| JP3658521 | AMORPHOUS WINDING IRON CORE TRANSFORMER |
| JP11144983 | CHOKE COIL AND RECTIFYING/SMOOTHING CIRCUIT USING THE SAME |
| WO/2005/010901 | CORE TYPE LAMINATE INDUCTOR |
斉藤忠雄 (〒01 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝 知的財産部内 Tokyo, 1058001, JP)
SAKAI, Kazumi (Toshiba Corporation 1-1, Shibaura 1-chome, Minato-k, Tokyo 01, 1058001, JP)
株式会社 東芝 (〒01 東京都港区芝浦一丁目1番1号 Tokyo, 1058001, JP)
TOSHIBA MATERIALS CO., LTD. (8 Shinsugita-cho, Isogo-ku Yokohama-sh, Kanagawa 22, 2358522, JP)
東芝マテリアル株式会社 (〒22 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 Kanagawa, 2358522, JP)
SAITO, Tadao (Toshiba Corporation 1-1, Shibaura 1-chome, Minato-k, Tokyo 01, 1058001, JP)
| 筒状外壁部と、前記筒状外壁部の内側に配置された筒状内壁部と、前記筒状外壁部と前記筒状内壁部との間を塞ぐように、前記筒状外壁部および前記筒状内壁部の一端に設けられた底部と、前記筒状外壁部および前記筒状内壁部の他端に設けられた開放部と、前記筒状内壁部の内側に設けられた中空部とを備える有底型絶縁樹脂ケースと、 前記有底型絶縁樹脂ケースの前記筒状外壁部と前記筒状内壁部との間に収納されたトロイダルコアと、 前記トロイダルコアの高さを超える前記筒状外壁部の延長部を前記筒状内壁部に向けて折り曲げた折曲部を備え、前記有底型絶縁樹脂ケースの前記開放部を覆うカバー部と を具備することを特徴とするインダクタンス素子。 |
| 請求項1記載のインダクタンス素子において、 前記有底型絶縁樹脂ケースの肉厚が0.1mm以上0.5mm以下の範囲であることを特徴とするインダクタンス素子。 |
| 請求項1記載のインダクタンス素子において、 前記有底型絶縁樹脂ケースの前記中空部に導電性リードが挿通されることを特徴とするインダクタンス素子。 |
| 筒状外壁部と、前記筒状外壁部の内側に配置された筒状内壁部と、前記筒状外壁部と前記筒状内壁部との間を塞ぐように、前記筒状外壁部および前記筒状内壁部の一端に設けられた底部と、前記筒状外壁部および前記筒状内壁部の他端に設けられた開放部と、前記筒状内壁部の内側に設けられた中空部とを備える有底型絶縁樹脂ケースと、 前記有底型絶縁樹脂ケースの前記筒状外壁部と前記筒状内壁部との間に絶縁状態で収納されるトロイダルコアと、 前記トロイダルコアの高さを超える前記筒状外壁部の延長部を前記筒状内壁部に向けて折り曲げた第1の折曲部と、前記トロイダルコアの高さを超える前記筒状内壁部の延長部を前記筒状外壁部に向けて折り曲げた第2の折曲部とを備え、前記有底型絶縁樹脂ケースの前記開放部を覆うカバー部と を具備することを特徴とするインダクタンス素子。 |
| 請求項4記載のインダクタンス素子において、 前記カバー部は前記第1の折曲部と前記第2の折曲部とを交差させた交差部を備えることを特徴とするインダクタンス素子。 |
| 請求項5記載のインダクタンス素子において、 前記第1の折曲部は前記第2の折曲部より外側に位置していることを特徴とするインダクタンス素子。 |
| 請求項5記載のインダクタンス素子において、 前記交差部の隙間が0.2mm以下(零を含む)であることを特徴とするインダクタンス素子。 |
| 請求項5記載のインダクタンス素子において、 前記交差部の幅が前記有底型絶縁樹脂ケースの半径の1/2以下であることを特徴とするインダクタンス素子。 |
| 請求項4記載のインダクタンス素子において、 前記有底型絶縁樹脂ケースの肉厚が0.1mm以上0.5mm以下の範囲であることを特徴とするインダクタンス素子。 |
| 請求項4記載のインダクタンス素子において、 前記トロイダルコアは磁性合金薄帯の巻回体または積層体を備えることを特徴とするインダクタンス素子。 |
| 請求項4記載のインダクタンス素子において、 前記有底型絶縁樹脂ケースの前記中空部に導電性リードが挿通されることを特徴とするインダクタンス素子。 |
| 請求項11記載のインダクタンス素子において、 前記導電性リードは半導体素子のリードであることを特徴とするインダクタンス素子。 |
| 筒状外壁部と、前記筒状外壁部の内側に配置された筒状内壁部と、前記筒状外壁部と前記筒状内壁部との間を塞ぐように、前記筒状外壁部および前記筒状内壁部の一端に設けられた底部と、前記筒状外壁部および前記筒状内壁部の他端に設けられた開放部と、前記筒状内壁部の内側に設けられた中空部とを備える有底型絶縁樹脂ケース内に、トロイダルコアを収納する工程と、 前記トロイダルコアの高さを超える前記筒状外壁部の延長部に、加熱した金属ヘッドを押しつけることによって、前記延長部を前記筒状内壁部に向けて折り曲げて、前記有底型絶縁樹脂ケースの前記開放部を覆う工程と を具備することを特徴とするインダクタンス素子の製造方法。 |
| 筒状外壁部と、前記筒状外壁部の内側に配置された筒状内壁部と、前記筒状外壁部と前記筒状内壁部との間を塞ぐように、前記筒状外壁部および前記筒状内壁部の一端に設けられた底部と、前記筒状外壁部および前記筒状内壁部の他端に設けられた開放部と、前記筒状内壁部の内側に設けられた中空部とを備える有底型絶縁樹脂ケース内に、トロイダルコアを収納する工程と、 前記トロイダルコアの高さを超える前記筒状外壁部の延長部と前記トロイダルコアの高さを超える前記筒状内壁部の延長部とに、加熱した金属ヘッドを押しつけることによって、前記筒状外壁部の延長部を前記筒状内壁部に向けて折り曲げると共に、前記筒状内壁部の延長部を前記筒状外壁部に向けて折り曲げて、前記有底型絶縁樹脂ケースの前記開放部を覆う工程と を具備することを特徴とするインダクタンス素子の製造方法。 |
