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Title:
IRON BATH TYPE SMELTING REDUCTION FURNACE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/028416
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an iron bath type smelting reduction furnace having a side-wall lining made of two or more refractory materials, wherein each of the refractory materials is a MgO-C brick containing carbon in an amount of not less than 1 mass% and less than 5 mass%.

Inventors:
NAKAMURA HISASHI (JP)
URABE NORIYUKI (JP)
FUKUDA KAZUHISA (JP)
NAGAI WATARU (JP)
MATSUMOTO FUMIAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/065004
Publication Date:
March 05, 2009
Filing Date:
August 22, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON STEEL CORP (JP)
NAKAMURA HISASHI (JP)
URABE NORIYUKI (JP)
FUKUDA KAZUHISA (JP)
NAGAI WATARU (JP)
MATSUMOTO FUMIAKI (JP)
International Classes:
F27B3/14; C04B35/043; C21B11/00; F27D1/00
Foreign References:
JPH054861A1993-01-14
JPH0881256A1996-03-26
JPH11322405A1999-11-24
JPS63279093A1988-11-16
Attorney, Agent or Firm:
SHIGA, Masatake et al. (MarunouchiChiyoda-ku, Tokyo 20, JP)
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Claims:
 複数の耐火物からなる側壁ライニングを備え、
 前記耐火物が、カーボンを1質量%以上かつ5質量%未満含有するMgO-Cれんがであることを特徴とする鉄浴式溶融還元炉。
 請求項1の鉄浴式溶融還元炉であって、
 前記耐火物の曲げ強さをσ B (MPa)とし、下式(1)により計算される前記側壁ライニング内の発生熱応力をσ L (MPa)とした場合、3≦σ BL ≦6である。
 σ L =E・(α・L・T-A)/[L+(α・L・T-A)]・・・式(1)
 ここで、
 E:使用耐火物の弾性率(GPa)、
 α:使用耐火物の熱膨張率(/℃)、
 T:ライニング表面温度(℃)、
 L:ライニング長さ(m)、
 A:ライニング内膨張代長さ(m)
Description:
鉄浴式溶融還元炉

 本発明は、酸化鉄ならびに酸化鉄含有鉄原 を還元・溶解する鉄浴式溶融還元炉に関す 。
 本出願は、特願2007-220227号を基礎出願とし その内容を取り込む。

 酸化鉄ならびに酸化鉄含有鉄原料を還元・ 解する鉄浴式溶融還元炉では、内張り耐火 ライニングとして、主にMgO-Cれんが、MgO-Cr 2 O 3 れんがなどが用いられている。例えば、下記 特許文献1には、製鋼用転炉の内張り用耐火 であるC含有量が15質量%~18質量%のMgO-Cれんが 内張りされた鉄溶式溶融還元炉が開示され いる。また、下記特許文献2や下記特許文献 3には、れんが内にガス導入管を設け、ガス 吹き込みによる冷却効果で耐火物損傷を抑 する方法が開示されている。

 しかし、特許文献1に開示された製鋼用転炉 の内張り耐火物であるC含有量が15質量%~18質 %のMgO-Cれんがでは、鉄浴式溶融還元炉の操 で生じるCaO及びSiO 2 の比(CaO/SiO 2 )が1.0~1.7の範囲となり、投入する酸化鉄原料 起因した酸化鉄を含有するスラグに対して 用性が十分に得られないという問題点があ た。

 また、特許文献2や特許文献3に開示され ガス吹き込みによる冷却効果で耐火物損傷 抑制する方法は、れんが内に冷却配管を設 るため、れんがの単価が上昇する、構造が 雑になる等の問題点があった。

 これに対して、時間と労力を要せず、ガス き込みれんがも用いずに耐火物損傷を抑制 る方法として、下記特許文献4や下記特許文 献5に、上吹メインランスを用いてスラグを プラッシュ状に吹き飛ばしてコーティング る上吹き補修法が開示されている。しかし これら特許文献4及び特許文献5に開示された 方法においては、鉄浴式溶融還元炉の操業で 生じる、CaO/SiO 2 比が1.0~1.7となる粘性の小さいスラグを炉内 体に均一に付着させることが難しく、耐火 の損傷抑制効果が十分に得られないという 題点があった。

特開平1-252706号公報

実開昭63-39147号公報

実開昭63-90562号公報

特開昭61-56223号公報

特開昭62-17112号公報

 本発明は、酸化鉄ならびに酸化鉄含有鉄 料を還元・溶解する鉄浴式溶融還元炉に関 、前述のような従来技術の問題点を解決し 優れた耐用性を発揮する内張り耐火物ライ ングを具備した鉄浴式溶融還元炉の提供を 題とする。

