正田 武則 (〒31 岐阜県美濃市2998-2 Gifu, 50137, JP)
YAMAZAKI, Junji (Waseda University 4-1 Okubo 3-chom, Shinjuku-ku Tokyo 55, 16985, JP)
株式会社AZMEC (〒27 岐阜県美濃市2207-7 Gifu, 50137, JP)
WASEDA UNIVERSITY (104 Totsukamachi 1-chome, Shinjuku-ku Tokyo, 50, 16980, JP)
学校法人 早稲田大学 (〒50 東京都新宿区戸塚町1丁目104番地 Tokyo, 16980, JP)
MASADA, Takenori (2998-2 Mino-shi Gifu, 31, 50137, JP)
| アルミニウム含有鉱物粉末・鉱石粉末を含有することを特徴とする有害物質の不溶化剤。 |
| 前記アルミニウム含有鉱物が明礬石であることを特徴とする請求項1記載の有害物質の不溶化剤。 |
| 前記アルミニウム含有鉱物がメタカオリン、ボーキサイト、赤土、焼成火山灰のいずれかであることを特徴とする請求項1記載の有害物質の不溶化剤。 |
| さらに、マグネシウム化合物、カルシウム化合物を含むことを含有することを特徴とする請求項1記載の有害物質の不溶化剤。 |
| 前記マグネシウム化合物が軽焼マグネシア、軽焼ドロマイト、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウムのいずれかであることを特徴とする請求項4記載の有害物質の不溶化剤。 |
| 前記カルシウム化合物が、生石灰、消石灰、軽焼ドロマイト、塩化カルシウム、二水石膏、半水石膏のいずれかであることを特徴とする請求項4記載の有害物質の不溶化剤。 |
| さらに、酸性物質を含有することを特徴とする請求項1記載の有害物質の不溶化剤。 |
| 前記酸性物質が硫酸、塩酸、酢酸、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄、塩化第1鉄、塩化第2鉄、ポリ硫酸第二鉄、水酸化鉄(II)、水酸化鉄(III)のいずれかであることを特徴とする請求項7記載の有害物質の不溶化剤。 |
| さらに、珪酸ナトリウムを含有することを特徴とする請求項1記載の有害物質の不溶化剤。 |
| 請求項1~9のいずれか1項記載の有害物質の不溶化剤を用い、汚染土壌、焼却灰、又はガス化炉から排出される灰を不溶化することを特徴とする有害物質の不溶化方法。 |
| 請求項1~6のいずれか1項記載の有害物質の不溶化剤を排水に添加することを特徴とする水処理方法。 |
本発明は、土壌、焼却灰、スラグ等に含 れるフッ素、ホウ素の溶出抑制を行うため 有害物質の不溶化剤、有害物質の不溶化方 及び水処理方法に関する。
我が国においては、平成8年度から土壌汚 染が判明した土地の件数が飛躍的に増加し、 現在、約32万箇所の土地で土壌汚染が発生し いると推定されている。また、海外におけ 土壌汚染の状況は、米国で50万箇所、ヨー ッパにおいてはフランスで70万箇所、ドイツ で30万箇所と推定されている。さらに、アジ 地域では近年の急速な工業化により、土壌 染を含む環境面での様々な問題が複合的に 生しているといわれている。
我が国では平成15年に土壌汚染対策法が 行され、直接摂取、地下水等の摂取による スクの回避、地下水による汚染拡大の防止 重点をおいた対策が示されている。
環境省発表の「平成17年度土壌汚染対策 の実施状況及び土壌汚染調査・対策事例等 する調査結果」によると、平成17年度末日ま でに都道府県等が把握した土壌汚染調査結果 では、超過事例が2,573件となった。
調査により判明した土壌汚染原因の内訳 は、第二種特定有害物質、いわゆる重金属 の有害物質が汚染原因となっている事例が 体の60%を占める。このうち汚染原因物質は 鉛、ヒ素、フッ素、六価クロム、水銀、シ ン、セレン、カドミウム、ホウ素、アルキ 水銀の順になっており、環境基準の改定さ た平成15年度以降は、フッ素の超過事例が 著に増加する傾向が認められる。
