三星ダイヤモンド工業株式会社 (〒44 大阪府吹田市南金田2丁目12番12号 Osaka, 56400, JP)
| レーザビームを照射することにより局所的な加熱を行うビームスポットを脆性材料基板に形成するレーザ照射機構と、 前記基板を局所的に冷却する冷却領域を形成する基板冷却機構と、 前記ビームスポット、および、前記冷却領域を、前記基板に設定した加工予定ラインに沿ってビームスポット、冷却領域の順で相対的に移動する走査機構とを備え、 ビームスポットが通過した直後を冷却領域が通過することにより前記加工予定ラインに沿って熱応力によるクラックを形成する脆性材料基板用のレーザ加工装置であって、 前記基板冷却機構は、常温で気体又は液体となる冷媒材料を冷却して固体化した固相冷媒と、前記固相冷媒を前記基板に接触させる押圧機構とからなることを特徴とする脆性材料基板用のレーザ加工装置。 |
| 前記固相冷媒に、氷、固体状態のアルコール、ドライアイスのいずれかが用いられる請求項1に記載のレーザ加工装置。 |
| 前記基板冷却機構は、さらに前記冷媒材料を供給する冷媒供給部と、供給された冷媒材料を前記冷媒材料が固体化する温度以下に冷却して固相冷媒にする固体化部とを備えた請求項1または請求項2のいずれかに記載のレーザ加工装置。 |
| 前記冷媒供給部は前記冷媒材料を噴射するノズルを備え、前記固体化部は、前記基板に対向する端面が設けられるとともに前記ノズルから噴射された前記冷媒材料が前記端面に付着するように配置される芯材と、前記芯材の前記端面を前記冷媒材料が固体化する温度以下に冷却する芯材冷却部とからなる請求項3に記載のレーザ加工装置。 |
| 前記押圧機構は、前記固相冷媒の一端面を前記基板に対向させた状態で前記固相冷媒を着脱可能に支持する支持部材を備えた請求項1または請求項2のいずれかに記載のレーザ加工装置。 |
| 前記基板冷却機構は、固相冷媒に対し前記基板と接触する固相冷媒の接触面を整形する整形機構をさらに備えた請求項1に記載のレーザ加工装置。 |
| レーザビームの照射により形成されるビームスポットを脆性材料基板に設定した加工予定ラインに沿って走査することにより前記基板を加熱し、次いでビームスポットの通過した直後を冷却することにより前記加工予定ラインに沿って熱応力によるクラックを形成する脆性材料基板のレーザ加工方法であって、 基板の冷却は、常温で気体又は液体となる冷媒材料を冷却して固体化した固相冷媒を前記基板に接触させることにより行うことを特徴とする脆性材料基板のレーザ加工方法。 |
| 前記固相冷媒に、氷、固体状態のアルコール、ドライアイスのいずれかが用いられる請求項7に記載のレーザ加工方法。 |
| 前記固相冷媒は、界面活性剤を添加剤として含有する請求項7または請求項8のいずれかに記載のレーザ加工方法。 |
| 前記固相冷媒は、洗浄剤を添加剤として含有する請求項7または請求項8のいずれかに記載のレーザ加工方法。 |
本発明は、レーザ照射による脆性材料基板
加工方法および加工装置に関し、さらに詳
にはレーザ照射による加熱とその直後の冷
により脆性材料基板に熱応力を与えてクラ
クを生じさせるレーザ加工方法およびレー
加工装置に関する。
ここで脆性材料基板とは、ガラス基板、焼
材料のセラミックス、単結晶シリコン、半
体ウエハ、サファイア基板、セラミック基
等をいう。
ガラス基板等の脆性材料基板にレーザビー
を照射し、基板上に形成されるビームスポ
トを走査してライン状に加熱し、さらに加
直後に冷媒を吹き付けて冷却するレーザス
ライブ加工を用いると、カッターホイール
による機械的な加工に比べてカレットの発
を低減させることができ、また、端面強度
向上させることができる。
そのため、フラットパネルディスプレイを
じめ、ガラス基板等を分断加工することが
要な種々の製造工程等でレーザスクライブ
工が採用されている。
