JP2018154519A | 2018-10-04 | |||
JP2008119927A | 2008-05-29 | |||
JP2016523222A | 2016-08-08 |
〇 2020/175178 44 卩(:171? 2020 /005739 請求の範囲 [請求項 1 ] 熱可塑性樹脂材料から構成される 層と、 ポリビニルアセタール樹 脂組成物から構成される巳層とを少なくとも一層ずつ含む合わせガラ ス用中間膜であって、 前記熱可塑性樹脂材料は熱可塑性樹脂として、 芳香族ビニル単量体 単位を 6 0モル%以上含む重合体ブロック (3) と共役ジェン単量体 単位を 6 0モル%以上含む重合体ブロック (1〇) とを有するブロック 共重合体の水素添加物を含有し、 ブロック共重合体の水素添加物にお ける重合体ブロック (3) の含有量はブロック共重合体の水素添加物 の総質量に対して 2 5質量%以下であり、 前記ポリビニルアセタール樹脂組成物は、 ポリビニルアセタール樹 脂と分子構造中に芳香環を有する可塑剤とを含有し、 前記可塑剤の含 有量は、 前記ポリビニルアセタール樹脂 1 〇〇質量部に対して〇. 5 〜 1 0 0質量部であり、 前記可塑剤の 3 値は 1 0 . 0 ^ 3) 2以上である、 合わせガラス用中間膜。 [請求項 2] 前記可塑剤は分子構造中に水酸基を有さない、 請求項 1 に記載の合 わせガラス用中間膜。 [請求項 3] 前記可塑剤の屈折率 は 1 . 5 0以上である、 請求項 1 または 2 に記載の合わせガラス用中間膜。 [請求項 4] 厚さ 5 0 0 のシート状の前記ポリビニルアセタール樹脂組成物 を 2 0 °〇、 相対湿度 6 5 %で 4 8時間調湿した際の水分率は 1 . 8 0 質量%以下である、 請求項 1〜 3のいずれかに記載の合わせガラス用 中間膜。 [請求項 5] 前記ポリビニルアセタール樹脂組成物は前記可塑剤として、 安息香 酸エステル、 芳香族リン酸エステルおよびフタル酸エステルからなる 群から選択される 1以上の可塑剤を含有する、 請求項 1〜 4のいずれ かに記載の合わせガラス用中間膜。 [請求項 6] 前記ポリビニルアセタール樹脂組成物は、 炭素数 2〜 1 2のカルボ 〇 2020/175178 45 卩(:171? 2020 /005739 ン酸のマグネシウム塩からなる群から選択される 1以上のマグネシウ ム塩をさらに含有する、 請求項 1〜 5のいずれかに記載の合わせガラ ス用中間膜。 [請求項 7] 前記熱可塑性樹脂材料は、 」 丨 3 < 7244- 1 0 : 2005 に準じて周波数 1 2の条件で複素せん断粘度試験を行うことで測定 される I 3 n 5が最大となるピークを一 30°◦以上 1 0°◦以下の範囲 に有し、 当該 I 3 n 5ピークの高さは 1. 5以上である、 請求項 1〜 6のいずれかに記載の合わせガラス用中間膜。 [請求項 8] 厚さが 1 00 以上 400 以下である前記八層と、 当該八層 の両面に積層された、 1層の厚さが 200 〇!以上 1 500 以下 である前記巳層とからなる、 請求項 1〜 7のいずれかに記載の合わせ ガラス用中間膜。 [請求項 9] 前記八層および前記巳層を巳層/八層/巳層/八層/巳層の順で含 んでなる、 請求項 1〜 7のいずれかに記載の合わせガラス用中間膜。 [請求項 10] 2枚のガラスの間に請求項 1〜 9のいずれかに記載の合わせガラス 用中間膜が挟持されてなる合わせガラスであって、 乗物用フロントガ ラス、 乗物用サイ ドガラス、 乗物用サンルーフ、 乗物用リアガラスま たはへッ ドアップディスプレイ用ガラスである、 合わせガラス。 |
発明の名称 : 合わせガラス用中間膜および合わせガラス 技術分野
[0001 ] 本発明は、 合わせガラス用中間膜および合わせガラスに 関する。
背景技術
[0002] 窓ガラス等に使用されているガラス板は耐久 性および採光性に優れている が、 ダンピング性能 (屈曲振動に対する 1 a n 8) が非常に小さいことが知 られている。 このため、 ガラスの振動と入射音波の振動とが一致して 共振状 態が起こり、 透過損失が著しく低下する現象 (コインシデンス効果) が見ら れる。
—方、 近年、 合わせガラスを軽量化することにより自動車 を軽量化し、 燃 費を向上させる取り組みがなされている。 一般には、 合わせガラスの厚さを 薄くすることによって軽量化できるが、 その重量減少分に応じて遮音性が低 下するため、 重量減少の実現には、 遮音性の低下を補う手段が求められてい る。
[0003] 遮音性を高める方法として、 ダンピング性能に優れた合わせガラス用中間 膜 (以下、 単に 「中間膜」 ともいう) を用いる方法がある。 中間膜は、 振動 エネルギーを熱エネルギーに変換することで 振動エネルギーを低減する能力 を有している。 そのような中間膜として、 例えば特許文献 1 には、 ポリスチ レンとゴム系樹脂の共重合体 (以下、 「スチレン系熱可塑性エラストマー」 と称する) でなる樹脂膜八が、 可塑化されたポリビニルアセタール系樹脂で なる樹脂膜巳で挟着されてなる合わせガラス 用中間膜が提案されている。 ここで、 ポリビニルアセタール樹脂および可塑剤を含 む樹脂膜 (可塑化ポ リビニルアセタール樹脂含有樹脂膜) と隣接して積層させる樹脂膜 (積層樹 脂膜) が、 上記した例のようなスチレン系熱可塑性エラ ストマーで構成され ている場合、 前記可塑剤として合わせガラス用中間膜用途 に汎用されている 可塑剤 〔例えば、 アジピン酸ジヘキシル、 フタル酸ジオクチル等の多価カル 〇 2020/175178 2 卩(:171? 2020 /005739
ボン酸と一価アルコールとのカルボン酸エ ステル化合物、 または、 トリエチ レングリコールジ 2—エチルへキサノエート (3 0 8) 、 トリエチレングリ コールジヘプタノエート等の多価アルコール と一価カルボン酸とのカルボン 酸エステル化合物〕 を使用すると、 当該可塑剤が可塑化ポリビニルアセター ル樹脂含有樹脂膜から積層樹脂膜に移行し、 その結果、 ヘイズの上昇等の問 題を起こすことがあることが知られている。 そこで、 前記移行が起こり難い 可塑剤として、 水酸基価が 1 5〜 4 5〇 9 であるエステル系可 塑剤またはエーテル系可塑剤が提案されてい る (例えば、 特許文献 2) 。 先行技術文献
特許文献
[0004] 特許文献 1 :特開 2 0 0 7 _ 9 1 4 9 1号公報
特許文献 2 :国際公開第 2 0 1 1 / 0 1 6 4 9 5号パンフレッ ト
発明の概要
発明が解決しようとする課題
[0005] しかしながら、 水酸基価が
可塑剤またはエーテル系可塑剤を可塑剤とし て用いたポリビニルアセタール 樹脂組成物は、 可塑剤として 3◦ 8を用いた場合と比べてより高い吸湿性を 有し、 その結果、 そのような樹脂組成物から構成される層を含 む中間膜を用 いた合わせガラスの作製において当該層とガ ラスとが接する構成とする場合 に、 雰囲気条件によっては当該層とガラスとの十 分な接着性の確保が困難に なったり、 作製した中間膜または合わせガラスの端部か らの当該層への吸湿 に起因して当該層とガラスとの接着性が低下 したりする問題があることが本 発明者らにより見出された。 また、 一般に、 ポリビニルアセタール樹脂層の ガラスとの接着性は、 酢酸マグネシウム等の接着力調整剤の添加量 で制御す ることができるが、 吸湿性が高いか若しくは水分を多く含むポリ ビニルアセ タール樹脂層では、 水分による接着力低下の影響が大きく、 接着力調整剤に よる制御が困難となる問題があることも見出 された。 〇 2020/175178 3 卩(:171? 2020 /005739
[0006] 従って、 本発明は、 前記課題を解決できる中間膜の提供、 即ち、 透明性お よび遮音性が十分に高く、 ガラスとの良好な接着およびガラスとの接着 性制 御の実現も可能な中間膜の提供を目的とする 。
課題を解決するための手段
[0007] 本発明者らは前記課題を解決するために、 合わせガラス用中間膜について 鋭意検討した結果、 本発明を完成させるに至った。 即ち、 本発明は、 以下の 好適な態様を包含する。
[1] 熱可塑性樹脂材料から構成される 層と、 ポリビニルアセタール樹脂 組成物から構成される巳層とを少なくとも一 層ずつ含む合わせガラス用中間 膜であって、
前記熱可塑性樹脂材料は熱可塑性樹脂として 、 芳香族ビニル単量体単位を 6 0モル%以上含む重合体ブロック ( 3) と共役ジェン単量体単位を 6 0モ ル%以上含む重合体ブロック ( 13) とを有するブロック共重合体の水素添加 物を含有し、 ブロック共重合体の水素添加物における重合 体ブロック (3) の含有量はブロック共重合体の水素添加物の 総質量に対して 2 5質量%以下 であり、
前記ポリビニルアセタール樹脂組成物は、 ポリビニルアセタール樹脂と分 子構造中に芳香環を有する可塑剤とを含有し 、 前記可塑剤の含有量は、 前記 ポリビニルアセタール樹脂 1 0 0質量部に対して〇. 5〜 1 0 0質量部であ り、 前記可塑剤の 3 値は 1 〇. 0 2 以上である、 合わ せガラス用中間膜。
[2] 前記可塑剤は分子構造中に水酸基を有さない 、 前記 [1] に記載の合 わせガラス用中間膜。
[3] 前記可塑剤の屈折率 n D は 1 . 5 0以上である、 前記 [1] または [2 ] に記載の合わせガラス用中間膜。
[4] 厚さ 5 0 0 のシート状の前記ポリビニルアセタール樹脂 組成物を 2 0 ° 0、 相対湿度 6 5 %で 4 8時間調湿した際の水分率は 1 . 8 0質量%以 下である、 前記 [1] 〜 [3] のいずれかに記載の合わせガラス用中間膜。 \¥0 2020/175178 4 卩(:17 2020 /005739
[5] 前記ポリビニルアセタール樹脂組成物は前記 可塑剤として、 安息香酸 エステル、 芳香族リン酸エステルおよびフタル酸エステ ルからなる群から選 択される 1以上の可塑剤を含有する、 前記 [1] 〜 [4] のいずれかに記載 の合わせガラス用中間膜。
[6] 前記ポリビニルアセタール樹脂組成物は、 炭素数 2〜 1 2のカルボン 酸のマグネシウム塩からなる群から選択され る 1以上のマグネシウム塩をさ らに含有する、 前記 [1] 〜 [5] のいずれかに記載の合わせガラス用中間 膜。
[7] 前記熱可塑性樹脂材料は、 」 丨 3 < 7 2 4 4— 1 0 : 2 0 0 5に 準じて周波数 1 1 ~ 1 åの条件で複素せん断粘度試験を行うことで 定される I 3 n 5が最大となるピークを一 3 0 °〇以上 1 0 °〇以下の範囲に有し、 当該 1 ピークの高さは 1 . 5以上である、 前記 [1] 〜 [6] のいずれかに 記載の合わせガラス用中間膜。
[8] 厚さが 1 0 0 以上 4 0 0 以下である前記八層と、 当該八層の 両面に積層された、 1層の厚さが 2 0 0 〇!以上 1 5 0 0 以下である前 記巳層とからなる、 前記 [1] 〜 [7] のいずれかに記載の合わせガラス用 中間膜。
[9] 前記八層および前記巳層を巳層/八層/巳層/八 層/巳層の順で含ん でなる、 前記 [1] 〜 [7] のいずれかに記載の合わせガラス用中間膜。
[1 0] 2枚のガラスの間に前記 [1] 〜 [9] のいずれかに記載の合わせ ガラス用中間膜が挟持されてなる合わせガラ スであって、 乗物用フロントガ ラス、 乗物用サイ ドガラス、 乗物用サンルーフ、 乗物用リアガラスまたはへ ッ ドアップディスプレイ用ガラスである、 合わせガラス。
発明の効果
[0008] 本発明によれば、 透明性および遮音性が十分に高く、 ガラスとの良好な接 着およびガラスとの接着性制御の実現も可能 な中間膜を提供することができ る。
図面の簡単な説明 \¥0 2020/175178 5 卩(:17 2020 /005739
[0009] [図 1 ]本開示の合わせガラス用中間膜の一態様で る構成を示す断面模式図で ある。
[図 2]本開示の合わせガラス用中間膜の一態様で る構成を示す断面模式図で ある。
発明を実施するための形態
[0010] 以下、 本発明の実施の形態について詳細に説明する 。 なお、 本発明の範囲 はここで説明する実施の形態に限定されるも のではなく、 本発明の趣旨を損 なわない範囲で種々の変更をすることができ る。
[001 1 ] 本開示の合わせガラス用中間膜は、 熱可塑性樹脂材料から構成される八層 と、 ポリビニルアセタール樹脂組成物から構成さ れる巳層とを少なくとも一 層ずつ含む。
[0012] [巳層]
まず、 巳層について説明する。 巳層を構成するポリビニルアセタール樹脂 組成物は、 ポリビニルアセタール樹脂と分子構造中に芳 香環を有する可塑剤 とを含有し、 前記可塑剤の含有量は、 前記ポリビニルアセタール樹脂 1 〇〇 質量部に対して〇. 5〜 1 0 0質量部であり、 前記可塑剤の 3 値 (溶解度 パラメーター、 3〇 1 リ 1〇 1 I 彳 ソ ㊀ ㊀ !") は 1 0 . 0 (
〇 3 丨 /〇 3 ) 以上である。 即ち、 前記可塑剤は、 特定の 3 値を有し 、 分子構造中に芳香環を有する可塑剤である。
[0013] <可塑剤>
特定の 3 値を有し、 分子構造中に芳香環を有する可塑剤について 説明す る。 巳層を構成するポリビニルアセタール樹脂組 成物に含まれる可塑剤は、 分子構造中に芳香環を有する。 分子構造中に芳香環が _定以上の高密度で存 在することにより、 可塑剤の 3 値は 1 0 . 0 (〇 3 丨 /〇〇1 3 ) 2 以上に なり、 隣接する層、 例えば後述する八層 〔芳香族ビニルー共役ジェン系ブロ ック共重合体の水素添加物 (例えばスチレン系熱可塑性ェラストマー) を熱 可塑性樹脂として含む熱可塑性樹脂材料から 構成される層〕 への可塑剤の移 行を抑制することができる。 可塑剤が芳香環以外の官能基を多く含む場合 は 〇 2020/175178 6 卩(:171? 2020 /005739
3 値は低くなり、 その結果、 隣接する層、 例えば八層への可塑剤の移行が 起きやすくなり、 八層中でのヘイズ、 または合わせガラスにおける遮音特性 の低下を引き起こしやすくなる。 本開示における可塑剤の 3 値は、 好まし 以上、 より好ましくは 1 0. 3 (〇 3 I くは 1 0. 4 (〇 丨 /〇〇1 3 ) 1 /2 以上、 特に好ましくは 1 0. 5 (〇 3 丨 /〇 3 ) 以上である。 ここで、 とは、 6 〇 「 3の計算手法に則って計算した値である ([¾. . 6 〇 ^, , 1 4, 1 47 (1 974) ) 。
[0014] 特定の 3 値を有し、 分子構造中に芳香環を有する可塑剤は、 好ましくは 、 分子構造中に水酸基を有さない。 水酸基含有可塑剤は、 当該可塑剤を含有 する樹脂組成物から構成される層から隣接す る層 (例えば 層) への当該可 塑剤の移行を抑制しやすい観点からは好まし い。 しかし、 当該可塑剤自体の 吸湿性の高さに起因して、 当該可塑剤を含有する樹脂組成物の吸湿性も 高く なるため、 そのような樹脂組成物から構成される層を含 む中間膜を用いた合 わせガラスにおいては、 当該層がガラスと接する構成の場合にガラス との接 着性および接着制御性について問題が生じ得 る。
特定の 3 値を有し、 分子構造中に芳香環を有する可塑剤の水酸基 価は、 好ましくは 1 0. 以下であり、 9.
