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Title:
INORGANIC-POLYMER COMPOSITE MATERIAL, ADHESIVE LAYER AND ADHESIVE FILM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/098884
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an inorganic-polymer composite material, wherein hydrophilic inorganic compounds having a maximum length of 1-1,000 nm are unevenly distributed over the surfaces of polymer particles having an average particle diameter of 0.05-100 μm.

Inventors:
NAITO TOMOYA (JP)
OKADA MIKA (JP)
KUBO ASAMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/000450
Publication Date:
August 13, 2009
Filing Date:
February 05, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NITTO DENKO CORP (JP)
NAITO TOMOYA (JP)
OKADA MIKA (JP)
KUBO ASAMI (JP)
International Classes:
C08F2/44; C08J3/12; C08J5/18; C08K3/22; C08L101/12; C09J7/20; C09J201/02
Foreign References:
JP2005220314A2005-08-18
JP2005047972A2005-02-24
JP2003512485A2003-04-02
JP2001106791A2001-04-17
Attorney, Agent or Firm:
OKAMOTO, Hiroyuki (Sun Mullion NBF Tower 21st Floor, 6-12, Minamihommachi 2-chome, Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 54, JP)
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Claims:
 平均粒子径が0.05~100μmのポリマー粒子の表面に、最大長さが1~1000nmの親水性無機化合物が偏在していることを特徴とする、無機-ポリマー複合材。
 前記親水性無機化合物の含有割合が、前記ポリマー粒子100重量部に対して、4~200重量部であることを特徴とする、請求項1に記載の無機-ポリマー複合材。
 最大長さが1~200nmである疎水性無機化合物を内包していることを特徴とする、請求項1に記載の無機-ポリマー複合材。
 前記疎水性無機化合物の含有割合が、前記ポリマー粒子100重量部に対して、0.1~15重量部であることを特徴とする、請求項3に記載の無機-ポリマー複合材。
 前記疎水性無機化合物が、バルク状、針状または板状の、疎水性無機化合物であることを特徴とする、請求項3に記載の無機-ポリマー複合材。
 前記ポリマー粒子が、水分散型ポリマー粒子であることを特徴とする、請求項1に記載の無機-ポリマー複合材。
 前記親水性無機化合物が、親水性の層状粘土鉱物、および/または、バルク状、針状または板状の、親水性無機化合物であることを特徴とする、請求項1に記載の無機-ポリマー複合材。
 無機-ポリマー複合材を含有し、
 前記無機-ポリマー複合材は、平均粒子径が0.05~100μmのポリマー粒子の表面に、最大長さが1~1000nmの親水性無機化合物が偏在していることを特徴とする、粘着剤層。
 支持体の少なくとも片面に粘着剤層を備え、
 前記粘着剤層は、無機-ポリマー複合材を含有し、
 前記無機-ポリマー複合材は、平均粒子径が0.05~100μmのポリマー粒子の表面に、最大長さが1~1000nmの親水性無機化合物が偏在していることを特徴とする、粘着フィルム。
Description:
無機-ポリマー複合材、粘着剤層 および粘着フィルム

 本発明は、無機-ポリマー複合材、および 、それが用いられる粘着剤層および粘着フィ ルムに関する。

 近年、水分散型樹脂に粘土鉱物を添加する とにより、種々の特性の向上を図ることが られている。
 例えば、モンモリロナイト粘土を水に配合 てこれをスラリー化し、次いで、これに、 潤剤(疎水化処理剤)としてドデシルトリメ ルアンモニウムブロマイドを溶解させて、 土スラリーを調製し、その後、粘土スラリ に、イソプレンおよびスチレンを含むモノ ー溶液を加えて、攪拌(乳化)し、これを加熱 (重合)することにより、ポリマーラテックス 得ることが提案されている(例えば、下記特 許文献1参照。)。

特表2001-518122号公報

 しかし、上記特許文献1で提案されるポリマ ーラテックスでは、モンモリロナイト粘土は 、粘土スラリーにおいて、ドデシルトリメチ ルアンモニウムブロマイドが配合されること よって疎水化され、互いに凝集している。そ のため、かかる粘土スラリーにモノマー溶液 を加えると、モノマー溶液が、凝集したモン モリロナイト粘土の間に浸入する。
 そして、かかる粘土スラリー中のモノマー 液を重合すれば、得られるポリマーの表面 モンモリロナイト粘土が担持されるよりも むしろ、モンモリロナイト粘土がポリマー 部に入り込み、却って機械物性が低下する いう不具合がある。

 本発明の目的は、ポリマー粒子の機械物 を維持しつつ、種々の特性の向上を図るこ のできる無機-ポリマー複合材、ならびに、 それが用いられる粘着剤層および粘着フィル ムを提供することにある。

 上記の目的を達成するために、本発明の無 -ポリマー複合材は、平均粒子径が0.05~100μm ポリマー粒子の表面に、最大長さが1~1000nm 親水性無機化合物が偏在していることを特 としている。
 また、本発明の無機-ポリマー複合材では、 前記親水性無機化合物の含有割合が、前記ポ リマー粒子100重量部に対して、4~200重量部で ることが好適である。

 また、本発明の無機-ポリマー複合材では、 最大長さが1~200nmである疎水性無機化合物を 包していることが好適である。
 また、本発明の無機-ポリマー複合材では、 前記疎水性無機化合物の含有割合が、前記ポ リマー粒子100重量部に対して、0.1~15重量部で あることが好適である。
 また、本発明の前記疎水性無機化合物が、 ルク状、針状または板状の、疎水性無機化 物であることが好適である。

 また、本発明の無機-ポリマー複合材では、 前記ポリマー粒子が、水分散型ポリマー粒子 であることが好適である。
 また、本発明の無機-ポリマー複合材では、 前記親水性無機化合物が、親水性の層状粘土 鉱物、および/または、バルク状、針状また 板状の、親水性無機化合物であることが好 である。

 また、本発明の粘着剤層は、無機-ポリマー 複合材を含有し、前記無機-ポリマー複合材 、平均粒子径が0.05~100μmのポリマー粒子の表 面に、最大長さが1~1000nmの親水性無機化合物 偏在していることを特徴としている。
 さらに、本発明の粘着フィルムは、支持体 少なくとも片面に粘着剤層を備え、前記粘 剤層は、無機-ポリマー複合材を含有し、前 記無機-ポリマー複合材は、平均粒子径が0.05~ 100μmのポリマー粒子の表面に、最大長さが1~1 000nmの親水性無機化合物が偏在していること 特徴としている。

 本発明の無機-ポリマー複合材では、ポリマ ー粒子の表面に親水性無機化合物が偏在して いる。そのため、ポリマー粒子の機械物性を 維持しつつ、放熱性材料、導電性材料、さら には、接着性に優れる。
 そのため、本発明の無機-ポリマー複合材が 用いられる粘着剤層および粘着フィルムは、 優れた接着性を発現することができる。

図1は、本発明の無機-ポリマー複合材 用いられる粘着フィルムの一例の断面図を す。 図2は、実施例1の無機-ポリマー複合材 TEM写真の画像処理図を示す。 図3は、実施例2の無機-ポリマー複合材 TEM写真の画像処理図を示す。 図4は、実施例4の無機-ポリマー複合材 TEM写真の画像処理図を示す。 図5は、実施例8の無機-ポリマー複合材 TEM写真の画像処理図を示す。 図6は、実施例9の無機-ポリマー複合材 TEM写真の画像処理図を示す。 図7は、実施例10の無機-ポリマー複合材 のTEM写真の画像処理図を示す。 図8は、実施例13の無機-ポリマー複合材 のSEM写真の画像処理図を示す。 図9は、実施例14の無機-ポリマー複合材 のSEM写真の画像処理図を示す。 図10は、実施例15の無機-ポリマー複合 のSEM写真の画像処理図を示す。 図11は、実施例16の無機-ポリマー複合 のSEM写真の画像処理図を示す。 図12は、実施例17の無機-ポリマー複合 のSEM写真の画像処理図を示す。 図13は、実施例18の無機-ポリマー複合 のSEM写真の画像処理図を示す。 図14は、実施例19の無機-ポリマー複合 のTEM写真の画像処理図を示す。 図15は、実施例20の無機-ポリマー複合 のSEM写真の画像処理図を示す。 図16は、実施例20の無機-ポリマー複合 のTEM写真の画像処理図を示す。 図17は、実施例21の無機-ポリマー複合 のSEM写真の画像処理図を示す。 図18は、実施例22の無機-ポリマー複合 のSEM写真の画像処理図を示す。 図19は、実施例23の無機-ポリマー複合 のSEM写真の画像処理図を示す。 図20は、実施例24の無機-ポリマー複合 のSEM写真の画像処理図を示す。 図21は、実施例25の無機-ポリマー複合 のSEM写真の画像処理図を示す。 図22は、実施例26の無機-ポリマー複合 のSEM写真の画像処理図を示す。 図23は、実施例27の無機-ポリマー複合 のSEM写真の画像処理図を示す。 図24は、実施例28の無機-ポリマー複合 のSEM写真の画像処理図を示す。 図25は、実施例29の無機-ポリマー複合 のSEM写真の画像処理図を示す。 図26は、実施例30の無機-ポリマー複合 のSEM写真の画像処理図を示す。 図27は、実施例31の無機-ポリマー複合 のTEM写真の画像処理図を示す。 図28は、実施例32の無機-ポリマー複合 のTEM写真の画像処理図を示す。 図29は、比較例3の無機-ポリマー複合 のTEM写真の画像処理図を示す。 図30は、比較例4の無機-ポリマー複合 のTEM写真の画像処理図を示す。 図31は、比較例5の無機-ポリマー複合 のTEM写真の画像処理図を示す。 図32は、比較例6の無機-ポリマー複合 のTEM写真の画像処理図を示す。 図33は、比較例7の無機-ポリマー複合 のTEM写真の画像処理図を示す。 図34は、比較例8のポリマーのTEM写真の 画像処理図を示す。 図35は、比較例9の無機-ポリマー複合 のTEM写真の画像処理図を示す。 図36は、比較例10の無機-ポリマー複合 のTEM写真の画像処理図を示す。 図37は、比較例11の無機-ポリマー複合 のTEM写真の画像処理図を示す。

発明の実施形態

 本発明の無機-ポリマー複合材は、ポリマー 粒子の表面に親水性無機化合物が偏在してい る。つまり、ポリマー粒子の表面に、親水性 無機化合物が、分散状態で担持されている。 このような、本発明の無機-ポリマー複合材 、次に述べる製造方法によって、ポリマー テックスとして、得ることができる。
 すなわち、本発明の無機-ポリマー複合材は 、親水性無機化合物を水に分散させて、親水 性無機化合物の水分散液を調製する工程(水 散液調製工程)と、水分散液とエチレン性不 和モノマーとを配合して、エチレン性不飽 モノマーを乳化させてモノマーエマルショ を調製する工程(モノマーエマルション調製 工程)と、水、水分散液、エチレン性不飽和 ノマーおよびモノマーエマルションの少な ともいずれかに界面活性剤を配合する工程( 面活性剤配合工程)と、モノマーエマルショ ン中のエチレン性不飽和モノマーを重合させ る工程(重合工程)とを備える製造方法により ポリマーラテックスとして、得ることがで る。

 親水性無機化合物としては、例えば、親水 の層状粘土鉱物、および/または、特定形状 (層状を除く)の親水性無機化合物が挙げられ 。
 親水性の層状粘土鉱物としては、例えば、2 次元に広がる層が複数積層されたフィロ珪酸 塩鉱物が挙げられ、例えば、スメクタイトが 挙げられる。
 スメクタイトは、モンモリロン石群鉱物で って、例えば、モンモリロン石(モンモリロ ンナイト)、マグネシアンモンモリロン石、 ツモンモリロン石、テツマグネシアンモン リロン石、バイデライト、アルミニアンバ デライト、ノントロン石、アルミニアンノ トロナイト、サポー石(サポナイト)、アルミ ニアンサポー石、ヘクトライト、ソーコナイ ト、スチーブンサイト、ベントナイトなどが 挙げられる。

 また、親水性の層状粘土鉱物としては、例 ば、バーミキュル石(バーミキュライト)、 ロイサイト、膨潤性マイカ、黒鉛なども挙 られる。
 これら親水性の層状粘土鉱物は、単独使用 たは2種以上併用することができる。
 このような親水性の層状粘土鉱物は、一般 市販品を用いることができ、例えば、より 体的には、天然品として、例えば、クニピ シリーズ(モンモリロナイト、クニミネ工業 社製)、ベンゲルシリーズ(ベントナイト、ホ ジュン社製)、ソマシフMEシリーズ(膨潤性マ イカ、コープケミカル社製)などが挙げられ 合成品として、例えば、スメクトン(サポナ ト、クニミネ工業社製)、ルーセンタイトSWN シリーズ(ヘクトライト、コープケミカル社 )、ラポナイト(ヘクトライト、ロックウッド ホールディングス社製)が挙げられる。好ま くは、一般に、合成品は天然品よりも最大 さが小さいため、小さい油滴を得ることが きる観点から、合成品が挙げられる。

 親水性の層状粘土鉱物のサイズは、各層の みが、例えば、0.5~2nm、具体的には、約1nmで あり、各層の長さ(最大長さ)が、例えば、1~10 00nm、好ましくは、20~800nm、さらに好ましくは 、30~700nmである。上記範囲より大きければ目 とする粒子径の油滴が得られない場合があ 。
 特定形状の親水性無機化合物は、親水性で り、かつ、バルク形状、針形状、または、 形状(層状を除く)をなしている。