一般に、レーザスクライブ加工では、こ から加工しようとする仮想線(加工予定ライ ンという)を設定する。そして加工予定ライ の始端となる基板端に、カッターホイール で初期亀裂(トリガ)を形成し、レーザビーム の照射によるビームスポットを始端に形成し た初期亀裂の位置からスクライブ予定ライン に沿って走査する。続いて、ビームスポット が通過した直後の加工予定ラインに、冷媒を 吹き付けて冷却を行う。このとき、加工予定 ライン近傍に発生した温度分布(深さ方向の 度分布又は前後方向の温度分布)に基づいて 力勾配が生じる結果、有限深さのクラック( スクライブラインという)又は、基板の裏面 達して基板を完全に分断するクラック(フル ットラインという)が形成される(特許文献1 特許文献2、特許文献3参照)。
レーザスクライブ加工により加工予定ラ ンに沿って精度よくクラックを形成させる めには、加工予定ライン上に大きな熱応力 発生させる必要があり、加工予定ラインに って急峻な温度勾配を形成する必要がある また、有限深さのクラック(スクライブライ ン)をできるだけ深く形成できる加工条件に たり、あるいは確実に完全分断するクラッ (フルカットライン)を形成できる加工条件に したりして、レーザスクライブ加工を行うの が好ましいが、そのためにも加熱後の冷却で 、できるだけ大きな温度勾配を形成する必要 がある。しかしながら、これまで一般的に行 われてきた冷却方法である気体(液体を含有 せてもよい)を非接触状態で吹き付ける方法 は、冷却が十分でないこともあった。
そこで大きな温度勾配を発生させる冷却方
として、ビームスポットが通過した後に、
却部材を基板面に機械的に接触するように
て行う方法が開示されている。
例えば、冷媒が循環する冷却パイプを基板
接触するようにして冷却する方法が開示さ
ている(特許文献4参照)。
また、ローラ状の冷却部材(固体)や球状の
却部材(固体)や棒状の冷却部材の先端を、低
温にして基板表面に接触するようにして冷却
する方法が開示されている(特許文献5)。
さらに、常温で水よりも蒸気圧の高い溶剤
どからなる揮発性液体をスポンジ、フェル
などの素材からなる冷却部材に浸透させ、
の冷却部材(スポンジ等)を基板に接触させ
ことにより、揮発性液体を塗布し、揮発性
体が蒸発するときの気化熱を利用して冷却
ることも開示されている(特許文献5参照)。
このように冷却パイプやローラ状の冷却 材を接触したり、揮発液体を浸透させたス ンジ、フェルト等の冷却部材を接触したり て、固体物質を基板に機械的に接触するこ により冷却を行えば、加工予定ラインに沿 て効率的に冷却することができるようにな 、加工予定ラインに沿って精度よく、かつ 確実にクラックを形成することができる。
しかしながら、冷却パイプやローラ状の 却部材には、接触面を低温に冷却できる熱 導率の高い金属(銅、アルミニウム)が用い れる。このような冷却部材が基板に機械的 接触した状態で移動すると、摩擦によって 属粉が基板上に残り、基板が汚染されてし う。特に、冷却部材の接触面に何らかの原 で小さな傷が生じると、傷の部分から金属 が発生しやすくなる。また、傷の部分は摩 係数が高いので、この部分に接することに り基板に傷が付きやすくなる。
一方、揮発液体を浸透させたスポンジ、 ェルト等の冷却部材を用いる場合は、金属 や摩擦による傷の問題は生じないが、スポ ジやフェルトの一部が剥がれて、基板に付 してしまうおそれがある。また、スポンジ フェルトに、汚れが付着すると、それ以降 接触する基板に汚れを付着させてしまうこ になる。
そこで、本発明は、レーザスクライブ加 における加熱後の冷却を固体の冷却部材を 械的に接触させる場合に、冷却部材自身か 金属粉が発生する問題や冷却部材に付着し 汚れが他の基板に付着する問題がなく、ま 、摩擦による傷の発生も生じない冷却方法 用いたレーザ加工方法およびレーザ加工装 を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた本発明
レーザ加工装置は、冷却部材として基板に
械的に接触させる固体材料が備えなければ
らない性質を工夫することによりなされた
のである。