一方、わが国の産業廃棄物の排出量は、平 17年度には約4億2,200万トンと推計されてい 。産業廃棄物排出量のうち、全体の52%が再 利用されており、また、42%が中間処理等に いて減量化が行われ、5.7%が最終処分されて ると推計されている。最終処分場の残余容 は、平成17年4月現在では、約18,400万m 3 となり、残余年数は首都圏では3.4年、全国で は7.2年といわれており、残余容量は依然とし て逼迫した状況にある。
このように、産業廃棄物の処理量を削減 ていくことは社会的に必要とされており、 のひとつとして、焼却灰、スラグ等に含ま る有害物質を確実に固定化し、有効なリサ クル利用技術を開発することで、廃棄処理 の減量を図っていくことが望まれる。
ところで、フッ素化合物は、滑り性、耐 性、非粘着性・離型性、撥水性、耐薬品性 ど優れた機能をもっており、現在では、工 生産にはなくてはならない素材として様々 産業分野で用いられている。このため鉄鋼 スラグ、鋳物砂、廃石膏など、フッ素を高 度で含む産業廃棄物の種類、量は極めて多 。したがって、フッ素を含有する廃棄物の 済的かつ有効な不溶化技術の開発は産業上 意義なものとなる。
一方、火力発電等により発生する大量の 炭灰の経済的な不溶化処理技術の確立、こ によるリサイクル利用の促進も重要な課題 なっている。近年の原油価格の高騰により 発電燃料は石油から石炭へと急速にシフト 進んできている。中国、インドなどの石炭 費量の増加により、石炭も急速に需要の増 、価格の高騰が生じており、より安価な原 を求めてさらに広い地域から石炭を調達す 傾向になっている。これらの中にはホウ素 フッ素、セレンなどを高濃度で含有する原 も含まれている。
我が国の石炭火力発電設備は、平成14年 では3,377万kWであったが、平成19年度には3,922 万kW、平成24年度には4,315万kWとなる増加する 画となっており、これにより、国内の石炭 発生量は、平成14年度末の約920万トンが、 成19年度末には約1,000万トンに達するものと 測されている。
現在の石炭灰の処理の状況では、排出量 55%が有効利用され、45%が主に海域で埋め立 処分されているが、この埋め立て処分地の 保が非常に困難になってきている。また、 炭灰の有効利用の用途としては、セメント 料及び土木・建築分野での利用が90%を占め いるが公共投資の減少により、これらの需 も減少傾向にある。
我が国で排出されている石炭灰は基本的 は重金属の溶出量は少ないが、一部には土 環境基準を超過するホウ素、フッ素、セレ 、砒素などの溶出を生ずるものが存在して る。石炭灰は、路盤材、軽量裏込材など建 分野での利用範囲が広いため、経済的かつ 実な有害物質の不溶化技術が確立されれば さらに、そのリサイクル利用を推進するこ ができると考えられる。
ところで、重金属等の有害物質で汚染さ た土壌の一般的な処理対策として、置き換 、土壌洗浄、遮蔽、不溶化処理などが挙げ れる。このうち、置き換え法は汚染土を処 場に処分し、良質土と置き換える方法であ 。また、土壌洗浄は、汚染土を洗浄により 染物質と分離し、細粒分以外の土壌は処理 に現地に戻す方法であり、土壌より有害成 を除去するため、確実な方法であるが、比 的処理コストは高く、また、分離した汚染 細粒分を処分するため廃棄物が発生するこ になる。
不溶化処理は有害物質の溶出抑制機能を つ薬剤を汚染土、灰、スラグに混合処理す もので、土壌汚染対策法のなかで経済性に れており、また、廃棄物が発生しない利点 ある。また、土壌汚染対策法のなかで不溶 処理は経済性に優れている。これにより、 量に発生するスラグ、灰などの廃棄物の処 、リサイクル利用に適する。
一方、ホウ素・フッ素等の排水規制につ ては、人体への健康被害を防ぐことを目的 、平成11年に、WHO飲用水質ガイドラインや 道水水質基準等を参考に、環境基準が設定 れた。これを受けて、我が国では平成13年に 新たなホウ素・フッ素等に関する排水基準と して、ホウ素及びその化合物:10mg/L以下、フ 素及びその化合物:8mg/L以下いう一律排水基 が設定された。