、 7. [<〇 1 ~ 1/9以下または 5. [<〇 1 ~ 1/9以下が好ましい場 合もある。 可塑剤の水酸基価は、 」 丨 3 < 1 557に従って測定できる。
[0015] 分子構造中に芳香環が一定以上の高密度で存 在することにより、 可塑剤は 約 1. 5以上の屈折率 n D を有し得る。 そのような可塑剤を含有するポリビニ ルアセタール樹脂組成物から構成される層の 屈折率は、 汎用的に使用されて いる 308 (n D 約 1. 45) 等の可塑剤を含有するポリビニルアセタール 樹脂組成物から構成される層の屈折率よりも 八層の屈折率に近接する。 とこ ろで、 複層中間膜の表層へのエンボス形状の賦形時 に起こることがある、 内 部層へのエンボス形状の転写の事象において 、 表層の屈折率と内部層の屈折 率との差に起因した光の散乱は、 その屈折率差が小さいほど抑制される。 従 \¥0 2020/175178 7 卩(:17 2020 /005739
つて、 そのような光散乱を抑制しやすい観点から、 可塑剤の屈折率 n D は、 好 ましくは 1 . 5 0以上、 より好ましくは 1 . 5 1以上、 特に好ましくは 1 .
5 2以上である。 可塑剤の屈折率は、 例えばアッベ屈折計により測定できる
[0016] 好ましい態様では、 ポリビニルアセタール樹脂組成物は前記可塑 剤として 、 安息香酸エステル、 芳香族リン酸エステルおよびフタル酸エステ ルからな る群から選択される 1以上の可塑剤を含有する。
[0017] 安息香酸エステルは、 特定の 3 値を有する限り特に限定されず、 可塑剤 として公知の安息香酸エステルを用いること ができる。 安息香酸との結合基 がアルキレングリコール基である場合、 低い吸湿性を得やすい観点から、 グ リコール鎖の繰り返し単位は 1 0以下であることが好ましい。 そのような安 息香酸エステルの具体例としては、 ジエチレングリコールジベンゾエート (
0 £ 0 0 6) およびジプロピレングリコールジベンゾエー ト (〇 〇〇巳) 等のアルキレングリコールジベンゾエートが 挙げられる。 安息香酸エステル としては市販品も好適に用いることができ、 その例としては、 口 丨 (3株式会 社製の 「モノサイザー 巳一 3八」 および 「モノサイザー 巳一 1 0」 、 並 びに株式会社八 0巳 八製の 「アデカサイザー N— 6 1 2 0」 等が挙げら れる。
[0018] 芳香族リン酸エステルは、 特定の 3 値を有する限り特に限定されず、 可 塑剤として公知の芳香族リン酸エステルを用 いることができる。 その具体例 としては、 トリフエニルホスフエート (丁 ) 、 トリクレジルホスフエー 卜 (丁〇 ) およびトリキシレニルホスフエート (丁乂 ) 等が挙げられる
[0019] フタル酸エステルは、 特定の 3 値を有する限り特に限定されず、 可塑剤 として公知のフタル酸エステルを用いること ができる。 その具体例としては 、 フタル酸ジフエニルおよびフタル酸ベンジル プチル (巳巳 ) 等が挙げら れる。
[0020] 本開示のポリビニルアセタール樹脂組成物は 、 可塑剤として、 特定の 〇 2020/175178 8 卩(:171? 2020 /005739
値を有し、 分子構造中に芳香環を有する可塑剤を主とし て含む。 そのような 可塑剤は、 1種のみが単独でまたは 2種以上が組み合わさって、 含まれてい てよい。 また、 本開示のポリビニルアセタール樹脂組成物は 、 そのような可 塑剤以外の可塑剤を 1種以上さらに含んでいてもよい。
[0021 ] 特定の 3 ?値を有し、 分子構造中に芳香環を有する可塑剤の含有量 は、 ポ リビニルアセタール樹脂 1 0 0質量部に対して〇. 5〜 1 0 0質量部である 。 当該可塑剤の含有量が 1 〇〇質量部より多いと、 得られる中間膜を用いた 合わせガラスが十分な耐衝撃性を有すること は困難である。 当該可塑剤の含 有量は、 得られる中間膜を用いた合わせガラスの良好 な耐衝撃性を得やすい 観点から、 好ましくは 5 0質量部以下、 より好ましくは 4 5質量部以下、 さ らに好ましくは 4 3質量部以下、 特に好ましくは 4 0質量部以下である。 当 該可塑剤の含有量は、 ポリビニルアセタール樹脂 1 〇〇質量部に対して、 好 ましくは 1質量部以上、 より好ましくは 5質量部以上、 さらに好ましくは 1 〇質量部以上である。 当該可塑剤の含有量は、 ポリビニルアセタール樹脂 1 0 0質量部に対して、 1 5質量部以上、 2 0質量部以上または 2 5質量部以 上が好ましい場合もある。
可塑剤の総質量に対する、 特定の 3 ?値を有し、 分子構造中に芳香環を有 する可塑剤の割合は、 巳層から隣接する層 (例えば八層) への可塑剤の低移 行性または非移行性を得やすい観点および巳 層を構成するポリビニルアセタ —ル樹脂組成物の低い吸湿性を得やすい観点 から、 好ましくは 5 0質量%以 上、 より好ましくは 7 0質量%以上、 さらに好ましくは 8 0質量%以上、 特 に好ましくは 9 0質量%以上であり、 最も好ましくは 1 0 0質量%である。
[0022] <ポリビニルアセタール樹脂>
本開示のポリビニルアセタール樹脂組成物は 、 可塑剤に加えてポリビニル アセタール樹脂を含有する。
本開示に用いられるポリビニルアセタール樹 脂のアセタール化度は、 好ま しくは 4 0モル%以上、 より好ましくは 6 0モル%以上であり、 好ましくは 9 0モル%以下、 より好ましくは 8 5モル%以下、 さらに好ましくは 8 0モ 〇 2020/175178 9 卩(:171? 2020 /005739
ル%以下である。 アセタール化度は、 ポリビニルアセタール樹脂の製造原料 であるポリビニルアルコール系樹脂中の主鎖 の炭素 2個からなる単位 (例え ば、 ビニルアルコール単位、 酢酸ビニル単位、 エチレン単位等) を一繰返し 単位とし、 その一繰返し単位を基準とした、 アセタールを形成する上記単位 の量である。 アセタール化度が前記した下限値と上限値と の範囲内であると 、 ポリビニルアセタール樹脂と可塑剤との相溶 性が良好になりやすく、 ポリ ビニルアセタール樹脂および可塑剤を含有す るポリビニルアセタール樹脂組 成物を容易に得やすいため、 プロセス上の観点から好ましい。 また、 ポリビ ニルアセタール樹脂のアセタール化度は、 耐水性の観点からは 6 5モル%以 上であることが好ましい。 アセタール化度は、 アセタール化反応におけるア ルデヒドの使用量を調整することにより調整 できる。
[0023] ポリビニルアセタール樹脂の酢酸ビニル単位 の含有量は好ましくは 3 0モ ル%以下、 より好ましくは 2 0モル%以下である。 酢酸ビニル単位の含有量 は、 ポリビニルアセタール樹脂の製造原料である ポリビニルアルコール系樹 脂中の主鎖の炭素 2個からなる単位 (例えば、 ビニルアルコール単位、 酢酸 ビニル単位、 エチレン単位等) を一繰返し単位とし、 その一繰返し単位を基 準とした酢酸ビニル単位の量である。 酢酸ビニル単位の含有量が前記上限値 以下であると、 ポリビニルアセタール樹脂の製造時にブロッ キングを起こし 難く、 製造しやすくなる。 酢酸ビニル単位の含有量の下限値は特に限定 され ない。 酢酸ビニル単位の含有量は通常は〇. 3モル%以上である。 酢酸ビニ ル単位の含有量は、 原料のポリビニルアルコール系樹脂のケン化 度を適宜調 整することにより調整できる。
[0024] ポリビニルアセタール樹脂のビニルアルコー ル単位の含有量は好ましくは
5モル%以上、 より好ましくは 1 0モル%以上、 さらに好ましくは 1 5モル %以上であり、 好ましくは 3 5モル%以下、 より好ましくは 3 0モル%以下 、 さらに好ましくは 2 5モル%以下、 特に好ましくは 2 0モル%以下である 。 ビニルアルコール単位の含有量は、 ポリビニルアセタール樹脂の製造原料 であるポリビニルアルコール系樹脂中の主鎖 の炭素 2個からなる単位 (例え 〇 2020/175178 10 卩(:171? 2020 /005739
ば、 ビニルアルコール単位、 酢酸ビニル単位、 エチレン単位等) を一繰返し 単位とし、 その一繰返し単位を基準としたビニルアルコ ール単位の量である 。 ビニルアルコール単位の含有量が前記下限値 以上であると、 ガラスとの接 着力を良好に制御しやすい。 また、 ビニルアルコール単位の含有量が前記上 限値以下であると、 安全ガラスとして中間膜に要求される耐貫通 性または耐 衝撃性機能を好適に制御することができる。 ビニルアルコール単位の含有量 は、 アセタール化反応におけるアルデヒドの使用 量を調整することにより調 整できる。
[0025] ポリビニルアセタール樹脂は通常、 アセタールを形成する単位、 ビニルア ルコール単位および酢酸ビニル単位から構成 されており、 これらの各単位量 は、 例えば」 丨 3 < 6 7 2 8 「ポリビニルプチラール試験方法」 または核 磁気共鳴法 ( 1\/| [¾) によって測定できる。
ポリビニルアセタール樹脂としては、 1種のみを単独で用いてもよく、 ア セタール化度または粘度平均重合度等が異な る 2種以上を組み合わせて用い てもよい。
[0026] ポリビニルアセタール樹脂は従来公知の方法 により製造でき、 代表的には 、 ポリビニルアルコール系樹脂 (例えばポリビニルアルコール樹脂またはエ チレンビニルアルコールコポリマー) をアルデヒ ドによりアセタール化する ことによって製造できる。 具体的には例えば、 ポリビニルアルコール系樹脂 を温水に溶解し、 得られた水溶液を所定の温度 (例えば 0 ° 〇以上、 好ましく は 1 0 °〇以上、 例えば 9 0 °〇以下、 好ましくは 2 0 °〇以下) に保持しておい て、 所要の酸触媒およびアルデヒ ドを加え、 撹拌しながらアセタール化反応 を進行させる。 次いで、 反応温度を 7 0 ° 〇程度に上げて熟成して、 反応を完 結させ、 その後、 中和、 水洗および乾燥を行って、 ポリビニルアセタール樹 脂の粉末を得ることができる。
[0027] ポリビニルアセタール樹脂の原料となるポリ ビニルアルコール系樹脂の粘 度平均重合度は、 好ましくは 1 0 0以上、 より好ましくは 3 0 0以上、 より 好ましくは 4 0 0以上、 さらに好ましくは 6 0 0以上、 特に好ましくは 7 0 〇 2020/175178 1 1 卩(:171? 2020 /005739
0以上、 最も好ましくは 7 5 0以上である。 ポリビニルアルコール系樹脂の 粘度平均重合度が低すぎると、 耐貫通性、 耐クリープ物性、 特に 8 5 ° 〇、 8 5 % [¾ 1 ~ 1のような高温高湿条件下での耐クリー 物性が低下することがある 。 また、 ポリビニルアルコール系樹脂の粘度平均重合 度は、 好ましくは 5 0 0 0以下、 より好ましくは 3 0 0 0以下、 さらに好ましくは 2 5 0 0以下、 特に好ましくは 2 3 0 0以下、 最も好ましくは 2 0 0 0以下である。 ポリビ ニルアルコール系樹脂の粘度平均重合度が高 すぎると、 ポリビニルアセター ル樹脂組成物からなる層の成形が難しくなる ことがある。
[0028] さらに、 得られる合わせガラス用中間膜のラミネート (積層) 適性を向上 させ、 外観に一層優れた合わせガラスを得るために 、 本開示の一態様では、 ポリビニルアルコール系樹脂の粘度平均重合 度は好ましくは 1 8 0 0以下、 より好ましくは 1 6 0 0以下、 さらに好ましくは 1 3 0 0以下、 よりさらに 好ましくは 1 1 0 0以下、 特に好ましくは 1 0 0 0以下である。
[0029] なお、 ポリビニルアセタール樹脂の好ましい粘度平 均重合度の値は、 上記 したポリビニルアルコール系樹脂の好ましい 粘度平均重合度の値と同一であ る。
[0030] 得られるポリビニルアセタール樹脂の酢酸ビ ニル単位を 3 0モル%以下に 設定するために、 ケン化度が 7 0モル%以上のポリビニルアルコール系樹脂 を使用することが好ましい。 ポリビニルアルコール系樹脂のケン化度が前 記 下限値以上であると、 樹脂の透明性や耐熱性に優れる傾向にあり、 またアル デヒドとの反応性も良好となる。 ケン化度は、 より好ましくは 9 5モル%以 上である。
