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Patent Searching and Data


Title:
INTERNAL COMBUSTION ENGINE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/129942
Kind Code:
A1
Abstract:
An internal combustion engine (10) is provided with a blow-by gas treatment device. Communication passages (24A, 24B) for communicating the interiors of cylinder heads (17A, 17B) with the interiors of a crankcase (12) are formed in banks (VA, VB), respectively. The blow-by gas treatment device comprises a fresh air introduction passage (27) communicating the interior of the cylinder head (17A) with the intake passage (25) of the internal combustion engine (10) and a breather passage (29) communicating the interior of the cylinder head (17B) with the intake passage (25). A partition wall (31) for partitioning between the breather passage (29) and the fresh air introduction passage (27) and also between the communication portion of the communication passage (24A) in the cylinder head (17A) and the communication portion of the communication passage (24B) in the cylinder head (17B) is provided in a route including the interiors of the cylinder heads (17A, 17B), the interior of a chain cover (23), the fresh air introduction passage (27) and the breather passage (29). The partition wall (31) has a through hole (32), whereby the blow-by gas in the engine (10) can be adequately treated.

Inventors:
OKADA NAOYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/056935
Publication Date:
October 30, 2008
Filing Date:
April 08, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
OKADA NAOYA (JP)
International Classes:
F01M13/00; F01M13/04; F02B67/06; F02B75/22; F02B77/00; F02F1/00; F02F7/00
Foreign References:
JP2007071040A2007-03-22
JPS61152714U1986-09-20
JPH11107737A1999-04-20
JPH0893435A1996-04-09
Attorney, Agent or Firm:
ONDA, Hironori (Ohmiya-cho 2-chomeGifu-sh, Gifu 31, JP)
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Claims:
 ブローバイガス処理装置が設けられた内燃機関であって、
 シリンダヘッドと、
 クランクケースと、
 クランクケース内のクランクシャフトと、
 絞り弁が設けられた吸気通路と、
 第1バンクおよび第2バンクである二つのバンクと、各バンクの内にシリンダヘッドの内部とクランクケースの内部とを連通する連通路と、カムシャフトとが設けられていることと、
 クランクシャフトと各カムシャフトとを駆動連結するチェーン機構と、
 チェーン機構の機関の外方側全体を覆う形状のチェーンカバーと、チェーンカバーの内部が各シリンダヘッドの内部にそれぞれ連通されていることと、
を備え、ブローバイガス処理装置は、第1バンクに設けられたシリンダヘッドの内部と吸気通路の絞り弁より吸気流れ方向上流側の部分とを連通する新気導入通路と、第2バンクに設けられたシリンダヘッドの内部と吸気通路の絞り弁より吸気流れ方向下流側の部分とを連通するブリーザ通路とを有する、内燃機関において、
 各シリンダヘッドの内部、前記チェーンカバーの内部、前記新気導入通路、および前記ブリーザ通路を含む経路に位置し、前記ブリーザ通路と前記新気導入通路との間を仕切り、且つ前記第1バンクに設けられたシリンダヘッドにおける前記連通路の連通部分と前記第2バンクに設けられたシリンダヘッドにおける前記連通路の連通部分との間を仕切る隔壁を備え、同隔壁は貫通孔を有することを特徴とする内燃機関。
 請求項1に記載の内燃機関において、
 前記クランクケースの内部と前記チェーンカバーの内部とが連通され、前記隔壁および前記貫通孔が前記経路における前記クランクケース内部と前記チェーンカバーの内部との連通部分よりも前記新気導入通路の近くに設けられていることを特徴とする内燃機関。
 請求項2に記載の内燃機関において、
 前記隔壁および前記貫通孔は、前記第1バンクに設けられたシリンダヘッドの内部に設けられることを特徴とする内燃機関。
 請求項2または3に記載の内燃機関において、
 前記連通路は、前記シリンダヘッドの内部と前記クランクケースの内部との間の気体流通を許容する通路であって、且つ前記シリンダヘッドの内部から前記クランクケースの内部へとオイルが流れ落ちる通路であり、
 前記貫通孔の断面積は、前記第1バンクに形成された前記連通路の断面積の1/2~1/3であることを特徴とする内燃機関。
Description:
内燃機関