 本発明者等は、前述のような現状に鑑み、 化鉄ならびに酸化鉄含有鉄原料を還元・溶 する鉄浴式溶融還元炉において、内張り耐 物として主にC含有量が特定範囲にあるMgO-C んがを用い、さらにライニングの安定化を るためにライニング内の発生熱応力を特定 囲とする構成を採用した。その結果、耐用 に優れる耐火物ライニングを提供すること できた。本発明の要旨を以下に示す。
(1)本発明の鉄浴式溶融還元炉は、複数の耐火 物からなる側壁ライニングを備え、前記耐火 物が、カーボンを1質量%以上かつ5質量%未満 有するMgO-Cれんがである。
(2)上記(1)の鉄浴式溶融還元炉では、前記耐火 物の曲げ強さをσ B (MPa)とし、下式(1)により計算される前記側壁 イニング内の発生熱応力をσ L (MPa)とした場合、3≦σ B L ≦6を満たすようにしてもよい。
 σ L =E・(α・L・T-A)/[L+(α・L・T-A)]・・・式(1)
 ここで、
 E:使用耐火物の弾性率(GPa)、
 α:使用耐火物の熱膨張率(/℃)、
 T:ライニング表面温度(℃)、
 L:ライニング長さ(m)、
 A:ライニング内膨張代長さ(m)

 本発明によれば、酸化鉄ならびに酸化鉄含 鉄原料を還元・溶解する鉄浴式溶融還元炉 おいて、側壁の内張り耐火物として、主にC 含有量が特定範囲のMgO-Cれんがを用い、さら 、ライニングの安定化を図るためにライニ グ内の発生熱応力を特定範囲としている。 れにより、耐用性に優れる耐火物ライニン を具備した鉄浴式溶融還元炉を提供するこ ができるなど、産業上有用な著しい効果を する。
 なお、鉄浴式還元炉は、(a)常時、溶湯が炉 にある、(b)含鉄冷材を溶融させるため2次燃 焼が大きく、発生熱量が大きい、といった特 性を持っている。このような特性があるため 、従来よりスラグコーティングがしにくいと いう問題点があった。これに対し、本発明で は、C含有量が1質量%以上かつ5質量%未満の範 である低カーボンのMgO-Cれんが採用するこ により、従来では困難であったスラグコー ィングを可能としている。
 また、溶銑と溶鋼では、溶銑の粘性の方が いので、ライニングの目地に溶湯が差しや い。これに対し、本発明者らは鋭意実験を った結果、上記(2)に記載したように3≦σ B L ≦6とすることでこの問題を防げることを見 だした。

図1Aは、鉄浴式溶融還元炉の一例を示 図であって、耐火物損傷前の縦断面図であ 。 図1Bは、同鉄浴式溶融還元炉の、耐火 損傷発生時の縦断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る鉄浴 式溶融還元炉の縦断面図である。 図3は、本発明の鉄浴式溶融還元炉の他 の実施形態を示す縦断面図である。

符号の説明

 1 溶融還元炉
 2 底吹羽口
 3 吹錬用の酸素ランス
 4 溶鉄
 5 溶融スラグ
 6 耐火物損傷部位
 7 耐火物
 8 C含有量が1~5質量%のMgO-Cれんがの適用部位
 9 C含有量が15~18質量%のMgO-Cれんがの適用部

 本発明の鉄浴式溶融還元炉の一実施形態 ついて、図1A~図3を用いて以下に詳細に説明 する。

 図1Aに示すように、本実施形態の鉄浴式溶 還元炉1は、転炉状であり、炉の下部に底吹 口2を備えている。そして、この鉄浴式溶融 還元炉1では、溶鉄や溶融スラグを攪拌して 応を促進させるために、攪拌ガス(例えばN 2 ガス)、O 2 ガス、CO 2 ガス、微粉炭、酸化鉄等を炉内に吹き込む。 図1Aにおいて、符号1は鉄浴式溶融還元炉、符 号2は底吹羽口、符号3は吹錬用の酸素ランス 符号4は溶鉄、符号5は溶融スラグ、符号7は 火物を示す。

