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Title:
LAMINATED FILM FOR ELECTRONIC COMPONENT MOUNTING, FILM CARRIER TAPE FOR ELECTRONIC COMPONENT MOUNTING, AND SEMICONDUCTOR DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/149772
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a laminated film for electronic component mounting, which is excellent in adhesion between a conductor layer and an insulating film, can realize a very high light transmittance and a colorless state of the insulating film after patterning the conductor layer, can further realize wiring patterning of a fine pitch, and has excellent tensile strength, folding resistance and other properties, and a film carrier tape for electronic component mounting. A laminated film for electronic component mounting (20) comprises an insulating film (12) provided on a conductor layer (11). The conductor layer (11) contains columnar copper crystal particles having a major axis length of not less than 3 µm and is formed of an electrolytic copper foil having a thickness of not more than 15 µm and an elongation of not less than 5% at 25ºC. The insulating film (12) has a light transmittance of more than 67% and not more than 95% and is formed of a substantially colorless polyimide layer.

Inventors:
YAMAGATA MAKOTO (JP)
IWATA NORIAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059908
Publication Date:
December 11, 2008
Filing Date:
May 29, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUI MINING & SMELTING CO (JP)
YAMAGATA MAKOTO (JP)
IWATA NORIAKI (JP)
International Classes:
H01L21/60; C25D1/04; H01L27/14
Foreign References:
JP2007131946A2007-05-31
JP2007059892A2007-03-08
JPH09328545A1997-12-22
JPH05301958A1993-11-16
JP2006199945A2006-08-03
JP2006066814A2006-03-09
Attorney, Agent or Firm:
KURIHARA, Hiroyuki et al. (Iwasaki Bldg. 6F3-15, Hiroo 1-chome,Shibuya-k, Tokyo 12, JP)
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Claims:
導体層上に絶縁フィルムが設けられた電子部品実装用積層フィルムであって、前記導体層が、3μm以上の長径長さを有する柱状の銅結晶粒子を含み、厚さ15μm以下、25℃における伸び率5%以上の電解銅箔からなり、前記絶縁フィルムが、67%を超え95%以下の光線透過率を有すると共に実質的に無色であるポリイミド層からなることを特徴とする電子部品実装用積層フィルム。
請求項1記載の電子部品実装用積層フィルムにおいて、前記電解銅箔を形成する柱状の銅結晶粒子の少なくとも一部が、当該電解銅箔の厚さと同じ或いは電解銅箔の厚さよりも長い長径を有することを特徴とする電子部品実装用積層フィルム。
請求項1又は2に記載の電子部品実装用積層フィルムにおいて、前記電解銅箔の断面における銅結晶粒子の少なくとも50%(面積比率)が、当該電解銅箔の厚さと同じ或いは電解銅箔の厚さよりも長い長径を有する銅結晶粒子であることを特徴とする電子部品実装用積層フィルム。
請求項1~3の何れか1項に記載の電子部品実装用積層フィルムにおいて、前記電解銅箔が、25℃における引張強度が33kgf/mm 2 以上であり、かつ大気中で180℃に60分間加熱した後の引張強度が30kgf/mm 2 以上であることを特徴とする電子部品実装用積層フィルム。
請求項1~4の何れか1項に記載の電子部品実装用積層フィルムにおいて、前記電解銅箔が、大気中で180℃に60分間加熱した後の伸び率が8%以上であることを特徴とする電子部品実装用積層フィルム。
請求項1~5の何れか1項に記載の電子部品実装用積層フィルムにおいて、前記電解銅箔の前記ポリイミド層が積層される側の表面の表面粗度(Rz)が5μm以下であることを特徴とする電子部品実装用積層フィルム。
請求項1~6の何れか1項に記載の電子部品実装用積層フィルムにおいて、前記ポリイミド層のYI値が15%以下であることを特徴とする電子部品実装用積層フィルム。
請求項1~7の何れか1項に記載の電子部品実装用積層フィルムにおいて、前記ポリイミド層が、前記電解銅箔上へポリイミド前駆体又はポリイミド溶液を塗布し加熱硬化させることにより形成されたものであることを特徴とする電子部品実装用積層フィルム。
請求項1~8の何れか1項に記載の電子部品実装用積層フィルムを用いて形成されたことを特徴とする電子部品実装用フィルムキャリアテープ。
請求項9に記載の電子部品実装用フィルムキャリアテープにおいて、前記導体層がパターニングされた配線パターンを具備し、パターニングにより前記導体層が除去された部分のポリイミド層が67%を超え95%以下の光線透過率を有すると共に実質的に無色であることを特徴とする電子部品実装用フィルムキャリアテープ。
請求項10に記載の電子部品実装用フィルムキャリアテープにおいて、前記パターニングにより前記導体層が除去された部分のポリイミド層のYI値が15%以下であることを特徴とする電子部品実装用フィルムキャリアテープ。
請求項9~11の何れか1項に記載の電子部品実装用フィルムキャリアテープにおいて、前記パターニングにより前記導体層が除去された部分のポリイミド層の露出面の表面粗度(Rz)が5μm以下であることを特徴とする電子部品実装用フィルムキャリアテープ。
請求項9~12の何れか1項に記載の電子部品実装用フィルムキャリアテープに、前記パターニングにより前記導体層が除去された部分のポリイミド層に相対向する受光面を有する撮像素子を実装したことを特徴とする半導体装置。
Description:
電子部品実装用積層フィルム、 子部品実装用フィルムキャリアテープ及び 導体装置

 本発明は、CCD(Charge Coupled Device)のような 撮像素子を実装できるCOFフィルムキャリアテ ープなどに好適な電子部品実装用積層フィル ム及び電子部品実装用フィルムキャリアテー プ並びに撮像素子を実装した半導体装置に関 する。

 周知の通り、電子機器を駆動させるため 電子部品は、一般に、絶縁フィルムと、こ 絶縁フィルム表面に形成された配線パター からなる配線基板に実装された状態で電子 器に組み込まれる。この配線基板は、例え 、絶縁フィルムの表面に銅箔などの導電性 属箔を配置し、フォトリソグラフィー法に り導電性金属箔を選択的にエッチングする とにより形成することができる。ここで導 性金属箔として使用される銅箔には圧延銅 と電解銅箔とがあるが、圧延銅箔は電解銅 よりも高価であるなどの理由で、導電性金 箔としては通常は電解銅箔が使用されてい 。

