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Title:
KNOCKING DETECTOR OF INTERNAL COMBUSTION ENGINE AND METHOD OF DETECTING NOCKING OF INTERNAL COMBUSTION ENGINE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/116410
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a knocking detector of an internal combustion engine which can correctly judge whether knocking occurs or not based on the frequency components of an output signal of a knock sensor. Frequency component analysis is performed on the output signal of the knock sensor at predetermined crank angle intervals, and the intensities of a plurality of frequency components obtained by the frequency component analysis are stored as time series data. The time series data of the frequency component intensities is converted into a binary form, and it is judged whether knocking occurs or not based on the binary time series data.

Inventors:
KOMATSU HIROTAKA (JP)
TAKAGI JIRO (JP)
KURAUCHI ATSUSHI (JP)
YOSHIIRI MASAYUKI (JP)
HIROTA KAZUHIKO (JP)
KITAMURA NATSUKO (JP)
AKIMOTO YOSHIAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/054379
Publication Date:
September 24, 2009
Filing Date:
March 09, 2009
Export Citation:
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Assignee:
HONDA MOTOR CO LTD (JP)
KOMATSU HIROTAKA (JP)
TAKAGI JIRO (JP)
KURAUCHI ATSUSHI (JP)
YOSHIIRI MASAYUKI (JP)
HIROTA KAZUHIKO (JP)
KITAMURA NATSUKO (JP)
AKIMOTO YOSHIAKI (JP)
International Classes:
F02D45/00; G01M15/06; G01M15/12
Foreign References:
JP2005188297A2005-07-14
JP2002296150A2002-10-09
JP2006307709A2006-11-09
JPH0443924A1992-02-13
JP2007247502A2007-09-27
JPH0486531A1992-03-19
JPH11303673A1999-11-02
Other References:
None
Attorney, Agent or Firm:
ARAI, KOJI (JP)
Koji Arai (JP)
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Claims:
 内燃機関に装着されたノックセンサの出力信号に基づいてノッキングを判定するノッキング判定手段を備える、内燃機関のノッキング検出装置であって、
 所定クランク角度間隔で前記ノックセンサ出力信号の周波数成分分析を行う周波数成分分析手段と、
 前記周波数成分分析により得られる、複数の周波数成分の強度を時系列データとして格納するデータ格納手段と、
 前記周波数成分強度の時系列データを二値化する二値化手段とを備え、
 前記ノッキング判定手段は、二値化された時系列データに基づいてノッキングが発生したか否かを判定する、内燃機関のノッキング検出装置。
 前記ノッキング判定手段は、ノッキングが発生した状態に対応するマスタパターンデータと、前記二値化された時系列データとを比較することにより、前記ノッキング判定を行う請求項1のノッキング検出装置。
 前記ノッキング判定手段は、
 前記二値化された時系列データに基づいて、ノイズ成分の時系列データを算出するノイズ成分算出手段と、
 前記二値化された時系列データを前記ノイズ成分の時系列データにより補正するノイズ補正手段とを備え、
 補正後の時系列データに基づいて前記ノッキング判定を行う請求項2のノッキング検出装置。
 前記周波数成分強度の時系列データに基づいて、ノイズ成分の時系列データを算出するノイズ成分算出手段と、
 前記周波数成分強度の時系列データを前記ノイズ成分の時系列データにより補正するノイズ補正手段とを備え、
 前記二値化手段は、補正後の時系列データを二値化する請求項2のノッキング検出装置。
 前記ノッキング判定手段は、
 前記二値化された時系列データ及び前記マスタパターンデータに対して、周波数に応じた重み付けを行う重み付け手段を備え、
 重み付けされた時系列データ及びマスタパターンデータを用いて前記ノッキング判定を行う請求項2から4の何れか1項のノッキング検出装置。
 前記ノッキング判定手段は、前記マスタパターンデータと前記二値化された時系列データとの適合率を算出し、前記適合率が判定閾値を超えたときにノッキングが発生したと判定する請求項2から5の何れか1項のノッキング検出装置。
 前記マスタパターンデータは前記機関の運転状態に応じて設定される請求項2から6の何れか1項のノッキング検出装置。
 複数の周波数からなる周波数グループ毎に、1つのサンプルタイミングにおける最大強度を選択することにより、周波数グループ時系列データを生成する周波数グループ時系列データ生成手段を備え、
 前記二値化手段は前記周波数グループ時系列データを二値化する請求項1または2のノッキング検出装置。
 前記周波数グループ時系列データに基づいて、前記周波数グループに対応するグループノイズ成分の時系列データを算出するグループノイズ成分算出手段と、
 前記周波数グループ時系列データを前記グループノイズ成分の時系列データにより補正するグループノイズ補正手段とを備え、
 前記二値化手段は、補正後の周波数グループ時系列データを二値化する請求項8のノッキング検出装置。
 内燃機関に装着されたノックセンサの出力信号に基づいてノッキングを判定する、内燃機関のノッキング検出方法であって、下記ステップからなるノッキング検出方法:
 a)所定クランク角度間隔で前記ノックセンサ出力信号の周波数成分分析を行い、
 b)前記周波数成分分析により得られる、複数の周波数成分の強度を時系列データとして格納し、
 c)前記周波数成分強度の時系列データを二値化し、
 d)二値化された時系列データに基づいてノッキングが発生したか否かを判定する。
 前記ステップd)において、ノッキングが発生した状態に対応するマスタパターンデータと、前記二値化された時系列データとを比較することにより、前記ノッキング判定を行う請求項10のノッキング検出方法。
 前記ステップd)は、
 e)前記二値化された時系列データに基づいて、ノイズ成分の時系列データを算出し、
 f)前記二値化された時系列データを前記ノイズ成分の時系列データにより補正し、
 g)補正後の時系列データに基づいて前記ノッキング判定を行う
ステップを含む請求項11のノッキング検出方法。
 e’)前記周波数成分強度の時系列データに基づいて、ノイズ成分の時系列データを算出し、
 f’)前記周波数成分強度の時系列データを前記ノイズ成分の時系列データにより補正する
ステップをさらに備え、
 前記ステップc)では、補正後の時系列データが二値化される請求項11のノッキング検出方法。
 前記ステップd)は、h)前記二値化された時系列データ及び前記マスタパターンデータに対して、周波数に応じた重み付けを行うステップを含み、
 重み付けされた時系列データ及びマスタパターンデータを用いて前記ノッキング判定が行われる請求項11から13の何れか1項のノッキング検出方法。
 前記ステップd)は、i)前記マスタパターンデータと前記二値化された時系列データとの適合率を算出するステップを含み、
 前記適合率が判定閾値を超えたときにノッキングが発生したと判定される請求項11から14の何れか1項載のノッキング検出方法。
 前記マスタパターンデータは前記機関の運転状態に応じて設定される請求項11から15の何れか1項のノッキング検出方法。
 j)複数の周波数からなる周波数グループ毎に、1つのサンプルタイミングにおける最大強度を選択することにより、周波数グループ時系列データを生成するステップをさらに備え、
 前記ステップc)では、前記周波数グループ時系列データが二値化される請求項10または11に記載の内燃機関のノッキング検出方法。
 k)前記周波数グループ時系列データに基づいて、前記周波数グループに対応するグループノイズ成分の時系列データを算出し、
 l)前記周波数グループ時系列データを前記グループノイズ成分の時系列データにより補正する
ステップをさらに備え、
 前記ステップc)では、補正後の周波数グループ時系列データを二値化する請求項17のノッキング検出方法。
Description:
[規則37.2に基づきISAが決定した 明の名称] 内燃機関のノッキング検出装置 よび内燃機関のノッキング検出方法

 本発明は、内燃機関のノッキング検出装 に関し、特にノックセンサの出力信号の周 数成分に基づいてノッキングの有無を判定 るものに関する。

 特許文献1には、ノックセンサの出力信号 に含まれる複数の共鳴周波数成分を求め、そ の複数の共鳴周波数成分に基づいてノッキン グ指標を算出し、ノッキング指標と所定値と を比較することによりノッキングの有無を判 定するようにしたノッキング検出装置が示さ れている。