| 請求項14記載のインダクタンス素子の製造方法において、 前記筒状内壁部の前記延長部を折り曲げた後に、前記筒状外壁部の前記延長部を折り曲げることを特徴とするインダクタンス素子の製造方法。 |
| 請求項14記載のインダクタンス素子の製造方法において、 前記金属ヘッドを前記有底型絶縁樹脂ケースを構成する樹脂の融点より20%低い温度以上で前記融点以下の範囲の温度に加熱することを特徴とするインダクタンス素子の製造方法。 |
| 請求項14記載のインダクタンス素子の製造方法において、 前記金属ヘッドは前記延長部に接触する部分にR面が設けられていることを特徴とするインダクタンス素子の製造方法。 |
| 請求項14記載のインダクタンス素子の製造方法において、 前記有底型絶縁樹脂ケースの肉厚が0.1mm以上0.5mm以下の範囲であることを特徴とするインダクタンス素子の製造方法。 |
| 請求項1記載のインダクタンス素子をノイズ抑制素子として具備することを特徴とするスイッチング電源。 |
| 請求項4記載のインダクタンス素子をノイズ抑制素子として具備することを特徴とするスイッチング電源。 |
本発明はインダクタンス素子とその製造 法、およびそれを用いたスイッチング電源 関する。
電子機器に搭載されるスイッチング電源 、FCCIに代表されるようにクラス別にノイズ が規制されている。ノイズの発生原因は様々 であるが、主に大きな電力をオンオフする半 導体素子の周辺で発生する。高周波成分は放 射ノイズとして空中を伝わり、各種電子機器 の誤動作を招く。このため、各周波数帯に規 制値が設けられている。スイッチング電源で は半導体素子、主にMOS-FETやダイオードにノ ズ対策が施されている。
MOS-FETやダイオードに対するノイズ対策の 代表例としては、CRスナバやフェライトビー を用いたノイズ対策が挙げられる。ノイズ 策は効果とコスト、さらに搭載スペースの ね合いにより使い分けられる。特に性能面 考慮した場合には、特許文献1に記載されて いるように、Co系アモルファス合金を利用し ものがノイズ対策の主流になっている。Co アモルファス合金は角形性等の磁気特性に れることから、ノイズ低減効果がフェライ ビーズより優れている。
アモルファス合金は絶縁性のフェライト とは異なり導電性を有するため、アモルフ ス合金薄帯を用いたトロイダルコアはそれ 体を絶縁樹脂で覆うことが一般的である。 の絶縁樹脂や接着剤はアモルファス合金薄 (磁性薄帯)の層間に侵入し、乾燥後の樹脂 収縮によりトロイダルコアに応力を付加す 。アモルファス合金を用いたトロイダルコ は、樹脂の収縮に伴う応力により磁気特性 低下するという問題を有している。
特許文献2や特許文献3には有底型容器に アを挿入し、蓋を固定してコアを容器内に 納したノイズ抑制素子が記載されている。 付き容器を使用した場合には樹脂の収縮に う問題が回避され、磁気特性の低下を抑制 ることができる。しかしながら、蓋付き容 は当然ながら蓋部と容器本体とを別々に作 し、これらを組合せて固定する必要がある 蓋部と容器本体をそれぞれ樹脂材料で作製 るためには、それぞれの形状に応じた金型 個別に用意し、これら金型を用いてそれぞ 樹脂を射出成形する必要がある。
上述したように、蓋付き容器は蓋部と容器
体の金型を個別に用意しなければならず、
造コストに対する負担が大きいという問題
有している。さらに、特許文献2に記載され
ているノイズ抑制素子では、本体容器に蓋部
を挿入する工程が必要となる。特許文献3に
載されているノイズ抑制素子では、容器本
と蓋部とを溶着により固定する工程が必要
なる。蓋付き容器を用いたノイズ抑制素子
蓋部を取付ける工程が必要であるため、特
直径10mm以下の小型の素子の量産性に劣ると
う問題を有している。
本発明の目的は、磁気特性の低下を抑制 た上で、蓋部を省いて量産性の向上と低コ ト化とを実現したインダクタンス素子とそ 製造方法、さらにそのようなインダクタン 素子を用いたスイッチング電源を提供する とにある。
本発明の一態様に係るインダクタンス素 は、筒状外壁部と、前記筒状外壁部の内側 配置された筒状内壁部と、前記筒状外壁部 前記筒状内壁部との間を塞ぐように、前記 状外壁部および前記筒状内壁部の一端に設 られた底部と、前記筒状外壁部および前記 状内壁部の他端に設けられた開放部と、前 筒状内壁部の内側に設けられた中空部とを える有底型絶縁樹脂ケースと、前記有底型 縁樹脂ケースの前記筒状外壁部と前記筒状 壁部との間に収納されたトロイダルコアと 前記トロイダルコアの高さを超える前記筒 外壁部の延長部を前記筒状内壁部に向けて り曲げた折曲部を備え、前記有底型絶縁樹 ケースの前記開放部を覆うカバー部とを具 することを特徴としている。
本発明の他の態様に係るインダクタンス 子は、筒状外壁部と、前記筒状外壁部の内 に配置された筒状内壁部と、前記筒状外壁 と前記筒状内壁部との間を塞ぐように、前 筒状外壁部および前記筒状内壁部の一端に けられた底部と、前記筒状外壁部および前 筒状内壁部の他端に設けられた開放部と、 記筒状内壁部の内側に設けられた中空部と 備える有底型絶縁樹脂ケースと、前記有底 絶縁樹脂ケースの前記筒状外壁部と前記筒 内壁部との間に収納されたトロイダルコア 、前記トロイダルコアの高さを超える前記 状外壁部の延長部を前記筒状内壁部に向け 折り曲げた第1の折曲部と、前記トロイダル コアの高さを超える前記筒状内壁部の延長部 を前記筒状外壁部に向けて折り曲げた第2の 曲部とを備え、前記有底型絶縁樹脂ケース 前記開放部を覆うカバー部とを具備するこ を特徴としている。
本発明の一態様に係るインダクタンス素 の製造方法は、筒状外壁部と、前記筒状外 部の内側に配置された筒状内壁部と、前記 状外壁部と前記筒状内壁部との間を塞ぐよ に、前記筒状外壁部および前記筒状内壁部 一端に設けられた底部と、前記筒状外壁部 よび前記筒状内壁部の他端に設けられた開 部と、前記筒状内壁部の内側に設けられた 空部とを備える有底型絶縁樹脂ケース内に トロイダルコアを収納する工程と、前記ト イダルコアの高さを超える前記筒状外壁部 延長部に、加熱した金属ヘッドを押しつけ ことによって、前記延長部を前記筒状内壁 に向けて折り曲げて、前記有底型絶縁樹脂 ースの前記開放部を覆う工程とを具備する とを特徴としている。
