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Title:
IMPACT TYPE WORK TOOL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/123255
Kind Code:
A1
Abstract:
A technique for an impact type work tool reduces impact force occurring in the tool and caused by bouncing of a bit after striking motion of the bit. The impact type work tool has a tool body (103), a striker (143) linearly moving in the longitudinal direction of the tool body, an intermediate member (145) for transmitting the linear motion of the striker (143) to the tool bit (119), an impact absorbing weight which, when the tool bit (119) performs hammering work, is placed at a reactive force transmission position so as to be in contact with the tool bit (119) and to which reactive force from the tool bit (119) is transmitted, and an elastic element (165) which is elastically deformed by being pressed by the weight, which is moved from the reactive force transmission position to the striker (143) side by the transmitted reactive force, to absorb the reactive force transmitted to the weight. The weight is constructed from the intermediate member (145).

Inventors:
AOKI YONOSUKE (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/055590
Publication Date:
October 16, 2008
Filing Date:
March 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MAKITA CORP (JP)
AOKI YONOSUKE (JP)
International Classes:
B25D17/24
Foreign References:
JP2003211370A2003-07-29
JPS50136072U1975-11-10
JPH1177558A1999-03-23
JPH03294187A1991-12-25
JP2007061921A2007-03-15
Attorney, Agent or Firm:
IWATA, Tetsuyuki et al. (4-8-13 Masaki, Naka-k, Nagoya-shi Aichi 24, JP)
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Claims:
 工具ビットの長軸方向の打撃動作により被加工材に所定のハンマ作業を行う衝撃式作業工具であって、
 工具本体と、
 前記工具ビットの長軸方向に直線運動する打撃子と、
 前記打撃子の前方に置かれ、前記打撃子の直線動作を前記工具ビットに伝達する中間子と、
 前記工具本体側に設けられ、前記ハンマ作業に先立って、前記工具ビットが前記被加工材に押し付けられて前記打撃子側へと移動された際、前記工具ビットと当接して被加工材に対する前記工具本体の位置決めをなす位置決め部材と、
 前記工具ビットが前記ハンマ作業をする際に、前記工具ビットが前記位置決め部材に当接した反力伝達位置において、前記工具ビットに当接した状態に置かれるとともに、前記工具ビットからの反力が伝達されることで前記打撃子側へ移動可能とされた衝撃吸収用のウェイトと、
 伝達された反力によって前記反力伝達位置から前記打撃子側へと移動する前記ウェイトに押されて弾性変形し、これによって当該ウェイトに伝達された反力を吸収する弾性要素と、を有し、
 前記ウェイトは、前記中間子によって構成されていることを特徴とする衝撃式作業工具。
 請求項1に記載の衝撃式作業工具であって、
 前記衝撃吸収用のウェイトとして、前記中間子に加えて、前記中間子に対し前記打撃子側から当接した状態に置かれるとともに、前記中間子が前記工具ビットから伝達される反力で前記打撃子側へと移動される際、前記中間子と共に前記打撃子側へと移動可能とされた補助ウェイトをさらに有し、
 前記弾性部材は、前記打撃子側へと移動される前記補助ウェイトに押されて弾性変形することで前記中間子に伝達された反力を吸収する構成としたことを特徴とする衝撃式作業工具。
 請求項1または2に記載の衝撃式作業工具であって、
 前記打撃子を直線動作可能に収容するシリンダと、
 前記シリンダ内において、前記工具ビットの長軸方向に直線運動を行う駆動子と、
 前記シリンダ内において、前記駆動子と前記打撃子との間に形成された空気室と、を有し、
 前記駆動子の直線運動に伴う前記空気室の圧力変動によって前記打撃子が直線動作する構成とされ、
 前記空気室と外部とを連通する連通部と、
 前記シリンダの外側に配置され、前記連通部を開く開放位置と前記連通部を閉じる閉止位置との間で移動可能とされた弁部材と、
 前記弁部材を前記開放位置に移動するべく付勢力を作用する付勢部材と、を更に有し、
 前記弁部材は、前記工具ビットが被加工材に押し付けられていない状態では、前記開放位置に置かれ、前記ハンマ作業に先立って、前記工具ビットが前記被加工材に押し付けられて前記打撃子側へと移動されたときには、前記工具ビットと共に前記打撃子側へと移動される前記中間子により押されて前記閉止位置へと移動される構成としたことを特徴とする衝撃式作業工具。
Description:
衝撃式作業工具

 本発明は、被加工材に直線状のハンマ作 を行う衝撃式作業工具において、ハンマ作 の際に被加工材から受ける反力を緩和する 術に関する。

 特開平8-318342号公報には、ハンマドリル おいて、打撃動作後のビットの跳ね返りに る衝撃力を緩和する技術が開示されている 特許文献1に記載のハンマドリルでは、本体 部材であるシリンダの軸方向端面と、ビッ に打撃を加える中間子としてのインパクト ルトとの間にラバーリング(緩衝部材)が介 されている。そしてビットの打撃動作後、 該被加工材から受ける反力でビットが跳ね り、インパクトボルトがラバーリングに衝 したとき、当該ラバーリングが撓むことに って衝撃力を緩和する構成である。一方、 バーリングは、ハンマ作業時における被加 材に対するハンマドリル本体の位置決め部 としても機能する。すなわち、ビットの打 動作中は、使用者がハンマドリル本体に前 への押圧力を加えることで、ビットの先端 被加工材に押し付けた状態を維持する(ビッ を打撃位置に保持する)が、このときのビッ トの押し付け力を本体側部材であるシリンダ がラバーリングを介して受ける構成である。

