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Patent Searching and Data


Title:
INSERT FOR THREAD CUTTING
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/111252
Kind Code:
A1
Abstract:
In an insert for thread cutting, a pair of cutting edge parts which project from the common edge parts of the front and rear surfaces of the insert body when viewed from the direction facing the front and rear surfaces are formed at the edge parts. On each of at least two of the four projecting surfaces of the pair of cutting edge parts directed to the front and rear surface sides, a thread cutting edge with the projecting surface serving as a rake face is formed.

Inventors:
NADA YUTAKA (JP)
ICHINOSEKI OSAMU (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/069055
Publication Date:
September 18, 2008
Filing Date:
September 28, 2007
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI MATERIALS CORP (JP)
NADA YUTAKA (JP)
ICHINOSEKI OSAMU (JP)
International Classes:
B23G5/00; B23B27/14; B23B27/22
Foreign References:
JPH11514939A1999-12-21
JP2004291104A2004-10-21
JP2006123041A2006-05-18
JP2006082168A2006-03-30
JPH08257837A1996-10-08
JPH11805A1999-01-06
JP2007061464A2007-03-15
JPH072396T
JP2001514089A2001-09-11
JP2006123041A2006-05-18
Other References:
See also references of EP 2119523A4
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (Yaesu Chuo-k, Tokyo 53, JP)
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Claims:
 インサート本体の表裏面の共通する縁部に、上記表裏面に対向する方向から見て上記縁部から突出する一対の切刃部が形成されており、これらの一対の切刃部のそれぞれ上記表裏面側を向く4つの突面のうち少なくとも2つには、該突面をすくい面とするねじ切り刃が形成されていることを特徴とするねじ切り切削用インサート。
 上記一対の切刃部は、上記表裏面に対向する方向から見たときの2つの上記突面の辺稜部が、これらの突面の間を通る上記縁部の中心線に関して対称形状とされている請求項1に記載のねじ切り切削用インサート。
 上記一対の切刃部には、それぞれ上記表裏面側同士で互い違いの切刃部がなす2つの上記突面に、該突面をすくい面とする上記ねじ切り刃が形成されている請求項1に記載のねじ切り切削用インサート。
 上記一対の切刃部には、それぞれ上記すくい面とされる2つの突面以外の他の2つの上記突面に、突起状のチップブレーカが形成されている請求項3に記載のねじ切り切削用インサート。
 上記一対の切刃部には、それぞれ上記表裏面側を向く4つの突面すべてに、該突面をすくい面とする上記ねじ切り刃が形成されている請求項1に記載のねじ切り切削用インサート。
 上記一対の切刃部には、複数の突起状のチップブレーカが形成されている請求項1に記載のねじ切り切削用インサート。
 上記チップブレーカの1つは、上記コーナ部において交差する方向に延びる上記多角形面の一対の辺稜部間に亙って延設されている請求項6に記載のねじ切り切削用インサート。
 上記すくい面は、該すくい面の辺稜部から内側に向けて漸次後退するポジすくい面とされている請求項1に記載のねじ切り切削用インサート。
 上記ポジすくい面は、段階的に後退している請求項8に記載のねじ切り切削用インサート。
 上記インサート本体の上記縁部近傍には、上記一対の切刃部のいずれか1つを指し示す指標が設けられている請求項1に記載のねじ切り切削用インサート。
 上記表裏面は上記縁部をコーナ部とする多角形面であり、該表裏面に対向する方向から見て、上記一対の切刃部のうち一方の切刃部がなす突面の突端に延びる中心線は、上記コーナ部において交差する方向に延びる上記多角形面の一対の辺稜部のうち、他方の切刃部を間にして上記一方の切刃部の反対側に位置する辺稜部と平行とされている請求項1に記載のねじ切り切削用インサート。
 上記表裏面は上記縁部をコーナ部とする多角形面であり、該表裏面に対向する方向から見て、上記一対の切刃部は、上記コーナ部において交差する方向に延びる上記多角形面の一対の辺稜部の延長線からはみ出さないように形成されている請求項1に記載のねじ切り切削用インサート。
 上記表裏面に対向する方向から見て、上記一対の切刃部は、一方の切刃部がなす突面の突端に延びる中心線に対して、他方の切刃部がなす突面の上記一方の切刃部側の辺稜部が、垂直に、または上記一方の切刃部から離間するに従い上記中心線方向に後退するように傾斜して延びている請求項1に記載のねじ切り切削用インサート。
 上記表裏面に対向する方向から見て、上記一対の切刃部には、一方の切刃部がなす突面をすくい面とするねじ切り刃と、このねじ切り刃の基端側に連なるさらい刃とが形成されるとともに、他方の切刃部は、上記一方の切刃部がなす突面の突端に延びる中心線方向において上記さらい刃よりも後退させられている請求項1に記載のねじ切り切削用インサート。
 上記表裏面に対向する方向から見て、上記突面は突端側に向かうに従い幅狭となる凸V字状面、台形状面、または凸円弧状面とされている請求項1に記載のねじ切り切削用インサート。
 
Description:
ねじ切り切削用インサート

 本発明は、インサート着脱式切削工具の工 本体に保持されてワークにねじ切り切削を すねじ切り切削用インサートに関するもの ある。
 本出願は、特願2007-61464号を基礎出願とし、 その内容を取り込むものとする。

 この種のねじ切り切削用インサートとして 、例えば特許文献1~4に、三角形平板状をな インサート本体の三角形面の各コーナ部に 該三角形面に対向する方向から見て凸V字状 をなす切刃部が形成され、この切刃部の凸V 面がすくい面とされて、その辺稜部に、ね 切りすべきネジの断面形状に対応した凸V字 をなす一対のねじ切り刃が形成されたもの 種々提案されている。また、本発明の発明 らも、特許文献5により、このようなねじ切 り切削用インサートにおいて、その切屑処理 性の向上を図ることを提案している。

特開平8-257837号公報

特開平8-294804号公報

特表平9-502396号公報

特表2001-514089号公報

特開2006-123041号公報

 ところが、これら特許文献1~5に記載の従 のねじ切り切削用インサートでは、逃げ面 インサート本体の厚さ方向に平行に延びる ガティブタイプのインサートでも、三角形 板状をなすインサート本体の表裏一対の三 形面のうち、一方の三角形面側における切 部の凸V字面だけにしか上記ねじ切り刃は形 成されていなかった。このため、一般的なネ ガティブタイプの平板状インサートでは表裏 両面の共通するコーナ部に形成された切刃が 使用可能であるのに対し、使用可能なコーナ 部の数が半減し、ただでさえ切刃として使用 される部分が小さいこの種のねじ切り切削用 インサートでは、インサート本体が超硬合金 等により形成されていても、その有効な利用 が図られているとは言い難かった。

 本発明は、このような背景の下になされ もので、1つのインサート本体で使用可能な ねじ切り刃の数を増加させて、インサート本 体の有効利用を図るとともに経済的なねじ切 り切削用インサートを提供することを目的と している。

