有限会社日本素材工学研究所 (〒03 千葉県船橋市宮本8丁目19番9号 Chiba, 2730003, JP)
TACHIBANA MATERIAL CO., LTD. (157-1, Hattorikotobukicho 5-chome Toyonaka-sh, Osaka 57, 5610857, JP)
| (A)シリコーンオイル 20~80質量部、及び (B)炭素数1~10個のアルコール 80~20質量部 を含み、かつ成分(A)及び(B)の合計100質量部に対し、更に (C)ケイ酸含有溶液 20~500質量部 を含むところの、セメント硬化物用含浸組成物。 |
| 成分(A)が30~70質量部であり、成分(B) が70~30質量部であり、かつ成分(C) が50~400質量部であるところの請求項1記載の組成物。 |
| 成分(A)が40~60質量部であり、成分(B) が60~40質量部であり、かつ成分(C) が70~200質量部であるところの請求項1記載の組成物。 |
| 成分(C)が、ケイ酸含有水溶液であるところの請求項1~3のいずれか一つに記載の組成物。 |
| 成分(C)が、下記式(I) HO-[Si(OH) 2 -O] n -H (I) (ここで、nは1~10である) で示される化合物を含有する水溶液であるところの請求項1~4のいずれか一つに記載の組成物。 |
| 成分(C)が、下記式(II) HO-[Si(OH) 2 -O] n -H (II) (ここで、nは1~7である) で示される化合物を含有する水溶液であるところの請求項1~4のいずれか一つに記載の組成物。 |
| 成分(C)が、下記式(III) HO-[Si(OH) 2 -O] n -H (III) (ここで、nは1~5である) で示される化合物を含有する水溶液であるところの請求項1~4のいずれか一つに記載の組成物。 |
| 成分(C)が、下記式(IV) HO-[Si(OH) 2 -O] n -H (IV) (ここで、nは1~2である) で示される化合物を含有する水溶液であるところの請求項1~4のいずれか一つに記載の組成物。 |
| 成分(C)が、1リットルの水に対してアルカリ金属水酸化物を0.1~0.7モルの割合で溶解した水溶液に、更に、二酸化ケイ素(SiO 2 )を0.3~0.7モルの割合で溶解して得られた水溶液であるところの請求項1~8のいずれか一つに記載の組成物。 |
| 成分(C)が、1リットルの水に対してアルカリ金属水酸化物を0.15~0.5モルの割合で溶解した水溶液に、更に、二酸化ケイ素(SiO 2 )を0.35~0.6モルの割合で溶解して得られた水溶液であるところの請求項1~8のいずれか一つに記載の組成物。 |
| 成分(C)が、1リットルの水に対してアルカリ金属水酸化物を0.2~0.4モルの割合で溶解した水溶液に、更に、二酸化ケイ素(SiO 2 )を0.4~0.5モルの割合で溶解して得られた水溶液であるところの請求項1~8のいずれか一つに記載の組成物。 |
| 成分(C)が、1リットルの水に対して、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムより成る群から選ばれる一つ以上のアルカリ金属水酸化物を0.1~0.7モルの割合で溶解した水溶液に、更に、二酸化ケイ素(SiO 2 )を0.3~0.7モルの割合で溶解して得られた水溶液であるところの請求項1~8のいずれか一つに記載の組成物。 |
| 成分(C)が、1リットルの水に対して水酸化ナトリウムを0.1~0.7モルの割合で溶解した水溶液に、更に、二酸化ケイ素(SiO 2 )を0.3~0.7モルの割合で溶解して得られた水溶液であるところの請求項1~8のいずれか一つに記載の組成物。 |
| 成分(B)が、炭素数1~4個のアルコールであるところの請求項1~13のいずれか一つに記載の組成物。 |
| 成分(B)がメチルアルコールであるところの請求項1~13のいずれか一つに記載の組成物。 |
本発明は、セメント硬化物用含浸組成物に 関し、更に詳しくは、モルタル、コンクリー ト等のセメント硬化物に塗布及び含浸せしめ て、これら硬化物の耐久性を向上せしめる組 成物に関する。