 上述したように、従来のラバーリングは ハンマ作業時において、ビットの跳ね返り よる衝撃力を緩和する機能と、ハンマドリ の位置決め機能とを併有するものである。 ットの跳ね返りを緩衝するには、ラバーリ グは柔らかいほうがよい。他方、ハンマド ルの位置決めをよくするにはラバーリング 硬いほうがよい。つまり従来のラバーリン 構造では、当該ラバーリングには異なる性 が求められることになり、両機能を満足す ような硬度に設定することが困難である、 いう点でなお改良の余地がある。

 本発明は、かかる点に鑑み、衝撃式作業 具において、打撃動作後のビットの跳ね返 による衝撃力の低減に資する技術を提供す ことを目的とする。

 上記課題を達成するため、本発明に係る 撃式作業工具の好ましい形態は、工具ビッ の長軸方向の打撃動作により被加工材に所 のハンマ作業を行う作業工具であり、工具 体と、工具本体の長軸方向に直線運動する 撃子と、打撃子の前方に置かれ、打撃子の 線動作を工具ビットに伝達する中間子と、 有する。なお本発明における「所定のハン 作業」とは、工具ビットが直線状の打撃動 のみを行うハンマ作業のみならず、直線状 打撃動作と周方向の回転動作とを行うハン ドリル作業を包含する。

 本発明の好ましい形態によれば、衝撃式 業工具は、工具本体側に設けられ、ハンマ 業に先立って、工具ビットが被加工材に押 付けられて打撃子側へと移動された際、工 ビットと当接して被加工材に対する工具本 の位置決めをなす位置決め部材と、工具ビ トがハンマ作業をする際に、工具ビットが 置決め部材に当接した反力伝達位置におい 、工具ビットに当接した状態に置かれると もに、工具ビットからの反力が伝達される とで打撃子側へ移動可能とされた衝撃吸収 のウェイトと、伝達された反力によって反 伝達位置から打撃子側へと移動するウェイ に押されて弾性変形し、これによって当該 ェイトに伝達された反力を吸収する弾性要 と、を有する。そしてウェイトが中間子に って構成されたことを特徴としている。な 本発明における「弾性要素」としては、典 的には、バネがこれに該当するが、ゴムを 用してもよい。

 ハンマ作業時において、工具ビットは、 撃動作後に被加工材から反力を受けて跳ね る。本発明によれば、工具ビットが被加工 から受ける反力につき、工具ビットが位置 め部材に当接した反力伝達位置において、 ェイトとしての中間子が当該工具ビットに 接した状態で工具ビットから中間子へと伝 される構成としたものであり、当該反力が ぼ100%伝達されることになる。換言すれば、 工具ビットと中間子との間で運動量が交換さ れる形態での反力の伝達であり、この反力の 伝達により中間子は反力の作用方向である打 撃子側(後方)へと移動する。そして後方へと 動する中間子の反力は、当該中間子が弾性 素を弾性変形させることで吸収される。す わち、本発明によれば、工具ビットに生ず 跳ね返りによる衝撃力(反力)を、中間子の 方への移動と、当該中間子の移動による弾 要素の弾性変形によって吸収することがで 、これにより衝撃式作業工具の低振動化が 現される。

 本発明によれば、ハンマ作業に先立って 工具ビットが被加工材に押し付けられて打 子側へと移動された際、工具ビットと当接 て被加工材に対する工具本体の位置決めを す位置決め部材を備えている。これにより 工具ビットよりも打撃子側にある、工具ビ ト長軸方向への移動が許容される可動部品 衝撃吸収用のウェイトとして利用すること 可能となる。本発明では、打撃子の打撃力 工具ビットに伝達する中間子を、衝撃吸収 のウェイトとして利用したものであり、こ ことによって、衝撃式作業工具の質量を増 させることなく、かつ既存の構造を大きく 更することなく、衝撃吸収用のウェイトを 易に確保できる。また既存部品を利用する 成のため、例えば衝撃吸収用のウェイトを 部材として追加する場合に比べて、構造が 雑化するとか、あるいは組み付け作業が煩 化するといった問題も生じない。

 本発明の衝撃式作業工具の更なる形態は 衝撃吸収用のウェイトとして、中間子の他 、当該中間子に当接した状態に置かれると もに、中間子が工具ビットから伝達される 力で打撃子側へと移動される際、中間子と に打撃子側へと移動可能とされた補助ウェ トを有する構成とされる。そして、弾性部 は、打撃子側へと移動される補助ウェイト 押されて弾性変形することで中間子に伝達 れた反力を吸収する構成とした。中間子は 打撃子の打撃力を工具ビットに伝達するこ を主たる機能とする部品である。本発明に いては、衝撃吸収用のウェイトとして、中 子の他に補助ウェイトを有する構成とした のであり、このことにより当該中間子の質 を上記の打撃力の伝達に好適な値に設定し その上で、当該中間子の質量のみでは衝撃 収用の質量が不足する場合に、当該補助ウ イトによって不足分の質量を補うことがで る。すなわち、本発明によれば、補助ウェ トを設けることによって、中間子の質量を 撃動作用として適正に設定しつつ、衝撃吸 用として必要とされる質量を容易に確保す ことができる。

 本発明の衝撃式作業工具の更なる形態は 打撃子を直線動作可能に収容するシリンダ 、シリンダ内において、工具ビットの長軸 向に直線運動を行う駆動子と、シリンダ内 おいて、駆動子と打撃子との間に形成され 空気室と、を有する。そして駆動子の直線 動に伴う空気室の圧力変動によって打撃子 直線動作する構成とされる。また空気室と 部とを連通する連通部と、シリンダの外側 配置され、連通部を開く開放位置と連通部 閉じる閉止位置との間で移動可能とされた 部材と、弁部材を開放位置に移動するべく 勢力を作用する付勢部材と、を更に有する なお本発明における「付勢部材」は、典型 には、バネがこれに該当する。弁部材は、 具ビットが被加工材に押し付けられていな 状態では、開放位置に置かれ、ハンマ作業 先立って、工具ビットが被加工材に押し付 られて打撃子側へと移動されたときには、 具ビットと共に打撃子側へと移動される中 子により押されて閉止位置へと移動される 成とした。

