KAWABATA TOSHIO (JP)
JP3251370B2 | 2002-01-28 | |||
JPH0982568A | 1997-03-28 | |||
JPH04284612A | 1992-10-09 | |||
JPH01196113A | 1989-08-07 |
第1の材料からなる第1の絶縁層と、 前記第1の材料とは異なる第2の材料からなる第2の絶縁層と、 前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層との間に設けられ、かつ、前記第1の材料からなる第1の部分層及び前記第2の材料からなる第2の部分層により構成された境界層と、 を備え、 前記第1の部分層と前記第2の部分層とは、積層方向から見たときに隣接するように設けられていること、 を特徴する積層型電子部品。 |
前記第1の部分層は、前記第1の絶縁層に接触している面積よりも前記第2の絶縁層に接触している面積が大きくなるように設けられていること、 を特徴とする請求の範囲第1項に記載の積層型電子部品。 |
前記境界層は、 前記第1の絶縁層側に設けられた第1の境界層と、 前記第2の絶縁層側に設けられた第2の境界層と、 を含み、 前記第2の境界層に設けられている前記第1の部分層の面積は、前記第1の境界層に設けられている前記第1の部分層の面積よりも大きいこと、 を特徴とする請求の範囲第2項に記載の積層型電子部品。 |
前記第1の絶縁層は、複数層積層されて、第1の積層体を構成しており、 前記第2の絶縁層は、複数層積層されて、第2の積層体を構成していること、 を特徴とする請求の範囲第1項ないし請求の範囲第3項のいずれかに記載の積層型電子部品。 |
前記第1の積層体及び前記第2の積層体は、コイルを含むこと、 を特徴とする請求の範囲第4項に記載の積層型電子部品。 |
前記第1の部分層と前記第2の部分層とは、前記境界層内において、市松模様状に配置されていること、 を特徴とする請求の範囲第1項ないし請求の範囲第5項のいずれかに記載の積層型電子部品。 |
本発明は、積層型電子部品に関し、第1の 絶縁層と第2の絶縁層とが積層されてなる積 型電子部品に関する。
インダクタンスを含んだ積層型電子部品 は、種々の周波数特性を有するものが提案 れている。例えば、特許文献1では、コイル を含む高透磁率の磁性体層からなる積層体と 、コイルを含む低透磁率の磁性体層からなる 積層体とからなる積層型インダクタが提案さ れている。該積層型インダクタによれば、低 周波で急峻なインピーダンス特性を得ること ができ、かつ、高周波でも高インピーダンス を得ることができる。
しかしながら、特許文献1に記載の積層型 インダクタでは、層間剥離(デラミネーショ )が発生するという問題がある。より詳細に 、該積層型インダクタでは、異なる材料か なる積層体同士が重ね合わされているので 積層体同士の結合力が弱い。そのため、積 体間において層間剥離が発生し易い。
ところで、特許文献2には、非磁性フェライ
トを含有する中間層を設けることにより、異
なる材料同士の界面において、CuやCu酸化物
ZnやZn酸化物等が析出することを防止する複
積層部品が記載されている。しかしながら
特許文献2において、異なる材料同士の界面
において発生する層間剥離を防止することに
ついては言及されていない。
そこで、本発明の目的は、異なる材料か なる層同士が接合された積層型電子部品で って、異なる材料からなる層同士の接合部 おいて層間剥離が発生することを抑制でき 積層型電子部品を提供することである。
本発明は、積層型電子部品において、第1 の材料からなる第1の絶縁層と、前記第1の材 とは異なる第2の材料からなる第2の絶縁層 、前記第1の絶縁層と前記第2の絶縁層との間 に設けられ、かつ、前記第1の材料からなる 1の部分層及び前記第2の材料からなる第2の 分層により構成された境界層と、を備え、 記第1の部分層と前記第2の部分層とは、積層 方向から見たときに隣接するように設けられ ていること、を特徴する。
