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Title:
IMAGE DISPLAY DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/101957
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an image display device, which can move an exit pupil and which has a function to suppress such a deterioration of an image quality as is caused by the movement of the exit pupil. The image display device (10) comprises a light source unit (12), an image light forming unit (14) for converting the light emitted from the light source unit (12), into an image light for expressing an image to be displayed to an observer, thereby to form the image light, and an exit pupil control unit (18) for controlling the position of the exit pupil of the image display device. The exit pupil control unit (18) includes a liquid crystal optical device (70), and an exit pupil control means for controlling the liquid crystal optical device (70) thereby to control the position of the exit pupil. The image light forming unit (14) corrects the conversion characteristics, in which the image light forming unit (14) converts the emitted light from the light source unit (12) into the image light, on the basis of the controlled variable of the liquid crystal optical device (70), so as to cancel such a change in the geometric characteristics of the image recognized by the observer as is caused by the control of the liquid crystal optical device (70).

Inventors:
WATANABE MITSUYOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/052273
Publication Date:
August 20, 2009
Filing Date:
February 12, 2009
Export Citation:
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Assignee:
BROTHER IND LTD (JP)
WATANABE MITSUYOSHI (JP)
International Classes:
G02B27/02; G02F1/13; G02F1/1347
Foreign References:
JPH08502372A1996-03-12
JPH09270979A1997-10-14
JP2002215114A2002-07-31
JP2009002982A2009-01-08
Attorney, Agent or Firm:
KURUSU, Kazunori (Room 403 Marunouchi Estate Bldg.,2-17-12, Marunouchi,Naka-ku, Nagoya-shi, Aichi, JP)
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Claims:
 画像を光学的に表示する画像表示装置であって、
 光源部と、
 その光源部から出射する光を、観察者に表示すべき画像を表す画像光に変換することにより、その画像光を形成する画像光形成部と、
 当該画像表示装置の射出瞳の位置を制御する射出瞳制御部と
 を含み、
 その射出瞳制御部は、
 当該画像表示装置において前記画像光が進行する経路の途中に配置された光学素子と、
 その光学素子を制御することにより、前記射出瞳の位置を制御する射出瞳制御手段と
 を含み、
 前記画像光形成部は、前記光学素子の制御に起因する、観察者によって認識される画像の幾何学的特性の変化が打ち消されるように、前記光学素子の制御量またはその制御量に関連する物理量に基づき、前記画像光形成部が前記光源部からの出射光を前記画像光に変換する変換特性を補正する変換特性補正手段を含む画像表示装置。
 前記幾何学的特性は、観察者によって実際に認識される画像の位置を含む請求の範囲第1項に記載の画像表示装置。
 前記幾何学的特性は、観察者によって実際に認識される画像のスケールを含む請求の範囲第1項に記載の画像表示装置。
 前記光学素子は、前記画像光形成部から入射した画像光に対して回折を行うとともに、回折光の角度が電気的に可変である電気的制御素子を含む請求の範囲第1項に記載の画像表示装置。
 前記電気的制御素子は、液晶光学デバイスを含み、
 その液晶光学デバイスは、各々ストライプ状を成す複数の電極と、それら複数の電極が形成された表面を有する液晶層とを含むように構成されるとともに、前記複数の電極にそれぞれ一斉に印加される複数の電圧値の分布パターンに応じて、当該液晶光学デバイスから出射する回折光の角度が変化する特性を有している請求の範囲第4項に記載の画像表示装置。
 前記光学素子は、電気光学効果偏向器EODと、音響光学偏向器AODとのうちの少なくとも一方を含む請求の範囲第1項に記載の画像表示装置。
 当該画像表示装置は、前記画像光の経路の途中に中間像面を有し、
 前記光学素子は、その中間像面の位置と概して等しい位置に配置された請求の範囲第1項に記載の画像表示装置。
 当該画像表示装置は、前記画像光の経路の途中に中間像面を有し、
 前記光学素子は、その中間像面の位置から外れた位置に配置された請求の範囲第1項に記載の画像表示装置。
 前記画像光形成部は、画像信号に基づき、前記光源部から入射した面状の光に対して各画素ごとに空間変調を施すことにより、前記画像光を形成するフラットパネルディスプレイを含み、
 そのフラットパネルディスプレイは、前記画像信号に応じて、前記光源部からの出射光を前記画像光に変換し、
 前記変換特性は、前記画像信号に依存しており、
 前記変換特性補正手段は、前記光学素子の制御量またはそれに関連する物理量に基づき、前記画像信号を補正する請求の範囲第1項に記載の画像表示装置。
 前記フラットパネルディスプレイは、液晶ディスプレイと、有機エレクトロルミネッセンスと、デジタルマイクロミラーデバイスとのうちの少なくとも一つを含む請求の範囲第9項に記載の画像表示装置。
 前記光学素子は、入射光に対する角度が可変である偏向ミラーを含み、
 前記射出瞳制御手段は、その偏向ミラーの、入射光に対する角度を変化させることにより、観察者の瞳孔位置の変化に追従するように、前記射出瞳の位置を制御し、
 前記変換特性補正手段は、前記偏向ミラーの、入射光に対する角度またはその角度に関連する物理量に基づいて前記変換特性を補正する請求の範囲第1項に記載の画像表示装置。
 前記光源部は、画像信号に基づき、観察者に表示すべき画像の各画素ごとに輝度を実現するビーム状の光を発生させ、
 前記画像光形成部は、前記光源部から入射したビーム状の光を、少なくとも1枚の揺動ミラーを用いて、2次元的にスキャンすることにより、前記画像光を形成する光スキャナを含み、
 前記変換特性は、前記画像信号に依存しており、
 前記変換特性補正手段は、前記光学素子の制御量またはそれに関連する物理量に基づき、前記画像信号を補正する請求の範囲第1項に記載の画像表示装置。
 前記画像光形成部は、前記光源部から入射したビーム状の光を、少なくとも1枚の揺動ミラーを用いて、2次元的にスキャンすることにより、前記画像光を形成する光スキャナを含み、
 前記変換特性は、前記揺動ミラーの最大揺動角に依存しており、
 前記変換特性補正手段は、前記光学素子の制御量またはそれに関連する物理量に基づき、前記揺動ミラーの最大揺動角を補正する請求の範囲第1項に記載の画像表示装置。
 さらに、前記瞳孔の位置を検出する瞳孔位置検出部を含み、
 前記射出瞳制御手段は、その瞳孔位置検出部からの出力信号に基づき、観察者の瞳孔の動きに追従するように前記射出瞳を移動させるために、前記光学素子を制御する請求の範囲第1項に記載の画像表示装置。
 前記射出瞳制御手段は、ユーザからの指令を表す入力信号に応じて、前記光学素子を制御することにより、前記射出瞳の位置を、前記入力信号に応じた位置に移動するように制御する請求の範囲第1項に記載の画像表示装置。
 前記変換特性補正手段は、前記光学素子の制御量またはそれに関連する物理量に基づき、前記画像の、前記回折の方向における平行移動量を決定する請求の範囲第4項に記載の画像表示装置。
 前記変換特性補正手段は、前記光学素子の制御量またはそれに関連する物理量に基づき、前記画像の、前記揺動ミラーの揺動方向における拡大・縮小率を決定する請求の範囲第13項に記載の画像表示装置。
 前記変換特性補正手段は、前記射出瞳の移動量に応じて、前記画像の位置の補正量を決定する請求の範囲第2項に記載の画像表示装置。
 前記変換特性補正手段は、前記射出瞳の移動量に応じて、前記画像のスケールの補正量を決定する請求の範囲第3項に記載の画像表示装置。
Description:
画像表示装置

 本発明は、画像を光学的に表示する技術 関するものであり、特に、画像表示装置の 出瞳を移動させる技術の改良に関するもの ある。

 画像を光学的に表示する技術として、例 ば、表示すべき画像を表す画像光を直接的 観察者の網膜上に投影し、それにより、観 者が画像を虚像として観察することを可能 する技術や、そのような画像光を物理的な クリーンに投影し、それにより、観察者が 像を実像として観察することを可能にする 術が存在する。

 さらに、光源からの光を、表示すべき画 を表す画像光に変換する技術として、例え 、光源から一斉に入射した面状の光を、LCD 、空間変調素子を用いて、各画素ごとに空 的に変調し、それにより、面状の画像光を 成する技術や、光源から入射したビーム状 光であって各画素ごとに強度変調されたも を、スキャナを用いて、面状の画像光に変 する技術が存在する。

 日本国特表平8-502372号公報は、画像を光 的に表示する装置としての従来のヘッドマ ントディスプレイ装置を開示している。こ ヘッドマウントディスプレイ装置は、表示 べき画像を表す画像光を直接的に網膜上に 影し、それにより、観察者が画像を虚像と て観察することを可能にする技術と、光源 ら入射したビーム状の光であって各画素ご に強度変調されたものを、スキャナを用い 、面状の画像光に変換する技術とを採用し いる。