しかしながら、排水の実態や処理技術の 準に照らし、技術的課題を有する業種につ ては暫定排水基準の延長はやむを得ないと 理由で、3年の期限で暫定排水基準を設定し 、また、さちに、26業種については、平成16 7月に、さらに3年後の平成19年7月まで、暫定 措置を延長がされることとなった。また、環 境省では、その後の取り扱い方針を定めるた め、該当事業場の排水の実態調査を行ったが 、一部の業界においては平成19年7月以降も、 暫定排水基準値の強化や現行の暫定排水基準 値のまま延長という方針案を作成し運用が行 われている。
ホウ素・フッ素は、工業原料、下水、廃 物等に含まれるとともに、自然界にも多く 在する。環境省の調査では、調査製造事業 8500中、フッ素化合物を使用する事業場は190 0、ホウ素化合物を使用する事業場1650と、他 有害物質と比較して、対象の製造事業場は 常に多い。また、PRTR調査によると公共水域 に排出される対象化学物質合計排出量100,500t/ 年のうち、ホウ素及びその化合物は29%、さら にフッ素化合物及びその水溶塩は26%と上位の 2種を占めている。従ってこれらの新規で有 な排水処理技術を確立することは社会的に いに意義がある。
ホウ素、フッ素の溶出抑制を行う既存技術 しては、例えば、特許文献1に開示されたよ うにセメント・石灰などのカルシウム原料と 、硫酸バンドを組み合わせてアルミン酸カル シウムを形成し溶出抑制を行う方法、鉄粉・ ウスタイト(FeO)、マグネタイト(Fe 3 O 4 )などの鉄化合物を用いる方法、さらには、 ン酸とカルシウムなどのアルカリ物質を加 て撹拌し難溶化を図る方法などが挙げられ 。
また、特許文献4のようにコンクリート廃 材等の水溶性カルシウム化合物と鉄鋼スラグ を混合し、フッ素の溶出防止処理を行う技術 、さらに特許文献5に示されているようにバ トネサイト、モナザイト、ゼノタイムなど 希土類鉱石を用いてフッ素を不溶化する方 などが挙げられる。
特許文献6には、軽焼マグネシウムを主な 組成として用いたシアン、リン、窒素、ヒ素 の不溶化剤組成に関するものが開示されてい る。
一方、フッ素の既存の排水処理技術とし は、特許文献7のようにフッ素含有排水にカ ルシウム系アルカリを加えてpHを6~10に調整す る工程と、pHが調整されたフッ素含有排水に 析促進剤としてフルオロアパタイト粒子を え、吸着、析出させて不溶化分離させる方 がある。
また、さらにホウ素の水処理技術としては
許文献8のように排水に、リン酸塩、カルシ
ウム化合物とを添加し、pH8以上の条件で反応
させた後、固液分離する方法などが挙げられ
る。
前述のようにフッ素、ホウ素含有汚染土 スラグ、廃棄物の不溶化処理技術、水処理 術には様々な方法があるが、高濃度の汚染 経済的に不溶化処理することは難しい。
フッ素、ホウ素の溶出低減処理を行う技 として、キレート剤を用いる方法があるが キレート剤が一般的に高価であることによ コスト上の問題があるほか、キレート剤が 機材料であることにより、環境中で劣化し すいという問題があった。
本発明の目的は、高濃度のフッ素、ホウ を含有する汚染土壌、種々のスラグ類、焼 灰の不溶化処理及び排水処理を効率よく行 ことができる技術を提供することである。
また、本発明はこれらの溶出抑制技術を 供することにより、処理した土壌、灰やス グのリサイクル利用の促進を図ることを目 とする。
本発明の有害物質の不溶化剤は、アルミ ウム含有鉱物粉末・鉱石粉末を含有するこ を特徴とする。
また、前記アルミニウム含有鉱物が明礬 であることを特徴とする。
また、前記アルミニウム含有鉱物が、メ カオリン、ボーキサイト、赤土、焼成火山 のいずれかであることを特徴とする。
また、さらに、マグネシウム化合物、カ シウム化合物を含むことを含有することを 徴とする。
また、前記マグネシウム化合物が軽焼マ ネシア、硫酸マグネシウム、塩化マグネシ ムのいずれかであることを特徴とする。
また、前記カルシウム化合物が、生石灰 消石灰、塩化カルシウム、二水石膏、半水 膏のいずれかであることを特徴とする。
また、さらに、酸性物質を含有すること 特徴とする。
また、前記酸性物質が硫酸、塩酸、酢酸 塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ポ 塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、 酸第1鉄、硫酸第2鉄、塩化第1鉄、塩化第2鉄 、ポリ硫酸第二鉄、水酸化鉄(II)、水酸化鉄(I II)のいずれかであることを特徴とする。
