上郡山 洋一 (〒21 埼玉県上尾市原市1333-2 三井金属鉱業株式会社総合研究所内 Saitama, 3620021, JP)
ANAI, Kei (CorporateR & D Center, 1333-2, Haraichi, Ageo-sh, Saitama 21, 3620021, JP)
三井金属鉱業株式会社 (〒84 東京都品川区大崎1丁目11番1号 Tokyo, 1418584, JP)
KAMIKORIYAMA, Yoichi (CorporateR & D Center, 1333-2, Haraichi, Ageo-sh, Saitama 21, 3620021, JP)
上郡山 洋一 (〒21 埼玉県上尾市原市1333-2 三井金属鉱業株式会社総合研究所内 Saitama, 3620021, JP)
| 分散媒にITO粒子を分散させてなり、チタンカップリング剤、及びオキサゾリン基を有しかつ三次元架橋が可能なアクリル樹脂を含むことを特徴とするITOインク。 |
| 前記チタンカップリング剤が、塩を含まないものである請求の範囲第1項記載のITOインク。 |
| 前記チタンカップリング剤が、アルコキシド、キレート又はアシレートからなる請求の範囲第2項記載のITOインク。 |
| 25℃における粘度が1~150mPasであり、ITO粒子の一次粒子の平均粒径が5~40nmであり、インクジェット印刷に用いられる請求の範囲第1項記載のITOインク。 |
| 請求の範囲第1項記載のITOインクを用いて導電膜を製造する方法であって、該ITOインクの塗膜を形成し、該塗膜を100~350℃で焼成することを特徴とする導電膜の製造方法。 |
本発明は、ITO(錫ドープ酸化インジウム) ンクに関する。
ガラス基板上に透明導電膜を形成する方 として、スパッタリング法が知られている この方法には、ITOターゲットの表面に磁界 印加してプラズマを安定化させるマグネト ンスパッタリング法や、反応性ガスを基板 傍に供給して成膜組成を制御する反応性ス ッタリング法などがある。スパッタリング においては、真空ラインを必要とするため 設備投資額や維持コストが高くなる。また 原料であるITOターゲットから、最終的に透 導電膜として利用できるITOの割合は、概し 4~6%程度であり、歩留りが著しく低く経済性 に欠ける。更に、スパッタリング法により透 明導電性回路を形成するためには、レジスト 塗布工程、エッチング工程、洗浄工程等が必 要不可欠であり、それらの工程から排出され るエッチング液等の産業廃棄物の処理も必要 となり、製造コストの増大のみならず、環境 の面からも問題となっている。
スパッタリング法以外の透明導電膜の形成 術として、例えば透明導電性高分子を用い 技術が知られている。しかし、透明導電性 分子は、透明性は高いものの、比抵抗が約1 0 2 ~約10 3 のオーダーであり、抵抗が十分に低いとは言 えない。
透明導電膜の別の形成技術として、特許 献1及び2に記載されているように、ITO粒子 スラリーやインク状の組成物とし、これを ピンコートなどの塗布法により透明導電膜 形成する技術も知られている。また、本出 人は先に、スピンコートに代えて、インク ェット法によってITO粒子を含むインクから 明導電膜を形成する技術を提案した(特許文 3参照)。しかし、透明導電膜の透明性と低 抗の両立の要求は更に高まっている。
したがって本発明の目的は、前述した従 技術よりも各種の性能が更に向上したITOイ クを提供することにある。
本発明は、分散媒にITO粒子を分散させて り、チタンカップリング剤、及びオキサゾ ン基を有しかつ三次元架橋が可能なアクリ 樹脂を含むことを特徴とするITOインクを提 するものである。
また本発明は、ITOインクを用いて導電膜 製造する方法であって、該ITOインクの塗膜 形成し、該塗膜を100~350℃で焼成することを 特徴とする導電膜の製造方法を提供するもの である。
