Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
LASER PULSE GENERATOR AND GENERATION METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/087906
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide a stable pulse high repetition laser oscillator employing a laser medium of low amplification gain such as a thin planar shape. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] A solid laser oscillator comprises at least a pair of laser resonators, a thin planar laser medium to which an active substance having an upper level life longer than the period of repetitive operation as a laser medium is added, a thin planar laser medium provided on at least one reflector in the laser resonator and a Q switch element provided in the resonator, a pumping source for pumping the laser medium optically, and a control section for driving the Q switch element. The control section starts oscillation with the Q switch element in on state and switches the Q switch to off during oscillation that allows the upper level density of active substance in the laser medium to remain, thus interrupting oscillation. Since the upper level pumping density is sustained such that a Q switch pulse can be oscillated when the Q switch is on, stable high repetition pulse oscillation can be achieved.

Inventors:
IMAHOKO TOMOHIRO (JP)
SUMIYOSHI TETSUMI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/050275
Publication Date:
July 24, 2008
Filing Date:
January 11, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
CYBER LASER INC (JP)
IMAHOKO TOMOHIRO (JP)
SUMIYOSHI TETSUMI (JP)
International Classes:
H01S3/11; H01S3/109; H01S3/16
Foreign References:
US20020141457A12002-10-03
JP2000517481A2000-12-26
JPH10242551A1998-09-11
Attorney, Agent or Firm:
SONODA, Yoshitaka (53rd Floor Shinjuku Mitsui Building, 1-1, Nishi-Shinjuku 2-chome, Shinjuku-k, Tokyo 53, JP)
Download PDF:
Claims:
所定の繰り返し周波数でパルスを発生するレーザパルス発生装置であって
複数の反射体を有するレーザ共振器、レーザ媒体、前記レーザ共振器内の光路上に設けたQスイッチ、前記レーザ媒体を光励起する励起源、及び前記Qスイッチを駆動する制御部とを備えており、前記制御部がレーザ発振中に前記Qスイッチをオンからオフにする手段を有することを特徴とするレーザパルス発生装置。
前記レーザ媒体には活性物質が添加されており、前記繰り返し周波数に対応した周期よりも前記活性物質の上準位寿命が長いことを特徴とする、請求項1に記載のレーザパルス発生装置。
前記レーザ媒体が前記レーザ共振器内の少なくとも1の反射体上に設けられた薄板レーザ媒体であることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザパルス発生装置。
さらに、高調波変換手段を有したことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載されたレーザパルス発生装置。
前記活性物質がYb、Ndを含む希土類イオンの少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載されたレーザパルス発生装置。
前記繰り返し周波数が20kHz以上であることを特徴とする請求項5に記載されたレーザパルス発生装置。
レーザ媒体を励起するステップ、
Qスイッチをオン状態にするステップ、
前記レーザ媒体からのレーザ発振を開始させるステップ、
前記レーザ発振中に前記Qスイッチをオフ状態に切り替え前記レーザ発振を遮断するステップ、及び前記Qスイッチのオン及びオフを所定の周波数で繰り返すステップを有するレーザパルス発生方法。
前記レーザ媒体に活性物質が添加されており、前記所定の繰り返し周波数を該活性物質の上準位寿命より短い周期に対応した周波数とすることを特徴とした、請求項7に記載のレーザパルス発生方法。
さらに、発生したレーザパルスを高調波に変換するステップを有することを特徴とする、請求項7または8に記載されたレーザパルス発生方法。
Description:
レーザパルス発生装置及び方法

 本発明は、固体レーザ発振器に関するも であり、Yb、Ndを含む希土類イオンをドープ した、薄板形状などの増幅利得が低いレーザ 媒体を用いた場合に好適な、パルス発振周波 数が高いにもかかわらず高安定化を実現した Qスイッチパルスのレーザ発振方法及び装置 提供する。

