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Patent Searching and Data


Title:
LASER MACHINING METHOD, LASER CUTTING METHOD, AND METHOD FOR DIVIDING STRUCTURE HAVING MULTILAYER BOARD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/126742
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide a method for efficiently machining a work with a very short pulse. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] The method is used for machining a work such as a board with a laser beam. The method is characterized in that a very short pulse laser beam having a wavelength to which the work is transparent is directed to the front surface of the work toward the back surface and focused, the beam waist of the focused laser beam is located away from the back surface of the work, a beam focus channel long in the light beam traveling direction from the beam waist formed by the auto-focusing action due to the laser beam propagation in the work is thus formed in the work, a substance in the channel is decomposed by the laser beam, the decomposed substance can be discharged from the back surface, and a cavity is formed in the channel. While forming the cavity, the laser beam is scanned, a machined surface is formed, and thereafter the work can be cut with a weak bending stress. The invention can be applied to divide two substrates opposed to each other, and can be used for dividing a glass substrate of a liquid crystal panel.

Inventors:
KAMATA MASANAO (JP)
SUMIYOSHI TETSUMI (JP)
TSUJIKAWA SUSUMU (JP)
SEKITA HITOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/056583
Publication Date:
October 23, 2008
Filing Date:
April 02, 2008
Export Citation:
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Assignee:
CYBER LASER INC (JP)
CHARM & CI CO LTD (KR)
KAMATA MASANAO (JP)
SUMIYOSHI TETSUMI (JP)
TSUJIKAWA SUSUMU (JP)
SEKITA HITOSHI (JP)
International Classes:
B23K26/06; B23K26/00; B23K26/38; B23K26/40; B28D5/00; B23K101/40
Foreign References:
JP2006130903A2006-05-25
JP2005511313A2005-04-28
JP2007066951A2007-03-15
Attorney, Agent or Firm:
SONODA, Yoshitaka et al. (53 rd FloorShinjuku Mitsui Building,1-1, Nishi-Shinjuku 2-chome, Shinjuku-ku Tokyo 53, JP)
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Claims:
第1の面及び第2の面を有する被加工物体に対して透明となる波長を有する超短パルスレーザ光を集光手段を通して集光し、第1の面の側から、集光された前記レーザ光のビームウェスト位置が前記被加工物体の第1の面と第2の面の間に形成されるように前記レーザ光を照射し、前記被加工物体内部の超短パルス高ピークレーザ光伝播による自己集束作用により前記レーザ光の進行方向に集光チャンネルが形成されることにより、前記集光チャネル部に第2の面に達する空洞、もしくは第2の面近傍に達する空洞が形成されることを特徴とするレーザ加工方法。
前記パルスレーザ光は、パルス幅100ps以下である請求項1記載のレーザ加工方法。
前記パルスレーザ光は、パルス幅500fsないし10psである請求項2記載のレーザ加工方法。
前記レーザ光進行方向の第2の面との交点近傍が周辺の表面よりも高く盛り上がっている機械強度の弱い盛り上がり構造が形成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のレーザ加工方法。
前記集光チャネルが第2の面まで形成されることにより、前記空洞が第2の面まで形成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のレーザ加工方法。
前記集光チャネルが第1の面から第2の面まで形成されることにより、前記空洞が第1の面から第2の面まで形成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のレーザ加工方法。
前記集光チャネルが第1の面から前記加工物体内部まで形成されることにより、前記空洞が第1の面から前記加工物体内部まで形成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載のレーザ加工方法。
前記被加工物体がガラス、サファイア、もしくはダイヤモンドなどの誘電体材料、またはシリコンもしくは窒化ガリウムなどの半導体材料であることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載のレーザ加工方法。
前記超短パルスレーザ光は、パルスエネルギー1mJ以下の出力パルスである請求項1ないし8のいずれか一項に記載のレーザ加工方法。
前記超短パルスレーザ光は、パルスエネルギー10μJ以下の出力パルスである請求項1ないし8のいずれか一項に記載のレーザ加工方法。
前記被加工物体が平板状の物体であることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一項に記載のレーザ加工方法。
前記被加工物体はシリコン基板とし、前記波長は1μmないし2μmとすることを特徴とする、請求項1ないし11のいずれか一項に記載のレーザ加工方法。
前記被加工物体が同種または異種の材料の平板状物体が2枚以上重なった多層構造であることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1項に記載のレーザ加工方法。
前記多層構造をなす被加工物体が密着しているかまたは間にエアーギャップ、有機材料もしくは透明電極層が存在することを特徴とする請求項13に記載のレーザ加工方法。
前記被加工物体の第1の面側に前記レーザ波長に対して透明な他の物体を設置することで前記被加工物体に生成される自己集束作用による前記集光チャネルの長さを変更することを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載のレーザ加工方法。
前記被加工物体の第1の面側に前記レーザ波長に対して透明な他の物体を設置することで前記被加工物体に生成される自己集束作用による前記集光チャネルを第1面に到達させることを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項に記載のレーザ加工方法。
前記集光手段で前記被加工物体内部に集光した前記超短パルスレーザ光を、切断する方向に沿って任意の速度で相対移動させることで、前記空洞の空間的な重なりを設けることを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1項に記載のレーザ加工方法。
前記集光手段で前記被加工物体内部に集光した前記超短パルスレーザ光を、切断する方向に沿って任意の速度で相対移動させることで、前記空洞を空間的に離して設けることを特徴とする請求項1ないし17のいずれか1項に記載のレーザ加工方法。
前記被加工物体が、平面状をした物体であり、前記超短パルスレーザの集光レーザ光を前記被加工物体の第1面の法線方向から一定の角度で傾斜して入射させ、前記集光レーザ光に前記角度の傾斜をもたせつつ回転させて円形の走査を行い、加工面を傾斜して加工することを特徴とする請求項17または18に記載のレーザによる加工方法。
前記相対移動を複数回行い各相対移動の間に前記レーザ光のビームウェストの高さを変更する操作を有する、請求項17ないし19のいずれか1項記載のレーザ加工方法。
請求項17ないし20のいずれか1項に記載の方法による被加工物体のレーザ加工を行った後に、加工部分にそって少ない応力で前記被加工物体を切断することを特徴とする被加工物体の切断方法。
請求項21の被加工物体の切断方法であって、前記被加工物体は、液晶表示パネルの基板であることを特徴とする液晶表示パネル基板切断方法。
請求項22に記載の被加工物体の切断方法であって、前記液晶表示パネルは第1の基板と第2の基板の積層構造を有し、第2の基板の第1の基板側の表面上に搭載された部品の上に前記レーザ波長に対して不透明な材料を塗布もしくは接着もしくは密着させて第1の基板の側から第1の基板内にビームウェストを形成するようにレーザを照射するステップを有し、前記照射の際、第1の基板を通過したレーザ光が前記部品に損傷を与えないようにすることを特徴とする液晶表示パネル基板切断方法。
請求項22または23の液晶表示パネル基板切断方法を含むことを特徴とする、液晶表示パネルの製造方法。
 第1及び第2基板とそれらの間にスペーサを部分的に挟んで平行に配置された構造体に、第1及び第2基板に透明となる波長を有する、パルス幅100ps以下の超短パルスレーザを集光手段を通して集光し、第1基板の外側からビームウェスト位置がいずれか一方の基板の表面または内部に形成するように照射して、該超短パルスレーザ伝播による自己集束作用により該超短パルスレーザ光の進行方向に集光チャネルが形成されることにより、該集光チャネル部に空洞が形成し、該超短パルスレーザ光を相対的に移動することでスクライブ線を形成するスクライブ線形成ステップ、及びその後該スクライブ線に沿って前記スクライブ線が形成された基板を切断する基板切断ステップを有し、該スクライブ線形成が下記Aを有し、該基板切断ステップが下記Cを有する該構造体の分割方法。
A:第1基板を透過し、第2基板に該ビームウェストがくるように該超短パルスレーザを集光して第2基板に第1のスクライブ線を形成し、さらにビームウェストを第1基板に位置するように集光し第1スクライブ線と同じ平面位置で該超短パルスレーザを相対的に移動することで第1基板に第2のスクライブ線を形成するステップ。
C:第1及び第2スクライブ線に沿って第2及び第1の基板を切断することにより、該構造体を分割するステップ。
 前記スクライブ線形成ステップにさらに下記Bを有し、前記A、該Bまたは該B、前記Aの順序で実施し、前記基板切断ステップにさらに下記Dを有し、前記C、該Dの順序で実施する請求項25記載の方法。
B:前記ビームウェストを第1基板に位置するように前記超短パルスレーザを集光して、第2スクライブ線と所定の距離離して平行に前記超短パルスレーザ光を相対的に移動することで第1基板に第3のスクライブ線を形成するステップ。
D:第3スクライブ線に沿って第1基板を切断することにより、第1基板の第2スクライブ線から第3スクライブ線の部分を除去するステップ。
 前記構造体が第1基板の第2基板側と対向した面上に、金属薄膜を有する、請求項26記載の方法。
 第2基板に形成された第3スクライブ線が、前記金属薄膜を空間上横切る、請求項27記載の方法。
 前記スペーサが、封止材であって第1及び第2基板と該封止材とで囲む空間を構成する該封止材を有する、請求項25または26記載の方法。
 前記スペーサが、封止材であって第1及び第2基板と該封止材とで囲む空間を構成する該封止材を有し、該空間に電子部品を形成され、前記金属薄膜が該空間の内側と外側にまたがって存在し、前記金属薄膜が該電子部品と電気的に接続された請求項27または28記載の方法。
 第1基板及び第2基板がいずれもガラス基板である、請求項25ないし30何れか一項記載の方法。
 前記構造体が液晶表示パネルまたはプラズマ表示パネルである、請求項25ないし31何れか一項記載の方法。
 請求項32に記載の方法を含む液晶表示パネルまたはプラズマ表示パネルの製造方法。
超短パルスレーザ発生装置と、
 前記超短パルスレーザ発生装置から発生したパルスレーザ光を一定の角度で偏向させて回転する回転ミラーと、
 偏向された前記パルスレーザ光の光路と光軸が一致するように前記回転ミラーと同期して回転し、回転によって焦点が円軌跡を描く集光レンズと、
 前記集光レンズを前記光軸方向に沿って移動させる手段と
 加工物体搭載手段
とを有する、レーザ加工装置。
Description:
レーザ加工方法及び切断方法並 に多層基板を有する構造体の分割方法