すなわち、本発明のレーザ加工装置は、脆
材料基板用のレーザ加工装置であって、レ
ザビームを照射することにより局所的な加
を行うビームスポットを基板に形成するレ
ザ照射機構と、基板を局所的に冷却する冷
領域を形成する基板冷却機構とを備え、さ
に、レーザ照射機構により照射されるビー
スポット、および、基板冷却機構により形
される冷却領域を、基板に設定した加工予
ラインに沿ってビームスポット、冷却領域
順で相対的に移動する走査機構を備える。
して、基板冷却機構は、常温で気体又は液
となる冷媒材料を冷却して固体化した固相
媒を冷媒として用いるようにし、この固相
媒を基板に接触させる接触機構を備えるよ
にする。
ここで、ビームスポットおよび冷却領域を
対的に移動する走査機構は、レーザスポッ
および冷却領域を一定の位置にして基板を
動するようにしてもよいし、基板の位置を
定にしてレーザ照射機構によるビームスポ
トおよび基板冷却機構による冷却領域を基
に対し移動するようにしてもよい。
また、「常温で気体または液体となる冷媒
料」の「常温」とは、レーザスクライブ加
が行われる周囲の空間の通常状態の温度(室
温)いい、具体的には5℃以上40℃以下の温度
囲をいう。
本発明によれば、基板冷却機構は、常温 気体又は液体となる冷媒材料を冷却して固 化した固相冷媒を、押圧機構によって基板 接触させる。固相冷媒は、一端面が基板に 触しながら、直前に加熱された加工予定ラ ンに沿って走査されるようになる。これに り、基板の加工予定ラインが、固相冷媒の 触面によって効率よく、かつ、精度よく冷 され、固相冷媒は接触面が気化、液化し、 耗されていくことになる。
本発明によれば、固相冷媒との接触面で 率的な冷却ができ、摩擦によって固相冷媒 傷が付くこともないので基板に傷が付きに くなる。また、冷却の際に接触面が気化ま は液化して消耗することになるので、同じ 相冷媒で次々と基板を冷却しても、固相冷 の接触面に付着した汚れが次の基板に付着 れていくこともなくなる。
上記発明において、固相冷媒として、氷、
体状態のアルコール、ドライアイスのいず
かが用いられるようにしてもよい。
固相冷媒として氷を用い、これを加熱され
基板に接触すると、一部が液化して水にな
。また、固相冷媒として固体状態のアルコ
ルを用いると、一部が液体アルコールまた
気体アルコールになる。また、固相冷媒と
てドライアイスを用いると、一部が気化し
二酸化炭素になる。これら材料は、いずれ
金属粉やスポンジのような固形物質を含ま
いので、基板上に固形物として残って基板
傷つけたり汚したりすることはない。また
常温で自然に蒸発する材料であるため、除
する必要がないか、また、蒸発していない
体状態で付着していても簡単に純水洗浄に
り除去することができる。
さらに、氷、アルコール、ドライアイスを
相冷媒として基板と接触させるときに、こ
らを冷却すればするほど、固体温度を低温
することができる。したがって、固相冷媒
温度を冷却して低温にすることにより、さ
に冷却効率を高めることができ、急峻な温
勾配を形成して精度のよい加工を行うこと
できる。
上記発明において、基板冷却機構は、さら
前記冷媒材料を供給する冷媒供給部と、供
された冷媒材料を前記冷媒材料が固体化す
温度以下に冷却して固相冷媒にする固体化
とを備えるようにしてもよい。
これによれば、固相冷媒の一部が気化また
液化して消耗すると、冷媒供給部から冷媒
料を供給して固体化温度まで冷却して固相
媒にすることで、消耗した固相冷媒を追加
ることができるようになり、連続して冷却
行うことができる。また、固相冷媒に傷が
いても修復することができる。
ここで、冷媒供給部は前記冷媒材料を噴射
るノズルを備え、固体化部は、基板に対向
る端面が設けられるとともにノズルから噴
された冷媒材料が端面に付着するように配
される芯材と、芯材の端面を冷媒材料が固
化する温度以下に冷却する芯材冷却部とか
なるようにしてもよい。
これによれば、芯材冷却部によって冷却さ
た芯材(例えば先端面を丸めた銅製の棒体)