 本発明は、ブローバイガス処理装置が設 られて二つのバンクを有する内燃機関に関 る。

 車載等の内燃機関に適用される装置とし 、ブローバイガス処理装置が知られ、同処 装置は、シリンダボアの内壁面とピストン の隙間からクランクケース内に漏れ出した 焼ガスすなわちブローバイガスの換気を行 とともに、その換気されたブローバイガス 吸気中に還流するよう処理する。ブローバ ガス処理装置では一般に、機関内部のブロ バイガスが、吸気通路における絞り弁より 気流れ方向下流側(以下、単に「下流側」) 部分において生じる吸気負圧によって同吸 通路に吸引されて、吸気中に還流される。 うしたブローバイガス処理装置付きの内燃 関では、吸気中に還流されたブローバイガ が燃焼室内で再燃焼されることから、大気 への炭化水素(HC)の排出量を低減することが きる。また機関内部の換気により、ブロー イガスによるオイルの劣化を抑制すること できる。

 こうしたブローバイガス処理装置は、例 ばV型の気筒配列の内燃機関など、二つのバ ンクを有する内燃機関にも適用される。そう した内燃機関の例が特許文献1に記載されて る。

 特許文献1に記載の内燃機関では、二つの バンク、すなわち第1バンクと第2バンクの各 に、シリンダヘッドの内部とクランクケー の内部とを連通する連通路が設けられてい 。第1バンクのシリンダヘッド内部は吸気通 路における絞り弁より上流側に接続されてお り、第2バンクのシリンダヘッド内部は吸気 路における絞り弁より下流側に接続されて る。

 この内燃機関では、吸気通路における絞 弁の上流側と下流側との間に生じる圧力差 より、吸気通路の絞り弁より上流側の空気 第1バンクのシリンダヘッドを経てクランク ケースの内部に導入されるとともに、クラン クケースの内部のブローバイガスが第2バン のシリンダヘッド内部を通じて吸気通路の り弁より下流側に排出される。上記内燃機 では、このようにして機関内部のブローバ ガスが処理される。

 ところで、内燃機関にはクランクシャフ とカムシャフトとを駆動連結するための巻 掛け機構が設けられており、この巻き掛け 構としてはチェーン機構が多用されている また、チェーン機構が設けられた内燃機関 は、潤滑のためにチェーンに供給されるオ ルの機関外部への飛散を防止するために、 ェーンカバーが取り付けられている。

 通常、内燃機関の外方側全体を覆う形状 チェーンカバーが同内燃機関の外壁に取り けられ、同チェーンカバーの内部は各バン のシリンダヘッド内部に連通されている。 のため上記内燃機関は、チェーンカバーを して各シリンダヘッドの内部が互いに連通 れた構造になっている。したがって、かか 内燃機関に適用されるブローバイガス処理 置では、吸気通路の絞り弁より上流側の部 から一方のシリンダヘッド内部に導入され 空気の一部が、チェーンカバー、他方のシ ンダヘッドの順に流れて、クランクケース 通過することなく、吸気通路の絞り弁より 流側の部分に流出してしまう。

 前述のようにブローバイガスは機関燃焼室 らクランクケース内に漏れ出すガスである とから、ブローバイガスはクランクケース に多量に存在する。そのため、クランクケ スを迂回して流れる空気の量が過度に多く ると、これがブローバイガスの処理効率の 下を招く一因となってしまう。

