京セラ株式会社 (〒01 京都府京都市伏見区竹田鳥羽殿町6番地 Kyoto, 6128501, JP)
| 上面と側面とを備えたインサート本体部と、 前記上面と前記側面との交差部の一方に形成される第1切刃と、 前記上面と前記側面との交差部の他方に形成されるとともに上面視で前記第1切刃の仮想延長線か、または前記第1切刃と外方に向かって凸となるよう交差する第2切刃と、 前記第1切刃に沿って前記上面に凹状に形成されるとともに前記第1切刃のうち前記第2切刃側の端部における溝幅が最も大きい第1ブレーカ溝と、 前記第2切刃に沿って前記上面に凹状に形成されるとともに前記第2切刃のうち前記第1切刃側の端部における溝幅が最も大きい第2ブレーカ溝と、 を有したドリル用インサート。 |
| 前記第1ブレーカ溝は、前記第2切刃側の端部に向かうにつれて溝幅が大きくなるよう形成されている請求項1記載のドリル用インサート。 |
| 前記第2ブレーカ溝は、前記第1切刃側の端部に向かうにつれて溝幅が大きくなるよう形成されている請求項1または2記載のドリル用インサート。 |
| 上面視で、前記第1切刃の仮想延長線か、または前記第1切刃と前記第2切刃とのなす角度が、15°~30°である請求項1~3のいずれかに記載のドリル用インサート。 |
| 前記第1ブレーカ溝を構成する面部のうち前記上面の中央側に位置し前記上面の外方から内方に向かうにつれて高位となるように傾斜するとともに前記第1切刃のうち前記第2切刃側の端部における立ち上がり角が最も小さい第1立ち上がり面部と、 前記第2ブレーカ溝を構成する面部のうち前記上面の中央側に位置し前記上面の外方から内方に向かうにつれて高位となるように傾斜するとともに前記第2切刃のうち前記第1切刃側の端部における立ち上がり角が最も小さい第2立ち上がり面部と、を更に有した請求項1~4のいずれかに記載のドリル用インサート。 |
| 前記第1ブレーカ溝を構成する面部のうち前記第1切刃側に位置し前記上面の外方から内方に向かうにつれて低位となるように傾斜するとともに前記第1切刃のうち前記第2切刃側の端部におけるすくい角が最も小さい第1すくい面部と、 前記第2ブレーカ溝を構成する面部のうち前記第2切刃側に位置し前記上面の外方から内方に向かうにつれて低位となるように傾斜するとともに前記第2切刃のうち前記第1切刃側の端部におけるすくい角が最も小さい第2すくい面部と、を更に有した請求項1~5のいずれかに記載のドリル用インサート。 |
| 上面と側面とを備えたインサート本体部と、 前記上面と前記側面との交差部の一方に形成される第1切刃と、 前記上面と前記側面との交差部の他方に形成されるとともに上面視で前記第1切刃の仮想延長線か、または前記第1切刃と外方に向かって凸となるよう交差する第2切刃と、 前記第1切刃に沿って前記上面に凹状に形成される第1ブレーカ溝と、 前記第2切刃に沿って前記上面に凹状に形成される第2ブレーカ溝と、 前記第1ブレーカ溝を構成する面部のうち前記上面の中央側に位置し前記上面の外方から内方に向かうにつれて高位となるように傾斜するとともに前記第1切刃のうち前記第2切刃側の端部における立ち上がり角が最も小さい第1立ち上がり面部と、 前記第2ブレーカ溝を構成する面部のうち前記上面の中央側に位置し前記上面の外方から内方に向かうにつれて高位となるように傾斜するとともに前記第2切刃のうち前記第1切刃側の端部における立ち上がり角が最も小さい第2立ち上がり面部と、を有したドリル用インサート。 |
| 前記第1立ち上がり面部は、前記第2切刃側の端部に向かうにつれて立ち上がり角が小さくなるよう形成されている請求項7記載のドリル用インサート。 |
| 前記第2立ち上がり面部は、前記第1切刃側の端部に向かうにつれて立ち上がり角が小さくなるよう形成されている請求項7または8記載のドリル用インサート。 |
| 前記第1ブレーカ溝を構成する面部のうち前記第1切刃側に位置し前記上面の外方から内方に向かうにつれて低位となるように傾斜するとともに前記第1切刃のうち前記第2切刃側の端部におけるすくい角が最も小さい第1すくい面部と、 前記第2ブレーカ溝を構成する面部のうち前記第2切刃側に位置し前記上面の外方から内方に向かうにつれて低位となるように傾斜するとともに前記第2切刃のうち前記第1切刃側の端部におけるすくい角が最も小さい第2すくい面部と、を更に有した請求項7~9のいずれかに記載のドリル用インサート。 |
| 上面と側面とを備えたインサート本体部と、 前記上面と前記側面との交差部の一方に形成される第1切刃と、 前記上面と前記側面との交差部の他方に形成されるとともに上面視で前記第1切刃の仮想延長線か、または前記第1切刃と外方に向かって凸となるよう交差する第2切刃と、 前記第1切刃に沿って前記上面に凹状に形成される第1ブレーカ溝と、 前記第2切刃に沿って前記上面に凹状に形成される第2ブレーカ溝と、 前記第1ブレーカ溝を構成する面部のうち前記第1切刃側に位置し前記上面の外方から内方に向かうにつれて低位となるように傾斜するとともに前記第1切刃のうち前記第2切刃側の端部におけるすくい角が最も小さい第1すくい面部と、 前記第2ブレーカ溝を構成する面部のうち前記第2切刃側に位置し前記上面の外方から内方に向かうにつれて低位となるように傾斜するとともに前記第2切刃のうち前記第1切刃側の端部におけるすくい角が最も小さい第2すくい面部と、を有したドリル用インサート。 |
| 前記第1すくい面部は、前記第2切刃側の端部に向かうにつれてすくい角が小さくなるよう形成されている請求項11記載のドリル用インサート。 |
| 前記第2すくい面部は、前記第1切刃側の端部に向かうにつれてすくい角が小さくなるよう形成されている請求項11または12記載のドリル用インサート。 |
| 前記第1ブレーカ溝と前記第1切刃との間に前記第1切刃に沿って形成されるとともに前記第1切刃のうち前記第2切刃側の端部におけるランド幅が最も大きい第1ランドと、 前記第2ブレーカ溝と前記第2切刃との間に前記第2切刃に沿って形成されるとともに前記第2切刃のうち前記第1切刃側の端部におけるランド幅が最も大きい第2ランドと、を更に有した請求項1~13のいずれかに記載のドリル用インサート。 |
| 前記第1ランドは、前記第2切刃側の端部に向かうにつれてランド幅が大きくなるよう形成されている請求項14記載のドリル用インサート。 |
| 前記第2ランドは、前記第1切刃側の端部に向かうにつれてランド幅が大きくなるよう形成されている請求項14または15記載のドリル用インサート。 |