 この従来のヘッドマウントディスプレイ 置は、さらに、表示画像を観察しようとす 観察者の瞳孔位置を検出し、その瞳孔の移 に合わせて当該ヘッドマウントディスプレ 装置の射出瞳を移動させる技術も採用して る。

 本発明者は、画像表示装置の射出瞳を移 させるために、各々、光学素子の一例であ 回折格子および偏向ミラーを用いる技術を 案し、それについて研究を行った。その結 、それら回折格子および偏向ミラーを用い ば、射出瞳を移動させることは可能である 、射出瞳の移動に起因して、表示画像の幾 学的特性、すなわち、例えば、位置やサイ が正規のものから異なってしまう可能性が ることに気がついた。その可能性およびそ 原因については、後に詳述する。

 このように、本発明者の提案した技術で 、射出瞳の移動に起因して画像品質が劣化 る可能性があった。

 以上説明した事情を背景として、本発明 、射出瞳を移動させることが可能な画像表 装置であって射出瞳の移動に起因した画像 質の劣化を抑制する機能を有するものを提 することを課題としてなされたものである

 本発明によって下記の各態様が得られる 各態様は、項に区分し、各項には番号を付 、必要に応じて他の項の番号を引用する形 で記載する。これは、本発明が採用し得る 術的特徴の一部およびそれの組合せの理解 容易にするためであり、本発明が採用し得 技術的特徴およびそれの組合せが以下の態 に限定されると解釈すべきではない。すな ち、下記の態様には記載されていないが本 細書には記載されている技術的特徴を本発 の技術的特徴として適宜抽出して採用する とは妨げられないと解釈すべきなのである

 さらに、各項を他の項の番号を引用する 式で記載することが必ずしも、各項に記載 技術的特徴を他の項に記載の技術的特徴か 分離させて独立させることを妨げることを 味するわけではなく、各項に記載の技術的 徴をその性質に応じて適宜独立させること 可能であると解釈すべきである。

(1) 画像を光学的に表示する画像表示装置で って、
 光源部と、
 その光源部から出射する光を、観察者に表 すべき画像を表す画像光に変換することに り、その画像光を形成する画像光形成部と
 当該画像表示装置の射出瞳の位置を制御す 射出瞳制御部と
 を含み、
 その射出瞳制御部は、
 当該画像表示装置において前記画像光が進 する経路の途中に配置された光学素子と、
 その光学素子を制御することにより、前記 出瞳の位置を制御する射出瞳制御手段と
 を含み、
 前記画像光形成部は、前記光学素子の制御 起因する、観察者によって認識される画像 幾何学的特性の変化が打ち消されるように 前記光学素子の制御量またはその制御量に 連する物理量に基づき、前記画像光形成部 前記光源部からの出射光を前記画像光に変 する変換特性を補正する変換特性補正手段 含む画像表示装置。

 この画像表示装置によれば、射出瞳を移 させるための光学素子の制御に起因して、 察者によって認識される画像の幾何学的特 が変化する可能性がある場合に、その変化 完全にまたは部分的に打ち消されるように 画像光形成部が光源部からの出射光を画像 に変換する変換特性が補正される。

 したがって、この画像表示装置によれば 射出瞳の移動に起因する、観察者によって 識される画像の幾何学的特性の変化が抑制 れ、その結果、射出瞳の移動に起因した画 品質の劣化が抑制される。

(2) 前記幾何学的特性は、観察者によって 際に認識される画像の位置を含む(1)項に記 の画像表示装置。

 この画像表示装置によれば、射出瞳の移 の有無にかかわらず、観察者によって実際 認識される画像の位置が、正規の位置に維 される傾向が増す。その結果、表示画像の 置が、表示中、射出瞳の移動の有無にかか らず、安定化させられる。

(3) 前記幾何学的特性は、観察者によって 際に認識される画像のスケールを含む(1)ま は(2)項に記載の画像表示装置。

 この画像表示装置によれば、射出瞳の移 の有無にかかわらず、観察者によって実際 認識される画像のスケールが、正規のスケ ルに維持される傾向が増す。その結果、表 画像のサイズが、表示中、射出瞳の移動の 無にかかわらず、安定化させられる。

(4) 前記光学素子は、前記画像光形成部か 入射した画像光に対して回折を行うととも 、回折光の角度が電気的に可変である電気 制御素子を含む(1)ないし(3)項のいずれかに 載の画像表示装置。

(5) 前記電気的制御素子は、液晶光学デバイ を含み、
 その液晶光学デバイスは、各々ストライプ を成す複数の電極と、それら複数の電極が 成された表面を有する液晶層とを含むよう 構成されるとともに、前記複数の電極にそ ぞれ一斉に印加される複数の電圧値の分布 ターンに応じて、当該液晶光学デバイスか 出射する回折光の角度が変化する特性を有 ている(4)項に記載の画像表示装置。

(6) 前記光学素子は、電気光学効果偏向器E ODと、音響光学偏向器AODとのうちの少なくと 一方を含む(1)ないし(3)項のいずれかに記載 画像表示装置。

(7) 当該画像表示装置は、前記画像光の経路 途中に中間像面を有し、
 前記光学素子は、その中間像面の位置と概 て等しい位置に配置された(1)ないし(6)項の ずれかに記載の画像表示装置。

(8) 当該画像表示装置は、前記画像光の経路 途中に中間像面を有し、
 前記光学素子は、その中間像面の位置から れた位置に配置された(1)ないし(6)項のいず かに記載の画像表示装置。

 この画像表示装置によれば、光学素子が 間像面の位置と概して等しい位置に配置さ る場合より大きな断面積を有する光がこの 学素子に入射する。その結果、例えば、そ 光学素子が回折格子である場合には、回折 率が向上するという利点や、光学素子にほ りなどの異物が付着した場合にそれにもか わらずそれに起因する画像の欠陥がそれほ 目立たずに済むという利点などが得られる

(9) 前記画像光形成部は、画像信号に基づき 前記光源部から入射した面状の光に対して 画素ごとに空間変調を施すことにより、前 画像光を形成するフラットパネルディスプ イを含み、
 そのフラットパネルディスプレイは、前記 像信号に応じて、前記光源部からの出射光 前記画像光に変換し、
 前記変換特性は、前記画像信号に依存して り、
 前記変換特性補正手段は、前記光学素子の 御量またはそれに関連する物理量に基づき 前記画像信号を補正する(1)ないし(8)項のい れかに記載の画像表示装置。

 この画像表示装置によれば、フラットパ ルディスプレイに供給されるべき画像信号 補正されることにより、射出瞳の移動に起 して、観察者によって認識される画像の幾 学的特性(例えば、画像の位置やサイズ)が 化する可能性が軽減され、その結果、射出 の移動に起因した画像品質の劣化が抑制さ る。

(10) 前記フラットパネルディスプレイは、 液晶ディスプレイと、有機エレクトロルミネ ッセンスと、デジタルマイクロミラーデバイ スとのうちの少なくとも一つを含む(9)項に記 載の画像表示装置。

(11) 前記光学素子は、入射光に対する角度が 可変である偏向ミラーを含み、
 前記射出瞳制御手段は、その偏向ミラーの 入射光に対する角度を変化させることによ 、観察者の瞳孔位置の変化に追従するよう 、前記射出瞳の位置を制御し、
 前記変換特性補正手段は、前記偏向ミラー 、入射光に対する角度またはその角度に関 する物理量に基づいて前記変換特性を補正 る(1)項に記載の画像表示装置。

(12) 前記光源部は、画像信号に基づき、観察 者に表示すべき画像の各画素ごとに輝度を実 現するビーム状の光を発生させ、
 前記画像光形成部は、前記光源部から入射 たビーム状の光を、少なくとも1枚の揺動ミ ラーを用いて、2次元的にスキャンすること より、前記画像光を形成する光スキャナを み、
 前記変換特性は、前記画像信号に依存して り、
 前記変換特性補正手段は、前記光学素子の 御量またはそれに関連する物理量に基づき 前記画像信号を補正する(1)ないし(8)項のい れかに記載の画像表示装置。

 この画像表示装置によれば、光スキャナ 光を出射する光源部に供給されるべき画像 号が補正されることにより、射出瞳の移動 起因して、観察者によって認識される画像 幾何学的特性(例えば、画像の位置やサイズ )が変化する可能性が軽減され、その結果、 出瞳の移動に起因した画像品質の劣化が抑 される。

