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Title:
LASER WORKING METHOD, LASER WORKING APPARATUS, AND ITS MANUFACTURING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/020004
Kind Code:
A1
Abstract:
A working object (1) is irradiated with a laser beam (L), which is to be concentrated in a working object (1) and which has been modulated by a reflection type spatial light modulator (203) such that its aberration may be at a predetermined aberration or less. As a result, the aberration of the laser beam (L) that occurs at a position where the collecting point (P) of the laser beam (L) is aligned is minimized to enhance the energy concentration of the laser beam (L) so that a modifying region (7) having a high function as the starting point of a cutting operation can be formed. Since the reflection type spatial light modulator (203) is used, moreover, the using efficiency of the laser beam (L) can be improved better than that of a transmission type spatial light modulator. This improvement in the using efficiency of the laser beam (L) is important especially in case the modifying region (7) for the cut starting point is formed in the plate-shaped working object (1).

Inventors:
NAKANO, Makoto (1126-1 Ichino-cho,Higashi-ku, Hamamatsu-sh, Shizuoka 58, 4358558, JP)
中野 誠 (〒58 静岡県浜松市東区市野町1126番地の1浜松ホトニクス株式会社内 Shizuoka, 4358558, JP)
KUNO, Koji (1126-1 Ichino-cho,Higashi-ku, Hamamatsu-sh, Shizuoka 58, 4358558, JP)
久野 耕司 (〒58 静岡県浜松市東区市野町1126番地の1浜松ホトニクス株式会社内 Shizuoka, 4358558, JP)
OSAJIMA, Tetsuya (1126-1 Ichino-cho,Higashi-ku, Hamamatsu-sh, Shizuoka 58, 4358558, JP)
Application Number:
JP2008/063531
Publication Date:
February 12, 2009
Filing Date:
July 28, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HAMAMATSU PHOTONICS K.K. (1126-1, Ichino-cho Higashi-ku, Hamamatsu-sh, Shizuoka 58, 4358558, JP)
浜松ホトニクス株式会社 (〒58 静岡県浜松市東区市野町1126番地の1 Shizuoka, 4358558, JP)
NAKANO, Makoto (1126-1 Ichino-cho,Higashi-ku, Hamamatsu-sh, Shizuoka 58, 4358558, JP)
中野 誠 (〒58 静岡県浜松市東区市野町1126番地の1浜松ホトニクス株式会社内 Shizuoka, 4358558, JP)
KUNO, Koji (1126-1 Ichino-cho,Higashi-ku, Hamamatsu-sh, Shizuoka 58, 4358558, JP)
久野 耕司 (〒58 静岡県浜松市東区市野町1126番地の1浜松ホトニクス株式会社内 Shizuoka, 4358558, JP)
International Classes:
B23K26/38; B23K26/00; B23K26/04; B23K26/06; B23K26/40; B28D5/00; C03B33/09
Attorney, Agent or Firm:
HASEGAWA, Yoshiki et al. (SOEI PATENT AND LAW FIRM, Ginza First Bldg. 10-6Ginza 1-chome, Chuo-k, Tokyo 61, 1040061, JP)
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Claims:
 板状の加工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、前記加工対象物の切断予定ラインに沿って、切断の起点となる改質領域を形成するレーザ加工方法であって、
 前記改質領域を形成する際には、前記加工対象物の内部において前記レーザ光の波面が所定の波面となるように反射型空間光変調器によって前記レーザ光を変調することを特徴とするレーザ加工方法。
 板状の加工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、前記加工対象物の切断予定ラインに沿って、切断の起点となる改質領域を形成するレーザ加工方法であって、
 前記改質領域を形成する際には、前記加工対象物の内部に集光される前記レーザ光の収差が所定の収差以下となるように反射型空間光変調器によって前記レーザ光を変調することを特徴とするレーザ加工方法。
 板状の加工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、前記加工対象物の切断予定ラインに沿って、前記加工対象物の厚さ方向に並ぶように、切断の起点となる改質領域を複数列形成するレーザ加工方法であって、
 複数列の前記改質領域のうち、前記加工対象物のレーザ光入射面から最も遠い改質領域を含む1列又は複数列の前記改質領域を形成する際には、形成する前記改質領域に応じて、前記加工対象物の内部に前記レーザ光を集光する集光光学系と前記加工対象物との距離が所定の距離となるように前記集光光学系と前記加工対象物との距離を変化させると共に、前記加工対象物の内部において前記レーザ光の波面が所定の波面となるように反射型空間光変調器によって前記レーザ光を変調することを特徴とするレーザ加工方法。
 板状の加工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、前記加工対象物の切断予定ラインに沿って、前記加工対象物の厚さ方向に並ぶように、切断の起点となる改質領域を複数列形成するレーザ加工方法であって、
 複数列の前記改質領域のうち、前記加工対象物のレーザ光入射面から最も遠い改質領域を含む1列又は複数列の前記改質領域を形成する際には、形成する前記改質領域に応じて、前記加工対象物の内部に前記レーザ光を集光する集光光学系と前記加工対象物との距離が所定の距離となるように前記集光光学系と前記加工対象物との距離を変化させると共に、前記加工対象物の内部に集光される前記レーザ光の収差が所定の収差以下となるように反射型空間光変調器によって前記レーザ光を変調することを特徴とするレーザ加工方法。
 前記切断予定ラインが前記加工対象物に対して複数本設定されている場合には、1本の前記切断予定ラインに沿って複数列の前記改質領域を形成した後に、他の1本の前記切断予定ラインに沿って複数列の前記改質領域を形成することを特徴とする請求項3又は4記載のレーザ加工方法。
