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Title:
IRON-BASED SOFT MAGNETIC POWDER FOR DUST CORE AND DUST CORE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/013979
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an iron-based soft magnetic powder for dust core, wherein a coating film composed of Fe and Co, a phosphoric acid chemical conversion coating film and a silicone resin coating film are sequentially formed in this order on the surface of an iron-based soft magnetic powder. Also disclosed is a dust core obtained by molding such an iron-based soft magnetic powder for dust core. Further disclosed is an iron-based soft magnetic powder for dust core, which is obtained by covering the surface of an iron-based soft magnetic powder with an insulating coating film. In this iron-based soft magnetic powder for dust core, the powder has a particle diameter of not less than 45 μm but not more than 180 μm, and the insulating coating film is composed of two layers, namely a lower layer composed of a phosphoric acid chemical conversion coating film and an upper layer composed of a silicone resin coating film. Each of the lower and upper coating films has a thickness of not less than 100 nm but not more than 280 nm.Still further disclosed is a dust core obtained by molding such an iron-based soft magnetic powder for dust core.

Inventors:
MITANI, Hiroyuki (())
三谷 宏幸 (())
AKAGI, Nobuaki (())
Application Number:
JP2008/062018
Publication Date:
January 29, 2009
Filing Date:
July 02, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KABUSHIKI KAISHA KOBE SEIKO SHO (10-26, Wakinohama-cho 2-chome Chuo-ku, Kobe-sh, Hyogo 85, 6518585, JP)
株式会社神戸製鋼所 (〒85 兵庫県神戸市中央区脇浜町二丁目10番26号 Hyogo, 6518585, JP)
MITANI, Hiroyuki (())
三谷 宏幸 (())
International Classes:
H01F1/24; B22F1/00; B22F1/02; B22F3/00
Attorney, Agent or Firm:
OGURI, Shohei et al. (Eikoh Patent Firm, 7-13 Nishi-Shimbashi,1-chome,Minato-k, Tokyo 03, 1050003, JP)
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Claims:
 鉄基軟磁性粉末表面に、FeとCoより成る被膜と、リン酸系化成被膜と、シリコーン樹脂被膜とが、この順に形成されている圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末。
 前記リン酸系化成被膜が、Coを含まない請求項1に記載の圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末。
 前記FeとCoより成る被膜の膜厚が、1~10nmである請求項1に記載の圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末。
 前記シリコーン樹脂被膜を形成するためのシリコーン樹脂が、三官能性のメチルシリコーン樹脂である請求項1に記載の圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末。
 鉄基軟磁性粉末表面を絶縁被膜で被覆して成る圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末であって、前記粉末の粒径は45μm以上180μm以下であり、且つ、前記絶縁被膜は下層側がリン酸系化成被膜よりなり、上層側がシリコーン樹脂被膜よりなる2層で構成され、前記各被膜の膜厚はそれぞれ100nm以上280nm以下である圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末。
 前記各被膜の膜厚がそれぞれ100nm以上200nm以下である請求項5に記載の圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末。
 請求項1乃至6のいずれかに記載の圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末を成形して得られる圧粉磁心。
Description:
圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末およ 圧粉磁心

 本発明は、機械的強度と電気絶縁性に優 た圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末および圧粉磁 に関するものである。また、本発明は、高 波領域での磁気特性に優れた圧粉磁心用鉄 軟磁性粉末および圧粉磁心に関するもので る。

 近年、交流磁界で使用され磁気特性にも優 、且つ、三次元形状の自由度も高いことを 徴にした電磁気部品として、軟磁性粉末を 縮成形した圧粉磁心が使用されつつある。 えば、周波数が50kHz程度以下で使用される ータやトランス用のコア材(圧粉磁心)として 、低鉄損と高磁束密度を目的に、以下のよう な軟磁性粉末を圧縮成形し、その後歪取り焼 鈍する構成のものが知られている(特許文献1) 。この圧粉磁心用の軟磁性粉末は、圧縮性に 優れ、且つ、高い絶縁性を有することを目的 に、純鉄粉の表面を鉄酸化物で被覆し、この 鉄酸化物の表面を酸化物、炭酸塩及び硫酸塩 のうちから選んだ少なくとも一種の絶縁層で 被覆し、さらにこの絶縁層の表面をシリコー ン樹脂層で被覆した構成のものである。
 また、Feを主成分とした磁性粉末の表面を 1の絶縁被膜で被覆し、さらにその表面を酸 物粒子が分散された第2の絶縁被膜で被覆し 、圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末としたものも知 られている(特許文献2)。この粉末を用いて圧 縮成形した後、歪取り焼鈍し圧粉磁心とした ものが上記同一文献内に記載されている。

特開2006-233295号公報

特開2006-5173号公報

 上記特許文献1に記載された従来の圧粉磁心 は、ヒステリシス損を低減させるために、高 温で歪取り焼鈍を行う。また、この高温での 熱処理により、今度は電気絶縁性が低下し比 抵抗の低下をもたらし易くなるのを抑制する ために、純鉄粉の表面を被覆する鉄酸化物と この鉄酸化物の表面を被覆する絶縁層を設け た後、以下のような高温での熱処理をわざわ ざ付加しなければならないといった課題を有 していた。この高温での熱処理は、結合強化 処理と称し、非酸化性雰囲気中、500~1200℃、2 0~240分の加熱処理を行わなければならないも である。
 また、上記特許文献2に記載された従来の圧 粉磁心用鉄基軟磁性粉末およびこれを用いた 圧粉磁心は、高温焼鈍によって残留歪も十分 小さくなる。したがって、周波数が1kHz以下 領域では、鉄損(ヒステリシス損が支配的)も 小さく、透磁率も高く、且つ、安定であるが 、1kHzを超える周波数領域になってくると次 に透磁率が低下してくるといった課題を有 ていた。特に、100kHz程度になると、その低 が顕著である。これは、ノイズフィルタ等 ような高周波領域で使用する電磁気部品に っては、特に問題となる。

 本発明は、上記の様な課題を解決するもの ある。
 具体的には、結合強化処理と称する高温で 熱処理を付加せず、且つ、高密度に成形し 場合にも、機械的強度に優れ、鉄基軟磁性 末粒子間を効果的に絶縁することができ、 らに、歪取り焼鈍を行っても電気絶縁性を 好に維持できるような熱的安定性に優れた 粉磁心用鉄基軟磁性粉末およびこの粉末を いた圧粉磁心を提供することを第一の目的 する。
 また、鉄損(ヒステリシス損+渦電流損)が抑 られ、高周波領域まで所定の大きさの透磁 を有し、且つ、その透磁率が安定な圧粉磁 用鉄基軟磁性粉末およびこの粉末を用いた 粉磁心を提供することを第二の目的とする

