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Patent Searching and Data


Title:
KILN TOOL PLATE FOR FIRING CERAMIC
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/110400
Kind Code:
A1
Abstract:
A kiln tool plate (1) for firing ceramic being used at the time of firing an article to be fired, wherein at least an irregular shape (3) is imparted to the front surface side (A) and the back surface side (B) for mounting an article to be fired, and openings (7) are formed therein. Consequently, a kiln tool plate for firing ceramic, wherein heat capacity and costs can be reduced, outgassing is improved due to a decreased area in contact with a fired article, the atmosphere can be made uniform so that an article to be fired can be produced more uniformly and, especially, lightweight can be achieved while exhibiting excellent heat shock resistance, creep resistance, high strength at high temperature, and oxidation resistance, is obtained.

Inventors:
HANZAWA SHIGERU (JP)
KOMIYAMA TSUNEO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/053810
Publication Date:
September 11, 2009
Filing Date:
March 02, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NGK INSULATORS LTD (JP)
HANZAWA SHIGERU (JP)
KOMIYAMA TSUNEO (JP)
International Classes:
C04B35/64; F27D3/12; F27D5/00
Foreign References:
JPH053897U1993-01-22
JPH03223167A1991-10-02
JPH06191944A1994-07-12
JPH0798185A1995-04-11
JP2004115324A2004-04-15
JP2007205696A2007-08-16
Other References:
See also references of EP 2251628A4
None
Attorney, Agent or Firm:
WATANABE, Kazuhira (JP)
Ippei Watanabe (JP)
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Claims:
 被焼成物を焼成する際に用いるセラミック焼成用窯道具板であって、
 前記被焼成物を載置する表面側及び裏面側には少なくとも凹凸形状が付与されているとともに、開口部が形成されているセラミック焼成用窯道具板。
 前記開口部は、表面側に付与されている凹凸形状の凹部に第1凹部として形成されるとともに、裏面側に付与される凹凸形状の凹部に第2凹部として形成され、且つ、前記第1凹部と前記第2凹部とのそれぞれの開口部が連通形成されている請求項1に記載のセラミック焼成用窯道具板。
 前記表面側及び前記裏面側に形成される前記凹凸形状は、棒状部を平行に離間させて配列されてなる請求項1又は2に記載のセラミック焼成用窯道具板。
 前記表面側の前記棒状部と、前記裏面側の前記棒状部との配列角度をずらすことにより、前記表面側と前記裏面側の凹凸形状が互いにずれて形成されている請求項3に記載のセラミック焼成用窯道具板。
 前記棒状部が、セラミック焼成用窯道具板の長軸に対して、30~60度の位置に配列されるように形成されている請求項4に記載のセラミック焼成用窯道具板。
 前記第1凹部と前記第2凹部のそれぞれに形成される開口部が、互いに連通しながらも、ずれるように形成されている請求項2~5のいずれか1項に記載のセラミック焼成用窯道具板。
 前記棒状部の断面形状は、四角形、台形、曲面形、三角形のいずれかの形状が選択可能である請求項3~6のいずれか1項に記載のセラミック焼成用窯道具板。
 実体積を最大外径寸法からの体積で除した値を実体積比率とし、連通気孔の面積を連通開口率とすると、実体積比率が5~80%となるとともに、連通開口率が20~80%となり、更に、被焼成物と接触する1面の接触面積が2~80%である請求項1~7のいずれか1項に記載のセラミック焼成用窯道具板。
 前記請求項1~8のいずれか1項に記載のセラミック焼成用窯道具板であって、少なくともSiCが50質量%含有するセラミック焼成用窯道具板。
 前記請求項1~8のいずれか1項に記載のセラミック焼成用窯道具板であって、少なくともSiCとSi 3 N 4 の合量が90質量%含有するセラミック焼成用窯道具板。
 前記請求項1~8のいずれか1項に記載のセラミック焼成用窯道具板であって、SiCが85~90質量%、SiO 2 が15~10質量%含有するセラミック焼成用窯道具板。
Description:
セラミック焼成用窯道具板

 本発明は、軽量セッターに関する。とり け、ハニカム成型体を焼成する際に用いる 構造の棚組みに用いられるものである。

 従来、ハニカム成型体などの被焼成物を 成する際に用いられるセラミック焼成用窯 具板としては、被焼成物と接するセラミッ 焼成用窯道具板が平板状(プレート状)から るものが知られている。

 しかし、平板状からなるセラミック焼成 窯道具板上に、被焼成物を載置して焼成を うと、被焼成物に含まれるバインダーガス 抜けが悪く、製品内の温度差が生じ、切れ 良が発生してしまったり、焼成時のバイン ー残留で焼結を阻害したりして、切れ不良 発生するという問題があった。

 また、接触面積が大きいためバインダー スの抜けが悪いことに加え、焼成時に雰囲 ガスとの接触が不十分となるため、雰囲気 篭もる結果、切れ不良が発生した。さらに 焼結時の収縮に起因して、変形して切れ不 が発生し、焼結時の収縮によりセッターに 着し易く欠けや切れ不良が発生する問題も じていた。

 このような問題に対して、次の特許文献1 ~3がある。

 特許文献1では、孔径が、0.5~4mm程度を有 るセラミック多孔体を支持体として、その 面に口径が0.5mm以下である、面状のセラミッ ク多孔体による表面層を形成する焼成用窯道 具板を採用することにより、軽量かつ半製品 から発生する分解ガス等の気体透過性を確保 し、製品への熱的歪を防止せんとする。しか し、特許文献1では、製品重量に対して窯道 の占める割合が高く、省エネルギーの面で スが多い。また、焼成時にバインダーガス 抜けが十分でなく、依然として製品内の温 差が生じやすく、また、切れ不良が生じや い。また、雰囲気が篭もり易く、焼成時に 囲気ガスとの接触が不十分となり、さらに れ不良が発生し易い。したがって、前述の 題に対して具体的な解決策は講じられてい い。

 特許文献2では、セラミック製基板と、セ ラミック基板に設けた、各別に1個ずつの電 部品を保持するための複数の貫通保持部と らなり、各貫通保持部の形状を上面から下 に向かって断面積が小さくなるテーパー形 とし、各貫通保持部の断面を少なくとも電 部品が通過しない大きさとしたことを特徴 する。特許文献2のセラミック製基板では、 面から下面に向かって断面積が小さくなる ーパー形状を採用することにより、雰囲気 スを全ての保持部に通過させようと試みた とで一定の評価を得るものではある。しか 、製品重量に対して窯道具の占める割合が く、省エネルギーの面でロスが多く、焼成 におけるバインダーガスの抜けも十分では い。また、製品との接触面積が大きいこと ら、焼結時の収縮で変形し易く、セラミッ 製基板に付着するおそれがある。加えて、 けや切れ不良等製造時のばらつきが生じる それも否めない。

