株式会社村田製作所 (〒55 京都府長岡京市東神足1丁目10番1号 Kyoto, 6178555, JP)
| 磁性層と非磁性層または低透磁率層とを積層してなる積層体の内部にコイル導体が配設された構造を有する開磁路型の積層コイル部品であって、 前記非磁性層または前記低透磁率層が、酸化ジルコニウムを含有していること を特徴とする積層コイル部品。 |
| 前記非磁性層または前記低透磁率層の酸化ジルコニウムの含有量が、0.02重量%以上、1.0重量%未満であることを特徴とする請求項1記載の積層コイル部品。 |
| 前記磁性層にも酸化ジルコニウムを含有させたことを特徴とする請求項1または2記載の積層コイル部品。 |
| 前記磁性層の酸化ジルコニウムの含有量が、1.0重量%未満であることを特徴とする請求項3記載の積層コイル部品。 |
| 前記磁性層がNi-Cu-Zn系フェライトを主成分とする材料からなるものであり、前記非磁性層または前記低透磁率層がCu-Zn系フェライトを主成分とする材料からなるものであることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の積層コイル部品。 |
本発明は、積層インダクタなどの積層コ ル部品に関し、詳しくは、磁性層と非磁性 または低透磁率層とを積層してなる積層体 内部にコイル導体が配設された構造を有す 開磁路型の積層コイル部品に関する。
複数のコイル用導体パターンと、複数の 性セラミック層とを積層することにより形 された、積層体中にコイル導体が配設され 構造を有する積層コイル部品は広く用いら ている。そして、これらの積層型コイル部 のうち、閉磁路型の積層コイル部品は、重 直流電流を徐々に大きくすると、ある電流 まではインダクタンス値が略一定もしくは やかに低下するが、その後は、磁気飽和が じて急激にインダクタンス値が低下すると う問題点がある。
そこで、このような問題点を改善するた 、磁性体セラミック層(磁性層)が積層され 積層体中に、積層方向についてみた場合の イルの中央付近に非磁性セラミック層を挿 し、開磁路型とした積層コイル部品が知ら ている(特許文献1参照)。
この特許文献1の開磁路型の積層コイル部 品は、図9に示すように、複数のコイル用導 パターン55を電気的に接続して構成した螺旋 状コイルLが、磁性体セラミック層を積層し なる積層体60中に内蔵された構造を有してい る。そして、積層体60は、螺旋状コイルLが配 設された領域であるコイル部51と、コイル部5 1の外側に積層された外層部52,53とを有してお り、積層体60の積層方向において、コイルLの 略中央の位置に非磁性セラミック層54が配置 れている。また、積層体60には、螺旋状コ ルLと導通する一対の外部電極56、57が配設さ れている。
このように構成された積層コイル部品に いては、螺旋状コイルLによって発生した磁 束φは、非磁性セラミック層54を横切ること なり、磁気飽和しにくいという特徴を有し いる。
しかしながら、上述のように、磁性体セ ミック層(磁性層)が積層された積層体60中に 、非磁性セラミック層54を挿入した開磁路型 積層コイル部品の場合、磁性層と非磁性層 を積層した積層体を焼成する工程を経て製 されるが、互いに接するように配設された 性層(磁性体セラミック層)と、非磁性層(非 性セラミック層)の焼成工程における収縮開 始温度や収縮速度などの収縮挙動が異なるこ とから、両者の界面に割れや欠け、剥離など が生じ、特性の劣化を生じるという問題点が ある。
例えば、コイル用導体パターン55が印刷 れた磁性層と、非磁性層54とを所定の順序で 積層した後、焼成する工程において、通常は 非磁性層のほうが早く焼結して収縮するため 、非磁性層54と、遅く焼結する磁性層との界 (特に磁性層側)で、割れや欠け、剥離など 生じやすいという問題点がある。
また、磁性層が積層された構造を有する 層チップ部品において、磁性体であるNi-Cu-Z n系フェライトに、酸化ジルコニウムを0.01~1.2 重量%の割合で含有させることにより、その 械的強度を向上させた積層チップ部品が提 されている(特許文献2参照)。
しかしながら、この積層チップ部品は、磁
層のみを積層した閉磁路構造のものであり
磁気飽和しやすく、直流重畳特性の向上を
るには限界があるため、積層コイル部品本
の特性の面で種々の要求に十分に応えられ
いという問題点がある。