 本発明は、加工対象物体、とくに基板のよ な平板状を有する物体をその物体に対して 明となる波長の超短パルスレーザを用いて 率的且つ高品質に加工する方法に関する。
 本発明は、また、少なくとも2枚の基板を平 行に配置し、その間にスペーサを挿入した構 造を有する、多層基板を有する構造体のレー ザ光を用いた分割方法に関する。液晶表示パ ネル、プラズマ表示パネルなどのガラス基板 を用いた平板表示パネルを分割するのに好適 である。

 電子工業においてCPUやDRAM、SRAMなどの半導 デバイスの微細化は年々進展し、それにつ て内部の回路の高集積化が図られている。 れらのデバイスの構造はシリコンウェハな の半導体基板上に高集積な回路パターンで 成される。半導体ウェハから多数のチップ 収穫するためにはチップの分割に要する面 を最小化する必要がある。このためにはス ライビング工程で加工除去物の飛散が少な ことが望まれる。液晶ディスプレイなどの ラス基板の切断工程では、正確に所定寸法 分割できることが望まれる。これらの分割 程では、加工部の周囲への熱損傷や機械的 傷の無い条件で除去加工することが必要で り、このためにナノ秒パルス以下の狭いパ スが使用されている。超短パルスレーザを いた加工では、熱的加工変質層の発生が低 できることや、その波長にとって透明な材 であっても多光子吸収に代表される非線形 光吸収によって加工可能であることは周知 術である。
 超短パルス発振のレーザ光を用いた透明体 加工方法は特許文献2により周知であり、さ らに被加工物体を基板の裏面に集光してレー ザ加工を施すことは特許文献3に記載されて る。

 表面吸収の大きなUVレーザ光を照射する 照射表面からプラズマが発生し、そこでレ ザ光が吸収されるので、レーザエネルギー 利用効率は低下するとともに、プラズマか の副次的は放射により周囲が照射され、周 のデバイス特性に影響を与える場合もある そこで半導体基板、薄膜トランジスタ用の ラス基板などを所定の大きさに分割するス ライビング工程として、切れ目を入れる面( 工面)と反対側の面から加工面に焦点を合わ せてレーザ光を照射することで加工面に切れ 目を加工する方法が特許文献3に記載されて る。この方法ではレーザ光入射側と反対の にレーザ光を集光させてレーザアブレーシ ン加工行うため、加工溝の深さが十分得ら ない欠点がある。溝深さが十分深く得られ いと、その溝に沿って分離するために、ブ ーキングするために要する折り曲げの力が きくなるばかりか、スクライブ線に沿って 割されないこともある。加工溝の深さが十 あれば、少ない応力でスクライブ線に沿っ 分割可能である。

 一方、液晶表示装置の製造においては、 ネルを構成する大型ガラス基板を切断する 程がある。液晶表示装置のパネル面は少な とも2枚のガラス板を平行配置し、その間に 表示装置に必要なカラーフィルタや液晶、薄 膜トランジスタ(TFT)、制御電極などの配線が けられている。これらのガラス板は製造工 では最終の表示装置の大きさより大きなガ スを用いて同時に多数枚の表示装置を製造 ることで同時に多数枚の表示パネルの製造 行い、効率化を図っている。従って、最終 に製品のパネルサイズに合わせて大きな多 枚のパネルが形成された大型ガラス基板か 個別に切断する必要がある。従来のガラス の切断方法はダイヤモンド刃、超硬刃等の 等を利用してガラス表面を所望の切断すべ 線に沿って切り込みを入れてスクライブ線 設け、その後応力を該スクライブ線に直角 向に加えて該スクライブ線に沿って破断し 分離させる方法や、レーザ光線を所望の切 すべき線に沿って走査し、加熱し、熱応力 ガラス基板に発生させて、その部分から破 分割する方法などがあり、この場合ガラス に吸収率の大きなレーザ波長を用いて照射 、局部加熱させ、その後強制冷却し、照射 置から分割する。

 2枚のガラス板の間に表示要素を挿入して ガラスの周囲をシール剤で封止してから個別 の表示パネルに分割する場合は、2枚重ねの ラス板の両面から片側ずつスクライビング 行い、その後切断する方法が実施される。 れにはダイヤモンド刃で切り込みを入れる め、片面にスクライビング加工を行った後 、2層ガラス板を表裏反転させて残りの片面 スクライビングを施してから2枚重ねのガラ ス板を一緒に分割する方法となる。近年の市 場が表示パネルのサイズの大型化の傾向によ り、パネルに用いるガラスの大きさが益々大 きくなる傾向にあり、そのため製造用大型ガ ラス板の搬送装置が複雑化し、反転機構が大 がかりになり高価な設備となる。そのため、 ガラス板は反転しないで、片側からスクライ ビングする方法は実用的に有効な製造方法と なる。紫外線レーザを2枚重ねのガラスの片 から各ガラス表面に照射し、2枚重ね構造の 方のガラス板の表面にスクライビングを施 提案が特許文献4に開示されている。この方 法はガラスがレーザ光に対して透明性を有し 、上部ガラス側からレーザ光を照射するとし た場合、上部ガラスを通過して下部ガラス表 面に紫外線レーザ光が到達することが必要条 件となる。従って下部ガラスの上面や上部ガ ラス板の内面の金属配線などに用いる金属膜 があるとレーザ光が照射されることにより金 属膜が破損し、又は金属膜に遮られて下部ガ ラスまでレーザビームを導くことが困難とな る。このように2枚ガラスの間に介在物があ 場合、片側面からのレーザビーム照射では 部のガラス板を通じて下部のガラス板をス ライビングすることが困難である。

