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Title:
IMAGING DEVICE, AND DIFFRACTION GRATING LENS FOR USE IN THE DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/090838
Kind Code:
A1
Abstract:
A diffraction grating is formed on one face of a refractive lens formed into an aspheric shape and having a positive power. In order to reduce an image plane curvature and a chromatic aberration in a well-balanced manner, the zonal pitch of the diffraction grating is constituted to satisfy the following conditional formula(1). Here: Λmin designates the minimum zonal pitch (12); m a diffraction order; νd an Abbe constant of a lens substrate material for a d line; λ a wavelength; f an effective focal length; and hmax an effective radius (13) of a plane having the diffraction grating.

Inventors:
ANDO TAKAMASA
KORENAGA TSUGUHIRO
Application Number:
PCT/JP2008/050693
Publication Date:
July 31, 2008
Filing Date:
January 21, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MATSUSHITA ELECTRIC IND CO LTD (JP)
ANDO TAKAMASA
KORENAGA TSUGUHIRO
International Classes:
G02B13/00; G02B5/18; G02B13/18
Foreign References:
JPH10213739A1998-08-11
JPH10170820A1998-06-26
JP2000028913A2000-01-28
JPH04191716A1992-07-10
Attorney, Agent or Firm:
OKUDA, Seiji (10th Floor Osaka Securities Exchange Bldg., 8-16, Kitahama 1-chome, Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 41, JP)
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Claims:
 回折格子レンズと、
 前記回折格子レンズの視野角を規定する画角規制部材と、
 前記回折格子レンズを透過した光を受ける撮像素子と、
を備え、
 前記回折格子レンズは、
 第1面および第2面を有し、前記2つの面のうち少なくとも一方の面が非球面形状であり、かつ、正のパワーを有するレンズ基材と、
 前記レンズ基材の前記2つの面のうちの一方の面に形成された回折格子と、
を有し、
 λminを最小輪帯ピッチ、mを回折次数、ν d をレンズ基材材料のd線でのアッベ数、λを波長、fを有効焦点距離、h max を回折格子が形成された面の有効半径としたとき、
を満足する撮像装置。
 前記回折格子が下記条件式を満たす請求項1に記載の撮像装置。
 前記画角規制部材による画角の規制が最大半画角15°以上40°以下の範囲である請求項1に記載の撮像装置。
 レンズの視野角を規定する画角規制部材と、前記レンズによって形成された像を受光する撮像素子とを有する撮像装置のための回折格子レンズであって、
 第1面および第2面を有し、前記2つの面のうち少なくとも一方の面が非球面形状であり、正のパワーを有するレンズ基材と、
 前記レンズ基材の前記2つの面のうちの一方の面に形成された回折格子とを備え、
 λminを最小輪帯ピッチ、mを回折次数、ν d をレンズ基材材料のd線でのアッベ数、λを波長、fを有効焦点距離、h max を回折格子が形成された面の有効半径としたとき、前記回折格子が、
を満たし、かつ、
 最大半画角が15°以上40°以下である回折格子レンズ。
 前記回折格子が、
を満たす請求項4に記載の回折格子レンズ。
Description:
撮像装置およびそれに用いる回 格子レンズ

 本発明は、レンズ表面に回折格子を有す 回折格子レンズに関する。また、それを用 た撮像装置に関する。

 従来、カメラのコンパクト化、低コスト の要望にともない、カメラレンズの単レン 化が要望されている。しかし、非球面から る単レンズのみの構成では、設計パラメー の自由度が少なく、せいぜい球面収差やコ 収差の補正しかできず、色収差や像面湾曲 でも補正するのは困難である。

 そこで、特許文献1では、単レンズの表面 に回折格子を付加することにより、色収差の 補正が試みられている。

 回折格子は逆分散性および異常分散性をも 、大きな色収差補正能力を備えている。し がって、回折格子を用いることにより、単 ンズに発生する色収差を補正することが可 となる。

特表平8-508116号公報

 しかし、回折格子レンズにおいて、色収 補正に重点を置くと、像面湾曲を十分に補 することはできないという課題がある。光 ックアップ用途など斜入射特性が要求され いレンズであれば、像面湾曲を補正する必 がない。また、カメラ用途でも銀塩カメラ あればフィルム面を湾曲させることにより 面湾曲を軽減させることが可能である。し し、電子スチルカメラとなればある程度の 角特性が要求され、かつ、撮像面が平面で るため、像面湾曲が大きいと画質の低下を き起こしてしまう。

 本発明は、電子スチルカメラなどにも単 ンズとして使用可能な、色収差と像面湾曲 をバランスよく低減した回折格子レンズと れを用いた撮像装置を提供することを目的 する。