 電解銅箔は、回転ドラム状の陰極と、こ 陰極に沿って形成された陽極との間に銅を 有する電解液を流して電極間に電圧を印加 て、回転ドラム状の陰極表面に銅を析出さ ることにより製造されている。

 上記のようにして電解銅箔を製造する際 陰極として使用される回転ドラムの表面は えばチタンで形成されており、その表面が 面になるように研磨されている。従って、 の回転ドラム状の陰極表面に析出される銅 析出開始面は、回転ドラム状陰極の表面状 が転写されて鏡面となり非常に表面粗度(Rz) が低く、通常はシャイニー面(S面)と呼ばれて いる。一方、銅が析出している面は、電解液 から銅が析出して銅結晶が成長するために、 一般にはS面よりも表面粗度(Rz)が高く、シャ ニー面(S面)に対してマット面(M面)と呼ばれ いる。

 配線基板を製造する際には、一般に電解 箔のM面と絶縁フィルムの表面が対面するよ うに電解銅箔を配置して、電解銅箔と絶縁フ ィルムとを積層して基材フィルムを製造し、 この基材フィルムを形成する電解銅箔のS面 表面に感光性樹脂層を形成し、この感光性 脂層を露光・現像して感光性樹脂の硬化体 らなるパターンを形成し、このパターンを スキング材として電解銅箔を選択的にエッ ングして配線パターンを形成する。

 上記のようにして形成される配線基板は 絶縁フィルムと、この絶縁フィルム上に形 される配線パターンとの密着性が高いこと 望ましく、この絶縁フィルムと配線パター との密着性は、配線パターンを形成する電 銅箔のM面の表面粗度に依存することから、 電解銅箔のM面はある程度表面粗度が高いこ が望ましいとされていた。このため製造さ た電解銅箔のM面の表面粗度を高くするため 、こぶ付け処理などの粗化処理を行って、 解銅箔のM面の表面粗度を上げて絶縁フィル ムとの密着性を向上させるといった処理も行 われていた。

 上記のように電解銅箔のM面の表面を粗面 化することは、形成された配線パターンと絶 縁フィルムとの密着性を向上させる上では大 変好ましいが、電解銅箔を選択的にエッチン グして配線パターンを形成する際には、表面 粗度の高いM面が必ずしも有利であるとは限 ない。例えば、ピッチ幅の狭い非常にファ ンな配線パターンを形成しようとする場合 使用する電解銅箔の厚さは、形成しようと る配線の幅よりも厚くすることはできない で、配線パターンを形成するためのエッチ グ時間を短くする必要があるが、M面の表面 度が高いと絶縁フィルム内に埋没している の量も多くなり、短時間のエッチングでは 縁フィルム内に埋没している銅を完全に除 することができにくくなり、また埋没して る銅を完全に除去しようとすると、形成さ る配線パターンが過度にエッチングされて くなってしまうなどの問題が生じやすい。

 ところで、上記のような電解銅箔を用い 形成する場合、使用される電解銅箔として 、形成しようとする配線パターンの最細の 幅と同等もしくは線幅よりも薄い電解銅箔 使用する必要があり、例えば一般的にファ ンピッチのプリント配線基板であるとされ いるインナーリードの配線ピッチ幅が70μm( ンナーリード幅が通常は35μm程度)のプリン 配線基板を製造する際には35~40μmの電解銅 が使用されている。

 しかしながら、最近では電子部品がさら 高密度になってきており、このような電子 品の実装に使用されるプリント配線基板に 成される配線パターンもさらに細線化する 要がある。

 ところが、上述のような電解銅箔を使用 た製造方法で製造可能なプリント配線基板 配線ピッチ幅は40μmが限界であり、これよ も配線ピッチ幅が狭いプリント配線基板を 造するには従来のプリント配線基板の製造 法をそのまま採用することはできず、エッ ング条件、使用する電解銅箔の特性など配 パターンを形成する全条件を新たに設定す ことが必要である。

 例えば、絶縁フィルムの表面に配線パタ ンを形成する場合、配線ピッチ幅が40μm未 で配線パターンを形成しようとする場合に 、使用する電解銅箔は形成する配線幅より 薄いものを使用する必要があり、このとき 電解銅箔のM面の表面粗度は、使用する電解 箔の厚さと比較して大きな値になる。この め絶縁フィルム表面に埋没している電解銅 のM面の突起をエッチングにより完全に除去 するためにエッチング液との接触時間を長く すると、形成した配線がエッチング液によっ て侵食されてやせ細ってしまうなどの問題が 生じ、予定しているようなファインピッチの 配線パターンを形成できない。このように配 線ピッチ幅が40μm未満であるプリント配線基 を製造するには、使用する電解銅箔、エッ ング方法などを新たに選定しなおす必要が る。

 このような状況下に、配線ピッチ幅が40μ m未満の配線パターンを形成可能な電解銅箔 して、例えば、特開平9-143785号公報(特許文 1)、特開2004-162144号公報(特許文献2)、特開2004 -35918号公報(特許文献3)、WO2003/096776号公報(特 文献4)、特開2004-107786号公報(特許文献5)、特 開2004-137588号公報(特許文献6)、特開2004-263289 公報(特許文献7)、特開2005-150265号公報(特許 献8)などに記載されているような低プロファ イル電解銅箔が提案されている。この低プロ ファイル電解銅箔は、銅が溶解されている電 解液に種々の添加剤を加えて、形成される電 解銅箔のM面の表面粗度(Rz)を低くしたもので り、添加剤の種類によっては、得られる電 銅箔のM面の表面粗度(Rz)を、S面の表面粗度( Rz)よりも低くすることも可能になる。このよ うにして形成された低プロファイル電解銅箔 は、銅を析出させる銅電解液中に種々の添加 物を配合して、銅が析出する際に錯体を形成 させて析出銅の粒子径を小さくして、得られ る電解銅箔の表面のプロファイルを低く抑え ようとするものである。

 しかしながら、上記の特許文献に記載さ ているような低プロファイル電解銅箔は、 成されている銅の結晶粒子径が小さいため 、電解銅箔自体の引張り強度などの機械的 性が低くなりやすい。