 上記課題を解決して、このような目的を達 するために、本発明は以下の手段を採用し 。
 すなわち、本発明は、インサート本体の表 面の共通する縁部に、上記表裏面に対向す 方向から見て上記縁部から突出する一対の 刃部が形成されており、これらの一対の切 部のそれぞれ上記表裏面側を向く4つの突面 のうち少なくとも2つに、該突面をすくい面 して該すくい面の辺稜部にねじ切り刃が形 されているねじ切り切削用インサートを採 した。

 従って、このようなねじ切り切削用イン ートでは、インサート本体の表裏面の共通 る縁部に形成された一対の切刃部の合計4つ の突面のうち、少なくとも2つの突面の辺稜 にねじ切り刃が形成されているので、イン ート本体が上述の三角形平板状のような多 形平板状であって、表裏面が上記縁部をコ ナ部とする多角形面である場合でも、1つの ーナ部で少なくとも2回のねじ切り刃の使用 が可能となり、1つのインサート本体で使用 能なねじ切り刃の数を増加させることがで る。特に、上記一対の切刃部を、上記表裏 に対向する方向から見たときの2つの上記突 の辺稜部が、これらの突面の間を通る上記 部の中心線に関して対称形状となるように 成すれば、これらの突面をすくい面とする じ切り刃同士や、表裏面側の突面をすくい とするねじ切り刃同士を同一形状として使 することが可能となる。

 ところで、上述した従来のねじ切り切削 インサートにおいて一方の三角形面側のみ しかねじ切り刃が形成されないのは、この うなねじ切り切削用インサートでは、例え ワークに形成された止まり穴の内周に穴底 に向けて雌ネジ部を形成する場合など、イ サートの送り方向側に穴底面等の縦壁が存 する場合でも、極力この縦壁の近くまでね 切りを行うことができるように、上記凸V字 状の切刃部は、その二等分線が、上記三角形 面に対向する方向から見て、この切刃部が形 成されたコーナ部に交差する方向に延びる上 記三角形面の一対の辺稜部のうち一方の辺稜 部と平行となるように形成されていて、イン サート本体はこの三角形面の一方の辺稜部と 上記二等分線を送り方向に垂直にして上記工 具本体に保持されるように構成されているた めである。

 すなわち、このようなねじ切り切削用イ サートは、いわゆる勝手付きのインサート なってしまうため、他方の三角形面側にお る切刃部の凸V字面にねじ切り刃を形成して も、この他方の三角形面側のねじ切り刃によ りねじ切りを行おうとして、この凸V字面の 等分線が送り方向に垂直となるようにイン ート本体を反転させると、上記三角形面の 方の辺稜部の反対側に位置するコーナ部が り方向側に突出してしまい、上述のような 壁の近くまでねじ切りを行うことができな なってしまうのである。

 また、そもそもこのように他方の三角形 側における凸V字面の二等分線が送り方向に 垂直となるようにインサート本体を反転させ ると、元のインサート着脱式切削工具の工具 本体に取り付けることはできず、結果的に2 類の工具本体が必要となってしまう。これ 、例えばこのような勝手付きのねじ切り切 用インサートで、切刃部における表裏双方 三角形面側の凸V字面にねじ切り刃を形成し おいて、インサート本体を反転させたとき はインサート着脱式切削工具も元の工具に して鏡像反転となるように、勝手違いの工 本体を用意しておく場合も同様であり、コ ト高となるのは勿論、インサートと工具本 との管理が煩雑となり、互いの勝手を間違 てインサートを工具本体に取り付けてしま ような事態も生じるおそれがある。

 そこで、このような問題を解決するには 上記一対の切刃部の4つの突面のうち少なく とも2つにねじ切り刃を形成するにしても、 れぞれ上記表裏面側同士で互い違いの切刃 がなす2つの上記突面に、該突面をすくい面 する上記ねじ切り刃を形成するのが望まし 。

 このような構成のねじ切り切削用インサ トにおいては、インサート本体を表裏反転 せても、上記一対の切刃部における表裏の 突面のうち、表裏面側同士で互い違いの切 部に位置する上記2つの突面は、例えば表裏 面のうち表側に位置した面に対向する方向か ら見て、一対の切刃部で常に同じ側に位置す ることになる。このため、このような互い違 いの突面をそれぞれすくい面として、その辺 稜部にねじ切り刃を形成することにより、イ ンサート本体を表裏反転させたときは、これ ら互い違いの突面のねじ切り刃の勝手は同じ とすることができる。

 従って、こうしてインサート本体を表裏 転させることにより、上記構成のねじ切り 削用インサートによれば、上記共通する縁 において表裏双方の面側に形成されたねじ り刃を使用することが可能となる。また、 ンサート本体自体も表裏反転対称に形成し おけば、元の工具本体にそのまま取り付け すことができ、しかもインサート本体が多 形平板状である場合でも、その上記コーナ において交差する方向に延びる上記多角形 の一対の辺稜部同士も表裏反転したときに じ位置に配置することができるため、上述 ような縦壁が存在していてもその近くまで じ切りを行うことが可能となる。

 なお、このように表裏面側同士で互い違 の切刃部がなす2つの突面に、該突面をすく い面とするねじ切り刃を形成する場合、これ ら2つの突面だけにねじ切り刃を形成して、 述のようにインサート本体を表裏反転させ ことにより該ねじ切り刃の勝手を同じとし 使用すると、これらねじ切り刃が形成され すくい面とされる2つの突面以外の他の2つの 上記突面は、直接ねじ切り切削に関与するこ とはないのであるが、これら他の2つの突面 はチップブレーカを形成すれば、上記ねじ り刃によって生成されてこの他の突面側に 出した切屑を、上記チップブレーカによっ 分断したり排出方向を制御したりして円滑 処理することが可能となる。

 一方、こうして表裏面側同士で互い違い 切刃部がなす2つの突面に、該突面をすくい 面とするねじ切り刃を形成した場合、他の2 の突面にも同様にねじ切り刃を形成して、 なわち上記一対の切刃部において、それぞ 上記表裏面側を向く4つの突面すべてに、該 面をすくい面する上記ねじ切り刃を形成す ようにしてもよい。この場合には、上記2つ の突面のねじ切り刃と、他の2つの突面のね 切り刃とは勝手違いになるものの、一対の 刃部の表裏両面側の4つの突面すべてをねじ り刃のすくい面として有効に利用すること 可能となる。

 なお、同じく勝手違いにはなるものの、 対の切刃部の表面側または裏面側の2つの突 面だけをすくい面としたり、1つの切刃部の 裏面側の2つの突面だけをすくい面としたり て、その辺稜部にねじ切り刃を形成しても い。さらには、一対の切刃部の表裏両面側 向く4つの突面のうちいずれか1つを除いた3 の突面をすくい面として、該すくい面の辺 部にねじ切り刃を形成してもよい。