 上記第一の目的を達成するために、本発明 以下の(1)~(4)に関する。
(1)鉄基軟磁性粉末表面に、FeとCoより成る被 と、リン酸系化成被膜と、シリコーン樹脂 膜とが、この順に形成されている圧粉磁心 鉄基軟磁性粉末。
 これにより、結合強化処理と称する高温で 熱処理を付加せず、且つ、高密度に成形し 場合にも、機械的強度に優れ、鉄基軟磁性 末粒子間を効果的に絶縁することができ、 らに、歪取り焼鈍を行っても電気絶縁性を 好に維持できるような熱的安定性に優れた 粉磁心用鉄基軟磁性粉末を実現できる。
(2)リン酸系化成被膜が、Coを含まない(1)に記 の圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末。
 これにより、歪取り焼鈍をより高温で行っ も、高い比抵抗を維持できる。
(3)FeとCoより成る被膜の膜厚が、1~10nmである(1 )に記載の圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末。
 これにより、FeとCoより成る被膜の形成性を 維持しつつ鉄基軟磁性粉末の変形の自由度を 確保できるため、成形時の前記粉末の密度が 上がり高磁束密度を実現できる。
(4)シリコーン樹脂被膜を形成するためのシリ コーン樹脂が、三官能性のメチルシリコーン 樹脂である(1)に記載の圧粉磁心用鉄基軟磁性 粉末。
 これにより、成形時の前記粉末のハンドリ グ性が向上する。
 また、上記第二の目的を達成するために、 発明は、さらに以下の(5)~(6)に関する。
(5)鉄基軟磁性粉末表面を絶縁被膜で被覆して 成る圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末であって、前 記粉末の粒径は45μm以上180μm以下であり、且 、前記絶縁被膜は下層側がリン酸系化成被 よりなり、上層側がシリコーン樹脂被膜よ なる2層で構成され、前記各被膜の膜厚はそ れぞれ100nm以上280nm以下である圧粉磁心用鉄 軟磁性粉末。
 これにより、鉄損(ヒステリシス損+渦電流 )が抑えられ、高周波領域まで所定の大きさ 透磁率を有し、且つ、その透磁率が安定な 粉磁心用鉄基軟磁性粉末を実現できる。
(6)各被膜の膜厚がそれぞれ100nm以上200nm以下 ある(5)に記載の圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末
 これにより、透磁率が高く、且つ、この透 率が高周波領域まで安定な圧粉磁心用鉄基 磁性粉末を実現できる。

 また、本発明は、(1)~(6)のいずれかに記載の 圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末を成形して得られ る圧粉磁心に関する。
 上記第一の目的を達成した圧粉磁心用鉄基 磁性粉末(以下、第一の様態と言うことがあ る)を成形して得られた磁心を、例えば周波 が50kHz程度以下で使用するならば、モータや トランス用のコア材としての低鉄損と高磁束 密度を実現でき、ひいてはモータやトランス の性能を向上させることができる。
 上記第二の目的を達成した圧粉磁心用鉄基 磁性粉末(以下、第二の様態と言うことがあ る)を成形して得られた磁心を、ノイズフィ タ等のような高周波領域で使用する電磁気 品に用いることで、ノイズフィルタ等の性 を向上させることができる。

 以上のように、第一の様態は、鉄基軟磁 粉末表面に、FeとCoより成る被膜と、リン酸 系化成被膜と、シリコーン樹脂被膜とが、こ の順に形成されていることを特徴とする圧粉 磁心用鉄基軟磁性粉末であるため、結合強化 処理と称する高温での熱処理を付加せず、且 つ、高密度に成形した場合にも、機械的強度 に優れ、鉄基軟磁性粉末粒子間を効果的に絶 縁することができ、さらに、歪取り焼鈍を行 っても電気絶縁性を良好に維持できるような 熱的安定性に優れた圧粉磁心用鉄基軟磁性粉 末を実現できる。

 また、上記第一の様態の圧粉磁心用鉄基軟 性粉末を成形して得られた圧粉磁心は、例 ば周波数が50kHz程度以下で使用するならば モータやトランス用のコア材として低鉄損 高磁束密度を実現でき、ひいてはモータや ランスの性能を向上させることができる。
 第二の様態は、鉄基軟磁性粉末表面を絶縁 膜で被覆して成る高周波用の圧粉磁心用鉄 軟磁性粉末であって、前記粉末の粒径は45μ m以上180μm以下であり、且つ、前記絶縁被膜 下層側がリン酸系化成被膜よりなり、上層 がシリコーン樹脂被膜よりなる2層で構成さ 、前記各被膜の膜厚はそれぞれ100nm以上280nm 以下であるため、鉄損(ヒステリシス損+渦電 損)が抑えられ、高周波領域まで所定の大き さの透磁率を有し、且つ、その透磁率が安定 な圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末を提供すること ができる。
 また、上記第二の様態の圧粉磁心用鉄基軟 性粉末を成形して得られた圧粉磁心をノイ フィルタ等のような高周波領域で使用する 磁気部品に用いることで、ノイズフィルタ の性能を向上させることができる。

 以下、第一の様態および第二の様態につ て、実施形態を例示しつつ、さらに詳細に 明する。

(第一の様態に係る圧粉磁心用鉄基軟磁性粉 およびこの粉末を用いた圧粉磁心の構成)
 第一の様態に係る圧粉磁心用鉄基軟磁性粉 は、鉄基軟磁性粉末表面に、FeとCo(コバル )より成る被膜と、リン酸系化成被膜と、シ コーン樹脂被膜とが、この順に形成されて ることを特徴とする圧粉磁心用鉄基軟磁性 末である。これにより、結合強化処理と称 る高温での熱処理を付加せず、且つ、高密 に成形した場合にも、機械的強度に優れ、 基軟磁性粉末粒子間を効果的に絶縁するこ ができ、さらに、歪取り焼鈍を行っても電 絶縁性を良好に維持できるような熱的安定 に優れた圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末を実現 きる。

 また、リン酸系化成被膜には、Coを含ま いのが好ましい。これにより、歪取り焼鈍 より高温で行っても、高い比抵抗を維持で る。

 また、FeとCoより成る被膜の膜厚は、1~10nm であることが好ましい。これにより、FeとCo り成る被膜の形成性を維持しつつ鉄基軟磁 粉末の変形の自由度を確保できるため、成 時の前記粉末の密度が上がり高磁束密度を 現できる。より好ましくは、FeとCoより成る 膜の膜厚は、1~2nm程度である。

 また、シリコーン樹脂被膜を形成するた のシリコーン樹脂は、三官能性のメチルシ コーン樹脂であることが好ましい。これに り、成形時の前記粉末のハンドリング性が 上する。

 以下に、上記構成に至った理由について 述する。

 本発明者らは、如何にしたら上記従来の 粉磁心用鉄基軟磁性粉末のような結合強化 理と称する高温での熱処理をせずとも、高 度に成形した場合に、機械的強度に優れ、 基軟磁性粉末粒子間を効果的に絶縁するこ ができ、さらに、歪取り焼鈍を行っても電 絶縁性を良好に維持できるような熱的安定 に優れた圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末を実現 きるのか、鋭意研究を行った。その結果、 重要ポイントとして、以下のようなことが かった。それは、圧粉磁心用鉄基軟磁性粉 の表面を被覆するためのリン酸系化成被膜 の処理液から添加元素としてのCoを積極的 排除し、むしろその代わりにこのCoを単独で 含むリン酸コバルト水溶液を用いて、まず最 初に上記粉末の表面に被覆膜を形成すること で上記課題を解決できることである。何故、 このような構成にすることで、上記課題を解 決することができるのかの詳細なメカニズム は、まだ解明されていない。しかし、一つの メカニズムとしては、リン酸コバルト水溶液 を用いて形成した膜が、その上に形成される Coを含まないリン酸系化成被膜の凝集を抑制 、結果としてこのリン酸系化成被膜の破れ( 物理的な破壊)を抑制し、機械的強度にも優 、且つ、電気絶縁性も良好に維持できるの はないかと考えられる。