 本発明の撮像装置は、回折格子レンズと、 記回折格子レンズの視野角を規定する画角 制部材と、前記回折格子レンズを透過した を受ける撮像素子とを備えている。この回 格子レンズは、第1面および第2面を有し、 記2つの面のうち少なくとも一方の面が非球 形状であり、かつ、正のパワーを有するレ ズ基材と、前記レンズ基材の前記2つの面の うちの一方の面に形成された回折格子とを有 している。λminを最小輪帯ピッチ、mを回折次 数、ν d をレンズ基材材料のd線でのアッベ数、λを波 長、fを有効焦点距離、h max を回折格子が形成された面の有効半径とした とき、次の(式1)を満足する。

 本発明によれば、色収差と像面湾曲とが ランスよく低減され、電子スチルカメラな にも使用可能な撮像装置を提供することが きる。

本発明による撮像装置の実施形態を示 す図である。 図1Aに示す撮像装置における画角規制 材14の働きを示す図である。 本発明による撮像装置の他の実施形態 を示す図である。 本発明にかかる回折格子レンズの回折 を光軸方向から視た平面図である。 実施例1の回折格子レンズの断面図であ る。 実施例1の回折格子レンズの色収差およ び像面湾曲を示す図である。 実施例1の回折格子レンズの像面湾曲収 差量と軸上色収差量のRMS値とk値との関係を すグラフである。 実施例2の回折格子レンズの断面図であ る。 実施例2の回折格子レンズの色収差およ び像面湾曲を示す図である。 実施例3の回折格子レンズの断面図であ る。 実施例3の回折格子レンズの色収差およ び像面湾曲を示す図である。 実施例4の回折格子レンズの断面図で る。 実施例4の回折格子レンズの色収差お び像面湾曲を示す図である。 実施例5の回折格子レンズの断面図で る。 実施例5の回折格子レンズの色収差お び像面湾曲を示す図である。 実施例1から5の回折格子レンズの像面 曲収差量と軸上色収差量のRMS値とk値との関 係を示すグラフである。 実施例6の回折格子レンズの断面図で る。 実施例6の回折格子レンズの色収差お び像面湾曲を示す図である。 実施例6の回折格子レンズにおける1次 折効率の波長依存性を示すグラフである。

符号の説明

11、31、61、81、101、121、151 回折格子レンズ( ンズ、レンズ基材)
12 最小輪帯ピッチ
13 有効半径
14、34、64、84、104、124、154 画角規制部材(絞 )
15 傾斜
16、35、65、85、105、125、155 撮像素子
17 光学フード
18 光軸
32、62、82、102、122、152 第1面
33、63、83、103、123、153 第2面
41、71、91、111、131、161 軸上色収差量
42、72、92、112、132、162 像面湾曲収差量
156 保護膜

 以下、図1A~1Bを参照しながら、本発明に る撮像装置の実施形態を説明する。

 まず、図1Aを参照する。本実施形態の撮 装置は、回折格子レンズ11、画角規制部材14 撮像素子16を備えている。また、図1Aの撮像 装置では、回折格子レンズ11と撮像素子16の に外部から不要な光が入らないように、光 フード17が回折格子レンズ11および撮像素子1 6を覆っている。

 回折格子レンズ11の回折パワーは、回折 子の輪帯ピッチを小さくするほど、強くな 。したがって、輪帯ピッチを小さくしてレ ズ全体のパワーを回折によって増加させる 、相対的に屈折によるパワーを小さく抑え ことが可能となる。一方、回折格子のペッ バール和はほとんど0であるため、屈折によ パワーを相対的に小さく抑えることにより 回折格子レンズ11の全体としてのペッツバ ル和を小さくすることができる。この結果 回折格子をレンズ基材に付加すれば、像面 曲を低減することが可能となる。即ち、回 格子を用いることにより、色収差補正だけ なく像面湾曲補正も可能となる。

 本実施形態における回折格子レンズ11は 図1Aに示すように、光入射面(第1面)および光 出射面(第2面)の両面が非球面であり、正のパ ワーを有するレンズである。また、この回折 格子レンズ11は、第1面および第2面のうちの 方の面のみに形成された回折格子を備えて る。なお、回折格子の下端を結ぶ包絡面は 球面である。回折格子が形成される面をレ ズの一方の面に限定する理由は、回折面に るフレア光の発生量を抑制するためである 回折格子が形成される面は、レンズの片面 あれば、第1面および第2面のどちら側の面で もよい。

 ここで、最小輪帯ピッチ12とは、図1Aに示 すように、レンズ基材のうちの回折格子があ る面の有効半径13の領域内における輪帯のピ チ幅のうち最小のピッチ幅であり、通常、 外周の輪帯が最小となる。

 画角規制部材14は、入射光束の直径を規 する大きさを有する開口部を備えており、 絞り」と称される場合がある。回折格子レ ズ11の画角は、画角規制部材14によって規定 れる。図1Aに示すように、画角規制部材14の 中央に設けられた開口部の側面には、画角に 合わせた傾斜15が形成されている。このよう 傾斜15を付与することにより、斜入射の光 に対しても、光量の低下を防ぐことができ 。

 傾斜15の角度よりも大きな傾斜角度で画 規制部材14の開口部に入射する光線の少なく とも一部は、画角規制部材14に遮断されるた 、その光束断面積が狭まるか、撮像素子16 全く到達しなくなる。

