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Title:
LARGE-AREA TRANSPARENT ELECTROCONDUCTIVE FILM AND PROCESS FOR PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/117605
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a large-area transparent electroconductive film which has a high visible light transmittance, a suitable haze and a low sheet resistance, is excellent in evenness within a film face, and does not require a special crystal alignment. The large-area transparent electroconductive film is characterized in that the film is a fluorine-doped tin oxide film having a thickness of 0.3 to 1 μm, the average light transmittance is 70 to 90% in a wavelength range of 400 to 800 nm, the haze is 2 to 20%, and the sheet resistance is 2 to 15 Ω/□.

Inventors:
KANEKO, Shoji (INC. 3-1-7, Wajiyama, Naka-ku, Hamamatsu-sh, Shizuoka 03, 4328003, JP)
金子 正治 (〒03 静岡県浜松市中区和地山3-1-7 株式会社SPD研究所内 Shizuoka, 4328003, JP)
HORIKAWA, Nobuyuki (Shizuoka University 3-5-1,Johoku, Naka-k, Shizuoka 11, 4328011, JP)
Application Number:
JP2008/053170
Publication Date:
October 02, 2008
Filing Date:
February 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HAMAMATSU FOUNDATION FOR SCIENCE AND TECHNOLOGY PROMOTION (Shizuoka University 3-5-1,Johoku, Naka-ku, Hamamatsu-sh, Shizuoka 11, 4328011, JP)
財団法人 浜松科学技術研究振興会 (〒11 静岡県浜松市中区城北3-5-1 静岡大学浜松キャンパス内 Shizuoka, 4328011, JP)
SPD LABORATORY, INC. (3-1-7, Wajiyama Naka-ku, Hamamatsu-sh, Shizuoka 03, 4328003, JP)
株式会社SPD研究所 (〒03 静岡県浜松市中区和地山3-1-7 Shizuoka, 4328003, JP)
KANEKO, Shoji (INC. 3-1-7, Wajiyama, Naka-ku, Hamamatsu-sh, Shizuoka 03, 4328003, JP)
International Classes:
H01B5/14; C23C16/34; H01B13/00; H01L31/04
Attorney, Agent or Firm:
ASAHINA, Sohta (NS Building, 2-22 Tanimachi 2-chome, Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 12, 5400012, JP)
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Claims:
 膜厚0.3~1μmのフッ素ドープ酸化スズ膜であって、波長領域400~800nmでの平均光透過率が70~90%であり、ヘイズ率が2~20%であり、シート抵抗が2~15ω/□であることを特徴とする大面積透明導電膜。
 波長領域400~800nmでの平均光透過率が75~85%であり、ヘイズ率が3~15%であって、シート抵抗が3~10ω/□である請求の範囲第1項に記載の大面積透明導電膜。
 膜面内での平均光透過率のばらつきが±3%以内であり、シート抵抗のばらつきが±10%以内であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の大面積透明導電膜。
 透明導電膜面積が100~10000cm 2 である請求の範囲第1項に記載の大面積透明導電膜。
 太陽電池の太陽光透過膜として使用されている請求の範囲第1項に記載の大面積透明導電膜。
 水平方向に置き加熱した基板の表面に原料溶液を噴霧するスプレー熱分解法において、スプレーノズルを基板に対し、X-Y軸任意の方向に移動させながら噴霧させることを特徴とする大面積透明導電膜の製造方法。
Description:
大面積透明導電膜およびその製 方法

 本発明は、透明導電膜およびその製造方 に関する。さらに詳しくは、太陽電池(特に 、色素増感型太陽電池)、液晶ディスプレイ プラズマディスプレイなどに好適に使用し るフッ素ドープ酸化スズからなる大面積透 導電膜に関する。

 透明導電膜は、透明でかつ電気をよく通 という特異な性質を有していることから、 陽電池(例えば、色素増感型太陽電池)、液 ディスプレイ、プラズマディスプレイなど 透明電極や、ノートパソコン、携帯電話な の表示素子用電極などに用いられている。

