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Title:
IMAGE ENCODING METHOD AND IMAGE DECODING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/090884
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an image encoding method which performs an intra prediction of a high encoding efficiency. The image encoding method encodes image data for each block. The method includes: a prediction step which predicts an object block and generates a prediction block; a subtraction step which calculates a difference between the object block and the prediction block; an encoding step for encoding the difference calculated by the subtraction step; a decoding step for decoding the encoded difference; and an addition step which adds the decoded difference and the prediction block so as to generate a decoding block. The prediction step has: an edge detection step which detects an edge within the generated decoding block corresponding to a block adjacent to the object block; and a prediction block generation step which generates a prediction block by extrapolating or interpolating the generated decoding image data corresponding to the pixel contained in a block adjacent to the object block along the detected edge direction.

Inventors:
DRUGEON VIRGINIE
WEDI THOMAS
PALFNER TORSTEN
SASAI HISAO
Application Number:
PCT/JP2009/000150
Publication Date:
July 23, 2009
Filing Date:
January 16, 2009
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
DRUGEON VIRGINIE
WEDI THOMAS
PALFNER TORSTEN
SASAI HISAO
International Classes:
H04N7/32; H04N19/593
Foreign References:
JPH04277982A1992-10-02
JP2007166617A2007-06-28
JP2006523073A2006-10-05
Other References:
See also references of EP 2230851A4
Attorney, Agent or Firm:
NII, Hiromori (6FTanaka Ito Pia Shin-Osaka Bldg.,3-10, Nishi Nakajima 5-chome, Yodogawa-k, Osaka-city Osaka 11, JP)
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Claims:
 画像データをブロック毎に符号化する画像符号化方法であって、
 前記画像データを複数のブロックに分割する分割ステップと、
 前記複数のブロックの1つである対象ブロックを予測することで予測ブロックを生成する予測ステップと、
 前記対象ブロックと前記予測ブロックとの差分を算出する減算ステップと、
 前記減算ステップで算出された差分を符号化する符号化ステップと、
 前記符号化ステップで符号化された差分を復号する復号ステップと、
 前記復号ステップで復号された差分と前記予測ブロックとを加算することで復号ブロックを生成する加算ステップとを含み、
 前記予測ステップは、
 前記対象ブロックに近接するブロックに対応する、前に生成された復号ブロック内のエッジを検出するエッジ検出ステップと、
 前記エッジ検出ステップで検出されたエッジの方向に沿って、前記対象ブロックに近接するブロックに含まれる画素に対応する、前に生成された復号画像データを外挿又は内挿することで前記予測ブロックを生成する予測ブロック生成ステップとを含む
 画像符号化方法。
 前記予測ブロック生成ステップでは、前記復号画像データを線形に外挿又は内挿することで前記予測ブロックを生成する
 請求項1記載の画像符号化方法。
 前記予測ブロック生成ステップでは、前記予測ブロックを構成する予測画素毎に前記復号画像データに含まれる複数の復号画素の画素値の少なくとも2つの重み付け加算和を算出し、算出した重み付け加算和を外挿又は内挿することで、前記予測ブロックを生成し、
 前記重み付け加算和の算出に用いられる重みは、前記エッジ検出ステップで検出されたエッジの方向に基づいて決定される
 請求項2記載の画像符号化方法。
 前記重みのそれぞれは、当該重みに対応する復号画素から、前記予測画素への距離が小さいほど、大きな値になるように決定される
 請求項3記載の画像符号化方法。
 前記エッジ検出ステップでは、互いに異なる方向を有する少なくとも2つのエッジを検出し、
 前記予測ブロック生成ステップでは、前記予測画素毎に、前記少なくとも2つのエッジそれぞれの方向に沿って外挿又は内挿するための前記複数の復号画素の画素値を合成し、合成した画素値を外挿又は内挿することで、前記予測ブロックを生成する
 請求項4記載の画像符号化方法。
 前記予測ブロック生成ステップでは、前記予測画素毎に、前記複数の復号画素の画素値のそれぞれに重みを乗じることで前記重み付け加算和を算出し、算出した重み付け加算和を外挿又は内挿することで、前記予測ブロックを生成し、
 前記重みのそれぞれは、当該重みに対応する復号画素から、前記少なくとも2つのエッジのいずれかが検出された復号ブロックまでの距離が小さいほど、大きな値になるように決定される
 請求項5記載の画像符号化方法。
 前記重みのそれぞれは、当該重みに対応する復号画素から、前記少なくとも2つのエッジのいずれかの延長線までの距離が小さいほど、大きな値になるように決定される
 請求項6記載の画像符号化方法。
 前記予測ステップは、さらに、
 エッジ予測モードを含む複数の予測モードから1つの予測モードを選択する予測モード選択ステップを含み、
 前記予測ブロック生成ステップでは、前記エッジ予測モードが選択された場合に、前記エッジ検出モードで検出されたエッジの方向に沿って前記復号画像データを外挿又は内挿することで、前記予測ブロックを生成する
 請求項1記載の画像符号化方法。
 前記複数の予測モードは、さらに、DC予測モードと予め定義された複数の方向予測モードとを含み、
 前記予測ブロック生成ステップでは、前記DC予測モードが選択された場合には、前記復号画像データの平均値を算出することで前記予測ブロックを生成し、前記複数の方向予測モードの1つが選択された場合には、選択された方向予測モードに対応する方向に沿って前記復号画像データを外挿することで前記予測ブロックを生成する
 請求項8記載の画像符号化方法。
 前記予測モード選択ステップでは、
 前記エッジ検出ステップでエッジが検出された場合に、前記エッジ予測モードと前記複数の方向予測モードとの中から1つの予測モードを選択し、
 前記エッジ検出ステップでエッジが検出されない場合に、前記DC予測モードと前記複数の方向予測モードとの中から1つの予測モードを選択する
 請求項9記載の画像符号化方法。
 前記符号化ステップでは、さらに、
 前記予測モード選択ステップで前記複数の方向予測モードの1つが選択された場合、選択された方向予測モードを示すモード指示を符号化し、
 前記DC予測モード又は前記エッジ予測モードが選択された場合、前記DC予測モード及び前記エッジ予測モードのいずれかのモードであることを示すモード指示を符号化する
 請求項10記載の画像符号化方法。
 前記予測モード選択ステップでは、
 前記エッジ検出ステップでエッジが検出され、かつ、検出されたエッジの方向が前記対象ブロックを指す場合に、前記エッジ予測モードと前記複数の方向予測モードとの中から1つの予測モードを選択し、
 前記エッジ検出ステップでエッジが検出されない場合、又は、エッジが検出され、検出されたエッジの方向が前記対象ブロックを指さない場合に、前記DC予測モードと前記複数の方向予測モードとの中から1つの予測モードを選択する
 請求項9記載の画像符号化方法。
 前記エッジ検出ステップは、
 前記対象ブロックに近接するブロックに対応する、前に生成された復号ブロックの複数の画素のそれぞれに対応する勾配ベクトルを算出する勾配ベクトル算出ステップと、
 前記勾配ベクトル算出ステップで算出された勾配ベクトルのうち、ノルムが予め定められた閾値を超え、かつ、当該勾配ベクトルに直交する直交ベクトルが前記対象ブロックを指すという条件を満たす少なくとも1つの勾配ベクトルが存在するか否かを判定するベクトル判定ステップと、
 前記ベクトル判定ステップで前記条件を満たす少なくとも1つの勾配ベクトルが存在すると判定された場合、前記条件を満たす少なくとも1つの勾配ベクトルに直交する直交ベクトルの方向をエッジの方向とするエッジを検出するエッジ方向決定ステップとを含む
 請求項1記載の画像符号化方法。
 前記エッジ方向決定ステップでは、前記条件を満たす少なくとも1つの勾配ベクトルのうち最大のノルムを有する勾配ベクトルの方向から前記エッジの方向を決定する
 請求項13記載の画像符号化方法。
 前記エッジ方向決定ステップでは、前記条件を満たす少なくとも1つの勾配ベクトルのうち少なくとも1つの勾配ベクトルの方向を平均することで得られる方向から前記エッジの方向を決定する
 請求項13記載の画像符号化方法。
 符号化された予測残差を含む画像データをブロック毎に復号する画像復号方法であって、
 対象ブロックの前記予測残差を復号する復号ステップと、
 前記対象ブロックを予測することで予測ブロックを生成する予測ステップと、
 前記予測ステップで生成された予測ブロックと、前記復号ステップで復号された予測残差とを加算することで復号ブロックを生成する加算ステップとを含み、
 前記予測ステップは、
 前記対象ブロックに近接するブロックに対応する、前に生成された復号ブロック内のエッジを検出するエッジ検出ステップと、
 前記エッジ検出ステップで検出されたエッジの方向に沿って、前記対象ブロックに近接するブロックに含まれる画素に対応する、前に生成された復号画像データを外挿又は内挿することで前記予測ブロックを生成する予測ブロック生成ステップとを含む
 画像復号方法。
 前記予測ブロック生成ステップでは、前記復号画像データを線形に外挿又は内挿することで前記予測ブロックを生成する
 請求項16記載の画像復号方法。
 前記予測ブロック生成ステップでは、前記予測ブロックを構成する予測画素毎に前記復号画像データに含まれる複数の復号画素の画素値の少なくとも2つの重み付け加算和を算出し、算出した重み付け加算和を外挿又は内挿することで、前記予測ブロックを生成し、
 前記重み付け加算和の算出に用いられる重みは、前記エッジ検出ステップで検出されたエッジの方向に基づいて決定される
 請求項17記載の画像復号方法。
 前記重みのそれぞれは、当該重みに対応する復号画素から、前記予測画素への距離が小さいほど、大きな値になるように決定される
 請求項18記載の画像復号方法。
 前記エッジ検出ステップでは、互いに異なる方向を有する少なくとも2つのエッジを検出し、
 前記予測ブロック生成ステップでは、前記予測画素毎に、前記少なくとも2つのエッジそれぞれの方向に沿って外挿又は内挿するための前記複数の復号画素の画素値を合成し、合成した画素値を外挿又は内挿することで、前記予測ブロックを生成する
 請求項19記載の画像復号方法。
 前記予測ブロック生成ステップでは、前記予測画素毎に、前記複数の復号画素の画素値のそれぞれに重みを乗じることで前記重み付け加算和を算出し、算出した重み付け加算和を外挿又は内挿することで、前記予測ブロックを生成し、
 前記重みのそれぞれは、当該重みに対応する復号画素から、前記少なくとも2つのエッジのいずれかが検出された復号ブロックまでの距離が小さいほど、大きな値になるように決定される
 請求項20記載の画像復号方法。
 前記重みのそれぞれは、当該重みに対応する復号画素から、前記少なくとも2つのエッジのいずれかの延長線までの距離が小さいほど、大きな値になるように決定される
 請求項21記載の画像復号方法。
 前記予測ステップは、さらに、
 エッジ予測モードを含む複数の予測モードから1つの予測モードを選択する予測モード選択ステップを含み、
 前記予測ブロック生成ステップでは、前記エッジ予測モードが選択された場合に、前記エッジ検出モードで検出されたエッジの方向に沿って前記復号画像データを外挿又は内挿することで、前記予測ブロックを生成する
 請求項16記載の画像復号方法。
 前記複数の予測モードは、さらに、DC予測モードと予め定義された複数の方向予測モードとを含み、
 前記予測ブロック生成ステップでは、前記DC予測モードが選択された場合には、前記復号画像データの平均値を算出することで前記予測ブロックを生成し、前記複数の方向予測モードの1つが選択された場合には、選択された方向予測モードに対応する方向に沿って前記復号画像データを外挿することで前記予測ブロックを生成する
 請求項23記載の画像復号方法。
 前記予測モード選択ステップでは、
 前記エッジ検出ステップでエッジが検出された場合に、前記エッジ予測モードと前記複数の方向予測モードとの中から1つの予測モードを選択し、
 前記エッジ検出ステップでエッジが検出されない場合に、前記DC予測モードと前記複数の方向予測モードとの中から1つの予測モードを選択する
 請求項24記載の画像復号方法。
 前記画像データは、さらに、予測モードを示す予測モード指示を含み、
 前記予測モード選択ステップでは、前記予測モード指示が前記DC予測モード又は前記エッジ予測モードを示す場合であって、さらに、前記エッジ検出ステップでエッジが検出された場合には前記エッジ予測モードを選択し、前記エッジ検出ステップでエッジが検出されない場合には前記DC予測モードを選択する
 請求項25記載の画像復号方法。
 前記予測モード選択ステップでは、
 前記エッジ検出ステップでエッジが検出され、かつ、検出されたエッジの方向が前記対象ブロックを指す場合に、前記エッジ予測モードと前記複数の方向予測モードとの中から1つの予測モードを選択し、
 前記エッジ検出ステップでエッジが検出されない場合、又は、エッジが検出され、検出されたエッジの方向が前記対象ブロックを指さない場合に、前記DC予測モードと前記複数の方向予測モードとの中から1つの予測モードを選択する
 請求項24記載の画像復号方法。
 前記エッジ検出ステップは、
 前記対象ブロックに近接するブロックに対応する、前に生成された復号ブロックの複数の画素のそれぞれに対応する勾配ベクトルを算出する勾配ベクトル算出ステップと、
 前記勾配ベクトル算出ステップで算出された勾配ベクトルのうち、ノルムが予め定められた閾値を超え、かつ、当該勾配ベクトルに直交する直交ベクトルが前記対象ブロックを指すという条件を満たす少なくとも1つの勾配ベクトルが存在するか否かを判定するベクトル判定ステップと、
 前記ベクトル判定ステップで前記条件を満たす少なくとも1つの勾配ベクトルが存在すると判定された場合、前記条件を満たす少なくとも1つの勾配ベクトルに直交する直交ベクトルの方向をエッジの方向とするエッジを検出するエッジ方向決定ステップとを含む
 請求項16記載の画像復号方法。
 前記エッジ方向決定ステップでは、前記条件を満たす少なくとも1つの勾配ベクトルのうち最大のノルムを有する勾配ベクトルの方向から前記エッジの方向を決定する
 請求項28記載の画像復号方法。
 前記エッジ方向決定ステップでは、前記条件を満たす少なくとも1つの勾配ベクトルのうち少なくとも1つの勾配ベクトルの方向を平均することで得られる方向から前記エッジの方向を決定する
 請求項28記載の画像復号方法。
 画像データをブロック毎に符号化する画像符号化装置であって、
 前記画像データを複数のブロックに分割する分割手段と、
 前記複数のブロックの1つである対象ブロックを予測することで予測ブロックを生成する予測手段と、
 前記対象ブロックと前記予測ブロックとの差分を算出する減算手段と、
 前記減算手段によって算出された差分を符号化する符号化手段と、
 前記符号化手段によって符号化された差分を復号する復号手段と、
 前記復号手段によって復号された差分と前記予測ブロックとを加算することで復号ブロックを生成する加算手段とを備え、
 前記予測手段は、
 前記対象ブロックに近接するブロックに対応する、前に生成された復号ブロック内のエッジを検出するエッジ検出部と、
 前記エッジ検出部によって検出されたエッジの方向に沿って、前記対象ブロックに近接するブロックに含まれる画素に対応する、前に生成された復号画像データを外挿又は内挿することで前記予測ブロックを生成する予測ブロック生成部とを有する
 画像符号化装置。
 符号化された予測残差を含む画像データをブロック毎に復号する画像復号装置であって、
 対象ブロックの前記予測残差を復号する復号手段と、
 前記対象ブロックを予測することで予測ブロックを生成する予測手段と、
 前記予測手段によって生成された予測ブロックと、前記復号ステップで復号された予測残差とを加算することで復号ブロックを生成する加算手段とを備え、
 前記予測手段は、
 前記対象ブロックに近接するブロックに対応する、前に生成された復号ブロック内のエッジを検出するエッジ検出部と、
 前記エッジ検出部によって検出されたエッジの方向に沿って、前記対象ブロックに近接するブロックに含まれる画素に対応する、前に生成された復号画像データを外挿又は内挿することで前記予測ブロックを生成する予測ブロック生成部とを有する
 画像復号装置。
 請求項31記載の画像符号化装置と、請求項32記載の画像復号装置とを備える
 コーデック装置。
 画像データをブロック毎に符号化する画像符号化方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
 前記画像データを複数のブロックに分割する分割ステップと、
 前記複数のブロックの1つである対象ブロックを予測することで予測ブロックを生成する予測ステップと、
 前記対象ブロックと前記予測ブロックとの差分を算出する減算ステップと、
 前記減算ステップで算出された差分を符号化する符号化ステップと、
 前記符号化ステップで符号化された差分を復号する復号ステップと、
 前記復号ステップで復号された差分と前記予測ブロックとを加算することで復号ブロックを生成する加算ステップとを含み、
 前記予測ステップは、
 前記対象ブロックに近接するブロックに対応する、前に生成された復号ブロック内のエッジを検出するエッジ検出ステップと、
 前記エッジ検出ステップで検出されたエッジの方向に沿って、前記対象ブロックに近接するブロックに含まれる画素に対応する、前に生成された復号画像データを外挿又は内挿することで前記予測ブロックを生成する予測ブロック生成ステップとを含む
 プログラム。
 符号化された予測残差を含む画像データをブロック毎に復号する画像復号方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
 対象ブロックの前記予測残差を復号する復号ステップと、
 前記対象ブロックを予測することで予測ブロックを生成する予測ステップと、
 前記予測ステップで生成された予測ブロックと、前記復号ステップで復号された予測残差とを加算することで復号ブロックを生成する加算ステップとを含み、
 前記予測ステップは、
 前記対象ブロックに近接するブロックに対応する、前に生成された復号ブロック内のエッジを検出するエッジ検出ステップと、
 前記エッジ検出ステップで検出されたエッジの方向に沿って、前記対象ブロックに近接するブロックに含まれる画素に対応する、前に生成された復号画像データを外挿又は内挿することで前記予測ブロックを生成する予測ブロック生成ステップとを含む
 プログラム。
Description:
画像符号化方法及び画像復号方