 本発明によれば、工具ビットが被加工材 押し付けられていない状態、すなわち無負 時には、弁部材は付勢部材の付勢力によっ 連通部を開く開放位置に保持される。この 態では駆動子が直線動作されても空気室の 力変動(バネ作用)が不能な状態(無効)とされ 、打撃子の直線動作を制止して工具ビットの 空打ちを防止する。一方、ハンマ作業に先立 って、工具ビットが被加工材に押し付けられ た状態、すなわち負荷時には、弁部材は工具 ビットとともに打撃子側へと移動する中間子 に押されて打撃子側へと後退動作し、通気孔 を閉じる閉止位置へ移動する。これにより、 空気室のバネ作用が可能な状態(有効)、すな ちハンマ作業が可能な状態に切り替えられ 。

 本発明によれば、中間子を空打ち防止用 弁部材を移動する手段として利用する構成 ある。つまり中間子は、弁部材を開放位置 ら閉止位置へと移動させるための動作伝達 材を兼用する構成である。これにより、中 子は、打撃子の打撃力を工具ビットに伝達 る本来の打撃力伝達機能に加えて、空打ち 止用の弁部材を移動させる機能と、工具ビ トに作用する反力を吸収する機能と、を備 ることになる。このため、例えば弁部材を 動させる機能および反力を吸収する機能を れぞれ別の部材に求める構成に比べ、衝撃 作業工具の質量の低減が可能となるととも 、部品点数も削減されるので、構造の簡素 が図られことになる。

 本発明によれば、衝撃式作業工具におい 、打撃動作後のビットの跳ね返りによる衝 力の低減に資する技術が提供されることと った。

(本発明の第1の実施形態)
 以下、本発明の実施形態につき、図1~図4を 照しつつ詳細に説明する。本実施の形態は 衝撃式作業工具の一例として電動式のハン ドリルを用いて説明する。図1は本実施の形 態に係る電動式ハンマドリルの全体構成を示 す側断面図、図2はハンマドリルの主要部を す拡大断面図である。図3はストライカがハ マビットを打撃した打撃時を示す断面図、 4はインパクトボルトが反力緩衝用のウェイ トとして作動した作動時を示す断面図である 。

 図1に示すように、本実施の形態に係るハ ンマドリル101は、概括的に見て、ハンマドリ ル101の外郭を形成する本体部103と、当該本体 部103の先端領域(図示左側)にツールホルダ137 介して着脱自在に取付けられたハンマビッ 119と、本体部103のハンマビット119の反対側 連接された作業者が握るハンドグリップ109 を主体として構成されている。本体部103は 本発明における「工具本体」に対応し、ハ マビット119は本発明における「工具ビット に対応する。ハンマビット119は、ツールホ ダ137によってその長軸方向への相対的な往 動が可能に、かつその周方向への相対的な 動が規制された状態で保持される。なお説 の便宜上、ハンマビット119側を前、ハンド リップ109側を後という。

 本体部103は、駆動モータ111を収容したモ タハウジング105と、駆動機構としての運動 換機構113、打撃要素115および動力伝達機構1 17を収容したギアハウジング107とによって構 されている。駆動モータ111の回転出力は、 動変換機構113によって直線運動に適宜変換 れた上で打撃要素115に伝達され、当該打撃 素115を介してハンマビット119の長軸方向(図 1における左右方向)への衝撃力を発生する。 た駆動モータ111の回転出力は、動力伝達機 117によって適宜減速された上でハンマビッ 119に伝達され、当該ハンマビット119が周方 に回転動作される。ハンドグリップ109は、 面視で概ねコの字形に形成されるとともに 下端側が回動軸109aを介してモータハウジン グ105の後端下部に前後方向に回動可能に連接 され、上端側が振動吸収用の弾性バネ109bを してモータハウジング105の後端上部に連接 れている。これによって、本体部103からハ ドグリップ109への振動の伝達が低減されて る。またハンドグリップ109には、作業者が き操作することで駆動モータ111を通電駆動 るトリガ109cが設けられている。

 図2に示すように、運動変換機構113は、駆 動モータ111により水平面内にて回転駆動され る駆動ギア121、当該駆動ギア121に噛み合い係 合する被動ギア123、当該被動ギア123と一体に 水平面内にて回転するクランク板125、当該ク ランク板125の回転中心から所定距離偏心した 位置に一方の端部が偏心軸126を介して遊嵌状 に連接されたクランクアーム127、当該クラン クアーム127の他端部に連結軸128を介して取り 付けられた駆動子としてのピストン129を主体 として構成される。上記のクランク板125、ク ランクアーム127、ピストン129によってクラン ク機構が構成される。

 一方、動力伝達機構117は、駆動モータ111 よって駆動される駆動ギア121、当該駆動ギ 121に噛み合い係合する伝達ギア131、当該伝 ギア131とともに水平面内にて回転される伝 軸133、当該伝達軸133に設けられた小ベベル ア134、当該小ベベルギア134に噛み合い係合 る大ベベルギア135、当該大ベベルギア135と もに鉛直面内にて回転されるツールホルダ1 37を主体として構成される。なおハンマドリ 101は、ハンマビット119に対し長軸方向への 撃力のみを加えて被加工材の加工作業を行 ハンマ作業と、長軸方向への打撃力と周方 への回転力とを加えて被加工材の加工作業 行うハンマドリル作業とを適宜切り替えて 行できるように構成されるが、このことに いては、本発明には直接的には関係しない め、その説明を省略する。被加工材につい は、便宜上その図示を省略する。