 レーザビームを光硬化性樹脂の液体の水 断面形状の軌跡に沿ってレーザ集光ビーム 照射し、水平面内のコンピュータ制御され パターンを順次重ねることにより3次元の立 体形状を作成する光造形技術が実用化になっ ている。この技術では、レーザビームを細い 曲線状に走査して自由曲面を創生するもので ある。使用する光硬化樹脂は紫外線硬化樹脂 が採用されることが多く、従って照射レーザ は紫外線領域のレーザが用いられる。紫外線 レーザは通常発振波長1.06μmであるNd:YAG等の ーザを非線形光学結晶を用いて3倍波に変換 て発生され、造形に用いる紫外線硬化樹脂 光吸収特性に合わせて用いられる。非線形 学結晶を用いた波長変換効率はレーザのパ ーの2乗に比例した変換効率の特性を有する ため、高いピークパワーが得られるパルスレ ーザを用いる。光造形の形状精度を保ちなが ら造形速度を向上するためには、パルスレー ザの繰り返し周波数を高くして、照射点にお ける集光スポットを互いに離れないで連続的 にオーバラップさせて照射して滑らかな照射 曲線を形成する。

 通常、連続光励起された固体レーザ媒体 らQスイッチ制御技術を用いて数10kHzの繰り し周波数でレーザパルスを発生させる。さ に、該レーザパルスを非線形光学結晶にて 外領域に波長変換したのち、ガルバノメー に反射ミラーを搭載したビームスキャナで 光スポットを硬化樹脂面に高速に形状軌跡 描きながら照射する。高速な繰り返しパル の発生は従来ロッド形の固体レーザを用い 行われているが、小型化、高品質化の観点 らディスク型のレーザがそのロッドレーザ 欠点を解消するために検討されている。

 ディスク型レーザは、薄板レーザ媒体を 冷却媒体である熱伝導性の高い基板にミラ を介して貼り付けた構造を有し、貼り付け れた薄板レーザ媒体の板の厚さ方向に励起 を照射し、レーザ媒体の表面からレーザ増 光の出射を行う。背面の基板は励起光照射 よるレーザ媒体の発熱を吸収して冷却のた に熱放散を行い、レーザ媒体の温度上昇を 止する。従ってレーザ媒体内の薄板面内方 の温度勾配が解消されるので、レーザ媒体 の発振増幅ビームの光学的な不均一性が解 され、集光性に優れた高い品質のレーザビ ムを得ることができる。

 しかし、ディスク型のQスイッチレーザを このような光造形用の高繰り返しレーザ光源 として用いる場合には欠点がある。それは、 薄板レーザ媒体の薄板に対して垂直方向にレ ーザ発振又は増幅光路を形成して用いるため に、レーザ光が増幅媒体を通過する増幅光路 長が短く、十分な増幅利得が得られないこと である。そのため数10kHzの高い周波数でQスイ ッチのオン、オフ繰り返し動作をさせると、 Qスイッチパルスの発生がこの繰り返し周波 に追随できなくなり、パルスの出力欠落が く発生する。このためにQスイッチ高速繰り しで発生させたレーザパルスによっては滑 かな高精度の光造形作業による樹脂成型が きなかった。一方、パルスの出力欠落防止 ため低速繰り返しにしたのでは、作業能率 精度が不十分であるという問題があった。

米国特許第6002695号明細書

米国特許第6172996号明細書

米国特許第6922419号明細書

 本発明で解決しようとする課題は、薄板 状などの増幅利得が低いレーザ媒体を用い 場合でもQスイッチ出力による固体レーザの 高繰り返し周波数動作を安定なパルスエネル ギーで達成する点である。さらには、レーザ による材料処理の速度並びに処理精度を向上 させる点である。

 本発明は、前記課題を解決するために、 定の繰り返し周波数でパルスを発生するレ ザパルス発生装置であって複数の反射体を するレーザ共振器、レーザ媒体、前記レー 共振器内の光路上に設けたQスイッチ、前記 レーザ媒体を光励起する励起源、及び前記Q イッチを駆動する制御部とを備えており、 記制御部がレーザ発振中に前記Qスイッチを ンからオフにする手段を有することを特徴 する。