実開平2-139315号公報

 本発明の目的は、機関内部のブローバイガ を適切に処理することのできる内燃機関を 供することにある。
 本発明は、ブローバイガス処理装置が設け れた内燃機関を提供する。かかる機関は、 リンダヘッドと、クランクケースと、クラ クケース内のクランクシャフトと、絞り弁 設けられた吸気通路と、第1バンクおよび第 2バンクである二つのバンクと、各バンクの にシリンダヘッドの内部とクランクケース 内部とを連通する連通路と、カムシャフト が設けられていることと、クランクシャフ と各カムシャフトとを駆動連結するチェー 機構と、チェーン機構の機関の外方側全体 覆う形状のチェーンカバーと、チェーンカ ーの内部が各シリンダヘッドの内部にそれ れ連通されていることと、を備え、ブロー イガス処理装置は、第1バンクに設けられた リンダヘッドの内部と吸気通路の絞り弁よ 吸気流れ方向上流側の部分とを連通する新 導入通路と、第2バンクに設けられたシリン ダヘッドの内部と吸気通路の絞り弁より吸気 流れ方向下流側の部分とを連通するブリーザ 通路とを有する。内燃機関はさらに、各シリ ンダヘッドの内部、チェーンカバーの内部、 新気導入通路、およびブリーザ通路を含む経 路に位置し、ブリーザ通路と新気導入通路と の間を仕切り、且つ第1バンクに設けられた リンダヘッドにおける連通路の連通部分と 2バンクに設けられたシリンダヘッドにおけ 連通路の連通部分との間を仕切る隔壁を備 、同隔壁は貫通孔を有する。

 一態様では、クランクケースの内部とチ ーンカバーの内部とが連通され、隔壁およ 貫通孔が経路におけるクランクケース内部 チェーンカバーの内部との連通部分よりも 気導入通路の近くに設けられている。

 別の態様では、隔壁および貫通孔は、第1バ ンクに設けられたシリンダヘッドの内部に設 けられる。
 さらに別の態様では、連通路は、シリンダ ッドの内部とクランクケースの内部との間 気体流通を許容する通路であって、且つシ ンダヘッドの内部からクランクケースの内 へとオイルが流れ落ちる通路である。貫通 の断面積は、第1バンクに形成された前記連 通路の断面積の1/2~1/3である。

本発明にかかる内燃機関を具体化した 実施の形態の概略構成を示す略図。 図1の内燃機関の側面構造を示す側面図 。 図1の内燃機関の第1バンクをシリンダ ッドカバー側から見た構造を示す平面図。 第1バンクを図3の矢印C方向から見た側 構造を示す側面図。 第1バンクの図3のD-D線に沿った断面構 を示す断面図。 第1バンクの内部における気体の流通を 示す略図。 内燃機関の第2バンクの内部における気 体の流通を示す略図。 貫通孔の断面積および複数の連通路の 路断面積の和の比と内燃機関の内部におけ ブローバイガスの濃度との関係を示すグラ 。

 以下、本発明にかかる内燃機関を具体化し 一実施の形態について説明する。
 図1は、本実施の形態にかかる内燃機関の概 略構成を示している。図1に示すように、内 機関10はV型の気筒配列の内燃機関である。

 内燃機関10はシリンダブロック11を備えて いる。シリンダブロック11の下部はクランク ース12の上部を構成しており、クランクケ ス12の内部にはクランクシャフト13が回転可 に取り付けられている。シリンダブロック1 1の下部にはオイルパン14が取り付けられてい る。オイルパン14はクランクケース12の下部 構成しており、オイルパン14には内燃機関10 各摺動部に供給されるオイルが貯留されて る。

 シリンダブロック11の上部、言い換えれ 内燃機関10の第1バンクVAおよび第2バンクVBの 下部には、複数のシリンダボア15が形成され いる。各シリンダボア15にはピストン16が往 復移動可能に設けられている。本実施の形態 では、シリンダボア15の数は、各バンクVA,VB それぞれ三つの合計六つであるが、図1には 各バンクVA,VBについて一つのボアのみを図 している。

 シリンダブロック11の上部には、二つの リンダヘッド17A,17Bが取り付けられている。 方のシリンダヘッド17Aは第1バンクVAの上部 構成し、他方のシリンダヘッド17Bは第2バン クVBの上部を構成する。各シリンダヘッド17A, 17Bの内部には、それぞれ吸気カムシャフト18 排気カムシャフト19とが回転可能に取り付 られている。各シリンダヘッド17A,17Bの上部 はシリンダヘッドカバー20がそれぞれ取り けられている。シリンダヘッドカバー20によ り、各シリンダヘッド17A,17Bの内部のオイル( しくは、カムシャフトの軸受けなどの潤滑 用いられるオイル)が機関外部に漏出しない ように、且つシリンダヘッド17A,17Bの内部が 関外部に露出しないように、シリンダヘッ 17A,17Bの機関外方側が覆われている。

