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Title:
ILLUMINATING OPTICAL APPARATUS, AND EXPOSURE METHOD AND APPARATUS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/048051
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an illuminating optical apparatus which constantly controls a plurality of polarization statuses at high accuracy. An illuminating optical apparatus (ILS) illuminates a pattern surface of a mask (M) with illuminating light. The illuminating optical apparatus is provided with a polarization optical system, which is arranged in the optical path of the illuminating light, and includes a 1/2 wavelength plate (5), which varies the polarization status of the illuminating light to a linear polarization status having the polarization direction in a prescribed direction and a PBS (4); and a depolarizer (6) which is arranged on a side closer to the mask (M) than the polarization optical system, and varies the polarization state of the illuminating light outputted from the polarization optical system.

Inventors:
TANAKA HIROHISA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068206
Publication Date:
April 16, 2009
Filing Date:
October 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIKON CORP (JP)
TANAKA HIROHISA (JP)
International Classes:
H01L21/027; G03F7/20
Domestic Patent References:
WO2004051717A12004-06-17
WO2005076045A12005-08-18
Foreign References:
JPS6063751A1985-04-12
JP2007263897A2007-10-11
Other References:
See also references of EP 2200070A4
Attorney, Agent or Firm:
OMORI, Satoshi (2075-2-501 Noborito, Tama-k, Kawasaki-shi Kanagawa 14, JP)
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Claims:
 照明光で被照射面を照明する照明光学装置において、
 前記照明光の光路中に配置されて、前記照明光の偏光状態を所定方向の偏光方向を有する直線偏光状態に可変する直線偏光可変機構と、
 前記直線偏光可変機構より下流に配置され、前記直線偏光可変機構から射出された前記照明光の偏光状態を可変する偏光状態可変機構と、
 を備えることを特徴とする照明光学装置。
 前記直線偏光可変機構は、前記照明光の偏光状態をほぼ第1偏光状態又は第2偏光状態に可変する直線偏光可変素子と、前記第1偏光状態を有する直線偏光又は前記第2偏光状態を有する直線偏光を選択的に透過させる直線偏光抽出素子と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の照明光学装置。
 前記偏光状態可変機構は、前記第1偏光状態を第3偏光状態に可変し、前記第2偏光状態を第4偏光状態に可変することを特徴とする請求項2に記載の照明光学装置。
 前記直線偏光抽出素子は、前記直線偏光可変素子と前記被照射面との間に配置され、
 前記偏光状態可変機構は、前記直線偏光抽出素子と前記被照射面との間に配置されることを特徴とする請求項2又は3に記載の照明光学装置。
 前記直線偏光可変素子は、第1回転軸を中心として回転可能であることを特徴とする請求項2から4いずれか一項に記載の照明光学装置。
 前記直線偏光可変素子は、前記被照射面を照明する照明条件に応じて、前記第1回転軸を中心として回転されることを特徴とする請求項5に記載の照明光学装置。
 前記直線偏光抽出素子は、第2回転軸を中心として回転可能に構成され、前記直線偏光可変素子と連動して回転されることを特徴とする請求項5又は6に記載の照明光学装置。
 前記直線偏光抽出素子は、前記直線偏光可変素子の回転角をθとすると、前記直線偏光可変素子と連動して角度2θだけ回転されることを特徴とする請求項7に記載の照明光学装置。
 前記直線偏光可変素子と前記直線偏光抽出素子とを回転させる回転軸は1つであることを特徴とする請求項7又は8に記載の照明光学装置。
 前記回転軸は、前記第1回転軸又は前記第2回転軸であることを特徴とする請求項9に記載の照明光学装置。
 前記偏光状態可変機構は、複屈折性の光学部材を含むとともに、
 前記光学部材は、第3回転軸を中心として回転可能であることを特徴とする請求項2から10のいずれか一項に記載の照明光学装置。
 前記直線偏光可変素子は、1/2波長板であることを特徴とする請求項2から11のいずれか一項に記載の照明光学装置。
 前記直線偏光可変素子は、旋光素子であることを特徴とする請求項2から4、請求項7、請求項11のいずれか一項に記載の照明光学装置。
 前記直線偏光可変素子は、少なくとも2つの旋光素子を含むとともに、
 前記少なくとも2つの旋光素子は、前記照明光の光路に対して切り換え自在に構成されることを特徴とする請求項2から7、請求項11のいずれか一項に記載の照明光学装置。
 前記直線偏光抽出素子は、偏光ビームスプリッタであることを特徴とする請求項2から14のいずれか一項に記載の照明光学装置。
 前記直線偏光抽出素子は、重ね配列された複数の平板ガラスであることを特徴とする請求項2から14のいずれか一項に記載の照明光学装置。
 前記偏光状態可変機構と前記被照射面との間の光路中に配置されて、前記照明光で前記被照射面を均一に照明するためのオプティカルインテグレータを備えることを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の照明光学装置。
 前記オプティカルインテグレータと前記被照射面との間の光路中に配置されて、前記オプティカルインテグレータからの光束を前記被照射面へ導くための導光光学系をさらに備えることを特徴とする請求項17に記載の照明光学装置。
 前記偏光状態可変機構と前記被照射面との間の光路中に挿脱可能に配置されて、所定形状の光強度分布を有する前記照明光を形成する光強度分布形成手段を備えることを特徴とする請求項1から18のいずれか一項に記載の照明光学装置。
 前記照明光を供給する光源部をさらに備えることを特徴とする請求項1から19のいずれか一項に記載の照明光学装置。
 投影光学系を用いて感光性基板にパターンを露光する露光方法において、
 請求項1から20のいずれか一項に記載の照明光学装置を用いて被照射面を照明する工程と、
 前記被照射面に配置されるマスクのパターンを前記感光性基板に露光する露光工程と、
 を有することを特徴とする露光方法。
 請求項1から19のいずれか一項に記載の照明光学装置を備えるとともに、
 被照射面に配置されるマスクを照明する照明光を供給する光源部と、
 前記マスクのパターンを感光性基板に露光する投影光学系と、
 を備えることを特徴とする露光装置。
 リソグラフィ工程を含む電子デバイスの製造方法であって、
 前記リソグラフィ工程において、請求項22に記載の露光装置を用いることを特徴とする電子デバイスの製造方法。
Description:
照明光学装置、並びに露光方法 び装置