本発明によれば、第1の絶縁層と第2の絶 層との間に位置する境界層において、第1の 分層と第2の部分層とが隣接するように配置 されている。これにより、第1の部分層と第2 部分層とは、側面を介して接触しているこ になる。その結果、材料の異なる絶縁層同 の接触面積を大きくすることができ、積層 電子部品において層間剥離が発生すること 抑制される。
本発明において、前記第1の部分層は、前 記第1の絶縁層に接触している面積よりも前 第2の絶縁層に接触している面積が大きくな ように設けられていてもよい。
本発明において、前記境界層は、前記第1 の絶縁層側に設けられた第1の境界層と、前 第2の絶縁層側に設けられた第2の境界層と、 を含み、前記第2の境界層に設けられている 記第1の部分層の面積は、前記第1の境界層に 設けられている前記第1の部分層の面積より 大きくてもよい。
本発明において、前記第1の絶縁層は、複 数層積層されて、第1の積層体を構成してお 、前記第2の絶縁層は、複数層積層されて、 2の積層体を構成していてもよい。
本発明において、前記第1の積層体及び前 記第2の積層体は、コイルを含んでいてもよ 。
本発明において、前記第1の部分層と前記 第2の部分層とは、前記境界層内において、 松模様状に配置されていてもよい。
本発明によれば、第1の絶縁層と第2の絶 層との間に位置する境界層において、第1の 分層と第2の部分層とが隣接するように配置 されている。これにより、第1の部分層と第2 部分層とは、側面を介して接触しているこ になる。その結果、材料の異なる絶縁層同 の接触面積を大きくすることができ、積層 電子部品において層間剥離が発生すること 抑制される。
以下に、本発明の一実施形態に係る積層 電子部品について説明する。該積層型電子 品は、例えば、インダクタ、インピーダ、L Cフィルタ、LC複合部品に用いられる。図1は 積層型電子部品1の外観斜視図である。図2は 、積層体2の分解斜視図である。以下では、 層型電子部品1の形成時に、セラミックグリ ンシートが積層される方向を積層方向と定 する。
(積層型電子部品の構成について)
積層型電子部品1は、図1に示すように、内
にコイルLを含む直方体状の積層体2と、積層
体2の対向する側面(表面)に形成され、コイル
Lに接続される2つの外部電極12a,12bとを備える
。
積層体2は、複数のコイル電極と複数の磁 性体層とが共に積層されて構成されている。 具体的には、以下の通りである。積層体2は 図2に示すように、強透磁率のフェライト(例 えば、Ni-Zn-Cuフェライト又はNi-Znフェライト )からなる複数の磁性体層4a~4h,5a~5f,6a,6b,7a,7b 積層されることにより構成される。複数の 性体層4a~4h,5a~5f,6a,6b,7a,7bは、それぞれ略同じ 面積及び形状を有する長方形の絶縁層である 。
磁性体層4a~4hは、相対的に高い透磁率を する材料により形成されている。磁性体層4a ~4hの主面上にはそれぞれ、コイルLを構成す コイル電極8a~8hが形成される。更に、磁性体 層4a~4hにはそれぞれ、ビアホール導体B1~B8が 成される。
磁性体層5a~5fは、磁性体層4a~4hとは異なる 材料により形成されている。より詳細には、 磁性体層5a~5fは、相対的に低い透磁率を有す 材料により形成されている。磁性体層5a~5f 主面上にはそれぞれ、コイルLを構成するコ ル電極8i~8nが形成される。更に、磁性体層5a ~5eにはそれぞれ、ビアホール導体B11~B15が形 される。
磁性体層6aは、磁性体層4a~4hと同じ材料に より形成される。また、磁性体層6bは、磁性 層5a~5fと同じ材料により形成される。磁性 層6a,6bの主面上には、コイル電極8a~8n及びビ ホール導体B1~B15は形成されない。
磁性体層7a,7bは、磁性体層4hと磁性体層5a の間に設けられた境界層である。より詳細 は、磁性体層7aは、磁性体層4h側に設けられ ている。一方、磁性体層7bは、磁性体層5a側 設けられている。以下に、磁性体層7a,7bの構 成についてより詳細に説明する。