米国再発行特許第37585号明細書

特開2002-205179号公報

特開2004-351466号公報

特開2005-132694号公報

特開平8-64556号公報

 解決しようとする課題は、加工物体に対し 透明となる波長の超短パルスレーザ光を用 て加工物体を入射側と反対の面(ウラ面)に いて高精度加工を実施する際に、加工物体 部に小さな直径のビームを集光点の焦点深 より長い範囲にわたってレーザ光進行方向 設ける点である。
 また、さらなる課題は多層基板を有する構 体の一つの基板面側のみからレーザ光を照 して該構造体が分割できる方法を提供する とである。また、2枚の基板の間に金属薄膜 を有する構造において、金属薄膜を露出させ るような分割方法を提供することである。ま た、2枚の基板間に封止部を有し、封止部内 に電子部品を形成した場合、該電子部品か 封止部外側に配線を導出することを可能と る構造体の分割方法を提供することである

 加工物体内部に自己集束作用を発生させ レーザ光による加工幅を小さくしたまま、 ーザ光の進行方向の加工距離を通常のアブ ーション加工よりも格段に大きくすること よって上記課題を解決する。

 上記課題を解決するため、本発明はレー 加工方法であって、第1の面及び第2の面を する被加工物体に対して透明となる波長を する超短パルスレーザ光を集光手段を通し 集光し、第1の面の側から、集光された前記 ーザ光のビームウェスト位置が前記被加工 体の第1の面と第2の面の間に形成されるよ に前記レーザ光を照射し、前記被加工物体 部の超短パルス高ピークレーザ光伝播によ 自己集束作用により前記レーザ光の進行方 に集光チャンネルが形成されることにより 前記集光チャネル部分に第2の面に達する空 、もしくは第2の面近傍に達する空洞が形成 されることを特徴とする。それによって、レ ーザ光進行方向の加工距離を通常のアブレー ション加工よりも大きくすることができる。

 また、前記レーザ光進行方向の第2の面と の交点近傍が周辺の表面よりも高く盛り上が っている機械強度の弱い盛り上がり構造が形 成されることを特徴とする。また、前記集光 チャネルが第2の面まで形成されることによ 、前記空洞が第2の面まで形成されることを 徴とする。また、前記集光チャネルが第1の 面から第2の面まで形成されることにより、 記空洞が第1の面から第2の面まで形成される ことを特徴とする。また、前記集光チャネル が第1の面から前記加工物体内部まで形成さ ることにより、前記空洞が第1の面から前記 工物体内部まで形成されることを特徴とす 。それぞれにより、レーザ光進行方向の加 距離を通常のアブレーション加工よりも大 くすることができる。

 また、前記被加工物体が同種または異種の 料の平板状物体が2枚以上重なった多層構造 であることを特徴とする。それによって、2 以上の物体を同時に加工可能である。
 また、前記被加工物体の第1の面側に前記レ ーザ波長に対して透明な他の物体を設置する ことで前記被加工物体に生成される自己集束 作用による前記集光チャネルの長さを変更す ることを特徴とする。それによって、レーザ 光進行方向の加工距離を調整することができ る。
 また、前記被加工物体の第1の面側に前記レ ーザ波長に対して透明な他の物体を設置する ことで前記被加工物体に生成される自己集束 作用による前記集光チャネルを第1面に到達 せることを特徴とする。それによって、基 のオモテ面まで加工することができる。

 また、前記集光手段で前記被加工物体内部 集光した前記超短パルスレーザ光を、切断 る方向に沿って任意の速度で相対移動させ ことで、前記空洞の空間的な重なりを設け ことを特徴とする。また、前記集光手段で 記被加工物体内部に集光した前記超短パル レーザ光を、切断する方向に沿って任意の 度で相対移動させることで、前記空洞を空 的に離して設けることを特徴とする。それ れにより、被加工物体に切断線を作成する とができ、かつレーザ光進行方向の加工距 が大きいので少ない曲げ応力で切断するこ ができる。
 また、前記被加工物体が、平面状をした物 であり、前記超短パルスレーザの集光レー 光を前記被加工物体の第1面の法線方向から 一定の角度で傾斜して入射させ、前記集光レ ーザ光に前記角度の傾斜をもたせつつ回転さ せて円形の走査を行い、加工面を傾斜して加 工することを特徴とする。それによって、円 形の切断線を作成することができる。
 また、前記相対移動を複数回行い各相対移 の間に前記レーザ光のビームウェストの高 を変更する操作を有することを特徴とする それによって、被加工物体に深部に渡って 洞形成がなされるため、部分切断から全切 までの加工を施すことが可能である。

 一方、本発明は被加工物体の切断方法であ て、前記記載の被加工物体のレーザ加工を った後に、加工部分にそって少ない応力で 記被加工物体を切断することを特徴とする それによって、切断線に正しく沿って被加 物体を分割することができる。
 また、液晶表示パネルの基板切断方法であ て、液晶表示パネルは第1の基板と第2の基 の積層構造を有し、第2の基板の第1の基板側 の表面上に搭載された部品の上に前記レーザ 波長に対して不透明な材料を塗布もしくは接 着もしくは密着させて第1の基板の側から第1 基板内にビームウェストを形成するように ーザを照射するステップを有し、前記照射 際、第1の基板を通過したレーザ光が前記部 品に損傷を与えないようにすることを特徴と する。

 また、本発明では、第1及び第2基板とそれ の間にスペーサを部分的に挟んで平行に配 された構造体の分割方法を提供する。方法 次の通りである。
 第1及び第2基板に透明となる波長を有する パルス幅100ps以下の超短パルスレーザを集光 手段を通して集光し、第1基板の外側からビ ムウェスト位置がいずれか一方の基板の表 または内部に形成するように照射して、該 短パルスレーザ伝播による自己集束作用に り該超短パルスレーザ光の進行方向に集光 ャネルが形成されることにより、該集光チ ネル部に空洞が形成し、該超短パルスレー 光を相対的に移動することでスクライブ線 形成するスクライブ線形成ステップ、及び の後、該スクライブ線に沿って前記スクラ ブ線が形成された基板を切断する基板切断 テップを有する。レーザビームを多層基板 とくに2層の基板、を有する構造体の一方の のみから照射して加工ができるので設備の 素化が図れる。
 また、本発明はさらに、前記スクライブ線 成ステップにおいて、下記ステップAを有し 、該基板切断ステップにおいては下記ステッ プCを有することを特徴とする。
 また、本発明は前記スクライブ線形成ステ プにおいて、下記A及びBのステップを有しA BまたはB、Aの順序で実施し、前記基板切断 テップにおいては下記C及びDのステップを し、C、Dの順序で実施することを特徴とする 。これにより、第1基板を対峙させない第2基 の部分を形成できるので、制御回路を第2基 板の内側の面上に、又はその面の上部に形成 することが可能となり、液晶パネルなど表示 パネルの薄型化が図れる。