 有効半径13は、画角規制部材14の開口部の 半径と形状によって規定される。図1Bは、斜 射の光線が画角規制部材14の開口部を通過 、回折格子レンズ11によって回折される様子 を示している。図1Bに示す状態では、有効半 13によって決まる円上に斜入射光線が結像 ている。

 ここで、λminを最小輪帯ピッチ、mを回折次 、ν d をレンズ基材材料のd線でのアッベ数、λを波 長、fを有効焦点距離、h max を回折格子が形成された面の有効半径とした とき、本実施形態の撮像装置は、次の式(1)を 満足する。

 なお、次の式(2)を満足することが、より好 しい。

 上記の式を満足することが好ましい理由 、後述する。

 なお、画角規制部材14は、回折格子レン 11よりも手前に位置する必要はなく、図1Cに すように、回折格子レンズ11と撮像素子16と の間に配置されていても良い。

 図2は、輪帯がある面を光軸方向から視た 回折格子レンズ11の平面図である。撮像用途 レンズの場合、収差特性を良好にするため は、輪帯形状は光軸に対して回転対称であ ことが望ましい。

 最小輪帯ピッチλminは以下のように導出 きる。なお、回折格子レンズの設計方法は 主に位相関数法と高屈折率法が用いられて る。以後、位相関数法を例に述べるが、こ 方法に限定するわけでなく、最終的に得ら る結果は高屈折率法で設計する場合も同じ ある。

 位相関数法はレンズ面に回折格子があると 定し、その面で、次式で表される波面の位 変換を行う。

 (数4)の式において、φは位相関数、ψは光路 差関数、hは光軸からの半径方向の距離、a 2 、a 4 、a 6 、a 8 、a 10 は係数である。係数はa 10 までとれば十分であるが、それ以上の次数で 構成しても良いし、逆に、それ以下でもよく 、任意である。

 光路差関数ψにおいて、第1項は実質的に回 のパワーを決める項であり、第2項以降は第 1項だけでは補正しきれない球面収差やコマ 差を補正する項である。一般に、第2項以降 項の回折パワーへの寄与は第1項に比べ十分 小さい。回折パワーの強さが光路差量に相当 するため、式全体において第1項が支配的と り、任意の径h j における光路差ψ j は、(数5)の式に示すように近似できる。

 よって、中心から数えて第j本目の輪帯のピ ッチλ j (=h j -h j-1 )は、ψ j とψ j-1 の差がmλであることを考慮すると、光路差が 波長より十分大きい範囲、つまり、ψ j >>mλである領域では、以下のようになる
ここで、a2は、m>0のときに負、m<0のとき 正となる。

 一般に、m次回折の平板回折レンズの焦点距 離f D は、(数7)で求められる。

 したがって、回折レンズにおいて全パワー 対する回折パワーの割合をCとおくと、(数8) が導出される。
ここで、fは、前述したように有効焦点距離 ある。(数8)を(数6)に代入すれば、最小輪帯 ッチλ min は下記のように求まる。

 このように、最小輪帯ピッチλ min を制御することにより、回折パワーの割合C 調整することができ、その結果として色収 や像面湾曲の補正量を調節することが可能 なる。

 また、レンズ基材材料の波長分散が大きい ど、色補正を強くする必要があるため、要 される回折パワーの割合Cは、レンズ基材材 料のアッベ数ν d に反比例する。したがって、C=1/kν d とすると、(数9)は(数10)に書き換えられる。

 このkの値を調整することにより、色収差や 像面湾曲の補正量を決定することができる。 像面湾曲と色収差をバランスよく低減させる ためには、回折格子の輪帯数を、下記条件式 を満たすようにするとよい。

 さらに効果的な条件として、下記式を満足 ることがより望ましい。

 また、回折格子レンズ11は、像面湾曲を 減しているため、斜入射特性に強く、最大 画角を15°以上に設定すると、特に効果的で る。ただし、像面湾曲を完全に補正してい わけではないため、高画角になるほど湾曲 が増大し、最大半画角が40°を超えると、画 質が低下するので好ましくない。したがって 、最大半画角は15°以上40°以下の範囲に設定 ることが好ましく、20°以上35°以下の範囲 定することがより好ましい。

 図1Aに示すように、画角規制部材14の開口 部に設ける傾斜部分は階段状にすることが好 ましい。画角規制部材14の側面で反射しレン に入射する不要な光を軽減することができ ためである。図1Aに示すように、階段形状 先端部を結んだラインの傾斜15は、画角規制 部材14が物体側に存在する場合、光軸18に対 て、15°以上40°以下であることが望ましい。 一方、画角規制部材14が撮像素子16と回折格 レンズ11との間に存在する場合は、回折格子 レンズ11を通過する最大画角の光線の射出マ ジナル傾角に合わせるとよい。

 撮像素子16は回折格子レンズ11によって形 成された像を電気信号に変換するための光電 変換を行う。この撮像素子16の撮像領域は、 大画角で入射する光線に対しても十分撮影 きる大きさを有している必要がある。