 バルク形状の親水性無機化合物には、例 ば、球形状、直方体形状、または、それら 異形形状の親水性無機化合物などが含まれ 。バルク形状の親水性無機化合物としては 例えば、親水性の、シリカ、炭酸カルシウ 、酸化チタン、酸化スズ(アンチモンドープ 酸化スズを含む。)、アルミナ、水酸化マグ シウム、チタン酸バリウム、酸化亜鉛、窒 ケイ素、炭化ケイ素、炭素(ダイヤモンド)、 金属微粒子などが挙げられる。

 針形状の親水性無機化合物としては、例え 、チタン酸カリウム、ウォラストナイト、 ピオライト、針状酸化スズ、針状水酸化マ ネシウム、アルミナなどが挙げられる。
 板形状の親水性無機化合物は、親水性の層 粘土鉱物などの層形状の無機化合物(親水性 無機化合物)を除く、板形状の親水性無機化 物であって、例えば、窒化ホウ素、板状炭 カルシウム、板状水酸化アルミニウムなど 挙げられる。

 これら親水性無機化合物は、単独使用また 2種以上併用することができる。好ましくは 、アンチモンドープ酸化スズ、酸化チタン、 酸化スズ、アルミナ、酸化亜鉛、窒化ホウ素 、窒化ケイ素、炭化ケイ素、炭素(ダイヤモ ド)が挙げられる。
 このような特定形状の親水性無機化合物は 一般の市販品を用いることができ、例えば より具体的には、アンチモンドープ酸化ス としては、例えば、石原産業社製のSN-100S、 SN-100P、SN-100D(水分散品)、酸化チタンとして 、例えば、石原産業社製のTTOシリーズ、酸 亜鉛としては、例えば、住友大阪セメント 製のSnO-310、SnO-350、SnO-410、アルミナとして 、例えば、ビックケミー・ジャパン社製のNA NOBYKシリーズや、日産化学工業社製のアルミ ゾルシリーズ、炭化ケイ素としては、例え 、住友大阪セメント社製のSiCシリーズ、ダ ヤモンドとしては、例えば、ダイヤモンド ウダーシリーズなどが挙げられる。

 特定形状の親水性無機化合物のサイズは、 ルク形状(球状)の親水性無機化合物の場合 は、1次平均粒子径として、例えば、1~400nm、 好ましくは、1~200nm、さらに好ましくは、5~100 nmである。上記範囲より大きければ目的とす 粒子径の油滴が得られない場合がある。
 また、針形状の親水性無機化合物または板 状の親水性無機化合物の場合には、最大長 として、例えば、1~400nm、好ましくは、1~200n m、さらに好ましくは、5~200nmである。上記範 より大きければ目的とする粒子径の油滴が られない場合がある。さらに、これらのア ペクト比(針状の場合には、長軸長さ/短軸 さ、または、長軸長さ/厚みで表現される。 た、板状の場合には、対角長さ/厚み、また は、長辺長さ/厚みで表現される。)が、例え 、5~200、好ましくは、10~100である。

 また、特定形状の親水性無機化合物は、モ マーエマルション調製工程では、水とエチ ン性不飽和モノマーの油滴との間の界面に 在し、重合工程後においては、ポリマー粒 の表面に偏在するように担持される必要が る。
 そのため、親水性無機化合物が疎水性であ と、モノマーエマルション調製工程におい 、油相中に安定して存在してしまい、水と 滴との間の界面に存在できず、その結果、 化できなくなる。その一方、親水性無機化 物の親水性が過度に高いと、水中に安定し 存在してしまい、やはり、水とエチレン性 飽和モノマーの油滴との間の界面に存在で ず、その結果、乳化できない場合を生じる

 よって、親水性無機化合物の親水性が過度 高く、乳化ができない場合には、必要によ 、親水性無機化合物の表面を、表面処理剤 よって、部分的に表面処理する。
 表面処理剤としては、一般的な表面改質剤 例えば、カップリング剤や脂肪酸などが挙 られる。カップリング剤としては、シラン カップリング剤、チタン系カップリング剤 アルミニウム系カップリング剤などが挙げ れる。

 シラン系シランカップリング剤としては 例えば、3-メタクリルオキシプロピル-トリ トキシシラン、3-アクリルオキシプロピル- リメトキシシラン、3-メタクリルオキシプ ピル-トリエトキシシラン、3-アクリルオキ プロピル-トリエトキシシラン、3-メタクリ オキシプロピルメチル-ジメトキシシラン、3 -アクリルオキシプロピルメチル-ジメトキシ ラン、3-メタクリルオキシプロピルメチル- エトキシシラン、3-アクリルオキシプロピ メチル-ジエトキシシラン、ビニルトリメト シシラン、ビニルトリエトキシシラン、4- ニルブチルトリメトキシシラン、4-ビニルブ チルトリエトキシシラン、8-ビニルオクチル リメトキシシラン、8-ビニルオクチルトリ トキシシラン、10-メタクリルオキシデシル リメトキシシラン、10-アクリルオキシデシ トリメトキシシラン、10-メタクリルオキシ シルトリエトキシシラン、10-アクリルオキ デシルトリエトキシシラン、メチルトリメ キシシラン、ブチルトリメトキシシラン、 キシルトリメトキシシラン、デシルトリメ キシシラン、ヘキサデシルトリメトキシシ ン、オクタデシルジメチルメトキシシラン テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ ン、ジメトキシジメチルシラン、メトキシ リメチルシラン、ジエトキシジメチルシラ 、メチルトリメトキシシラン、メチルトリ トキシシラン、フェニルトリメトキシシラ 、フェニルトリエトキシシラン、ジメトキ ジフェニルシラン、ジフェニルエトキシメ ルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラ 、ヘキサメチレンジシラザンなどが挙げら る。

 チタン系カップリング剤としては、例え 、イソプロピルトリイソステアロイルチタ ート、イソプロピルトリドデシルベンゼン ルホニルチタネート、イソプロピルトリス( ジオクチルパイロホスフェート)チタネート テトライソプロピルビス(ジオクチルホスフ イト)チタネート、テトラオクチルビス(ジ リデシルホスファイト)チタネート、テトラ( 2、2-ジアリルオキシメチル-1-ブチル)ビス(ジ リデシル)ホスファイトチタネート、ビス( オクチルパイロホスフェート)オキシアセテ トチタネート、ビス(ジオクチルパイロホス フェート)エチレンチタネート、イソプロピ トリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、 イソプロピルトリクミルフェニルチタネート 、イソプロピルトリ(N-アミドエチル・アミノ エチル)チタネートなどが挙げられる。

 アルミニウム系カップリング剤としては、 えば、アセトアルコキシアルミニウムジイ プロピレートなどが挙げられる。
 また、脂肪酸としては、例えば、ステアリ 酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸 エレオステアリン酸などが挙げられる。
 このような表面処理剤による表面処理とし は、例えば、特定形状の親水性無機化合物 、ミキサー中で撹拌しながら、表面処理剤 アルコール水溶液、有機溶媒溶液(アルコー ルを除く有機溶媒。例えば、アセトンなど。 )または水溶液を添加する乾式法、例えば、 定形状の親水性無機化合物をアルコール水 液または水溶液中に分散させた後、表面処 剤を添加する湿式法、例えば、特定形状の 水性無機化合物に表面処理剤を噴霧するス レー法などが挙げられる。

 なお、親水性が過度に高い特定形状の親水 無機化合物は、予め表面処理された市販品 用いることもできる。
 エチレン性不飽和モノマーは、例えば、(メ タ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられ 。
 (メタ)アクリル酸アルキルエステルは、例 ば、炭素数が1~18のアルキル基を有する(メタ )アクリル酸アルキルエステル(メタクリル酸 ルキルエステルおよび/またはアクリル酸ア ルキルエステル)であって、例えば、(メタ)ア クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、( メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸 イソプロピルブチル、(メタ)アクリル酸ブチ 、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アク リル酸sec-ブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル (メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル 酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸イソアミ 、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリ ル酸へプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、( メタ)アクリル酸2-エチルへキシル、(メタ)ア リル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノ ル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)ア リル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシ 、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アク ル酸ドデシル((メタ)アクリル酸ラウリル)、 (メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリ 酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデ シル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ )アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸 2-メチルヘプタデシル((メタ)アクリル酸イソ テアリル)、(メタ)アクリル酸オクタデシル (メタ)アクリル酸2-エチルへキサデシルなど の(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数1~18の直 または分岐アルキル)エステルが挙げられる

 これら(メタ)アクリル酸アルキルエステル うち、好ましくは、アクリル酸ブチル、メ クリル酸メチル、メタクリル酸ラウリル、 クリル酸2-エチルへキシル、アクリル酸イソ ステアリル、(メタ)アクリル酸2-エチルへキ デシルが挙げられる。これら(メタ)アクリル 酸アルキルエステルは、単独使用または2種 上併用することができる。
 また、エチレン性不飽和モノマーとしては (メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重 可能な共重合性ポリマーを挙げることがで る。

 共重合性ビニルモノマーとしては、例え 、スチレン、ビニルトルエンなどの芳香族 ニルモノマー、例えば、シクロペンチルジ( メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸シクロ ヘキシル、(メタ)アクリル酸ボルニル、(メタ )アクリル酸イソボルニルなどの(メタ)アクリ ル酸脂環式炭化水素エステル、例えば、(メ )アクリル酸フェニルなどの(メタ)アクリル アリールエステル、例えば、(メタ)アクリル 酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキ エチルなどのアルコキシ基含有不飽和モノ ー、例えば、エチレン、プロピレン、イソ レン、ブタジエン、イソブチレンなどのオ フィン系モノマー、例えば、ビニルエーテ などのビニルエーテル系モノマー、例えば 塩化ビニルなどのハロゲン原子含有不飽和 ノマー、その他、例えば、N-ビニルピロリ ン、N-(1-メチルビニル)ピロリドン、N-ビニル ピリジン、N-ビニルピペリドン、N-ビニルピ ミジン、N-ビニルピペラジン、N-ビニルピラ ン、N-ビニルピロール、N-ビニルイミダゾー ル、N-ビニルオキサゾール、N-ビニルモルホ ン、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリ ルなどのビニル基含有複素環化合物、例えば 、フッ素(メタ)アクリレートなどの、フッ素 子などのハロゲン原子を含有するアクリル エステル系モノマーなどが挙げられる。

 また、共重合性ビニルモノマーとしては 官能基含有ビニルモノマーが挙げられ、例 ば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸 マレイン酸、クロトン酸、カルボキシエチ (メタ)アクリレートなどのカルボキシル基 有モノマー、例えば、酢酸ビニル、プロピ ン酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステ 、例えば、アクリル酸2-ヒドロキシエチル、 アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、アクリル 2-ヒドロキシブチルなどの水酸基含有ビニ モノマー、例えば、(メタ)アクリルアミド、 N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエ ル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メ タ)アクリルアミド、N-ブチル(メタ)アクリル ミド、N-メトキシメチル(メタ)アクリルアミ ド、N-メチロール(メタ)アクリルアミド、N-メ チロールプロパン(メタ)アクリルアミド、N- ニルカルボン酸アミドなどのアミド基含有 飽和モノマー、例えば、(メタ)アクリル酸ア ミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N-ジメチルア ミノエチル、(メタ)アクリルt-ブチルアミノ チルなどのアミノ基含有不飽和モノマー、 えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ) クリル酸メチルグリシジルなどのグリシジ 基含有不飽和モノマー、例えば、アクリロ トリル、メタクリロニトリルなどのシアノ 含有不飽和モノマー、例えば、2-メタクリ イルオキシエチルイソシアネートなどのイ シアネート基含有不飽和モノマー、例えば スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2- (メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスル ン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスル ン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、 (メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホ 酸などのスルホン酸基含有不飽和モノマー 例えば、N-シクロヘキシルマレイミド、N-イ ソプロピルマレイミド、N-ラウリルマレイミ 、N-フェニルマレイミドなどのマレイミド モノマー、例えば、N-メチルイタコンイミド 、N-エチルイタコンイミド、N-ブチルイタコ イミド、N-オクチルイタコンイミド、N-2-エ ルヘキシルイタコンイミド、N-シクロヘキシ ルイタコンイミド、N-ラウリルイタコンイミ などのイタコンイミド系モノマー、例えば N-(メタ)アクリロイルオキシメチレンスクシ ンイミド、N-(メタ)アクリロイル-6-オキシヘ サメチレンスクシンイミド、N-(メタ)アクリ イル-8-オキシオクタメチレンスクシンイミ などのスクシンイミド系モノマー、例えば (メタ)アクリル酸ポリエチレングリコール (メタ)アクリル酸ポリプロピレングリコール 、(メタ)アクリル酸メトキシエチレングリコ ル、(メタ)アクリル酸メトキシポリプロピ ングリコールなどのグリコール系アクリル ステルモノマーなどが挙げられる。

 さらに、上記した官能基含有ビニルモノマ としては、多官能性モノマーが挙げられる
 多官能性モノマーとしては、例えば、エチ ングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ レングリコールジ(メタ)アクリレート、トリ エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、 リメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ ト、テトラエチレングリコールジ(メタ)アク リレートなどの(モノまたはポリ)エチレング コールジ(メタ)アクリレートや、プロピレ グリコールジ(メタ)アクリレートなどの(モ またはポリ)プロピレングリコールジ(メタ) クリレートなどの(モノまたはポリ)アルキレ ングリコールジ(メタ)アクリレートの他、ネ ペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート 1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート 、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ ート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)ア リレート、ジペンタエリスリトールヘキサ( タ)アクリレートなどの多価アルコールの( タ)アクリル酸エステルモノマー、例えば、 ビニルベンゼンなどが挙げられる。また、 官能性モノマーとして、エポキシアクリレ ト、ポリエステルアクリレート、ウレタン クリレートなども挙げられる。