 以下に、第一の様態を詳細に説明する。

 鉄基軟磁性粉末は、強磁性体の金属粉末 あり、具体例としては、純鉄粉、鉄基合金 末(Fe-A1合金、Fe-Si合金、センダスト、パー ロイなど)およびアモルファス粉末等が挙げ れる。こうした軟磁性粉末は、例えば、ア マイズ法によって微粒子とした後還元し、 の後粉砕すること等によって製造できる。 のような製法では、ふるい分け法で評価さ る粒度分布で累積粒度分布が50%になる粒径 20~250μm程度の軟磁性粉末が得られるが、第 の様態においては、平均粒径が50~150μm程度 ものが好ましく用いられる。

 第一の様態においては、上記軟磁性粉末に まずCoを主成分とする被膜を形成する。こ Coを主成分とする被膜は、リン酸コバルト{Co 3 (PO 4 ) 2 、あるいは、Co 3 (PO 4 ) 2 ・8H 2 O}水溶液を軟磁性粉末に添加して、V型混合機 を用いて30分以上混合した後、大気中で30分 燥することで得られる。この場合のCoの濃度 は、軟磁性粉末100重量%中0.005~0.1重量%である これにより、Coを主成分とする被膜(最終的 は、FeとCoの混合層となる被膜)の膜厚を1nm~1 0nmにする。この被膜の膜厚が、1nm未満では歪 取り焼鈍温度が450℃以上の場合に、比抵抗を 向上させるという十分な効果が得られないば かりか、形成すること自体が難しいためであ る。また、10nm超とすると硬い殻が出来たよ になって、粉末の変形が出来なくなり密度 上がりにくくなるばかりか、被膜自体を厚 することが難しいためである。好ましくは 1~2nm程度である。

 次に、上記Coを主成分とする被膜が表面に 成された軟磁性粉末に、リン酸系化成被膜 形成する。このリン酸系化成被膜は、オル リン酸(H 3 PO 4 )を主成分とする処理液による化成処理によ て生成するガラス状の被膜である。第一の 態では、リン酸系化成被膜は、P以外にNa、S Mg、BおよびWよりなる群から選択される1種 上の元素を含むものでもよい。これらの元 は、2種以上を併用しても構わない。これら 元素の添加量は、軟磁性粉末100重量%中の量 として、Pは0.005~1重量%、Naは0.002~0.6重量%、S 0.001~0.2重量%、Mgは0.001~0.5重量%、Bは0.001~0.5重 量%、Wは0.0 01~0.5重量%が好適である。ただし Coは含まれていない。なお、リン酸系化成 膜の膜厚調整は、軟磁性粉末に対する処理 の比率を調整したり(比率を倍にすれば厚み 倍になる。)、処理液の希釈倍率を調整する ことで(倍率を半分にすれば膜厚は倍になる )調整することが出来る。上記リン酸系化成 膜は、所定量に調整された処理液と軟磁性 末を公知のミキサー、ボールミル、ニーダ 、V型混合機、造粒機等で混合し、大気中、 減圧下、または真空下で、150~250℃で乾燥す ことにより得られる。本発明において非常 重要なポイントは、この後の工程で、上記 来技術のような結合強化処理と称する、非 化性雰囲気中、500~1200℃、20~240分の加熱処理 を行う必要がないことである。

 次に、リン酸系化成被膜で覆われた軟磁性 末の表面に、さらにシリコーン樹脂被膜を 成する。シリコーン樹脂の架橋・硬化反応 了時(圧粉成形体の成形時)には、粉末同士 強固に結合するので、機械的強度が増大す 。また、耐熱性に優れたSi-O結合を形成して 的安定性に優れた絶縁被膜となる。シリコ ン樹脂としては、硬化が遅いものでは粉末 べとついて被膜形成後のハンドリング性が いので、二官能性のD単位(R 2 SiX 2 :Xは加水分解性基)よりは、三官能性のT単位(R SiX 3 :Xは前記と同じ)を多く持つものが好ましい。 しかし、四官能性のQ単位(SiX 4 :Xは前記と同じ)が多く含まれていると、予備 硬化の際に粉末同時が強固に結着してしまい 、後の成形工程が行えなくなるため好ましく ない。よって、T単位が60モル%以上のシリコ ン樹脂が好ましく、80モル%以上のシリコー 樹脂がより好ましく、全てT単位であるシリ ーン樹脂が最も好ましい。

 また、シリコーン樹脂としては、上記Rが メチル基またはフェニル基となっているメチ ルフェニルシリコーン樹脂が一般的で、フェ ニル基を多く待つ方が耐熱性は高いとされて いるが、本発明で意図するような高温の熱処 理では、フェニル基の存在は、それほど、有 効とは言えなかった。フェニル基の嵩高さが 、繊密なガラス状網目構造を乱して、熱的安 定性や鉄との化合物形成阻害効果を逆に低減 させるのではないかと考えられる。よって、 第一の様態では、メチル基が50モル%以上のメ チルフェニルシリコーン樹脂(例えば、信越 学工業社製のKR255、KR311等)を用いることが好 ましく、70モル%以上(例えば、信越化学工業 製のKR300等)がより好ましく、フェニル基を く待たないメチルシリコーン樹脂(例えば、 越化学工業社製のKR251、KR400、KR22OL、KR242A、 KR240、KR500、KC89等)がさらに好ましい。なお、 シリコーン樹脂のメチル基とフェニル基の比 率や官能性については、FT-IR等で分析可能で る。

 シリコーン樹脂被膜の付着量は、リン酸 化成被膜が形成された軟磁性粉末とシリコ ン樹脂被膜との合計を100重量%としたとき、 0.05~0.3重量%となるように調整することが好ま しい。0.05重量%より少ないと、絶縁性に劣り 電気抵抗が低くなるが、0.3重量%より多く加 えると、成形体の高密度化が達成しにくい。

 シリコーン樹脂被膜は、アルコール類や トルエン、キシレン等の石油系有機溶剤等 シリコーン樹脂を溶解させ、この溶液と軟 性粉末とを混合して有機溶媒を揮発させる とにより形成することができる。被膜形成 件は特に限定されるわけではないが、固形 が大体2~10重量%になるように調製した樹脂 液を、前記したリン酸系化成被膜が形成さ た軟磁性粉末100重量部に対し、0.5~10重量部 度添加して混合し、乾燥すればよい。0.5重 部より少ないと混合に時間がかかったり、 膜が不均一になるおそれがある。一方、10重 量部を超えると乾燥に時間がかかったり、乾 燥が不充分になるおそれがある。樹脂溶液は 適宜加熱しておいても構わない。混合機は前 記したものと同様のものが使用可能である。

 乾燥工程では、用いた有機溶剤が揮発す 温度で、かつ、シリコーン樹脂の硬化温度 満に加熱して、有機溶剤を充分に蒸発揮散 せることが望ましい。具体的な乾燥温度と ては、上記したアルコール類や石油系有機 剤の場合は、60~80℃程度が好適である。乾 後には、凝集ダマを除くために、所定の目 きの篩を通過させておくことが好ましい。