 また、一対の切刃部には、上述のように の2つの突面にチップブレーカを形成した場 合も含めて、複数の突起状のチップブレーカ を形成するようにしてもよく、これによりね じ切り刃により生成された切屑を一層円滑に 処理することが可能となる。また、これら複 数のチップブレーカのうち1つを、上記コー 部において交差する方向に延びる上記多角 面の一対の辺稜部間に亙って延設すれば、 屑がどの方向に流出してもこれを確実に処 することができる。

 一方、上記すくい面は、該すくい面の辺 部から内側に向けて漸次後退するポジすく 面とされていてもよく、これによりねじ切 刃の切れ味向上を図って切削抵抗を低減さ ることができる。また、このポジすくい面 、段階的に後退するように形成すれば、各 の曲折部において切屑をカールさせること できて、さらに確実な切屑処理を促すこと 可能となる。

 また、特に上述のように4つの突面すべて にねじ切り刃を形成したような場合には、い ずれの突面のねじ切り刃が未使用あるいは使 用済みであるかが判別し難くなるおそれがあ るので、上記インサート本体の上記縁部近傍 には、上記一対の切刃部のいずれか1つを指 示す指標が設けられるのが望ましい。

 ただし、いずれの突面にねじ切り刃を形 するにしても、上記一対の切刃部の表裏面 それぞれで、ねじ切り加工時に実際にワー に切り込まれるねじ切り刃が形成された突 以外の他の突面や、この他の突面が形成さ た他方の切刃部は、直接ねじ切り切削に使 されることはなく、むしろねじ切りを行う ークの表面や、一方の切刃部の上記ねじ切 刃によってワークに形成されたネジ部、あ いは上述のような縦壁と干渉しないように れるのが望ましい。これは、切刃部が形成 れた縁部以外のインサート本体の他の縁部 ついても同様である。

 そこで、このうち、まずインサート本体 多角形平板状であって、すなわち上記表裏 が上記縁部をコーナ部とする多角形面であ 、上述したようにワークにおいてインサー 送り方向側に縦壁が存在するような場合に いて、この縦壁とインサート本体の他の縁 との干渉を防いで、できるだけこの縦壁近 までのねじ切り切削を可能とするには、上 表裏面に対向する方向から見て、一方の切 部がなす突面の突端に延びる中心線を、上 コーナ部において交差する方向に延びる上 多角形面の一対の辺稜部のうち、他方の切 部を間にして上記一方の切刃部の反対側に 置する辺稜部と平行とするのが望ましく、 れにより、上記一方の切刃部の突面の中心 をインサート送り方向に垂直にしてねじ切 を行うときに、このインサート送り方向側 位置することになるインサート本体の多角 面の辺稜部も該インサート送り方向に垂直 して、この辺稜部に連なるインサート本体 他の縁部(側面)が上記縦壁に接する直前ま ワークにねじ切り切削を行うことが可能と る。

 また、同じくインサート本体が多角形平 状であって上記表裏面が上記縁部をコーナ とする多角形面である場合に、上述のよう 縦壁と上記他の突面や他方の切刃部との干 を防ぐためには、上記表裏面に対向する方 から見て、上記一対の切刃部を、上記コー 部において交差する方向に延びる上記多角 面の一対の辺稜部の延長線からはみ出さな ように形成するのが望ましく、これにより 例えば上述のようにインサート送り方向側 インサート本体の辺稜部をこの送り方向に 直にしても、この辺稜部より他方の切刃部 他の突面が送り方向側に突出することがな 、従って上記縦壁に干渉するのも避けるこ ができる。

 一方、ねじ切りを行うワークの表面やワ クに形成されたネジ部と上記他の突面や他 の切刃部との干渉を防ぐには、上記表裏面 対向する方向から見て、上記一対の切刃部 、一方の切刃部がなす突面の突端に延びる 心線に対して、他方の切刃部がなす突面の 記一方の切刃部側の辺稜部が、垂直に、ま は上記一方の切刃部から離間するに従い上 中心線方向に後退するように傾斜して延び ように形成するのが望ましく、これにより この他方の切刃部の上記一方の切刃部側の の辺稜部が一方の切刃部の上記中心線に垂 である場合でも、少なくともこの他方の切 部の一の辺稜部の位置までは、他方の切刃 やその他の突面とワークを干渉させること く、上記一方の切刃部のねじ切り刃を上記 心線方向に切り込ませてねじ切り切削を行 ことができる。

 また、このようなねじ切り切削用インサ トにおいては、形成されたネジ山の頂部を らかにするのに、上記ねじ切り刃の基端側 さらい刃を設けることがあるが、そのよう さらい刃を上記ねじ切り切削用インサート 適用して、表裏面に対向する方向から見て 上記一対の切刃部に、一方の切刃部がなす 面をすくい面とするねじ切り刃と、このね 切り刃の基端側に連なるさらい刃とを形成 た場合に、上記ネジ部との干渉を避けるた には、他方の切刃部を、上記一方の切刃部 なす突面の突端に延びる中心線方向におい 上記さらい刃よりも後退させて形成すれば い。これにより、こうしてさらい刃によっ 滑らかに仕上げられたネジ山の頂部とも、 方の切刃部が干渉するのを確実に防止する とができる。

 なお、上記表裏面に対向する方向から見 、上記突面をその突端側に向かうに従い幅 となる凸V字状面、台形状面、または凸円弧 状面とすれば、それぞれワークに三角ネジ、 台形ネジ、または丸ネジを形成することがで きる。

 以上説明したように、本発明によれば、1 つのインサート本体において使用可能なねじ 切り刃の数を増加させることができて、イン サート本体の有効利用を図ることができると ともに経済的なねじ切り切削加工を行うこと が可能となる。

