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Patent Searching and Data


Title:
IMIDE OLIGOMER AND POLYIMIDE RESIN OBTAINED BY THERMAL CURING THEREOF
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/098791
Kind Code:
A1
Abstract:
An imide oligomer that ensures excellent thermal moldability and excellent heat resistance as a polyimide resin resulting from thermal curing thereof, and that can be obtained easily at low cost. The imide oligomer is characterized in that a nonaxisymmetric site attributed to one molecule of any of nonaxisymmetric aromatic diamines of the general formula (1) is had in only a central area of the oligomer chain. (1) In the formula (1), W is a direct bond, -O-, -CH2-, -C2H4-, -C(CH3)2-, -CF2-, -C2F4-, - C(CF3)2-, -C(=O)-, -NH-, -NH-C(=O)-, -C(=O)-NH-, -S-, -S(=O)- or -S(=O)2-.

Inventors:
NISHINO, Hideo (1-10 Nihonbashi 2-chome, Chuo-k, Tokyo 40, 10382, JP)
西野 英雄 (〒40 東京都中央区日本橋2丁目1番10号 大和製罐株式会社内 Tokyo, 10382, JP)
WATANABE, Yasuyo (1-10 Nihonbashi 2-chome, Chuo-k, Tokyo 40, 10382, JP)
Application Number:
JP2008/063512
Publication Date:
August 13, 2009
Filing Date:
July 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
DAIWA CAN COMPANY (1-10, Nihonbashi 2-chome Chuo-k, Tokyo 40, 10382, JP)
大和製罐株式会社 (〒40 東京都中央区日本橋2丁目1番10号 Tokyo, 10382, JP)
NISHINO, Hideo (1-10 Nihonbashi 2-chome, Chuo-k, Tokyo 40, 10382, JP)
西野 英雄 (〒40 東京都中央区日本橋2丁目1番10号 大和製罐株式会社内 Tokyo, 10382, JP)
International Classes:
C08G73/10; C08F299/02; C08G73/12
Domestic Patent References:
WO2006033272A1
Foreign References:
JP2006307082A
JP2005076032A
JP2000219741A
JP20002119741A
US6359107B1
Other References:
See also references of EP 2246383A1
'Study for Practical Application and Strategy of Prevailing the Introduction in SiC Power Electronics' R&D ASSOCIATION FOR FUTURE ELECTRON DEVICES March 2005,
MASATOSHI HASEGAWA MACROMOLECULES vol. 32, 1999, page 382
Attorney, Agent or Firm:
IWAHASHI, Yuji (2-18-16, KanagawaKanagawa-ku, Yokohama-shi, Kanagawa 45, 22100, JP)
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Claims:
 下記一般式(1)により表される非軸対称性芳香族ジアミン1分子に由来する非軸対称部位をオリゴマー鎖の中心部のみに有することを特徴とするイミドオリゴマー。
(上記式(1)において、Wは、直接結合、-O-、-CH 2 -、-C 2 H 4 -、-C(CH 3 ) 2 -、-CF 2 -、-C 2 F 4 -、-C(CF 3 ) 2 -、-C(=O)-、-NH-、-NH-C(=O)-、-C(=O)-NH-、-S-、-S(=O)-、又は-S(=O) 2 -である)
 請求項1に記載のイミドオリゴマーにおいて、下記一般式(2)により表されることを特徴とするイミドオリゴマー。
(上記式(2)において、Wは、直接結合、-O-、-CH 2 -、-C 2 H 4 -、-C(CH 3 ) 2 -、-CF 2 -、-C 2 F 4 -、-C(CF 3 ) 2 -、-C(=O)-、-NH-、-NH-C(=O)-、-C(=O)-NH-、-S-、-S(=O)-、又は-S(=O) 2 -であり、Xは酸二無水化物残基、Yはジアミン残基、Zは架橋性反応基、nは(X-Y)で表される各ポリイミド部位の平均重合度で1~10である)
 請求項1又は2に記載のイミドオリゴマーにおいて、一般式(1)又は(2)におけるWが-O-、又は-CH 2 -であることを特徴とするイミドオリゴマー。
 請求項2又は3のいずれかに記載のイミドオリゴマーにおいて、各ポリイミド部位の平均重合度nがそれぞれ1~6であり、且つイミドオリゴマー全体の平均分子量が8000以下であることを特徴とするイミドオリゴマー。
 請求項2から4のいずれかに記載のイミドオリゴマーにおいて、酸二無水化物残基Xが、ピロメリット酸二無水化物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水化物、4,4'-ビフタリック酸二無水化物、3,3',4,4'-ジフェニルスルフォン酸、4,4'-オキシジフタル酸二無水化物、3,4,9,10-ペリレンテトラカルボン酸二無水化物、ナフタレン-1,4,5,8-テトラカルボン酸二無水化物、4,4'-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水化物、2,2-ビス(4-カルボン酸フェニル)プロパン酸二無水化物から選ばれる少なくとも1種以上の酸二無水化物に由来することを特徴とするイミドオリゴマー。
 請求項2から5のいずれかに記載のイミドオリゴマーにおいて、ジアミン残基Yが、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル,1、3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4-アミノフェニル)スルフォン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、α,α'-ビス(4-アミノフェニル)-1,4-ジイソプロピルベンゼン,3,3'-ビス(4-アミノフェニル)フルオレンから選ばれる少なくとも1種以上のジアミンに由来することを特徴とするイミドオリゴマー。
 請求項2から6のいずれかに記載のイミドオリゴマーにおいて、末端の架橋性反応基Zが、4-フェニルエチニルフタル酸無水化物、無水フタル酸、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水化物、2,5-ノルボルナジエン-2,3-ジカルボン酸無水化物、マレイン酸無水物、プロパギルアミン、フェニルエチニルアニリン、エチニルアニリン、アミノスチレン、ビニルアニリンから選ばれる少なくとも一種以上の化合物に由来することを特徴とするイミドオリゴマー。
 下記一般式(1)により表される非軸対称性芳香族ジアミン1分子に由来する非軸対称部位をオリゴマー鎖の中心部のみに有することを特徴とするアミック酸オリゴマー。
(上記式(1)において、Wは、直接結合、-O-、-CH 2 -、-C 2 H 4 -、-C(CH 3 ) 2 -、-CF 2 -、-C 2 F 4 -、-C(CF 3 ) 2 -、-C(=O)-、-NH-、-NH-C(=O)-、-C(=O)-NH-、-S-、-S(=O)-、又は-S(=O) 2 -である)
 請求項1から7のいずれかに記載のイミドオリゴマーを加熱硬化させてなることを特徴とするポリイミド樹脂。
 下記一般式(1)により表される非軸対称性芳香族ジアミン1分子に由来する非軸対称部位をオリゴマー鎖の中心部のみに有するイミドオリゴマーの製造方法であって、
(A)下記一般式(1)により表される非軸対称性芳香族ジアミンと、これに対して大過剰量の酸二無水化物とを反応させて、オリゴマー前駆体を調製する工程と、
(B)前記工程で得られたオリゴマー前駆体及び未反応酸二無水化物と、ジアミンとを重縮合反応させて、イミドオリゴマー又はアミック酸オリゴマーを調製する工程
を備えることを特徴とするイミドオリゴマーの製造方法。
(上記式(1)において、Wは、直接結合、-O-、-CH 2 -、-C 2 H 4 -、-C(CH 3 ) 2 -、-CF 2 -、-C 2 F 4 -、-C(CF 3 ) 2 -、-C(=O)-、-NH-、-NH-C(=O)-、-C(=O)-NH-、-S-、-S(=O)-、又は-S(=O) 2 -である)
 請求項10に記載のイミドオリゴマーの製造方法において、さらに
(C)前記工程で得られたイミドオリゴマー又はアミック酸オリゴマーの末端に、架橋性反応基を有する化合物を付加する工程
を備えることを特徴とするイミドオリゴマーの製造方法。
Description:
イミドオリゴマー及びこれを加 硬化させてなるポリイミド樹脂 関連出願