本発明の他の態様に係るインダクタンス 子の製造方法は、筒状外壁部と、前記筒状 壁部の内側に配置された筒状内壁部と、前 筒状外壁部と前記筒状内壁部との間を塞ぐ うに、前記筒状外壁部および前記筒状内壁 の一端に設けられた底部と、前記筒状外壁 および前記筒状内壁部の他端に設けられた 放部と、前記筒状内壁部の内側に設けられ 中空部とを備える有底型絶縁樹脂ケース内 、トロイダルコアを収納する工程と、前記 ロイダルコアの高さを超える前記筒状外壁 の延長部と前記トロイダルコアの高さを超 る前記筒状内壁部の延長部とに、加熱した 属ヘッドを押しつけることによって、前記 状外壁部の延長部を前記筒状内壁部に向け 折り曲げると共に、前記筒状内壁部の延長 を前記筒状外壁部に向けて折り曲げて、前 有底型絶縁樹脂ケースの前記開放部を覆う 程とを具備することを特徴としている。
本発明の態様に係るスイッチング電源は 本発明の態様に係るインダクタンス素子を イズ抑制素子として具備することを特徴と ている。
1,2…インダクタンス素子、3…トロイダ コア、4…有底型絶縁樹脂ケース、5…カバ 部、6…筒状外壁部、6a…延長部、7…筒状内 部、7a…延長部、8…底部、9…中空部、10… 1の折曲部、11…第1の折曲部、12…交差部、1 3…金属ヘッド、14…第1のヘッド、15…第2の ッド、16…導電性リード、21,41,51…スイッチ グ電源、24…トランス、26…FET、29,29A,29B… 飽和インダクタ。
以下、本発明を実施するための形態につ て説明する。図1は本発明の第1の実施形態 よるインダクタンス素子を示す図である。 2は本発明の第2の実施形態によるインダクタ ンス素子を示す図である。図1および図2に示 インダクタンス素子1、2は、トロイダルコ 3と有底型絶縁樹脂ケース4とカバー部5とを 備している。
トロイダルコア3は特に限定されるもので はなく、軟磁性体をトロイダル形状(中空形 )としたものであればよい。トロイダルコア3 を構成する軟磁性体としては、フェライト、 パーマロイ、アモルファス合金、微結晶を有 するFe基合金等が挙げられる。トロイダルコ 3には、軟磁性合金薄帯の巻回体または積層 体、軟磁性合金粉末の焼結体、軟磁性合金粉 末を樹脂で固めたもの等、種々の形態の磁心 を適用することができる。
トロイダルコア3を構成する軟磁性体は、 Co基アモルファス磁性合金、Fe基アモルファ 磁性合金、微結晶を有するFe基磁性合金等で あることが好ましい。これらの合金は厚さ30 m以下の磁性合金薄帯を得やすいことから、 ロイダルコア3の構成材料として好適である 。このような磁性合金薄帯を巻回または積層 することによって、トロイダルコア3を容易 作製することができる。
トロイダルコア3を構成するアモルファス合
金は、下記の式(1)に示す組成を有することが
好ましい。
一般式:(T 1-a
M a
) 100-b
X b
…(1)
(式中、TはFeおよびCoから選ばれる少なくとも
1種の元素を、MはTi、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zr、Nb
Mo、TaおよびWから選ばれる少なくとも1種の
素を、XはB、Si、CおよびPから選ばれる少な
とも1種の元素を示し、aおよびbは0≦a≦0.5
10≦b≦35at%を満足する数である)
元素Tは磁束密度や鉄損等の要求される磁 気特性に応じて組成比率が調整される。元素 Mは熱安定性、耐食性、結晶化温度の制御等 ために添加される元素である。元素MはCr、Mn 、Zr、NbおよびMoから選ばれる少なくとも1種 あることがより好ましい。元素Mの含有量はa の値として0.5以下とする。元素Mの含有量が すぎると相対的に元素Tの量が減少するため アモルファス磁性合金薄帯の磁気特性が低 する。元素Mの含有量を示すaの値は0.1~0.3の 囲とすることが好ましい。
元素Xはアモルファス合金を得るのに必須 の元素である。特に、Bは磁性合金のアモル ァス化に有効な元素である。Siはアモルファ ス相の形成を助成したり、また結晶化温度の 上昇に有効な元素である。元素Xの添加量が すぎると透磁率の低下や脆さが生じる。元 Xの添加量が少なすぎると磁性合金のアモル ァス化が困難になる。このようなことから 元素Xの含有量は10~35at%の範囲とすることが ましい。トロイダルコア3は可飽和特性に優 れるCo基アモルファス合金薄帯で構成するこ が好ましい。
磁性合金薄帯として用いるアモルファス合 薄帯は液体急冷法を適用して作製すること 好ましい。具体的には、所定の組成比に調 した合金素材を、溶融状態から10 5 ℃/秒以上の冷却速度で急冷することによっ 、アモルファス合金薄帯が得られる。液体 冷法により作製されたアモルファス合金の 状は薄帯となる。アモルファス合金薄帯の さは30μm以下であることが好ましく、さらに 好ましくは8~20μmである。磁性合金薄帯の厚 を制御することによって、低損失の磁心を ることができる。
微結晶を有するFe基磁性合金は下記の式(2)
示す組成を有することが好ましい。
一般式:Fe a
Cu b
M c
Si d
B e
…(2)
(式中、Mは周期律表の4a族元素、5a族元素、6a
元素、Mn、Ni、CoおよびAlから選ばれる少な
とも1種の元素を示し、a+b+c+d+e=100at%、0.01≦b
4at%、0.01≦c≦10at%、10≦d≦25at%、3≦e≦12at%
17≦d+e≦30at%である)
式(2)に示す組成において、Cuは耐食性を め、結晶粒の粗大化を防ぐと共に、鉄損や 磁率等の軟磁気特性を改善するのに有効な 素である。元素Mは結晶径の均一化に有効で ると共に、磁歪や磁気異方性の低減、温度 化に対する磁気特性の改善に有効な元素で る。微結晶を有するFe基磁性合金は、粒径 5~30nmの結晶粒が合金中に面積比で50%以上、 ましくは90%以上存在する微構造を有するこ が好ましい。