 図2に、内燃機関10の側面構造を示す。
 図2に示すように、内燃機関10にはチェーン 構21が取り付けられている。このチェーン 構21は、両バンクVA,VBの吸気カムシャフト18 よび排気カムシャフト19とクランクシャフト 13とに巻き掛けられたチェーン22を備えてい 。チェーン22は、詳しくは、各バンクVA,VBの 気カムシャフト18およびクランクシャフト13 に巻き掛けられたプライマリチェーンと、各 バンクVA,VBにおいて各別に吸気カムシャフト1 8および排気カムシャフト19に巻き掛けられた セカンダリチェーンとにより構成されている 。チェーン機構21により、クランクシャフト1 3の回転力が各バンクVA,VBの吸気カムシャフト 18および排気カムシャフト19に伝達されて、 れら吸気カムシャフト18および排気カムシャ フト19が回転駆動される。

 内燃機関10にはチェーンカバー23が取り付 けられている。このチェーンカバー23により チェーン機構21の潤滑部分に供給されるオ ルが機関外部に漏出しないように、且つチ ーン機構21が外部に露出しないように、チェ ーン機構21の機関外方側が覆われている。

 チェーンカバー23は内燃機関10に取り付け られた状態でその上部が開口する形状に形成 されており、このチェーンカバー23上部の開 を塞ぐように、シリンダヘッドカバー20が 燃機関10に取り付けられている。このように 内燃機関10では、チェーンカバー23の内部と バンクVA,VBのシリンダヘッドカバー20の内部 が連通されており、ひいてはチェーンカバ 23の内部とシリンダヘッド17A,17Bの内部とが 通されている。

 また、チェーンカバー23は内燃機関10に取 り付けられた状態でその下部が開口する形状 にも形成されており、このチェーンカバー23 部の開口を塞ぐように、オイルパン14が内 機関10に取り付けられている。このように内 燃機関10では、チェーンカバー23の内部とオ ルパン14の内部とが連通されており、チェー ン機構21の潤滑に用いられた後のオイルがオ ルパン14に流れ落ちるようになっている。 た、内燃機関10では、チェーンカバー23の内 とクランクケース12の内部とが連通されて る。

 内燃機関10には、シリンダボア15(図1)の内 壁面とピストン16との隙間からクランクケー 12の内部に漏れ出した燃焼ガスすなわちブ ーバイガスを処理するためのブローバイガ 処理装置が設けられている。以下、このブ ーバイガス処理装置について具体的に説明 る。

 内燃機関10の第1バンクVAにはシリンダヘ ド17Aの内部とクランクケース12の内部とを連 通する連通路24Aが形成されており、第2バン VBにはシリンダヘッド17Bの内部とクランクケ ース12の内部とを連通する連通路24Bが形成さ ている。連通路24Aはシリンダヘッド17Aの内 からクランクケース12の内部に空気を送り むための通路として用いられ、連通路24Bは ランクケース12内部からシリンダヘッド17Bの 内部にブローバイガスを排出するための通路 として用いられる。また、連通路24A,24Bは、 リンダヘッド17A,17Bの内部のオイルをオイル ン14に戻すための通路としても用いられる

 内燃機関10には、第1バンクVAのシリンダ ッド17Aの内部と、吸気通路25の絞り弁26より 気流れ方向上流側(以下、単に「上流側」) 部分とを連通する新気導入通路27が設けられ ている。第1バンクVAのシリンダヘッドカバー 20にはオイルセパレータ28Aが取り付けられて り、このオイルセパレータ28Aに、新気導入 路27の内燃機関10側の端部が接続されている 。オイルセパレータ28Aは内部を通過する気体 からオイル成分を分離するものであり、オイ ルセパレータ28Aにより、シリンダヘッド17Aの 内部から新気導入通路27へのオイルの侵入が 制される。