 本実施形態の撮像装置は、カラー撮影に 適に用いられるため、カラー対応の撮像素 16を用いることが望ましい。そのような撮 素子16の一例は、RGBの3原色フィルタがベイ ー配列と呼ばれる並び順にしたがって配置 れている撮像素子である。本発明の撮像装 は、単色用途であっても、幅を持った波長 囲での利用であれば有効である。単色用途 場合は、単色用の撮像素子を用いてもよい

 撮像素子16によって得られた画像情報は 不図示の演算処理部に送られ、ホワイトバ ンスやゲイン調整など各種画像処理が施さ る。

 以下、本発明の実施例を具体的に説明す 。本発明は以下の実施例に限定されるもの はない。

 本実施例のレンズの形状は、(数13)の非球面 式で表される。

 (数13)はx-y平面に垂直なz軸の周りに回転さ た場合の非球面を表す式であって、cは中心 率、A、B、C、D、Eは2次曲面からのずれを表 係数である。係数はEまでとれば十分である が、それ以上の次数で構成しても良いし、逆 に、それ以下でもよく、任意である。また、 Kの値によって、以下のような非球面となる
 0>Kの場合、短径を光軸とする楕円面
 K=0の場合、球面
 -1<K<0の場合、長径を光軸とする楕円面
 K=-1の場合、放物面
 K<-1の場合、双曲面

 また、レンズの回折面は、位相関数法を用 て設計している。位相関数法はレンズ面に 折格子があると仮定し、その面で、次式で される波面の位相変換を行う。
ただし、φは位相関数、ψは光路差関数、hは 方向の距離、a 2 、a 4 、a 6 、a 8 、a 10 は係数である。係数はa 10 までとれば十分であるが、それ以上の次数で 構成しても良いし、逆に、それ以下でもよく 、任意である。回折次数は1次である。

 また、実際の製造においては、位相関数 もとに材料の屈折率差と設計波長から回折 子の光軸方向変位量に換算して基材表面上 回折格子を形成する。

 (実施例1)
 図3は、実施例1のレンズ31を示す図である。 レンズ31の第1面32側に絞り34を付加し、第2面3 3は非球面の包絡面上に回折格子が形成され いる。撮像素子35は平面形状であり、結像点 に設置されている。

 レンズ31の基材材料は、ポリカーボネー を主成分とする樹脂からなる。ここで「ポ カーボネートを主成分とする樹脂」とは、 リカーボネートを95重量%以上、好ましくは98 重量%以上含む樹脂をいう。また、樹脂とし ポリカーボネートを用いたが、所定の屈折 を有するものであれば、これに限定されな 。例えばポリエチレン、ポリスチレン等を いてもよい。

 以下に、実施例1の回折格子レンズの数値デ ータを示す。なお、以下のデータにおいて、 ωは半画角、F no は口径比、n d はレンズ基材のd線での屈折率、ν d はレンズ基材のd線でのアッベ数、tはレンズ 間距離(光軸上の面中心間距離)を表す。
ω=35.3°
F no =4.0
n d =1.585
ν d =27.9
t=0.8mm
(第1面の非球面係数)
c=   -0.4030
K=-1565.5922
A=   -6.3106
B=  169.6545
C=-2643.2978
D=16157
(第2面の非球面係数)
c= -1.0540
K= -0.9047
A=  0.1261
B= -2.3832
C=  8.6418
D=-13.2194
(第2面の位相係数)
m=1
設計波長λ=540nm
a 2 = -0.0326
a 4 = -0.1581
a 6 =  1.2616
a 8 = -4.6734
a 10 = 6.4794
焦点距離f=1.819mm
h max =0.510mm
最小輪帯ピッチλ min =13.2μm
 このように構成することにより、(数10)にお ける定数kの値は0.246となり、実施例1は、条 式(1)、(2)を満たしていることがわかる。

 図4は、実施例1の色収差、像面湾曲量を す図であり、それぞれ球面収差図と非点収 図である。球面収差図において、横軸は光 方向の距離、縦軸は光線が入射瞳に入る高 で、光線が光軸と交わる位置をプロットし ものである。ここで、CはC線(656.27nm)、dはd線 (587.56nm)、gはg線(435.83nm)であり、これらの結 位置の差が軸上色収差量41である。非点収差 図において、横軸は光軸方向の距離、縦軸は 像の高さである。したがって、縦軸からの距 離が各像高における像面湾曲収差量42であり 一般に、像面湾曲は光軸を軸とした球面を 成する。ここで、Tはタンジェンシャル、S サジタルを表す。

 図4において、軸上色収差は完全には補正 されておらず、C線の結像位置がg線よりも手 、つまり、長波長ほど焦点距離が短くなっ いる。これは、回折格子による回折のパワ が強く、色収差補正が若干過剰な状態であ 。しかし、逆に、この効果により非球面に る屈折のパワーが小さくなり、像面湾曲は さくなっている。したがって、収差図から らかなように、軸上色収差量41と像面湾曲 差量42がバランスよく良好に補正されている ことがわかる。