モルタル、コンクリート等のセメント硬化 物の耐久性の低下及びこれら硬化物からのタ イルの剥離等は、殆どの場合、これら硬化物 の表面に水分が付着し、かつ該表面から水分 が内部に侵入することにより生ずる。水分が これら硬化物の内部に侵入すると、硬化物内 部の鉄筋が腐食し、かつタイルを接着してい る接着剤が劣化する。
従来、このような水分の侵入を防止する手 段として、種々のセメント硬化物用含浸材が 使用されてきた。これらの含浸材としては、 例えば、シラン・シロキサン系化合物を主成 分とする含浸材、シラン系化合物を主成分と する含浸材、例えば、ウエテキシS(商標、フ スロック社製)、ナノコンシーラ(商標、ニ シン・ジャパン株式会社製)、アクリル樹脂 含浸材等が知られている(非特許文献1)。こ ら従来の含浸材は、含浸材の塗布後に水を 霧したときの外観観察並びに、含浸材の含 深さ、吸水率及び透水量等によりその性能 評価されていた。
しかし、これらのセメント硬化物用含浸材 は、紫外線による劣化及び凍結融解による劣 化が激しく、耐久性に乏しいと言う欠点を有 していた。また、これら含浸材は刺激性の強 い揮発性有機化合物、例えば、石油エーテル 系溶剤を含んでおり、塗布時に、これらから 放散される臭気が強く、作業者の健康を著し く害すると言う欠点があった。
また、セメント硬化物への水分の侵入を防 止するため、及びセメント硬化物のひび割れ 等を補修するためにアルカリ金属ケイ酸塩、 例えば、ケイ酸ナトリウムの水溶液を使用す ることが知られている(特許文献1)。
しかし、アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液は 粘性が比較的高い。従って、濃度を低下せし めてひび割れに注入しても、ひび割れの深部 まで侵入させることは困難であり、入口から 数ミリメートル程度しか侵入させることがで きないのが現状である。また、アルカリ金属 がコンクリート骨材と反応して膨張し、骨材 組織を破壊して再度微細なひび割れを引き起 こす可能性がある。
本発明は、耐久性に優れ、塗布時の臭気が 少なく、粘性が低く、かつ骨材を破壊するお それのない、セメント硬化物用含浸組成物を 提供するものである。
本発明者は、セメント硬化物のひび割れの 内部表面は、二酸化炭素の影響を受けて炭酸 化し、主として炭酸カルシウム及び部分的に は水酸化カルシウムになっていることに着目 した。その結果、下記成分(A)、(B)及び(C)を所 定量で含むセメント硬化物用含浸組成物を使 用すれば、セメント硬化物中に侵入した該組 成物、とりわけ成分(C)が、セメント硬化物表 面のみならず内部組織と化学結合してケイ酸 カルシウム水和物を形成し、極めて安定かつ 持続可能な性能を発揮するばかりではなく、 該組成物の粘性は著しく低く、従って、セメ ント硬化物の微細なひび割れにも含浸可能で あると共に、深部まで容易に含浸可能であり 、加えて、該組成物は塗布時に臭気が少ない ことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
(1)(A)シリコーンオイル 20~80質量部、及び
(B)炭素数1~10個のアルコール 80~20質量部
を含み、かつ成分(A)及び(B)の合計100質量部に
対し、更に
(C)ケイ酸含有溶液 20~500質量部
を含むところの、セメント硬化物用含浸組成
物である。
好ましい態様として、
(2)成分(A)が30~70質量部であり、成分(B) が70~30
質量部であり、かつ成分(C) が50~400質量部で
るところの上記(1)記載の組成物、
(3)成分(A)が40~60質量部であり、成分(B) が60~40
質量部であり、かつ成分(C) が70~200質量部で
るところの上記(1)記載の組成物、
(4)成分(C)が、ケイ酸含有水溶液であるところ
の上記(1)~(3)のいずれか一つに記載の組成物
(5)成分(C)が、下記式(I)
HO-[Si(OH) 2
-O] n
-H (I)
((ここで、nは1~10である)
で示される化合物を含有する水溶液であると
ころの上記(1)~(4)のいずれか一つに記載の組
物、
(6)nが1~7であるところの上記(5)記載の組成物