(13) 前記画像光形成部は、前記光源部から入 射したビーム状の光を、少なくとも1枚の揺 ミラーを用いて、2次元的にスキャンするこ により、前記画像光を形成する光スキャナ 含み、
 前記変換特性は、前記揺動ミラーの最大揺 角に依存しており、
 前記変換特性補正手段は、前記光学素子の 御量またはそれに関連する物理量に基づき 前記揺動ミラーの最大揺動角を補正する(1) いし(8)項のいずれかに記載の画像表示装置

 この画像表示装置によれば、光スキャナ おける揺動ミラーの最大揺動角が補正され ことにより、射出瞳の移動に起因して、観 者によって認識される画像の幾何学的特性( 例えば、画像のサイズ)が変化する可能性が 減され、その結果、射出瞳の移動に起因し 画像品質の劣化が抑制される。

(14) さらに、前記瞳孔の位置を検出する瞳孔 位置検出部を含み、
 前記射出瞳制御手段は、その瞳孔位置検出 からの出力信号に基づき、観察者の瞳孔の きに追従するように前記射出瞳を移動させ ために、前記光学素子を制御する(1)ないし( 13)項のいずれかに記載の画像表示装置。

 この画像表示装置によれば、観察者の瞳 の動きに追従するように射出瞳が自動的に 動させられる。

(15) 前記射出瞳制御手段は、ユーザからの 指令を表す入力信号に応じて、前記光学素子 を制御することにより、前記射出瞳の位置を 、前記入力信号に応じた位置に移動するよう に制御する(1)ないし(13)項のいずれかに記載 画像表示装置。

 この画像表示装置によれば、ユーザは、 出瞳の位置を任意の位置に移動させること 可能となる。例えば、ユーザは、手動で、 察者の瞳孔の動きに追従するように射出瞳 移動させることが可能となる。

(16) 前記変換特性補正手段は、前記光学素 子の制御量またはそれに関連する物理量に基 づき、前記画像の、前記回折の方向における 平行移動量を決定する(4)項に記載の画像表示 装置。

(17) 前記変換特性補正手段は、前記光学素 子の制御量またはそれに関連する物理量に基 づき、前記画像の、前記揺動ミラーの揺動方 向における拡大・縮小率を決定する(13)項に 載の画像表示装置。

(18) 前記変換特性補正手段は、前記射出瞳 の移動量に応じて、前記画像の位置の補正量 を決定する(2)項に記載の画像表示装置。

(19) 前記変換特性補正手段は、前記射出瞳 の移動量に応じて、前記画像のスケールの補 正量を決定する(3)項に記載の画像表示装置。

 以下、本発明のさらに具体的な実施の形 のいくつかを図面に基づいて詳細に説明す 。

 図1には、本発明の第1実施形態に従うヘ ドマウントディスプレイ装置10が概念的に光 路図で示されている。このヘッドマウントデ ィスプレイ装置10は、図示しない観察者の頭 に装着されて使用される形式の画像表示装 である。

 このヘッドマウントディスプレイ装置10 、概略的には、光源から一斉に入射した面 の光を、空間変調素子を用いて、各画素ご に空間的に変調し、そのようにして形成さ た画像光を観察者の瞳孔を経て直接的に観 者の網膜上に投影し、それにより、観察者 画像を虚像として観察することを可能にす ように構成されている。

 具体的には、このヘッドマウントディス レイ装置10は、光源部12と、画像光形成部14 、リレー光学系16と、射出瞳制御部18と、瞳 孔位置検出部20と、接眼光学系22とを、それ の順に、互いに直列に並ぶように備えてい 。それら要素の集まりは、観察者の右眼用 左眼用とにそれぞれ、用意されており、観 者のいずれの眼にも、画像光が入射させら る。

 光源部12は、光源としての白色LED30と、そ の白色LED30からの白色光が入射するフィール レンズ32とを含むように構成されている。 色LED30は、LEDドライバ34によって駆動され、 れにより、白色光を発光する。

 画像光形成部14は、フラットパネルディ プレイ(空間変調素子の一例)としてのLCD(液 ディスプレイ)40を含むように構成されてい 。LCD40は、コリメートレンズ32からの白色光 、各画素ごとに、3色の成分光(RGB)に分解す カラーフィルタ(RGBフィルタ)と、各成分光 透過度を制御する液晶パネルとを含むよう 構成されている。その液晶パネルは、複数 の画素を有しており、各画素ごとに、各成 光の透過度を制御する。

 LCD40のいくつかの例が日本国特開平11-19431 3号公報に開示されており、その公報は、引 によって本明細書に全体的に合体させられ 。LCD40は、LCDドライバ42によって駆動され、 れにより、白色LED30から出射した白色光に して空間変調を施す。

 本実施形態においては、画像光形成部14 フラットパネルディスプレイを主体として 成されているが、これに限定されることな 、例えば、光スキャナを主体として構成す ことが可能である。この場合、このヘッド ウントディスプレイ装置10は、網膜走査型デ ィスプレイ装置とも称される。

 また、本実施形態においては、フラット ネルディスプレイの一例としてLCD40が採用 れているが、これに限定されることなく、 えば、有機エレクトロルミネッセンスとし り、デジタルマイクロミラーデバイスとす ことが可能である。

 リレー光学系16は、前段リレーレンズ60と 後段リレーレンズ62とを含むように構成され いる。

 射出瞳制御部18は、観察者の瞳孔位置の 化に追従するように、ヘッドマウントディ プレイ装置10の射出瞳の位置を制御するため に設けられている。この射出瞳制御部18は、 気的制御素子の一例である液晶光学デバイ 70を主体として構成されている。

 この液晶光学デバイス70は、図12に示すよ うに、リレー光学系16と接眼光学系22との間 位置する中間像面から距離dだけオフセット た位置(本実施形態においては、接眼光学系 22寄りの位置)に配置されている。そのオフセ ット配置の影響については、後に詳述する。

 この液晶光学デバイス70は、回折角が電 的に可変である回折格子として機能する。 らに、この液晶光学デバイス70は、透過型回 折格子として機能するが、これに限定される ことなく、反射型回折格子として機能する液 晶光学デバイスを採用することが可能である 。

 この液晶光学デバイス70は、2次元回折を うように設計されているが、これに限定さ ず、1次元回折を行うように設計することが 可能である。この液晶光学デバイス70は、図2 に断面図で示すように、入射光をX方向すな ち水平方向に回折するための第1部分72と、 射光をY方向すなわち垂直方向に回折するた の第2部分74とが、共通の透明なガラス基板 介して、互いに積層されて一体的に構成さ ている。

 この液晶光学デバイス70の一従来例が日 国特開2001-100026号公報に開示されており、こ の公報は、引用されることにより、全体的に 本明細書に合体させられる。

 図2に示すように、第1部分72は、透明なガ ラス基板80と液晶層82とが積層されて構成さ ている。液晶層82の表面には、各々ストライ プ状を成す複数の電極84が互いに並列に延び ように形成されている。それら複数の電極8 4は、X方向に並んでいる複数の透明電極であ 。図3には、それら複数の電極84が正面図で されている。

 これに対し、液晶層82の裏面には、複数 電極84に共通の接地電極86が形成されている この接地電極86も透明電極である。

 この第1部分72を作動させるために、複数 電極84のうち選択されたものと接地電極86と の間に電圧が印加され、それにより、選択さ れた電極84の位置に応じた電界が液晶層82に 加される。その結果、液晶層82内の液晶分子 が傾き、それにより、液晶層82の屈折率が変 する。

 図3に示すように、複数の電極84に印加さ る電圧値の分布パターンとして、モード1、 モード2およびモード3が用意されている。モ ド1が採用されると、図3(a)に示すように、 ずれの電極84にも電圧が印加されない。この ことが図4(a)にはグラフで表されている。そ 結果、図3(a)に示すように、第1部分72は、リ ー光学系16からの入射光をそのまま、0次光 して透過する。

 これに対し、モード2が選択されると、図 3(b)に示すように、互いに隣接した2本の電極8 4には電圧が印加されるが、その隣の2本の電 84には電圧が印加されないというように、2 ずつ、2本置きに、電極84に電圧が印加され 。このことが図4(b)にはグラフで表されてい る。その結果、図3(b)に示すように、第1部分7 2は、リレー光学系16からの入射光から、2本 回折光、すなわち、+1次光と-1次光とを発生 せる。

 また、モード3が選択されると、図3(c)に すように、1本ずつ、1本置きに、電極84に電 が印加される。このことが図4(c)にはグラフ で表されている。その結果、図3(c)に示すよ に、第1部分72は、リレー光学系16からの入射 光から、2本の回折光、すなわち、+1次光と-1 光とを発生させる。それら1次光が第1部分72 から出射する角度(偏向角ないし回折角)は、 ード2における角度より大きい。