端面にノズルから冷媒材料を噴射すること
より、芯材端面に付着した冷媒材料が固体
温度以下に冷却されて固体化し、芯材端面
付着するようになり、芯材端面を覆う固相
媒を形成することができる。
そして芯材端面に付着した固相冷媒を、基
に機械的に接触させることにより、基板を
率よく冷却させることができる。このとき
材自身は基板と直接接触することはないの
、芯材の一部が剥離して金属粉等が残るこ
もない。
また、上記発明において、押圧機構は、前
固相冷媒の一端面を前記基板に対向させた
態で前記固相冷媒を着脱可能に支持する支
部材を備えるようにしてもよい。
これによれば、支持部材によって着脱可能
取り付けられた固相冷媒は、押圧機構によ
て基板に押し付けられる。そして、基板と
接触により固相冷媒が消耗されてくると、
用していた固相冷媒を取り外し、新しい固
冷媒に交換する。これにより、引き続いて
相冷媒による冷却することができる。
また、上記発明において、基板冷却機構は
固相冷媒に対し前記基板と接触する固相冷
の接触面を整形する整形機構をさらに備え
もよい。
ここで、整形機構が整形する形状は、特に
定されない。具体的には、先端を半球状に
形してもよいし、角状に整形してもよい。
た、加工予定ライン方向に合わせやすくす
ために楕円状に整形してもよい。
また、上記課題を解決するために、別の 点からなされた本発明のレーザ加工方法は レーザビームの照射により形成されるビー スポットを脆性材料基板に設定した加工予 ラインに沿って走査することにより基板を 熱し、次いでビームスポットの通過した直 を冷却することにより、加工予定ラインに って熱応力によるクラックを形成する脆性 料基板のレーザ加工方法であって、基板の 却を、常温で気体又は液体となる冷媒材料 冷却して固体化した固相冷媒を基板に接触 せることにより行うようにしている。
本発明によれば、固相冷媒との接触面で 率的な冷却ができ、摩擦によって固相冷媒 傷が付くこともないので基板に傷が付きに くなる。また、冷却の際に接触面が気化ま は液化して消耗することになるので、同じ 相冷媒で次々と基板を冷却しても、固相冷 の接触面に付着した汚れが次の基板に付着 れていくこともなくなる。
また、上記方法において、固相冷媒に、氷
固体状態のアルコール、ドライアイスのい
れかが用いられるようにしてもよい。
これら材料は、いずれも金属粉やスポンジ
ような固形物質を含まないので、基板上に
形物として残って基板を傷つけたり汚した
することはなく、加工することができる。
た、常温で自然に蒸発する材料であるため
除去する必要がないか、また、蒸発してい
い液体状態で付着していても簡単に純水洗
により除去することができる。
ここで、固相冷媒は、界面活性剤または洗
剤を添加剤として含有するようにしてもよ
。
界面活性剤を含有させることにより、固相
媒で冷却したときに界面活性剤が加工予定
インに沿って形成されたクラックに塗布さ
るようになり、その結果、クラックの表面
士が固着することを防止できる。また、洗
剤を含有させることにより、固相冷媒で冷
したときに洗浄剤が加工予定ラインに塗布
れるようになり、その結果洗浄が簡単かつ
率的に行えるようになる。
2 スライドテーブル
7 台座(走査機構)
12 回転テーブル
13 レーザ装置(レーザ照射機構)
14 光学ホルダ(レーザ照射機構)
20、20a 基板冷却機構
21 芯材(固体化部)
21a 端面
22 芯材冷却部
24 昇降ロッド
25 押圧機構
26 昇降機構
27 ノズル(冷媒供給部)
50 整形機構
51 加熱ブロック
52 移動機構
61 支持部材
A ガラス基板(脆性材料基板)
Cr クラック
CL 固相冷媒
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて
明する。
図1は本発明の加工方法を実施することがで
きる基板加工装置LS1の全体構成図である。ま
た、図2は基板加工装置LS1の一部である基板
却機構の構成を示す部分構成図である。