ステップA:第1基板を透過し、第2基板に該ビ ムウェストがくるように該超短パルスレー を集光して第2基板に第1のスクライブ線を形 成し、さらにビームウェストを第1基板に位 するように集光し第1スクライブ線と同じ平 位置で該超短パルスレーザを相対的に移動 ることで第1基板に第2のスクライブ線を形 する。
ステップB:前記ビームウェストを第1基板に位 置するように前記超短パルスレーザを集光し て、第2スクライブ線と所定の距離離して平 に前記超短パルスレーザ光を相対的に移動 ることで第1基板に第3のスクライブ線を形成 する。
ステップC:第1及び第2スクライブ線に沿って 2及び第1の基板を切断することにより、該構 造体を分割する。
ステップD:第3スクライブ線に沿って第1基板 切断することにより、第1基板の第2スクライ ブ線から第3スクライブ線の部分を除去する

 さらに、前記構造体が第2基板の第1基板 と対向した面上に、金属薄膜を有し、さら 、前記スペーサが、封止材であって第1及び 2基板と該封止材とで囲む空間を構成する該 封止材を有し、該空間に電子部品を形成され 、前記金属薄膜が該空間の内側と外側にまた がって存在し、前記金属薄膜が該電子部品と 電気的に接続されると、金属薄膜が封止体を 横切り、この金属薄膜が封止体内部に形成さ れた該電子部品と電気的に接続されているの で、この金属薄膜は配線として用いることが でき、該電子部品を封止部の外側で配線する ことが可能になる。

 さらに、本発明はレーザ加工装置であっ 、超短パルスレーザ発生装置と、前記超短 ルスレーザ発生装置から発生したパルスレ ザ光を一定の角度で偏向させて回転する回 ミラーと、偏向された前記パルスレーザ光 光路と光軸が一致するように前記回転ミラ と同期して回転し、回転によって焦点が円 跡を描く集光レンズと、前記集光レンズを 記光軸方向に沿って移動させる手段と加工 体搭載手段とを有することを特徴とする。 構成により、被加工物体に円形に切断線を れることができ、さらに切断線に沿って円 に切断することが可能となる。

 自己収束作用の発生により、レーザ光の 行方向に集光チャネルが、ビームウェスト りも長い距離にわたって形成され、集光チ ネル部分に空洞が形成され、集光チャネル に第2の面に達する空洞、または第2の面近 に達する空洞が形成されることから、レー 光進行方向の加工距離を通常のアブレーシ ン加工よりも大きくすることができる。

 以下、本発明の実施形態を説明する。図1は 本発明による加工方法の実施形態を示す図で ある。超短パルスレーザ発生装置1から出力 れる超短パルス15であるレーザ光(ビーム)2を コリメータ(図示されず)によって平行にし、 光レンズ3などの集光手段に入射し、集束レ ーザビーム5として被加工物体4のオモテ面45 ら入射させる。超短パルスのレーザとはパ ス幅100ps以内のレーザとする。前記被加工物 体4の例としては、ガラス、サファイア、も くはダイヤモンドなどの誘電体材料、また シリコンもしくは窒化ガリウムなどの半導 材料があげられる。また、被加工物体4は基 など平板状の物体が好適である。このため 以下、被加工物体4を基板と称することもあ る。レーザは、被加工物体に対して透明とな る波長となるものを選ぶ。ここで透明とは、 かならずしも100%光を透過するという意味と 限らない。レーザ光がある程度透過できる 合も含まれるものとする。例えば、被加工 体をシリコン基板とすると、波長が1μmない 2μmである赤外の領域であればよい。レーザ 媒体の例として、チタンサファイア結晶(中 波長780nm)のほか、エルビウム添加ファイバ 、イットリビウム添加ファイバー、Nd:YAG結 、Nd:YVO 4 結晶、Nd:YLF結晶などがあげられる。また、ガ ラス基板を被加工物体とする場合、レーザ媒 体はチタンサファイア結晶(中心波長780nm)と るのが好ましい。
 なお、オモテ面とは、レーザ光が入射する の面であり、それとは反対側の面をウラ面 称する。集束レーザビーム5は被加工物体4 内部に集光点であるビームウェスト6を形成 る。被加工物体4に収束レーザビーム5を照 し、そのビームウェスト6をオモテ面45から ラ面44までの被加工物体内部の適当な位置に 合わせてビームを照射する。

 収束レーザビーム5のエネルギー、波長及 びパルス幅並びに前記集光レンズ3の焦点距 や集光位置を調整し、被加工物体4の内部に いて超短パルスを高パワー密度に集光する 、ビームウェスト6から進行方向に向かって カー効果に基づく自己集束作用が発生し、ビ ームウェスト6程度の直径を有する細いビー の伝播チャンネル8が形成される。図1におい て、被加工物体4の厚さ7の内部でウラ面44か オモテ面方向に、レーザビームウェスト6を 成するように照射条件を設定すると、入射 る集束レーザビーム5はビームウェスト6か は、パワー密度が微弱でカー効果による自 集束作用が発生しない領域では、一旦ビー ウェストで集光された後は発散性のビーム10 として伝播するが、カー効果が現れる十分高 いパワー密度の集光点がビームウェストに形 成されると、フィラメント状のチャンネル8 距離13に渡って形成される、被加工物体内部 のチャンネル8に沿って伝播し、レーザビー エネルギーを消費しながらウラ面44に向かっ て進み、ウラ面44においてもカー効果が維持 きる程度のエネルギーが維持されていれば チャンネル8にある被加工物体の一部は衝撃 波により周囲に圧縮される結果、細い空洞が 形成され、残りはウラ面から外部に排出され 、または排出されない場合はウラ面44に盛り がりが形成され、細長い空洞がチャンネル8 に沿ってビームウェスト6からウラ面44までの 距離14に渡って形成される。ウラ面44まで被 工物体に吸収されないで到達したビームは もはや自己集束作用により閉じ込められる とがないので発散性ビーム11として放出され る。

  被加工物体中での自己収束作用によるビ ムの集光効果が顕著になる条件として、文 J. H. Marburger, Prog. Quantum Electron., Vol. 4, p .35 (1975).によると自己収束の臨界閾値パワー P cr と呼ばれる数式1で示す指標がある。
 数式1において、λはレーザ波長、n 0 は物体の屈折率、n 2 は物体の非線形屈折率とする。
数式1によると、例えば石英ガラスの自己収 の臨界閾値パワーは2.3MWであり、被加工物体 に入射されたレーザパルスのピーク出力(レ ザパルスエネルギーをレーザパルス幅で除 した値)がこの値よりも大きくなると自己収 作用が顕著に起こる。

 超短パルスレーザのエネルギー、波長、パ ス幅、及び集光レンズの焦点距離、集光位 の調整を図ることにより、自己収束作用の 生状況を変えることができる。これにより ウラ面に達する空洞、もしくはウラ面近傍 達する空洞が形成される。ここで面近傍と 、その面から内部方向に基板などの被加工 象である物体の厚さの1/10程度の距離まで含 めるものとする。空洞形成状態はつぎのよう に設定可能である。
(1)空洞はウラ面まで達しないのでウラ面が周 辺の表面よりも高く盛り上がっている機械強 度の弱い盛り上がり構造が形成される。
(2)前記集光チャネルがウラ面まで形成される ことにより、空洞がウラ面まで形成される。
(3)前記集光チャネルがオモテ面からウラ面ま で形成されることにより、空洞がオモテ面か らウラ面まで形成される。
(4)集光チャネルがオモテ面から加工物体内部 までのみに形成されることにより、空洞がオ モテ面から加工物体内部までのみ形成される 。