 本出願は、2008年02月07日付け出願の日本 特許出願2008-027704号、及び2008年02月07日付け 願の日本国特許出願2008-027705号の優先権を 張しており、ここに折り込まれるものであ 。

  本発明は、熱硬化性のイミドオリゴマ 、特に成形性に優れ、且つ加熱硬化するこ で耐熱性に優れたポリイミド樹脂を得るこ のできるイミドオリゴマーに関する。

 ポリイミド樹脂は耐熱性に優れており、 常に高い熱分解温度を示すことから、ロケ トや人工衛星分野のカーボンファイバー強 構造材マトリックスとして用いられている( 例えば、非特許文献1参照)。また、近年,Siウ ハーを利用するLSIの分野では、情報の高密 化高速化に伴いSi-Cを用いた電子部品が盛ん に研究されており、Si-Cを用いたLSI等では400 を超える温度での動作が想定されているも の、耐熱性に優れているといわれる従来の リイミド樹脂を用いたとしても対応するこ ができない。そこで、ポリイミド樹脂に限 ず、様々な耐熱性高分子フィルムの使用も 討されている(例えば、非特許文献2参照)。

 一方で、ポリイミド樹脂は高耐熱性であ が故、結晶構造が強固であり、溶解・溶融 性に欠け、成形が困難であるという問題が る。このような問題に対して、近年、熱硬 性を有するイミドオリゴマーの研究開発が められている。すなわち、4-フェニルエチ ルフタル酸無水化物等の架橋反応性官能基 イミドオリゴマーの末端に付加することで イミドオリゴマーを成形した後に、加熱に りオリゴマー鎖間の架橋反応を進行して樹 を硬化し、高耐熱性を有するポリイミド樹 成形体を得ようとするものである。

 さらに、このようなイミドオリゴマーの 解・溶融特性、あるいは得られるポリイミ 樹脂の物性を改善する目的で、例えば、2,3, 3’,4’-ビフェニルテトラカルボン酸二無水 物のような非軸対称性のビフェニル酸二無 化物を導入したイミドオリゴマーが提案さ ている(例えば、特許文献1参照)。なお、通 のポリイミド構造は直線性が高く分子間相 作用が非常に大きいのに対して、このよう 非軸対称性分子を導入することによってポ イミド鎖が螺旋性を示すため、分子間相互 用が小さくなり、熱溶融性や着色性が改善 れることが明らかとなっている(例えば、非 許文献3参照)。

 その他、ジアミンとして、例えば、1,3-ビ ス(4-アミノフェノキシ)ベンゼンのような軟 のジアミンと、3,4’-ジアミノジフェニルエ テルのような剛性のジアミンとを、特定の 合で用いたイミドオリゴマーが、樹脂トラ スファー成形(RTM)や樹脂注入(RI)技術による リイミド樹脂の成形に適していることが報 されている(例えば、特許文献2参照)。

特開2000-219741号

米国特許6,359,107号 柿本雅明監修,「最新ポリイミド材料と 用技術」,シーエムシー出版 「SiCパワーエレクトロニクス実用化・導 入普及戦略に係る調査研究」,財団法人新機 素子研究開発協会,平成17年3月 Masatoshi Hasegawaら,Macromolecules,1999,32,p382

