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Patent Searching and Data


Title:
IDENTIFICATION MEDIUM AND PRODUCING METHOD THEREOF
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/093372
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an identification medium in which a lot of information can be contained and which can inexpensively be subjected to small-quantity production and change of a seal design. While a cholesteric liquid crystal layer (302) having concavity and convexity formed for constituting holograms is formed on a first light-transmissive substrate (301), a printed layer (305) constituted of black ink is formed on a second light-transmissive substrate (304). By sticking both of the substrates together through a light-transmissive adhesion layer (308), the identification medium (310) is obtained. The identification medium (310) can inexpensively be subjected to the change of its displayed content used for identification by changing the displayed content constituted of the printed layer.

Inventors:
HOSHINO HIDEKAZU (JP)
SAKAUCHI TOKIO (JP)
SASAKI MUTSUMI (JP)
IDA TOHRU (JP)
IIDA NAOMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/070790
Publication Date:
July 30, 2009
Filing Date:
November 14, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NHK SPRING CO LTD (JP)
HOSHINO HIDEKAZU (JP)
SAKAUCHI TOKIO (JP)
SASAKI MUTSUMI (JP)
IDA TOHRU (JP)
IIDA NAOMI (JP)
International Classes:
B42D15/10; G03H1/22
Domestic Patent References:
WO2006068180A12006-06-29
Foreign References:
JP2007279129A2007-10-25
JPH1142875A1999-02-16
Other References:
See also references of EP 2246199A4
Attorney, Agent or Firm:
SUENARI, Mikio (6-13 Kyobashi1-chome, Chuo-k, Tokyo 31, JP)
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Claims:
 視認する側から見て、
 ホログラムを表示するための凹凸が形成されたコレステリック液晶層と、
 所定波長の光を反射または吸収する所定パターンを有する印刷層と
 が順に配置された層構造を有することを特徴とする識別媒体。
 前記コレステリック液晶層は、光透過性の第1の基板上に形成されており、
 前記印刷層は、光透過性の第2の基板上に形成されており、
 前記第1の基板と前記第2の基板とを貼り合わした構造を有することを特徴とする請求項1に記載の識別媒体。
 前記印刷層は、前記コレステリック液晶の前記凹凸が形成された面上に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の識別媒体。
 光透過性の第1の基板上にコレステリック液晶層を形成する工程と、
 前記コレステリック液晶層の表面にホログラムを表示するための凹凸を形成する工程と、
 光透過性の第2の基板上に所定波長の光を反射または吸収する所定パターンを有する印刷層を形成する工程と、
 前記第1の基板と前記第2の基板を貼り合わせる工程と
 を有することを特徴とする識別媒体の製造方法。
 光透過性の第1の基板上にコレステリック液晶層を形成する工程と、
 前記コレステリック液晶層の表面にホログラムを表示するための凹凸を形成する工程と、
 前記コレステリック液晶層の前記凹凸が形成された面上に所定波長の光を反射または吸収する所定パターンを有する印刷層を形成する工程と
 を有することを特徴とする識別媒体の製造方法。
Description:
識別媒体およびその製造方法

 本発明は、各種製品等の真正性(真贋性) 識別するための識別媒体に関し、特に、多 の情報を組み込むことが出来、低コストで ザイン変更、小規模生産に適した識別媒体 よびその製造方法に関する。

 パスポート、各種カード、証書類、各種製 の偽造防止方法として、その対象物の表面 特殊なインクを塗布する技術や、ホログラ を貼り付ける技術などが知られている。例 ば、特開平11-042875には、ホログラムにコレ テリック液晶を組み合わせた偽造防止技術 示されている。この技術によれば、ホログ ムとコレステリック液晶を組み合わせ、そ 反射光を左右の円偏光フィルタを通して観 することで、真贋が判別される。具体的に 、右円偏光フィルタで見えるときは、左円 光フィルタでは見えないという現象を用い 真贋の判別が行われる。

特開平11-042875

 しかしながら、上述した技術では、ロゴ 生産ロット等の情報を入れることが出来る がホログラム部分のみとなる為、入れるこ の出来る情報量が少ない。また、ホログラ の版は高価であるため、「少量の生産に適 ない」「絵柄の変更に高いコストがかかる という問題がある。そこで、本発明は多く 情報を組み込むことが出来、低コストで少 の生産、デザインの変更を行うことが可能 識別媒体およびその製造方法を提供するこ を目的とする。

