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Title:
IN-TANK SENSOR RATIONALITY DIAGNOSTIC TECHNIQUE AND RATIONALITY DIAGNOSTIC DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/157102
Kind Code:
A1
Abstract:
An in-tank sensor rationality diagnostic technique and a rationality diagnostic device for performing, in a precise and easy manner, a diagnosis on whether or not the rationalities of all sensors are being kept. A rationality diagnostic technique for performing a rationality diagnosis on a concentration sensor, a liquid-level sensor and a temperature sensor provided within a tank which stores a liquid, which determines whether or not there is any discrepancy in each of the sensor values as detected by the concentration, liquid-level and temperature sensors, in order to diagnose whether the rationality of any of the concentration, liquid-level and temperature sensors is lost or not.

Inventors:
KASAHARA HIROYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068528
Publication Date:
December 30, 2009
Filing Date:
October 14, 2008
Export Citation:
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Assignee:
BOSCH CORP (JP)
KASAHARA HIROYUKI (JP)
International Classes:
F01N3/08; F01N3/18
Foreign References:
JP2007056741A2007-03-08
JPH039057A1991-01-16
JPH08189412A1996-07-23
Attorney, Agent or Firm:
EMORI, Kenji et al. (JP)
Kenji Emori (JP)
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Claims:
 液体を貯蔵するためのタンク内に備えられた濃度センサ、液位センサ及び温度センサの合理性診断を行うためのタンク内センサの合理性診断方法において、
 前記濃度センサ、前記液位センサ及び前記温度センサによって検出される各センサ値に矛盾が生じていないかを判定することによって、前記濃度センサ、前記液位センサ及び前記温度センサのうちのいずれかのセンサの合理性が失われていないかを診断することを特徴とするタンク内センサの合理性診断方法。
 前記各センサ値をもとにセンサ値ごとに前記液体の状態を判別し、前記液体の状態に矛盾が生じていないかを判定することによって、前記合理性診断を行うことを特徴とする請求の範囲の第1項に記載のタンク内センサの合理性診断方法。
 前記濃度センサ及び前記液位センサのセンサ値をもとに、前記液体が凍結、液化、不足のうちのどの状態にあるべきかの判別を行うとともに、前記温度センサのセンサ値をもとに、前記液体が凍結、液状のいずれの状態にあるべきかの判別を行い、各液体の状態に矛盾が生じていないかを判定することを特徴とする請求の範囲の第2項に記載のタンク内センサの合理性診断方法。
 前記濃度センサのセンサ値をもとに得られる熱伝導率の値をもとにして、前記合理性診断を行うことを特徴とする請求の範囲の第1項~第3項のいずれか一項に記載のタンク内センサの合理性診断方法。
 前記液位センサのセンサ値をもとに得られる比誘電率の値をもとにして、前記合理性診断を行うことを特徴とする請求の範囲の第1項~第3項のいずれか一項に記載のタンク内センサの合理性診断方法。
 液体を貯蔵するためのタンク内に備えられた濃度センサ、液位センサ及び温度センサの合理性診断を行うためのタンク内センサの合理性診断装置において、
 前記濃度センサのセンサ値をもとに得られる前記液体の状態を示す第1の信号と、前記液位センサのセンサ値をもとに得られる前記液体の状態を示す第2の信号と、前記温度センサのセンサ値をもとに得られる前記液体の状態を示す第3の信号と、を相互に比較し、前記液体の状態に矛盾が生じていないかを判定することによって、前記濃度センサ、前記液位センサ及び前記温度センサのうちのいずれかのセンサの合理性が失われていないかを診断する合理性判定部を備えることを特徴とするタンク内センサの合理性診断装置。
Description:
タンク内センサの合理性診断方 及び合理性診断装置

 本発明は、タンク内センサの合理性診断 法及び合理性診断装置に関する。特に、複 のセンサによって構成されるタンク内セン の合理性診断方法及び合理性診断装置に関 る。

 ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出 れる排気ガス中には、環境に影響を及ぼす それのある窒素酸化物(NO X )が含まれている。従来、このNO X を浄化するために用いられる排気浄化装置の 一態様として、排気通路中に選択還元触媒が 配設され、この選択還元触媒中で還元剤を用 いてNO X の還元浄化が行われるSCR(Selective Catalytic Redu ction)システムが知られている。このSCRシステ ムは、還元剤としての尿素水溶液や未燃燃料 (HC)等を選択還元触媒の上流側の排気通路中 供給し、この還元剤を利用して選択還元触 中に流入する排気ガス中のNO X を選択的に還元浄化するものである。

 また、選択還元触媒が用いられるSCRシステ 以外にも、排気ガスの空燃比がリーンの状 で排気ガス中のNO X を吸蔵し、空燃比がリッチに切り換わるとNO X を放出するとともに排気ガス中の未燃燃料を 用いてNO X の還元浄化を行うNO X 吸蔵触媒が用いられた排気浄化装置が知られ ている。この排気浄化装置の一態様として、 NO X 吸蔵触媒の上流側に未燃燃料を直接添加する 構成の排気浄化装置がある。

 これらの排気浄化装置における尿素水溶 や未燃燃料等を添加する装置として、代表 には、ポンプによって添加剤が圧送され、 気管に接続されたインジェクタを介して排 通路中に添加剤が供給されるインジェクシ ン式の添加剤供給装置がある。また、尿素 溶液を噴霧する装置には、高圧エアを用い 混合室内で尿素水溶液があらかじめ微粒化 れた上で、排気管に接続された噴射ノズル 介して排気通路中に尿素水溶液の噴霧が行 れるエアアシスト式の還元剤供給装置もあ 。