| 前記上面と前記側面とは異なる他の側面との交差部の少なくとも一部に形成される第3切刃と、 該第3切刃に沿って前記上面に凹状に形成されるとともに前記第3切刃の一端から他端に向かうにつれて溝幅が大きい第3ブレーカ溝と、を更に有した請求項1~16のいずれかに記載のドリル用インサート。 |
| 先端部に形成されたインサートポケットを備えたホルダと、 前記第1切刃の少なくとも一部および前記第2切刃の少なくとも一部を前記ホルダの先端から突出させて前記インサートポケットに取り付けられた請求項1~17のいずれかに記載のドリル用インサートと、を有したドリル。 |
| 前記第1切刃が、前記第2切刃から遠ざかるにつれて前記ホルダの先端側から基端側に向かって傾斜している請求項18に記載のドリル。 |
| 前記第2切刃が、前記第1切刃から遠ざかるにつれて前記ホルダの先端側から基端側に向かって傾斜している請求項18または19記載のドリル。 |
| 先端部の中心軸側に形成された内刃用インサートポケットと先端部の外周側に形成された外刃用インサートポケットとを備えたホルダと、 前記第1切刃の少なくとも一部および前記第2切刃の少なくとも一部を前記ホルダの先端から突出させて前記外刃用インサートポケットに取り付けられた請求項1~17のいずれかに記載のドリル用インサートと、 前記第3切刃の少なくとも一部を前記ホルダの先端から突出させて前記内刃用インサートポケットに取り付けられた請求項17記載のドリル用インサートと、を有したドリル。 |
| 前記第3ブレーカ溝の溝幅は、前記ホルダの外周側に向かうにつれて増大している請求項21記載のドリル。 |
| 請求項18~22のいずれかに記載のドリルおよび被削材の少なくとも一方を回転させ、前記ドリルの前記第1切刃、前記第2切刃および前記第3切刃を前記被削材に近接させる工程と、 前記ドリルの前記第1切刃、前記第2切刃および前記第3切刃の少なくとも一部を前記被削材の表面に接触させ、前記被削材を切削する工程と、 前記被削材から前記第1切刃、前記第2切刃および前記第3切刃を離間させる工程と、を有した被削材の切削方法。 |
本発明は、穴加工用の穴あけ工具に装着 れるドリル用インサートおよびこれを用い ドリル、並びに被削材の切削方法に関する
従来から金属等の被削材に穴加工を行う あけ工具として、スローアウェイ式ドリル ある。このドリルは、略円柱状をなすホル の先端部に、穴底面内周側を切削する内切 部を備えた内刃インサートと、穴底面外周 を切削する外切刃部を備えた外刃インサー とを着脱自在に装着する。このとき、内切 部と外切刃部との回転軌跡は互いに交叉す 。
ここで、前記内切刃部と外切刃部とを両 備えたドリル用インサートがある(例えば、 特許文献1参照)。このようなドリル用インサ ト(以下、単に「インサート」とも言う。) 、内刃インサートおよび外刃インサートの ずれにも使用することができるので便利で る。
特許文献1に記載されているようなインサ ートは、多角形板状をなすインサート本体部 の上面と側面との交差部に切刃を有している 。この切刃は、内切刃部とこの内切刃部に隣 接する外切刃部とを有している。上面の中央 部には、インサートの下面にまで貫通する貫 通穴が形成されている。この貫通穴は、イン サートをホルダのインサートポケットに固定 するためのものであり、インサートは、該貫 通穴の中心軸に対して180度回転対称な形状で ある。
また、上面には、ブレーカ溝が切刃に沿 て凹状に形成されている。ブレーカ溝は切 を処理するためのものであり、切刃から順 、すくい面部および立ち上がり面部を有し いる。すくい面部のすくい角および立ち上 り面部の立ち上がり角は、それぞれ被削材 応じて任意の角度に調整される。
このようなインサートは、一本のホルダ 2つ装着して使用される。2つのインサート うち、一方が内刃インサート、他方が外刃 ンサートとしてホルダの先端部に装着され 。具体的には、略円柱状をなすホルダの先 部に、内刃インサートがホルダの径方向内 に、外刃インサートがホルダの径方向外側 、それぞれ取付け方向を変えて装着される
すなわち、内刃インサートは内切刃部が 外刃インサートは外切刃部が、それぞれホ ダの軸方向先端から突出するように装着さ る。このとき、軸方向先端側における内切 部と外切刃部との回転軌跡は互いに交叉す 。そして、ホルダを、該ホルダの軸線を中 に回転させて、内刃インサート,外刃インサ ートにて被削材に穴加工を行う。
ここで、インサートにおける内切刃部,外 切刃部は、それぞれインサートの上面視で凸 状に屈曲する屈曲部を有している。この屈曲 部は、内切刃部と外切刃部とにかかる切削抵 抗のバランスを調整するためのものである。 ところが、このような屈曲部を有すると、イ ンサートをホルダに取付けた状態において、 屈曲部を境に穴底面に対し互いに逆の傾きを 持つ切刃が切刃部内に形成される。
すなわち、内刃インサートにおける内切 部には、屈曲部を境に穴底面に対し互いに の傾きを持つ内切刃部が形成される。そし 、外刃インサートにおける外切刃部には、 曲部を境に穴底面に対し互いに逆の傾きを つ外切刃部が形成される。
このようなインサートを用いて穴加工を行
と、屈曲部を境に逆方向から切屑が生成し
くるので、部分的に生成した切屑同士が衝
してしまう。そのため、屈曲部付近で生成
れる切屑が大きく絞られ、屈曲部付近での
屑厚みが増大してしまう。その結果、当該
に対応するブレーカ溝の壁面に切屑が溶着
たり、当該部で局部的に切削抵抗が増大し
切刃が欠損したりする等の問題があった。
の問題は、回転速度の速い外切刃部におい
顕著であった。
本発明の課題は、優れた切屑排出性を有 るドリル用インサートおよびドリル、並び 被削材の切削方法を提供することである。
本発明のドリル用インサートは、上面と 面とを備えたインサート本体部と、前記上 と前記側面との交差部の一方に形成される 1切刃と、前記上面と前記側面との交差部の 他方に形成される第2切刃と、を有している この第2切刃は、上面視で、前記第1切刃の仮 想延長線か、または前記第1切刃と外方に向 って凸となるよう交差する。そして、更に 前記第1切刃に沿って前記上面に凹状に形成 れるとともに前記第1切刃のうち前記第2切 側の端部における溝幅が最も大きい第1ブレ カ溝と、前記第2切刃に沿って前記上面に凹 状に形成されるとともに前記第2切刃のうち 記第1切刃側の端部における溝幅が最も大き 第2ブレーカ溝と、を有している。