 本発明は、複数の偏光状態の照明光で被 射面を照明する照明光学装置、この照明光 装置を用いる露光技術、及びこの露光技術 用いる電子デバイスの製造技術に関する。

 例えば半導体素子又は液晶表示素子等の 子デバイス(マイクロデバイスを含む)を製 するためのリソグラフィ工程中で、マスク( チクル又はフォトマスク等)のパターンを投 影光学系を介してウエハ(又はガラスプレー 等)の各ショット領域に転写するために、ス ッパ等の一括露光型の投影露光装置、又は キャニング・ステッパ等の走査露光型の投 露光装置等の露光装置が使用されている。 れらの露光装置においては、解像度を高め ために、露光波長が短波長化されており、 近では露光光源として、KrFエキシマレーザ( 波長248nm)又はArFエキシマレーザ(波長193nm)な のエキシマレーザ光源が使用されている。 た、より高い解像度を得るために、転写対 のパターンに応じて照明光の偏光状態を所 の直線偏光に設定する偏光照明も使用され いる。エキシマレーザ光源からはほぼ直線 光のレーザ光が射出されるため、偏光照明 は好適である。

 実際には、転写対象のパターンによっては 照明光を偏光方向がランダムな非偏光状態 設定することもある。そこで、エキシマレ ザ光源を露光光源として、照明光学系中に 回転可能な1/2波長板及び1/4波長板と、光路 挿脱自在な非偏光状態設定用の光学部材と 含む偏光制御部を備え、この偏光制御部中 波長板の回転及び光学部材の挿脱を組み合 せることによって、マスクに照明される照 光の偏光状態を種々の状態に制御するよう した露光装置が提案されている(例えば、特 許文献1参照)。

国際公開2004/051717号パンフレット

 従来の偏光制御部は、エキシマレーザ光 から供給されるレーザ光の偏光状態が所定 状態、例えば予め定められた方向の直線偏 であることを前提としていた。しかしなが 、実際には、エキシマレーザ光源のような ーザ光源から射出されるレーザ光の偏光方 は経時変化等によって変動することがある また、エキシマレーザ光源から偏光制御部 での間に送光光学系等が設置され、かつ偏 制御部までの光路が長いような場合には、 キシマレーザ光源から偏光制御部までの間 レーザ光の偏光状態が僅かに変化する恐れ ある。

 このように偏光制御部に入射するレーザ光 偏光状態が、設計上で定められている状態 ら変化すると、偏光制御部から射出される ーザ光(照明光)の偏光状態が目標とする状 からずれて、解像度が低下する恐れがある
 本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも であり、照明光の偏光状態の制御を常に高 度に行うことができる照明光学技術、並び その照明光学技術を用いる露光技術及びデ イス製造技術を提供することを目的とする

 本発明による照明光学装置は、照明光で 照射面を照明する照明光学装置において、 の照明光の光路中に配置されて、その照明 の偏光状態を所定方向の偏光方向を有する 線偏光状態に可変(制御)する直線偏光可変 構と、その直線偏光可変機構より下流(被照 面側)に配置され、その直線偏光可変機構か ら射出されたその照明光の偏光状態を可変す る偏光状態可変機構と、を備えるものである 。

 また、本発明による露光方法は、投影光学 を用いて感光性基板にパターンを露光する 光方法において、本発明の照明光学装置を いて被照射面を照明する工程と、その被照 面に配置されるマスクのパターンをその感 性基板に露光する露光工程と、を有するも である。
 また、本発明による露光装置は、本発明の 明光学装置を備えるとともに、被照射面に 置されるマスクを照明する照明光を供給す 光源部と、そのマスクのパターンを感光性 板に露光する投影光学系と、を備えるもの ある。
 また、本発明によるデバイス製造方法は、 ソグラフィ工程を含む電子デバイスの製造 法であって、そのリソグラフィ工程におい 、本発明の露光装置を用いるものである。

 本発明によれば、例えば外部の光源等か 供給される照明光の偏光状態が経時変化等 よって僅かに変動しても、直線偏光可変機 によって設定された所定方向に偏光する直 偏光が偏光状態可変機構に供給される。ま 、偏光方向が異なる直線偏光の光を偏光状 可変機構に供給することで、複数の偏光状 の光を生成できる。従って、偏光状態の制 を常に高精度に行うことができる。

図1は、本発明の実施形態の一例の照明 光学系を備えた露光装置の構成を概略的に示 す図である。 図2(A)、図2(B)、図2(C)はそれぞれ図1中の 偏光制御部の構成を示す斜視図である。 図3(A)は転写対象のパターンの一例を示 す図、図3(B)は2極照明の一例を示す図、図3(C) は転写対象のパターンの他の例を示す図、図 3(D)は2極照明の他の例を示す図である。 図1の偏光制御部の変形例を示す斜視図 である。 図5(A)は偏光ビームスプリッタの代わり に使用できる光学部材を示す図、図5(B)は図5( A)の光学部材の使用方法の他の例を示す図で る。 図6(A)、図6(B)はそれぞれ1/2波長板5の代 りに使用できる旋光素子を示す図である。 半導体デバイスの製造工程の一例を示 フローチャートである。

符号の説明

 ILS…照明光学系、PL…投影光学系、1…光 、4…偏光ビームスプリッタ(PBS)、5…1/2波長 板、6…デポラライザ、6a…水晶プリズム、7A~ 7C…回折光学素子、9…ズームレンズ、10…ア シコン系、11…マイクロレンズアレイ、21… 照明制御系

 以下、本発明の実施形態の一例につき図面 参照して説明する。
 図1は、本実施形態の露光装置の概略構成を 示す図である。図1において、その露光装置 、露光用の光源1と、光源1からの露光用の照 明光(露光光)ILでマスクMのパターン面(マスク 面)を照明する照明光学系ILSと、マスクMの位 決めを行うマスクステージ(不図示)と、マ クMのパターンの像をウエハW(感光性基板)上 投影する投影光学系PLと、ウエハWの位置決 を行うウエハステージ(不図示)と、装置全 の動作を統括制御するコンピュータよりな 主制御系20と、各種駆動系等とを備えている 。図1において、ウエハWの載置面の法線方向 沿ってZ軸を設定し、Z軸に垂直な平面内に いて図1の紙面に平行な方向にY軸を、図1の 面に垂直な方向にX軸をそれぞれ設定してい 。