特許第2684611号公報

 特許文献1に示された手法では、高速フー リエ変換により例えば16個の周波数に対応す 周波数成分の強度が算出され、強度の大き もの5個を選択して、各成分に所定の重み付 けを行って合計することによりノッキング指 標が算出される。しかしながら、この手法に は以下に説明するような課題がある。

 図30は、ノックセンサの出力信号の周波 成分分析結果の一例を示す図であり、同図 破線がノッキングが発生したときのスペク ルを示し、実線が機関の吸気弁の着座に起 する振動(以下「着座ノイズ」という)が発生 したときのスペクトルを示す。このように着 座ノイズの影響がノックセンサの出力信号に 表れる場合には、特定の周波数成分がノッキ ング発生時と同程度の強さで表れるため、ノ ッキングが発生していないにも拘わらずノッ キングが発生したと誤判定する可能性があっ た。

 本発明はこの点に着目してなされたもの あり、ノックセンサの出力信号の周波数成 に基づいて、ノッキングの判定をより正確 行うことができる内燃機関のノッキング検 装置を提供することを目的とする。

 上記目的を達成するため本発明は、内燃 関(1)に装着されたノックセンサ(11)の出力信 号に基づいてノッキングを判定するノッキン グ判定手段を備える内燃機関のノッキング検 出装置において、所定クランク角度間隔で前 記ノックセンサ出力信号の周波数成分分析を 行う周波数成分分析手段と、前記周波数成分 分析により得られる、複数の周波数成分の強 度を時系列データ(KMAP(j,i))として格納するデ タ格納手段と、前記周波数成分強度の時系 データ(KMAP(j,i))を二値化する二値化手段と 備え、前記ノッキング判定手段は、二値化 れた時系列データ(NKMAP(j,i))に基づいてノッ ングが発生したか否かを判定することを特 とする。

 この構成によれば、所定クランク角度間 でノックセンサ出力信号の周波数成分分析 行われ、この周波数成分分析により得られ 、複数の周波数成分の強度分布が時系列デ タとして格納される。そして、強度分布の 系列データが二値化され、該二値化された 系列データに基づいてノッキングが発生し か否かが判定される。二値化された時系列 ータには、機関の回転に伴う強度分布の変 が表れるので、この時系列データと、ノッ ング発生時に特有の変化パターンに対応す データとを比較することにより、ノッキン の発生を正確に判定することができる。ま 二値化することにより、データ量が減少す とともに時系列データの変化パターンが単 化されるので、メモリ容量を低減するとと に演算速度を高めることができる。

 また前記ノッキング判定手段は、ノッキ グが発生した状態に対応するマスタパター データ(MMAP(j,i))と、前記二値化された時系 データ(NMAP(j,i))とを比較することにより、前 記ノッキング判定を行うことが望ましい。

 この構成によれば、ノッキングが発生し 状態に対応するマスタパターンデータと、 値化された時系列データとを比較すること より、ノッキング判定が行われる。二値化 れた時系列データがマスタパターンに近い 化パターンを示すとき、ノッキングが発生 た可能性が高いので、得られた時系列デー とマスタパターンの類似性(相関性)を示す ラメータを算出することにより、正確な判 を行うことができる。

 また前記ノッキング判定手段は、前記二 化された時系列データ(NKMAP(j,i))に基づいて ノイズ成分の時系列データ(NNMAP(j,i))を算出 るノイズ成分算出手段と、前記二値化され 時系列データ(NKMAP(j,i))を前記ノイズ成分の 系列データ(NNMAP(j,i))により補正するノイズ 正手段とを備え、補正後の時系列データ(JKM AP(j,i))に基づいて前記ノッキング判定を行う とが望ましい。

 この構成によれば、二値化された時系列 ータに基づいて、ノイズ成分の時系列デー が算出され、二値化された時系列データが イズ成分の時系列データにより補正され、 正後の二値化時系列データに基づいてノッ ング判定が行われる。したがって、上述し 着座ノイズのように定常的に表れるノイズ 分を除去してより正確な判定を行うことが 能となる。

 あるいは、前記周波数成分強度の時系列 ータ(KMAP(j,i))に基づいて、ノイズ成分の時 列データ(NLMAP(j,i))を算出するノイズ成分算 手段と、前記周波数成分強度の時系列デー (KMAP(j,i))を前記ノイズ成分の時系列データ(NL MAP(j,i))により補正するノイズ補正手段とを備 え、前記二値化手段は、補正後の時系列デー タ(JKMAPI(j,i))を二値化するようにしてもよい

 この構成によれば、周波数成分強度の時 列データに基づいて、ノイズ成分の時系列 ータが算出され、周波数成分強度の時系列 ータがノイズ成分の時系列データにより補 される。そして補正後の時系列データが二 化され、その二値化された時系列データに づいてノッキング判定が行われる。二値化 た後にノイズ成分を低減する補正を行う場 に比べて、ノイズ成分の低減をより適切に うことができる。

 また前記ノッキング判定手段は、前記二 化された時系列データ(NKMAP(j,i),JKMAP(j,i))及 前記マスタパターンデータ(MMAP(j,i))に対して 、周波数に応じた重み付けを行う重み付け手 段を備え、重み付けされた時系列データ及び マスタパターンデータを用いて前記ノッキン グ判定を行うことが望ましい。

 この構成によれば、二値化された時系列 ータ及びマスタパターンデータに対して、 波数に応じた重み付けが行われ、重み付け れた時系列データ及びマスタパターンデー を用いてノッキング判定が行われる。ノッ ングが発生したときに大きくなる周波数成 は予め判明しているので、その周波数の近 の周波数に対応するデータに大きな重みを けることにより、判定精度を高めることが きる。

 また前記ノッキング判定手段は、前記マ タパターンデータ(MMAP(j,i))と前記二値化さ た時系列データ(NKMAP(j,i),JKMAP(j,i))との適合率 (PFIT)を算出し、前記適合率(PFIT)が判定閾値(SL VL)を超えたときにノッキングが発生したと判 定することが望ましい。

 この構成によれば、マスタパターンデー と二値化された時系列データとの適合率が 出され、適合率が判定閾値を超えたときに ッキングが発生したと判定される。適合率 用いることにより、マスタパターンデータ 二値化された時系列データとの相関を、比 的簡単な演算で的確に評価し、正確な判定 行うことができる。

 また前記マスタパターンデータ(MMAP(j,i)) 前記機関の運転状態に応じて設定されるこ が望ましい。これにより、機関運転状態の 化に拘わらず正確な判定を行うことができ 。

 また複数の周波数からなる周波数グルー (G1~G7)毎に、1つのサンプルタイミングにお る最大強度を選択することにより、周波数 ループ時系列データ(GKMAP(j,i))を生成する周 数グループ時系列データ生成手段を備え、 記二値化手段は前記周波数グループ時系列 ータ(GKMAP(j,i))を二値化するようにしてもよ 。

 この構成によれば、複数の周波数からな 周波数グループ毎に、1つのサンプルタイミ ングにおける最大強度を選択することにより 、周波数グループ時系列データが生成され、 該生成された周波数グループ時系列データが 二値化され、その二値化された時系列データ に基づいてノッキング判定が行われる。周波 数グループ時系列データを用いることにより 、判定処理に適用されるデータ量を減らし、 装置の演算負荷を軽減することができる。

 また前記周波数グループ時系列データ(GKM AP(j,i))に基づいて、前記周波数グループに対 するグループノイズ成分の時系列データ(GNL MAP(j,i))を算出するグループノイズ成分算出手 段と、前記周波数グループ時系列データ(GKMAP (j,i))を前記グループノイズ成分の時系列デー タ(GNLMAP(j,i))により補正するグループノイズ 正手段とを備え、前記二値化手段は、補正 の周波数グループ時系列データ(GJKMAPI(j,i))を 二値化することが望ましい。

 この構成によれば、周波数グループ時系 データに基づいて、周波数グループに対応 るグループノイズ成分の時系列データが算 され、周波数グループ時系列データがグル プノイズ成分の時系列データにより補正さ る。そして補正後の時系列データが二値化 れ、その二値化された時系列データに基づ てノッキング判定が行われる。したがって 周波数グループ時系列データに基づくノッ ング判定を行う場合において、ノイズ成分 影響を軽減し、正確な判定を行うことがで る。