 透明導電膜材料としては、酸化インジウム スズ(以下、ITOという)、フッ素をドープし 酸化スズ(以下、FTOという)、アルミニウムや ガリウムをドープした酸化亜鉛などが用いら れている。これらのなかでは、ITO膜は、抵抗 率が低く(1.5×10 -4 ~2.0×10 -4 ωcm)、エッチングが容易であることから、液 ディスプレイ、プラズマディスプレイ、パ コン、ゲーム機や携帯電話などの透明電極 して広く用いられている。

 しかし、ITOからなる透明導電膜材料は、イ ジウムが資源上の制約から高価であるので 経済的でなく、また500℃前後の熱処理によ 、形成された導電膜の抵抗率が上昇するた 、太陽電池など高温の製造プロセスを要す 製品に利用することができないという欠点 ある。一方、FTOは、ITOほど抵抗率が低くは いが(5.0×10 -4 ωcm程度)、耐熱性に優れ、資源的影響が小さ ことから、ITOに代わる低コストの導電膜材 として注目されている。また、アルミニウ やガリウムをドープした酸化亜鉛は、安価 あるが、抵抗率が高い(1.0×10 -3 ωcm程度)という欠点がある。

 先に本発明者らは、他の方法として、過 化水素を酸化剤として添加したテトラブチ スズ溶液または四塩化スズ溶液にフッ素化 物を添加した原料溶液を基板にスプレー熱 解法により噴霧し、FTO膜を低温で形成する 法が提案されている(特開2002-146536号公報参 )。しかし、この方法は膜の低温形成が可能 となるものの、酸化剤として過酸化水素を必 要とするうえに、その酸化性が強いため、噴 霧装置の腐食などが生じるおそれがあるとい う欠点がある。また、本方法により作製した FTO膜には、膜の光透過率および電気抵抗が記 述されているものの、例えば太陽電池などの 透明導電膜として使用するときに重要となる ヘイズ率の記述がなく、拡散光の有効利用の 調整ができないという欠点がある。

 また、透明導電膜の基本的な性質として 可視光透過率、シート抵抗およびヘイズ率 あるが、膜厚を大きくするとシート抵抗は がるものの、可視光透過率が下がりまたヘ ズ率が上がるというように、たがいにその 質が背反する関係があるが、透明導電膜は これらの3つの性質をいずれも満足する必要 がある。色素増感太陽電池用のFTO透明導電膜 として、膜厚、フッ素の濃度、X線回折パタ ンの回折強度比などを規定することにより シート抵抗を低くしたFTO膜が提案されてい (特開2006-3227号公報参照)。しかし、このFTO膜 は、透明導電膜として重要な可視光透過率お よびヘイズ率が規定されておらず、光学的性 能が最適化できないという欠点がある。

 さらに透明導電膜として、ITO膜の低抵抗 とFTO膜の耐熱性の両方の長所を有するFTO-ITO 積層膜が提案されているが(特開2003-323818号公 報参照)、膜の耐熱性が改善されるものの、FT O-ITO積層膜は、積層膜であるため、その製膜 程が複雑になるなどの欠点がある。

 また近年、太陽電池や液晶ディスプレイ るいはプラズマディスプレイなどに用いら る透明導電膜の大面積化が進んでおり、膜 内での品質が均一であることが一層求めら ている。スプレー熱分解法は大気中で簡単 容易に金属酸化物などの大面積薄膜を形成 きる優れた方法であるが、従来の製膜法で スプレーノズルを固定して原料溶液を噴霧 るため、基板が大面積化した場合、基板の 央部と端部で膜厚のばらつきが生じ、ひい は膜面内での特性が不均一となる問題があ 。

 このように従来、ITO膜には、耐熱性に劣る ともに、これを製造するときのコストが高 なるという欠点があり、ZnO膜には、高抵抗 あるという欠点があり、FTO-ITO積層膜には、 製膜プロセスが複雑となるという欠点があっ た。また、スプレー熱分解法による薄膜形成 においては、膜面内での特性の均一性が高い ことが求められている。さらに、FTO膜には、 特別な結晶配向を必要とせず、適度のヘイズ 率を有する高品位の膜が求められており、特 許第3655330号明細書には、酸化スズ(IV)膜の成 方法においては、基体表面にバッファ層を ける必要がなく、しかも成膜中に成膜条件 変更することなく、成膜の初期段階から高 向性を有する酸化スズ(IV)膜を成膜すること ができることが開示されている。しかし、酸 化スズ(IV)膜は抵抗率が5.0×10 -1 程度であり、シート抵抗が高くなるため、こ のままでは太陽電池やディスプレイなどの透 明導電膜として利用できない問題点があった 。