 例えば液晶表示装置、プラズマ表示装置 ようなフラットパネルディスプレイを駆動 せる電子部品が実装されたフレキシブルプ ント配線基板では、フラットパネルの裏面 に硬質の回路基板を配置して、この硬質回 基板と、フラットパネルに形成された透明 極とを、電子部品が実装されたプリント配 基板を折り曲げて使用して接続している。 のように折り曲げて使用されるプリント配 基板には、折り曲げ部分に非常に大きな曲 応力がかかり、機械的特性の低い電解銅箔 ら形成された配線では、こうした大きな曲 応力に抗し得ないことがある。

 殊に最近では地上デジタル放送へのシフ に伴い、ハイビジョン映像の導入によって ラットディスプレイパネルが大型化してい 。こうしてフラットディスプレイパネルは 第に大型化しているが、このようなフラッ ディスプレイパネルを駆動させる電子部品 小型化し、しかも高密度化しており、一つ 電子部品で駆動させるチャンネル数は増加 ている。例えば、1280×1024画素の液晶表示装 置を駆動させるために、現在使用されている 液晶表示装置では、液晶表示装置のソース側 に、1電子部品当たりの有効チャンネル数が48 0チャンネルの電子部品を8個配置してこの液 表示装置を駆動させているが、液晶表示装 の普及のためのコスト削減の一環として、1 電子部品当たりの有効チャンネル数を多くし て配置する電子部品数を減らす試みがなされ ている。

 このように小型化されると共に1電子部品 当たりの有効チャンネル数が多い電子部品を 実装するプリント配線基板では、電子部品を 実装するインナーリードの配線ピッチ幅が40 mを下回り、インナーリードのリード幅は20μ m程度以下に細線化することが必要となると えられている。

 このように細線化された配線パターンを 成するためには、当然に配線ピッチ幅が70μ m程度であったときに使用されていた電解銅 を使用することはできず、上述のような低 ロファイル電解銅箔を使用しなければ配線 ッチ幅が40μm未満の配線パターンを形成する ことはできない。

 ところが、上記のような低プロファイル 解銅箔から形成された配線は、銅結晶粒子 小さいために、プリント配線基板を折り曲 て使用すると、この折り曲げ部分の配線が 断することが多いという問題がある。この うな低プロファイル電解銅箔から形成され 配線が折り曲げ部分で破断しないように、 えば、低プロファイル電解銅箔のM面を粗化 処理して絶縁フィルムとの密着性を上げて絶 縁フィルムと共同して折り曲げ部分による断 線を防止するなどの手段で対応することも可 能ではあるが、上記の低プロファイル電解銅 箔のように非常にファインピッチの配線パタ ーンを形成することができると共に、電解銅 箔自体が上記のような曲げ応力に抗し得る機 械的強度を有していれば、プリント配線基板 を折り曲げて使用するなど過酷な使用環境に おいても配線自体の強度が高くなることから 、さらなる細線化も可能になる。

 一方、電子部品の小型化に伴い、CCD撮像 子などをプリント配線基板に直接実装する みがなされており、このようなプリント配 基板には無色透明なセラミック基板などが いられている(特許文献9、10など参照)が、 レキシブルなプリント配線基板への直接実 は現在実現されていない。これは、フレキ ブル配線基板に用いられているポリイミド 茶色乃至黄色を帯びており、撮像する光線 透過させるのに不向きであるからである。 た、無色透明なポリイミドフィルムについ の提案が種々あるが(特許文献11~13など参照) 上述した電解銅箔と密着性よく積層し、且 積層した後、電解銅箔をエッチングにより ターニングした後の透明性を保持すること 困難であるなどの問題もあり、実際に実現 れていない。一方、ポリイミド以外の透明 脂基板が種々提案されているが、実装時の 熱性の問題で、ファインピッチの共晶ボン ィングなどが実現されていないのが実情で る。

特開平9-143785号公報

特開2004-162144号公報

特開2004-35918号公報

WO2003/096776号公報

特開2004-107786号公報

特開2004-137588号公報

特開2004-263289号公報

特開2005-150265号公報

特開2005-39227号公報

特開2006-66814号公報

特開平5-301958号公報

特開平9-328545号公報

特開2006-199945号公報

 本発明は、導体層と絶縁フィルムとの密 性に優れ、導体層をパターニングした後の 縁フィルムの光線透過率が非常に高く且つ 色であり、ファインピッチの配線パターニ グも可能で、且つ引張強度および耐折性な の特性に優れた電子部品実装用積層フィル 及び電子部品実装用フィルムキャリアテー を提供することを目的とする。

 また、本発明は、電子部品実装用フィル キャリアテープにCCDなどの撮像素子を直接 装した半導体装置を提供することを目的と る。

 本発明の第1の態様は、導体層上に絶縁フ ィルムが設けられた電子部品実装用積層フィ ルムであって、前記導体層が、3μm以上の長 長さを有する柱状の銅結晶粒子を含み、厚 15μm以下、25℃における伸び率5%以上の電解 箔からなり、前記絶縁フィルムが、67%を超 95%以下の光線透過率を有すると共に実質的 無色であるポリイミド層からなることを特 とする電子部品実装用積層フィルムにある

 本発明の第2の態様は、第1の態様に記載 電子部品実装用積層フィルムにおいて、前 電解銅箔を形成する柱状の銅結晶粒子の少 くとも一部が、当該電解銅箔の厚さと同じ いは電解銅箔の厚さよりも長い長径を有す ことを特徴とする電子部品実装用積層フィ ムにある。

 本発明の第3の態様は、第1又は2の態様に 載の電子部品実装用積層フィルムにおいて 前記電解銅箔の断面における銅結晶粒子の なくとも50%(面積比率)が、当該電解銅箔の さと同じ或いは電解銅箔の厚さよりも長い 径を有する銅結晶粒子であることを特徴と る電子部品実装用積層フィルムにある。

 本発明の第4の態様は、第1~3の何れか一つの 態様に記載の電子部品実装用積層フィルムに おいて、前記電解銅箔が、25℃における引張 度が33kgf/mm 2 以上であり、かつ大気中で180℃に60分間加熱 た後の引張強度が30kgf/mm 2 以上であることを特徴とする電子部品実装用 積層フィルムにある。

 本発明の第5の態様は、第1~4の何れか一つ の態様に記載の電子部品実装用積層フィルム において、前記電解銅箔が、大気中で180℃に 60分間加熱した後の伸び率が8%以上であるこ を特徴とする電子部品実装用積層フィルム ある。