 本発明は、より良い符号化効率で画像及 映像データを圧縮符号化する画像符号化方 と、圧縮符号化された画像及び映像データ 復元する画像復号方法と、対応する画像符 化装置及び画像復号装置に関する。

 インターネットを介したビデオ会議、デ タルビデオ放送、及び、映像コンテンツの トリーミングを含む、例えば、ビデオ・オ ・デマンドタイプのサービスのためのアプ ケーションの数は右肩上がりであり、これ のアプリケーションは、映像情報の送信に っている。映像データが送信され、又は、 録される時、かなりの量のデータは、限ら たバンド幅の従来の伝送路を通って送信さ 、又は、限られたデータ容量の従来の記憶 体に記憶される。従来の伝送チャネル及び 憶媒体に映像情報を送信及び記憶するため は、デジタルデータの量を圧縮又は削減す ことが不可欠である。

 そこで、映像データの圧縮のために、複 の映像符号化規格が開発されている。この うな映像符号化規格は、例えば、H.26xで示 れるITU-T規格、及び、MPEG-xで示されるISO/IEC 格である。最新かつ最も進んだ映像符号化 格は、現在、H.264/MPEG-4 AVCで示される規格で ある(非特許文献1参照)。

 これらの規格のほとんどの基礎をなす符 化アプローチは、以下の(a)~(d)で示される主 な段階を含む予測符号化に基づいている。

 (a)映像フレームのそれぞれをブロックレ ルでデータ圧縮するために、映像フレーム 画素のブロックに分割する。

 (b)先に符号化された映像データから個々 ブロックを予測することで、時間的及び空 的冗長性を特定する。

 (c)映像データから予測データを減ずるこ で、特定された冗長性を除去する。

 (d)フーリエ変換、量子化、及び、エント ピー符号化によって、残りのデータを圧縮 る。

 現在の映像符号化規格では、各マクロブ ックを予測するのに用いられる予測モード 異なる。ほとんどの映像符号化規格は、前 符号化及び復号されたフレームから映像デ タを予測するために動き検出及び動き補償 用いる(インターフレーム予測)。あるいは ブロックデータは、同じフレームの隣接す ブロックから外挿されてもよい(イントラフ ーム予測)。H.264/AVC規格は、例えば、外挿の ために用いられる参照画素に対して、又は、 画素が外挿される方向に対して、いくつかの 異なるイントラフレーム予測モードを定義す る。

 図1A及び図1Bは、H.264/AVC規格で定められた イントラ予測モードを示す図である。図1Aに すように、4×4画素の対象ブロック10は、予 される対象ブロック10の上と左とに位置す 13個の参照画素20を外挿することで予測され 。この予測により、対象ブロック10に対応 る予測ブロックが生成される。このとき、 挿を実行するために、図1Bに示される8個の り得る外挿方向(イントラ予測方向)から1つ 選択される。あるいは、DC予測モードが選択 されてもよい。DC予測モードでは、対象ブロ ク10を予測するために参照画素の平均値を いる。

 イントラフレーム予測では、4×4、8×8又 16×16画素のサイズのサブブロックの空間予 が、自然画像に存在する空間的冗長性を低 するために実行される。既に符号化された 囲ブロックの画素値(参照画素の画素値)は、 対象ブロックの画素値を予測するために用い られる。これらの参照画素は、予め定義され た予測モードに従って外挿される。H.264/AVC規 格では、4×4及び8×8サイズのサブブロックの めに9つの予測モードが、16×16画素サイズの マクロブロックのために4つの予測モードが る。

 8×8画素より小さいサブブロックに対して、 9つの予測モードは、方向性構造を予測する に適した8つの予測方向(図1B参照)と、いわゆ るDC予測モードとから構成される。DC予測モ ドでは、対象ブロックの全ての画素は、周 参照画素の平均値である単一の値で予測さ る。方向モードでは、参照画素が、対応す 方向に沿って繰り返される。例えば、垂直 ードの場合、対象ブロックのすぐ上の行の 照画素が、垂直方向に繰り返される(外挿さ る)。一方で、水平モードの場合、対象ブロ ックのすぐ左の列の画素が水平方向に繰り返 される(外挿される)。残りのモードは、同様 派生する斜め方向モードである。
ISO/IEC 14496-10「MPEG-4 Part 10 Advanced Video Coding」

 しかしながら、上記従来技術では、対象 ロックにシャープな直線のエッジが含まれ 適切な予測ブロックを生成することができ い場合には、符号量が多くなる、又は、符 化画像内に歪みが生じるという課題がある 具体的には、以下の通りである。

 従来の予め定義されたイントラ予測方向 は、限界がある。すなわち、イントラ予測 向は、図1Bに示す8方向に限られている。し がって、上記従来技術では、8方向のいずれ か1つの方向に従ったイントラ予測しか実行 ることができない。

 シャープな直線のエッジがある場合、エ ジの角度に最も近い角度を持つイントラ予 モードが、図1Bの8方向の中から選択され、 択された方向の予測モードに従って対象ブ ックは予測される。しかし、予測モードの 度が、エッジの本当の角度からわずかに異 っている場合、予測ブロックは、実際のエ ジの方向とは異なる方向にもエッジを含む このため、対象ブロックから予測ブロック 減算することで算出される差分画像には、 に、参照画素から最も離れた画素で大きな 周波成分が生じる。

 高周波成分は、通常符号化するのに多く ビットが必要であるので、発生する符号量 多くなる。あるいは、符号量の発生を抑え ために高周波成分をカットすると符号化画 内に歪みが生じる。

 そこで、本発明は、上記課題を解決する めになされたものであって、より高い符号 効率が達成され、符号化歪みが抑制される うに、画像及び映像データを符号化する画 符号化方法、及び、符号化された画像及び 像データを復号する画像復号方法を提供す ことを目的とする。

 上記課題を解決するため、本発明の画像 号化方法は、画像データをブロック毎に符 化する画像符号化方法であって、前記画像 ータを複数のブロックに分割する分割ステ プと、前記複数のブロックの1つである対象 ブロックを予測することで予測ブロックを生 成する予測ステップと、前記対象ブロックと 前記予測ブロックとの差分を算出する減算ス テップと、前記減算ステップで算出された差 分を符号化する符号化ステップと、前記符号 化ステップで符号化された差分を復号する復 号ステップと、前記予測ブロックと前記復号 ステップで復号された差分とを加算する加算 ステップとを含み、前記予測ステップは、前 記対象ブロックに近接するブロックに対応す る、前に生成された復号ブロック内のエッジ を検出するエッジ検出ステップと、前記エッ ジ検出ステップで検出されたエッジの方向に 沿って、前記対象ブロックに近接するブロッ クに含まれる画素に対応する、前に生成され た復号画像データを外挿又は内挿することで 前記予測ブロックを生成する予測ブロック生 成ステップとを含む。

 これにより、対象ブロックの周囲のブロ クにおいて検出されたエッジの方向を予測 向として予測ブロックを生成することがで る。このため、特に対象ピクチャがシャー なエッジを含む場合には、従来の予め定義 れた方向予測モードを用いて生成した予測 ロックよりも適切な予測ブロックを生成す ことができる。したがって、対象ブロック 予測ブロックとの差分である予測残差は小 くなるので、符号化歪みを抑制することが き、また、符号化効率を高めることができ 。

 また、前記予測ブロック生成ステップで 、前記復号画像データを線形に外挿又は内 することで前記予測ブロックを生成しても い。

 また、前記予測ブロック生成ステップで 、前記予測ブロックを構成する予測画素毎 前記復号画像データに含まれる複数の復号 素の画素値の少なくとも2つの重み付け加算 和を算出し、算出した重み付け加算和を外挿 又は内挿することで、前記予測ブロックを生 成し、前記重み付け加算和の算出に用いられ る重みは、前記エッジ検出ステップで検出さ れたエッジの方向に基づいて決定されてもよ い。

 これにより、予測値の算出の対象となる 測画素を通り、検出されたエッジの方向の 線上に整数画素がない場合であっても、近 の画素の重み付け加算和を算出することに り、適切な予測値を算出することができる

 また、前記重みのそれぞれは、前記予測 素の位置に対応して決定されてもよい。具 的には、前記予測画素と予測ブロック生成 用いられる前記復号画素の距離が小さいほ 、大きな値になるように決定されてもよい

 また、前記エッジ検出ステップでは、互 に異なる方向を有する少なくとも2つのエッ ジを検出し、前記予測ブロック生成ステップ では、前記予測画素毎に、前記少なくとも2 のエッジそれぞれの方向に沿って外挿又は 挿するための前記複数の復号画素の画素値 合成し、合成した画素値を外挿又は内挿す ことで、前記予測ブロックを生成してもよ 。

 これにより、複数のエッジが対象ブロッ の周囲のブロックにおいて検出された場合 あっても、複数のエッジのそれぞれの方向 沿って予測値を算出することができるので 適切な予測値を算出することができる。

 また、前記予測ブロック生成ステップで 、前記予測画素毎に、前記複数の復号画素 画素値のそれぞれに重みを乗じることで前 重み付け加算和を算出し、算出した重み付 加算和を外挿又は内挿することで、前記予 ブロックを生成し、前記重みのそれぞれは 当該重みに対応する復号画素から、前記少 くとも2つのエッジのいずれかが検出された 復号ブロックまでの距離が小さいほど、大き な値になるように決定されてもよい。