以下、本発明を、その好ましい実施形態 基づき説明する。本発明のインクは分散媒 ITO粒子を分散させてなるものである。イン 中にはチタンカップリング剤、及び特定の 造を有するアクリル樹脂が含有されている
ITO(錫ドープ酸化インジウム)粉としては 当該技術分野において通常用いられている のと同様のものを特に制限なく用いること できる。ITO粒子は、例えばインジウム塩及 錫塩を含む酸性水溶液にアルカリ水溶液を 加することにより共沈水酸化物を析出させ 洗浄し、固液分離した後、微還元性雰囲気 、300~1000℃で該共沈水酸化物の一次焼成を行 い、引き続き微還元性雰囲気又は不活性雰囲 気下、600~1000℃で二次焼成することで得るこ ができる。このような方法で製造されたITO 子は、その製造方法に起因して酸素欠損が じている。この酸素欠損は、ITOナノ粒子の 電性を高めることに寄与している。
本発明のインクがインクジェット方式で 用されるものであることを考慮すると、本 明で用いられるITO粒子は、一次粒子の平均 径が微細であるほど、インクジェットのノ ルの目詰まりを引き起こす可能性は低く、 ァインピッチの微細回路の形成に適してく 。具体的には、一次粒子の平均粒径が100nm 下であることが好ましく、特に好ましくは5~ 40nmである。本発明において一次粒子の平均 径とは、透過型電子顕微鏡で観察したとき 、一視野中に含まれた最低200個の粉粒の粒 を観察し、これらを積算し平均することに り求められる粒径を意味する。
ITOの一次粒子の平均粒径が小さいという とは、該粒子が細かなものであるという根 になる。しかし、微粒であってもインク中 粒子同士の凝集が進行し、二次構造体とし の粒径が大きくなると、該インクから形成 れた導電膜の表面平滑性が低下する。また 発明のインクをインクジェット印刷方式等 使用した場合に、ノズルの目詰まりが起こ おそれがある。これらの観点から、インク のITO粒子の二次構造体としての凝集粒の最 粒子径を0.2μm以下とすることが好ましい。
ITO粒子の形状に特に制限はない。例えば 状のITO粒子を用いることができる。
インク中におけるITO粒子の配合量は好ま くは1~80重量%、更に好ましくは5~80重量%であ る。ITO粒子の配合量をこの範囲内とすること によって、該インクから形成された導電膜の 表面平滑性を高くすることができ、また導電 膜を十分に薄膜化することができる。
本発明のインクで用いられるチタンカッ リング剤は、該インクから形成される塗膜 基板との密着性を向上させるために用いら る。また、チタンカップリング剤は、後述 るアクリル樹脂の三次元架橋を促進させる 橋剤的な働きも有する。
チタンカップリング剤としては、上述の作 を有するものが好適に用いられる。特に、 タンカップリング剤は塩を含まないもので ることが好ましい。塩を含まないチタンカ プリング剤を用いることで、インク中にお るITO粒子の分散性が阻害されにくくなると う利点がある。塩を含むチタンカップリン 剤とは、例えばジヒドロキシビス(アンモニ ウムラクテート)チタニウム(Ti(OH) 2 (OC 2 H 5 COO - ) 2 (NH 4 + ) 2 )などのことである。
塩を含まないチタンカップリング剤の好 な例としては、チタンのアルコキシド、チ ンのキレート、チタンのアシレートなどが げられる。これらは1種を単独で又は2種以 を組み合わせて用いることができる。
チタンのアルコキシドとしては、例えばTi(O R) 4 (式中、Rは同一の又は異なるアルキル基を表 。)で示されるものが挙げられる。その具体 例としては、テトライソプロピルチタネート 、テトラn-ブチルチタネート、ブチルチタネ トダイマー、テトラオクチルチタネート等 挙げられる。