 図1の露光装置は、光源1として、波長193nmの ほぼ直線偏光のレーザ光を供給するArFエキシ マレーザ光源を備えている。なお、光源1と て、波長248nmのレーザ光を供給するKrFエキシ マレーザ光源、波長157nmのレーザ光を供給す F 2  レーザ光源、固体レーザ光源の高調波発生 置、又はi線(365nm)等の輝線を供給する水銀 ンプなどを用いることができる。

 光源1からZ方向に射出されたほぼ平行光 で、かつほぼ直線偏光のレーザ光よりなる 明光ILは、X方向に沿って細長い矩形状の断 を有し、不図示のビームマッチングユニッ (送光光学系)を介して、一対のZY面内で屈折 を持つレンズ2a及び2bからなるビームエキス パンダ2(整形光学系)に入射する。照明光ILは ビームエキスパンダ2によってその断面形状 がY方向に拡大されて、所定の矩形状断面を する光束に整形される。

 ビームエキスパンダ2から射出された照明 光ILは、光路折り曲げ用のミラー3でY方向に 射された後、照明光学系ILSの光軸AXIに沿っ 順次、1/2波長板5、プリズム型の偏光ビーム プリッタ(以下、PBSと言う。)4、及びデポラ イザ6を通過して回折光学素子(Diffractive Opti cal Element:DOE)7A,7B,7C等のいずれかに入射する 1/2波長板5、PBS4、及びデポラライザ6を含ん 偏光制御部が構成されている。

 図2(A)、(B)、(C)は、それぞれ図1の偏光制 部を示す斜視図である。図2(A)において、1/2 長板5及びPBS4は、それぞれ光軸AXIに平行な 5Y及び4Yを中心として、時計周り及び反時計 りに回転可能に支持されている。さらに、1 /2波長板5が軸5Yの周りに角度θだけ回転され ときに、PBS4は軸4Yの周りに2倍の角度(2θ)だ 回転されるように構成されている。また、1/ 2波長板5の第1結晶軸5A(後述)が、光軸AXIを通 Z軸に平行な軸A1に平行である状態を、1/2波 板5の回転角θが0である初期状態とする。さ に、光軸AXIに平行にPBS4に入射する光束のう ちで、PBS4の偏光ビームスプリッタ面で反射 れる光束がZ軸に平行な軸A3に沿って射出さ る状態を、PBS4の回転角(2θ)が0である初期状 とする。なお、本実施形態では、軸5Y及び 4Yは共通の回転軸である光軸AXIに合致してい る。

 図1に戻り、一例として、1/2波長板5及びPB S4はそれぞれ円筒状の保持部材27A及び27Bを介 て不図示の鏡筒内に収納され、その鏡筒は 明光学系ILS用の支持フレーム(不図示)に支 されている。保持部材27A及び27Bの外面の一 に歯車が形成されている。また、光軸AXIに 行で歯車22a及び22bが固定された駆動軸と、 の駆動軸を回転する駆動部22とが、上記の支 持フレームに支持されている。その駆動軸に は回転角をモニタするためのロータリエンコ ーダ(不図示)が組み込まれている。歯車22a及 22bはそれぞれ不図示の鏡筒の開口を通して 持部材27A及び27Bに設けられた歯車に噛合し いる。この場合、歯車22aと保持部材27Aの歯 との歯数の比の値に対して、歯車22bと保持 材27Bの歯車との歯数の比の値は2倍に設定さ れている。この結果、駆動部22によって歯車2 2a,22bを一体的に回転して1/2波長板5の回転角 θになると、PBS4の回転角は2θとなる。主制 系20からの偏光照明を設定するコマンドに応 じて、照明制御系21が駆動部22を介してその 転角θを制御する。なお、偏光制御部の詳細 については後述する。

 図1において、回折光学素子7A等は、ガラ 基板に露光波長程度のピッチを有する微小 段差を二次元的に形成することによって構 され、入射ビームを種々の所望の角度に回 する作用を有する。回折光学素子7Aは、入 した矩形状の平行光束を回折してファーフ ールドに円形状の光束を形成する機能を有 る発散光束形成素子である。さらに、入射 た照明光ILを回折して、ファーフィールドに 光軸AXIに対してほぼ対称にそれぞれX方向及 Z方向(マスク面でのY方向に対応する)に偏心 た2箇所の照明領域(照野)を形成する機能を する2極照明用の回折光学素子7B,7C、偏心し 4箇所の照明領域を形成する4極照明用の回 光学素子(不図示)、及び輪帯状の照明領域を 形成する輪帯照明用の回折光学素子(不図示) が備えられている。これらの回折光学素子7 A~7C等は、一例として円板8の周囲に保持され いる。主制御系20からの照明条件を設定す 指令に応じて、照明制御系21が回転モータ等 の駆動部23によって円板8を回転することによ って、その照明条件に応じた回折光学素子を 照明光ILの光路上に配置できるように構成さ ている。図1では、照明光ILの光路上に通常 明用の回折光学素子7Aが設定されている。

 図1において、回折光学素子7A(又は7B,7C等) を介して回折された光束は、前群レンズ系9a 凹の円錐面を持つ第1プリズム10aと凸の円錐 面を持つ第2プリズム10bとからなるアキシコ 系10、及び後群レンズ系9bを介して、オプテ カルインテグレータとしてのマイクロレン アレイ11を照明する。前群レンズ系9a及び後 群レンズ系9bから、所定範囲で焦点距離を連 的に変化させるズームレンズ(変倍光学系)9 構成されている。ズームレンズ9は、回折光 学素子7Aの射出面とマイクロレンズアレイ11 後側焦点面とを光学的にほぼ共役に結んで る。換言すると、ズームレンズ9は、回折光 素子7Aの射出面とマイクロレンズアレイ11の 入射面とを実質的にフーリエ変換の関係に結 んでいる。