 特許文献3では、被焼成物と接するセラミ ック基体の表面に、凹凸構造の表面載置部を 形成することによって、治具上の熱風の流れ を均一にでき、被焼成物を均一に焼成せんと する。このような構成を採用すると、治具上 の熱風の流れをある程度均一にでき、一定の 評価を得るものではあるが、しかし、焼成時 バインダーガスの抜けが未だ十分とは言えず 、雰囲気ガスが篭もり易い。加えて、製品重 量に対して窯道具の占める割合が高く、省エ ネルギーの面でロスが多い。焼結時の収縮で 変形等についても十分なものとはいえない。

 以上のように、現在まで前述の問題に対 ては十分な対応がなされておらず、更なる 良が求められるところである。

特開平5-17261号公報

特開平6-45209号公報

特開平6-281359号公報

 本発明は上記問題点を解決すべくなされ ものであり、被焼成物を載置する表面側及 裏面側には少なくとも凹凸形状が付与され いるとともに、開口部が形成されているセ ミック焼成用窯道具板により、熱容量の低 化とコスト削減化を図ることができ、焼成 との接触面積が減少することで、ガスの抜 が良化し、さらに雰囲気の均一化により被 成体が均一に製造できるセラミック焼成用 道具板、とりわけ、耐熱衝撃性、耐クリー 性、高温高強度性、耐酸化性に優れ、軽量 が可能なセラミック焼成用窯道具板を提供 る。

 本発明により、以下のセラミック焼成用 道具板が提供される。

[1] 被焼成物を焼成する際に用いるセラミ ク焼成用窯道具板であって、前記被焼成物 載置する表面側及び裏面側には少なくとも 凸形状が付与されているとともに、開口部 形成されているセラミック焼成用窯道具板

[2] 前記開口部は、表面側に付与されてい 凹凸形状の凹部に第1凹部として形成される とともに、裏面側に付与される凹凸形状の凹 部に第2凹部として形成され、且つ、前記第1 部と前記第2凹部とのそれぞれの開口部が連 通形成されている[1]に記載のセラミック焼成 用窯道具板。

[3] 前記表面側及び前記裏面側に形成され 前記凹凸形状は、棒状部を平行に離間させ 配列されてなる[1]又は[2]に記載のセラミッ 焼成用窯道具板。

[4] 前記表面側の前記棒状部と、前記裏面 の前記棒状部との配列角度をずらすことに り、前記表面側と前記裏面側の凹凸形状が いにずれて形成されている[3]に記載のセラ ック焼成用窯道具板。

[5] 前記棒状部が、セラミック焼成用窯道 板の長軸に対して、30~60度の位置に配列さ るように形成されている[4]に記載のセラミ ク焼成用窯道具板。

[6] 前記第1凹部と前記第2凹部のそれぞれ 形成される開口部が、互いに連通しながら 、ずれるように形成されている[2]~[5]のいず かに記載のセラミック焼成用窯道具板。

[7] 前記棒状部の断面形状は、四角形、台 、曲面形、三角形のいずれかの形状が選択 能である[3]~[6]のいずれかに記載のセラミッ ク焼成用窯道具板。

[8] 実体積を最大外径寸法からの体積で除 た値を実体積比率とし、連通気孔の面積を 通開口率とすると、実体積比率が5~80質量% なるとともに、連通開口率が20~80%となり、 に、被焼成物と接触する1面の接触面積が2~80 %である[1]~[7]のいずれかに記載のセラミック 成用窯道具板。

[9] [1]~[8]のいずれかに記載のセラミック焼 成用窯道具板であって、少なくともSiCが50質 %含有するセラミック焼成用窯道具板。

[10] [1]~[8]のいずれかに記載のセラミック焼 用窯道具板であって、少なくともSiCとSi 3 N 4 の合量が90質量%含有するセラミック焼成用窯 道具板。

[11] [1]~[8]のいずれかに記載のセラミック焼 用窯道具板であって、SiCが85~90質量%以上、Si O 2 が15~10質量%以上含有するセラミック焼成用窯 道具板。

 本発明によれば、熱容量の低減化とコス 削減化を図ることができ、焼成物との接触 積が減少することで、ガスの抜けが良化し さらに雰囲気の均一化により被焼成体が均 に製造できるセラミック焼成用窯道具板を 供できるという優れた効果を奏する。とり け、耐熱衝撃性、耐クリープ性、高温高強 性、耐酸化性に優れたセラミック焼成用窯 具板を提供できる。

本実施形態のセラミック焼成用窯道具 を模式的に示した図であって、斜視図であ 。 本実施形態のセラミック焼成用窯道具 を模式的に示した図であって、斜視図であ 。 図2の一部拡大図であって、図2に示さ る凸部の形状の別の例を示した模式図であ 。 図2の一部拡大図であって、図2に示さ る凸部の形状の別の例を示した模式図であ 。 図2の一部拡大図であって、図2に示さ る凸部の形状の別の例を示した模式図であ 。 図2の一部拡大図であって、図2に示さ る凸部の形状の別の例を示した模式図であ 。 図2の一部拡大図であって、図2に示さ る凸部の形状の別の例を示した模式図であ 。 本実施形態のセラミック焼成用窯道具 板の模式図であって、図2に示されるC-C’線 沿った断面を示した断面図である。 図4Aに示される凹凸形状の一例を示し 模式図であって模式図であって、断面図で る。 図4Aに示される凹凸形状の一例を示し 模式図であって、断面図である。 図4Aに示される凹凸形状の一例を示し 模式図であって、断面図である。 図4Aに示される凹凸形状の一例を示し 模式図であって、断面図である。 本実施形態のセラミック焼成用窯道具 板の裏面側に配置される棒状部の配置例を示 した模式図である。 本実施形態のセラミック焼成用窯道具 板の表面側に配置される棒状部の配置例を示 した模式図である。 本実施形態のセラミック焼成用窯道具 板の表面側(あるいは裏面側)に配置される棒 部の配置角度の一例を示した模式図である 本実施形態のセラミック焼成用窯道具 板の表面側(あるいは裏面側)に配置される棒 部の配置角度の一例を示した模式図である 本実施形態のセラミック焼成用窯道具 板の別の実施形態を示した模式図であって、 斜視図である。 本実施形態のセラミック焼成用窯道具 板の別の実施形態を示した模式図であって、 表面側に配置される棒状部の配置例を示した 平面図である。斜視図である。 本実施形態のセラミック焼成用窯道具 の別の実施形態を示した模式図であって、 面側と裏面側に形成される開口部とが連通 ている状態を模式的に示した図である。 本実施形態のセラミック焼成用窯道具 の別の実施形態を示した模式図であって、 面側と裏面側に形成される開口部とが連通 ている状態を模式的に示した図である。 本実施形態のセラミック焼成用窯道 板が使用される棚組みを模式的に示した斜 図である。 本実施形態のセラミック焼成用窯道 板が使用される棚組みの別の形態を模式的 示した斜視図であって、本実施形態のセラ ック焼成用窯道具板を配置した図である。 図10Aに示される棚組みに、本実施形態 のセラミック焼成用窯道具板を載置し、さら にハニカム焼成体を載置した状態を示した模 式図であって、一部拡大した拡大図である。