図1は、本発明の第1の実施形態を示す 視図である。 図2は、図1に示す実施形態を軸線Oに沿 て正三角形面2に対向する方向から見た平面 図である。 図3は、図2における矢線X方向視の側面 である。 図4は、図2における矢線Y方向視の側面 である。 図5は、図2における矢線Z方向視の側面 である。 図6は、図2における1のコーナ部4の拡大 平面図である。 図7は、図6におけるX-X断面図である。 図8は、図6におけるY-Y断面図である。 図9は、図6におけるZ-Z断面図である。 図10は、本発明の第2の実施形態を示す 斜視図である。 図11は、図10に示す実施形態を軸線Oに って正三角形面2に対向する方向から見た平 面図である。 図12は、図11におけるインサート本体1 コーナ部4の拡大平面図である。 図13は、本発明の第3の実施形態を示す 斜視図である。 図14は、図13に示す実施形態を軸線Oに って正三角形面2に対向する方向から見たイ ンサート本体1のコーナ部4の拡大平面図であ 。 図15は、本発明の第4の実施形態を示す 斜視図である。 図16は、図15に示す実施形態を軸線Oに って正三角形面2に対向する方向から見たイ ンサート本体1のコーナ部4の拡大平面図であ 。 図17は、本発明の第5の実施形態を示す 斜視図である。 図18は、図17に示す実施形態を軸線Oに って正三角形面2に対向する方向から見たイ ンサート本体1のコーナ部4の拡大平面図であ 。 図19は、本発明の第6の実施形態を示す 斜視図である。 図20は、図19に示す実施形態を軸線Oに って正三角形面2に対向する方向から見たイ ンサート本体1のコーナ部4の拡大平面図であ 。 図21は、本発明の第7の実施形態を示す 斜視図である。 図22は、図21に示す実施形態を軸線Oに って正三角形面2に対向する方向から見たイ ンサート本体1のコーナ部4の拡大平面図であ 。 図23は、本発明の第8の実施形態を示す 斜視図である。 図24は、図23に示す実施形態を軸線Oに って正三角形面2に対向する方向から見た1 コーナ部4の拡大平面図である。 図25は、第1~第5の実施形態の変形例を す平面図である。 図26は、第1~第5の実施形態の他の変形 を示す平面図である。 図27は、第1~第5の実施形態のその他の 形例を示す平面図である。

符号の説明

 1  インサート本体
 2  正三角形面(表裏面、正多角形面)
 2A 正三角形面2の辺稜部
 4  コーナ部(表裏面の縁部)
 5  切刃部
 6  すくい面
 7  ねじ切り刃
 8  他方の切刃部5の突面の辺稜部
 9  さらい刃
 11~13 チップブレーカ
 14 指標
 O  インサート本体1の軸線
 L  コーナ部4の二等分線(縁部の中心線)
 M  正三角形面2に対向する方向から見た切 部5がなす突面の二等分線(突面の中心線)
 N  コーナ部4における辺稜部2Aの延長線
 F  インサート送り方向

 図1~図9は、ワークに三角ネジを形成する 合の本発明の第1の実施形態を示すものであ る。本実施形態においてインサート本体1は 超硬合金等の硬質材料によって図2に示すよ に概略正三角形の平板状に形成され、その 裏面となる一対の正三角形面2の中央には、 当該インサート本体1をその厚さ方向(図1、図 3~5、図7~図10における上下方向。以下、イン ート厚さ方向と称する。)に貫通する断面円 の取付孔3が開口させられていて、インサー ト本体1は図2に示すようにこの取付孔3の中心 を通る軸線Oに関して120°回転対称形状とされ ている。

 また、このインサート本体1は、上記正三 角形面2の共通する縁部である、3つの辺稜部 互いに交差する3つのコーナ部4それぞれに いて、上記縁部の中心線であるこれらのコ ナ部4の二等分線Lに平行で、上記インサート 厚さ方向の中心を通る3つの軸線に関しても この軸線回りに180°回転対称形状とされてお り、すなわち表裏の正三角形面2を反転させ ときにも対称な表裏反転対称形状とされて る。さらに、これら正三角形面2の周囲に配 されるインサート本体1の側面は、上記イン サート厚さ方向に平行に延びるように形成さ れていて、この側面に後述するねじ切り刃の 逃げ面が形成されており、すなわち本実施形 態のねじ切り切削用インサートは、この逃げ 面に逃げ角が付されないネガティブタイプの インサートとされている。

 このようなインサート本体1の正三角形面 2における上記各コーナ部4には、上記中心線O に沿ってこれらの正三角形面2に対向する方 から見た平面視において図6に示すように、 れぞれ凸V字状をなして該正三角形面2の外 に突出する一対の切刃部5が形成されている これらの切刃部5は、上記平面視において、 その外形形状がコーナ部4の上記二等分線Lに して対称となるように形成されている。ま 、これらの切刃部5がなす凸V字の二等分線M すなわち上記平面視において切刃部5がなす 凸V字状の突面の突端に延びる該突面の中心 は、この突端側に向かうに従い互いに離間 るように上記二等分線Lに対して傾斜させら 、かつ各コーナ部4において交差する方向に 延びる正三角形面2の一対の辺稜部2Aのうち、 それぞれの切刃部5に対して二等分線Lを挟ん 反対側に位置する辺稜部2Aと平行に延びる うにされている。従って、表裏それぞれの 三角形面2側から見て、上記縁部の中心線で るコーナ部4の二等分線Lは一対の切刃部5の2 つの上記突面の間を通ることになり、またこ れらの突面はその辺稜部が上記二等分線Lに して対称形状に形成され、本実施形態では れらコーナ部4の二等分線Lと各突面の二等分 線Mとの交差角は、本実施形態ではコーナ部4 おける上記一対の辺稜部2Aの交差角60°の半 の30°となる。

 また、これら一対の切刃部5は、上記二等 分線L上に僅かな間隔をあけて離れて配置さ るとともに、コーナ部4に交差する上記正三 形面2の上記一対の辺稜部2Aとも間隔をあけ ようにして配置されており、これらの間隔 あけた部分には、上記平面視においてそれ れの切刃部5の上記二等分線Mに垂直に延び 壁面が形成されている。従って、これらの 面は、コーナ部4の上記二等分線L上の一対の 切刃部5同士が間隔をあけた部分で交差させ れ、その交差角は、本実施形態ではコーナ 4における上記一対の辺稜部2Aの交差角60°の の120°となる。なお、これら一対の切刃部5 、上記平面視において図6に示すように、コ ーナ部4で交差する方向に延びる正三角形面2 上記一対の辺稜部2Aの延長線Nからはみ出さ いように形成されている。

 そして、このようなコーナ部4に形成され た一対の切刃部5には、その表裏の正三角形 2側を向く4つの上記突面のうち少なくとも2 に、該突面をすくい面6とするねじ切り刃7が 形成されており、本実施形態ではインサート 本体1の表裏の正三角形面2側同士で互い違い 位置する一方の切刃部(図6において右側の 刃部)5がなす突面に、この突面をすくい面6 して該すくい面6の辺稜部に凸V字状をなす一 対のねじ切り刃7が形成されている。すなわ 、インサート本体1は上述のような軸線回り 180°回転対称の表裏反転対称とされている で、図6に示す正三角形面2を表面としたとき 、この表面側では一対の切刃部5のうち他方 切刃部(図6において左側の切刃部)5が、これ は反対の裏面の正三角形面2においては一方 の切刃部5となり、表面側ですくい面6とされ 一方の切刃部5の突面と互い違いになる他方 の切刃部5の裏面側の突面が、この裏面の正 角形面2側では一方の切刃部5のすくい面6と れて、その辺稜部にねじ切り刃7が形成され いるのである。