 本発明によれば、被加工物体に対して透 な波長を有する超短パルスレーザ光を集光 学系により、基板内に十分小さなレーザ光 面積に集光させることで、集光点には高い ワー密度の集光点を実現し、それによって 板内に伝播するレーザ光は一旦集光される 、カー効果による自己集束作用を生じ、一 集光点にプラズマによるデフォーカス作用 発生し、この2作用のバランスによってレー ザパルス光の伝播は、自己集束作用の自己ト ラップされたフィラメントを形成する。この トラップされる範囲は、通常のパワーレベル での自己集束作用の現れない条件での焦点付 近に形成されるビームウェストの焦点深度よ り、何倍も大きな距離の値まで自己集束作用 によるレーザ光伝播チャンネルを形成できる 。チャンネルの長さは、材料特性、レーザビ ームのパワー密度、エネルギーなどのパラメ ータで変化する。チャンネルのレーザ光伝播 方向の端部がウラ面に到達し、その後にチャ ネル内部に蓄積されたエネルギーにより局所 的な高温、高圧力状態が作り出され内部から 外部に向かう力が働くため、上記自己集束作 用の集光チャンネルの通過跡には空洞が形成 されて残る。

 図2に示すように、超短パルスレーザ光2 被加工物体4内のレーザ光の集光点から進行 向16に長く形成される自己集束作用による い円筒型チャンネルによる空洞を走査線48に 沿って形成する。さらに、形成後走査線48に 角方向に曲げ応力49を印加してブレーキン を行う場合、穴径に比べて非常に深い穴が 成されるため、その溝に沿った線(スクライ 線)がブレーキングの起点として作用し、ス クライブ線に沿って比較的弱い応力でも切断 することができる。基板のウラ面には連続し た浅い溝や構造的に弱い盛り上がり構造が形 成されているので、ブレーキング方向は走査 線48、言い換えればスクライブ線に沿ってだ 確実に生じることになる。ウラ面近くで表 に穴が空く場合や、チャネル出口部が周囲 表面よりも高く盛り上がる機械強度が弱い 造となる場合があるが、いずれの場合でも ーザ光を基板の切断したい方向に走査する とにより基板内部奥深くからウラ面に到る 工形状が、走査線48、言い換えればスクラ ブ線に沿って形成される。加工溝の深さが 分得られるので、その後少ない曲げ応力49で 走査線48に沿って基板を切断することができ 。スクライブ線の形成は、レーザ光の移動 なく、被加工物体4の移動によっても可能で ある。何れかの移動を相対的走査と称する。 また破断したい方向にレーザ光を走査する場 合、走査速度を調整することにより、破断面 を連続的にスクライブ線を設けることも、ま た間隔を空けて離散的にスクライブ線を設け ることも可能であり、いずれの場合も少ない 曲げ応力によってスクライブ線に沿って基板 を切断することが可能である。

 図3には、被加工物体のある高さにレーザ 光を集光しながら一度被加工物体を走査して 加工した後にレーザ光集光点の集光位置を変 更し、再度加工を行う方法を示す。まず、(a) に示すように、被加工物体4のウラ面44から内 部へ空洞形成距離57(135μm程度)程度離れた個 にレーザ光のビームウェストを合わせ、自 収束作用によるチャネル8を形成し、走査方 47に沿って直線的に一度走査する。これに り、空洞列を直線的に形成する。つぎに(b) 示すように集光レンズ3を光軸方向に沿って 動し、空洞形成距離58程度だけビームウェ トが形成される高さをオモテ面側にずらし チャネル8を形成して再度走査する。このと 、初回の走査による加工線35の上を走査す ので、空洞列が、初回の走査で形成された 洞列とほぼ連続的につながるように形成さ る。さらに、必要であれば、(c)に示すよう 、ビームウェストの高さ移動と空洞列形成 ための走査を行う。高さ移動と走査は必要 回数だけ繰り返すものとする。この操作の り返しにより被加工物体4の内部に合体した 線状の空洞の壁が形成される。最後に被加 物体4に曲げ応力を与えて空洞の壁に沿って 切断する。初回の走査は、必ずしも空洞がウ ラ面に到達する必要はない。また、ビームウ ェストがオモテ面に到達するまで高さ移動及 び走査を繰り返すことも可能である。このよ うな方法により、被加工物体に深部に渡って 空洞形成を繰り返すため、部分切断から全切 断までの加工を施すことが可能である。

 加工対象物体である基板は、1枚とは限ら ない。同種または異種材料の2枚以上の基板 重ねた多層構造であってもすべての基板に して加工が可能である。多層構造の場合、 板を密着しても、離してもよく、離した場 、空隙は空気とするほか、有機材料もしく 透明電極層であってもよい。基板2枚とした 合、図4のように、レーザ入射光側に置かれ た上部基板81と反対側に置かれた下部基板82 ら構成され、空隙83が入る場合もある。この 方法であれば、複数の層からなるガラスであ っても本発明の方法が適用可能である。

 図4のように基板2枚の場合、下部基板82の方 がレーザ伝搬方向により長い加工が行われる 。これは自己収束作用が被加工物体中の伝搬 距離に依存して増加するためである。また、 自己収束作用による集光チャンネルが形成さ れるには、10ないし200μm程度の距離レーザが 加工物体内を伝播する必要がある。この距 が長いほど、同じエネルギーでも長い空洞 形成される。このことを利用すれば、基板 オモテ面側にそれと同種またはレーザ光に する透明な異種材料からなる他の基板を載 ることで実効的に自己収束作用を増強させ 空洞形成距離を長くすることが出来、より い加工を行うことができる。とくに、被加 物体に集光チャネルをオモテ面からウラ面 で形成させて、空洞をオモテ面からウラ面 でにわたって形成することもできる。被加 物体でない他の基板には空洞が形成されな ことも形成されることもある。
 

 この方法は、液晶表示パネルのガラス基板 切断に適用できる。液晶表示パネルのガラ 基板は、空隙を挟んでレーザ入射光側に置 れた上部基板と反対側に置かれた下部基板 ら構成された構造をしている。
 上部ガラス基板には上面側から、レーザビ ムウェストが該基板の表面または内部の適 な位置に来るよう超短パルスレーザを照射 ると、上部ガラス基板に空洞が形成される レーザ光を相対的に移動することにより、 部ガラス基板に切断面(スクライブ線)を形 する。

 下部ガラス基板も上部ガラス基板の上面 から超短パルスレーザを照射することで、 断面を形成できる。レーザビームウェスト 該基板の表面または内部の適当な位置に来 よう照射する。超短パルスレーザは上部ガ ス基板に損傷を与えることなく透過し、下 ガラス基板に空洞を形成することができる 超短パルスレーザを走査することにより、 部ガラス基板に切断面(スクライブ線)を形 する。

 図5(a)に液晶表示パネル断面図を示す。液 晶表示パネル90は、ガラス基板2枚からなる積 層構造からなる。上部ガラス基板91の内側表 には、透明電極、カラーフィルタ、薄膜ト ンジスタなどの部品95が形成され、下部ガ ス基板92の内側表面には、電極などの部品96 形成される。また、2枚のガラス基板の間に は液晶93が充填されている。液晶は、気密封 材94の中に封印されている。切断工程には 上部ガラス基板と第2のガラス基板とを同じ 断線に沿って切り離す場合または少し離れ 別の切断線で切り離す工程とがある。同じ 断線に沿って切り離す場合は、前述した、 4に示したような2枚以上の基板を重ねてす ての基板に対して加工する場合を適用すれ よい。