 しかしながら、特許文献1,2において用いら ているような非軸対称性の酸二無水化物あ いは芳香族ジアミンモノマーは、合成が難 く比較的高価であることから、このように て得られた高耐熱性・易熱成形性のイミド リゴマーを様々な分野へと応用することは 事実上困難であった。
 すなわち、本発明は、優れた熱成形性、及 加熱硬化後のポリイミド樹脂として優れた 熱性を有するとともに、容易且つ安価に得 ことのできるイミドオリゴマーを提供する とを目的とするものである。

 本発明者らが、前記従来技術の課題に鑑 鋭意検討を行った結果、2つのアミノ基が同 一軸上に導入されていない非軸対称性の芳香 族ジアミン(例えば、3,4’-ジアミノジフェニ エーテル、3,4’-ジアミノジフェニルメタン )の1分子を、イミドオリゴマー鎖の中心部の に配置することで、得られたイミドオリゴ ーが螺旋性を有するため、熱成形性に優れ いることを見出し、さらにこのイミドオリ マーを加熱硬化して得られたポリイミド樹 が、優れた耐熱性を示すことを見出し、本 明を完成するに至った。

 すなわち、本発明にかかるイミドオリゴ ーは、下記一般式(1)により表される非軸対 性芳香族ジアミン1分子に由来する非軸対称 部位をオリゴマー鎖の中心部のみに有するこ とを特徴とするものである。

(上記式(1)において、Wは、直接結合、-O-、-CH 2 -、-C 2 H 4 -、-C(CH 3 ) 2 -、-CF 2 -、-C 2 F 4 -、-C(CF 3 ) 2 -、-C(=O)-、-NH-、-NH-C(=O)-、-C(=O)-NH-、-S-、-S(=O)- 、又は-S(=O) 2 -である)

 また、前記イミドオリゴマーは、下記一 式(2)により表されることが好適である。

(上記式(2)において、Wは、直接結合、-O-、-CH 2 -、-C 2 H 4 -、-C(CH 3 ) 2 -、-CF 2 -、-C 2 F 4 -、-C(CF 3 ) 2 -、-C(=O)-、-NH-、-NH-C(=O)-、-C(=O)-NH-、-S-、-S(=O)- 、又は-S(=O) 2 -であり、Xは酸二無水化物残基、Yはジアミン 残基、Zは架橋性反応基、nは(X-Y)で表される ポリイミド部位の平均重合度で1~10である)

 また、前記イミドオリゴマーにおいて、一 式(1)又は(2)におけるWが-O-、又は-CH 2 -であることが好適である。

 また、前記イミドオリゴマーにおいて、 ポリイミド部位の平均重合度nがそれぞれ1~6 であり、且つイミドオリゴマー全体の平均分 子量が8000以下であることが好適である。

 また、前記イミドオリゴマーにおいて、 二無水化物残基Xが、ピロメリット酸二無水 化物、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボ 酸二無水化物、4,4'-ビフタリック酸二無水化 物、3,3',4,4'-ジフェニルスルフォン酸、4,4'-オ キシジフタル酸二無水化物、3,4,9,10-ペリレン テトラカルボン酸二無水化物、ナフタレン-1, 4,5,8-テトラカルボン酸二無水化物、4,4'-(ヘキ サフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二 水化物、2,2-ビス(4-カルボン酸フェニル)プロ パン酸二無水化物から選ばれる少なくとも1 以上の酸二無水化物に由来することが好適 ある。

 また、前記イミドオリゴマーにおいて、 アミン残基Yが、4,4'-ジアミノジフェニルエ テル、1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼ 、1,3-ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4 -ビス(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス (4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン ビス(4-アミノフェニル)スルフォン、2,2-ビス [4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフル ロプロパン、α,α'-ビス(4-アミノフェニル)-1 ,4-ジイソプロピルベンゼン、3,3'-ビス(4-アミ フェニル)フルオレンから選ばれる少なくと も1種以上のジアミンに由来することが好適 ある。

 また、前記イミドオリゴマーにおいて、 端の架橋性反応基Zが、4-フェニルエチニル タル酸無水化物、無水フタル酸、5-ノルボ ネン-2,3-ジカルボン酸無水化物、2,5-ノルボ ナジエン-2,3-ジカルボン酸無水化物、マレイ ン酸無水物、プロパギルアミン、フェニルエ チニルアニリン、エチニルアニリン、アミノ スチレン、ビニルアニリンから選ばれる少な くとも一種以上の化合物に由来することが好 適である。

 また、本発明にかかるアミック酸オリゴ ーは、上記一般式(1)により表される非軸対 性芳香族ジアミン1分子に由来する非軸対称 部位をオリゴマー鎖の中心部のみに有するこ とを特徴とするものである。

 また、本発明にかかるポリイミド樹脂は 前記イミドオリゴマーを加熱硬化させてな ことを特徴とするものである。

 また、本発明にかかるイミドオリゴマー 製造方法は、上記一般式(1)により表される 軸対称性芳香族ジアミン1分子に由来する非 軸対称部位をオリゴマー鎖の中心部のみに有 するイミドオリゴマーの製造方法であって、 (A)上記一般式(1)により表される非軸対称性芳 香族ジアミンと、これに対して大過剰量の酸 二無水化物とを反応させて、オリゴマー前駆 体を調製する工程と、(B)前記工程で得られた オリゴマー前駆体及び未反応酸二無水化物と 、ジアミンとを重縮合反応させて、イミドオ リゴマー又はアミック酸オリゴマーを調製す る工程を備えることを特徴とするものである 。

 また、前記イミドオリゴマーの製造方法 おいて、さらに(C)前記工程で得られたイミ オリゴマー又はアミック酸オリゴマーの末 に、架橋性反応基を有する化合物を付加す 工程を備えることが好適である。

