Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
HYDROPONIC CULTURE SYSTEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/019804
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide a hydroponic culture system whereby the initial cost and the running cost can be controlled each at a low level in growing plants and plants having excellent qualities can be obtained at a high productivity. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] In a culture room (1), culture container units (2), each having a plurality of lighting fixtures (4) attached to the lower face of the bottom wall (3a) of a culture container (3) in which a nutrient solution (L) is pooled, are located at multiple stages at definite intervals in the longitudinal direction. On the other hand, the nutrient solution (L) is circulated between a nutrient solution tank (25) and the solution containers (3) in the individual culture container units (2). In the pathway of the circulation of the nutrient solution (L), a cooling unit (27) is provided and the culture container units (2) so that the nutrient solution (L) refluxed from the individual solution containers (3) is subjected to radiation cooling and then supplied into the individual solution containers (3). Owing to this constitution, a portion of the heat from the side of the lighting fixtures (4, 4) is absorbed by the nutrient solution (L) via the bottom wall (3a) of the culture containers (3). Thus, the heat to be transferred to the plants (11) in the culture container unit (2) on the next lower stage is decreased by the thus absorbed heat amount and the effect of the heat on the plants (11) is reduced. As a result, the interval between the culture container unit (2) on the upper stage and the culture container unit (2) on the lower stage can be narrowed and thus the number of the stages can be increased, which enables more efficient utilization of the space.

Inventors:
SAKATANI EISHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/073383
Publication Date:
February 12, 2009
Filing Date:
December 04, 2007
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
TOKUJU KOGYO CO LTD (JP)
SAKATANI EISHIRO (JP)
International Classes:
A01G31/06
Foreign References:
JP2007159410A2007-06-28
JPH02276514A1990-11-13
JPH08308408A1996-11-26
Attorney, Agent or Firm:
OHAMA, Hiroshi (Kagawa sangyo zunoka center Bldg.2217-15, Hayashi-ch, Takamatsu-shi Kagawa 01, JP)
Download PDF:
Claims:
 室温が調整された栽培室(1)内に、上面が開口し且つ養液(L)が貯留される栽培容器(3)の底壁(3a)の下面に複数の照明器(4)、(4)・・を取付けてなる栽培器ユニット(2)を上下方向に所定間隔をもって多段に配置する一方、
 上記養液タンク(25)内の養液(L)を、該養液タンク(25)と上記各栽培器ユニット(2)、(2)、・・の各養液容器(3)、(3)、・・の間で循環させるとともに、
 上記養液(L)の循環経路中に冷却ユニット(27)を介設し、上記各養液容器(3)、(3)、・・からの還流養液(L)を放熱冷却して上記各養液容器(3)、(3)、・・へ供給するように構成されたことを特徴とする水耕栽培装置。
 請求項1において、
 上記栽培器ユニット(2)には、上記各照明器(4)、(4)、・・の外側を覆うように透明又は半透明の素材からなるカバー材(5)が設けられていることを特徴とする水耕栽培装置。
 請求項2において、
 上記カバー材(5)には、該カバー材(5)の内部空間(8)を上記栽培室(1)内に連通させる通気口(6),(7)が設けられていることを特徴とする水耕栽培装置。
 請求項1において、
 上記栽培容器(3)内の養液(L)に浮置される水耕ベッド(10)が、薄板状の底壁(10a)と該底壁(10a)の周縁から立ち上がる周壁(10b)を備えた樹脂材又は金属材でなる浅皿状形体を有し、且つ上記底壁(10a)には該底壁(10a)上に開口して上方へ立ち上がる筒状の植栽用開口(13)、(13)、・・が設けられていることを特徴とする水耕栽培装置。
Description:
水耕栽培装置

 本願発明は、植物の水耕栽培を行なう水 栽培装置に関するものである。

 近年、図5に示すように、植物の水耕栽培 による育成に際して、多段の棚101を備えた育 成棚102の各棚101上にそれぞれ栽培容器103を載 置するとともに、各棚101に設けた照明装置104 によって上記各栽培容器103に植えられた植物 を照明する(直接照明方式)ことでその生育を 進させるようにした水耕栽培装置100が使用 れることが多い。そして、この場合、上記 成棚102を、空調された栽培室107内に設置し 、最適な育成環境で植物の育成を行なうの 通例であり、また、上記照明装置104として 各棚101の上方位置に、直状の蛍光灯105を複 本配置して構成するのが一般的である(特許 文献1 参照)。