 図5(a)は、さらに、離れた別の切断線で切 り離す工程を示している。この工程では、上 部ガラス基板の切断97と下部ガラス基板の切 98を行う。収束レーザビーム5を、上部ガラ 基板91のオモテ面から、レーザビームウェ トが該基板の内部の適当な位置に来るよう 射すると、上部ガラス基板91のウラ面付近に 空洞61が形成される。収束レーザビーム5を走 査することにより、上部ガラス基板91に切断 を形成する。この際、上部ガラス基板91の 工に消費されなかったレーザビームが上部 ラス基板91を通過し、下部ガラス基板92上に 成された電極などの部品96に照射されるこ から、電極などの部品96にダメージを与え、 最終的には液晶表示装置としての動作に悪影 響を与える可能性がある。このような悪影響 を防止するため、図5(b)に示すよう、事前に 極などの部品96のレーザビームが照射される 位置上に保護用コーティング99を、塗布、接 または密着などして形成しておく。保護用 ーティング99は、収束レーザビームの波長 対して不透明なものとする。ここで不透明 は、完全にレーザ光を透過しないという場 だけでなく、保護用コーティング99下の電極 などの部品96にダメージを与えないという目 にかなえばわずかの光を透過することも含 れるものとする。

 上部ガラス基板91への加工とは別途下部 ラス基板92への加工を行う。これは、同様に 、収束レーザビーム5を上部ガラス基板91のオ モテ面から照射するが、レーザビームウェス トが下部ガラス基板92内部の適当な位置に来 よう照射する。収束レーザビーム5は上部ガ ラス基板91を通過し、下部ガラス基板92のウ 面付近に空洞91を形成する。収束レーザビー ム5を走査することにより、下部ガラス基板92 に切断面を形成する。ガラス基板に応力を加 えてガラス基板を切り離したあと、液晶表示 パネルを他の部品との組み立て工程を経て、 液晶表示装置が製造される。したがって、本 方法は液晶表示パネル及び液晶表示装置の製 造に用いることが可能である。

 複数基板となる場合の、別の実施形態を示 。この実施形態では、基板2枚からなる構造 体の分割方法を示す。図6はこの実施形態を 明するための模式的な断面図である。
 構造体70は上部ガラス基板91と下部ガラス基 板92とが平行に配置されて構成された構造を する。液晶表示パネルとして用いる場合、 造体70は2枚のガラス基板間にスペーサが部 的に挿入されている。2枚のガラス基板の間 に空隙を設けるためにスペーサが必要である 。例えば液晶表示パネルでは、球状のシリカ またはポリスチレンや円柱状のフォトレジス ト材料などの物体が多数個配置される。本実 施形態例では、2枚のガラス基板間に気密封 材94が挿入されており、本来は該ガラス基板 とこの気密封止材94とで閉空間を構成するの 目的であるが、他に物体が挿入されていな 場合は、スペーサとしての役割も果たす。 密封止材94を挿入しない場合は、別途スペ サ94が挿入されるものとする。下部ガラス基 板92の上面には金属薄膜配線89がある範囲で けられている。前記の気密封止材を有する 合、前述の閉空間の下部ガラス基板92上には 、電子部品(図示されず)が配置され、また、 属薄膜配線89は、該電子部品に電気的に接 されており、気密封止材94を跨って、配置さ れることが好ましい。構造体が液晶表示パネ ルなら該閉空間には表示装置要素が形成され る。

 ここで下部ガラス基板92上の金属薄膜配 89を外部から接近可能にするために、構造体 70を分離する。まず、上部ガラス基板91の上 側から超短パルスレーザビーム2を集光レン 3により集光し、レーザビームウェストが下 部ガラス板92の上面(レーザ光入射側の面)上 たは内部の適当な位置に来るように照射す (図ではレーザビームウェストが上面上にあ がこれに限らない、以下同様)。ただし、下 部ガラス板のうち金属薄膜配線89がない位置 する。レーザビーム2は上部ガラス基板91を 過し、下部ガラス基板92内に自己収束作用 よる空洞64を形成する。レーザビーム2を相 的に移動することにより、連続的または離 的に空洞を形成し、下部ガラス基板92に第1 スクライブ線88を形成する。

 次いで、集光レンズ3を上方に移動し、レ ーザビームウェストを上部ガラス板91上面(レ ーザ光入射側の面)上または内部の適当な位 に来るように照射する。上部ガラス板91内に 自己収束作用による空洞63を形成する。レー ビーム50を相対的に移動することにより、 続的または離散的に空洞を形成し、第2のス ライブ線87を上部ガラス基板91に形成する。 第2のスクライブ線87は、第1のスクライブ線88 の真上に形成される。次いで、または第1と 2のスクライブ線88及び87形成に先立って、第 2のスクライブ線87と同様な方法にて、第3の クライブ線86を上部ガラス板91に作成する。 の過程では空洞62が形成される。第3のスク イブ線86は、上部及び下部のガラス基板91及 び92間の気密封止材またはスペーサ94に接近 た位置に設けるのが好ましく、通常下部ガ ス基板92上面の金属薄膜配線89を跨るように 成される。また第3のスクライブ線86は、第2 のスクライブ線87と距離77(δY)離して平行に形 成する。

 気密封止材を有し、気密封止材と2枚の基 板で構成される閉空間の内部に電子部品が配 置された場合、第3のスクライブ線は、該閉 間の外部で、該気密封止材94に接近した位置 に設けるのが好ましい。

 この際、上部ガラス基板91における第3の クライブライン作成86に消費されなかった ーザビーム2が上部ガラス基板91を通過し、 属薄膜配線89に照射されることからこれらに ダメージを与える可能性がある。しかしなが ら、上部ガラス基板91を透過したレーザビー 2の強度は通常、これらにダメージを与える ほど十分に強くはない。またダメージを防止 するため、事前に金属薄膜配線89のレーザビ ムが照射される位置上に保護用コーティン を、塗布、接着または密着などして形成し おくことも可能である。保護用コーティン は、後述のように第3のスクライブラインに 沿って切断されて外部から接近可能になった 後、取り除く。なお、保護用コーティングは 、レーザビームの波長に対して不透明なもの とし、不透明とは、完全にレーザ光を透過し ないという場合だけでなく、該部品にダメー ジを与えないという目的にかなえばわずかの 光を透過することも含まれる。

 このように第1から第3までのスクライブ を形成後、構造体70に第1スクライブ線88とそ の真上の第2スクライブ線87に沿って折り曲げ る応力をかけると、下部及び上部ガラス基板 ともそれぞれ第1と第2のスクライブ線が設け れた部分が破断することで第1及び第2のス ライブ線に沿って構造体70が分割される。次 いで、上部ガラス基板91に第3のスクライブ線 に沿って折り曲げる応力をかけると上部ガラ ス基板91のうち第2と第3のスクライブ線の距 δY部分が分離される。以上の手順にて、構 体70を切断する。

 図7にこのようにして切断した2層構造体 示す。第2及び第3のスクライブ線間隔11に相 するδYだけ下部ガラス基板92が広がり、上 に上部ガラス基板91を有さない段差構造を有 する。下部ガラス基板92が広がった部分には 部から接近することが可能となる。したが て、新たに制御回路などの電子部品や金属 膜配線を形成することが可能となる。また 下部ガラス基板上に気密封止部内部から外 に導出された金属薄膜配線を有する場合は 外部に導出された部分の配線の接続が可能 なる。

 図7において、下部ガラス基板92及び上部 ラス基板91のそれぞれの断面66,及び65はそれ ぞれ第1のスクライブ線88と第3のスクライブ 86を起点として分割された断面である。ガラ ス板の側面68,67は第1と第2のスクライブ線88及 び87形成方法と同様に上部から超短レーザパ スを集光して下部及び上部のガラス基板に れぞれスクライブ線を形成後、分割して形 できる。