 このような添加剤供給装置では、尿素水 液や未燃燃料等の添加剤を貯蔵しておくタ クが備えられている。そして、添加剤の状 に異常がないかを監視するために、タンク には、濃度センサ、液位センサ及び温度セ サが備えられる。例えば、尿素水溶液を還 剤として用いる還元剤供給装置において、 蔵容器(タンク)に品質センサ(濃度センサ)、 温度センサ、レベルセンサ(液位センサ)及び ンプからなる、尿素水溶液を供給するため アセンブリを備えた還元剤供給装置が開示 れている(特許文献1参照)。

特表2002-527660号 (請求項12、段落[0038])

 ところで、現在、還元剤供給装置を車両等 搭載するにあたり、タンク内に備えられる センサの信頼性を確認するために、各セン の合理性の診断が行われるように義務づけ れ始めている。これは、いずれかのセンサ 合理性が失われていると、還元剤の実添加 が排気ガスの還元浄化に必要とされる還元 の目標添加量に対して過不足を生じ、還元 の不足時にはNO X が大気中に放出され、還元剤が過剰時にはア ンモニアや炭化水素が大気中に放出されるお それがあるからである。そのため、タンク内 に備えられたすべてのセンサの合理性が保た れているかを正確に診断できる合理性診断方 法が望まれている。

 そこで、本発明の発明者は鋭意努力し、 ンク内センサの合理性診断方法において、 センサのセンサ値に矛盾が生じていないか 判定することにより各センサの合理性診断 行うことによってこのような問題を解決で ることを見出し、本発明を完成させたもの ある。すなわち、本発明は、すべてのセン の合理性が保たれているかの診断を、正確 、かつ、容易に行うことができるタンク内 ンサの合理性診断方法及び合理性診断装置 提供することを目的とする。

 本発明によれば、液体を貯蔵するための ンク内に備えられた濃度センサ、液位セン 及び温度センサの合理性診断を行うための ンク内センサの合理性診断方法であって、 度センサ、液位センサ及び温度センサによ て検出される各センサ値に矛盾が生じてい いかを判定することによって、濃度センサ 液位センサ及び温度センサのうちのいずれ のセンサの合理性が失われていないかを診 することを特徴とするタンク内センサの合 性診断方法が提供され、上述した問題を解 することができる。

 また、本発明のタンク内センサの合理性 断方法を実施するにあたり、各センサ値を とにセンサ値ごとに液体の状態を判別し、 体の状態に矛盾が生じていないかを判定す ことによって、合理性診断を行うことが好 しい。

 また、本発明のタンク内センサの合理性 断方法を実施するにあたり、濃度センサ及 液位センサのセンサ値をもとに、液体が凍 、液化、不足のうちのどの状態にあるべき の判別を行うとともに、温度センサのセン 値をもとに、液体が凍結、液状のいずれの 態にあるべきかの判別を行い、各液体の状 に矛盾が生じていないかを判定することが ましい。

 また、本発明のタンク内センサの合理性 断方法を実施するにあたり、濃度センサの ンサ値をもとに得られる熱伝導率の値をも にして、合理性診断を行うことが好ましい

 また、本発明のタンク内センサの合理性 断方法を実施するにあたり、液位センサの ンサ値をもとに得られる比誘電率の値をも にして、合理性診断を行うことが好ましい

 また、本発明の別の態様は、液体を貯蔵 るためのタンク内に備えられた濃度センサ 液位センサ及び温度センサの合理性診断を うためのタンク内センサの合理性診断装置 あって、濃度センサのセンサ値をもとに得 れる液体の状態を示す第1の信号と、液位セ ンサのセンサ値をもとに得られる液体の状態 を示す第2の信号と、温度センサのセンサ値 もとに得られる液体の状態を示す第3の信号 、を相互に比較し、液体の状態に矛盾が生 ていないかを判定することによって、濃度 ンサ、液位センサ及び温度センサのうちの ずれかのセンサの合理性が失われていない を診断する合理性判定部を備えることを特 とするタンク内センサの合理性診断装置で る。

 本発明のタンク内センサの合理性診断方法 び合理性診断装置によれば、濃度センサ、 位センサ、温度センサの各センサ値を相互 比較し、互いのセンサ値に矛盾が生じてい いかを判定することによって、いずれかの ンサの合理性が失われていないかが正確に かつ、容易に判定される。特に、合理性診 装置が、各センサ値をもとにタンク内の液 の状態を判別し、その液体の状態に矛盾が じていないかを判定することによって、よ 正確にタンク内センサの合理性診断が行わ る。
 したがって、センサの修理、交換が迅速に われ、タンク内に貯蔵された液体の状態が 確に把握される。

第1の実施の形態にかかる合理性診断装 置が備えられた排気浄化装置の構成を示す図 である。 第1の実施の形態のセンサユニットに用 いられる液位センサの構成例を説明するため の図である。 第1の実施の形態にかかる合理性診断装 置(DCU)の構成例を示すブロック図である。 第1の実施の形態にかかる合理性診断方 法を説明するための図である。 第2の実施の形態にかかる合理性診断方 法を説明するための図である。 第3の実施の形態のセンサユニットに用 いられる液位センサの構成例を説明するため の図である。