本願発明は、上記課題を解決するもので り、磁性層と非磁性層または低透磁率層と 積層してなる積層体の内部にコイル導体が 設された構造を有する開磁路型の積層コイ 部品であって、磁性層と非磁性層または低 磁率層の界面における割れ、欠け、剥離、 るいは積層体の反りなどの発生を防止する とが可能で、磁気飽和しにくく、直流重畳 性に優れた、開磁路型の積層コイル部品を 供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願発明(請求
項1)の積層型コイル部品は、
磁性層と非磁性層または低透磁率層とを積
してなる積層体の内部にコイル導体が配設
れた構造を有する開磁路型の積層コイル部
であって、
前記非磁性層または前記低透磁率層が、酸
ジルコニウムを含有していること
を特徴としている。
また、請求項2の積層コイル部品は、請求 項1の発明の構成において、前記非磁性層ま は前記低透磁率層の酸化ジルコニウムの含 量が、0.02重量%以上、1.0重量%未満であるこ を特徴としている。
また、請求項3の積層コイル部品は、請求 項1または2記載の発明の構成において、前記 性層にも酸化ジルコニウムを含有させたこ を特徴としている。
また、請求項4の積層コイル部品は、請求 項3の発明の構成において、前記磁性層の酸 ジルコニウムの含有量が、1.0重量%未満であ ことを特徴としている。
また、請求項5の積層コイル部品は、請求 項1~4のいずれかの発明の構成において、前記 磁性層がNi-Cu-Zn系フェライトを主成分とする 料からなるものであり、前記非磁性層また 前記低透磁率層がCu-Zn系フェライトを主成 とする材料からなるものであることを特徴 している。
本願請求項1の積層コイル部品では、積層 体を構成する非磁性層または低透磁率層に、 収縮速度を遅らせる働きをする酸化ジルコニ ウムを含有させて、通常は磁性層よりも先に 焼結する非磁性層の焼結を遅らせ、磁性層と 非磁性層の収縮速度を近似させることができ るようにしているので、磁性層と非磁性層の 収縮速度の差に起因する、磁性層と非磁性層 の界面における割れ、欠け、剥離などの発生 や、積層体の反りなどの発生を抑制、防止す ることが可能になる。
したがって、磁性層と非磁性層の界面に ける割れや欠け、剥離、反りなどの欠陥が く、しかも、開磁路型の積層コイル部品の 徴である、磁気飽和しにくく、直流重畳特 が良好な積層コイル部品を提供することが 能になる。
また、請求項2のように、非磁性層または 低透磁率層の酸化ジルコニウムの含有量を、 0.02重量%以上、1.0重量%未満とすることにより 、通常は磁性層よりも先に焼結する非磁性層 の焼結を確実に遅らせて、収縮速度の差に起 因する磁性層と非磁性層の界面における割れ 、欠け、剥離などの発生や、積層体の反りな どの発生をより確実に防止することができる 。
また、請求項3の積層コイル部品のように、
磁性層にも酸化ジルコニウムを含有させるよ
うにした場合、磁性層(積層体)の強度の向上
図ることができる。そして、その場合、非
性層に対する酸化ジルコニウムの添加量を
磁性層に添加される酸化ジルコニウムの量
応じて調整することにより、磁性層と非磁
層の収縮速度を近似させることができる。
なお、磁性層にも酸化ジルコニウムを含有
せるようにした場合、通常は、非磁性層に
する酸化ジルコニウムの添加量は、磁性層
の酸化ジルコニウムの添加量よりも多くす
ことが必要になる。
また、請求項4の積層コイル部品のように 、磁性層の酸化ジルコニウムの含有量を、1.0 重量%未満とした場合、非磁性層または低透 率層の酸化ジルコニウムの含有量を、実用 問題となるほど多くすることなく、非磁性 または低透磁率層の焼結を遅らせて、収縮 度の差に起因する磁性層と非磁性層の界面 おける割れ、欠け、剥離などの発生や、積 体の反りなどの発生を防止することができ 。
また、請求項5の積層コイル部品のように 、磁性層がNi-Cu-Zn系フェライトを主成分とす 材料からなるものであり、非磁性層または 透磁率層をCu-Zn系フェライトを主成分とす 材料からなるものである場合、酸化ジルコ ウムの添加による収縮速度の制御効果を確 に得ることが可能になり、本願発明をより 効あらしめることができる。
なお、磁性層としてNi-Cu-Zn系フェライト 主成分とする材料を用いた場合、Ni-Cu-Zn系フ ェライトの焼成温度が、コイル導体用の電極 材料として通常用いられるAgの融点(960℃)よ も低いため(900℃以下)、電極材料であるAgの 散や蒸発を抑制して、低直流抵抗化(低Rdc化 )を実現することが可能になり、発熱の少な 積層コイル部品を提供することが可能にな 。