 また、前記重みのそれぞれは、当該重み 対応する復号画素から、前記少なくとも2つ のエッジのいずれかの延長線までの距離が小 さいほど、大きな値になるように決定されて もよい。

 また、前記予測ステップは、さらに、エ ジ予測モードを含む複数の予測モードから1 つの予測モードを選択する予測モード選択ス テップを含み、前記予測ブロック生成ステッ プでは、前記エッジ予測モードが選択された 場合に、前記エッジ検出モードで検出された エッジの方向に沿って前記復号画像データを 外挿又は内挿することで、前記予測ブロック を生成してもよい。

 これにより、エッジが検出された場合に 検出されたエッジの方向に沿った外挿又は 挿を行うエッジ予測モードを実行すること でき、エッジが検出されない場合には、通 の予測モードを実行することができる。

 また、前記複数の予測モードは、さらに DC予測モードと予め定義された複数の方向 測モードとを含み、前記予測ブロック生成 テップでは、前記DC予測モードが選択された 場合には、前記復号画像データの平均値を算 出することで前記予測ブロックを生成し、前 記複数の方向予測モードの1つが選択された 合には、選択された方向予測モードに対応 る方向に沿って前記復号画像データを外挿 ることで前記予測ブロックを生成してもよ 。

 また、前記予測モード選択ステップでは 前記エッジ検出ステップでエッジが検出さ た場合に、前記エッジ予測モードと前記複 の方向予測モードとの中から1つの予測モー ドを選択し、前記エッジ検出ステップでエッ ジが検出されない場合に、前記DC予測モード 前記複数の方向予測モードとの中から1つの 予測モードを選択してもよい。

 これにより、エッジが検出された場合に エッジ予測モードと従来の方向予測モード を予測モードの候補として最適な予測モー を選択することができ、エッジが検出され い場合にはDC予測モードと従来の方向予測 ードとを予測モードの候補として最適な予 モードを選択することができる。なお、エ ジが検出された場合には、対象ブロックは 坦である可能性は低く、DC予測モードで生成 した予測ブロックと対象ブロックとの差分は 通常大きくなる。このため、符号化効率は悪 くなるので、エッジが検出された場合にDC予 モードが選択されることはほとんどないた 、DC予測モードを予測モードの候補から除 することができる。

 また、前記符号化ステップでは、さらに 前記予測モード選択ステップで前記複数の 向予測モードの1つが選択された場合、選択 された方向予測モードを示すモード指示を符 号化し、前記DC予測モード又は前記エッジ予 モードが選択された場合、前記DC予測モー 及び前記エッジ予測モードのいずれかのモ ドであることを示すモード指示を符号化し もよい。

 これにより、従来のDC予測モードを示す 報をエッジ予測モードを示す情報として用 ることができるので、符号化時にエッジ予 モードを示す情報を新たに符号化する必要 なく、符号化効率を高めることができる。 述のように、エッジが検出された場合など ようなエッジ予測モードが選択されうる場 に、DC予測モードが選択される可能性は低い 。また、DC予測モードが選択されうる場合に エッジ予測モードが選択される可能性も低 。したがって、予測モードの候補としてエ ジ予測モードとDC予測モードとの双方が必 となる場合はほとんどないため、DC予測モー ドを示す情報をエッジ予測モードを示す情報 としても割り当てることができる。

 また、前記予測モード選択ステップでは 前記エッジ検出ステップでエッジが検出さ 、かつ、検出されたエッジの方向が前記対 ブロックを指す場合に、前記エッジ予測モ ドと前記複数の方向予測モードとの中から1 つの予測モードを選択し、前記エッジ検出ス テップでエッジが検出されない場合、又は、 エッジが検出され、検出されたエッジの方向 が前記対象ブロックを指さない場合に、前記 DC予測モードと前記複数の方向予測モードと 中から1つの予測モードを選択してもよい。

 また、前記エッジ検出ステップは、前記 象ブロックに近接するブロックに対応する 前に生成(符号化及び復号)された復号ブロ クの複数の画素のそれぞれに対応する勾配 クトルを算出する勾配ベクトル算出ステッ と、前記勾配ベクトル算出ステップで算出 れた勾配ベクトルのうち、ノルムが予め定 られた閾値を超え、かつ、当該勾配ベクト に直交する直交ベクトルが前記対象ブロッ を指すという条件を満たす少なくとも1つの 配ベクトルが存在するか否かを判定するベ トル判定ステップと、前記ベクトル判定ス ップで前記条件を満たす少なくとも1つの勾 配ベクトルが存在すると判定された場合、前 記条件を満たす少なくとも1つの勾配ベクト に直交する直交ベクトルの方向をエッジの 向とするエッジを検出するエッジ方向決定 テップとを含んでもよい。

 これにより、対象ブロックからではなく 囲のブロックを利用してエッジを検出する とができるので、エッジの方向を示す情報 どのエッジ予測モードに必要な情報を復号 側に伝送する必要がなくなる。よって、符 化効率をより高めることができる。

 また、前記エッジ方向決定ステップでは 前記条件を満たす少なくとも1つの勾配ベク トルのうち最大のノルムを有する勾配ベクト ルから決められる方向を前記エッジの方向と して決定してもよい。

 また、前記エッジ方向決定ステップでは 前記条件を満たす少なくとも1つの勾配ベク トルのうち少なくとも1つの勾配ベクトルの 向を平均することで得られる方向から決め れる方向を前記エッジの方向として決定し もよい。

 また、本発明の画像復号方法は、符号化 れた予測残差を含む画像データをブロック に復号する画像復号方法であって、対象ブ ックの前記予測残差を復号する復号ステッ と、前記対象ブロックを予測することで予 ブロックを生成する予測ステップと、前記 測ステップで生成された予測ブロックと、 記復号ステップで復号された予測残差とを 算することで復号ブロックを生成する加算 テップとを含み、前記予測ステップは、前 対象ブロックに近接するブロックに対応す 、前に生成された復号ブロック内のエッジ 検出するエッジ検出ステップと、前記エッ 検出ステップで検出されたエッジの方向に って、前記対象ブロックに近接するブロッ に含まれる画素に対応する予測ブロック生 ステップとを含む。

 これにより、対象ブロックの周囲のブロ クにおいて検出されたエッジの方向を予測 向として予測ブロックを生成することがで る。このため、特に対象ピクチャがシャー なエッジを含む場合には、従来の予め定義 れた方向予測モードを用いて生成した予測 ロックよりも適切な予測ブロックを生成す ことができる。したがって、対象ブロック 予測ブロックとの差分である予測残差は小 くなるので、符号化歪みを抑制することが きる。

 また、前記予測ブロック生成ステップで 、前記予測ブロックを構成する予測画素毎 前記復号画像データに含まれる複数の復号 素の画素値の少なくとも2つの重み付け加算 和を算出し、算出した重み付け加算和を外挿 又は内挿することで、前記予測ブロックを生 成し、前記重み付け加算和の算出に用いられ る重みは、前記エッジ検出ステップで検出さ れたエッジの方向に基づいて決定されてもよ い。

 これにより、予測値の算出の対象となる 測画素を通り、検出されたエッジの方向の 線上に整数画素がない場合であっても、近 の画素の重み付け加算和を算出することに り、適切な予測値を算出することができる

 また、前記エッジ検出ステップでは、互 に異なる方向を有する少なくとも2つのエッ ジを検出し、前記予測ブロック生成ステップ では、前記予測画素毎に、前記少なくとも2 のエッジそれぞれの方向に沿って外挿又は 挿するための前記複数の復号画素の画素値 合成し、合成した画素値を外挿又は内挿す ことで、前記予測ブロックを生成してもよ 。

 これにより、複数のエッジが対象ブロッ の周囲のブロックにおいて検出された場合 あっても、複数のエッジのそれぞれの方向 沿って予測値を算出することができるので 適切な予測値を算出することができる。

 また、前記予測ステップは、さらに、エ ジ予測モードを含む複数の予測モードから1 つの予測モードを選択する予測モード選択ス テップを含み、前記予測ブロック生成ステッ プでは、前記エッジ予測モードが選択された 場合に、前記エッジ検出モードで検出された エッジの方向に沿って前記復号画像データを 外挿又は内挿することで、前記予測ブロック を生成してもよい。

 これにより、エッジが検出された場合に 検出されたエッジの方向に沿った外挿又は 挿を行うエッジ予測モードを実行すること でき、エッジが検出されない場合には、通 の予測モードを実行することができる。

 また、前記予測モード選択ステップでは 前記エッジ検出ステップでエッジが検出さ た場合に、前記エッジ予測モードと前記複 の方向予測モードとの中から1つの予測モー ドを選択し、前記エッジ検出ステップでエッ ジが検出されない場合に、前記DC予測モード 前記複数の方向予測モードとの中から1つの 予測モードを選択してもよい。

 これにより、エッジが検出された場合に エッジ予測モードと従来の方向予測モード を予測モードの候補として最適な予測モー を選択することができ、エッジが検出され い場合にはDC予測モードと従来の方向予測 ードとを予測モードの候補として最適な予 モードを選択することができる。

 また、前記画像データは、さらに、予測 ードを示す予測モード指示を含み、前記予 モード選択ステップでは、前記予測モード 示が前記DC予測モード又は前記エッジ予測 ードを示す場合であって、さらに、前記エ ジ検出ステップでエッジが検出された場合 は前記エッジ予測モードを選択し、前記エ ジ検出ステップでエッジが検出されない場 には前記DC予測モードを選択してもよい。

 これにより、従来のDC予測モードを示す 報をエッジ予測モードを示す情報として符 化されたビットストリームを正しく復号す ことができるので、符号化時にエッジ予測 ードを示す情報を新たに符号化する必要が く、符号化効率を高めることができる。

 また、前記エッジ検出ステップは、前記 象ブロックに近接するブロックに対応する 前に生成された復号ブロックの複数の画素 それぞれに対応する勾配ベクトルを算出す 勾配ベクトル算出ステップと、前記勾配ベ トル算出ステップで算出された勾配ベクト のうち、ノルムが予め定められた閾値を超 、かつ、当該勾配ベクトルに直交する直交 クトルが前記対象ブロックを指すという条 を満たす少なくとも1つの勾配ベクトルが存 在するか否かを判定するベクトル判定ステッ プと、前記ベクトル判定ステップで前記条件 を満たす少なくとも1つの勾配ベクトルが存 すると判定された場合、前記条件を満たす なくとも1つの勾配ベクトルに直交する直交 クトルの方向をエッジの方向とするエッジ 検出するエッジ方向決定ステップとを含ん もよい。

 これにより、対象ブロックからではなく 囲のブロックを利用してエッジを検出する とができるので、エッジの方向を示す情報 どのエッジ予測モードに必要な情報が符号 器側から伝送されなくても、正しくビット トリームを復号することができる。

 なお、本発明は、画像符号化方法及び画 復号方法として実現できるだけではなく、 該画像符号化方法及び画像復号方法に含ま るそれぞれのステップを処理手段とする画 符号化装置及び画像復号装置として実現す こともできる。また、これらステップをコ ピュータに実行させるプログラムとして実 してもよい。さらに、当該プログラムを記 したコンピュータ読み取り可能なCD-ROM(Compac t Disc-Read Only Memory)などの記録媒体、並びに 、当該プログラムを示す情報、データ又は信 号として実現してもよい。そして、それらプ ログラム、情報、データ及び信号は、インタ ーネットなどの通信ネットワークを介して配 信してもよい。

 また、上記の画像符号化装置及び画像復 装置を構成する構成要素の一部又は全部は 1個のシステムLSI(Large Scale Integration:大規模 集積回路)から構成されていてもよい。シス ムLSIは、複数の構成部を1個のチップ上に集 して製造された超多機能LSIであり、具体的 は、マイクロプロセッサ、ROM及びRAM(Random A ccess Memory)などを含んで構成されるコンピュ タシステムである。

 本発明によれば、対象ブロックをより正 に予測することができるので、符号化歪み 抑制し、かつ、符号化効率を高めることが きる。

図1Aは、従来のH.264/AVC規格に従ったイ トラ予測が適用される対象ブロックと参照 素との関係の一例を示す図である。 図1Bは、従来のH.264/AVC規格に従ったイ トラ予測モードセットに含まれる予測方向 示す図である。 図2は、本実施の形態のハイブリッド符 号化を行う画像符号化装置の構成の一例を示 すブロック図である。 図3は、本実施の形態の画像符号化装置 が備えるイントラ予測モード決定部の詳細な 構成の一例を示す図である。 図4は、エッジを検出し、検出したエッ ジの方向を推定する方法を示す概略図である 。 図5は、本実施の形態の画像復号装置の 構成の一例を示すブロック図である。 図6は、本実施の形態の画像復号装置が 備えるイントラ予測部の詳細な構成の一例を 示すブロック図である。 図7は、本実施の形態におけるエッジ検 出処理を示すフローチャートである。 図8は、本実施の形態における予測モー ドセットを決定する処理を示すフローチャー トである。 図9は、本実施の形態におけるイントラ 予測に基づいた画像又は映像データの符号化 処理を示すフローチャートである。 図10は、本実施の形態におけるエッジ 角度の算出処理を示すフローチャートであ 。 図11Aは、本実施の形態における前に 号化及び復号された画像データの外挿を用 て、エッジ予測モードに従って予測ブロッ を生成する処理を示す概略図である。 図11Bは、本実施の形態における前に 号化及び復号された画像データの外挿を用 て、エッジ予測モードに従って予測ブロッ を生成する処理を示す異なる概略図である 図12は、本実施の形態における前に符 化及び復号された画像データの内挿を用い エッジ予測を示す概略図である。 図13は、本実施の形態におけるエッジ 測モードによる予測ブロックを生成する方 を示すフローチャートである。 図14は、本実施の形態における少なく も2つのエッジに基づいたエッジ予測モード に従って予測ブロックを生成する処理を示す 概略図である。 図15は、本実施の形態におけるイント 予測に基づいて画像及び映像データを復号 る処理を示すフローチャートである。 図16は、本実施の形態におけるイント 予測方法を示すフローチャートである。 図17Aは、フォアマンシーケンス(CIF)の 最初の10フレームのレート/ディストーション カーブを示す図である。 図17Bは、スピンカレンダーシーケン (720p)のレート/ディストーションカーブを示 図である。 図18は、エッジ予測モードを用いて符 化されたブロックの割合とビットレート減 率とを示す図である。 図19は、本実施の形態の画像符号化装 の異なる構成の一例を示すブロック図であ 。 図20は、本実施の形態におけるメモリ 格納される画素の一例を示す概略図である