符号の説明

 1、1A:セラミック焼成用窯道具板,3:凹凸形 状、4:凹部、5,5a,5b,5c、5d,5e、:凸部、7,7a,7b:開 部、9:棒状部、11:枠、12、:棚組み、13:支柱 14:載置台、15:橋架部材、16:棚組み、17:支柱 18:載置台、100:ハニカム成型体、A:(セラミッ 焼成用窯道具板の)表面側、B:(セラミック焼 成用窯道具板の)裏面側、H1:表面開口率、H2: 面開口率、I:(連通気孔の)連通開口率、J:基 線、X,X1:セラミック焼成用窯道具板の短軸( 方向)、Y,Y2:セラミック焼成用窯道具板の長 (長さ方向)、Z:仮想線。

 以下、本発明のハニカム成型体の焼成方 を実施するための最良の形態について具体 に説明する。但し、本発明はその発明特定 項を備えるハニカム成型体の焼成方法を広 包含するものであり、以下の実施形態に限 されるものではない。

[1]本発明のセラミック焼成用窯道具板の構成 :
 本発明のセラミック焼成用窯道具板は、図1 に示されるように、被焼成物を焼成する際に 用いるセラミック焼成用窯道具板1であって 被焼成物を載置する表面側A及び裏面側Bには 少なくとも凹凸形状3が付与されているとと に、開口部7が形成されていることを特徴と る。

 なお、セラミック焼成用窯道具板は、本 施形態では、棚組みの棚として使用され、 の棚の上にハニカム構造体等の被焼成物を 置し、釜等で焼成して製造するために使用 れるものである(図10A、10B参照)。ただし、 のような棚組みの使用に限らず、ハニカム 造体等の被焼成物を載置し、釜等で焼成す 際に好適に用いることができるものである また、セラミック焼成用窯道具板は、ハニ ム構造体の他、キャパシター、ソフトエラ ト、PTC等の電子セラミック或いは粉金属等 被焼成物を焼成する際に好適に用いること できる。

[1-1]表面:
 本実施形態のセラミック焼成用窯道具板の 面は、セラミック焼成用窯道具板の被焼成 を載置する側の面であって、この表面は、 凸形状が付与されるように形成されている このように形成されるのは、焼成の際に、 の表面がハニカム構造体のいわば底蓋とな てガスの放出を邪魔しないようにするため ある。すなわち、本実施形態では、凹凸形 を付与することにより、その凹部が、いわ ガスの抜け道(通り道)なって、ガスを外部 放出させることで、そのような弊害を無く ことができる。

 また、ハニカム構造体等と、焼成用窯道 板の表面との接触面積が大きくなると、焼 後の温度変化により、収縮変形が起こり易 なり、この収縮変形が過度に生じると、ク ックの発生や、焼成用窯道具板への付着が きやすくなる。さらに得られるハニカムの らつきも大きくなる。しかし、本実施形態 は、凹凸形状を付与することによって接触 積を小さくできるため、収縮変形に起因す 諸所の弊害を防止できる。

 ここで、付与される凹凸形状は、凸部と 部の組み合わせから構成される。凸部は、 焼成物を下支える領域として構成され、凹 は前述の被焼成物から生じるガスの流出路 あり、雰囲気を被焼成物にあてる流路とし 構成されている。このような凸部及び凹部 、次のような形状から適宜選択されること 好ましい。

 凸部の形状としては、たとえば、図3A~図3 Eに示されるように、その断面が、四角形状 らなる凸部5a、台形形状からなる凸部5b、曲 形状からなる凸部5c、三角形状からなる凸 5d、多角形状からなる凸部5e等が挙げられる なお、図3A~図3Eは、図2に示されるセラミッ 焼成用窯道具板の一部拡大図であって、図2 に示される凸部の形状の別の例を示した模式 図である。

 ここで、被焼成物は、焼成収縮するため 凹凸部分との接触が極力少ないほうが良い 、反面、凹凸部分との接触が少ないと被焼 体の非接触部分が自重により曲るおそれが る。したがって、これら双方のバランスか 、凹凸部分の形状としては、凸部5bのよう 台形形状からなるものがより好ましい。

 凹部の形状としては、たとえば、その断 が、V字状の溝やU字状の溝等溝の斜面の勾 が鋭角や鈍角、或いは直角に形成されたも 、或いは、溝の斜面に段部が形成されたも 、凹部の斜面(勾配)が左右対称であるものや 左右非対称であるもの等が挙げられる。

 このように、凹部と凸部とを必要に応じ 凹凸形状を適宜選択して付与することによ 、ガスの抜け道を確保できるとともに、ハ カム構造体と、ハニカム構造体を載置する 面との接触面積を小さくできる。さらに、 熱衝撃性、耐クリープ性、高温高強度性、 酸化性に優れた構造となり、加えて、軽量 も可能となる。

 さらに、本実施形態のセラミック焼成用 道具板の表面側には開口部が形成されてい 。開口部を形成することにより、焼成時に 生するガスの抜け道である凹部と相俟って ガスをハニカム外部へ放出することが容易 なり、その結果、ガスがハニカム構造体内 篭もらない。したがって、焼成温度の上昇 制御でき、クラックや変形による破損を防 できる。さらに、雰囲気を被焼成物にあて ことが容易となり、得られるハニカムのば つきも少なくなる。

 より好ましいのは、図1に示されるように 、凹部の中底に開口部7が形成されているこ である。開口部が凸部に形成されるよりも 凹部の中底に開口部が形成されている方が 焼成時に凹部のいわば空間に生じる得る対 現象等によって、バインダー等のガスをハ カムの外部へ放出し易くなり、ハニカム内 ガスを篭もらせにくくできるから好ましい また、伝動伝熱および、対流伝熱、輻射伝 といったそれぞれの伝熱をバランスよく行 ことができ、焼成時の昇温や焼成後の冷却 いった温度制御をし易くなるという利点も る。

 ここで、凹部の中底とは、表面側に配列 れる部材と裏面側に配列される部材によっ 形成さる箇所であって、表面側の凸部より ラミック焼成用窯道具板の中心側に凹んだ み部分をいい、さらに言えば、セラミック 成用窯道具板の表面側と裏面側との境界部 を基準線とした場合、その基準側に窪んだ 所であって、ガスの流路となる部分をいう この凹部の中底の一部に開口部を設けるこ によって、開口部が形成されるとガスが抜 易くなり、本願の効果を奏することができ 。