本発明の他のドリル用インサートは、上 と側面とを備えたインサート本体部と、前 上面と前記側面との交差部の一方に形成さ る第1切刃と、前記上面と前記側面との交差 部の他方に形成される第2切刃と、を有して る。この第2切刃は、上面視で、前記第1切刃 の仮想延長線か、または前記第1切刃と外方 向かって凸となるよう交差する。そして、 1ブレーカ溝が、前記第1切刃に沿って前記上 面に凹状に形成され、第2ブレーカ溝が、前 第2切刃に沿って前記上面に凹状に形成され 。さらに、第1立ち上がり面部が、前記第1 レーカ溝を構成する面部のうち前記上面の 央側に位置し前記上面の外方から内方に向 うにつれて高位となるように傾斜するとと に、前記第1切刃のうち前記第2切刃側の端部 における立ち上がり角が最も小さくなるよう 形成される。また、第2立ち上がり面部が、 記第2ブレーカ溝を構成する面部のうち前記 面の中央側に位置し前記上面の外方から内 に向かうにつれて高位となるように傾斜す とともに前記第2切刃のうち前記第1切刃側 端部における立ち上がり角が最も小さくな よう形成される。
本発明のさらに他のドリル用インサート 、上面と側面とを備えたインサート本体部 、前記上面と前記側面との交差部の一方に 成される第1切刃と、前記上面と前記側面と の交差部の他方に形成される第2切刃と、を している。この第2切刃は、上面視で、前記 1切刃の仮想延長線か、または前記第1切刃 外方に向かって凸となるよう交差する。そ て、第1ブレーカ溝が、前記第1切刃に沿って 前記上面に凹状に形成され、第2ブレーカ溝 、前記第2切刃に沿って前記上面に凹状に形 される。さらに、第1すくい面部が、前記第 1ブレーカ溝を構成する面部のうち前記第1切 側に位置し前記上面の外方から内方に向か につれて低位となるように傾斜するととも 、前記第1切刃のうち前記第2切刃側の端部 おけるすくい角が最も小さくなるよう形成 れる。また、第2すくい面部が、前記第2ブレ ーカ溝を構成する面部のうち前記第2切刃側 位置し前記上面の外方から内方に向かうに れて低位となるように傾斜するとともに前 第2切刃のうち前記第1切刃側の端部における すくい角が最も小さくなるよう形成される。
本発明のドリルは、先端部に形成された ンサートポケットを備えたホルダと、前記 1切刃の少なくとも一部および前記第2切刃 少なくとも一部を前記ホルダの先端から突 させて前記インサートポケットに取り付け れた前記ドリル用インサートと、を有して る。
本発明の被削材の切削方法は、以下の(i)~(ii
i)の工程を有する。
(i)前記ドリルおよび被削材の少なくとも一方
を回転させ、前記ドリルの前記第1切刃、前
第2切刃および前記第3切刃を前記被削材に近
接させる工程
(ii)前記ドリルの前記第1切刃、前記第2切刃お
よび前記第3切刃の少なくとも一部を前記被
材の表面に接触させ、前記被削材を切削す
工程
(iii)前記被削材から前記第1切刃、前記第2切
および前記第3切刃を離間させる工程
本発明のドリル用インサートは、上面視 第2切刃が第1切刃の仮想延長線か、または 1切刃と外方に向かって凸となるよう交差す ので、前記した上面視で凸状に屈曲する屈 部を有する。前記屈曲部に対応するブレー 溝の溝幅が、該屈曲部以外に対応する他の レーカ溝の溝幅よりも大きく形成される。 れにより、前記屈曲部付近において生成す 切屑の厚みは増大するものの、当該部に対 するブレーカ溝の溝幅が拡がっているので 生成する切屑がスムーズに流れる。したが て、本発明のドリル用インサート、および れを用いるドリル、並びに被削材の切削方 によれば、ブレーカ溝の壁面に切屑が溶着 たり、切削抵抗が増大したりするのを抑制 ることができ、優れた切屑排出性を示すこ ができるという効果を有する。
本発明の他のドリル用インサートは、上 視で第2切刃が第1切刃の仮想延長線か、ま は第1切刃と外方に向かって凸となるよう交 するので、前記した上面視で凸状に屈曲す 屈曲部を有する。前記屈曲部に対応するブ ーカ溝の立ち上がり面部の立ち上がり角が 該屈曲部以外に対応する他のブレーカ溝の ち上がり面部の立ち上がり角よりも小さく 成される。これにより、生成する切屑がス ーズに流れる。したがって、本発明の他の リル用インサート、およびこれを用いるド ル、並びに被削材の切削方法によれば、ブ ーカ溝の壁面に切屑が溶着したり、切削抵 が増大したりするのを抑制することができ 優れた切屑排出性を示すことができる。
本発明のさらに他のドリル用インサート 、上面視で第2切刃が第1切刃の仮想延長線 、または第1切刃と外方に向かって凸となる う交差するので、前記した上面視で凸状に 曲する屈曲部を有する。前記屈曲部に対応 るブレーカ溝のすくい面部のすくい角が、 屈曲部以外に対応する他のブレーカ溝のす い面部のすくい角よりも小さく形成される これにより生成する切屑がスムーズに流れ 。したがって、本発明のさらに他のドリル インサート、およびこれを用いるドリル、 びに被削材の切削方法によれば、ブレーカ の壁面に切屑が溶着したり、切削抵抗が増 したりするのを抑制することができ、優れ 切屑排出性を示すことができる。
<ドリル用インサート>
(第1の実施形態)
以下、本発明のインサートにかかる第1の実
施形態について図1~図3を参照して詳細に説明
する。図1,図2に示すように、本実施形態にか
かるインサート10は、インサート本体部の上
1と、逃げ面をなす側面2との交差部に形成
れた切刃3とを有している。前記インサート
体部は板状、具体的には多角形板状である
前記インサート本体部は、例えば超硬合金
サーメット、セラミックス等の焼結体に膜
被覆したものからなる。
前記膜は、インサート10の耐摩耗性を改 するためのものである。前記膜の組成とし は、例えば炭化チタン、窒化チタン、炭窒 チタン等のチタン系化合物や、アルミナ等 挙げられる。また、膜は少なくとも1層であ ばよく、複数層で構成されていてもよい。 お、前記インサート本体部としては、この うな膜を被覆したものに限定されるもので なく、膜を被覆しない超硬合金、サーメッ 、セラミックス等の焼結体からなるものを いてもよい。
上面1の中央部には、インサート本体部の 下面15にまで貫通する貫通穴50が形成されて る。この貫通穴50は、インサート10を後述す ホルダに固定するためのものである。イン ート10は、該貫通穴50の中心軸に対して180度 回転対称な形状である。これにより、使用し ている一方の切刃が摩耗した際には、インサ ート10を180度回転させ、使用していない他方 切刃を用いることができるので経済的であ 。
切刃3は、穴底面内周側を切削する内切刃 部4と、この内切刃部4に隣接し穴底面外周側 切削する外切刃部5とを有している。内切刃 部4および外切刃部5は、それぞれインサート1 0の上面視で凸状に屈曲する屈曲部6を有して る。