 したがって、第1部分72に印加される電圧 の分布パターンをモード1、モード2および ード3に変化させると、第1部分72から出射す 回折光の角度が変化する。

 このようにして回折光の角度が変化する 、図5に光路図で示すように、射出瞳が移動 する。具体的には、モード1が選択された場 には、液晶光学デバイス70から光が、図5に いて点線で示す光路に沿って出射し、その 果、射出瞳が、光軸上の中立位置P1に位置さ せられる。

 これに対し、モード2または3が選択され と、液晶光学デバイス70から光が、図5にお て二重破線で示す光路に沿って出射し、そ 結果、射出瞳が、光軸から距離aずれた位置P 2に移動させられる。例えば、回折角θが7.1[de g]、距離bが40[mm]である場合には、距離aが5[mm] となる。

 液晶光学デバイス70は、モード2または3に おいて、+1次光と-1次光とを出射するが、図5 は、説明を簡単にするために、それら+1次 と-1次光とのうち、瞳孔に入射することとな る射出瞳を形成する回折光のみが示されてい る。

 本実施形態においては、第1部分72に印加 れる電圧値の分布パターンをモード1、モー ド2およびモード3に変化させると、第1部分72 ら出射する回折光の角度が離散的に変化す ため、ヘッドマウントディスプレイ装置10 射出瞳の位置も離散的に(すなわち、不連続 にないし段階的に)変化させられる。

 図2に示すように、第2部分74は、第1部分72 と同様に、透明なガラス基板90と液晶層92と 積層されて構成されている。液晶層92の表面 には、各々ストライプ状を成す複数の電極94 互いに並列に延びるように形成されている それら複数の電極94はいずれも、第1部分72 おける複数の電極84に対して直角に延びる透 明電極である。それら複数の電極94は、Y方向 に並んでいる。

 これに対し、液晶層92の裏面には、複数 電極94に共通の接地電極96が形成されている この接地電極96も透明電極である。

 この第2部分74の作動、その作動のために 意されているモードの種類およびモードと 折角との関係については、第1部分72の場合 共通するため、重複した説明を省略する。

 図1に示すように、この液晶光学デバイス 70は、液晶光学デバイスドライバ72によって 動される。

 なお付言するに、本実施形態においては 射出瞳を移動させるために使用される光学 子として液晶光学デバイス70が選択されて るが、これに限定されず、例えば、電気光 効果偏向器EODを選択したり、音響光学偏向 AODを選択することが可能である。

 さらに、そのような光学素子として、グ ーティング・ライト・バルブGLVを選択する とが可能である。このグレーティング・ラ ト・バルブGLVは、例えば、リボン状の反射 を備えた固定格子と、リボン状の反射面を するとともに、電気信号に応じて、前記固 格子に対して移動可能な可動格子とを含む うに構成される。

 このグレーティング・ライト・バルブGLV いくつかの例が日本国特開2003-341128号公報 開示されており、この公報は、引用される とにより、全体として本明細書に合体させ れる。

 さらにまた、上述の光学素子として、回 ピッチの方向に電気的に伸張する素材によ 構成され、それにより、回折ピッチが電気 に可変である回折素子を選択することも可 である。

 図1に示すように、以上説明した射出瞳制 御部18の直ぐ下流に、瞳孔位置検出部20が配 されている。射出瞳制御部18は、その瞳孔位 置検出部20によって検出された瞳孔位置に基 き、観察者の各眼ごとに、瞳孔位置の変化 追従するように、ヘッドマウントディスプ イ装置10の射出瞳を移動させる。

 瞳孔位置検出部20は、観察者の眼の瞳孔 置を検出するために有用な情報を取得する めに使用されるデバイスとして、観察者の からの反射光を取り出すハーフミラー100を えている。この瞳孔位置検出部20は、さらに 、そのハーフミラー100からの入射光に基づき 、瞳孔位置を光学的に検出する瞳孔位置検出 回路102を備えている。

 ハーフミラー100は、液晶光学デバイス70 らの入射光を、接眼光学系22に向けて透過さ せる一方、観察者の眼からの反射光であって 、接眼光学系22からの入射光を、瞳孔位置検 回路102の受光部(図示しない)に向けて反射 るように設計されている。

 瞳孔位置検出回路102は、瞳孔位置(例えば 、瞳孔の中心位置)の、ヘッドマウントディ プレイ装置10の光軸上の射出瞳(中立位置に る射出瞳)に対する相対的な位置を水平方向( X方向)と垂直方向(Y方向)とについてそれぞれ 出する。この瞳孔位置検出回路102は、例え 、CCDカメラを主体として構成される。した って、この瞳孔位置検出回路102は、瞳孔の 平方向位置Xを表す信号と、瞳孔の垂直方向 位置Yを表す信号とを出力する。

 接眼光学系22は、接眼レンズ110と、その 眼レンズ110からの画像光をユーザの瞳孔に 導する光ガイドとしてのハーフミラー112と 含むように構成されている。

 本実施形態においては、その光ガイドが ーフミラー112として構成されているため、 ーザは、ハーフミラー112を通して現実外界 観察すると同時に、接眼レンズ110からの画 光を、ハーフミラー112の反射によって受光 て表示画像を観察することが可能である。 なわち、このヘッドマウントディスプレイ 置10は、現実外界に重ねて表示画像を観察 能なシースルー型なのである。

 図6には、このヘッドマウントディスプレ イ装置10のうちの電気的な部分がブロック図 概念的に表されている。このヘッドマウン ディスプレイ装置10は、信号処理装置120を えている。

 その信号処理装置120は、コンピュータ122 、メモリ部124と、入出力インターフェイス1 26と、クロック発振器128とを含むように構成 れている。入力インターフェイス126に、前 のLEDドライバ32、LCDドライバ42、瞳孔位置検 出回路102および液晶光学デバイスドライバ72 電気的に接続されている。

 図6に示すように、信号処理装置120は、概 略的には、外部から入力されたコンテンツを 表すデータに基づき、そのコンテンツを表示 するために必要な信号を生成し、その信号に 基づき、LEDドライバ34を介して白色LED30、LCD ライバ42を介してLCD40をそれぞれ制御する。

 本実施形態においては、図1に示すように 、LCDドライバ42には、各画素ごとに、実現す き色および輝度を表す画像信号に加えて、 像位置信号も入力される。その画像位置信 は、観察者に対する画像の表示位置を、デ ォールト位置から水平方向と垂直方向とに れぞれ変位するためにLCDドライバ42に入力 れる。そのため、その画像位置信号は、表 画像の、デフォールト位置からの水平方向 動量を表す成分と、垂直方向移動量を表す 分とを有するように生成される。

 コンテンツは、R輝度信号、G輝度信号お びB輝度信号によって表現される。コンピュ タ122は、それら信号を入力すると、R輝度信 号、G輝度信号およびB輝度信号をR/G/Bバッフ 130に保存する。コンピュータ122は、各フレ ムごとに、R輝度信号、G輝度信号およびB輝 信号から、LCD40制御用のR画像信号、G画像信 およびB画像信号を生成して、それら画像信 号をLCDドライバ42に供給する。

 図7に示すように、メモリ部124には、画像 表示プログラムと、瞳孔トラッキングプログ ラムと、画像位置補正プログラムとが不揮発 的に予め記憶されている。

 画像表示プログラムは、コンテンツを表 輝度信号に基づいて画像信号を生成してそ をLCDドライバ42に供給し、それにより、目 画像を表示するためにコンピュータ122によ て実行される。この画像表示プログラムは よく知られた手順で実行されるものである め、文章および図示による説明を省略する

 これに対し、瞳孔トラッキングプログラ は、瞳孔位置検出回路102からの信号であっ 瞳孔位置を表すものに基づき、その瞳孔位 の変化に追従するようにヘッドマウントデ スプレイ装置10の射出瞳を移動させるため コンピュータ122によって実行される。すな ち、瞳孔トラッキングプログラムは、射出 が瞳孔位置をトラッキングするようにする めにコンピュータ122によって実行されるの ある。

 図8には、その瞳孔トラッキングプログラ ムが概念的にフローチャートで表されている 。この瞳孔トラッキングプログラムは、ヘッ ドマウントディスプレイ装置10の電源(図示し ない)がユーザによって投入された後に、自 的に定期的に実行されるか、またはユーザ らのリクエストに応答して実行される。

 この瞳孔トラッキングプログラムの実行 には、まず、ステップS1において、瞳孔位 検出回路102からの信号に基づき、瞳孔の水 方向位置Xが検出され、次に、ステップS2に いて、瞳孔位置検出回路102からの信号に基 き、瞳孔の垂直方向位置Yが検出される。