 具体的には、図1に示されるように、凹凸 形状3の一部を構成するそれぞれぞれの凸部5 間に、凹部4が形成されるとよい。

 さらに好ましいのは、表面側の開口部と 裏面側の開口部とが連通形成されているこ である。表面側に形成される開口部と、裏 側に形成される開口部とが、それぞれ連通 ずに独立して形成されている場合にでも、 ニカム構造体等の焼成物内に含まれるバイ ダー等のガスを、ハニカム外へ放出できな はないが、表面及び裏面にそれぞれ形成さ る開口部が連通している方が、開口部空間 大きく形成でき、燃焼時に生じる対流現象 起こり易く、生じたガスがさらに抜けやす なる。また、雰囲気を均一にハニカムに宛 うことができるから、焼成温度が均一とな 過度の温度上昇を制御しやすい。したがっ 、変形を防止でき、得られるハニカムのば つきを少なくできるため、好ましい。

 たとえば、図4Aに示されるように、表面 の開口部7aと裏面の開口部7bとが、連通して 成されると、本願の効果を一層発揮できる め好ましい。

 また、表面側に形成される凹凸形状は、 状部を平行に離間させて配列されているこ が好ましい。棒状部から形成すると、容易 凹凸形状を形成できるからである。

 ここで、「棒状部を平行に離間させて配 」するとは、凸部を平行に配列しながら、 らに、隣り合う凸部の間を離して配列する いう意味であり、この「平行に配列」とは 上下方向ではなく、水平方向に配列される 味である。このように形成するのは、凸部 離れずにくっ付いた状態で形成(配置)され と、凹部が形成されないか、凹部が形成さ てもガスの抜け道としては不十分な寸法と り、ハニカム内にガスが篭もったり、雰囲 が被焼成物に行届かなくなったりするから ある。さらに、凸部同士がくっ付くか、十 に離間していないと、その上に焼成物を載 した場合の接触面積も大きくなり、焼成物 変形が生じ易くなるからである。なお、前 の水平方向は厳密な意味での水平状態を要 するものではなく、被焼成品を安定的に載 る程度の水平性があればよい。

 棒状部を平行に離間させて配列する場合 、隣り合う棒状部との距離は、棒状部の寸 に応じて適宜選択されることが好ましい。 えば、一般的な棚のサイズである縦300~700mm 横300~700mm×厚み5~10mmのものであれば、棒状部 は5~10mm程度(肉厚と同等程度)離して配列され ことが好ましい。なお、このようなサイズ ものに限られず、必要に応じて好適な寸法 採用できる。

 たとえば、棒状部を平行に離間させて配 されている例として、図5A、5Bに示される配 置方法が挙げられる。図5Aに示されるように 裏面側の棒状部9を横方向に等間隔で平行に 並べた後、表面側に、その図5Aの上に、図5B 示されるように棒状部9を縦に等間隔で平行 並べて配列し一体的に型を用いて成形する とによって接合構造にすると、図1に示され るようなセラミック焼成用窯道具板を成型で きる。なお、ここでの成形型は、石膏質など の一般的な泥ショウ鋳込みに用いるものを板 厚方向に2つ割りしたものでよく、より高精 を求める場合には多孔質プラスチックでも い。

 なお、成型方法、接合方法は前述のよう 方法に限られず、鋳込み成型等により、セ ミック焼成用窯道具板を成型してもよい。

 この棒状部の断面形状は、四角形、台形 曲面形、三角形のいずれかの形状が選択可 であることが好ましい。棒状部を四角形、 形、曲面形、三角形の形状から適宜選択可 にすることにより、容易に本実施形態を成 できる上、本願の効果を奏しながら、求め 被焼成物の特性に応じた対応が可能となる らである。

 具体的に、棒状部が前述のような断面形 の場合に凹凸形状の一部となる凸部の形状 しては、図3A~3Eに示されるような凸形状が げられ、さらに、凹部の形状としては、そ 断面が、V字状の溝やU字状の溝等溝の斜面の 勾配が鋭角や鈍角に形成されたもの、或いは 、溝の斜面に段部が形成されたもの、凹部の 中底に開口部或いは、穴等が形成されている もの、凹部の斜面(勾配)が左右対称であるも や左右非対称であるもの等が挙げられる。 状部の断面を前述のような形状から選択可 にすることにより、所望の凹凸形状を容易 成型できるから好ましい。

[1-2]裏面:
 本実施形態における裏面は、焼成用窯道具 の表面と反対側に形成される面であって、 らに、開口部が形成されている。この裏面 、焼成用窯道具板の自重、さらには、被焼 物の加重が加わるため、下支えし易さや安 性が求められ、さらに加重や衝撃に対して 耐久性等が求められる。ただし、この下支 し易さや安定性については、公知の固定具 いは固定方法により、補完し得るものであ ため、厳密なまでの下支えし易さや安定性 要求するものではない。

 また、本実施形態における裏面には凹凸 状が付与されていることが望ましい。裏面 凹凸形状が付与(形成)されることにより、 面側の凹凸形状と相まって、被焼成物等の 品重量に対する窯道具の占める割合を低く えることができ、省エネルギーの面でロス 少なくできるからである。また、雰囲気が もりにくくなり、焼成時に施される熱が、 ニカム等の被焼成物全体に十分に伝導させ ことができ、ばらつきを抑えることができ からである。

 この凹凸形状を構成する凹部としては、 面側に形成される凹部と同様に、たとえば V字状の溝やU字状の溝等溝の斜面の勾配が 角や鈍角に形成されたもの、或いは、溝の 面に段部が形成されたもの、凹部の中底に 口部或いは、穴等が形成されているもの、 部の斜面(勾配)が左右対称であるものや左右 非対称であるもの等が挙げられる。また、凸 部としては、表面側に形成される凸部と同様 に、たとえば、三角形、四角形、円形、楕円 形等の形状からなるもの等が挙げられる。こ のように、裏面側に、凹部と凸部とを必要に 応じて適宜選択して凹凸形状を付与すること により、製品重量に対する窯道具の占める割 合を低く抑えることができ、省エネルギーの 面でロスを少なくできる。さらに、雰囲気が 篭もりにくくなり、焼成時に施される熱がハ ニカム等の被焼成物全体に十分に伝導し易く なる。

 たとえば、凹凸形状の凸部としては、図3 A~3Eに示されるような四角形状、台形形状、 角形状、楕円形状、多角形形状等が挙げら る。

 また、裏面には、開口部が形成されてい 。表面側と同様に、裏面側に開口部を形成 ることにより、焼成時にバインダー等のガ が発生した際には、前述の表側の抜け道に たなガスの抜け道が加わることになり、前 の表面側の開口部と相まって、ガスの放出 促進でき、さらに雰囲気を十分にハニカム 当てることができる。

 より好ましいのは、凹部に開口部が形成 れていること、さらに好ましいのは、凹部 中底に開口部が形成されていることである 凹部に開口部が形成されている方が、開口 が凸部に形成されるよりも、焼成時に凹部 空間を大きくとることができ、その空間に じる対流現象等により、ハニカムの外部へ スを放出し易くなる。加えて、伝動伝熱お び、対流伝熱、輻射伝熱といったそれぞれ 伝熱をバランスよく行うことができ、本願 効果を奏することができる。