微結晶を有するFe基磁性合金薄帯は、例 ば以下のようにして作製される。まず、液 急冷法で式(2)の合金組成を有するアモルフ ス合金薄帯を作製した後、このアモルファ 合金薄帯に結晶化温度に対して-50℃~+120℃、 1分~5時間の熱処理を施して微結晶を析出させ る。あるいは、液体急冷法で合金薄帯を作製 する際の急冷温度を制御して微結晶を直接析 出させる。Fe基磁性合金薄帯の板厚はアモル ァス合金薄帯と同様に30μm以下であること 好ましく、さらに好ましくは8~20μmである。
上述したような磁性合金薄帯を巻回して 回体を作製する。あるいは、磁性合金薄帯 積層して積層体を作製する。巻回数や積層 は要求される磁気特性に応じて適宜設定さ る。必要に応じて、磁性合金薄帯の表面に 縁層を設けてもよい。巻回体はその中心部 中空部が形成されるように磁性合金薄帯を 回する。磁性合金薄帯を巻回することによ て、その中心に中空部を有する磁心、すな ちトロイダルコア3が得られる。
積層体はその中心に中空部が形成される うに磁性合金薄帯を積層する。例えば、磁 合金薄帯を所定の長さで切断して磁性合金 片を作製し、磁性合金薄片の中心部に穴を ける。このような磁性合金薄片を積層する とによって、中心に中空部を有する磁心が 成される。すなわち、トロイダルコア3を得 ることができる。
トロイダルコア3は有底型絶縁樹脂ケース 4に収納される。有底型絶縁樹脂ケース4は筒 外壁部6とその内側に同心的に配置された筒 状内壁部7とを備える。筒状外壁部6および筒 内壁部7の一端には、これらの間を塞ぐよう に底部8が設けられている。有底型の絶縁樹 ケース3の段階(図中、破線で示す)において 筒状外壁部6および筒状内壁部7の他端は開放 部とされている。筒状内壁部7の内側には中 部9が設けられている。トロイダルコア3は筒 状外壁部6と筒状内壁部7との間に収納される
有底型の絶縁樹脂ケース4の段階において 、筒状外壁部6や筒状内壁部7は延長部を有し いる。第1の実施形態(図1)における絶縁樹脂 ケース4は、筒状外壁部6の延長部6aを有して る。第2の実施形態(図2)における絶縁樹脂ケ ス4は、筒状外壁部6の延長部6aと筒状内壁部 7の延長部7aとを有している。延長部6a、7aと 絶縁樹脂ケース4に収納されるトロイダルコ 3の高さを超えて上側に延長された部分であ る。延長部6a、延長部7aは後述する折り曲げ 程を経てカバー部5を構成する。
有底型絶縁樹脂ケース4を構成する絶縁樹 脂としては、例えばPBT(ポリブチレンテレフ レート)、PET(ポリエチレンテレフタレート) LCP(液晶ポリマー)等が挙げられる。筒状外壁 部6や筒状内壁部7の延長部6a、7aを折り曲げて カバー部5を形成するにあたって、加熱した 属ヘッド等を延長部6a、7aに押し付けて折り げる方法を適用することが好ましく、これ よりインダクタンス素子1、2の量産性を向 させることができる。このため、絶縁樹脂 ース4は所定の温度で亀裂等を生じさせるこ なく折り曲げることが可能な特性を有する とが好ましい。
有底型絶縁樹脂ケース4は熱可塑性樹脂で 構成することが好ましい。PBT、PET、LCPはいず れも熱可塑性樹脂であり、絶縁樹脂ケース4 構成材料として好ましい材料である。絶縁 脂ケース4の材料にはケースとしての強度も 要とされる。熱による変形性(折り曲げ加工 性)やその際の粘り性、さらにケースとして 強度特性を考慮すると、絶縁樹脂ケース4はP BTで構成することが好ましい。特に、カーボ 含有のPBTは延展性に優れるため、絶縁樹脂 ース4の強度を高めることができる。
有底型絶縁樹脂ケース4の肉厚tは特に限 されるものではないが、加工性や強度を考 して0.1~0.5mmの範囲であることが好ましい。 厚が0.1mm未満の場合には絶縁樹脂ケース4の 度が低下し、さらに金型で成形する際に樹 のまわりが悪くなり、高温下で成形する必 が生じる。絶縁樹脂ケース4の肉厚が0.5mmを えると強度は増すものの、必要以上に体積 大きくなり、絶縁樹脂ケース4を小型化でき くなる。その場合、インダクタンス素子1、 2を半導体素子等のリードに挿入できないお れが生じる。絶縁樹脂ケース4の肉厚は、筒 外壁部6、筒状内壁部7、底部8の全ての肉厚 0.1~0.5mmの範囲内で、かつ均一であることが ましい。
第1の実施形態によるインダクタンス素子 1は、図1に示したように、筒状外壁部6の延長 部6aを筒状内壁部7に向けて折り曲げて形成し た折曲部10を有している。折曲部10はカバー 5を構成するものであり、実質的に絶縁樹脂 ース4の蓋の役割を果たしている。このため 、トロイダルコア3が絶縁樹脂ケース4から抜 落ちるといった不具合は生じない。接着剤 よる固定も不要であるために軽量化でき、 着剤のはみ出し不良も発生しない。製造工 を簡素化できるのでリードタイムの短縮も 能である。
第1の実施形態によるインダクタンス素子 1において、折曲部10は絶縁樹脂ケース4の開 部を覆うように形成される。折曲部10は筒状 内壁部7と重なるように形成することが好ま い。折曲部10の先端は筒状内壁部7上に位置 ることが好ましい。折曲部10の先端は筒状内 壁部7の内側に存在していてもよい。さらに 折曲部10は必ずしも筒状内壁部7と接触して なくてもよい。ただし、絶縁樹脂ケース4内 収納されたトロイダルコア3の保護性を考慮 すると、折曲部10の先端部分またはその近傍 部分が筒状内壁部7と接触するように、折曲 部10を形成することが好ましい。
第2の実施形態によるインダクタンス素子 2は、図2に示したように、筒状外壁部6の延長 部6aを筒状内壁部7に向けて折り曲げて形成し た第1の折曲部10と、筒状内壁部7の延長部7aを 筒状外壁部6に向けて折り曲げて形成した第2 折曲部11とを有している。第1および第2の折 曲部10、11は絶縁樹脂ケース4の開放部を覆う うに形成され、実質的に絶縁樹脂ケース4の 蓋(カバー部5)の役割を果たしている。カバー 部5は第1および第2の折曲部10、11を備えてい 。このため、トロイダルコア3が絶縁樹脂ケ ス4から抜け落ちるといった不具合は生じな い。
図2に示すインダクタンス素子2は、第1の 曲部10が第2の折曲部11の上側(第2の折曲部11 り外側)に位置するように、筒状外壁部6の 長部6aおよび筒状内壁部7の延長部7aを折り曲 げて形成したカバー部5を備えている。カバ 部5の構成はこれに限られるものではない。 3に示すように、カバー部5は第2の折曲部11 第1の折曲部10の上側(第1の折曲部10より外側) に位置するように、筒状外壁部6の延長部6aお よび筒状内壁部7の延長部7aを折り曲げて形成 してもよい。