 請求項1に記載の発明は、視認する側から 見て、ホログラムを表示するための凹凸が形 成されたコレステリック液晶層と、所定波長 の光を反射または吸収する所定パターンを有 する印刷層とが順に配置された層構造を有す ることを特徴とする識別媒体である。

 請求項1に記載の発明によれば、コレステ リック液晶層のホログラムの表示と印刷層の 印刷パターンにより構成される表示との組み 合わせにより多彩な情報を表示させることが できる。また、安価に作製できる印刷層の印 刷パターンを変更することで、識別に利用す る表示内容を低コストで変更することができ る。請求項1に記載の発明において、コレス リック液晶層と印刷層との間に他の層が介 していてもよい。勿論、コレステリック液 層と印刷層とが接していてもよい。また、 レステリック液晶層のホログラムの表示と 刷パターンによる表示の内容は、文字、デ イン文字、絵柄、模様、これらの2以上の組 合わせにより構成することができる。

 請求項2に記載の発明は、請求項1に記載 発明において、コレステリック液晶層は、 透過性の第1の基板上に形成されており、印 層は、光透過性の第2の基板上に形成されて おり、第1の基板と前記第2の基板とを貼り合 した構造を有することを特徴とする。光透 性というのは、識別に利用する可視光を透 する性質のこという。可視光に対する透過 は、高いほどよいが、識別に支障がない範 で損失があってもよい。

 請求項2に記載の発明によれば、第2の基 側の印刷層のパターンを変更することで、 別に利用する表示の内容を変更することが きる。印刷層のパターンの変更は、低コス で実現できるので、表示内容の変更に要す コストを抑えることができる。

 請求項3に記載の発明は、請求項1に記載 発明において、印刷層は、コレステリック 晶の凹凸が形成された面上に設けられてい ことを特徴とする。請求項3に記載の発明に れば、コレステリック液晶の部分を変更せ 、その上に形成する印刷層を変更すること 、識別に利用する表示の内容を変更するこ ができる。印刷層の変更は、安価に行える で、異なる表示内容を得る際のコストを抑 ることができる。

 請求項4に記載の発明は、光透過性の第1 基板上にコレステリック液晶層を形成する 程と、前記コレステリック液晶層の表面に ログラムを表示するための凹凸を形成する 程と、光透過性の第2の基板上に所定波長の を反射または吸収する所定パターンを有す 印刷層を形成する工程と、前記第1の基板と 前記第2の基板を貼り合わせる工程とを有す ことを特徴とする識別媒体の製造方法であ 。

 請求項4に記載の発明によれば、第2の基 側を変更することで、識別媒体の表示内容 変更することができる。印刷層のパターン 更は、低コストで実現できるので、第2の基 側の変更に要するコストは低くて済む。こ ため、第2の基板側に複数のバリエーション を用意することで、コスト増を招かずに多様 な内容の表示が行われる識別媒体を製造する ことができる。なお、この請求項4における 定波長というのは、700nmというような特定の 波長であってもよいし、幅のある波長帯域で あってもよい。勿論、可視光全域の波長帯域 であってもよい。

 請求項5に記載の発明は、光透過性の第1 基板上にコレステリック液晶層を形成する 程と、前記コレステリック液晶層の表面に ログラムを表示するための凹凸を形成する 程と、前記コレステリック液晶層の前記凹 が形成された面上に所定波長の光を反射ま は吸収する所定パターンを有する印刷層を 成する工程とを有することを特徴とする識 媒体の製造方法である。請求項5に記載の発 によれば、印刷層を形成する工程を変更す だけで、識別に利用する表示の内容を変更 ることができる。

 本発明によれば、多くの情報を組み込む とが出来、低コストで少量の生産、デザイ の変更を行うことが可能な識別媒体および の製造方法が提供される。

コレステリック液晶の構造を示す概念 である。 コレステリック液晶の光学的な性質を 明する概念図である。 発明を利用した識別媒体の製造工程の 例を示す製造工程図である。 発明を利用した識別媒体の識別機能の 例を示す概念図である。 発明を利用した識別媒体の識別機能の 例を示す概念図である。 発明を利用した識別媒体の製造工程の の一例を示す製造工程図である。

符号の説明

 301…光透過性の第1の基板、302…コレステ リック液晶層、303…ホログラム表示用の凹凸 加工部分、304…光透過性の第2の基板、305… 刷層、306…粘着層、307…離型紙、308…光透 性の接着層、310…識別媒体、31…第1の基板 部材、32…第2の基板側部材。