 さらに、裏面側に形成される開口部が、 面側に形成される開口部と連通するように 成されていることが好ましい。すなわち、 面側に形成される開口部が、表面側に形成 れる開口部と連通形成されていると、具体 には、図4Aに示される開口部7aと開口部7bの うに連通形成されると、表面側と裏面側の 口部がいわば一繋がりの空間となり、たと ば、表面側の凹部から裏面側の凹部にかけ 燃焼時に対流等が生じ、その対流によりガ の外部への放出が促進されやすくなる。し がって、ガスがハニカム内に篭もらず、温 を均一に制御でき、加えて接触面積を少な でき変形を防止できる。さらに、雰囲気を ニカム構造体等の焼成物に付与しやすい。 お、図4Aに示される符号5aは、凸部を示して いる。

 なお、裏面側に形成される開口部が、表 側に形成される開口部と連通するように形 されている具体例として、その他に図4B~4E 示されるものが挙げられる。ただし、この うな構成に限られるものではなく、裏面側 形成される開口部が、表面側に形成される 口部と連通するように形成されているもの あれば、本願に含まれることはいうまでも い。なお、図4B~4Eに示される符号5b、5c、5d、 5eは、凸部を示している。

 例えば、図4Aに示されように、四角形状 らなる凹凸形状(凸部5aが図4Aに示されるよう に形成される凹凸形状)を裏面に付与し、開 部7bを凹部に形成すると、表面側に形成した 四角形状からなる凹凸形状(凸部5aが図4Aに示 れるように形成される凹凸形状)及び開口部 7aと相俟って、ハニカム内にガスが溜まらず 過度な温度上昇を制御できる。また冷却効 もあるため、収縮変形も起こりづらい。さ に、軽量化できる。

 また、裏面側に形成される凹凸形状は、 状部を平行に離間させて配列されて形成さ ていることが好ましい。棒状部を平行に配 しながら、さらに、離間させて配列するこ により、凹凸形状を容易に形成できるから ある。ここで、「棒状部を平行に離間させ 配列」とは、凸部を平行に配列しながら、 らに、隣り合う凸部の間を離して配列する いう意味であり、この「平行に配列」とは 上下方向ではなく、水平方向に配列される 味である。このように形成するのは、凸部 離れずにくっ付いた状態で形成(配置)され と、その分だけ、被焼成物等の製品重量に する窯道具の占める割合を低く抑えること できず、省エネルギーの面からもロスが大 いからである。また、ハニカム全体に雰囲 が十分に行き届かなくなり、焼成時の温度 均一に保てなくなる。さらに、表面側に設 られる凹凸形状との相乗効果を発揮しづら なる。したがって、本願の効果をより一層 揮するために、棒状部を平行に離間させて 列されていることがより好ましい。

 なお、前述の水平方向は厳密な意味での 平状態を要求するものではなく、被焼成品 安定的に載せる程度の水平性があればよい

 この棒状部の断面形状は、四角形、台形 曲面形、三角形のいずれかの形状が選択可 であることが好ましい。棒状部を四角形、 形、曲面形、三角形の形状から適宜選択可 にすることにより、容易に本実施形態を成 できる上、所望の凹凸形状を適宜選択でき からである。

 棒状部が前述のような断面形状をとり得 際の凸部の断面形状としては、図3A~3Eに示 れるような凸形状が挙げられる。さらに、 部の断面形状としては、V字状の溝やU字状の 溝等のように溝の斜面の勾配が鋭角や鈍角に 形成されたもの、溝の斜面に段部が形成され たもの、凹部の中底に開口部或いは穴等が形 成されているもの、凹部の斜面(勾配)が左右 称であるもの或いは左右非対称であるもの が挙げられる。このように、棒形状の断面 選択可能に所望の形状に形成できると、所 の凸部或いは凹部を簡単に形成できるため ましい。

[1-3]表面と裏面との関係:
 開口部は、表面側に形成される凹形状の第1 凹部に形成されるとともに、裏面側に形成さ れる凹形状の第2凹部に形成され、且つ、前 第1凹部と前記第2凹部が連通するように連通 孔が形成されることが好ましい。凹部の開口 部が表面側と裏面側とで連通している方が、 凹部の空間に燃焼時に生じる対流現象等によ り、一層ガスが抜けやすくなるからである。 また、温度を均一にでき、接触面積を少なく でき、変形を防止できる。さらに、雰囲気を ハニカム構造体等の焼成物に付与しやすく、 焼成後の冷却効果も期待できるため好ましい 。

 また、棒状部の配列角度をずらすことに り、表面側凹凸形状と裏面側の凹凸形状と 、互いにずれて形成されていることが好ま い。ここで、「棒状部の配列角度をずらす とは、表面側に配列される棒状部と、裏面 に配列される棒状部とが、上下方向に相応 ないこと、或いは、表面側と裏面側との上 方向にある凸部同士が、いわゆる表と裏で 中合わせの状態にならないことである。す わち、セラミック焼成用窯道具板の表面側 裏面側との境界部分を基準線C―C’とした 合、この基準線C―C’に基いて折り返した際 に、表面側と裏面側とに形成される凹凸形状 が重ならないことを意味する(図4A参照)。そ 他の例として、たとえば、図4B~4Dに示される ような表面側と裏面側に凹凸形状の関係が挙 げられる。

 換言すれば、表面側と裏面側のそれぞれ 凹凸形状が上下方向に相応するように形成 れると、その分だけ、セラミック焼成用窯 具板の厚みが増え、被焼成物等の製品重量 対する窯道具の占める割合を低く抑えづら なる。また、省エネルギーの面でロスが大 い。さらに、雰囲気が十分に行き届かず篭 りにくくなり、焼成時に施される熱が、ハ カム等の被焼成物全体に十分に伝導せず、 られるハニカムのばらつきも大きくなる。 た、耐熱衝撃性、耐クリープ性、高温高強 性の面で劣ることになる。したがって、前 のような構成を採用することが好ましい。

 なお、棒状部の配列角度をずらさないで たとえば、表面側に配する角上部材と裏面 に配する角状部材との形状、幅寸法、長さ 法を異なるものとして、それぞれに配列し 形成されるセラミック焼成用窯道具板も、 ましい形態の一つである。このような構成 採用する場合には、表面側と裏面側の凹凸 状が異なるものとなり、それぞれに形成さ る開口部も、ずれて形成できるからである ただし、成型するのに手間がかかる上に、 品点数が増え、さらに成型コストのアップ なり易いため、棒状部の配列角度をずらす とにより、表面側凹凸形状と裏面側の凹凸 状とが、互いにずれるよう形成する方が利 性の点で好ましい。

 より好ましいのは、棒状部が、セラミッ 焼成用窯道具板の長軸に対して、30~60度の 置に配列されるように形成されていること ある。セラミック焼成用窯道具板の長軸に して所望角度になるように棒状部を配置す と、軽量化しても耐久性が落ちず、さらに 耐熱衝撃性、耐クリープ性、高温高強度性 兼ね揃えることができるからである。