磁性体層7bは、部分磁性体層40b,50bにより 成されている。部分磁性体層40bは、磁性体 4a~4hと同じ材料により構成されている。ま 、部分磁性体層50bは、磁性体層5a~5fと同じ材 料により構成されている。部分磁性体層40bと 部分磁性体層50bとは、積層方向から見たとき に互いに隣接するように形成されている。よ り具体的には、部分磁性体層40bと部分磁性体 層50bとは、同じ大きさの正方形状に形成され ており、市松模様状に配置されている。すな わち、部分磁性体層40bの各辺には、部分磁性 体層50bが接しており、部分磁性体層50bの各辺 には、部分磁性体層40bが接している。
一方、磁性体層7aは、部分磁性体層40a,50a より構成されている。部分磁性体層40aは、 性体層4a~4hと同じ材料により構成されてい 。また、部分磁性体層50aは、磁性体層5a~5fと 同じ材料により構成されている。部分磁性体 層40aと部分磁性体層50aとは、積層方向から見 たときに互いに隣接するように形成されてい る。より具体的には、部分磁性体層40aは、部 分磁性体層40bよりも少し小さな面積の正方形 状に形成されており、磁性体層7aと磁性体層7 bとが重なったときに、部分磁性体層40bと重 るように配置されている。更に、部分磁性 層50aは、部分磁性体層40aの間を埋めるよう 形成されている。
上記磁性体層7a,7bによれば、部分磁性体 40bの面積は、部分磁性体層40aの面積よりも きい。すなわち、部分磁性体層40bが磁性体 5aに接触している面積は、部分磁性体層40aが 磁性体層4hに接触している面積よりも大きく っている。また、部分磁性体層50aの面積は 部分磁性体層50bの面積よりも大きい。すな ち、部分磁性体層50aが磁性体層4hに接触し いる面積は、部分磁性体層50bが磁性体層5aに 接触している面積よりも大きくなっている。 なお、フェライトからなる磁性体層4a~4h,5a~5f, 6a,6b,7a,7bの代わりに、誘電体や絶縁体が用い れてもよい。以下では、個別の磁性体層4a~4 h,5a~5f,6a,6b,7a,7b及びコイル電極8a~8nを示す場合 には、参照符号の後ろにアルファベットを付 し、磁性体層4a~4h,5a~5f,6a,6b,7a,7b及びコイル電 8a~8nを総称する場合には、参照符号の後ろ アルファベットを省略するものとする。ま 、個別のビアホール導体B1~B15を示す場合に 、Bの後ろに数字を付し、ビアホール導体B1~B 15を総称する場合には、Bの後ろの数字を省略 するものとする。
各コイル電極8は、Agからなる導電性材料 らなり、環の一部が切り欠かれた形状を有 る。本実施形態では、コイル電極8は、「コ 」字状の形状を有する。これにより、各コイ ル電極8は、3/4ターンの長さを有する電極を 成する。コイル電極8a,8nは、図2に示すよう 、磁性体層4a,5fの短辺まで引き出されている 。これは、コイルLと外部電極12a,12bとを接続 るためである。なお、コイル電極8は、Pd,Au, Pt等を主成分とする貴金属やこれらの合金な の導電性材料からなっていてもよい。なお コイル電極8は、円又は楕円の一部が切り欠 かれた形状であってもよい。
次に、ビアホール導体Bについて説明する 。ビアホール導体Bは、磁性体層4,5,7を積層方 向の上下方向に貫通するように形成され、コ イル電極8同士を接続する。これにより、コ ル電極8は、螺旋状のコイルLを構成する。
図2に示す分解斜視図の磁性体層6a、磁性 層4a~4h、磁性体層7a,7b、磁性体層5a~5f及び磁 体層6bを積層方向の上側からこの順に重ね 積層体2を形成し、積層体2の表面に外部電極 12a,12bを形成すると、図1に示す積層型電子部 1が得られる。
(積層型電子部品の製造方法について)