[0031 ] ポリビニルアルコール系樹脂の粘度平均重合 度およびケン化度は、 例えば 、 」 丨 3 < 6 7 2 6 「ポリビニルアルコール試験方法」 に基づいて測定 することができる。
[0032] ポリビニルアルコール系樹脂のアセタール化 に用いるアルデヒドとしては 、 炭素数が 1以上 1 2以下のアルデヒドが好ましい。 アルデヒドの炭素数が 前記範囲内であるとアセタール化の反応性が 良好であり、 反応中に樹脂のブ 〇 2020/175178 12 卩(:171? 2020 /005739
ロックが発生し難くなり、 ポリビニルアセタール樹脂の合成を容易に行 うこ とができる。
[0033] アルデヒドとしては特に限定されず、 例えばホルムアルデヒド、 アセトア ルデヒド、 プロピオンアルデヒド、 门 _ブチルアルデヒド、 イソプチルアル デヒド、 バレルアルデヒド、 ヘキシルアルデヒド、 2—エチルプチルア ルデヒド、 门ーヘプチルアルデヒド、 门ーオクチルアルデヒド、 n—ノニル アルデヒド、 门ーデシルアルデヒド、 ベンズアルデヒドおよびシンナムアル デヒド等の脂肪族、 芳香族または脂環式アルデヒドが挙げられる 。 これらの 中でも炭素数が 2以上 6以下の脂肪族アルデヒドが好ましく、 n _ブチルア ルデヒドが特に好ましい。 また、 上記アルデヒドは 1種のみを単独で用いて もよいし、 2種以上を併用してもよい。 さらに、 多官能性アルデヒドやその 他の官能基を有するアルデヒド等を全アルデ ヒドの 2 0質量%以下の範囲で 少量併用してもよい。
[0034] ポリビニルアセタール樹脂としてはポリビニ ルプチラール樹脂が最も好ま しい。 ポリビニルプチラール樹脂としては、 ビニルエステルと他の単量体と の共重合体をケン化して得られるポリビニル アルコール系重合体を、 プチル アルデヒドを用いてプチラール化したポリビ ニルプチラール樹脂を用いるこ とができる。 前記した他の単量体としては、 例えばエチレン、 プロピレンお よびスチレンが挙げられる。 また、 前記した他の単量体として、 水酸基、 力 ルボキシル基またはカルボキシレート基を有 する単量体を用いることができ る。
[0035] 本開示のポリビニルアセタール樹脂組成物は 、 樹脂成分として、 ポリビニ ルアセタール樹脂以外の樹脂を含有すること もできる。 ガラスとの高い接着 性を維持しやすい観点から、 ポリビニルアセタール樹脂組成物におけるポ リ ビニルアセタール樹脂の含有量は、 好ましくは 4 0質量%以上、 より好まし くは 5 0質量%以上、 より好ましくは 6 0質量%以上、 特に好ましくは 8 0 質量%以上、 最も好ましくは 9 0質量%以上である。 ポリビニルアセタール 樹脂組成物におけるポリビニルアセタール樹 脂の含有量は、 9 5質量%以上 〇 2020/175178 13 卩(:171? 2020 /005739
、 9 8質量%以上、 9 9質量%以上、 9 9 . 9質量%以上または 9 9 . 9 9 質量%以上が好ましい場合もある。
[0036] <接着力調整剤>
本開示のポリビニルァセタール樹脂組成物は 、 前記した可塑剤およびポリ ビニルアセタール樹脂に加えて、 例えば国際公開第 0 3 / 0 3 3 5 8 3号に 開示されている接着力調整剤を含有してもよ い。 ポリビニルアセタール樹脂 組成物が接着力調整剤を含有する場合、 ポリビニルァセタール樹脂組成物は 、 炭素数 2〜 1 2のカルボン酸のマグネシウム塩からなる群 ら選択される 1以上のマグネシウム塩を含有することが好 しい。 このマグネシウム塩は 、 ガラスとの接着性を調整するための接着力調 整剤として作用することが好 ましい。 接着力調整剤として、 汎用的に使用されている酢酸マグネシウムも 好適に使用されるが、 製膜装置内の壁上 (例えば押出機内の壁上、 押出ダイ の内壁上および/またはダイリツプの内壁上 の白色層の形成が抑制されや すい観点からは、 炭素数 6〜 1 2のカルボン酸のマグネシウム塩を使用する ことが好ましい。 炭素数 6〜 1 2のカルボン酸としては、 例えば、 ヘキサン 酸、 2—エチルブタン酸、 ヘプタン酸、 オクタン酸、 ノナン酸、 デカン酸、 ウンデカン酸、 ドデカン酸、 2—エチルヘキサン酸、 2—エチル酪酸、 2— プロピルヘプタン酸、 2 , 2 -ジメチル酪酸、 2 , 2 -ジメチルペンタン酸 、 2 , 2 -ジメチルヘキサン酸、 2 , 2 -ジメチルヘプタン酸、 2 , 2 -ジ メチルオクタン酸、 2 , 2 -ジメチルノナン酸、 2 , 2 -ジメチルデカン酸 、 ネオデカン酸、 等が挙げられる。 中でも、 炭素数 9〜 1 2のカルボン酸が 好ましく、 ネオデカン酸がより好ましい。
[0037] カルボン酸のマグネシウム塩を添加する場合 、 その最適な添加量は、 使用 する可塑剤、 添加される接着力調整剤の種類、 または積層される樹脂層の種 類によって異なる。 ポリビニルアセタール樹脂組成物の総質量に 対する、 力 ルボン酸のマグネシウム塩由来のマグネシウ ムイオンの含有量は、 好ましく は 1〜 4 2 0 〇1、 より好ましくは 2〜 3 0 0 、 さらに好ましくは 3〜 1 0 0 〇1である。 この範囲で添加量を適度に調整することによ って 〇 2020/175178 14 卩(:171? 2020 /005739
、 用途に応じたガラス飛散防止性の調整が可能 である。
[0038] 接着力調整剤としては、 上記のマグネシウム塩に加えてまたはマグネ シウ ム塩に代えて、 変性シリコーンオイル等の添加剤または有機 酸の 1種以上を 用いてもよい。 変性シリコーンオイルの例としては、 特公昭 5 5 - 2 9 9 5 〇号公報に示されるようなエポキシ変性シリ コーンオイル、 エーテル変性シ リコーンオイル、 エステル変性シリコーンオイル、 アミン変性シリコーンオ イルおよびカルボキシル変性シリコーンオイ ル等が挙げられる。 有機酸の例 としては、 特開 2 0 1 7 - 7 1 7 6 0号公報に示されるような、 4〜 3 0個 の炭素原子を有する少なくとも 1つの有機酸等が挙げられる。
[0039] 本開示のポリビニルアセタール樹脂組成物は 、 その他の成分としてさらに 、 酸化防止剤、 紫外線吸収剤、 光安定剤、 ブロッキング防止剤、 顔料、 染料 、 機能性無機化合物または遮熱材料等を必要に 応じて含有してもよい。
[0040] 酸化防止剤としては、 例えばフエノール系酸化防止剤、 リン系酸化防止剤 および硫黄系酸化防止剤等が挙げられる。
[0041 ] 酸化防止剤の添加量は、 ポリビニルアセタール樹脂 1 0 0質量部に対して 、 好ましくは〇. 0 0 1質量部以上、 より好ましくは 0 . 0 1質量部以上で あり、 好ましくは 5質量部以下、 より好ましくは 1質量部以下である。 酸化 防止剤の量が前記下限値以上であり前記上限 値以下であれば、 十分な酸化防 止効果を付与することができる。
[0042] 紫外線吸収剤としては、 例えばべンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、 ヒン ダードアミン系紫外線吸収剤、 ベンゾエート系紫外線吸収剤、 トリアジン系 化合物、 ベンゾフエノン系化合物、 マロン酸エステル系化合物、 インドール 系化合物、 シュウ酸アニリ ド系化合物等が挙げられる。 紫外線吸収剤は、 1 つを単独で用いてもよく、 2つ以上を組み合わせて用いてもよい。
[0043] 紫外線吸収剤の添加量は、 ポリビニルアセタール樹脂に対して質量基準 で 、 好ましくは 1 0 以上、 より好ましくは 1 0 0 以上であり、 好 ましくは 5 0 , 0 0 0 以下、 より好ましくは 1 0 , 0 0 0 以下 である。 紫外線吸収剤の添加量が前記した下限値と上 限値との範囲内である 〇 2020/175178 15 卩(:171? 2020 /005739
と、 十分な紫外線吸収効果を期待できる。
[0044] 光安定剤としては、 例えばヒンダードアミン系光安定剤等が挙げ られる。
[0045] 遮熱材料を含むことで、 合わせガラス用中間膜に遮熱機能を付与し、 合わ せガラスとしたときに波長約 1 5 0 0 n の近赤外光の透過率を下げること ができる。
[0046] 遮熱材料を含む場合、 遮熱材料は好ましくは、 錫ドープ酸化インジウム、 アンチモンドープ酸化錫、 アンチモン酸亜鉛、 金属ドープ酸化タングステン 、 ジイモニウム系色素、 アミニウム系色素、 フタロシアニン系色素、 アント ラキノン系色素、 ポリメチン系色素、 ベンゼンジチオール型アンモニウム系 化合物、 チオ尿素誘導体、 チオール金属錯体、 アルミニウムドープ酸化亜鉛 、 錫ドープ酸化亜鉛、 ケイ素ドープ酸化亜鉛、 六ホウ化ランタンおよび酸化 バナジウムからなる群から選択される少なく とも 1つである。
[0047] 遮熱材料として熱線遮蔽粒子を用いる場合、 その含有量は、 好ましくは 0 . 0 1質量%以上、 より好ましくは 0 . 0 5質量%以上、 さらに好ましくは 〇. 1質量%以上、 特に好ましくは〇. 2質量%以上であり、 好ましくは 5 質量%以下、 より好ましくは 3質量%以下である。 本開示において遮熱材料 は、 後述する合わせガラス用中間膜に含まれる八 層および巳層のいずれに含 まれていてもよく、 上記した 「含有量」 とは、 層および巳層を構成する樹 脂材料または樹脂組成物の全ての総質量を 1 0〇質量%とした場合の量を意 味する。 後述する有機色素化合物の 「含有量」 も同じ意味を有する。 熱線遮 蔽粒子の含有量が前記した下限値と上限値と の範囲内であると、 得られる中 間膜を用いた合わせガラスの可視光線の透過 率に影響を及ぼすことなく、 波 長約 1 5 0 0 n〇!の近赤外光の透過率を効果的に下げやす 。 中間膜の透明 性の観点から、 熱線遮蔽粒子の平均粒子径は、 好ましくは 1 〇〇门 以下、 より好ましくは 5 0 n 以下である。 なお、 この平均粒子径はレーザー回折 装置で測定される平均粒子径である。
[0048] 遮熱材料として有機色素化合物を用いる場合 、 その含有量は、 好ましくは 〇. 0 0 1質量%以上、 より好ましくは〇. 0 0 5質量%以上、 さらに好ま 〇 2020/175178 16 卩(:171? 2020 /005739
しくは 0 . 0 1質量%以上であり、 好ましくは 1質量%以下、 より好ましく は〇. 5質量%以下である。 有機色素化合物の含有量が前記した下限値と 上 限値との範囲内であると、 得られる中間膜を用いた合わせガラスの可視 光線 の透過率に影響を及ぼすことなく、 波長約 1 5 0 0 の近赤外光の透過率 を効果的に下げやすい。
[0049] 本開示の合わせガラス用中間膜において、 巳層 1層の厚さは好ましくは 1
0 0 以上、 より好ましくは 1 5 0 以上、 特に好ましくは 2 0 0 以上であり、 好ましくは 1 5 0 0 以下、 より好ましくは 1 3 0 0 以 下、 特に好ましくは 1 2 0 0 以下、 最も好ましくは 1 1 〇〇 以下で ある。 巳層の厚さが前記下限値以上であると、 中間膜に適度な曲げ剛性が付 与されやすく、 高周波数域での遮音性の低下が抑制されやす く、 ガラス等に 対する巳層の十分な接着性が発現されやすい 。 巳層の厚さが前記上限値以下 であると、 合わせガラス用中間膜の厚さが厚くなりすぎ ず、 合わせガラスの 重量軽減に有利である。 複数の巳層が積層される場合、 それらの厚さは同一 であってもよく、 異なっていてもよい。 複数の巳層の厚さが異なる場合、 少 なくとも 1つの巳層の厚さが上記好適な範囲内である とが好ましい。 厚さ は厚み計で測定できる。