 さらに、このような、直状の蛍光灯105を いた直接照明方式の照明装置104において、 度の均等化を図るために、反射笠106を用い のが通例である(特許文献2 参照)。

特開2001-346450号公報

特開昭60-225302号公報。

 ところで、図5あるいは特許文献1に示さ る従来の水耕栽培装置のように、直状の蛍 灯105を複数本配置して構成された照明装置10 4によって栽培容器103に植栽された植物108を 明するようにした水耕栽培装置100において 、以下のような問題があった。

 即ち、照明装置104が直接照明方式である め、植物108に近接させた近接照明とすると 蛍光灯105からの発熱や放射熱によって植物1 08に葉焼けが生じることが懸念される。この うなことから、蛍光灯105と植物108との間隔 広くとった離間照明とせざるを得ず、その 果、各棚101間の間隔が広くなり、所定高さ 囲内に配置可能な棚101の段数が少なくなる とから、空間の有効利用度が低下し、水耕 培装置100のイニシャルコスト及びランニン コストの上昇を招来するとともに、水耕栽 装置100としての生産性が低くなる。

 また、離間照明であることから、照明効 が悪く、そのため、植物108の育成に最適な 度を確保すべく、蛍光灯105の本数を多くす ことが必要であり、その結果、蛍光灯105の 用本数が多い分だけ、照明用の電力消費が み水耕栽培装置100のランニングコストのさ なる上昇を招来するとともに、蛍光灯104か の発熱によって周辺雰囲気の温度が高くな 植物108の生育環境に悪影響を及ぼすとか、 光灯104からの発熱によって、水耕栽培装置1 00内において上下方向の温度差が大きくなり 温度の高い上段側の栽培容器103に植えられ 植物108と、温度の低い下段側の栽培容器103 植えられた植物108の間で生育度合いが異な 生育の均一性が低下する、等のことが懸念 れ、このような状況を回避するために行な れる栽培室107内の空調に伴う費用が高くつ 、延いては水耕栽培装置100のランニングコ トの上昇を招来することになる。

 そこで本願発明では、植物の育成におい 、イニシャルコスト及びランニングコスト 低く抑えるとともに、高い生産性と高品質 植物育成を実現し得るようにした水耕栽培 置を提供することを目的としてなされたも である。

 本願発明ではかかる課題を解決するため 具体的手段として次のような構成を採用し いる。

 本願の第1の発明に係る水耕栽培装置では 、室温が調整された栽培室1内に、上面が開 し且つ養液Lが貯留される栽培容器3の底壁3a 下面に複数の照明器4、4・・を取付けてな 栽培器ユニット2を上下方向に所定間隔をも て多段に配置する一方、上記養液タンク25 の養液Lを、該養液タンク25と上記各栽培器 ニット2、2、・・の各養液容器3、3、・・の で循環させるとともに、上記養液Lの循環経 路中に冷却ユニット27を介設し、上記各養液 器3、3、・・からの還流養液Lを放熱冷却し 上記各養液容器3、3、・・へ供給するよう 構成したことを特徴としている。

 本願の第2の発明では、上記第1の発明に る水耕栽培装置において、上記栽培器ユニ ト2に、上記各照明器4、4、・・の外側を覆 ように透明又は半透明の素材からなるカバ 材5を設けたことを特徴としている。

 本願の第3の発明では、上記第2の発明に る水耕栽培装置において、上記カバー材5に 該カバー材5の内部空間8を上記栽培室1内に 通させる通気口6,7を設けたことを特徴とし いる。

 本願の第4の発明では、上記第1の発明に る水耕栽培装置において、上記栽培容器3内 養液Lに浮置される水耕ベッド10を、薄板状 底壁10aと該底壁10aの周縁から立ち上がる周 10bを備えた樹脂材又は金属材で形成された 皿状形体とし、且つ上記底壁10aには該底壁1 0a上に開口して上方へ立ち上がる筒状の植栽 開口13、13、・・を設けたことを特徴として いる。

 本願発明では次のような効果が得られる

 (a)本願の第1の発明に係る水耕栽培装置で は、室温が調整された栽培室1内に、上面が 口し且つ養液Lが貯留される栽培容器3の底壁 3aの下面に複数の照明器4、4・・を取付けて る栽培器ユニット2を上下方向に所定間隔を って多段に配置する一方、上記養液タンク2 5内の養液Lを、該養液タンク25と上記各栽培 ユニット2、2、・・の各養液容器3、3、・・ 間で循環させるとともに、上記養液Lの循環 経路中に冷却ユニット27を介設し、上記各養 容器3、3、・・からの還流養液Lを放熱冷却 て上記各養液容器3、3、・・へ供給するよ に構成している。