第2の実施形態によるインダクタンス素子 2において、第1の折曲部10と第2の折曲部11と 交差していることが好ましい。インダクタ ス素子2は第1の折曲部10と第2の折曲部11とを 差させた交差部12を備えている。交差部12を 設けることで隙間が生じなくなるため、カバ ー部5の機能が向上する。従って、トロイダ コア3の抜け落ち等の不具合の発生をより確 に防止することができる。
交差部12は図2に示すように、第1の折曲部 10を第2の折曲部11の上側(外側)に存在させて 成することが好ましい。第1の折曲部10を外 に存在させることによって、カバー部5の破 を抑制することができ、また絶縁性を高め ことができる。第2の折曲部11を上側(外側) 存在させると、筒状内壁部7の延長部7aの径 広げながら折り曲げる際に発生する応力が 大して破損しやすくなる。
交差部12における第1の折曲部10と第2の折 部11との隙間Cは0.2mm以下とすることが好ま い。交差部12の隙間Cが0.2mmを超えると、交差 部12を設けた効果が十分に得られないおそれ ある。交差部12において、第1の折曲部10と 2の折曲部11とは直接接触していてもよい。 差部12の隙間Cの範囲は0mmを含むものである 交差部12の隙間Cは素子断面を観察し、第1の 曲部10と第2の折曲部11とが最も接近した箇 の間隙の大きさ(長さ)とする。
第1の折曲部10と第2の折曲部11とは交差部1 2で非接着状態であることが好ましい。交差 12を設けることによって、接着剤による接合 等が不要になる。交差部12の隙間Cは0.05~0.15mm 範囲であることがより好ましい。交差部12 少量の隙間Cを設けることによって、リード 入時のトロイダルコア3への応力を緩和する ことがきる。これによって、りード挿入時に おけるコア破損を抑制することが可能となる 。
熱処理を施したアモルファス合金薄帯や 結晶合金薄帯は脆化しているため、そのよ な合金薄帯で構成したトロイダルコア3は破 損しやすい。このような場合においても、交 差部12に少量の隙間Cを設けることでコア破損 が抑制される。さらに、インダクタンス素子 2の使用時にトロイダルコア3から発生する熱 放出しやすくなる。図1に示したインダクタ ンス素子1では、折曲部10と筒状内壁部7との 間を交差部の隙間とする。
交差部12の幅Wはインダクタンス素子2の半 径(1/2D)の1/2以下であることが好ましい。交差 部12の幅Wは0mmを超えるものである。交差部12 幅Wをインダクタンス素子2の半径の1/2を超 て大きくしても、カバー部5の機能をそれ以 高めることができず、返って軽量化を阻害 る要因となる。交差部12の幅Wは素子断面を 察し、第1の折曲部10と第2の折曲部11とが交 した部分の最大幅とする。
絶縁樹脂ケース4の直径はインダクタンス 素子2の直径Dと同じになる。絶縁樹脂ケース4 の直径Dは2~5mmの範囲とすることが好ましい。 絶縁樹脂ケース4の中空部9の直径はリードが 入できればよいが、実用的には1~3mmの範囲 することが好ましい。絶縁樹脂ケース4の高 はトロイダルコア3の高さに応じて設定され る。筒状外壁部6や筒状内壁部7の延長部6a、7a の長さはトロイダルコア3の直径や内径に応 て設定される。延長部6a、7aは交差部12が形 されると共に、折曲部10、11の幅が2~5mmの範 となるような長さを有することが好ましい
この実施形態のインダクタンス素子1、2 おいては、トロイダルコア3を収納した有底 絶縁樹脂ケース4の開放部を、筒状外壁部6 筒状内壁部7の延長部6a、7aを折り曲げて形成 したカバー部5で覆っている。従って、有底 絶縁樹脂ケー43とは別に蓋部を用意する必要 がない。このため、蓋部を形成するための金 型が不要となる。さらに、蓋部を取付ける工 程や開放部を接着剤等で封止する手間も不要 となる。従って、インダクタンス素子1、2の 造工程が簡素化でき、量産性を向上させる とが可能となる。さらに、インダクタンス 子1、2の製造コストや設備コストを低減す ことができる。
次に、上述した実施形態のインダクタン 素子1、2は、例えば以下のようにして作製 れる。この実施形態のインダクタンス素子 製造方法について、図4を参照して説明する 図4は図2に示したインダクタンス素子2の製 工程を示している。まず、筒状外壁部の延 部6aと筒状内壁部7の延長部7aとを有する有 型絶縁樹脂ケース4を用意する。なお、図1に 示したインダクタンス素子1は筒状外壁部の 長部6aのみを有する有底型絶縁樹脂ケース4 用いる以外は同様な工程で作製することが きる。
図4に示すように、絶縁樹脂ケース4内に ロイダルコア3を収納する。次に、加熱され 金属ヘッド13を筒状外壁部の延長部6aおよび 筒状内壁部7の延長部7aに押しつけることによ って、筒状外壁部の延長部6aを筒状内壁部7に 向けて折り曲げて第1の折曲部10を形成すると 共に、筒状内壁部7の延長部7aを筒状外壁部に 向けて折り曲げて第2の折曲部11を形成する。 このようにして、第1の折曲部10と第2の折曲 11とを備えるカバー部5で絶縁樹脂ケース4の 放部を覆う。
加熱した金属ヘッド13を使用することに って、筒状外壁部や筒状内壁部7の延長部6a 7aを良好に折り曲げることができる。金属ヘ ッド13は絶縁樹脂ケース4を構成する樹脂の融 点(Mp(℃))より20%低い温度(Mp-0.2Mp=0.8Mp(℃))以上 で融点(Mp(℃))以下の範囲の温度に加熱するこ とが好ましい。金属ヘッド13の加熱温度は樹 の融点(Mp(℃))より15%低い温度(0.85Mp(℃))以上 で融点(Mp(℃))より5%低い温度(0.95Mp(℃))以下と することがより好ましい。具体的な加熱温度 は絶縁樹脂ケース4の構成材料によっても異 るが、100~300℃の範囲、さらに160~240℃の範囲 とすることが好ましい。