チタンのキレートとしては、例えばTi(OR) n (X) 4-n (式中、Rは同一の又は異なるアルキル基を表 、Xはキレート配位子を表し、nは0~3の整数 表す。)で示されるものが挙げられる。その 体例としては、チタンアセチルアセトナー ((C 3 H 7 O) 2 Ti(C 5 H 7 O 2 ) 2 )、チタンオクチルグリコーレト((C 8 H 17 O) 2 Ti(C 8 H 17 O 2 ) 2 )、チタンテトラアセチルアセトナート(Ti(C 5 H 7 O 2 ) 4 )、チタンエチルアセトアセテート((C 3 H 7 O) 2 Ti(C 6 H 9 O 3 ) 2 )等が挙げられる。
チタンのアシレートとしては、例えばTi(OR 1 ) n (OCOR 2 ) 4-n (式中、R 1 及びR 2 はアルキル基を示し、nは0~3の整数を表す。) 示されるものが挙げられる。その具体例と ては、ポリヒドロキシチタンステアレート が挙げられる。
本発明において用いられるチタンカップ ング剤は、インク中に含まれるITO粒子の配 量との関係で配合量が決定される。具体的 は、チタンカップリング剤/ITO粒子の重量比 が0.01~1.0、特に0.1~0.5となるようにチタンカッ プリング剤が配合されることが好ましい。チ タンカップリング剤の配合量をこの範囲とす ることで、本発明のインクから形成される導 電膜と基板との密着性が十分に高くなり、ま た該導電膜の表面平滑性が十分に高くなる。 その上、該導電膜の導電性が十分に高くなる 。ITO粒子に対するチタンカップリング剤の重 量比は上述の通りであるが、インク中でのチ タンカップリング剤それ自体の濃度は、前記 の重量比を満たすことを条件として、0.01~40 量%、特に0.1~40重量%であることが好ましい。
本発明のインクで用いられるアクリル樹 は、オキサゾリン基を有しかつ三次元架橋 可能なものである。このアクリル樹脂は、 発明のインクから形成される導電膜の表面 度及び耐酸性を向上させるために用いられ 。また、このアクリル樹脂は透明性が高い で、本発明のインクから形成される導電膜 透明性を向上させることにも寄与している
前記のアクリル樹脂に含まれているオキサ
リン基は、以下の構造を有するものである
オキサゾリン基を有するアクリル樹脂は オキサゾリン基の開環によって三次元的に 橋する。本発明で用いられるアクリル樹脂 、本発明のインクに含まれる媒体の種類に じて、水溶性又は油溶性のものが用いられ 。そのようなアクリル樹脂としては、例え 日本国大阪府所在の日本触媒から入手可能 オキサゾリン基含有アクリル樹脂である「 ポクロス」(登録商標)などが挙げられる。
前記のアクリル樹脂は、インク中に含ま るITO粒子の配合量との関係で配合量が決定 れる。具体的には、アクリル樹脂(固形分)/I TO粒子の重量比が0.01~1.0、特に0.1~0.5となるよ にアクリル樹脂が配合されることが好まし 。アクリル樹脂の配合量をこの範囲とする とで、本発明のインクから形成される導電 の表面硬度及び耐酸性が十分に高くなり、 た該導電膜の透明性が十分に高くなる。ITO 子に対するアクリル樹脂の重量比は上述の りであるが、インク中でのアクリル樹脂(固 形分)それ自体の濃度は、前記の重量比を満 すことを条件として、0.01~40重量%、特に0.1~40 重量%であることが好ましい。
本発明のインクは、前述したITO粒子を分 媒に分散させてなるものである。この分散 としては、1種又は2種以上の有機溶剤を用 ることができる。分散媒における主溶剤と ては一価アルコール類やグリコール類が好 に用いられる。主溶剤とは、分散媒が2種以 の有機溶剤からなる場合、必ずしも比率が も高い有機溶剤のことを意味するわけでは い。
一価アルコール類としては、例えば1-ブ ノール、1-ペンタノール、グリシドール、ベ ンジルアルコール、3-メチル-2-ブタノール、4 -メチル-2-ペンタノール、2-メトキシエタノー ル、2-エトキシエタノール、2-n-ブトキシエタ ノール、2-フェノキシエタノール、カルビト ル、エチルカルビトール、n-ブチルカルビ ール、ジアセトンアルコールなどが挙げら る。中でも、常圧での沸点が100℃以上で、 つ室温の常圧下で気化しづらいものが良く 1-ブタノール、1-ペンタノール、2-メトキシ タノール、2-エトキシエタノール、2-n-ブト シエタノール、2-フェノキシエタノール、ジ アセトンアルコールを用いることがより好ま しい。