 回折光学素子7A等から射出される照明光IL は、ズームレンズ9の後側焦点面(ひいてはマ クロレンズアレイ11の入射面)に、円形、2極 状等の所定形状の照明領域(照野)を形成する このように回折光学装置7A等とズームレン 9とは、照明領域形成手段を構成している。 の照明領域の全体的な大きさは、ズームレ ズ9の焦点距離に依存して変化する。ズーム レンズ9のレンズ系9a及び9bをそれぞれ照明制 系21の指令に基づいて例えばスライド機構 含む駆動部24及び26によって光軸AXIに沿って 動することで、ズームレンズ9の焦点距離が 所望の値に制御される。

 また、アキシコン系10において、第1プリ ム10aと第2プリズム10bとの円錐面は対向して 配置され、第2プリズム10bは、照明制御系21の 指令に基づいて例えばスライド機構を含む駆 動部25によって光軸AXIに沿って駆動される。 のようにプリズム10a及び10bの光軸AXIに沿っ 間隔を制御することによって、回折光学素 7A等から射出された光束のマイクロレンズ レイ11の入射面における光軸AXIに対して半径 方向の位置を制御できる。従って、例えば後 述の図3(B)の2極状の照明領域32A及び32Bを使用 る場合、図1のアキシコン系10のプリズム10a び10bの間隔を制御することによって、照明 域32A,32Bの中心の光軸AXIからの距離を制御で きる。一方、上記のズームレンズ9の焦点距 を制御することによって、照明領域32A,32Bの 々の大きさを制御できる。

 マイクロレンズアレイ11は、縦横に稠密 配列された多数の正屈折力を有する微小レ ズからなる光学素子である。マイクロレン アレイ11を構成する各微小レンズは、マスク M上において形成すべき照明領域の形状(ひい はウエハW上において形成すべき露光領域の 形状)と相似な矩形状の断面を有する。一般 、マイクロレンズアレイは、たとえば平行 面ガラス板にエッチング処理を施して微小 ンズ群を形成することによって構成される マイクロレンズアレイ11を構成する各微小レ ンズは、通常のフライアイレンズを構成する 各レンズエレメントよりも微小である。なお 、図1では、図面の明瞭化のために、マイク レンズアレイ11を構成する微小レンズの数を 実際よりも非常に少なく表している。

 従って、マイクロレンズアレイ11に入射 た光束は多数の微小レンズにより二次元的 分割され、各微小レンズの後側焦点面には 数の光源がそれぞれ形成される。こうして マイクロレンズアレイ11の後側焦点面である 照明光学系ILSの瞳面(照明瞳面)12には、マイ ロレンズアレイ11への入射光束によって形成 される照明領域(例えば円形領域又は図3(B)の2 極の照明領域32A,32B等)とほぼ同じ光強度分布 有する二次光源、すなわち光軸AXIを中心と た実質的な面光源からなる二次光源が形成 れる。

 図1において、マイクロレンズアレイ11の 側焦点面(照明瞳面12)に形成された二次光源 からの照明光ILは、必要に応じてその照明領 の光強度分布の輪郭を規定する開口絞り(不 図示)を介して制限された後、第1リレーレン 13、マスクブラインド14(視野絞り)、第2リレ ーレンズ15、光路折り曲げ用のミラー16、及 コンデンサ光学系17を介して、転写用のパタ ーンが形成されたマスクMを重畳的に照明す 。ビームエキスパンダ2から偏光制御部まで 光学部材、及び回折光学素子7A等からコン ンサ光学系17までの光学部材を含んで照明光 学系ILSが構成されている。

 マスクMのパターンを経た照明光ILは、投 光学系PLを介して、レジスト(感光材料)が塗 布されたウエハW上にマスクパターンの像を 成する。こうして、投影光学系PLの光軸(Z軸 平行)と直交する平面(XY平面)内においてウ ハWを二次元的に駆動制御しながら一括露光 は走査露光を行うことにより、ウエハWの各 ショット領域にはマスクMのパターンが逐次 光される。

 なお、一括露光では、いわゆるステップ アンド・リピート方式にしたがって、ウエ の各ショット領域に対してマスクパターン 一括的に露光する。この場合、マスクM上で の照明領域の形状は正方形に近い矩形状であ り、マイクロレンズアレイ11の各微小レンズ 断面形状も正方形に近い矩形状となる。一 、走査露光では、いわゆるステップ・アン ・スキャン方式にしたがって、マスクM及び ウエハWを投影光学系PLに対して相対移動させ ながらウエハWの各ショット領域に対してマ クパターンを露光する。この場合、マスクM での照明領域の形状は短辺と長辺との比が えば1:3の長方形状であり、マイクロレンズ レイ11の各微小レンズの断面形状もこれと 似な長方形状となる。

 次に、図1の照明光学系ILS内の1/2波長板5、PB S4、及びデポラライザ6を含む偏光制御部の構 成及び作用につき説明する。なお、図2等に いて、説明の便宜上、偏光制御部内を通過 る照明光ILを照明光IL1A~IL8として表している
 図2(A)において、1/2波長板5は、入射する照 光ILの断面形状を覆うことができる大きさの 光軸AXI(Y軸に平行な軸)に垂直な円板状の基板 より形成されている。1/2波長板5は、ArFエキ マレーザを透過する水晶、フッ化マグネシ ム(MgF 2 )等の複屈折性を持つ材料からなる所定厚さ 材料から形成できる。また、1/2波長板5は、 1結晶軸5Aとこれに直交する第2結晶軸(不図 )とを有し、入射する露光波長λの光束が射 される際に、第1結晶軸5Aの方向の偏光成分 第2結晶軸の方向の偏光成分との間に180°(λ/2 )の位相差が生じる。

 本実施形態では、例えば、図1の駆動部22 よって、図2(B)及び図2(C)に示すように、1/2 長板5を初期状態に対して光軸AXI(軸5Y)を中心 として、時計周り(又は反時計周りでもよい) 45°及び22.5°だけ回転できればよい。従って 、駆動部22には、ロータリエンコーダを設け 代わりに、1/2波長板5が初期状態、及びその 初期状態から45°及び22.5°だけ回転した状態 検出するための3個のリミットスイッチを設 てもよい。