本発明の一実施形態にかかる内燃機関 びその制御装置の構成を示す図である。 ノックセンサ出力のサンプリング及び 波数成分分析を説明するための図である。 周波数成分分析による得られる強度デ タをスペクトル時系列マップ及び二値化ス クトル時系列マップとして示した図である 吸気弁の着座ノイズの二値化スペクト 時系列マップを示す図である。 ノイズ除去処理を説明するために二値 スペクトル時系列マップを示す図である。 マスタパターンマップを用いたノッキ グ判定を説明するために二値化スペクトル 系列マップを示す図である。 重み付けマップの一例を示す図である ノッキング判定処理のフローチャート ある。 図8の処理で参照されるマップを示す図 である。 図8に示す処理で実行される二値化デ タマップ算出処理のフローチャートである 図10に示す処理で実行される二値化処 のフローチャートである。 図11の処理で参照されるマップを示す である。 図8に示す処理で実行されるノイズ除 処理のフローチャートである。 図8に示す処理で実行される適合率算 処理のフローチャートである。 図14の処理で参照されるマップを説明 るための図である。 図8に示す処理で実行されるノイズ学 処理のフローチャートである。 図16に示す処理で実行されるノイズマ プ更新処理のフローチャートである。 本発明の第2の実施形態にかかるノッ ング判定処理のフローチャートである。 周波数成分分析による得られる強度デ ータをスペクトル時系列マップ及びノイズ成 分強度をスペクトル時系列マップとして示し た図である。 ノイズ除去処理後のスペクトル時系列 マップ及びそのスペクトル時系列マップを二 値化したマップを示す図である。 図18の処理で実行されるデータマップ 出処理のフローチャートである。 図18の処理で実行されるノイズ除去処 のフローチャートである。 図18の処理で実行される二値化処理の ローチャートである。 図18の処理で実行されるノイズ学習処 のフローチャートである。 本発明の第3の実施形態におけるグル プ化を説明するための図である。 グループ化されたスペクトル時系列マ ップに基づくノッキング判定処理を説明する ための図である。 本発明の第3の実施形態にかかるノッ ング判定処理のフローチャートである。 図27の処理で実行されるグループ化処 のフローチャートである。 図14に示す処理の変形例を示すフロー ャートである。 従来技術の課題を説明するための図で ある。

符号の説明

 1 内燃機関
 5 電子制御ユニット(ノッキング判定手段、 周波数成分分析手段、データ格納手段、二値 化手段、ノイズ成分算出手段、ノイズ補正手 段、重み付け手段、周波数グループ時系列デ ータ生成手段、グループノイズ成分算出手段 、グループノイズ補正手段)
 11 ノックセンサ

 以下本発明の実施の形態を図面を参照して 明する。
 [第1の実施形態]
 図1は、本発明の一実施形態にかかる内燃機 関(以下「エンジン」という)及びその制御装 の全体構成図であり、例えば4気筒のエンジ ン1の吸気管2の途中にはスロットル弁3が配さ れている。スロットル弁3にはスロットル弁 度THを検出するスロットル弁開度センサ4が 結されており、センサ4の検出信号は、電子 御ユニット(以下「ECU」という)5に供給され 。

 燃料噴射弁6はエンジン1とスロットル弁3 の間かつ吸気管2の図示しない吸気弁の少し 上流側に各気筒毎に設けられており、各噴射 弁は図示しない燃料ポンプに接続されている と共にECU5に電気的に接続されて当該ECU5から 信号により燃料噴射弁6の開弁時間が制御さ れる。エンジン1の各気筒には、点火プラグ7 設けられており、点火プラグ7はECU5に接続 れている。ECU5は、点火プラグ7に点火信号を 供給する。

 スロットル弁3の下流側には吸気圧PBAを検 出する吸気圧センサ8、及び吸気温TAを検出す る吸気温センサ9が設けられている。エンジ 1の本体には、エンジン冷却水温TWを検出す 冷却水温センサ10及び非共振型のノックセン サ11が装着されている。センサ8~11の検出信号 は、ECU5に供給される。ノックセンサ11として は、例えば5kHzから25kHzまでの周波数帯域の振 動を検出可能なものが使用される。

 吸気管2のスロットル弁3の上流側には、吸 空気流量GAを検出する吸入空気流量センサ13 設けられており、その検出信号はECU5に供給 される。
 ECU5には、エンジン1のクランク軸(図示せず) の回転角度を検出するクランク角度位置セン サ11が接続されており、クランク軸の回転角 に応じた信号がECU5に供給される。クランク 角度位置センサ11は、エンジン1の特定の気筒 の所定クランク角度位置でパルス(以下「CYL ルス」という)を出力する気筒判別センサ、 気筒の吸入行程開始時の上死点(TDC)に関し 定クランク角度前のクランク角度位置で(4気 筒エンジンではクランク角180度毎に)TDCパル を出力するTDCセンサ及びTDCパルスより短い 定クランク角周期(例えば6度周期)で1パルス( 以下「CRKパルス」という)を発生するCRKセン から成り、CYLパルス、TDCパルス及びCRKパル がECU5に供給される。これらのパルスは、燃 噴射時期、点火時期等の各種タイミング制 、エンジン回転数(エンジン回転速度)NEの検 出に使用される。

 エンジン1は、吸気弁(図示せず)の弁リフ 量及び開角(開弁期間)を連続的に変更する 1弁作動特性可変機構と、吸気弁を駆動する ムの、クランク軸回転角度を基準とした作 位相を連続的に変更する第2弁作動特性可変 機構とを有する弁作動特性可変装置20を備え いる。ECU5は、弁作動特性可変装置20にリフ 量制御信号及び作動位相制御信号を供給し 吸気弁の作動制御を行う。第1及び第2弁作 特性可変機構の構成は、それぞれ例えば特 2008-25418号公報及び特開2000-227013号公報に示 れている。

 ECU5は、各種センサからの入力信号波形を 整形し、電圧レベルを所定レベルに修正し、 アナログ信号値をデジタル信号値に変換する 等の機能を有する入力回路、中央演算処理ユ ニット(以下「CPU」という)、該CPUで実行され 各種演算プログラム及び演算結果等を記憶 る記憶回路(メモリ)、燃料噴射弁6及び点火 ラグ7に駆動信号を供給する出力回路等から 構成される。

 次に本実施形態におけるノッキング判定 法の概要を説明する。図2(a)は、ノックセン サ11の出力信号波形を示し、図2(b)は、同図(a) の期間TSの波形を拡大して示す図である。本 施形態では、サンプリング周期20マクロ秒 検出される50個のデータを対象として、高速 フーリエ変換による周波数成分分析を行う。 その周波数成分分析の結果が図2(c)に示され いる。図2(c)の縦軸はエネルギ強度PSであり 本実施形態では、5kHzから25kHzまでの周波数 域における1kHz毎の周波数(5,6,7,…,24,25kHz)に 応するエネルギ強度PSが、クランク角度6度 に算出される。

 これにより、周波数成分の時系列データ 図3(a)に示すように2次元マトリクス(以下「 ペクトル時系列マップ」という)として算出 される。スペクトル時系列マップは縦方向が 周波数f[kHz]であり、横方向がクランク角度( 焼行程が開始する上死点後のクランク角度)C A[deg]である。ここで、縦方向及び横方向のイ ンデクスとしてそれぞれ「j」(j=0~20)及び「i (i=0~14)を用い、スペクトル時系列マップの要 素を強度パラメータKMAP(j,i)と表示する。例え ば強度パラメータKMAP(0,0)は、左下端の「34」 強度パラメータKMAP(0,14)は右下端の「31」、 度パラメータKMAP(20,0)は左上端の「56」、強 パラメータKMAP(20,14)は右上端の「30」に相当 する。なお強度パラメータKMAPは相対強度を す無次元量である。

 図3(a)のスペクトル時系列マップを二値化 すると図3(b)の二値化スペクトル時系列マッ が得られる。図3(b)のマップの要素である二 化強度パラメータNKMAP(j,i)は、強度パラメー タKMAP(j,i)が「50」以上であるとき「1」、「50 未満であるとき「0」をとる。