符号の説明

10 対象ブロック
20 参照画素
30 周囲ブロック
40、41、61、62 エッジ
50、51、52、65、66 エッジの方向
63、64 対象画素
71、72 画素群
100、500 画像符号化装置
101、304 フレームメモリ
102 減算部
103 周波数変換部
104 量子化部
105、505 可変長符号化部
106、301 逆量子化部
107、302 逆周波数変換部
108、303 加算部
109、509 参照ピクチャメモリ
110、510 イントラ予測モード決定部
111 動き検出部
112、305 イントラ予測部
113、306 動き補償部
114、115、308、309 スイッチ
116、307 制御部
117 確率テーブル保持部
118 符号化モード決定部
120 差分符号化部
130 差分復号部
201、401 エッジ検出部
202、402 方向判定部
203、403 ノルム判定部
204 予測モードセット決定部
205 予測モード選択部
300 画像復号装置
404 予測モード判定部
405 予測ブロック生成部
519 閾値決定部

 本実施の形態の画像符号化装置及び画像 号装置は、画像及び映像データを符号化及 復号する際に、対象ブロックの周囲に位置 る周囲ブロックに含まれるエッジを検出し 検出したエッジの方向をイントラ予測方向 して用いるエッジ予測モードを利用するこ ができる。つまり、本実施の形態では、シ ープなエッジを含むピクチャをイントラ予 により符号化する際に、エッジの方向を考 に入れたイントラ予測符号化を行うことが きる。

 図2は、本実施の形態のハイブリッド符号 化を行う画像符号化装置100の構成の一例を示 すブロック図である。同図に示す画像符号化 装置100は、フレームメモリ101と、減算部102と 、周波数変換部103と、量子化部104と、可変長 符号化部105と、逆量子化部106と、逆周波数変 換部107と、加算部108と、参照ピクチャメモリ 109と、イントラ予測モード決定部110と、動き 検出部111と、イントラ予測部112と、動き補償 部113と、スイッチ114及び115と、制御部116と、 確率テーブル保持部117と、符号化モード決定 部118とを備える。なお、図2に示すように、 波数変換部103と量子化部104とは、差分符号 部120に含まれる。また、逆量子化部106と逆 波数変換部107とは、差分復号部130に含まれ 。

 以下では、画像符号化装置100が複数のフ ームから構成される入力映像データを符号 するときの動作に沿って、各処理部の処理 ついて説明する。

 入力映像データの各ピクチャは、フレー メモリ101に格納される。各ピクチャは、複 のブロックに分割され、フレームメモリ101 らブロック単位で(例えば、水平16画素、垂 16画素のマクロブロック単位で)出力される なお、入力映像データは、プログレッシブ 式及びインターレース形式のいずれでもよ 。

 各マクロブロックは、イントラ又はイン ー予測モードのいずれかで符号化される。 ず、対象マクロブロックがイントラ予測モ ドで符号化される場合について説明する。

 イントラ予測モード(イントラフレーム予 測)の場合、フレームメモリ101から出力され マクロブロックは、イントラ予測モード決 部110に入力される(このとき、スイッチ114は 制御部116によって端子“a”に接続される) イントラ予測モード決定部110は、入力され マクロブロックにどのようにイントラ予測 実行するかを決定する。具体的には、イン ラ予測モード決定部110は、イントラ予測モ ド(IPM:Intra-Prediction Mode)として、イントラ予 ブロックサイズ(以下のサイズの1つ:水平4画 素×垂直4画素、水平8画素×垂直8画素、水平16 画素×垂直16画素)と、イントラ予測方向とを 定する必要がある。イントラ予測モード決 部110の詳細な構成については、図3を用いて 後で説明する。

 例えば、図1Aに示す対象ブロック10(水平4 素×垂直4画素)は、参照画素20を用いて、8つ の予め定義されたイントラ予測方向に従って 、予測されてもよい。ここで、イントラ予測 に用いられる参照画素20(図1Aで対角方向の網 けされた四角)は、既に符号化及び復号され 、参照ピクチャメモリ109に格納されていると する。決定されたイントラ予測モードIPMを示 す情報は、イントラ予測部112と符号化モード 決定部118とに出力される。

 イントラ予測部112は、イントラ予測モー 決定部110によって決定されたイントラ予測 ードIPMに基づいて、参照ピクチャメモリ109 らイントラ予測に用いられる参照画素(イン トラ参照画素)を取得する。そして、イント 予測部112は、参照画素の画素値を外挿又は 挿することでイントラ予測された画像IPを生 成し、生成したイントラ予測画像IPを減算部1 02に出力する(このとき、スイッチ115は、制御 部116によって端子“a”に接続される)。

 減算部102は、フレームメモリ101から入力 像データに含まれるピクチャのマクロブロ ク(対象マクロブロック)と、イントラ予測 112によって生成されたイントラ予測画像IPと を受け取る。そして、減算部102は、対象マク ロブロックとイントラ予測画像IPとの差分(予 測残差とも記載)を算出することで差分画像 生成し、生成した差分画像を周波数変換部10 3に出力する。

 周波数変換部103は、減算部102によって生 された差分画像に、離散コサイン変換など 周波数変換を実行することで周波数変換係 を生成し、生成した周波数変換係数を出力 る。

 量子化部104は、周波数変換部103によって 成された周波数変換係数の量子化を行い、 子化された周波数変換係数QTを出力する。 こで、量子化は、予め定められた値(量子化 テップ)によって周波数変換係数を割り算す る処理である。この量子化ステップは、制御 部116によって与えられるとする(量子化ステ プは、制御部116に入力される制御信号CTLに まれてもよい)。量子化周波数変換係数QTは 可変長符号化部105と逆量子化部106とに出力 れる。

 逆量子化部106は、量子化周波数変換係数Q Tを逆量子化し、逆量子化した周波数変換係 を逆周波数変換部107に出力する。このとき 量子化部104による量子化時に用いられた量 化ステップと同じ量子化ステップが、制御 116から逆量子化部106に入力される。

 逆周波数変換部107は、逆量子化された周 数変換係数を逆周波数変換することで復号 れた差分画像LDDを生成する。逆周波数変換 107は、生成した復号差分画像LDDを加算部108 出力する。

 加算部108は、復号差分画像LDDを予測画像I P又はMPに加算することで、復号画像LDを生成 る。加算部108は、生成した復号画像LDを参 ピクチャメモリ109に格納する。参照ピクチ メモリ109に格納された復号画像LDは、参照画 像として後の符号化に用いられる。

 可変長符号化部105は、量子化部104から入 される量子化周波数変換係数QTに可変長符 化を実行し、イントラ予測モード決定部110 ら符号化モード決定部118を介して入力され イントラ予測モードIPMを示す情報を同様に 理し、符号化シーケンスとしても参照され ビットストリームを出力する。

 ここで、可変長符号化部105が用いる可変 符号化方法の1つの方法として、動画像を符 号化する国際規格H.264で採用されるコンテキ ト適応型算術符号化方法がある。コンテキ ト適応型算術符号化方法は、可変長符号化 対象データと、既に可変長符号化(コンテキ スト適応型)が実行されたデータとに従って 算術符号化するために用いられる確率テー ルを切り替える方法である。例えば、量子 周波数変換係数QTの可変長符号化を実行する ためのコンテキストとして、イントラ予測の ためのブロックサイズと、周波数変換のため のブロックサイズとなどが用いられる。ここ では、確率テーブルは、確率テーブル保持部 117に保持される。

 次に、対象マクロブロックがインター予 モードで符号化される場合について説明す 。

 インター予測モード(インターフレーム予 測)の場合、フレームメモリ101から出力され マクロブロックは、動き検出部111に入力さ る(このとき、スイッチ114は、制御部116によ て端子“b”に接続される)。動き検出部111 、入力されたマクロブロックに対して、参 ピクチャ(参照ピクチャメモリ109に保持され 再構成されたピクチャで、符号化されるピ チャとは異なるピクチャ)に対する動き(動 ベクトル)を検出する。動き検出では、以下 示す動きベクトルが一般的には選択される すなわち、符号化されるブロックと予測画 との最小差分値と、動きベクトルの符号量 重みの最小和とを有する動きベクトルであ 。検出された動きベクトルは、動き補償部1 13と符号化モード決定部118とに出力される。

 動き補償部113は、動き検出部111によって 定された動きベクトルに基づいて、インタ 予測に用いられる参照画素(インター参照画 素)を参照ピクチャメモリ109から取得する。 して、動き補償部113は、予測画像MPを生成し 、生成した予測画像MPを減算部102に出力する( このとき、スイッチ115は、制御部116によって 端子“b”に接続される)。

 減算部102と、周波数変換部103と、量子化 104と、逆量子化部106と、逆周波数変換部107 、加算部108とによって実行される処理は、 ントラ予測の場合に説明した処理と同じで る。それゆえに、これらの処理についての 明はここでは省略する。

 符号化モード決定部118は、イントラ予測 ード決定部110と、動き検出部111と、量子化 104と、フレームメモリ101と、加算部108とな からの出力を用いて符号化されるマクロブ ックの符号化モードを決定する。ここでは イントラピクチャ予測符号化とインターピ チャ予測符号化とのいずれか1つが、符号化 対象のマクロブロックの符号化に用いられる 。符号化モード決定部118は、一般的に、生成 されるビット量と符号化歪みとの重み和が最 も小さくなる値を有する符号化モードが選択 することで、符号化モードを決定する。イン トラピクチャ予測符号化が符号化モードとし て選択された場合、符号化モード決定部118は 、符号化モードMDと、イントラ予測モードIPM 示す情報(イントラ予測ブロックサイズ、イ ントラ予測方向など)とを可変長符号化部105 出力する。一方で、インターピクチャ予測 号化が符号化モードとして選択された場合 符号化モード決定部118は、符号化モードMDと 動きベクトルMVとを可変長符号化部105に出力 る。

 例えば、H.264規格のビットレートと符号 歪みとを用いたコスト関数が、対象ブロッ を符号化するための最良の予測モードを決 するために用いられてもよい。それぞれの 測モードに対して、差分画像が、直交変換 れ、量子化され、可変長符号化される。そ て、それぞれの予測モードに対して、ビッ レートと、符号化歪みとが計算される。な 、コスト関数として、例えば、式1で示され ラグランジュコスト関数Jが用いられる。

 式1において、Rは、差分画像(予測残差と 記載)と予測モード情報とを符号化するのに 用いられるビットレートであり、Dは、符号 歪みであり、λは、符号化するのに選択され る量子化パラメータQPに応じて算出されるラ ランジュ乗数である。符号化モード決定部1 18は、最も低いコスト関数Jが最も低くなる予 測モードを、対象ブロックを予測する際の予 測モードとして選択する。

 なお、符号化モード決定部118は、最適な 測モードを選択するためにコスト関数Jを一 時的に格納するメモリを備える。

 可変長符号化部105は、量子化部104から入 される量子化周波数変換係数QTと、符号化 ード決定部118から出力される符号化モードMD とイントラ予測モードIPM又は動きベクトルMV に可変長符号化を実行し、ビットストリー を出力する。

 ここで、可変長符号化部105が、コンテキ ト適応型算術符号化を用いて動きベクトルM Vを符号化する場合、符号化された周辺ブロ クの動きベクトルのサイズ(コンテキスト)に 依存する確率テーブルを変更する方法が用い られることができる。ここでは、確率テーブ ルは、確率テーブル保持部117に保持される。

 予測モードは、映像データを符号化する 理において符号化器(画像符号化装置100)側 実行された予測を復号器(例えば、後述する 像復号装置300(図5参照))側で再現するために 、復号器によって必要とされる情報のフルセ ットを含む。それゆえに、予測モードは、マ クロブロック毎に符号化モード、すなわち、 イントラ及びインター予測のいずれが適用さ れたかを定義する。さらに、予測モードは、 マクロブロックがどのようにサブ分割された かについての情報を含む。H.264/AVCによると、 16×16画素からなるマクロブロックは、例えば 、イントラ予測の場合に、さらに、8×8又は4 4画素のブロックにサブ分割されてもよい。

 符号化モードに依存して、予測モードは さらに、動き補償に用いられる動きベクト のセット、又は、対象ブロックをイントラ 測するのに適用されたイントラ予測モード 特定する情報を含んでいる。

 続いて、本実施の形態のイントラ予測モ ド決定部110の詳細な構成について図3を用い て説明する。

 図3は、イントラ予測モード決定部110の詳 細な構成の一例を示すブロック図である。同 図に示すように、イントラ予測モード決定部 110は、エッジ検出部201と、方向判定部202と、 ノルム判定部203と、予測モードセット決定部 204と、予測モード選択部205とを備える。