 また内燃機関10には、第2バンクVBのシリ ダヘッド17Bの内部と吸気通路25の絞り弁26よ 吸気流れ方向下流側(以下、単に「下流側」 )の部分とを連通するブリーザ通路29が設けら れている。第2バンクVBのシリンダヘッドカバ ー20にはオイルセパレータ28BおよびPCV弁30が り付けられており、ブリーザ通路29の内燃機 関10側の端部が、上記PCV弁30を介してオイル パレータ28Bに接続されている。PCV弁30は、そ のシリンダヘッド17Bにおける圧力と吸気通路 25における圧力との差に応じて開度が変化す 差圧作動弁である。PCV弁30は、ブリーザ通 29を通じて吸気通路25に排出されるブローバ ガス(正確には、ブローバイガスを含む気体 )の流量を上記圧力差に応じて自律的に調整 る。オイルセパレータ28Bは内部を通過する 体からオイル成分を分離するものであり、 のオイルセパレータ28Bによって、オイル成 が分離された後の気体がシリンダヘッド17B 内部からブリーザ通路29に排出される。

 こうしたブローバイガス処理装置が設け れた内燃機関10では、吸気通路25における絞 り弁26の上流側と下流側との間に生じる圧力 により、その内部に空気が次の態様で流通 る。すなわち、吸気通路25における絞り弁26 の上流側の空気が、新気導入通路27、シリン ヘッド17A、連通路24A、クランクケース12、 通路24B、シリンダヘッド17B、ブリーザ通路29 、吸気通路25(絞り弁26より下流側)を含む基本 経路を順に流れる。そして、このとき内燃機 関10の内部のブローバイガスが空気ともども 気通路25に排出される。このように本実施 形態にかかる内燃機関10では、基本的に、上 記基本経路に空気を流通させることによって 、内燃機関10の内部のブローバイガスを換気 て処理するようにしている。

 ところで、内燃機関10では、各シリンダ ッド17A,17Bの内部とチェーンカバー23の内部 が連通されている。そのため吸気通路25にお ける絞り弁26の上流側の空気が、基本経路に えて、新気導入通路27、シリンダヘッド17A チェーンカバー23、シリンダヘッド17B、ブリ ーザ通路29、吸気通路25(絞り弁26より下流側) 含む迂回経路にも順に流れる。

 内燃機関10の内部のブローバイガスを効 良く換気するためには、ブローバイガスが 量に発生する部分(クランクケース12の内部) 迂回してチェーンカバー23を介して流通す 気体の量を抑えて、クランクケース12の内部 を流れる気体の量を多くすることが望ましい 。ただしチェーンカバー23の内部にも、ブロ バイガスが侵入するために、これを換気す べく少量の空気を送り込む必要がある。

 この点をふまえて本実施の形態では、迂回 路に、隔壁および貫通孔が配設される。
 以下、隔壁および貫通孔の配設について具 的に説明する。
 図3は図1の内燃機関10の第1バンクVAをシリン ダヘッドカバー20側から見た構造を示してお 、図4は第1バンクVAを図3の矢印C方向から見 構造を示しており、図5は第1バンクVAの図3 D-D線に沿った断面構造を示している。

 図3~図5に示すように、内燃機関10のシリ ダヘッド17Aには隔壁31が取り付けられている 。隔壁31は、シリンダヘッド17Aの内部(詳しく は、シリンダヘッド17Aおよびシリンダヘッド カバー20の内部)を二つの空間に仕切る形状を している。詳しくは、隔壁31は連通路24Aとチ ーンカバー23の内部との間を仕切る形状を ており、且つ新気導入通路27の連通部分(具 的には、オイルセパレータ28A)とチェーンカ ー23内部との間を仕切る形状をしている。

 また、隔壁31には貫通孔32が形成されてい る。貫通孔32の断面積は、内燃機関10のバン VAに形成された複数の連通路24Aの通路断面積 の和の1/2~1/3になるように設定されている。

 以下、内燃機関10に隔壁31および貫通孔32を けることによる作用について説明する。
 図6に、内燃機関10の第1バンクVAの内部にお る気体の流通を示す。

 図6に矢印で示すように、内燃機関10の運 中においては、新気導入通路27およびオイ セパレータ28Aを介して、吸気通路25内の空気 がシリンダヘッド17Aの内部に流入する。そし て、シリンダヘッド17Aの内部に流入した空気 は、各連通路24Aを介してクランクケース12の 部に流入する一方、隔壁31の貫通孔32を介し てチェーンカバー23の内部に流入する。