 図5は、実施例1において、レンズ全体の ワーを一定にした状態で回折のパワーの割 を変化させた際の像面湾曲収差量42と軸上色 収差量41のRMS値(二乗平均値)の変化を表す。 こで、像面湾曲は球面形状であり、像高が きくなるにつれて像面湾曲収差量42が急激に 増大する。したがって、像面湾曲収差量42の 表点として最大像高の7割程度とするのが良 い。具体的には、ペッツバール像面における 光軸上の結像点と最大像高の7割像高のそれ の光軸方向に対する距離の差を像面湾曲収 量41とした。また、軸上色収差量41は、入射 を高さ0近傍で通過する波長640nmと440nmの光 の結像位置の差とした。横軸kは、(数10)にお ける定数kの値である。また、縦軸はRMSの最 値で正規化している。図5においてRMS値が小 いほど像面湾曲収差量と軸上色収差量がバ ンスよく補正されていることを示す。

 図5より、定数kの値を0.21以上0.30以下とす ることにより、RMS値を1.2以下(最小値となる の120%以内)とすることができ、色収差と像面 湾曲とをバランスよく低減できていることが わかる。定数kが0.30を超えるとRMS値が大きす 、撮像レンズとしての性能が悪化する。こ は、像面湾曲が大きすぎることが原因であ 。また、定数kが0.21未満となってもRMS値が きすぎ、撮像レンズとしての性能が悪化す 。これは、色収差が大きすぎることが原因 ある。

 なお、定数kの値を0.21以上0.28以下とする とにより、RMS値を約1.15(最小値となる値の11 5%以内)とすることができ、色収差および像面 湾曲をさらにバランスよく低減できる。

 (実施例2)
 図6は、実施例2のレンズ61を示す図である。 レンズ61の第1面62側に絞り64を付加し、第1面6 3は非球面の包絡面上に回折格子が形成され いる。撮像素子65は平面形状であり、結像点 に設置されている。

 レンズ61の基材材料はシクロオレフィン 樹脂(日本ゼオン社製“ZEONEX”)からなる。こ こで「シクロオレフィン系樹脂を主成分とす る樹脂」とは、シクロオレフィン系樹脂を90 量%以上、好ましくは95重量%以上含む樹脂を いう。また、樹脂としてシクロオレフィン系 樹脂を用いたが、所定の屈折率を有するもの であれば、これに限定されない。例えばポリ エチレン、ポリスチレン等を用いてもよい。

 以下に、実施例2の回折格子レンズの数値デ ータを示す。
ω=29.3°
F no =4.0
n d =1.524
ν d =56.2
t=0.96mm
(第1面の非球面係数)
c=   -0.2606
K=   43.4567
A=   -0.0953
B=  -12.5995
C=  231.3465
D=-1194.4115
E=-2.1554e-9
(第1面の位相係数)
m=1
設計波長λ=540nm
a 2 =  -0.0120
a 4 =  -0.5067
a 6 =  10.4742
a 8 =-106.2261
a 10 =465.0468
(第2面の非球面係数)
c= -0.9845
K=  0.2908
A= -0.1190
B=  1.9123
C=-10.3719
D= 27.1525
E=-27.0980
焦点距離f=2.172mm
h max =0.270mm
最小輪帯ピッチλ min =59.4μm
 このように構成することにより、(数10)にお ける定数kの値は0.243となり、実施例2は、条 式(1)、(2)を満たしていることがわかる。

 図7は、実施例2の色収差、像面湾曲量を す図であり、それぞれ球面収差図と非点収 図である。球面収差図において、横軸は光 方向の距離、縦軸は光線が入射瞳に入る高 で、光線が光軸と交わる位置をプロットし ものである。ここで、CはC線(656.27nm)、dはd線 (587.56nm)、gはg線(435.83nm)であり、これらの結 位置の差が軸上色収差量71である。非点収差 図において、横軸は光軸方向の距離、縦軸は 像の高さである。したがって、縦軸からの距 離が各像高における像面湾曲収差量72であり 一般に、像面湾曲は光軸を軸とした球面を 成する。ここで、Tはタンジェンシャル、S サジタルを表す。

 図7において、軸上色収差は完全には補正 されておらず、C線の結像位置がg線よりも手 、つまり、長波長ほど焦点距離が短くなっ いる。これは、回折格子による回折のパワ が強く、色収差補正が若干過剰な状態であ 。しかし、逆に、この効果により非球面に る屈折のパワーが小さくなり、像面湾曲は さくなっている。したがって、収差図から らかなように、軸上色収差量71と像面湾曲 72がバランスよく良好に補正されていること がわかる。

 また、実施例2においても、回折のパワー の割合を変化させた際の、即ち定数kの値を 化させた際の像面湾曲収差量と軸上色収差 のRMS値の変化を表す図は、実施例1と同様な 果が得られる。