 さらにまた、共重合性ビニルモノマーとし は、アルコキシシリル基含有ビニルモノマ が挙げられる。アルコキシシリル基含有ビ ルモノマーとしては、例えば、シリコーン (メタ)アクリレートモノマーや、シリコー 系ビニルモノマーなどが挙げられる。
 シリコーン系(メタ)アクリレートモノマー しては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシ メチル-トリメトキシシラン、(メタ)アクリロ イルオキシメチル-トリエトキシシラン、2-( タ)アクリロイルオキシエチル-トリメトキシ シラン、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル- リエトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオ キシプロピル-トリメトキシシラン、3-(メタ) クリロイルオキシプロピル-トリエトキシシ ラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル- リプロポキシシラン、3-(メタ)アクリロイル オキシプロピル-トリイソプロポキシシラン 3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル-トリブ トキシシランなどの(メタ)アクリロイルオキ アルキル-トリアルコキシシラン、例えば、 (メタ)アクリロイルオキシメチル-メチルジメ トキシシラン、(メタ)アクリロイルオキシメ ル-メチルジエトキシシラン、2-(メタ)アク ロイルオキシエチル-メチルジメトキシシラ 、2-(メタ)アクリロイルオキシエチル-メチ ジエトキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオ シプロピル-メチルジメトキシシラン、3-(メ タ)アクリロイルオキシプロピル-メチルジエ キシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプ ロピル-メチルジプロポキシシラン、3-(メタ) クリロイルオキシプロピル-メチルジイソプ ロポキシシラン、3-(メタ)アクリロイルオキ プロピル-メチルジブトキシシラン、3-(メタ) アクリロイルオキシプロピル-エチルジメト シシラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロ ル-エチルジエトキシシラン、3-(メタ)アク ロイルオキシプロピル-エチルジプロポキシ ラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル -エチルジイソプロポキシシラン、3-(メタ)ア リロイルオキシプロピル-エチルジブトキシ シラン、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピ -プロピルジメトキシシラン、3-(メタ)アクリ ロイルオキシプロピル-プロピルジエトキシ ランなどの(メタ)アクリロイルオキシアルキ ル-アルキルジアルコキシシランや、これら 対応する(メタ)アクリロイルオキシアルキル -ジアルキル(モノ)アルコキシシランなどが挙 げられる。

 また、シリコーン系ビニルモノマーとし は、例えば、ビニルトリメトキシシラン、 ニルトリエトキシシラン、ビニルトリプロ キシシラン、ビニルトリイソプロポキシシ ン、ビニルトリブトキシシランなどのビニ トリアルコキシシランの他、これらに対応 るビニルアルキルジアルコキシシランや、 ニルジアルキルアルコキシシラン、例えば ビニルメチルトリメトキシシラン、ビニル チルトリエトキシシラン、β-ビニルエチル リメトキシシラン、β-ビニルエチルトリエ キシシラン、γ-ビニルプロピルトリメトキ シラン、γ-ビニルプロピルトリエトキシシ ン、γ-ビニルプロピルトリプロポキシシラ 、γ-ビニルプロピルトリイソプロポキシシ ン、γ-ビニルプロピルトリブトキシシラン どのビニルアルキルトリアルコキシシラン 他、これらに対応する(ビニルアルキル)ア キルジアルコキシシランや、(ビニルアルキ )ジアルキル(モノ)アルコキシシランなどが げられる。

 これら共重合性ビニルモノマーは、単独使 または2種以上併用することができる。
 これら共重合性ビニルモノマーのうち、好 しくは、アルコキシシリル基含有ビニルモ マーが挙げられる。
 共重合性ビニルモノマーとしてアルコキシ リル基含有ビニルモノマーを用いることに り、ポリマー鎖にアルコキシシリル基が導 され、それら同士の反応により架橋構造を 成することができる。

 このような共重合性ビニルモノマーは、(メ タ)アクリル酸アルキルエステルと必要によ 任意的に併用し、あるいは、単独使用する とができる。
 共重合性ビニルモノマーが(メタ)アクリル アルキルエステルと併用される場合には、 重合性ビニルモノマーの配合割合は、エチ ン性不飽和モノマー100重量部に対して、例 ば、40重量部以下、好ましくは、30重量部以 、さらに好ましくは、20重量部以下である 共重合性ビニルモノマーが、アルコキシシ ル基含有ビニルモノマーである場合には、 の配合割合は、(メタ)アクリル酸アルキルエ ステル100重量部に対して、例えば、0.001~10重 部、好ましくは、0.01~5重量部である。

 界面活性剤としては、例えば、公知の界面 性剤(「界面活性剤 物性・性能要覧、森山 著、技術情報協会出版」」に掲載されてい 界面活性剤)が挙げられ、例えば、液体およ び固体の間の界面に主に作用する分散剤、例 えば、液体および液体の間の界面に主に作用 する乳化剤が挙げられる。
 分散剤としては、例えば、リン酸系分散剤 カルボン酸系分散剤などが挙げられる。リ 酸系分散剤として、例えば、オルトリン酸 トリウム、ピロリン酸ナトリウム、トリポ リン酸ナトリウム、テトラリン酸ナトリウ 、ヘキサメタリン酸ナトリウム、リン酸三 トリウムなどが挙げられる。カルボン酸系 散剤としては、例えば、ポリアクリル酸系 ポリメタクリル酸系、アクリル酸/マレイン 酸共重合体系、スチレン/マレイン酸共重合 系などの高分子分散剤が挙げられる。

 高分子分散剤は、一般の市販品を用いる とができ、例えば、アクアリックシリーズ( ポリアクリル酸系、または、アクリル酸/マ イン酸共重合体系、日本触媒社製)、アロン リーズ(ポリアクリル酸系、東亞合成社製) シャロールシリーズ(ポリアクリル酸系、第 工業製薬社製)、ポイズシリーズ(アクリル /マレイン酸共重合体系、花王社製)、SNディ パーサントシリーズ(ポリカルボン酸共重合 体系、サンノプコ社製)、例えば、EFKAシリー (ポリアクリル酸系、チバ・ジャパン社製) どが挙げられる。

 また、乳化剤としては、例えば、ラウリ 硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウ 、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム ポリオキシエチレンラウリル硫酸ナトリウ 、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫 ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキル ェニルエーテル硫酸アンモニウム、ポリオ シエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸 トリウム、ポリオキシエチレンアルキルス ホコハク酸ナトリウムなどのアニオン系乳 剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキル ーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェ ルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エ テル、ポリオキシエチレンポリオキシプロ レンブロックポリマーなどのノニオン系乳 剤などが挙げられる。

 また、乳化剤としては、これらアニオン系 化剤やノニオン系乳化剤に、プロペニル基 アリルエーテル基などのラジカル重合性官 基(反応性基)が導入されたラジカル重合性( 応性)乳化剤などが挙げられる。
 これら界面活性剤は、単独使用または2種以 上併用することができる。
 そして、本発明において、例えば、まず、 記した親水性無機化合物と水とを配合し、 いて、これらを攪拌混合することによって 親水性無機化合物を水に分散させて、親水 無機化合物の水分散液を調製する(水分散液 調製工程)。

 親水性無機化合物の配合割合は、水100重量 に対して、例えば、0.1~50重量部、好ましく 、0.2~40重量部、さらに好ましくは、0.5~30重 部である。また、親水性無機化合物が親水 の層状粘土鉱物である場合には、水100重量 に対して、例えば、0.1~11重量部、好ましく 、0.5~5重量部である。
 親水性無機化合物の配合割合が上記した範 を超えると、水分散液の粘度が過度に高く る場合や、重合工程において凝集を生じる 合がある。

 一方、親水性無機化合物の配合割合が上記 た範囲に満たないと、無機-ポリマー複合材 における親水性無機化合物の含有割合が過度 に低くなり、親水性無機化合物をポリマー粒 子の表面に均一に担持させることができない 場合がある。
 また、親水性無機化合物が親水性の層状粘 鉱物である場合において、親水性の層状粘 鉱物の配合割合が上記した範囲を超えると 水分散液の粘度が過度に高くなり、水分散 の流動性が過度に低下するため、親水性の 状粘土鉱物を均一かつ十分に膨潤させるこ ができない場合がある。また、モノマーエ ルション調製工程において、モノマーエマ ションの粘度を低下させて、重合工程にお て、得られる重合体の固形分濃度を一定範 内にする必要が生じ、煩雑となる場合があ 。

 一方、親水性の層状粘土鉱物の配合割合が 記した範囲に満たないと、無機-ポリマー複 合材における親水性の層状粘土鉱物の含有割 合が過度に低くなり、親水性の層状粘土鉱物 をポリマー粒子の表面に均一に担持させるこ とができない場合がある。
 親水性無機化合物が配合された水を攪拌混 するには、例えば、ディスパー、超音波ホ ジナイザーなどの公知の攪拌機を用いる。

 なお、親水性の無機化合物が親水性層状 土鉱物である場合には、上記の攪拌混合の に、親水性の層状粘土鉱物が配合された水 、例えば、12~48時間、好ましくは、24~36時間 、予め静置させることができる。親水性の層 状粘土鉱物が配合された水を静置させること により、例えば、親水性の層状粘土鉱物を水 に膨潤させることができ、その後の攪拌混合 により、親水性の層状粘土鉱物同士を剥離さ せてこれらを水中に確実に分散させることが できる。

 なお、この攪拌混合において、特定形状の 水性無機化合物の表面を部分的に表面処理 ることもできる。
 次いで、例えば、水分散液とエチレン性不 和モノマーとを配合し、続いて、これらを 拌混合することによって、エチレン性不飽 モノマーを乳化させてモノマーエマルショ を調製する(モノマーエマルション調製工程 )。

 水分散液とエチレン性不飽和モノマーとの 合において、親水性無機化合物の配合割合 、エチレン性不飽和モノマー100重量部に対 て、4~200重量部、好ましくは、5~150重量部、 さらに好ましくは、8~100重量部である。
 親水性無機化合物の配合割合が上記した範 未満であると、モノマーエマルション調製 程において、安定なエマルション形態を得 ことができず、ポリマー粒子における親水 無機化合物の被覆率が過度に低くなる。

 一方、親水性無機化合物の配合割合が上記 囲を超えると、ポリマー粒子における親水 無機化合物の被覆率が過度に高くなり、粘 が上昇し、粘度調整する必要を生じる場合 ある。
 また、モノマーエマルション調製工程にお て、予め、疎水性無機化合物を上記したエ レン性不飽和モノマーに分散させて、疎水 無機化合物のモノマー分散液を調製(モノマ ー分散液調製工程)し、これにより得られる 水性無機化合物のモノマー分散液を乳化さ ることもできる。これによって、無機-ポリ ー複合材に疎水性無機化合物を内包させる とができる。

 疎水性無機化合物の形状は、特に限定され 、好ましくは、バルク形状、針形状、また 、板形状(層状を除く)などの特定形状をな ている。
 バルク形状の疎水性無機化合物には、例え 、球形状、直方体形状、または、それらの 形形状の疎水性無機化合物などが含まれる バルク形状の疎水性無機化合物としては、 えば、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタ 、酸化スズ(アンチモンドープ酸化スズを含 む。)、アルミナ、水酸化マグネシウム、チ ン酸バリウム、酸化亜鉛、窒化ケイ素、金 微粒子などが挙げられる。

 針形状の疎水性無機化合物としては、例え 、チタン酸カリウム、ウォラストナイト、 ピオライト、針状酸化スズ、針状水酸化マ ネシウムなどが挙げられる。
 板形状の疎水性無機化合物は、層形状の疎 性無機化合物を除く、板形状の疎水性無機 合物であって、例えば、窒化ホウ素、板状 酸カルシウム、板状水酸化アルミニウムな が挙げられる。

 これら疎水性無機化合物は、単独使用また 2種以上併用することができる。
 好ましくは、シリカ、酸化チタン、アンチ ンドープ酸化スズ、酸化亜鉛、窒化ホウ素 窒化ケイ素が挙げられる。
 また、疎水性無機化合物としては、上記し 特定形状(バルク形状、針形状、または、板 形状)の親水性無機化合物を上記した表面処 剤を用いて表面処理することにより疎水化 たものを用いることもできる。表面処理の 法は、上記と同様である。

 このような疎水性無機化合物は、一般の市 品を用いることができ、例えば、シリカと て、アエロジルシリーズ(日本アエロジル社 製)など、例えば、酸化チタンとして、TTOシ ーズ(石原産業社製)などが挙げられる。
 アエロジルシリーズとしては、例えば、ア ロジルR8200(1次平均粒子径12nm、ヘキサメチ ジシラザン処理)、アエロジルR104(1次平均粒 径12nm、オクタメチルシクロテトラシロキサ ン処理)、アエロジルR974(1次平均粒子径12nm、 メチルジクロロシラン処理)、アエロジルR81 2(1次平均粒子径7nm、ヘキサメチルジシラザン 処理)などが用いられる。TTOシリーズとして 、例えば、TTO-51(C)(1次平均粒子径10~30nm、水 化アルミニウム/ステアリン酸処理)、TTO-55(C) (1次平均粒子径30~50nm、水酸化アルミニウム/ テアリン酸処理)、TTO-55(D)(1次平均粒子径30~50 nm、水酸化アルミニウム/酸化ジルコニウム処 理)などが挙げられる。