(1)第1の実施形態
(コレステリック液晶について)
 まず、コレステリック液晶について簡単に 明する。図1は、コレステリック液晶層の構 造を概念的に示す概念図であり、図2は、コ ステリック液晶層が有する光学的な性質を 明する概念図である。図2には、自然光を入 させると、特定波長の右回り円偏光が反射 れ、左回り円偏光および直線偏光、さらに の他の波長の右回り円偏光がコレステリッ 液晶層201を透過する様子が示されている。

 コレステリック液晶層は、層状構造を有 ている。そして、一つの層に着目した場合 層中において液晶分子の分子長軸はその向 が揃っており、かつ層の面に平行に配向し いる。そして配向の方向は、隣接する層に いて少しずつずれており、全体としては立 的なスパイラル状に配向が回転しつつ各層 積み重なった構造を有している。

 この構造において、層に垂直な方向で考 て、分子長軸が360°回転して元に戻るまで 距離をピッチP、各層内の平均屈折率をnとす る。この場合、コレステリック液晶層は、λs =n×Pを満たす、中心波長λsの円偏光を選択的 反射する性質を示す。すなわち、白色光を レステリック液晶層に入射させると、特定 波長を中心波長とする右回りまたは左回り 偏光を選択的に反射する。この場合、反射 た円偏光と同じ旋回方向を有するが波長が sでない円偏光、反射した円偏光と逆旋回方 の円偏光、さらに直線偏光の成分は、コレ テリック液晶層を透過する。

 反射する円偏光の旋回方向(回転方向)は コレステリック液晶層のスパイラル方向を 択することで決めることができる。つまり 光の入射方向から見て、右ネジの向きに螺 を描いて各層における分子長軸が配向して るか、左ネジの向きに螺旋を描いて各層に ける分子長軸が配向しているか、を選択す ことで、反射する円偏光の旋回方向(回転方 )を決めることができる。

 またコレステリック液晶層は、カラーシ トと呼ばれる現象を示す。以下、カラーシ トの原理を説明する。隣接する層で屈折率 異なる光透過性の多層薄膜に斜めから光が 射すると、その光は、多層構造の各界面に いて反射される。この反射は、上下に隣接 る光透過性の層の屈折率が異なることに起 する。また、1層の界面を見た場合、反射さ れるのは、入射光の一部であり、入射光の大 部分は透過する。つまり、多層に積層された 界面に入射した入射光は、各界面において少 しずつ反射されてゆく。この各界面で発生し た反射光は、基本的に同じ方向に反射するの で、それらは光路差に起因する干渉を起こす 。

 入射光がより面に平行に近い方向から入 する程、光路差は小さくなるので、より短 長の光が干渉し、強め合うことになる。こ 原理から、視野角を大きくしていった場合 、より短波長の反射光同士が干渉し、強め うことになる。この結果、白色光下で多層 膜を見た場合に、視野角0°で多層薄膜が所 の色合いに見えたものが、視野角を大きく てゆくに従い、徐々に青みがかった色に見 目の色彩が変化する現象が観察される。こ 現象をカラーシフトという。なお、視野角 、層への垂線と視線とのなす角度として定 される。

(識別媒体の製造方法および構成)
 まず、本発明を利用した識別媒体の製造方 の一例を説明する。図3は、本発明を利用し た識別媒体の製造工程の一例を示す工程断面 図である。まず表面保護層として機能する光 透過性の第1の基板301を用意する(図3(A))。こ では、光透過性の基板として厚さ40μmのTAC( 方性トリアセチルセルロース)をフィルム状 したものを利用する。第1の基板301は、透過 する光の円偏光状態を乱さないようにするた めに、屈折率が等方性のものが利用される。 この条件を満たす光透過性を有する材料とし て、ポリカーボネイトやポリスチレンを用い ることができる。

 第1の基板301を用意したら、その上にコレ ステリック液晶層302を2μmの厚さに形成する こうして図3(A)に示す状態を得る。この層と ては、光学的に選択反射性および円偏光選 性を示すものを用いることが可能であるが 特にコレステリック液晶配向を固定化した 分子フィルムが好適である。またコレステ ック液晶粒子を担体中に分散したフィルム どを用いることもできる。