金属ヘッド13の加熱温度が0.8Mp(℃)未満の 合には、筒状外壁部6や筒状内壁部7の延長 6a、7aを良好に折り曲げることができない。 属ヘッド13の加熱温度がMp(℃)を超えると絶 樹脂ケース4が変質して溶けるおそれがある 。この場合には折曲部10、11の形状を保つこ ができず、トロイダルコア3が露出して絶縁 装としての機能が損なわれる。さらに、金 ヘッド13の温度が高すぎるとトロイダルコ 3に悪影響を及ぼすおそれがある。例えば、 ロイダルコアの構成材料としてアモルファ 合金薄帯を用いた場合、熱で保磁力や角形 特性が劣化するおそれがある。
金属ヘッド13は筒状外壁部6の延長部6aを り曲げる第1のヘッド14と筒状内壁部7の延長 7aを折り曲げる第2のヘッド15とを備えてい 。金属ヘッド13を押しつける際に、第2のヘ ド15を押し付けた後に第1のヘッド14を押しつ けることによって、第1の折曲部10を第2の折 部11の上側(外側)に位置させることができる 逆に、第1のヘッド14を押し付けた後に第2の ヘッド15を押しつけることによって、第2の折 曲部11を第1の折曲部10の上側(外側)に位置さ ることができる。
図5Aおよび図5Bは第1および第2のヘッド14 15の動作を示している。図5Aに示すように、 ず第2のヘッド15を下降させて筒状内壁部7の 延長部7aを折り曲げる。第1のヘッド14を第2の ヘッド15と同時に下降させ、ヘッド形状に基 いて第2のヘッド15を先に延長部7aに押しつ るようにしてもよい。次いで、図5Bに示すよ うに、第1のヘッド14を下降させて筒状外壁部 6の延長部6aを折り曲げる。
この際、第2のヘッド15は第1のヘッド14に る筒状外壁部6の延長部6aの折り曲げ工程を 施するまで筒状内壁部7の延長部7aに押しつ ておくことが好ましい。筒状外壁部6の延長 部6aの折り曲げ工程を先に実施する場合も同 である。この場合には、第1のヘッド14は第2 のヘッド15による折り曲げ工程を実施するま 筒状外壁部6の延長部6aに押しつけておくこ が好ましい。
筒状外壁部6および筒状内壁部7の延長部6a 、7aを実施した後、第1および第2のヘッド14、 15を上昇させる。この際、筒状外壁部6および 筒状内壁部7の加工順番にかかわらず、第2の ッド15を先に上昇させることが好ましい。 2のヘッド15を後に上昇させると、第2のヘッ 15が延長部7aに付着して不良が生じるおそれ がある。第2のヘッド15を上昇させるまで第1 ヘッド14で絶縁樹脂ケース4を押さえておく とによって、インダクタス素子の製造歩留 を高めることができる。
図5Aおよび図5Bに示すように、筒状内壁部 7の延長部7aを折り曲げた後に筒状外壁部6の 長部6aを折り曲げることが好ましい。この場 合、第1の折曲部10が第2の折曲部11の上側(外 )に位置する。筒状内壁部7の延長部7aは径を げながら折り曲げられる。筒状外壁部6の延 長部6aは径を縮めながら折り曲げられる。第2 の折曲部11を後から折り曲げると、延長部7a より大きく広げながら折り曲げることにな ため、折り曲げ時に発生する応力が増大し 破損が生じやすくなる。
金属ヘッド13の第1および第2のヘッド14、1 5において、筒状外壁部6や筒状内壁部7の延長 部6a、7aと接触する部分はR面とされている。 のような金属ヘッド13を用いることによっ 、延長部6a、7aの加工性を高めることができ 。R面の曲率半径Rは0.2~0.5mmの範囲とするこ が好ましい。R面の曲率半径が小さすぎる(直 角に近すぎる)と、延長部6a、7aをスムーズに り曲げることができない。R面の曲率半径が 大きすぎると、延長部6a、7aを折り曲げるこ ができなくなる。金属ヘッド13のR面の曲率 径Rは、絶縁樹脂ケース4の肉厚tとの比(t/R)が 0.5~1.5の範囲となるように設定することが好 しい。
図6は図5Aおよび図5Bに示した製造工程を 用して作製したインダクタンス素子2を示し いる。筒状内壁部7の延長部7aは第2のヘッド 15の形状に基づいて、第2の折曲部11の先端が を向いた形状に折り曲げられている。筒状 壁部6の延長部6aを折り曲げて形成した第1の 折曲部10は、上を向いた第2の折曲部11の先端 接触している。この場合も第1の折曲部10と 2の折曲部11とは交差している。交差部12に 金属ヘッド13の形状や加工条件等に基づいて 種々の形状を適用することができる。
図7および図8はカバー部5の他の構成を示 ている。図7に示すインダクタンス素子2に いて、筒状内壁部7の延長部7aは第2の折曲部1 1の先端が内側に向くように折り曲げられて る。第1の折曲部10は内側に向けられた第2の 曲部11の外面と接触している。図8に示すイ ダクタンス素子2において、第1の折曲部10と 第2の折曲部11とは先端部側の内面同士を接触 させている。カバー部5には第1の折曲部10と 2の折曲部11とを接触させた種々の構成を採 することができる。
加熱した金属ヘッド13を用いることによ て、折曲部10、11の形成工程を機械化するこ ができる。金属ヘッド13の複数化や多段化 よって、インダクタンス素子1、2の量産性を さらに向上させることができる。延長部6a、7 aの長さや金属ヘッド13を押しつける時間を調 整することによって、交差部12の幅Wや隙間C 調整することができる。金属ヘッド13の移動 距離を調整することによって、トロイダルコ ア3に不要な応力をかけることなく、トロイ ルコア3を絶縁樹脂ケース4内に固定できる箇 所で延長部6a、7aを折り曲げることができる 前述したように、絶縁樹脂ケース4の肉厚を0 .5mm以下にすることで金属ヘッド13を押しつけ る時間を短縮することができる。
上述したインダクタンス素子1、2は、図9 示すように中空部9に導電性リード16を挿入 て使用される。導電性リード16は例えばダ オードやトランジスタ等の半導体素子のリ ドである。インダクタンス素子1、2は半導体 素子のリード16に直接挿入される。インダク ンス素子1、2は半導体素子のノイズ抑制素 として使用される。インダクタンス素子1、2 の中空部9には別途用意した導電性リード16を 挿入してもよい。インダクタンス素子1、2を 線基板等に実装する場合には、コ字型やU字 型の形状を有する導電性リード16を用いるこ が好ましい。