 疎水性無機化合物のサイズは、1次平均粒 子径(針状、板状の場合は最大長さ)として、1 ~200nm、好ましくは、5~150nm、さらに好ましく 、5~100nm、もっとも好ましくは、5~50nmである 疎水性無機化合物の1次平均粒子径が上記し た範囲より大きければ、疎水性無機化合物が 、所望の粒子径の油滴に内包されず、重合中 に凝集するおそれがある。

 モノマー分散液を調製するには、上記した 水性無機化合物とエチレン性不飽和モノマ とを配合して、上記した公知の攪拌機にて 拌混合することにより、疎水性無機化合物 エチレン性不飽和モノマーに分散させる。
 疎水性無機化合物の配合割合は、エチレン 不飽和モノマー100重量部に対して、例えば 0.1~15重量部、好ましくは、0.5~10重量部であ 。換言すると、無機-ポリマー複合材におい て、疎水性無機化合物の含有割合は、ポリマ ー粒子100重量部に対して、例えば、0.1~15重量 部、好ましくは、0.5~10重量部である。

 疎水性無機化合物の配合割合(含有割合)が 記した範囲を超えると、疎水性無機化合物 油滴に完全に内包されず、重合中に凝集す 場合がある。
 そして、エチレン性不飽和モノマー(または モノマー分散液)を乳化させるには、例えば 水分散液と、エチレン性不飽和モノマーを む油相液とを配合し、続いて、例えば、こ らを乳化装置により乳化させる。

 油相液は、例えば、エチレン性不飽和モノ ーを必須成分として含み、開始剤や疎水性 合物(あるいはモノマー分散液)を必要によ 任意成分として含んでいる。
 開始剤としては、例えば、乳化重合に通常 用される重合開始剤が用いられ、例えば、 溶性開始剤または水溶性開始剤が用いられ 。
 油溶性開始剤としては、例えば、ベンゾイ パーオキサイド、ラウロイルパーオキシド どの油溶性過酸化物系開始剤、例えば、ジ チル2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオネート )(市販品として、例えば、V-601、和光純薬工 社製)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチ バレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチ ルジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス( 2-メチル-ブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シ クロヘキサン-1-カルボニトニトリル)、2,2’- ゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビス( 2-メチルブチロニトリル)などの油溶性アゾ系 開始剤などが挙げられる。

 水溶性開始剤としては、例えば、2,2’-ア ゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二硫酸 、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジ )二塩酸塩、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロ ン)二塩酸塩、2,2’-アゾビス[N-(2-カルボキシ エチル)-2-メチルプロピオンアミジン]水和物 2,2’-アゾビス(N,N’-ジメチレンイソブチル ミジン)、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2 -イル)プロパン]二塩酸塩などのアゾ系開始剤 (油溶性アゾ系開始剤を除く。)、例えば、過 酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過 酸塩系開始剤、例えば、t-ブチルハイドロ ーオキサイド、過酸化水素などの過酸化物 開始剤(油溶性過酸化物系開始剤を除く。)、 例えば、フェニル置換エタンなどの置換エタ ン系開始剤、例えば、芳香族カルボニル化合 物などのカルボニル系開始剤、例えば、過硫 酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組合せ、過 酸化物とアスコルビン酸ナトリウムとの組合 せなどのレドックス系開始剤などが挙げられ る。

 これら開始剤は、適宜、単独または併用し 用いられる。開始剤のうち、好ましくは、 溶性開始剤、さらに好ましくは、油溶性ア 系開始剤が用いられる。
 開始剤の配合割合は、適宜選択されるが、 チレン性不飽和モノマー100重量部に対して 例えば、0.005~1重量部である。
 疎水性化合物は、上記した疎水性無機化合 を除く疎水性有機化合物であって、例えば ドデカン、ヘキサデカン、オクタデカンな の炭素数8~30の高級アルカン類、例えば、ラ ウリルアルコール、セチルアルコール、ステ アリルアルコールなどの炭素数8~30のアルキ 基を有する高級アルコール類、例えば、ラ リル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ) クリレートなどの炭素数8~30のアルキル基を 有するアルキル(メタ)アクリレート類、例え 、ラウリルメルカプタン、セチルメルカプ ン、ステアリルメルカプタンなどの炭素数8 ~30のアルキル基を有するチオール類、例えば 、ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレ トなどのポリマー類などが挙げられる。こ ら疎水性化合物は、単独または2種以上併用 することができる。好ましくは、高級アルカ ン類が挙げられる。なお、エチレン性不飽和 モノマーとして、炭素数8~30のアルキル基を するアルキル(メタ)アクリレート類を用いる 場合には、かかるアルキル(メタ)アクリレー 類が疎水性化合物としても機能する場合が るので、配合しなくてもよい場合がある。

 疎水性化合物の配合割合は、例えば、エチ ン性不飽和モノマー100重量部に対して、例 ば、1~80重量部、好ましくは、1~60重量部で る。
 疎水性化合物を油相液に配合させれば、モ マーエマルション中の油滴を特定範囲のメ アン径に維持することができる。
 任意成分を油相液に含ませるには、エチレ 性不飽和モノマーに、開始剤および疎水性 合物を加えて、これを溶解させる。

 なお、上記した説明では、任意成分を、油 液に配合したが、例えば、モノマーエマル ョン中に直接加えることもできる。
 乳化装置としては、例えば、超音波ホモジ イザー、高圧ホモジナイザー(PANDA 2K、NIRO-S OAVI社製)、マイクロフルイダイザー(Microfluidic s社製)、ナノマイザー(吉田機械興業社製)、TK ホモミキサー(プライミクス社製)、TKフィル ックス(プライミクス社製)などが用いられる 。

 超音波ホモジナイザーでは、使用される超 波の周波数は特に制限されず、例えば、20~4 0kHzである。超音波ホモジナイザーでは、超 波照射によるキャビテーション効果によっ 、エチレン性不飽和モノマーの油滴が上記 たメジアン径にまで微細化される。
 高圧ホモジナイザー、マイクロフルイダイ ーおよびナノマイザーでは、加圧される圧 は特に制限されず、例えば、10~300MPaである 高圧ホモジナイザー、マイクロフルイダイ ーおよびナノマイザーでは、分散液を加圧 ながら、これを微細孔から吐出させて、か る吐出において発生する高剪断力の付加に り、油滴が上記したメジアン径にまで微細 される。

 TKホモミキサーおよびTKフィルミックスは、 回転体の高速回転を利用する乳化装置であっ て、混合液中で回転体が高速回転することに より、高剪断力が混合液に付加されて、油滴 が上記したメジアン径にまで微細化される。
 これら乳化装置は、単独使用することがで 、また、2種以上を組み合わせて多段で使用 することもできる。

 これにより、乳化されるエチレン性不飽和 ノマーの油滴の体積基準のメジアン径は、 えば、100μm以下、好ましくは、40μm以下、 らに好ましくは、4μm以下、通常、0.05μm以上 である。
 また、親水性無機化合物が親水性の層状粘 鉱物である場合には、乳化されるエチレン 不飽和モノマーの油滴の体積基準のメジア 径は、好ましくは、4μm以下、さらに好まし くは、1μm以下、とりわけ好ましくは、0.5μm 下、通常、0.05μm以上である。

 油滴のメジアン径が上記した範囲を超える 、重合工程において、凝集物が発生する場 がある。
 このモノマーエマルションにおける油滴の 積基準のメジアン径は、レーザー回折式粒 分布測定装置にて測定される。レーザー回 式粒度分布測定装置としては、通常、一般 市販品が用いられ、具体的には、LS13 320(ベ ックマンコールター社製)などが用いられ、 定条件は、レーザー光源がレーザーダイオ ドおよびタングステンランプであり、波長 450~900nmである。

 次いで、モノマーエマルションを、例えば 加熱することによって、モノマーエマルシ ン中のエチレン性不飽和モノマーを重合さ る。
 加熱温度(重合温度)を、例えば、40~90℃に設 定し、重合時間を、例えば、1~10時間に設定 る。
 また、モノマーエマルションを上記した反 条件で一度に重合することができ、また、 ノマーエマルションの一部を重合させた後 残りのモノマーエマルションを、例えば、 下重合することができ、さらには、反応容 に予め水を仕込んでこれを上記した温度に 温した後、モノマーエマルションを滴下、 るいは、分割して仕込むこともできる。

 また、本発明において、界面活性剤を、水 水分散液、エチレン性不飽和モノマーおよ モノマーエマルションの少なくともいずれ に界面活性剤を配合する。界面活性剤の配 割合は、親水性無機化合物100重量部に対し 、例えば、0.01~20重量部、好ましくは、0.05~1 5重量部である。
 界面活性剤を水に配合する場合には、水分 液調製工程において、親水性無機化合物が 合される前の水、あるいは、親水性無機化 物が配合されて、分散される前の水に、界 活性剤を添加する。好ましくは、分散剤を 合する。界面活性剤を水に配合することに り、凝集する親水性無機化合物の1次粒子同 士を分散させることができる。また、親水性 無機化合物が親水性の層状粘土鉱物である場 合には、水分散液における親水性の層状粘土 鉱物の分散性を向上させて、水分散液の粘度 を低下させ、得られるエマルションの固形分 濃度を一定範囲に容易に調整することができ る。

 また、界面活性剤を水分散液に配合する 合には、モノマーエマルション調製工程(水 分散液調製工程後)において、調製された水 散液に、界面活性剤を添加する。好ましく 、分散剤を添加する。界面活性剤を水分散 に配合することにより、水分散液における 水性無機化合物の分散性を向上させて、水 散液の粘度を低下させ、得られるエマルシ ンの固形分濃度を一定範囲に容易に調整す ことができる。

 また、界面活性剤を油相液に配合する場合 は、モノマーエマルション調製工程におい 、調製した油相液(具体的には、エチレン性 不飽和モノマー)に、界面活性剤を添加する 好ましくは、乳化剤を配合する。界面活性 を油相液に配合することにより、モノマー マルションの、安定したエマルション形態 得ることができる。
 また、界面活性剤をモノマーエマルション 配合する場合には、重合工程において、調 したモノマーエマルションに、界面活性剤 添加する。好ましくは、乳化剤を配合する 界面活性剤をモノマーエマルションに配合 ることにより、高い重合安定性を得ること できる。

 また、モノマーエマルションをモノマー分 液から調製する場合には、界面活性剤を、 、水分散液、エチレン性不飽和モノマー、 ノマー分散液およびモノマーエマルション 少なくともいずれかに界面活性剤を配合す 。
 界面活性剤をモノマー分散液に添加するこ により、モノマーエマルションの、安定し エマルション形態を得ることができる。

 そして、このような重合によって、親水性 機化合物が、ポリマー粒子(つまり、水分散 型ポリマー粒子)の表面に担持された無機-ポ マー複合材のエマルションとして、得るこ ができる。
 なお、このエマルションの固形分濃度は、 えば、5~50重量%、好ましくは、6~45重量%、さ らに好ましくは、8~40重量%である。エマルシ ンの固形分濃度が上記した範囲を超えると 重合工程におけるエマルションの粘度が過 に高くなり、ハンドリング性が低下したり 重合温度の制御が困難になる場合がある。 マルションの固形分濃度が上記した範囲に たないと、生産性が低下する場合がある。

 なお、このエマルションにおける無機-ポ リマー複合材の体積基準のメジアン径は、例 えば、例えば、100μm以下、好ましくは、40μm 下、さらに好ましくは、4μm以下、通常、0.0 5μm以上であり、また、親水性無機化合物が 水性の層状粘土鉱物である場合には、4μm以 、好ましくは、1μm以下、さらに好ましくは 、0.5μm以下、通常、0.05μm以上であり、油滴 体積基準のメジアン径とほぼ同一となる。

 さらに、無機-ポリマー複合材には、例え ば、必要に応じて、pH調整剤(酢酸水溶液など )、架橋剤(イソシアネート系、エポキシ系、 キサゾリン系、アジリジン系、金属キレー 系)、連鎖移動剤(チオール類など)、粘度調 剤、剥離調整剤、可塑剤、軟化剤、充填剤 着色剤(顔料、染料など)、老化防止剤、界 活性剤などの添加剤を、適宜の割合で添加 ることができる。これら添加剤は、重合工 後に添加されてもよく、あるいは、水分散 調製工程、モノマーエマルション調製工程 よび重合工程における各液に添加すること できる。

 なお、本発明において、膨潤剤(具体的には 、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイ ドなど)など疎水化処理剤を、水分散液に添 しないように、水分散液を調製する。疎水 処理剤が添加されると、親水性無機化合物 、親水性が低下して、水分散液における分 性が低下して、ポリマー粒子の表面に均一 担持されない。
 そして、このようにして得られる無機-ポリ マー複合材は、上記したように、平均粒子径 が0.05~100μmのポリマー粒子の表面に、最大長 が1~1000nmの親水性無機化合物が、偏在され ようにコンポジットされる。つまり、無機- リマー複合材では、ポリマー粒子が、親水 無機化合物を内包することなく、外表面に いて、親水性無機化合物を担持する。

 その結果、本発明の無機-ポリマー複合材で は、ポリマー粒子をマトリックスとして、親 水性無機化合物が連続するパスを形成するこ とができるので、各種工業分野において、放 熱性材料や導電性材料として好適に用いるこ とができる。
 また、接着性に優れるため、粘着剤層や粘 フィルムとしても、好適に用いることがで る。

 とりわけ、疎水性無機化合物のモノマー 散液を用いる場合には、得られる無機-ポリ マー複合材(ポリマー粒子)は、親水性無機化 物ではなく、疎水性無機化合物を内包(つま り、内部に含有)している。一方、無機-ポリ ー複合材(ポリマー粒子)の外表面において 親水性無機化合物を担持(偏在)させるように コンポジットすることができる。