 以下、図面を参照して、本発明のタンク内 ンサの合理性診断方法及び合理性診断装置 関する実施の形態について具体的に説明す 。ただし、かかる実施形態は本発明の一態 を示すものであり、この発明を限定するも ではなく、本発明の範囲内で任意に変更す ことが可能である。
 なお、それぞれの図中、同じ符号を付して るものについては同一の部材を示しており 適宜説明が省略されている。

[第1の実施の形態]
1.排気浄化装置
 図1は、第1の実施の形態にかかるタンク内 ンサ54の合理性診断装置が備えられた内燃機 関5の排気浄化装置(以下、単に「排気浄化装 」と称する場合がある。)10の構成例を示し いる。この排気浄化装置10は、還元剤とし の尿素水溶液を、排気通路の途中に配設さ た還元触媒13の上流側に噴射供給し、還元触 媒13において排気ガス中に含まれるNO X を選択的に還元浄化する排気浄化装置10であ 。当該排気浄化装置10は、内燃機関5に接続 れた排気管11の途中に配設され、排気ガス に含まれるNO X を選択的に還元するための還元触媒13と、還 触媒13の上流側で排気管11内に尿素水溶液を 噴射供給するための還元剤供給装置20とを主 る要素として備えている。

2.還元剤供給装置
 排気浄化装置10に備えられた還元剤供給装 20は、還元触媒13の上流側で排気管11に固定 れた還元剤噴射弁31と、尿素水溶液が貯蔵さ れたタンク50と、タンク50内の尿素水溶液を 元剤噴射弁31に対して圧送するポンプ41を含 ポンプモジュール40と、排気管11内に噴射供 給する還元剤の噴射制御を行うための制御装 置(以下、「DCU:Dosing Control Unit」と称する。) 60を備えている。また、ポンプモジュール40 還元剤噴射弁31とは第1の供給通路58によって 接続され、タンク50とポンプモジュール40と 第2の供給通路57によって接続され、さらに ポンプモジュール40とタンク50とは循環通路5 9によって接続されている。

 排気浄化装置10に備えられた還元剤供給装 20においては、DCU60はCAN65に接続されている このCAN65は、内燃機関の運転状態を制御する ためのコントロールユニット(以下、「ECU(Elec tronic Control Unit)」と称する。)70が接続され おり、CAN65には排気浄化装置10に備えられた ンサ情報をはじめとして、燃料噴射量や噴 タイミング、回転数等の内燃機関の運転状 に関する情報が書き込まれる。そして、CAN6 5に接続されたDCU60は、CAN65上の情報を読み込 、また、CAN65上に情報を出力できるように っている。
 なお、本実施形態では、ECU70とDCU60とが別の コントロールユニットからなり、CAN65を介し 情報のやり取りができるようにされている 、これらのECU70とDCU60とが一つのコントロー ルユニットとして構成されても構わない。

 還元剤供給装置20では、タンク50内の尿素 水溶液がポンプ41によって還元剤噴射弁31に けて圧送され、第1の供給通路58内の圧力を 知しながらポンプ41のフィードバック制御が 行われるとともに、余剰の尿素水溶液が循環 通路59を介してタンク50に戻されることによ て、第1の供給通路58内の圧力が所定値に維 される。この状態で還元剤噴射弁操作装置( 1では「Udv操作装置」と表記。)67による還元 剤噴射弁31の開閉操作が行われることで、所 量の尿素水溶液が排気通路中に噴射される この還元剤噴射弁操作装置67は、DCU60から送 信される還元剤の噴射指示値に基づいて、還 元剤噴射弁31の通電制御を行う。

 還元剤噴射弁31には、内燃機関5の冷却水 路75から分岐して再び冷却水通路75に合流す る第1の冷却水循環通路85の一部が配設されて いる。この第1の冷却水循環通路85の途中には 第1の冷却水流量制御弁81が設けられ、第1の 却水流量制御弁81によって冷却水の循環量が 調節されることによって、還元剤噴射弁31の 却が行われる。

 また、第1の冷却水循環通路85には、第1の 冷却水循環通路85から分岐して再び第1の冷却 水循環通路85に合流する第2の冷却水循環通路 87が接続されている。この第2の冷却水循環通 路87の一部はタンク50に配設されるとともに 途中には第2の冷却水流量制御弁83が設けら ており、第2の冷却水流量制御弁83によって 却水の循環量が調節されることによって、 ンク50内の尿素水溶液の温度が調節される。 この場合、内燃機関5の冷却水は尿素水溶液 冷却に用いられるだけでなく、凍結時にお る尿素水溶液の解凍や冷寒時における保温 用いられる。

 また、ポンプモジュール40にはリバーティ グバルブ71が備えられ、還元剤供給装置20が 素水溶液の噴射制御を行わない場合等にお てポンプ41を駆動させることにより、ポン モジュール40や還元剤噴射弁31、第1の供給通 路58、第2の供給通路57等を含む還元剤供給系 尿素水溶液がタンク50に回収される。した って、冷寒時等、尿素水溶液が凍結しやす 温度条件下において、内燃機関5が停止し、 元剤供給装置20の制御が行われないような 合に、還元剤供給系内での尿素水溶液の凍 が防止される。そして、その後、内燃機関 運転が再開されたときに、詰まりによる噴 不良がないようにされている。
 このリバーティングバルブ71は、例えば、 素水溶液の流路、タンク50からポンプモジュ ール40へ向かう順方向から、ポンプモジュー 40からタンク50へ向かう逆方向に切り替える 機能を持った切換弁であり、内燃機関のイグ ニッションスイッチがオフにされたときに、 流路が逆方向に切り換えられることにより尿 素水溶液がタンク50内に回収される。