 なお、これらのねじ切り刃7が上記平面視 になす凸V字の挟角は、ワークに形成すべき ジ部の形状に応じて設定され、本実施形態 は約60°とされている。従って、同平面視に いて上記他方の切刃部5がなす凸V字状の突 の一対の辺稜部8同士の挟角も、同じく約60° とされる。さらに、これら一対のねじ切り刃 7が交差する上記凸V字の先端(突面の突端)は 円弧状に形成されるとともに、この先端か 突面の基端側(図6において下側)に向かうに い当該一対のねじ切り刃7は、図3~図5に示す うに側面視においてインサート厚さ方向に 退するように傾斜させられている。なお、 実施形態のようなネガティブタイプのイン ートでは、ねじ切り切削時に上記逃げ面に げ角を与えるために、ねじ切り刃7をワーク の回転軸線を含む平面に対して傾斜させて配 置することになるので、ワークに60°の三角 ジを形成する場合でも、ねじ切り刃7が上記 面視になす凸V字の挟角は60°より僅かに大 く設定される。

 また、このねじ切り刃7の基端側に連なる 上記壁面と正三角形面2との交差稜線には、 らい刃9が形成されている。従って、このさ い刃9は、上記平面視において上記二等分線 Mに対して垂直に延びるように形成され、本 施形態では一対のねじ切り刃7の基端側にそ ぞれ連なるように形成される。なお、この らい刃9のすくい面10とされる上記正三角形 2のコーナ部4における縁部は、上記ねじ切 刃7の後端側に向けた傾斜に合わせて、この じ切り刃7の二等分線M方向に後端側に向か に従いさらい刃9に対してインサート厚さ方 に漸次後退傾斜させられている。

 さらに、上述のようにコーナ部4の二等分 線Lと各切刃部5がなす凸V字の二等分線Mとの 差角が30°であり、またこの二等分線Mを挟む 一対のねじ切り刃7の挟角と他方の切刃部5の 対の辺稜部8同士の挟角とが約60°であるこ から、上記平面視において、他方の切刃部5 なす凸V字状の突面の一対の辺稜部8のうち 方の切刃部5側の辺稜部8は、この一方の切刃 部5がなす突面の二等分線Mに対して略垂直に びるように形成されている。従って、この 方の切刃部5における一方の切刃部5側の辺 部8は、この一方の切刃部5のねじ切り刃7後 に連なるさらい刃9とは略平行に、あるいは 方の切刃部5から離間するに従い上記二等分 線M方向に後退して延びるように形成され、 かも一対の切刃部5が間隔をあけていること ら、他方の切刃部5はこの一方の切刃部5の らい刃9よりも、その二等分線M方向に後退さ せられることになる。

 このようなねじ切り切削用インサートは インサート着脱式のねじ切りバイト等の切 工具の工具本体(図示略)に形成されたイン ート取付座に、上記一対の正三角形面2のう 一方がワークの回転方向に対向するように て取り付けられて、この一方の正三角形面2 の一つのコーナ部4において上記一方の切刃 5に形成されたねじ切り刃7を上記ワークの表 面に向けてその先端から切り込ませつつ、上 記平面視においてこのねじ切り刃7の二等分 Mに垂直な図6に示すインサート送り方向Fに り出されて、このワーク表面に雌雄のネジ を螺旋状に形成してゆく。

 なお、上記一方の切刃部5に形成されるす くい面6は、図8に示すようにねじ切り刃7が形 成されたその辺稜部から内側に向けてインサ ート厚さ方向に漸次後退するポジすくい面と されており、しかもそれぞれ一定の幅および 傾斜角で段階的に後退傾斜する多段のポジす くい面とされている。ここで、ねじ切り刃7 連なる1段目の傾斜面は幅狭のポジランドと れて傾斜角が緩やかとされ、2段目の傾斜面 はこれよりも幅広で傾斜角が急とされ、3段 の最も内側の傾斜面では傾斜角が再び緩や とされている。

 また、このうち傾斜角が急とされた2段目 の傾斜面同士では、インサート送り方向F側 ねじ切り刃7に連なる傾斜面よりも、インサ ト送り方向Fの後方側のねじ切り刃7に連な 傾斜面の方が幅狭で急勾配で傾斜するよう 形成されている。従って、これら2段目の傾 面同士の交差稜線は、上記平面視において 6に示すように、すくい面6の内側に向かう 従い上記二等分線Mからインサート送り方向F の後方側に向かうように傾斜させられること となる。

 一方、上記平面視において一方の切刃部5 の上記さらい刃9よりも後方には、第1~第3の 数(本実施形態では3つ)のチップブレーカ11~13 が形成されている。これらのチップブレーカ 11~13は、すくい面6に対してインサート厚さ方 向に突出する突起状のものであって、こうし て突出するに従い漸次後退するように傾斜す るブレーカ壁面を備え、第1~第3のチップブレ ーカ11~13の順にその突出高さが高くなるとと に、第1、第2のチップブレーカ11,12が第3の ップブレーカ13よりも一方の切刃部5のねじ り刃7側に位置させられている。

 さらに、このうち第1、第2のチップブレ カ11,12は、第1のチップブレーカ11が一方の切 刃部5の上記二等分線Mに対してインサート送 方向Fの後方側に、また第2のチップブレー 12はこの2等分線Mのインサート送り方向F側に それぞれ位置するように、該二等分線Mを挟 で互いに間隔をあけて形成されている。ま 、この二等分線M方向において第1、第2のチ プブレーカ11,12は、上記ねじ切り刃7の先端 を向くブレーカ壁の位置が、略同等か、あ いは第1のチップブレーカ11のブレーカ壁面 第2のチップブレーカ12のブレーカ壁面より 僅かにねじ切り刃7の先端側に位置するよう されている。

 さらに、上記第1のチップブレーカ11は、 記平面視において上記インサート送り方向F の後方側に向かうに従いねじ切り刃7の先端 に向かうように延びる長円錐台型の突堤状 形成されていて、特に本実施形態では上記 面視に、上記二等分線Lおよび一対のねじ切 刃7のうちインサート送り方向Fの後方側の じ切り刃7と直交する方向に延びるように形 されている。また、この第1のチップブレー カ11の上記ブレーカ壁は、ねじ切り刃7の後端 よりも後方側においてすくい面6の各段の傾 面と交差し、さらにこのすくい面6よりもイ サート送り方向F後方側の、上記さらい刃9 すくい面10にまで延設されている。なお、こ の第1のチップブレーカ11の突端面はインサー ト厚さ方向に垂直な平坦面とされて、このイ ンサート厚さ方向においてねじ切り刃7の先 よりは低く、かつ上記縁部よりは高い位置 配設されている。

 また、第2のチップブレーカ12は、上記他 の切刃部5がなす突面に形成されたものであ って、上記平面視においてそのブレーカ壁が 、この他方の切刃部5の突面のインサート送 方向F側から上記二等分線Mに垂直に延びて、 インサート送り方向F側のねじ切り刃7に連な すくい面6の1、2段目の傾斜面と交差し、さ にここでコーナ部4の上記二等分線L方向に 折して、第1のチップブレーカ11が延設され 方向に略直交して対向するようにすくい面6 内側に延びている。なお、この第2のチップ ブレーカ12の突端面もインサート厚さ方向に 直な平坦面とされ、そのインサート厚さ方 の高さは、第1のチップブレーカ11と同様に じ切り刃7の先端よりは低く、上記さらい刃 9と略等しくされている。