 続いて、ステップS3において、検出され 水平方向位置Xに基づき、前述のモード1ない し3のうち、射出瞳が水平方向に瞳孔位置を ラッキングするために適切なモードが選択 れる。その後、ステップS4において、検出さ れた水平方向位置Yに基づき、前述のモード1 いし3のうち、射出瞳が垂直方向に瞳孔位置 をトラッキングするために適切なモードが選 択される。

 水平方向トラッキングのためのモード選 および垂直方向トラッキングのためのモー 選択は、共通のアルゴリズムに従って行わ る。以下、そのアルゴリズムを図9を参照し て詳細に説明する。

 図9には、このヘッドマウントディスプレ イ装置10が採用し得る複数の射出瞳の位置が 各モードごとに、横一列に並んだ5個の丸印 でそれぞれ示されている。さらに、各モード ごとに、瞳孔が、射出瞳を表す丸印より大き い丸印で示されている。実際に、瞳孔は射出 瞳より大きい。

 本実施形態においては、前述のように、 ード1が選択されると、液晶光学デバイス70 0次光を発生させ、また、モード2が選択さ ると、液晶光学デバイス70が+1次光と-1次光 を、小さな偏向角のもとに発生させ、また モード3が選択されると、液晶光学デバイス7 0が+1次光と-1次光とを、大きな偏向角のもと 発生させる。

 この液晶光学デバイス70においては、複 の電極84,94のうち電圧が印加されるのは、1 の孤立電極を繰返し単位として一定ピッチ 並ぶ複数の電極84,94(図3(c)参照)、または1組 隣接電極を繰返し単位として一定ピッチで ぶ複数の電極84,94(図3(b)参照)である。この液 晶光学デバイス70においては、複数の繰返し 位が並ぶピッチが小さいほど、回折光の偏 角が大きくなる。

 本実施形態においては、モードをモード1 からモード2に変化させた場合と、モード2か モード3に変化させた場合とで、射出瞳の移 動量がほぼ等しくなるように、液晶光学デバ イス70の構成およびその制御方法が予め設定 れている。しかも、瞳孔の平均的直径の寸 をA、射出瞳の直径寸法をBでそれぞれ表す すると、モード1からモード2に変化させた場 合も、モード2からモード3に変化させた場合 、射出瞳が、(A-B)にほぼ等しい距離だけ移 するように、液晶光学デバイス70の構成およ びその制御方法が予め設定されている。

 図9に示すように、本実施形態においては 、射出瞳の位置が連続的にではなく離散的に 変化させられる。一方、各瞬間において、瞳 孔には1つの射出瞳のみが存在することが、 像多重化を防止する観点から望ましく、さ に、瞳孔には、1つの射出瞳が全体的に存在 ることが、表示画像の明るさを確保する観 から望ましい。

 本実施形態においては、瞳孔位置が変化 た場合、(1)瞳孔には1つの射出瞳のみが存在 するという条件と、(2)瞳孔には、1つの射出 が全体的に存在するという条件とが同時に 立するように、離散的に取り得る複数個の 出瞳のうちのいずれか一つが選択される。

 具体的には、例えば、水平方向トラッキ グを例にとり説明すると、中立位置(水平方 向位置X=0)に対する瞳孔の水平方向位置X(すな わち、瞳孔の中心点の、中立位置からのずれ 量)が、(A-B)/2より小さい場合には、モード1が 選択され、その結果、0次光による射出瞳が 孔内に存在するようにされる。

 また、水平方向位置Xが、(A-B)/2以上、か 、3(A-B)/2より小さい場合には、モード2が選 され、その結果、小さい偏向角を有する+1次 光または-1次光による射出瞳が瞳孔内に存在 るようにされる。

 また、水平方向位置Xが、3(A-B)/2以上、か 、5(A-B)/2より小さい場合には、モード3が選 され、その結果、大きい偏向角を有する+1 光または-1次光による射出瞳が瞳孔内に存在 するようにされる。

 なお付言するに、本実施形態においては 図9から明らかなように、モード1ではなく モード2またはモード3が選択される場合には 、2つの回折光が発生するが、それら回折光 うち、瞳孔内に存在する射出瞳の形成に寄 するのは1つの回折光のみである。そのため モード1が選択される場合とは異なり、モー ド2またはモード3が選択される場合には、表 画像の明るさを維持するためには、光源部1 2からの出射光の出力を増減させるなどの出 補正措置を講ずることが必要となる。すな ち、射出瞳の移動すなわちモード変化に合 せて光源部12からの出射光の出力を変化させ ることにより、瞳孔に入射する光の光量が変 動しないようにすることが必要なのである。

 これに対し、液晶光学デバイス70におけ 複数の電極82,92に、図10(a)にモード4として示 すように、互いに連続した複数の電極から成 る電極群ごとに、電圧値が単調に増加するよ うに、電圧を印加すると、液晶光学デバイス 70がブレーズド格子として機能する。

 液晶光学デバイス70がブレーズド格子と て機能すると、図10(b)に示すように、液晶光 学デバイス70の光軸に関する正側に出射する 折光と負側に出射する回折光とのうち予め められた一方の回折光のパワーが他方の回 光のパワーより増加する。

 したがって、瞳孔位置検出回路102からの 号に基づき、瞳孔位置が中立位置からずれ 量のみならずずれた方向も検出され、その 出結果に基づき、複数の電極82,92に電圧が 液晶光学デバイス70がブレーズド格子として 機能するための電圧値分布パターンで印加さ れる態様で本発明を実施することが可能であ る。

 図8に戻ると、本実施形態においては、ス テップS3において、上述のモード選択アルゴ ズムに従い、瞳孔の水平方向位置Xに基づき 、水平方向トラッキングのために採用すべき モードが選択される。その後、ステップS4に いて、上述のモード選択アルゴリズムに従 、瞳孔の垂直方向位置Yに基づき、垂直方向 トラッキングのために採用すべきモードが選 択される。

 続いて、ステップS5において、液晶光学 バイス70の第1部分72、すなわち、射出瞳を水 平方向に移動させるための部分における複数 の電極84に電圧が、ステップS3において選択 れたモードに対応する電圧分布パターンで 加される。これにより、射出瞳の、水平方 における位置が、瞳孔の、現在の水平方向 置に接近ないし一致させられる。

 その後、ステップS6において、液晶光学 バイス70の第2部分74、すなわち、射出瞳を垂 直方向に移動させるための部分における複数 の電極94に電圧が、ステップS4において選択 れたモードに対応する電圧分布パターンで 加される。これにより、射出瞳の垂直方向 置が、瞳孔の、現在の垂直方向位置に接近 いし一致させられる。

 以上で、この瞳孔トラッキングプログラ の一回の実行が終了する。

 図11には、前述の画像位置補正プログラ が概念的にフローチャートで表されている

 前述のように、この液晶光学デバイス70 、図12に示すように、リレー光学系16と接眼 学系22との間に位置する中間像面から距離d けオフセットした位置(本実施形態において は、接眼光学系22寄りの位置)に配置されてい る。

 図12(a)には、液晶光学デバイス70が、モー ド1において、0次光を出射し、その結果、射 瞳が中立位置P1に位置することが示されて る。一方、液晶光学デバイス70に各瞬間ごと に入射するレーザビームは、異なる点を通過 する複数の光線の束であると考えられる。

 図12(a)において、「A」は、液晶光学デバ ス70に入射するレーザビーム(中心光線)の光 軸と中間像面との交点Oを通過する一垂直線 、前記複数の光線のうち最も上側に位置す ものの中心線との交点を意味する。これに し、「B」は、上記一垂直線と、前記複数の 成のうち最も下側に位置するものの中心線 の交点を意味する。AとOとBとによって規定 れる位置は、液晶光学デバイス70の背後に 像として投影され、その位置関係は、観察 にとっては、表示画像の位置関係と等しい

 図12(b)には、液晶光学デバイス70が、モー ド2または3において、1次光を出射し、その結 果、射出瞳が、中立位置P1から距離aだけオフ セットした位置P2に位置することが示されて る。

 液晶光学デバイス70は、モード2または3に おいて、+1次光と-1次光とを出射するが、図12 (b)には、説明を簡単にするために、それら+1 光と-1次光とのうち、瞳孔に入射すること なる射出瞳を形成する回折光のみが示され いる。

 図12(b)においては、液晶光学デバイス70が 、リレー光学系16と接眼光学系22との間に位 する中間像面から距離dだけオフセットした 置に配置されているという理由から、液晶 学デバイス70の背後に形成される虚像の位 が、Aから上方にずれたA’と、Oから上方に れたO’と、Bから上方にずれたB’とによっ 規定される。

 図13(a)および図13(b)にはそれぞれ、図12(a) 示すモード1および図12(b)に示すモード2また は3の場合に観察者によって観察される画像( 像)の一例が示されている。観察者は、モー ド2または3が選択されると、画像を、モード1 が選択されたときより上方に移動するように 観察する。このような移動は、予定されてい ないものであるため、解消ないし軽減するこ とが、観察者が画像を安定的に観察すること を可能にするために必要である。