 一方、本発明は、レーザパルス発生方法で って、レーザ媒体を励起するステップ、Qス イッチをオン状態にするステップ、前記レー ザ媒体からのレーザ発振を開始させるステッ プ、前記レーザ発振中に前記Qスイッチをオ 状態に切り替え前記レーザ発振を遮断する テップ、及び前記Qスイッチのオン及びオフ 所定の周波数で繰り返すステップを有する とを特徴とする。
 

 本願発明では、発生したパルスをQスイッ チで発振中に強制的に遮断することにより反 転分布を常に高い状態に保つことができるの で、高い繰り返し周波数でのパルス発生が可 能である。特に、レーザ媒体に添加された活 性物質の上準位密度より短い周期に対応する 周波数でパルス発生が可能となる。

 図1はこの発明の第1の実施形態による、 繰り返し周波数で安定なQスイッチパルスレ ザ発振に用いる装置を示す。レーザ媒体1は 薄板レーザ媒体とするのが好適である。これ は、板の厚みが小さく、薄板の面に対して垂 直方向であるレーザ光軸に沿った光路長が小 さいため増幅利得が小さいからである。ただ し、一般に用いられるロッド型の媒体でも、 活性物質の添加量が少ない場合には特に有効 である。薄板レーザ媒体とした場合、レーザ 媒体1は熱伝導性が高く冷却能力の優れた基 2に固定される。レーザ媒体1には対象とする 繰り返し動作の周期より長い上準位寿命を持 つ活性物質をドープしたものを用いる。ある いは、活性物質の上準位寿命よりも短い周期 に対応した繰り返し動作の周期で装置を動作 させる。レーザ媒体1の活性物質は例えばYb,  Ndなどの希土類イオンである。基板2とレーザ 媒体1の間には融着に用いるAuSn(金すず)など 接合用の薄い層(図示せず)とレーザ媒体1の 面から入射するレーザ波長の光を反射する ラー17が形成されて配置される。レーザ媒体 1には光励起するための励起用光源12からの励 起光16が表面側から照射され、レーザ媒体内 ドープされた活性物質を励起する。レーザ 体1の前には集光レンズ3がレーザ共振器の 折損失の最小化のために設けられる。また レーザ媒体1と対向して、ミラー17とともに ーザ共振器を形成する出力側のミラー6が設 される。さらに、音響光学的に動作するQス イッチ5がレーザ共振器内の光路8に設けられ Qスイッチ5内の回折媒体である高周波圧電 子を駆動するためにQスイッチのRF制御部13が 設けられる。また、必要に応じて共振器内の 光路8には偏光板4を設ける。

 レーザ媒体1はレーザダイオード等の励起 用光源12からの励起光16がレーザ媒体1の上の ーザ共振光軸に集光照射される。励起用光 12の波長はレーザ媒体1のレーザ発振の上準 への励起に有効な波長が選択される。レー 媒体1内の活性物質は光励起されて内部2準 の反転分布を形成する。

 RF制御部13からRFパワーをオフ、オンしてQ スイッチ5のトランスジューサ(図示せず)を制 御することでQスイッチ5のオン、オフを行う RFのパワーがオン状態の場合はレーザ共振 内部の光路8の直進を妨げるのでQスイッチ5 オフになり、レーザ共振器内の光学的な損 を増加することでQ値を下げ発振を遮断する RFパワーをオフ又はパワー低下をすればレ ザ共振器内部の光路の直進は妨げられない で、Qスイッチ5はオン動作となる。Qスイッ 5がオン動作のとき、レーザ媒体1にレーザ増 幅利得があれば発振に至り、共振器を構成す るミラー6及び17間にQスイッチパルスが立ち がり、出力側のミラー6を透過して外部に出 ビーム7が得られる。

 本発明では、このような動作をしてQスイ ッチパルスが発振する場合に高繰り返し動作 まで安定なQスイッチパルスが得られるよう した。それは、Qスイッチのオン、オフのタ ミングを制御し、さらに上準位寿命が長い 性物質を利用することで効率的に残留エネ ギーを作り出し実質的に高密度の反転分布 得ることによる。その様子を図3で説明する 。

 図3のa)はレーザ媒体内のレーザ発振準位 の反転分布数Niの概念を示す。反転分布の い場合を0レベルにし、安定的に動作するた に必要な反転分布数をN1、発振直前の反転 布数の多い状態をN2とする。