 本発明は、前記従来技術に鑑みてなされ ものであり、高品位な透明導電膜の作製を 的とするものである。すなわち、高い可視 透過率と適度のヘイズ率および低いシート 抗を有し、膜面内での均一性に優れ、また 特別な結晶配向を必要としない大面積透明 電膜を提供することを目的としている。

 また、本発明は膜面内のシート抵抗およ 平均光透過率の均一性が高い、大面積透明 電膜およびその製造方法を提供することを 的としている。

 すなわち、本発明の一態様は、
(1)膜厚0.3~1μmのフッ素ドープ酸化スズ膜であ て、波長領域400~800nmでの平均光透過率が70~9 0%であり、ヘイズ率が2~20%であり、シート抵 が2~15ω/□であることを特徴とする大面積透 導電膜というものであり、
(2)波長領域400~800nmでの平均光透過率が75~85%で あり、ヘイズ率が3~15%であって、シート抵抗 3~10ω/□である(1)に記載の大面積透明導電膜 であり、
(3)膜面内での平均光透過率のばらつきが±3% 内であり、シート抵抗のばらつきが±10%以内 であることを特徴とする(1)に記載の大面積透 明導電膜であり、
(4)透明導電膜面積が100~10000cm 2 である(1)に記載の大面積透明導電膜であり、
(5)太陽電池の太陽光透過膜として使用されて いる(1)に記載の大面積透明導電膜である。
 本発明の他の態様は、
(6)水平方向に置き加熱した基板の表面に原料 溶液を噴霧するスプレー熱分解法において、 スプレーノズルを基板に対し、X-Y軸任意の方 向に移動させながら噴霧させることを特徴と する大面積透明導電膜の製造方法というもの である。

 本発明は、前述の特許第3655330号明細書に 開示されたスプレー熱分解法による酸化スズ (IV)膜の製膜方法を参考とし、原料溶液およ 製膜温度の変更、移動噴霧機構の導入など より、さらに低抵抗率で、特別な結晶配向 必要としないFTO膜からなる大面積透明導電 が得られるという本発明者らの知見に基づ ものである。

スプレーノズルを移動させながら噴霧 た実施例1で得られた透明導電膜の各部位で の平均光透過率を示す説明図である。 スプレーノズルを移動させながら噴霧 た実施例1で得られた透明導電膜の各部位で のシート抵抗を示す説明図である。 固定噴霧で得られた比較例2による透明 導電膜について同様に各部位での平均光透過 率を示す説明図である。 固定噴霧で得られた比較例2による透明 導電膜について同様に各部位でのシート抵抗 を示す説明図である。 ガラス基板上に形成された本発明の大 積透明導電膜の一実施形態を示す概略断面 である。 本発明の大面積透明導電膜を製造する に用いられる製造装置の一実施態様を示す 略説明図である。

符号の説明

 1  ガラス基板
 2  大面積透明導電膜
 10 原料溶液貯槽部
 11 原料供給配管
 12 流量計
 13 圧縮ガス供給部
 14 ガス供給配管
 15 圧力調整器
 16 霧化部
 17 霧化部二軸駆動装置
 18 大面積透明導電膜
 19 基板
 20 基板保持部
 21 ヒータ