3.タンク内センサ
(1)センサユニット
 本実施形態において、タンク50には、濃度 ンサ、液位センサ及び温度センサの機能を せ持ったセンサユニット54が備えられている 。このセンサユニット54は、タンク50内の尿 水溶液の濃度を測定するための濃度センサ と、タンク50内の尿素水溶液の残量を測定す るための液位センサ部と、タンク50内の尿素 溶液の温度を測定するための温度センサ部 を備えている。センサユニット54の各セン 部によって検出されるセンサ値は、タンク50 内の尿素水溶液の濃度、残量及び温度に関連 する情報を表す信号として出力される。

 このセンサユニット54は、尿素水溶液がタ ク50内に正常な状態で収容されているかを監 視するために備えられたものである。
 例えば、尿素水溶液の噴射量を決定する際 は尿素水溶液が所定範囲内の濃度に保たれ いることが前提とされており、タンク内の 素水溶液の濃度が所定範囲を超えていたり 回ったりしていると、加水分解により生成 れるアンモニア量が過不足を生じるおそれ ある。そのため、尿素水溶液の濃度が所定 囲内に保たれているかを監視するために濃 センサ部が備えられている。

 また、尿素水溶液の残量が不足していたり 素水溶液が凍結していたりすると、DCU60で 定される量の尿素水溶液が正確に噴射され いおそれがある。そのため、尿素水溶液の 量が所定値以上確保され、また、尿素水溶 が凍結温度よりも高温にされているかを監 するために液位センサ部及び温度センサ部 備えられている。
 そして、例えば、尿素水溶液の濃度や液位 異常が見られる場合には、尿素水溶液の噴 制御が停止され、さらには、内燃機関が速 かに停止されるよう警告信号が発せられた 、尿素水溶液の温度に異常が見られる場合 は、上述したエンジン冷却水による尿素水 液の温度制御が行われる。

 さらに、タンク50内に、誤って尿素水溶液 外の液体が収容されていると、NO X の還元浄化が行われないばかりか、液体によ っては、故障や事故が引き起こされるおそれ がある。誤って収容されやすい液体として代 表的なものは、内燃機関の燃料である軽油で ある。そのため、タンク50に備えられたセン ユニット54の濃度センサ部は、タンク50内の 液体が尿素水溶液であるか、あるいは、軽油 であるかについて判別するためにも用いられ る。
 センサユニット54を構成する各センサ部の 成は、公知のセンサの構成が用いられてい が、以下、各センサ部によって媒体の濃度 液位、温度を測定する測定原理の一例を簡 に説明する。

(2)濃度センサ部
 センサユニット54の濃度センサ部は、液体 浸漬された濃度センサ素子に設けられた発 抵抗体に所定の時間定電流を流して濃度セ サ素子の周囲の媒体を加熱するとともに、 定時間の通電による発熱抵抗体の両端の電 変化を検知して、液体の濃度を算出し出力 るよう構成されたものである。
 すなわち、濃度センサ部は、通電開始直後 発熱抵抗体の抵抗値に対応して出力された 圧値V1と、所定時間経過後に発熱抵抗体の 抗値に対応して出力された電圧値V2との差分 δV(V2-V1)をあらかじめ記憶したさまざまな濃 の尿素水溶液に対応するδVの値に照らして 尿素水溶液の濃度を判別して出力する。

 また、濃度センサ部は、発熱抵抗体の両 の電圧変化δVから、媒体の熱伝導率λを算 し、当該算出結果を出力する。例えば、尿 水溶液が液化している場合や、凍結してい 場合、タンク内が空になっている場合、タ ク内に軽油が収容されている場合など、そ ぞれの場合で算出される熱伝導率λの値が異 なるため、タンク内の媒体の状態に応じて異 なる熱伝導率λの値を出力する。

 媒体の熱伝導率λの算出方法に関し、媒体 温度勾配をgradTとすると、δV=λ×gradTで表さ ることから、一例として、関係式λ=δV/gradT 用いて媒体の熱伝導率λが算出される。そし て、濃度センサ部は、このように算出される 熱伝導率λの値を、あらかじめ記憶させてお た、空気、軽油、凍結した尿素水溶液、液 状態の尿素水溶液の各熱伝導率λの値に照 して、媒体の状態を判別することができる
 限定する主旨ではないが、一例として、空 の熱伝導率λair≒0.0241、軽油の熱伝導率λdie sel≒0.07~0.17、凍結した32.5%尿素水溶液の熱伝 率λureaice≒0.75、液化した32.5%尿素水溶液の 伝導率λureawtr≒0.57であることが一般的に知 られている。

(3)液位センサ部
 センサユニット54の液位センサ部は、所定 高さに配置された一対の電極からなる検出 に所定の交流電圧を印加し、このときに流 る電流を変換して得られた電圧が所定値以 になっているか否かを検知することによっ 、媒体の残量を監視するように構成された のである。すなわち、尿素水溶液の比誘電 は、空気や軽油、凍結した尿素水溶液の比 電率よりも著しく高いことから、液位セン 部は、電極間に尿素水溶液が介在する場合 は電極間に所定値以上の電圧が発生するこ を利用して、当該一対の電極が配置された さ位置まで液体が存在しているか否かを検 して、出力する。
 例えば、液位センサ部がある一定量以上の 素水溶液がタンク内に残っているかを監視 るのであれば、図2(a)に示すように一対の電 極からなる検出部25が一つだけ設けられれば いし、液位センサ部がより細かく尿素水溶 の残量を把握したいのであれば、図2(b)に示 すようにそれぞれ一対の電極からなる複数の 検出部25a~25cが、それぞれ高さを異ならせて けられればよい。