 なお、シリコーン樹脂被膜の膜厚調整は 軟磁性粉末に対する樹脂固形分の比率を調 することで(比率を倍にすれば厚みは倍にな る。)対応できる。

 次に、上記乾燥後のシリコーン樹脂被膜 予備硬化させることが推奨される。予備硬 とは、シリコーン樹脂被膜の硬化時におけ 軟化過程を粉末状態で終了させる処理であ 。この予備硬化処理によって、温間成形時( 100~250℃程度)に軟磁性粉末の流れ性を確保す ことができる。具体的な手法としては、シ コーン樹脂被膜が形成された軟磁性粉末を このシリコーン樹脂の硬化温度近傍で短時 加熱する方法が簡便であるが、薬剤(硬化剤 )を用いる手法も利用可能である。予備硬化 、硬化(予備ではない完全硬化)処理との違い は、予備硬化処理では、粉末同士が完全に接 着固化することなく、容易に解砕が可能であ るのに対し、粉末の成形後に行う高温加熱硬 化処理では、樹脂が硬化して粉末同士が接着 固化する点である。完全硬化処理によって成 形体強度が向上する。

 上記したように、シリコーン樹脂を予備 化させた後、解砕することで、流動性に優 た粉末が得られ、圧粉成形の際に成形型へ 砂のようにさらさらと投入することができ ようになる。予備硬化させないと、例えば 間成形の際に粉末同士が付着して、成型型 の短時間での投入が困難となることがある 実操業上、ハンドリング性の向上は非常に 意義である。また、予備硬化させることに って、得られる圧粉磁心の比抵抗が非常に 上することが見出されている。この理由は 確ではないが、硬化の際の軟磁性粉末との 着性が上がるためではないかと考えられる

 短時間加熱法によって予備硬化を行う場 、100~200℃で5~100分の加熱処理を行うとよい 130~170℃で10~30分がより好ましい。予備硬化 も、前述したように、篩を通過させておく とが好ましい。

 第一の様態の圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末 は、さらに潤滑剤が含有されたものであっ もよい。この潤滑剤の作用により、圧粉磁 用粉末を圧縮成形する際の軟磁性粉末間、 るいは軟磁性粉末と成形型内壁間の摩擦抵 を低減でき、成形体の型かじりや成形時の 熱を防止することができる。このような効 を有効に発揮させるためには、潤滑剤が粉 全量中、0.2重量%以上含有されていることが 好ましい。しかし、潤滑剤量が多くなると、 圧粉体の高密度化に反するため、0.8重量%以 にとどめることが好ましい。また、圧縮成 する際に、成形型内壁面に潤滑剤を塗布し 後、成形するような場合(型潤滑成形)には、 0.2重量%より少ない潤滑剤量でも構わない。

 潤滑剤としては、従来から公知のものを 用すればよく、具体的には、ステアリン酸 鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸 ルシウムなどのステアリン酸の金属塩粉末 およびパラフィン、ワックス、天然または 成樹脂誘導体等が挙げられる。

 第一の様態の圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末 、モータやトランス用のような例えば周波 が50kHz程度以下で使用するコア材(圧粉磁心) の製造のために用いられるものである。この 圧粉磁心を製造するには、まず、上記粉末を 圧縮成形する。圧縮成形法は特に限定されず 、従来公知の方法が採用可能である。

 圧縮成形の好適条件は、面圧で、490MPa~1960MP a、より好ましくは790MPa~1180MPaである。特に、 980MPa以上の条件で圧縮成形を行うと、密度が 7.50g/cm 3 以上である圧粉磁心を得やすく、高強度で磁 気特性(磁束密度)の良好な圧粉磁心が得られ ため好ましい。成形温度は、室温成形、温 成形(100~250℃)いずれも可能である。型潤滑 形で温間成形を行う方が、高強度の圧粉磁 が得られるため、好ましい。

 成形後は、圧粉磁心のヒステリシス損を 減するため高温で熱処理する。このときの 処理温度は400℃以上が好ましく、比抵抗の 化がなければ、より高温で熱処理すること 望ましい(具体的には、500℃~600℃が好まし 。)。また、その熱処理雰囲気は酸素を含ま ければ特に限定されないが、窒素等の不活 ガス雰囲気下が好ましい。熱処理時間は比 抗の劣化がなければ特に限定されないが、2 0分以上が好ましく、30分以上がより好ましい 。

(第二の様態に係る圧粉磁心用鉄基軟磁性粉 およびこの粉末を用いた圧粉磁心の構成)
第二の様態に係る圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末 は、鉄基軟磁性粉末表面を絶縁被膜で被覆し て成る高周波用の圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末 であって、前記粉末の粒径は45μm以上180μm以 であり、且つ、前記絶縁被膜は下層側がリ 酸系化成被膜よりなり、上層側がシリコー 樹脂被膜よりなる2層で構成され、前記各被 膜の膜厚はそれぞれ100nm以上280nm以下である とを特徴とする。これにより、鉄損(ヒステ シス損+渦電流損)が抑えられ、高周波領域 で所定の大きさの透磁率を有し、且つ、そ 透磁率が安定な圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末 実現できる。また、好ましくは各被膜の膜 はそれぞれ100nm以上200nm以下である。これに り、透磁率が高く、且つ、この透磁率が高 波領域まで安定な圧粉磁心用鉄基軟磁性粉 を実現できる。

 以下に、上記構成に至った理由について詳 する。
 本発明者らは、上記従来の圧粉磁心用鉄基 磁性粉末およびこれを用いた圧粉磁心では 何故1kHzを超える周波数領域になってくると 次第に透磁率が低下してくる(特に、100kHz程 になると、その低下が顕著である)のか、そ 原因を種々検討した。その結果、100kHz程度 高周波領域になると、周波数に比例するヒ テリシス損が支配的ではなく、周波数の2乗 に比例する渦電流損が極めて重要で、この渦 電流損が鉄損の主体をなし、透磁率を低下さ せる原因であろうと推測した。

 したがって、上記渦電流損を低減させる 策としては、圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末自 の比抵抗を如何に高めるかにかかってくる そこで、圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末を構成 る「磁性粉末」とこの粉末を被覆する「絶 被膜」に着目した。以下に、この磁性粉末 絶縁被膜に関して詳述する。

 鉄基軟磁性粉末は、強磁性体の金属粉末 あり、具体例としては、純鉄粉、鉄基合金 末(Fe-A1合金、Fe-Si合金、センダスト、パー ロイなど)およびアモルファス粉末等が挙げ れる。こうした軟磁性粉末は、例えば、ア マイズ法によって微粒子とした後還元し、 の後粉砕すること等によって製造できる。 発明においては、特に高周波領域における 損(渦電流損が支配的である)を抑える観点 ら粉末の粒径は、45μm以上180μm以下が好まし い。

 第二の様態においては、上記軟磁性粉末に まずリン酸系化成被膜を形成する。このリ 酸系化成被膜は、オルトリン酸(H 3 PO 4 )を主成分とする調整された処理液と軟磁性 末を公知のミキサー、ボールミル、ニーダ 、V型混合機、造粒機等で混合し、大気中、 圧下、または真空下で、150~250℃で乾燥する ことにより得られる。また、このリン酸系化 成被膜は、軟磁性粉末に対する濡れ性が良い ため、この被膜で軟磁性粉末の表面を均一に 被覆することが可能である。また、この被膜 中には、Co、Na、S、Si、Mg、BおよびWが適宜含 れていても良い。これにより、500℃~600℃の 熱処理を施した時の比抵抗の低下を抑制でき る。