 エッジ検出部201は、参照ピクチャメモリ1 09から参照画像を読み出し、読み出した参照 像に含まれるエッジを検出する。例えば、 ッジ検出部201は、参照画像の勾配ベクトル を算出し、エッジの最大値を与える勾配の ルムを評価することによって検出する。エ ジの方向は、対応する勾配の方向に直交す ベクトルの方向である。

 なお、エッジ検出処理に用いられる参照 像は、対象ブロックに直接隣接するブロッ に属する画素のうち、既に符号化及び復号 れているブロックに含まれる画素である。 配値は、式2に示す垂直及び水平ソーベル演 算子を用いて近接画素で算出される。

 エッジ検出部201は、画素毎に、垂直ソー ル演算子及び水平ソーベル演算子を用いる とで、対応する画素の垂直方向及び水平方 の勾配の大きさ(勾配値)をそれぞれ算出す 。算出した垂直方向及び水平方向の勾配値 ベクトル合成などを行うことで、画素毎に 配の方向が決定される。

 図4は、エッジを検出し、検出したエッジ の方向を推定する方法を示す概略図である。 左斜め下方向に網掛けされた領域は、勾配を 計算するために考慮される周囲ブロック30の 素を示す。エッジ検出部201は、図4の左斜め 下方向に網掛けされた画素のそれぞれに対し て、式2を用いて勾配値を算出する。そして 算出した勾配値に基づいて勾配の方向を算 し、勾配の方向に直交する方向をエッジの 向として決定する。このとき勾配の方向に 交する方向のベクトルをエッジベクトルと 記載する。なお、エッジベクトルのノルム 、例えば、当該エッジベクトルが検出され 画素の勾配ベクトルのノルムと同じである

 図3に戻ると、方向判定部202は、エッジ検 出部201によって検出されたエッジの方向が、 イントラ予測の対象ブロックを指しているか 否かを判定する。例えば、図4に示すエッジ40 が検出された場合、エッジ40の延長線が対象 ロック10に含まれるので、方向判定部202は エッジ40はイントラ予測の対象ブロック10を していると判定する。一方で、図4に示すエ ッジ41が検出された場合、エッジ41の延長線 対象ブロック10に含まれないので、方向判定 部202は、エッジ41はイントラ予測の対象ブロ ク10を指していないと判定する。

 ノルム判定部203は、方向判定部202によっ イントラ予測の対象ブロックを指している 判定されたエッジのノルムを算出し、算出 たノルムが予め定められた閾値より大きい 否かを判定する。エッジのノルムとは、エ ジベクトル又は勾配ベクトルのノルムであ 。ノルム判定部203は、算出したノルムが閾 より大きい場合に、エッジは検出されたと 定する。算出したノルムが閾値以下の場合 、エッジは検出されなかったと判定する。 お、このときに用いられる閾値は、例えば 異なる最大ベクトルノルムと、シャープな ッジ及び滑らかな領域の両方を含む異なる ーケンスとの違いの比較に基づいて、経験 に選択される。

 予測モードセット決定部204は、対象ブロ クを符号化する際に用いられる予測モード セットをエッジが検出されたか否かに応じ 決定する。具体的には、従来と同様にDC予 モードと8つの方向モードとからなる予測モ ドセット(従来の予測モードセット)か、エ ジ予測モードと8つの方向モードとからなる 測モードセット(新たな予測モードセット) を決定する。

 エッジベクトルのノルムが閾値以下であ とき、エッジは検出されないので、予測モ ドセット決定部204は、利用可能な予測モー セットとして、H.264映像符号化規格で用い れる9つの従来の予測モードセットに決定す 。

 エッジベクトル(又は、勾配ベクトル)の ルムが閾値より大きいとき、エッジは検出 れるので、予測モードセット決定部204は、 用可能な予測モードセットとして、新たな 測モードセットに決定する。なお、エッジ 検出された場合、対象ブロックは、方向性 強い構造を含む傾向にあるので、DC予測モー ドが対象ブロックを予測するのに良い候補で はないと考えられる。それゆえに、DC予測モ ドが、エッジ予測モードに置き換えられる しかしながら、H.264映像符号化規格の残り 8つの方向性予測モードは、保持される。そ らは、特に、前のブロック(エッジが検出さ れたブロック)と対象ブロックとの間でエッ の方向が変更した時に有用である。

 予測モード選択部205は、予測モードセッ 決定部204によって決定された予測モードセ トの中から1つの予測モードを選択する。

 以上のように本実施の形態の画像符号化 置100は、対象ブロックを符号化する際に選 される予測モードとして、新たなエッジ予 モードを備える。さらに、エッジ予測モー に従って対象ブロックをイントラ符号化す ために、対象ブロックの周囲のブロックか エッジを検出し、検出したエッジの方向を ントラ予測方向としてイントラ予測符号化 行う。本実施の形態の画像符号化装置100の 体的な動作については、フローチャートを いて後で説明する。

 次に、本実施の形態の画像復号装置300の 成について説明する。

 図5は、本実施の形態の画像復号装置300の 構成の一例を示すブロック図である。同図に 示す画像復号装置300は、逆量子化部301と、逆 周波数変換部302と、加算部303と、フレームメ モリ304と、イントラ予測部305と、動き補償部 306と、制御部307と、スイッチ308及び309とを備 える。

 以下では、画像復号装置300が、ビットス リーム(符号化された映像データ)を復号す ときの動作に沿って、各処理部の処理につ て説明する。本実施の形態の画像復号装置30 0は、予測残差を含む符号化映像データをブ ック毎にイントラ又はインターフレーム予 符号化ブロックのいずれかとして復号する 符号化モードMDは、制御部307に入力され、イ ントラ予測モードIPM又は動きベクトルMVを示 情報は、スイッチ308に入力され、量子化周 数変換係数QTは、逆量子化部301に入力され 。

 制御部307は、符号化モードMDに基づいて イッチ308及び309を制御する。符号化モードMD がイントラ予測符号化を示す場合、スイッチ 308は、端子“a”に接続され、イントラ予測 ードIPMを示す情報がイントラ予測部305に入 される。符号化モードMDがインター予測符号 化を示す場合、スイッチ308は、端子“b”に 続され、動きベクトルMVが動き補償部306に入 力される。

 対象ブロックがイントラ予測符号化ブロ クの場合、スイッチ308及び309は、端子“a” に接続される。そして、イントラ予測モード を示す情報は、イントラ予測部305に入力され 、量子化周波数変換係数QTは、逆量子化部301 入力される。なお、量子化周波数変換係数Q Tが、符号化器(例えば、画像符号化装置100)に よって符号化された予測誤差に相当する。

 イントラ予測部305は、入力されたイント 予測モードに基づいて、イントラ予測参照 素をフレームメモリ304から取得し、イント 予測された画像(予測ブロック)を生成し、 算部303にイントラ予測画像を出力する。

 逆量子化部301は、量子化周波数変換係数Q Tを逆量子化し、逆量子化した周波数変換係 を逆周波数変換部302に出力する。そして、 周波数変換部302は、逆量子化された周波数 換係数を逆周波数変換することで、復号さ た差分画像LDDを生成する。逆周波数変換部30 2は、生成した復号差分画像LDDを加算部303に 力する。

 加算部303は、復号差分画像LDDとイントラ 測画像IPとを加算することで、復号画像LDを 生成する。生成した復号画像LDは、フレーム モリ304に格納される。なお、フレームメモ 304に格納された復号画像は、後の復号で参 ピクチャとして用いられる。また、復号画 は、復号映像データを成すように出力され 。

 対象ブロックがインター予測ブロックの 合、スイッチ308及び309は、端子“b”に接続 される。そして、動きベクトルMVを示す情報 動き補償部306に入力され、量子化周波数変 係数QTが逆量子化部301に入力される。

 動き補償部306は、入力された動きベクト MVに基づいて、参照画素をフレームメモリ30 4から取得し、予測されたピクチャを生成し 加算部303に予測ピクチャを出力する。

 逆量子化部301、逆周波数変換部302及び加 部303の処理は、イントラ予測ブロックの場 に説明した処理と同じである。復号画像LD 、フレームメモリ304に格納される。フレー メモリ304に格納された復号画像は、後の復 で参照ピクチャとして用いられる。また、 号画像は、復号映像データを成すように出 される。

 続いて、本実施の形態のイントラ予測部3 05の詳細な構成について図6を用いて説明する 。

 図6は、本実施の形態のイントラ予測部305 の詳細な構成の一例を示す図である。同図に 示すように、イントラ予測部305は、エッジ検 出部401と、方向判定部402と、ノルム判定部403 と、予測モード判定部404と、予測ブロック生 成部405とを備える。

 エッジ検出部401は、予測モード判定部404 よってイントラ予測モードがエッジ予測モ ド又はDC予測モードであると判定された場 、フレームメモリ304から参照画像を読み出 、読み出した参照画像に含まれるエッジを 出する。具体的なエッジ検出処理は、エッ 検出部201と同様であり、後で詳しく説明す 。

 方向判定部402は、エッジ検出部401によっ 検出されたエッジの方向が、イントラ予測 対象ブロックを指しているか否かを判定す 。具体的なエッジの方向判定処理は、方向 定部202と同様であり、後で詳しく説明する

 ノルム判定部403は、方向判定部402によっ イントラ予測の対象ブロックを指している 判定されたエッジのノルムを算出し、算出 たノルムが予め定められた閾値より大きい 否かを判定する。なお、このときに用いら る閾値は、符号化時のノルム判定処理で用 られた閾値と同じ閾値であることが望まし 。したがって、閾値が装置に固有の値でな 場合は、符号化装置から送信される。具体 なノルム判定処理は、ノルム判定部203と同 であり、後で詳しく説明する。

 予測モード判定部404は、ビットストリー に含まれるイントラ予測モードIPMを示す情 を取得し、イントラ予測モードがエッジ予 モード又はDC予測モードであるかを判定す 。エッジ予測モード又はDC予測モードのいず れかである場合は、予測モード判定部404は、 エッジ検出部401にエッジ検出処理を行わせる 。そして、ノルム判定部403の判定結果に基づ いて、イントラ予測モードがDC予測モードで るかエッジ予測モードであるかを予測ブロ ク生成部405に通知する。

 なお、エッジ予測モード及びDC予測モー のいずれでもない場合、すなわち、従来の 向予測モード(図1B)である場合、予測モード 定部404は、イントラ予測モードが方向予測 ードであることを予測ブロック生成部405に 知する。

 予測ブロック生成部405は、予測モード判 部404から通知されるイントラ予測モードに って予測ブロックを生成する。具体的には フレームメモリ304から参照画素を読み出し 読み出した参照画素を外挿又は内挿するこ で予測ブロックを生成する。生成した予測 ロックは、スイッチ309を介して加算部303に 力される。

 以上のように、本実施の形態の画像復号 置300は、対象ブロックを復号する際に選択 れる予測モードとして、新たなエッジ予測 ードを備える。さらに、エッジ予測モード 従って対象ブロックを復号するために、対 ブロックの周囲のブロックからエッジを検 し、検出したエッジの方向をイントラ予測 向としてイントラ予測復号を行う。本実施 形態の画像復号装置300の具体的な動作につ ては、フローチャートを用いて後で説明す 。

 続いて、本実施の形態の画像符号化装置1 00の動作について説明する。まず、以下では ッジ検出処理について図7を用いて説明する 。図7は、本実施の形態のエッジ検出処理を すフローチャートである。

 エッジ検出処理は、勾配を算出するため 考慮される全ての画素(例えば、図4の左斜 下方向に網掛けされた画素)に対して実行さ る(S101)。

 エッジ検出部201は、対象画素位置の勾配 クトルを式2のソーベル演算子を適用するこ とで算出する(S102)。そして、エッジ検出部201 は、算出した勾配ベクトルに直交するエッジ ベクトルを算出し、算出したエッジベクトル の方向を検出する(S103)。

 次に、方向判定部202は、勾配が対象ブロ クを横切るエッジを示すか否か、すなわち 勾配ベクトルに直交するエッジベクトルが 測の対象ブロックを指しているか否かを判 する(S104)。エッジベクトルが予測の対象ブ ックを指していない場合であって(S104でNo) かつ、次の画素がある場合(S105でYes)、処理 次の画素に進む。すなわち、次の画素に対 て、勾配ベクトルの算出(S102)から繰り返さ る。

 エッジベクトルが予測の対象ブロックを している場合には(S104でYes)、ノルム判定部2 03は、勾配ベクトルのノルムを算出する(S106) そして、ノルム判定部203は、算出したノル が予め定められた閾値より大きいか否かを 定する(S107)。算出したノルムが閾値以下で る場合(S107でNo)、かつ、次の画素がある場 (S105でYes)、処理は次の画素に進む。すなわ 、次の画素に対して、勾配ベクトルの算出(S 102)から繰り返される。

 算出したノルムが閾値より大きい場合に (S107でYes)、ノルム判定部203は、算出したノ ムが、前に決定された全ての勾配ベクトル うち最大ノルムを有する勾配ベクトルのノ ムより大きいか否かを判定する(S108)。算出 たノルムが最大ノルムより大きい場合は(S10 8でYes)、当該勾配ベクトルを、新たな最大ベ トルとして設定する(S109)。

 そして、算出したノルムと最大ノルムと 比較結果に関わらず、ノルム判定部203は、 素のベクトルと位置とをメモリに格納する( S110)。このとき、メモリに格納する画素のベ トルは、エッジベクトルであることが望ま い。また、メモリは、例えばノルム判定部2 03が内部に備えるメモリである。