また、さらに、珪酸ナトリウムを含有す ことを特徴とする。
本発明の有害物質の不溶化方法は、本発 の有害物質の不溶化剤を用い、汚染土壌、 却灰、又はガス化炉から排出される灰を不 化することを特徴とする。
本発明の水処理方法は、本発明の有害物 の不溶化剤を排水に添加することを特徴と る。
本発明の有害物質の不溶化剤及び有害物 の不溶化方法によれば、土壌や灰、スラグ 含まれるフッ素、ホウ素等の溶出抑制を確 に、経済的に行うことが可能であり、さら 、処理した土壌、灰やスラグを安全にリサ クル利用することが可能である。
また、本発明の水処理方法によれば排水 に含まれるフッ素、ホウ素等を確実に、経 的に、不溶化して除去することが可能であ 。
以下、本発明の有害物質の不溶化剤、有 物質の不溶化方法及び水処理方法について 細に説明する。
本発明の有害物質の不溶化剤は、アルミ ウム含有鉱物粉末、鉱石粉末を含有するも である。本発明に用いられるアルミニウム 有鉱石、鉱物としては、明礬石、ボーキサ ト、赤土、カオナイト、ハロイサイト、デ ッカイト、メタカオリン、アロフェン、焼 火山灰等がある。
ボーキサイト(bauxite)はアルミニウムの工業 料であり、ギブス石(gibbsite、Al(OH) 3 )、ベーム石(boehmite、AlO(OH))、ダイアスポア(di aspore、AlOOH)などの水酸化アルミニウム鉱物の 混合物である。
赤土は文字どおり赤い土の意味であるが この中には、我が国の沖縄地域の国頭マー 、島尻マージや熱帯地域のラテライトなど アルミニウムを高含有するものが多くある 本発明においては、ボーキサイトや赤土の 粉末を用いるのが好ましく、また温度600~900 ℃で焼成して用いてもよい。
カオリナイト(Al 2 Si 2 O 5 (OH) 4 )、ハロイサイト((Al 2 Si 2 O 5 (OH) 4 )・nH 2 O)、ディッカイト(Al 2 Si 2 O 5 (OH) 4 )は、いわゆるカオリン粘土鉱物であり、メ カオリンは、カオリン粘土鉱物を温度560~950 で焼成して得られる非晶質な粘土鉱物であ 。
本発明では、カオリン粘土鉱物のなかで アルミニウムを高含有するものを前記温度 囲で焼成したものを用いると良好な効果が られる。このような粘土鉱物の代表的なも として、我が国では古くから耐火粘土とし 用いられていた岩手粘土、大村粘土、筑豊 土、また、現在の可塑性粘土の代表である 節粘土、蛙目粘土などが挙げられる。また 国外ではニュージーランドカオリン、ジョ ジアカオリン、インドネシアカオリン、マ ーシアカオリン、中国カオリンなどが挙げ れる。さらに本発明では、これらの粘土鉱 の水ひ廃棄物等についても同様に用いるこ が可能である。
また、アロフェンは火山灰起源の非晶質な リカ・アルミナ系粘土鉱物で、主成分の組 はAl 2 O 3 ・SiO 2 ・nH 2 Oとして表される。アロフェンは例えば関東 ーム、埼玉県の飯能粘土、宮城県の有壁粘 などのようにハロイサイト粘土などと共存 る形で火山灰中に含まれることが多い。こ ような火山灰の多くは、アルミニウム成分 多く含有する特徴をもっている。本発明に いては、このアロフェンを多孔体として用 るのではなく、温度500~950℃で焼成して非晶 体に変化させ用いる。
これらのアルミ含有原料のなかでは、明 石粉末や前記のカオリン粘土鉱物を焼成し 得られるメタカオリン、ボーキサイト、赤 、焼成火山灰などを好適に用いることがで る。また、ここでボーキサイトや赤土は前 のように焼成して用いてもよい。
本発明は、このように地表に豊富に存在 る天然鉱物のひとつである明礬石や粘土鉱 、火山灰等を有効活用し、ホウ素、フッ素 の他の有害物質を含有する土壌、焼却灰、 ラグ等の処理や排水の処理を行うものであ 、極めて環境負荷の低い環境浄化方法であ 。本発明に用いる明礬石粉末やメタカオリ 、ボーキサイト、赤土、焼成火山灰などは 応性を高めるため、0.5mm以下、好ましくは0. 1mm以下の粒度のものを使用することが好まし い。