 なお、リン酸系化成被膜の膜厚調整は、 磁性粉末に対する処理液の比率を調整した (比率を倍にすれば厚みは倍になる。)、処 液の希釈倍率を調整することで(倍率を半分 すれば膜厚は倍になる。)調整することが出 来る。第二の様態においては、高い比抵抗と 高い透磁率をともに維持する観点から、その 被膜の膜厚は100nm以上280nm以下が適当である より好ましくは、100nm以上200nm以下である。

 次に、リン酸系化成被膜で覆われた軟磁性 末の表面に、さらにシリコーン樹脂被膜を 成する。シリコーン樹脂の架橋・硬化反応 了時(圧粉成形体の成形時)には、粉末同士 強固に結合するので、機械的強度が増大す 。また、耐熱性に優れたSi-O結合を形成して 的安定性に優れた絶縁被膜となる。シリコ ン樹脂としては、硬化が遅いものでは粉末 べとついて被膜形成後のハンドリング性が いので、二官能性のD単位(R 2 SiX 2 :Xは加水分解性基)よりは、三官能性のT単位(R SiX 3 :Xは前記と同じ)を多く持つものが好ましい。 しかし、四官能性のQ単位(SiX 4 :Xは前記と同じ)が多く含まれていると、予備 硬化の際に粉末同時が強固に結着してしまい 、後の成形工程が行えなくなるため好ましく ない。よって、T単位が60モル%以上のシリコ ン樹脂が好ましく、80モル%以上のシリコー 樹脂がより好ましく、全てT単位であるシリ ーン樹脂が最も好ましい。

 また、シリコーン樹脂としては、上記Rが メチル基またはフェニル基となっているメチ ルフェニルシリコーン樹脂が一般的で、フェ ニル基を多く待つ方が耐熱性は高いとされて いるが、第二の様態で意図するような高温の 熱処理では、フェニル基の存在は、それほど 、有効とは言えなかった。フェニル基の嵩高 さが、繊密なガラス状網目構造を乱して、熱 的安定性や鉄との化合物形成阻害効果を逆に 低減させるのではないかと考えられる。よっ て、第二の様態では、メチル基が50モル%以上 のメチルフェニルシリコーン樹脂(例えば、 越化学工業社製のKR255、KR311等)を用いること が好ましく、70モル%以上(例えば、信越化学 業社製のKR300等)がより好ましく、フェニル を全く待たないメチルシリコーン樹脂(例え 、信越化学工業社製のKR251、KR400、KR22OL、KR2 42A、KR240、KR500、KC89等)がさらに好ましい。な お、シリコーン樹脂のメチル基とフェニル基 の比率や官能性については、FT-IR等で分析可 である。

 シリコーン樹脂被膜の付着量は、リン酸 化成被膜が形成された軟磁性粉末とシリコ ン樹脂被膜との合計を100重量%としたとき、 0.05~0.3重量%となるように調整することが好ま しい。0.05重量%より少ないと、絶縁性に劣り 電気抵抗が低くなるが、0.3重量%より多く加 えると、成形体の高密度化が達成しにくい。

 シリコーン樹脂被膜は、アルコール類や トルエン、キシレン等の石油系有機溶剤等 シリコーン樹脂を溶解させ、この溶液と鉄 とを混合して有機溶媒を揮発させることに り形成することができる。被膜形成条件は に限定されるわけではないが、固形分が大 2~10重量%になるように調製した樹脂溶液を 前記したリン酸系化成被膜が形成された軟 性粉末100重量部に対し、0.5~10重量部程度添 して混合し、乾燥すればよい。0.5重量部よ 少ないと混合に時間がかかったり、被膜が 均一になるおそれがある。一方、10重量部を 超えると乾燥に時間がかかったり、乾燥が不 充分になるおそれがある。樹脂溶液は適宜加 熱しておいても構わない。混合機は前記した ものと同様のものが使用可能である。

 乾燥工程では、用いた有機溶剤が揮発す 温度で、かつ、シリコーン樹脂の硬化温度 満に加熱して、有機溶剤を充分に蒸発揮散 せることが望ましい。具体的な乾燥温度と ては、上記したアルコール類や石油系有機 剤の場合は、60~80℃程度が好適である。乾 後には、凝集ダマを除くために、所定の目 きの篩を通過させておくことが好ましい。

 なお、シリコーン樹脂被膜の膜厚調整は 軟磁性粉末に対する樹脂固形分の比率を調 することで(比率を倍にすれば厚みは倍にな る。)対応できる。第二の様態においては、 い比抵抗と高い透磁率をともに維持する観 から、その被膜の膜厚は100nm以上280nm以下が 当である。より好ましくは、100nm以上200nm以 下である。また、リン酸系化成被膜とシリコ ーン樹脂被膜の合計膜厚は、上記同様の理由 から560nm以下が適当である。より好ましくは 400nm以下である。

 次に、上記乾燥後のシリコーン樹脂被膜 予備硬化させることが推奨される。予備硬 とは、シリコーン樹脂被膜の硬化時におけ 軟化過程を粉末状態で終了させる処理であ 。この予備硬化処理によって、温間成形時( 100~250℃程度)に軟磁性粉末の流れ性を確保す ことができる。具体的な手法としては、シ コーン樹脂被膜が形成された軟磁性粉末を このシリコーン樹脂の硬化温度近傍で短時 加熱する方法が簡便であるが、薬剤(硬化剤 )を用いる手法も利用可能である。予備硬化 、硬化(予備ではない完全硬化)処理との違い は、予備硬化処理では、粉末同士が完全に接 着固化することなく、容易に解砕が可能であ るのに対し、粉末の成形後に行う高温加熱硬 化処理では、樹脂が硬化して粉末同士が接着 固化する点である。完全硬化処理によって成 形体強度が向上する。

 上記したように、シリコーン樹脂を予備 化させた後、解砕することで、流動性に優 た粉末が得られ、圧粉成形の際に成形型へ 砂のようにさらさらと投入することができ ようになる。予備硬化させないと、例えば 間成形の際に粉末同士が付着して、成形型 の短時間での投入が困難となることがある 実操業上、ハンドリング性の向上は非常に 意義である。また、予備硬化させることに って、得られる圧粉磁心の比抵抗が非常に 上することが見出されている。この理由は 確ではないが、硬化の際の軟磁性粉末との 着性が上がるためではないかと考えられる

 短時間加熱法によって予備硬化を行う場 、100~200℃で5~100分の加熱処理を行うとよい 130~170℃で10~30分がより好ましい。予備硬化 も、前述したように、篩を通過させておく とが好ましい。