 本実施形態の図1の光源1は、ほぼ直線偏 のレーザ光を射出するArFエキシマレーザ光 であり、1/2波長板5に入射する際の照明光IL 偏光方向は、Z方向になるように設定されて る。しかしながら、実際には、光源1の発光 状態の微妙な変化若しくは経時変化、及びビ ームマッチングユニット(不図示)の振動等に って、図2(A)の1/2波長板5に入射する際の照 光ILの偏光状態は、偏光方向がZ方向から僅 にずれたり、僅かに楕円偏光になったりす 。以下では、説明の便宜上、1/2波長板5に入 する照明光ILの偏光状態(電場ベクトルの状 )は、Z軸にほぼ平行な方向に細長い楕円偏 であるとする。

 また、PBS4は、ArFエキシマレーザ(波長193nm) 透過する石英又は蛍石(CaF 2  )等の光学材料から形成した2つの断面形状 正三角形のプリズムの接合面に、偏光ビー スプリッタ膜を被着した後、その2つのプリ ムを接合することによって製造できる。PBS4 は、1/2波長板5から入射する照明光のうちのP 光成分(入射面に平行に直線偏光した光)よ なる照明光をデポラライザ6側に透過させて S偏光成分(入射面に垂直に直線偏光した光) りなる照明光IL2を反射する。例えば、本実 形態では、1/2波長板5の回転角θに対して、P BS4の回転角は2θであるため、1/2波長板5の回 角が45°及び22.5°であるときに、PBS4の回転角 はそれぞれ90°及び45°となる。1/2波長板5に入 射する照明光ILの偏光状態が変動しても、PBS4 を設けることによって、後段のデポラライザ 6に対して常に所望の方向に直線偏光した照 光を供給することができ、偏光制御を高精 に行うことができる。

 図1において、デポラライザ6は、照明光IL の断面形状を覆う大きさで中心軸が光軸AXIに 平行な円板状で、厚さ方向に楔型の水晶プリ ズム6aと、この水晶プリズム6aと相補的な形 を有する楔型の石英ガラスプリズム6b(例え 、水晶プリズム6aとほぼ同じ形状で、かつ回 転角が180°異なる状態で対向するように近接 て配置された石英ガラスプリズム6b)とを、 図示の支持フレームで支持することによっ 構成されている。水晶プリズム6aの代わり 、ArFエキシマレーザを透過するフッ化マグ シウム等の複屈折性を持つ材料からなるプ ズムも使用できる。また、水晶プリズム6aだ けでは照明光ILの光路が曲がるため、照明光I Lの光路が曲がらないように、デポラライザ6 全体として平板状になるように、石英ガラ プリズム6bが設けられている。石英ガラス リズム6bの代わりに、ArFエキシマレーザを透 過する蛍石等の複屈折性がないか、又は複屈 折性の小さい光学材料からなるプリズムを使 用してもよい。

 図2(A)に示すように、デポラライザ6の水 プリズム6aは、その方向の屈折率が異なる直 交する第1結晶軸6aA及び第2結晶軸6aBを有して り、水晶プリズム6aの厚さは、一例として 第1結晶軸6aAに平行な方向では一定であり、 2結晶軸6aBに平行な方向でほぼ線形に変化し ている。また、水晶プリズム6aは、水晶プリ ム6aの第1結晶軸6aAがZ軸に平行になるように 、即ち第2結晶軸6aBがX軸に平行になるような 度で安定に支持されている。

 次に、図1のマスクM上の転写対象のパタ ンが、図3(A)に示すように、X方向に微細なピ ッチで形成されたライン・アンド・スペース パターン(以下、L&Sパターンという)31Xであ る場合、その照明光を2極照明として、その 明光の偏光状態を偏光方向B1がY方向の直線 光とするものとする。この場合、図1の主制 系20の指令に基づいて照明制御系21は、駆動 部23を介して照明光の光路上に、照明瞳面12 で図3(B)に示すように、X方向に離れた2箇所 照明領域32A,32Bで光量を大きくするための、2 極照明用の回折光学素子7Bを設置する。さら 、照明制御系21は、1/2波長板5及びPBS4の回転 角は、図2(A)の初期状態のままに設定してお 。

 この結果、図2(A)において、1/2波長板5に 射するほぼZ軸に平行な楕円偏光の照明光IL 、ほぼ同じ楕円偏光(ただし、電場ベクトル 回転方向は逆転している)の照明光IL1Aとし PBS4に入射する。PBS4に入射した照明光IL1Aの ちで、Z方向に直線偏光した光量の大きい照 光IL3(P偏光成分)はPBS4を透過してデポラライ ザ6に入射し、光量の小さいS偏光成分の照明 IL2は反射される。この場合、照明光IL3の偏 方向は水晶プリズム6aの第1結晶軸6aAに平行 あるため、水晶プリズム6a及びデポラライ 6からは偏光方向が入射時と同じZ方向の直線 偏光の照明光IL4が射出される。なお、図1に いて、光路折り曲げ用のミラー16が設けられ ているため、偏光制御部及び照明瞳面12にお るZ方向は、マスクM上のY方向に対応してい 。

 そして、図3(B)の照明瞳面12の2極の照明領域 32A,32Bは偏光方向B2がZ方向である直線偏光の 明光IL4によって照明され、図3(A)のL&Sパタ ーン31XはY方向に直線偏光した2極照明によっ 照明されるため、L&Sパターン31Xを高解像 度でウエハW上に転写することができる。
 一方、図1のマスクM上の転写対象のパター が、図3(C)に示すように、Y方向に微細なピッ チで形成されたL&Sパターン31Yである場合 その照明光をY方向の2極照明として、その偏 光状態を偏光方向B3がX方向の直線偏光とする ものとする。この場合、照明瞳面12上で図3(D) に示すように、Y方向に離れた2箇所の照明領 33A,33Bで光量を大きくするために、図1の照 光の光路上に2極照明用の回折光学素子7Cを 置する。さらに、照明制御系21は、図2(B)に すように、1/2波長板5の回転角θを初期状態 ら45°に設定し、PBS4の回転角(2θ)を初期状態 ら90°に設定する。即ち、1/2波長板5の第1結 軸5Aを初期状態の直線A1に平行な状態から光 軸AXIの周りに45°回転し、X方向に偏光した直 偏光がPBS4を透過するようにPBS4を回転する