 また、本実施形態の液位センサ部は、検 部が配置された高さまで尿素水溶液が存在 ているか否かの結果のみならず、検出部に 圧を印加したときに発生した電圧値Vをすべ て出力する。この電圧値Vは、後述するDCU60の 液位センサ値処理部において、一対の電極間 に存在する媒体の比誘電率εを算出するため 用いられる。

 なお、本実施形態のセンサユニット54の液 センサ部では、所定の高さ位置に配置され 検出部によって、当該高さ位置まで液体が 在するか否かを検知する形式の液位センサ 用いられているが、液体の残量に応じて連 的に変化する静電容量の値をもとにして、 体の残量を細かく検出する形式の液位セン を用いる場合については、第3の実施の形態 説明する。
 また、一対の電極からなる検出部を、高さ 異ならせて複数配置した液位センサ部の場 には、それぞれの検出部の電極間に発生し 電圧値Vを互いに比較することによって、液 位センサ部自身で合理性診断を行うことも可 能であるが、本実施形態の液位センサ部のよ うに、一つの検出部のみによって構成される 液位センサの場合には、液位センサ部自身で の合理性診断ができないために、本発明が特 に有効となる。

(4)温度センサ部
 センサユニット54の温度センサ部は、液体 発熱抵抗体を浸漬させ、液体の温度に応じ 発熱抵抗値を検知して、液体の温度tを算出 て出力する。
 なお、濃度センサ、液位センサ及び温度セ サをセンサユニットとして構成する場合に 、通常、各センサ部を構成する電極や発熱 抗体等の一部が互いに共有化されて構成さ る。

4.タンク内センサの合理性診断装置(DCU)及び 理性診断方法
 本実施形態においては、尿素水溶液の噴射 御を行うDCU60が、センサユニット54の合理性 診断装置としての機能を有している。このDCU 60は、基本的には、適切な量の尿素水溶液が 気管11中に供給されるように、CAN65上に存在 する様々な情報をもとに還元剤噴射弁31の動 制御を行う装置である。
 具体的には、DCU60は、第1の供給経路58内の 元剤の圧力に関する情報を継続的に読み込 、この圧力情報をもとにポンプ41をフィード バック制御することにより、第1の供給経路58 内の圧力がほぼ一定の値に維持されるととも に、内燃機関から排出されるNO X 量や還元触媒の温度等をもとにして尿素水溶 液の噴射量を演算し、還元剤噴射弁31の開閉 御を行う。

 上述したように、タンク50内に備えられた ンサユニット54は、噴射された尿素水溶液に よって排気ガス中のNO X の還元浄化が効率的に行われる状態にあるか を監視する重要な役割を担っているため、セ ンサユニット54の合理性が失われているおそ がある場合には速やかにセンサユニット54 交換する必要がある。そのため、図1に示す 気浄化装置10に備えられたDCU60には、センサ ユニットの合理性診断部(図1では「合理性診 」と表記。)が設けられている。

 図3は、図1に示すDCU60の合理性診断部に関 する部分について機能的なブロックに表した 構成例を示している。この合理性診断部は、 CAN情報取出生成部(図3では「CAN情報取出」と 記。)と、液位センサ値処理部(図3では「TnkL vl処理」と表記。)と、合理性判定部(図3では 合理性判定」と表記。)と、カウンタ等から 構成されている。これらの各部は、具体的に は、マイクロコンピュータ(図示せず。)によ プログラムの実行によって実現される。

 このうち、CAN情報取出生成部は、センサ ニット54の各センサ部からの信号をはじめ する、CAN65上に存在する情報を受け取り、DCU 60の他の部分に対して送信する。

 液位センサ値処理部は、CAN情報取出生成 から送信される液位センサ値としての電圧 Vをもとにして媒体の比誘電率εを算出し、 該比誘電率εの算出結果を合理性判定部に 信する。この液位センサ値処理部で算出さ る比誘電率εの値は、タンク内の媒体の状態 によって異なる。

 媒体の比誘電率εの算出方法に関し、静電 量をCとして、電極面積をS、電極間の距離を dとすると、C=ε×S×dで表されることから、一 として、関係式ε=C/S・dを用いて、媒体の比 誘電率εが算出される。このうち、静電容量C については、あらかじめ格納された電圧値V 静電容量Cとの関係を示すマップを参照して められる。このように算出される比誘電率 の値を、あらかじめ記憶させておいた、空 の比誘電率εair、軽油の比誘電率εdiesel、凍 した尿素水溶液の比誘電率εureaice、液化状 の尿素水溶液の比誘電率εureawtrの各値に照 すことによって、媒体の状態が判別される
 なお、参考までに、空気の比誘電率εair≒1. 0、軽油の比誘電率εdiesel≒1.8、凍結した水す なわち氷の比誘電率ε≒4.2、液体の水の比誘 率ε≒80であることが一般的に知られている 。