 本発明によれば、2つのアミノ基が同一軸 上に導入されていない非軸対称性の芳香族ジ アミン(例えば、3,4’-ジアミノジフェニルエ テル、3,4’-ジアミノジフェニルメタン)の1 子をイミドオリゴマー鎖の中心部のみに配 することによって、得られたイミドオリゴ ーが螺旋性を有し、この結果、熱成形性に れ、且つ加熱硬化後のポリイミド樹脂とし 優れた耐熱性を有するイミドオリゴマーを 容易且つ安価に得ることができる。

イミドオリゴマー1Aの立体構造図(A)、 び非軸対称部位を含まないイミドオリゴマ の立体構造図(B)である。 非軸対称部位をオリゴマー鎖中心部の に有し、ポリイミド部位の重合度が2である イミドオリゴマー1Aの立体構造図(A)、及びポ イミド部位の重合度が6であるイミドオリゴ マーの立体構造図(B)である。

 本発明にかかるイミドオリゴマーは、下 一般式(1)により表される非軸対称性芳香族 アミン1分子に由来する非軸対称部位をオリ ゴマー鎖の中心部のみに有することを特徴と するものである。

 ここで、上記一般式(1)により表される化合 は、直接あるいは特定の官能基を介して結 した2つのベンゼン環上のそれぞれ3位と4位 アミノ基が結合したものであり、各アミノ の結合位置がWを中心とした軸対称位置をと らない、すなわち、非軸対称性の芳香族ジア ミンである。

 上記一般式(1)中、Wは、直接結合、-O-、-CH 2 -、-C 2 H 4 -、-C(CH 3 ) 2 -、-CF 2 -、-C 2 F 4 -、-C(CF 3 ) 2 -、-C(=O)-、-NH-、-NH-C(=O)-、-C(=O)-NH-、-S-、-S(=O)- 、又は-S(=O) 2 -である。

 上記一般式(1)により表される非軸対称性芳 族ジアミンは、より具体的には、3,4’-ベン ジジン(Wが直接結合)、3,4’-ジアミノジフェ ルエーテル(Wが-O-)、3,4’-ジアミノジフェニ メタン(Wが-CH 2 -)、3,4’-ジアミノジフェニルエタン(Wが-C 2 H 4 -)、3,4’-ジアミノジフェニルイソプロパン(W -C(CH 3 ) 2 -)、3,4’-ジアミノジフェニルジフルオロメタ ン(Wが-CF 2 -)、3,4’-ジアミノジフェニルテトラフルオロ エタン(Wが-C 2 F 4 -)、3,4’-ジアミノジフェニルヘキサフルオロ イソプロパン(Wが-C(CF 3 ) 2 -)、3,4’-ジアミノベンゾフェノン(Wが-C(=O)-) 3,4’-ジアミノジフェニルアミン(Wが-NH-)、N-( 4-アミノフェニル)-3-アミノ安息香酸アミド(W -NH-C(=O)-)、N-(3-アミノフェニル)-4-アミノ安 香酸アミド(Wが-C(=O)-NH-)、3,4’-ジアミノジフ ェニルスルフィド(Wが-S-)、3,4’-ジアミノジ ェニルスルフォキシド(Wが-S(=O)-)、3,4’-ジア ミノジフェニルスルフォン(Wが-S(=O) 2 -)となる。これらのうち、3,4’-ジアミノジフ ェニルエーテル、又は3,4’-ジアミノジフェ ルメタンを特に好適に用いることができる なお、これらの非軸対称性芳香族ジアミン 、1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わ せて用いてよい。

 すなわち、本発明にかかるイミドオリゴマ は、上記一般式(1)により表される非軸対称 芳香族ジアミン1分子のそれぞれの末端アミ ノ基に、任意の酸二無水化物とジアミンとの 重縮合により形成したイミドオリゴマー鎖が それぞれ等量(等モル)付加した化合物であっ 、これにより、非軸対称性芳香族ジアミン1 分子に由来する非軸対称部位をオリゴマー鎖 の中心部のみに有することになる。
 本発明にかかるイミドオリゴマーは、例え 、下記一般式(2)により表される。

 上記一般式(2)において、Wは、上記一般式(1) と同一であり、直接結合、-O-、-CH 2 -、-C 2 H 4 -、-C(CH 3 ) 2 -、-CF 2 -、-C 2 F 4 -、-C(CF 3 ) 2 -、-C(=O)-、-NH-、-NH-C(=O)-、-C(=O)-NH-、-S-、-S(=O)- 、又は-S(=O) 2 -である。

 上記一般式(2)において、Xは酸二無水化物 残基である。本発明のイミドオリゴマーに用 いる酸二無水化物は、軸対称性であって、ジ アミンと縮合反応してポリイミド構造を形成 し得るものであればよく、特に限定されるも のではない。本発明に用いる酸二無水化物と しては、例えば、ピロメリット酸二無水化物 、3,3',4,4'-ベンゾフェノンテトラカルボン酸 無水化物、4,4'-ビフタリック酸二無水化物、 3,3',4,4'-ジフェニルスルフォン酸、4,4'-オキシ ジフタル酸二無水化物、3,4,9,10-ペリレンテト ラカルボン酸二無水化物、ナフタレン-1,4,5,8- テトラカルボン酸二無水化物、4,4'-(ヘキサフ ルオロイソプロピリデン)ジフタル酸二無水 物、2,2-ビス(4-カルボン酸フェニル)プロパン 酸二無水化物等が挙げられる。これらのうち 、特に4,4'-オキシジフタル酸二無水化物、4,4' -ビフタリック酸二無水化物、3,3',4,4'-ジフェ ルスルフォン酸、4,4'-(ヘキサフルオロイソ ロピリデン)ジフタル酸二無水化物を好適に 用いることができる。