[0050] 先に述べた通り、 ガラスとの接着性および接着制御性の観点か ら中間膜の 吸湿性は低い方が好ましい。 本開示の中間膜は八層と巳層とを少なくとも 一 層ずつ含むが、 八層は疎水性樹脂 (芳香族ビニルー共役ジェン系ブロック共 重合体の水素添加物) を樹脂成分として含有する熱可塑性樹脂材料 から構成 されているため、 中間膜の吸湿性は、 八層の吸湿性でなく巳層の吸湿性に大 きく依存する。 従って、 特に巳層とガラスとが接する構成の場合は、 巳層を 構成するポリビニルァセタール樹脂組成物の 吸湿性が低いことが好ましい。 厚さ 5 0 0 のシート状のポリビニルアセタール樹脂組成 物を、 2 0 °〇、 相対湿度 2 0 %で 4 8時間調湿した際の水分率は、 好ましくは〇. 4 5質量 %以下、 より好ましくは〇. 3 5質量%以下であり、 2 0 ° 〇、 相対湿度 6 5 %で 4 8時間調湿した際の水分率は、 好ましくは 1 . 8 0質量%以下、 より 〇 2020/175178 17 卩(:171? 2020 /005739
好ましくは 1 . 6 5質量%以下、 さらに好ましくは 1 . 4 5質量%以下であ る。 前記水分率は、 可塑剤を選択することにより前記上限値以下 に調整でき る。 水分率は、 後述の実施例に記載の方法で測定できる。
[0051 ] [八層]
次に、 層について説明する。 層を構成する熱可塑性樹脂材料は、 熱可 塑性樹脂からなるか、 または熱可塑性樹脂を含有する樹脂組成物か らなる。
[0052] <熱可塑性樹脂材料>
八層を構成する熱可塑性樹脂材料は熱可塑性 樹脂として、 芳香族ビニル単 量体単位を 6 0モル%以上含む重合体ブロック ( 3 ) と共役ジェン単量体単 位を 6 0モル%以上含む重合体ブロック (1〇) とを有するブロック共重合体 (以下、 「ブロック共重合体 (八) 」 と称することもある) の水素添加物を 含有し、 ブロック共重合体の水素添加物における重合 体ブロック (3) の含 有量はブロック共重合体の水素添加物の総質 量に対して 2 5質量%以下であ る。
[0053] 芳香族ビニル単量体単位を構成する芳香族ビ ニル化合物としては、 例えば スチレン、 〇—メチルスチレン、 01—メチルスチレン、 _メチルスチレン 、 <¾ _ メチルスチレン、 / 3—メチルスチレン、 2 , 6—ジメチルスチレン、 インデンおよびビニルナフタレン等が挙げら れる。 芳香族ビニル化合物は 1 つを単独で用いてもよく、 2つ以上を組み合わせて用いてもよい。 中でも、 製造コストおよび物性バランスの観点から、 スチレン、 《—メチルスチレン 、 _メチルスチレンおよびこれらの混合物が好 しく、 スチレンがより好 ましい。
[0054] 重合体ブロック (3) における芳香族ビニル単量体単位の含有量は 、 重合 体ブロック (3) を構成する全構成単位に対して、 6 0モル%以上、 好まし くは 8 0モル%以上、 より好ましくは 8 5モル%以上、 さらに好ましくは 9 0モル%以上、 特に好ましくは 9 5モル%以上であり、 実質的に 1 0 0モル %であってもよい。 重合体ブロック (8) における芳香族ビニル単量体単位 の含有量が前記下限値以上であると、 良好な成形性または機械的強度を得や 〇 2020/175178 18 卩(:171? 2020 /005739
すい。
[0055] 重合体ブロック (3) は、 本開示の目的および効果の妨げにならない範 囲 において、 芳香族ビニル単量体単位以外の他の不飽和単 量体に由来する構成 単位を含有していてもよい。 他の不飽和単量体としては、 例えばブタジェン 、 イソプレン、 2 , 3—ジメチルブタジェン、 1 , 3—ペンタジェン、 1 ,
3—へキサジェン、 イソプチレン、 メタクリル酸メチル、 メチルビニルェー テル、 1\! _ビニルカルバゾール、 /3—ピネン、 8 , 9 _ _メンテン、 ジぺ ンテン、 メチレンノルボルネンおよび 2—メチレンテトラヒドロフラン等が 挙げられる。
[0056] 重合体ブロック (8) 中の他の不飽和単量体単位の含有量は、 重合体ブロ ック (3) を構成する全構成単位に対して、 4 0モル%未満、 好ましくは 2 0モル%未満、 より好ましくは 1 5モル%未満、 さらに好ましくは 1 0モル %未満、 特に好ましくは 5モル%未満である。 本開示の好適な一実施態様に おいて、 重合体ブロック (3) は、 上記した他の不飽和単量体単位を実質的 に含まない。 重合体ブロック (3) が上記した他の不飽和単量体に由来する 単位を含有する場合、 その結合形態は特に制限されるものではなく 、 ランダ ム状またはテーパー状のいずれでもよい。
[0057] なお、 ブロック共重合体 (八) における重合体ブロック (3) 中の芳香族 ビニル単量体単位の含有量および他の不飽和 単量体単位の含有量は、 ブロッ ク共重合体 の 1 1 ~ 1 _ IV! スペクトルから求められ、 ブロック共重合体 (八) の調製において各単量体の仕込み比を調節す ることにより所望の含有 量に調整できる。
[0058] ブロック共重合体 (八) は、 重合体ブロック (8) を少なくとも 1つ有し ていればよい。 ブロック共重合体 (八) が重合体ブロック (3) を 2つ以上 有する場合には、 それらの重合体ブロック (3) は、 互いに同一であっても 異なっていてもよい。 なお、 本明細書において 「重合体ブロックが異なる」 とは、 重合体ブロックを構成する単量体単位、 重量平均分子量、 立体規則性 、 並びに複数の単量体単位を有する場合には各 単量体単位の比率および共重 〇 2020/175178 19 卩(:171? 2020 /005739
合の形態 (ランダム、 グラジェント、 ブロック) のうちの少なくとも 1つが 異なることを意味する。 このことは、 後述する重合体ブロック (13) におい ても同じである。
[0059] ブロック共重合体 (八) に含まれる重合体ブロック (8) の重量平均分子 量 は特に制限されない。 ブロック共重合体 ( ) が含む重合体ブロ ック のうち少なくとも 1つの重合体ブロック ( 8) の重量平均分子量 は、 好ましくは 3 , 0 0 0〜 6 0 , 0 0 0、 より好ましくは 4 , 0 0 0〜 5 0 , 0 0 0である。 ブロック共重合体 ( ) が前記範囲内の重量平均分子量 である重合体ブロック (3) を少なくとも 1つ有することにより、 機械的強 度がより向上し、 良好な製膜性を得やすい。 ここで、 重量平均分子量とは、 ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィー (〇 〇) 測定によって求めたポ リスチレン換算の重量平均分子量である。
[0060] 重合体ブロック ( 3) のガラス転移温度は、 好ましくは 1 2 0 ° 〇以下、 よ り好ましくは 1 1 0 ° 〇以下であり、 好ましくは 6 0 ° 〇以上、 より好ましくは 7 0 ° 〇以上である。 重合体ブロック (3) のガラス転移温度が前記した下限 値と上限値との範囲内であると、 層を構成する熱可塑性樹脂材料のせん断 貯蔵弾性率を特定の範囲に制御しやすくなり 、 得られる中間膜の遮音性の向 上につながるとともに、 機械的強度を高くできる。 重合体ブロック (3) の ガラス転移温度は、 後述の実施例に記載の方法により測定され、 ブロック共 重合体 ( ) の調製において各単量体の仕込み比を調節す ることにより所望 の範囲に調整できる。
[0061 ] ブロック共重合体 ( ) の水素添加物における重合体ブロック (3) の含 有量 〔複数の重合体ブロック (3) を有する場合はそれらの合計含有量〕 は 、 ブロック共重合体 ( ) の水素添加物の総質量に対して 2 5質量%以下で ある。 ブロック共重合体 (八) のモルフォロジーによって 3 5の値も変 化し、 特にスフィア構造からなるミクロ相分離構造 をとる場合に 8 5が 高くなる傾向にある。 スフィア構造の形成のしやすさには、 ブロック共重合 体 ( ) の水素添加物における重合体ブロック (3) の含有量が大きく影響 〇 2020/175178 20 卩(:171? 2020 /005739
するため、 ブロック共重合体 ( ) の水素添加物の総質量に対するブロック 重合体 (3) の含有量を 2 5質量%以下、 好ましくは 2 0質量%以下、 より 好ましくは 1 5質量%以下に調整することが、 得られる中間膜の遮音性をよ り向上させる上で非常に有利である。 前記した重合体ブロック (3) の含有 量は、 より好ましくは 1 4質量%以下、 より好ましくは 1 3質量%以下、 よ り好ましくは 1 2 . 5質量%以下、 より好ましくは 1 1質量%以下、 特に好 ましくは 9質量%以下である。 遮音性の観点から、 前記した重合体ブロック (3) の含有量は、 好ましくは 3質量%以上、 より好ましくは 3 . 5質量% 以上である。 本開示の一実施態様において、 前記した重合体ブロック (3) の含有量は好ましくは 3〜 2 5質量%である。 一方で、 八層の取扱性および 機械物性を高めやすい観点からは、 前記した重合体ブロック (3) の含有量 は好ましくは 6〜 2 5質量%、 より好ましくは 8〜 2 5質量%、 特に好まし くは 1 〇〜 2 5質量%である。 また、 本開示の一実施態様において、 前記し た重合体ブロック (3) の含有量は好ましくは 3 . 5〜 2 5質量%、 より好 ましくは 4〜 1 5質量%であって、 重合体ブロック (8) の含有量が前記範 囲内であると、 高い遮音性を確保しつつ、 得られる 層の取扱性および機械 物性を高めることができる。
なお、 ブロック共重合体 (八) の水素添加物における重合体ブロック (3 ) の含有量は、 ブロック共重合体 ( ) の水素添加物の 1 1 ~ 1 _ 1\/| [¾スペクト ルから求められ、 ブロック共重合体 ( ) の調製において各単量体の仕込み 比を調節することにより所望の範囲に調整で きる。
[0062] 重合体ブロック (匕) に含まれる共役ジェン単量体単位を構成する 共役ジ ェン化合物としては、 例えばイソプレン、 ブタジェン、 へキサジェン、 2 ,
3—ジメチルー 1 , 3—ブタジェン、 1 , 3—ペンタジェンおよびミルセン 等を挙げることができる。 共役ジェン化合物は 1つを単独で用いてもよく、
2つ以上を組み合わせて用いてもよい。 中でも、 入手しやすさ、 汎用性、 お よび後述する結合形態の制御性等の観点から 、 イソプレン、 ブタジェン、 お よびイソプレンとブタジェンとの混合物が好 ましく、 イソプレンがより好ま 〇 2020/175178 21 卩(:171? 2020 /005739
しい。
[0063] 共役ジェン化合物として、 ブタジェンとイソプレンとの混合物を用いて も よい。 その混合比率 [イソプレン/ブタジェン] (質量比) に特に制限はな いが、 好ましくは 5/95〜 95/5、 より好ましくは 1 0/90〜 90/ 1 0、 さらに好ましくは 40/60〜 70/30、 特に好ましくは 45/5 5〜 65/35である。 なお、 前記混合比率 [イソプレン/ブタジェン] を モル比で示すと、 好ましくは 5/95〜 95/5、 より好ましくは 1 0/9 〇〜 90/1 0、 さらに好ましくは 40/60〜 70/30、 特に好ましく は 45/55〜 55/45である。
[0064] 重合体ブロック (匕) における共役ジェン単量体単位の含有量は、 重合体 ブロック (匕) を構成する全構成単位に対して、 60モル%以上、 好ましく は 65モル%以上、 より好ましくは 80モル%以上である。 前記した共役ジ ェン単量体単位の含有量が前記下限値以上で あると、 遮音特性を発揮するセ グメントの量が十分となり、 遮音性に優れた中間膜を得やすい。 前記した共 役ジェン単量体単位の含有量の上限値は特に 限定されない。 共役ジェン単量 体単位の含有量は 1 00モル%であってもよい。