 また、本実施形態の例では、センサユニッ 54において、濃度センサ部のセンサ値をも に媒体の熱伝導率λが算出され、温度センサ 部のセンサ値をもとに媒体の温度tが算出さ るようになっているため、DCU60には、濃度セ ンサ値及び温度センサ値を処理する部分は備 えられていない。
 ただし、センサユニット54に、濃度センサ のセンサ値をもとに媒体の熱伝導率λを算出 する部分や、温度センサ部のセンサ値をもと に媒体の温度tを算出する部分を備えていな 場合には、DCU60に、濃度センサ値処理部や温 度センサ値処理部が備えられ、算出される熱 伝導率λ及び温度tが合理性判定部に送信され る。
 DCU60の濃度センサ値処理部で媒体の熱伝導 λを算出する場合には、上述した濃度センサ 部に備えられた熱伝導率λの算出ロジックが 濃度センサ値処理部に備えられる。

 合理性判定部は、出力されてくる各情報 、λ、tをもとに、タンクに備えられたセン ユニット54の各センサ部のうちのいずれかの センサ部の合理性が失われていないかの判定 を行う。すなわち、合理性判定部は、算出さ れた熱伝導率λの値及び比誘電率εの値をも にして、それぞれ、タンクが空であるか、 油が収容されているか、尿素水溶液が凍結 ているか、尿素水溶液が液化状態であるか 判別することができ、また、温度tの値をも にして、タンク内の媒体の温度が、尿素水 液の凍結温度を超えているか、凍結温度以 であるかを判別することができる。したが て、合理性判定部は、主として媒体の熱伝 率λと比誘電率εとによって判別される媒体 の状態に矛盾がないかを判定するとともに、 尿素水溶液が凍結した状態又は尿素水溶液が 液化した状態であると判別された場合には、 さらに、尿素水溶液の状態と媒体の温度tと 矛盾がないかを判定する。

 そして、各センサ値をもとに判別された 体の状態及び媒体の温度に矛盾がなければ 合理性判定部は、センサユニット54の各セ サ部の合理性が確保されていると判定する 一方、各センサ値をもとに判別された媒体 状態及び媒体の温度に矛盾が生じていると には、合理性判定部は、各センサ部のうち いずれかのセンサ部の合理性が失われてい と判定する。

 図4は、合理性判定部に入力される各情報ε λ、tを相互に比較することによりセンサユ ットの合理性を判定する合理性診断の具体 について説明するための対応表Mを表してい る。この対応表Mは、図3に示すDCU60の合理性 定部に格納されており、各情報ε、λ、tの内 容を当該対応表Mに照らし合わせて、センサ ニット54の各センサ部の合理性が確保されて いるかを判定するために用いられる。
 図4の横の項目には、媒体の比誘電率εの値 よって媒体の状態が項目分けされており、 側の縦の項目には、媒体の熱伝導率λの値 よって媒体の状態が項目分けされており、 側の縦の項目には、濃度センサ部の媒体の 態ごとに、検出された温度tが尿素水溶液の 結温度である-11℃を超えるか-11℃以下であ かが項目分けされている。

 図4の対応表Mでは、空気の熱伝導率λair、 軽油の熱伝導率λdiesel、凍結状態の尿素水溶 の熱伝導率λureaice、液化状態の尿素水溶液 熱伝導率λureawtr、空気の比誘電率εair、軽 の比誘電率εdiesel、凍結状態の尿素水溶液の 比誘電率εureaice、液化状態の尿素水溶液の比 誘電率εureawtrは、それぞれ公知の値に基づい て、あるいは、あらかじめ実験等によって求 められた値が設定されている。

 そして、濃度センサ部のセンサ値をもとに 出される熱伝導率λによって判別される媒 の状態と、液位センサ部のセンサ値をもと 算出される比誘電率εによって判別される媒 体の状態とに矛盾がある場合には、合理性判 定部はセンサユニットの合理性が失われてい るものと判定する(図中NGで示される欄が該当 )。一方、熱伝導率λによって判別される媒体 の状態と、比誘電率εによって判別される媒 の状態とに矛盾がない場合であっても、尿 水溶液が凍結あるいは液化した状態である 合には、さらに、合理性判定部は、温度セ サ部のセンサ値である尿素水溶液の温度tが 示す媒体の状態と矛盾がないかを判別する。 すなわち、凍結状態の尿素水溶液を示す熱伝 導率λ及び比誘電率εとなっている場合に、 素水溶液の温度tが凍結温度を超えている場 には、合理性判定部はセンサユニットの合 性が失われているものと判定する。同様に 液化状態の尿素水溶液を示す熱伝導率λ及 比誘電率εとなっている場合に、尿素水溶液 の温度tが凍結温度以下となっている場合に 、合理性判定部は、センサユニットの合理 が失われているものと判定する。
 これ以外のOKで示される欄については、各 ンサ値をもとに得られる情報λ、ε、tに矛盾 がないため、合理性判定部はセンサユニット の合理性が保たれていると判定する。

 熱伝導率λ及び比誘電率εが互いに矛盾す ることなく、タンク内が空であることや軽油 が収容されていることを示している場合に、 媒体の温度tの影響を考慮していないのは、 気については基本的に気体状態から変化す ことがなく、軽油については基本的に液化 態から変化することがないからである。

 また、図3に戻り、本実施形態における合理 性判定部は、センサユニット54の合理性が失 れているとの判定された回数をカウンタで ウントし、あらかじめ設定した回数以上、 えば、連続して5回以上、合理性が失われて いると判定されたときに、警告手段に対して 合理性エラーの信号を出力する。このように 構成することにより、誤診断によってセンサ ユニット54の合理性エラーが認識されるおそ が低減する。
 センサユニット54の合理性エラー信号が出 されたときには、DCU60は、例えば、運転者に 対して注意を喚起するために警報音を発生さ せる。これによって、運転者は内燃機関を速 やかに停止させたり、センサユニットの修理 交換を行ったりすることができる。