 本発明の第6の態様は、第1~5の何れか一つ の態様に記載の電子部品実装用積層フィルム において、前記電解銅箔の前記ポリイミド層 が積層される側の表面の表面粗度(Rz)が5μm以 であることを特徴とする電子部品実装用積 フィルムにある。

 本発明の第7の態様は、第1~6の何れか一つ の態様に記載の電子部品実装用積層フィルム において、前記ポリイミド層のYI値が15%以下 あることを特徴とする電子部品実装用積層 ィルムにある。

 本発明の第8の態様は、第1~7の何れか一つ の態様に記載の電子部品実装用積層フィルム において、前記ポリイミド層が、前記電解銅 箔上へポリイミド前駆体又はポリイミド溶液 を塗布し加熱硬化させることにより形成され たものであることを特徴とする電子部品実装 用積層フィルムにある。

 本発明の第9の態様は、第1~8の何れか一つ の態様に記載の電子部品実装用積層フィルム を用いて形成されたことを特徴とする電子部 品実装用フィルムキャリアテープにある。

 本発明の第10の態様は、第9の態様に記載 電子部品実装用フィルムキャリアテープに いて、前記導体層がパターニングされた配 パターンを具備し、パターニングにより前 導体層が除去された部分のポリイミド層が6 7%を超え95%以下の光線透過率を有すると共に 質的に無色であることを特徴とする電子部 実装用フィルムキャリアテープにある。

 本発明の第11の態様は、第10の態様に記載 の電子部品実装用フィルムキャリアテープに おいて、前記パターニングにより前記導体層 が除去された部分のポリイミド層のYI値が15% 下であることを特徴とする電子部品実装用 ィルムキャリアテープにある。

 本発明の第12の態様は、第9~11の何れか一 の態様に記載の電子部品実装用フィルムキ リアテープにおいて、前記パターニングに り前記導体層が除去された部分のポリイミ 層の露出面の表面粗度(Rz)が5μm以下である とを特徴とする電子部品実装用フィルムキ リアテープにある。

 本発明の第13の態様は、第9~12の何れか一 の態様に記載の電子部品実装用フィルムキ リアテープに、前記パターニングにより前 導体層が除去された部分のポリイミド層に 対向する受光面を有する撮像素子を実装し ことを特徴とする半導体装置にある。

 かかる本発明は、所定の大型の銅結晶粒子 有する電解銅箔から形成された導体層を有 ると共に無色透明のポリイミド層を有する で、ポリイミド層の透明性が維持され且つ 色であるから、撮像素子を直接実装しても リイミド層を介して撮像することができる のである。また、かかる積層フィルムは、 常に高い耐折性を有しており、屈曲半径0.8m m、屈曲角度±135度、屈曲速度175rpm、印加荷重 100gf/10mm w の条件で25℃で測定したときに、少なくとも 部の配線パターンが断線に至るまでの耐折 が通常は100回以上であるという効果を奏す ものである。

本発明の一実施形態に係る電子部品実 用フィルムキャリアテープの平面図及び断 図である。 本発明の一実施形態に係る電子部品実 用フィルムキャリアテープに用いる電子部 実装用積層フィルムの一例を示す断面図で る。 本発明の一実施形態に係る電子部品実 用フィルムキャリアテープに用いる電子部 実装用積層フィルムの製造方法の一例を示 断面図である。 本発明の一実施形態に係る電子部品実 用フィルムキャリアテープへの電子部品の 装した半導体装置の一例を示す断面図であ 。 本発明の電子部品実装用フィルムキャ アテープから絶縁層であるポリイミド層を 解除去した配線パターンの断面の銅結晶粒 の例を示す電子顕微鏡写真およびそれをト ースした図である。 従来から使用されている電解銅箔を使 して形成した配線パターンの平面写真およ 断面写真である。

符号の説明

 10 電子部品実装用積層フィルム
 11 導体層
 12 絶縁層
 20 電子部品実装用フィルムキャリアテープ
 21 配線パターン
 22 スプロケットホール
 23 ソルダーレジスト層

 本発明の電子部品実装用積層フィルム及 電子部品実装用フィルムキャリアテープは 厚さ15μm以下、25℃における伸び率が5%以上 あり、主として3μm以上の長径長さを有する 柱状の銅結晶粒子からなる電解銅箔を導体層 としている。かかる電解銅箔は、従来の低プ ロファイル電解銅箔と異なり、電解銅箔を形 成する銅粒子が非常に大きいが、このように 銅結晶粒子が大きな電解銅箔のM面はS面と同 またはS面よりも低い表面粗度(Rz)を有して るが、このようなM面を均質に粗化処理する とによりポリイミド層との間に非常に高い 着性が発現し且つポリイミド層の透明度を く維持することができる。

 このように絶縁フィルムであるポリイミ 層の光透過率を高くすることができる結果 例えば、この電子部品実装用フィルムキャ アテープのポリイミド層面側から光を照射 て、このポリイミド層を透過した後、半導 チップに反射して戻ってくる光をフィルム ャリアテープのポリイミド層面側に配置し 検知装置で検知して、こうして検知された 像をパターン認識することにより、本発明 フィルムキャリアテープへの半導体チップ 実装の位置決めを高い精度で行うことがで る。従って、本発明の電子部品実装用フィ ムキャリアテープには特別な位置決め手段 形成しなくとも、形成された配線パターン 体を用いて正確に半導体チップの位置決め 行うことができ、より高い精度で電子部品 実装することが可能になる。

 また、本発明では、電解銅箔のM面に実質 的に無色透明なポリイミド層を設けて電子実 装用積層フィルムとすることにより、実質的 に無色透明なポリイミド層を有するものとな るので、CCDなどの撮像素子を直接実装しても 、ポリイミド層を介しての撮像が可能なもの となる。

 なお、電解銅箔上にポリイミド層を設け 方法としては、ポリイミドフィルムを直接 圧着したり、ポリイミドフィルムを熱可塑 樹脂や熱硬化性樹脂などの接着層を介して 圧着したりして積層フィルムとしてもよい 、好ましくは電解銅箔の表面にポリイミド 駆体からなる層を形成し、この電解銅箔の 面でポリイミドの閉環反応を行ってポリイ ド層を積層するのがよい。又は電解銅箔の 面にポリイミド溶液キャスティングする方 によってポリイミド層を設けてもよい。こ らの方法によると、電解銅箔とポリイミド との間に非常に高い密着性が発現し且つポ イミド層の高い透明性が維持される。