 そして、次の画素がある場合(S105でYes)、 理は次の画素に進む。すなわち、次の画素 対して、勾配ベクトルの算出(S102)から繰り される。

 以上のようにして、対象ブロック(対象ブ ロック10)の周囲に位置する周囲ブロック(周 ブロック30)に含まれる画素であって、エッ 検出処理の対象となる全ての画素(図4の左斜 め下方向に網掛けされた画素)に対して、エ ジ検出処理が実行され、エッジが検出され 画素の位置と、そのエッジベクトルとがメ リに格納される。

 また、本実施の形態によると、画像デー のブロックを符号化するのに用いられるイ トラ予測モードセットは、近接する前に符 化及び復号されたブロックに実行されるエ ジ検出処理の結果に依存する。すなわち、 象ブロックからエッジを検出するのではな 、周囲ブロックからエッジを検出し、その 出結果に基づいて対象ブロックを符号化す 際のイントラ予測モードセットを決定する

 なお、上述のエッジ検出処理を画像復号 置300が実行する場合も同様である。具体的 は、エッジ検出部201、方向判定部202及びノ ム判定部203のそれぞれが行う処理を、エッ 検出部401、方向判定部402及びノルム判定部4 03がそれぞれ実行する。

 続いて、イントラ予測モードセットを決 する処理について図8を用いて説明する。図 8は、適切なイントラ予測モードセットを決 する処理を示すフローチャートである。

 まず始めに、図7のエッジ検出処理が、エ ッジ検出部201、方向判定部202及びノルム判定 部203によって実行される(S201)。次に、予測モ ードセット決定部204は、少なくとも1つのエ ジベクトルが格納されているか、すなわち 対象ブロックを指すエッジに対応する方向 閾値より大きなノルムを有するベクトルが るかを判定する。

 少なくとも1つのエッジベクトルが格納さ れている場合、すなわち、エッジが検出され た場合(S202でYes)、イントラ予測モードセット 決定部204は、利用可能なイントラ予測モード セットとして、新たな予測モードセットを選 択する(S203)。新たな予測モードセットは、上 述のように、8つの従来の予測方向(H.264符号 規格の方向性予測モード)と新たなエッジ予 モードとで構成される。

 エッジベクトルが1つも格納されていない 場合、すなわち、エッジが検出されなかった 場合(S202でNo)、イントラ予測モードセット決 部204は、利用可能なイントラ予測モードの ットとして、従来の予測モードセットを選 する(S204)。従来の予測モードセットは、上 のように、H.264符号化器各の9つの従来の予 モード、すなわち、8つの従来の予測方向と 従来のDC予測モードとで構成される。

 以上のようにして、本実施の形態の画像 号化装置100は、エッジが検出されたか否か 応じて、イントラ予測モードセットを決定 る。すなわち、エッジが検出された場合は エッジ予測モードを含むイントラ予測モー セットを選択し、エッジが検出されない場 は、DC予測モードを含むイントラ予測モー セットを選択する。

 なお、続く処理では、予測モード選択部2 05は、イントラ予測部112を用いてイントラ予 を実行するために、利用可能なイントラ予 モードのセットから1つのイントラ予測モー ドを選択する。

 続いて、本実施の形態の画像符号化装置1 00のイントラ予測に基づいた符号化処理につ て図9を用いて説明する。図9は、本実施の 態において、イントラ予測に基づいて画像 は映像データを符号化する処理を示すフロ チャートである。

 図9に示す符号化処理は、16×16画素のマク ロブロック毎に実行される(S301)。さらに、マ クロブロックを可能なサイズに分割した分割 サイズ(4×4画素、8×8画素、16×16画素)毎に実 される(S302)。さらに、分割サイズを分割し ブロック(4×4画素)毎に実行される(S303)。

 イントラ予測モード決定部110は、図8を用 いて説明した処理を実行し、予測モードセッ ト決定部204は、適したイントラ予測モードセ ットを選択する(S304)。そして、イントラ予測 モードセットに含まれる各予測モードに対し て以下の処理(S305~S314)を実行することで、最 な予測モードが選択される。

 具体的には、まず、予測モード選択部205 、イントラ予測モードセットに含まれる9つ の予測モードのうち1つの予測モードを、対 ブロックBに対する対象予測モードとして選 する(S305)。選択した対象予測モードは、イ トラ予測部112に出力される。

 イントラ予測部112は、対象予測モードに従 て、対象ブロックBに対応する予測ブロック B pred を生成する(S306)。生成した予測ブロックB pred は、減算部102に出力される。

 減算部102は、対象ブロックBと予測ブロック B pred との差分、すなわち、予測残差(予測誤差)B res =B-B pred を算出する(S307)。算出した予測残差B res は、周波数変換部103に出力される。

 周波数変換部103は、算出した予測残差B res を周波数変換し、周波数変換された予測残差 (周波数変換係数)を量子化部104に出力する。 子化部104は、周波数変換された予測残差を 子化する(S308)。量子化により得られた量子 周波数変換係数QTは、逆量子化部106と可変 符号化部105とに出力される。

 逆量子化部106は、量子化周波数変換係数QT 逆量子化し、逆量子化された周波数変換係 を逆周波数変換部107に出力する。そして、 周波数変換部107は、逆量子化された周波数 換係数を逆周波数変換することで、復号さ た差分ブロックB resq を生成する(S309)。生成された差分ブロックB resq は、加算部108に出力される。加算部108は、差 分ブロックB resq と予測ブロックB pred とを加算することで、復号ブロックB pred +B resq を生成する。

 符号化モード決定部118は、原ブロックであ 対象ブロックBと再構成ブロックB pred +B resq との差分である符号化歪みD=B-(B pred +B resq )と、予測残差B res と予測モードとを符号化するのに必要とされ るビットレートの和であるビットレートR=R res +R mode とを算出する(S310)。さらに、符号化モード決 定部118は、算出した符号化歪みDとビットレ トRとを用いて、コスト関数J=D+λRを算出する (S311)。

 符号化モード決定部118は、算出したコス 関数Jの対象値が、前に格納されたコスト関 数の最小値Jminより小さいか否かを判定する(S 312)。算出したコスト関数Jが最小値Jminより小 さい場合(S312でYes)、符号化モード決定部118は 、対象予測モードと対象分割サイズとをメモ リに格納し、前に格納した最小値Jminを、今 算出したコスト関数Jの対象値に更新する(S31 3)。

 続いて、次の予測モードがある場合、す わち、決定された予測モードセットに含ま る複数の予測モードのうち、まだコスト関 Jが算出されていない予測モードがある場合 (S314でYes)、予測モード選択部205は、コスト関 数Jが算出されていない予測モードを1つ選択 る。そして、選択された予測モードを対象 測モードとして、予測ブロックの生成処理( S306)から繰り返される。

 全ての予測モードに対するコスト関数Jが 算出された場合で(S314でNo)、かつ、次のブロ クがある場合(S315でYes)、次のブロックを対 ブロックとして、予測モードセットの決定 理(S304)から繰り返される。なお、次のブロ クがある場合とは、1つのマクロブロックに 含まれる全てのブロックのうち、コスト関数 の算出を行っていないブロックがある場合で ある。

 次のブロックがない場合で(S315でNo)、次 分割サイズがある場合(S316でYes)、マクロブ ックを次の分割サイズで分割し、分割によ 得られたブロック毎に以上の処理が繰り返 れる。なお、次の分割サイズがある場合と 、1つのマクロブロックを分割可能な複数の 割サイズのうち、ブロック毎の処理が行わ ていない分割サイズがある場合である。例 ば、1つのマクロブロックは、3通りの分割 イズ(4×4画素、8×8画素、16×16画素)に分割す ことができるので、3通りの分割サイズのそ れぞれに対してブロック毎の処理が完了する まで処理(S302~S316)が繰り返される。

 全ての分割サイズに対する処理が完了す と(S316でNo)、符号化モード決定部118は、コ ト関数の最も低い値を有する分割サイズと 対応する予測モードとを選択する(S317)。選 した分割サイズと予測モードとを示す情報 、可変長符号化部105に出力される。

 最後に、可変長符号化部105は、選択され 分割サイズ、予測モード、及び、対応する 差とを符号化し、符号化により生成された 果を出力ビットストリームに書き込む(S318) なお、可変長符号化部105は、例えば、統計 符号化器を用いて符号化する。

 このとき、符号化される予測モードを示 情報(モード指示)は、複数の方向予測モー が選択された場合は選択された方向予測モ ドを示す情報であり、DC予測モード又はエッ ジ予測モードが選択された場合はDC予測モー 及びエッジ予測モードのいずれかを示す情 である。すなわち、可変長符号化部105は、1 つの符号語をDC予測モードとエッジ予測モー との双方に割り当てる。

 そして、次のマクロブロックがある場合( S319でYes)、次のマクロブロックに対して以上 示す処理(S301~S319)は繰り返される。

 以上のようにして、本実施の形態の画像 号化装置100は、ブロック毎に予測モードを 定し、入力映像データを符号化する。上述 ように、予測モードを選択する前に予測モ ドセットが決定される。本実施の形態では 選択候補となる予測モードセットは、従来 予測モードセットと新たな予測モードセッ とがあり、新たな予測モードセットには、D C予測モードの代わりにエッジ予測モードが まれる。

 このとき新たな予測モードであるエッジ 測モードを示す情報は、DC予測モードを示 情報と同一の符号語を用いて符号化される したがって、この符号語を受け取った復号 側で、DC予測モードであるかエッジ予測モー ドであるかを判定する。これにより、エッジ 予測モードを示す情報に新たな符号語を割り 当てる必要がなくなるので、符号量の増加を 防ぐことができる。

 以下では、新たなエッジ予測モードにつ てより詳細に説明する。

 上述したように周囲ブロックに含まれる 勾配の算出処理の対象となる画素毎に、勾 が算出され、イントラ予測部112は、最大ノ ムを有するベクトルと、最大ノルムを有す ベクトルが得られた画素に隣接する画素の クトルとを用いてエッジの角度を算出する 具体的には、隣接画素のそれぞれに対して 対応するエッジベクトル(又は勾配ベクトル )のノルムは、最大ベクトルのノルムと比較 れる。隣接画素のエッジベクトルのノルム 、最大ベクトルのノルムの50%より大きい場 のみ、当該隣接画素のエッジベクトルを利 するためにメモリに格納する。そして、イ トラ予測部112は、メモリに格納された最大 クトルと周囲ベクトルとのそれぞれの角度 平均を、新たなエッジ予測モードの方向の 度αとして算出する。具体的には、以下の図 10に示すフローチャートに従って実行される

 図10は、本実施の形態においてエッジの 度を算出する処理を示すフローチャートで る。この処理は、図7を用いて説明したエッ 検出処理の結果に依存する。図7に示すエッ ジ検出処理を行った結果、閾値より大きいと 判定された1つ以上のエッジベクトルと対応 る画素の位置とが格納される。

 ノルム判定部203は、エッジ検出処理で検 された最大エッジベクトルの角度を算出し メモリに格納する(S401)。そして、以下の処 は、最大エッジベクトルが算出された画素 隣接する全ての画素に対して実行される(S40 2)。すなわち、ノルム判定部203は、最大エッ ベクトルが算出された画素に隣接する画素 うち、1つの画素の位置を対象画素位置とし て以下の処理を行う。

 次に、ノルム判定部203は、対象画素位置 対応するエッジベクトルがノルム判定部203 有するメモリに格納されるか否かを判定す (S403)。すなわち、閾値より大きいノルムを し、かつ、対象ブロックを指すエッジベク ルが格納されているか否かを判定する。

 エッジベクトルが格納されている場合(S40 3でYes)、ノルム判定部203は、このベクトルの ルムを算出する(S404)。そして、ノルム判定 203は、算出したノルムと最大エッジベクト のノルムとを比較する(S405)。算出したノル が最大ノルムの50%より大きい場合(S405でYes) ノルム判定部203は、対象画素位置のベクト の角度を算出し、メモリに格納する(S406)。

 以上の処理(S403~S406)を全ての対象画素位 に対して実行する。次の画素がない場合、 なわち、全ての対象画素位置に対して処理 終了した場合(S407でNo)、ノルム判定部203は、 メモリに格納された角度を平均することで、 エッジの角度を算出する(S408)。

 なお、図10に示すような検出したエッジ 角度を決定する上述の処理は、単なる例示 ある。本発明は、エッジを検出し、又は、 の方向を決定するいかなる特定の方法にも 定されない。例えば、エッジの角度は、最 エッジベクトルのみの方向から決定されて よい。あるいは、より多く又はより少ない の近接するベクトル、又は、エッジに沿っ 他のベクトルの方向から決定されてもよい また、メモリに格納するベクトルはエッジ クトルであるとしたが、勾配ベクトルであ てもよい。

 予測モード選択部205がエッジ予測モード 選択した場合、イントラ予測部112は、以上 ようにして決定したエッジの角度、すなわ 、エッジの方向を予測方向として予測ブロ クを生成する。なお、以上のエッジの角度 出処理をイントラ予測部112が行ってもよい このとき、イントラ予測部112は、エッジ検 部201、方向判定部202及びノルム判定部203に 当する処理部を有する。

 なお、上述のエッジの角度算出処理を画 復号装置300が実行する場合も同様である。 体的には、エッジ検出部201、方向判定部202 びノルム判定部203のそれぞれが行う処理を エッジ検出部401、方向判定部402及びノルム 定部403がそれぞれ実行する。