本実施形態ではガラス基板を加工する場合
例に説明するが、シリコン基板等の脆性材
基板であっても同様である。また、固相冷
として氷を用いる場合について説明するが
他の固相冷媒(固体アルコールの場合は液体
アルコールを使用、ドライアイスの場合は液
化炭酸ガスを使用)でも同様である。
まず、基板加工装置LS1の全体構成につい 説明する。水平な架台1上に平行に配置され た一対のガイドレール3、4に沿って、図1の紙 面前後方向(以下Y方向という)に往復移動する スライドテーブル2が設けられている。両ガ ドレール3,4の間に、スクリューネジ5が前後 向に沿って配置され、このスクリューネジ5 に、スライドテーブル2に固定されたステー6 螺合されており、スクリューネジ5をモータ ー(図示外)によって正、逆転することにより スライドテーブル2がガイドレール3,4に沿っ てY方向に往復移動するように形成されてい 。
スライドテーブル2上に、水平な台座7が イドレール8に沿って、図1の左右方向(以下X 向という)に往復移動するように配置されて いる。台座7に固定されたステー10aに、モー ー9によって回転するスクリューネジ10が貫 螺合されており、スクリューネジ10aが正、 転することにより、台座7がガイドレール8に 沿って、X方向に往復移動する。
台座7上には、回転機構11によって回転す 回転テーブル12が設けられており、この回 テーブル12の上に、ガラス基板Aが水平な状 で取り付けられる。このガラス基板Aは、例 ば、小さな単位基板を切り出すためのマザ 基板である。回転機構11は、回転テーブル12 を、垂直な軸の周りで回転させるようになっ ており、基準位置に対して任意の角度になる ように回転できるように形成されている。ま た、ガラス基板Aは、吸引チャックによって 転テーブル12に固定される。
回転テーブル12の上方には、レーザ照射機
を構成するレーザ装置13と光学ホルダ14とが
付フレーム15に保持されている。
レーザ装置13は、脆性材料基板の加工用と
て一般的なものを使用すればよく、具体的
はエキシマレーザ、YAGレーザ、炭酸ガスレ
ザ又は一酸化炭素レーザなどが使用される
ガラス基板Aの加工には、ガラス材料のエネ
ギー吸収効率が大きい波長の光を発振する
酸ガスレーザを使用することが好ましい。
レーザ装置13から出射されたレーザビー は、ビーム形状を調整するレンズ光学系が み込まれた光学ホルダ14によって、長軸を有 する形状(楕円形状、長円形状など)のビーム ポットがガラス基板A上に形成される。ここ ではビームスポットの形状を楕円にすること により、スクライブ予定ラインに沿って効率 よく加熱できるようにしている。
取付フレーム15には、光学ホルダ14に近接 して、基板冷却機構20が設けられている。図2 に示すように、基板冷却機構20は、主として 棒状体からなる芯材21と、常温で液体とな 水(水蒸気)を噴射するノズル27との2つの構造 体からなる。芯材21は良熱伝導性の金属(例え ば銅、アルミ)で形成される。芯材21の下方側 の端面21aは、凹凸のない鏡面にしてある。こ の端面21aは、ノズル27から噴射される冷却媒 が付着するようにしてある。端面21aは半球 にしてあるが、他の形状でもよく、走査す ビームスポットの形状や幅に合わせて適当 形状にすればよい。芯材21の上側にはフィ 21bが設けてあり、フィン21bを介して芯材21を 効率よく冷却できるようにしてある。
芯材21のフィン21bの周囲には、箱状の芯 冷却部22が設けてあり、この中を、冷却媒体 が循環流路22a、22bを介して流入、排出される ようにしてある。使用される冷却媒体は、端 面21aの温度を所望の温度に冷却できる低温流 体が用いられる。例えばノズル27から冷媒材 として水を噴射させる場合は、端面21aが氷 (0°C)以下になればよいので、それよりも低 のガス(冷凍回路で低温化したフレオンガス )や液体(液化炭酸ガス、液体窒素)を用いて芯 材21を冷却する。なお、芯材冷却部22にペル ェ素子を用いて芯材21を冷却するようにして もよい。