以下に図2及び図3を参照しながら積層型電
部品1の製造方法について説明する。図3は、
積層型電子部品1の工程断面図である。以下
説明する製造方法では、シート積層法及び
刷法の組み合わせにより1つの積層型電子部
1を作製するものとする。
まず、磁性体層4,6aとなるべきセラミックグ リーンシートは、以下のようにして作製され る。酸化第二鉄(Fe 2 O 3 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニッケル(NiO)、及び、 化銅(CuO)を所定の比率で秤量したそれぞれ 材料を原材料としてボールミルに投入し、 式調合を行う。得られた混合物を乾燥して ら粉砕し、得られた粉末を800℃で1時間仮焼 る。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿 粉砕した後、乾燥してから解砕して、2μmの 粒径のフェライトセラミック粉末を得る。
このフェライトセラミック粉末に対して 合剤(酢酸ビニル、水溶性アクリル等)と可 剤、湿潤材、分散剤を加えてボールミルで 合を行い、その後、減圧により脱泡を行う 得られたセラミックスラリーをドクターブ ード法により、シート状に形成して乾燥さ 、所望の膜厚(例えば、40μm)のセラミックグ ーンシートを作製する。
次に、磁性体層5,6bとなるべきセラミックグ リーンシートは、以下のようにして作製され る。酸化第二鉄(Fe 2 O 3 )、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニッケル(NiO)、及び、 化銅(CuO)を所定の比率で秤量したそれぞれ 材料を原材料としてボールミルに投入し、 式調合を行う。この際、酸化亜鉛(ZnO)の比率 を少なめに混合し、酸化ニッケル(NiO)の比率 多めに混合する。得られた混合物を乾燥し から粉砕し、得られた粉末を800℃で1時間仮 焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて 湿式粉砕した後、乾燥してから解砕し、2μm 粒径のフェライトセラミック粉末を得る。
このフェライトセラミック粉末に対して 合剤(酢酸ビニル、水溶性アクリル等)と可 剤、湿潤材、分散剤を加えてボールミルで 合を行い、その後、減圧により脱泡を行う 得られたセラミックスラリーをドクターブ ード法により、シート状に形成して乾燥さ 、所望の膜厚(例えば、40μm)のセラミックグ ーンシートを作製する。
磁性体層4a~4h,5a~5eとなるべきセラミック リーンシートには、ビアホール導体Bが形成 れる。具体的には、セラミックグリーンシ トにレーザビームを用いて貫通孔を形成す 。次に、この貫通孔にAg,Pd,Cu,Auやこれらの 金などの導電性ペーストを印刷塗布などの 法により充填する。
次に、磁性体層4a~4h,5a~5fとなるべきセラ ックグリーンシート上には、Ag,Pd,Cu,Auやこれ らの合金などを主成分とする導電性ペースト がスクリーン印刷法やフォトリソグラフィ法 などの方法で塗布されることにより、コイル 電極8が形成される。なお、コイル電極8及び アホール導体Bは、同時にセラミックグリー ンシートに形成されてもよい。
次に、各セラミックグリーンシートを積 する。具体的には、磁性体層6bとなるべき ラミックグリーンシートを配置する。次に 磁性体層6bとなるべきセラミックグリーンシ ート上に、磁性体層5fとなるべきセラミック リーンシートの配置及び仮圧着を行う。こ 後、磁性体層5e,5d,5c,5b,5aとなるべきセラミ クグリーンシートについても同様にこの順 に積層及び仮圧着する。
次に、磁性体層5aとなるべきセラミック リーンシート上に、磁性体層7b,7aとなるべき 層を印刷法により形成する。以下に、図3を 照しながら説明する。以下では、未焼成の 分磁性体層40a,40b,50a,50bについて、説明の簡 化のために、部分磁性体層40a,40b,50a,50bと呼 ものとする。