 また、非着色性が高く実質的に透明なポ イミドとしては、特開平5-301958号公報、特 平9-328545号公報、特開2006-199945号公報などに 載されているものを用いることができる。

 本発明は、また、このような銅の粒子径の きい電解銅箔を用いることにより、配線ピ チ幅が40μmを下回るような非常にファイン ッチの配線パターンを形成することができ と共に、このようにして形成された導体層 体が、非常に高い引張り強度および伸び率 有している。しかもこのような電解銅箔の 面を均質に粗化処理し、この粗化処理した 解銅箔の表面に、例えば、ポリイミド前駆 からなる層を形成してこの電解銅箔の表面 ポリイミドの閉環反応を行ってポリイミド を積層することにより、この電解銅箔とポ イミド層との間に非常に高い密着性が発現 る。このような電解銅箔とポリイミド層と らなる基材フィルムを用いて電解銅箔を選 的にエッチングして形成された配線は、そ 配線自体の機械的強度および伸び率が高く しかもポリイミド層との密着強度も高い。 って、配線ピッチ幅が40μmを下回るような非 常にファインピッチのフレキシブルプリント 配線基板を形成しても、このフレキシブルプ リント配線基板に形成されている配線自体の 機械的強度が高く、このフレキシブルプリン ト配線基板を折り曲げて使用するなど非常に 過酷な条件下で使用したとしても、折り曲げ 部などで配線パターンがポリイミド層から剥 離することがなく、さらに、配線パターンが 破断することがない。具体的には、上記のよ うな電解銅箔で形成された配線パターンを有 するフレキシブルプリント配線について屈曲 半径0.8mm、屈曲角度±135度、屈曲速度175rpm、 加荷重100gf/10mm w の条件で25℃で測定した、少なくとも一部の 線パターンが断線に至るまでの耐折性が100 以上であり、非常に高い耐折性を有してい 。

 以下、本発明の一実施形態に係る電子部 実装用積層フィルム及び電子部品実装用フ ルムキャリアテープを実施例に基づいて説 する。

 図1には、一実施形態に係る電子部品実装 用フィルムキャリアテープを、図2にはその 子部品実装用積層フィルムを示す。図1(a)、( b)に示す本実施形態のCOFフィルムキャリアテ プ20は、図2に示すように、電解銅箔からな 導体層11とポリイミド層からなる絶縁層12と を具備する電子部品実装用積層フィルム10を いて製造されたものである。なお、図3は塗 布法による電子部品実装用積層フィルム10の 造方法の一例を示すものである。

 図2に示す電子部品実装用積層フィルム10 、詳細は後述する所定の電解銅箔からなる 体層11上に(図3(a))、所定の無色透明ポリイ ド層を形成するためのポリイミド前駆体や ニスを含むポリイミド前駆体樹脂組成物を 布して塗布層12aを形成し(図3(b))、溶剤を乾 させて巻き取る。次に、酸素をパージした ュア炉内で熱処理し、イミド化してポリイ ド層からなる絶縁層12としたものである(図3( c))。

 一方、図1に示す電子部品実装用フィルム キャリアテープ20は、積層フィルムを用いて 造されたCOFフィルムキャリアテープであり 導体層11をパターニングした配線パターン21 と、配線パターン21の幅方向両側に設けられ スプロケットホール22とを有する。また、 線パターン21は、それぞれ、実装される電子 部品の大きさにほぼ対応した大きさで、絶縁 層12の表面に連続的に設けられている。さら 、配線パターン21上には、ソルダーレジス 材料塗布溶液をスクリーン印刷法にて塗布 て形成したソルダーレジスト層23を有する。 なお、配線パターン21の少なくともインナー ード21aに対応する領域には、電子部品の金 ンプと金-錫共晶接合又は金-金熱圧着層接 できるメッキ層、例えば、錫メッキ、錫合 メッキ、金メッキ、金合金メッキ、あるい これに代わるメッキ層などが形成されてい 。

 このようにして製造された電子部品実装 フィルムキャリアテープ20は、例えば、搬 されながらICチップやプリント基板などの電 子部品の実装工程に用いられ、COF実装される 。

 図4は、電子部品として、CCDからなる撮像 素子を実装した半導体装置30の断面を示した のである。かかる半導体装置30は、撮像素 40の金バンプ41とインナーリード21aとを密着 せて配置し、絶縁層12の裏面に加熱ツール 密着させて所定の温度で加熱しつつ所定の 力を印加することにより、撮像素子40の金バ ンプ41とインナーリード21aとを接合したもの ある。

 ここで、本発明で使用する電解銅箔は、 来の銅結晶粒子が小さい低プロファイル電 銅箔とは異なり、粒子径の大きい柱状の銅 晶粒子が多数形成されており、しかもこの 状の銅結晶粒子の中には3μm以上、好ましく は6μm以上の長径を有する銅結晶粒子が多数 在するものである。

 図5は、上記の電解銅箔を使用して形成さ れたインナーリード(ポリイミド層は溶解除 してある)の断面を銅結晶粒子が結晶ごとに 確になるように区分けして撮影した電子顕 鏡写真およびそのトレース図である。

 この図5に示すように、本発明で使用する電 解銅箔の厚さはT 0 であり、この電解銅箔中には長径がD 1 ,D 2 ,D 4 ,D 5 ,D 6 ,D 7 ,D 8 ,D 9 で表される柱状の銅結晶粒子が多数存在して いる。この柱状の銅結晶粒子の長径D 1 ,D 2 ,D 4 ,D 5 ,D 6 ,D 7 ,D 8 ,D 9 は、電解銅箔の厚さT 0 と同等かT 0 よりも明らかに長く、従って本発明のフレキ シブルプリント配線基板を形成する配線パタ ーン中には、配線パターンの厚さよりも長い 長径を有する柱状の銅結晶粒子が多数含有さ れている。

 本発明の電子部品実装用フィルムキャリア ープ20の配線パターン21には、この電解銅箔 の厚さ(=配線パターンの厚さ)T 0 と同等かT 0 よりも長い長径を有する柱状の結晶粒子が配 線パターン21の断面中に面積比率で通常は50% 上含有されており、さらに75%以上含有され いることが好ましい。