 打撃要素115は、シリンダ141のボア内壁に 動自在に配置された打撃子としてのストラ カ143と、ツールホルダ137に摺動自在に配置 れるとともに、ストライカ143の運動エネル をハンマビット119に伝達する中間子として インパクトボルト145とを主体として構成さ る。ストライカ143は、ピストン129の摺動動 に伴うシリンダ141の空気室141aの空気バネを 介して駆動され、ツールホルダ137に摺動自在 に配置された中間子としてのインパクトボル ト145に衝突(打撃)し、当該インパクトボルト1 45を介してハンマビット119に打撃力を伝達す 。なおインパクトボルト145は、軸方向にお て、ツールホルダ137の筒孔内周面に嵌合す 大径部145aと、大径部145aの前側に一体に形 された前側小径部145bと、大径部145aの後側に 一体に形成された後側小径部145cとを有する

 ハンマドリル101は、作業者が本体部103に 方への押圧力を加えてハンマビット119を被 工材に押し付けた負荷状態において、後方( ピストン129側)へと押し込まれるハンマビッ 119と当接することによって被加工材に対し 体部103を位置決めする位置決め部材151を有 る。位置決め部材151は、リング状に形成さ たゴム製のラバーリング153と、当該ラバー ング153の軸方向前面側に接合された硬質の 金属座金155と、ラバーリング153の軸方向後 側に接合された硬質の後金属座金157とから るユニット部品であり、インパクトボルト14 5の前側小径部145bに遊嵌状に嵌合されている また前金属座金155の軸方向前端がツールホ ダ137の段差部に当接され、後金属座金157の 方向後端がツールホルダ137に装着された移 規制部材としての止輪159に当接されている

 位置決め部材151は、ハンマビット119が後 へ押し込まれたとき、当該ハンマビット119 後端のテーパ状端部119aが位置決め部材151の 前金属座金155に当接し、後金属座金157がツー ルホルダ137に止輪159に当接する構成とされる 。これにより、位置決め部材151のラバーリン グ153は、ハンマビット119をツールホルダ137に 対し弾発状に連結する。なおツールホルダ137 は、ギアハウジング107に対しハンマビット長 軸方向への移動が規制された状態で装着され ている。また前金属座金155は、その内径部が テーパ状に形成され、ハンマビット119が後方 へ押し込まれたとき、そのテーパ状内径部が 当該ハンマビット119のテーパ状端部119aに密 状に当接される。

 本実施の形態に係るハンマドリル101は、 加工材に対するハンマ作業時において、打 動作後のハンマビット119の跳ね返りによる 撃力(反力)を吸収する衝撃吸収機構を備え いる。本実施の形態では衝撃吸収機構は、 ンマビット119の長軸方向において、当該ハ マビット119の後端面と当接するインパクト ルト145と、当該インパクトボルト145をハン ビット119側(前方)に付勢する圧縮コイルバネ 165とによって構成されている。すなわち、本 実施の形態では、ハンマドリル101の主体部分 を構成する既存部品としてのインパクトボル ト145を利用して緩衝用のウェイトを構成して いる。ウェイトとしてのインパクトボルト145 および圧縮コイルバネ165を主体として構成さ れる衝撃吸収機構は、インパクトダンパーと も呼ばれる。インパクトボルト145は、本発明 における「ウェイト」に対応し、圧縮コイル バネ165は、本発明における「弾性要素」に対 応する。

 インパクトボルト145は、その大径部145aが ツールホルダ137の筒状部内周面にハンマビッ ト長軸方向への移動可能に嵌合され、前側小 径部145bの前端面がハンマビット119の後端面 面接触状態で当接される。圧縮コイルバネ16 5は、インパクトボルト145の後側小径部145cの 側において、シリンダ141の外側とツールホ ダ137の内側との間の空間部に配置されると もに、軸方向一端が円板状のプレート163を してインパクトボルト145に当接され、軸方 他端がツールホルダ137に固定されたバネ受 ング167に当接されている。すなわち、圧縮 イルバネ165は、インパクトボルト145とツー ホルダ137との間に所定の初期荷重が掛けら た状態で弾発状に介在されており、これに り円板状のプレート163を介してインパクト ルト145が前方に付勢されている。なお円板 のプレート163は、中央部に円形の孔を有し その孔縁に形成されたテーパ部がインパク ボルト145の大径部145aと後側小径部145cとの 界領域に形成された後側テーパ部145eに当接 れている。

 また圧縮コイルバネ165によって前方へと付 される円板状のプレート163は、ツールホル 137の内周面に形成された段差状の位置規制 ストッパ169に当接することで打撃位置を越 て前方へ移動しないようにその動きが止め れている。すなわち、ハンマビット119が押 込まれていない無負荷状態では、インパク ボルト145を前方へと付勢する圧縮コイルバ 165の付勢力は、打撃位置を越えて前方に作 しないように構成されている。なお打撃位 とは、被加工材に押し付けられて後退動作 れたハンマビット119が位置決め部材151の前 属座金155に当接された位置、すなわち被加 材に対する本体部103の位置決め位置におい 、ストライカ143がインパクトボルト145に衝 (打撃)する位置であり、この位置は、ハン ビット145からの反力がインパクトボルト145 伝達する位置でもある。この位置が、本発 における「反力伝達位置」に対応する。
 ハンマビット119が被加工材に押し付けられ ハンマビット119が後方へ押し込まれ、その 端のテーパ状端部119aが位置決め部材151の前 金属座金155に当接された負荷状態、すなわち 被加工材に対し本体部103が位置決めされた状 態では、インパクトボルト145は、ハンマビッ ト119の後端部で押されて後方へと移動し、そ の後側テーパ部145eがプレート163に当接され 構成とされる。この状態が図1~図3に示され 。この負荷状態において、ストライカ143に ってインパクトボルト145に対する打撃作用 行われる。一方、圧縮コイルバネ165は、ハ マビット119からの反力を受けたインパクト ルト145が後方へと移動されたとき、当該イ パクトボルト145に押されて弾性変形し、こ によって反力を吸収する。