 (a-1) 従って、上段側の栽培器ユニット2 上記照明器4、4・・と、下段側の栽培器ユニ ット2の栽培容器3とは上下方向において対向 ており、該栽培容器3内の養液Lに浮置され 水耕ベッド10に植栽された植物11は、上段側 栽培器ユニット2の上記照明器4、4・・に直 臨むことから、該照明器4、4・・の発生熱 よって昇温した高温空気、及び該照明器4、4 ・・からの放射熱に晒されることから植物11 葉焼けが生じることも懸念される。

 しかし、この発明では、上記照明器4、4 ・が上記栽培容器3の底壁5aの下面に取付け れているため、該照明器4、4・・の発生熱と か照明器4、4・・からの放射熱の一部は上記 培容器3の底壁3aを熱伝導により移動し、該 培容器3内の養液Lに吸収され、この養液L側 の吸収熱量だけ下段側の栽培器ユニット2の 植物11に伝達される熱量が減少する(換言すれ ば、植物11への熱影響が低減される)ことにな る。また、養液Lに吸収された熱は、該養液L 上記栽培容器3と養液タンク25の間で循環す 際、上記冷却ユニット27において放熱され ため、該栽培容器3内の養液Lは上記熱の吸収 にも拘らず常時適正温度に維持され、上記栽 培容器3での養液Lへの吸熱作用は継続的に行 われる。

 従って、上記栽培容器3の養液L側への熱 収によって上記植物11への熱影響が軽減され ることから、例えば、上段側の栽培器ユニッ ト2と下段側の栽培器ユニット2の配置間隔を めること、即ち、上記栽培器ユニット2の多 段配置の段数を増加させて空間の有効利用度 を高めることができ、これによって、水耕栽 培装置のイニシャルコスト及びランニングコ ストの低減が可能になるとともに、水耕栽培 装置全体としての植物生産性が向上すること になる。

 (a-2) また、上段側の栽培器ユニット2と 段側の栽培器ユニット2の配置間隔が狭めら ることで、上記照明器4の照明効率が高めら れる。この結果、例えば、照明効率の向上分 だけ照明器4の配置個数を減らせて照明用の 力消費を抑えることで、水耕栽培装置のラ ニングコストのさらなる低減が期待できる

 (b)本願の第2の発明では、上記第1の発明 係る水耕栽培装置において、上記栽培器ユ ット2に、上記各照明器4、4、・・の外側を うように透明又は半透明の素材からなるカ ー材5を設けているので、該カバー材5によっ て、熱の発生源である各照明器4、4、・・の 傍の内部空間8と、その外側の空間とが区画 され、上記内部空間8から外側の空間への対 による熱伝熱が阻止される。この結果、上 栽培容器3の養液L側への熱吸収作用が促進さ れるとともに、下段側の栽培器ユニット2に ける植物11に対する熱影響が軽減され、これ らの相乗作用によって、上記(a)に記載の効果 がより一層促進される。

 (c)本願の第3の発明では、上記カバー材5 、該カバー材5の内部空間8を上記栽培室1内 連通させる通気口6,7を設けているので、上 栽培室1の空調に伴って該栽培室1内を循環す る空気流の一部は、上記通気口6,7から上記内 部空間8内に流出入するが、その際、上記内 空間8内に存在する熱のうち、上記栽培容器3 の養液L側に吸収されなかった熱は、該内部 間8に流出入する室内空気側に吸収され、そ 結果、下段側の栽培器ユニット2における植 物11に対する熱影響がさらに軽減され、上記( b)に記載の効果がより一層確実ならしめられ 。

 (d)本願の第4の発明では、上記栽培容器3 の養液Lに浮置される水耕ベッド10を、薄板 の底壁10aと該底壁10aの周縁から立ち上がる 壁10bを備えた樹脂材又は金属材で形成され 浅皿状形体とし、且つ上記底壁10aには該底 10a上に開口し且つ上方へ立ち上がる筒状の 栽用開口13、13、・・を設けているので、上 水耕ベッド10は、例えば、これを発泡樹脂 で構成する場合に比して、その伝熱性が高 、そのため、上記養液Lの表面側がここに浮 された水耕ベッド10によって覆われていた しても、上段側の栽培器ユニット2の各照明 4、4、・・において発生した熱の下段側の 培器ユニット2における栽培容器3内の養液L の吸収作用が確保される。即ち、上下方向 対向する一対の栽培器ユニット2,2間におけ 熱移動が促進される。