 一方、画像が予定外に移動する量は、射 瞳の移動量に依存する。したがって、射出 の移動量が決まれば、画像が予定外に移動 る量が一義的に決まり、ひいては、その予 外移動量をキャンセルするために表示画像 移動させるべき量も一義的に決まる。

 ここで、図11を参照することにより、前 の画像位置補正プログラムを具体的に説明 る。

 この画像位置補正プログラムは、ヘッド ウントディスプレイ装置10の電源が投入さ ている間、定期的に繰り返し実行される。

 各回の実行時には、まず、ステップS101に おいて、図8に示すステップS3の実行によって 選択された水平方向トラッキング用モードの 種類から、射出瞳の水平方向移動量が求めら れる。モードの種類と射出瞳の水平方向移動 量との関係が予めメモリ部124に記憶されてお り、その関係に従い、今回のモードの種類か ら、射出瞳の水平方向移動量の今回値が求め られる。

 次に、ステップS102において、ステップS10 1に準じて、図8に示すステップS4の実行によ て選択された垂直方向トラッキング用モー の種類から、射出瞳の垂直方向移動量が求 られる。モードの種類と射出瞳の垂直方向 動量との関係が予めメモリ部124に記憶され おり、その関係に従い、今回のモードの種 から、射出瞳の垂直方向移動量の今回値が められる。

 続いて、ステップS103において、画像位置 の水平方向補正量が、射出瞳の水平方向移動 量に応じて一義的に決まる、画像位置の水平 方向移動量を打ち消すための値を有するよう に求められる。射出瞳の水平方向移動量と画 像位置の水平方向移動量との関係が予めメモ リ部124に記憶されており、その関係に従い、 射出瞳の水平方向移動量の今回値から、画像 位置の水平方向移動量の今回値が求められ、 ひいては、画像位置の水平方向補正量の今回 値が求められる。

 その後、ステップS104において、ステップ S103に準じて、画像位置の垂直方向補正量が 射出瞳の垂直方向移動量に応じて一義的に まる、画像位置の垂直方向移動量を打ち消 ための値を有するように求められる。射出 の垂直方向移動量と画像位置の垂直方向移 量との関係が予めメモリ部124に記憶されて り、その関係に従い、射出瞳の垂直方向移 量の今回値から、画像位置の垂直方向移動 の今回値が求められ、ひいては、画像位置 垂直方向補正量の今回値が求められる。

 続いて、ステップS105において、前述の画 像位置信号が、上述のようにして求められた 画像位置の水平方向補正量および垂直方向補 正量を表すように生成される。その後、ステ ップS106において、その生成された画像位置 号がLCDドライバ42に出力される。

 以上で、この画像位置補正プログラムの 回の実行が終了する。

 したがって、本実施形態によれば、射出 の移動の有無にかかわらず、観察者は、安 した位置において画像を観察することが可 となり、その結果、ヘッドマウントディス レイ装置10による画像の表示品質が向上す 。

 以上の説明から明らかなように、本実施 態においては、説明の便宜上、液晶光学デ イス70と、信号処理装置120のうち図8に示す 孔トラッキングプログラムを実行する部分 が互いに共同して、前記(1)項における「射 瞳制御部」の一例を構成し、液晶光学デバ ス70が同項における「光学素子」の一例を 成し、信号処理装置120のうち図8に示す瞳孔 ラッキングプログラムを実行する部分が、 項における「射出瞳制御手段」の一例を構 し、信号処理装置120のうち図11に示す画像 置補正プログラムを実行する部分が、同項 おける「変換特性補正手段」の一例を構成 ていると考えることが可能である。

 さらに、本実施形態においては、説明の 宜上、LCDドライバ42に供給される画像信号 画像位置信号との組合せが、前記(9)項にお る「画像信号」の一例を構成し、射出瞳の 平方向移動量と垂直方向移動量との組合せ 、同項における「光学素子の制御量に関連 る物理量」の一例を構成していると考える とが可能である。

 なお付言するに、本実施形態においては 瞳孔の動きに追従するように自動的に射出 が移動させられるが、ユーザからの指令に じた位置に射出瞳が移動するように液晶光 デバイス70が電気的に制御される態様で本 明を実施することが可能である。

 次に、本発明の第2実施形態を説明する。 ただし、本実施形態は、第1実施形態に対し 、光源部および画像光形成部についてのみ なり、他の要素については共通するため、 源部および画像光形成部についてのみ説明 る。

 図14には、本発明の第2実施形態に従うヘ ドマウントディスプレイ装置150が概念的に 路図で示されている。

 このヘッドマウントディスプレイ装置150 、概略的には、光源から入射したビーム状 光であって各画素ごとに強度変調されたも を、スキャナを用いて、面状の画像光に変 し、そのようにして形成された画像光を観 者の瞳孔を経て直接的に観察者の網膜上に 影し、それにより、観察者が画像を虚像と て観察することを可能にするように構成さ ている。

 図14に示すように、このヘッドマウント ィスプレイ装置150は、光源部152と、画像光 成部154とを、第1実施形態とは異なる要素と て有する一方、射出瞳制御部18と、瞳孔位 検出部20と、接眼光学系22とを、第1実施形態 と共通する要素として有している。

 光源部152は、赤色レーザビームを発する ーザ160と、緑色レーザビームを発するレー 162と、青色レーザビームを発するレーザ164 を備えている、それらレーザ160,162,164はそ ぞれ、個別のレーザドライバ170,172,174により 、発生させるレーザビームの強度が変調され る。具体的には、各レーザドライバ170,172,174 、各色のレーザビームに対応する画像信号 基づき、各画素ごとに強度(輝度)を実現す レーザビームを各レーザ160,162,164から発生さ せる。発生させられる各レーザビームの強度 は時間的に変化する。

 本実施形態においては、各レーザドライ 170,172,174に、上述の画像信号に加えて、画 位置信号も入力される。その画像位置信号 、3色のレーザビームを用いて最終的に2次元 的に形成される画像の、観察者に対する位置 を、デフォールト位置から水平方向と垂直方 向とにそれぞれ変位するために各レーザドラ イバ170,172,174に入力される。そのため、その 像位置信号は、表示画像の、デフォールト 置からの水平方向移動量を表す成分と、垂 方向移動量を表す成分とを有するように生 される。

 レーザ160,162,164から発生する3色のレーザ ームは、対応する画素の色および輝度を反 する1つのレーザビームとして合成される。 その合成されたレーザビームは、画像光形成 部154に入射する。

 画像光形成部154は、光源部152から入射し レーザビームを水平方向に走査するために 動される主走査ミラー180(例えば、ポリゴン ミラー)と、その主走査ミラー180から入射し レーザビームを今度は、垂直方向に走査す ために駆動される副走査ミラー182(例えば、 ルバノミラー)とを備えている。主走査ミラ ー180は、主走査ミラードライバ190によって駆 動され、また、副走査ミラー182は、副走査ミ ラードライバ192によって駆動される。

 画像光形成部154は、さらに、前段リレー ンズ200と、後段リレーレンズ202とを備えて る。前段リレーレンズ200は、主走査ミラー1 80の像を副走査ミラー182上に結像するように 成され、一方、後段リレーレンズ202は、副 査ミラー182によって走査された光束が液晶 学デバイス70上で中間像面を形成するよう 配置されている。

 なお付言するに、液晶光学デバイス70は 後段リレーレンズ202と接眼レンズ110との間 中間像面と同じ位置に配置されているが、 14においては、説明の便宜上、実際の距離関 係とは異なって記載されている。

 本実施形態においても、第1実施形態と同 様にして、射出瞳制御部18が、瞳孔位置検出 20による瞳孔位置の検出結果に基づき、ヘ ドマウントディスプレイ装置150の射出瞳を 瞳孔位置の変化に追従するように移動させ 。その結果、観察者は、瞳孔移動の有無に かわらず、表示画像を同じ表示状態で観察 続けることが可能となる。

 ところで、第1実施形態においては、光源 部12からの出射光を画像光形成部14が画像光 変換する変換特性が、LCDドライバ42に入力さ れる画像位置信号に依存しており、その画像 位置信号は、射出瞳の移動量に応じて生成さ れ、その結果、射出瞳の移動の有無にかかわ らず、観察者が画像を安定した位置において 観察し続けることが可能となる。

 これに対し、本実施形態においては、光 部152からの出射光を画像光形成部154が画像 に変換する変換特性が、レーザドライバ170, 172,174に入力される画像位置信号に依存して り、その画像位置信号は、射出瞳の移動量 応じて生成され、その結果、射出瞳の移動 有無にかかわらず、観察者が画像を安定し 位置において観察し続けることが可能とな 。