 つまり、親水性無機化合物および疎水性無 化合物を、ポリマー粒子の外表面において 水性無機化合物が偏在し、ポリマー粒子の 部に疎水性無機化合物が包含されるように コンポジットすることができる。
 そのため、疎水性無機化合物が内部に均一 存在する無機-ポリマー複合材からなる粘着 剤層を得ることができ、かかる粘着剤層の機 械強度の向上を図ることができる。

 図1は、本発明の無機-ポリマー複合材が用 られる粘着フィルムの一例の断面図を示す
 次に、本発明の無機-ポリマー複合材を用い て、粘着剤層および粘着フィルムを製造する 方法の一例について、説明する。
 この方法では、まず、支持体としての基材1 を用意する。

 基材1を形成する材料としては、例えば、 ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・ プロピレン共重合体などのポリオレフィン系 フィルム、ポリエチレンテレフタレートなど のポリエステル系フィルム、ポリ塩化ビニル などのプラスチックフィルム、クラフト紙、 和紙などの紙類、綿布、スフ布などの布類、 ポリエステル不織布、ビニロン布織布などの 布織布類、金属箔が挙げられる。

 基材1は、例えば、シート(フィルム)状やテ プ状に形成されている。
 また、基材1には、例えば、必要により、下 塗り処理、目止め処理、コロナ処理、背面処 理など、公知の処理を施すことができる。
 基材1の厚みは、その用途および目的に応じ て適宜選択され、例えば、20~150μm、好ましく は、30~100μmである。

 次いで、基材1の片面に、粘着剤層2を積層 る。
 粘着剤層2を設けるには、例えば、基材1の 面に、無機-ポリマー複合材のエマルション 、ロール塗布、スクリーン塗布、グラビア 布などの公知の塗布方法により、直接塗布 、その後、例えば、50~180℃で加熱して乾燥 る。
 また、粘着剤層2が積層された離型シートか ら、粘着剤層2を基材1に転写することもでき 。

 粘着剤層2が積層された離型シートは、例 えば、公知の離型シートに、無機-ポリマー 合材のエマルションを、公知の塗布方法に り、直接塗布し、これを加熱により乾燥し 粘着剤層2を形成することにより、形成され 。また、粘着剤層2を転写するには、基材1 片面と粘着剤層2とが接触するように、粘着 層2が積層された離型シートを、基材1に貼 合わせた後、粘着剤層2から離型シートを引 剥がす。

 このようにして形成される粘着剤層2の厚み (乾燥後厚み)は、その用途および目的に応じ 適宜選択され、例えば、1.0~100μm、好ましく は、3.0~50μm程度の範囲に設定される。
 なお、図1に示す上記した説明において、粘 着剤層2を、基材1の片面に設けたが、例えば 基材1の両面に設けることもできる。

 また、上記した粘着フィルムには、例えば 粘着シート、粘着テープなどが含まれる。
 そして、この粘着フィルムでは、粘着剤層 機械物性、具体的には、接着力が優れてい 。粘着剤層は、動的粘弾性測定により得ら る損失弾性率G’’および損失正接tanδが高 、そのため、粘着剤層は、優れた制振性を することが推察される。
 さらに、この粘着フィルムは、粘着剤層の 着力、耐熱性および耐湿性が優れているた 、接着力、耐熱性および耐湿性に優れる。

 以下に実施例および比較例を挙げて、本発 をより具体的に説明する。ただし、本発明 、以下の実施例および比較例に何ら制限さ るものではない。
  実施例1
(水分散液調製工程)
 ルーセンタイトSWN(親水性の層状粘土鉱物、 各層の最大長さ:50nm、コープケミカル社製)10 量部を水464重量部に加え、24時間静置した これを超音波ホモジナイザーで3分間攪拌混 して、水分散液を得た。
(モノマーエマルション調製工程)
 アクリル酸ブチル100重量部、ヘキサデカン5 重量部、開始剤(ジメチル2,2’-アゾビス(2-メ ルプロピオネート)、油溶性アゾ系開始剤、 商品名:V-601、和光純薬社製)0.25重量部を混合 て油相液を調製した。

 次いで、油相液と水分散液とを混合し、TK モミキサー(プライミクス社製)を用いて1分 、6000(1/min)で、攪拌し強制乳化して、モノマ ープレエマルションを調製した。次いで、こ のモノマープレエマルションを、高圧ホモジ ナイザー(PANDA 2K)を用いて、圧力100MPaで2パス 処理し、これに20重量%乳化剤液(アニオン性 反応性乳化剤、商品名:ハイテノールLA-16、 一工業製薬社製)5重量部(固形分で1重量部)を 加えてモノマーエマルションを得た。
(重合工程)
 冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機 備えた反応容器に、調製したモノマーエマ ションを仕込み、次いで、反応容器を窒素 換した後、70℃に昇温し、3時間重合するこ により、固形分濃度20%の無機-ポリマー複合 材のエマルションを得た。

  実施例2
 モノマーエマルション調製工程において、 相液に、3-メタクリロイルオキシプロピル- リメトキシシラン(KBM-503、信越化学社製)0.03 重量部をさらに添加した以外は、実施例1と 様にモノマーエマルションを調製し、続い 、これを重合させることにより、固形分濃 20%の無機-ポリマー複合材のエマルションを た。

  実施例3
 モノマーエマルション調製工程において、 相液に、3-メタクリロイルオキシプロピル- リメトキシシラン(KBM-503、信越化学社製)0.03 重量部をさらに添加し、ルーセンタイトSWN( 水性の層状粘土鉱物、各層の最大長さ:50nm、 コープケミカル社製)の配合部数を20重量部に 変更し、水の配合部数を504重量部に変更した 以外は実施例1と同様にモノマーエマルショ を調製し、続いて、これを重合させること より、固形分濃度20%の無機-ポリマー複合材 エマルションを得た。

  実施例4
(水分散液調製工程)
 ルーセンタイトSWN(親水性の層状粘土鉱物、 各層の最大長さ:50nm、コープケミカル社製)5 量部を水631重量部に加え、24時間静置した。 これを、超音波ホモジナイザーで3分間攪拌 合して、水分散液を得た。
(モノマーエマルション調製工程)
 アクリル酸ブチル100重量部、ヘキサデカン5 重量部、3-メタクリロイルオキシプロピル-ト リメトキシシラン(KBM-503、信越化学社製)0.03 量部、開始剤(ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチ ルプロピオネート)、油溶性アゾ系開始剤、 品名:V-601、和光純薬社製)0.25重量部を混合し て油相液を調製した。

 次いで、油相液と水分散液とを混合し、TK モミキサー(プライミクス社製)を用いて1分 、6000(1/min)で、攪拌し強制乳化して、モノマ ープレエマルションを調製した。次いで、こ のモノマープレエマルションを、高圧ホモジ ナイザー(PANDA 2K)を用いて、圧力100MPaで2パス 処理し、これに20重量%乳化剤液(アニオン性 反応性乳化剤、商品名:ハイテノールLA-16、 一工業製薬社製)2.5重量部(固形分で0.5重量部 )と20%分散剤液(シャロールAN-103P、高分子分散 剤、第一工業製薬社製)5重量部(固形分で1重 部)とを加えてモノマーエマルションを得た
(重合工程)
 冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機 備えた反応容器に、調製したモノマーエマ ションを仕込み、次いで、反応容器を窒素 換した後、70℃に昇温し、3時間重合するこ により、固形分濃度15%の無機-ポリマー複合 材のエマルションを得た。

  実施例5
 モノマーエマルション調製工程において、 相液に、3-メタクリロイルオキシプロピル- リメトキシシラン(KBM-503、信越化学社製)0.03 重量部をさらに添加し、水の配合部数を271重 量部に変更し、20重量%乳化剤液(アニオン性 反応性乳化剤、商品名:ハイテノールLA-16、 一工業製薬社製)に代えて、20%分散剤液(シャ ロールAN-103P、高分子分散剤、第一工業製薬 製)を用いた以外は、実施例1と同様にモノマ ーエマルションを調製し、続いて、これを重 合させることにより、固形分濃度30%の無機- リマー複合材のエマルションを得た。

  実施例6
(水分散液調製工程)
 ルーセンタイトSWN(親水性の層状粘土鉱物、 各層の最大長さ:50nm、コープケミカル社製)50 量部を水1056重量部に加え、24時間静置した これに、20%分散剤液(シャロールAN-103P、高 子分散剤、第一工業製薬社製)12.5重量部(固 分で2.5重量部)を添加し、超音波ホモジナイ ーで3分間攪拌混合して、水分散液を得た。
(モノマーエマルション調製工程)
 アクリル酸ブチル100重量部、ヘキサデカン5 重量部、3-メタクリロイルオキシプロピル-ト リメトキシシラン(KBM-503、信越化学社製)0.03 量部、開始剤(ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチ ルプロピオネート)、油溶性アゾ系開始剤、 品名:V-601、和光純薬社製)0.25重量部を混合し て油相液を調製した。

 次いで、油相液と水分散液とを混合し、TK モミキサー(プライミクス社製)を用いて1分 、6000(1/min)で、攪拌し強制乳化して、モノマ ープレエマルションを調製した。次いで、こ のモノマープレエマルションを、高圧ホモジ ナイザー(PANDA 2K)を用いて、圧力100MPaで2パス 処理し、これに20重量%乳化剤液(アニオン性 反応性乳化剤、商品名:ハイテノールLA-16、 一工業製薬社製)4重量部(固形分で0.8重量部) 添加して、モノマーエマルションを得た。
(重合工程)
 冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機 備えた反応容器に、調製したモノマーエマ ションを仕込み、次いで、反応容器を窒素 換した後、70℃に昇温し、3時間重合するこ により、固形分濃度13%の無機-ポリマー複合 材のエマルションを得た。

 実施例7
 水分散液調製工程において、水の配合部数 2014重量部に変更し、ルーセンタイトSWN(親 性の層状粘土鉱物、各層の最大長さ:50nm、コ ープケミカル社製)の配合部数を100重量部に 更し、20%分散剤液(シャロールAN-103P、高分子 分散剤、第一工業製薬社製)の配合部数を25重 量部(固形分で5重量部)に変更した以外は、実 施例6と同様モノマーエマルションを調製し 続いて、これを重合させることにより、固 分濃度8%の無機-ポリマー複合材のエマルシ ンを得た。

  実施例8
 水分散液調製工程において、水の配合部数 658重量部に変更し、アクリル酸ブチルに代 てメタクリル酸メチルを用いた以外は、実 例1と同様にして、モノマーエマルションを 調製し、続いて、これを重合させることによ り、固形分濃度15%の無機-ポリマー複合材の マルションを得た。

  実施例9
 水分散液調製工程において、水の配合部数 658重量部に変更し、アクリル酸ブチルに代 てアクリル酸イソステアリルを用い、モノ ーエマルション調製工程において、ヘキサ カンを用いなかった以外は、実施例1と同様 にして、モノマーエマルションを調製し、続 いて、これを重合させることにより、固形分 濃度15%の無機-ポリマー複合材のエマルショ を得た。

   実施例10
 水分散液調製工程において、水の配合部数 658重量部に変更し、アクリル酸ブチルに代 てスチレンを用いた以外は、実施例1と同様 にして、モノマーエマルションを調製し、続 いて、これを重合させることにより、固形分 濃度15%の無機-ポリマー複合材のエマルショ を得た。

  実施例11
 水分散液調製工程において、水の配合部数 504重量部に変更し、ルーセンタイトSWN(親水 性の層状粘土鉱物、各層の最大長さ:50nm、コ プケミカル社製)10重量部に代えて、クニピ F(親水性の層状粘土鉱物、各層の最大長さ:3 00nm、クニミネ工業社製)20重量部を用い、モ マーエマルション調製工程において、20重量 %乳化剤液(アニオン性非反応性乳化剤、商品 :ハイテノールLA-16、第一工業製薬社製)を用 いなかった以外は、実施例4と同様にして、 ノマーエマルションを調製し、続いて、こ を重合させることにより、固形分濃度20%の 機-ポリマー複合材のエマルションを得た。

  実施例12
(水分散液調製工程)
 水715重量部に親水性の窒化ホウ素粒子(1次 均粒子径20nm)20重量部を加え、これを超音波 モジナイザーで3分間処理して、水分散液を 得た。
(モノマーエマルションの調製)
 アクリル酸イソステアリル100重量部、ヘキ デカン5重量部、開始剤(ジメチル2,2’-アゾ ス(2-メチルプロピオネート)、油溶性アゾ系 開始剤、商品名:V-601、和光純薬社製)0.25重量 を混合して、油相液を調製した。

 次いで、油相液と水分散液とを混合し、TK モミキサー(プライミクス社製)を用いて1分 、6000(1/min)で、攪拌し強制乳化して、モノマ ープレエマルションを調製した。
 次いで、このモノマープレエマルションを 高圧ホモジナイザー(PANDA 2K)を用いて、圧 100MPaで2パス処理し、これに20重量%分散剤液( 高分子分散剤、商品名:シャロールAN-103P、第 工業製薬社製)5重量部(固形分で1重量部)を えてモノマーエマルションを得た。
(重合工程)
 冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機 備えた反応容器に、調製したモノマーエマ ションを仕込み、次いで、反応容器を窒素 換した後、70℃に昇温し、3時間重合するこ により固形分濃度20%の無機-ポリマー複合材 のエマルションを得た。