1,1a,1b 積層コイル部品
2a,2b 磁性層用セラミックグリーンシ
ト
2c 外層磁性層用セラミックグリ
ンシート
4 非磁性層(非磁性セラミック
)
4a 非磁性層用セラミックグリー
シート
5 コイル用導体
5a コイル用導体パターン
10 層間接続用ビアホール(導体)
11 積層体
11a 積層体の上側部分
11b 積層体の下側部分
20 非磁性領域
21,22 外部電極
31 磁性体セラミックを主成分と
るセラミックスラリー
32 非磁性体セラミックを主成分
するセラミックスラリー
33 セラミックグリーンシート
33a 電極形成セラミックグリーン
ート
L コイル
L1,L2 コイルの端部
φ 磁束
以下に本願発明の実施例を示して、本願 明の特徴とするところをさらに詳しく説明 る。
図1は本願発明の一実施例(実施例1)にかか る開磁路型の積層コイル部品(この実施例1で 積層インダクタ)の構成を示す断面図、図2 その斜視図である。
図1,2に示すように、この積層コイル部品1 は、開磁路型の積層コイル部品であり、磁性 層が積層された積層体11と、積層体11に内蔵 れた、複数のコイル用導体5を電気的に接続 てなる螺旋状のコイルLと、積層体11の積層 向において、コイルLの略中央の位置に配設 された非磁性層(非磁性セラミック層)4と、積 層体11の両端側に、コイルLの端部L1,L2と導通 るように配設された外部電極21,22とを備え おり、螺旋状のコイルLによって発生した磁 φが、非磁性層4を横切るように構成されて る。
そして、この実施例1の積層コイル部品1に
いては、積層体11における、非磁性層4より
側部分11aおよび下側部分11bを構成する磁性
の材料として、Ni-Cu-Zn系フェライトを主成分
とする磁性材料が用いられている。
また、積層体11の上側部分11aおよび下側部
11bの間に挿入、配設された非磁性層4の構成
料としては、Cu-Zn系フェライトを主成分と
る非磁性材料が用いられている。
そして、非磁性層4には、焼結速度を制御 する機能を果たす酸化ジルコニウムが、磁性 層と非磁性層の焼結速度が互いに近似するよ うな割合で添加されている。
具体的には、非磁性層4には、酸化ジルコ ニウムが0.05重量%となるような割合で添加さ ており、磁性層には酸化ジルコニウムは添 されていない。
その結果、焼成工程における、磁性層と 磁性層の収縮速度の差が小さく、磁性層と 磁性層の界面における割れ、欠け、剥離な の発生や、積層体の反りなどの発生がなく 開磁路型の積層コイル部品の特徴である、 気飽和しにくく、直流重畳特性が良好であ という特徴を備えた積層コイル部品を提供 ることが可能になる。
次に、この積層コイル部品1の製造方法につ
いて、図3を参照しつつ説明する。
(1)まず、Ni-Cu-Zn系フェライト粉末に、有機
または水系バインダ、可塑剤、分散材、消
材などを加え、混合することによりセラミ
クスラリーを調製した。
それから、このセラミックスラリーを、キ
リアフィルム上にコンマコーター法、ドク
ーブレード法などの方法で膜状に塗布し、
れらを乾燥させて磁性層用セラミックグリ
ンシートを作製した。
(2)同様にCu-Zn系フェライト粉末に、有機系
たは水系バインダ、可塑剤、分散材、消泡
等を加え、さらに、酸化ジルコニウムを0.05
量%となるような割合で添加し、混合するこ
とによりセラミックスラリーを調製した。
それから、このセラミックスラリーをキャ
アフィルム上にコンマコーター法、ドクタ
ブレード法などの方法で膜状に塗布し、こ
らを乾燥させて非磁性層用セラミックグリ
ンシートを作製した。
(3)次に、レーザー加工機を使用し、上記( 1)および(2)の方法で作製したセラミックグリ ンシートの所定位置にビアホールとなるべ 貫通孔を形成した。
(4)それから、セラミックグリーンシート 所定の領域に、AgあるいはAg合金を主成分と する導電性ペーストをスクリーン印刷して、 コイル導体パターンを形成した。
(5)そして、これらのセラミックグリーンシ
トを、螺旋状のコイルL(図1)が形成されるよ
うに、図3に示すような態様で、順次積層し
熱圧着した。
すなわち、この実施例1では、図3に示すよ
に、コイル用導体パターン5aおよび層間接続