 本発明の大面積透明導電膜を図5に示す。 図5は、ガラス基板1の上に形成された透明導 膜2の一実施形態を示す概略断面図である。

 本発明の大面積透明導電膜の厚みは、膜 平均光透過率、ヘイズ率およびシート抵抗 密接に関係しており、厚みが大きすぎると ート抵抗は小さくなるが、平均光透過率が がり、ヘイズ率が大きくなり、逆に厚みが さすぎると平均光透過率が上がるが、ヘイ 率が小さくなり、シート抵抗は大きくなる したがって、いずれの特性を満足するため は膜の厚みは0.3~1μmに、より好ましくは400~8 00nmに調整する必要がある。本発明の大面積 明電膜の平均光透過率は、これが用いられ 太陽電池や液晶、プラズマディスプレイな の性能を維持するため、70~90%に、より好ま くは75~85%に調整される。平均光透過率が70% り低いと、太陽電池に用いた場合、入射光 不十分となり、光変換効率の低下が生じ、 た液晶やプラズマディスプレイなどに用い 場合、透過光の低下により表示画面が暗く るなどの問題がある。逆に平均光透過率が90 %を超えると、光透過率としては問題ないが 膜のシート抵抗が高くなってしまう。また 本発明の大面積透明導電膜のヘイズ率は2~20% に、より好ましくは3~15%に調整される。ヘイ 率は透明導電膜の拡散光透過率と直進光透 率の割合を示すもので、膜の曇り度と関係 る。ヘイズ率が20%より大きくなると、膜の り度が大きくなり、特に液晶やプラズマデ スプレイなどに用いた場合、表示画像がぼ けてしまう問題がある。一方、2%より小さ なると、太陽電池に用いた場合、拡散光が 効に利用されないため、変換効率が低くな 問題がある。さらに、本発明の大面積透明 電膜のシート抵抗は、2~15ω/□に、より好ま くは3~10ω/□に調整される。シート抵抗が15 /□より大きいと、太陽電池や液晶、プラズ ディスプレイに用いた場合、内部抵抗の増 による損失が大きくなり、逆に2ω/□より小 さいと、抵抗値としては問題ないが、光透過 率が70%より小さくなってしまう。

 透明導電膜の大きさが10cm角(100cm 2 )以上に大面積化すると、ノズルを基板中央 部に固定して噴霧する方法では、膜の中央 と端部において膜厚が不均一となり、光透 率やシート抵抗などの特性のばらつき大き なり、膜全体としての性能を大きく低下さ てしまう。これを避けるため、ノズルを基 上に複数個設置し、定位置から基板に噴霧 る方法があるが、ノズル数が多くなるため 置の構造が複雑になるばかりでなく、基板 積の大きさに応じて、ノズル数を増減させ 必要がある。本発明者らは一つのノズルをX- Y軸任意の方向に移動させながら、原料溶液 基板表面に噴霧する方法を開発した。すな ち、スプレーノズルと基板間の距離が一定 あるX-Y平面内において、任意の2点間でスプ ーノズルを移動させながら噴霧する方法に り、均一な特性を有する大面積透明導電膜 得られることを見出した。本発明の大面積 明導電膜の大きさは、100~10000cm 2 、さらに好ましくは200~8000cm 2 、特に好ましくは225~3,000cm 2 である。膜の大きさが100cm 2 より小さいと、基板面積が小さくなるためス プレーノズルを移動させながら噴霧する必要 がなくなり、一方、10000cm 2 より大きくなると、基板面積が大きくなりす ぎ、膜面内での平均光透過率およびシート抵 抗のばらつきが大きくなる問題がある。

 本発明の大面積透明導電膜は、スプレー 分解法により、スズおよびフッ素を含む原 溶液をガラスなどの加熱された透明基板上 噴霧することにより形成する。透明基板と ては、石英ガラス、ソーダガラス、硼珪酸 ラスなどから、耐熱性、光透過率、コスト どを考慮し、適正に用いられる。スズの原 としてはジブチルスズジアセテート、テト ブチルスズ、四塩化スズおよび二塩化スズ どから、また、フッ素の原料としてはフッ 水素酸、フッ化アンモニウムなどから選ば る。これらの原料を水あるいはメタノール エタノール、IPA(イソプロビルアルコール) どのアルコールに溶解させ、適正な濃度例 ば0.2~1.0Mまで希釈して製膜用原料溶液を作製 し、これを加熱された透明基板上に噴霧する ことにより、本発明の大面積透明導電膜を得 ることができる。製膜温度は結晶性の高いフ ッ素ドープ酸化スズ膜が得られる400~600℃に 整される。

 本発明の大面積透明導電膜を製造する際 は、例えば、図6に示される透明導電膜の製 造装置を用いることができる。図6は、本発 の大面積透明導電膜を製造する際に用いら る製造装置の一実施態様を示す概略説明図 ある。