 さらに、上記第3のチップブレーカ13は、 記平面視に第1のチップブレーカ11の延設方 と略平行すなわち上記二等分線Lに垂直に延 びるブレーカ壁を有して、正三角形面2のコ ナ部4に交差する一対の辺稜部2A間に亙って 設されており、その突端面はインサート厚 方向に垂直な平坦面ではあるものの、この ンサート厚さ方向における高さは、図7や図8 に示すようにねじ切り刃7の先端よりも高く インサート本体1において最も高くされてい 。そして、上記第1、第2のチップブレーカ11 ,12は、上記一方の切刃部5の二等分線M方向後 側の部分が、この第3のチップブレーカ13の 記ブレーカ壁面に連なるようにされており このブレーカ壁面上の第1、第2のチップブ ーカ11,12の間には、本実施形態では上記平面 視において二等分線Lと一方の切刃部5の二等 線Mとの交点周辺に、凹V字状の谷部が形成 れている。

 なお、正三角形面2において上記第3のチ プブレーカ13の内側は、この第3のチップブ ーカよりも上記インサート厚さ方向に一段 退した平坦面とされて上記取付孔3が開口す ようにされており、本実施形態ではこの第3 のチップブレーカ13の内側縁部をコーナ部4側 に切り欠くようにして、インサート本体1の コーナ部4近傍において、各コーナ部4に形成 された一対の切刃部5のうちいずれか1つを指 示す指標14が設けられている。ここで、こ 指標14は、本実施形態では、各正三角形面2 おいて一対の切刃部5の突面のうち、ねじ切 刃7が形成されない突面側に向けて切り欠か れるように形成されている。

 このように構成されたねじ切り切削用イ サートでは、その表裏一対の正三角形面2の 共通するコーナ部4に一対の切刃部5が形成さ ており、これらの切刃部5の表裏合計4つの 面のうち少なくとも2つがすくい面6とされて ねじ切り刃7が形成され、特に本実施形態で 一対の正三角形面2側同士でそれぞれ互い違 に位置する一方の切刃部5の合計2つの突面 ねじ切り刃7が形成されているので、インサ ト本体1を上述のように軸線回りに180°反転 せることにより、これら一対の切刃部5双方 のねじ切り刃7を使用することが可能となる すなわち、1つのインサート本体1でその表裏 の両正三角形面2を使って、この正三角形の ーナ部4の数の2倍のねじ切り刃7を用いるこ ができ、超硬合金等から成るインサート本 1を有効に利用して、効率的かつ経済的なね 切り切削を行うことが可能となる。

 また、こうしてインサート本体1のコーナ 部4に一対の切刃部5が形成されていて、これ 一対の切刃部5は、表裏の正三角形面2に対 する方向から見た上記平面視における2つの 記突面の辺稜部が、これらの突面の間を通 上記縁部の中心線であるコーナ部4の二等分 線Lに関して対称形状とされているため、こ らの切刃部5を含めてインサート本体1を二等 分線Lに平行な上記軸線に関して180°回転対称 形状に形成することにより、上述のようにイ ンサート本体1を表裏反転させても、そのま インサート着脱式切削工具の工具本体にお るインサート取付座に取り付け直すことが き、しかもこうして取り付け直したインサ ト本体1のねじ切り切削に使用されるねじ切 刃7の勝手は取り付け直す前と同じとするこ とができる。このため、このように反転させ たインサート本体1を取り付けるために勝手 いの工具本体を用意したりする必要もなく 1種類の工具本体で済み、上述のように1つの インサート本体1で使用可能なねじ切り刃7の が増加することとも相俟って、その管理を 易にするとともにコストの削減を図ること できる。

 さらに、このようにインサート本体1を表 裏反転させて工具本体に取り付け直しても、 インサート本体1の向きはそのままにするこ ができるため、インサート送り方向Fに垂直 配置されることになる上記一方の切刃部5の ねじ切り刃7の二等分線Mに対して、この一方 切刃部5が形成されたコーナ部4に交差する 向に延びる上記正三角形面2の一対の辺稜部2 Aのうち、他方の切刃部5を間にしてこの一方 切刃部5の反対側に位置し、ねじ切り切削の 際にインサート送り方向F側に向けられるこ になる辺稜部2Aを、この二等分線Mに平行な 向すなわちインサート送り方向Fに垂直な方 に沿って延びるように、インサート本体1を 工具本体に取り付けることができる。

 このため、インサート送り方向F側に縦壁 が存在するようなワークにねじ切り切削を行 う場合でも、この縦壁とインサート本体1の ーナ部4以外の縁部である上記辺稜部2Aに連 る側面との干渉をできるだけ防いで、縦壁 近くまでネジ部を形成することが可能とな 、ワークに形成されるネジ部の長さが不充 となったり、この縦壁の位置をインサート り方向F側にずらすために例えば下穴の深さ 必要以上に深くしなければならなくなった するような事態を防止することができる。

 しかも、本実施形態では、上記平面視に いてこの一対の辺稜部2Aが、それぞれ上記 方の切刃部5を間にして反対側の一方の切刃 5における二等分線Mに平行に延びるように 成されているので、この辺稜部2Aを常にイン サート送り方向Fに対して垂直として、イン ート本体1を縦壁の直前まで接近させた状態 ネジ部の終端を形成することができ、この 壁により近い位置までネジ部を形成するこ が可能となる。

 また、本実施形態では、上記平面視にコ ナ部4において一対の切刃部5が上記一対の 稜部2Aの延長線Nからはみ出さないようにさ ているので、一方の切刃部5のねじ切り刃7に よってねじ切り切削を行うときに、他方の切 刃部5がインサート送り方向F側に突出して縦 と干渉するようなことも防ぐことができ、 層確実にこの縦壁の直前までネジ部を形成 ることが可能となる。

 一方、本実施形態では、上記平面視にお て他方の切刃部5がなす突面の一対の辺稜部 8のうち、上記一方の切刃部5側の辺稜部8が、 この一方の切刃部5がなす突面の中心線であ 上記二等分線Mに対して略垂直に延びるよう 形成されており、従ってこの他方の切刃部5 は、一方の切刃部5に形成されたねじ切り刃7 後端までの範囲で、この一方の切刃部5より も二等分線M方向先端側に向けて突出するこ はない。このため、この一方の切刃部5のね 切り刃7をその二等分線M方向先端側にむけ ワーク表面に切り込ませた際に、他方の切 部5の先端側部分などがワーク表面やねじ切 刃7により形成されたネジ山に干渉したりす るのも防ぐことができ、この他方の切刃部5 ワーク表面に引っ掛かったり、形成された ジ山が他方の切刃部5によって傷つけられた するような事態を防ぐことができる。