[0065] 重合体ブロック (13) は、 1種の共役ジェン化合物に由来する構成単位 みを有していてもよく、 2種以上の共役ジェン化合物に由来する構成 位を 有していてもよい。 先に述べた通り本開示では重合体ブロック (匕) が共役 ジェン単量体単位を 60モル%以上含有する。 重合体ブロック (匕) が共役 ジェン単量体単位として、 イソプレンに由来する構成単位 (以下、 「イソプ レン単位」 と略称することがある) 、 ブタジェンに由来する構成単位 (以下 、 「ブタジェン単位」 と略称することがある) 、 またはイソプレン単位とブ タジェン単位との合計量を、 それぞれの場合において 60モル%以上含有す ることが好ましい。 このことにより、 遮音性に優れた中間膜を得やすい。 重合体ブロック (匕) が 2種以上の共役ジェン単量体単位を有してい 場 合は、 それらの結合形態はランダム、 テーパー、 完全交互、 一部ブロック状 、 ブロック、 またはそれらの 2種以上の組み合わせのいずれでもよい。 〇 2020/175178 22 卩(:171? 2020 /005739
[0066] 重合体ブロック (1〇) は、 本開示の目的および効果の妨げにならない範 囲 において、 共役ジェン単量体単位以外の他の重合性単量 体に由来する構成単 位を含有していてもよい。 他の重合性単量体としては、 例えばスチレン、 《 —メチルスチレン、 〇—メチルスチレン、 111 _メチルスチレン、 _メチル スチレン、 _ 1:—プチルスチレン、 2 , 4—ジメチルスチレン、 ビニルナ フタレンおよびビニルアントラセン等の芳香 族ビニル化合物、 並びにメタク リル酸メチル、 メチルビニルェーテル、 1\1 -ビニルカルバゾール、 -ピネ ン、 8 , 9— ーメンテン、 ジペンテン、 メチレンノルボルネン、 2—メチ レンテトラヒドロフラン、 1 , 3 -シクロペンタジェン、 1 , 3 -シクロへ キサジェン、 1 , 3—シクロへブタジェンおよび 1 , 3—シクロオクタジェ ン等が挙げられる。 中でも、 スチレン、 《 -メチルスチレンおよび ーメチ ルスチレンが好ましく、 スチレンがより好ましい。 重合体ブロック (匕) が 上記した他の重合性単量体単位を含有する場 合、 その具体的な組み合わせと しては、 好ましくは、 イソプレンとスチレン、 ブタジェンとスチレンであり 、 より好ましくはイソプレンとスチレンである 。 重合体ブロック (匕) がこ のような組み合わせを含む場合、 層を構成する熱可塑性樹脂材料の 1 3 n 5が高くなることがある。
[0067] 重合体ブロック ( ) における他の重合性単量体単位の含有量は、 重合体 ブロック (1〇) を構成する全構成単位に対して、 4 0モル%未満、 好ましく は 3 5モル%未満、 より好ましくは 2 0モル%未満である。 重合体ブロック (匕) が上記した他の重合性単量体単位を含有する 場合、 その結合形態は特 に制限はなく、 ランダムまたはテーパー状のいずれでもよい 。
[0068] なお、 ブロック共重合体 (八) における重合体ブロック (13) 中の共役ジ ェン単量体単位の含有量および他の重合性単 量体単位の含有量は、 ブロック 共重合体 の 1 1 ~ 1 _ IV! スペクトルから求められ、 ブロック共重合体 ( 八) の調製において各単量体の仕込み比を調節す ることにより所望の含有量 に調整できる。
[0069] 重合体ブロック (匕) を構成する構成単位が、 イソプレン単位またはブタ 〇 2020/175178 23 卩(:171? 2020 /005739
ジェン単位を含む場合、 イソプレンの結合形態としては 1 , 2—結合、 3 ,
4—結合または 1 , 4—結合をとることができ、 ブタジェンの結合形態とし ては 1 , 2 -結合または 1 , 4 -結合をとることができる。
ブロック共重合体 ( ) における重合体ブロック (13) 中の 3 , 4—結合 単位および 1 , 2 _結合単位の含有量 (以下、 「ビニル結合量」 と称するこ とがある) の合計は、 好ましくは 2 0モル%以上、 より好ましくは 4 0モル %以上、 特に好ましくは 5 0モル%以上である。 また、 特に制限されるもの ではないが、 上記したビニル結合量の合計は好ましくは 9 0モル%以下、 よ り好ましくは 8 5モル%以下である。 ここで、 ビニル結合量は、 水素添加前 のブロック共重合体 (八) を〇〇〇 丨 3 に溶解して 1 スぺクトルを 測定して算出される。 重合体ブロック (匕) を構成する構成単位がイソプレ ン単位のみからなる場合は、 イソプレン単位の全ピーク面積と 3 , 4—結合 単位および 1 , 2—結合単位に対応するピーク面積との比か ビニル結合量 は算出される。 重合体ブロック (13) を構成する構成単位がブタジェン単位 のみからなる場合は、 ブタジェン単位の全ピーク面積と 1 , 2—結合単位に 対応するピーク面積との比からビニル結合量 は算出される。 重合体ブロック (b) を構成する構成単位がイソプレン単位および ブタジェン単位を含む場 合は、 イソプレン単位およびブタジェン単位の全ピ ーク面積とイソプレン単 位における 3 , 4—結合単位および 1 , 2—結合単位並びにブタジェン単位 における 1 , 2—結合単位に対応するピーク面積との比か ビニル結合量は 算出される。
[0070] ビニル結合量が増えるほど 層を構成する熱可塑性樹脂材料の 1 3 n 5の 値が高くなる傾向にあり、 この 3 5のピークの位置を特定の温度範囲に 制御することにより、 得られる中間膜の遮音性を向上させることが できる。 ビニル結合量は、 例えばブロック共重合体 (八) を製造するためのァニオン 重合の際に用いる有機ルイス塩基の添加量を 調節することによって所望の範 囲に調整できる。
[0071 ] ブロック共重合体 ( ) に含まれる重合体ブロック (13) の重量平均分子 〇 2020/175178 24 卩(:171? 2020 /005739
量は、 遮音性等の観点から、 水素添加前の状態で、 好ましくは 1 5 , 000 〜 800, 000、 より好ましくは 50, 000〜 700, 000、 さらに 好ましくは 70, 000〜 600, 000、 特に好ましくは 90, 000〜 500, 000、 最も好ましくは 1 30, 000〜 450, 000である。 ここで、 重量平均分子量とは、 ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフィ _ ( 〇 〇) 測定によって求めたポリスチレン換算の重量 平均分子量であり、 重 合体ブロック ( ) の重量平均分子量とは、 重合体ブロック ( ) を共重合 する前後の重量平均分子量の差により算出し た値を意味する。
[0072] 重合体ブロック (匕) のガラス転移温度は、 好ましくは 1 0 ° 〇以下、 より 好ましくは 0 °〇以下であり、 好ましくは一 30 °〇以上、 より好ましくは一 2 0 ° 〇以上である。 重合体ブロック (匕) のガラス転移温度が前記した下限値 と上限値との範囲内であると、 層を構成する熱可塑性樹脂材料の 1 a n 8 ピーク温度を特定の範囲に制御しやすくなり 、 得られる中間膜の遮音性の向 上につながる。 重合体ブロック (匕) のガラス転移温度は、 後述の実施例に 記載の方法により測定され、 ブロック共重合体 ( ) の調製において各単量 体の仕込み比を調節することにより所望の範 囲に調整できる。
[0073] ブロック共重合体 (八) は、 上記重合体ブロック (13) を少なくとも 1つ 有していればよい。 ブロック共重合体 (八) が重合体ブロック (13) を 2つ 以上有する場合には、 それらの重合体ブロック (匕) は、 互いに同一であっ ても異なっていてもよい。
[0074] ブロック共重合体 ( ) の水素添加物における重合体ブロック (13) の含 有量 〔複数の重合体ブロック (匕) を有する場合にはそれらの合計含有量〕 は、 ブロック共重合体 ( ) の水素添加物の総質量に対して好ましくは 75 〜 97質量%である。 重合体ブロック (匕) の含有量が上記範囲内にあると 、 ブロック共重合体 ( ) の水素添加物が適度な柔軟性または良好な成 形性 を有しやすい。 また、 ブロック共重合体 (八) の水素添加物のモルフォロジ —によって I 3 5の値も変化し、 特にスフィア構造からなるミクロ相分離 構造をとる場合に 1 3 5が高くなる傾向にある。 スフィア構造の形成のし 〇 2020/175178 25 卩(:171? 2020 /005739
やすさには、 ブロック共重合体 (八) の水素添加物における重合体ブロック (b) の含有量が大きく影響するため、 ブロック重合体 ( ) の水素添加物 の総質量に対する重合体ブロック (匕) の含有量を好ましくは 7 5〜 9 7質 量%に調整することは、 得られる中間膜の遮音性をより向上させる上 で非常 に有利である。 前記した重合体ブロック (1〇) の含有量は、 より好ましくは 7 5〜 9 6 . 5質量%、 さらに好ましくは 8 5〜 9 6質量%、 特に好ましく は 9 0〜 9 6質量%である。 一方で、 八層の取扱性および機械物性を高めや すい観点からは、 前記した重合体ブロック (1〇) の含有量は、 好ましくは 7 5〜 9 4質量%、 より好ましくは 7 5〜 9 2質量%、 特に好ましくは 7 5〜 9 0質量%である。 また、 本開示の好適な一実施態様において、 前記した重 合体ブロック (1〇) の含有量は 7 5〜 9 6 . 5質量%であり、 重合体ブロッ ク (13) の含有量がこの範囲内にあると、 高い遮音性を確保しつつ、 得られ る八層の取扱性および機械物性を高めること ができる。
なお、 ブロック共重合体 (八) の水素添加物における重合体ブロック (匕 ) の含有量は、 ブロック共重合体 ( ) の水素添加物の 1 1 ~ 1 _ 1\/| [¾スペクト ルから求められ、 ブロック共重合体 ( ) の調製において各単量体の仕込み 比を調節することにより所望の範囲に調整で きる。
[0075] ブロック共重合体 (八) において重合体ブロック (8) と重合体ブロック (匕) とが結合している限りは、 その結合形態は限定されず、 直鎖状、 分岐 状、 放射状、 またはこれらの 2つ以上を組合せた結合形態のいずれでもよ 。 中でも、 重合体ブロック (3) と重合体ブロック (13) との結合形態は直 鎖状であることが好ましく、 その例としては重合体ブロック (3) を八で、 また重合体ブロック (13) を巳で表したときに、 八_巳で示されるジブロッ ク共重合体、 トリブロック共重合体、 八_巳一八_巳 で示されるテトラブロック共重合体、 八_巳_八一巳_八で示されるペンタ ブロック共重合体等を挙げることができる。 中でも、 直鎖状のトリブロック 共重合体またはジブロック共重合体が好まし く、 八_巳_八型のトリブロッ ク共重合体が柔軟性および製造容易性等の観 点から好ましく用いられる。 〇 2020/175178 26 卩(:171? 2020 /005739
[0076] 本開示において、 層は熱可塑性樹脂として、 上記ブロック共重合体 (八 ) の水素添加物 〔以下、 「水添ブロック共重合体 ( ) 」 と称することもあ る〕 を 1種以上含有することが好ましい。
耐熱性、 耐候性および遮音性の観点から、 重合体ブロック (匕) が有する 炭素一炭素二重結合の 80モル%以上が水素添加 (以下、 「水添」 と略称す ることがある) されていることが好ましく、 85モル%以上が水添されてい ることがより好ましく、 88モル%以上が水添されていることがさらに ま しく、 90モル%以上が水添されていることが特に好 しい (以下、 この値 を 「水添率」 と称することもある) 。 水添率の上限値に特に制限はない。 水 添率は 99モル%以下であってよく、 98モル%以下であってもよい。 なお 、 水添率は、 重合体ブロック ( ) 中の共役ジェン単量体単位中の炭素一炭 によって求め、 それら の含有量から算出した値である。
[0077] 水添ブロック共重合体 (八) のゲルパーミェーションクロマトグラフィー による標準ポリスチレン換算で求めた重量平 均分子量は、 好ましくは 1 5, 000〜 800, 000、 より好ましくは 50, 000〜 700, 000、 さらに好ましくは 70, 000〜 600, 000、 特に好ましくは 90, 0 00〜 500, 000、 最も好ましくは 1 30, 000〜 450, 000で ある。 水添ブロック共重合体 ( ) の重量平均分子量が前記下限値以上であ れば耐熱性が高くなりやすく、 前記上限値以下であれば成形性が良好になり やすい。
