板を下記のものに変更した以外は実施例7 7と同様に親水性部材を作成した。
 実施例90:表面をグロー処理により親水化し ポリエチレンレテフタレート基板(厚み50μm)

(実施例91)
 (B)特定親水性ポリマー(II-1)を下記のものに 更した以外は実施例90と同様に親水性部材 作成した。
 実施例91:特定親水性ポリマー(II-12)

(実施例92、93)
 (A)特定親水性ポリマー(I-1)を下記のものに 更した以外は実施例90と同様に親水性部材を 作成した。
 実施例92:特定親水性ポリマー(I-5)
 実施例93:特定親水性ポリマー(I-21)

(実施例94)
 基板を下記のものに変更した以外は実施例7 7と同様に親水性部材を作成した。
 実施例94:表面がけん化処理により親水化し TAC基板(厚み30μm)

(実施例95)
 (B)特定親水性ポリマー(II-1)を下記のものに 更した以外は実施例94と同様に親水性部材 作成した。
 実施例95:特定親水性ポリマー(II-12)

(実施96、97)
 (A)特定親水性ポリマー(I-1)を下記のものに 更した以外は実施例94と同様に親水性部材を 作成した。
 実施例96:特定親水性ポリマー(I-5)
 実施例97:特定親水性ポリマー(I-21)

(比較例6)
 前記実施例77において、下塗り層用ゾルゲ 液中の(C)テトラメトキシシランを8gにし、(D) メチルトリメトキシシランを添加しなかった 以外は、同様にして比較例6の親水性部材を た。

(比較例7)
 前記実施例77において、下塗り層を形成せ に上塗り層を形成した以外は、同様にして 較例7の親水性部材を得た。

〔親水性部材の評価〕
〔表面自由エネルギー〕
 上塗り層表面の親水性度は、汎用的に、水 接触角(協和界面科学(株)製、DropMaster500)で 定される。しかし、本発明のような非常に 水性の高い表面においては、水滴接触角が10 °以下、さらには5°以下になることがあり、 水性度の相互比較を行うには、限界がある 一方、固体表面の親水性度をより詳細に評 する方法として、表面自由エネルギーの測 がある。種々の方法が提案されているが、 発明では、一例として、Zismanプロット法を いて表面自由エネルギーを測定した。具体 には、塩化マグネシウムなどの無機電解質 水溶液が濃度とともに表面張力が大きくな 性質を利用し、その水溶液を用いて空中、 温条件で接触角を測定した後、横軸にその 溶液の表面張力、縦軸に接触角をcosθに換 した値をとり、種々の濃度の水溶液の点を ロットして直線関係を得、cosθ=1すなわち、 触角=0°になるときの表面張力を、固体の表 面自由エネルギーと定義する測定方法である 。水の表面張力は72mN/mであり、表面自由エネ ルギーの値が大きいほど親水性が高いといえ る。

〔耐摩耗性の評価〕
 得られた親水性部材表面を不織布(BEMCOT、旭 化学繊維社製)で200gの負荷をかけ250往復擦り その前後の見た目の変化を目視により観察 る。
 ○:擦り前後の表面に傷なし
 △:1本程度傷あり
 ×:傷が多数存在

〔防汚性の評価(1)〕
 上記で得られた親水性部材表面に油性イン (三菱鉛筆株式会社製油性マーカー)で線を き、水を掛け続け、流れ落ちるかを三段階 感能評価した。
 ○:インクが1分以内に取れる
 △:1分を経過した後インクが取れる
 ×:2分を超え10分間にわたり実施してもイン がとれない

〔防汚性の評価(2)〕
 容量が50mlのサンプル瓶に0.2gのパルミチン を入れ、そのサンプル瓶の口の部分に上記 得られた親水性部材表面の被膜を形成させ 面を下に向けてかぶせ、105℃で30分間オーブ ンにて加熱した。さらに流水(2L/h)にて30分間 浄し、80℃で30分間乾燥した。このサイクル を5回繰り返し、接触角を測定した。
 ◎:接触角が25°未満
 ○:接触角が25°以上35°未満
 △:接触角が35°以上50°未満
 ×:接触角が50°以上

〔密着性評価〕
 上記で得られた親水性部材を精製水に200時 浸漬し、乾燥した後に膜の剥れが無いか目 観察した。
 ○:剥れなし
 △:部分剥れ
 ×:全体剥れ

〔柔軟性評価〕
 上記で得られた親水性部材を上部から事務 のペーパーパンチで穴を開け、そのエッジ 分を走査型電子顕微鏡にて観察した。
 ○:クラックなし
 △:クラックはないが、破れがある
 ×:クラックがある

〔水の乾燥速度評価〕
 上記で得られた親水性部材に約1mlの純水を 下し、25℃50%RH環境下で静置させ、水滴が乾 くまでの時間を5分おきに目視観察して測定 た。
 各評価結果は下記表1~3に示す。

                  

 表1に示すように、本発明の上塗り層と下 塗り層を用いた親水性部材は、防汚性、密着 性、柔軟性、水の乾燥速度に優れる。さらに 触媒を添加することで、加水分解・縮合反応 が進行し、非常に優れた耐摩耗性を示す親水 性部材を提供できる。実施例8と比較例1、2を 比較すると、本発明の親水性層に用いた(A)特 定親水性ポリマーの適用外のポリマーを用い ると、耐摩耗性及び密着性と防汚性が両立で きないことがわかる。また、比較例4は下塗 層に(D)特定アルコキシシランを用いなかっ ため、柔軟性のない膜となった。さらに比 例5のように下塗り層を用いない場合は耐摩 性、密着性に劣る。以上のことから、本発 では、耐摩耗性、防汚性、密着性、柔軟性 水の乾燥速度に優れた親水性部材を提供で る。

                  

                  

 表2、3に示すように、本発明の(B)親水性 リマーを用いた場合、(A)親水性ポリマーと(B )親水性ポリマーを混合して用いた場合でも 防汚性、密着性、柔軟性、水の乾燥速度に れることが明らかとなった。

 表4~6に、実施例および比較例で使用した 材料をまとめて記載した。

                  

                  

(注)TMOS:テトラメトキシシラン
   TEOS:テトラエトキシシラン
   TEOT:テトラエトキシチタネート
   TEOA:トリエトキシアルミネート
   MTMS:メチルトリメトキシシラン
   MTES:メチルトリエトキシシラン
   ETMS:エチルトリメトキシシラン
   DMDMS:ジメチルジメトキシシラン
   Ti:アセチルアセトンおよびオルトチタン 酸テトラエチルからなる触媒
   Al:エチルアセトアセテートアルミニウム ジイソプロピレート
   Zr:ジルコニウムキレート化合物

 本発明の親水性部材により、各種の基板 面に防汚性、水などの速乾性、耐摩耗性に れ、且つ柔軟性な表面を有する親水性部材 提供することができる。

 本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照 て説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱 ることなく様々な変更や修正を加えること できることは当業者にとって明らかである
 本出願は、2008年2月1日出願の日本特許出願( 特願2008-23109)、2008年3月24日出願の日本特許出 願(特願2008-76762)、及び2008年8月15日出願の日 特許出願(特願2008-209381)に基づくものであり その内容はここに参照として取り込まれる