 前記切断予定ラインが前記加工対象物に対して複数本設定されている場合には、複数本の前記切断予定ラインに沿って1列の前記改質領域を形成した後に、複数本の前記切断予定ラインに沿って他の1列の前記改質領域を形成することを特徴とする請求項3又は4記載のレーザ加工方法。
 板状の加工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、前記加工対象物の切断予定ラインに沿って、切断の起点となる改質領域を形成するレーザ加工方法であって、
 前記改質領域を形成する際には、前記加工対象物の内部に集光される前記レーザ光の開口数が所定の開口数となるように反射型空間光変調器によって前記レーザ光を変調することを特徴とするレーザ加工方法。
 板状の加工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、前記加工対象物の切断予定ラインに沿って、前記加工対象物の厚さ方向に並ぶように、切断の起点となる改質領域を複数列形成するレーザ加工方法であって、
 複数列の前記改質領域のうち、前記加工対象物のレーザ光入射面又は前記加工対象物において前記レーザ光入射面と対向する対向表面に最も近い前記改質領域を除く前記改質領域を形成する際には、前記レーザ光入射面又は前記対向表面に最も近い前記改質領域を形成する場合に比べ、前記加工対象物の内部に集光される前記レーザ光の開口数が小さくなるように反射型空間光変調器によって前記レーザ光を変調することを特徴とするレーザ加工方法。
 前記切断予定ラインに沿って、前記加工対象物の厚さ方向に並ぶように、前記改質領域を少なくとも3列形成する場合において、
 少なくとも3列の前記改質領域のうち、前記レーザ光入射面から最も遠い前記改質領域及び前記レーザ光入射面に最も近い前記改質領域を除く前記改質領域を形成する際には、前記レーザ光入射面から最も遠い前記改質領域及び前記レーザ光入射面に最も近い前記改質領域を形成する場合に比べ、前記加工対象物の内部に集光される前記レーザ光の開口数が小さくなるように反射型空間光変調器によって前記レーザ光を変調することを特徴とする請求項8記載のレーザ加工方法。
 板状の加工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、前記加工対象物の切断予定ラインに沿って、切断の起点となる改質領域を形成するレーザ加工方法であって、
 前記改質領域を形成する際には、前記レーザ光の光学特性が所定の光学特性となるように複数の反射型空間光変調器によって前記レーザ光を変調することを特徴とするレーザ加工方法。
 板状の加工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、前記加工対象物の切断予定ラインに沿って、切断の起点となる改質領域を形成するレーザ加工装置であって、
 前記加工対象物を支持する支持台と、
 前記レーザ光を出射するレーザ光源と、
 前記レーザ光源から出射された前記レーザ光を変調する反射型空間光変調器と、
 前記支持台によって支持された前記加工対象物の内部に、前記反射型空間光変調器によって変調された前記レーザ光を集光する集光光学系と、
 前記改質領域を形成する際に、前記レーザ光の集光点が前記加工対象物のレーザ光入射面から所定の距離に位置し且つ前記レーザ光の集光点が前記切断予定ラインに沿って相対的に移動するように前記支持台及び前記集光光学系の少なくとも1つを制御すると共に、前記加工対象物の内部において前記レーザ光の波面が所定の波面となるように前記反射型空間光変調器を制御する制御部と、を備えることを特徴とするレーザ加工装置。
 前記制御部は、前記加工対象物の厚さ方向に並ぶように前記切断予定ラインに沿って複数列形成される前記改質領域毎に、前記レーザ光の集光点が前記レーザ光入射面から前記所定の距離に位置するように前記支持台及び前記集光光学系の少なくとも1つを制御するための制御信号と、前記加工対象物の内部において前記レーザ光の波面が所定の波面となるように前記反射型空間光変調器を制御するための制御信号とを対応付けて記憶していることを特徴とする請求項11記載のレーザ加工装置。
 板状の加工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、前記加工対象物の切断予定ラインに沿って、切断の起点となる改質領域を形成するレーザ加工装置であって、
 前記加工対象物を支持する支持台と、
 前記レーザ光を出射するレーザ光源と、
 前記レーザ光源から出射された前記レーザ光を変調する反射型空間光変調器と、
 前記支持台によって支持された前記加工対象物の内部に、前記反射型空間光変調器によって変調された前記レーザ光を集光する集光光学系と、
 前記改質領域を形成する際に、前記レーザ光の集光点が前記加工対象物のレーザ光入射面から所定の距離に位置し且つ前記レーザ光の集光点が前記切断予定ラインに沿って相対的に移動するように前記支持台及び前記集光光学系の少なくとも1つを制御すると共に、前記加工対象物の内部に集光される前記レーザ光の収差が所定の収差以下となるように前記反射型空間光変調器を制御する制御部と、を備えることを特徴とするレーザ加工装置。
 前記制御部は、前記加工対象物の厚さ方向に並ぶように前記切断予定ラインに沿って複数列形成される前記改質領域毎に、前記レーザ光の集光点が前記レーザ光入射面から前記所定の距離に位置するように前記支持台及び前記集光光学系の少なくとも1つを制御するための制御信号と、前記加工対象物の内部に集光される前記レーザ光の収差が前記所定の収差以下となるように前記反射型空間光変調器を制御するための制御信号とを対応付けて記憶していることを特徴とする請求項13記載のレーザ加工装置。
 レンズとしての機能を有する第1の光学素子及び第2の光学素子を有する調整光学系を備え、
 前記第1の光学素子及び前記第2の光学素子は、前記反射型空間光変調器と前記第1の光学素子との距離が前記第1の光学素子の第1の焦点距離となり、前記集光光学系と前記第2の光学素子との距離が前記第2の光学素子の第2の焦点距離となり、前記第1の光学素子と前記第2の光学素子との距離が前記第1の焦点距離と前記第2の焦点距離との和となり、且つ前記第1の光学素子と前記第2の光学素子とが両側テレセントリック光学系となるように、配置されていることを特徴とする請求項11~14のいずれか一項記載のレーザ加工装置。
 前記調整光学系は、前記反射型空間光変調器と、前記反射型空間光変調器から出射された前記レーザ光を反射する反射部材との間に配置されていることを特徴とする請求項15記載のレーザ加工装置。
 板状の加工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ光を照射することにより、前記加工対象物の切断予定ラインに沿って、切断の起点となる改質領域を形成するレーザ加工装置であって、
 前記加工対象物を支持する支持台と、
 前記レーザ光を出射するレーザ光源と、
 前記レーザ光源から出射された前記レーザ光を変調する複数の反射型空間光変調器と、
 前記支持台によって支持された前記加工対象物の内部に、前記反射型空間光変調器によって変調された前記レーザ光を集光する集光光学系と、
 前記改質領域を形成する際に、前記レーザ光の集光点が前記加工対象物のレーザ光入射面から所定の距離に位置し且つ前記レーザ光の集光点が前記切断予定ラインに沿って相対的に移動するように前記支持台及び前記集光光学系の少なくとも1つを制御する制御部と、を備え、
 前記制御部は、前記レーザ光の光学特性が所定の光学特性となるように前記反射型空間光変調器を制御する機能を有することを特徴とするレーザ加工装置。
 板状の加工対象物を支持する支持台と、レーザ光を出射するレーザ光源と、前記レーザ光源から出射された前記レーザ光を変調する反射型空間光変調器と、前記支持台によって支持された前記加工対象物の内部に、前記反射型空間光変調器によって変調された前記レーザ光を集光する集光光学系と、前記反射型空間光変調器を制御する制御部と、を備え、前記加工対象物の内部に集光点を合わせて前記レーザ光を照射することにより、前記加工対象物の切断予定ラインに沿って、切断の起点となる改質領域を形成するレーザ加工装置の製造方法であって、
 基準レーザ加工装置を用意し、前記基準レーザ加工装置の基準集光光学系から出射された基準レーザ光の波面を計測して基準波面データを取得する工程と、
 前記集光光学系から出射された前記レーザ光の波面を計測して波面データを取得する工程と、
 前記基準波面データ及び前記波面データに基づいて、前記レーザ光の波面が前記基準レーザ光の波面となるように前記反射型空間光変調器を制御するための制御信号を算出し、前記制御信号を前記制御部に記憶させる工程と、を含むことを特徴とするレーザ加工装置の製造方法。
Description:
レーザ加工方法、レーザ加工装 及びその製造方法