明礬石(Alunite)はカリウム、硫黄、アルミニ ムなどを含有する硫酸塩鉱物の1種であり化 学式ではKAl 3 (SO 4 ) 2 (OH) 6 と表される。現在日本国内で採鉱されている この鉱石は石英分を含み、その代表的組成は SiO 2 :45~60質量%、K 2 O:3~9質量%、SO 3 :20~30質量%、Al 2 O 3 :20~30質量%の特性をもっている。明礬石はこ 組成が示すように、アルミニウム成分を多 含むが、水への溶解度は低く、一般的な水 理剤に用いる硫酸アルミニウムの特性とは なり異なっている。
明礬石は日本国内にもアジア諸国にも多 分布する天然鉱物であるが、現在、日本国 では一部をコンクリート混和剤等の用途で 用している以外は、ほとんど工業的に利用 行われていない資源であり、原料の確保の で経済性に優れる利点ももっている。
この鉱物グループには、このほかソーダ明 石(natroalunite:NaAl 3 (SO4) 2 (OH) 6 )、アンモニウム明礬石(ammonioalunite:(NH 4 )Al 3 (SO 4 ) 2 (OH) 6 )、南石(minamiite:(Na,Ca,K,□)Al 3 (SO 4 ) 2 (OH) 6 )、フーアン石(huangite:Ca□Al 6 (SO 4 ) 4 (OH) 12 )、ワールティアライト(walthierite:BaAl 6 (SO 4 ) 4 (OH) 12 )などがあり、ここに示すAlを含有するものは 、本発明の不溶化剤の組成物として利用する ことができると思われるが、これらの埋蔵量 は少ない。
明礬石粉末のみを土壌や灰や排水に添加 た場合においても、以下に示す実施例のよ にフッ素の除去効果を得ることができる。 らにマグネシウム化合物、カルシウム化合 と組み合わせて使用することで、より優れ フッ素、ホウ素の除去効果を得ることが出 る。
上記のマグネシウム化合物としては軽焼 グネシア、軽焼ドロマイト、硫酸マグネシ ム、塩化マグネシウム、カルシウム化合物 しては、生石灰、消石灰、軽焼ドロマイト 塩化カルシウム、二水石膏、半水石膏を挙 ることができ、これらの2種以上を組み合わ せて用いることができる。
本発明に用いられるマグネシウム化合物 ある軽焼マグネシア(酸化マグネシウム)は 天然鉱物であるマグネサイト(炭酸マグネシ ム)を700~800℃で焼成したもの、ブルーサイ (水酸化マグネシウム)を300~800℃で焼成した のが好適である。なお、マグネサイト、ブ ーサイトを1000℃を超える高温で焼成したも は、重焼マグネシウムといわれ反応性が低 。また、本発明にはドロマイトを900~1300℃ 好ましくは900~1000℃で焼成した軽焼ドロマイ トをマグネシウム及びカルシウムを含む原料 として用いることができる。これらの原料は 反応性を高めるため、0.5mm以下、好ましくは0 .1mm以下に粉砕した粉末として使用すること 好ましい。その他の硫酸マグネシウム、塩 マグネシウムは化学的に合成された工業原 である。
また、本発明において使用するカルシウ 原料である生石灰又は消石灰は、石灰石(炭 酸カルシウム)を900℃以上で焼成してつくら 、また、消石灰は生石灰を水と反応させて くられる。生石灰、消石灰は最も安価なア カリ剤であり、日本国内にも多く産出する 源である。また、前述のように本発明には 焼ドロマイトをカルシウムを含む原料とし 用いることができる。これらの原料は反応 を高めるため、0.5mm以下、好ましくは0.1mm以 に粉砕した粉末として使用することが好ま い。その他に本発明に使用するカルシウム 料として塩化カルシウム、二水石膏、半水 膏を挙げることができ、これらは工業製品 たは工業的プロセスで発生した原料などで る。
これらの原料の使用方法としては、pHが 性に近い汚染土、焼却灰や排水の処理にお ては、軽焼マグネシア、生石灰、消石灰、 焼ドロマイトなどを用い、また石灰分を多 含むpH12以上の高アルカリ性の汚染土壌、ス グ、焼却灰、排水の処理おいては、酸性原 であるマグネシウム、カルシウムの塩化物 硫酸化合物を好適に用いることができる。
本発明の不溶化剤においては、上記のマ ネシウム化合物、カルシウム化合物を添加 ることにより、土壌、灰、スラグを堅固に 化、減容することがで、リサイクル材料、 盤材料として好適に用いることができる。 らに、本発明の不溶化剤は無機剤材料で構 されているため、長期にわたって安定であ 。