芯材冷却部22の上面には、断熱材23(例えば
ラミック板)が取り付けられ、断熱材23の上
には昇降用ロッド24が固定されている。断熱
材23は、芯材冷却部22の冷熱が昇降ロッド24に
伝達されるのを防止するために取り付けられ
ている。
昇降ロッド24は、芯材21を基板Aに接触させる
めの押圧機構25に接続される。押圧機構25は
、コイルばねと電磁弁(不図示)とからなる昇
機構26により、昇降ロッド24を上下に移動す
ることで芯材21を昇降する。そして芯材21が
降して基板Aに接触しているときに、コイル
ねによる適度の力で端面21aが基板Aを押圧す
るように調整してある。
ノズル27は、噴射方向が芯材21に向けてあ り、開閉弁28を介して供給される水(水蒸気) ノズル27から噴射されて端面21aに付着するよ うにしてある。芯材21の回りに付着した水は 芯材21が0°C以下に冷却されているため、氷 なり、端面21aを覆うようになる。したがっ 、この状態の芯材21を下降させて基板Aに接 させると、端面21aに付着した氷の部分が基 Aに接するようになり、これにより基板Aが 却される。
また、取付フレーム15には、光学ホルダ14に
近接して、基板冷却機構20とは反対側にカッ
ーホイール18が昇降機構17を介して取り付け
られている。
このカッターホイール18は、ガラス基板Aに
期亀裂を形成するときに、上方から一時的
下降するようにして用いられる。
さらに、基板加工装置LS1には、ガラス基 Aに刻印されている位置決め用のアライメン トマークを検出することができるカメラ19が 載してある。カメラ19により検出されたア イメントマークの位置から、基板A上に設定 るスクライブ予定ラインの位置と回転テー ル12との位置関係を求め、カッターホイー 18を下降させる位置やビームスポットを照射 させる位置がスクライブ予定ライン上にくる ように、正確に位置決めできるようにしてあ る。
次に、基板加工装置LS1の制御系について説
する。図3は基板加工装置LS1の制御系を示す
ブロック図である。基板加工装置LS1は、レー
ザ/光学系駆動部31、基板冷却機構駆動部32、
査機構駆動部33、トリガ機構駆動部34、カメ
ラ駆動部35との各駆動系が、コンピュータ(CPU
)で構成される制御部40によってコントロール
される。
制御部40には、操作ボタン、キーボード、
ウス等の入力装置からなる入力部41、および
各種の表示を行う表示画面からなる表示部42
接続され、必要なメッセージが表示画面に
示されるとともに、必要な操作、指示、設
が入力できるようにしてある。
次に制御部40がコントロールする各駆動部
行う動作について説明する。
レーザ/光学系駆動部31は、レーザ装置13を
動、停止してレーザビームの照射動作や停
動作を行う。レーザビームが照射されると
光学ホルダ14内のレンズ光学系を介して楕円
状のビームスポットが基板A上に形成される
基板冷却機構駆動部32は、まず、開閉弁28 の制御によりノズル27から冷媒を噴射する動 を行い、また、押圧機構25の制御により芯 21を下降させて芯材21の端面21aに付着した氷 を基板Aに接触させる動作を行う。
走査機構駆動部33は、スライドテーブル2 よび台座7および回転機構11を駆動して、基 Aを移動する動作を行う。
トリガ機構駆動部34は、カッターホイール18
の昇降機構17を駆動して、基板Aに初期亀裂を
形成する動作を行う。
カメラ駆動部35は、カメラ20を駆動して、基
板Aの位置を表示部42に表示する動作を行う。
次に、上記基板加工装置LS1による加工動 について説明する。図4は基板加工装置LS1に よるレーザスクライブ加工の加工動作手順を 示す図である。
まず、図4(a)に示すように、ガラス基板Aが
転テーブル12の上に載置され、吸引チャック
によって固定される。カメラ20(図1)によって
ラス基板Aに刻印されてあるアライメントマ
ーク(不図示)が検出され、その検出結果に基