 この結果、同一の栽培器ユニット2内での 熱移動、即ち、栽培容器3の底壁3aを通して該 栽培容器3内の養液Lへの熱移動との相乗作用 よって、上記(a)に記載の効果がより一層促 される。

 以下、本願発明を好適な実施形態に基づい 具体的に説明する。
A:第1の実施形態
 図1には、本願発明の第1の実施形態に係る 耕栽培装置を示している。この水耕栽培装 は、空気調和機28によって室温が調整された 所定大きさの栽培室1内に、次述の栽培器ユ ット2を上下方向に多段(例えば、6段とか8段) に配置して構成される。

 栽培器ユニット2は、図1及び図2に示すよ に、次述する栽培容器3と各照明器4を備え 構成される。

 上記栽培容器3は、所定大きさの矩形浅皿 状の外観形体をもつように形成され、その内 部には養液Lが貯留されるとともに、該養液L 液面上には植物11が植栽される複数の水耕 ッド10が浮置される。この栽培容器3は、後 のように上記養液Lを放熱用の熱媒体として 用する関係から、伝熱性の良好な素材、例 ば、銅板、鉄板、良伝熱性の樹脂板等によ て形成される。尚、上記水耕ベッド10は、 えば、発泡スチロール等の高浮力材で構成 れており、ここには植物11を植生するための 植栽用開口12が適数個形成されている。

 また、この栽培容器3は、後述する養液循 環系の一部を構成するもので、該栽培容器3 長辺方向の一端側から養液供給管21を介して 養液Lが供給されるとともに、該栽培容器3の 端側から養液還流管22を介して該栽培容器3 の養液Lが排出されるようになっている。

 上記栽培容器3の底壁3aの下面には、取付 9によって直管状の蛍光灯でなる照明器4が 該栽培容器3の長辺方向に所定間隔で、且つ の照射光が下方へ指向するようにして、複 個(この実施形態では9個)取付けられている

 このように構成された栽培器ユニット2は 、図1及び図2に示すように、次述の栽培棚40 それぞれ載置される。

 上記栽培棚40は、図1及び図2にそれぞれ鎖 線図示するように、矩形の平面形体をもつ多 段枠状体であって、複数本の支柱41、41、・ と、前面側の各支柱41、41、・・間及び背面 の各支柱41、41、・・間を多段位置で水平方 向に連結する横桁材42、42、・・と、前面側 横桁材42と背面側の横桁材42同士を連結する 持桟43、43、・・を備えている。

 上記栽培器ユニット2は、上記栽培棚40の 段の支持桟43、43、・・上にそれぞれ載置さ れる。この栽培器ユニット2の載置状態を図2 示している。この載置状態では、上記栽培 40の支持桟43上に上記栽培容器3の底壁3aが直 接載置され、該底壁3aに取付けられた上記各 明器4、4、・・は、上記各支持桟43、43、・ 間に位置している。

 尚、最上段に載置された栽培器ユニット2 においては、その栽培容器3の上面が蓋9によ て覆われており、該栽培容器3には、他の栽 培器ユニット2と同様に、養液Lが貯留される のの、ここには上記水耕ベッド10は設けら ていない。

 このように上記栽培器ユニット2を載置し た状態において、該栽培器ユニット2の下方 に次述のカバー材5が取付けられる。このカ ー材5は、該各照明器4、4、・・の外側をそ 下側及び側方から覆うように配置された透 又は半透明のアクリル板とかフィルムで構 されるもので(この実施形態では透明のアク リル板で構成している)、上記各照明器4、4、 ・・をその下側から覆う底面部5aと、該各照 器4、4、・・その側方から覆う側面部5bを備 えており、取付ブラケット44、44、・・を介 て上記支柱41側に取付けられている。

 そして、このカバー材5の取付状態におい ては、該カバー材5の底面部5aの周縁部分には 通気口6が、該カバー材5の側面部5bの上端部 には通気口7が、それぞれ設けられている。 って、上記通気口6及び通気口7を介して、 記カバー材5の内側の内部空間8は上記栽培室 1の室内空間に連通している。