 次に上記のように構成されるハンマドリ 101の作用について説明する。駆動モータ111 通電駆動されると、その回転出力により、 動ギア121が水平面内にて回動動作する。す と、駆動ギア121に噛み合い係合される被動 ア123を介してクランク板125が水平面内を周 動作し、これによってクランクアーム127を してピストン129がシリンダ141内を直線状に 動動作される。ピストン129の摺動動作に伴 シリンダ141内の空気バネの作用により、ス ライカ143はシリンダ141内を直線運動してイ パクトボルト145に衝突(打撃)することで、 の運動エネルギをハンマビット119へと伝達 る。これにより、ハンマビット119は長軸方 の打撃動作を行い、被加工材にハンマ作業 遂行する。

 ハンマドリル101がハンマドリルモードで 動されるときは、駆動モータ111の回転出力 よって回転される駆動ギア121に噛み合い係 する伝達ギア131、伝達軸133および小ベベル ア134が一体状に水平面内にて回転動作する すると、小ベベルギア134に噛み合い係合す 大ベベルギア135が鉛直面内にて回転し、こ 大ベベルギア135とともにツールホルダ137お びこのツールホルダ137にて保持されるハン ビット119が一体状に回転される。かくして ハンマドリルモードでの駆動時には、ハン ビット119が長軸方向の打撃動作と周方向の 転動作を行い、被加工材にハンマドリル作 を遂行する。

 さて、上記作業は、ハンマビット119が被 工材に押し付けられ、ハンマビット119が後 へと押し込まれた状態で行われる。ハンマ ット119の後方への押し込みによって当該ハ マビット119が位置決め部材151の前金属座金1 55に当接されるとともに、後金属座金157が止 159によって後方への移動が規制される。す わち、ハンマビット119の押し込み力は、本 部103側部材であるツールホルダ137によって けられ、これによって被加工材に対して本 部103が位置決めされる。このとき、インパ トボルト145は、後方へと押し込まれるハン ビット119により押されて後方へと移動され その後側テーパ面145eがプレート163に当接さ れる。この状態でハンマ作業あるいはハンマ ドリル作業が遂行されることになる。図1~図3 には全てこの状態が示される。

 そしてハンマビット119の被加工材に対す 打撃動作後、当該ハンマビット119には被加 材からの反力によって跳ね返りが生ずる。 のとき、インパクトボルト145がハンマビッ 119に当接しているため、ハンマビット119の 力は、インパクトボルト145に伝達される。 言すれば、ハンマビット119とインパクトボ ト145との間で運動量が交換される。このよ な反力の伝達によりハンマビット119は、打 位置にほぼ静止した状態に置かれ、一方、 ンパクトボルト145は、反力の作用方向であ 後方へと移動する。そして後方へと移動す インパクトボルト145の反力は、当該インパ トボルト145がプレート163を介して圧縮コイ バネ165を弾性変形させることで吸収される この状態が図4に示される。

 このとき、ハンマビット119に対し前金属 金155を介して当接状態に置かれるラバーリ グ153にも当然のことながらハンマビット119 反力が作用する。ところで、力の伝達は、 接状態に置かれる物体のヤング率に対応し 伝達率も高くなる。本実施の形態によれば インパクトボルト145が硬質の金属製であり ヤング率が高い(大きい)。一方、ラバーリ グ153はゴム製であり、ヤング率が低い。こ ため、ハンマビット119の反力は、その大部 が金属製のハンマビット119に対し当接状態 置かれるヤング率の高いインパクトボルト14 5に伝達されることになる。かくして、ハン ビット119に生ずる跳ね返りによる衝撃力は インパクトボルト145の後方への移動と、当 インパクトボルト145の移動による圧縮コイ バネ165の弾性変形によって効率よく吸収す ことが可能となり、ハンマドリル101の低振 化が実現される。

 このように、本実施の形態によれば、打 動作後にハンマビット119が被加工材から受 る反力は、当該ハンマビット119からインパ トボルト145にその大部分が伝達されるため ハンマビット119は打撃位置から見てほぼ静 状態に置かれる。このため、ラバーリング1 53に作用する反力は小さいものとなり、当該 力によるラバーリング153の弾性変形量は極 かとなり、その後の反発力も低減する。ま ハンマビット119の反力を、インパクトボル 145および圧縮コイルバネ165によって吸収す ことができる結果、ラバーリング153につい はこれを硬く形成することができる。その 果、当該ラバーリング153を介して行う本体 103の被加工材に対する位置決めの適正化を ることができる。

 さて、本実施の形態においては、ギアハ ジング107にハンマビット長軸方向の移動が 制された状態に装着されたツールホルダ137 位置決め部材151を設け、被加工材に押し付 られ、後方へと移動されたハンマビット119 位置決め部材151に当接する構成としている すなわち、ハンマビット119によって本体部1 03の位置決めを行う構成としている。このた 、ハンマビット119よりも後方に位置してい 既存部品を、反力吸収用のウェイトとして 用することが可能となる。そして本実施の 態においては、インパクトボルト145を反力 収用のウェイトとして利用したものであり このことによって、ハンマドリル101の質量 増加させることなく、かつ既存の構造を大 く変更することもなく、反力吸収用のウェ トを容易に確保できる。またインパクトボ ト145を反力吸収用のウェイトとして利用す 構成のため、例えば反力吸収用のウェイト 別部材として追加設定する場合とは異なり 構造が複雑化するとか、あるいは組み付け 業が煩雑化するといった問題も生じない。