また、外切刃部5は、その一端側に上面視 でインサート本体部から外方に突出した突出 部13を有している。これにより、外切刃部5の 被削材への食い付きを向上させ、切刃の欠損 を抑制することができる。突出部13はR端部13a ,13bを有している。R端部13a,13bとは、上面視で 、曲線部分の両端に各々連続する直線のなす 角が直角に近いものを意味する。具体的には 、前記直線がなす角は、60°~160°の範囲であ 。また、R端部13bに隣接して凹状切刃部を設 、突出部とその他の切刃部との段差が大き なる構成とすることで、切屑を分断するこ ができ、切屑排出性を向上させることがで る。具体的には、後述する第2の実施形態の ように、前記R端部の曲線部分の両端に各々 続する直線のなす角が上記範囲のうち、よ 小さい値、すなわち鋭角とすることで、よ 段差部が大きくなる。これにより、確実に 屑を分断することができ、切屑排出性を効 的に向上させることができる。なお、外切 部5の構成は、その一端側に突出部13を設け 構成に限定されるものではなく、用途に応 て突出部13を設けない構成であってもよい。
外切刃部5に沿って、上面1にブレーカ溝7 凹状に形成されている。ブレーカ溝7は、切 屑を処理するためのものである。図3に示す うに、ブレーカ溝7は、外切刃部5から後述す るランド12を介して順に、すくい面部8および 立ち上がり面部9を有している。
すくい面部8は、ブレーカ溝7を構成する 部のうち外切刃部5側に位置し、上面1の外方 から内方に向かうにつれて低位となるように 傾斜している。すなわち、すくい面部8は、 切刃部5に対して所定のすくい角で下向きに 斜している。立ち上がり面部9は、ブレーカ 溝7を構成する面部のうち上面1の中央側に位 し上面1の外方から内方に向かうにつれて高 位となるように傾斜している。すなわち、立 ち上がり面部9は、すくい面部8からインサー 10の内側(貫通穴50側)に向かって所定の立ち がり角で上向きに傾斜している。このよう 、すくい面部8および立ち上がり部9は、外 刃部5からインサート10の内側に向かうにつ て一旦低くなった後に隆起するように形成 れている。これにより、外切刃部5によって 成する切り屑をすくい面部8上でカールさせ た後、立ち上り面部9でゼンマイ状にして排 することができる。
ここで、図1,図2に示すように、外切刃部5 は、上面1と側面2との交差部の一方(突出部13 )に形成された第1切刃5aと、前記交差部の他 方に形成された第2切刃5bとを有している。第 2切刃5bは、上面視で第1切刃5aと外方に向かっ て凸となるよう交差している。これにより、 上面視で凸状に屈曲する屈曲部6が形成され いる。
上面視で、第1切刃5aと第2切刃5bとのなす 度は、15°~30°である。これにより、内切刃 4と外切刃部5とにかかる切削抵抗のバラン を調整するという屈曲部6の効果を最適化す ことができる。
ブレーカ溝7は、第1切刃5aに沿って上面1 形成された第1ブレーカ溝7aと、第2切刃5bに って上面1に形成された第2ブレーカ溝7bとを している。そして、第1ブレーカ溝7aは、第1 切刃5aのうち第2切刃5b側の端部における溝幅 最も大きく、第2ブレーカ溝7bは、第2切刃5b うち第1切刃5a側の端部における溝幅が最も きい。第1ブレーカ溝7aの第2切刃5b側の端部 おける溝幅と、第2ブレーカ溝7bの第1切刃5a の端部における溝幅は、同じである。
つまり、図3(b)に示す外切刃部5の屈曲部6 対応するブレーカ溝の溝幅W1が、図3(a),(c)に 示す屈曲部6以外に対応する他のブレーカ溝 溝幅W2,W3よりも大きく形成されている。これ により、外切刃部5によって生成する切屑が ムーズに流れる。その結果、ブレーカ溝7の 面に切屑が溶着したり、切削抵抗が増大し りするのを抑制することができ、優れた切 排出性を示すことができる。すなわち、本 成により、生成する切屑が、屈曲部6付近で 絞られて部分的に切屑厚みが大きく増大する ことを抑制することができる。また、局部的 に切屑厚みが増大した切屑であっても、当該 切屑がブレーカ溝7の壁面に衝突する際の衝 を減少させることができる。その結果、生 する切屑をよりスムーズに排出することが きる。
前記溝幅W1としては、1~2mm程度、好ましく は1.3~1.8mmであるのがよい。前記溝幅W2,W3とし は、0.8~1.6mm程度、好ましくは1.1~1.4mmである がよい。例示したこれらの数値範囲内で前 溝幅W1~W3が前記所定の関係を満足すること 、前記した効果が高まる上で好ましい。前 溝幅W1~W3を前記所定の関係にするには、例え ば外切刃部5の立ち上がり面部9のインサート 方側端部を屈曲部6付近で外切刃部5から遠 かるように後退させ、当該部におけるブレ カ溝7の溝幅を拡げる構成にすればよい。
ブレーカ溝7の前記溝幅とは、切屑のカー ル作用に寄与する溝部の幅のことを意味する 。例えば、本実施形態のようにランド12を有 る場合は、外切刃部5に対して略垂直な断面 において、ランド12のインサート内方側端部 ら立ち上がり面部9のインサート内方側端部 までの距離がブレーカ溝7の溝幅となる。す わち、上面視で切刃に略垂直な、ランド12の インサート内方側端部から立ち上がり面部9 内方側端部までの距離がブレーカ溝7の溝幅 なる。具体的には、ブレーカ溝7の溝幅は、 前記距離のうち、下面15に平行な寸法として 投影機や断面測定器等を用いて測定するこ ができる。また、ランドを有さず切刃に連 してブレーカ溝が形成される場合は、切刃 対して略垂直な断面において、切刃から立 上がり面部9のインサート内方側端部までの 距離がブレーカ溝の幅となり、上述の場合と 同様にして、測定することができる。
また、第1ブレーカ溝7aは、第2切刃5b側の 部に向かうにつれて溝幅が大きくなるよう 成されている。第2ブレーカ溝7bは、第1切刃 5a側の端部に向かうにつれて溝幅が大きくな よう形成されている。これにより、第1切刃 5aで生成された切屑は第1ブレーカ溝7aのうち 2切刃5b側の端部とは反対側の端部と先に衝 する。また、第2切刃5bで生成された切屑は 2ブレーカ溝7bのうち第1切刃5a側の端部とは 対側の端部と先に衝突する。すなわち、第1 切刃5aおよび第2切刃5bで生成された切屑を、 レーカ溝7のうちその両端部に先に衝突させ ることができる。そのため、外切刃部5で生 された切屑がカールされる様式を、ブレー 溝7の両端部でコントロールすることができ 。その結果、切屑処理が安定し、切屑排出 が更に向上する。