 ここで、「セラミック焼成用窯道具板の 軸に対して、30~60度の位置」とは、セラミ ク焼成用窯道具板の長手方向の長辺の1辺を 準軸として、その基準軸から30~60度の範囲 位置を意味するものである。例えば、図6Aに 示される棒状部9は、表面側(或いは裏面側)に 平行に配列した状態を示した模式図である。 図6A中の、符号Xはセラミック焼成用窯道具板 の短軸(幅方向)を示している。また、符号Yは セラミック焼成用窯道具板の長軸(長さ方向) 示している。この図6Aに示されるように、 軸Xと長軸Yに沿って、棒状部9を平行に配置 ると、図6Aに示されるような位置に棒状部9 配置できる。

 他方、図6Bに示されるように、長軸Y2に沿 いながら、その長軸に対して図示されるα角 前述の所望角に調整しながら配置すると、 6Bに示されるように、各棒状部9を所望位置 いわゆる傾斜させて並行に配列でき、本願 効果を奏することができる。

 なお、棒状部が、セラミック焼成用窯道 板の長軸に対して、30~60度の位置に配置さ る場合には、(1)表面と裏面とのそれぞれに される棒状部が双方とも前述の所望角度に 置するように配されるものに限らず、(2)表 のみ、或いは(3)裏面のみ、前述の所望角に 置するように配されてもよい。

 さらに、図7Aに示されるように、枠11を備 える棒状部9から構成される場合には、次の うにして所望の配置角度になるよう調整で る。例えば、図7Bに示されるように、長軸Y3 基準に、短軸X3と平行な仮想線Zを引き、そ 仮想線Zから所望角α2になるように棒状部を (傾斜して)配置させることで、セラミック焼 用窯道具板1Aを得られる。

 また、第1凹部と第2凹部のそれぞれに形 される開口部が、互いに連通しながらもず るように形成されることがより好ましい。 れぞれの開口部が連通しながらも、開口部 士をずらして連通させると、軽量化しても 久性が落ちず、また、伝動伝熱、対流伝熱 及び輻射伝熱といったそれぞれの伝熱がバ ンスよく行える。加えて、温度制御がし易 なり、耐熱衝撃性、耐クリープ性、高温高 度性の点においても本願の効果をあまねく することができる。さらに、冷却効果もあ ため、収縮変形も起こりづらい。

 第1凹部と第2凹部のそれぞれに形成され 開口部が、互いに連通しながらもずれるよ に形成される具体例としては、たとえば、 8に示されるものが挙げられる。この図に示 れるように、表面側の第1凹部に形成される 開口部7aが、裏面側の第2凹部に形成される開 口部7bと互いに連通しながらも完全に一致せ 、ずれるように形成されていることで、本 の効果を発揮できる。

 また、実体積を最大外径寸法からの体積 除した値を実体積比率とし、連通気孔の面 を連通開口率とすると、実体積比率が5~80質 量%で、連通開口率が20~80%、更に、被焼成物 接触する1面の接触面積が2~80%であることが ましい。具体的には、図9に示されるように 表面側に形成される開口部7aを表面側の面 で除したものを表面開口率H1とし、裏面側に 形成される開口部7bを裏面側の面積で除した のを裏面開口率H2とし、さらに、表面側開 部7aと裏面側開口部7bとが連通して形成され 連通気孔の連通開口率Iとした場合に、実体 積を最大外径寸法からの体積で除して求めた 実体積比率、表面開口率H1、裏面開口率H2、 通気孔Iのそれぞれが前述の所望範囲内にな ように形成されることが好ましい。

 この実体積比率、開口率、接触面積比率 棒状部角度を、所望数値内に調整する方法 しては、以下の方法がある。

 実体積比率、開口率、接触面積比率、棒 部角度の設定に際しては、正確には、被焼 体の重量/寸法、水分量、有機バインダー量 、脱脂時間、焼成に必要な最高温度とその保 持時間、熱面積などを鑑みつつ、本願に用い る材料の温度ごとでの応力-歪み速度と酸化 度から設定するとよい。簡便法としては、 願の窯道具形状でかつ最高焼成温度時の破 強度Xに対し、被焼成体の重量と本願の窯道 板の自重に起因する応力値Yが3倍以上(X>3Y )の関係になるように実体積比率、開口率、 触面積比率、棒状部角度の値を設定するこ が好ましい。これにより、表1~に示すような 範囲の窯道具の反り(たとえば、後述の実施 3、4、5、11、12、13、16、17、18に示されるよ な30回の焼成でクリープ変形(反り)量が3mm未 )に抑えることが可能となる。

 ここで、Xの値を極端に大きくすると窯道 具の反りが小さくなるものの、本発明の目的 の一つである軽量化(多孔化)を阻害すること なる。SiCを一定範囲で含有する窯道具板材 特性、特に温度ごとでの応力-歪み速度と、 窯道具板の形状検討の結果、体積を最大外径 寸法からの体積で除した値を実体積比率とし 、連通気孔の面積を連通開口率とすると、実 体積比率が5~80%となるとともに、連通開口率 20~80%となり、更に、被焼成物と接触する1面 の接触面積が2~80%であるセラミック焼成用窯 具板を用いる場合には、20Y>X>3Yの範囲 良好に被焼成体の焼結を行うことができる 道具板の設計が可能となる。

 また、セラミック焼成用窯道具板の材料 しては、少なくともSiCが50質量%含有するこ が好ましく、より好ましいのはSiCが75質量% 上含有することである。セラミック焼成用 道具板は、圧縮強度が高く、かつ、耐熱性 高い耐火物等の材料から構成されることが められるが、SiCは赤外線放射率が高く、耐 化性、耐クリープ性にも優れ、高温高強度 料であるため、本願の効果を奏することが きる。

 さらに、別の材料として、SiCが85~90質量%、S iO 2 が15~10質量%含有することが好ましく、より好 ましいのはSiCが80~90質量%、SiO 2 が5~20質量%含有することである。SiCは赤外線 射率が高く、耐酸化性、耐クリープ性にも れ、高温高強度材料であるから、高温で用 る窯道具材料に適した素材といえる。さら 、SiO 2 とCの粉末に大電流を流し、2000℃以上の高温 合成するSiCは、CO 2 の発生と電力消費が大きな原料であり、省エ ネルギーの観点からは、使用量は少ない方が 良い。したがって、このような所望の材料を 使用することにより、SiCの使用料を削減でき るため好ましい。

 また、別の材料として、少なくともSiCとSi 3 N 4 の合量が90質量%含有することが好ましく、よ り好ましいのは95質量%以上含有することであ る。このように構成されることで、被焼成体 等の荷重に耐えることができ、また、焼成炉 内の高温焼成に耐え得ることができる。セラ ミック焼成用窯道具板は、圧縮強度が高く、 かつ、耐熱性の高い耐火物等の材料から構成 されることが求められるが、SiCは赤外線放射 率が高く、耐酸化性、耐クリープ性にも優れ 、高温高強度材料であるため、本願の効果を 奏することができる。