(7)nが1~5であるところの上記(5)記載の組成物
(8)nが1~2であるところの上記(5)記載の組成物
(9)成分(C)が、1リットルの水に対してアルカ
金属水酸化物を0.1~0.7モルの割合で溶解した
溶液に、更に、二酸化ケイ素(SiO 2
)を0.3~0.7モルの割合で溶解して得られた水溶
であるところの上記(1)~(8)のいずれか一つに
記載の組成物、
(10)アルカリ金属水酸化物が0.15~0.5モルであり
、かつ二酸化ケイ素が0.35~0.6モルであるとこ
の上記(9)記載の組成物、
(11)アルカリ金属水酸化物が0.2~0.4モルであり
かつ二酸化ケイ素が0.4~0.5モルであるところ
の上記(9)記載の組成物、
(12)アルカリ金属水酸化物が、水酸化リチウ
、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウムよ
成る群から選ばれる一つ以上であるところ
上記(9)~(11)のいずれか一つに記載の組成物、
(13)アルカリ金属水酸化物が水酸化ナトリウ
であるところの上記(9)~(11)のいずれか一つに
記載の組成物、
(14)成分(B)が、炭素数1~4個のアルコールであ
ところの上記(1)~(13)のいずれか一つに記載の
組成物、
(15)成分(B)がメチルアルコールであるところ
上記(1)~(13)のいずれか一つに記載の組成物
を挙げることができる。
本発明のセメント硬化物用含浸組成物は、 紫外線及び凍結融解による劣化が少なく、従 って、長期間に亘って安定した性能を保持し 得、かつ塗布時の臭気が少ない故、作業者の 健康を害するおそれがない。加えて、粘性が 低い故、セメント硬化物の微細なひび割れに も含浸可能なばかりではなく、深部まで容易 に含浸可能であり、かつアルカリ金属を殆ど 含まないことからセメント硬化物を破壊する おそれがない。
本発明のセメント硬化物用含浸組成物は、 成分(A)シリコーンオイル、成分(B)炭素数1~10 のアルコール及び成分(C)ケイ酸含有溶液を む。
本発明の成分(C)はケイ酸含有溶液である。 溶媒として、例えば、水、トリメチルシロキ サン、トリエチルシロキサン等が挙げられる 。好ましくは水が使用される。
成分(C)は、好ましくは下記式(I)
HO-[Si(OH) 2
-O] n
-H (I)
で示される化合物を含有する水溶液である。
式(I)で示される化合物は、単一の重合度を有
する単一物質でもよく、また2種類以上の重
度を有する複数の物質の混合物であっても
い。ここで、nは平均値で示され、上限が10
好ましくは7、より好ましくは5、更に好まし
くは2であり、下限が1である。nが上記上限を
超えると水に溶解し難くなるため好ましくな
い。式(I)で示される化合物は、通常、水中で
イオン化して存在している。ここで、重合度
nは、例えば、トリメチルシリル(TMS)化法によ
り測定することができる。
成分(C)ケイ酸含有水溶液は、例えば、1リッ ルの水に対してアルカリ金属水酸化物を0.1~0 .7モル、好ましくは0.15~0.5モル、更に好まし は0.2~0.4モルの割合で溶解し、次いで、二酸 ケイ素(SiO 2 )を0.3~0.7モル、好ましくは0.35~0.6モル、更に ましくは0.4~0.5モルの割合で更に溶解して製 することができる。アルカリ金属水酸化物 しては、例えば、水酸化リチウム、水酸化 トリウム、水酸化カリウムが挙げられ、好 しくは水酸化ナトリウムが使用される。ア カリ金属水酸化物量が上記上限を超えては 得られたセメント硬化物用含浸組成物中の ルカリ金属濃度が増加し、骨材組織を破壊 る可能性が高くなるばかりではなく、該組 物の粘度をも増加せしめる。一方、アルカ 金属水酸化物量が上記下限未満では、二酸 ケイ素を十分に水に溶解することができな 。また、二酸化ケイ素量が上記上限を超え は、二酸化ケイ素を十分に水に溶解するこ ができず、一方、二酸化ケイ素量が上記下 未満では、得られたセメント硬化物用含浸 成物に本発明の効果を十分に付与すること できない。また、成分(C)ケイ酸含有水溶液 、水ガラスを電気分解することにより製造 ることもできる。