 時刻t0以前からレーザ媒体1が励起用光源1 2により励起されているとする。t0以後反転分 布数Niは漸次増加20する。反転分布が発振閾 より大きい或る時点t1でRF制御部13にてRFパワ ーを遮断して共振器の損失を低下させると、 レーザ共振器内でレーザ発振が立ち上がり始 め、時刻t2で図3b)の傾斜に示すようにパルス 立ち上がり27が起こる。このままRFパワーを 遮断したままにすると、光の誘導放出により 反転分布が0レベルに近いところまで低下し その際立ち下がり部分28を発生して尾の部分 のQスイッチパルスを発振する。

 もし、図3(c)に示したように、RFパワーの ン(Qスイッチ動作はオフ)への切り替えを時 t15、t16及びt17で行うとする。この場合には 時刻t3からt15の間の立ち下り部28のパルスに よりエネルギーが放出されるため反転分布数 Niは大幅な減少21をみる。時刻t15でRFパワーを オンにし、これから次のパルスが発生する時 刻t6まで光励起による上準位への漸次励起を うことで反転分布数Niの増加24を図る。レー ザ媒体を薄板形状とするなどレーザ媒体の増 幅利得が低い場合では、時刻t6においては安 な発振の立ち上がりに必要な反転分布数が 達成であり、Qスイッチ発振の立ち上がりが 不十分又は不可能な状態となる。従って、こ のt6から開始するQスイッチパルスは直前のパ ルスより低エネルギーのパルス29となるかパ スの欠落となる。

 その後、次に時刻t9で再度RFパワーをオフ 状態にしてQスイッチをオンにすると、その の時刻t6で発振不十分のため誘導放出がなさ れないので反転分布が保持されているところ にt16~t10間の光励起エネルギーが与えられ反 分布がさらに増加する。したがって、反転 布数がN2を越えるので、t10にて急激なパルス 立ち上がり30が発生する。また、この後、急 なパルスにより誘導放出量が大きくなって び残存の反転分布数が減り、安定な出力が り出せなくなる。

 通常は、Qスイッチパルスレーザ装置は、 RFパワーをオフにしている間に発振を起こす に十分な反転分布エネルギーが蓄積されて らに放出されるように設計されている。薄 レーザ媒体など増幅利得が小さい媒体を用 た場合は、十分な反転分布エネルギーを与 るために必要な時間が長くなるので、ロッ 形固体レーザより高繰り返しパルス発振の 波数の上限が低くなる。

 本願発明では、RFパワーをオフにしてQス ッチをオンにしたのち、レーザパルスが発 を開始した時点で、強制的にQスイッチをオ フに切り替えてレーザ発振を遮断することに より、高繰り返しパルス発振の周波数の上限 が低くならないようにした。以下、これを図 3b)とd)とで説明する。時刻t2でレーザパルス 振を開始したら、t3で発振中に強制的にQス ッチをオフに切り替えてレーザ発振を遮断 る。

 薄板レーザ媒体など増幅利得が小さい媒 を用いた場合、Qスイッチをオフにすると即 座にパルス発振を停止できる。Qスイッチオ 及び発振停止を図3d)に示した時刻t3、t7及びt 11にて行うものとする。このように発振中に 振を遮断することにより、反転分布数Niは に0レベルより高くN1とN2の間に維持できる。 RFパワーをオンにする時刻t3から次のオフに る時刻t5を過ぎて次のパルスの立ち上がり時 刻t6まで反転分布数は増加23し続け、前のQス ッチパルス発振開始時の値まで反転分布数 増加してから発振する。時刻t6で発振開始 てからここでも、発振中の時刻t7にてQスイ チをオフに切り替えパルスを停止させる。Q イッチパルスへの反転分布のエネルギーの 行は遮断され、反転分布が残存する。時刻t 7でパルス発振停止してからその次の発振動 開始時刻t10まで反転分布数を増加させる。 のように、Qスイッチパルスの発振動作中にQ スイッチをオフにして、レーザ媒体内の反転 分布を残存させ、常に高い反転分布状態を維 持しながら、繰り返しパルス動作を継続する ようにしたので、高繰り返しまで安定した立 ち上がり27を有するパルス列で発振を継続可 になった。