 第二の様態の圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末 は、さらに潤滑剤が含有されたものであっ もよい。この潤滑剤の作用により、圧粉磁 用粉末を圧縮成形する際の軟磁性粉末間、 るいは軟磁性粉末と成形型内壁間の摩擦抵 を低減でき、成形体の型かじりや成形時の 熱を防止することができる。このような効 を有効に発揮させるためには、潤滑剤が粉 全量中、0.2重量%以上含有されていることが 好ましい。しかし、潤滑剤量が多くなると、 圧粉体の高密度化に反するため、0.8重量%以 にとどめることが好ましい。また、圧縮成 する際に、成形型内壁面に潤滑剤を塗布し 後、成形するような場合(型潤滑成形)には、 0.2重量%より少ない潤滑剤量でも構わない。

 潤滑剤としては、従来から公知のものを使 すればよく、具体的には、ステアリン酸亜 、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カ シウムなどのステアリン酸の金属塩粉末、 よびパラフィン、ワックス、天然または合 樹脂誘導体等が挙げられる。
 第二の様態の圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末は ノイズフィルタ等のような高周波領域で使 する圧粉磁心の製造のために用いられるも である。この圧粉磁心を製造するには、ま 、上記粉末を圧縮成形する。圧縮成形法は に限定されず、従来公知の方法が採用可能 ある。

 圧縮成形の好適条件は、面圧で、490MPa~1960MP a、より好ましくは79OMPa~1180MPaである。特に、 980MPa以上の条件で圧縮成形を行うと、密度が 7.50g/cm 3 以上である圧粉磁心を得やすく、高強度で磁 気特性(磁束密度)の良好な圧粉磁心が得られ ため好ましい。成形温度は、室温成形、温 成形(100~250℃)いずれも可能である。型潤滑 形で温間成形を行う方が、高強度の圧粉磁 が得られるため、好ましい。

 成形後は、圧粉磁心のヒステリシス損を 減するため高温で熱処理する。このときの 処理温度は400℃以上が好ましく、比抵抗の 化がなければ、より高温で熱処理すること 望ましい(具体的には、500℃~600℃が好まし 。)。また、その熱処理雰囲気は酸素を含ま ければ特に限定されないが、窒素等の不活 ガス雰囲気下が好ましい。熱処理時間は比 抗の劣化がなければ特に限定されないが、2 0分以上が好ましく、30分以上がより好ましく 、1時間以上がさらに好ましい。

 以下、実施例に基づいて第一の様態及び 二の様態を詳細に述べる。ただし、下記実 例は第一および第二の様態を制限するもの はなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲 変更実施をすることは全て第一の様態また 第二の様態の技術的範囲に包含される。な 、特に断らない限り、「部」は「重量部」 、「%」は「重量%」をそれぞれ意味する。

実験例1
(鉄基軟磁性粉末を1番目に被覆する被膜(FeとC oより成る被膜)の効果)
 鉄基軟磁性粉末として純鉄粉(神戸製鋼所製 ;アトメル300NH;平均粒径80~100μm)を用い、まずC oを主成分とする被膜を形成した。具体的に 、水:1000部、Co 3 (PO 4 ) 2 30部を混合して、更に10倍に希釈した処理液20 0gを、目開き300μmの篩を通した純鉄粉1000gに 加して、V型混合機を用いて30分以上混合し 後、大気中で30分乾燥し、目開き300μmの篩を 通した。この条件で形成した被膜は、FeとCo り成り、その被膜の膜厚は7nmであった。

 次に、上記Coを主成分とする被膜が表面 形成された純鉄粉に、リン酸系化成被膜(但 、Coは含まれていない)を形成した。リン酸 化成被膜形成のための処理液(10倍希釈前の 液)組成は、以下の通りとした(また、これ より形成されるリン酸系化成被膜中の添加 素を表1のNo.1~25に示した)。ただし、この場 のリンの濃度は、純鉄粉100重量%中0.07重量% なるようにした。また、比較のために、上 Coを主成分とする被膜が予め表面に形成され ていない純鉄粉に、直接Coが添加されたリン 系化成被膜を形成するための処理液(10倍希 前の原液)組成も合わせて下記に示す(また これにより形成されるリン酸系化成被膜中 添加元素を表2のNo.26~50に示した)。

 No.1~5で用いた処理液…水:1000部、H 3 PO 4 :193部
 No.6~10で用いた処理液…水:1000部、H 3 PO 4 :193部、MgO:31部、H 3 BO 3 :30部
 No.11~15で用いた処理液…水:1000部、H 3 PO 4 :193部、MgO:31部、H 3 BO 3 :30部、H 3 PW l2 O 40 ・nH 2 0:150部
 No.16~20で用いた処理液…水:1000部、H 3 PO 4 :193部、MgO:31部、H 3 BO 3 :30部、SiO 2 ・12WO 3 ・26H 2 O:150部
 No.21~25で用いた処理液…水:1000部、Na 2 HPO 4 :88.5部、H 3 PO 4 :181部、H 2 SO 4 :61部
 No.26~30で用いた処理液…水:1000部、H 3 PO 4 :193部、Co 3 (PO 4 ) 2 :30部
 No.31~35で用いた処理液…水:1000部、H 3 PO 4 :193部、MgO:31部、H 3 BO 3 :30部、Co 3 (PO 4 ) 2 :30部
 No.36~40で用いた処理液…水:1000部、H 3 PO 4 :193部、MgO:31部、H 3 BO 3 :30部、H 3 PW l2 O 40 ・nH 2 O:150部、Co 3 (PO 4 ) 2 :30部
 No.41~45で用いた処理液…水:1000部、H 3 PO 4 :193部、MgO:31部、H 3 BO 3 :30部、SiO 2 ・12WO 3 ・26H 2 O:150部、Co 3 (PO 4 ) 2 :30部
 No.46~50で用いた処理液…水:1000部、Na 2 HPO 4 :88.5部、H 3 PO 4 :181部、H 2 SO 4 :61部、Co 3 (PO 4 ) 2 :30部

 次に、信越化学工業社製のシリコーン樹 「KR220L」をトルエンに溶解後、4.8%の固形分 濃度の樹脂溶液を作製した。その樹脂溶液を 上記リン酸系化成被膜が施された上記試料No. 1~50の各純鉄粉に対して樹脂固形分が0.1重量% なるように添加混合した。これをオーブン で大気中、75℃、30分間加熱し、乾燥してシ リコーン樹脂被膜を形成した後、所定の目開 きの篩を通した。

 続いて、上記シリコーン樹脂被膜が施さ た上記試料No.1~50の各純鉄粉を150℃で30分間 大気中で予備硬化処理を行った。その後に 記のような金型を用いた圧粉成形を行った

 次に、ステアリン酸亜鉛をアルコールに分 させて金型表面に塗布した後、上記予備硬 処理を終えた上記試料No.1~50の各純鉄粉をそ れぞれ上記金型内に入れ、室温下で面圧980MPa でプレス成形した。このプレス成形後のトロ イダル形状の圧粉成形体の寸法は、外径φ45mm ×内径φ33mm×高さ5mmであり、密度は7.5g/cm 3 である。その後、これらの圧粉成形体を窒素 雰囲気下で、400℃~600℃で、30分間保持しその 後、炉冷する熱処理(焼鈍)を行った。昇温速 は約5℃/分とした。このようにして得られ トロイダル形状の圧粉成形体(それぞれ上記 料No.1~50に対応する)の比抵抗を4端子法で測 した(測定結果は、それぞれ表1、表2に示し )。