 続いて、本実施の形態のエッジ予測モー に従って予測ブロックを生成する動作につ て図11A~図13を用いて説明する。

 図11A、図11B及び図12は、本実施の形態の ッジ予測モードを示す概略図である。この ードによれば、対象ブロックは、ある方向 沿って前に符号化及び復号された映像デー を外挿又は内挿することによって予測され 。従来の方向のイントラ予測モード(図1B)は イントラ予測の方向が固定的であったのに して、エッジ予測モードは、任意の方向に って対象ブロックを予測することができる 本実施の形態によれば、予測の方向は、前 符号化及び復号された画像データ内のエッ を検出することによって決定される。

 図11Aは、検出されたエッジの方向50が対 ブロック10の上境界を横切る場合の図である 。図11Aに示すように、対象ブロック10は、前 符号化及び復号された映像データを外挿す ことによって、具体的には、検出されたエ ジの方向50に沿って参照画素20を連続させる ことによって、予測される。すなわち、イン トラ予測部112は、エッジの方向から決定され る参照画素20の画素値(あるいは、2つ以上の 照画素20から算出される補間値)を、予測ブ ックを構成する画素の画素値(予測値)とする ことで、予測ブロックを構成する。

 イントラ予測部112は、エッジのシャープ を保つために、参照画素20の間の線形補間 、画素の予測値を算出するために用いる。 11Aに示すように、決定された角度αに沿った 参照画素の平行移動は、整数画素位置に一致 しない。

 位置(x,y)で予測する各画素に対して、参照 置x-δ x は、エッジの方向50によって示されるエッジ 角度αに依存して見つけられる。そして、 照位置の参照値は、2つの周囲の整数参照画 aとbとを線形補間することによって算出さ る。このように算出された参照値は、予測 れる画素の予測値pとして用いられる。なお 利用可能な参照画素は、対象ブロック10に 接隣接する参照画素20である。

 予測値pは、2つの参照画素の画素値aとbと の重み付け加算和として式3によって算出さ る。

 なお、w a x -floor(δ x )、w b =ceil(δ x )-δ x 、かつδ x =ycotαである。

 水平方向の増加量δ x は、検出されたエッジの角度αと、ブロック の予測される画素の位置(x,y)とから算出さ る。なお、図11Aにおいて、位置(0,0)は、対象 ブロック10に隣接する参照画素20の左上角の 置である。よって、同図において、予測値p 画素位置は、(3,2)で示される。

 画素を通過し、検出されたエッジに平行な (エッジの方向51)が、対象ブロックの上境界 ではなく左境界を横切る場合、式3に類似の が用いられる。図11Bは、検出されたエッジ 方向51が対象ブロック10の左境界を横切る場 の図である。ここで、垂直方向の増加量は δ y であり、参照画素値cとdとを用いて位置(x,y) 画素に対する予測値pは、式4を用いて算出さ れる。

 なお、w c y -floor(δ y )、w d =ceil(δ y )-δ y 、かつδ y =xtanαである。

 なお、図11Bにおいて、位置(0,0)は、対象 ロック10に隣接する参照画素20の左上角の位 である。よって、同図において、予測値pの 画素位置は、(4,4)で示される。

 図12に示すように、画素を通過し、検出 れたエッジに平行な線(エッジの方向52)が、 象ブロックの左境界を横切るだけでなく、 の上境界、又は、対象ブロックの右に位置 るブロックの上境界を横切る場合、2つの関 連のある参照位置(a及びbと、c及びd)があって もよい。この場合、両方の参照位置が予測に 用いられるように、対象ブロック10は、外挿 はなく、前に符号化及び復号された映像デ タの内挿によって予測されてもよい。予測 は、2つの参照位置の補間された画素値の線 形補間の結果である。

 具体的には、予測値pは、例えば、式5の うに、4つの参照画素値a、b、c及びdの重み付 け加算和として算出されてもよい。

 なお、w up =N-y、w left =N-x、かつ、N=4又はN=8であり、Nは、ブロック イズに依存する。

 別の例として、2つの参照位置の本当の補間 、すなわち、2つの参照位置間のユークリッ 距離であるw up とw left を算出してもよい。

 以上のように、本実施の形態では、イン ラ予測部112は、検出されたエッジの方向に って、対象ブロックに近接するブロックに まれる画素に対応する、前に生成(符号化及 び復号)された復号画像データ(すなわち、参 画素(復号画素とも記載))を外挿又は内挿す ことで予測ブロックを生成する。このとき 外挿又は内挿は、線形の外挿又は内挿であ 。

 より具体的には、予測ブロックを構成する 測画素毎に、複数の参照画素の画素値の少 くとも2つの重み付け加算和を算出し(式3、 4又は式5参照)、算出した重み付け加算和を 挿又は内挿することで、予測ブロックを生 する。このときの重み(w a 、w b 、w c 及びw d )は、エッジの方向に基づいて決定される。 えば、重みに対応する参照画素から、予測 素を通る直線であって、エッジの方向の直 (エッジの方向50など)までの距離が小さいほ 、大きな値になるように決定される。

 図13は、本実施の形態におけるエッジ予 モードに従って予測値を算出する(すなわち 予測ブロックを生成する)方法を示すフロー チャートである。

 まず始めに、例えば、図10を用いて説明 た処理に従って、イントラ予測部112は、エ ジの角度を決定する(S501)。以下の処理は、 測される対象ブロックの全ての画素に対し 実行される(S502)。

 イントラ予測部112は、例えば、図11Aに示す うに、対象画素から、決定された角度が示 方向に上部の参照画素があるか否かを判定 る(S503)。上部の参照画素がある場合(S503でYe s)、イントラ予測部112は、上部の参照値r up を式3に従って算出する(S504)。なお、ここで 、式3においてpをr up に置き換えることで上部の参照値r up を算出する。

 続いて、イントラ予測部112は、例えば、図1 1Bに示すように、対象画素から、決定された 度が示す方向に左の参照画素があるか否か 判定する(S505)。左の参照画素がある場合(S50 5でYes)、イントラ予測部112は、左の参照値r left を式4に従って算出する(S506)。なお、ここで 、式4においてpをr left に置き換えることで左の参照値r left を算出する。

 そして、イントラ予測部112は、対象画素の 測値pを上部の参照値及び左の参照値の利用 可能性に従って算出する(S507)。両方が利用可 能である場合、予測値pは、p=(w up r up +w left r left )/(w up +w left )により算出される。上部の参照値又は左の 照値のみが利用できる場合、予測値pはそれ れ、p=r up 及びp=r left である。双方共に利用できない場合、予測値 pは、前に予測された、近接画素の平均値、 なわち、式6に従って算出される。

 なお、式6において、p(x,y)は、位置(x,y)にお る予測値を表している。

 次の画素がある場合(S508でYes)、以上の処 (S503~S507)は、繰り返される。すなわち、対 ブロックに含まれる全ての画素について予 値が算出されるまで以上の処理が実行され 。

 以上のように、本実施の形態の画像符号 装置100は、エッジ予測モードが選択した場 、検出したエッジの方向に沿って予測値を 出することで予測ブロックを生成すること できる。

 なお、上述の予測値の算出処理を画像復 装置300が実行する場合も同様である。具体 には、イントラ予測部112が行う処理を、イ トラ予測部305が実行する。

 また、以上に説明したように本実施の形 では、1つの方向に沿って予測ブロックを生 成したが、複数の方向に沿って予測ブロック を生成してもよい。

 図14は、本実施の形態において、予測画素 2つ以上の方向に従って予測されることを示 概略図である。例えば、同図に示すように 異なる方向であるが、対象ブロックを指す 向を有する2つの強いエッジ61及び62が2つの 接しない対象画素63及び64に検出された場合 、画素値は、前に復号された参照画素20を、2 つの方向のいずれか、又は、より好ましくは 、2つのエッジの方向65及び66を合わせた方向 外挿又は内挿することによって予測されて よい。例えば、2つのエッジの方向65及び66 合わせた方向は、式5のように重み付け加算 を算出することにより決定されてもよい。 のとき、水平方向の増加分δ x 及び垂直方向の増加分δ y はそれぞれ、第1及び第2エッジの方向65及び66 (角度)から算出される。

 なお、本実施の形態では、予測に用いら るエッジ及び方向の数に対しては限定され ことはなく、また、個々の結果を合成する 法に対しても限定されることはない。

 これらの複数のエッジのそれぞれのシャ プさを保護するために、重み付け加算和の 出に用いられる重みは、検出されたエッジ それぞれのまっすぐな延長線までの予測さ る各予測画素からの距離に従って計算され もよい。例えば、重みのそれぞれは、重み 対応する参照画素(図14のa、b、c及びd)から 少なくとも2つのエッジのいずれかの延長線 での距離が小さいほど、大きな値になるよ に決定される。

 特に、重みw left 及びw up は、対象ブロックの左のブロックで検出され たエッジ(又は、エッジの延長線)が通過する ての画素に対して、それぞれ1及び0に設定 れてもよい。逆に、重みw left 及びw up は、対象ブロックの上のブロックで検出され たエッジ(又は、エッジの延長線)が通過する ての画素に対して、それぞれ1及び0に設定 れてもよい。すなわち、重みのそれぞれは 重みに対応する参照画素(図14のa、b、c及びd) から、少なくとも2つのエッジのいずれかが 出された復号ブロックまでの距離が小さい ど、大きな値になるように決定される。な 、残りの画素、すなわち、検出されたエッ (又は、エッジの延長線)のいずれも通過しな い画素に対する重みは、上述のように予測画 素からの距離に基づいて設定されてもよい。

 次に、本実施の形態の画像復号装置300の ントラ予測を用いた復号処理について図15 用いて説明する。図15は、本実施の形態にお けるイントラ予測に基づいて画像及び映像デ ータを復号する処理を示すフローチャートで ある。

 図15に示す復号処理は、16×16画素のマク ブロック毎に実行される(S601)。まず、分割 イズが、入力ビットストリームから読み出 れ、すなわち、統計的復号器を用いて復号 れる(S602)。そして、分割サイズに従って対 マクロブロックのブロック毎に復号処理は 行される(S603)。

 入力ビットストリームから対象ブロック 予測モードと符号化された予測誤差を示す 差情報とが読み出される(S604)。読み出され 予測モードは、制御部307と、スイッチ308を してイントラ予測部305又は動き補償部306に 力される。残差情報は、逆量子化部301に出 される。

 次に、イントラ予測部305又は動き補償部3 06は、読み出された予測モードに基づいて、 象ブロックに対応する予測ブロックを生成 る(S605)。なお、この予測ブロックの生成処 のうち特にイントラ予測部305が実行する処 については、図16を用いてより詳細に後で 明する。

 逆量子化部301は、残差情報を逆量子化し 逆量子化された残差情報を逆周波数変換部3 02に出力する。そして、逆周波数変換部302は 逆量子化された残差情報を逆周波数変換す (S606)。逆周波数変換により得られた復号差 画像は加算部303に出力される。

 加算部303は、予測ブロックと復号差分画 とを加算することで対象ブロックを再構成 る(S607)。加算部303によって生成された復号 像は、フレームメモリ304に格納され、参照 クチャとしてイントラ予測部305又は動き補 部306によって用いられる。

 そして、次のブロックがある場合(S608でYe s)、次のブロックに対して予測モードと予測 差との読み出し処理(S604)から繰り返される 次のブロックがない場合(S608でNo)、かつ、 のマクロブロックがある場合(S609でYes)、次 マクロブロックに対して分割サイズの読み し処理(S602)から繰り返される。

 次に、本実施の形態の画像復号装置300の ントラ予測処理について図16を用いて説明 る。図16は、本実施の形態におけるイントラ 予測処理を示すフローチャートである。なお 、同図に示すイントラ予測処理は、予測ブロ ックを生成する際(図15のS605)にイントラ予測 305によって行われる。

 予測モード判定部404は、予測モードが2で あるか否か、すなわち、予測モードがDC予測 ード又はエッジ予測モードを示しているか かを判定する(S701)。予測モードが2である場 合(S701でYes)、エッジ検出部401、方向判定部402 及びノルム判定部403は、エッジ検出処理(図7) を実行する(S702)。

 エッジが検出された場合(S703でYes)、予測 ード判定部404は、エッジ予測モードを選択 、予測ブロック生成部405は、エッジ予測モ ドに従って予測ブロックを生成する(S704)。 お、このときの予測ブロックの生成処理は 図13を用いて説明した通りである。

 エッジが検出されない場合(S703でNo)、予 モード判定部404は、DC予測モードを選択し、 予測ブロック生成部405は、従来のDC予測モー に従って予測ブロックを生成する(S705)。

 予測モードが2ではない場合(S701でNo)、予 モード判定部404は、予測モードが示す方向 測モードを選択し、予測ブロック生成部405 、従来の方向予測モードに従って予測ブロ クを生成する(S706)。

 以上のように、本実施の形態の画像復号 置300は、対象ブロックの予測モードを判定 、イントラ予測モードのモードが2である場 合、すなわち、DC予測モードかエッジ予測モ ドかを示す予測モードである場合に、エッ 検出処理を行う。そして、エッジが検出さ た場合に、予測モードをエッジ予測モード あると判定し、エッジが検出されない場合 、予測モードをDC予測モードであると判定 る。

 これにより、エッジ予測モードに従って 号化されたビットストリームを正しく復号 ることができる。また、常にエッジ検出処 を行うのではなく、エッジ検出処理を行う 合を制限するので画像復号装置300の処理負 を軽減することができ、復号処理に多くの 間が費やされることを防ぐことができる。

 以上のように、本実施の形態の画像符号 装置100及び画像復号装置300は、イントラ予 を行う際に新たなエッジ予測モードを利用 ることができる。これにより、特に、シャ プな線形エッジを含む符号化対象ピクチャ 符号化する際に、符号化効率をより高める とができる。