 原料溶液は、原料溶液貯槽部10に蓄えら 、原料供給配管11を介して霧化部16に導入さ る。原料溶液の流量は、原料供給配管11に 設された流量計12で確認することができる。 霧化部16から原料溶液を噴霧する際には、圧 ガス供給部13から供給される圧縮ガスが用 られる。また、霧化部16は、これをX-Y軸任意 の方向に移動させる霧化部二軸駆動装置17に 結しており、移動しながらの噴霧が可能で る。圧縮ガスは、ガス供給配管14を介して 化部16に導入される。圧縮ガスの圧力は、ガ ス供給配管14に配設された圧力調整器15によ 調整される。

 基板19は、基板保持部20上に載置される。 基板保持部20上に載置された基板19の上方か 原料溶液が噴霧される。このとき、原料溶 の噴霧により、基板19が冷却されたときには 、基板保持部20に装着されたヒータ21により 基板19を所定温度に加熱することができる。

 かくして膜厚0.3~1μmのフッ素ドープ酸化 ズ膜であって、波長領域400~800nmでの平均光 過率が70~90%であり、ヘイズ率が2~20%であり、 シート抵抗が2~15ω/□であることを特徴とす 大面積透明導電膜が得られる。

 つぎに本発明を実施例に基づいてさらに 細に説明するが、本発明は、かかる実施例 みに限定されるものではない。

実施例1
 スズの原料として、ジブチルスズジアセテ トを用い、これをエタノールに溶解して0.2M の溶液を調製した。この溶液にジブチルスズ ジアセテートのスズ原子とフッ化アンモニウ ムのフッ素原子との原子比が等しくなるよう にフッ化アンモニウムを秤量し、これを同重 量の水に溶かした。このフッ化アンモニウム 水溶液を前記ジブチルスズジアセテートのエ タノール溶液に溶かすことにより、透明導電 膜用の原料溶液を調製した。

 スプレー熱分解薄膜形成装置〔グローバル シーナリー(株)製、品番:KM-150〕を用いて、 の原料溶液を550℃に加熱された大きさが15cm 角(225cm 2 )で厚さ1.1mmの硼珪酸ガラス基板〔コーニング 社製、商品名:1737〕上に、スプレーノズルと 板間の距離を一定にしたX-Y平面内において 基板の対角線2方向に交互にスプレーノズル を移動しながら1回あたり0.6mlの割合で130回噴 霧した。このとき、ガラス基板の温度が設定 温度(550℃)よりも低くならないように、休止 隔をおきながら噴霧を繰り返した。この後 自然冷却することにより、フッ素ドープ酸 スズ透明導電膜を作製した。得られた透明 電膜は、密着性のよい均一な透明膜であっ 。

実施例2
 スズの原料として、二塩化スズをエタノー に溶解することにより、二塩化スズ濃度が0 .2Mの溶液を調製した。この溶液に、二塩化ス ズのスズ原子とフッ化水素酸のフッ素原子と の原子比が等しくなるようにフッ化水素酸を 加えて溶解することにより、透明導電膜用の 原料溶液を調製した。次に大きさが50cm角(2500 cm 2 )で厚さが1.5mmのソーダガラス基板〔旭硝子社 製〕をヒータに載せ520℃に加熱した。基板の 縦および横方向5cm間隔ごとに縦方向および横 方向に沿って、1回あたり1.5mlの割合でスプレ ーノズルを移動しながらそれぞれ11回噴霧し この操作を繰り返し合計550回噴霧した。噴 はガラス基板の温度が設定温度より下がら いように休止間隔をおきながら噴霧し、こ 後、自然冷却することにより、フッ素ドー 酸化スズ透明導電膜を作製した。得られた 明導電膜は、密着性のよい均一な透明膜で った。