本発明の有害物質の不溶化剤は、さらに 性物質を含有してもよい。この酸性物質の 合によって、pH制御の自由度が増し、本発 の有害物質の不溶化剤を用いて被処理物のpH を以下に述べるような好ましい範囲に容易に 制御することができる。
ここで、酸性物質としては、硫酸、塩酸 酢酸、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウ 、ポリ塩化アルミニウム(PAC)、水酸化アル ニウム、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄、塩化第1鉄 塩化第2鉄、ポリ硫酸第二鉄、水酸化鉄(II、I II)を用いることができる。これらのうち1種 みを用いてもよく、2種以上を組み合わせて いてもよい。
本発明のフッ素、ホウ素の不溶化剤は、 酸ナトリウムを含有してもよい。珪酸ナト ウム原料としては、水ガラス、シリカゾル 粉末珪酸ソーダ等が挙げられ、珪酸ナトリ ムを含有することで、本発明の不溶化剤に って固化された処理材の強度発現を高める とができ、これにより不溶化効果が向上し また、好適にリサイクル利用を促進するこ ができる。
すなわち、珪酸ナトリウムは、Ca、Mg、Al、B aなどの多価金属イオンと反応して、不溶性 珪酸金属塩水和物や珪酸を同時に生成して ル化する。例えば、多価金属イオンとしてCa を用いた場合、化1の反応によりゲル化する なお、この反応においてSiO 2 も同時に生成する。この機構により、不溶化 処理剤の強度特性は向上し、また処理剤に撥 水性を付与することができる。
本発明の有害物質の不溶化剤は、さらに 延剤を含有してもよい。この遅延剤は、混 処理に必要な時間、混練後の運搬、埋め立 などの処理に必要な時間を確保するために 固化反応を遅延させる目的で用いられる。 延剤の添加量は、不溶化剤成分合計質量の1 0質量部以下が好ましい。
本発明の有害物質の不溶化剤をフッ素、 ウ素で汚染された土壌、製紙スラッジ、下 汚泥、石炭等の飛灰及び燃え殻、高炉、ガ 化炉等のスラグ、ガス化炉のスラグ等の焼 灰、鉄鉱系スラグ、鋳物砂などの被処理物 加え、加水して混練し、湿潤状態で数日間 生を行うことで、被処理物を堅固に固め、 理した土壌や灰の飛散や解砕を防ぎ、透水 を低下させることにより、有害物の溶出、 出を防ぐ効果を発揮する。さらに、本発明 有害物質不溶化剤は以下に述べるように有 物質の溶出抑制機能を有する組成物を含有 るため、優れた溶出低減効果をもつと考え れる。
ここで、本発明の不溶化剤によるフッ素 ホウ素の不溶化の機構は、(1)マグネシウム オン、カルシウムイオンとホウ酸、フッ素 オンとの化合物の形成、(2)さらに、明礬石 メタカオリン、ボーキサイト等に含まれる ルミニウム成分、珪酸成分、硫酸成分とマ ネシウム、カルシウムとの難溶性化合物形 に伴うホウ素、フッ素の固定化、によるも と考えられる。この原理は水処理法におけ 凝集分離法に極めて近く、それゆえ、本発 の不溶化剤は水処理剤としても好適に利用 れる。
ところで、ホウ素は、濃度やpHにより形態 変化することが知られている。ホウ素は、 較的濃度が低い場合は、アルカリ性の領域 は次式のように解離が進み、pH10~12の範囲で ほとんどが溶液中でイオン化しB(OH) 4 - の形態で存在する。また、pH8~9以下ではほと ど解離せずH 3 BO 3 の形態となる。
また、ホウ素は0.025M(およそ300mg/L)以上の濃 、pH6~11の範囲で、B 3 O 3 (OH) 4 - 、B 5 O 5 (OH) 4 - 、B 7 O 7 (OH) 4 - などの形態となる。
したがって、効率よくホウ素を固定する めにはpHを制御し、ホウ素を固定するのに 率の良いイオン化した状態に変化させるこ が重要である。
本発明の有害物質の不溶化剤においては 明礬石とメタカオリン、ボーキサイト等の ルミニウム含有原料、生石灰、消石灰、軽 マグネシア、軽焼ドロマイト、酸性物質を み合わせて使用することで、有害物質の処 効果を得るとともに、被処理物を目的とす pHに制御することができる。