 以上の説明から明らかなように、本実施 態においては、説明の便宜上、レーザドラ バ170,172,174に供給される画像信号と画像位 信号との組合せが、前記(12)項における「画 信号」の一例を構成し、射出瞳の水平方向 動量と垂直方向移動量とがそれぞれ、同項 おける「光学素子の制御量に関連する物理 」の一例を構成していると考えることが可 である。

 次に、本発明の第3実施形態を説明する。 ただし、本実施形態は、第1実施形態に対し 、射出瞳制御部についてのみ異なり、他の 素については共通するため、射出瞳制御部 ついてのみ説明する。本実施形態につき、 1実施形態と共通する要素については、同一 符号または名称を用いて引用することによ 、重複した説明を省略する。

 図15には、本実施形態に従うヘッドマウ トディスプレイ装置300が光路図で示されて る。

 図1に示すように、第1実施形態において 、射出瞳制御部18が、透過型光学素子として の液晶光学デイバス70を主体として構成され いるが、本実施形態においては、図15に示 ように、射出瞳制御部310が、反射型光学素 としての偏向ミラー312を主体として構成さ ている。

 具体的には、射出瞳制御部310は、観察者 瞳孔位置の変化に追従するように、ヘッド ウントディスプレイ装置300の射出瞳の位置 制御するために設けられている。この射出 制御部310における偏向ミラー312は、ヘッド ウントディスプレイ装置300におけるある中 像面の位置に一致する位置に配置されてい 。

 図16に示すように、偏向ミラー312は、水 方向に延びるX軸まわりに揺動可能なフレー 314に、垂直方向に延びるY軸まわりに揺動可 能に装着された揺動ミラーである。フレーム 314は、ヘッドマウントディスプレイ装置300の うちの静止部材に装着された図示しないX軸 クチュエータによって揺動させられる一方 偏向ミラー312は、フレーム314に装着された 示しないY軸アクチュエータによって揺動さ られる。その結果、ヘッドマウントディス レイ装置300のうちの静止部材に対する偏向 ラー312の角度は、2次元的に調整可能となる 。

 図15に示すように、この偏向ミラー312は 偏向ミラードライバ320によって駆動される

 射出瞳制御部310は、瞳孔位置検出部20に って検出された瞳孔位置に基づき、観察者 各眼ごとに、瞳孔位置の変化に追従するよ に、偏向ミラー312の角度を変更し、それに り、ヘッドマウントディスプレイ装置300の 出瞳を移動させる。

 瞳孔位置検出部20は、観察者の眼の瞳孔 置を検出するために有用な情報を取得する めに使用されるデバイスとして、観察者の からの反射光を取り出すハーフミラー330を えている。この瞳孔位置検出部20は、さらに 、そのハーフミラー330からの入射光に基づき 、瞳孔位置を光学的に検出する瞳孔位置検出 回路102を備えている。

 ハーフミラー330は、リレー光学系16から 入射光を偏向ミラー312に向けて透過させる ともに、その透過光を接眼光学系22に向けて 反射する。このハーフミラー330は、さらに、 観察者の眼からの反射光であって、接眼光学 系22からの入射光を、瞳孔位置検出回路102の 光部(図示しない)に向けて透過させる。

 すなわち、このハーフミラー330は、観察 の眼からの反射光を瞳孔位置検出回路102に 導する機能のみならず、偏向ミラー312から 出射光を接眼光学系22に誘導する機能をも たすように設計されているのである。

 図17には、このヘッドマウントディスプ イ装置300のうちの電気的な部分がブロック で概念的に表されている。このヘッドマウ トディスプレイ装置300は、第1実施形態にお ると同様に、信号処理装置120を備えている

 その信号処理装置120は、LEDドライバ32、LC Dドライバ42、瞳孔位置検出回路102、偏向ミラ ードライバ320および可変焦点レンズドライバ 72に電気的に接続されている。

 図18に示すように、メモリ部124には、画 表示プログラムと、瞳孔トラッキングプロ ラムと、画像スケール補正プログラムとが 揮発的に予め記憶されている。画像表示プ グラムは、第1実施形態における画像表示プ グラムと共通するため、重複した説明を省 する。

 これに対し、瞳孔トラッキングプログラ は、瞳孔位置検出回路102からの信号であっ 瞳孔位置を表すものに基づき、その瞳孔位 の変化に追従するようにヘッドマウントデ スプレイ装置300の射出瞳を移動させるため コンピュータ122によって実行される。すな ち、瞳孔トラッキングプログラムは、射出 が瞳孔位置をトラッキングするようにする めにコンピュータ122によって実行されるの ある。

 図19には、その瞳孔トラッキングプログ ムが概念的にフローチャートで表されてい 。この瞳孔トラッキングプログラムは、ヘ ドマウントディスプレイ装置300の電源(図示 ない)がユーザによって投入された後に、自 動的に定期的に実行されるか、またはユーザ からのリクエストに応答して実行される。

 その実行時には、まず、ステップS201にお いて、瞳孔位置検出回路102からの信号に基づ き、瞳孔の水平方向位置Xが検出され、次に ステップS202において、瞳孔位置検出回路102 らの信号に基づき、瞳孔の垂直方向位置Yが 検出される。

 続いて、ステップS203において、検出され た水平方向位置Xに基づき、射出瞳が水平方 に瞳孔位置をトラッキングするために偏向 ラー312がY軸まわりに回転すべき角度、すな ち、Y軸まわり角度変更量(偏向ミラー312を 転させる向きを含む)が決定される。

 本実施形態においては、水平方向位置X( 孔位置の、中立位置からの水平方向ずれ量) 偏向ミラー312のY軸まわりの、中立位置から の回転角度量との対応関係がテーブルとして メモリ部124に予め記憶されており、その関係 に従い、瞳孔の水平方向位置Xの今回値に対 する偏向ミラー312のY軸まわり角度変更量が 定される。

 その後、ステップS204において、ステップ S203に準じて、検出された垂直方向位置Yに基 き、射出瞳が垂直方向に瞳孔位置をトラッ ングするために偏向ミラー312がX軸まわりに 回転すべき角度、すなわち、X軸まわり角度 更量(偏向ミラー312を回転させる向きを含む) が決定される。

 本実施形態においては、垂直方向位置Y( 孔位置の、中立位置からの垂直方向ずれ量) 偏向ミラー312のX軸まわりの、中立位置から の回転角度量との対応関係がテーブルとして メモリ部124に予め記憶されており、その関係 に従い、瞳孔の垂直方向位置Yの今回値に対 する偏向ミラー312のX軸まわり角度変更量が 定される。

 続いて、ステップS205において、ステップ S203およびS204においてそれぞれ決定されたY軸 まわり角度変更量およびX軸まわり角度変更 を実現することを偏向ミラードライバ320に 力すべき制御信号が生成される。

 その後、ステップS206において、その生成 された制御信号が偏向ミラードライバ320に出 力され、その結果、射出瞳の水平方向位置お よび垂直方向位置がそれぞれ、瞳孔の、現在 の水平方向位置および垂直方向位置に接近な いし一致させられる。

 以上で、この瞳孔トラッキングプログラ の一回の実行が終了する。

 図20には、前述の画像スケール補正プロ ラムが概念的にフローチャートで表されて る。以下、この画像スケール補正プログラ を説明するが、それに先立ち、この画像ス ール補正プログラムを用いる背景および目 を説明する。

 図21には、図15に示すヘッドマウントディ スプレイ装置300のうち、リレー光学系16と、 ーフミラー100と、偏向ミラー312と、接眼光 系22との間における光の経路が示されてい 。さらに、接眼光学系22から出射した光が、 射出瞳および観察者の眼球レンズを順に経て 、観察者の眼の網膜上に到達する様子も示さ れている。

 図21には、偏向ミラー312が中立位置にあ て、射出瞳が中立位置P1に一致する場合に、 接眼光学系22から出射する光によって形成さ る像面が示されている。この場合には、観 者は、寸法dAの像面が投影された虚像を知 することになる。

 これに対して、図22には、偏向ミラー312 、中立位置から回転した位置にあって、射 瞳が、中立位置P1から距離aだけずれた位置P2 に一致する場合に、偏向ミラー312に入射する 光とそこから出射する光とが示されている。 ここに、「偏向ミラー312が、中立位置から回 転した位置にある状態」とは、偏向ミラー312 上のすべての点が、図22に示すように、中間 面上に位置するわけではない状態である。 なわち、偏向ミラー312が全体的に中間像面 一致するわけではない状態なのである。