図9は中空部9の内径とリード16の幅とが実 質的に同一寸法の場合を示している。中空部 9とリード16との間には隙間が存在していても よい。このような隙間がなく、むしろリード 16の幅が大きい場合でも、絶縁樹脂ケース4の 弾性を利用してリード16を挿入することがで る。このような状態の方がインダクタンス 子1、2の搭載安定性が向上する。中空部9の 径とリード16の幅との差は0.15mm以内である とが好ましい。この範囲を超えると絶縁樹 ケース4やトロイダルコア3が破損するおそれ がある。
インダクタンス素子1、2はリード16に代え て巻線を施して使用してもよい。インダクタ ンス素子1、2に巻回した巻線を配線に接続す ことによって、インダクタンス素子1、2は イズ抑制素子等として使用される。インダ タンス素子1、2は優れたノイズ低減効果を発 揮する。このようなインダクタンス素子1、2 スイッチング電源等の電子機器にノイズ抑 素子として好適に用いられる。スイッチン 電源はPCやサーバ等の各種電子機器に使用 れている。ノイズを低減することで電子機 の性能が向上する。
図10は本発明の第1の実施形態によるスイ チング電源の構成を示す回路図である。図1 0に示す自励フライバック方式のスイッチン 電源21は、入力端子22、23間に直列に接続さ たトランス24の1次巻線25とスイッチング素子 としてのFET(MOSFET)26とを有している。トラン 24には、さらにFET26のゲート回路ドライブ用 巻線27が設けられている。すなわち、巻線27 はFET26を自励発振させるために巻かれたトラ ス24の正帰還巻線である。
FET26のゲート端子と正帰還巻線27との間に は、正帰還巻線27の信号をFET26に送るドライ 回路28が設けられている。ドライブ回路28は ンダクタ29、抵抗30およびコンデンサ31を直 に接続して構成されており、スナバ回路と て機能する。抵抗30はFET26に適切なドライブ 電流を与えるものであり、コンデンサ31はFET2 6のドライブ特性の向上を図るものである。 ンダクタ29は可飽和性を有し、FET26のゲート 号を遅らせる機能を有する。実施形態のイ ダクタンス素子1、2は可飽和性インダクタ29 に適用され、FET26のノイズ抑制素子として機 する。
トランス24の1次巻線25と入力端子23との間 には、トランス24の1次巻線25に発生するサー 電圧を吸収するスナバコンデンサ32が直列 接続されている。スナバコンデンサ32はFET26 並列に接続されている。さらに、スナバコ デンサ32と直列にスナバ抵抗33が接続されて いる。トランス24の2次巻線34には整流素子35 コンデンサ36が整流・平滑回路として接続さ れている。抵抗37は負荷である。
図11は本発明の第2の実施形態によるスイ チング電源の構成を示す回路図である。図1 1に示す他励フライバック方式のスイッチン 電源41は、FET26のドライブ回路として発信回 42を具備している。FET26と発信回路42との間 は、可飽和インダクタ29と抵抗30とが直列に 接続されている。可飽和インダクタ29は第1の 実施形態と同様にFET26のノイズ抑制素子とし 機能するものであり、実施形態のインダク ンス素子1、2が適用される。
図12は本発明の第3の実施形態によるスイ チング電源の構成を示す回路図である。図1 2に示すフォワードコンバータ方式のスイッ ング電源51は、FET26のドライブ回路として発 回路42を具備している。トランス24の2次側 配置された整流素子35A、35Bには、それぞれ 飽和インダクタ29A、29Bが接続されている。 飽和インダクタ29A、29Bは整流素子35A、35Bの イズ抑制素子として機能するものであり、 施形態のインダクタンス素子1、2が適用され る。
次に、本発明の具体的な実施例とその評 結果について述べる。
実施例1~6、比較例1~2
(Co 0.94
Fe 0.05
Cr 0.01
) 72
Si 15
B 13
の組成を有するCo基アモルファス磁性合金薄
(平均厚さ18μm)を巻回してトロイダルコアを
成形した。アモルファス磁性合金薄帯の表面
には予め絶縁被膜が設けられている。トロイ
ダルコアのサイズは外径3mm×内径2mm×高さ3mm
した。
有底型絶縁樹脂ケース(最外径4mm×最内径1 .5mm×最高さ6.2mm、肉厚0.3mm)にトロイダルコア 収納した。絶縁樹脂ケースはPBT樹脂(ウイン テックポリマー社製2016(商品名)、融点220℃) 作製した。PBT樹脂は少量のカーボンを含み 色は黒色である。次いで、図4に示したよう 装置を用いて筒状外壁部や筒状内壁部の延 部を折り曲げ加工してインダクタンス素子 作製した。折り曲げ加工は加熱したSUS製金 ヘッド(加熱温度200℃)を用いて実施した。
実施例1は筒状外壁部の延長部を折り曲げ 加工したインダクタンス素子(図1)である。実 施例2は筒状内壁部の延長部が筒状外壁部の 長部の上側(外側)にくるように折り曲げ加工 したインダクタンス素子(図3)である。実施例 3は筒状外壁部の延長部が筒状内壁部の延長 の上側(外側)にくるように折り曲げ加工した インダクタンス素子(図2)である。実施例2お び実施例3において、第1の折曲部(外壁部)と 2の折曲部(内壁部)は隙間0mm(接触した状態) し、交差部の幅は0.8mmとした。
実施例4は実施例1における折曲部と内壁 との隙間を0.4mmとしたインダクタンス素子で ある。実施例5は実施例1における折曲部と内 部との隙間を0.8mmとしたインダクタンス素 である。実施例6は図6に示す形状を有するイ ンダクタンス素子である。比較例1は実施例1 絶縁樹脂ケース(加熱加工せず)の開放部に ーナツ状の蓋(厚さ0.5mm)を入れた後、筒状外 部の延長部を折曲加工して蓋を固定したも である。比較例2は実施例1の絶縁樹脂ケー (加熱加工せず)の開放部を接着剤(サンユレ ク社製EX-664/H-390(2液硬化性))で封止加工した のである。
実施例1~6および比較例1~2によるインダク ンス素子について、それぞれの加工リード イムとインダクタンス値(5個の平均)、外観 留りを測定した。リードタイムはコアを絶 樹脂ケース内に収納した後から開口部を絶 体でふさいだ時点までの時間であり、比較 1のリードタイムを1とした相対値として示 。比較例2は接着剤が乾燥するまでの時間を める。外観歩留りは試料20個に振動試験(10~5 5Hz往復1分、1.55mmp-p、XYZ方向各2時間)を実施し た後、変形や金属(トロイダルコア)が露出し かった素子の比率(良品率)である。