 この鉄浴式溶融還元炉1では、溶鉄および溶 融スラグからなる溶融物に、酸化鉄あるいは 酸化鉄含有鉄原料、そして炭材を、連続的あ るいは断続的に加える。さらに、吹錬用の酸 素ランス3から酸素を吹き込み、酸化鉄を鉄 還元し、溶鉄量を増加させ、所定の溶鉄量 達すると出湯する。すなわち、鉄浴式溶融 元炉1内に投入された温度1380℃~1415℃かつ、C 濃度4.2質量%~4.3質量%の溶融鉄浴に、酸化鉄あ るいは酸化鉄含有鉄原料を供給する。そして 、上吹きの酸素ランス3から酸素を7000Nm 3 /h以上の速度で吹き込み、さらに炭材を上方 ら投入、あるいは、底吹きから供給する。 給した酸化鉄あるいは酸化鉄含有鉄原料を 解・還元することにより、溶鉄量が50tonか 80tonになるまで溶解を行い、溶解終了後、鉄 浴式溶融還元炉1から、溶鉄量30tonの溶鉄を図 示しない鍋に出湯する。

 この際に発生するスラグは、CaO/SiO 2 の比が1.0~1.7と低く、またスラグに含まれる 化鉄または原料として投入される酸化鉄の 響もあり、内張り耐火物ライニングを著し 損傷させる。特に、図1Bに示すように、溶融 還元時に溶融スラグおよび酸化鉄と直接接触 する側壁をなす耐火物7の損傷が著しい。な 、図1Bにおける符号6は、耐火物7における耐 物損傷部位を示す。

 本実施形態の鉄浴式溶融還元炉1では、側 壁ライニングである内張り耐火物7として、C 有量が1質量%以上かつ5質量%未満の範囲であ るMgO-Cれんがを採用している。

 側壁ライニングに使用するMgO-Cれんがは、C 有量が1質量%未満になると、MgO-Cれんが内部 へのスラグ浸潤が著しくなって耐用性が劣る 。また、C含有量が5質量%以上になると、MgO-C んが表面のスラグコーティング効果が著し 低下して耐用性が劣る。これは、MgO-Cれん 表面へのカーボンの露出面積割合が大きく り、スラグコーティングを阻害するからで る。C含有量が5質量%未満では、CaO/SiO 2 の比が1.0~1.7と低く、原料として投入される 化鉄を含みかつ粘性の低いスラグでも、コ ティング性が極めて良好である。従って、 吹メインランスを用いてスラグをスプラッ ュ状に吹き飛ばしてコーティングする方法 、特殊なスラグコーティング方法を必要と ないため、好ましい。

 最も好ましいC含有量は、3質量%以上かつ4 質量%以下であり、このC含有量のMgO-Cれんが スラグコーティング性は特に優れる。

 本実施形態で使用するMgO-Cれんがは、マ ネシア粒、カーボン、および、Al系合金、B 化合物等の酸化防止剤から構成される。マ ネシア粒は、MgOが95質量%以上である電融マ ネシアあるいは焼結マグネシアであること 好ましい。カーボンは、鱗状黒鉛、土状黒 、人造黒鉛、膨張黒鉛、ピッチ、カーボン ラック、フェノール樹脂、無煙炭等である

 酸化防止剤は、Al、Al-Mg等のAl系合金、ある はCaB 6 、B 4 C等のB系化合物を用いるのが好ましい。

 図2における符号8は、C含有量が1質量%~5質 量%のMgO-Cれんがの適用部分を示す。また、同 図において、符号9が、C含有量15質量%~18質量% のMgO-Cれんがを示している。

 本実施形態で使用するMgO-Cれんがは、製 用転炉の内張り用耐火物であるC含有量が15 量%~18質量%のMgO-Cれんがに比べて、極めてC含 有量が低いため、熱膨張量が大きくなる。こ のため、操業中の高温環境下において発生す る熱応力によりMgO-Cれんがに亀裂および剥落 発生しないよう、配慮することが好ましい

 本発明者らは、鋭意実験を重ね、耐火物の げ強さσ B (MPa)と下式(1)により計算される側壁ライニン 内の発生熱応力σ L (MPa)との比σ B L を、3≦σ B L ≦6の範囲内に制御することで、MgO-Cれんが内 の亀裂および剥落が発生せず、ライニングが 安定することを見出した。
 σ L =E・(α・L・T-A)/[L+(α・L・T-A)]・・・式(1)
 ここで、
 E:使用耐火物の弾性率(GPa)、
 α:使用耐火物の熱膨張率(/℃)、
 T:ライニング表面温度(℃)、
 L:ライニング長さ(m)、
 A:ライニング内膨張代長さ(m)