 反転分布を効率的に維持するためには、 準位寿命が繰り返し動作の周期に対して十 長い活性物質を使用するとよい。例えば、 り返し周波数20kHz越の繰り返し動作に対応 る50μ秒未満の周期に対して上準位寿命がほ 1msであるYbを活性物質として用ればこれを 現できる。

 なお、RFパワーをオンして強制的にQスイ チをオフに切り替えるタイミングをQスイッ チパルスの発振中に行うことが重要である。 この方法は単純にはQスイッチ素子のRF制御部 13でRFパワーをオフして(図3のt1、t5、t9)から ンする(t3、t7、t11)までの時間を所定の値に 御すれば実現できる。所定の値は実験的に めることができる。一方、レーザ発振した とを感知するセンサ等を別途追加し、さら センサからの発振感知信号を受けて適当な 間遅延手段を介してRFパワーをオフにする手 段をRF制御部13に入れる構成も可能である。

 図2はこの発明の第2の実施形態を示す。 1実施形態と同じ機能の構成部品は同じ番号 表示する。本実施形態は第1実施形態に、発 生したレーザパルスを高調波変換する機能が 追加された。この実施形態では45度に傾けた 長選択ミラー14はレーザ発振の基本波11に対 しては全反射特性を有し、共振器内に設置し た高調波変換手段9,10によって基本波から変 された高調波の波長には透過性の特性を有 る。高調波変換手段9,10としては、非線形光 結晶などの非線形光学素子を用いることが きる。非線形光学素子に非線形作用をさせ ためには入力光が偏光されている必要があ 。共振器内に偏光を伴う要素が有る場合は 光手段を特にいれなくても、偏光発振が可 であるので、偏光板4は入れなくてもよい。 しかしながら、レーザ媒体が偏光を伴う要素 がない場合偏光板4は必須である。

 波長選択ミラー14は基本波に対しては反 し、高調波に対しては透過する性質を有す 。基本波に対しては、ミラー6,17及び波長選 ミラー14で共振器を構成する。光路上の基 波11は波長選択ミラー14で反射され高調波変 手段9,10に向けられ、高調波変換手段9,10通 中に第2高調波または第3次高調波に変換され る。短波長の高調波は高繰り返しQスイッチ ルスとして波長選択ミラー14を透過し、高調 波出力ビーム15として放出される。したがっ 、基本波の発振波長1.03μmとなるYb:YAGをレー ザ媒体として用い、高調波変換手段9,10で、 2高調波を出力すると、可視領域である波長5 15nmのレーザパルスを、第3高調波を出力する 、紫外領域である波長343nmのレーザパルス 得られる。

実験例1

 図4は、第1の実施形態でYb:YAGの薄板レーザ 質を用いてパルス周波数100 kHz動作における RFパワーのタイミングを変化させた時の出力 ワーと安定性の特性変化の一例を示してい 。このレーザ媒体の厚みは300μmである。  起用光源としては波長940μmのレーザダイオ ドを用いた。レーザの発振波長は1.03μmであ 、これはエネルギー準位が10327cm -1 と612cm -1 の遷移に対応するものであり、上準位寿命は 950μ秒である。図4(a)で横軸はRFのオフ期間、 なわち図3のt1からt3、t5からt7及びt9からt11 でを意味する。出力パワーはRFのオフ期間を 大きくすれば増大するが、最適点Xを越える パワーの安定性が悪化する。これはエネル ーが中途半端に取り出されたり、出されな ったりを繰り返し定常的な反転分布が得ら ないためである。RFのオフ期間が最適点X以 の安定領域においては残存のエネルギーよ 十分な反転分布が得られるためb)のように安 定動作するが、最適点Xを越える不安定領域 おいてはc)のように高低を繰り返す不安定動 作となる。