成分(A)シリコーンオイルに特に制限はなく 、従来公知の各種シリコーンオイルを使用す ることができる。該シリコーンオイルとして は、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェ ニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェ ンシリコーンオイル、ポリエーテル変性シリ コーンオイル、アルキル変性シリコーンオイ ル、アミノ変性シリコーンオイル及びエポキ シ変性シリコーンオイル等が挙げられる。こ れらのシリコールオイルは、単独で使用して もよく、また2種以上併用してもよい。
該シリコーンオイルの粘度(25℃)の上限は 好ましくは1,000mPa・s、より好ましくは500mPa s、更に好ましくは100mPa・sであり、下限は好 ましくは1mPa・s、より好ましくは5mPa・sであ 。上記上限を超えては、セメント硬化物用 浸組成物の粘性が増加するため好ましくな 。該粘度の測定方法に特に制限はなく、B型 度計、E型粘度計、レオメーター等の公知の 粘度計を用いて測定することができる。
該シリコーンオイルとしては、市販品を使用
することができる。市販品としては、例えば
、信越化学工業株式会社製ジメチルシリコー
ンオイルKFシリーズ(商標)、信越化学工業株
会社製メチルフェニルシリコーンオイルKFシ
リーズ(商標)、信越化学工業株式会社製メチ
ハイドロジェンシリコーンオイルKFシリー
(商標)、東レ・ダウコーニング株式会社製変
性シリコーンオイルBYシリーズ(商標)、東レ
ダウコーニング株式会社製ジメチルシリコ
ンオイルSHシリーズ(商標)等
を挙げることができる。
成分(B)アルコールの炭素数の上限は10個、 ましくは6個、より好ましくは4個であり、 限は1個である。アルコールとしては、一価 ルコール、並びに二価アルコール、三価ア コール等の多価アルコールが挙げられ、例 ば、メチルアルコール、エチルアルコール n-プロピルアルコール、i-プロピルアルコー ル、n-ブチルアルコール、i-ブチルアルコー 、n-アミルアルコール、n-ヘキシルアルコー 、n-へプチルアルコール、n-オクチルアルコ ール等の脂肪族飽和アルコール、アリルアル コール等の脂肪族不飽和アルコール、シクロ ペンタノール、シクロヘキサノール等の脂環 式アルコール、ベンジルアルコール等の芳香 族アルコール、フルフリルアルコール等の複 素環式アルコール、エチレングリコール、プ ロピレングリコール、トリメチレングリコー ル、ブタンジオール等の多価アルコールが挙 げられる。好ましくはメチルアルコール、エ チルアルコール、n-プロピルアルコール、i- ロピルアルコール、n-ブチルアルコール、i- チルアルコールが使用され、最も好ましく メチルアルコールが使用される。
成分(A)及び成分(B)の配合量は、成分(A)及び 成分(B)の合計100質量部のうち、成分(A)20~80質 部及び成分(B)80~20質量部、好ましくは成分(A )30~70質量部及び成分(B)70~30質量部、より好ま くは成分(A)40~60質量部及び成分(B)60~40質量部 である。成分(B)が上記下限未満で成分(A)が上 記上限を超えては、各成分が分離して組成物 が不均一となり、成分(B)が上記上限を超え成 分(A)が上記下限未満では、組成物の撥水性が 悪くなる。
成分(C)の配合量は、成分(A)及び成分(B)の合 計100質量部に対して、上限が500質量部、好ま しくは400質量部、更に好ましくは200質量部で あり、下限が20質量部、好ましくは30質量部 更に好ましくは40質量部である。成分(C)が上 記上限を超え、又は上記下限未満では、組成 物の撥水性が低下し、本発明の効果を十分に 発揮することができない。
本発明の組成物が使用されるセメント硬化 物とは、好ましくはセメント単独、又はセメ ント及び骨材を含む組成物を硬化したものを 言い、例えば、コンクリート、モルタル等が 挙げられる。セメントとしては、好ましくは 水硬性セメントが挙げられ、例えば、普通ポ ルトランドセメント、中庸熱ポルトランドセ メント、早強ポルトランドセメント、低硫酸 塩ポルトランドセメント、白色ポルトランド セメント等のポルトランドセメント、水硬性 石灰、ローマン・セメント、天然セメント、 アルミナセメント、高炉セメント、シリカセ メント、膨張セメント、着色セメント等が挙 げられる。骨材としては、例えば、砂、砂利 、シリカフューム、人工軽量骨材、パーライ ト、水砕スラグ等が挙げられる。