実施例3
 四塩化スズを冷却しながら水で希釈し、3M 四塩化スズのストック溶液を調製し、その 定量を分取した。この溶液に、四塩化スズ スズ原子とフッ化アンモニウムのフッ素原 との原子比が等しくなるようにフッ化アン ニウムを添加して溶かし、得られた溶液を らにエタノールで希釈することにより、0.3M 透明導電膜用の原料溶液を調製した。スプ ー熱分解薄膜形成装置〔グローバルマシー リー(株)製、品番:KM-150〕を用いて、この原 溶液を560℃に加熱された大きさが10cm角(100cm 2 )で厚さ1.1mmの硼珪酸ガラス基板〔コーニング 社製、商品名:1737〕上に、1回あたり0.5Mの割 でスプレーノズルを基板の対角線2方向に交 に移動しながら100回噴霧した。以下、実施 1と同様にして製膜を行うことにより、フッ 素ドープ酸化スズ透明導電膜を作製した。得 られた透明導電膜は、密着性のよい均一な透 明膜であった。

比較例1
 実施例1で作製した原料溶液を用い、520℃に 加熱された大きさが2.5cm角(6.25cm 2 )で厚さ1.1mmの硼珪酸ガラス基板〔コーニング 社製、商品名:1737〕上に、1回あたりの噴霧量 が0.3mlの割合で、噴霧回数を120回とし、スプ ーノズルを固定した状態で噴霧したこと以 は、実施例1と同様にして製膜を行うことに より、フッ素ドープ酸化スズ透明導電膜を作 製した。得られた透明導電膜は、密着性のよ い均一な透明膜であった。

比較例2
 実施例1で作製した原料溶液を用い、550℃に 加熱された大きさが10cm角(100cm 2 )で厚さ1.1mmの硼珪酸ガラス基板〔コーニング 社製、商品名:1737〕上に、1回あたりの噴霧量 が0.3mlの割合で、噴霧回数を150回とし、スプ ーノズルを固定した状態で噴霧したこと以 は、実施例1と同様にして製膜を行うことに より、フッ素ドープ酸化スズ透明導電膜を作 製した。得られた透明導電膜は、基板中央部 と周辺部に膜厚の不均一さがみられた。

比較例3
 実施例1で作製した原料溶液を用い、550℃に 加熱された大きさが15cm角(225cm 2 )で厚さ1.1mmの硼珪酸ガラス基板〔コーニング 社製、商品名:1737〕上に、1回あたりの噴霧量 が0.6mlの割合で、スプレーノズルを基板の対 線2方向に交互に移動しながら30回噴霧した と以外は、実施例1と同様にして製膜を行う ことにより、フッ素ドープ酸化スズ透明導電 膜を作製した。得られた透明導電膜は、密着 性のよい均一な透明膜であった。

比較例4
 実施例1で作製した原料溶液を用い、550℃に 加熱された大きさが15cm角(225cm2)で厚さ1.1mmの 珪酸ガラス基板〔コーニング社製、商品名: 1737〕上に、1回あたりの噴霧量が0.6mlの割合 、スプレーノズルを基板の対角線2方向に交 に移動しながら300回噴霧したこと以外は、 施例1と同様にして製膜を行うことにより、 フッ素ドープ酸化スズ透明導電膜を作製した 。得られた透明導電膜は、密着性のよい均一 な透明膜であった。

 各実施例および比較例で得られた透明導 膜の物性を以下の方法に基づいて評価した

[波長領域400~800nmでの平均光透過率]
 分光光度計〔日本分光(株)製、品番:V-570〕 用いて、透明導電膜の波長領域400~800nmでの 散光透過率を測定し、測定波長領域での光 過率の積分面積を波長区間で除することに り、400~800nmでの平均光透過率(Td)を算出した

[ヘイズ率]
 前記平均光透過率の測定方法と同様にして 波長領域400~800nmでの直進光透過率を測定し その平均透過率(Tn)を算出した。ヘイズ率(HR )は、平均拡散光透過率(Td)および平均直進光 過率(Tn)から、式:
  HR(%)=(Td-Tn)/Td×100
によって求めた。

[シート抵抗]
 透明導電膜のシート抵抗は、四端子シート 抗測定器〔三菱化学(株)製、商品名:Loresta-GP MCP-T600)を用いて測定した。

[結晶配向性]
 X線回折装置〔理学電機(株)製、品番:RINT-2000 〕を用い、2θが20~60degの範囲内で、Cu-Kα線を いて30kV-20mAの条件で測定し、透明導電膜の 向性を調べ、X線回折パターンでの最強ピー クの面指数を求めた。