 従って、本発明で使用する電解銅箔中に 長径が3μmに満たない銅結晶粒子が断面比率 で50%以下の量、好ましくは25%以下の量で含有 されており、これらの長径が3μmに満たない 結晶粒子は、通常は長径が3μm以上である柱 の銅結晶粒子の間隙を埋めるように存在し いる。

 本発明で使用する電解銅箔は、上記のよ に、長径が3μm以上の柱状の銅結晶粒子を高 い比率で含有するものであり、このような大 きい柱状の銅結晶粒子を高い比率で含有する ことにより、この電解銅箔のM面の表面粗さ(R z)は、非常に低く、通常は0.8μm以下、好まし は0.1~0.6μmの範囲内にある。しかもこの電解 銅箔のM面は非常に平滑であり、この電解銅 の流れ方向(MD方向)に沿って、この電解銅箔 表面に入射角60°で測定光を照射し、反射角 60°で跳ね返った光の強度を測定して光沢度 Ga(60°)〕を測定すると、この電解銅箔の光沢 度は600~780の値を示す。この電解銅箔のM面(析 出面)の光沢度〔Ga(60°)〕の値は、電解銅箔の S面(電解銅箔を製造する際に用いるドラム型 極の表面に接触している面)よりも高い値を 示すことも多く、非常に高い平滑性を示す。

 本発明で使用する電解銅箔が長径の柱状粒 を高い比率で含有するから、結合力の低い 子界面が少なくなり、この電解銅箔は、高 引張強度を有している。本発明で使用する 解銅箔について、25℃で測定した引張強度 通常は33kgf/mm 2 以上、好ましくは35~40kgf/mm 2 である。さらに180℃で60分間加熱した後に測 した引張強度は通常は30kgf/mm 2 以上であり、好ましくは33~40kgf/mm 2 である。すなわち、本発明で使用する電解銅 箔は、上述のように主として3μm以上の長径 有する柱状の銅結晶粒子からなるので、非 に高い引張強度を有する。

 また、この電解銅箔の25℃における伸び は5%以上、好ましくは10~15%であり、さらに180 ℃で60分間加熱した後の伸び率も通常は8%以 、好ましくは10~15%である。すなわち、上述 ように本発明で使用される電解銅箔を構成 る銅結晶粒子は、長径が3μm以上である柱状 結晶粒径および形態を有しているので、常 において非常に高い伸び率が発現すると共 、高温に加熱した後の伸び率も非常に高い を示す。

 このように本発明で使用する電解銅箔が 非常に高い伸び率および引張強度を有する は、この電解銅箔を形成する銅の結晶粒子 柱状結晶であり、しかもその大部分が長径 3μm以上の大型の柱状結晶であるからである 。

 上記のように本発明で使用する電解銅箔 形成する銅の粒子の形状が大型の柱状結晶 あることから、引張強度および伸び率が高 なるので、この電解銅箔を用いて形成され 配線パターンは、フレキシブルプリント配 基板を折り曲げて使用しても、折り曲げ部 等に形成された配線パターンがポリイミド から剥離することがなく、また折り曲げ部 等で配線パターンが断線することがない。

 上記のような本発明で使用する電解銅箔は 例えば、ジアリルジメチルアンモニウムク ライドのような環状構造を有する4級アンモ ニウム塩ポリマーと、3-メルカプト-1-プロパ スルホン酸などの有機スルホン酸と、塩素 オンとを有する硫酸系銅電解液から銅を析 させることにより製造することができる。 お、この場合の環状構造を有する4級アンモ ニウム塩ポリマーの濃度は通常は1~50ppmの範 内にあり、有機スルホン酸の濃度は通常は3~ 50ppmの範囲内にあり、塩素イオンの濃度は通 は5~50ppmの範囲内にある。また、この硫酸系 銅電解液の銅濃度は通常は50~120g/リットルの 囲内にあり、フリー硫酸濃度は、通常は60~2 50g/リットルの範囲内にある。このような硫 系銅電解液の液温を20~60℃の範囲内、電流密 度を通常は30~90A/dm 2 の範囲内に設定して、銅を析出させることに より本発明で使用する電解銅箔を製造するこ とができる。上記のような組成を有する硫酸 系銅電解液を用いて上記のような条件で銅を 析出させると、析出銅の大部分が3μm以上の 径を有する柱状の銅結晶粒子となり、しか 析出終了面(析出面=M面)の表面が非常に平滑 なる。

 これに対して従来の低プロファイル電解 箔は、銅を析出させる際に使用する銅電解 中に、銅と錯体を形成する添加剤を加えて 銅の析出粒子をできるだけ小さくして、製 される電解銅箔の表面を平滑にしているの あり、低プロファイル電解銅箔中には粒子 が小さいために銅結晶粒子の界面が多数存 することになるので、得られる銅箔の引張 度、伸び率などが本発明で使用する電解銅 のように高くはなりにくい。また、銅箔の 面も非常に微細な粒子からなるために、銅 表面の表面粗さは低くなるけれども光沢度 Ga(60°)〕は通常は600未満の値を示し、光沢 〔Ga(60°)〕が600を超えることは通常はない。

 本発明では、上記のような電解銅箔とポ イミド層との積層体である基材フィルムを いてフレキシブルプリント配線基板を製造 るが、この積層の際には上記電解銅箔の表 にポリイミド層を形成する。本発明で使用 る電解銅箔は、上述のようにM面の平滑性を S面と同等またはそれ以上に高くすることが きることから、電解銅箔のM面あるいはS面の いずれの面にポリイミド層を形成しても良い が、通常はM面の表面にポリイミド層を形成 る。電解銅箔のM面にポリイミド層を形成す 場合、電解銅箔を表面処理した後にポリイ ド層を形成することが好ましい。ここで表 処理の例としては、電解銅箔の例えばM面に 、銅微細粒子を析出付着させる所謂やけメッ キ処理および付着した銅微細粒子を固定する かぶせメッキ処理からなる粗化処理、防錆処 理、並びに、カップリング剤処理などを挙げ ることができる。