まず、図3(a)に示すように、磁性体層5上 、磁性体層4と同じ材料からなるペーストを クリーン印刷法により塗布することにより 部分磁性体層40bを形成する。この際、ビア ール導体B10が形成されるべき部分には、部 磁性体層40bは形成されない。次に、図3(b)に 示すように、磁性体層5上であってかつ部分 性体層40bが形成されていない部分に、磁性 層5と同じ材料からなるペーストをスクリー 印刷法により塗布することにより、部分磁 体層50bを形成する。そして、部分磁性体層4 0bが形成されていない部分に対して、導電性 ーストを充填することにより、ビアホール 体B10を形成する。
次に、図3(c)に示すように、磁性体層7b上 、磁性体層5と同じ材料からなるペーストを スクリーン印刷法により塗布することにより 、部分磁性体層50aを形成する。この際、部分 磁性体層50aは、全ての部分磁性体層50bを覆い 隠すように形成される。次に、図3(d)に示す うに、磁性体層7b上であってかつ部分磁性体 層50aが形成されていない部分に、磁性体層4 同じ材料からなるペーストをスクリーン印 法により塗布することにより、部分磁性体 40aを形成する。部分磁性体層40aは、部分磁 体層40b上において、該部分磁性体層40bより 小さく形成される。更に、ビアホール導体B9 が形成されるべき部分には、部分磁性体層40a は形成されない。そして、この部分磁性体層 40aが形成されていない部分に対して、導電性 ペーストを充填することにより、ビアホール 導体B9を形成する。
次に、磁性体層7aとなるべきセラミック リーンシート上に、磁性体層4h,4g、4f,4e,4d,4c, 4b,4a,6aとなるべきセラミックグリーンシート この順番に積層及び仮圧着する。これによ 、未焼成の積層体2が形成される。この未焼 成の積層体2には、静水圧プレスなどにより 圧着が施される。
次に、積層体2には、脱バインダー処理及 び焼成がなされる。脱バインダー処理は、例 えば、400℃で3時間の条件で行う。焼成は、 えば、900℃で2時間の条件で行う。これによ 、焼成された積層体2が得られる。積層体2 表面には、例えば、浸漬法等の方法により 成分が銀である電極ペーストが塗布及び焼 付けされることにより、外部電極12a,12bが形 される。外部電極12a,12bは、図1に示すよう 、積層体2の左右の端面に形成される。コイ 電極8a,8nはそれぞれ、外部電極12a,12bに電気 に接続されている。
最後に、外部電極12a,12bの表面に、Niめっ /Snめっきを施す。以上の工程を経て、図1に 示すような積層型電子部品1が完成する。
(効果)
以上のような積層型電子部品1によれば、磁
性体層4からなる積層体と磁性体層5からなる
層体との間に位置する磁性体層7a,7bにおい
、部分磁性体層40a,50aが平面内において隣接
るように配置されると共に、部分磁性体層4
0b,50bが平面内において隣接するように配置さ
れている。これにより、部分磁性体層40aと部
分磁性体層50aとは、側面を介して接触してい
ることになり、部分磁性体層40bと部分磁性体
層50bとは、側面を介して接触していることに
なる。その結果、材料の異なる磁性体層同士
の接触面積を大きくすることができ、積層型
電子部品1において層間剥離が発生すること
抑制される。
更に、積層型電子部品1では、部分磁性体 層50bの面積の方が部分磁性体層50aの面積より も小さく、かつ、部分磁性体層40aの面積の方 が部分磁性体層40bの面積よりも小さいので、 以下に説明するように、積層型電子部品1に 間剥離が発生することをより効果的に抑制 きる。