 すなわち、σ B L が3未満の条件では、MgO-Cれんが内に亀裂が発 生し、MgO-Cれんがの一部が剥落してしまい、 張りライニングの安定性が著しく低下する σ B L が6を超える条件では、ライニングが冷却さ た場合に、MgO-Cれんがの目地開きが発生し、 目地溶損の発生やライニング拘束力低下によ るMgO-Cれんがの脱落が発生する。

 なお、本実施形態におけるライニング長さL は、ライニング、即ちMgO-Cれんがの水平方向 長さであり、ライニング内膨張代長さAも、 水平方向のMgO-Cれんが目地すきま間隔を意味 る。垂直方向については、鉄皮によるライ ングの拘束が水平方向と比較して弱いため σ B L の条件は特に規定しない。

 本実施形態において、σ B L を3以上に制御するための方法は、ライニン 内膨張代長さAを設定することにより行われ 。膨張代長さAの設定方法について特に規定 はしないが、制御を容易にする観点から、目 地部に、ダンボール等の加熱により燃焼して 消失するものを挿入する方法や、れんが表面 に加熱により揮発ないしは燃焼するコーティ ング材を塗布する方法などが好ましい。

 さらに好ましくは、図3に示すように、側壁 耐火物であっても溶解・還元中にスラグと接 しない部位では、製鋼用転炉の内張り耐火物 であるC含有量が15質量%~18質量%のMgO-Cれんが9 用いる。スラグと接しない部位は、溶鉄に る耐火物の侵食が主であり、その侵食量が ラグと接する部位と比較して極めて少ない そのため、C含有量が15質量%~18質量%のMgO-Cれ んがを用いた内張りライニングでは、σ B L を3以上に制御する必要はない。図3において 符号1は鉄浴式溶融還元炉、符号2は底吹羽 、符号3は吹錬用の酸素ランス、符号4は溶鉄 、符号5は溶融スラグ、符号6は耐火物損傷部 、符号8はC含有量が1質量%以上かつ5質量%未 のMgO-Cれんがの適用部位を示す。

 本発明の一実施例を以下に示す。

 本実施例に係る鉄浴式溶融還元炉の側壁ラ ニング(図3の符号8に示す部分)に各種のMgO-C んがを適用した試験結果を以下に示す。
 MgO-Cれんがは、マグネシア粒として純度98% 上の電融マグネシア、カーボンとして鱗状 鉛及びフェノール樹脂、酸化防止剤としてAl およびB 4 Cを用いた。図3の符号9に示す部分には、C含 量が15質量%のMgO-Cれんがを用いた。σ B L は、ライニング内膨張代長さA(れんがの水平 向目地間隔)の設定によって調整した。図3 符号8の部分に、下表1に示すライニングを施 した鉄浴式溶融還元炉1を準備した。そして 同表1に示すスラグ組成で溶融還元を行い、M gO-Cれんがのスラグコーティング状況とMgO-Cれ んがの損傷状況とを評価した。

 表1に記載のコーティング性指数とは、MgO -Cれんが表面へのスラグ付着厚みを指数化し ものであり、数値が大きいほど良好である また、損傷速度指数とは、MgO-Cれんがの損 速度(mm/heat)を指数化したものであり、数値 小さいほど良好である。さらに、コーティ グ性指数及び損傷速度指数は、いずれも、 記比較例における表2の左端に記載する条件 の結果を100として指数化したものである。

(比較例)
 比較例として、C含有量が5質量%以上のMgO-C んがであるマグクロダイレクトボンドれん を側壁ライニングに使用した試験結果を下 2に示す。本比較例におけるその他の条件は 上記表1の場合と同様である。MgO-Cれんがは 上記実施例と同じくマグネシア粒として純 98%以上の電融マグネシアを、カーボンとし 鱗状黒鉛及びフェノール樹脂を、酸化防止 としてAlおよびB 4 Cを用いた。

 これら表1及び表2の試験結果から明らか あるように、コーティング性指数及び損傷 度指数の双方において実施例は比較例に対 て優れており、よって本発明の優位性が確 できた。

 本発明によれば、酸化鉄ならびに酸化鉄 有鉄原料を還元・溶解する鉄浴式溶融還元 において、側壁の内張り耐火物として、主 C含有量が特定範囲にあるMgO-Cれんがを用い さらに、ライニングの安定化を図るために イニング内の発生熱応力を特定範囲として る。これにより、耐用性に優れる耐火物ラ ニングを具備した鉄浴式溶融還元炉を提供 ることができるなど、産業上有用な著しい 果を奏する。