ここで、ブレーカ溝7の溝幅Wを、すくい面 側幅w 8 と、立ち上がり面部側幅w 9 とからなるとする。このときに、ブレーカ溝 7の溝幅Wは、上述の関係を有するとともに、w 8 <w 9 の関係を満足する。すなわち、立ち上がり面 部9の溝幅w 9 をすくい面部8の溝幅w 8 より大きくなるよう形成する。これにより、 切屑とブレーカ壁面との衝突時の衝撃を小さ くすることができ、切屑の溶着や切刃の欠損 を効果的に抑制することができる。なお、こ こでいうすくい面部側幅w 8 とは、すくい面部8のインサート外方側端部 らブレーカ溝7の最下点までの距離のことを 味する。また、立ち上がり面部側幅w 9 とは、立ち上がり面部9のインサート内方側 部からブレーカ溝7の最下点までの距離のこ を意味する。
ブレーカ溝7において、すくい面部8のす い角としては、例えば5°~25°程度であるのが 好ましい。立ち上り面部9の立ち上がり角と ては、例えば20°~45°程度であるのが好まし 。ブレーカ溝7の深さとしては、例えば0.03~0. 15mm程度であるのが好ましい。前記すくい角 よび立ち上がり角の測定方法については、 述する第2の実施形態において詳細に説明す 。ブレーカ溝7の深さは、外切刃部5からブ ーカ溝7の最下点までの下面15に対して垂直 距離として求めることができる。
なお、ブレーカ溝7は、これらの値に限定 されるものではない。また、本実施形態にお けるブレーカ溝7の形状は、図3に示すように 断面が湾曲した形状で構成されている。し し、ブレーカ溝7は、例えば図4に示すよう 、すくい面部8と、立ち上り面部9との間に平 坦な底面11を有するような形状であってもよ 。さらには、ブレーカ溝7は、すくい面部8 複数の面で構成されたもの、例えば2段階の くい角を有してなる構成であってもよい。
一方、ブレーカ溝7と外切刃部5との間に 切刃部5に沿って形成されているランド12は 所定のランド幅を有している。ランド幅と ては、被削材や切削条件にもよるが、通常 0.05~0.15mm程度である。ランド12を有すること 、切刃強度を向上させ、切刃のチッピング 抑制することができる。
ランド12は、図1,図2に示すように、第1ブ ーカ溝7aと第1切刃5aとの間に第1切刃5aに沿 て形成される第1ランド12aと、第2ブレーカ溝 7bと第2切刃5bとの間に第2切刃5bに沿って形成 れる第2ランド12bと有している。
そして、第1ランド12aは、第1切刃5aのうち 第2切刃5b側の端部におけるランド幅が最も大 きく、第2ランド12bは、第2切刃5bのうち第1切 5a側の端部におけるランド幅が最も大きい 第1ランド12aの第2切刃5b側の端部におけるラ ド幅と、第2ランド12bの第1切刃5a側の端部に おけるランド幅は、同じである。
つまり、図3(b)に示す外切刃部5の屈曲部6 対応するランド12のランド幅が、図3(a),(c)に 示す屈曲部6以外に対応する他のランド12のラ ンド幅よりも大きく形成されている。これに より、屈曲部6付近に対応するブレーカ溝の 幅を大きく確保して切屑排出性を向上させ うえで、さらに屈曲部6付近に対応する切刃 度を高めることができる。その結果、屈曲 6付近での切刃欠損を抑制することができる 。
また、第1ランド12aは、第2切刃5b側の端部 に向かうにつれてランド幅が大きくなるよう 形成されている。第2ランド12bは、第1切刃5a の端部に向かうにつれてランド幅が大きく るよう形成されている。これにより、屈曲 6付近の切刃強度を高めつつ、屈曲部6以外の 切刃部分については切れ味を維持できる。す なわち、屈曲部6付近の切刃強度を高めると もに、屈曲部6以外の切刃部分の切削抵抗を 減させることができる。その結果、切刃強 と低抵抗を両立させることができる。なお ランド12のランド幅は、上面視で切刃に略 直な、ランド12の両端部間の距離を意味する 。前記距離は、投影機や形状測定器等を用い て測定することができる。
一方、内切刃部4に沿って、上面1にブレ カ溝16(第3ブレーカ溝)が凹状に形成されてい る。このブレーカ溝16は、ブレーカ溝7と同様 に、内切刃部4からランドを介して順に、す い面部および立ち上がり面部を有している そして、ブレーカ溝16は、内切刃部4の一端 ら他端に向かうにつれて(図1,図2中に矢印Dで 示す方向)、溝幅が大きくなるよう形成され いる。これにより、回転速度が速く切削量 多い外周側の切屑も詰まることなく、安定 てカールさせることができる。
内切刃部4の一端に位置するブレーカ溝16 溝幅は0.6~1.4mm程度、好ましくは0.8~1.2mmであ のがよい。内切刃部4の他端に位置するブレ ーカ溝16の溝幅は1.0~1.8mm程度、好ましくは1.2~ 1.6mmであるのがよい。例示したこれらの数値 囲内でブレーカ溝16が前記所定の関係を満 するのが好ましい。
また、ブレーカ溝16において、すくい面 のすくい角としては、例えば5°~20°程度であ るのが好ましい。立ち上り面部の立ち上がり 角としては、例えば20°~45°程度であるのが好 ましい。ブレーカ溝16の深さとしては、例え 0.03~0.15mm程度であるのが好ましい。なお、 レーカ溝16はこれらの値に限定されるもので はない。その他の構成は、前記したブレーカ 溝7と同様であるので、説明を省略する。
(第2の実施形態)
次に、本発明のインサートにかかる第2の実
施形態について図5および図6を参照して詳細
説明する。なお、図5,図6においては、前述
た図1~図4と同一の構成部分には同一の符号
付して説明は省略する。
図5に示すように、本実施形態にかかるイ ンサート20は、前記した第1の実施形態と同様 に、外切刃部5,内切刃部4に沿って上面1にブ ーカ溝21,25が凹状に形成されている。
ブレーカ溝21,25のうち、外切刃部5に沿っ 形成されているブレーカ溝21は、第1切刃5a 沿って上面1に形成された第1ブレーカ溝21aと 、第2切刃5bに沿って上面1に形成された第2ブ ーカ溝21bとを有している。
第1ブレーカ溝21aは、図6(a)に示すように 第1立ち上がり面部23aを有している。この第1 立ち上がり面部23aは、第1ブレーカ溝21aを構 する面部のうち上面1の中央側に位置し上面1 の外方から内方に向かうにつれて高位となる ように傾斜している。第2ブレーカ溝21bは、 6(c)に示すように、第2立ち上がり面部23bを有 している。この第2立ち上がり面部23bは、第2 レーカ溝21bを構成する面部のうち上面1の中 央側に位置し上面1の外方から内方に向かう つれて高位となるように傾斜している。