  実施例13
 水分散液調製工程において、水の配合部数 942重量部に変更し、窒化ホウ素粒子の配合 数を60重量部に変更した以外は実施例12と同 様にして、水分散液を調製し、次いで、モノ マーエマルション調製工程において、3-メタ リロイルオキシプロピル-トリメトキシシラ ン(KBM-503、信越化学社製)をさらに0.03重量部 えた以外は、実施例12と同様にして、モノマ ーエマルションを調製し、続いて、これを重 合させることにより、固形分濃度30%の無機- リマー複合材のエマルションを得た。

  実施例14
(水分散液調製工程)
 水517重量部に親水性の酸化チタン(TTO-55D、1 平均粒子径30~50nm、石原産業社製)20重量部を 加え、これを超音波ホモジナイザーで3分間 理して酸化チタン水分散液を得た。
(モノマーエマルションの調製)
 アクリル酸イソステアリル100重量部、ヘキ デカン5重量部、3-メタクリロイルオキシプ ピル-トリメトキシシラン(KBM-503、信越化学 製)0.05重量部、開始剤(ジメチル2,2’-アゾビ ス(2-メチルプロピオネート)、油溶性アゾ系 始剤、商品名:V-601、和光純薬社製)0.25重量部 を混合して油相液を調製した。

 次いで、油相液と水分散液とを混合し、TK モミキサー(プライミクス社製)を用いて1分 、6000(1/min)で、攪拌し強制乳化して、モノマ ープレエマルションを調製した。次いで、こ のモノマープレエマルションを高圧ホモジナ イザー(PANDA 2K)を用いて、圧力100MPaで2パス処 理し、これに、20重量%分散剤液(高分子分散 、商品名:シャロールAN-103P、第一工業製薬社 製)5重量部(固形分で1重量部)と、20重量%分散 液(高分子分散剤、商品名:SNディスパーサン ト5045、サンノプコ社製)25重量部(固形分で5重 量部)と、を加えてモノマーエマルションを た。
(重合工程)
 冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機 備えた反応容器に、調製したモノマーエマ ションを仕込み、次いで、反応容器を窒素 換した後、70℃に昇温し、3時間重合するこ により、固形分濃度20%の無機-ポリマー複合 材を得た。

  実施例15
(水分散液の調製)
 ATO(アンチモンドープ酸化スズ)水分散液(SN-1 00S、固形分濃度17.9%、バルク形状、1次平均粒 子径20nm、石原産業社製)84重量部(固形分で15 量部)と、水368重量部と、3-メタクリロイル キシプロピル-トリメトキシシラン(KBM-503、 越化学社製)4.5重量部とを加え、20時間室温 て攪拌した。これを5%酢酸水溶液にてpH4.0に 整することにより、水分散液を調製した。
(モノマーエマルション調製工程)
 水分散液に、メタクリル酸メチル100重量部 ヘキサデカン3重量部、開始剤(アゾビスイ ブチロニトリル)0.2重量部、20重量%乳化剤液( アニオン性非反応性乳化剤、商品名:ハイテ ールLA-16、第一工業製薬社製)0.25重量部(固形 分で0.05重量部)を加え、TKホモミキサー(プラ ミクス社製)を用いて1分間、6000(1/min)で、攪 拌し強制乳化して、モノマープレエマルショ ンを調製した。次いで、このモノマープレエ マルションを高圧ホモジナイザー(ナノマイ ー、吉田機械興業社製)を用いて、圧力150MPa 1パス処理し、モノマーエマルションを得た 。
(重合工程)
 冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機 備えた反応容器に、調製したモノマーエマ ションを仕込み、次いで、反応容器を窒素 換した後、70℃に昇温し、3時間重合するこ により、固形分濃度20%の無機-ポリマー複合 材のエマルションを得た。

  実施例16
 水分散液調製工程において、ATO水分散液の 合部数を固形分で50重量部となるように変 し、水の配合部数を486重量部に変更し、3-メ タクリロイルオキシプロピル-トリメトキシ ランの配合部数を9.1重量部に変更した以外 、実施例15と同様にして、水分散液を調製し 、次いで、モノマーエマルションを調製し、 続いて、これを重合させることにより、固形 分濃度18%の無機-ポリマー複合材のエマルシ ンを得た。

  実施例17
 水分散液調製工程において、ATO水分散液の 合部数を固形分で70重量部となるように変 し、水の配合部数を486重量部に変更し、5%酢 酸水溶液にてpH4.0にした後に、20重量%分散剤 (ポリカルボン酸系分散剤、商品名:シャロ ルAN-103P、固形分濃度45%、第一工業製薬社製) 2.2重量部(固形分量で1重量部)を加えた以外は 、実施例15と同様にして、水分散液を調製し 次いで、モノマーエマルションを調製し、 いて、これを重合させることにより、固形 濃度18%の無機-ポリマー複合材のエマルショ ンを得た。

  実施例18
 水分散液調製工程において、5%酢酸水溶液 てpH4.0に調整後に、20重量%分散剤液(高分子 散剤、商品名:シャロールAN-103P、第一工業製 薬社製)5重量部(固形分で1重量部)をさらに加 、モノマーエマルション調製工程において メタクリル酸メチルに代えてアクリル酸ブ ルを用いた以外は、実施例15と同様にして モノマーエマルションを調製し、続いて、 れを重合させることにより、固形分濃度20% 無機-ポリマー複合材のエマルションを得た

  実施例19
 水分散液調製工程において、5%酢酸水溶液 てpH4.0に調整後に、水分散液をさらに20時間 拌混合し、モノマーエマルション調製工程 おいて、メタクリル酸メチルに代えてアク ル酸ブチルを用いた以外は、実施例15と同 にして、モノマーエマルションを調製し、 いて、これを重合させることにより、固形 濃度20%の無機-ポリマー複合材のエマルショ を得た。

  実施例20
(水分散液の調製)
 ATO(アンチモンドープ酸化スズ)水分散液(SN-1 00D、固形分濃度29.7%、バルク形状、1次平均粒 子径20nm、石原産業社製)168重量部(固形分で50 量部)と、水167重量部と、3-メタクリロイル キシプロピル-トリメトキシシラン(KBM-503、 越化学社製)3.8重量部とを加え、5%酢酸水溶 にてpH4.0に調整した。これを20時間室温にて 攪拌し、20重量%分散剤液(高分子分散剤、商 名:シャロールAN-103P、第一工業製薬社製)15.0 量部(固形分で3重量部)を加えることで、水 散液を調製した。
(モノマーエマルション調製工程)
 水分散液に、アクリル酸ブチル100重量部、 キサデカン3重量部、開始剤(アゾビスイソ チロニトリル)0.2重量部、20重量%乳化剤液(ア ニオン性非反応性乳化剤、商品名:ハイテノ ルLA-16、第一工業製薬社製)0.25重量部(固形分 で0.05重量部)を加え、TKホモミキサー(プライ クス社製)を用いて1分間、6000(1/min)で、攪拌 し強制乳化して、モノマープレエマルション を調製した。次いで、このモノマープレエマ ルションを高圧ホモジナイザー(ナノマイザ 、吉田機械興業社製)を用いて、圧力150MPaで1 パス処理し、これに20重量%分散剤液(高分子 散剤、商品名:SNディスパーサント5045、サン プコ社製)15重量部(固形分で3重量部)を加え モノマーエマルションを得た。
(重合工程)
 冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機 備えた反応容器に、調製したモノマーエマ ションを仕込み、次いで、反応容器を窒素 換した後、70℃に昇温し、3時間重合するこ により、固形分濃度35%の無機-ポリマー複合 材のエマルションを得た。

  実施例21
 モノマーエマルション調製工程において、 クリル酸ブチル100重量部に代えて、アクリ 酸2-エチルヘキシル100重量部を用いた以外 、実施例20と同様にして、モノマーエマルシ ョンを調製し、続いて、これを重合させるこ とにより、固形分濃度35%の無機-ポリマー複 材のエマルションを得た。

  実施例22
 モノマーエマルション調製工程において、 クリル酸ブチル100重量部に代えて、メタク ル酸ラウリル(メタクリル酸ドデシル)100重 部を用いた以外は、実施例20と同様にして、 モノマーエマルションを調製し、続いて、こ れを重合させることにより、固形分濃度35%の 無機-ポリマー複合材のエマルションを得た

  実施例23
 モノマーエマルション調製工程において、 クリル酸ブチル100重量部に代えて、アクリ 酸イソステアリル(アクリル酸2-メチルヘプ デシル)100重量部を用いた以外は、実施例20 同様にして、モノマーエマルションを調製 、続いて、これを重合させることにより、 形分濃度35%の無機-ポリマー複合材のエマル ションを得た。

  実施例24
 水分散液調製工程において、ATO(SN-100D、固 分濃度29.7%、バルク形状、1次平均粒子径20nm 石原産業社製)の配合部数を、673重量部(固 分で200重量部)に変更し、水の配合部数を111 量部に変更し、3-メタクリロイルオキシプ ピル-トリメトキシシラン(KBM-503、信越化学 製)の配合部数を15.2重量部に変更し、20重量% 分散剤液(高分子分散剤、商品名:シャロールA N-103P、第一工業製薬社製)の配合部数を1重量 (固形分で0.2重量部)に変更した以外は、実 例20と同様にして、水分散液を調製し、次い で、モノマーエマルションを調製し、続いて 、これを重合させることにより、固形分濃度 35%の無機-ポリマー複合材のエマルションを た。

  実施例25
(水分散液の調製)
 酸化チタン水分散液(TTO-W-5、固形分濃度30.7% 、バルク形状、1次平均粒子径50nm、石原産業 製)163重量部(固形分で50重量部)と、水172重 部と、3-メタクリロイルオキシプロピル-ト メトキシシラン(KBM-503、信越化学社製)3.8重 部とを加え、5%酢酸水溶液にてpH4.0に調整し 。これを20時間室温にて攪拌し、20重量%分 剤液(高分子分散剤、商品名:シャロールAN-103 P、第一工業製薬社製)15.0重量部(固形分で3重 部)を加えることで、水分散液を調製した。
(モノマーエマルション調製工程)
 水分散液に、アクリル酸ブチル100重量部、 キサデカン3重量部、開始剤(アゾビスイソ チロニトリル)0.2重量部、20重量%乳化剤液(ア ニオン性非反応性乳化剤、商品名:ハイテノ ルLA-16、第一工業製薬社製)0.25重量部(固形分 で0.05重量部)を加え、TKホモミキサー(プライ クス社製)を用いて1分間、6000(1/min)で、攪拌 し強制乳化して、モノマープレエマルション を調製した。次いで、このモノマープレエマ ルションを高圧ホモジナイザー(ナノマイザ 、吉田機械興業社製)を用いて、圧力150MPaで1 パス処理し、これに20重量%分散剤液(高分子 散剤、商品名:SNディスパーサント5045、サン プコ社製)15重量部(固形分で3重量部)を加え モノマーエマルションを得た。
(重合工程)
 冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機 備えた反応容器に、調製したモノマーエマ ションを仕込み、次いで、反応容器を窒素 換した後、70℃に昇温し、3時間重合するこ により、固形分濃度35%の無機-ポリマー複合 材のエマルションを得た。

  実施例26
 水分散液調製工程において、酸化チタン水 散液(TTO-W-5、固形分濃度30.7%、バルク形状、 1次平均粒子径50nm、石原産業社製)163重量部( 形分で50重量部)に代えて、アルミナ水分散 (NANOBYK-3600、アルミナ固形分濃度50%、バルク 状、1次平均粒子径40nm、ビックケミー・ジ パン社製)100重量部(固形分で50重量部)を用い 、水の配合部数を235重量部に変更した以外は 、実施例25と同様にして、水分散液を調製し 次いで、モノマーエマルションを調製し、 いて、これを重合させることにより、固形 濃度35%の無機-ポリマー複合材のエマルショ ンを得た。

  実施例27
 水分散液調製工程において、酸化チタン水 散液(TTO-W-5、固形分濃度30.7%、バルク形状、 1次平均粒子径50nm、石原産業社製)163重量部( 形分で50重量部)に代えて、アルミナ水分散 (アルミナゾル100、アルミナ固形分濃度10.3% 針形状、最大長さ300nm、日産化学工業社製)28 5重量部(固形分で50重量部)を用い、水の配合 数を67重量部に変更し、3-メタクリロイルオ キシプロピル-トリメトキシシラン(KBM-503、信 越化学社製)の配合部数を15.3重量部に変更し 以外は、実施例25と同様にして、水分散液 調製し、次いで、モノマーエマルションを 製し、続いて、これを重合させることによ 、固形分濃度35%の無機-ポリマー複合材のエ ルションを得た。

  実施例28
 水分散液調製工程において、酸化チタン水 散液(TTO-55D、バルク形状、1次平均粒子径30~5 0nm、石原産業社製)163重量部(固形分で50重量 )に代えて、アルミナ水分散液(NANOBYK-3600、ア ルミナ固形分濃度50%、ビックケミー・ジャパ ン社製)100重量部(固形分で50重量部)とアルミ 水分散液(アルミナゾル100、アルミナ固形分 濃度10.3%、針形状、最大長さ300nm、日産化学 業社製)485重量部(固形分で50重量部)とを用い 、水の配合部数を70重量部に変更し、3-メタ リロイルオキシプロピル-トリメトキシシラ (KBM-503、信越化学社製)の配合部数を16.2重量 部に変更した以外は、実施例25と同様にして 水分散液を調製し、次いで、モノマーエマ ションを調製し、続いて、これを重合させ ことにより、固形分濃度35%の無機-ポリマー 複合材のエマルションを得た。