 本発明は、板状の加工対象物を切断予定 インに沿って切断するためのレーザ加工方 、レーザ加工装置及びその製造方法に関す 。

 従来のレーザ加工装置として、特許文献1 には、レーザ光源から出射されたレーザ光を レーザ発散点移動手段によって発散し、発散 したレーザ光を集光光学系によって加工対象 物の内部における所定の位置に集光するもの が記載されている。このレーザ加工装置によ れば、加工対象物の内部における所定の位置 で発生するレーザ光の収差を軽減することが できる。

 なお、特許文献2には、空間光変調器によっ てレーザ光を変調することでレーザ光の波面 補償を行う波面補償装置が記載されている。 また、特許文献3には、空間光変調器によっ レーザ光を変調することで加工対象物の内 における複数の位置にレーザ光を集光する ーザ加工装置が記載されている。

国際公開第2005/106564号パンフレット

特開2005-292662号公報

特開2006-68762号公報

 ところで、板状の加工対象物の内部に集 点を合わせてレーザ光を照射することによ 、切断予定ラインに沿って改質領域を形成 る技術においては、加工対象物のレーザ光 射面からの距離等の加工条件によって、切 の起点としての機能が低い(例えば、割れを 発生させ難い)改質領域が形成される場合が る。

 そこで、本発明は、このような事情に鑑 てなされたものであり、切断の起点となる 質領域を確実に形成することができるレー 加工方法、レーザ加工装置及びその製造方 を提供することを目的とする。

 上記目的を達成するために、本発明に係 レーザ加工方法は、板状の加工対象物の内 に集光点を合わせてレーザ光を照射するこ により、加工対象物の切断予定ラインに沿 て、切断の起点となる改質領域を形成する ーザ加工方法であって、改質領域を形成す 際には、加工対象物の内部においてレーザ の波面が所定の波面となるように反射型空 光変調器によってレーザ光を変調すること 特徴とする。

 また、本発明に係るレーザ加工方法は、 状の加工対象物の内部に集光点を合わせて ーザ光を照射することにより、加工対象物 切断予定ラインに沿って、切断の起点とな 改質領域を形成するレーザ加工方法であっ 、改質領域を形成する際には、加工対象物 内部に集光されるレーザ光の収差が所定の 差以下となるように反射型空間光変調器に ってレーザ光を変調することを特徴とする