 図3(b)に示す二値化スペクトル時系列マッ プは、図30に破線で示すノッキングが発生し ときに得られるマップである。一方図30に 線で示す着座ノイズの二値化スペクトル時 列マップは、図4に示すようになり、図3(b)に 示すノッキング発生時のマップと明確に相違 するため、着座ノイズをノッキング発生と誤 判定することがなく、正確なノッキング判定 を行うことができる。

 本実施形態ではさらに、ノッキングが発 していないと判定されたときの二値化スペ トル時系列マップに基づいて、ノイズに対 する二値化スペクトル時系列マップ(以下単 に「二値化ノイズマップ」という)を学習演 により生成し、二値化ノイズマップ上のノ ズ学習値を、検出データから算出される二 化スペクトル時系列マップ上の対応する値 ら差し引くことにより、ノイズの影響を除 するようにしている。

 図5(a)は、学習演算により得られた二値化 ノイズマップの一例を示す図であり、クラン ク角度6度のタイミングで6~25kHzの帯域でノイ 成分が表れている。図5(b)は、図3(b)に示す 値化スペクトル時系列マップから図5(a)に示 ノイズ成分を減算することによりノイズ除 処理を行った後の二値化スペクトル時系列 ップを示す。このようにノイズ除去処理を うことにより、ノイズの影響を除き、より 確な判定が可能となる。

 また本実施形態では、検出データから得 れる二値化スペクトル時系列マップを、図6 (a)に示すマスタパターンマップと比較するこ とにより、ノッキングが発生したか否かを判 定するようにしている。マスタパターンマッ プは、ノッキングが発生したときに得られる 典型的な二値化スペクトル時系列マップに相 当するものである。

 上記比較は具体的には以下のように行わ る。二値化スペクトル時系列マップ上の二 化強度パラメータNKMAP(j,i)と、マスタパター ンマップ上のマスタパラメータMMAP(j,i)との積 を積算することにより、強度積算値SUMKを算 し、マスタパラメータMMAP(j,i)そのものの積 値である基準積算値SUMMを算出し、基準積算 SUMMに対する強度積算値SUMKの比率として適 率PFIT(=SUMK/SUMM)を算出する。そして、適合率P FITが判定閾値SLVLを超えるとノッキングが発 したと判定する。

 図6(b)は、図5(b)に示す二値化強度パラメ タNKMAP(j,i)と、図6(a)に示すマスタパターンマ ップ上のマスタパラメータMMAP(j,i)との積(NKMAP (j,i)×MMAP(j,i))のマップを示す。この例では、 6(b)の積マップは、図5(b)に示すもとのマッ と全く同一となり、適合率PFITは、「0.863」 なる。

 なお、後述する実際のノッキング判定処 においては、上記強度積算値SUMK及び基準積 算値SUMMを算出する際にエンジン運転状態に じた重み付けを行うようにしている。この み付けを行うための重み付けパラメータWMAP( j,i)が設定されている重み付けマップの一例 図7に示す。図7に示す重み付けマップは、周 波数6kHzの成分についてクランク角12度から72 までのパラメータ値、周波数10kHzの成分に いてクランク角36度から66度までのパラメー 値、並びに周波数11kHz、13kHz、15kHz、及び20kH zの成分についてクランク角12度から30度まで パラメータ値に対して重みが付けられるよ に設定されている。

 図7に示すような重み付けマップによる重 み付けは、エンジン運転状態に依存して二値 化スペクトル時系列マップの周波数に対する 特性が変化することを補償するために行われ るものである。エンジン運転状態に応じて重 み付けを行うことにより、エンジン運転状態 の変化に拘わらず正確な判定を行うことが可 能となる。

 本実施形態におけるノックセンサ出力VS サンプリング周期は20マイクロ秒とし、50個 サンプリング値を用いて周波数成分分析を う。これにより、25kHzまでの周波数成分を1k Hz間隔で算出することが可能となる。なお、 ランク軸が6度回転するのに要する時間TD6は 、エンジン回転数NEが1000rpmのとき1ミリ秒で り50個のサンプリング値が得られる。また例 えばエンジン回転数NEが2000rpmのときは時間TD6 が500マイクロ秒となり、サンプリングデータ の数は25となるので、周波数成分分析は、直 に検出された、クランク角12度分のサンプ ング値を用いてクランク角6度毎に行われる

 周波数成分分析(高速フーリエ変換)は、 示しない処理において実行され、クランク 度6度毎に、演算の結果得られる周波数毎の 度値STFT(k)(k=0~(KN-1))がECU5の記憶回路(RAM)に格 納される。KNは、上死点後6度から90度までの ランク角度範囲で得られる強度値の数であ 、本実施形態では315(図3~6に示すマップ上の データ数)である。

 図8は、上述した手法によりノッキング判 定を行う処理のフローチャートであり、この 処理はECU5のCPUでTDCパルスの発生に同期して 行される。

 ステップS11では、図10に示す二値化デー マップ算出処理を実行し、上述した二値化 ペクトル時系列マップの算出を行う。ステ プS12では、図13に示すノイズ除去処理を実行 し、図5(a)に例示するような二値化ノイズマ プを用いてノイズ成分を除去する処理を行 。

 ステップS13では、図14に示す適合率算出 理を実行し、ノイズ成分が除去された二値 スペクトル時系列マップと、マスタパター マップとを用いて適合率PFITを算出する。

 ステップS14では、エンジン回転数NE及び 気圧PBAに応じて例えば図9に示すように設定 れたSLVLマップを検索し、判定閾値SLVLを算 する。SLVLマップに設定されている格子点以 のエンジン回転数NE及び吸気圧PBAについて 、補間演算により判定閾値SLVLを算出する。

 ステップS15では、ステップS13で算出され 適合率PFITが判定閾値SLVLより大きいか否か 判別し、その答が肯定(YES)であるときは、ノ ッキングが発生したと判定し、ノッキングフ ラグFKNOCKを「1」に設定する(ステップS16)。

 ステップS15でPFIT≦SLVLであるときは、ノ キングは発生していないと判定し、ノッキ グフラグFKNOCKを「0」に設定する(ステップS17 )。次いで図16に示すノイズ学習処理を実行し 、二値化ノイズマップ(図5(a)参照)の更新を行 う。

 図10は、図8のステップS11で実行される二値 データマップ算出処理のフローチャートで る。
 ステップS21では、クランク角インデクスi, 波数インデクスj,及びメモリアドレスインデ クスkをいずれも「0」に初期化する。ステッ S22では、周波数インデクスjが周波数データ 数JN(本実施形態では21)から「1」を減算した より大きいか否かを判別する。最初はこの は否定(NO)であるので、ステップS23に進み、 ランク角インデクスiがクランク角データ数 IN(本実施形態では15)から「1」を減算した値 り大きいか否かを判別する。

 最初はステップS23の答も否定(NO)であるので 、メモリアドレスインデクスkを下記式(1)に り算出する(ステップS24)。したがって、メモ リアドレスインデクスkは、クランク角イン クスi及び周波数インデクスjの増加に伴って 、0から(JN×IN-1)まで変化する。
 k=i+j×IN                (1)

 ステップS25では、強度パラメータKMAP(j,i) 、メモリに格納されている強度値STFT[k]に設 定し、ステップS26では、図11に示す二値化処 を実行する。次いでクランク角インデクスi を「1」だけインクリメントする(ステップS27) 。

 図11のステップS31では、エンジン回転数NE 及び吸気圧PBAに応じて図12に示すBLVLマップを 検索し、二値化閾値BLVLを算出する。BLVLマッ は、エンジン回転数NEが増加するほど二値 閾値BLVLが増加し、かつ吸気圧PBAが増加する ど二値化閾値BLVLが増加するように設定され ている。ラインL1で示される設定値は、第1所 定吸気圧PBA1(例えば53kPa(400mmHg))から第2所定吸 気圧PBA2(例えば80kPa(600mmHg))の範囲で適用され 。ラインL2及びL3は、それぞれ第3所定吸気 PBA3(例えば93kPa(700mmHg))及び第4所定吸気圧PBA4( 例えば107kPa(800mmHg))に対応する。