本発明のセメント硬化物用含浸組成物には 、本発明の効果を損なわない限り、例えば、 安定剤、顔料、界面活性剤、各種のコンクリ ート用化学混和剤等の添加剤を配合すること ができる。
本発明のセメント硬化物用含浸組成物は、 例えば、成分(A)、成分(B)及び成分(C)を常温で 混合することにより製造することができる。 成分(A)、成分(B)及び成分(C)の混合順序及び混 合温度に特に制限はない。
以下、実施例において本発明を更に詳細に 説明するが、本発明はこれら実施例により限 定されるものではない。
[原料]
実施例において使用した原料は下記の通りで
ある。
<セメント>
JIS R 5210(ポルトランドセメント)に規定する
通ポルトランドセメント(太平洋セメント株
式会社製)を使用した。該普通ポルトランド
メントの性状は下記の表1に示す通りである
<細骨材>
JIS R 5201(セメントの物理試験方法)に規定す
ISO基準砂を使用した。該ISO基準砂の性状は
記の表2に示す通りである。
<成分(A)シリコーンオイル>
信越化学工業株式会社製ジメチルシリコーン
オイルKF-96-30CS[商標、粘度(25℃、B型粘度計):2
8mPa・s]
を使用した。
<成分(B)炭素数1~10個のアルコール>
該アルコールとしてメチルアルコールを使用
した。
<成分(C)ケイ酸含有溶液>
成分(C)ケイ酸含有溶液は下記の通りに製造し
た。
(ケイ酸含有水溶液(I)の製造)
1リットルの水に水酸化ナトリウム0.3モルを
え、室温で攪拌して溶解した。次いで、該
溶液に二酸化ケイ素0.48モルを加えて、同じ
室温で攪拌して溶解し、ケイ酸含有水溶液(
I)
を得た。該水溶液の粘度(25℃、B型粘度計)は2
mPa・sであった。
(ケイ酸含有水溶液(II)の製造)
二酸化ケイ素の添加量を0.60モルとした以外
、ケイ酸含有水溶液(I)の製造と同一に実施
た。該水溶液の粘度(25℃、B型粘度計)は2mPa
sであった。
(ケイ酸含有水溶液(III)の製造)
二酸化ケイ素の添加量を0.35モルとした以外
、ケイ酸含有水溶液(I)の製造と同一に実施
た。該水溶液の粘度(25℃、B型粘度計)は2mPa
sであった。
<比較含浸剤>
比較含浸剤としては、シラン系化合物を主成
分とする含浸材(MCファイン、商標、株式会社
イー・エム・ディ製)を使用した。
[評価項目及び評価方法]
各含浸組成物及び比較含浸材の評価項目及び
評価方法は下記の通りである。
<外観観察>
JSCE-K571-2005[表面含浸材の試験方法(案)]に準拠
した。含浸組成物及び比較含浸材を含浸した
試験体の含浸面と、試験体の含浸していない
面とを比較して、含浸による外観変化を目視
観察した。また、該含浸面及び含浸していな
い面に霧吹きで清水を噴霧して、その外観変
化を目視観察した。
<含浸深さ試験>
JSCE-K571-2005に準拠した。含浸組成物及び比較
浸材を含浸した各試験体の含浸面を二分割
るように試験体を割裂して、二分割した試
体を一分間水に浸漬して取り出し、割裂面
撥水している部分の含浸面からの深さを含
深さとした。
<透水量試験>
JSCE-K571-2005に準拠した。含浸組成物及び比較
浸材を含浸した各試験体の含浸面と含浸し
いない面に所定の透水試験器具を止め付け
、透水量試験を実施した。
<吸水率試験>
JSCE-K571-2005に準拠した。含浸組成物及び比較
浸材を含浸した各試験体の含浸面と含浸し
いない面が側面になるようにし、かつ試験
の上面が水面下20mm以上になるようにして、
温度23±2℃の水中に浸漬した。浸漬を開始し
から7日後に試験体を取り出し吸水率を測定
した。
<中性化深さ試験>
JSCE-K571-2005に準拠した。含浸組成物及び比較
浸材を含浸した各試験体について、JIS A 11
53に準拠して、温度20±2℃、相対湿度60±5%、
酸化炭素濃度5±0.2%の条件下で、28日間の促