 これらのレーザ加工方法では、加工対象 の内部においてレーザ光の波面が所定の波 となるように(或いは、加工対象物の内部に 集光されるレーザ光の収差が所定の収差以下 となるように)反射型空間光変調器によって 調されたレーザ光が加工対象物に照射され 。そのため、例えば、レーザ光の集光点を わせる位置で発生するレーザ光の収差を略 ロとして、その位置でのレーザ光のエネル ー密度を高め、切断の起点としての機能が い(例えば、割れを発生させ易い)改質領域を 形成することができる。しかも、反射型空間 光変調器を用いるため、透過型空間光変調器 に比べてレーザ光の利用効率を向上させるこ とができる。このようなレーザ光の利用効率 の向上は、切断の起点となる改質領域を板状 の加工対象物に形成する場合、特に重要であ る。従って、これらのレーザ加工方法によれ ば、切断の起点となる改質領域を確実に形成 することが可能となる。

 本発明に係るレーザ加工方法は、板状の 工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ を照射することにより、加工対象物の切断 定ラインに沿って、加工対象物の厚さ方向 並ぶように、切断の起点となる改質領域を 数列形成するレーザ加工方法であって、複 列の改質領域のうち、加工対象物のレーザ 入射面から最も遠い改質領域を含む1列又は 複数列の改質領域を形成する際には、形成す る改質領域に応じて、加工対象物の内部にレ ーザ光を集光する集光光学系と加工対象物と の距離が所定の距離となるように集光光学系 と加工対象物との距離を変化させると共に、 加工対象物の内部においてレーザ光の波面が 所定の波面となるように反射型空間光変調器 によってレーザ光を変調することを特徴とす る。

 また、本発明に係るレーザ加工方法は、 状の加工対象物の内部に集光点を合わせて ーザ光を照射することにより、加工対象物 切断予定ラインに沿って、加工対象物の厚 方向に並ぶように、切断の起点となる改質 域を複数列形成するレーザ加工方法であっ 、複数列の改質領域のうち、加工対象物の ーザ光入射面から最も遠い改質領域を含む1 列又は複数列の改質領域を形成する際には、 形成する改質領域に応じて、加工対象物の内 部にレーザ光を集光する集光光学系と加工対 象物との距離が所定の距離となるように集光 光学系と加工対象物との距離を変化させると 共に、加工対象物の内部に集光されるレーザ 光の収差が所定の収差以下となるように反射 型空間光変調器によってレーザ光を変調する ことを特徴とする。

 これらのレーザ加工方法では、複数列の 質領域のうち、加工対象物のレーザ光入射 から最も遠い改質領域を含む1列又は複数列 の改質領域を形成する際に、反射型空間光変 調器によって変調されたレーザ光が加工対象 物に照射される。このように、レーザ光入射 面から最も遠い改質領域を形成する際に、反 射型空間光変調器によるレーザ光の変調を必 須とするのは、改質領域を形成する位置がレ ーザ光入射面から遠くなるほど、レーザ光の 集光点を合わせる位置で発生するレーザ光の 収差が大きくなるからである。従って、これ らのレーザ加工方法によれば、1本の切断予 ラインに対して複数列の改質領域を形成す 場合であっても、切断の起点となる改質領 を確実に形成することが可能となる。

 このとき、切断予定ラインが加工対象物 対して複数本設定されている場合には、1本 の切断予定ラインに沿って複数列の改質領域 を形成した後に、他の1本の切断予定ライン 沿って複数列の改質領域を形成すると、次 ような効果が奏される。すなわち、加工対 物のレーザ光入射面にうねりが存在するよ な場合には、レーザ光入射面から所定の距 の位置にレーザ光の集光点を精度良く合わ るために、切断予定ラインに沿ったレーザ 入射面の変位データを取得し、その変位デ タに基づいて集光光学系と加工対象物との 離を微調整する。従って、1本の切断予定ラ ンに沿って複数列の改質領域を形成した後 、他の1本の切断予定ラインに沿って複数列 の改質領域を形成すれば、変位データの切替 回数を減少させることができ、各切断予定ラ インにおいて複数列の改質領域をレーザ光入 射面から所定の距離の位置に精度良く形成す ることが可能となる。

 また、切断予定ラインが加工対象物に対 て複数本設定されている場合には、複数本 切断予定ラインに沿って1列の改質領域を形 成した後に、複数本の切断予定ラインに沿っ て他の1列の改質領域を形成すると、次のよ な効果が奏される。すなわち、1本の切断予 ラインに沿った複数列の改質領域の形成に って加工対象物が割れるような場合には、1 本の切断予定ラインに沿って複数列の改質領 域を形成した後に、他の1本の切断予定ライ に沿って複数列の改質領域を形成すると、 工対象物の割れによって加工対象物の位置 ずれが生じる。そこで、切断予定ラインに って改質領域を精度良く形成するためには 加工対象物の位置を補正する必要がある。 かしながら、複数本の切断予定ラインに沿 て1列の改質領域を形成した後に、複数本の 断予定ラインに沿って他の1列の改質領域を 形成すれば、加工対象物の割れによって加工 対象物の位置がずれるのを防止することがで き、加工対象物の位置の補正回数を減少させ て、複数本の切断予定ラインに沿って複数列 の改質領域を短時間で形成することが可能と なる。