[0078] ブロック共重合体 (八) の製造方法は特に限定されない。 ブロック共重合 体 ( ) は、 例えばアニオン重合法、 カチオン重合法またはラジカル重合法 等により製造できる。
[0079] 共役ジェン単量体を用いる場合、 アニオン重合の際に有機ルイス塩基を添 加することによってブロック共重合体 (八) の 1 , 2—結合量および 3, 4 —結合量を増やすことができ、 有機ルイス塩基の添加量を調整することによ ってブロック共重合体 (八) の 1 , 2—結合量および 3, 4—結合量、 即ち 〇 2020/175178 27 卩(:171? 2020 /005739
ビニル結合量を容易に制御することができ る。 ビニル結合量が増えるほど八 層を構成する熱可塑性樹脂材料の 1 3 n 3の値が高くなる傾向にあり、 この 3 5のピークの位置を特定の温度範囲に制御す ことにより、 得られる 中間膜の遮音性を向上させることができる。
[0080] ブロック共重合体 (/ \) を水素添加反応に付すことにより、 水添ブロック 共重合体 ( ) を得ることができる。 未水添のブロック共重合体 ( ) を水 素添加反応に付す方法としては、 例えば、 生成したブロック共重合体 (八) を含む反応液から未水添のブロック共重合体 ( ) を単離し、 それを水素添 加触媒に対して不活性な溶媒に溶解したもの 、 または前記反応液中の未水添 のブロック共重合体 ( ) を、 水素添加触媒の存在下で水素と反応させる方 法が挙げられる。 水添率は、 好ましくは 80モル%以上、 より好ましくは 8 5モル%以上、 さらに好ましくは 88モル%以上、 特に好ましくは 90モル %以上である。
[0081] 好ましい一態様において、 層を構成する熱可塑性樹脂材料は、 」 丨 3
7244- 1 0 : 2005に準じて周波数 1 1 ~ 1 åの条件で複素せん断粘 度試験を行うことで測定される 1 3 n 3が最大となるピークを一 30°〇以上 1 〇°〇以下の範囲に有し (以下、 この温度を 「I 3 n 5ピーク温度」 と称す ることもある) 、 当該 I 3 5ピークの高さ (以下、 「 I 3 5ピーク高さ 」 と称することもある) は 1. 5以上である。
[0082] 本開示の合わせガラス用中間膜に含まれる八 層を構成する熱可塑性樹脂材 料の I 3 n 5ピーク温度は、 好ましくは一 30°〇以上、 より好ましくは一 2 5°〇以上、 さらに好ましくは一 20°〇以上である。 I a n 8ピーク温度が前 記下限値以上であると、 5000 0000 !! åの周波数域につい て良好な遮音性を得やすい。 一方、 1 3 n 5ピーク温度は好ましくは 10 ° 〇以 下、 より好ましくは〇°〇以下、 さらに好ましくは一 5°〇以下である。 t a n 8ピーク温度が前記上限値以下であると、 2000 から 5000 の 中周波数域について良好な遮音性を得やすい 。 従って、 t a n 8ピーク温度 が前記した下限値と上限値との範囲内である と、 2000 から 1 000 0 H zまでの周波数域における良好な遮音性がも らされやすい。 ここで、 t a n Sとは、 損失正接とも称され、 せん断損失弾性率をせん断貯蔵弾性率 で除したものであり、 この値が高いほど高い遮音性が期待される。 t a n 5 は、 後述する実施例に記載の方法により測定され る。
[0083] t a n 5ピーク温度を調整する方法としては、 例えば A層を構成する熱可 塑性樹脂材料が熱可塑性樹脂としてブロック 共重合体 (A) の水素添加物を 含有する場合に、 ブロック共重合体 (A) において、 ハードセグメントであ る重合体ブロック (a) の含有量を調整したり、 ハードセグメントである重 合体ブロック (a) またはソフトセグメントである重合体ブロッ ク (b) を 構成する単量体の種類、 結合形態若しくは各セグメント自体のガラス 転移温 度等を調整したりする方法等が挙げられる。 具体的には、 例えばブロック共 重合体 (A) における重合体ブロック (a) の含有量を少なくすること、 ま たは重合体ブロック (b) を構成する単量体の種類若しくは組み合わせ の変 更等によりビニル結合量を多くすることによ って、 t a n 5ピーク温度を調 整する (高くする) ことができる。
[0084] 本開示において、 t a n Sピーク高さは、 好ましくは 1 . 5以上、 より好 ましくは 2 . 0以上、 さらに好ましくは 2 . 2以上、 特に好ましくは 2 . 4 以上である。 t a n 5ピーク高さが前記下限値以上であると、 所望の遮音性 を得やすい。 t a n 5ピーク高さの上限値は特に限定されない。 t a n 5ピ —ク高さは通常 5 . 0以下である。
[0085] t a n Sピーク高さを高くする方法としては、 例えば A層を構成する熱可 塑性樹脂材料が熱可塑性樹脂としてブロック 共重合体 (A) の水素添加物を 含有する場合に、 ミクロ相分離構造をスフィア構造とすること 、 重合体ブロ ック (b) 中のビニル結合量を高めること等が挙げられ る。
[0086] A層を構成する熱可塑性樹脂材料は、 熱可塑性樹脂としての前記水添ブロ ック共重合体 (A) を、 熱可塑性樹脂材料の総質量に対して、 好ましくは 6 〇質量%以上、 より好ましくは 7 0質量%以上、 さらに好ましくは 8 0質量 %以上の量で含む。 A層における前記水添ブロック共重合体 (A) の含有量 〇 2020/175178 29 卩(:171? 2020 /005739
は、 熱可塑性樹脂材料の総質量に対して、 9 0質量%以上、 9 5質量%以上 、 9 9質量%以上、 9 9 . 9質量%以上、 9 9 . 9 9質量%以上または 1 0 0質量%であることが好ましい場合もある。 八層を構成する熱可塑性樹脂材 料は、 前記水添ブロック共重合体 (八) に加えて、 必要に応じて、 また本開 示の効果が損なわれない範囲において、 他の熱可塑性樹脂 (例えば、 結晶核 剤等の添加剤;水添クマロン ·インデン樹脂、 水添ロジン系樹脂、 水添テル ペン樹脂、 脂環式系水添石油樹脂等の水添系樹脂;オレ フィンおよびジオレ フィン重合体からなる脂肪族系樹脂等の粘着 付与樹脂;水添ポリイソプレン 、 水添ポリブタジエン、 プチルゴム、 ポリイソプチレン、 ポリブテン、 ポリ オレフィン系エラストマー、 具体的にはエチレンープロピレン共重合体、 エ チレンープチレン共重合体、 プロピレンープチレン共重合体、 ポリオレフィ ン系樹脂、 オレフィン系重合体、 ポリエチレン系樹脂等) を含んでもよい。 特に好ましくは、 層を構成する熱可塑性樹脂材料は、 熱可塑性樹脂として の前記水添ブロック共重合体 ( ) からなる。
[0087] 本開示の合わせガラス用中間膜において、 八層 1層の厚さは好ましくは 1
0〇 以上 4 0〇 以下である。 八層の最適な厚さは、 中間膜を構成す る他の層 (例えば前述の巳層) の厚さまたは各層の貯蔵弾性率等により異な るが、 層が厚いほど遮音性が高くなる一方で中間膜 全体の貯蔵弾性率が下 がる傾向にある。 これにより、 八層 1層の厚さが 4 0 0 より厚くなると 、 合わせガラスのコインシデンス効果の起こる 周波数域が 6 0 0 0 1 ~ 1 åより も高くなりやすく、 6 0 0 0 1 ~ 1 2以上の周波数域における遮音性の低下が顕 著になることがある。 高周波数域の遮音性をより高める点から、 八層 1層の 厚さは、 より好ましくは 3 5〇 以下、 特に好ましくは 3 0 0 以下で ある。 また、 八層の厚さが 1 0〇 より薄い場合には、 遮音性が低くなる ことに加え、 中間膜全体の貯蔵弾性率が高くなり、 コインシデンス効果の起 こる周波数域が中周波数域になることがあり 、
周波数域における遮音性の低下が顕著になる ことがある。 特にこの周波数域 における遮音性は実用上重要であり、 また、 遮音性の改善効果も 層の厚さ 〇 2020/175178 30 卩(:171? 2020 /005739
の低下に伴って小さくなることから、 八層 1層の厚さは、 より好ましくは 1 2 0 以上、 特に好ましくは 1 5 0 以上である。 また、 複数の 層の 総厚さは、 好ましくは 9 5 0 以下、 より好ましくは 7 0 0 以下であ る。 複数の八層の各厚さは同一であってもよく、 異なっていてもよい。 複数 の八層の厚さが異なる場合、 少なくとも 1つの八層の厚さが上記好適な範囲 内であることが好ましい。 厚さは厚み計で測定できる。 また複数の八層は、 同一の熱可塑性樹脂材料で構成されてもよく 、 異なる熱可塑性樹脂材料で構 成されてもよい。
[0088] 八層を構成する熱可塑性樹脂材料には、 その他の成分として、 酸化防止剤 、 紫外線吸収剤、 光安定剤、 ブロッキング防止剤、 顔料、 染料または遮熱材 料等が必要に応じて添加されてもよい。
[0089] 酸化防止剤、 紫外線吸収剤、 光安定剤、 または遮熱材料等に関しては、 先 のポリビニルアセタール樹脂組成物の説明内 で記述した材料と同様のものを 用いることができ、 八層における好適な剤若しくは材料は、 ポリビニルアセ 夕ール樹脂組成物における好適な剤若しくは 材料と同じであっても異なって いてもよい。
[0090] ブロッキング防止剤としては、 無機粒子および有機粒子が挙げられる。 無 機粒子としては、 例えば丨 八族、 I I 八族、 1 八族、 V I 族、 V I I 八 族、 V I I I 族、 I 巳族、 I I 巳族、 1 1 1 巳族および I V巳族元素の酸 化物、 水酸化物、 硫化物、 窒素化物、 ハロゲン化物、 炭酸塩、 硫酸塩、 酢酸 塩、 リン酸塩、 亜リン酸塩、 有機カルボン酸塩、 ケイ酸塩、 チタン酸塩、 硼 酸塩およびそれらの含水化合物、 並びにそれらを主成分として含む複合化合 物および天然鉱物粒子が挙げられる。 ここで主成分とは、 含有量が最も高い 成分である。 有機粒子としては、 例えばフッ素樹脂、 メラミン系樹脂、 スチ レンージビニルベンゼン共重合体、 アクリル系レジンシリコーンおよびそれ らの架橋体が挙げられる。
[0091 ] なお、 本開示の合わせガラス用中間膜において、 これらの添加剤は、 1枚 または複数枚の八層、 1枚または複数枚の巳層からなる群から選択 れる 1 〇 2020/175178 31 卩(:171? 2020 /005739
層以上の層に含まれていてよい。 前記群から選択される 2層以上の層に添加 剤が含まれる場合、 それらの層に同じ添加剤が含まれていてもよ く、 異なる ものが含まれていてもよい。
[0092] [合わせガラス用中間膜の製造方法]
本開示の合わせガラス用中間膜の製造方法は 特に限定されない。 例えば、 八層の両面に積層された巳層を有する構成の 場合、 巳層を構成す るポリビニルァセタール樹脂組成物を均一に 混練した後、 公知の製膜方法 ( 例えば押出法、 カレンダー法、 プレス法、 キヤスティング法またはインフレ —ション法) により巳層を作製し、 同様の方法で 層を構成する熱可塑性樹 脂材料から八層を作製し、 これらをプレス成形等で積層することにより 作製 してもよいし、 巳層、 八層およびその他必要な層を共押出すること により作 製してもよい。
[0093] 本開示の合わせガラス用中間膜が複数の八層 を有する構成であって、 八層 間に挟持される層が存在する場合には、 例えば八層の両面に巳層を積層した 構成の中間膜フィルムを 2枚以上用いてよく、 当該中間膜フィルムは、 巳層 を構成するポリビニルァセタール樹脂組成物 を均一に混練した後、 上述の公 知の製膜方法により巳層を作製し、 同様の方法で 層を構成する熱可塑性樹 脂材料から八層を作製し、 これらをプレス成形等で積層させてもよいし 、 巳 層、 八層およびその他必要な層を共押出すること により作製してもよい。 前 記した 2枚以上の中間膜フィルムと、 第 3の層 (〇層) とを、 後述する合わ せガラスの製造方法の方法に従ってラミネー トすることにより、 合わせガラ ス用中間膜を作製することもできる。 このラミネートは、 合わせガラスの最 外層のガラスとのラミネートと同時に行って もよい。