 ステップS32では、強度パラメータKMAP(j,i) 二値化閾値BLVLより大きいか否かを判別し、 その答が肯定(YES)であるときは、二値化強度 ラメータNKMAP(j,i)を「1」に設定する(ステッ S33)。一方、ステップS32でKMAP(j,i)≦BLVLであ ときは、二値化強度パラメータNKMAP(j,i)を「0 」に設定する(ステップS34)。

 図10に戻り、ステップS23の答が否定(NO)で る間はステップS24~S27を繰り返し実行し、ク ランク角インデクスiが(IN-1)を超えると、ス ップS28に進み、クランク角インデクスiを「0 」に戻すとともに、周波数インデクスjを「1 だけインクリメントし、ステップS22に戻る

 ステップS22の答が否定(NO)である間は、ス テップS23~S28を繰り返し実行し、周波数イン クスjが(JN-1)を超えると、本処理を終了する

 図10の処理により、メモリに格納されて る、周波数成分分析の結果として得られた 度値STFT[k]が、図3(a)に示すスペクトル時系列 マップの形式に変換されるとともに、強度パ ラメータKMAP(j,i)の二値化が行われ、二値化強 度パラメータNKMAP(j,i)が算出される。すなわ 、図3(b)に示す二値化スペクトル時系列マッ が生成される。

 図13は、図8のステップS12で実行されるノイ 除去処理のフローチャートである。
 ステップS41では、クランク角インデクスi及 び周波数インデクスjをともに「0」に初期化 る。ステップS42では、周波数インデクスjが 周波数データ数JNから「1」を減算した値より 大きいか否かを判別する。最初はこの答は否 定(NO)であるので、ステップS43に進み、クラ ク角インデクスiがクランク角データ数INか 「1」を減算した値より大きいか否かを判別 る。

 最初はステップS43の答も否定(NO)であるので 、下記式(2)により二値化強度パラメータNKMAP( j,i)を補正し、補正二値化強度パラメータJKMAP (j,i)を算出する。式(2)のNNMAP(j,i)は、学習処理 により更新される二値化ノイズマップ上の二 値化ノイズパラメータである。
 JKMAP(j,i)=NKMAP(j,i)-NNMAP(j,i)     (2)

 ステップS45では、補正二値化強度パラメ タJKMAP(j,i)が負の値であるか否かを判別し、 その答が否定(NO)であるときは直ちにステッ S47に進む。JKMAP(j,i)<0であるときは、JKMAP(j, i)を「0」に設定し(ステップS46)、ステップS47 進む。

 ステップS47ではクランク角インデクスiを 「1」だけインクリメントし、ステップS43に る。ステップS43の答が否定(NO)である間はス ップS44~S47を繰り返し実行し、クランク角イ ンデクスiが(IN-1)を超えると、ステップS48に み、クランク角インデクスiを「0」に戻すと ともに、周波数インデクスjを「1」だけイン リメントし、ステップS42に戻る。ステップS 42の答が否定(NO)である間は、ステップS43~S48 繰り返し実行し、周波数インデクスjが(JN-1) 超えると、本処理を終了する。

 図13の処理により、ノイズが除去された 正二値化強度パラメータJKMAP(j,i)が得られる( 図5(b)参照)。

 図14は、図8のステップS13で実行される適合 算出処理のフローチャートである。
 ステップS51では、エンジン回転数NE及び吸 圧PBAに応じてマスタパターンマップを選択 、ステップS52では、エンジン回転数NE及び吸 気圧PBAに応じて重み付けマップを選択する。 重み付けマップは、エンジン運転状態に依存 して二値化スペクトル時系列マップの周波数 に対する特性が変化することを補償するため に設けられている。エンジン回転数NEまたは 気圧PBA(エンジン負荷)が変化すると、燃焼 内の温度が変化し、二値化スペクトル時系 マップが変化する。したがって、エンジン 転数NE及び吸気圧PBAに応じてマスタパターン マップ及び重み付けマップを選択することに より、エンジン運転状態の変化に拘わらず正 確な判定を行うことが可能となる。

 本実施形態では、図15に示すようにエン ン回転数NE及び吸気圧PBAにより定義される9 のエンジン運転領域に対応して、9個のマス パターンマップ及び9個の重み付けマップが 予め設定されており、ステップS51では9個の スタパターンマップうちの1つが選択され、 テップS52では、9個の重み付けマップのうち の1つが選択される。図15において低回転領域 は例えばエンジン回転数NEが2000rpm以下の領域 とされ、中回転領域は2000rpmから4000rpmまでの 域とされ、高回転領域は4000rpmを超える領域 とされる。また低負荷領域は例えば吸気圧PBA が67kPa(500mmHg)以下の領域とされ、中負荷領域 67kPaから93kPa(700mmHg)までの領域とされ、高負 荷領域は93kPaを超える領域とされる。

 ステップS53では、クランク角インデクスi 及び周波数インデクスjをともに「0」に初期 するとともに、強度積算値SUMK及び基準積算 値SUMMを「0」に初期化する。強度積算値SUMK及 び基準積算値SUMMは、後述するステップS57で 新され、ステップS60で適合率PFITの算出に適 される。

 ステップS54では、周波数インデクスjが周 波数データ数JNから「1」を減算した値より大 きいか否かを判別する。最初はこの答は否定 (NO)であるので、ステップS55に進み、クラン 角インデクスiがクランク角データ数INから 1」を減算した値より大きいか否かを判別す 。

 最初はステップS55の答も否定(NO)であるので 、ステップS56に進み、下記式(3)及び(4)により 、重み付けマスタパラメータMMW及び重み付け 積パラメータKMWを算出する。下記式のWMAP(j,i) は、重み付けマップに設定されている重み付 けパラメータである。重み付け積パラメータ KMWは、マスタパラメータMMAP(j,i)と補正二値化 強度パラメータJKMAP(j,i)との積を、重み付け ラメータWMAP(j,i)によって重み付けしたもの ある。
 MMW=MMAP(j,i)×WMAP(j,i)            (3)
 KMW=MMAP(j,i)×JKMAP(j,i)×WMAP(j,i)    (4)

 ステップS57では、下記式(5)及び(6)により、 み付けマスタパラメータMMW及び重み付け積 ラメータKMWを積算し、基準積算値SUMM及び強 度積算値SUMKを算出する。
 SUMM=SUMM+MMW                 (5)
 SUMK=SUMK+KMW                 (6)

 ステップS58では、クランク角インデクスiを 「1」だけインクリメントし、ステップS55に る。ステップS55の答が否定(NO)である間はス ップS56~S58を繰り返し実行し、クランク角イ ンデクスiが(IN-1)を超えると、ステップS59に み、クランク角インデクスiを「0」に戻すと ともに、周波数インデクスjを「1」だけイン リメントし、ステップS54に戻る。ステップS 54の答が否定(NO)である間は、ステップS55~S59 繰り返し実行し、周波数インデクスjが(JN-1) 超えると、ステップS60に進み、下記式(7)に り適合率PFITを算出する。
 PFIT=SUMK/SUMM                (7)

 図16は、図8のステップS18で実行されるノイ 学習処理のフローチャートである。
 ステップS71では、クランク角インデクスi、 周波数インデクスj、加算学習パラメータLK、 及び減算学習パラメータLMをいずれも「0」に 初期化する。ステップS72では、周波数インデ クスjが周波数データ数JNから「1」を減算し 値より大きいか否かを判別する。最初はこ 答は否定(NO)であるので、ステップS73に進み クランク角インデクスiがクランク角データ 数INから「1」を減算した値より大きいか否か を判別する。

 最初はステップS73の答も否定(NO)であるの で、ステップS74に進み、二値化強度パラメー タNKMAP(j,i)が二値化ノイズパラメータNNMAP(j,i) 等しいか否かを判別する。この答が肯定(YES )であるときは、直ちにステップS80に進む。