そして、第1立ち上がり面部23aは、第1切 5aのうち第2切刃5b側の端部における立ち上が り角が最も小さい。第2立ち上がり面部23bは 第2切刃5bのうち第1切刃5a側の端部における ち上がり角が最も小さい。第1立ち上がり面 23aの第2切刃5b側の端部における立ち上がり と、第2立ち上がり面部23bの第1切刃5a側の端 部における立ち上がり角は、同じである。
つまり、図6(b)に示す屈曲部6に対応する レーカ溝21の立ち上がり面部の立ち上がり角 α1が、屈曲部6以外に対応する図6(a)、(c)に示 他のブレーカ溝21の立ち上がり面部の立ち がり角α2,α3よりも小さく形成されている。 れにより、前記した第1の実施形態と同様に 、外切刃部5によって生成する切屑がよりス ーズに流れる。その結果、ブレーカ溝21の壁 面に切屑が溶着したり、切削抵抗が増大した りすることを抑制することができ、優れた切 屑排出性を示すことができる。
立ち上がり角α1としては、例えば20°~45° 度であるのが好ましい。立ち上がり角α2,α3 としては、例えば20°~45°程度であるのが好ま しい。例示したこれらの数値範囲内で,立ち がり角α1~α3が前記所定の関係を満足するの 、前記した効果が高まる上で好ましい。
立ち上がり角α1~α3は、図6に示すように 外切刃部5に略垂直な断面において、立ち上 面部23a,23bの仮想延長線L1と、下面15に平行 線とのなす角度として求めることができる なお、図6に示す本実施形態では、上面1が下 面15と略平行であるため、立ち上がり角α1~α3 は、立ち上がり面部23a,23bの仮想延長線L1とイ ンサート上面とのなす角度として図示してい る。インサート上面が凹凸形状や曲面等をな す場合には、上述のように、下面15を基準に ち上がり角α1~α3を求めることができる。
また、第1立ち上がり面部23aは、第2切刃5b 側の端部に向かうにつれて立ち上がり角が小 さくなるよう形成されている。第2立ち上が 面部23bは、第1切刃5a側の端部に向かうにつ て立ち上がり角が小さくなるよう形成され いる。これにより、第1切刃5aで生成された 屑は第1ブレーカ溝21aのうち第2切刃5b側の端 とは反対側の端部と先に衝突する。また、 2切刃5bで生成された切屑は第2ブレーカ溝21b のうち第1切刃5a側の端部とは反対側の端部と 先に衝突する。すなわち、第1切刃5aおよび第 2切刃5bで生成された切屑を、ブレーカ溝21の ちその両端部に先に衝突させることができ 。そのため、外切刃部5で生成された切屑が カールされる様式を、ブレーカ溝21の両端部 コントロールすることができる。その結果 切屑処理が安定し、切屑排出性が更に向上 る。
第1ブレーカ溝21aは、図6(a)に示すように 第1すくい面部22aを有している。第1すくい面 部22aは、第1ブレーカ溝21aを構成する面部の ち第1切刃5a側に位置し上面1の外方から内方 向かうにつれて低位となるように傾斜して る。第2ブレーカ溝21bは、図6(c)に示すよう 、第2すくい面部22bを有している。第2すくい 面部22bは、第2ブレーカ溝21bを構成する面部 うち第2切刃5b側に位置し上面1の外方から内 に向かうにつれて低位となるように傾斜し いる。
そして、第1すくい面部22aは、第1切刃5aの うち第2切刃5b側の端部におけるすくい角が最 も小さい。第2すくい面部22bは、第2切刃5bの ち第1切刃5a側の端部におけるすくい角が最 小さい。第1すくい面部22aの第2切刃5b側の端 におけるすくい角と、第2すくい面部22bの第 1切刃5a側の端部におけるすくい角は、同じで ある。
つまり、図6(b)に示す屈曲部6に対応する レーカ溝21のすくい面部のすくい角β1が、屈 曲部6以外に対応する図6(a)、(c)に示す他のブ ーカ溝21のすくい面部のすくい角β2,β3より 小さく形成されている。これにより、前記 た第1の実施形態と同様に、生成する切屑が よりスムーズに流れる。その結果、ブレーカ 溝21の壁面に切屑が溶着したり、切削抵抗が 大したりするのを確実に抑制することがで 、優れた切屑排出性を示すことができる。
すくい角β1としては、例えば5°~25°程度 あるのが好ましい。すくい角β2,β3としては 例えば5°~20°程度であるのが好ましい。例 したこれらの数値範囲内で,すくい角β1~β3が 前記所定の関係を満足するのが、前記した効 果が高まる上で好ましい。
すくい角β1~β3は、外切刃部5に略垂直な 面において、すくい面部22a,22bの仮想延長線L 2と、下面15に平行な線とがなす角度として求 めることができる。なお、図6に示す本実施 態では、上面1が下面15と略平行であるため すくい角β1~β3は、すくい面部22a,22bの仮想延 長線L2と上面1とのなす角度として図示してい る。上面が凹凸形状や曲面等をなす場合には 、上述のように、下面15を基準にすくい角β1~ β3を求めることができる。
また、すくい面部22a,22bが曲面で構成され るような場合には、図6に示すような断面図 おいて、次のように、β1~β3を求めることが きる。まず、すくい面部22a,22bとランドか、 または切刃との交点における仮想直線を作図 する。そして、該仮想直線と下面15に平行な とのなす角度をすくい角β1~β3として求める ことができる。なお、前記した立ち上がり面 部23a,23bが曲面で構成されている場合にも、 れと同様にして求めることができる。
第1すくい面部22aは、第2切刃5b側の端部に 向かうにつれてすくい角が小さくなるよう形 成されている。第2すくい面部22bは、第1切刃5 a側の端部に向かうにつれてすくい角が小さ なるよう形成されている。これにより、屈 部6付近の切刃強度を高めつつ、屈曲部6以外 の切刃部分については切れ味を維持できる。 すなわち、屈曲部6付近の切刃強度を高める ともに、屈曲部6以外の切刃部分の切削抵抗 低減させることができる。その結果、切刃 度と低抵抗を両立させることができる。
ブレーカ溝21の深さとしては、例えば0.03~ 0.15mm程度、溝幅としては、例えば1.2~2mm程度 あるのが好ましい。なお、ブレーカ溝21はこ れらの値に限定されるものではない。
一方、内切刃部4に沿って形成されている ブレーカ溝25についても、外切刃部5のブレー カ溝21と同様に、屈曲部6に対応するブレーカ 溝の立ち上がり面部の立ち上がり角が、他の ブレーカ溝の立ち上がり面部の立ち上がり角 よりも小さく形成されている。また、屈曲部 6に対応するブレーカ溝のすくい面部のすく 角が、他のブレーカ溝のすくい面部のすく 角よりも小さく形成されている。