(本発明の第2の実施形態)
 次に、本発明の第2の実施形態につき、図5 参照しつつ説明する。この実施の形態に係 ハンマドリル101は、打撃動作時の反力(跳ね り)を吸収する反力吸収用として設けられる ウェイトとして、インパクトボルト145に加え 、補助ウェイトを備えたものであり、他の点 は、前述の第1の実施形態と同様に構成され 。このため、第1の実施形態と同一の構成部 については同一符号を付してその説明を省 あるいは簡略にする。

 この実施の形態に係るハンマドリル101は 補助ウェイトとしての筒状ウェイト171を有 る。筒状ウェイト171は、インパクトボルト1 45の後側小径部145cの外側において、シリンダ 141の外側とツールホルダ137の内側間の空間部 にハンマビット長軸方向に移動可能に配置さ れている。筒状ウェイト171は、円筒状に形成 されており、前端部には内向きに張り出す内 側フランジ部171aが形成されている。筒状ウ イト171の内側フランジ部171aは、インパクト ルト145の後側テーパ部145eに後方側から当接 されている。

 圧縮コイルバネ165は、シリンダ141の外側 ツールホルダ137の内側間の空間部に配置さ るとともに、軸方向一端が筒状ウェイト171 後端部に当接され、軸方向他端がツールホ ダ137に固定されたバネ受リング167に当接さ ている。すなわち、圧縮コイルバネ165は、 状ウェイト171とツールホルダ137との間に所 の初期荷重が掛けられた状態で弾発状に介 されており、これにより筒状ウェイト171を してインパクトボルト145が前方に付勢され いる。なお圧縮コイルバネ165によって前方 と付勢される筒状ウェイト171は、ツールホ ダ137の内周面に形成された段差状の位置規 用ストッパ169にゴムリング173を介して当接 ることで打撃位置を越えて前方へ移動しな ようにその動きが止められている。すなわ 、ハンマビット119が押し込まれていない無 荷状態では、圧縮コイルバネ165の付勢力は 打撃位置を越えて前方に作用しないように 成されている。

 上記のように構成された実施の形態によれ 、ハンマビット119が被加工材に押し付けら 、ハンマビット119が後方へと押し込まれる 、当該ハンマビット119が位置決め部材151の 金属座金155に当接され、これによって被加 材に対して本体部103が位置決めされる。こ とき、インパクトボルト145は、後方へと押 込まれるハンマビット119によって後方へと され、後側テーパ部145eが筒状ウェイト171の 内側フランジ部171aに当接される。この状態 ハンマ作業あるいはハンマドリル作業が遂 されることになる。
 ハンマ作業時あるいはハンマドリル作業時 おいて、ハンマビット119には被加工材から 反力によって跳ね返りが生ずる。このとき インパクトボルト145がハンマビット119に当 され、筒状ウェイト171がインパクトボルト1 45に当接されているため、ハンマビット119の 力は、当該ハンマビット119からインパクト ルト145および筒状ウェイト171へと伝達され 。このような反力の伝達によりハンマビッ 119は、打撃位置にほぼ静止した状態に置か 、一方、インパクトボルト145および筒状ウ イト171は、反力の作用方向である後方へ一 となって移動する。そして後方へと移動す インパクトボルト145および筒状ウェイト171 反力は、当該筒状ウェイト171が圧縮コイル ネ165を弾性変形させることで吸収される。
 すなわち、第2の実施形態によれば、ハンマ ビット119に生ずる跳ね返りによる反力は、イ ンパクトボルト145と筒状ウェイト171の後方へ の移動と、当該移動による圧縮コイルバネ165 の弾性変形によって効率よく吸収することが 可能となり、ハンマドリル101の低振動化が実 現される。

 本実施の形態においては、反力吸収用の ェイトとして、インパクトボルト145の他に 筒状ウェイト171を有する構成とした。この とにより、インパクトボルト145の質量につ ては、ストライカ143の打撃力をハンマビッ 119に伝達する上で好ましい値に設定し、そ 上で、当該インパクトボルト145の質量だけ は、反力緩衝用の質量が不足するような場 に、筒状ウェイト171によって不足分の質量 補うことが可能となる。すなわち、本実施 形態によれば、筒状ウェイト171を設けるこ によって、インパクトボルト145の質量を打 動作用として適正に設定しつつ、反力吸収 として要求される質量を容易に確保するこ ができる。

(本発明の第3の実施形態)
 次に、本発明の第3の実施形態につき、図6 よび図7を参照しつつ説明する。この実施の 態に係るハンマドリル101は、ハンマビット1 19が後方に押し込まれていない無負荷状態で 動モータ111が通電駆動されたときの、当該 ンマビット119の打撃動作を禁止する空打ち 止機構181を備えている。この実施の形態は 空打ち防止機構181を有効とする状態と無効 する状態との間での切替動作、すなわち、 ンマビット119の打撃動作を禁止する状態と 許容する状態との間での切替動作を、イン クトボルト145を利用して行なわせる構成と たものであり、他の点は、前述の第1の実施 形態と同様に構成される。このため、第1の 施形態と同一の構成部材については同一符 を付してその説明を省略あるいは簡略にす 。