 コレステリック液晶配向を固定化した高 子フィルムの例としては、低分子液晶をコ ステリック配向させた後、光反応または熱 応などで低分子液晶を架橋して配向を固定 した高分子フィルムを挙げることができる また、他の例としては、側鎖型または主鎖 のサーモトロピック高分子液晶を液晶状態 コレステリック配向させた後、液晶転移点 下の温度に冷却して、配向状態を固定化し 作製した高分子フィルムを挙げることがで る。さらに側鎖型または主鎖型のリオトロ ック高分子液晶を溶液中でコレステリック 向させた後、溶媒を徐々に除去することに って配向状態を固定化した高分子フィルム 用いることもできる。

 これら高分子フィルムの作製に用いるこ ができる高分子液晶の例としては、側鎖に 晶形成基を有するポリアクリレート、ポリ タクリレート、ポリシロキサン、ポリマロ ートなどの側鎖型ポリマー、主鎖に液晶形 基をもつポリエステル、ポリエステルアミ 、ポリカーボネイト、ポリアミド、ポリイ ドなどの主鎖型ポリマーを挙げることがで る。

 図3(A)に示す状態を得たら、コレステリッ ク液晶層302にホログラムを形成するための版 (型)を押し付け、ホログラム像を構成する凹 (エンボス)303を形成する(図3(B))。こうして 第1の基板側部材31を得る。図示するように 1の基板側部材31は、第1の基板301を基材とし その表面にホログラム像を構成する凹凸が 成されたコレステリック液晶層302が設けら た積層構造を備えている。

 上述した第1の基板側部材31とは別に、図3 (C)に示す部材を作製する。この部材は、光透 過性の第2の基板304とその表面に印刷された 定の図柄を構成するパターンを有する印刷 305、印刷層305を覆った粘着層306を有する第2 基板側部材32である。第2の基板304は、光透 性のプラスチック基板であり、例えば厚さ1 5μmのPET基板が用いられる。印刷層305は、黒 インクを第2の基板304の表面に印刷すること 設けられる。粘着層306は、識別対象となる 象物に識別媒体を貼り付ける機能を有する ので、粘着性が安定して得られる樹脂系の 着剤を利用して構成される。また粘着層306 、光透過性であっても光吸収性であっても また光反射性であってもよい。なお、粘着 306が光反射性もしくは光吸収性である場合 印刷層305と異なる色や見え方になるように る必要がある。また、図示する例では、粘 層306の露出した表面に離型紙307が貼り付け れている。

 以上のようにして図3(B)に示す第1の基板 部材31と図3(C)に示す第2の基板側部材32を得 。次ぎに、第2の基板側部材32の表裏を変え 、第2の基板側部材32’とする(図3(D))。そし 、第2の基板302側の表面に透明な接着剤もし は粘着剤を塗布し、光透過性の接着層308を 成する。接着層308を構成する接着剤もしく 粘着剤としては、市販の樹脂系の透明の接 剤や粘着剤を用いることができる。なお、 着剤というのは、硬化して接着力を発揮す ものをいい、粘着剤は、粘着力が失われず 維持されるものをいう。

 他方で、第1の基板側部材31の表裏を変え 、第1の基板側部材31’とし、コレステリッ 液晶層302のホログラム表示用の凹凸303の面 第2の基板部材32’の接着層308に対向させる こうして図3(D)に示す状態を得る。次ぎに接 着層308とコレステリック液晶層302とを接触さ せ、第1の基板301と第2の基板304とを接着する こうして図3(E)に示す識別媒体310が得られる 。

 図3(E)に示す識別媒体310は、識別時に視認 する側から見て、保護層としても機能する光 透過性の第1の基板301、ホログラムが形成さ たコレステリック液晶層302、光透過性の接 層308、光透過性の第2の304基板、所定のパタ ンを有する黒色の印刷層305、粘着層306と積 された構造を有する。識別媒体310を対象物 固定するには、離型紙307を剥がし、粘着層3 06を対象物の表面に接触させ、その粘着力に って、識別媒体310を対象物に貼り付ける。 お、図3(E)では、視認する側から見て、基板 304、印刷層305の順になっているが、印刷層305 、基板304の順であってもよい。

(実施形態の識別機能の例1)
 図4は、図3に示す識別媒体310の識別機能の 要を示す概念図である。この例では、図3の レステリック液晶層302が、緑の右回り円偏 を選択的に反射するように設定され、図3の ホログラム表示用の凹凸303によって、「ABCDEF G・・・」の文字列がホログラム表示され、 色の印刷層305の印刷パターンによって▲と の模様が表示されている。また図4に示す例 は、図3の粘着層306は透明で、貼り付けた対 象物の表面は白っぽい色であるとする。