すなわち、内切刃部4は、上面1と側面2と 交差部の一方に形成された第1切刃4aと、前 交差部の他方に形成された第2切刃4bとを有 ている。第2切刃4bは、上面視で第1切刃4aと 方に向かって凸となるよう交差している。 れにより、上面視で凸状に屈曲する屈曲部6 が形成されている。
そして、ブレーカ溝25は、前記したブレ カ溝21と同様に、第1切刃4aに沿って上面1に 成された第1ブレーカ溝25aと、第2切刃4bに沿 て上面1に形成された第2ブレーカ溝25bとを している。
第1ブレーカ溝25aは、第1立ち上がり面部( 図示)を有している。第1立ち上がり面部は 第1ブレーカ溝25aを構成する面部のうち上面1 の中央側に位置し上面1の外方から内方に向 うにつれて高位となるように傾斜している 第2ブレーカ溝25bは、第2立ち上がり面部(不 示)を有している。第2立ち上がり面部は、第 2ブレーカ溝25bを構成する面部のうち上面1の 央側に位置し上面1の外方から内方に向かう につれて高位となるように傾斜している。
そして、第1立ち上がり面部は、第1切刃4a のうち第2切刃4b側の端部における立ち上がり 角が最も小さい。第2立ち上がり面部は、第2 刃4bのうち第1切刃4a側の端部における立ち がり角が最も小さい。第1立ち上がり面部の 2切刃4b側の端部における立ち上がり角と、 2立ち上がり面部の第1切刃4a側の端部におけ る立ち上がり角は、同じである。つまり、屈 曲部6に対応するブレーカ溝25の立ち上がり面 部の立ち上がり角が、屈曲部6以外に対応す 他のブレーカ溝25の立ち上がり面部の立ち上 がり角よりも小さく形成されている。これに より、第1切刃4aおよび第2切刃4bで生成された 切屑を、ブレーカ溝25の両端部に先に衝突さ ることができる。そのため、内切刃部4で生 成された切屑のうち屈曲部6で生成される部 の厚みが大きくなっても、内切刃部4で生成 れた切屑をよりスムーズにカールさせるこ ができる。その結果、内切刃部4で生成され た切屑がブレーカ溝25に衝突して、溶着する とを抑制することができる。
また、第1ブレーカ溝25aは、第1すくい面 (不図示)を有している。第1すくい面部は、 1ブレーカ溝25aを構成する面部のうち第1切刃 4a側に位置し上面1の外方から内方に向かうに つれて低位となるように傾斜している。第2 レーカ溝25bは、第2すくい面部(不図示)を有 ている。第2すくい面部は、第2ブレーカ溝25b を構成する面部のうち第2切刃4b側に位置し上 面1の外方から内方に向かうにつれて低位と るように傾斜している。
そして、第1すくい面部は、第1切刃4aのう ち第2切刃4b側の端部におけるすくい角が最も 小さい。第2すくい面部は、第2切刃4bのうち 1切刃4a側の端部におけるすくい角が最も小 い。第1すくい面部の第2切刃4b側の端部にお るすくい角と、第2すくい面部の第1切刃4a側 の端部におけるすくい角は、同じである。つ まり、屈曲部6に位置するブレーカ溝25のすく い面部のすくい角が、屈曲部6以外に位置す 他のブレーカ溝25のすくい面部のすくい角よ りも小さく形成されている。これにより、内 切刃部4についても、前記した外切刃部5と同 の効果を奏することができる。
屈曲部6に対応するブレーカ溝25において 立ち上り面部の立ち上がり角としては、例 ば20°~45°程度、すくい面部のすくい角とし は、例えば5°~25°程度であるのが好ましい 屈曲部6以外に対応する他のブレーカ溝25に いて、立ち上り面部の立ち上がり角として 、例えば20°~45°程度、すくい面部のすくい としては、例えば5°~20°程度であるのが好ま しい。例示したこれらの数値範囲内で前記立 ち上がり角,すくい角が前記所定の関係を満 するのが好ましい。
また、ブレーカ溝25の深さとしては、例 ば0.03~0.15mm程度、溝幅としては、例えば1.2~2m m程度であるのが好ましい。なお、ブレーカ 25はこれらの値に限定されるものではない。 その他の構成は、前記した外切刃部5のブレ カ溝21と同様である。
<ドリル>
次に、本発明のドリルにかかる一実施形態
ついて、前記した第1の実施形態にかかるイ
ンサート10を装着した場合を例に挙げ、図7~
9を参照して詳細に説明する。なお、図9中、
破線で示すインサートは、実線で示すインサ
ートが180度回転した状態を示している。また
、図7~図9においては、前述した図1~図6と同一
の構成部分には同一の符号を付して説明は省
略する。
図7に示すように、本実施形態にかかるド リル30は、一本のホルダ31の先端部に2つのイ サート10を装着したものである。2つのイン ート10のうち、一方は内刃インサート10aで り,他方は外刃インサート10bである。
具体的には、ホルダ31は略円柱状をなし その後端側にホルダ31を工作機械に固定する ためのシャンク部32を有している。また、ホ ダ31の先端側には、切屑を先端からシャン 部32側へ排出するための切屑排出溝33が長手 向に沿って螺旋状に形成されている。そし 、ホルダ31の先端部には、内刃インサート10 aを取り付けるための内刃用インサートポケ ト34と,外刃インサート10bを取り付けるため 外刃用インサートポケット35とが形成されて いる。
内刃用インサートポケット34,外刃用イン ートポケット35は、いずれもホルダ31の軸線 方向先端側が開放されてなる。内刃用インサ ートポケット34は、内刃インサート10aを着脱 在に装着するためのものであり、ホルダ31 径方向内側(中心軸側)に形成されている。外 刃用インサートポケット35は、外刃インサー 10bを着脱自在に装着するためのものであり ホルダ31の径方向外側(外周側)に形成されて いる。外刃用インサートポケット35は、更に 底面外周側も開放されてなる。
そして、穴底面内周側を切削する内刃イ サート10a,穴底面外周側を切削する外刃イン サート10bが、それぞれ取付け方向を変えて内 刃用インサートポケット34,外刃用インサート ポケット35に装着される。
装着は、まず、内刃インサート10a,外刃イ ンサート10bを、内刃用インサートポケット34, 外刃用インサートポケット35にそれぞれ配置 る。このとき、図8,図9に示すように、内刃 ンサート10aは内切刃部4(第3切刃)が、外刃イ ンサート10bは外切刃部5(第1切刃5a,第2切刃5b) 、それぞれホルダ31の軸方向先端から突出す る。さらに、軸方向先端側における内切刃部 4と外切刃部5との回転軌跡が互いに交叉し、 ルダ31の軸線36から側面37までをカバーする