 例えば、50kHz程度以下で使用するモータや ランス用のコア材(圧粉磁心)にあっ
ては、低鉄損と高磁束密度の両方を実現する ことが求められている。それには、まず高磁 束密度を満足させるために高密度に成形し、 その場合にも機械的強度に優れ、純鉄粉末粒 子間が効果的に絶縁されることが必要である 。また、低鉄損にするためにはヒステリシス 損を低減しなければならない。この目的で歪 取り焼鈍が行われる(より高温で歪取り焼鈍 行う程、ヒステリシス損の低減効果は大き )が、この熱処理を受けても電気絶縁性を良 に維持できるような熱的安定性に優れた(高 温の熱処理を受けても比抵抗の低下が抑制さ れる)圧粉磁心用純鉄粉末が必要である。何 ならば、比抵抗の低下が著しいと、例えば50 kHz程度で使用した場合の渦電流損が非常に大 きくなり、低鉄損を実現できなくなるからで ある。これは、結果としてモータやトランス の性能を低下させることにつながる。このよ うに、より高温で行う歪取り焼鈍後の比抵抗 の低下を抑制することが極めて重要である。 このような視点で、表1、表2に示された比抵 の測定結果を考察する。

 例えば、表1の実施例(試料No.1~5;リン酸系 成被膜中に添加元素としてCoがない。ただ 、下層の被膜中にCoがある。)と表2の比較例( 試料No.26~30;リン酸系化成被膜中に添加元素と してCoがある。ただし、下層の被膜自体がな 。)の比抵抗をそれぞれ比較してみると、い ずれの熱処理温度(歪取り焼鈍の温度)におい も実施例の方が比抵抗が高い。また、その 果は熱処理温度が高い程、顕著である。こ 傾向は、他の実施例(試料No.6~10、No.11~15、No. 16~20、No.21~25)と比較例(試料No.31~35、No.36~40、No .41~45、No.46~50)とをそれぞれ対比した結果にお いても同様である。また、実施例(試料No.21~25 )は、全実施例の中で比抵抗が相対的に高い 特に、熱処理温度が600℃における比抵抗の さが目立つ。

 なお、リン酸系化成被膜中には、不可避 にCoを多少含むことも考えられるが、望ま くはCoを含まない方が良い。これにより、歪 取り焼鈍をより高温で行っても、高い比抵抗 を維持できる。

 これらの結果は、Coをリン酸系化成被膜中 添加元素から抜き、その下の被膜を構成す ための処理液の中に単独元素として別途加 る方が、高温熱処理(歪取り焼鈍)後の比抵抗 の低下を抑制できることを示している。また 、これらの効果を生み出すために、従来例の ような純鉄粉の表面を被覆する一層目の被膜 と二層目の被膜の形成後に結合強化処理と称 する高温での熱処理を別途付加することが必 要なくなることが何よりも大きなメリットで ある。
実験例2
(鉄基軟磁性粉末の粒径が鉄損に与える影響)
 鉄基軟磁性粉末として純鉄粉(神戸製鋼所製 :アトメル300NH)を日本粉末冶金工業会で規定 れる「金属粉のふるい分析試験方法」(JPMA  PO2-1992)に準拠して目開き250μmの篩を用いて い分けし、篩を通過した粉末を回収し、こ を水素ガス雰囲気中で、970℃で2時間還元し 。還元後、解砕したものを、目開き150μm、1 80μm、200μmまたは250μmの篩を通した。
 次に、上記250μmの篩を通過した粉末をさら 目開き45μmまたは75μmの篩を用いて篩い分け し、それぞれ残った粉末を回収した。また、 上記150μm、180μmまたは200μmの篩を通過した各 粉末をさらに目開き45μmの篩を用いて篩い分 し、それぞれ残った粉末を回収した。この うにして得られた純鉄粉の粒径を表3にまと めて示す。

 次に、表3の試料No.1~6の各純鉄粉にリン酸系 化成被膜を形成した。具体的には、水1000部 H 3 PO 4 :193部、MgO:31部、H 3 BO 3 :30部を混合して、更に10倍に希釈した処理液1 0部を、上記試料No.1~6の各純鉄粉200部に添加 て(リン酸系化成被膜の膜厚は、100nmとなる) V型混合機を用いて30分以上混合した。これ 大気中にて200℃で30分乾燥し、所定の目開 の篩を通した。
 次に、信越化学工業社製のシリコーン樹脂 KR220L」をトルエンに溶解後、4.8%の固形分濃 度の樹脂溶液を作製した。その樹脂溶液をリ ン酸系化成被膜が施された上記試料No.1~6の各 純鉄粉に対して樹脂固形分が0.25重量%になる うに添加混合した(シリコーン樹脂被膜の膜 厚は、100nmとなる)。これをオーブン炉で大気 中、75℃、30分間加熱し、乾燥してシリコー 樹脂被膜を形成した後、所定の目開きの篩 通した。
 続いて、上記2層の絶縁被膜(下層側がリン 系化成被膜、上層側がシリコーン樹脂被膜) 施された上記試料No.1~6の各純鉄粉を150℃で3 0分間、大気中で予備硬化処理を行った。そ 後に下記のような金型を用いた圧粉成形を った。
 次に、ステアリン酸亜鉛をアルコールに分 させて金型表面に塗布した後、上記予備硬 処理を終えた2層の絶縁被膜(下層側がリン 系化成被膜、上層側がシリコーン樹脂被膜) 施された上記試料No.1~6の各純鉄粉をそれぞ 上記金型内に入れ、130℃での条件下で面圧1 176MPaでプレス成形した。このプレス成形後の トロイダル形状の圧粉成形体の寸法は、外径 φ45mm×内径φ33mm×高さ5mmであり、密度は7.65g/cm 3 である。その後、これらの圧粉成形体を窒素 雰囲気下で、500℃(本実施例では500℃である 、500℃~600℃で熱処理を行えば良い。)で、1 間の熱処理(焼鈍)を行った。昇温速度は約5 /分とし、熱処理後は炉冷した。このように て得られたトロイダル形状の圧粉成形体(そ れぞれ上記試料No.1~6の各純鉄粉に対応する) 表4に示すような測定試料(比較例:No.A―1、A 2、A-3、実施例:No.1-1、1-2、比較例:No.A-4)とし 。