 図4(A)には、直接目視で識別媒体310を第1 基板301側から観察した状態が示されている この場合、図3のコレステリック液晶層302か の反射光とコレステリック液晶層302より下 層からの反射光とが視認される。すなわち コレステリック液晶層302からの反射光が見 るため、コレステリック液晶層302に形成さ たホログラムの表示(「ABCDEFG・・・」の文 列)が見える。また、コレステリック液晶層3 02を透過した光の成分の内、一部は黒色の印 層305によって吸収され、その他は、透明な 着層306を透過し、白っぽい対象物の表面で 射され、逆の経路を辿って識別媒体310から る。このため、「ABCDEFG・・・」の文字列に 加えて、黒っぽい▲と●の表示も視認できる 。なお、印刷層305の上にあるコレステリック 液晶層302からの反射も存在するので、▲と● の黒い表示の中に「ABCDEFG・・・」の文字列 一部が見える。

 図4(A)の状態で視野角を変化させると、カ ラーシフトが発生し、より短波長側の色に変 色する。この際、▲と●の部分は、可視光を 吸収する黒い印刷層で構成されているので、 その部分では、コレステリック液晶層302から の反射光が相対的に目立ち、カラーシフトを より鮮明に認識することができる。

 図4(A)の状態で、識別媒体310の上(第1の基 301の上)に右回り円偏光を選択的に透過し、 左回り円偏光および直線偏光を遮断する光学 フィルタを配置すると、図4(B)に示す状態が 察される。この場合、この光学フィルタの 用により、識別媒体310には、右回り円偏光 みが入射し、その入射光の内、緑の成分が レステリック液晶層302において反射され、 の波長の右回り円偏光は、コレステリック 晶層302を透過する。この場合、コレステリ ク液晶層302からの反射光を主に視認するこ になるので、全体が緑色の背景の中に「ABCDE FG・・・」の文字列のホログラム表示が浮か 上がって見える。なお、この見え方は、光 フィルタを識別媒体310から離した位置に配 した場合でも同じである。

 次ぎに図4(A)の状態で、識別媒体310の上( 1の基板301の上)に左回り円偏光を選択的に透 過し、右回り円偏光および直線偏光を遮断す る光学フィルタを配置すると、図4(C)に示す 態が観察される。この場合、この光学フィ タの作用により、識別媒体310には、左回り 偏光のみが入射し、その入射光は、全てコ ステリック液晶層302を透過し、そこで反射 れない。したがって、コレステリック液晶 302からの反射光はない(あるいは非常に弱い) 。そして入射光は、印刷層305に到達し、印刷 層305のパターンを優先的に認識することがで きる。このため図3(C)に示すように黒い▲と の表示を白っぽい背景(この白っぽい背景は 識別媒体310を貼り付けた対象物の表面の色 起因する)の中で認識することができる。こ の場合、コレステリック液晶層302からの反射 光はない(あるいは非常に弱い)ので、▲と● 表示は、より黒く鮮明に見える。なお、こ 見え方は、光学フィルタを識別媒体310から した位置に配置した場合でも同じである。 4(A)~(C)の見え方の違いにより、識別媒体310 真贋判定を行うことができる。

(実施形態の識別機能の例2)
 図5は、図3に示す識別媒体310の識別機能の 要を示す概念図である。ここでは、図4の場 と同様な識別媒体310を、識別用ビューアー 用いて観察した場合の例を説明する。図5(A) には、直接目視で識別媒体310を第1の基板301 から観察した状態が示されている。この場 、図4(A)と同じ状態が観察される。

 図5(B)には、識別用ビューアー321が示され ている。識別用ビューアー321は、可視光を遮 蔽するプラスチック板に四角形状の2箇所の 口322と323が設けられた構造を有している。 別用ビューアー321の開口322の部分には、右 り円偏光を選択的に透過し、左回り円偏光 直線偏光を遮断する光学フィルタが嵌め込 れている。また、識別用ビューアー321の開 323の部分には、左回り円偏光を選択的に透 し、右回り円偏光と直線偏光を遮断する光 フィルタが嵌め込まれている。