 上記一般式(2)において、Yはジアミン残基 である。本発明のイミドオリゴマーに用いる ジアミンは、軸対称性であって、酸二無水化 物と縮合反応してポリイミド構造を形成し得 るものであればよく、特に限定されるもので はない。本発明に用いるジアミンとしては、 例えば、4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、1 ,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビ (4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4-ビス(4- ミノフェノキシ)ベンゼン、2,2-ビス(4-アミノ フェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4- ミノフェニル)スルフォン、2,2-ビス[4-(4-アミ ノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロ ン、α,α'-ビス(4-アミノフェニル)-1,4-ジイソ プロピルベンゼン、3,3'-ビス(4-アミノフェニ )フルオレン等が挙げられる。これらのうち 、特に4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、ビ (4-アミノフェニル)スルフォン、1,3-ビス(3- ミノフェノキシ)ベンゼンを好適に用いるこ ができる。

 上記一般式(2)において、Zは架橋性反応基 である。本発明のイミドオリゴマーにおいて 、架橋性反応基を有する化合物により末端を 修飾することで、熱硬化性が付与される。本 発明に用いる架橋性反応基を有する化合物と しては、例えば、4-フェニルエチニルフタル 無水化物、無水フタル酸、5-ノルボルネン-2 ,3-ジカルボン酸無水化物、2,5-ノルボルナジ ン-2,3-ジカルボン酸無水化物、マレイン酸無 水物、プロパギルアミン、フェニルエチニル アニリン、エチニルアニリン、アミノスチレ ン、ビニルアニリン等が挙げられる。これら のうち、特に4-フェニルエチニルフタル酸無 化物、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水 化物を好適に用いることができる。

 上記一般式(2)において、nは(X-Y)で表され ポリイミド部位の平均重合度で1~10である。 なお、この平均重合度は、イミドオリゴマー の製造に用いる非軸対称性芳香族ジアミン、 酸二無水化物及びジアミンの比率を変化させ ることで適宜調整することが可能である。本 発明のイミドオリゴマーにおいて、各ポリイ ミド部位の平均重合度nが10を超えると、熱溶 融性に劣り、成形が困難になる場合がある。 イミドオリゴマーの成形性の観点から、各ポ リイミド部位の平均重合度は1~6であることが 好ましく、さらに好ましくは2~5である。各ポ リイミド部位の平均重合度が前記範囲内であ ると、特に成形性に優れたイミドオリゴマー が得られる。

 本発明にかかるイミドオリゴマーにおい は、上記一般式(2)に示されるように、上記 軸対称性芳香族ジアミン1分子に由来する非 軸対称部位がオリゴマー鎖の中心部のみにし か存在しないにもかかわらず、例えば、図1 示すようにオリゴマー鎖は全体として螺旋 造を示している。そして、この結果、本発 にかかるイミドオリゴマーは比較的低い温 で熱溶融するため、熱成形が容易であり、 た、加熱硬化後のポリイミド樹脂の熱分解 度が500℃以上に達し、耐熱性においても非 に優れている。

 なお、例えば、特許文献1に記載されてい るような従来の螺旋性のイミドオリゴマーは 、熱成形性及び加熱硬化後のポリイミド樹脂 の耐熱性に優れてはいるものの、比較的高価 な非軸対称化合物をオリゴマー鎖全体にわた って有しているため、製造において多大なコ ストがかかってしまうという問題があった。 これに対し、本発明にかかる螺旋性のイミド オリゴマーは、オリゴマー鎖中に非軸対称化 合物を1分子有するだけでよく、高価な非軸 称化合物の使用を大幅に削減できるため、 れた熱成形性及び加熱硬化後のポリイミド 脂の耐熱性を有するイミドオリゴマーを、 易且つ安価に得ることができる。

 また、本発明にかかるイミドオリゴマーは 例えば、下記(A)~(C)の工程によって調製する ことができる。
(A)まず最初に、非軸対称性芳香族ジアミンと 、これに対して大過剰量の酸二無水化物とを 反応させることによって、非軸対称性芳香族 ジアミン1分子を中心とした両側鎖に酸二無 化物を縮合したオリゴマー前駆体を調製す 。
 ここで、酸二無水化物の添加量は、非軸対 性芳香族ジアミン1モルに対して大過剰量で あればよいが、より具体的には、例えば、非 軸対称性芳香族ジアミンに対して2~20倍モル 度であればよい。なお、ここで用いる酸二 水化物の残基が、上記一般式(2)中、Xに相当 る。また、反応に用いる溶媒としては、例 ば、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、N,N-ジメチ ホルムアミド、N-N-ジメチルアセトアミド(DMA c)、γ-ブチロラクタム等の非プロトン性溶媒 挙げられる。

(B)つづいて、以上で得られたオリゴマー前駆 体(未反応の酸二無水化物を含む)にジアミン 添加し、重縮合反応を行なうことによって オリゴマー前駆体の両側にポリアミック酸 造を付加したアミック酸オリゴマーを調製 る。
 なお、ここで用いるジアミンの残基が、上 一般式(2)中、Yに相当する。また、ジアミン とともに適当量の酸二無水化物をさらに添加 してもよい。オリゴマー前駆体に対する酸二 無水化物及びジアミンの添加割合を変化させ ることで、一分子当りのポリイミド構造の付 加モル数を適宜調整することができる。本発 明においては、上記一般式(2)中、nで表され 各ポリイミド部位の平均重合度が1~10となる うに、上記各成分の添加割合を調整する必 がある。

 また、上記(B)工程の反応は(A)工程と連続 て行うことができるが、以上に例示したよ な非プロトン性溶媒中で重合反応を行なっ 場合、通常、分子内にアミド部位とカルボ 酸部位とを有するアミック酸オリゴマーと て得られる。このアミック酸オリゴマーは 例えば、低温でイミド化剤を添加するか、 るいは高温で加熱還流することによって、 記アミド部位とカルボン酸部位とを脱水・ 化(イミド化)させ、イミドオリゴマーとす ことができる。