用ビアホール(導体)10をそれぞれ設けた磁性
用セラミックグリーンシート2aと、コイル用
導体パターン5aおよび層間接続用ビアホール(
導体)10をそれぞれ設けた磁性層用セラミック
グリーンシート2bと、導体が設けられていな
外層磁性層用セラミックグリーンシート2c
、コイル用導体パターン5aおよび層間接続用
ビアホール(導体)10をそれぞれ設けた非磁性
用セラミックグリーンシート4aを、図3に示
ような態様で積層し、磁路ギャップを形成
るための非磁性層用のセラミックグリーン
ート4aが、積層体11の積層方向における略中
の位置に介在する積層構造体を形成し、熱
着した。
(6)次に、熱圧着した後の積層構造体を必 な形状に切断し、積層コイル部品1となる未 焼成積層体を形成した。
(7)それから、この未焼成積層体を、温度 300℃、180分間の条件で加熱して積層体に含 されているバインダ樹脂を燃焼させて除去 た後、大気中で、温度約800~900℃、150分間の 条件で焼成処理を行い、焼結済みの積層体( 結セラミック積層体)を得た。
(8)そして、焼結済みの積層体にバレル研 を施し、稜線部(コーナー部)に丸みを付け (R(アール)を付ける)加工を施した。
(9)その後、浸漬法により焼結済みの積層 11の両端に、Agを主成分とする導電性ペース トを塗布し、温度約700℃、60分間の条件で焼 け処理を行い、外部電極21,22を形成した。 れにより図1,2に示すような構造を有する積 コイル部品(積層インダクタ)1が得られる。
この実施例1の積層コイル部品1において 、上述のように、非磁性層に0.05重量%の割合 で酸化ジルコニウムを添加して、磁性層と非 磁性層の、上記熱処理工程における収縮速度 に大きな差が生じないようにしているので、 磁性層と非磁性層の界面における割れや欠け 、剥離などの発生や、積層体の反りなどの発 生を抑制、防止しつつ、磁気飽和しにくく、 直流重畳特性の良好な積層コイル部品を確実 に製造することができる。
この実施例2では、磁性層と、非磁性層の両
方に酸化ジルコニウムを添加した開磁路型の
積層コイル部品について説明する。
なお、この実施例2の積層コイル部品の構成
および製造方法は、基本的に上記実施例1の
合と同じであることから、図1,2および3に基
いて、この実施例2の積層コイル部品の構成
および製造方法について説明する。
図1,2に示すように、この積層コイル部品1 は、開磁路型の積層コイル部品であり、磁性 層が積層された積層体11と、積層体11に内蔵 れた、複数のコイル用導体5を電気的に接続 てなる螺旋状のコイルLと、積層体11の積層 向において、コイルLの略中央の位置に配設 された非磁性層(非磁性セラミック層)4と、積 層体11の両端側に、コイルLの端部L1,L2と導通 るように配設された外部電極21,22とを備え おり、螺旋状のコイルLによって発生した磁 φが、非磁性層4を横切るように構成されて る。
そして、この実施例2の積層コイル部品1に
いては、積層体11における、非磁性層4より
側部分11aおよび下側部分11bを構成する磁性
の材料として、Ni-Cu-Zn系フェライトを主成分
とする磁性材料が用いられている。
また、積層体11の上側部分11aおよび下側部
11bの間に挿入、配設された非磁性層4の構成
料としては、Cu-Zn系フェライトを主成分と
る非磁性材料が用いられている。
そして、非磁性層4より上側部分11aおよび 下側部分11bを構成する磁性層および非磁性層 4には、焼結速度を制御する機能を果たす酸 ジルコニウムが、磁性層と非磁性層の焼結 度が互いに近似するような割合で添加され いる。
具体的には、磁性層には、酸化ジルコニウ
が0.01重量%となるような割合で添加されて
る。
また、非磁性層には、酸化ジルコニウムが0
.03重量%となるような割合で添加されている
その結果、焼成工程における、磁性層と 磁性層の収縮速度の差が小さく、磁性層と 磁性層の界面における割れ、欠け、剥離な の発生や、積層体の反りなどの発生がなく 開磁路型の積層コイル部品の特徴である、 気飽和しにくく、直流重畳特性が良好であ という特徴を備えた積層コイル部品を提供 ることが可能になる。
次に、この積層コイル部品1の製造方法につ
いて、図3を参照しつつ説明する。
(1)まず、Ni-Cu-Zn系フェライト粉末に、有機
または水系バインダ、可塑剤、分散材、消
材などを加え、さらに酸化ジルコニウムを0.