 なお、この成型方法としては、まず、所定 のSiC粉末、Si粉末、バインダー、水又は有 溶媒を混練し、鋳込み成型して所望形状の 型体を得る。次いで、この成型体を、90℃に て乾燥した後、窒素雰囲気下で焼成して、Si 窒素との反応によりSi 3 N 4 を生成させることで炭化珪素と窒化珪素の複 合材料を製造する方法を挙げることができる 。

[1-4]その他のセラミック焼成用窯道具板の構 :
 セラミック焼成用窯道具板のサイズは特に 定されない。載置するハニカムの重量等必 に応じて、好適なサイズを選択することが ましい。例えば、一般的な棚のサイズであ 縦300~700mm×横300~700mm×厚み5~10mmのものが好適 に使用できるが、このようなサイズのものに 限られず、必要に応じて、好適な寸法を採用 できる。

[2]使用方法:
 本実施形態におけるセラミック焼成用窯道 板は、図10A、10Bに示されるように、棚組の 部として用いられる。ただし、このような 組みに限定されるものではなく、本実施形 におけるセラミック焼成用窯道具板を下支 し易い構造であれば、公知の棚組みを使用 ることもできる。

 たとえば、図10Aに示される棚組みを用い のであれば、その棚組み12は、支柱13と、必 要に応じて、架橋部材15とを備えており、本 施形態のセラミック焼成用窯道具板は、そ 支柱に形成される載置台14(図11参照)の上に 置して使用される。なお、図10Aは、セラミ ク焼成用窯道具板を取り付ける前の状態を す模式図である。また、たとえば、図10Bに される棚組みを用いるのであれば、その棚 み16は、支柱13を備えるとともに、必要に応 じて支柱に載置台18を備え、その載置台の上 、本実施形態のセラミック焼成用窯道具板1 が載置して使用される。なお、図10Aに示され る棚組み、図10Bに示される棚組みにおいて、 本実施形態におけるセラミック焼成用窯道具 板と支柱とを交互に積み重ねて棚組みを構成 してもよい。さらに、必要に応じて公知の固 定具、公知の固定方法等を用いると、安定的 に載置できるため好ましい。

 ハニカム成型体等の被焼成物は、このセ ミック焼成用窯道具板上に載置されて焼成 れる。具体的には、図11に示されるように ニカム成型体100を載置して焼成する。ここ 、本実施形態のセラミック焼成用窯道具板 は凹凸形状が形成され通気性が確保されて るから、セラミック焼成用窯道具板上にそ ハニカム成型体100を載置して焼成しても、 ニカム成型体から発生したガスGが篭もらな でハニカムの外部に放出されることになる また、ハニカム成型体と、セラミック焼成 窯道具板1の底面の接触面積も小さくなり、 焼成中に収縮する際に摩擦抵抗低減により、 ハニカム成型体の寸法変形を小さく制御でき 、さらに、被焼成物の詰め効率を向上できる 。

[3]成型方法:
 セラミック焼成用窯道具板が一枚の板状部 から形成される場合には、表面側に所望の 凸形状を形成するとともに、裏面側に所望 凹凸形状を付与(形成)して成型してもよい さらに、表面側の開口部と裏面側の開口部 、ドリル等の工具を用いて連通するように 通形成するとよい。

 また、セラミック焼成用窯道具板の表面 が1枚の平板状部材、裏面側が1枚の平板状 材の計2枚からなる部材が結合して形成され 場合には、表面側に所望の凹凸形状を付与 ると共に、裏面側に所望の凹凸形状を付与 た後、表面側の平板状部材と裏面側の平板 部材とを前述の開口部が連通するように張 合わせて、セラミック焼成用窯道具板を形 する。このように形成される場合には、伝 伝熱および、対流伝熱、輻射伝熱といった れぞれの伝熱をバランスよく行うことがで る開口部形状を形成できるため、より本願 効果を奏することができる。なお、表面側 裏面側とに設ける開口部を予め形成する場 には、互いに連通するように、所望箇所を 置決めして形成することが好ましい。

 また、セラミック焼成用窯道具板の表面 が1枚の平板状部材、裏面側が1枚の平板状 材の計2枚からなる部材が結合して形成され 場合であって、表面側と裏面側とに凹凸形 を付与し、それらを張り合わせた後に、開 部を形成してもよい。このように形成され 場合には、表面側と裏面側に開口部の連通 容易に行うことができため、成型工程の簡 化や、ばらつきを減少させることができる め好ましい。

 なお、セラミック焼成用窯道具板の構成 、表面側が1枚の平板状部材、裏面側が1枚 平板状部材の計2枚からなる部材からなるも に限定されるものではなく、本願の効果を するものであれば、表面側が1枚の平板状部 材、裏面側が1枚の他に、表面側と裏面側と 間に他の部材を中間層として設けてもよい

 セラミック焼成用窯道具板の表面及び裏 に凹凸形状を形成する方法としては、鋳込 成型により所望形状の成型体を得ることが きる。鋳込み成型による場合には、表面と 面から立体構造が構成できる。

 平板除去部位の肉厚方向除去面が、板表 から中心に向けて1乃至2つの傾斜を有する とを特徴とする鋳込み成型を用いると、離 に適した形状にしやすく、鋳込み後の材料 度を高くできる。

 また、表面側と裏面側の構成が同じであ 場合には、どちらの面も表面にも裏面にも 用可能であることが好ましい。表裏に関係 く、ハニカムを載置でき、利便性が高まる め好ましい。

 以下、本発明を実施例によってさらに具 的に説明するが、本発明はこれによって限 されるものではない。なお、以下の実施例 よび比較例における「%」は特に断りのない 限り質量%を意味する。また、実施例におけ 各種の評価、測定は、下記方法により実施 た。

[1-1]嵩比重:
 嵩比重は、材料を80℃の乾燥室で12時間乾燥 した後、乾燥質量W1を測定。その後、材料を1 00℃の水中で1時間煮沸し、水中で常温まで冷 却した後に水中質量W2を計測し、軽く絞った ーゼにて材料全体をふき取った後に包水重 W3を計測し、これらW1,W2,W3より嵩比重を算出 した。

[1―2]曲げ強度:
 JIS R1601に基いて、スパン380mmの3点曲げ試験 (クロスヘッドスピード0.5mm/分)で破壊加重を 定し、焼成後のセラミック焼成用窯道具板 曲げ強度を測定した。

[1-3]焼成後製品強度:
 ハニカム成型体の焼成後製品強度を測定し 。具体的には、ハニカム焼成体から所定形 (0.3×4×40mm)を切り出し、JIS R1601に準拠した3 点曲試験により測定した。

[1-4]焼成歩留り:
 ハニカム成型体のハニカム成型体の焼成歩 りを測定した。具体的には、ハニカム成型 のクッラクが発生しているかいないかを目 、或いは、ルーペ等によって調べ、クラッ が無いものの頻度を歩留まりとした。