中性化試験を実施した。その後、JIS A 1152
準拠して、試験体の含浸面を二分割するよ
に、試験体を割裂して、割裂面の含浸面か
の中性化深さを測定した。
<塩化物イオン浸透深さ試験>
JSCE-K571-2005に準拠した。含浸組成物及び比較
浸材を含浸した各試験体の含浸面が側面に
るようにし、かつ試験体の上面が水面下20mm
以上になるようにして、温度23±2℃の水中に
漬し、塩化物イオン浸透試験を行った。浸
を開始してから63日後に試験体を取り出し
。その後、JIS A 1171の7.8に準拠して、試験
の含浸面を二分割するように、試験体を割
して、割裂面の含浸面からの塩化物イオン
透深さを測定した。
<凍結融解試験>
JIS A 1148(コンクリートの凍結融解試験方法)
準拠した。含浸組成物及び比較含浸材を含
した各試験体について、凍結温度-18℃、融
温度+20℃、1サイクル5~6時間で合計300サイク
ル実施した。所定サイクルにおいて、各試験
体の相対動弾性係数及び質量減少率を測定し
た。ここで、相対動弾性係数は、各サイクル
毎に各試験体についてたわみ振動の一次共鳴
振動数を測定し、下記式を用いて算出したも
のである。
相対動弾性係数(%)=F n 2
/F 0 2
×100
(式中、F 0
は試験開始前の試験体のたわみ振動の一次共
鳴振動数であり、F n
はnサイクルの試験体のたわみ振動の一次共
振動数である。)
また、質量減少率は、凍結融解試験開始前に
おける試験体の質量と各サイクルにおける試
験体の質量とを測定し、凍結融解試験開始前
における試験体の質量に対する減少した質量
のパーセンテージで示した。
[試験体]
各試験体は下記の通りに製造した。
<外観観察、含浸深さ試験、透水量試験、
水率試験、中性化深さ試験及び塩化物イオ
浸透深さ試験用の試験体>
JIS A 5201(セメントの物理試験方法)に準拠し
、セメント対細骨材(砂)の質量比を1対3とし
、フロー値が180±5になるように水セメント比
を調整して混練し、モルタルを製造した。得
られたモルタルの性状は下記の表3に示す通
である。
得られたモルタルを寸法100mm×100mm×400mmに 形した。これを、20℃、90%(RH)の空気中で1日 、次いで、20℃の水中で6日間保持した。こ ようにして得られた成形体を、寸法100mm×100 mm×100mmに切断した。これを、20℃、60%(RH)の空 気中で25日間乾燥し、次いで、含浸材塗布面 び該面に対向する面を除く各面に、JIS K 56 64(タールエポキシ樹脂塗料)に規定するエポ シ樹脂塗料(ユニタック、商標、太平洋マテ アル株式会社製)を塗布し、更に、同一条件 下で3日間乾燥した。得られた成形体に、含 組成物及び比較含浸材を塗布し、20℃、60%(RH )の空気中で14日間乾燥した。これを、外観観 察、含浸深さ試験、透水量試験、吸水率試験 、中性化深さ試験及び塩化物イオン浸透深さ 試験のための試験体とした。
<凍結融解試験用の試験体>
上記と同じモルタルを使用した。
該モルタルを寸法40mm×40mm×160mmに成形した これを、20℃、90%(RH)の空気中で1日間、次い で、20℃の水中で6日間保持した。このように して得られた成形体を、20℃、60%(RH)の空気中 で25日間乾燥し、次いで、含浸材塗布面及び 面に対向する面を除く各面に、JIS K 5664(タ ールエポキシ樹脂塗料)に規定するエポキシ 脂塗料(ユニタック、商標、太平洋マテリア 株式会社製)を塗布し、更に、同一条件下で 3日間乾燥した。得られた成形体に、含浸組 物及び比較含浸材を含浸し、20℃、60%(RH)の 気中で14日間乾燥した。これを、凍結融解試 験のための試験体とした。
(実施例1)
(A)シリコーンオイル50質量部、(B)メチルアル
ール50質量部及び(C)ケイ酸含有水溶液(I)100
量部を、室温で攪拌してセメント硬化物用
浸組成物を製造した。該組成物を使用して
種試験を実施した。
外観観察の結果を図1に示す。水噴霧前の 験体の含浸面と、試験体の含浸していない (対照)とは、外観に殆んど変化が認められな かった。水を噴霧すると、含浸していない面 の外観は変化したが、本発明の含浸組成物を 含浸した面の外観は殆ど変化が認められなか った。