 本発明に係るレーザ加工方法は、板状の 工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ を照射することにより、加工対象物の切断 定ラインに沿って、切断の起点となる改質 域を形成するレーザ加工方法であって、改 領域を形成する際には、加工対象物の内部 集光されるレーザ光の開口数が所定の開口 となるように反射型空間光変調器によって ーザ光を変調することを特徴とする。

 このレーザ加工方法では、加工対象物の 部に集光されるレーザ光の開口数が所定の 口数となるように反射型空間光変調器によ て変調されたレーザ光が加工対象物に照射 れる。そのため、例えば、加工対象物の材 や改質領域を形成すべき位置までの距離等 応じてレーザ光の開口数を変化させて、切 の起点としての機能が高い改質領域を形成 ることができる。

 本発明に係るレーザ加工方法は、板状の 工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ を照射することにより、加工対象物の切断 定ラインに沿って、加工対象物の厚さ方向 並ぶように、切断の起点となる改質領域を 数列形成するレーザ加工方法であって、複 列の改質領域のうち、加工対象物のレーザ 入射面又は加工対象物においてレーザ光入 面と対向する対向表面に最も近い改質領域 除く改質領域を形成する際には、レーザ光 射面又は対向表面に最も近い改質領域を形 する場合に比べ、加工対象物の内部に集光 れるレーザ光の開口数が小さくなるように 射型空間光変調器によってレーザ光を変調 ることを特徴とする。

 このレーザ加工方法では、切断の起点と て特に重要な改質領域として、加工対象物 レーザ光入射面又は加工対象物においてレ ザ光入射面と対向する対向表面に最も近い 質領域を形成する際に、その他の改質領域 形成する場合に比べ、加工対象物の内部に 光されるレーザ光の開口数が大きくなるよ に反射型空間光変調器によって変調された ーザ光が加工対象物に照射される。そのた 、加工対象物のレーザ光入射面又は加工対 物においてレーザ光入射面と対向する対向 面に最も近い改質領域を、切断の起点とし の機能が極めて高い改質領域(例えば、割れ を含む改質領域)とすることができる。

 このとき、切断予定ラインに沿って、加 対象物の厚さ方向に並ぶように、改質領域 少なくとも3列形成する場合において、少な くとも3列の改質領域のうち、レーザ光入射 から最も遠い改質領域及びレーザ光入射面 最も近い改質領域を除く改質領域を形成す 際には、レーザ光入射面から最も遠い改質 域及びレーザ光入射面に最も近い改質領域 形成する場合に比べ、加工対象物の内部に 光されるレーザ光の開口数が小さくなるよ に反射型空間光変調器によってレーザ光を 調することが好ましい。この場合、切断の 点として特に重要な改質領域として、レー 光入射面から最も遠い改質領域及びレーザ 入射面に最も近い改質領域を形成する際に その間の改質領域を形成する場合に比べ、 工対象物の内部に集光されるレーザ光の開 数が大きくなるように反射型空間光変調器 よって変調されたレーザ光が加工対象物に 射される。そのため、レーザ光入射面から も遠い改質領域及びレーザ光入射面に最も い改質領域を、切断の起点としての機能が めて高い改質領域(例えば、割れを含む改質 域)とすることができる。

 本発明に係るレーザ加工方法は、板状の 工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ を照射することにより、加工対象物の切断 定ラインに沿って、切断の起点となる改質 域を形成するレーザ加工方法であって、改 領域を形成する際には、レーザ光の光学特 が所定の光学特性となるように複数の反射 空間光変調器によってレーザ光を変調する とを特徴とする。

 このレーザ加工方法では、レーザ光の光 特性が所定の光学特性となるように複数の 射型空間光変調器によって変調されたレー 光が加工対象物に照射される。このように 数の反射型空間光変調器を用いると、レー 光の光学特性としてビーム径や光軸等を制 することができる。これにより、切断の起 となる改質領域を確実に形成することが可 となる。

 本発明に係るレーザ加工装置は、板状の 工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ を照射することにより、加工対象物の切断 定ラインに沿って、切断の起点となる改質 域を形成するレーザ加工装置であって、加 対象物を支持する支持台と、レーザ光を出 するレーザ光源と、レーザ光源から出射さ たレーザ光を変調する反射型空間光変調器 、支持台によって支持された加工対象物の 部に、反射型空間光変調器によって変調さ たレーザ光を集光する集光光学系と、改質 域を形成する際に、レーザ光の集光点が加 対象物のレーザ光入射面から所定の距離に 置し且つレーザ光の集光点が切断予定ライ に沿って相対的に移動するように支持台及 集光光学系の少なくとも1つを制御すると共 に、加工対象物の内部においてレーザ光の波 面が所定の波面となるように反射型空間光変 調器を制御する制御部と、を備えることを特 徴とする。

 このレーザ加工装置によれば、加工対象 の内部においてレーザ光の波面が所定の波 となるように反射型空間光変調器によって 調されたレーザ光を切断予定ラインに沿っ 加工対象物に照射することができる。これ より、切断の起点となる改質領域を確実に 成することが可能となる。なお、「制御部 支持台及び集光光学系の少なくとも1つを制 御する」とは、制御部が支持台及び集光光学 系の少なくとも1つを直接的に制御する場合 けでなく、制御部が、支持台を含む系及び 光光学系を含む系の少なくとも1つを直接的 制御することで、支持台及び集光光学系の なくとも1つを間接的に制御する場合を含む ものとする。