(C)さらに、以上で得られたイミドオリゴマー 又はアミック酸オリゴマーの末端に、架橋性 反応基を有する化合物を付加する。
 この架橋性反応基は加熱によって反応基同 が架橋構造を形成するため、これにより、 ミドオリゴマーに熱硬化性を付与すること できる。
 なお、ここで用いる架橋性反応基含有化合 の残基が、上記一般式(2)中、Zに相当する。 ここで、架橋性反応基含有化合物は、酸二無 水化物における未反応カルボン酸基、ジアミ ンにおける未反応アミノ基のいずれかと反応 し得るものであればよい。架橋性反応基含有 化合物の添加量は、反応可能なカルボン酸基 あるいはアミノ酸基の当量に合わせて適宜調 整すればよいが、通常の場合、非軸対称性芳 香族ジアミン1モルに対して約2モル程度であ ばよい。

 上記(C)工程の反応は(A)~(B)工程と連続して 行なうことができ、通常、(A)~(C)の全工程を ミック酸オリゴマーの状態で行い、最後に ミドオリゴマーへと変換させる。すなわち (B)工程により得られたアミック酸オリゴマ の状態で(C)工程による架橋性反応基含有化 物の付加を行い、つづいて、例えば、低温 イミド化剤を添加するか、あるいは高温で 熱還流することによって、アミド部位とカ ボン酸部位とを脱水・環化(イミド化)させ、 分子末端に架橋性反応基を有するイミドオリ ゴマーを得る。

 なお、上記(A)~(C)工程において、イミド化 を行っていないアミック酸オリゴマーについ ても、本発明の範疇である。このようなアミ ック酸オリゴマーは、加熱による脱水・環化 反応によって、容易にイミドオリゴマーへと 変換することができる。例えば、本発明のア ミック酸オリゴマー溶液を、150~245℃程度の 温で加熱還流することによって、本発明の ミドオリゴマーとすることができる。ある は、例えば、アミック酸オリゴマー溶液を ガラス板等の剥離性の良好な支持体上へと 布し、250~350℃程度に加熱することによって ミド化し、本発明のイミドオリゴマーを得 こともできる。

 また、上記(A)~(C)の反応工程においては、 いずれもアルゴンあるいは窒素のような不活 性ガスの存在下、又は真空中で行うことが好 ましい。

 以下に、本発明にかかるイミドオリゴマ の製造例として、3,4’-ジアミノジフェニル エーテル(非軸対称性芳香族ジアミン)、4,4'- キシジフタル酸二無水化物(酸二無水化物)、 1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン(ジアミ ン)、及び4-フェニルエチニルフタル酸無水化 物(架橋性反応基含有化合物)を用いた場合の 上記(A)~(C)工程の反応を図示する。

 以上のようにして得られたイミドオリゴ ーは、反応後の溶液をそのまま用いること 可能であるが、例えば、反応終了後の溶液 多量の水中に攪拌しながら投入し、ろ過に り単離した後、100℃程度で乾燥させること 、粉末状のイミドオリゴマーとして用いる できる。また。このようにして得られたイ ドオリゴマー粉末は、必要に応じて適当な 媒中に溶解した溶液として使用することも きる。

 また、以上のようにして得られたイミド リゴマーは、オリゴマー単独で、あるいは 素繊維等の繊維状補強材に含浸させた状態 加熱硬化することで、耐熱性に優れたポリ ミド樹脂とすることができる。加えて、本 明にかかるイミドオリゴマーは、螺旋構造 示すため、成形性に優れていることから、 えば、金型等により容易に成形することが 能であり、あるいは繊維状補強材等への含 も比較的容易に行うことができる。

 また、イミドオリゴマーの加熱硬化に際 、加熱温度及び加熱時間については、所望 ポリイミド樹脂の物性に合わせて適宜調整 ることができる。なお、本発明にかかるイ ドオリゴマーは、架橋性反応基含有化合物 種類等によっても異なるが、通常、約300~370 ℃程度で熱硬化を生じる。より具体的には、 例えば、予備的に210~320℃程度の温度で一定 間加熱することでイミドオリゴマーを熱溶 し、その後、350~400℃の温度で一定時間加熱 て架橋反応を行い、ポリイミド樹脂硬化物 得る。それぞれの加熱工程における加熱温 を高くするか、あるいは加熱時間を長くす ことによって、通常、ポリイミド樹脂硬化 の耐熱性が向上する。

 なお、本発明のイミドオリゴマーを用い ポリイミド樹脂成形体の製造は、公知の方 にしたがって行なえばよい。例えば、本発 のイミドオリゴマーの粉末を金型内に充填 、250~370℃、0.5~5MPa程度で、1~5時間程度加熱 縮成形して、ポリイミド樹脂成形体を得る とができる。また、例えば、本発明のイミ オリゴマー溶液を炭素繊維等の繊維状補強 に含浸させ、180~260℃で1~5時間程度加熱乾燥 した後、さらに加圧下、250~370℃で1~5時間程 加熱して、ポリイミド樹脂の繊維含有複合 を得ることができる。また、例えば、本発 のイミドオリゴマー溶液を、ガラス板等の 離性の良好な支持体上へと塗布し、250~350℃ 1~5時間程度加熱して、ポリイミド樹脂フィ ムを得ることができる。

 以下、実施例の記載に基づいて、本発明を らに詳しく説明するが、本発明はこれら実 例に限定されるものではない。
 最初に、非軸対称性芳香族ジアミンとして3 ,4’-ジアミノジフェニルエーテルを用いた場 合のイミドオリゴマーの製造方法について説 明する。