 また、本実施の形態の画像符号化装置100 、新たなエッジ予測モードを示す情報をDC 測モードを示す情報として符号化する。す わち、従来のDC予測モードと新たなエッジ予 測モードとを伝送する際に、全く同一の符号 を用いる。これにより、新たなエッジ予測モ ードを導入したことに伴う符号量は増加しな い。

 さらに、本実施の形態の画像符号化装置1 00は、対象ブロックの周囲のブロックからエ ジの方向を検出するために、エッジの方向 どのエッジ予測モードに必要な情報を符号 しない。さらに、画像復号装置300は、画像 号化装置100と同様にエッジ検出処理を行う 理部を備えることで、エッジ予測モードに 要な情報を伝送する必要もなくなる。

 したがって、本実施の形態の画像符号化 置100と画像復号装置300とを備えるコーデッ 装置では、新たなイントラ予測モードを導 するときのいかなる追加的な伝送オーバー ッドも避けることができる。

 図17A、図17B及び図18は、本実施の形態の 像符号化装置100による効果を説明するため 図である。図17Aは、フォアマンのシーケン (CIF:Common Intermediate Format(解像度352×288))の最 初の10フレームを符号化したときのPSNR(Peak Si gnal-to-Noise Ratio)とビットレートとの関係を示 す図である。図17Bは、スピンカレンダーのシ ーケンスを符号化したときのPSNRとビットレ トとの関係を示す図である。また、図18は、 様々なシーケンスに対するエッジ予測モード を用いて符号化されたブロックの割合とビッ トレート減少率とを示す図である。

 例えば、スピンカレンダーシーケンスを 号化した場合には、ビットレートの減少率 8%を超えており、多くのシャープなエッジ 含むシーケンスに対して、充分に符号化効 が高められたことを示す。また、フォアマ シーケンスを符号化した場合は、300フレー (シーケンス全部)よりもシーケンスの最初の 10フレームだけに行われた場合に、より符号 効率が高められたことが分かった(6.44%のビ トレートの減少)。なぜなら、フォアマンシ ーケンスは、シーケンスの最初にシャープな 線形エッジを多く含むためである。これらの フレームでは、エッジ予測モードがよく選択 され(平均でブロックのおよそ15%)、エッジが り適切に検出される。他方で、シーケンス 終わりにはほとんどエッジはない。これら フレームでは、エッジ予測モードは、ほと ど用いられていない(平均でブロックのおよ そ3~4%)。このため、シーケンス全体での平均 ットレートの減少率は、3.37%である。

 以上のことから、エッジ予測の実行は、 きく画像内容に依存していることも示して る。すなわち、ほとんどエッジのない、又 、ボケたエッジを含む画像では、エッジ予 モードは、ほとんど用いられない。本実施 形態の画像符号化方法は、そのようなシー ンスにとって、従来の符号化方法と比較し 有利な点はないが、不利な点もない。なぜ ら、予測モードセットには、DC予測モード ほとんど常に用いられるからである。その うな画像は、H.264の9つの従来の予測モード 符号化される。

 次の表は、ビットレートの減少率とシミ レートされたシーケンスのPSNR改良度との点 から見た高精度エッジ予測技術の結果を示す 。

 表1に示すように、結果は、異なるシーケ ンス間で大きく異なっている。エッジ予測モ ードの使用の頻度と、最終的なゲインとの間 に線形の関係はないが、最も良いゲインは、 エッジ予測モードで簡単に予測されたエッジ を多く含む画像に対して得られている。

 以上、本発明の画像符号化装置、画像復 装置及びこれらの方法について、実施の形 に基づいて説明したが、本発明は、これら 実施の形態に限定されるものではない。本 明の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思い く各種変形を当該実施の形態に施したもの 、本発明の範囲内に含まれる。

 例えば、本実施の形態によれば、ソーベ 演算子を用いて勾配を算出することで、エ ジの検出を行った。しかしながら、本発明 、この点には限定されない。代わりに、検 されたエッジの方向性が算出されれば、ど ようなエッジ検出ツールが用いられてもよ 。ソーベル演算子は、可能なエッジ検出技 の一例に過ぎない。例えば、式7に示すプレ ウィット演算子を用いてもよい。

 また、ローパスフィルタ(LPF:Low Pass Filter )処理を行ったブロックに対して勾配を算出 てもよい。具体的には、ローパスフィルタ 構成するフィルタ係数とソーベル演算子又 プレウィット演算子とを畳み込んだ演算子 用いて勾配を算出することができる。した って、例えば、本実施の形態では、エッジ 出部201又は401は、ソーベル演算子のみ、プ ウィット演算子のみ、ソーベル演算子とロ パスフィルタとの合成フィルタ、又は、プ ウィット演算子とローパスフィルタとの合 フィルタの4種類の中から選択して、勾配を 出してもよい。いずれのフィルタを選択す かは、例えば、外部からのユーザの指示、 は、対象ピクチャの特徴に基づいて決定さ る。例えば、対象ピクチャに多くのノイズ 含まれる場合、すなわち、対象ピクチャが 坦な画像でない場合は、ローパスフィルタ 含むフィルタを用いる。

 また、本実施の形態の画像符号化装置100 、ノルム判定部203又は403は、予め定められ 閾値を用いてノルムの判定を行ったのに対 て、シーケンス、ピクチャ、スライス、又 、ブロック単位で変更してもよい。この場 、決定した閾値をビットストリームに含め ことで復号器側に伝送する必要がある。例 ば、閾値を決定する単位に応じて、シーケ スパラメータセット(SPS)、ピクチャパラメ タセット(PPS)、又はスライスヘッダ(SH)など 閾値を示す情報は含められる。

 図19は、本実施の形態とは異なる形態の 像符号化装置500の構成の一例を示すブロッ 図である。同図の画像符号化装置500は、図2 画像符号化装置100と比べて、可変長符号化 105の代わりに可変長符号化部505を備え、参 ピクチャメモリ109の代わりに参照ピクチャ モリ509を備え、イントラ予測モード決定部1 10の代わりにイントラ予測モード決定部510を え、さらに新たに閾値決定部519を備える点 異なっている。以下では、図2の画像符号化 装置100と同じ点は説明を省略し、異なる点を 中心に説明する。

 また、図19に示すように、画像符号化装 500は、外部からエッジ検出フラグを受け取 てもよい。エッジ検出フラグは、エッジ検 処理の有効又は無効を切り替えるためのフ グである。例えば、シーケンス、ピクチャ 又はスライス単位でエッジ検出処理の有効 は無効を切り替えることができる。

 可変長符号化部505は、可変長符号化部105 処理に加えて、さらに、閾値決定部519によ て決定された閾値と、エッジ検出フラグと ビットストリームに含める。閾値を示す情 及びエッジ検出フラグは、例えば、SPS、PPS SHなどに含められる。

 参照ピクチャメモリ509は、加算部108によ て生成された復号画像LDを格納する。そし 、イントラ予測モード決定部510、動き検出 111、イントラ予測部112、及び、動き補償部11 3だけでなく、閾値決定部519にも格納してい 復号画像LDを参照ピクチャとして出力する。

 イントラ予測モード決定部510は、イント 予測モード決定部110の処理に加えて、エッ 検出フラグを受け取る。そして、イントラ 測モード決定部510は、受け取ったエッジ検 フラグに応じて、エッジ検出処理の有効又 無効を切り替える。具体的には、エッジ検 フラグがエッジ検出処理の有効を示す場合 は、上述したイントラ予測モード決定部110 同様の処理を行う。エッジ検出フラグがエ ジ検出処理の無効を示す場合には、イント 予測モードセットは常に従来のDC予測モー と8つの方向予測モードとを含む予測モード ットに設定する。すなわち、エッジの検出 理を行わない。

 また、イントラ予測モード決定部510は、 値決定部519によって決定された閾値を用い ノルムの判定を行う。具体的なノルムの判 処理については上述した内容と同じである め、説明を省略する。

 閾値決定部519は、参照ピクチャメモリ509 ら参照ピクチャを読み出し、読み出した参 ピクチャの画像特徴量を算出することで、 値を決定する。参照ピクチャの画像特徴量 、例えば、エッジ検出処理が行われる参照 クチャの分散、強度などである。例えば、 散が大きいほど、ノルム判定に用いる閾値 大きな値になるように決定する。分散が大 いということは、参照ピクチャに多くのノ ズが含まれることであり、エッジが誤検出 れてしまう可能性が大きくなる。したがっ 、ノルム判定に用いる閾値を大きくするこ で、エッジの誤検出される可能性を小さく ることができる。

 また、閾値決定部519は、前のピクチャに するエッジ検出処理の結果に基づいて閾値 決定してもよい。例えば、前のピクチャに して異なる方向のエッジが多く検出される ど、閾値が大きな値になるように決定する 異なる方向のエッジが多く検出されるとい ことは、ノイズなどの影響で正確なエッジ 検出されていない可能性があるので、ノル 判定に用いる閾値を大きくすることで、エ ジが誤検出される可能性を小さくすること できる。

 以上のように、図19に示す画像符号化装 500は、閾値を適応的に変更することができ ので、より適切な閾値を決定することがで 、より適切な予測ブロックを生成すること できる。これにより、符号化歪みなどを削 することができる。

 また、本発明の効果が充分に得られない 坦な画像などに対しては、エッジ検出処理 無効にすることができるので、画像符号化 置100に対する処理負担を軽減し、符号化処 の速度を高めることができる。

 また、エッジ検出フラグを復号器側にも 送するので、復号器側で、エッジ検出処理 行われていないビットストリームに対して ッジ検出処理が行われることを防ぐことが きる。

 なお、本実施の形態の画像復号装置300で 、エッジ検出処理を行うために、図1Aに示 参照画素20だけではなく、参照画素20を含む ロックに含まれる全画素のデータを、フレ ムメモリ304に格納する必要がある。これに して、周囲のブロックを復号すると同時に すなわち、勾配の算出に必要な参照画素の 素値が得られると同時に、勾配の算出処理 行い、勾配の算出処理結果だけをフレーム モリ304に格納してもよい。このとき、例え 、閾値を超えたノルム(又は、勾配値)のみ 格納することで、よりメモリ資源を節約す ことができる。あるいは、各ブロックの最 のノルムとその画素位置のみを格納しても い。

 この場合、図20に示すように、従来及び 述の説明と同様に、対象ブロック10の直ぐ上 の画素群72に含まれる画素は、予測ブロック 生成する際に参照される参照画素として格 される。さらに、周囲ブロック30に含まれ 画素値ではなく、エッジの方向を算出する 象となる画素群71の画素に対して算出したノ ルム(又は、勾配値)をフレームメモリ304又は ルム判定部403が備えるメモリなどに格納す 。

 これにより、画像復号装置300が備えるメ リ資源を有効に利用することができる。

 また、予測値を算出する上述の方法は、 出されたエッジの方向を正式に考慮に入れ 、本発明の範囲内で、いかなる他の方法に き換えられてもよい。具体的には、上記の 明で用いた参照画素より多くの参照画素、 は、別の参照画素を、予測される対象ブロ クに近接する参照画素の代わりに用いても い。

 また、本発明は、H.264映像符号化規格に 定されず、上述の従来のイントラ予測モー セットに限定されない。事実、発明のエッ 予測モードは、空間予測を用いるいかなる ロックベースの映像符号化器に用いられて よい。特に、DC予測モードの置き換えとして エッジ予測モードを用いるのではなく、H.264/ AVCの付加的モードとして用いることもできる 。

 また、本発明のエッジ予測モードは、エ ジ予測モードとDC予測モードとを合わせた 述の伝送とは異なる伝送メカニズムと共に いられてもよい。例えば、エッジ予測モー は、DC予測モードとは無関係の専用符号語に よって伝送されてもよく、又は、予め定義さ れた方向予測モードの1つ以上の組み合わせ 伝送されてもよい。

 また、本発明は、映像符号化アプリケー ョンに限られず、ブロックベースの静止画 符号化に用いられてもよい。

 また、本発明は、上述したように、画像 号化装置、画像復号装置及びこれらの方法 して実現できるだけではなく、本実施の形 の画像符号化方法及び画像復号方法のそれ れをコンピュータに実行させるためのプロ ラムとして実現してもよい。また、当該プ グラムを記録するコンピュータ読み取り可 なCD-ROMなどの記録媒体として実現してもよ 。さらに、当該プログラムを示す情報、デ タ又は信号として実現してもよい。そして これらプログラム、情報、データ及び信号 、インターネットなどの通信ネットワーク 介して配信されてもよい。

 また、本発明は、画像符号化装置及び画 復号装置のそれぞれを構成する構成要素の 部又は全部を、1個のシステムLSIから構成し てもよい。システムLSIは、複数の構成部を1 のチップ上に集積して製造された超多機能LS Iであり、具体的には、マイクロプロセッサ ROM及びRAMなどを含んで構成されるコンピュ タシステムである。

 要約すると、本発明は、画像及び映像デ タの符号化及び復号に関し、特に、前に符 化及び復号されたブロックの画像データか 対象ブロックを予測する新たな空間予測モ ドに関する。この予測モードによれば、シ ープなエッジを含むブロックは、エッジの 確な方向を考慮に入れることでより信頼性 高い予測が行われる。さらに、本発明では 新たな予測モードは、追加の伝送オーバー ッドを必要としない。なぜなら、(1)エッジ 方向は、前に符号化されたブロックから推 され、(2)新たな予測モードは、シャープな ッジを含むブロックに対する従来のDC予測 ードに置き換えることができるためである

 本発明の画像符号化方法及び画像復号方 は、符号化効率をより高めることができる いう効果を奏し、例えば、デジタルカメラ デジタルテレビ、BD(Blu-ray Disc)レコーダな に利用することができる。