図3に示すように、例えば、部分磁性体層 50bは、下面において磁性体層5aと接触すると に、上面において部分磁性体層50aと接触す 。そして、部分磁性体層50aは、上面におい 磁性体層4hと接触する。ここで、部分磁性 層50aと磁性体層4hとは異なる材料で形成され ると共に、部分磁性体層50a,50b及び磁性体層5a は、同じ材料で形成される。そのため、部分 磁性体層50aと磁性体層4hとの結合力は、部分 性体層50aと部分磁性体層50bとの結合力及び 分磁性体層50bと磁性体層5aとの結合力より 小さい。したがって、積層型電子部品1に層 剥離が発生しそうな場合には、部分磁性体 50aと磁性体層4hとの間または部分磁性体層40 bと磁性体層5aとの間に剥離が発生しようとす る。
しかしながら、部分磁性体層50aが部分磁 体層50bよりも大きく形成されているので、 分磁性体層50aの底面の一部は、部分磁性体 40bの上面に引っ掛かる。また、部分磁性体 40bが部分磁性体層40aよりも大きく形成され いるので、部分磁性体層40bの上面の一部は 部分磁性体層50aの底面に引っ掛かる。その 果、積層型電子部品1において層間剥離が発 生することを効果的に抑制できる。
また、部分磁性体層40bと部分磁性体層50b を市松模様状に配置することにより、部分 性体層40bと部分磁性体層50bとがより広い面 により側面を介して接触するようになる。 の結果、材料の異なる磁性体層同士の接触 積を大きくすることができ、積層型電子部 1において層間剥離が発生することを効果的 に抑制できる。
また、積層型電子部品1によれば、複数の 磁性体層4が積層されてなる積層体と複数の 性体層5が積層されてなる積層体との境界部 に、磁性体層4,5と同じ材料からなる磁性体 7a,7bを設けることにより、積層型電子部品1 層間剥離の発生を抑制している。すなわち これらの積層体を接着するような新たな材 からなる層が設けられていない。その結果 層間剥離が発生しにくい積層型電子部品1を 容易かつ安価に作製することが可能となる。
また、互いに異なる材料から成る部分磁 体層40bと磁性体層5aとは、印刷法により形 されている。そのため、部分磁性体層40bと 性体層5aとの密着性が、シート積層法により これらの層が形成された場合に比べて向上す る。
また、コイル電極8が形成された磁性体層 4,5は、シート積層法により積層されている。 そのため、コイルLのコイル長を変更する際 は、コイル電極8が形成された磁性体層4,5を たに追加するだけで足りる。その結果、積 型電子部品1によれば、コイル電極8が形成 れた磁性体層4,5が印刷法で形成されている 合に比べて、コイルLのコイル長を簡単に変 することが可能となる。
(変形例)
なお、本発明に係る積層型電子部品1は前記
実施形態に限定するものではなく、その要旨
の範囲内で変更することができる。図4は、
形例に係る積層型電子部品1aの積層体2aの分
斜視図である。図4に示す積層体2aおいて、
2に示す積層体2と同じ構成については、同
参照符号が付してある。
図2に示す積層体2と図4に示す積層体2aと 相違点は、積層体2には磁性体層7aが設けら ているのに対して、積層体2aには磁性体層7a 設けられていない点である。
積層体2aによっても、部分磁性体層40bと 分磁性体層50bとが、互いの側面を介して接 している。そのため、材料の異なる磁性体 同士の接触面積を大きくすることができ、 層型電子部品1aにおいて層間剥離が発生する ことが抑制される。
なお、積層型電子部品1では、3/4ターンの コイル電極8が用いられているが、例えば、5/ 6ターンのコイル電極8や7/8ターンのコイル電 8が用いられてもよい。
なお、積層型電子部品1の製造方法では、 シート積層法と印刷法との組み合わせによっ て積層型電子部品1を作製したが、該積層型 子部品1の製造方法はこれに限らない。例え 、積層型電子部品1は、印刷法のみにより作 製されてもよい。
なお、積層型電子部品1,1aにおいて、異な る材料で構成されているとは、構成している 原料が異なる他、同じ原料で構成されつつ、 混合比が異なる場合も含む。
以上のように、本発明は、積層型電子部 に有用であり、特に、層間剥離が発生する とが抑制される点において優れている。