[0094] また、 例えば、 第 3の層 (〇層) をさらに使用してもよい。 〇層を用いる 場合、 〇層に接する両面に八層と巳層とを積層した 構成 (例えば、 巳層/八 層/〇層/八層/巳層) の中間膜フィルム、 または〇層に接する両面に巳層 /八層/巳層を順次積層した構成の中間膜フィ ム (例えば、 巳層/八層/ 巳層/ 0層/巳層/八層/巳層) 等を用いればよく、 上記と同様に、 各層を 〇 2020/175178 32 卩(:171? 2020 /005739
製膜した後に積層させてもよいし、 八層、 巳層、 〇層およびその他必要な層 を共押出することにより作製してもよい。
[0095] 公知の製膜方法の中でも、 特に押出機を用いて中間膜フィルムまたは合 わ せガラス用中間膜を製造する方法が好適に採 用される。 押出時の樹脂温度 ( 樹脂材料または樹脂組成物の温度) は、 好ましくは 1 5 0 ° 〇以上、 より好ま しくは 1 7 0 °〇以上であり、 好ましくは 2 5 0 °〇以下、 より好ましくは 2 3 0 ° 〇以下である。 押出時の樹脂温度が前記した下限値と上限値 との範囲内で あると、 樹脂材料または樹脂組成物に含まれる樹脂等 の分解が起こり難いた め樹脂等の劣化が生じ難く、 押出機からの吐出が安定しやすい。 揮発性物質 を効率的に除去するためには、 減圧によって押出機のベントロから揮発性物 質を除去することが好ましい。
[0096] 八層、 巳層のそれぞれの 1層ずつの厚さは、 先に述べた通りである。
[0097] 本開示において、 合わせガラス用中間膜における積層構成は目 的によって 適宜決めることができる。 図 1 に示すような巳層/八層/巳層という積層構 成の他、 巳層/ 層/巳層/ 層、 または図 2に示すような巳層/八層 /巳 層/八層/巳層という積層構成であってもよい 従って、 本開示の一態様に おいて、 合わせガラス用中間膜は、 八層および巳層を巳層/八層/巳層/八 層/巳層の順で含んでなる。 また、 2組の中間膜フィルムが 3枚のガラスに 挟持された構成であってもよい。
本開示における八層は、 合わせガラスに遮音性を付与できる。 一般に、 遮 音性を付与する層はガラス転移温度が低くベ タつきを有し得るため、 中間膜 の取扱性の観点から、 八層が遮音性を付与する層である場合、 八層が巳層で 挟持された構成であることが好ましい。 この場合、 本開示の一態様では、 好 ましくは、 合わせガラス用中間膜は、 厚さが 1 0 0 以上 4 0 0 以下 である前記八層と、 当該八層の両面に積層された、 1層の厚さが 2 0 0 以上 1 5 0 0 以下である前記巳層とからなる。
[0098] また、 八層、 巳層および/または〇層が、 それぞれ 2層以上含まれる場合 、 各八層、 巳層、 〇層を構成する成分は互いに同じであっても 異なっていて 〇 2020/175178 33 卩(:171? 2020 /005739
もよく、 厚さが異なっていてもよい。
[0099] 本開示の合わせガラス用中間膜に含まれてよ い〇層は、 公知の樹脂を樹脂 成分として含む層であってよい。 〇層に含まれる樹脂としては、 例えば、 ポ リエチレン、 ポリプロピレン、 ポリ塩化ビニル、 ポリスチレン、 ポリ酢酸ビ ニル、 ポリウレタン、 ポリテトラフルオロエチレン、 アクリル樹脂、 ポリア ミ ド、 ポリアセタ _ ル、 ポリカ _ ボネ _ 卜、 ポリエステルのうちポリエチレ ンテレフタレート、 ポリプチレンテレフタレート、 環状ポリオレフィン、 ポ リフエニレンスルフアイ ド、 ポリテトラフロロエチレン、 ポリサルフォン、 ポリエーテルサルフォン、 ポリアリレート、 液晶ポリマー、 ポリイミ ド、 ス チレン系熱可塑性エラストマー、 エチレンー酢酸ビニル共重合体、 ポリメタ クリル酸、 またはポリ (メタ) アクリル酸エステル、 エチレンー (メタ) ア クリル酸エステル共重合体等を用いることが できる。 また、 必要に応じて、
〇層は可塑剤、 酸化防止剤、 紫外線吸収剤、 光安定剤、 ブロッキング防止剤 、 顔料、 染料、 遮熱材料等の添加剤を含有してよく、 無機多層膜または金属 導電層等の層が〇層上の少なくとも一部に形 成されていてもよい。
また、 〇層が、 公知の樹脂を樹脂成分として含む層でなく、 無機多層膜ま たは金属導電層等の層であってもよい。
[0100] また、 本開示の合わせガラス用中間膜には、 表面にメルトフラクチヤーま たはエンボス等の従来公知の方法で凹凸構造 を形成することが好ましい。 凹 凸構造の形状は特に限定されず、 従来公知のものを採用できる。
[0101 ] 本開示において、 八層および巳層を含んでなる合わせガラス用 中間膜の総 厚さは、 好ましくは〇. 4 01 01以上、 より好ましくは〇. 5 01 01以上であり 、 好ましくは 2 . 5 以下、 より好ましくは 2 . 0 以下、 さらに好ま しくは 1 . 以下である。 総厚さが前記下限値以上であると、 合わせガ ラスを作製する際の取扱性に優れ、 中間膜の総厚さが前記上限値以下である と、 合わせガラス全体の重量軽減につながり、 中間膜のコストを削減し得る ため好ましい。
[0102] —方、 巳層/八層/巳層/八層/巳層のような 5層構成の場合、 特に遮音 〇 2020/175178 34 卩(:171? 2020 /005739
性に優れた構成にすることができる。 そのような構成の中間膜の総厚さは、 好ましくは〇. 8 01 01以上、 より好ましくは 1 . 1 01 01以上であり、 好まし くは 4 . 以下、 より好ましくは 3 . 以下、 さらに好ましくは 2
. 以下である。 総厚さが前記下限値以上であると、 合わせガラスの遮 音性に特に優れた構成を得ることができ、 中間膜の総厚さが前記上限値以下 であると、 合わせガラス全体の重量軽減につながり、 中間膜のコストを削減 し得るため好ましい。
[0103] [合わせガラス]
上述の通り、 本開示の合わせガラス用中間膜を用いること により、 遮音性 に優れる合わせガラスを得ることができる。 従って、 本開示はまた、 2枚の ガラスの間に本開示の合わせガラス用中間膜 が挟持されてなる合わせガラス も対象とする。 本開示の合わせガラスは、 本開示の合わせガラス用中間膜に 起因して優れた遮音性を有するため、 乗物用フロントガラス、 乗物用サイ ド ガラス、 乗物用サンルーフ、 乗物用リアガラスまたはヘッ ドアップディスプ レイ用ガラスとして好適に使用される。 ここで、 本開示における乗物とは、 汽車、 電車、 自動車、 船舶または航空機等を意味する。
[0104] 本開示の合わせガラスをへッ ドアップディスプレイ用ガラスに適用する場 合、 中間膜の断面形状は、 _方の端面側が厚く、 他方の端面側が薄い形状で あることが好ましい。 その場合、 断面形状は、 一方の端面側から他方の端面 側に漸次的に薄くなるような全体が楔形であ る形状であってもよいし、 一方 の端面から該端面と他方の端面の間の任意の 位置までは同一の厚さで、 該任 意の位置から他方の端面まで漸次的に薄くな るような、 断面の一部が楔形の ものであってもよいし、 製造上問題とならない限り、 位置によらず任意の断 面形状を有していてもよい。 断面厚さが変わる層は、 全ての層であってもよ いし、 一部の層のみであってもよい。
[0105] 本開示の合わせガラスには、 通常、 最も外側にガラスを 2枚使用する。 ガ ラスは特に限定されず、 例えば無機ガラス、 有機ガラス、 またはそれらの組 み合わせを使用できる。 無機ガラスの例としては、 フロート板ガラス、 磨き 〇 2020/175178 35 卩(:171? 2020 /005739
板ガラス、 型板ガラス、 網入り板ガラスおよび熱線吸収板ガラスが挙 げられ る。 有機ガラスを構成する材料としては、 例えば、 アクリル樹脂 (例えばポ リメタクリル酸メチル樹脂) およびポリカーボネート樹脂が挙げられる。 ガ ラスは無色、 有色、 透明または非透明のいずれであってもよい。
[0106] ガラスの厚さは特に限定されないが、 好ましくは 1 0 0〇!〇!以下である。
また、 本開示の中間膜は遮音性に優れることから、 より薄いガラスを用いた 場合であっても高い遮音性が発揮されるため 、 合わせガラスの軽量化が実現 される。 軽量化の観点からは、 ガラスの厚さは少なくとも 1枚が好ましくは 3 . 0 以下、 より好ましくは 2 . 以下、 さらに好ましくは 2 . 0 以下、 特に好ましくは 1 . 8 以下である。 特に、 一方のガラスの厚 さを 1 . 8 111 111以上とし、 他方のガラスの厚さを 1 . 8 111 111以下として 2枚 のガラスの厚さの差を〇. 2 以上とすることにより、 曲げ強度を損なう ことなく薄膜化と軽量化とを実現した合わせ ガラスを作製することができる 。 前記した 2枚のガラスの厚さの差は好ましくは〇. 以上であり、 1
. 0 111 以上であってもよく、 ·! . 5〇!〇!以下であってよい。
自動車用サイ ドガラスでは、 主として、 車外側と車内側のガラスの厚さが 同等の構成の合わせガラスが用いられるが、 そのような場合においても、 本 開示による遮音性の高い中間膜が好適に使用 される。
[0107] 合わせガラスの遮音性は、 後述の実施例に記載の中央加振法による合わ せ ガラスのダンピング試験によって得られる損 失係数で評価でき、 合わせガラ スの 2次共振周波数での最大損失係数が高いほど 合わせガラスの遮音性が 局いといスる。
[0108] 合わせガラスの 2次共振周波数での最大損失係数は、 好ましくは 0 . 3 0 以上、 より好ましくは〇. 4 0以上、 さらに好ましくは〇. 5 0以上である
[0109] [合わせガラスの製造方法]
本開示の合わせガラスは、 従来公知の方法で製造することが可能である 。 そのような方法の例としては、 真空ラミネータ装置を用いる方法、 真空バッ 〇 2020/175178 36 卩(:171? 2020 /005739
グを用いる方法、 真空リングを用いる方法、 およびニップロールを用いる方 法等が挙げられる。 また、 仮圧着後に付加的にオートクレープエ程に投 入す る方法を行なうこともできる。
[01 10] 真空ラミネータ装置を用いる方法では例えば 、 太陽電池の製造に用いられ る公知の装置を使用し、 1 X 1 〇- ^93以上 3 X 1 0-^93以下の減圧 下、 1 0 0 °〇以上 2 0 0 °〇以下 (特に 1 3 0 °〇以上 1 7 0 °〇以下) の温度で 積層を行う。
[01 1 1 ] 真空バッグまたは真空リングを用いる方法は 、 例えば欧州特許第 1 2 3 5
6 8 3号明細書に記載されており、 例えば約 2 X 1 3の圧力下、 1 3 0 °〇以上、 1 4 5 °〇以下で積層を行う。
[01 12] ニップロールを用いる方法としては例えば、 ポリビニルアセタール樹脂の 流動開始温度以下の温度で 1回目の仮圧着をした後、 さらに流動開始温度に 近い条件で圧着または仮圧着する方法が挙げ られる。 具体的には例えば、 赤 外線ヒーター等で 3 0 °〇以上 1 0 0 °〇以下に加熱した後口ールで脱気し、 そ れに伴って仮圧着し、 さらに 5 0 °〇以上 1 5 0 °〇以下に加熱した後口ールで 圧着または仮圧着する方法が挙げられる。
[01 13] 仮圧着後に付加的に行われるオートクレープ エ程は、 合わせガラスの厚さ や構成にもよるが、 例えば、 1 IV! 3以上 1 5 IV! 3以下の圧力下、 1 2 0 °〇以上 1 6 0 ° 〇以下の温度で 0 . 5時間以上 2時間以下の時間実施される。 実施例
[01 14] 以下、 実施例、 参考例および比較例により本開示を具体的に 説明するが、 本開示はこれらの実施例に限定されない。 なお、 以下の実施例において 「%
」 は特に断りのない限り、 「質量%」 を意味する。