01重量%となるような割合で添加し、混合する
ことによりセラミックスラリーを調製した。
それから、このセラミックスラリーを、キ
リアフィルム上にコンマコーター法、ドク
ーブレード法などの方法で膜状に塗布し、
れらを乾燥させて磁性層用セラミックグリ
ンシートを作製した。
(2)同様にCu-Zn系フェライト粉末に、有機系
たは水系バインダ、可塑剤、分散材、消泡
等を加え、さらに、酸化ジルコニウムを0.03
量%となるような割合で添加し、混合するこ
とによりセラミックスラリーを調製した。
それから、このセラミックスラリーをキャ
アフィルム上にコンマコーター法、ドクタ
ブレード法などの方法で膜状に塗布し、こ
らを乾燥させて非磁性層用セラミックグリ
ンシートを作製した。
(3)次に、レーザー加工機を使用し、上記( 1)および(2)の方法で作製したセラミックグリ ンシートの所定位置にビアホールとなるべ 貫通孔を形成した。
(4)それから、セラミックグリーンシート 所定の領域に、AgあるいはAg合金を主成分と する導電性ペーストをスクリーン印刷して、 コイル導体パターンを形成した。
(5)そして、これらのセラミックグリーンシー
トを、螺旋状のコイルL(図1)が形成されるよ
に、図3に示すような態様で、順次積層し、
圧着した。
すなわち、この実施例2では、図3に示すよ
に、コイル用導体パターン5aおよび層間接続
用ビアホール(導体)10をそれぞれ設けた磁性
用セラミックグリーンシート2aと、コイル用
導体パターン5aおよび層間接続用ビアホール(
導体)10ををそれぞれ設けた磁性層用セラミッ
クグリーンシート2bと、導体が設けられてい
い外層磁性層用セラミックグリーンシート2
cと、コイル用導体パターン5aおよび層間接続
用ビアホール(導体)10をそれぞれ設けた非磁
層用セラミックグリーンシート4aを、図3に
すような態様で積層し、磁路ギャップを形
するための非磁性層用のセラミックグリー
シート4aが、積層体11の積層方向における略
央の位置に介在する積層構造体を形成し、
圧着した。
(6)次に、熱圧着した後の積層構造体を必 な形状に切断し、積層コイル部品1となる未 焼成積層体を形成した。
(7)それから、この未焼成積層体を、温度 300℃、180分間の条件で加熱して積層体に含 されているバインダ樹脂を燃焼させて除去 た後、大気中で、温度800~900℃、150分間の条 件で焼成処理を行い、焼結済みの積層体(焼 セラミック積層体)を得た。
(8)そして、焼結済みの積層体にバレル研 を施し、稜線部(コーナー部)に丸みを付け (R(アール)を付ける)加工を施した。
(9)その後、浸漬法により焼結済みの積層 11の両端に、Agを主成分とする導電性ペース トを塗布し、温度約700℃、60分間の条件で焼 け処理を行い、外部電極21,22を形成した。 れにより図1,2に示すような構造を有する積 コイル部品(積層インダクタ)1が得られる。
この実施例2の積層コイル部品1においては
上述のように、磁性層に0.01重量%、非磁性層
に0.03重量%の割合で酸化ジルコニウムを添加
て、磁性層と非磁性層の、上記熱処理工程
おける収縮速度に大きな差が生じないよう
しているので、磁性層と非磁性層の界面に
ける割れや欠け、剥離などの発生や、積層
の反りなどの発生を抑制、防止しつつ、磁
飽和しにくく、直流重畳特性の良好な積層
イル部品を確実に製造することができる。
また、磁性層にも酸化ジルコニウムを添加
ていることから、機械的強度の大きい積層
イル部品を得ることができる。
[評価]
また、上記実施例1および実施例2に示した
成を有する積層コイル部品において、磁性
中の酸化ジルコニウムの含有率を0.00重量%(
添加)、0.01重量%、0.1重量%、0.5重量%、1.0重量
%の範囲で変化させるとともに、非磁性層中
酸化ジルコニウムの含有量を0.00重量%(無添