 この結果、図2(B)において、楕円偏光の照 明光ILは、1/2波長板5で偏光方向が90°回転し 、X軸にほぼ平行な方向に細長い楕円偏光(た だし、電場ベクトルの回転方向は逆である) 照明光IL1BとしてPBS4に入射する。そして、照 明光IL1Bのうちで、X方向に直線偏光した光量 大きい照明光IL5(P偏光成分)はPBS4を透過して デポラライザ6に入射し、光量の小さいS偏光 分の照明光IL2は反射される。この場合、照 光IL5の偏光方向は水晶プリズム6aの第2結晶 6aBに平行であるため、水晶プリズム6a及び ポラライザ6からは偏光方向が入射時と同じX 方向の直線偏光の照明光IL6が射出される。そ して、図3(D)の照明瞳面12の2極の照明領域33A,3 3Bは偏光方向B4がX方向の直線偏光の照明光IL6 よって照明され、図3(C)のL&Sパターン31Y X方向に直線偏光した2極照明によって照明さ れるため、L&Sパターン31Yを高解像度でウ ハW上に転写することができる。

 次に、図1のマスクM上の転写対象のパタ ンが、例えば密集度の低い粗いパターンで るような場合には、その照明光の偏光状態 ランダム偏光(非偏光)に設定するものとする 。この場合、図1の照明光の光路上には例え 回折光学素子7Aが設置される。さらに、照明 制御系21は、例えば、図2(C)に示すように、1/2 波長板5の回転角θを初期状態から22.5°(=45°/2) に設定し、PBS4の回転角(2θ)を初期状態から45 に設定する。即ち、1/2波長板5の第1結晶軸5A 初期状態の直線A1に平行な状態から光軸AXI 周りに22.5°回転し、Z軸(及びX軸)に対して45° で交差する方向に偏光した直線偏光がPBS4を 過するようにPBS4を回転する。

 この結果、図2(C)において、楕円偏光の照 明光ILは、1/2波長板5で偏光方向が45°回転し 、Z軸(及びX軸)にほぼ45°で交差する方向に細 長い楕円偏光の照明光IL1CとしてPBS4に入射す 。そして、照明光IL1Cのうちで、Z軸(及びX軸 )に対して45°で交差する斜め方向に直線偏光 た光量の大きい照明光IL7(P偏光成分)はPBS4を 透過してデポラライザ6に入射し、光量の小 いS偏光成分の照明光IL2は反射される。この 合、照明光IL7の偏光方向は水晶プリズム6a 2つの結晶軸6aA,6aBに45°で傾斜しており、か その偏光方向に沿って水晶プリズム6aの厚さ は次第に変化している。従って、水晶プリズ ム6a及びデポラライザ6からは偏光方向(又は 円偏光の形状)が位置によってランダムの非 光の照明光IL8が射出される。従って、この 明光IL8を図1のマイクロレンズアレイ11(オプ ティカルインテグレータ)を介して重畳して スクMに照射することによって、マスクMのパ ターンは非偏光の照明光によって照明される 。

 このように本実施形態の露光装置によれ 、照明光学系ILS中の1/2波長板5及びPBS4の回 角を制御することによって、マスクMに照射 れる照明光の偏光状態を、偏光方向がX方向 の直線偏光、偏光方向がY方向の直線偏光、 び偏光状態がランダムの非偏光のいずれか 設定することができる。従って、転写対象 パターンに応じて照明光の偏光状態を容易 最適化できるため、各種パターンをそれぞ 高解像度でウエハW上に露光できる。なお、 わゆるPBS4の消光比は、完全であること又は より高いことが望ましいが、所望の偏光方向 と略直交する方向の偏光方向を有する直線偏 光のPBS4に対する透過率が概ね10%以下であれ 、ウエハ上のパターンのコントラストをそ 程低下させることなく、パターンを露光す ことができる。

 本実施形態の作用効果及び変形例は以下の りである。
 (1)図1の照明光学系ILSは、照明光でマスクM パターン面(マスク面、被照射面)を照明する 照明光学装置において、その照明光の光路中 に配置されて、その照明光の偏光状態を所定 方向(図2(A)のZ方向、X方向、斜め方向のいず か)の偏光方向を有する直線偏光状態に可変( 制御)する1/2波長板5及びPBS4を含む偏光光学系 (5,4)と、その偏光光学系(5,4)より下流(マスク 側)に配置され、その偏光光学系から射出さ れた照明光の偏光状態を可変(制御)するデポ ライザ6とを備えている。

 従って、光源1から偏光光学系(5,4)に供給 れる照明光ILの偏光状態が経時変化等によ て変動しても、偏光光学系(5,4)からデポララ イザ6に対して3つの方向のうちのいずれかの 向に正確に直線偏光した光量の大きい照明 が供給される。そして、デポラライザ6によ って3種類の異なる偏光状態の照明光を生成 きる。従って、複数の偏光状態の制御を常 高精度に行うことができる。

 (2)また、図2(A)~(C)に示すように、入射す 照明光ILがほぼZ方向の楕円偏光(又は直線偏 )の場合、Z方向又はX方向に直線偏光した状 を第1偏光状態、Z軸(又はX軸)に45°で交差す 方向に直線偏光した状態を第2偏光状態とす る。このとき、その偏光光学系(5,4)は、照明 ILをZ軸(若しくはX軸)にほぼ平行な偏光状態( ほぼ第1偏光状態)の照明光IL1A(若しくはIL1B)、 又はZ軸にほぼ45°で交差する方向の偏光状態( ほぼ第2偏光状態)の照明光IL1Cに可変する1/2波 長板5(直線偏光可変素子)と、その第1偏光状 の直線偏光の照明光IL3(若しくはIL5)、又はそ の第2偏光状態の直線偏光の照明光IL7を選択 に透過させるPBS4(直線偏光抽出素子)とを備 ている。