 なお、本実施形態で用いられているタンク センサは、各センサ部が一体化されたセン ユニット54であるため、どのセンサ部の合 性が失われているかを特定することは必要 されておらず、上述の合理性エラーの出力 なされた時点で、合理性診断は終了する。 なわち、いずれかのセンサ部の合理性が失 れていると判定された時点で、センサユニ ト54ごと修理、交換が行われる必要がある。
 ただし、濃度センサ部、液位センサ部及び 度センサ部のうち、いずれか二つのセンサ が、センサ部自身で合理性診断を行うこと できるのであれば、センサユニット54の合 性が失われていると判定された後、個別の 理性診断が行われることによって、どのセ サ部の合理性が失われているかが特定され 。例えば、上述したように、本実施形態の ンサユニット54では、液位センサ部自身で液 位センサ部の合理性診断を行うことができな いことから、濃度センサ部及び温度センサ部 が自己診断できるものであれば、どのセンサ 部の合理性が失われているかを特定すること ができる。

 また、各センサ部が一体化されたセンサユ ット54ではなく、濃度センサ、液位センサ び温度センサを個別に備えている場合であ ても、本実施形態の合理性診断を採用する とができる。ただし、本実施形態のタンク センサの合理性診断方法は、基本的には、 つのセンサのうちの少なくともいずれか一 のセンサの合理性が失われているとの診断 果を得られるものの、どのセンサの合理性 失われているかまで特定することができる のではない。この場合、少なくとも二つの ンサに自己診断機能が備えられていれば、 理性が失われているセンサが特定される。
 したがって、常時行う診断として本実施形 の診断方法を実施し、いずれかのセンサの 理性が失われていると診断されたときに、 別のセンサの自己診断を実施するようにす ば、診断プログラムの実施の簡素化を図る とができる。

[第2の実施の形態]
 本発明の第2の実施の形態にかかる合理性診 断装置は、合理性判定部の構成が第1の実施 形態の合理性診断装置の合理性判定部の構 と異なっている。
 以下、第1の実施の形態と異なる点を中心に 説明する。

 図5は、本実施形態の合理性診断の例を説 明するための対応表を表している。図4に示 対応表と同様に、図5の横の項目には、媒体 比誘電率εの値によって媒体の状態が項目 けされており、左側の縦の項目には、媒体 熱伝導率λの値によって媒体の状態が項目分 けされており、右側の縦の項目には、濃度セ ンサ部の媒体の状態ごとに、尿素水溶液の凍 結温度(-11℃)を超えるか凍結温度以下である が項目分けされている。

 ただし、媒体の比誘電率εの値によって項 分けされる媒体の状態に関し、第1の実施の 態では、タンクが空であるか、タンク内に 油が収容されているか、尿素水溶液が凍結 ているか、尿素水溶液が液化状態であるか よって項目分けされているが、本実施形態 は、尿素水溶液が液化状態であるか、それ 外かの二つの項目分けとなっている。これ 、DCUにおいて、液位センサ部のセンサ値を とに媒体の比誘電率εを算出するにあたり タンクが空である場合、軽油が収容されて る場合、尿素水溶液が凍結している場合の 比誘電率εair、εdiesel、εureaiceの差が小さい 方、DCUの処理能力によっては算出結果の誤 が大きくなるため、タンク内が空であるか 軽油が収容されているか、尿素水溶液が凍 しているかの判断を正確にできないおそれ あるからである。
 したがって、本実施形態では、合理性判定 は、液位センサ処理部から出力される比誘 率の値に基づいて、タンク内に液化状態の 素水溶液が収容されているか(ε=εurea w tr)、それ以外か(ε≦εureaice)を判別する。

 そして、濃度センサ部のセンサ値をもと 得られる媒体の熱伝導率λの値が、タンク 空である、軽油が収容されている、あるい 、尿素水溶液が凍結していることを示す場 に、比誘電率εの値が液化状態の尿素水溶液 を示す場合には、合理性判定部は、液位セン サのセンサ値と濃度センサ部のセンサ値との 間に矛盾が生じていると判定する。同様に、 液化状態の尿素水溶液を示す熱伝導率λの値 なっている場合に、タンクが空である、軽 が収容されている、あるいは、尿素水溶液 凍結していることを示す比誘電率εの値と っている場合についても、合理性判定部は 液位センサ部のセンサ値と濃度センサ部の ンサ値との間に矛盾が生じていると判定す 。

 一方、液位センサ部のセンサ値をもとに 出される熱伝導率λによって判別される媒 の状態と、濃度センサ部のセンサ値をもと 算出される比誘電率εによって判別される媒 体の状態とに矛盾がない場合であっても、尿 素水溶液が凍結あるいは液化した状態である 場合には、合理性判定部は、さらに、温度セ ンサ部のセンサ値である尿素水溶液の温度t 示す媒体の状態と矛盾していないかを判別 る。すなわち、凍結状態の尿素水溶液を示 熱伝導率λ及び比誘電率εとなっている場合 、尿素水溶液の温度tが凍結温度を超えてい る場合には、合理性判定部はセンサユニット の合理性が失われているものと判定する。同 様に、液化状態の尿素水溶液を示す熱伝導率 λ及び比誘電率εとなっている場合に、尿素 溶液の温度tが凍結温度以下となっている場 についても、合理性判定部はセンサユニッ の合理性が失われているものと判定する。