いて、加工予定ラインと、回転テーブル12
スライドテーブル2、台座7との位置が関係付
けられる。そして回転テーブル12およびスラ
ドテーブル2を作動し、カッターホイール18
刃先方向が加工予定ラインの方向に並ぶよ
に位置が調整される。さらに昇降機構17を
動してカッターホイール18を下降させた状態
で、台座7を作動し、回転テーブル12上の基板
Aの端部にカッターホイール18を当接させて、
初期亀裂を形成するようにする。初期亀裂を
形成した後は、昇降機構17を作動してカッタ
ホイール18が基板Aに当たらないように上方
回避させておく。
以上の動作を行う間に、同時並行して、ノ
ル27から水(水蒸気)を噴射して低温の芯材21
端面21aに付着させることにより、端面21aを
う氷の層を形成しておく。
続いて、図4(b)に示すように、回転テーブ ル12(台座7)を一旦元の位置に移動してからレ ザ光源13を作動してレーザビームを照射さ る。そしてノズル27からの水(水蒸気)の噴射 停止する。この状態で、台座7を駆動して回 転テーブル12の移動を開始する。
続いて、図4(c)に示すように、回転テーブ ル12(台座7)の移動により基板Aがレーザビーム の真下を通過するようにする。このとき基板 A上にビームスポットが形成され、加熱され 。さらに、加熱直後の位置に芯材21の端面21a に付着している氷が接触することにより、効 率よく冷却される。このとき氷の一部が融解 するが、水になるだけであり、基板に傷がつ く原因となる金属粉等は発生しない。それゆ え、基板Aに傷が形成されることもない。そ て、固相冷媒の接触によって大きな温度差 形成されることにより、加工予定ライン(す わちビームスポットおよび氷が移動したラ ン)に沿ってクラックが形成される。
そして、図4(d)に示すように、基板Aの加 予定ライン上をビームスポットおよび氷が 動した結果、基板Aの加工予定ライン上に、 ラックCrが形成される。なお、クラックCrは 加熱条件、冷却条件、基板の板厚によって、 有限深さのクラックからなるスクライブライ ンにもなり、基板を完全分断するクラックか らなるフルカットラインにもなる。
(実施形態2)
図5は、本発明の第二実施形態である基板加
工装置LS2の全体構成図である。図において基
板加工装置LS1(図1)と同じ構成部分については
同符号を付すことにより説明を省略する。基
板加工装置LS2では、芯材21の端面21aに形成さ
る氷の大きさや形状を調整するための整形
構50を備えている点が第一実施形態と異な
、それ以外の構成は、第一実施形態と同様
ある。制御系については、基板冷却機構駆
部32が整形機構50の昇降移動、回転移動につ
ても駆動するようになった点が異なる。そ
以外の制御は基板加工装置LS1と同様である
整形機構50は、加熱ブロック51と、加熱ブロ
ック51が回転テーブル12と衝突することを回
するため加熱ブロック51を上下移動および回
転移動させる移動機構56とからなる。
図6に示すように、加熱ブロック51には、芯
21の先端部分を挿入して整形するための型
52、排出孔53が形成され、埋め込みヒータ54
取り付けられている。この埋め込みヒータ54
に通電することにより、加熱ブロック51は加
されるようになる。
図7は基板加工装置LS2による整形動作例を示
す図である。
まず、図7(a)に示すように、ガラス基板Aが
置された回転テーブル12が基板冷却機構20か
離れた加工開始位置にある状態のときに、
動機構56を作動して加熱ブロック51を芯材21
真下にくるようにする。
続いて、図7(b)に示すように、加熱ブロッ ク51を上昇し、型穴52に芯材21が挿入されるよ うにする。このとき芯材21の周囲に付着して る氷の層は一部が溶けて排出孔53から排出 れる。その結果、芯材表面に付着する氷の は型穴52の底面形状である半球状に整形され る。なお、型穴52の底面形状は半球以外であ てもよい。例えば、接触面の面積をできる け小さくしたい場合には角状に尖らせても い(この場合でも氷であるため基板A上を滑 かに移動するため基板Aを傷つけることはな )。一方、接触面の面積を広げたい場合は平 坦な底面にしてもよい。