 本実施の形態では、隔壁31および貫通孔32 が設けられているために、それら隔壁31およ 貫通孔32が設けられない内燃機関と比較し 、シリンダヘッド17Aの内部からチェーンカ ー23に流入する空気の量が抑えられ、クラン クケース12の内部に多量の空気が流入する。 のため、クランクケース12内のブローバイ スを十分に換気するべく多量の空気が同ク ンクケース12内に流入させるとともに、チェ ーンカバー23内のブローバイガスを適切に換 するべくチェーンカバー23内にも少量の空 を流入させることができる。このように、 ランクケース12の内部とチェーンカバー23の 部とにそれぞれ適切な量の空気を流入させ ことができる。

 ここで、内燃機関10の運転に際してチェ ン機構21にはその潤滑のために多量のオイル が供給される。そのため仮に、チェーンカバ ー23の内部に隔壁および貫通孔を形成すると チェーンカバー23の内部を流れ落ちるオイ の量が制限されてしまうために、例えばチ ーンカバー23の内部にオイルが溜まった状態 になるなど、チェーン機構21の潤滑性能の低 を招くおそれがある。この点、本実施の形 では、新気導入通路27が連通されたシリン ヘッド17Aの内部に隔壁31および貫通孔32が形 されている。そのため、そうした潤滑性能 低下を招くことなく、隔壁31および貫通孔32 を設けることができる。

 図7に、内燃機関10の第2バンクVBの内部にお る気体の流通を示す。
 同図7中に矢印で示すように、クランクケー ス12の内部に流入した空気やチェーンカバー2 3の内部に流入した空気は、第2バンクVBの連 路24Bやチェーンカバー23の内部を介してシリ ンダヘッド17Bの内部に流入する。そして、シ リンダヘッド17Bの内部に流入した空気(詳し は、ブローバイガスを含む気体)は、PCV弁30 よびブリーザ通路29を介して吸気通路25に排 される。このようにして内燃機関10の内部 ブローバイガスが吸気中に還流され、ひい は機関燃焼室内で再燃焼されて処理される

 ここで発明者が種々の実験を行った結果 本実施の形態にかかる内燃機関10では、貫 孔32(図3~図5参照)の断面積を内燃機関10の第1 ンクVAに形成された複数の連通路24Aの通路 面積の和の1/3より小さくした場合に、シリ ダヘッド17Aからオイルパン14(図1)にオイルを 適切に戻すことができなってしまうことが確 認されている。こうした不都合が生じる理由 としては、以下のようなことが考えられる。

 内燃機関10の運転中において、絞り弁26の 開度が大きくなって吸気通路25における絞り 26の下流側と上流側との圧力差がなくなる 、シリンダヘッド17Aからクランクケース12内 への空気の流入が停止される。このときクラ ンクケース12内のブローバイガスの量が増加 ているために、クランクケース12内のブロ バイガスを含む気体が連通路24Aやチェーン バー23を介してシリンダヘッド17Aの内部に逆 流するようになる。そして、このように連通 路24Aを介してクランクケース12からシリンダ ッド17Aに逆流する上記気体の総量のうち、 記連通路24Aを通過する気体量の占める割合 、貫通孔32の断面積を小さく設定するほど きくなる。言い換えれば、逆流する上記気 の量は、貫通孔32の断面積が小さいほど多く なる。

 連通路24Aには、前述したようにシリンダ ッド17Aの内部からオイルパン14の内部へと れ落ちるオイルが通過している。そのため 貫通孔32の断面積を小さくすることによって 連通路24Aを逆流する気体の量が過度に多くな ってしまうと、同気体の流れによって連通路 24A内部のオイルの流れが妨げられて、シリン ダヘッド17A内部からクランクケース12にオイ を適切に戻すことができなくなってしまう

 なお、連通路24Aの通路断面積を大きくす ことにより、そうした不都合を回避するこ は可能である。しかしながら、内燃機関10 各バンクVA,VBにおいて連通路24A,24Bを形成可 なスペースは限られており、そのように連 路24Aの通路断面積を大きくするのは困難で る。