 上記栽培器ユニット2を上記栽培棚40の格 にそれぞれ載置した状態を図1に示している 。この状態では、上記各栽培器ユニット2、2 ・・は、上下方向に所定間隔をもって多段 配置されている。このように多段に配置さ た上記各栽培器ユニット2、2、・・の各栽 容器3、3、・・と上記栽培室1内に配置され 養液タンク25の間で養液Lを循環させるため 、次述の養液循環系20が備えられている。

 上記養液循環系20は、養液Lを養液ポンプ2 6の圧送作用によって上記各栽培容器3、3、・ ・に供給するための養液供給管21と、該各栽 容器3、3、・・内の養液Lを上記養液タンク2 5へ還流させるための養液還流管22を備えると ともに、該養液供給管21と養液還流管22の間 は、上記栽培室1の室外側に設置された冷却 ニット27が介設されている。

 上記冷却ユニット27は、養液還流管22から 導入される養液Lを冷却し、これを再度上記 液供給管21側へ吐出するものであって、例え ば、水冷又は空冷のチラーで構成される。

 ここで、上記栽培器ユニット2を備えて構 成される水耕栽培装置の使用状態等について 説明する。

 上記水耕栽培装置を使用して植物を栽培 る場合には、図1に示すように、上記栽培棚 40に多段載置された各栽培器ユニット2、2、 ・の各栽培容器3、3、・・に養液Lを満たし ここに植物11を植栽した水耕ベッド10を適数 だけ浮置する。また、上記各栽培器ユニッ 2、2、・・の下面該に取付けられた上記各 明器4、4、・・を点灯させ、その下側に位置 する下段側の栽培器ユニット2における栽培 器3の植物11、11、・・に対して照明を行ない 、その光合成を促進させてその生育を促す。

 一方、上記栽培室1の室内温度は、上記空 気調和機28によって植物11の栽培に最適な温 に調整される。また、上記各栽培容器3には 上記養液タンク25からの養液Lが、上記冷却 ニット27において水耕栽培に適した温度(19 程度)に冷却(放熱)されたのち、養液供給管21 を通して供給されるとともに、該栽培容器3 にある養液Lは上記養液還流管22を通して上 養液タンク25側へ還流され、これによって養 液L(熱吸収により昇温した養液L)は上記各栽 容器3、3、・・と上記養液タンク25の間で循 することになる。

 このように水耕栽培装置を用いて植物11 栽培が行なわれるが、この場合、上段側の 培器ユニット2の上記照明器4、4・・と、下 側の栽培器ユニット2の栽培容器3とは上下方 向において対向しており、該栽培容器3内の 液Lに浮置された水耕ベッド10に植栽された 物11は、上段側の栽培器ユニット2の上記照 器4、4・・に直接臨むことから、該照明器4 4・・の発生熱によって昇温した高温空気、 び該照明器4、4・・からの放射熱に晒され ことになる。

 しかし、この実施形態では、
(イ) 上記照明器4、4・・が上記栽培容器3の 壁3aの下面に直接取付けられているため、該 照明器4、4・・の発生熱とか照明器4、4・・ らの放射熱の一部は上記栽培容器3の底壁3a 熱伝導によって移動し(図2の白抜き矢印H1参 )、該栽培容器3内の養液Lに吸収され、この 液L側への吸収熱量だけ下段側の栽培器ユニ ット2の植物11に伝達される熱量が減少するこ とになる。また、吸熱により温度が高くなっ た養液Lは、上記栽培容器3と養液タンク25の で循環する際、上記冷却ユニット27において 放熱されるため、該栽培容器3内の養液Lは上 熱の吸収にも拘らず常時適正温度に維持さ 、上記栽培容器3での養液Lへの吸熱作用は 続的に行なわれる。
(ロ) さらに、上記栽培器ユニット2に、上記 照明器4、4、・・の外側を覆うように透明 は半透明の素材からなるカバー材5が設けら ているので、該カバー材5の内側の内部空間 8内の空気は、上記各照明器4、4、・・からの 発熱によって昇温しても、これが対流によっ て下段側の栽培器ユニット2の植物11近傍へ移 動するのが抑制され、該植物11への熱影響が えられる。また、この場合、上記内部空間8 内の高温空気は上記内部空間8内に封入され 状態となることから、上記栽培容器3の養液L 側への熱吸収作用が促進される。
(ハ) 上記カバー材5に、上記内部空間8を上記 栽培室1内に連通させる通気口6,7が設けられ いるので、上記空気調和機28による上記栽培 室1の空調に伴って該栽培室1内を循環する空 流Aの一部は、図2にAで示すように、下側の 気口6から上記内部空間8内に流入し、上側 通気口7から栽培室1内へ流出するように流れ る。この際、上記内部空間8内に存在する熱 うち、上記栽培容器3の養液L側に吸収されな かった熱は、該内部空間8に流出入する空気 Aに吸収され、該空気調和機28での熱交換に って外部へ放熱される。