グリコール類としては、例えばエチレン リコール、ジエチレングリコール、トリエ レングリコール、テトラエチレングリコー 、プロピレングリコール、トリメチレング コール、ジプロピレングリコール、トリプ ピレングリコール、1,2-ブチレングリコール 、1,3-ブチレングリコール、1,4-ブチレングリ ール、ペンタメチレングリコール、へキシ ングリコール等が挙げられる。これらは1種 又は2種以上を組み合わせて用いることがで る。中でも、常温(20℃)での粘度が100mPa・sec 下であるものが好ましい。粘度が高すぎる 合、インクジェットに適した粘度調整が困 となるからである。グリコール類としては 特にエチレングリコール、ジエチレングリ ール、プロピレングリコール、1,4-ブチレン グリコールを用いることが好ましく、とりわ けエチレングリコールを用いることが好まし い。
主溶剤は本発明のインク中に好ましくは5 ~80重量%、更に好ましくは35~80重量%配合され 。
本発明のインクには、分散媒として、前 の主溶剤に加えて他の有機溶剤を含有させ ことができる。他の有機溶剤は、主として 面張力調整剤や、粘度調整剤としての働き 有する。表面張力調整剤や粘度調整剤とし の働きを有する有機溶剤をインク中に含有 せることで、本発明のインクの表面張力及 粘度がインクジェット印刷方式に適切な範 となる。表面張力調整剤や粘度調整剤とし 用いられる有機溶剤は、主溶剤と相溶性が ることが好ましい。
表面張力調整剤に関しては、その表面張 が15~40mN/mであるものを用いることが好まし 。具体的には、1-ブタノール、1-ペンタノー ル、4-メチルー2-ペンタノール、2-エトキシエ タノール、2-n-ブトキシエタノール、n―ブチ カルビトール等が挙げられる。これらのう 、2-n-ブトキシエタノール等を用いると、ITO インクとしての長期間の品質安定性が維持さ れやすいので好ましい。なお、用いる表面張 力調整剤の種類によっては、先に説明した主 溶剤が表面張力調整剤を兼ねる場合がある。 そのような場合には、主溶剤とは別途に表面 張力調整剤を配合する必要はない。
粘度調整剤に関しては、それ自体の粘度 25℃において0.6~60mPa・secであることが好ま い。具体的には粘度調整剤として炭素数2~8 エーテルが用いられることが好ましい。そ ようなエーテルとしては、例えば1,4-ジオキ ン、γ-ブチロラクトン、ジ-n-ブチルエーテ 等が挙げられる。なお、用いる粘度調整剤 種類によっては、先に説明した主溶剤が粘 調整剤を兼ねる場合がある。そのような場 には、主溶剤とは別途に粘度調整剤を配合 る必要はない。
表面張力調整剤及び粘度調整剤は、主溶 の配合量との関係で配合量が決定される。 体的には、表面張力調整剤に関しては、表 張力調整剤/主溶剤の重量比が0.1~1.2、特に0. 1~0.5となるように配合されることが好ましい 一方、粘度調整剤に関しては、粘度調整剤/ 主溶剤の重量比が0.1~1.2、特に0.5~1.2となるよ に配合されることが好ましい。表面張力調 剤及び粘度調整剤の配合量をこの範囲とす ことで、本発明のインクをインクジェット 刷方式に適したものとすることができる。 た、インク中でのITO粒子の分散性を良好に ることができる。
主溶剤に対する表面張力調整剤の重量比 上述の通りであるが、インク中での表面張 調整剤それ自体の濃度は、前記の重量比を たすことを条件として、好ましくは0.5~50重 %、更に好ましくは10~50重量%とする。一方、 インク中での粘度調整剤それ自体の濃度は、 前記の重量比を満たすことを条件として、好 ましくは0.5~50重量%、更に好ましくは10~50重量 %とする。
前述した主溶剤、表面張力調整剤及び粘 調整剤を含む分散媒全体の配合量は、イン 全体に対して好ましくは20~95重量%、更に好 しくは40~90重量%とする。