含浸深さ試験、透水量試験、吸水率試験、 中性化深さ試験及び塩化物イオン浸透深さ試 験の結果を表4に示す。
対照として、含浸材を含浸していない試験 体を用いた。透水量、吸水率、中性化深さ及 び塩化物イオン浸透深さのいずれにおいても 、対照に比べて著しく良好であることが分っ た。
凍結融解試験の結果を表5及び図2~4に示す
表5から分かるように、相対動弾性係数及 質量減少率のいずれも対照に比べて著しく 好であることが分かった。図2~4の外観から 、本発明のセメント硬化物用含浸組成物を 浸した試験体が凍結融解に優れた耐性を有 ることが分かった。対照の200サイクルにお る重量減少率が、150サイクルと比較して増 しているのは炭酸ガス等の吸収によるもの 推察される。
(実施例2~7)
(A)シリコーンオイル、(B)メチルアルコール及
び(C)ケイ酸含有水溶液を、表6に示す配合量
室温において攪拌して各セメント硬化物用
浸組成物を製造した。該組成物を使用して
種試験を実施した。試験結果を表6に示す。
(比較例1~4)
(A)シリコーンオイル、(B)メチルアルコール及
び(C)ケイ酸含有水溶液を、表7に示す配合量
室温において攪拌して各セメント硬化物用
浸組成物を製造した。該組成物を使用して
種試験を実施した。試験結果を表7に示す。
実施例2及び3は、実施例1に対して、夫々、 成分(C)の含有量を増加させたもの及び減少さ せたものである。実施例4及び5は、実施例1に 対して、夫々、成分(A)を増加させかつ成分(B) を減少させたもの、及び成分(A)を減少させか つ成分(B)を増加させたものである。実施例6 び7は、成分(C)ケイ酸含有水溶液(I)を、夫々 ケイ酸含有量の多いケイ酸含有水溶液(II)) びケイ酸含有量の少ないケイ酸含有水溶液(I II)に代えたものである。いずれの実施例にお いても、良好な結果が得られた。
一方、比較例1及び2は、実施例1に対して、 夫々、成分(C)の含有量を本発明の範囲外に増 加させたもの及び減少させたものである。比 較例3及び4は、実施例1に対して、夫々、本発 明の範囲外に成分(A)を増加させかつ成分(B)を 減少させたもの、及び本発明の範囲外に成分 (A)を減少させかつ成分(B)を増加させたもので ある。比較例1及び2においては、中性化深さ 悪化した。比較例3においては、含浸組成物 中の各成分が分離して含浸材として使用でき なかった。比較例4においては、透水量及び 性化深さが悪化した。
(比較例5)
成分(C)ケイ酸含有水溶液(I)に代えて、比較含
浸剤(MCファイン、商標、株式会社イー・エム
・ディ製)を使用した以外は、実施例1と同一
実施した。
外観観察の結果を図5に示す。水噴霧前の 験体の含浸面と、試験体の含浸していない とは、外観に殆んど変化が認められなかっ 。水を噴霧すると、比較含浸剤を含浸した の外観に多少変化が認められた。
含浸深さ試験、透水量試験、吸水率試験及 び中性化深さ試験の結果を表8に示す。
凍結融解試験の結果を表9及び図6~8に示す
表4及び表8から分かるように、含浸深さ、 水量、吸水率及び中性化深さのいずれにお ても、本発明のセメント硬化物用含浸組成 は、比較含浸剤に比べて良好であることが かった。
表5及び表9から分かるように、相対動弾性 数及び質量減少率のいずれにおいても、本 明のセメント硬化物用含浸組成物は、比較 浸剤に比べて著しく良好であることが分か た。図6~8の外観からも、本発明のセメント 化物用含浸組成物を含浸した試験体が、比 含浸剤に比べて凍結融解に優れた耐性を有 ることが分かった。
本発明のセメント硬化物用含浸組成物は、 コンクリート、モルタル等のセメント硬化物 に塗布して、水分のセメント硬化物内部への 侵入を防止し、鉄筋の腐食、タイルの脱落等 を回避して、これらの耐久性を著しく向上さ せることができる。また、これらセメント硬 化物のひび割れ等に注入して、セメント硬化 物の補修にも使用することができる。また、 本発明のセメント硬化物用含浸組成物は、木 材に塗布することにより木材に撥水性を付与 して、その耐久性を高めることもできる。