 これら(イ)~(ハ)の相乗効果として、上記 照明器4、4、・・側の発生熱及び該各照明器 4、4、・・からの放射熱が下段側の栽培器ユ ット2の植物11に与える熱影響が可及的に小 らしめられ、それだけ上段側の栽培器ユニ ト2と下段側の栽培器ユニット2の配置間隔 狭めることが可能となる。

 この結果、照明器4による近接照明が実現 され、照明器4の配置個数の減少によるイニ ャルコストの低下、あるいは照明器4の消費 力の低減によるランニングコストの低下を ることができる。

 また、上記栽培器ユニット2の多段配置の段 数を増加させて空間の有効利用度を高めるこ とができるとともに、上記栽培室1の高さを くすることができることから、水耕栽培装 のイニシャルコスト及びランニングコスト 更なる低減が可能となる。
B:第2の実施形態
 図3には、本願発明の第2の実施形態に係る 耕栽培装置における栽培器ユニット2部分を している。この実施形態の栽培器ユニット2 は、その基本構成を上記第1の実施形態の栽 器ユニット2と同様とし、これと異なる点は 上記栽培容器3に浮置される上記水耕ベッド 10の構成である。

 従って、ここでは、上記水耕ベッド10の 成及びその作用効果のみ説明し、それ以外 部分については上記第1の実施形態の該当説 を援用する。

 上記水耕ベッド10は、図3及び図4に示すよ うに、薄板状の底壁10aと該底壁10aの周縁から 立ち上がる周壁10bを備えた浅皿状形体を有し 、樹脂材又は金属材によって一体形成されて いる。そして、この底壁10aには、該底壁10a上 に開口して上方へ立ち上がる筒状の植栽用開 口13、13、・・が設けられている。

 このように、上記水耕ベッド10を樹脂材 は金属材によって浅皿状に形成した場合に 、例えば、該水耕ベッド10を発泡樹脂材で構 成する場合に比して、その伝熱性が高く、そ のため、上記養液Lの表面側がここに浮置さ た水耕ベッド10によって覆われていたとして も、上段側の栽培器ユニット2の各照明器4、4 、・・において発生した熱の下段側の栽培容 器3内の養液Lへの吸収作用が確保される。即 、上段側の栽培器ユニット2と下段側の栽培 器ユニット2との間における熱移動が促進さ る(図3の白抜き矢印H2参照)。

 この結果、同一の栽培器ユニット2内での 熱移動、即ち、上記栽培容器3の底壁3aを通し て行なわれる上記各照明器4、4、・・側から 記栽培容器3内の養液L側への熱移動(図3の白 抜き矢印H1参照)との相乗作用によって、下段 側の栽培器ユニット2における上記植物11に対 する上記各照明器4、4、・・側からの熱影響 より一層低減され、延いてはより一層の近 照明が可能となり、水耕栽培装置のイニシ ルコスト及びランニングコストの更なる低 が期待できる。

本願発明の第1の実施形態に係る栽培器 ユニットを備えた水耕栽培装置の全体構成を 示す斜視図である。 図1のII-II拡大断面図である。 本願発明の第2の実施形態に係る栽培器 ユニットの断面図であって、図2に対応する のである。 図3に示した水耕ベッドの斜視図である 。 従来の水耕栽培装置の側面図である。

符号の説明

 1   ・・栽培室
 2   ・・栽培器ユニット
 3   ・・栽培容器
 4   ・・照明器
 5   ・・カバー材
 6   ・・通気口
 7   ・・通気口
 8   ・・内部空間
 10  ・・水耕ベッド
 11  ・・植物
 12  ・・植栽用開口
 13  ・・植栽用開口
 20  ・・養液循環系
 21  ・・養液供給管
 22  ・・養液還流管
 25  ・・養液タンク
 26  ・・養液ポンプ
 27  ・・冷却ユニット
 28  ・・空気調和機
 40  ・・栽培棚
 41  ・・支柱
 42  ・・横桁材
 43  ・・支持桟
 44  ・・取付ブラケット
 L   ・・養液
 A   ・・空気流