なお、内切刃部4,外切刃部5は、いずれも の全てをホルダ31の先端から突出させなく もよい。すなわち、被削材や切削条件に応 て、各切刃の少なくとも一部をホルダ31の先 端からそれぞれ突出させればよい。
そして、図7に示すように、内刃インサー ト10a,外刃インサート10bの貫通穴50にそれぞれ 締付けネジ51を挿通し、該締付けネジ51の先 側を内刃用インサートポケット34,外刃用イ サートポケット35に形成されたネジ穴(不図 )に螺合する。これにより、内刃インサート1 0a,外刃インサート10bが、内刃用インサートポ ケット34,外刃用インサートポケット35にそれ れ装着される。
内刃用インサートポケット34に装着され 内刃インサート10aは、ブレーカ溝16(第3ブレ カ溝)の溝幅が、ホルダ31の外周側に向かう つれて増大している。また、外刃用インサ トポケット35に装着された外刃インサート10 bは、図7,図9に示すように、第1切刃5aが、第2 刃5bから遠ざかるにつれてホルダ31の先端側 からシャンク部32側(基端側)に向かって傾斜 ている。第2切刃5bが、第1切刃5aから遠ざか につれてホルダ31の先端側からシャンク部32 (基端側)に向かって傾斜している。
また、各インサートポケットに装着され 内刃インサート10a,外刃インサート10bは、図 8に示すように、両者の上面1を同一回転方向( 矢印E方向)に向けている。すなわち、内刃イ サート10aの上面1と、外刃インサート10bの上 面1とは180度反対方向を向いた状態になって る。そして、ホルダ31を、該ホルダ31の軸線3 6を中心に回転させて、内刃インサート10a,外 インサート10bにて被削材に穴加工を行う。
ここで、インサート10における内切刃部4, 外切刃部5は、前記した通り、それぞれイン ート10の上面視で凸状に屈曲する屈曲部6を している。そのため、インサート10をホルダ 31に取付けた状態において、屈曲部6を境に穴 底面に対し互いに逆の傾きを持つ切刃が切刃 部内に形成される。
すなわち、図9に示すように、内刃インサ ート10aにおける内切刃部4には、屈曲部6を境 穴底面に対し互いに逆の傾きを持つ内切刃 4が、外刃インサート10bにおける外切刃部5 は、屈曲部6を境に穴底面に対し互いに逆の きを持つ外切刃部5(第1切刃5a,第2切刃5b)が、 それぞれの切刃部内に形成される。
そして、このような状態のインサート10 て穴加工を行うと、屈曲部6を境に逆方向(す なわち矢印I方向)から切屑が生成してくる。 ンサート10によれば、前記した理由から屈 部6を境に逆方向から切屑が生成してきても この切屑がスムーズに流れる。そのため、 レーカ溝7,16の壁面に切屑が溶着したり、切 削抵抗が増大したりするのを抑制することが できる。したがって、インサート10、および のインサート10を装着したドリル30によれば 、優れた切屑排出性を示すことができる。
なお、第1の実施形態にかかるインサート 10に代えて、第2の実施形態にかかるインサー ト20を装着した場合においても、インサート1 0を装着した場合に得られる効果と同様の効 を奏する。
<被削材の切削方法>
次に、本発明の被削材の切削方法にかかる
実施形態について、前記したドリル30を用
た場合を例に挙げ、図10(a)~(c)を参照して詳
に説明する。本実施形態にかかる被削材の
削方法は、以下の(i)~(iii)の工程を有する。
(i)図10(a)に示すように、ドリル30を、ホルダ31
の軸線36を中心に矢印Eに示す方向に回転させ
、矢印Fに示す方向に動かし、ドリル30の外切
刃部5(第1切刃5a,第2切刃5b),内切刃部4(第3切刃)
を被削材60に近接させる工程
(ii)図10(b)に示すように、ドリル30を、更に矢
Fに示す方向に動かし、ドリル30の外切刃部5
,内切刃部4の少なくとも一部を被削材60の表
に接触させ、被削材60を切削する工程(穴加
)
(iii)図10(c)に示すように、ドリル30を、矢印G
示す方向に動かし、被削材60から外切刃部5,
切刃部4を離間させる工程
ここで、ドリル30には前記したインサー 10が装着されている。したがって、ドリル30 切屑排出性および被削材への食い付きが向 し、優れた加工精度を示すことができる。 の結果、より厳しい切削条件や難易度の高 被削材に対しても良好な仕上げ面を得るこ ができる。
なお、前記(i)の工程では、ドリル30およ 被削材60の少なくとも一方を回転させればよ い。また、各切刃と被削材60とは相対的に近 けばよく、例えば被削材60を各切刃に近づ てもよい。これと同様に、前記(iii)の工程で は、被削材60と各切刃とは相対的に遠ざかれ よく、例えば被削材60を各切刃から遠ざけ もよい。切削加工を継続する場合には、ド ル30および/または被削材60を回転させた状態 を保持して、被削材60の異なる箇所にドリル3 0の各切刃を接触させる工程を繰り返せばよ 。使用している切刃が摩耗した際には、イ サート1を貫通穴50の中心軸に対して180度回 させ、未使用の切刃を用いればよい。
以上、本発明にかかるいくつかの実施形 について示したが、本発明は上述した実施 態に限定されるものではなく、本発明の要 を逸脱しない範囲で変更や改良したものに 適用できることは言うまでもない。例えば 発明は、第1の実施形態、第2の実施形態に かるそれぞれのインサートに限定されるも ではなく、第1の実施形態と第2の実施形態と を組み合わせた実施形態にかかるインサート であってもよい。このインサートによれば、 生成する切屑がよりスムーズに流れる。その 結果、ブレーカ溝の壁面に切屑が溶着したり 、切削抵抗が増大したりするのを確実に抑制 することができ、特に優れた切屑排出性を示 すことができる。
また、前記した実施形態では、内切刃部4 ,外切刃部5に沿って上面1にそれぞれブレーカ 溝が形成されている場合について説明したが 、いずれか一方の切刃に沿った上面1にのみ レーカ溝が形成されていてもよい。すなわ 、外切刃部5に沿った上面1にのみブレーカ溝 が形成されており、内切刃部4に沿った上面1 はブレーカ溝が形成されていない。その他 構成は、前記した実施形態と同様である。
また、前記した実施形態では、第2切刃5b 上面視で第1切刃5aと外方に向かって凸とな よう交差している場合について説明したが 本発明における第2切刃は、上面視で第1切 の仮想延長線と外方に向かって凸となるよ 交差していてもよい。なお、ここでいう第1 刃の仮想延長線と外方に向かって凸となる う交差する第2切刃とは、第1切刃の仮想延 線と外方に向かって凸となるよう交差する 想延長線を有する第2切刃という意味である