 このとき、制御部は、加工対象物の厚さ 向に並ぶように切断予定ラインに沿って複 列形成される改質領域毎に、レーザ光の集 点がレーザ光入射面から所定の距離に位置 るように支持台及び集光光学系の少なくと 1つを制御するための制御信号と、加工対象 物の内部においてレーザ光の波面が所定の波 面となるように反射型空間光変調器を制御す るための制御信号とを対応付けて記憶してい ることが好ましい。この場合、形成すべき複 数列の改質領域のそれぞれに応じて、加工対 象物の内部においてレーザ光の波面を所定の 波面とすることができる。

 本発明に係るレーザ加工装置は、板状の 工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ を照射することにより、加工対象物の切断 定ラインに沿って、切断の起点となる改質 域を形成するレーザ加工装置であって、加 対象物を支持する支持台と、レーザ光を出 するレーザ光源と、レーザ光源から出射さ たレーザ光を変調する反射型空間光変調器 、支持台によって支持された加工対象物の 部に、反射型空間光変調器によって変調さ たレーザ光を集光する集光光学系と、改質 域を形成する際に、レーザ光の集光点が加 対象物のレーザ光入射面から所定の距離に 置し且つレーザ光の集光点が切断予定ライ に沿って相対的に移動するように支持台及 集光光学系の少なくとも1つを制御すると共 に、加工対象物の内部に集光されるレーザ光 の収差が所定の収差以下となるように反射型 空間光変調器を制御する制御部と、を備える ことを特徴とする。

 このレーザ加工装置によれば、加工対象 の内部に集光されるレーザ光の収差が所定 収差以下となるように反射型空間光変調器 よって変調されたレーザ光を切断予定ライ に沿って加工対象物に照射することができ 。これにより、切断の起点となる改質領域 確実に形成することが可能となる。

 このとき、制御部は、加工対象物の厚さ 向に並ぶように切断予定ラインに沿って複 列形成される改質領域毎に、レーザ光の集 点がレーザ光入射面から所定の距離に位置 るように支持台及び集光光学系の少なくと 1つを制御するための制御信号と、加工対象 物の内部に集光されるレーザ光の収差が所定 の収差以下となるように反射型空間光変調器 を制御するための制御信号とを対応付けて記 憶していることが好ましい。この場合、形成 すべき複数列の改質領域のそれぞれに応じて 、加工対象物の内部に集光されるレーザ光の 収差を所定の収差以下とすることができる。

 本発明に係るレーザ加工装置は、板状の 工対象物の内部に集光点を合わせてレーザ を照射することにより、加工対象物の切断 定ラインに沿って、切断の起点となる改質 域を形成するレーザ加工装置であって、加 対象物を支持する支持台と、レーザ光を出 するレーザ光源と、レーザ光源から出射さ たレーザ光を変調する複数の反射型空間光 調器と、支持台によって支持された加工対 物の内部に、反射型空間光変調器によって 調されたレーザ光を集光する集光光学系と 改質領域を形成する際に、レーザ光の集光 が加工対象物のレーザ光入射面から所定の 離に位置し且つレーザ光の集光点が切断予 ラインに沿って相対的に移動するように支 台及び集光光学系の少なくとも1つを制御す る制御部と、を備え、制御部は、レーザ光の 光学特性が所定の光学特性となるように反射 型空間光変調器を制御する機能を有すること を特徴とする。

 このレーザ加工装置によれば、複数の反 型空間光変調器を備えているため、レーザ の光学特性としてビーム径や光軸等を制御 ることができる。従って、何らかの原因で ーザ光の光軸にずれが生じた場合であって 、そのずれを容易に補正して、切断の起点 なる改質領域を確実に形成することが可能 なる。

 本発明に係るレーザ加工装置の製造方法 、板状の加工対象物を支持する支持台と、 ーザ光を出射するレーザ光源と、レーザ光 から出射されたレーザ光を変調する反射型 間光変調器と、支持台によって支持された 工対象物の内部に、反射型空間光変調器に って変調されたレーザ光を集光する集光光 系と、反射型空間光変調器を制御する制御 と、を備え、加工対象物の内部に集光点を わせてレーザ光を照射することにより、加 対象物の切断予定ラインに沿って、切断の 点となる改質領域を形成するレーザ加工装 の製造方法であって、基準レーザ加工装置 用意し、基準レーザ加工装置の基準集光光 系から出射された基準レーザ光の波面を計 して基準波面データを取得する工程と、集 光学系から出射されたレーザ光の波面を計 して波面データを取得する工程と、基準波 データ及び波面データに基づいて、レーザ の波面が基準レーザ光の波面となるように 射型空間光変調器を制御するための制御信 を算出し、制御信号を制御部に記憶させる 程と、を含むことを特徴とする。

 このレーザ加工装置の製造方法によれば 切断の起点としての機能が高い改質領域を 成し得るレーザ加工装置を基準レーザ加工 置として用意することで、装置間の個体差 埋めて、基準レーザ加工装置と同等の性能 有するレーザ加工装置を製造することがで る。