 (実施例3)
 図8は、実施例3のレンズ81を示す図である。 レンズ81の第1面82側に絞り84を付加し、第2面8 3は非球面の包絡面上に回折格子が形成され いる。撮像素子85は平面形状であり、結像点 に設置されている。

 レンズ81の基材材料は、ポリカーボネー を主成分とする樹脂からなる。ここで「ポ カーボネートを主成分とする樹脂」とは、 リカーボネートを95重量%以上、好ましくは98 重量%以上含む樹脂をいう。また、樹脂とし ポリカーボネートを用いたが、所定の屈折 を有するものであれば、これに限定されな 。例えばポリエチレン、ポリスチレン等を いてもよい。

 以下に実施例3の回折格子レンズの数値デー タを示す。
ω=35.2°
F no =3.4
n d =1.585
ν d =27.9
t=0.8mm
(第1面の非球面係数)
c=   -0.3891
K=-1090.1768
A=   -4.3097
B=   77.6987
C= -844.8659
D= 3583.2210
(第2面の非球面係数)
c= -1.0380
K= -0.9056
A=  0.1039
B= -2.1356
C=  7.1890
D=-10.0174
(第2面の位相係数)
m=1
設計波長λ=540nm
a 2 =  -0.0344
a 4 =  -0.1352
a 6 =   1.0786
a 8 =  -3.8629
a 10 =  5.0122
焦点距離f=1.833mm
h max =0.551mm
最小輪帯ピッチλ min =12.4μm
 このように構成することにより、(数10)にお ける定数kの値は0.247となり、実施例3は、条 式(1)、(2)を満たしていることがわかる。

 図9は、実施例3の色収差、像面湾曲量を す図であり、それぞれ球面収差図と非点収 図である。球面収差図において、横軸は光 方向の距離、縦軸は光線が入射瞳に入る高 で、光線が光軸と交わる位置をプロットし ものである。ここで、CはC線(656.27nm)、dはd線 (587.56nm)、gはg線(435.83nm)であり、これらの結 位置の差が軸上色収差量91である。非点収差 図において、横軸は光軸方向の距離、縦軸は 像の高さである。したがって、縦軸からの距 離が各像高における像面湾曲収差量92であり 一般に、像面湾曲は光軸を軸とした球面を 成する。ここで、Tはタンジェンシャル、S サジタルを表す。

 図9において、軸上色収差は完全には補正 されておらず、C線の結像位置がg線よりも手 、つまり、長波長ほど焦点距離が短くなっ いる。これは、回折格子による回折のパワ が強く、色収差補正が若干過剰な状態であ 。しかし、逆に、この効果により非球面に る屈折のパワーが小さくなり、像面湾曲は さくなっている。したがって、収差図から らかなように、軸上色収差量91と像面湾曲 92がバランスよく良好に補正されていること がわかる。

 また、実施例3においても、回折のパワー の割合を変化させた際の、即ち定数kの値を 化させた際の像面湾曲収差量と軸上色収差 のRMS値の変化を表す図は、実施例1と同様な 果が得られる。

 (実施例4)
 図10は、実施例4のレンズ101を示す図である レンズ101の第1面102側に絞り104を付加し、第 2面103は非球面の包絡面上に回折格子が形成 れている。撮像素子105は平面形状であり、 像点に設置されている。

 レンズ101の基材材料は、ポリカーボネー を主成分とする樹脂からなる。ここで「ポ カーボネートを主成分とする樹脂」とは、 リカーボネートを95重量%以上、好ましくは9 8重量%以上含む樹脂をいう。また、樹脂とし ポリカーボネートを用いたが、所定の屈折 を有するものであれば、これに限定されな 。例えばポリエチレン、ポリスチレン等を いてもよい。

 以下に実施例4の回折格子レンズの数値デー タを示す。
ω=35.1°
F no =4.1
n d =1.585
ν d =27.9
t=1.6mm
(第1面の非球面係数)
c=   -0.2063
K=-1669.0694
A=   -0.8287
B=    5.7144
C=  -22.4280
D=   34.3588
(第2面の非球面係数)
c= -0.5249
K= -1.3615
A=  0.0186
B= -0.1059
C=  0.1019
D= -0.0388
(第2面の位相係数)
m=1
設計波長λ=540nm
a 2 =  -0.0164
a 4 =  -0.0220
a 6 =   0.0491
a 8 =  -0.0486
a 10 =  0.0176
焦点距離f=3.668mm
h max =1.018mm
最小輪帯ピッチλ min =14.0μm
 このように構成することにより、(数10)にお ける定数kの値は0.258となり、実施例4は、条 式(1)、(2)を満たしていることがわかる。

 図11は、実施例4の色収差、像面湾曲量を す図であり、それぞれ球面収差図と非点収 図である。球面収差図において、横軸は光 方向の距離、縦軸は光線が入射瞳に入る高 で、光線が光軸と交わる位置をプロットし ものである。ここで、CはC線(656.27nm)、dはd (587.56nm)、gはg線(435.83nm)であり、これらの結 位置の差が軸上色収差量111である。非点収 図において、横軸は光軸方向の距離、縦軸 像の高さである。したがって、縦軸からの 離が各像高における像面湾曲収差量112であ 、一般に、像面湾曲は光軸を軸とした球面 形成する。ここで、Tはタンジェンシャル、 Sはサジタルを表す。