表1から分かる通り、実施例1~6はリードタ イムが短く、インダクタンス性能が維持され 、その上で外観に優れている。実施例4およ 実施例5のように、隙間が0.2mmを超えると、 ロイダルコアによっては金属がたけのこ状 突出し、金属片が露出するため、基板へ実 する際に電気的な問題(短絡等)が生じるおそ れがある。実施例1のように、隙間があった しても0.2mm以下であれば問題はない。
実施例2、3は交差部を有するため、この では優位であるが、外壁部と内壁部を折り げる必要があるため、リードタイムが実施 1より長くなっている。ただし、金属ヘッド 形状変更(2ヘッド→1ヘッド)すれば、1回の 熱で済ますことも可能である。金属ヘッド 形状は図4に示したように延長部との接触箇 をR面とすることが好ましい。インダクタン ス素子にも同様なR形状が付与される。比較 2は接着剤の乾燥に時間を要するためにリー タイムが長く、また接着剤の硬化によりイ ダクタンスも低下した。
実施例7~12
実施例2または実施例3のインダクタンス素子
製造する際に、ケース形状(筒状外壁部と筒
状内壁部の延長部の長さ)、金属ヘッドの押
つけ時間等を制御することによって、第1の
曲部(外壁部)と第2の折曲部(内壁部)との交
部の幅W、第1の折曲部と第2の折曲部との隙
Cを表2のように調整した。このようにして作
製したインダクタンス素子について、実施例
1と同様の測定を行った。リードタイムは実
例2と同様に比較例1のリードタイムを基準(1)
とする相対値として示す。
表2に示したように、交差部の幅Wや交差 における隙間Cを調整することによって、イ ダクタンス素子の外観歩留りを向上させる とができる。
実施例13~16
実施例1および実施例3のインダクタンス素子
おいて、有底型絶縁樹脂ケースの肉厚を表3
に示した肉厚に変えたものを用意した。この
ような絶縁樹脂ケースを用いる以外は、実施
例1および実施例3と同様にしてインダクタン
素子を作製した。これらのインダクタンス
子について、実施例1と同様の測定を行った
。
表3から分かる通り、絶縁樹脂ケースの肉 厚があまり厚いとリードタイムが長くなる。 一方、あまり薄いと外観歩留りが低下する。 表3に示す外観歩留りはケース成形時におけ 歩留りも含む。特に、肉厚が0.08mmと薄い絶 樹脂ケースでは穴空きやクラックといった 観不良が多数発生した。このようなことか 、絶縁樹脂ケースの肉厚は0.1~0.5mmの範囲と ることが好ましい。
次に、各インダクタンス素子にリードを 入した。リードはTO-220サイズのダイオード リードであり、1.5×0.5mm角(対角線1.58mm)のも を使用した。このリードは対角線寸法が中 部径(ケースの最内径)1.5mmよりも0.08mm大きい ものであり、リードによって中空部を広げる ようにして圧入する状態に近いものである。 リード挿入後のケース外観とインダクタンス 値を測定した。
表4から分かる通り、絶縁樹脂ケースの肉 厚が1mmと厚い場合には、リードの挿入は可能 であるものの、ケースの弾力性に余裕がなく 、リードによりケースに傷等を生じさせるこ とによる外観不良が生じた。絶縁樹脂ケース の肉厚が薄すぎるものは大半がリード挿入時 に割れてしまった。このような点からも、絶 縁樹脂ケースの肉厚は0.1~0.5mmの範囲とするこ とが好ましい。
実施例17~25、参考例1
実施例2および実施例3と同様のトロイダルコ
を用意した。実施例2および実施例3のイン
クタンス素子において、有底型絶縁樹脂ケ
スの各寸法(肉厚、外壁部および内壁部の延
部の長さ)を表5に示したように変えたもの
用意した。延長部の長さはコアの高さを超
る部分の長さである。このような絶縁樹脂
ースを用いて、表6に示す条件にしたがって
ンダクタンス素子を作製した。
実施例17~25のインダクタンス素子を作製 る際に、それぞれ製造歩留りを調べた。試 数はそれぞれ100個とした。製造歩留りは、 差部の隙間からコアが見えるもの、曲げ加 が不十分で隙間もしくは交差部にコアの金 片が付着またははみ出しているもの、ケー が著しく変形して中空部内部や外壁部外側 はみ出しているもの、ケースに欠けや割れ 生じているものを不良として判定した。
インダクタンス素子の製造条件を調整す ことによって、製造歩留りを高めることが きる。絶縁樹脂ケースの肉厚が1mmと厚い場 (実施例25)には歩留りが低下し、金属ヘッド の温度が低い場合(参考例1)にはケースを構成 する樹脂が曲がらなかった。実施例20のよう 、内壁部の延長部長さが外壁部の延長部長 より長い場合に、外壁部側を先に折り曲げ と余分な延長部が内径側に突出するために 干歩留りが低下した。このことは実施例22 も同様の傾向が見られた。
外壁部および内壁部の延長部の長さに関 ては、先に折り曲げる延長部の長さを後か 折り曲げる延長部の長さより短くすること 好ましい。さらに、インダクタンス素子の 造歩留りとは別に、内壁部の延長部長さが 壁部の延長部長さより長い場合にはトロイ ルコアの挿入不良が起きやすい。この点か も延長部の長さは先に折り曲げる延長部を から折り曲げる延長部より短くすることが ましい。
実施例26~29
実施例18と同様な製造条件を適用してインダ
タンス素子を作製するにあたって、金属ヘ
ドのR面の形状を表7に示したように変えた
合の製造歩留りを調べた。絶縁樹脂ケース
表5に示すケース1であり、その肉厚は0.3mmで
る。
絶縁樹脂ケースの肉厚が0.3mmである場合 R面の曲率半径がケースの肉厚と同じ0.3mmの きに最も製造歩留りが良かった。ケースの 厚に対してR面が小さすぎる実施例26や大き ぎる実施例29では製造歩留りが低下する。こ の結果からも分かるように、ケースの肉厚t R面との比(t/R)は0.5~1.5の範囲が好ましい。
本発明のインダクタンス素子は、磁気特 を低下させることなく、製造コストの低減 量産性の向上を図ることができる。このよ なインダクタンス素子はスイッチング電源 のノイズ抑制素子(可飽和インダクタ)とし 好適に用いられるものである。