 上記測定試料につき、交流B―Hアナライザ を用いて、最大磁束密度0.5T、周波数10Hz、100 Hz、1kHz、10kHz、100kHzで鉄損を測定した。合わ て比抵抗の測定も行った。これらの測定結 をまとめて表4に示す。
 ノイズフィルタ等のような高周波領域で使 する電磁気部品にあっては、特に周波数が い領域における鉄損を低くすることが求め れている。従って、この実験では、合格判 基準は、特に周波数が高い領域である10kHz の鉄損が800W/kg以下で、100kHz時の鉄損が70000W/ kg以下であることとした。その判定結果も合 せ表4に示した。
 表4において、実施例(測定試料No.1-1、1-2)は 各比較例(測定試料No.A―1、A―2、A-3、A-4)に して、周波数が低い領域の10Hzから周波数が 高い領域の100kHzまでの何れにおいても低い鉄 損を示す。特に、純鉄粉の粒径に下限を設け ていない比較例(測定試料No.A-1)は、他の比較 (測定試料No.A-2、A-3、A-4)や各実施例(測定試 No.1-1、1-2)に比して、何れの周波数において も高い鉄損を示す。これは、保磁力を支配し 、ヒステリシス損の発生原因となる粒径が小 さな純鉄粉までも含んでいるためであると思 われる。
 また、10kHz時の鉄損は、実施例(測定試料No.1 -1)では780W/kg、実施例(測定試料No.1-2)では800W/k gと何れもが合格判定基準の800W/kg以下である に対し、比較例(測定試料No.A-1)では950W/kg、 較例(測定試料No.A-2、A-3)では900W/kgとその何 もが合格判定基準の800W/kg以下を上回ってし まう。また、100kHz時の鉄損は、実施例(測定 料No.1-1)では66000W/kg、実施例(測定試料No.1-2) は68000W/kgと何れもが合格判定基準の70000W/kg 下であるのに対し、比較例(測定試料No.A-1)で は80000W/kg、比較例(測定試料No.A-2、A-3)では7800 0W/kgとその何れもが合格判定基準の70000W/kg以 を上回ってしまう。これは、渦電流損を抑 するために、粒径の大きな純鉄粉を制限し 比抵抗を高くする必要があるのにもかかわ ず、粒径が180μmを超える大きな純鉄粉まで んでいることが原因であると思われる。以 の説明からわかるように、鉄損の合格判定 準を満足させるためには、純鉄粉の粒径を なくとも45μm~180μmに抑える必要がある。
実験例3
(絶縁被膜の膜厚が透磁率に与える影響)
 実験例2により、基本となる純鉄粉の粒径は 45μm~180μmの範囲のものを使用すべきであるこ とが判明したため、以下の絶縁被膜の膜厚が 透磁率に与える影響を調べるにあたっては、 上記粒径の範囲の純鉄粉を使用することとし た。また、上記粒径の範囲の純鉄粉に2層の 縁被膜(下層側がリン酸系化成被膜、上層側 シリコーン樹脂被膜)を形成するにあたって は、実験例2に準拠した処理方法と処理手順 従うこととした。すなわち、下層側のリン 系化成被膜の膜厚は処理液の濃度と添加量 制御することにより、また、上層側のシリ ーン樹脂被膜の膜厚は樹脂量を制御するこ により調整した。このような処理方法と処 手順に従って、リン酸被膜の膜厚(nm)/樹脂被 膜の膜厚(nm)=10/10、50/50、10/100、100/10、100/100( 験例2の試料No.1-2に相当)、110/100、150/200、200 /150、200/200、280/280、300/300からなる2層の絶縁 膜が施された各純鉄粉を準備した。これら2 層の絶縁被膜が施された各純鉄粉を用いて、 実験例2と同様に予備硬化処理、金型プレス 形、熱処理を行い、トロイダル形状の圧粉 形体を準備した。このようにして得られた ロイダル形状の圧粉成形体を表5に示すよう 測定試料(比較例:No.B-1、B-2、B-3、B-4、実施 :No.1-2(前述に同じ)、1-3、1-4、1-5、1-6、1-7、 較例:No.B-5)とした。

 上記測定試料につき、交流B-Hアナライザー 用いて、最大励磁磁界8000A/m、周波数10Hz、10 0Hz、1kHz、10kHz、100kHzで透磁率を測定した。ま た、これらの透磁率を基にして、透磁率の低 下率=(10Hzの透磁率-100kHzの透磁率)/(10Hzの透磁 )×100を算出した。合わせて比抵抗の測定も った。これらの測定結果、計算結果をまと て表5に示す。
 ノイズフィルタ等のような高周波領域で使 する電磁気部品にあっては、特に周波数が い領域まで透磁率が高く、かつ、安定であ ことが望まれる。したがって、この実験で 、絶縁被膜の膜厚が透磁率に与える影響を 価するにあたって、下記のような2段階の合 格判定基準を設けた。
 合格判定基準1:100kHz時の透磁率が8.0以上で り、且つ低下率が20.0以下…判定は◎印で表5 に示した。
 合格判定基準2:100kHz時の透磁率が5.0以上で り、且つ低下率が20.0以下…判定は○印で表5 に示した。
 表5において、実施例(測定試料No.1-2~1-7)のす べてが、合格判定基準1または2を満足するこ を示している。特に、実施例(測定試料No.1-2 ~1-6)は、より高いレベルの合格判定基準1を満 足している。これは、周波数が高い領域まで 透磁率が高く、かつ、安定であるためには、 絶縁被膜の膜厚が薄過ぎても適当でなく、ま た、厚過ぎても適当でないことを物語ってい る。
 比較例(測定試料No.B-3、B-4)は、100kHz時の透 率が5.0以上であるが、透磁率の低下率が極 て高く不適当である。また、比較例(測定試 No.B-5)は、透磁率の低下率は満足するものの 透磁率自体が100kHzのみならず、すでに10kHzで 合格判定基準2を下回っている。以上の説明 からわかるように、透磁率の合格判定基準を 満足させるためには、各絶縁被膜の膜厚がそ れぞれ100nm以上280nm以下であることが必要で る。より好ましくは、各絶縁被膜の膜厚が れぞれ100nm以上200nm以下であることが望まし 。
 以上のように、第二の様態の圧粉磁心用鉄 軟磁性粉末を成形して得られた圧粉磁心(実 験例2、3で説明したトロイダル形状の圧粉成 体も一種の圧粉磁心である)は、鉄損(ヒス リシス損+渦電流損)が抑えられ、高周波領域 まで所定の大きさの透磁率を有し、且つ、そ の透磁率が安定であるため、ノイズフィルタ 等のような高周波領域で使用する電磁気部品 に用いた場合、ノイズフィルタ等の性能を向 上させることができる。

 本発明を特定の態様を参照して詳細に説明 たが、本発明の精神と範囲を離れることな 様々な変更および修正が可能であることは 当業者にとって明らかである。
 なお、本出願は、2007年7月26日付けで出願さ れた日本特許出願(特願2007-194891)および2007年8 月2日付けで出願された日本特許出願(特願2007 -202194)に基づいており、その全体が引用によ 援用される。
 また、ここに引用されるすべての参照は全 として取り込まれる。

 本発明の圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末によ ば、結合強化処理と称する高温での熱処理 付加せず、且つ、高密度に成形した場合に 、機械的強度に優れ、鉄基軟磁性粉末粒子 を効果的に絶縁することができ、さらに、 取り焼鈍を行っても電気絶縁性を良好に維 できるような熱的安定性に優れた圧粉磁心 鉄基軟磁性粉末を実現できる。また、上記 粉磁心用鉄基軟磁性粉末を成形して得られ 圧粉磁心は、例えば周波数が50kHz程度以下 使用するならば、モータやトランス用のコ 材として低鉄損と高磁束密度を実現でき、 いてはモータやトランスの性能を向上させ ことができる。さらに、本発明の高周波用 圧粉磁心用鉄基軟磁性粉末によれば、鉄損( ステリシス損+渦電流損)が抑えられ、高周 領域まで所定の大きさの透磁率を有し、且 、その透磁率が安定な圧粉磁心用鉄基軟磁 粉末を提供することができる。また、上記 粉磁心用鉄基軟磁性粉末を成形して得られ 圧粉磁心をノイズフィルタ等のような高周 領域で使用する電磁気部品に用いることで ノイズフィルタ等の性能を向上させること できる。