 図11において、軸上色収差は完全には補 されておらず、C線の結像位置がg線よりも手 前、つまり、長波長ほど焦点距離が短くなっ ている。これは、回折格子による回折のパワ ーが強く、色収差補正が若干過剰な状態であ る。しかし、逆に、この効果により非球面に よる屈折のパワーが小さくなり、像面湾曲は 小さくなっている。したがって、収差図から 明らかなように、軸上色収差量111と像面湾曲 量112がバランスよく良好に補正されているこ とがわかる。

 また、実施例4においても、回折のパワー の割合を変化させた際の、即ち定数kの値を 化させた際の像面湾曲収差量と軸上色収差 のRMS値の変化を表す図は、実施例1と同様な 果が得られる。

 (実施例5)
 図12は、実施例5のレンズ121を示す図である レンズ121の第1面122側に絞り124を付加し、第 2面123は非球面の包絡面上に回折格子が形成 れている。撮像素子125は平面形状であり、 像点に設置されている。

 レンズ121の基材材料は、ポリカーボネー を主成分とする樹脂からなる。ここで「ポ カーボネートを主成分とする樹脂」とは、 リカーボネートを95重量%以上、好ましくは9 8重量%以上含む樹脂をいう。また、樹脂とし ポリカーボネートを用いたが、所定の屈折 を有するものであれば、これに限定されな 。例えばポリエチレン、ポリスチレン等を いてもよい。

 以下に実施例5の回折格子レンズの数値デー タを示す。
ω=25.1°
F no =4.0
n d =1.585
ν d =27.9
t=0.8mm
(第1面の非球面係数)
c=   -0.4029
K=    1.0000
A=    0.3698
B=  -22.2146
C=  184.2442
(第2面の非球面係数)
c= -1.0499
K= -0.9047
A= -0.2013
B=  1.1609
C=-10.5868
D= 24.4636
(第2面の位相係数)
m=1
設計波長λ=540nm
a 2 =  -0.0340
a 4 =  -0.1046
a 6 =   0.8766
a 8 =  -2.7825
a 10 =  2.3747
焦点距離f=1.809mm
h max =0.446mm
最小輪帯ピッチλ min =15.6μm
 このように構成することにより、(数10)にお ける定数kの値は0.255となり、実施例5は、条 式(1)、(2)を満たしていることがわかる。

 図13は、実施例5の色収差、像面湾曲量を す図であり、それぞれ球面収差図と非点収 図である。球面収差図において、横軸は光 方向の距離、縦軸は光線が入射瞳に入る高 で、光線が光軸と交わる位置をプロットし ものである。ここで、CはC線(656.27nm)、dはd (587.56nm)、gはg線(435.83nm)であり、これらの結 位置の差が軸上色収差量131である。非点収 図において、横軸は光軸方向の距離、縦軸 像の高さである。したがって、縦軸からの 離が各像高における像面湾曲収差量132であ 、一般に、像面湾曲は光軸を軸とした球面 形成する。ここで、Tはタンジェンシャル、 Sはサジタルを表す。

 図13において、軸上色収差は完全には補 されておらず、C線の結像位置がg線よりも手 前、つまり、長波長ほど焦点距離が短くなっ ている。これは、回折格子による回折のパワ ーが強く、色収差補正が若干過剰な状態であ る。しかし、逆に、この効果により非球面に よる屈折のパワーが小さくなり、像面湾曲は 小さくなっている。したがって、収差図から 明らかなように、軸上色収差量131と像面湾曲 量132がバランスよく良好に補正されているこ とがわかる。

 また、実施例5においても、回折のパワー の割合を変化させた際の、即ち定数kの値を 化させた際の像面湾曲収差量と軸上色収差 のRMS値の変化を表す図は、実施例1と同様な 果が得られる。

 図14は、実施例1~5までのRMS値のグラフで る。実施例それぞれにおける最小値で正規 しており、収差量をスペックによらず同一 価することができる。

 RMS値は、実施例1~5各スペックのレンズデ タにおいて最小値となる値の120%以内にする ことが望ましい。この範囲を超えるとRMS最小 値時に比べ収差による画質劣化、いわゆる像 ボケが目立ち始める。このときの条件式の係 数kの範囲は、図14より0.21~0.30となる。より好 ましくは、RMS値を最小値に比べ115%以内にす のが良く、このときの係数kの範囲は0.21~0.28 ある。

 (実施例6)
 図15は、実施例6のレンズ151を示す図である レンズ151の第1面152側に絞り154を付加し、第 2面153は非球面の包絡面上に回折格子が形成 れている。さらに、第2面163の回折格子を覆 ように保護膜156が配置されている。撮像素 155は平面形状であり、結像点に設置されて る。