 一方、発明者が種々の実験を行った結果 本実施の形態にかかる内燃機関10では、貫 孔32の断面積を内燃機関10の第1バンクVAに形 された複数の連通路24Aの通路断面積の和の1 /2より大きくすると、機関内部におけるブロ バイガスの濃度を所望の濃度以下に維持す ことができなくなってしまうことが確認さ ている。なお所望の濃度は、オイルの劣化 度を予め定めた所望の速度以下に抑えるこ の可能な濃度であり、単位時間当たりに内 機関10の内部から外部に漏れ出す炭化水素(H C)の量を予め定めた所定量以下に抑えること 可能な濃度である。

 図8に、貫通孔32の断面積Shおよび複数の 通路24Aの通路断面積の和Srの比Rs(=Sh/Sr)と内 機関10の内部におけるブローバイガスの濃度 との関係を求めた結果を示す。図8にあって 線L1はクランクケース12内部におけるブロー イガスの濃度と比Rsとの関係を示しており 線L2はチェーンカバー23の内部およびシリン ヘッド17Aの内部の合流部分におけるブロー イガスの濃度と比Rsとの関係を示している

 図8に線L1で示すように、内燃機関10では 本的に、比Rsを小さくするほど、クランクケ ース12内部のブローバイガスの濃度が低くな 。詳しくは、比Rsが「1」より大きい領域で 、比Rsを小さくしたところで、クランクケ ス12内部のブローバイガスの濃度をさほど低 下させることができない。また、比Rsが「1」 以下の領域において比Rsを小さくすることに り、クランクケース12内部のブローバイガ の濃度が効果的に低下する。そして、比Rsを 「1/2」以下の値に設定すると、クランクケー ス12内部のブローバイガスの濃度が上記所望 濃度以下になる。なお、比Rsが「1/2」より きい領域において、クランクケース12内部の ブローバイガスの濃度が上記所望の濃度より 高くなるのは、シリンダヘッド17Aの内部から クランクケース12の内部に流入する空気の量 不足して、同クランクケース12の内部のブ ーバイガスを十分に換気することができな ためである。

 一方、図8に線L2で示すように、比Rsを小 くするほど、チェーンカバー23の内部とシリ ンダヘッド17Aの内部との合流部分におけるブ ローバイガスの濃度が高くなる。そのため、 比Rsを過度に小さくすると、チェーンカバー2 3内部のブローバイガスの濃度が前記所望の 度よりも高くなってしまう。ただし内燃機 10では、比Rsを小さくしたところでチェーン バー23内部のブローバイガスの濃度はさほ 高くならず、比Rsを「1/3」まで小さくしたと ころでチェーンカバー23の内部のブローバイ スの濃度が前記所定の濃度より低く抑えら る。

 こうした実情をふまえて本実施の形態で 、貫通孔32の断面積が、内燃機関10のバンク VAに形成された複数の連通路24Aの通路断面積 和の1/2~1/3になるように設定される。これに より、連通路24Aを通じてシリンダヘッド17Aの 内部からクランクケース12の内部に流れ落ち オイルの量を十分に確保した上で、連通路2 4Aを通じてシリンダヘッド17Aの内部からクラ クケース12の内部やチェーンカバー23の内部 に十分な量の空気が導入される。

 以上説明したように、本実施の形態は以下 記載する効果を奏する。
 (1)各シリンダヘッド17A,17Bの内部、チェーン カバー23の内部、新気導入通路27、およびブ ーザ通路29を含む迂回経路に、隔壁31および 通孔32を設けるようにした。そのため、ク ンクケース12の内部とチェーンカバー23の内 とにそれぞれ適切な量の気体を流すことが き、機関内部のブローバイガスを適切に処 することができる。

 (2)クランクケース12の内部とチェーンカ ー23の内部とが連通された内燃機関10にあっ 、隔壁31および貫通孔32を迂回経路における クランクケース12の内部との前記チェーンカ ーの内部との連通部分より新気導入通路27 りも近い部分に設けるようにした。そのた 、新気導入通路27からシリンダヘッド17Aの内 部に導入された空気を、同シリンダヘッド17A の内部からチェーンカバー23への流入分を的 に抑えつつクランクケース12の内部に流入 せることができる。したがって、クランク ース12の内部への空気流入分を好適に確保す ることができるようになり、同クランクケー ス12の内部のブローバイガスを好適に換気す ことができるようになる。