 このように、1/2波長板5とPBS4とを組み合わ ることによって、入射する照明光ILの利用効 率を低下させることなく、PBS4からデポララ ザ6に対して偏光方向の異なる複数の直線偏 を供給することができる。
 (3)また、デポラライザ6は、その第1偏光状 の照明光IL3(又はIL5)を偏光方向が同じ直線偏 光(第3偏光状態)の照明光IL4(又はIL6)に可変し その第2偏光状態の照明光IL7を非偏光(第4偏 状態)の照明光IL8に可変する。これによって 、照明光ILの利用効率を低下させることなく 直交する2方向の直線偏光の照明光又は非偏 光の照明光を生成できる。

 (4)また、図1において、PBS4は、1/2波長板5 マスク面との間に配置され、デポラライザ6 はPBS4とマスク面との間に配置されている。 の配置によって、光源1から供給される照明 ILの偏光状態が僅かに変動しても、常に所 方向に直線偏光した照明光をデポラライザ6 供給できるため、マスク面に照射される照 光の偏光状態を正確に制御できる。

 (5)また、図2(A)において、1/2波長板5は軸5Y( 1回転軸)を中心として回転可能である。軸5Y 照明光学系ILSの光軸AXIと等しいが、光軸AXI 平行でもよい。これによって、マスク面で 要な照明光の偏光状態に応じて1/2波長板5を 回転できる。
 (6)この場合、1/2波長板5は、マスク面の照明 条件に応じて、軸5Yを中心として回転される これによって、照明光の利用効率を高く維 して、偏光制御を行うことができる。

 (7)さらに、PBS4は、軸4Y(第2回転軸)を中心と て回転可能に構成され、1/2波長板5と連動し て回転される。軸4Yは照明光学系ILSの光軸AXI 等しいが、光軸AXIに平行でもよい。
 このように、1/2波長板5と連動してPBS4を回 することで、照明光ILの利用効率を高く維持 して、マスク面上での照明光の偏光状態を直 交する2方向の直線偏光、又は非偏光のいず にも正確に設定できる。

 (8)また、1/2波長板5の回転角をθとすると PBS4は、1/2波長板5と連動して2θだけ回転す 。一般に、1/2波長板5の回転角がθであると 、入射する照明光の偏光方向は2θだけ回転 る。従って、入射する照明光ILが直線偏光で ある場合、PBS4の回転角を1/2波長板5の回転角 2倍にすることによって、極めて少ない光量 損失で、入射する照明光ILに対して偏光方向 2θだけ異なる直線偏光の光を生成できる。

 (9)また、図1において、1/2波長板5とPBS4とを 転させる回転軸は1つ(光軸AXI)である。この 合、共通の駆動部22によって1/2波長板5とPBS4 とを連動して回転できるため、回転機構を簡 素化できる。
 (10)なお、1/2波長板5とPBS4とを回転させる回 軸は、図2(A9の軸5Y又は軸4Yでもよい。

 ただし、1/2波長板5及びPBS4をそれぞれ異な 回転駆動機構によって回転してもよい。
 (11)また、デポラライザ6は、複屈折性の水 プリズム6aを含んでいる。従って、水晶プリ ズム6aを楔形にするだけで容易に非偏光状態 光を生成できる部材を製造できる。

 なお、図4に示すように、デポラライザ6 光軸AXI又は光軸AXIに平行な軸(第3回転軸)を 心として回転可能として、デポラライザ6の 転角を駆動部28によって制御できるように てもよい。図1の照明制御系21によって制御 れる駆動部28は、一例としてデポラライザ6 保持する円筒状部材(不図示)を回転する歯車 機構から構成できる。

 図4の変形例において、マスクMを照明す 照明光の偏光状態を非偏光にする場合には 1/2波長板5及びPBS4の回転角を図2(A)の状態(初 状態)にしておき、駆動部28によってデポラ イザ6を初期状態から時計回り(反時計回り もよい)に45°回転する。このとき、水晶プリ ズム6aの結晶軸6aAは、Z軸に平行な軸A2に対し 45°で傾斜する。この結果、PBS4からデポラ イザ6に向かうZ方向に偏光した照明光IL3の偏 光方向は、水晶プリズム6aの結晶軸6aA,6aBのい ずれにも45°で傾斜しているため、デポララ ザ6からは非偏光の照明光IL8が射出される。 4の変形例においては、デポラライザ6に入 する照明光IL3の偏光状態が正確にZ軸に平行 あるため、非偏光状態を正確に、かつ高い 明効率で設定できる。

 (12)また、図1では、1/2波長板5を用いている め、その回転角を制御するのみで、射出さ る照明光の偏光方向を制御できる。
 (13)なお、1/2波長板5の代わりに、図6(A)、図6 (B)に示すように、入射する照明光ILの偏光方 をそれぞれ90°及び45°回転して照明光IL1B及 IL1Cとして射出する旋光素子36A及び36Bを用い てもよい。旋光素子36A,36Bは水晶等の複屈折 材料の厚さを制御することで製造できる。 の場合には、図1の回転可能な1/2波長板5の代 わりに、旋光素子36A,36Bを照明光ILの光路に対 して挿脱自在に構成すればよい。例えば、タ ーレット等を用いて、旋光素子36A,36Bを照明 ILの光路に対して切り換え自在に構成すれば よい。

 (14)また、図1の照明光学系ILSでは、1/2波長 5からの光から直線偏光の光を抽出するため 、プリズム型のPBS4を用いている。PBS4は入 光と射出光との光路が同一直線上にあるた 、光学系の設計・製造が容易である。
 (15)なお、ArFエキシマレーザ光に対するPBS4 偏光ビームスプリッタ膜の製造が困難で、PB S4の製造コストが高いような場合には、PBS4の 代わりに、図5(A)に示す光学部材35を用いても よい。光学部材35は、厚さ1mm程度の平板状の 英等のガラス板34を斜めに複数枚(例えば10 ~20枚程度)積み重ねたものであり、その製造 極めて容易である。図5(A)のように光学部材 35に対する照明光ILの入射角θiを45°とした場 には、ガラス板34の1面でのP偏光の照明光IL1 の透過率は約99%、S偏光の照明光IL2の透過率 約90%である。従って、例えばガラス板34を15 (30面)重ねた場合には、S偏光の透過率はほ 5%以下に低下する。従って、光学部材35は、 射光からほぼP偏光の照明光IL1のみを高精度 に抽出する安価な光学部材として使用できる 。