上述の各成分を含む本発明のインクは、2 5℃における表面張力が15~50mN/m、特に25~45mN/m なっていることが好ましく、また25℃におけ る粘度が1~150mPa・sec、特に1~60mPa・secになって いることが、インクジェット印刷法に適した 表面張力及び粘度となる点から好ましい。
本発明のインクは例えば次の方法で調製 ることができる。まずITO粒子と分散媒とを 合して母ITOスラリーを調製する。分散機を いて母ITOスラリーの分散処理を行う。次い メンブレンフィルタ等のろ過材を用いてITO 凝集粒子を除去する。このようにして得ら たITOスラリーに、チタンカップリング剤及 アクリル樹脂、並びに必要に応じ表面張力 整剤及び粘度調整剤を配合し、十分に混合 る。このようにして目的とするITOインクが られる。
このようにして得られたインクを、ガラ をはじめとする各種基材の上に、インクジ ット印刷方式やディスペンサー塗布方式に って塗布する。塗布によって形成された塗 を焼成し、目的とする導電膜を得る。焼成 雰囲気に特に制限はなく、例えば大気下で 成を行うことができる。また、場合によっ は、窒素雰囲気下、アルゴン雰囲気下、水 -窒素混合雰囲気下などの不活性雰囲気下又 は還元性雰囲気下で焼成を行うこともできる 。いずれの雰囲気を用いる場合であっても、 焼成時間は0.5~2時間程度とすることが好まし 。
本発明のインクは、導電膜の製造におい 、塗膜の焼成温度を低くしても、得られる 電膜の表面硬度を高くすることができる点 特徴の一つを有する。具体的には、焼成温 を好ましくは100~350℃、更に好ましくは100~15 0℃とすることができる。このような低温で 成が可能なことで、ガラス以外の透明な基 、例えばポリカーボネート樹脂などの耐熱 度が130~160℃程度の熱可塑性樹脂からなる基 に導電膜を形成できるという利点がある。
以下、実施例により本発明を更に詳細に 明する。しかしながら本発明の範囲はかか 実施例に制限されない。
〔実施例1〕
(1)スラリーの調製
ITO粉(三井金属鉱業株式会社製、一次粒子の
平均径20nm)50gを、溶媒としてのエチレングリ
ール200gに分散させ、母ITOスラリー250gを調
した。
(2)分散処理
母ITOスラリーを、ジルコニアビーズ(株式会
社ニッカトー製、0.1mmφ)をメディアとしたペ
ントシェーカー(浅田鉄鋼株式会社製)を用
て、3時間分散処理を行った。
(3)粗粒除去
得られたスラリー中に含有される粗い粒子
、メンブレンフィルタ(アドバンテック東洋
株式会社製、孔径0.2μm)に通液することで除
し、粗粒を含まないITOスラリーを得た。
(4)導電性インクの調製
ITOスラリー100gに、アクリル樹脂4.0g(日本触
社製、エポクロス(登録商標)WS500(オキサゾ
ン基を有する三次元架橋が可能なアクリル
脂))とチタンカップリング剤4.0g(マツモトフ
インケミカル社製TC-100(チタンアセチルアセ
トナート))を添加し、ペイントシェーカー(浅
田鉄鋼株式会社製)にて混合して、導電性イ
クを得た。
(5)電極作製
導電性インクを、無アルカリガラス基板(日
本電気硝子株式会社製OA-10)上に、スピンコー
ター(MIKASA社製)を用いて、1500rpmで10秒間の条
で成膜した。得られた塗膜を、大気下150℃
2時間加熱焼成して透明導電膜を得た。
〔実施例2〕
実施例1の「(5)電極作製」において、焼成温
度を120℃とし、時間を1時間とすること以外
、実施例1と同様にして透明導電膜を得た。
〔比較例1〕
実施例2のアクリル樹脂WS500に代えて、アク
ル樹脂であるポリアクリル酸5000(和光純薬
製)を用いること以外は、実施例2と同様の手
法で導電性インクを調製し、透明導電膜を得
た。ポリアクリル酸5000は、オキサゾリン基
有していない。
〔比較例2〕
実施例2のアクリル樹脂WS500に代えて、ビニ
樹脂であるポリビニルピロリドンK30(和光純