 ステップS74の答が否定(NO)であって、二値 化強度パラメータNKMAP(j,i)が二値化ノイズパ メータNNMAP(j,i)と異なるときは、二値化強度 ラメータNKMAP(j,i)が二値化ノイズパラメータ NNMAP(j,i)より大きいか否かを判別する(ステッ S75)。この答が肯定(YES)であるときは、加算 習パラメータLKを「1」に設定し、減算学習 ラメータLMを「0」に設定する(ステップS76) 一方、NKMAP(j,i)<NNMAP(j,i)であるときは、加 学習パラメータLKを「0」に設定し、減算学 パラメータLMを「1」に設定する(ステップS77) 。

 ステップS78では、下記式(8)及び(9)により、 算学習パラメータLK及び減算学習パラメー LMを修正する。式(8)、(9)のDSNOISEは、例えば0. 1に設定されるノイズ学習係数である。
 LK=DSNOISE×LK                 (8)
 LM=DSNOISE×LM                 (9)

 ステップS79では、下記式(10)に加算学習パラ メータLK及び減算学習パラメータLMを適用し ノイズパラメータNMAP(j,i)を更新する。次に 明する図17の処理で、ノイズパラメータNMAP(j ,i)を二値化することにより、二値化ノイズパ ラメータNNMAP(j,i)が算出される。
 NMAP(j,i)=NMAP(j,i)+LK-LM        (10)

 ステップS80ではクランク角インデクスiを 「1」だけインクリメントし、ステップS73に る。ステップS73の答が否定(NO)である間はス ップS74~S80を繰り返し実行し、クランク角イ ンデクスiが(IN-1)を超えると、ステップS81に み、クランク角インデクスiを「0」に戻すと ともに、周波数インデクスjを「1」だけイン リメントし、ステップS72に戻る。ステップS 72の答が否定(NO)である間は、ステップS73~S81 繰り返し実行し、周波数インデクスjが(JN-1) 超えると、ステップS82に進み、図17に示す イズマップ更新処理を実行する。

 図17のステップS91では、クランク角イン クスi及び周波数インデクスjをともに「0」 初期化する。ステップS92では、周波数イン クスjが周波数データ数JNから「1」を減算し 値より大きいか否かを判別する。最初はこ 答は否定(NO)であるので、ステップS93に進み 、クランク角インデクスiがクランク角デー 数INから「1」を減算した値より大きいか否 を判別する。

 最初はステップS93の答も否定(NO)であるの で、ステップS94に進み、ノイズパラメータNMA P(j,i)がノイズ二値化閾値NLVL(例えば0.8)より大 きいか否かを判別する。この答が肯定(YES)で るときは、二値化ノイズパラメータNNMAP(j,i) を「1」に設定する(ステップS95)。一方、NMAP(j ,i)≦NLVLであるときは、二値化ノイズパラメ タNNMAP(j,i)を「0」に設定する(ステップS96)。

 ステップS97ではクランク角インデクスiを 「1」だけインクリメントし、ステップS93に る。ステップS93の答が否定(NO)である間はス ップS94~S97を繰り返し実行し、クランク角イ ンデクスiが(IN-1)を超えると、ステップS98に み、クランク角インデクスiを「0」に戻すと ともに、周波数インデクスjを「1」だけイン リメントし、ステップS92に戻る。ステップS 92の答が否定(NO)である間は、ステップS93~S98 繰り返し実行し、周波数インデクスjが(JN-1) 超えると、本処理を終了する。

 図16のステップS75でNKMAP(j,i)>NNMAP(j,i)で るときは、ステップS78でLK=0.1,LM=0となり、式 (10)により、ノイズパラメータNMAP(j,i)が「0.1 だけインクリメントされる。一方、ステッ S75でNKMAP(j,i)<NNMAP(j,i)であるときは、ステ プS78でLK=0,LM=0.1となり、式(10)により、ノイ パラメータNMAP(j,i)が「0.1」だけデクリメン される。そして、図17の処理でノイズパラメ ータNMAP(j,i)がノイズ二値化閾値NLVLより大き とき、二値化ノイズパラメータNNMAP(j,i)が「1 」に設定される一方、ノイズパラメータNMAP(j ,i)がノイズ二値化閾値NLVL以下であるときは 二値化ノイズパラメータNNMAP(j,i)が「0」に設 定される。

 図16及び図17の処理により、ノッキングが 発生していないと判定されたときの二値化強 度パラメータNKMAP(j,i)に応じて二値化ノイズ ップが更新され、例えば吸気弁の着座ノイ のように定常的に発生するノイズが二値化 イズマップに反映される。その結果、ノイ の影響を除いて高精度の判定を行うことが 能となる。

 なお、ノイズ除去処理(図8,ステップS12)を 行わずに、二値化強度パラメータNKMAPをその ま用いて適合率PFITの算出を行うようにして よい。ノイズ除去処理を行わない場合には、 ノイズの影響を受ける可能性が高くなるが、 図30を参照して説明したようにノイズと区別 てノッキングの判定を行うことができるか である。

 以上詳述したように本実施形態では、ク ンク角6度間隔でノックセンサ11の出力信号 高速フーリエ変換演算(周波数成分分析)が われ、その結果得られる、5kHz~25kHzの周波数 分の強度の時系列データであるスペクトル 系列マップが生成される。すなわち、スペ トル時系列マップの要素が二次元配列デー である強度パラメータKMAP(j,i)としてメモリ 格納される。そして、強度パラメータKMAP(j, i)を二値化することにより、二値化強度パラ ータNKMAP(j,i)が算出され、該二値化強度パラ メータNKMAP(j,i)に基づいてノッキングが発生 たか否かが判定される。二値化強度パラメ タNKMAP(j,i)には、エンジンの回転に伴う周波 成分分布の変化が反映されるので、二値化 度パラメータNKMAP(j,i)と、ノッキング発生時 に特有の変化パターンに対応するマスタパタ ーンマップ上のマスタパラメータMMAP(j,i)とを 比較することにより、ノッキングの発生を正 確に判定することができる。また周波数成分 分析の結果得られる強度パラメータKMAP(j,i)を 二値化することにより、データ量が減少する とともに時系列データの変化パターンが単純 化されるので、メモリ容量を低減するととも に演算速度を高めることができる。

 また二値化強度パラメータNKMAP(j,i)(JKMAP(j, i))が、マスタパラメータMMAP(j,i)に近い変化パ ターンを示すときに、ノッキングが発生して いる可能性が高いので、二値化強度パラメー タNKMAP(j,i)(JKMAP(j,i))とマスタパラメータMMAP(j,i )との類似性(相関性)を示すパラメータを算出 することにより、正確な判定を行うことがで きる。

 本実施形態ではこの類似性(相関性)を示 パラメータとして適合率PFITを用い、適合率P FITが判定閾値SLVLを超えたときにノッキング 発生したと判定される。適合率PFITを用いる とにより、二値化強度パラメータNKMAP(j,i)(JK MAP(j,i))とマスタパラメータMMAP(j,i)との類似性 (相関性)を比較的簡単な演算で的確に評価し 正確な判定を行うことができる。

 また二値化強度パラメータNKMAP(j,i)に基づ いて、ノイズ成分の時系列データNNMAP(j,i)が 出され、二値化強度パラメータNKMAP(j,i)がノ ズ成分の時系列データであるノイズパラメ タNNMAP(j,i)により補正され、補正二値化強度 パラメータJKMAP(j,i)に基づいてノッキング判 が行われる。したがって、上述した着座ノ ズのように定常的に表れるノイズ成分を除 してより正確な判定を行うことが可能とな 。

 また二値化強度パラメータNKMAP(j,i)(JNKMAP(j ,i))及びマスタパラメータMMAP(j,i)に対して、 波数に応じて設定された重み付けパラメー WMAP(j,i)を乗算して、適合率PFITが算出される ノッキングが発生したときに大きくなる周 数成分は予め判明しているので、その周波 の近傍の周波数に対応するパラメータに大 な重みを付けることにより、判定精度を高 ることができる。