 このうち粗化処理は、やけメッキ処理とか せメッキ処理とからなり、やけメッキ処理 、銅濃度が5~20g/リットル程度、フリー硫酸 度が50~200g/リットル程度の銅濃度の低いメ キ液を用い、添加剤として例えばα-ナフト ノン、デキストリン、膠、チオ尿素などを いて、通常は、液温15~40℃、電流密度10~50A/dm 2 の条件で電解銅箔のM面に銅の微細粒子を付 させる処理である。また、かぶせメッキ処 は、上記のようにして付着した銅の微細粒 を電解銅箔のM面に固定する処理であり、通 は銅濃度50~80g/リットル程度、フリー硫酸濃 度50~150g/リットル程度の銅メッキ液を用いて 液温40~50℃、電流密度10~50A/dm 2 の条件で銅の微細粒子が付着した電解銅箔の 析出面を銅メッキ層で覆う処理である。

 上記のように表面処理を行って上記電解 箔の析出面の表面粗度(Rz)を5μm以下、好ま くは0.1~3μmの範囲内、さらに好ましくは0.1~2 mの範囲内に調整する。このように表面処理 行うことにより、電解銅箔とポリイミド層 の密着性が高くなる。特に本発明の電子部 実装用フィルムキャリアテープを、フラッ ディスプレイパネルを駆動させる電子部品 実装に使用する場合には、本発明のフィル キャリアテープを折り曲げて使用する必要 あり、上記のように粗化処理をすることに り、形成された配線がポリイミド層から剥 することがなくなり、折り曲げ部分や接続 子付近で配線が破断するのを防止すること できる。しかも上記のようにして均質に粗 処理を行うことにより、エッチング処理に り露出したポリイミド層の表面に銅が残留 ることもない。

 一方、ポリイミド層からなる絶縁層12は 上述したように、好適には、電解銅箔の析 面の表面に、ポリイミド前駆体を塗布して このポリイミド前駆体を電解銅箔と共に加 することにより、ポリイミド前駆体を電解 箔表面で閉環して形成したものであるが、 めフィルム状にしたポリイミドフィルムを 解銅箔と積層することもできる。

 本発明において、ポリイミド層からなる 縁層12の厚さは、通常は12.5~75μm、好ましく 20~75μm、特に好ましくは20~50μmの範囲内にあ る。本来ポリイミド樹脂は光透過性の高い樹 脂ではないが、上記のような厚さでポリイミ ド層を形成することにより、ポリイミド層の 光線透過率が67%を超え95%の範囲内になるので 、ICチップや撮像素子等の電子部品の実装前 、本発明のフィルムキャリアテープのポリ ミド面側から光を照射すると、配線の形成 れていない部分を照射光が透過し、配線パ ーンの形成されている部分は照射光が透過 ず、このフィルムキャリアテープを透過す 透過光線をCCDカメラ等の検知装置で認識し 配線パターンの位置と搭載しようとする半 体チップの位置などを認識することができ 位置決め精度が著しく向上して、フィルム ャリアテープの端子と撮像素子等の電子部 の電極とを正確に一括ボンディングするこ ができる。

 このようにしてフィルムキャリアテープ ポリイミド面側からCCDカメラ等の検知装置 用いてパターン認識をする場合には、ポリ ミド層の光線透過率が、67%を超え95%以下、 ましくは70~90%の範囲内になるようにポリイ ド層の厚さを調整することが望ましい。

 また、このような光線透過率を有すると に実質的に無色のポリイミド層を用いるこ により、上述したように、実際に電子部品 して撮像素子40を受光面が絶縁層12に相対向 するように実装し、絶縁層12を介して撮像す ようにすることができる。

 通常のポリイミド層からなる絶縁層は、 ばみを表すYI値が70~130%であるが、上記のよ に撮像素子40を実装する場合のポリイミド からなる絶縁層12は、黄ばみを表すYI値が15% 下とするのが好ましく、さらに10%以下とす のが好ましい。なお、多少の色相であれば 撮像素子40の受光面側にカラーフィルター どを設けることにより、キャンセルするこ もできる。また、撮像素子以外の受光素子 外に、発光素子を実装することもできる。

 次に本発明の実施例を示して本発明をさら 詳細に説明するが、本発明はこれらによっ 限定されるものではない。
  〔実施例1〕

 銅濃度80g/リットル、フリー硫酸濃度140g/リ トル、1,3-メルカプト-1-プロパンスルホン酸 濃度4ppm、ジアリルジメチルアンモニウムク ライド(センカ(株)製、商品名:ユニセンスFPA1 00L)3ppm、塩素濃度10ppmの硫酸系銅電解液を用 て、液温50℃、電流密度60A/dm 2 の条件で厚さ12μmの電解銅箔を製造した。こ 電解銅箔のS面の表面粗度(Rz)は1.2μm、M面の 面粗度は0.6μm、M面の光沢度〔Gs(60°)〕は650 ある。

 この電解銅箔のM面にやけメッキ処理、かぶ せメッキ処理からなる粗化処理を行って、M の表面粗度(Rz)を1.5μmに調節した。こうして 化処理された電解銅箔のマット面に1,2,4,5- クロヘキサンテトラカルボン酸二無水物と アミノジフェニルエーテルから調製したポ イミド樹脂溶液を塗布してポリイミド層を 成した。こうして得られたポリイミド層の さが40μmであり、得られた積層フィルムは、 電解銅箔の厚さが12μm、ポリイミド層の厚さ 40μmの二層積層体である。なお、ここで使 した粗化処理前の電解銅箔について、常法 従って、25℃で測定した伸び率は8%であり、1 80℃で60分間保持した後測定した伸び率は12% あり、非常に柔軟性に富んだ電解銅箔であ た。また、この電解銅箔について、常法に って25℃で測定した引張強度は39kgf/mm 2 であり、180℃で60分間保持した後に測定した 張強度は35kgf/mm 2 であった。

 このような積層フィルムを用い、電解銅 面側にフォトレジストを塗布して乾燥した 、露光、現像、エッチング、フォトレジス 除去及びメッキをおこなうことにより、図1 に示すような電子部品実装用フィルムキャリ アテープ20を製造した。

 ここで、インナーリードの領域のポリイ ドを溶解除去して電解銅箔からなるインナ リードを取り出し、その断面を電子顕微鏡 観察した。この電子顕微鏡写真が図5に示し たものであり、この電子顕微鏡写真をトレー スした図も図5に示す。