 本実施形態により、レーザビームをガラ 構造体の片面側からだけ照射して加工がで るので設備の簡素化が図れる。また、上部 板を上部に有さない下部基板の部分を形成 きるので、外部から接近することが可能と り、制御回路などの電子部品または金属薄 配線を下部基板上面から、又はその基板の に設けることが可能となる。このため、表 パネルの薄型化が図れる。また、気密封止 内部から外側に導出された金属薄膜配線部 の他への接続が可能になる。

 図8は本実施形態を液晶パネルの製造に適 用する場合の例を示した図である。液晶パネ ルが多数形成された上下2枚の大型のガラス 板91及び92を有する大型構造体70から液晶パ ル製造後に個別パネル80に分割する工程に本 実施形態を実施する。該ガラス基板91及び92 びこれらの間に挿入された気密封止材94で囲 まれた空間には液晶表示パネルに必要なカラ ーフィルタ、液晶93、駆動トランジスタ、配 、スペーサ等(液晶以外は図示されず)が内 されている。(a)は上面図及び断面図であり Y方向に沿って切断した断面図を拡大したも が(b)である。Z方向は紙面に垂直な方向とす る。

 X方向に沿ったスクライブ線74-1~74-mはつぎ のように形成する。下部ガラス基板92への第1 のスクライブ線88の形成は、その上面に下部 ラス板に金属薄膜配線89が無い部分に行う また、上部ガラス基板91において第2のスク イブ線87を第1のスクライブ線88の上に形成す る。また、上部ガラス基板には第3のスクラ ブ線を、好ましくは気密封止材94に接近した 位置に設ける。第3のスクライブ線86は、第2 スクライブ線87と距離77(δY)離して平行にす 。第3のスクライブ線86は、通常、金属薄膜 線89を跨るように形成される。

 Y方向に沿ったスクライブ線73-1~73-nは単に スクライブ線を1本ずつパネル幅76の間隔で設 ければよい。前記第1と第2のスクライブ線を 成する方法と同様にして設けられる。

 スクライブ線形成後、この上部と下部の ラス基板に形成されたスクライブ線に沿っ 分割する、このようにしてX、Y方向に分割 きるから液晶表示パネル80が大型2層構造体70 から多数枚製造することができる。その場合 特に、液晶表示パネル80の少なくとも1つの側 面には下部ガラス基板92の上に気密封止材94 内部から外部に向けて金属薄膜配線89がとり だされて、容易に外部から接近できるので各 種電気的接続が可能な構造が実現できる。

 本実施形態による多数枚取りの大型2層構 造体から複数の表示パネルを個別に分割する 場合、レーザビームを片側からだけ照射する ことで2枚のガラス基板にスクライブ線を加 して設けることが可能なので、大型ガラス 反転搬送手段は不要である。さらに、表示 ネルの内部構造から外部への電気配線等の 属膜などをレーザビームで損傷することな 、一方の基板上に外部から容易に接近が可 な、上下の2枚のガラス板にδYの幅で段差構 を形成できる。下部ガラス基板の表面のス ライブ線に近くの上部ガラス板に対向する 面に設けられた金属薄膜や電子部品に上部 ラス基板の端が第2と第3スクライブ線間の 分として除去されるので、外部からの接近 容易になる。また、下部ガラス基板上に封 部を超えて表示パネル内部から導出された 属薄膜配線が可能になる。したがって配線 封止部外部から行うことが可能となる。

 本方法は、液晶表示パネルのみでなくプ ズマ表示パネルなどの他の平板表示パネル 切断にも適用することができる。また、本 法は、これらの平板表示パネルの製造工程 用いることができる。

 構造体を構成する基板がガラスになって るが、発明が対象とする材料はこれに限定 れるものではない。また、基板が2層となっ ているが、3層以上の基板を有する場合にも 適用されることは明らかである。

 図9は、ベベル(傾斜面)加工方法の実施形 を示す。超短パルスレーザ発生装置1からの 超短パルスレーザビーム2を回転ミラー51を用 いて回転軸55の周りに一定角度θだけ偏向さ ながら回転52させる。回転するレーザビーム 53及び54の光路と光軸が一致しながら回転ミ ー51と一体的に回転する集光レンズ3を用い と、集光レンズ3の焦点は円軌跡を描く。ス ージなどの加工物体搭載手段(図示せず)に 板状の被加工物体4を配置しておく。該円軌 と加工物体搭載手段の搭載面とを平行にし おくなどによって基板状の被加工物体4をそ のオモテ面に対する法線が回転軸55と平行に るよう配置すると、レーザ光照射位置を被 工物体4の上で回転走査させ円形軌跡の照射 を行うことが可能となる。この場合、被加工 物体4には回転軸55から角度θ傾けて傾斜加工 行うことになる。まず、被加工物体4のウラ 面56から内部へ空洞形成距離57(135μm程度)程度 離れた個所にビームウェストを合わせ、円形 に走査することにより、法線から角度θずれ 方向にフィラメント上の空洞列を円状に形 する。さらに集光レンズ3を光軸方向に沿っ て回転ミラー51の方向に移動させることによ 、順次空洞形成距離58、59程度移動して移動 のたびに空洞列を形成して走査を繰り返し、 被加工物体4のオモテ面からウラ面にわたる 形の空洞の壁を形成する。その後、曲げて 離することによって、周囲が傾斜面の加工 され、円形に切り出される。このように、 発明は被加工物体の表面近傍だけでなく、 部に渡っても、空洞形成を繰り返すことに り可能となり、部分切断から全切断までの 工を施すことが可能である。

 以上のレーザ加工において、パルスエネ ギーは1mJ以下が好ましく、さらには10μJ以 とすることが好ましい。10μJ以下の場合、き れいで滑らかな切断面を得られ、クラックの 発生が少なく破壊強度が高い。クラックなど が存在するとガラスなど被加工物体の強度が 弱くなるため不都合を来す場合がある。パル スエネルギーが大きい場合には、オモテ面付 近を加工しようとすると、パルス先端部がオ モテ面付近に作り出す自由電子プラズマによ ってパルス中心部ないし後端部が反射や散乱 、吸収されてしまうため、ガラス内部に空洞 を形成することが困難な場合がある。パルス エネルギーが小さい場合、オモテ面付近で発 生する自由電子プラズマの密度が低くなり、 パルスの伝搬を大きく阻害することがなくな るので、ガラス内部に空洞チャネルを容易に 形成することが可能である。

 また、超短パルスのレーザとはパルス幅100p s以内のレーザであり、またパルス幅は500fsな いし10psとすることが好ましく、さらには2ps 度にした場合に最も好ましい。破断面を連 的に形成した後にガラス基板を割断する際 必要となる応力が低くなり、割断面の品質 良いためである。
 また、ガラス基板を被加工物体とする場合 パルス幅150フェムト秒、出力エネルギー1μJ 以上で好適であった。

 以上示したように、本発明は、超短パル の集光ビームの焦点深度の小さなビームウ ストを用い、被加工物体の内部に形成され 自己集束作用を用いて、加工の実質的な焦 深度の増大を用いることができる新たな加 方法を提供する。この方法は、従来の加工 法には見られない、レーザビームと加工物 の相互作用によって初めて実現できる精密 工方法である。

 レーザ媒体はチタンサファイア結晶(中心 波長780nm)とし、パルス幅150フェムト秒、出力 エネルギー1μJ以上とした。また、加工対象 ガラス基板であるCorning Eagle 2000であり、厚 さ700μmとした。各実施例にこれと相違する記 述がない場合には、これらはすべての実施例 で共通である。