[01 15] 以下の実施例、 参考例および比較例において、 ポリビニルプチラール (以 下 「 巳」 と称する) 樹脂としては、 目的とする粘度平均重合度と同じ粘 度平均重合度 (」 丨 3 < 6 7 2 6 「ポリビニルアルコール試験方法」 に 基づいて測定した粘度平均重合度) を有するポリビニルアルコールを塩酸触 媒下に _ブチルアルデヒドでアセタール化したもの 用いた。 〇 2020/175178 37 卩(:171? 2020 /005739
[0116] 測定方法または評価方法
1. 層を構成する熱可塑性樹脂材料の 1 a n 8ピーク温度および 1 a n 8 ピーク高さ
八層を構成する熱可塑性樹脂材料を、 温度 230°(:、
分間加圧することで、 厚さ 1. 0 の単層シートを作製した。 この単層シ —卜を円板形状に切り出し、 これを試験シートとした。
」 1 3 [< 7244— 1 0 : 2005に準じて周波数 1 1 ~ 12の条件で複素 せん断粘度試験を行うことで、 層を構成する熱可塑性樹脂材料の I 3 n 5 が最大となるピークの温度および当該 1 3 n 5ピークの高さを求めた。
[0117] 2. 重合体ブロック (3) の含有量
八層を構成する熱可塑性樹脂材料 (ブロック共重合体の水素添加物、 以下 において 「水添ブロック共重合体」 とも称する) を〇〇〇 丨 3 に溶解して 1 1 ~ 1 — 1\/|[¾スペクトルを測定 [装置 500 (日本電 子株式会社製) 、 測定温度: 50 ° 〇] し、 スチレンに由来するピーク強度か ら、 水添ブロック共重合体に含まれる重合体ブロ ック (3) の含有量を算出 した。
[0118] 3. 層を構成する熱可塑性樹脂材料のガラス転移 温度
実施例および比較例で用いた水添ブロック共 重合体 ( 層を構成する熱可 塑性樹脂材料) は、 重合体ブロック (3) を構成する単量体に由来するガラ ス転移温度と、 重合体ブロック ( ) を構成する単量体に由来するガラス転 移温度とを示す。 従って、 水添ブロック共重合体のガラス転移温度とし ての 、 水添ブロック共重合体に含まれる重合体ブロ ック (3) のガラス転移温度 および重合体ブロック (匕) のガラス転移温度を、 それぞれ、 示差走査熱量 測定 セイコー電子工業社製) を行うことにより求めた。 測定にお いては、 1 〇°〇/分の昇温速度にて一 1 20°〇から 1 50°〇まで昇温し、 測 定曲線の変曲点の温度を読み取った。
[0119] 4. ポリビニルアセタール樹脂組成物の含水率
各参考例で作製した厚さ 500 のシート状のポリビニルアセタール樹 〇 2020/175178 38 卩(:171? 2020 /005739
脂組成物を、 20 ° 〇、 相対湿度 20%の条件で 48時間、 または 20 ° 〇、 相 対湿度 65 %の条件で 48時間調湿した。 調湿したシート状ポリビニルアセ タール樹脂組成物の水分率を、 株式会社三菱化学アナリティツク製力ールフ ィツシャー水分計 (< _200 :容量法水分計) を用いて測定した。
[0120] 5. 合わせガラスのヘイズ
下記手順に従って合わせガラスを作製し、 」 丨 3 < 7 1 05に基づいて ヘイズを測定した。
実施例または比較例で作製した各中間膜を縦 50 X横 40 の寸法 にカツ トし、 20 ° 〇、 相対湿度 20%の雰囲気で 48時間静置し、 市販のフ 口一トガラス 2枚の間に挟んだ。 真空ラミネータ装置を用いて、 301< 3 の減圧下で 1 00 ° 〇、 20分の条 件で仮圧着を行った後、 オートクレープを用いて、 温度 1 40 ° 〇、 圧力 1.
60分の条件で圧着して合わせガラスを作製し 。 ヘイズの測定 は、 合わせガラスを作製してから 1 日後および 30日後に実施した。
[0121] 6. 遮音特性 (合わせガラスの 2次共振周波数における損失係数)
実施例または比較例で作製した各中間膜を、 縦 300 横 25 の 寸法にカツ トし、 市販のフロートガラス (縦 300 X厚さ
1. 9 ) 2枚の間に挟んだ。 真空ラミネータ装置を用いて、 301< 3 の減圧下で 1 〇〇 ° 〇、 20分の条件で仮圧着を行った後、 オートクレープを 用いて、 温度 1 40°〇、 圧力 1. 60分の条件で圧着を行って合 わせガラスを作製した。 合わせガラスを作製して 1週間後、 機械インピーダ ンス装置 (株式会社小野測器製;マスキャンセルアン プ
6 I I 1 干 1 ㊀ 「1\/1八一 5500 ;チヤンネルデータステーシヨン: 03— 2 1 00) における加振器 ( 〇 ㊀ 「 I 1 干 1 ㊀ 「/ 〇〇! 6 I 37 1 -八) のインピーダンスへツ ドに内蔵された加振力検出器の先端 部に、 作製した合わせガラスの下面 ( 300 の面) の中央部 を固定した。 20°〇において周波数〇〜 1 00001 ~ 12の範囲で上記合わせ ガラスの中央部に振動を与え、 この加振点 (振動を加えた合わせガラスの中 〇 2020/175178 39 卩(:171? 2020 /005739
央部) の加振力および加速度波形を検出することで 、 中央加振法による合わ せガラスのダンピング試験を行った。 得られた加振力と加速度信号を積分し て得られた速度信号とに基づき加振点の機械 インピーダンスを求め、 横軸を 周波数、 縦軸を機械インピーダンスとして得られるイ ンピーダンス曲線にお いてピークを示す周波数と半値幅とから合わ せガラスの損失係数 (2次) を 求めた。
[0122] 7 . 可塑剤の屈折率
可塑剤の屈折率は、 アッベ屈折計により測定した。
[0123] 参考例 1
ポリビニルアセタール樹脂組成物として、 巳樹脂 (アセタール化度 7 0モル%、 酢酸ビニル単位含有量〇. 9モル%、 原料としたポリビニルアル コールの粘度平均重合度約 1 7 0 0) 1 0 0質量部に対して、 可塑剤として 3 8 . 8質量部のジプロピレングリコールジベンゾ ート (〇 〇〇巳) を 混合した組成物を用いた。 このポリビニルアセタール樹脂組成物を押出 成形 し、 厚さ 5 0 0 のシートを作製した。
得られたシートの水分率を測定した。 結果を表 1 に示す。
[0124] 参考例 2〜 6
ジプロピレングリコールジベンゾエートに代 えて表 1 に記載の可塑剤を使 用したこと以外は実施例 1 と同様にしてシートを作製し、 水分率の測定を実 施した。 結果を表 1 に示す。
ここで、 〇1_ 2 0 5 IIは、 株式会社ダイセル製のポリカプロラクトン ジオール 「プラクセル 2 0 5 11」 を表す。 〇!- 2 0 5 IIは、 分子構造中 に芳香環を有さず、 水酸基を有する化合物である。
[0125] 〇 2020/175178 40 卩(:171? 2020 /005739
[表 1 ] 表 1
[0126] 表 1 に示す通り、 本開示におけるポリビニルアセタール樹脂組 成物に相当 する組成物 (参考例 1〜 4) は、 2 0 °0, 相対湿度 2 0 %の低湿条件および 2 0 °〇、 相対湿度 6 5 %の高湿条件のいずれにおいても、 汎用的に使用され る 3 0 8 (参考例 5) と同等の低い吸湿性を有した。 一方、 参考例 6のポリ ビニルアセタール樹脂組成物は、 低湿条件および高湿条件のいずれにおいて も、 より高い吸湿性を有した。 これらの結果から、 特定の可塑剤を含有する 参考例 1〜 4の組成物は、 水分による影響を受け難い樹脂層をもたらす こと が分かる。 そのような樹脂層は、 ガラスとの優れた接着性および接着制御性 を有することができる。
[0127] 実施例 1
表 2に示す組成に従い、 層を構成する熱可塑性樹脂材料として、 8質量 %のスチレン単位および 9 2質量%のイソプレン単位を含有し、 一 1 1 . 8 °〇の I a n 8ピーク温度および 2 . 5の a n 8ピーク高さを有する直鎖状 水添スチレン ·イソプレン ·スチレントリブロック共重合体 (水添率 9 3モ ル%、 重量平均分子量 2 5 8 , 0 0 0) を用いた。
また、 巳層を構成するポリビニルアセタール樹脂組 成物として、 巳樹 月旨 (アセタール化度 7 0モル%、 酢酸ビニル単位含有量〇. 9モル%、 原料 としたポリビニルアルコールの粘度平均重合 度約 1 7 0 0) および可塑剤 ( ジプロピレングリコールジベンゾエート ; 0 0巳) からなる樹脂組成物 〇 2020/175178 41 卩(:171? 2020 /005739
( 巳樹脂 1 0 0質量部に対する可塑剤の量は 3 8 . 8質量部) を用いた 八層を構成する熱可塑性樹脂材料および巳層 を構成するポリビニルアセタ —ル樹脂組成物をそれぞれ押出成形し、 厚さ 2 5〇 の 層 1枚および厚 さ 2 5 0 の巳層 2枚を作製した。
八層を 2枚の巳層の間に挟み、 1 0 0 °〇でプレス成形して巳層/八層/巳 層の 3層構成を有する中間膜を得た。 得られた中間膜についての各物性およ び各評価結果を表 2に示す。
[0128] 実施例 2〜 3
実施例 1 における巳層に代えて、 表 2に記載の、 可塑剤の異なる巳層を用 いたこと以外は実施例 1 と同様にして、 中間膜を作製した。 得られた中間膜 についての各物性および各評価結果を表 2に示す。
[0129] 実施例 4
巳層/八層/巳層の 3層構成に代えて、 表 2に記載の、 厚さの異なる巳層 (表中では 「巳 2 層」 と表す) を中心層として有する、 巳層/ 層/巳 2 層/ 八層/巳層の 5層構成としたこと以外は実施例 1 と同様にして、 中間膜を作 製した。 得られた中間膜についての各物性および各評 価結果を表 2に示す。
[0130] 比較例·!〜 4
実施例 1 における巳層に代えて、 表 2に記載の、 可塑剤の異なる巳層を用 いたこと以外は実施例 1 と同様にして、 中間膜を作製した。 得られた中間膜 についての各物性および各評価結果を表 2に示す。
表中、 八巳巳巳はフタル酸ビス (2 -ブトキシエチル) を表し、 丁〇丁 IV!はトリメリツ ト酸トリス (2 -エチルヘキシル) を表す。
[0131 ] 〇 2020/175178 42 卩(:171? 2020 /005739
[表 2] 表 2
[0132] 表 2から、 特定の可塑剤を用いた場合 (実施例 1〜 4) はいずれも、 合わ せガラスを作製してから 1 日後のヘイズが十分に低く、 かつ、 時間経過とと もにヘイズの上昇も全くまたはほとんど見ら れない、 良好な光学特性を有す る合わせガラスが得られることが分かる。 また、 実施例 1〜 4の合わせガラ スは、 損失係数も高いことから、 遮音性にも優れていることが分かる。 さら に、 表 1 に関連して述べた通り、 本開示におけるポリビニルアセタール樹脂 〇 2020/175178 43 卩(:171? 2020 /005739
組成物は低い吸湿性を有することから、 実施例 1〜 4の中間膜は、 ガラスと の接着性に優れ、 ガラスとの接着制御性の実現も可能なもので あった。
一方、 特定の 3 値を有さない可塑剤を用いた場合 (比較例 1〜 3) はい ずれも、 時間経過とともにヘイズが著しく上昇した。 3 0 8を用いた場合 ( 比較例 1) は、 合わせガラスを作製してから 1 日後のヘイズも高く、 光学特 性に劣っていた。
また、 特定の 3 値は有するものの分子構造中に芳香環を有さ ず、 水酸基 を有する可塑剤を用いた場合 (比較例 4) は、 表 1 に関連して述べた通り、 当該可塑剤を含む樹脂組成物はより高い吸湿 性を有することから、 比較例 4 の中間膜はガラスとの接着性に劣り、 ガラスとの接着制御性の実現は困難な ものであった。
産業上の利用可能性
[0133] 本開示の中間膜は透明性および遮音性が十分 に高く、 また、 当該中間膜と ガラスとの良好な接着および接着制御性の実 現も可能である。 このような本 開示の中間膜は、 乗物用フロントガラス、 乗物用サイ ドガラス、 乗物用サン ルーフ、 乗物用リアガラスまたはへッ ドアップディスプレイ用ガラスに好適 に使用できる。
符号の説明
[0134] 1 3 八層
1 匕 八層
2 3 巳層
2 匕 巳層
3 巳層 (巳 2 層)