 図5に示すように、このインナーリードの厚 さT 0 は8μmであり、図5のトレースした図面におい D1~D8は、明らかにこのインナーリードの厚 T 0 =8μmよりも長い長径を有する銅の柱状結晶で った。この断面における8μmを超える柱状の 銅結晶の占有面積は60%であった。

 また、上記のようにして製造した電子部 実装用フィルムキャリアテープにおいて、C CD素子の受光面に対向する領域の電解銅箔を 去したポリイミド層には、使用する電解銅 のM面の表面状態がほぼ転写されており、ポ リイミド層の表面粗度(Rz)が0.5μmであった。

 また、かかるポリイミド層の光線透過率 80%であり、YI値が6%であった。

 かかる電子部品実装用フィルムキャリア ープを用いると、TABボンダーにおいて、こ 電子部品実装用フィルムキャリアテープの リイミド面側に光源を配置し、ポリイミド 側に位置決め用CCDカメラを配置して、この ィルムキャリアテープを透過する光を検知 て、半導体チップとフィルムキャリアテー との位置決めを行うことができた。ここで 光透過率は、吸光光度計を用いて測定され ものである、すなわち、導体をエッチング た絶縁層(ポリイミド層)を適当な大きさに り出して光度計に光源に対して垂直になる うにセットして測定する。また、かかる光 過率は、ICチップなどの実装時に画像処理す る際に使用する光源の波長の領域で有してい ればよいが、本発明のポリイミド層は可視領 域、例えば波長400~800nm程度の領域で透明であ る。

 さらに、かかる電子部品実装用フィルム ャリアテープのインナーリード上に電子部 として受光面がポリイミド層に相対向するC CD撮像素子を一括ボンディングで実装し、半 体装置を製造した(図4参照)。そして、かか CCD撮像素子でポリイミド層を介して撮影し ところ、実際の色合いとほぼ同一の画像を ることができた。

 さらに、本実施例の電子部品実装用フィル キャリアテープを、耐折性試験装置である 販のMIT試験機を用いて、100gf/10mm w の荷重をかけて屈曲角度±135度、屈曲半径0.8m m、屈曲速度175rpmの条件で25℃で配線抵抗変化 を測定したところ、130回で断線した。

 図5に示すように本発明の電子部品実装用 フィルムキャリアテープに形成されている配 線パターンの断面の銅粒子は、従来のプリン ト配線基板を形成するのに適しているとされ て広範囲に使用されている図6に示す電解銅 を構成する銅粒子と比較すると非常に形状 大きく、しかもこうした粒子径の大きい柱 の銅粒子が配線パターンの中に多数存在し これらは配線パターンの中で他の柱状銅粒 と共同して略矩形の配線パターンに非常に れた耐折性、伸び率などの優れた特性を付 しているものと考えられる。

 これに対して、従来のように析出粒子径 小さくして、こうした小さい銅粒子が密に まった銅箔を使用したのでは、例えば図6に 示すように、リード自体が小さい銅結晶の集 合となり、銅粒子の粒界の数が多いだけ、こ うした境界からエッチング液が浸入し易くな るので、配線パターンをエッチングにより形 成している間にも、既にエッチングされた部 分のサイドエッチングが進行して、矩形の配 線パターンは形成されにくく、その断面形状 が台形の配線パターンが形成されやすい。

 このように本発明の実施例1で形成された フレキシブルプリント配線基板は、配線パタ ーンを形成する銅の結晶粒子の大部分を柱状 結晶とし、しかもこの柱状結晶の長径が3μm 上とすることにより、配線ピッチ幅(P)が40μm 未満であっても断面略矩形の配線パターンを 形成することができ、さらに長径の銅の柱状 粒子を含有することにより、形成された配線 パターン自体が非常に優れた耐折性などの機 械的特性を示すようになる。

  〔比較例1〕
 電解銅箔として、超低粗度電解銅箔(三井金 属鉱業(株)製)を用いて、この電解銅箔のS面 実施例と同様なポリイミド前駆体ワニスを 布して加熱し、二層積層体を製作した。

 この電解銅箔の25℃で測定した伸び率は4%、 引張強度は33kgf/mm 2 、S面の表面粗度(Rz)は1.0μm、光沢度〔Gs(60°) は370であった。

 この電解銅箔を使用した以外は実施例1と 同様にして配線パターンを形成し、得られた 配線パターンのリード部分に0.5μmの無電解ス ズメッキ層を形成した。

 このインナーリードの厚さは8μmであり、 断面観察すると、このインナーリードは、ほ ぼ100%の粒径が3μm未満の銅の粒状結晶で形成 れていた。

 上記のようにして製造した電子部品実装 フィルムキャリアテープにおいて、配線パ ーン間で配線パターンが形成されていない 分のポリイミド層の表面の表面粗度(Rz)は1.0 μmであり、こうして配線パターンが形成され ていない部分の光線透過率は65%であった。

 上記のようにして製造したフレキシブル リント配線基板について、MIT試験機を用い 耐折性試験を行ったところ、60回で断線し 。

  〔比較例2〕
 実施例と同様な電解銅箔を用い、2″-メチ -4,4″-ジアミノベンズアニリドとと4,4″-ジ ミノジフェニルエーテルをジメチルアセト ミドに溶解した後、10℃に冷却し、ピロメリ ット酸二無水物を徐々に加えて反応させ、こ のポリイミド前駆体樹脂ワニス(ポリアミッ 酸)を塗布して加熱し、二層積層体を製作し 。

 上記のようにして製造した電子部品実装 フィルムキャリアテープにおいて、配線パ ーン間で配線パターンが形成されていない 分のポリイミド層の表面の表面粗度(Rz)は0.5 μmであり、こうして配線パターンが形成され ていない部分の光線透過率は80%であったが、 YI値が85%であった。

 また、かかる電子部品実装用フィルムキ リアテープのインナーリード上に電子部品 して受光面がポリイミド層に相対向するCCD 像素子を実装し、半導体装置を製造した(図 4参照)。そして、かかるCCD撮像素子でポリイ ド層を介して撮影したところ、映像が茶色 かっていた。

  〔比較例3〕
 電解銅箔と無色透明なエポキシ樹脂フィル とからなる積層体を用いて電子部品実装用 ィルムキャリアテープを製造し、CCD撮像素 を実装したところ、実装時の熱によりボン ィング部が変形し、実用に供することがで なかった。