 本発明によれば、切断の起点となる改質 域を確実に形成することができる。

改質領域の形成に用いられるレーザ加 装置の概略構成図である。 改質領域の形成の対象となる加工対象 の平面図である。 図2の加工対象物のIII-III線に沿っての 面図である。 レーザ加工後の加工対象物の平面図で る。 図4の加工対象物のV-V線に沿っての断面 図である。 図4の加工対象物のVI-VI線に沿っての断 図である。 レーザ加工後のシリコンウェハの切断 の写真を表した図である。 レーザ光の波長とシリコン基板の内部 透過率との関係を示すグラフである。 レーザ光のピークパワー密度とクラッ スポットの大きさとの関係を示すグラフで る。 本実施形態に係るレーザ加工装置の概 略構成図である。 図10のレーザ加工装置の反射型空間光 調器の分解斜視図である。 本実施形態に係るレーザ加工装置の製 造方法に用いられる基準レーザ加工装置の概 略構成図である。 本実施形態に係るレーザ加工装置の製 造方法に用いられるレーザ加工装置の概略構 成図である。 本実施形態に係るレーザ加工装置の製 造方法に用いられるレーザ加工装置の概略構 成図である。 本実施形態に係るレーザ加工装置の製 造方法に用いられるレーザ加工装置の概略構 成図である。 本実施形態に係るレーザ加工方法の対 象となる加工対象物の平面図である。 本実施形態に係るレーザ加工方法が実 施されている図16の加工対象物の断面図であ 。 本実施形態に係るレーザ加工方法が実 施されている図16の加工対象物の断面図であ 。 本実施形態に係る他のレーザ加工装置 の概略構成図である。 図19のレーザ加工装置の反射型空間光 調器の配置についての説明図である。 本実施形態に係る他のレーザ加工方法 についての説明図である。 本実施形態に係る他のレーザ加工方法 についての説明図である。 本実施形態に係る他のレーザ加工装置 の概略構成図である。 本実施形態に係るレーザ加工装置の製 造方法に用いられる他の基準レーザ加工装置 の概略構成図である。 本実施形態に係るレーザ加工装置の製 造方法に用いられる他のレーザ加工装置の概 略構成図である。 本実施形態に係るレーザ加工装置の製 造方法に用いられる他のレーザ加工装置の概 略構成図である。 本実施形態に係るレーザ加工装置の製 造方法に用いられる他のレーザ加工装置の概 略構成図である。 本実施形態に係る他のレーザ加工装置 の概略構成図である。 本実施形態に係る他のレーザ加工装置 の概略構成図である。

符号の説明

 1…加工対象物、3…表面(レーザ光入射面)、 5…切断予定ライン、7,7 1 ~7 4 …改質領域、200…レーザ加工装置、200s…基 レーザ加工装置、201…支持台、202…レーザ 源、203…反射型空間光変調器、204…集光光 系、204s…基準集光光学系、205…制御部、L… レーザ光、Ls…基準レーザ光、P…集光点。

 以下、本発明の好適な実施形態について 図面を参照して詳細に説明する。なお、各 において同一又は相当部分には同一符号を し、重複する説明を省略する。

 本実施形態に係るレーザ加工方法及びレ ザ加工装置においては、板状の加工対象物 集光点を合わせてレーザ光を照射すること より、切断予定ラインに沿って加工対象物 改質領域を形成する。

 そこで、まず、本実施形態に係るレーザ 工方法及びレーザ加工装置における改質領 の形成について、図1~図9を参照して説明す 。

 図1に示すように、レーザ加工装置100は、 レーザ光(加工用レーザ光)Lをパルス発振する レーザ光源101と、レーザ光Lの光軸の向きを90 °変えるように配置されたダイクロイックミ ー103と、レーザ光Lを集光するための集光用 レンズ105と、を備えている。また、レーザ加 工装置100は、集光用レンズ105で集光されたレ ーザ光Lが照射される加工対象物1を支持する めの支持台107と、支持台107をX、Y、Z軸方向 移動させるためのステージ111と、レーザ光L の出力やパルス幅等を調節するためにレーザ 光源101を制御するレーザ光源制御部102と、ス テージ111の移動を制御するステージ制御部115 と、を備えている。

 このレーザ加工装置100においては、レー 光源101から出射されたレーザ光Lは、ダイク ロイックミラー103によってその光軸の向きを 90°変えられ、支持台107上に載置された加工 象物1の内部に集光レンズ105によって集光さ る。これと共に、ステージ111が移動させら 、加工対象物1がレーザ光Lに対して切断予 ライン5に沿って相対移動させられる。これ より、切断予定ライン5に沿って、切断の起 点となる改質領域が加工対象物1に形成され こととなる。以下、この改質領域について 細に説明する。

 図2に示すように、板状の加工対象物1に 、加工対象物1を切断するための切断予定ラ ン5が設定されている。切断予定ライン5は 直線状に延びた仮想線である。加工対象物1 内部に改質領域を形成する場合、図3に示す ように、加工対象物1の内部に集光点Pを合わ た状態で、レーザ光Lを切断予定ライン5に って(すなわち、図2の矢印A方向に)相対的に 動させる。これにより、図4~図6に示すよう 、改質領域7が切断予定ライン5に沿って加 対象物1の内部に形成され、切断予定ライン5 に沿って形成された改質領域7が切断起点領 8となる。

 なお、集光点Pとは、レーザ光Lが集光す 箇所のことである。また、切断予定ライン5 、直線状に限らず曲線状であってもよいし 仮想線に限らず加工対象物1の表面3に実際 引かれた線であってもよい。また、改質領 7は、連続的に形成される場合もあるし、断 的に形成される場合もある。また、改質領 7は少なくとも加工対象物1の内部に形成さ ていればよい。また、改質領域7を起点に亀 が形成される場合があり、亀裂及び改質領 7は、加工対象物1の外表面(表面、裏面、若 くは外周面)に露出していてもよい。