イミドオリゴマー1A
 アルゴン気流下、3,4’-ジアミノジフェニル エーテル3.08gと4,4’-オキシジフタリック酸無 水化物19.08gを乾燥N,N-ジメチルアセトアミド20 0mlに溶解させ、約30分間室温下で撹拌した。 の後1,3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼン 17.98g投入し、約1時間撹拌した。最後に、4- ェニルエチニルフタル酸無水化物7.68gを加え 、室温下で約1時間撹拌後、約12時間溶媒を還 流させ、灰白色の懸濁液を得た。イオン交換 水800mlに懸濁液を投入し、ろ過後、水洗を数 繰り返し、メタノールで洗浄濾過後、120℃ 一晩乾燥させ、黄白色の粉末状イミドオリ マーを得た(イミドオリゴマー1A)。なお、得 られたイミドオリゴマーについて、GPC(Aliance2 695:Waters社製)により測定した結果、数平均分 量(Mn)は5.2x10 3 g/molであった(NMP溶媒)。

 つづいて、以上のようにして得られたイ ドオリゴマー粉末をポリイミドフィルムに 要量とり、ホットプレス上230℃で1時間溶融 ・脱泡した後、さらに350℃,2MPaで1時間加圧し 、ポリイミド樹脂硬化物を得た。

 以上で得られたポリイミド樹脂硬化物につ て、窒素気流下、TG-DTA(EASTAR6000:SII社製)によ り分析した結果、5%熱分解温度(τ 5 )は537.0℃(窒素気流下,昇温速度10度/分)であっ た。また、DSC(Q200:TA社製)による測定では、ポ リイミド樹脂硬化物のガラス転移温度(T g )は185.2℃(窒素気流下,昇温速度:10℃/分)であ た。
 また、TMA(EASTAR6000:SII社製)により測定したポ リイミド樹脂硬化物の熱膨張係数(CTE)は31ppm あった。また、ポリイミド樹脂硬化物を厚 約75μmのフィルムとして、初期弾性率を測定 (EZGraph:shimadzu社製)した結果、3.2GPaであった。

 以上の結果から、非軸対称性部位となる3,4 -ジアミノジフェニルエーテルの1分子のみ オリゴマー鎖の中心に位置するように設計 たイミドオリゴマー1Aにおいては、230℃程度 で溶融を開始することから熱成形が容易であ り、また、これを熱硬化して得られたポリイ ミド樹脂硬化物の5%熱分解温度(τ 5 )は500℃以上であり、耐熱性にも非常に優れ いることが確認された。また、得られたポ イミド樹脂硬化物の機械的特性も良好なも であることがわかった。

 分子軌道計算に基づく上記イミドオリゴマ 1Aの立体構造図を図1(A)に、非軸対称部位を まないイミドオリゴマーの立体構造図を図1 (B)に示す。同図に示すように、上記イミドオ リゴマーにおいては、非軸対称性部位となる 3,4’-ジアミノジフェニルエーテルがオリゴ ー鎖の中心に1分子のみ有していることによ て、オリゴマー鎖が全体として螺旋性を示 ていることがわかる。
 さらに、非軸対称部位をオリゴマー鎖中心 のみに有し、ポリイミド部位の重合度が2で あるイミドオリゴマー1Aの立体構造図を図2(A) に、ポリイミド部位の重合度が6であるイミ オリゴマーの立体構造図を図2(B)に示す。同 に示すように、オリゴマーの分子鎖長があ 程度長くなった場合であっても、非軸対称 位を中心とした両側鎖は直線状とはならず 、オリゴマー鎖が全体として螺旋性を示し いることがわかる。

 そして、以上のようにオリゴマー鎖が螺 性を示す結果、本発明にかかるイミドオリ マーは、例えば、直線性(結晶性)の高いイ ドオリゴマーと比較して、より低い温度で 易に熱成形を行なうことが可能となる。ま 、加熱硬化後、すなわち、上記イミドオリ マー末端の反応性基が架橋して形成された リイミド樹脂は、上記螺旋構造が複雑に絡 合い架橋した高次構造を形成しており、こ 結果、優れた耐熱性が得られるものと考え れる。

 つづいて、非軸対称性芳香族ジアミンと て3,4’-ジアミノジフェニルメタンを用いた 場合のイミドオリゴマーの製造方法について 説明する。

イミドオリゴマー2A
 アルゴン気流下、3,4’-ジアミノジフェニル メタン3.37gと4,4'-(ヘキサフルオロイソプロピ デン)ジフタル酸二無水化物49.72gを乾燥N,N- メチルアセトアミド200mlに溶解させ、約30分 室温下で撹拌した。その後ビス(4-アミノフ ニル)スルフォンを27.70g投入し、約1時間撹 した。最後に、4-フェニルエチニルフタル酸 無水化物9.25gを加え、室温下で約1時間撹拌後 、約12時間溶媒を還流させ、灰白色の懸濁液 得た。イオン交換水800mlに懸濁液を投入し ろ過後、水洗を数回繰り返し、メタノール 洗浄濾過後、120℃で一晩乾燥させ、白色の 末状イミドオリゴマーを得た(イミドオリゴ ー2A)。なお、得られたイミドオリゴマーに いて、GPC(Aliance2695:Waters社製)により測定し 結果、数平均分子量(Mn)は4.5x10 3 g/molであった(NMP溶媒)。

 つづいて、以上のようにして得られたイ ドオリゴマー粉末をポリイミドフィルムに 要量とり、ホットプレス上280℃で30分間溶 ・脱泡した後、さらに350℃,2MPaで1時間加圧 、飴色透明のポリイミド樹脂硬化物を得た