  実施例29
 水分散液調製工程において、酸化チタン水 散液(TTO-55D、バルク形状、1次平均粒子径30~5 0nm、石原産業社製)163重量部(固形分で50重量 )に代えて、炭化ケイ素の粉末(β-SiC、1次平 粒子径30nm、住友大阪セメント社製)50重量部 用い、水の配合部数を282重量部に変更し、3 -メタクリロイルオキシプロピル-トリメトキ シラン(KBM-503、信越化学社製)の配合部数を1 .9重量部に変更した以外は、実施例25と同様 して、水分散液を調製し、次いで、モノマ エマルションを調製し、続いて、これを重 させることにより、固形分濃度35%の無機-ポ マー複合材のエマルションを得た。

  実施例30
 水分散液調製工程において、酸化チタン水 散液(TTO-55D、バルク形状、1次平均粒子径30~5 0nm、石原産業社製)163重量部(固形分で50重量 )に代えて、ダイヤモンドの粉末(HHM-A-1/10μm 1次平均粒子径100nm、Techno Rise社製)50重量部 用い、水の配合部数を279重量部に変更し、3- メタクリロイルオキシプロピル-トリメトキ シラン(KBM-503、信越化学社製)の配合部数を0. 5重量部に変更した以外は、実施例25と同様に して、水分散液を調製し、次いで、モノマー エマルションを調製し、続いて、これを重合 させることにより、固形分濃度35%の無機-ポ マー複合材のエマルションを得た。

  実施例31
(水分散液調製工程)
 ルーセンタイトSWN(層状粘土鉱物、コープケ ミカル社製)10重量部を水279重量部に加え、24 間静置した。これに20%分散剤液(シャロール AN-103P、高分子分散剤、第一工業製薬社製)2.5 量部(固形分で0.5重量部)を加え、これを超 波ホモジナイザーで3分間攪拌混合して、水 散液を得た。
(モノマー分散液調製工程)
 アクリル酸ブチル100重量部、ヘキサデカン5 重量部、3-メタクリロイルオキシプロピル-ト リメトキシシラン(KBM-503、信越化学社製)0.05 量部、開始剤(ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチ ルプロピオネート)、油溶性アゾ系開始剤、 品名:V-601、和光純薬社製)0.25重量部を混合し て油相液を調製した。これにアエロジルR8200( ヒュームドシリカ、1次粒子径12nm、ヘキサメ ルジシラザン処理、日本アエロジル社製)5 を加え、これを超音波ホモジナイザーで3分 撹拌混合してモノマー分散液を含む油相液 得た。
(モノマーエマルション調製工程)
 次いで、油相液と水分散液とを混合し、TK モミキサー(プライミクス社製)を用いて1分 、6000(1/min)で、攪拌し強制乳化して、モノマ ープレエマルションを調製した。次いで、こ のモノマープレエマルションを、高圧ホモジ ナイザー(PANDA 2K)を用いて、圧力100MPaで2パス 処理して、モノマーエマルションを得た。
(重合工程)
 冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機 備えた反応容器に、調製したモノマーエマ ションを仕込み、次いで、反応容器を窒素 換した後、70℃に昇温し、3時間重合するこ により、固形分濃度30%の無機コンポジット 分散型樹脂のエマルションを得た。

  実施例32
(水分散液の調製)
 ATO(アンチモンドープ型酸化スズ)水分散液(S N-100D、固形分濃度29.7%、石原産業社製)168重量 部(固形分で50重量部)と、水168重量部と、3-メ タクリロイルオキシプロピル-トリメトキシ ラン(KBM-503、信越化学社製)3.8重量部とを加 、5%酢酸水溶液にてpH4.0に調整した。これを2 0時間室温にて攪拌し、20重量%分散剤液(高分 分散剤、商品名:シャロールAN-103P、第一工 製薬社製)15.0重量部(固形分で3重量部)を加え ることで、水分散液を調製した。
(モノマー分散液調製工程)
 アクリル酸ブチル100重量部、ヘキサデカン3 重量部、開始剤(アゾビスイソブチロニトリ )0.2重量部を混合した液に、アエロジルR8200( ュームドシリカ、1次粒子径12nm、ヘキサメ ルジシラザン処理、日本アエロジル社製)5部 を加え、これを超音波ホモジナイザーで3分 撹拌混合して、モノマー分散液を含む油相 を得た。
(モノマーエマルション調製工程)
 次いで、油相液と20重量%乳化剤液(アニオン 性非反応性乳化剤、商品名:ハイテノールLA-16 、第一工業製薬社製)0.25重量部(固形分で0.05 量部)とを水分散液に加え、TKホモミキサー( ライミクス社製)を用いて1分間、6000(1/min)で 、攪拌し強制乳化して、モノマープレエマル ションを調製した。次いで、このモノマープ レエマルションを高圧ホモジナイザー(ナノ イザー、吉田機械興業社製)を用いて、圧力1 50MPaで1パス処理し、モノマーエマルションを 得た。
(重合工程)
 冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機 備えた反応容器に、調製したモノマーエマ ションを仕込み、次いで、反応容器を窒素 換した後、70℃に昇温し、3時間重合するこ により、固形分濃度35%の無機コンポジット 分散型樹脂のエマルションを得た。

  参考比較例1
 モノマーエマルション調製工程において、2 0重量%乳化剤液(アニオン性非反応性乳化剤、 商品名:ハイテノールLA-16、第一工業製薬社製 )を用いなかった以外は、実施例1と同様にし 、モノマーエマルションを調製し、続いて これを重合させることにより、固形分濃度2 0%の無機-ポリマー複合材のエマルションを得 た。

  参考比較例2
 モノマーエマルション調製工程において、 相液に、3-メタクリロイルオキシプロピル- リメトキシシラン(KBM-503、信越化学社製)0.03 重量部をさらに添加し、モノマープレエマル ションを高圧ホモジナイザー(PANDA 2K)を用い 攪拌混合せず、乳化させなかった以外は、 施例1と同様にして、モノマーエマルション を調製し、続いて、これを重合させることに より、固形分濃度20%の無機-ポリマー複合材 エマルションを得た。

  参考比較例3
(水分散液調整工程)
 ルーセンタイトSWN(親水性の層状粘土鉱物、 各層の最大長さ:50nm、コープケミカル社製)250 重量部を水4263重量部に加え、24時間静置した 。これに、20%分散剤液(シャロールAN-130P、高 子分散剤、第一工業製薬社製)62.5重量部(固 分で12.5重量部)を添加し、超音波ホモジナ ザーで3分間撹拌混合して、水分散液を得た
(モノマーエマルション調製工程)
 アクリル酸ブチル100重量部、ヘキサデカン5 重量部、3-メタクロイルオキシプロピル-トリ メトキシシラン(KBM-503、信越化学社製)0.03重 部、開始剤(ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチル プロピオネート)、油溶性アゾ系開始剤、商 名:V-601、和光純薬社製)0.25重量部を混合して 油相液を調製した。

 次いで、油相液と水分散液とを混合し、TK モミキサー(プライミクス社製)を用いて1分 、6000(1/min)で、撹拌し強制乳化して、モノマ ープレエマルションを調製した。
 次いで、このモノマープレエマルションを 高圧ホモジナイザー(PANDA 2K)を用いて、圧 100MPaで2パス処理し、これに20重量%乳化剤液( アニオン性非反応性乳化剤、商品名:ハノテ ールLA-16、第一工業製薬社製)4重量部(固形分 で0.8重量部)を添加して、モノマーエマルシ ンを得た。
(重合工程)
 冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌機 備えた反応容器に、調製したモノマーエマ ションを仕込み、次いで、反応容器を窒素 換した後、70℃に昇温し、3時間重合するこ により、固形分濃度8%の無機-ポリマー複合 のエマルションを得た。

  参考比較例4
 水分散液調製工程において、ルーセンタイ SWN(親水性の層状粘土鉱物、各層の最大長さ :50nm、コープケミカル社製)の配合部数を3重 部に変更し、水の配合部数を587重量部に変 した以外は、参考比較例3と同様にして、固 分濃度8%の無機-ポリマー複合材のエマルシ ンを得た。

  参考比較例5
 モノマーエマルション調製工程において、2 0重量%分散剤液(高分子分散剤、商品名:シャ ールAN-103P、第一工業製薬社製)を用いなかっ た以外は、実施例12と同様に、モノマーエマ ションを調製し、続いて、これを重合させ ことにより、固形分濃度20%の無機-ポリマー 複合材のエマルションを得た。

  比較例1
(水分散液調製工程)
 水106重量部に、20重量%乳化剤液(アニオン性 非反応性乳化剤、商品名:ハイテノールLA-16、 第一工業製薬社製)15重量部(固形分濃度で3重 部)を加えて水分散液を調製した。
(モノマーエマルション調製工程)
 アクリル酸ブチル100重量部、ヘキサデカン5 重量部、3-メタクリロイルオキシプロピル-ト リメトキシシラン(KBM-503、信越化学社製)0.03 量部、開始剤(ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチ ルプロピオネート)、油溶性アゾ系開始剤、 品名:V-601、和光純薬社製)0.25重量部を混合し て油相液を調製した。

 次いで、この油相液と水分散液とを混合し TKホモミキサー(プライミクス社製)を用いて 1分間、6000(1/min)で、攪拌し強制乳化して、モ ノマープレエマルションを調製した。次いで 、このモノマープレエマルションを、高圧ホ モジナイザー(PANDA 2K)を用いて、圧力100MPaで2 パス処理してモノマーエマルションを得た。
(重合工程)
 冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機 備えた反応容器に、調製したモノマーエマ ションを仕込み、次いで、反応容器を窒素 換した後、70℃に昇温し、3時間重合するこ により固形分濃度50%のポリマーのエマルシ ンを得た。

  比較例2
(水分散液調製工程)
 容器に、水90重量部とルーセンタイトSWN(親 性の層状粘土鉱物、各層の最大長さ:50nm、 ープケミカル社製)10重量部とを加え、24時間 静置した。これに、10%に調整したヘキサメタ リン酸ナトリウム(分散剤、和光純薬社製)を ルーセンタイトSWNに対して固形分濃度が10 量%になるように加えた。次いで、超音波ホ ジナイザーで3分間攪拌混合して、10%層状粘 土鉱物の水分散液を調製した。
(モノマーエマルション調製工程)
 比較例1で調製した固形分濃度が50%のポリマ ーのエマルションに、10%層状粘土鉱物の水分 散液を、ポリマー複合材100重量部に対して層 状粘土鉱物が10重量部となるように加えて撹 し、無機-ポリマー複合材のエマルションを 得た。

  比較例3
 水分散液調製工程において、ヘキサメタリ 酸ナトリウム(分散剤、和光純薬社製)の固 分を20重量部に変更した以外は、比較例2と 様にして、無機-ポリマー複合材のエマルシ ンを得た。
  比較例4
 水分散液調製工程において、ルーセンタイ SWN(親水性の層状粘土鉱物、各層の最大長さ :50nm、コープケミカル社製)に代えて、ルーセ ンタイトSPN(疎水性の層状粘土鉱物、各層の 大長さ:50nm、コープケミカル社製)に変更し 以外は、比較例2と同様にして、モノマーエ ルションを調製し、続いて、固形分濃度50% 無機-ポリマー複合材のエマルションを得た 。

  比較例5
 水分散液調製工程において、ルーセンタイ SWN(親水性の層状粘土鉱物、各層の最大長さ :50nm、コープケミカル社製)に代えて、ルーセ ンタイトSPN(疎水性の層状粘土鉱物、各層の 大長さ:50nm、コープケミカル社製)に変更し ヘキサメタリン酸ナトリウム(分散剤、和光 薬社製)を、ルーセンタイトSWNに対する固形 分濃度が20重量%となるように加えた以外は、 比較例1と同様にして、モノマーエマルショ を調製し、続いて、固形分濃度50%の無機-ポ マー複合材のエマルションを得た。

  比較例6
(モノマーエマルション調製工程)
 アクリル酸ブチル100重量部、ヘキサデカン3 重量部、開始剤(アゾビスイソブチロニトリ )0.2重量部、20重量%乳化剤液(アニオン性非反 応性乳化剤、商品名:ハイテノールLA-16、第一 工業製薬社製)1重量部(固形分で0.2重量部)、 309重量部を加え、ホモジナイザー(プライミ ス社製)を用いて1分間、6000(1/min)で、攪拌し 強制乳化して、モノマープレエマルションを 調製した。次いで、このモノマープレエマル ションを高圧ホモジナイザー(ナノマイザー 吉田機械興業社製)を用いて、圧力150MPaで1パ ス処理し、モノマーエマルションを得た。
(重合工程)
 冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機 備えた反応容器に、調製したモノマー分散 を仕込み、次いで、反応容器を窒素置換し 後、70℃に昇温し、3時間重合することによ 、固形分濃度23%の無機-ポリマー複合材のエ マルションを得た。

 その後、エマルションに水分散液(SN-100S、 形分濃度17.9%、石原産業社製)75重量部(固形 で15重量部)を加えて攪拌することにより、 機-ポリマー複合材のエマルションを得た。
  比較例7
(水分散液調製工程)
 ルーセンタイトSWN(親水性の層状粘土鉱物、 各層の最大長さ:50nm、コープケミカル社製)10 量部を水372重量部に加え、24時間静置し、 らに、24時間撹拌して水分散液を調製した。
(モノマーエマルション調製工程)
 ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイ (疎水化処理剤、和光純薬製)14重量部を水126 重量部に溶解し、これを水分散液に添加した 。

 次いで、これに、アクリル酸ブチル100重量 とアゾビスイソブチロニトリル0.5重量部と 混合した油相液を添加して23℃で24時間撹拌 して、モノマーエマルションを調製した。
(重合工程)
 冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機 備えた反応容器に、調製したモノマーエマ ションを仕込み、次いで、反応容器を窒素 換した後、70℃に昇温し、3時間重合するこ により、固形分濃度20%の無機-ポリマー複合 材のエマルションを得た。