 また、図5(B)に示すように、ガラス板34に入 する照明光ILの入射角θiをブリュースタ角θ bにすることによって、ガラス板34におけるS 光の照明光IL2の透過率をさらに低下できる 従って、より少ない枚数のガラス板34を用い て光学部材35を構成できる。
 なお、いわゆる光学部材35(ここでは、ガラ 板34を斜めに複数枚(例えば10枚~20枚程度)積 重ねたもの)の消光比は、完全であること又 はより高いことが望ましいが、所望の偏光方 向と略直交する方向の偏光方向を有する直線 偏光の光学部材35に対する透過率が概ね10%以 であれば、ウエハ上のパターンのコントラ トをそれ程低下させることなく、パターン 露光することができる。
 (16)また、図1の照明光学系ILSは、デポララ ザ6とマスク面との間の光路中に配置されて 照明光でマスク面を均一に照明するための イクロレンズアレイ11(オプティカルインテ レータ)を備えている。これによって、マス ク面の照度分布を均一化できる。マイクロレ ンズアレイ11の代わりに通常のフライアイレ ズも使用できる。

 なお、波面分割型のインテグレータであ マイクロレンズアレイ11に代えて、内面反 型のオプティカルインテグレータとしての ッド型インテグレータを用いることもでき 。この場合、図1において、ズームレンズ9よ りもマスクM側に集光光学系を追加して回折 学素子7A等の共役面を形成し、この共役面近 傍に入射端が位置決めされるようにロッド型 インテグレータを配置する。

 また、このロッド型インテグレータの射 端面又は射出端面近傍に配置される照明視 絞りの像をマスクM上に形成するためのリレ ー光学系を配置する。この構成の場合、二次 光源はリレー光学系の瞳面に形成される(二 光源の虚像はロッド型インテグレータの入 端近傍に形成される)。また、ロッド型イン グレータからの光束をマスクMへ導くための リレー光学系が導光光学系となる。

 (17)また、マイクロレンズアレイ11とマスク との間の光路中に配置されて、マイクロレ ズアレイ11からの光束をマスク面へ導くた のリレー光学系(13,15)及びコンデンサ光学系1 7(導光光学系)をさらに備えている。これによ って、オプティカルインテグレータからの光 束が重畳してマスクM上に照射される。
 (18)また、デポラライザ6とマスク面との間 光路中に挿脱可能に配置されて、所定形状 光強度分布を有する照明光を形成する回折 学素子7A~7C等(光強度分布形成手段)を備えて る。回折光学素子7A等によって効率的に照 光の光強度分布を所望の分布に形成できる なお、照明光ILの利用効率が低下してもよい 場合には、回折光学素子の代わりに照明瞳面 に配置されて種々の形状の開口絞りを備えた 開口絞り系を使用してもよい。

 (19)また、図1の実施形態では、照明光ILを供 給する光源1を備えている。本実施形態では 光源1からの照明光ILの偏光状態が変動して 、高精度に偏光制御を行うことができる。
 また、上記の実施形態の露光方法は、投影 学系PLを用いてウエハW(感光性基板)にパタ ンを露光する露光方法において、照明光学 ILSを用いてマスク面を照明する照明工程と マスク面に配置されるマスクのパターンを エハWに露光する露光工程と、を有する。

 また、上記の実施形態の露光装置は、照明 学系ILSを備えるとともに、マスク面に配置 れるマスクMを照明する照明光を供給する光 源1と、マスクMのパターンをウエハWに露光す る投影光学系PLと、を備えている。
 この場合、高精度に偏光制御を行うことが きるため、微細なパターンを高解像度でウ ハW上に転写できる。

 なお、本発明は、例えば国際公開第99/49504 パンフレットなどに開示される液浸型露光 置、又はプロキシミティ方式の露光装置等 も適用することができる。
 また、上記の実施形態の露光装置を用いて 導体デバイス等の電子デバイス(マイクロデ バイス)を製造する場合、電子デバイスは、 7に示すように、電子デバイスの機能・性能 計を行うステップ221、この設計ステップに づいてマスク(レチクル)を製作するステッ 222、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製 造するステップ223、前述した実施形態の露光 装置(投影露光装置)によりマスクのパターン 基板に露光する工程、露光した基板を現像 る工程、現像した基板の加熱(キュア)及び ッチング工程などを含む基板処理ステップ22 4、デバイス組み立てステップ(ダイシング工 、ボンディング工程、パッケージ工程など 加工プロセスを含む)225、並びに検査ステッ プ226等を経て製造される。

 言い換えると、このデバイスの製造方法は リソグラフィ工程を含み、そのリソグラフ 工程で上記の実施形態の露光装置を用いて 光性基板を露光している。このとき、偏光 御を高精度に行って微細なパターンを高解 度で感光性基板上に転写できるため、高機 の電子デバイスを高精度に製造できる。
 また、本発明は、半導体デバイスの製造プ セスへの適用に限定されることなく、例え 、液晶表示素子、プラズマディスプレイ等 製造プロセスや、撮像素子(CMOS型、CCD等)、 イクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Syste ms:微小電気機械システム)、薄膜磁気ヘッド 及びDNAチップ等の各種デバイス(電子デバイ )の製造プロセスにも広く適用できる。

 さらに、上述の各実施形態では、照明光学 置を備えた露光装置を例にとって本発明を 明したが、マスク以外の被照射面を照明す ための一般的な照明光学装置に本発明を適 することができることは明らかである。
 また、本発明は上述の実施形態に限定され 、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の 成を取り得ることは勿論である。また、明 書、特許請求の範囲、図面、及び要約を含 2007年10月12日付け提出の日本国特願2007-267256 の全ての開示内容は、そっくりそのまま引用 して本願に組み込まれている。