 なお、本実施形態では、このように他方 切刃部5における一方の切刃部5側の辺稜部8 、この一方の切刃部5の二等分線Mに対して 直に延びるように形成されているが、形成 べきネジ山の形状や角度などによっては、 の辺稜部8が一方の切刃部5から離間するに従 い、この一方の切刃部5の上記二等分線M方向 後退するように傾斜して延びるように形成 れていてもよい。この場合にも、他方の切 部5が一方の切刃部5のねじ切り刃7よりその 等分線M方向に突出することがないので、垂 直とした場合と同様の効果を得ることができ る。

 また、本実施形態では、一方の切刃部5に おけるねじ切り刃7の後端にさらい刃9がその 等分線Mに垂直に設けられており、ねじ切り 刃7によって形成されたネジ山の頂部をこの らい刃9によって平滑に仕上げることができ 。そして、上記他方の切刃部5は、一方の切 刃部5のこのさらい刃9に対しても上記二等分 M方向に後退して形成されており、従ってこ うしてさらい刃9によって仕上げられたネジ の頂部に他方の切刃部5が干渉するようなこ もなく、さらに一方の切刃部5のねじ切り刃 7による切込み深さはこのさらい刃9の位置ま となるので、ねじ切り切削終了前のワーク 面にこの他方の切刃部5が干渉するような事 態も防止することができる。なお、本実施形 態では、コーナ部4において一対の切刃部5は 等分線Lを挟んで間隔をあけて設けられてい るが、これらを、間隔をあけずに、互いに隣 接する一方の切刃部5のねじ切り刃7と他方の 刃部5の辺稜部8とを二等分線L上で交差する うに形成し、このねじ切り刃7に交差する辺 稜部8に該ねじ切り刃7の後端に連なるさらい 9を形成してもよい。

 ところで、このようにインサート本体1の コーナ部4に形成した一対の切刃部5において 本実施形態のように表裏の正三角形面2側同 士で互い違いに位置する一方の切刃部5の2つ 突面に形成されたねじ切り刃7を使用する場 合、残りの互い違いに位置する他方の切刃部 5の2つの突面の辺稜部8はねじ切り切削に直接 的に関与することはなく、むしろ上述のよう にワークと干渉しないように後退させられる のが望ましいのであるが、本実施形態ではこ の他方の切刃部5の突面にチップブレーカ(第2 のチップブレーカ)12が形成されており、一方 の切刃部5のねじ切り刃7によって生成された 屑を、このチップブレーカ12によって処理 ることが可能となる。

 しかも、本実施形態では、この他方の切 部5の突面に形成された第2のチップブレー 12以外に、この第2のチップブレーカ12よりも 突出高さの低い第1のチップブレーカ11と、こ れら第1、第2のチップブレーカ11,12よりも突 高さの高い第3のチップブレーカ13とが形成 れており、このうち第1、第2のチップブレー カ11,12は第3のチップブレーカ13よりも一方の 刃部5のねじ切り刃7先端側に位置させられ いる。従って、ねじ切り刃7によって生成さ た切屑は、まずこれら第1、第2のチップブ ーカ11,12に衝突することにより緩やかな巻き 癖を付けるとともに、第1、第2のチップブレ カ11,12の突出高さの差によってその流出方 が徐々に所定の向きとなるように案内させ れ、しかる後に突出高さの最も高い第3のチ プブレーカ13に衝突することで所定の径に でカールさせられるので、切屑を確実に所 の排出方向に導いて処理することが可能と る。

 また、すくい面6はポジすくい面とされて いるので、ねじ切り刃7による切削抵抗を低 することができ、より円滑なねじ切り切削 図ることができる。しかも、このポジすく 6は、インサート厚さ方向に後退する傾斜が 化する多段面とされているので、これらの が曲折する部分で切屑をカールさせること でき、さらに確実な切屑処理を促すことが 能となる。

 次に、図10~図12は、本発明の第2の実施形 を示すものであり、この第2の実施形態や、 以降に説明する第3~第8の実施形態、および変 形例において、第1の実施形態を初め各実施 態同士で共通する要素には同一の符号を配 て説明を簡略化する。ここで、この第2の実 形態では、第1の実施形態と同様にインサー ト本体1の表裏面である正三角形面2において 通する縁部であるコーナ部4に形成された一 対の切刃部5が、上記二等分線Lを含んで正三 形面2に垂直にインサート厚さ方向に延びる 仮想平面に対して対称に形成されており、表 裏の正三角形面2側を向くこれらの切刃部5の4 つの突面すべてに、該突面をすくい面6とす ねじ切り刃7が形成されていることを特徴と る。

 なお、各すくい面6の形状は、第2のチップ レーカ12が僅かに第1のチップブレーカ11側に せり出している以外は、第1の実施形態のす い面6と同様、または該すくい面6を上記仮想 平面に対して対称に反転させた形状とされて いる。従って、
 本実施形態では一対の切刃部5は、表裏の正 三角形面2に対向する方向から見た上記平面 において、その2つの突面の辺稜部だけでな 、ポジすくい面6の形状や、第1~第3の複数の チップブレーカ11~13も、これらの突面の間を る上記縁部の中心線であるコーナ部4の二等 分線Lに関して対称形状とされ、第2のチップ レーカ12は図12に示すようにそれぞれの正三 角形面2側を向く2つの突面のすくい面6同士で 、上記二等分線Lに沿って延びる突条状に形 される。

 また、切刃部5やその各突面の突端に延び る中心線である上記二等分線Mと、上記二等 線Lや正三角形面2の辺稜部2Aの延長線Nとの配 置や交差角は、第1の実施形態と同様とされ 。ただし、切刃部5の内側のコーナ部4近傍に 設けられる指標14は、各正三角形面2において 一対の切刃部5のうち1つ(図12において左側の 刃部5)を指し示すように延びており、かつ コーナ部4に対する指標14の位置や向きは、 ンサート本体1を上記軸線O回りに120°ずつ回 させたとき、および上記二等分線Lに平行で インサート厚さ方向の中心を通る3つの軸線 関して反転させたときに、互いに一致する うにされている。

 このように構成された第2の実施形態のね じ切り切削用インサートにおいては、まず第 1の実施形態と同様に、一対の正三角形面2側 士でそれぞれ互い違いに位置する一方の切 部5の2つの突面をすくい面6とするねじ切り 7が形成されることになるので、インサート 本体1を表裏反転させて、これらのねじ切り 7を使用することが可能となり、インサート 体1のコーナ部4の2倍の数のねじ切り刃7を用 いることができる。そして、さらに本実施形 態では、上記2つの突面以外の残りの2つの突 にも、該突面をすくい面6とするねじ切り刃 7が形成されているので、勝手違いのインサ ト着脱式切削工具の工具本体に取り付ける とにより、これらのねじ切り刃7を用いてさ にねじ切り切削を行うことが可能となる。