[1-5]セラミック焼成用窯道具板の焼成状況:
 さらに、セラミック焼成用窯道具板の焼成 況を調べるとともに、30回焼成を繰り返し クリープ変形率を測定した。具体的には、 ラミック焼成用窯道具板の対角での曲り量 隙間ゲージにより計測した。

[2-1]実施例1~20におけるセラミック焼成用窯道 具板の作成:
 (1)SiCが75質量%、Si 3 N 4 が24質量%、SiO 2 が1質量%含有し、嵩比重2.8g/cc、曲げ強度200MPa であって、長辺方向の長さが、400mm、短辺方 の長さが100mm、肉厚が8mmのサイズからなり 実体積比率、開口率、接触面積比率、棒状 断面形状、棒状部角度が表1、2に示される実 施例1~10のセラミック焼成用窯道具板と、(2)Si Cが90~85質量%、SiO 2 が10~15質量%含有し、嵩比重2.8~2.75g/cc、曲げ強 度150~50MPaであって、長辺方向の長さが、400mm 短辺方向の長さが100mm、肉厚が8mmのサイズ らなり、実体積比率、開口率、接触面積比 、棒状部断面形状、棒状部角度が表2に示さ る実施例11~15のセラミック焼成用窯道具板 、(3)SiCが95~80質量%、Siが5~20質量%含有し、嵩 重3g/cc、曲げ強度250MPaであって、長辺方向 長さが、400mm、短辺方向の長さが100mm、肉厚 8mmのサイズからなり、実体積比率、開口率 接触面積比率、棒状部断面形状、棒状部角 が表3に示される実施例16~20のセラミック焼 用窯道具板をそれぞれ予め用意した。

[2-2]比較例1~4におけるセラミック焼成用窯道 板の作成:
 SiCが75質量%、Si 3 N 4 が24質量%、SiO 2 が1質量%含有し、嵩比重2.8g/cc、曲げ強度200MPa であって、長辺方向の長さが、400mm、短辺方 の長さが100mm、肉厚が8mmのサイズからなり 実体積比率、開口率、接触面積比率、棒状 断面形状、棒状部角度が表3に示される比較 1~4のセラミック焼成用窯道具板をそれぞれ め用意した。

[3]棚組みの作製:
 炭化珪素75%、窒化珪素25%、嵩比重2.5~3.0g/cc あって縦60×横40(80)×全長1800mm(ただし、前述 カッコ内の数値は、第1架橋部材を載せるた めの載置台(第1架橋部材が載る支柱の出っ張 部分)を含めた寸法)のサイズからなる支柱 、炭化珪素75%、窒化珪素25%、嵩比重2.5~3.0g/cc であって、縦40×横40mm×全長1300サイズからな 角柱状の第1架橋部材および縦40×横40mm×全 1700mmサイズからなる角柱状の第2架橋部材と 予めそれぞれ用意した。さらに、1300mmサイ の角柱を左右にそれぞれ1本づつ並行に配置 し、次に1700mmサイズの角柱を左右それぞれの 1300mmサイズの角柱に垂直方向に井桁を組むよ うに6本並べて構成した。ここで、400mmx100mmサ イズの実施例及び比較例の焼成用窯道具板を 配列するために、1700mmサイズの角柱(断面40x40 mm)6本の位置関係は、角柱(1)40mm+間隔(1)200mm+角 柱(2)40mm+間隔(2)20mm+角柱(3)40mm+間隔(3)200mm+角柱 (4)40mm+間隔(4)20mm+角柱(5)40mm+間隔(6)200mm+角柱(6) 40mmで、1300mmの左右の角柱端部に10mmの余裕を つようにして棚組を作成した。

 なお、これらの支柱は所定量のSiC粉末、Si 末、バインダー、水又は有機溶媒を混練し 鋳込み成型して所望形状の成型体を得る。 いで、この成型体を、90℃にて乾燥した後、 窒素雰囲気下で焼成して、Siと窒素との反応 よりSi 3 N 4 を生成させることで炭化珪素と窒化珪素の複 合材料を製造する方法を挙げることができる 。

[4]焼成前のハニカム成型体(生ハニカム構造 )の作製:
 原料として、タルク、カオリン、アルミナ 主原料とするコージェライト化原料に、水 バインダーを調合し、分散混合、混練した 型原料を、土練機により円柱状に押出して それを押出し成型機により押出し成型して φ320mm×300mmLの、軸方向に併設した多数のセ を有する生ハニカム構造体(ハニカム成型体 )を得た。

 前述の生ハニカム成型体を乾燥させた後 、実施例1~20、比較例1~4におけるセラミック 焼成用窯道具板を用いて、前述の生ハニカム 構造体を焼成し、ハニカム焼成体を得た。そ の結果を表1~3に示す。なお、表1~表3に示され る「セッターの30回焼成後クリープ変形量」 測定結果は、3mm以下のものについては「-」 示すに留め、実測を行っていない。

(考察)
 表1~3に示されるように、実施例1~20のセラミ ック焼成用窯道具板及びそれらを使用して焼 成し得られた被焼成体も良好であった。具体 的には、焼成後製品強度は、実施例1~20のセ ミック焼成用窯道具板を用いて得た被焼成 では19~22MPaの範囲内であり、焼成歩留まりも 100%であった。実施例1~20のセラミック焼成用 道具板の焼成後の状況を調べたが、実施例1 ~20では異常は見つからなかった。さらに、実 施例1~20のセラミック焼成用窯道具板を30回焼 成し、その後のクリープ変形量を測定したが 、実施例1、2、6~10、14、15、19、20については クリープ変形がなかった。また、実施例3~5 11~13、16~18については、変形を確認できたが 、その変形量は0.02~2.3mmであり、セラミック 成用窯道具板の特性を損ねるものではなか た。

 他方、比較例1~4のセラミック焼成用窯道 板及びそれらを使用して焼成し得られた被 成体では、ハニカム成型体の特性を大きく ね、使用に耐えられないものであることが 結果として実証された。具体的には、比較 2~4では、被焼成体の焼成後製品強度は使用 耐えられるものではなく、さらに、比較例1 ~4では歩留まりも非常に悪いものとなった。 た、比較例1のセラミック焼成用窯道具板の 状況を観察すると、折損が生じていた。

 本発明のハニカム成型体の焼成方法は、 焼成物を焼成する際に用いるセラミック焼 用窯道具板であって、被焼成物を載置する 面側及び裏面側には少なくとも凹凸形状が 与されているとともに、開口部が形成され いることにより、熱容量の低減化とコスト 減化を図ることができ、焼成物との接触面 が減少することで、ガスの抜けが良化し、 らに雰囲気の均一化により被焼成体が均一 製造できるセラミック焼成用窯道具板を提 できるという優れた効果を奏する。とりわ 、耐熱衝撃性、耐クリープ性、高温高強度 、耐酸化性に優れたセラミック焼成用窯道 板を好適に用いることができる。