 図5(C)には、識別用ビューアー321を識別媒 体310の第1の基板301(図3参照)上に置き、識別 ビューアー321を介して識別媒体310を観察し 状態が示されている。この場合、開口322の 分では、右回り円偏光の反射光のみが透過 るので、コレステリック液晶層302に形成さ たホログラム表示(「ABCDEFG・・・」の文字列 の表示)がより鮮明に見える。一方、開口323 部分では、右回り円偏光の反射光は遮断さ 、左回り円偏光のみが透過するので、コレ テリック液晶層302に形成されたホログラム 示(「ABCDEFG・・・」の文字列の表示)は見え 、印刷層305の●と▲のパターンがより鮮明 黒く見える。この開口322と323の部分での見 方の違いを利用して識別媒体310の真贋判定 行うことができる。

(実施形態の優位性)
 印刷層305のパターンがコレステリック液晶 のホログラム表示に付加されることで、よ 複雑な見え方を実現できるので、より偽造 困難な識別媒体を提供することができる。 た、コレステリック液晶層302に形成された ログラム表示と、印刷層305により構成され 図柄の組み合わせで、識別のための表示が 成されるので、識別媒体に複数の情報を入 ることが可能となる。

 図3~5に示す識別媒体310の表示において、 レステリック液晶層302に形成されたホログ ム表示(図4よび5の例では、「ABCDEFG・・・」 の文字列の表示)は、高価なホログラムの版 用いなければならないので、表示内容の変 には、相対的にコストが掛かる。一方、印 層305は、通常の印刷により形成されるので 変更に要するコストは相対的に非常に低い つまり本実施形態によれば、第2の基板側部 32における印刷層305のパターンの変更は、 コストで行うことができる。したがって、 4や図5における▲や●の表示を変更すること は低コストで行える。このため、識別媒体の デザインの変更を低コストで行うことができ る。これは、少量多品種の生産にも有利とな る。

 識別媒体310を直視した状態で、識別媒体3 10を傾けた場合、カラーシフトを示すので、 れを利用した真贋判定機能も得ることがで る。

(2)第2の実施形態
 第1の実施形態において、コレステリック液 晶層302に直接印刷層305を形成し、光透過性の 第2の基板304を省くこともできる。以下、こ 例を説明する。図6は、本発明を利用した識 媒体の製造工程の他の一例を示す工程断面 である。図6において、図3と同じ符号が付 てある部分は、図3に関して説明した内容と じである。

 まず第1の光透過性の基板301上にコレステ リック液晶層302を形成する(図6(A)。次いでホ グラム版を用いて、コレステリック液晶層3 02にホログラム表示を行うための凹凸加工303 施す(図6(B))。次ぎに、ホログラム加工を施 たコレステリック液晶層302の表面に黒色イ クによる印刷を行い、所定パターンの印刷 305を形成する(図6(C))。次ぎに印刷層305を覆 て、透明な粘着層306を形成し、その露出面 離型紙307を貼り付ける。こうして、図6(D)に 示す状態の識別媒体330を得る。

 この識別媒体330を対象物に貼り付ける際 は、図6(E)に示すように、離型紙307を剥がし 、粘着層306を対象物331に接触させ、粘着層306 の機能により、識別媒体330を対象物331に固定 する。

 この例によれば、識別媒体をより薄くす ことができる。また、印刷条件の設定等が 妙になるので、細かい製造条件を知らない 三者による再現が困難であり、偽造がより 難となる。また、図3に示す場合に比較して 製造工程がより単純化されるので、製造コス トをより低くすることができる。

(3)第3の実施形態
 第1または第2の実施形態において、印刷層30 5を、可視光を吸収する黒色ではなく、特定 波長を選択的に反射する赤や青等の他の色 にすることもできる。この場合、コレステ ック液晶層302のホログラム表示との組み合 せをより、識別に利用される表示の内容を 彩に展開することができる。

(4)他の実施形態
 識別媒体330に切れ込みを入れ、対象物から がそうとした場合に、その切れ込みから識 媒体330が破れ、再利用ができなくなるよう してもよい。こうすることで、識別媒体の 正な再利用を防ぐことができる。この原理 利用することで、パッケージの開封の有無 識別する開封識別シールを得ることができ 。

 また、識別媒体330を構成する一部の層に 別媒体330を対象物から剥がそうとした際に 層間破壊が生じる構成を付与することもで る。この構成の具体例としては、粘着層306 接着層308が剥離を起こす前に、コレステリ ク液晶層302の層構造が物理的に破壊され、 方向で分離するように調整する例を挙げる とができる。この調整は、コレステリック 晶層302の製造時における温度条件を調整す ことで実現することができる。

 本発明は、真贋判定に利用される識別媒体 利用することができる。