 従って、本実施形態によれば、勝手違い はなるものの、コーナ部4の数の4倍のねじ り刃7を使用することが可能となり、すなわ 一対の切刃部5の4つの突面におけるすべて 辺稜部をねじ切り刃7として使い切ることが きて、インサート本体1を一層有効利用する ことにより、さらに効率的かつ経済的なねじ 切り切削インサートを提供することが可能と なる。しかも、上記平面視において一対の切 刃部5の2つの突面の辺稜部が二等分線Lに関し て対称とされ、これらの辺稜部のすべてにね じ切り刃7が形成されているので、上記4つの 面のねじ切り刃7をすべて同じねじ切り切削 に使用することができる。また、このように 4つの突面すべてに同じねじ切り刃7が形成さ ていても、本実施形態では上記指標14がい れか一方の勝手となるねじ切り刃7を指し示 ように設けられているので、このねじ切り 7の勝手を間違えてインサート本体1を取り けてしまうような事態も防ぐことができる

 なお、この第2の実施形態ではコーナ部4 おける一対の切刃部5の4つの突面すべてがす くい面6とされ、また上記第1の実施形態では 対の正三角形面2側同士でそれぞれ互い違い に位置する一方の切刃部5の2つの突面がすく 面6とされているが、例えば4つの突面のう 1つを除いた3つの突面をすくい面6として、 なわち一方の正三角形面2側から見たときに 図6に示したすくい面6の配置で、反対側の 方の正三角形面2側から見たときには図12に したすくい面6の配置となるように構成して よい。また、勝手違いとはなるものの、一 の正三角形面2側の2つの突面だけをすくい 6として、他方の正三角形面2側の突面にはね じ切り刃7を形成しないように構成したり、 対の切刃部5のうち一方の表裏の突面だけを くい面6として、他方の表裏の突面にはねじ 切り刃7を形成しないような構成としてもよ 。

 また、これら第1、第2の実施形態では、 くい面6に突起状の第1~第3のチップブレーカ1 1~13が形成されているが、図13および図14に示 第3の実施形態や、図15および図16に示す第4 実施形態、あるいは図17および図18に示す第 5の実施形態のように、このような突起状の ップブレーカを備えない構成とされていて よい。なお、これら第3~第5の実施形態は、 2の実施形態と同様に1つのコーナ部4におけ 一対の切刃部5の表裏合計4つの突面がすくい 面6とされてねじ切り刃7が形成されたもので る。

 ここで、これらのすくい面6は、その突面 の突端から該突面の中心線となる二等分線M 沿ってインサート厚さ方向に漸次後退する うに一定の勾配で傾斜させられた後、凹曲 状の底面を介してそれぞれの側の正三角形 2に切れ上がるように形成されたポジすくい 6とされている。なお、第3の実施形態は、 刃部5の外形が第2の実施形態と同じですくい 面6をこのように形成したものであり、第4の 施形態は、この第3の実施形態からさらい刃 9を無くして、一対の切刃部5の同じ正三角形 2側を向くすくい面のねじ切り刃7同士の基 側を接続したものであり、さらに第5の実施 態は、この第4の実施形態のコーナ部4にお て切刃部5から間隔をあけた位置に、上記延 線Nを越えないように断面三角形状の補強用 リブ15をインサート厚さ方向に沿って形成し ものである。

 また、これら第1~第5の実施形態は、すく 面6とされる突面がその突端に向けて幅狭と なる凸V字状に形成されて、ワークに三角ネ を形成するものとされているが、図19および 図20に示す第6の実施形態のようにワークに台 形ネジを形成するものに本発明を適用したり 、図21および図22に示す第7の実施形態や図23 よび図24に示す第8の実施形態のようにワー に丸ネジを形成するものに本発明を適用し りしてもよい。なお、これら第6~第8の実施 態でも、すくい面6には突起状のチップブレ カは形成されずに、第3~第5の実施形態と同 のポジすくい面6とされている。

 ここで、第6の実施形態では、切刃部5の 三角形面2側を向く突面が、形成すべき台形 ジの形状、寸法に合わせてその突端側に向 うに従い幅狭となる等脚台形状に形成され おり、この突端側の上記二等分線Mに垂直に 延びる辺稜部と、この辺稜部の両端から突面 の基端側に延びる2つの斜辺とにねじ切り刃7 形成されるとともに、この斜辺のねじ切り 7の基端からは、やはり上記二等分線Mに垂 な方向にさらい刃9が延びている。また、コ ナ部4両端の切刃部5から間隔をあけた位置 は、第5の実施形態と同様の補強用リブ15が 成されている。

 さらに、第7、第8の実施形態では、上記 面の突端側の辺稜部が、この突面の中心線 なる上記二等分線M上に中心を有する半凸円 状とされるとともに、この凸円弧の両端か 基端側の辺稜部は、該凸円弧に滑らかに接 て基端側に向かうに従い上記二等分線Mとの 間隔が漸次拡がるように傾斜する直線状とさ れていて、これらの辺稜部にねじ切り刃6が 成されており、従って該突面はやはり突端 に向かうに従い幅狭となる。なお。第8の実 形態では一対の切刃部5の両外側にそれぞれ 、ねじ切り刃6の先端側の凸円弧と等しい半 の半凹円弧状をなすさらい刃9が、ねじ切り 6の基端側に滑らかに接して連なるように形 成されるとともに、これらのさらい刃9のさ に外側には補強リブ15が形成されている一方 、第7の実施形態ではこのようなさらい刃9や 強リブ15は形成されていない。

 なお、本実施形態では上述のように、一 の切刃部5がコーナ部4において交差する方 に延びる正三角形面2の一対の辺稜部2Aの延 線Nからはみ出さないようにされているが、 25に模式的に示す変形例のようにこの延長 Nから切刃部5が突出してはみ出すように形成 されていてもよく、このような場合でも、例 えばインサート着脱式切削工具の工具本体に 形成されるインサート取付座において切削に 使用されない切刃部5との干渉を防ぐように 所を形成しておけば、上記各実施形態のね 切り切削用インサートと同一の工具本体に ンサート本体1を取り付けることが可能とな 。

 また、上記各実施形態では、正三角形平 状をなすインサート本体1を有するねじ切り 切削用インサートに本発明を適用した場合に ついて説明したが、正方形等の四角形平板状 や図26に模式的に示す他の変形例のような八 形平板状など、他の多角形平板状のインサ ト本体1を有するねじ切り切削用インサート に本発明を適用してもよく、さらには図27に 式的に示す変形例のように円板状のインサ ト本体1の周縁部に一対の切刃部5を適当間 をあけて形成してもよい。

 本発明によれば、1つのインサート本体で使 用可能なねじ切り刃の数を増加させて、イン サート本体の有効利用を図るとともに経済的 なねじ切り切削用インサートを提供すること ができる。
 




 
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