 本実施形態では、ECU5がノッキング判定手 段、周波数成分分析手段、データ格納手段、 二値化手段、ノイズ成分算出手段、ノイズ補 正手段、及び重み付け手段を構成する。具体 的には、図8のステップS12~S18がノッキング判 手段に相当し、ステップS11(図10の処理)がデ ータ格納手段及び二値化手段に相当する。ま たステップS18がノイズ成分算出手段に相当し 、ステップS12がノイズ補正手段に相当し、図 14のステップS52及びS56が重み付け手段に相当 る。

 [第2の実施形態]
 本実施形態は、第1の実施形態におけるノッ キング判定処理(図8)を、図18に示す処理に変 したものである。以下に説明する点以外は 第1の実施形態と同一である。

 図18に示す処理では、先ず二値化する前 強度パラメータKMAPについて、ノイズ除去処 を実行して、補正強度パラメータJKMAPIを算 し(ステップS12a)、補正強度パラメータJKMAPI 二値化して、補正二値化強度パラメータJKMA Pを算出する(ステップS11b)。

 図19(a)は、本実施形態におけるスペクト 時系列マップの一例を示し、図19(b)は、本実 施形態におけるノイズマップの一例を示す図 であり、二値化されていないノイズ学習値が 設定されている。ノイズ除去処理は、図19(a) スペクトル時系列マップの各マップ値から 19(b)のノイズマップ値を減算することによ 行われ、図20(a)に示す補正スペクトル時系列 マップが得られる。そして、図20(a)の補正ス クトル時系列マップを二値化することによ 、図20(b)に示す補正二値化強度パラメータ ップが得られる。

 図21は、図18のステップS11aで実行される ータマップ算出処理のフローチャートであ 。この処理は、図10に示す二値化データマッ プ算出処理のステップS26を削除したものであ る。すなわち、強度値STFT(k)をスペクトル時 列マップの形式に変換する処理のみ行われ 。

 図22は、図18のステップS12aで実行される イズ除去処理のフローチャートである。こ 処理は、図13に示す処理のステップS44~S46を れぞれステップS44a~S46aに変更したものであ 。

 ステップS44aでは、下記式(2a)により、補正 度パラメータJKMAPIを算出する。式(2a)のNLMAP(j ,i)は、学習処理により更新されるノイズマッ プ(図19(b))上のノイズパラメータである。
 JKMAPI(j,i)=KMAP(j,i)-NLMAP(j,i)     (2a)

 ステップS45aでは、補正強度パラメータJKM API(j,i)が負の値であるか否かを判別し、その が否定(NO)であるときは直ちにステップS47に 進む。JKMAPI(j,i)<0であるときは、JKMAPI(j,i)を 「0」に設定し(ステップS46a)、ステップS47に む。

 図22の処理により図20(a)に示す補正スペク トル時系列マップが得られる。

 図23は、図18のステップS11bで実行される 値化処理のフローチャートである。この処 は図11に示す二値化処理のステップS32~S34を れぞれステップS32a~34aに変更し、さらにすべ てのマップ値について二値化を行うためのス テップS41~S43,S47及びS48(図22に示すステップと じ処理を行うステップ)を追加したものであ る。

 ステップS32aでは、補正強度パラメータJKM API(j,i)が二値化閾値BLVLより大きいか否かを判 別し、その答が肯定(YES)であるときは、補正 値化強度パラメータJKMAP(j,i)を「1」に設定 る(ステップS33a)。一方、ステップS32aでJKMAPI( j,i)≦BLVLであるときは、補正二値化強度パラ ータJKMAP(j,i)を「0」に設定する(ステップS34a )。

 図23の処理により、図20(a)に示すマップか ら図20(b)に示す補正二値化強度パラメータマ プが得られる。

 図24は、図18のステップS18aで実行される イズ学習処理のフローチャートである。こ 処理は、図16に示す処理のステップS74~S78,及 S82を削除し、ステップS79をステップS79aに変 更したものである。

 ステップS79aでは、ノイズパラメータNLMAP(j,i )の更新を行う。具体的には、ノッキングが 出されないときに得られた強度パラメータKM AP(j,i)を下記式(31)に適用し、ノイズパラメー NLMAP(j,i)を更新する。右辺のノイズパラメー タNLMAP(j,i)は、更新前のマップ値であり、DSNOI SEaは例えば「0.5」に設定されるなまし係数で ある。
 NLMAP(j,i)=NLMAP(j,i)×DSNOSEa
        +KMAP(j,i)×(1-DSNOSEa)   (31)

 なお、式(31)のなまし係数DSNOISEaは、以下に 明するようにエンジン運転状態に応じて0か ら1の範囲で変更するようにしてもよい。
 1)エンジン回転数NEが急激に上昇したとき( えばエンジン回転数の今回値NE(m)と前回値NE( m-1)との差(NE(m)-NE(m-1))が200rpm以上であるとき) 、なまし係数DSNOISEaをより小さい値に変更 る。これにより、強度パラメータの今回値KM AP(j,i)の重みを増加させ、ノイズパラメータNL MAP(j,i)の学習速度が高められる。上記「m」は 、図18の処理の実行周期で離散化した離散化 刻である。

 2)吸気弁の開弁時期CAIが急激に変化した き(例えば開弁時期の今回値CAI(m)と前回値CAI( m-1)との差の絶対値が5度以上であるとき)は、 なまし係数DSNOISEaをより小さい値に変更する

 3)吸気弁のリフト量LFTが急激に変化した き(例えばリフト量の今回値LFT(m)と前回値LFT( m-1)との差の絶対値が0.5mm以上であるとき)は なまし係数DSNOISEaをより小さい値に変更する 。

 本実施形態によれば、ノイズマップのマ プ値(NLMAP)が、二値化前の強度パラメータKMA Pを用いて更新されるので、第1の実施形態と べて、より精度の高いノイズパラメータNLMA P(j,i)が得られる。

 本実施形態では、図18のステップS11aがデ タ格納手段に相当し、ステップS12aがノイズ 補正手段に相当し、ステップS18aがノイズ成 算出手段に相当し、ステップS11bが二値化手 に相当し、ステップS13~S17がノッキング判定 手段に相当する。

 [第3の実施形態]
 本実施形態は、5kHzから25kHzまでの21個の周 数を、3個の周波数からなる7つの周波数グル ープG1~G7に分割(グループ化)し、1つサンプル イミングに対応する強度パラメータKMAPの代 表値であるグループ強度パラメータGKMAPを、 波数グループ内の最大値に設定するように たものである。このようにグループ化を最 に行うことにより、ノイズ除去処理、二値 処理、及び適合率算出処理の対象となるデ タ数が1/3に減少し、演算負荷を大幅に低減 ることができる。なお、以下に説明する点 外は、第2の実施形態と同一である。

 図25は、グループ化を説明するための図 ある。図25(a)に示すように、周波数5,6,7kHzが 波数グループG1に対応し、周波数8,9,10kHzが 波数グループG2に対応し、周波数11,12,13kHzが 波数グループG3に対応し、周波数14,15,16kHzが 周波数グループG4に対応し、周波数17,18,19kHz 周波数グループG5に対応し、周波数20,21,22kHz 周波数グループG6に対応し、周波数23,24,25kHz が周波数グループG7に対応する。各サンプル イミング(クランク角度)におけるグループ の最大値がハッチングを付して示されてい 。この最大値を抽出することにより、図25(b) に示すグループ化したスペクトル時系列マッ プが得られる。

 本実施形態では、図25(b)に示すスペクト 時系列マップを用いて、ノッキング判定が われる。図25(b)に示すスペクトル時系列マッ プの設定値を、「グループ強度パラメータGKM AP(n,i)」という。「n」は、周波数グループを すグループインデクスであり、本実施形態 は周波数グループG1からG7に対応して「0」 ら「6」の値をとる。

 図26(a)は、図25(b)と同一のマップを示し、 図26(b)は、第2の実施形態で示した学習処理に より得られるノイズマップである。図26(b)に すノイズマップの設定値を、「グループノ ズパラメータGNLMAP(n,i)」という。

 グループ強度パラメータGKMAP(n,i)からグル ープノイズパラメータGNLMAP(n,i)を減算するこ により、グループ補正強度パラメータGJKMAPI (n,i)が算出される。図26(c)は、グループ補正 度パラメータGJKMAPI(n,i)が設定されたスペク ル時系列マップを示す。