)~2.0重量%の範囲(図4および図5参照)で変化さ
て、積層体の割れの発生割合を調べた。そ
結果を、図4および図5に示す。
図4および図5に示すように、磁性層中の 化ジルコニウムが1.0重量%以上になると、上 範囲で非磁性層中の酸化ジルコニウムの量 変化させた場合のいずれの条件でも割れの 生が認められ、好ましくないことが確認さ た。
一方、非磁性層中の酸化ジルコニウムを0 .02重量%以上、1.0重量%未満とすることにより 磁性層中の酸化ジルコニウムを1.0重量%未満 とした場合に、積層体の割れの発生を効率よ く、抑制、防止できることが確認された。
この結果より、本願発明における磁性層お
び非磁性層中の酸化ジルコニウムの割合は
磁性層では1.0重量%未満、非磁性層では0.02
量%以上、1.0重量%未満とすることが望ましい
ものと考えられる。
なお、上記の各実施例に示すNi-Cu-Zn系フェ
イト材料のみを用いた焼結体を構成し、そ
酸化ジルコニウムの含有量を調べたところ
焼結前のスラリーに含有されている酸化ジ
コニウムの含有量と大差のないことが確認
れた。また、同様に、上記の各実施例に示
Cu-Zn系フェライト材料のみを用いた焼結体を
構成し、その酸化ジルコニウムの含有量を調
べたところ、焼結前のスラリーに含有されて
いる酸化ジルコニウムの含有量と大差のない
ことが確認された。
図6は、本願発明のさらに他の実施例(実施
3)にかかる積層コイル部品(積層インダクタ)
示す断面図である。
この積層コイル部品1aは、図6に示すように
内部に螺旋状のコイルLが配設された、磁性
層が積層されてなる積層体11に、積層方向に
定の間隔をおいて2層の非磁性層4が配設さ
た構造を有する開磁路型の積層コイル部品(
層インダクタ)である。
そして、この実施例3の積層コイル部品にお
いても、積層体11を構成する磁性層および非
性層4には、焼結速度を制御する機能を果た
す酸化ジルコニウムが、磁性層と非磁性層の
焼結速度を互いに近似させることが可能な割
合で添加されている。
具体的には、磁性層には、酸化ジルコニウ
が0.01重量%となるような割合で添加されて
り、非磁性層には、酸化ジルコニウムが0.03
量%となるような割合で添加されている。
なお、この実施例3の積層コイル部品1aの その他の部分の基本的な構成は実施例1,2の 合と同様であり、実施例1,2の場合と同様の 法で製造することが可能であり、図6におい て、図1~3と同一符号を付した部分は図1~3と同 一または相当する部分を示す。
この実施例3の積層コイル部品1aにおいて 、焼成工程における、磁性層と非磁性層の 縮速度の差が小さいため、磁性層と非磁性 の界面における割れ、欠け、剥離の発生や 積層体の反りなどの発生を抑制、防止しつ 、開磁路型の積層コイル部品の特徴である 磁気飽和しにくく、直流重畳特性の良好な 層コイル部品を提供することができる。
特に、この実施例3の積層コイル部品1aの うに、非磁性層4を2層配設することにより 非磁性層4を一層とした実施例1および2の積 コイル部品の場合に比べて、磁界がより多 コイルLの外部に漏れるようにすることが可 になり、さらに効率よく磁気飽和を緩和す ことができる。
図7は、本願発明のさらに他の実施例(実施
4)にかかる積層コイル部品(積層インダクタ)
示す断面図である。
この実施例4の積層コイル部品1bは、図7に示
すように、内部に螺旋状のコイルLが配設さ
た、磁性層が積層されてなる積層体11の、コ
イルLを構成するコイル導体5を取り囲むよう
、非磁性層からなる非磁性領域20が配設さ
た構造を有する、開磁路型の積層コイル部
(積層インダクタ)である。
この実施例4の積層コイル部品のように、 コイル導体5を取り囲むように、コイル導体5 周囲に非磁性層からなる非磁性領域20を配 するようにした場合にも、磁路の磁気抵抗 増加させて、磁気飽和しにくく、直流重畳 性に優れた、開磁路型の積層コイル部品を ることができる。