 図22に示すように、各瞬間においてある2 元画像を構成する複数個の画素をそれぞれ 成する複数本の光線に着目すると、偏向ミ ー312のうち、中間像面に対して射出瞳に近 部分(図22においては、偏向ミラー312のうち 上部)に入射する光線は、中間像面より手前 の位置で反射して射出瞳に向かう。

 これに対し、図22に示すように、偏向ミ ー312のうち、中間像面に対して射出瞳から い部分(図22においては、偏向ミラー312のう の下部)に入射する光線は、中間像面より遠 位置で反射して射出瞳に向かう。

 一方、観察者は、虚像を、中間像面上に 在するように知覚する。そのため、偏向ミ ー312が全体的に中間像面に一致する場合に 、虚像の大きさがdAの像面が投影された虚 となるが、偏向ミラー312が全体的に中間像 に一致するわけではない場合には、虚像の きさがdBの像面が投影された像に一致する。 寸法dBは、寸法dAより大きいから、結局、射 瞳が中立位置P1から外れている場合には、観 察者は、表示画像を、理想的な画像より大き いものとして知覚することになる。

 一方、実際に知覚される表示画像の大き の、理想的な画像の大きさに対するスケー は、1より大きく、かつ、そのスケールは、 射出瞳の、中立位置P1から移動量aに応じて一 義的に決まる。また、表示画像の大きさは、 LCDドライバ42に供給される画像信号を補正す ば、変更することが可能である。

 そこで、本実施形態においては、射出瞳 移動させることが必要である場合に、その 出瞳の移動に起因する表示画像の拡大が、 像信号の事前補正によって抑制されるので る。

 ここで、図20を参照することにより、前 の画像スケール補正プログラムを具体的に 明する。

 この画像スケール補正プログラムは、ヘ ドマウントディスプレイ装置300の電源が投 されている間、定期的に繰り返し実行され 。

 各回の実行時には、まず、ステップS301に おいて、図19に示すステップS203の実行によっ て決定された偏向ミラー312のY軸まわり角度 更量(中立位置からのずれ量)に応じて、射出 瞳の水平方向移動量(中立位置からのずれ量) 求められる。

 なお、射出瞳の水平方向移動量は、瞳孔 水平方向位置Xに常に実質的に一致させられ ることを前提としてもよい場合には、図19に すステップS201の実行によって検出された瞳 孔の水平方向位置Xとして取得してもよい。

 本実施形態においては、偏向ミラー312のY 軸まわり角度変更量と射出瞳の水平方向移動 量との関係が予めメモリ部124に記憶されてお り、その関係に従い、射出瞳の水平方向移動 量の今回値が求められる。

 次に、ステップS302において、ステップS30 1に準じて、図19に示すステップS204の実行に って決定された偏向ミラー312のX軸まわり角 変更量(中立位置からのずれ量)に応じて、 出瞳の垂直方向移動量(中立位置からのずれ )が求められる。

 なお、射出瞳の垂直方向移動量は、瞳孔 垂直方向位置Yに常に実質的に一致させられ ることを前提としてもよい場合には、図19に すステップS202の実行によって検出された瞳 孔の垂直方向位置Yとして取得してもよい。

 本実施形態においては、偏向ミラー312のX 軸まわり角度変更量と射出瞳の垂直方向移動 量との関係が予めメモリ部124に記憶されてお り、その関係に従い、射出瞳の垂直方向移動 量の今回値が求められる。

 続いて、ステップS303において、射出瞳の 水平方向移動に起因する表示画像の水平方向 拡大を抑制するために実現すべきスケール補 正率が決定される。このスケール補正率の大 きさは、射出瞳の水平方向移動量(中立位置 らの水平方向ずれ量)に基づいて決定される 具体的には、射出瞳の水平方向移動量と水 方向スケール補正率との間に予め定められ 関係であってメモリ部124に予め記憶されて るものに従い、今回の水平方向スケール補 率が決定される。

 その後、ステップS304において、射出瞳の 垂直方向移動に起因する表示画像の垂直方向 拡大を抑制するために実現すべきスケール補 正率が決定される。このスケール補正率の大 きさは、射出瞳の垂直方向移動量(中立位置 らの垂直方向ずれ量)に基づいて決定される 具体的には、射出瞳の垂直方向移動量と垂 方向スケール補正率との間に予め定められ 関係であってメモリ部124に予め記憶されて るものに従い、今回の垂直方向スケール補 率が決定される。

 続いて、ステップS305において、もと画像 信号がR/G/Bバッファ130から取り込まれる。そ 後、ステップS306において、その取り込まれ たもと画像信号が、上記決定された水平方向 スケール補正率および垂直方向スケール補正 率が同時に実現されるように、補正される。 図18に示す画像表示プログラムは、その補正 れた画像信号をLCDドライバ42に供給するこ により、画像を表示するように実行される

 以上で、この画像スケール補正プログラ の一回の実行が終了する。

 したがって、本実施形態によれば、射出 の移動の有無にかかわらず、観察者は、画 を、その画像の予定外の拡大が抑制された 態で観察することが可能となり、その結果 ヘッドマウントディスプレイ装置300による 像の表示品質が向上する。

 以上の説明から明らかなように、本実施 態においては、説明の便宜上、可変焦点レ ズ70と、信号処理装置120のうち図19に示す瞳 孔トラッキングプログラムを実行する部分と が互いに共同して、前記(1)項における「射出 瞳制御部」の一例を構成し、信号処理装置120 のうち図19に示す瞳孔トラッキングプログラ を実行する部分が、同項における「射出瞳 御手段」の一例を構成し、信号処理装置120 うち図20に示す画像スケール補正プログラ を実行する部分が、同項における「変換特 補正手段」の一例を構成し、偏向ミラー312 同項における「光学素子」の一例を構成し いると考えることが可能である。

 さらに、本実施形態においては、説明の 宜上、LCDドライバ42に供給される画像信号 、前記(9)項における「画像信号」の一例を 成し、射出瞳の水平方向移動量と垂直方向 動量とがそれぞれ、同項における「光学素 の制御量に関連する物理量」の一例を構成 ていると考えることが可能である。

 以上、本発明の実施の形態のいくつかを 面に基づいて詳細に説明したが、これらは 示であり、前記[発明の開示]の欄に記載の 様を始めとして、当業者の知識に基づいて 々の変形、改良を施した他の形態で本発明 実施することが可能である。

本発明の第1実施形態に従うヘッドマウ ントディスプレイ装置10を概念的に表す光路 である。 図1に示す液晶光学デバイス70を示す断 図である。 図2に示す液晶光学デバイス70による回 パターンと、その液晶光学デバイス70の複 の電極84に電圧を印加するためのモードの種 類との関係を説明するための図である。 図2に示す液晶光学デバイス70の複数の 極84に電圧を印加するためのモードの種類 説明するためのグラフである。 図2に示す液晶光学デバイス70の回折に り、図1に示すヘッドマウントディスプレイ 装置10の射出瞳が移動する原理を説明するた の光路図である。 図1に示すヘッドマウントディスプレイ 装置10のうちの電気的な構成を概念的に説明 るためのブロック図である。 図6に示すメモリ部124に予め記憶されて いるプログラムを示す図である。 図7に示す瞳孔トラッキングプログラム を概念的に表すフローチャートである。 図8に示す瞳孔トラッキングプログラム において、瞳孔位置に応じて3つのモードの ちのいずれかを選択するために従うアルゴ ズムを説明するための図である。 図10(a)は、図2に示す液晶光学デバイス 70の複数の電極84に電圧を印加するための別 モード4を説明するためのグラフであり、図1 0(b)は、そのモード4を選択したときに実現さ る液晶光学デバイス70の回折パターンを説 するための光路図である。 図7に示す画像位置補正プログラムを 念的に表すフローチャートである。 図1に示す液晶光学デバイス70による回 折によって射出瞳が移動するのに伴って中間 像面上の虚像が移動する原理を説明するため の光路図である。 図1に示す液晶光学デバイス70による回 折によって射出瞳が移動するのに伴って表示 画像が観察者に対して相対的に移動する様子 を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に従うヘッドマ ントディスプレイ装置150を概念的に表す光 図である。 本発明の第3実施形態に従うヘッドマ ントディスプレイ装置300を概念的に表す光 図である。 図15に示す偏向ミラー312を拡大して示 正面図である。 図15に示すヘッドマウントディスプレ 装置300のうちの電気的な構成を概念的に説 するためのブロック図である。 図17に示すメモリ部124に予め記憶され いるプログラムを示す図である。 図18に示す瞳孔トラッキングプログラ を概念的に表すフローチャートである。 図18に示す画像スケール補正プログラ を概念的に表すフローチャートである。 図20に示す画像スケール補正プログラ を説明するための光路図である。 図20に示す画像スケール補正プログラ を説明するための別の光路図である。




 
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