  比較例8
(水分散液調製工程)
 水155重量部に、20重量%乳化剤液(アニオン性 非反応性乳化剤、商品名:ハイテノールLA-16、 第一工業製薬社製)2.5重量部(固形分濃度で0.5 量部)および20%分散剤液(シャロールAN-103P、 分子分散剤、第一工業製薬社製)2.5重量部( 形分で0.5重量部)を加えて、さらに酢酸を加 てpH4.0の水分散液を調製した。
(モノマーエマルション調製工程)
 アクリル酸ブチル100重量部、ヘキサデカン5 重量部、3-メタクリロイルオキシプロピル-ト リメトキシシラン(KBM-503、信越化学社製)0.05 量部、開始剤(ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチ ルプロピオネート)、油溶性アゾ系開始剤、 品名:V-601、和光純薬社製)0.25重量部を混合し て油相液を調製した。

 次いで、この油相液と水分散液とを混合し TKホモミキサー(プライミクス社製)を用いて 1分間、6000(1/min)で、攪拌し強制乳化して、モ ノマープレエマルションを調製した。次いで 、このモノマープレエマルションを、高圧ホ モジナイザー(PANDA 2K)を用いて、圧力100MPaで2 パス処理し、これに20重量%分散剤液(高分子 散剤、商品名:SNディスパーサント5045、サン プコ社製)2.5重量部(固形分で0.5重量部)を加 てモノマーエマルションを得た。
(重合工程)
 冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機 備えた反応容器に、調製したモノマーエマ ションを仕込み、次いで、反応容器を窒素 換した後、70℃に昇温し、3時間重合するこ により固形分濃度40%のポリマーのエマルシ ンを得た。

 その後、調製したポリマーのエマルショ の固形分100重量部に対して、20重量%乳化剤 (アニオン性非反応性乳化剤、商品名:ハイ ノールLA-16、第一工業製薬社製)を固形分で1. 5重量部加え、さらに粘度調整剤(商品名SNシ クナー634、サンノプコ社製)を固形分で0.3重 部加えることにより、固形分濃度40%のポリ ーのエマルションを得た。

  比較例9
(水分散液調製工程)
 水163重量部に、20重量%乳化剤液(アニオン性 非反応性乳化剤、商品名:ハイテノールLA-16、 第一工業製薬社製)2.5重量部(固形分濃度で0.5 量部)および20%分散剤液(シャロールAN-103P、 分子分散剤、第一工業製薬社製)2.5重量部( 形分で0.5重量部)を加え、さらに酢酸を加え pH4.0の水分散液を調製した。
(モノマー分散液調製工程)
 アクリル酸ブチル100重量部、ヘキサデカン5 重量部、3-メタクリロイルオキシプロピル-ト リメトキシシラン(KBM-503、信越化学社製)0.05 量部、開始剤(ジメチル2,2’-アゾビス(2-メチ ルプロピオネート)、油溶性アゾ系開始剤、 品名:V-601、和光純薬社製)0.25重量部を混合し て油相液を調製した。これにアエロジルR8200( ヒュームドシリカ、1次平均粒子径12nm、ヘキ メチルジシラザン処理、日本アエロジル社 )5重量部を加え、これを超音波ホモジナイ ーで3分間撹拌混合してモノマー分散液を含 油相液を得た。
(モノマーエマルション調製工程)
 次いで、油相液と水分散液とを混合し、TK モミキサー(プライミクス社製)を用いて1分 、6000(1/min)で、攪拌し強制乳化して、モノマ ープレエマルションを調製した。次いで、こ のモノマープレエマルションを、高圧ホモジ ナイザー(PANDA 2K)を用いて、圧力100MPaで2パス 処理して、モノマーエマルションを得た。
(重合工程)
 冷却管、窒素導入管、温度計および攪拌機 備えた反応容器に、調製したモノマーエマ ションを仕込み、次いで、反応容器を窒素 換した後、70℃に昇温し、3時間重合するこ により、固形分濃度40%の無機-ポリマー複合 材のエマルションを得た。

  比較例10
(水分散液調製工程)
 アエロジルR8200(ヒュームドシリカ、1次平均 粒子径12nm、ヘキサメチルジシラザン処理、 本アエロジル社製)10重量部を水70重量部に加 え、これに50%分散剤液(EFKA4550、ポリアクリル 酸系分散剤、チバ・スペシャリティ・ケミカ ルズ社製)20重量部(固形分で10重量部)を加え これを超音波ホモジナイザーで3分間撹拌混 して、固形分濃度10%の水分散液を得た。
(無機-ポリマー複合材を調製する工程)
 比較例8で調製したポリマーのエマルション の固形分100重量部に対して、20重量%乳化剤液 (アニオン性非反応性乳化剤、商品名:ハイテ ールLA-16、第一工業製薬社製)を固形分で1.5 量部加えた。これに水分散液を固形分で5重 量部加え、さらに粘度調整剤(商品名SNシック ナー634、サンノプコ社製)を固形分で0.3重量 加えることにより、固形分濃度40%の無機-ポ マー複合材のエマルションを得た。

  比較例11
(水分散液調製工程)
 ルーセンタイトSWN(親水性の層状粘土鉱物、 各層の最大長さ:50nm、コープケミカル社製)5 量部を水92.5重量部に加え、24時間静置した これに20%分散剤液(シャロールAN-103P、高分子 分散剤、第一工業製薬社製)5重量部(固形分で 1重量部)を加え、これを超音波ホモジナイザ で3分間攪拌混合して、固形分濃度5%の層状 土鉱物水分散液を得た。
(無機-ポリマー複合材を調製する工程)
 比較例8で調製したポリマーのエマルション の固形分100重量部に対して、20重量%乳化剤液 (アニオン性非反応性乳化剤、商品名:ハイテ ールLA-16、第一工業製薬社製)を固形分で1.5 量部加えた。これに水分散液を固形分で5重 量部加え、さらに粘度調整剤(商品名SNシック ナー634、サンノプコ社製)を固形分で0.3重量 加えることにより、固形分濃度40%の無機-ポ マー複合材のエマルションを得た。

  (評価)
1) 油滴のメジアン径
 実施例1~32、参考比較例1~5および比較例1~9に より得られたモノマーエマルションについて 、レーザー回折散乱式粒度分布計(LS13 320、 ーザー光源:レーザーダイオードおよびタン ステンランプ、波長450~900nm、ベックマンコ ルター社製)を用いて、油滴の体積基準の平 均メジアン径を測定した。その結果を表8に す。

2) 無機-ポリマー複合材のメジアン径
 実施例1~32および比較例1~9により得られた無 機-ポリマー複合材について、レーザー回折 乱式粒度分布系(LS 13 320、レーザー光源:レ ザーダイオードおよびタングステンハロゲ ランプ、波長450~900nm、ベックマンコールタ 社製)を用いて、平均メジアン径を測定した 。その結果を表9に示す。

 なお、参考比較例1~5では、凝集物が多数 生していた。

3) 重合安定性(凝集物率)
 実施例1~32、参考比較例1~5および比較例1~9に より得られた無機-ポリマー複合材の製造後 エマルションをナイロンメッシュ(#80)で濾過 した後、ナイロンメッシュに残存した凝集物 と、反応容器および攪拌羽根に付着した凝集 物との総量を計量し、下記式により凝集物率 を算出した。その結果を表10に示す。

 凝集物率(%)={(A+B)/C}×100
  A:ナイロンメッシュに残存した凝集物の重 量
  B:反応容器および攪拌羽根に付着した凝集 物の重量
  C:油相液成分、ヘキサデカン、親水性の粘 土鉱物および親水性無機化合物および疎水性 無機化合物の総重量

4) ヘイズ
 実施例1~7、31、比較例1~5および8~11により得 れた無機-ポリマー複合材のエマルションを 、離型フィルム(ポリエチレンテレフタレー 基材、ダイヤホイル MRF38、三菱化学ポリエ テル社製)上に、乾燥後の厚みが25μmおよび1 00μmとなるようにコーティングして、その後 熱風循環式オーブンで、120℃で5分間乾燥さ せて、離型フィルム上に無機-ポリマー複合 からなるフィルムを形成した。

 これを50mm×50mmに切断したものを4枚重ねて20 0μmにしたものを、ヘイズメーターHM-150型(村 色彩技術研究所社製)により、ヘイズを測定 した。その結果を表11に示す。
 なお、比較例2~5では、層状粘土鉱物が凝集 易く、フィルム(シート)状にコーティング ると、平滑かつ透明なフィルムを得ること できなかった。

5) 接着力
 実施例1~4、31、比較例1、3、4および8~11によ 得られた無機-ポリマー複合材のエマルショ ンを、ルミラーS10#12(ポリエステルフィルム 東レ社製)上に、乾燥後の厚みが25μmとなる うにコーティングして、その後、熱風循環 オーブンで、120℃で5分間乾燥させて、ポリ チレンテレフタレート基材上に無機-ポリマ ー複合材からなる複合材フィルムを形成し、 これを評価サンプルとした。

 これらのサンプルを、幅25mmに切断し、こ れを、プロピレン板およびガラス板(コーニ グ#1737、コーニング社製)に貼着し、2kgのゴ ローラーを1往復させて圧着して、50℃、0.5MP aのオートクレーブ中に15分間放置し、次いで 、25℃に冷却して、90°剥離接着力(剥離速度30 0mm/min)を測定した(初期接着力)。

 また、オートクレーブ中で放置した後、さ に、60℃、および、60℃/90%RHの雰囲気下で、 24時間それぞれ放置し、次いで、25℃に冷却 て、90°剥離接着力(剥離速度300mm/min)をそれ れ測定した。その結果を表12に示す。
 なお、接着性は、剥離接着力の値が高いほ 、良好であることを示す。

6) 応力-歪み測定
 実施例1~5、31、比較例1~3、4および8~11により 得られた無機-ポリマー複合材のエマルショ を、MFR(ポリエステルフィルム、三菱化学ポ エステルフィルム社製)上に、乾燥後の厚み が25μmとなるようにコーティングして、その 、熱風循環式オーブンで、120℃で5分間乾燥 させて、ポリエチレンテレフタレート基材上 にフィルム(粘着剤層)を形成し、これを評価 ンプルとした。

 これらのサンプルを30mm×40mmに切断し、離型 フィルムから剥がしながら、空気をかみこま ないように、粘着剤層を端から丸め、長さ30m mの円筒状のポリマー複合材の試験片を形成 た。
 この試験片の長手方向両端の10mmの部分を引 張り試験機TG-1KN(ミネベア社製)でそれぞれ挟 だ。そして、引張り速度50mm/分で応力―歪 試験を実施して、初期弾性率、破断強度、 断伸び、最大応力を求めた。その結果を表13 に示す。

7)動的粘弾性測定
 実施例1~5、比較例1、3および4により得られ 無機-ポリマー複合材のエマルションを、MFR (ポリエステルフィルム、三菱化学ポリエス ルフィルム社製)上に、乾燥後の厚みが25μm なるようにコーティングして、その後、熱 循環式オーブンで、120℃で5分間乾燥させて ポリエチレンテレフタレート基材上にフィ ム(粘着剤層)を形成し、これを評価サンプ とした。

 これらのサンプルを、厚みが2±0.2mmにな ように重ね合わせたものを測定サンプルと た。作製したサンプルを、直径7.9mmの円形状 に打ち抜き、これを直径7.9mmのパラレルプレ トに挟んで荷重100gを加え、粘弾性スペクト ロメーターARES(レオメトリックサイエンティ ィックス社製)を用いて周波数1Hzで温度20℃ よび80℃における貯蔵弾性率(G‘)、損失弾 率(G“)および損失正接(tanδ)をそれぞれ測定 た。その結果を表14に示す。

8) SEM観察
 実施例13~18および20~30により得られた無機- リマー複合材のエマルションを水で希釈し 試料台に滴下した後、30℃で30分乾燥した。 いで、Pt-Pdスパッタリングを5秒間施した後 加速電圧が0.1~1kVのFE-SEM(HITACHI製 S-4800)を用 て、SEM観察した。

 これらSEM写真の画像処理図を、図8~図13、図 15および図17~図26にて示す。
9) TEM観察
 実施例1、2、4、8~10、19、20、31、32および比 例7により得られた無機-ポリマー複合材の マルションを水で希釈し、その1滴をカーボ 膜付TEM用試料台に滴下、乾燥した後、日立 過型電子顕微鏡Hitachi H-7650を用いて加速電 100kVにて観察した。

 また、比較例3~6および8~11により得られた 無機-ポリマー複合材のエマルションをエポ シ樹脂中に包埋した後、2%のルテニウム酸水 溶液中で3時間処理することにより染色を行 、これを超ミクロトーム(Ultracut S,ライカ社 )により厚み約80nmに切削し、次いで、この 薄切片の断面を日立透過型電子顕微鏡Hitachi H-7650を用いて加速電圧100kVにて観察した。

 これらTEM写真の画像処理図を、図2~図7、図1 4、図16および図27~図37にて示す。
 なお、上記説明は、本発明の例示の実施形 として提供したが、これは単なる例示にす ず、限定的に解釈してはならない。当該技 分野の当業者によって明らかな本発明の変 例は、後記の特許請求の範囲に含まれるも である。

 本発明の無機-ポリマー複合材は、各種工 業分野において、放熱性材料や導電性材料と して好適に用いられ、また、粘着剤層や粘着 フィルムとしても、好適に用いられる。