なお、この実施例4の積層コイル部品は、 例えば、図8(a)に示すように、中央部と、周 部に、磁性体セラミックを主成分とするセ ミックスラリー31を印刷し、磁性体セラミッ クを主成分とするセラミックスラリー31が印 されていない環状の領域に、図8(b)に示すよ うに、非磁性体セラミックを主成分とするセ ラミックスラリー32を印刷し、形成されたセ ミックグリーンシート33上にコイル導体パ ーン5aを印刷した電極形成セラミックグリー ンシート33aを用意し、この電極形成セラミッ クグリーンシート33aを所定の順序で積層し、 その上下両側に、全面が磁性層からなり、コ イル導体パターンの形成されていない外層用 セラミックグリーンシートを積層して積層体 を形成する工程を経て製造することができる 。
なお、上記の各実施例にかかる積層コイ 部品は、上述のように、いずれもセラミッ グリーンシートを積層する工程を備えたい ゆるシート積層工法により製造することが 能であるが、磁性体セラミックスラリー、 磁性体セラミックスラリー、および電極ペ ストを用意し、これらを、各実施例で示し ような構成を有する積層体が形成されるよ に印刷してゆく、いわゆる逐次印刷工法に っても製造することが可能である。
さらに、例えば、キャリアフィルム上に ラミックスラリーを印刷(塗布)することに り形成されたセラミック層をテーブル上に 写し、その上に、キャリアフィルム上に電 ペーストを印刷(塗布)することにより形成さ れた電極ペースト層を転写し、これを繰り返 して、各実施例で示したような構成を有する 積層体を形成する、いわゆる逐次転写工法に よっても製造することが可能である。
本願発明の積層コイル部品は、さらに他の
法によっても製造することが可能であり、
の具体的な製造方法に特別の制約はない。
そして、いずれの方法を用いる場合にも、
述のような本願発明に特有の作用効果を得
ことが可能である。
また、上記の各実施例では、1個ずつ積層 コイル部品を製造する場合(個産品の場合)を にとって説明しているが、量産する場合に 、多数のコイル導体パターンをマザーセラ ックグリーンシートの表面に印刷し、この ザーセラミックグリーンシートを複数枚積 圧着して未焼成の積層体ブロックを形成し 後、積層体ブロックをコイル導体パターン 配置に合わせてカットし、個々の積層コイ 部品用の積層体を切り出す工程を経て多数 の積層コイル部品を同時に製造する、いわ る多数個取りの方法を適用して製造するこ が可能である。
また、上記各実施例では、積層コイル部 が積層インダクタである場合を例にとって 明したが、本願発明は、積層インピーダン 素子や積層トランスなど種々の開磁路型の 層コイル部品に適用することが可能である
また、上記各実施例では、磁性層と非磁 層とが積層された構造を有する積層コイル 品を例にとって説明したが、非磁性層の全 あるいは一部が低透磁率層である場合にも 願発明を適用することが可能であり、その 合にも、上記各実施例の場合に準じる作用 果を得ることができる。
本願発明はさらにその他の点においても 記実施例に限定されるものではなく、非磁 層の配設態様、コイル導体の具体的な構成 磁性層および非磁性層を構成する材料など 関し、発明の範囲内において種々の応用、 形を加えることができる。
上述のように、本願発明によれば、磁性層
非磁性層また低透磁率層の界面における割
、欠け、剥離などの発生や、積層体の反り
どの発生を抑制、防止することが可能で、
気飽和しにくく、直流重畳特性に優れた、
頼性の高い開磁路型の積層コイル部品を確
に得ることが可能になる。
したがって、本願発明は、磁性層と、非磁
層または低透磁率層とを積層してなる積層
と、その内部に配設されたコイル導体とを
えた、開磁路型の積層コイル部品の分野に
く適用することができる。