 空気バネの作用を介してストライカ143を 動する空気室141aは、シリンダ141に形成され た通気孔141bを介して外部と連通されている 空打ち防止機構181は、この通気孔141bの開閉 制御する手段として備えられる。通気孔141b は、本発明における「連通部」に対応する。 空打ち防止機構181は、通気孔141bを開く開き 置と、通気孔141bを閉じる閉じ位置との間で り替え動作される作動スリーブ183と、作動 リーブ183が通気孔141bを開く開き位置に置か れるように当該作動スリーブ183を開き位置へ と付勢する加圧バネ185とを主体として構成さ れる。作動スリーブ183は、本発明における「 弁部材」に対応し、加圧バネ185は、本発明に おける「付勢部材」に対応する。また開き位 置は、本発明における「開放位置」に対応し 、閉じ位置は、本発明における「閉止位置」 に対応する。

 なお、この実施形態では、インパクトボ ト145の大径部145aと後側小径部145cとの間に 径部145fが形成されている。そして、ハンマ ット119とともにインパクトボルト145が後方 押し込まれた負荷時には、大径部145aと中径 部145fとの間に形成された中間テーパ部145gが 板状のプレート163の前面に当接されるよう 構成されている。

 作動スリーブ183は、シリンダ141の外周領域 配置されるとともに、ハンマビット長軸方 に移動可能とされている。作動スリーブ183 、その前端部に内径側に張り出す内径フラ ジ部183aを有する。そして作動スリーブ183は 、ハンマビット119が被加工材に押し付けられ たとき、当該ハンマビット119とともに後方へ と押し込まれるインパクトボルト145の後側テ ーパ部145eによって内径フランジ部183aを押さ て後方へと移動され、通気孔141bを閉じる構 成とされる。この状態が図7に示される。
 加圧バネ185は、作動スリーブ183とツールホ ダ137との間に介在され、ハンマビット119が 加工材に押し付けられていない無負荷状態 は、当該作動スリーブ183を前方へと付勢し 通気孔141bを開く開き位置に保持する。この 状態が図6に示される。通気孔141bが開いたと に空気バネの作用が無効とされ、通気孔141b が閉じたときに空気バネの作用が有効とされ る。

 なお本実施の形態では、作動スリーブ183 軸方向において分割された2つのスリーブに よって構成された態様で図示しているが、そ れら両スリーブは互いに一体となって移動す るものであり、実質的には一部品であっても 差し支えない。

 次に上記のように構成されるハンマドリ 101の作用について説明する。図6にはハンマ ビット119に後方への押し込み力が作用してい ない無負荷状態が示される。この無負荷状態 では、空打ち防止機構181の加圧バネ185の作用 により、作動スリーブ183が前方に押されて通 気孔141bを開く開き位置に置かれている。こ 状態では、空気室141aが通気孔141bを介して外 部に連通しており、空気バネの作用が無効と される。またインパクトボルト145は作動スリ ーブ183とともに加圧バネ185によって前方に押 され、前側テーパ部145dが位置決め部材151の 金属座金157に当接されている。

 一方、使用者によりハンマビット119が被 工材に押し付けられ、当該被加工材にて押 返されたハンマビット119とともにインパク ボルト145が後方へと押し込まれた負荷時に 、後方へと移動されたインパクトボルト145 後側テーパ部145eが作動スリーブ183の内径フ ランジ部183aに当接し、当該作動スリーブ183 加圧バネ185の付勢力に抗して後方へと移動 せる。これにより、作動スリーブ183が空気 141aの通気孔141bを閉じ、空気バネの作用を有 効とする。また後方へと押し込まれたハンマ ビット119は、その後端部が位置決め部材151の 前金属座金155に当接し、これによりハンマビ ット119に作用する押し込み力は、本体部103側 部材であるツールホルダ137によって受けられ 、かくして被加工材に対する本体部103の位置 決めがなされる。このとき、インパクトボル ト145の中間テーパ部145gが円板状のプレート16 3に当接される。この負荷状態が図7に示され 。

 駆動モータ111が通電駆動され、クランク機 を介してピストン129がシリンダ141内を直線 に摺動動作されるとき、作動スリーブ183が 気孔141bを開く開き位置に置かれた無負荷状 態であれば、当該空気室141aの空気が通気孔14 1bを通じて外部へ放出あるいは吸入されるこ になり、空気室141aに圧縮バネの作用が生じ ない。すなわち、ハンマビット119の空打ちが 防止される。
 一方、作動スリーブ183が通気孔141bを閉じる 閉じ位置に置かれた負荷状態では、ピストン 129の摺動動作に伴う空気室141aの空気バネの 用を介してストライカ143はシリンダ141内を 線運動してインパクトボルト145に衝突(打撃) し、その運動エネルギをハンマビット119へと 伝達する。これにより、ハンマビット119は長 軸方向の打撃動作を行い、被加工材にハンマ 作業を遂行する。なお、ハンマドリル101がハ ンマドリルモードで駆動されるときは、第1 実施形態で説明したように、ハンマビット11 9は、長軸方向の打撃動作と周方向の回転動 を行い、被加工材にハンマドリル作業を遂 する。

 上記のハンマ作業あるいはハンマドリル 業時において、ハンマビット119に被加工材 らの反力による跳ね返りが生ずると、ハン ビット119の反力は、当該ハンマビット119の 端部に当接されているインパクトボルト145 伝達される。このような反力の伝達により ンマビット119は、打撃位置にほぼ静止した 態に置かれ、一方、インパクトボルト145は 反力の作用方向である後方へと移動する。 ンパクトボルト145に伝達された反力は、後 へと移動する当該インパクトボルト145が圧 コイルバネ165を弾性変形させることで吸収 れる。