 (3)シリンダヘッド17Aの内部に隔壁31およ 貫通孔32を設けるようにしたために、それら 隔壁31および貫通孔32をチェーン機構21の潤滑 性能の低下を招くことなく設けることができ る。

 (4)貫通孔32の断面積が、バンクVAに形成さ れた複数の連通路24Aの通路断面積の和の1/2~1/ 3である。そのため、クランクケース12内部や チェーンカバー23内部ブローバイガスを十分 換気することができ、また連通路24Aを通じ シリンダヘッド17Aの内部からクランクケー 12の内部に流れ落ちるオイルの量を十分に 保することができる。

 なお、上記実施の形態は、以下のように変 して実施してもよい。
 ・一つの貫通孔32のみに限らず、複数の貫 孔が隔壁31に形成されてもよい。同構成にあ っては、貫通孔の断面積の和を複数の連通路 24Aの通路断面積の和の1/2~1/3に設定するよう すればよい。

 ・シリンダヘッド17Aに隔壁31を設けること 他、シリンダヘッド17Aのシリンダヘッドカ ー20に隔壁31を設けることも可能である。
 ・クランクシャフトと各バンクのカムシャ トとを駆動連結するチェーン機構と、チェ ン機構の機関外方側全体を覆う形状のチェ ンカバーとを備えた内燃機関であれば、チ ーン機構の構造によることなく、本実施の 態にかかる構成は適用可能である。例えば 気カムシャフト18と排気カムシャフト19とが ギア機構を介して連結された内燃機関に本実 施の形態にかかる構成を適用することができ る。その他、クランクシャフト13、第1バンク VAの吸気カムシャフト18および排気カムシャ ト19にチェーンが巻き掛けられるとともに、 クランクシャフト13、第2バンクVBの吸気カム ャフト18および排気カムシャフト19にチェー ンが巻き掛けられた内燃機関等にも、本実施 の形態にかかる構成は適用可能である。

 ・隔壁31の位置は、迂回通路におけるブ ーザ通路29と新気導入通路27との間の位置で り、且つシリンダヘッド17Aにおける各連通 24Aの連通部分とシリンダヘッド17Bにおける 連通路24Bの連通部分との間の位置であれば 任意に変更可能である。

 例えば、チェーンカバー23内部における ランクケース12との連結部分よりもシリンダ ヘッド17Aに近い位置に隔壁を設けるようにし てもよい。同構成によっても、気導入通路27 らシリンダヘッド17Aの内部に導入された空 を、シリンダヘッド17Aの内部からチェーン バー23への流入分を的確に抑えつつクラン ケース12の内部に流入させることができる。

 隔壁を、チェーンカバー23内部における ランクケース12との連結部分よりもシリンダ ヘッド17Bに近い位置や、シリンダヘッド17Bに おける連通路24Bとチェーンカバー23の内部と 間の位置であり且つブリーザ通路29の連通 分とチェーンカバー23内部との間の位置に設 けるようにしてもよい。これら構成によれば 、隔壁が設けられない内燃機関と比較して、 シリンダヘッドカバー20の内部とチェーンカ ー23の内部との連通部分を介して同チェー カバー23の内部からシリンダヘッド17Bの内部 に流入する気体の量を抑えることができる。 これにより連通路24Bを通じてクランクケース 12の内部からシリンダヘッド17Bに多量の気体 流入させることができるようになる。した って、クランクケース12内のブローバイガ を十分に換気するべく多量の空気を同クラ クケース12内に流入させるとともに、チェー ンカバー23内のブローバイガスを換気するべ 同チェーンカバー23内にも空気を流入させ ことができる。

 ・本発明は、各バンクにそれぞれ異なる 数のシリンダボアが設けられた内燃機関に 適用可能である。また、各バンクにシリン ボアが一つのみ設けられた内燃機関にも、 発明は適用することができる。

 ・二つのバンクを備えるとともに、それ バンクのうちの一方に新気導入通路が接続 れ、他方にブリーザ通路が接続された内燃 関であれば、例えば水平対向型の気筒配列 内燃機関や、W型の気筒配列の内燃機関など 、V型以外の気筒配列の内燃機関にも本発明 適用することができる。




 
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