 さらにグループ補正強度パラメータGJKMAPI (n,j)を二値化することにより、二値化グルー 補正強度パラメータGJKMAP(n,j)が算出される 図26(d)は、二値化グループ補正強度パラメー タGJKMAP(n,i)が設定されたスペクトル時系列マ プを示す。またマスタパターンマップは例 ば図26(e)で与えられる。

 二値化グループ補正強度パラメータGJKMAP び図26(e)に示すマスタパターンマップに基 いて算出される適合率PFITに応じたノッキン 判定は、上述した実施形態と同様にして行 ことができる。

 図27は、本実施形態におけるノッキング 定処理のフローチャートである。図18に示す 処理にグループ化処理を行うステップS100を 加し、ステップS12a,S11b,S13~S17,S18aをそれぞれ テップS101~S108に変更したものである。

 ステップS101~S103及びS108の処理が対応する 図18のステップの処理と異なる点は、処理対 となるマップの行数が21行ではなく7行であ 点のみであるので、詳細な説明を省略する

 図28は、図27のステップS100で実行されるグ ープ化処理のフローチャートである。
 ステップS111では、クランク角インデクスi, 波数インデクスj,及びグループインデクスn すべて「0」に初期化する。ステップS112で 、周波数インデクスjが周波数データ数JNか 「1」を減算した値より大きいか否かを判別 る。最初はこの答は否定(NO)であるので、ス テップS113に進み、クランク角インデクスiが ランク角データ数INから「1」を減算した値 り大きいか否かを判別する。

 最初はステップS113の答も否定(NO)である で、ステップS114に進み、パラメータa,b,cを れぞれ周波数方向に連続する強度パラメー KMAP(j,i),KMAP(j+1,i),KMAP(j+2,i)に設定する。ステ プS115では、グループ強度パラメータGKMAP(n,i) をパラメータa,b,cの最大値に設定する。

 ステップS116ではクランク角インデクスi 「1」だけインクリメントし、ステップS113に 戻る。ステップS113の答が否定(NO)である間は テップS114~S116を繰り返し実行し、クランク インデクスiが(IN-1)を超えると、ステップS11 7に進み、クランク角インデクスiを「0」に戻 すとともに、周波数インデクスjを「3」だけ ンクリメントし、ステップS112に戻る。ステ ップS112の答が否定(NO)である間は、ステップS 113~S117を繰り返し実行し、周波数インデクスj が(JN-1)を超えると、本処理を終了する。

 図28の処理により、グループ強度パラメ タGKMAP(n,i)が設定されたスペクトル時系列マ プ(図25(b))が得られる。

 本実施形態によれば、グループ強度パラ ータGKMAPを対象として、ノイズ除去処理、 値化処理、及び適合率算出処理が行われる で、処理対象となるデータ数が減少し、演 負荷を低減することができる。

 本実施形態では、図28の処理が周波数グ ープ時系列データ生成手段に相当し、図27の ステップS108がグループノイズ成分算出手段 相当し、ステップS101がグループノイズ補正 段に相当する。

 なお本発明は上述した実施形態に限るも ではなく、種々の変形が可能である。例え 、ノックセンサ出力のサンプリング周期や 波数成分分析を行うクランク角度間隔は上 したもの(20マイクロ秒、6度)に限るもので なく、本発明の目的が達成される範囲内に いて変更可能である。また、二値化スペク ル時系列マップ(上述した実施形態では21行× 15列のマトリクスで構成)も同様に変更可能で ある。

 また上述した第1の実施形態では、補正二 値化強度パラメータJKMAP(j,i)及びマスタパラ ータMMAP(j,i)に重み付けパラメータWMAP(j,i)を 算して、適合率PFITを算出したが、重み付け ラメータWMAP(j,i)を乗算せずに、すなわち重 付けを行わずに算出するようにしてもよい

 また上述した実施形態では、判定閾値SLVL 、二値化閾値BLVL、マスタパターンマップ、 び重み付けマップをエンジン回転数NE及び吸 気圧PBAに応じて、算出または選択するように したが、予め設定された値または1つのマッ に固定しておいてもよい。

 また適合率PFITは、図29に示す処理により 出するようにしてもよい。図29に示す処理 、図14のステップS53,S56,S57,S60をステップS53a,S 56a,S57a,S57b,及び60aに変更したものである。

 ステップS53aでは、クランク角インデクス i及び周波数インデクスjを初期化するととも 、強度積算値SUMKa及び基準積算値SUMMaを「0 に初期化する。

 ステップS56aでは、補正二値化強度パラメー タJKMAP(j,i)が対応するマスタパラメータMMAP(j,i )と等しいか否かを判別し、その答が肯定(YES) であるときは、下記式(11)により、強度積算 SUMKaを更新する(ステップS57a)。
 SUMKa=SUMKa+WMAP(j,i)           (11)

 ステップS56aでJKMAP(j,i)が対応するマスタパ メータMMAP(j,i)と等しくないときは、直ちに テップS57bに進む。
 ステップS57bでは、下記式(12)により、基準 算値SUMMaを更新する。
 SUMMa=SUMMa+WMAP(j,i)           (12)

 ステップS60aでは、下記式(13)に強度積算値SU MKa及び基準積算値SUMMaを適用し、適合率PFITを 算出する。
 PFIT=SUMKa/SUMMa              (13)

 図29の処理により算出される適合率PFITも 補正二値化強度パラメータJKMAP(j,i)とマスタ パラメータMMAP(j,i)の類似性(相関性)が高いほ 、大きな値となり、類似性(相関性)を示す ラメータとして使用することができる。

 また上述した実施形態では、補正二値化強 パラメータJKMAP(j,i)とマスタパラメータMMAP(j ,i)との類似性(相関性)を示すパラメータとし 、適合度PFITを用いたが、例えば下記式(21) 算出される補正二値化強度パラメータJKMAP(j, i)とマスタパラメータMMAP(j,i)の差の絶対値の 計である差分積算値SUMDIFを用いることもで る。

 差分積算値SUMDIFは、その値が小さいほど 似性(相関性)が高いことを示すので、差分 算値SUMDIFが差分判定閾値SDLVLより小さいとき 、ノッキングが発生したと判定する。

 また上述した第3の実施形態では、グループ 強度パラメータGKMAPを
グループノイズパラメータGNLMAPにより補正す ることによりグループ補正強度パラメータGJK MAPIを算出し、グループ補正強度パラメータGJ KMAPIを二値化することにより、二値化グルー 補正強度パラメータGJKMAPを算出するように たが、第1の実施形態と同様に、グループ強 度パラメータGKMAPを二値化して二値化グルー 強度パラメータGNKMAPを算出し、二値化グル プ強度パラメータGNKMAPを二値化グループノ ズパラメータNNMAPで補正することにより二 化グループ補正強度パラメータGJKMAPを算出 るようにしてもよい。

 また上述した実施形態では、ノッキング 定を常時行うようにしているが、ノッキン の発生し難い気筒の有無を判定し、そのよ な気筒(以下「気筒CYLXK」という)が有る場合 には、気筒CYLXKの爆発行程におけるノッキン 判定処理を行わないようにしてもよい。こ によって、ノッキング判定処理の演算負荷 低減することができる。

 気筒CYLXKの選択は例えば以下のようにし 行う。エンジン回転数NEが比較的低い運転状 態で全気筒についてノッキング判定を実行し 、そのときに点火時期の遅角補正値IGKNOCKを 筒毎に算出する。そして遅角補正値IGKNOCKの 小値が所定閾値より小さい気筒を、気筒CYLX Kとして選択する。そして、エンジン回転数NE が所定回転数より高い高回転領域において、 気筒CYLXKに対応するノッキング判定処理を停 する。点火時期の遅角補正値IGKNOCKは、ノッ キングが検出されたとき、第1所定量だけ増 させ、ノッキングが検出されないときは点 時期毎に漸減することにより算出される(こ 算出手法は、例えば特開2004-353473号公報に されている)。

 また本発明は、クランク軸を鉛直方向と た船外機などのような船舶推進機用エンジ などのノッキング検出にも適用が可能であ 。