 レンズ基材材料、保護膜材料は、樹脂と 機粒子から構成される。レンズ基材材料は リカーボネートを主成分とする樹脂と、酸 亜鉛とを含む複合材料(d線屈折率1.683、アッ ベ数18.9、複合材料中の酸化亜鉛の含有率30体 積%、酸化亜鉛の平均粒径10nm)からなる。また 、回折格子の深さは、5.2μmである。ここで「 ポリカーボネートを主成分とする樹脂」とは 、ポリカーボネートを95重量%以上、好ましく は98重量%以上含む樹脂をいう。また、樹脂と してポリカーボネートを用いたが、所定の屈 折率を有するものであれば、これに限定され ない。例えばポリエチレン、ポリスチレン等 を用いてもよい。また、無機粒子として酸化 亜鉛を用いたが、所定の屈折率を有するもの であれば、これに限定されない。例えば、酸 化チタン、酸化タンタル、酸化ジルコニウム 、酸化アルミニウム、酸化イットリウム、酸 化シリコン、酸化ニオブ、酸化セリウム、酸 化インジウム、酸化スズ、酸化ハフニウム等 の金属酸化物を用いることができる。

 保護膜材料は、シクロオレフィン系樹脂 主成分とする樹脂と酸化ジルコニウムとを む複合材料(d線屈折率1.796、アッベ数41.9、 合材料中の酸化ジルコニウムの含有率50体積 %、酸化ジルコニウムの平均粒径10nm)からなる 。この保護膜は、スピンコート、ディップコ ート等の塗布、又は金型を用いた成形によっ て形成できる。「シクロオレフィン系樹脂を 主成分とする樹脂」とは、シクロオレフィン 系樹脂を90重量%以上、好ましくは95重量%以上 含む樹脂をいう。また、樹脂としてシクロオ レフィン系樹脂を用いたが、所定の屈折率を 有するものであれば、これに限定されない。 例えばポリエチレン、ポリスチレン等を用い てもよい。

 以下に実施例6の回折格子レンズの数値デー タを示す。
ω=27.0°
F no =3.9
n d =1.683
ν d =18.9
t=1.0mm
保護膜厚み50μm
(第1面の非球面係数)
c=   -0.3511
K=-1291.4288
A=   -3.6456
B=   66.3340
C= -701.2156
D= 2937.2028
(第2面の非球面係数)
c=-0.7546
K=-1.1946
A= 0.0026
B=-0.1732
C=-1.3087
D= 4.5807
E=-3.7650
(第2面の位相係数)
m=1
設計波長λ=540nm
a 2 =  -0.0414
a 4 =  -0.1082
a 6 =   0.6428
a 8 =  -1.4233
a 10 =  0.9523
焦点距離f=2.1215mm
h max =0.5562mm
最小輪帯ピッチλ min =10.4μm
 これらの値より、(数10)における定数kの値 0.27となり、実施例6は、条件式(1)、(2)を満た していることがわかる。

 図16は、実施例6の色収差、像面湾曲量を す図であり、それぞれ球面収差図と非点収 図である。球面収差図において、横軸は光 方向の距離、縦軸は光線が入射瞳に入る高 で、光線が光軸と交わる位置をプロットし ものである。ここで、CはC線(656.27nm)、dはd (587.56nm)、gはg線(435.83nm)であり、これらの結 位置の差が軸上色収差量161である。非点収 図において、横軸は光軸方向の距離、縦軸 像の高さである。したがって、縦軸からの 離が各像高における像面湾曲収差量162であ 、一般に、像面湾曲は光軸を軸とした球面 形成する。ここで、Tはタンジェンシャル、 Sはサジタルを表す。

 図16において、軸上色収差は完全には補 されておらず、C線の結像位置がg線よりも手 前、つまり、長波長ほど焦点距離が短くなっ ている。これは、回折格子による回折のパワ ーが強く、色収差補正が若干過剰な状態であ る。しかし、逆に、この効果により非球面に よる屈折のパワーが小さくなり、像面湾曲は 小さくなっている。したがって、収差図から 明らかなように、軸上色収差量161と像面湾曲 量162がバランスよく良好に補正されているこ とがわかる。

 また、実施例6においても、回折のパワー の割合を変化させた際の、即ち定数kの値を 化させた際の像面湾曲収差量と軸上色収差 のRMS値の変化を表す図は実施例1と同様な結 が得られる。

 また、図17は、実施例6の回折格子レンズ おける1次回折効率の波長依存性を表すグラ フである。図17より、波長400nm以上700nm以下の 可視光の全領域において回折効率は95%以上で あり、保護膜により回折効率の波長依存性が 低減できていることがわかる。

 なお、回折格子上の保護膜は、広波長域 おいて回折効率をかなり高く維持すること できるため付加することが望ましいが、必 しも必要となるものではない。無い場合で っても回折効率を約80%以上に保つことがで 、ブレーズ深さが浅く構成も簡易であると った固有な効果が得られる。

 本発明の回折格子レンズは、携帯カメラ 監視カメラなど小型で安価な撮像用途の光 系として有用である。




 
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