 本実施形態においても、タンク内センサ 構成は、センサユニットに限られるもので なく、第1の実施の形態と同様に、濃度セン サ、液位センサ及び温度センサが個別に備え られるようにしてもよく、また、液位センサ 部についても、一対の電極からなる検出部が 一つのみ備えられる構成であっても良いし、 複数備えられる構成であってもよい。

[第3の実施の形態]
 本発明の第3の実施の形態の合理性診断装置 は、センサユニットのうちの液位センサ部の 構成が第1の実施の形態及び第2の実施の形態 液位センサ部の構成と異なるセンサユニッ の合理性診断を行うものである。また、液 センサ部の構成が異なることに伴い、合理 診断を行う際の手順が第1の実施の形態及び 第2の実施の形態の手順とは異なっている。
 以下、第1の実施の形態及び第2の実施の形 と異なる点を中心に説明する。

1.液位センサ部の構成
 本実施形態で用いられるセンサユニットの 位センサ部は、図6に示すように、互いに対 向する第1電極及び第2電極であって、タンク の高さ方向に沿って所定長さを有する第1電 極及び第2電極を有し、第1電極と第2電極との 間で媒体の液位に応じて静電容量が変化する コンデンサを形成した液位検出体を備えてい る。この第1電極及び第2電極は、対向する平 電極であってもよく、内側電極及び外側電 からなる二重管電極であってもよい。
 上述した第1及び第2の実施の形態で用いら ている液位センサ部は、所定高さに配置さ る一対の電極からなる検出部に所定の交流 圧を印加したときに発生する電圧Vが所定値 上となったときに、当該所定高さまで媒体 存在することを認識する。これに対して、 実施形態で用いられている液位センサ部は タンク内が空である状態での基準静電容量C 0 に対する静電容量の変化量δCをもとにして、 媒体の残量をリニアに認識することができる 。

 本実施形態のような構成の液位センサ部を いる場合において、タンク内に正常な尿素 溶液が収容されていることを前提とすれば 尿素水溶液の液位を測定することができる
 しかしながら、タンク内の液体の残量によ て、液体中に浸漬される電極の面積が異な てくることから、液位センサ部のセンサ値 もとに媒体の比誘電率εを算出して媒体の 態を判別する合理性診断を行う場合、静電 量の違いが、単純に媒体の状態に依存する のであるかの見分けが困難である。すなわ 、静電容量の変化量δCが、単純に媒体の状 の違いによって生じているのか、媒体の液 の違いによって生じているのかの見分けが 難である。

 このような液位センサ部の場合、第1の実 施の形態及び第2の実施の形態のように、第1 極及び第2電極間に交流電圧を印加したとき に発生した電圧値を用いて媒体の比誘電率ε 算出することは容易ではない。そのため、 実施形態のタンク内センサの合理性診断装 では、タンク内への尿素水溶液の補充時に タンク内が満タンにされることを前提とし 、合理性診断が行われる。

2.タンク内センサの合理性診断装置及び合理 診断方法
 本実施形態のDCUも、基本的には第1の実施の 形態又は第2の実施の形態で説明したDCUの構 と同様であり、合理性判定部には図4又は図5 に示す対応表が備えられている。
 本実施形態のセンサユニットの合理性診断 法では、まず、タンクに媒体を満タンに補 した時点で、第1の実施の形態又は第2の実 の形態で説明した合理性診断方法と同様の 法で合理性診断が行われる。媒体の補充直 の場合、タンク内が媒体で満タンとされた 合の各媒体の比誘電率εを予めDCUに記憶させ ておくことにより、液位センサ部によって検 出される比誘電率εの値から媒体の状態が判 される。
 なお、媒体の補充直後の場合、タンク内が でないことは言うまでもなく、媒体が凍結 ているおそれも少ないと言うことができる

 この媒体の補充直後の合理性診断において 各センサ値をもとに推定される媒体の状態 互いに矛盾している場合には、合理性判定 はいずれかのセンサの合理性が失われてい と判定する。一方、媒体の補充直後の合理 診断において、センサユニットの合理性が たれていると判定された場合、タンクに補 された媒体が特定される。したがって、以 の合理性診断を行う際にはタンク内の媒体 明らかになっているために、タンク内の媒 の残量が満タンでない場合であっても、液 センサ部によって検出される比誘電率εの からタンク内の媒体の状態が推定される。 の結果、タンク内が空である状態での基準 電容量C 0 に対する静電容量の変化量δCをもとにして、 媒体の残量をリニアに認識することができる 液位センサ部が用いられる場合であっても、 第1の実施の形態や第2の実施の形態で説明し 合理性診断方法を行うことができる。

 すなわち、互いに対向する第1電極及び第2 極を備え、タンク内の媒体の残量をリニア 測定可能な液位センサ部が用いられる場合 は、媒体を補充するごとに、DCUは、合理性 断を行いつつ媒体の種類を特定した上でそ 後の合理性診断を行うことによって、互い センサ値の矛盾を判定することができる。
 なお、実際には、媒体の補充直後の合理性 断時にタンク内の媒体が軽油であると判別 れる際には、還元剤として尿素水溶液の代 りに軽油を使用し続けることができないこ から、運転者等に対して警告が発せられる とになる。