 以上で得られたポリイミド樹脂硬化物につ て、窒素気流下、TG-DTA(EASTAR6000:SII社製)によ り分析した結果、5%熱分解温度(τ 5 )は527.7℃(窒素気流下,昇温速度10度/分)であっ た。また、DSC(Q200:TA社製)による測定では、ポ リイミド樹脂硬化物のガラス転移温度(T g )は252.7℃(窒素気流下,昇温速度:10℃/分)であ た。
 また、TMA(EASTAR6000:SII社製)により測定したポ リイミド樹脂硬化物の熱膨張係数(CTE)は38ppm あった。また、ポリイミド樹脂硬化物を厚 約75μmのフィルムとして、初期弾性率を測定 (EZGraph:shimadzu社製)した結果、2.8GPaであった。

 以上の結果から、非軸対称性部位となる3,4 -ジアミノジフェニルメタンの1分子のみが リゴマー鎖の中心に位置するように設計し イミドオリゴマー2Aにおいても、前記イミド オリゴマー1Aと同様に、280℃程度で溶融を開 することから熱成形が容易であり、また、 れを熱硬化して得られたポリイミド樹脂硬 物の5%熱分解温度(τ 5 )は500℃以上であり、耐熱性にも非常に優れ いることが確認された。また、得られたポ イミド樹脂硬化物の機械的特性も良好なも であることがわかった。

 つづいて、本発明者らは、上記実施例のイ ドオリゴマー1A及び2Aの各製造方法に準じて 、酸二無水化物、ジアミン、加熱温度等を変 化させて各種イミドオリゴマーの調製を試み 、加熱硬化後のポリイミド樹脂について5%熱 解温度(τ 5 )及びガラス転移温度(T g )の測定を行なった。なお、測定に用いた機 は上記実施例と同様である。結果を下記表1 び2に示す。

 なお、上記表1及び2において用いた略号は 下のとおりである。
3,4’-ODA;3,4'-ジアミノジフェニルエーテル
3,4’-MDA;3,4’-ジアミノジフェニルメタン
1,3,3-APB;1、3-ビス(3-アミノフェノキシ)ベンゼ
4,4’-ODA;4,4’-ジアミノジフェニルエーテル
6FTPDA;2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル ]ヘキサフルオロプロパン
FDA;2,2-ビス(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロ プロパン
SDA:ビス(4-アミノフェニル)スルフォン
DPSDA;ビス(4-アミノフェニル)スルフォン(ジア ン)
4,4’-ODPA;4,4'-オキシジフタル酸無水物
6FDPA:4,4'-(ヘキサフルオロイソプロピリデン) フタル酸二無水化物
PEPA;4-フェニルエチニルフタル酸無水化物

 上記表1及び2に示すように、非軸対称性部 となる3,4’-ジアミノジフェニルエーテル又 3,4’-ジアミノジフェニルメタンをオリゴマ ー鎖の中心になるようにし、側鎖ポリイミド の重合度、あるいは側鎖ジアミンの種類等を 各種変化させたイミドオリゴマー1B~1I,2B及び2 Cにおいても、上記イミドオリゴマー1A及び2A 場合と同様に、5%熱分解温度(τ 5 )が500℃を超えており、いずれも優れた耐熱 を示すものであることが確認された。

 つづいて、非軸対称部位である3,4’-ジアミ ノジフェニルエーテル又は3,4’-ジアミノジ ェニルメタンのオリゴマー鎖中の位置につ てさらに検討するため、それぞれの非軸対 性芳香族ジアミンを各ポリイミド部位の末 (各ポリイミド部位と末端反応性官能基との )に導入したほかは、上記イミドオリゴマー 1A及び2Aとまったく同様にしたイミドオリゴ ー1J及び2Dを製造し、上記試験と同様にして 熱硬化後のポリイミド樹脂について5%熱分 温度(τ 5 )及びガラス転移温度(T g )の測定を行なった。結果を下記表3及び4に示 す。

 上記表3及び4に示すように、非軸対称部位 ある3,4’-ジアミノジフェニルエーテル又は3 ,4’-ジアミノジフェニルメタンをオリゴマー 鎖の末端に導入したイミドオリゴマー1J及び2 Dにおいては、他の条件はまったく同一であ にもかかわらず、それぞれの非軸対称性芳 族ジアミンを中心に導入したイミドオリゴ ー1A及び2Aと比較して、ガラス転移温度(T g )、5%熱分解温度(τ 5 )ともに劣っていた。これは、末端に非軸対 部位を有していることで、オリゴマー鎖が 旋性を示しにくくなり、より直鎖状に近い 体構造となっているためであると考えられ 。

 また、本発明のイミドオリゴマーを加熱硬 して得られるポリイミド樹脂について、加 条件の影響についてさらに検討するため、 記イミドオリゴマー1A及び2Aを用いて、加熱 時間を変化させた条件でポリイミド樹脂硬化 物を調製し、上記試験と同様にして5%熱分解 度(τ 5 )及びガラス転移温度(T g )の測定を行なった。結果を下記表5及び6に示 す。

 上記表5及び6に示されるように、加熱硬化 の加熱時間を1時間から5時間とすることで、 ポリイミド樹脂のガラス転移温度(T g )、5%熱分解温度(τ 5 )ともに著しく向上していることがわかる。
 このことから、本発明のイミドオリゴマー 用い、加熱硬化時における温度や時間を適 調整することで、要求される物性に応じた 種のポリイミド樹脂を製造することが可能 あると考えられる。

 以上説明したように、本発明によれば、 軸対称性芳香族ジアミン1分子をイミドオリ ゴマー鎖の中心部のみに配置することによっ て、イミドオリゴマーが螺旋性を有し、この 結果、熱成形性に優れ、且つ加熱硬化後のポ リイミド樹脂として優れた耐熱性を有するイ ミドオリゴマーを、容易且つ安価に得ること ができることがわかる。