薬社製)を用いること以外は、実施例2と同様
手法で導電性インクを調製し、透明導電膜
得た。
〔比較例3〕
実施例2のチタンカップリング剤TC100に代え
、ジルコニアカップリング剤であるZB125(マ
モトファインケミカル社製)を用いること以
外は、実施例2と同様の手法で導電性インク
調製し、透明導電膜を得た。
〔比較例4〕
実施例2のチタンカップリング剤TC100に代え
、シランカップリング剤であるKBM403(信越シ
リコーン社製)を用いること以外は、実施例2
同様の手法で導電性インクを調製し、透明
電膜を得た。
〔比較例5〕
実施例2のアクリル樹脂WS500を添加しないこ
以外は、実施例2と同様の手法で導電性イン
クを調製し、透明導電膜を得た。
〔比較例6〕
実施例2のチタンカップリング剤TC100を添加
ないこと以外は、実施例2と同様の手法で導
電性インクを調製し、透明導電膜を得た。
〔比較例7〕
実施例2のアクリル樹脂WS500に代えて、ビニ
樹脂であるポリビニルピロリドンK30(和光純
薬社製)を用い、かつチタンカップリング剤TC
100を添加しないこと以外は、実施例2と同様
手法で導電性インクを調製し、透明導電膜
得た。
〔比較例8〕
実施例2のチタンカップリング剤TC100に代え
、ジルコニアカップリング剤であるZB125(マ
モトファインケミカル社製)を用い、かつア
クリル樹脂WS500を添加しないこと以外は、実
例2と同様の手法で導電性インクを調製し、
透明導電膜を得た。
〔比較例9〕
実施例2のチタンカップリング剤TC100及びア
リル樹脂WS500をともに添加しないこと以外
、実施例2と同様の手法で導電性インクを調
し、透明導電膜を得た。
〔評価〕
実施例及び比較例で得られたインクについ
、以下の方法で分散安定性の評価を行った
また、実施例及び比較例で得られた導電膜
ついて、以下の方法で導電性、基板との密
性、透明性、表面硬度、耐酸性を評価した
それらの結果を、以下の表1に示す。
〔インクの分散安定性〕
インクを5日間5℃で冷蔵保存した後に、ITO
子の分散性の程度を目視で観察し、以下の
準で評価した。
○:沈殿物を生じない
×:沈殿物を生じる
〔導電膜の導電性〕
四探針抵抗測定機(三菱化学株式会社製ロレ
スタGP)を用いて、導電膜の比抵抗を測定した
。
〔導電膜の基板との密着性〕
JIS K 5600 パラグラフ5-6に準じ、クロスカ
ト法により評価した。また、導電膜を、水
で10分間超音波洗浄し、続いてアセトン中で
10分間超音波洗浄した後に、マイクロスコー
(キーエンス社製 VH-8000)を用いて導電膜の
離の有無を観察した。剥離が観察されない
合を「○」とし、剥離が観察された場合を
×」とした。
〔導電膜の透明性〕
分光光度計(日立計測器社製 U-4000)を用いて
波長450nmの透過率を測定した。
〔導電膜の表面硬度〕
JIS K 5600に準じ、ひっかき硬度試験器(コー
テック社製 KT-VF2391)にて評価した。
〔導電膜の耐酸性〕
導電膜を5重量%の蓚酸水溶液に10分間浸漬さ
せ、水洗と乾燥の後にマイクロスコープ(キ
エンス社製 VH-8000)を用いて導電膜の剥離の
無を観察した。また、走査型電子顕微鏡(FEI
COMPANY社製 FE-SEM)を用いて膜質を観察した。
剥離が観察されない場合を「○」とし、剥離
が観察された場合を「×」とした。
表1に示す結果から明らかなように、実施 例で得られたインクは、比較例で得られたイ ンクに比べて、分散安定性が高く、また導電 性、透明性、表面硬度及び耐酸性のすべての 特性を満たしていることが判る。特に、実施 例2の結果から明らかなように、塗膜の焼成 度を120℃という低い温度に設定しても、得 れる導電膜の鉛筆硬度はBとなり、実用上満 すべき表面硬度が得られることが判る。
以上、詳述したとおり、本発明によれば 透明性が高く、また抵抗が低いとともに、 面硬度が高く、耐酸性に優れた透明導電膜 インクジェット法で容易に形成し得るITOイ クが提供される。