 すなわち、第3の実施形態によれば、ハン マビット119に生ずる跳ね返りによる反力は、 インパクトボルト145の後方への移動と、当該 移動による圧縮コイルバネ165の弾性変形によ って効率よく吸収することが可能となり、ハ ンマドリル101の低振動化が実現される。なお インパクトボルト145が後方へ移動される際、 作動スリーブ183は、当該インパクトボルト145 とともに後方へ移動されるが、通気孔141bを じた状態を維持する。このため、ハンマ作 あるいはハンマドリル作業中時の空気バネ 有効状態が維持され、動作状の問題は生じ い。

 上述のように、本実施の形態に係るイン クトボルト145は、ストライカ143の打撃力を ンマビット119に伝達する本来の打撃力伝達 能に加えて、ハンマビット119に作用する反 を吸収する反力吸収用のウェイトとしての 能、および空打ち防止機構181の作動スリー 183を、空気バネの作用を有効とする位置と 効とする位置との間で移動させる状態切替 材としての機能を有する。このため、これ の各機能を他部材に求める構成に比べ、衝 式作業工具の質量の低減が可能となり、ま 部品点数も削減されるので、構造の簡素化 図られことになる。

 なお、便宜上図示を省略するが、前述した 施の形態の他、下記の如き変更例を構成す ことが可能である。例えば、第2の実施の形 態における補助ウェイトとして、筒状ウェイ ト171に代えてあるいは追加の形でシリンダ141 を利用することが可能である。その場合、シ リンダ141は、本体部103としてのギアハウジン グ107に対しハンマビット長軸方向に移動可能 に装着される。そして圧縮コイルバネ165によ りインパクトボルト145側に向って付勢される とともに、ハンマビット119とともにインパク トボルト145が後方へと押し込まれた負荷時に 、その前端部が当該インパクトボルト119に当 接可能に構成され、その当接位置において、 ハンマビット119に作用する反力を吸収する反 力吸収用のウェイトとして機能する。
 また、第2の実施の形態における補助ウェイ トとして、筒状ウェイト171に代えてあるいは 追加の形でツールホルダ137を利用することも 可能である。その場合、ツールホルダ137は、 ハンマビット119を保持する前側のビット保持 部分と、動力伝達部を構成する後方の延長部 分とに分割された分割構造とされる。そして 後方の延長部分が前側のビット保持部分に対 しハンマビット長軸方向に移動可能に連接さ れるとともに、更に後方の延長部分が圧縮コ イルバネ165によりインパクトボルト145側に向 って付勢されるとともに、ハンマビット119と ともにインパクトボルト145が後方へと押し込 まれた負荷時に、延長部分の前端部が当該イ ンパクトボルト145に当接可能に構成され、そ の当接位置において、ハンマビット119に作用 する反力を吸収する反力吸収用のウェイトと して機能する。
 また、第2の実施形態と第3の実施形態とを み合わせてもよい。つまり、補助ウェイト しての筒状ウェイト171を備えた上で、イン クトボルト145に、空打ち防止機構181の作動 リーブ183を、空気室141aの空気バネの作用を 効とする位置と無効とする位置との間で移 させる機能を持たせるように構成してもよ 。

 また、上述した実施の形態は、衝撃式作業 具としてハンマドリル101を例にとって説明 ているが、ハンマドリル101に限らず、ハン に適用できることは当然である。
 また、上述した実施の形態では、ハンマビ ト119を直線状に駆動するために、駆動モー 111の回転出力を直線運動に変換する運動変 機構113としてクランク機構を用いた場合で 明したが、運動変換機構は、クランク機構 限られるものではなく、例えば軸方向に揺 運動を行うスワッシュプレート(斜板)を利 する運動変換機構を用いることが可能であ 。

本発明の第1の実施形態に係るハンマド リルの全体構成を示す側断面図である。 ハンマドリルの主要部を示す拡大断面 である。 ハンマドリルを示す平断面図であり、 撃時を示す。 ハンマドリルを示す平断面図であり、 ンパクトボルト(ウェイト)およびコイルバ の反力吸収作動時を示す。 本発明の第2の実施形態に係るハンマド リルを示す平断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るハンマド リルを示す平断面図であり、ハンマビットが 被加工材に押し付けられていない無負荷時を 示す。 ハンマドリルを示す平断面図であり、 ンマビットが被加工材に押し付けられた負 時を示す。

符号の説明

101 ハンマドリル(衝撃式作業工具)
103 本体部(工具本体)
105 モータハウジング
107 ギアハウジング
109 ハンドグリップ
109a 回動軸
109b 弾性バネ
109c トリガ
111 駆動モータ
113 運動変換機構
115 打撃要素
117 動力伝達機構
119 ハンマビット
119a テーパ状端部
121 駆動ギア
123 被動ギア
125 クランク板
126 偏心軸
127 クランクアーム
128 連結軸
129 ピストン(駆動子)
131 伝達ギア
133 伝達軸
134 小ベベルギア
135 大ベベルギア
137 ツールホルダ
141 シリンダ
141a 空気室
141b 通気孔
143 ストライカ(打撃子)
145 インパクトボルト(中間子)
145a 大径部
145b 前側小径部
145c 後側小径部
145d 前側テーパ部
145e 後側テーパ部
145f 中径部
145g 中間テーパ部
151 位置決め部材
153 ラバーリング
155 前金属座金
157 後金属座金
159 止輪
163 プレート
165 圧縮コイルバネ(弾性要素)
167 バネ受リング
169 位置規制用ストッパ
171 筒状ウェイト(補助ウェイト)
171a 内側フランジ部
173 ゴムリング
181 空打ち防止機構
183 作動スリーブ
183a 内径フランジ部
185 加圧バネ