本発明の有害物質の不溶化剤を用いてホ 素の処理を行う場合においては、明礬石、 タカオリン等のアルミ含有原料と、生石灰 消石灰、軽焼マグネシア、軽焼ドロマイト 酸性物質を加えて処理後の土壌・灰のpHを10 .0~12.5の範囲に、pHが高い領域では水酸化物イ オンが競合イオンとなるため、好ましくは11. 0~12.0の範囲にコントロールすることで、ホウ 素を効率よく固定することができる。これに 対し、軽焼マグネシアのみを添加した場合に は、処理対象のpHは概ね10以下の条件となり 前述のホウ素固定のために望ましいpH範囲と することができない。
また、本発明の有害物質の不溶化剤を用 てフッ素の不溶化処理を効率よく行うため は不溶化剤を添加しpHを9~12、より好ましく pH9~11程度の範囲に制御することが好ましい
また、本発明の本発明の有害物質不溶化 は、これらの有害物質の優れた固定能力を するため、土壌、灰、スラグの固形物分に して10質量%以下の添加で、環境基準以下ま 溶出抑制を行うことが可能である。
なお、本発明の有害物質の不溶化剤を用 て、有害物質を確実に不溶化するためには 不溶化剤と被処理物を十分に混練すること 望ましい。本不溶化剤は微細な無機粒子で 成されるため容易に攪拌・混練を行うこと できるため、特殊な混練方法は必要としな 。実際の処理には、ミキサーを用いた混練 、重機による攪拌混合処理などにより混練 行う方法が用いられる。例えばスタビライ ー、ブルドーザ、バックホウ、自走式土壌 良機、高圧噴射法を用いた混練処理を行う とができ、さらには、ベルトコンベヤーと 力式混合装置の組み合わせや、回転打撃に る撹拌方法など公知のいかなる混練方法を 用してもよい。
本発明の有害物質不溶化剤は、汚染土壌 灰を堅固に固め、処理した土壌や灰の飛散 解砕を防ぎ、さらに透水性を低下させるこ により、有害物の溶出、流出を防ぐ効果を 揮する。したがって、本発明の有害物質の 溶化剤を用いることによって、重金属を含 する石炭灰や焼却灰等と混合して、安全に め立て処理を行うことができ、さらに、例 ば、粒状物に加工して道路路盤材料、裏込 材として安全にリサイクル利用を行うこと できる。そして、本発明の有害物質の不溶 剤は、固化強度が従来の技術よりも大きい め、地盤強度を容易に確保することができ また、長期の不溶化効果が期待できる。
以上のように、本発明の有害物質の不溶 方法は、有害物質を難溶性の形態として不 化剤組成物に固定するメカニズムを利用す ものであり、これは水処理法における凝集 離法の概念に極めて近い。このため本発明 不溶化剤は水処理剤としても好適に用いる とができる。
本発明の有害物質の不溶化剤を水処理剤 して用いる場合には、本発明の不溶化剤を ッ素やホウ素等を含む排水に必要量添加し 通常30分から数時間混合撹拌し、沈殿物を 成させ、さらに固液分離を行うことで排水 理を行う。この場合フッ素やホウ素等の有 物質は水中から移動し沈殿物に固定される とにより、除去が行われる。
この本発明の水処理方法は、凝集沈殿を 成する原理を利用するものであるため、シ クナーなどの沈殿槽を用いて排水と汚泥を 離する一般的な方法により実施することが きるが、MF膜などの膜処理方法と組み合わ て実施することもできる。さらに、本発明 有害物質の不溶化剤にポリアクリル酸など 代表される高分子業種剤と組み合わせるこ で、さらに水処理効果を向上させることが きる。
なお、本発明は上記の実施例に限定され ものでなく、本発明の要旨の範囲内におい 種々の変形実施が可能である。
以下、具体例に基づき、さらに詳細に説 する。
土壌にフッ化ナトリウムを添加し、フッ 含有量を100mg/kgに調整した汚染土を模擬的 作成し、これを湿潤に保ったまま3日間、養 した。
この汚染土壌に表1に示す不溶化剤と水を 添加し、モルタルミキサーにより3分混練後 20℃の恒温で1週間養生を行った。各サンプ を用いて、平成3年環境省告示第46号に示す 法に従って溶出試験を実施した。この結果 表2に示す。
不溶化剤を添加しない土壌、フッ素の一 的な処理剤である生石灰を用いた処理土の ッ素溶出濃度は土壌汚染対策法溶出量基準 0.8mg/Lを超過した結果となっている。これに 対して本発明の不溶化剤組成、すなわち明礬 石粉末、これと軽焼マグネシア、生石灰を組 成とする不溶化剤を添加した実施例において はいずれも基準値以下の値までフッ素の溶出 を低減できている。