整形を終えると、図7(c)に示すように、加熱
ブロック51は下降し、芯材21から離れる。そ
後、加熱ブロック51は回転テーブル12と衝突
ない回避位置(図7(a)の位置)に戻される。
以上の整形動作をレーザスクライブ加工時
組み込む(図4(a)の後に組み込む)ことにより
常に一定形状の氷の層が形成された端面21a
基板Aに接するようになるので、さらに加工
精度を向上させることができる。
(実施形態3)
図8は、本発明の第三実施形態である基板加
工装置LS3の全体構成図である。また、図9は
板加工装置LS3における基板冷却機構20aを示
部分構成図である。図8、図9において、基板
加工装置LS1(図1)と同じ構成部分については同
符号を付すことにより説明を省略する。
実施形態1の基板加工装置LS1および実施形 態2の基板加工装置LS2では、基板冷却機構20に おいてノズル27から噴射した冷却媒体を冷却 ることにより固体化して固相冷媒を形成す ようにしていた。これに対し、基板加工装 LS3では、交換用の固相冷媒を別途に準備し おき、使用中の固相冷媒が消耗した時点で しい固相冷媒に交換する。具体的には、別 の冷凍装置で円柱状の氷を形成して準備し おき、必要時に交換するようにしている。
そのため、基板加工装置LS3では、固相冷媒C
Lを着脱することができる支持部材61を備えた
基板冷却機構20aを備えている。
支持部材61について説明する。支持部材61は
、円筒状のハウジング62と、予め円柱状に整
された氷(固相冷媒CL)の下端を基板Aに対向
せた状態で、氷(固相冷媒CL)の上端を、図示
ないクリップで固定する把持部63と、把持
63をハウジング62内で昇降する把持部用の昇
機構64と、氷(固相冷媒CL)を鉛直下方に向け
ためのガイド65とからなる。氷(固相冷媒CL)
、ハウジングの下方からガイド65に沿って
入することにより把持部63のクリップで固定
される。そして把持部用の昇降機構64は氷の
耗量に応じて少しずつ下降し、常に氷(固相
冷媒CL)の下側端面がハウジング62の外側に露
するようにしてある。昇降機構64の昇降動
は、基板Aの冷却回数をカウントしてこれに
動して行うようにしてもよい。
ハウジング62の上面は、昇降用ロッド24が固
定されている。昇降ロッド24は、支持部材61
基板Aに接触させるための押圧機構25に接続
れる。押圧機構25は、コイルばねと電磁弁(
図示)とからなる昇降機構26により、昇降ロ
ド24を上下に移動することで支持部材61を昇
する。そして支持部材61が下降し氷(固相冷
CL)が基板Aに接触しているときに、コイルば
ねによる適度の力で固相冷媒CLが基板Aを押圧
するように調整してある。
基板加工装置LS3の制御系については、基板
却機構駆動部32が把持部用の昇降機構64の昇
降動作を駆動する。それ以外の制御は基板加
工装置LS1と同様である。なお、氷(固相冷媒CL
)の交換をロボットハンドによって自動化す
こともできるが、その場合はロボットハン
による交換動作も基板冷却機構駆動部32が制
御する。
基板加工装置LS3による加工動作について 明する。最初の氷(固相冷媒CL)を支持部材61 取り付け、実施形態1と同様に、ビームスポ ットの走査および氷(固相冷媒CL)の走査を実 することにより、加工予定ラインに沿って 峻な温度差によるクラックを基板に形成す 。最初の氷(固相冷媒CL)が消耗するにつれて 把持部昇降機構64を作動して氷(固相冷媒CL) 下降させる。やがて、最初の氷(固相冷媒CL) がほとんどなくなると、残りを抜き出して、 新しい氷(固相冷媒CL)に交換する。このよう してレーザスクライブ加工を続けて行うよ にする。
本発明は、ガラス基板等の脆性材料基板 対し、精度よく加工予定ラインに沿ってク ックを形成することができるレーザ加工装 に利用することができる。