 本実施例は、図1に示した構成で、被加工物 体にレーザ照射したときの集光位置をオモテ 面から内部に移動した場合に被加工物体に生 じる変化を観察し、本加工方法の原理を実証 する実験例である。
 被加工物体内に生じる変化を観察した断面 の顕微鏡写真を図10及び図11に示す。図10は 加工物体である基板のオモテ面45、図11はウ ラ面44近傍を示す。図1の構成に対してレンズ の入射ビーム直径は6mm、集光レンズ3の焦点 離fは約3.1mmの収差補正された非球面レンズ 使用した。レーザビームの横モードをガウ 分布のビームとすると集光点におけるビー 直径は約1μmであり、ビームウェストにおけ エネルギーの90%を含む範囲の焦点深度は1μm 以下であると算出される。このように焦点深 度の小さな値を有する超短パルスレーザビー ムを被加工物体4に照射する場合、オモテ面45 にビームウェストの位置が置かれるように集 束してビームを照射する場合は、図10にオモ 面45から内部に深さ23で示される浅い部分21 除去加工され、更に内部にビームウェスト 移動すると表面除去量は減少し、さらに内 にビームウェストの位置を移動すると被加 物体4の内部に光学的な歪みの生じる範囲24, 25などがビームウェストの置かれる深さ方向 位置に応じてその周辺部分に発生した。内 にビームウェストを置くと、表面の除去加 は減少し、その代わり内部の光学的な歪が れて、範囲24,25が現れた。

 図11はさらに基板内部にビームウェスト 移動させた場合の断面観察写真である。オ テ面45には変化のない条件ではビームウェス ト部分に光学的変化を起こした部位31、32が じていることが観察された。さらに被加工 体のウラ面44に接近するにしたがって内部か らウラ面にわたり数100μmの範囲で光学的変化 を起こした部位33が観察された。さらにビー ウェストがウラ面44から約135μm近くになる 、フィラメント状に内部からウラ面に渡り 線的に空洞34が形成された。さらにレーザビ ームウェストをウラ面44に合わせると、ウラ の近傍だけが除去加工された。このような 工結果から、レーザビームの焦点深度37が 記のように1μm程度であるにもかかわらず、 ームウェストの直径であるフィラメント状 空洞34がビームの進行方向に向かって空洞 成距離(135μm程度)で形成され、自己集束作用 が発現しない場合は、ビームの焦点深度(1μm 度)の範囲でのみ加工が行われるのに比べ、 本方法では2桁程度長い範囲にわたりフィラ ント状の空洞加工が行われた。

 本実施例は、ウラ面付近に空洞チャネルを 成しながらレーザ光を走査し、空洞チャネ による切断面を形成した場合である。
 自己集束作用によるフィラメント状空洞が 成される場合、図12内の図に示すよう、ウ 面に漏斗形の部分43があわせて形成される場 合がある。該漏斗形の部分43を互いに隣接部 重なりを持たせて、フィラメント状空洞は ャンネル8と同一箇所に個別に形成して、被 加工物体のウラ面44に沿って、超短レーザパ スを相対的に走査することにより、走査方 に沿って所定の加工深さの包絡線46に並べ れた多数のフィラメント状空洞を形成した 図12にはこのようにして形成したフィラメン ト状空洞による切断面の顕微鏡写真を合わせ て示す。この例では3mm/sの走査速度でレーザ ルスの走査後、走査線に沿って折り曲げて 割することにより断面を観察した。この図 は、被加工物体の厚さ41の加工において、 ラ面44から深さ42に渡る範囲の包絡線46に渡 フィラメント状の空洞チャンネルの多数を 成し、そこを起点として分割した被加工物 の加工断面が示される。図13は空洞61の断面 撮影した走査型顕微鏡写真であり、また図1 4はウラ面近傍を特に拡大した走査型顕微鏡 真である。空洞61が形成されている箇所の表 面が周囲より盛り上がった機械強度の弱い盛 り上がり構造71を示している。

 図3に示すような構成で、ビームウェスト の高さを変えて、複数回の走査を行い、ウラ 面付近に加工を行った。走査回数4回、パル エネルギー10μJ、パルス幅2psとした場合の断 面を図15に示す。パルスエネルギーを小さく 、パルス幅を最適化することにより、品質 高い加工領域36がウラ面付近に形成された

 この実施例でも図3に示すような構成で、 ビームウェストの高さを変えて、複数回の走 査を行い加工を行った。この実施例では、ガ ラス基板のオモテ面付近に加工領域を設定す るようにビームウェストを形成した。図16に 走査回数10回パルスエネルギー1μJ、パルス 2psとした場合の断面を示す。パルスエネル ー及びパルス幅を最適化することにより、 モテ面へわたる良好な加工領域36が得られ 。

 本実施例は、被加工物体をガラス基板2枚 の積層構成にした場合である。図4に示す構 とし、レーザの集光位置をガラス製の上部 板81のオモテ面からウラ面にわたって変化さ せて加工した。図17に2枚のガラス基板の加工 後の顕微鏡写真示す。上部ガラス81だけでな そのウラ面側に置かれた下部ガラス82にも 工が行われている。上部ガラス81には、最大 150μmにわたり、下部ガラス82には最大250μmに たって加工が行われた。前述のように下部 おかれた基板の方がレーザ伝搬方向により い加工が行われた。

 以上本発明の実施例を説明した。特許請 の範囲に記載された発明の技術的思想から 脱することなく、これらに変更を施すこと できることは明らかである。

この発明に関するカー効果による自己 束作用を用いた被加工物体の加工方法を説 する構成図である。 レーザを走査させ、基板加工を行う構 図である。 被加工物体を走査して加工した後にレ ザ光集光点の集光位置を変更して、再度加 を行う方法を示す図である。 2枚の基板からなる多層構造に加工をす る構成図である。 液晶パネル構造及び2枚のガラス基板を 別位置で切断する場合の説明図である。 基板2枚からなる構造体の分割方法の説 明するための模式的な断面図である。 基板2枚からなるガラス構造体の概観形 状の1例を示す。 大型ガラス構造体から個別の液晶表示 ネルに分割する場合の説明図である。 本発明の加工方法を傾斜面加工に適用 た実施形態を示す図である。 第1の実施例の結果を示す図であり、 加工物体オモテ面付近の顕微鏡写真である 第1の実施例の結果を示す図であり、 加工物体ウラ面付近の顕微鏡写真である。 第2の実施例の結果を示す図であり、 洞チャネルによる切断面の説明図とその顕 鏡写真である。 第2の実施例の結果を示す図であり、 洞61の断面を撮影した走査型顕微鏡写真であ る。 図13において、基板ウラ面近傍を特に 大した走査型顕微鏡写真である。 第3の実施例の結果を示す図であり、 断面の顕微鏡写真である。 第4の実施例の結果を示す図であり、 断面の顕微鏡写真である。 第5の実施例の結果を示す図であり、2 の基板の加工後を示す顕微鏡写真である。

本発明の活用例として、半導体デバイス、 液晶などの表示デバイスに用いられる被加工 物体の加工において、シリコンウェハ、薄膜 トランジスタや表示デバイスの基板分割、高 耐圧パワー半導体基板加工、その他、多層構 造電子素子の層内部の除去加工を表面から進 行させる場合における微細、且つ熱影響の少 ない加工に対して有効である。高集積回路製 造において、加工幅の微小化、加工除去物の 減少などにより製品歩留まり向上により電子 部品の製造コストの低減が可能になる。更に 、石英、サファイアなどの半導体デバイスの 基板の穴加工等にも有効性が得られる。微細 な穴を多数設けるフィルタの加工にも有効で ある。さらに、本発明は、液晶表示パネル、 プラズマ表示パネルなどの多層ガラス構造を 用いる電子装置の製造に利用可能である。