ここで、明礬石粉末としては昭和KDE株式会 製(SiO 2 :45.4%、Al 2 O 3 :21.7%、Fe 2 O 3 :0.08%、SO 3 :21.8%、K 2 O:4.4%、粒径-100メシュ)、軽焼マグネシアは中 産軽焼マグネシア(MgO:92.8%、CaO:2.0%、粒度325 ッシュ通過95%)、生石灰は上田石灰製造株式 会社製(CaO:95.3%、SiO 2 :0.7%、Al 2 O 3 :0.3%、Fe 2 O 3 :0.1%、MgO:0.8%、ig.loss:2.7%、粒度-0.5mmふるい通 97%)を用いた。また、フッ化ナトリウムは関 化学株式会社製の試薬を用いた。
フッ素を1,300mg/kg含有する廃石膏ボード( 径-1mm程度)に表3の不溶化剤を添加し、水を えてモルタルミキサーにより3分混練後、室 で1週間養生を行った。各不溶化試験サンプ ルを用いて、平成3年環境省告示第46号に示す 方法に従って溶出試験を実施した。この結果 を表4に示す。
不溶化剤を添加しない廃石膏ボードの溶 量は4.8mg/Lであり、また、フッ素の一般的な 処理剤である石灰の混練処理により溶出量は 、ほぼ倍まで増大した。本発明の不溶化剤は これより優れた効果を示し、実施例4では石 を用いてもフッ素の溶出量は半減し、実施 5~8においては環境基準値(溶出量0.8mg/L)以下 でフッ素の溶出を抑制することができた。 た、ボーキサイト、メタカオリンを用いた 施例では、より少ない添加量でフッ素の溶 量を基準値以下まで抑制を行うことができ 。
ここにメタカオリンはニュージーランド製 オリン粘土(SiO 2 :48.0%、Al 2 O 3 :37.5%、Fe 2 O 3 :0.3%)を800℃で1時間焼成したものを用いた。 た、ボーキサイトは中国製(組成:Al 2 O 3 :85%以上、Fe 2 O 3 :2%以下、粒度:-200メッシュ)を、消石灰は上田 石灰製造株式会社製、特号消石灰(CaO:72.5%以 、不純物3%以下、粒度-0.3mm)を用いた。その のものは前記のものと同じものを用いた。
土壌にホウ酸ナトリウムを添加し、ホウ 含有量を200mg/kgに調整した汚染土を模擬的 作成し、これを湿潤に保ったまま3日間、養 した。
この汚染土壌に表5に示す不溶化剤と水を 添加し、モルタルミキサーにより3分混練後 20℃の恒温で1週間養生を行った。各サンプ を用いて、平成3年環境省告示第46号に示す 法に従って溶出試験を実施した。この結果 表8に示す。
不溶化剤を添加しない土壌のホウ素の溶 量は16.8と大きな溶出を示すが、実施例9~11 ように本発明の不溶化剤組成物を添加する 基準値以下まで溶出量を低減することがで る。これに対して軽焼マグネシア、生石灰 体で処理を行った比較例においてはホウ素 溶出低減効果は認められるものの、本発明 組成物と比較してその効果は小さい。
試験に用いた原料は前記のものと同じも を使用した。また、ホウ酸ナトリウムは関 化学製の試薬を用いた。
本発明の有害物質の不溶化剤を水処理剤 して用いて排水処理を行った。
フッ素濃度120mg/L、pH3.1の工場廃水に表7の 組成の不溶化剤を添加し、50分攪拌し、10分 置後、上澄み液のフッ素濃度を電極式イオ 濃度計により測定した。
処理後のフッ素濃度は元の工場排水から きく低下し、表7のように海域への排水基準 値(15mg/L)以下の濃度となった。この試験結果 示すように本発明の不溶化剤組成は、フッ の高い処理能力を有していた。なお、不溶 剤の原料は前記と同じものを使用した。
ホウ素濃度12.5mg/L、pH7.6の地下水を300mlビ カに分取し、表8の組成の不溶化剤を添加し 、5時間攪拌し、30分静置後上澄み液のホウ素 濃度をMS-ICPにより測定した。処理後のホウ素 濃度は表8に示すように、地下水基準値0.8mg/L 下の濃度となった。本発明の不溶化剤組成 、ホウ素を固定する反応活性が比較的低い め、ホウ素の濃度の低下が生ずるまで4時間 を要したが、このような特性をもつため、地 盤への注入剤などとして好適に用いることが できる。なお、不溶化剤の原料は前記と同じ ものを用いた。