実験例2

 図5は第2の実施形態であり、第1の実施例と 様、Yb:YAG薄板レーザ媒質を用いた、パルス 波数50kHz及び100kHz動作における第2高調波(波 長515nm)の特性例を示す。高調波変換手段9,10 は非線形光学結晶であるLiB 3 O 5 を用いた。a)において横軸は、第2高調波パル ス1発の平均エネルギーである。図5b)、c)が示 すようにパルス波形が後ろのテイルで切れて おり、高調波発振時においても強制的に取り 出しを制御し、安定動作を実現している。

 本願発明では、活性物質を添加したレー 媒質を用いたQスイッチの繰り返し動作にお いて、Qスイッチの光路が透過状態となりレ ザパルスが発振中にQスイッチ光路を遮断状 にしてレーザパルスを強制的に遮断させる これによって、レーザ媒体内からのエネル ー放出を中途で停止させ、残余の励起上準 エネルギー密度をさらに増加させる。Qスイ ッチがオン状態であればQスイッチパルスを 振できるように上準位の励起密度を維持し 発振方法が得られるので、安定な高繰り返 パルス発振を実現できる。活性物質の上準 寿命より短い周期に相当する繰り返し周波 でレーザパルスを発生することができる。 の高繰り返しエネルギービームを用いてレ ザの材料処理の速度並びに処理精度を向上 る。

 従来は薄板形状などの増幅利得が低いレ ザ媒体を用いたレーザにおいては、レーザ 振利得が小さかったので短時間で発振の立 上がりが困難であったので、繰り返し周波 は例えば1kHzから10kHzなどの低繰り返し周波 範囲に動作が制限されていた。本発明によ レーザパルス発生装置では、Qスイッチパル スの発生中に、上準位の状態密度が発振閾値 より高い状態のところで強制的に発振を遮断 して高いレーザ増幅利得状態を維持すること により、一定のレベルより高い反転分布の形 成された条件で高繰り返し動作を行うように Qスイッチ動作を制御したので、安定なパル の高繰り返し周波数での発生が実現できた 本願発明はディスク型レーザに効果が高い ディスク型レーザにおいては、薄板媒体を いており、薄板の厚みに相当するレーザ発 器利得光路長が短く、増幅利得が低いから ある。

 本願発明によるレーザ発生装置を、光硬 樹脂を用いた3次元光造形の樹脂モデル製作 工程に光源として使用すると、光硬化樹脂の 液面上に細い線により微細な高精度の画像形 状を描画でき、従って高精度の3次元造形が 能になる。Qスイッチパルスの繰り返し周波 が高繰り返しで安定なパルス出力エネルギ が得られるので、パルスレーザの集光スポ トをオーバラップして高速走査が可能にで るので滑らかな曲線を描画でき、形状精度 高い3次元の樹脂モデル形成が高速で可能に なる。その他、高繰り返し周波数のQパルス 適用できる半導体関連の微細加工に適用す と加工処理能力の高いレーザシステムが実 できる。

 以上本発明の実施例を説明した。特許請 の範囲に記載された発明の技術的思想から 脱することなく、これらに変更を施すこと できることは明らかである。

 本発明によって、赤外、可視、紫外等の 繰り返し高安定な小型レーザ発振器が得ら るので、光硬化樹脂を用いた3次元光造形工 程に用いられる。また、太陽電池の電極形成 工程、液晶などの表示デバイスに用いられる 透明電極膜の加工、各種電子デバイスの修正 加工、半導体メモリのシリコンウエファ冗長 性回路の導電性リンクの回路素子の加工、そ の他の除去加工、マーキング、熱処理用など 、高速走査を要求されるレーザ加工領域で利 用が図れる。

この発明に関する高繰り返しQスイッチ パルスの第1の実施形態の構成図。 第2の実施形態の構成図。 この発明の動作説明図。 図1の構成におけるRFスイッチングタイ ングを変化させた場合の特性例  (a)100kHz動 作におけるRFスイッチングタイミングに対す 出力・安定性  (b)安定領域におけるパルス 列 (c)不安定領域におけるパルス列 図2の構成における第2高調波の高繰り し動作における特性例。(a)50kHz及び100kHz動作 におけるエネルギーに対するパルス幅・安定 性 (b)低エネルギー側のパルス波形 (c)高い ネルギー側のパルス波形