[膜厚]
 電子顕微鏡〔日本電子(株)製、品番:JSM-6320 により、透明導電膜の断面を観察すること より求めた。

[特性ばらつき]
 基板の大きさが、10cm角(100cm 2 )、15cm角(225cm 2 )および50cm角(2500cm 2 )の透明導電膜試料についてそれぞれ2cm角で25 分割、3cm角で25分割および5cm角で100分割の試 にそれぞれ細断し、各部位での平均光透過 およびシート抵抗を測定し、平均値、最大 および最小値を求め、ばらつきを調べた。 みは各基板サイズの試料から、中央部1個と 端部4個を抜き取り、また膜の結晶配向性は 央部の試料1個を抜き取り評価した。

 各実施例および比較例で得られた各透明 電膜の膜厚、平均光透過率、シート抵抗、 イズ率の平均値およびX線回折パターンでの 最強ピークを表1に示す。また、平均光透過 、シート抵抗の平均値、最大値、最小値お び最大値と最小値の差の平均値に対する割 をばらつき(%)として表2に示す。さらに実施 1で得られた試料(透明導電膜2)の各部位での 平均光透過率(%)およびシート抵抗(ω/□)の測 結果をそれぞれ図1および図2にまた、比較 2で得られた試料(透明導電膜2)の各部位での 均光透過率(%)およびシート抵抗(ω/□)の測 結果をそれぞれ図3および図4に示す。

 表1に示された結果から、各実施例で得ら れた透明導電膜は、いずれも平均光透過率が 75~85%であり、ヘイズ率が3~15%であり、シート 抗が3~10ω/□の高性能の大面積透明導電膜で あることがわかる。また、表2からわかるよ に、各実施例で得られた透明導電膜は、い れも平均透過率のばらつきが±3%以内であり シート抵抗のばらつきが±10%以内である大 積透明導電膜であり、膜面全体で均一な品 であることがわかる。

 比較例1は小面積(6.25cm 2 )基板にスプレーノズルを固定して噴霧した のであり、特性とそのばらつきは問題ない 、同じ条件で基板を大面積化(100cm 2 )した比較例2では、膜面内で平均光透過率お びシート抵抗に大きなばらつきが生じるこ がわかる。また、比較例3および4からわか ように、スプレーノズルを移動噴霧させな ら透明導電膜を得る場合でも、膜厚が薄い シート抵抗が大きくなり、厚いと平均光透 率が小さくなるため、適正な膜厚に制御す 必要がある。さらに、実施例1から3の透明導 電膜の最強ピーク面はそれぞれ(200)、(211)お び(211)面であるが、いずれも透明導電膜とし てほぼ同等の優れた性能を有することから、 前記物性を発現させるために特定のピーク面 への結晶の配向性は必要ではないことがわか る。

 図1および図2は、スプレーノズルを移動 せながら噴霧した実施例1で得られた透明導 膜の各部位での平均光透過率およびシート 抗を示したものであるが、膜面内でのばら きが平均光透過率で±3%以内、シート抵抗で ±10%以内であり、特性分布が均一であること 分かる。一方、図3および図4は、固定噴霧 得られた比較例2による透明導電膜について 様に各部位での平均光透過率およびシート 抗を示したものであるが、膜面内での平均 透過率およびシート抵抗のばらつきが、膜 中央部と端部で非常に大きくなっているこ がわかる。

 本発明の大面積透明導電膜は、高い可視 透過率および低いシート抵抗を有し、また それらの膜面内でのばらつきも小さいので 高ヘイズ率のものは太陽電池(特に色素増感 太陽電池)の窓用透明電極として、また、低 イズ率のものは液晶ディスプレイ、プラズ ディスプレイなどの表示用透明電極に好適 使用し得るものである。

 本発明の大面積透明導電膜は、膜厚0.3~1μ mのフッ素ドープ酸化スズ膜であって、波長 域400~800nmでの平均光透過率が70~90%であり、 イズ率が2~20%であり、シート抵抗が2~15ω/□ あることを特徴とする透明導電膜であるの 、太陽電池(特に、色素増感太陽電池)などの 窓用透明電極として、あるいはテレビ用の液 晶ディスプレイ、プラズマディスプレイなど の透明電極、ノートパソコンや携帯電話など の表示素子用透明電極などに好適に使用し得 るものである。