 ちなみに、ここでは、レーザ光Lが、加工 対象物1を透過すると共に加工対象物1の内部 集光点近傍にて特に吸収され、これにより 加工対象物1に改質領域7が形成される(すな ち、内部吸収型レーザ加工)。よって、加工 対象物1の表面3ではレーザ光Lが殆ど吸収され ないので、加工対象物1の表面3が溶融するこ はない。一般的に、表面3から溶融され除去 されて穴や溝等の除去部が形成される(表面 収型レーザ加工)場合、加工領域は表面3側か ら徐々に裏面側に進行する。

 ところで、本実施形態に係るレーザ加工 法及びレーザ加工装置にて形成される改質 域は、密度、屈折率、機械的強度やその他 物理的特性が周囲とは異なる状態になった 域をいう。例えば、(1)溶融処理領域、(2)ク ック領域、絶縁破壊領域、(3)屈折率変化領 等があり、これらが混在した領域もある。

 本実施形態に係るレーザ加工方法及びレー 加工装置における改質領域は、レーザ光の 所的な吸収や多光子吸収という現象により 成される。多光子吸収とは、材料の吸収の ンドギャップE G よりも光子のエネルギーhνが小さいと光学的 に透明となるため、材料に吸収が生じる条件 はhν>E G であるが、光学的に透明でも、レーザ光Lの 度を非常に大きくするとnhν>E G の条件(n=2,3,4,・・・)で材料に吸収が生じる 象をいう。多光子吸収による溶融処理領域 形成は、例えば、溶接学会全国大会講演概 第66集(2000年4月)の第72頁~第73頁の「ピコ秒パ ルスレーザによるシリコンの加工特性評価」 に記載されている。

 また、D.Du,X.Liu,G.Korn,J.Squier,and G.Mourou,”Laser  Induced Breakdown by Impact Ionization in SiO 2  with Pulse Widths from 7ns to 150fs”,Appl Phys L ett64(23),Jun.6,1994に記載されているようにパル 幅が数ピコ秒からフェムト秒の超短パルス ーザ光を利用することにより形成される改 領域を利用してもよい。
 (1)改質領域が溶融処理領域を含む場合

 加工対象物(例えばシリコンのような半導体 材料)の内部に集光点を合わせて、集光点に ける電界強度が1×10 8 (W/cm 2 )以上で且つパルス幅が1μs以下の条件でレー 光Lを照射する。これにより、集光点近傍に てレーザ光Lが吸収されて加工対象物の内部 局所的に加熱され、この加熱により加工対 物の内部に溶融処理領域が形成される。

 溶融処理領域とは、一旦溶融後再固化し 領域や、まさに溶融状態の領域や、溶融状 から再固化する状態の領域であり、相変化 た領域や結晶構造が変化した領域というこ もできる。また、溶融処理領域とは単結晶 造、非晶質構造、多結晶構造において、あ 構造が別の構造に変化した領域ということ できる。つまり、例えば、単結晶構造から 晶質構造に変化した領域、単結晶構造から 結晶構造に変化した領域、単結晶構造から 晶質構造及び多結晶構造を含む構造に変化 た領域を意味する。加工対象物がシリコン 結晶構造の場合、溶融処理領域は例えば非 質シリコン構造である。

 図7は、レーザ光が照射されたシリコンウ ェハ(半導体基板)の一部における断面の写真 表した図である。図7に示すように、半導体 基板11の内部に溶融処理領域13が形成されて る。

 入射するレーザ光の波長に対して透過性 材料の内部に溶融処理領域13が形成された とを説明する。図8は、レーザ光の波長とシ コン基板の内部の透過率との関係を示す線 である。ただし、シリコン基板の表面側と 面側それぞれの反射成分を除去し、内部の の透過率を示している。シリコン基板の厚 tが50μm、100μm、200μm、500μm、1000μmの各々に ついて上記関係を示した。

 例えば、Nd:YAGレーザの波長である1064nmにお て、シリコン基板の厚さが500μm以下の場合 シリコン基板の内部ではレーザ光Lが80%以上 透過することが分かる。図7に示す半導体基 11の厚さは350μmであるので、溶融処理領域13 半導体基板11の中心付近、つまり表面から17 5μmの部分に形成される。この場合の透過率 、厚さ200μmのシリコンウェハを参考にする 、90%以上なので、レーザ光Lが半導体基板11 内部で吸収されるのは僅かであり、殆どが 過する。しかし、1×10 8 (W/cm 2 )以上で且つパルス幅が1μs以下の条件でレー 光Lをシリコンウェハ内部に集光することで 集光点とその近傍で局所的にレーザ光が吸収 され溶融処理領域13が半導体基板11の内部に 成される。

 なお、シリコンウェハには、溶融処理領域 起点として亀裂が発生する場合がある。ま 、溶融処理領域に亀裂が内包されて形成さ る場合があり、この場合には、その亀裂が 溶融処理領域においての全面に渡って形成 れていたり、一部分のみや複数部分に形成 れていたりすることがある。更に、この亀 は、自然に成長する場合もあるし、シリコ ウェハに力が印加されることにより成長す 場合もある。溶融処理領域から亀裂が自然 成長する場合には、溶融処理領域が溶融し いる状態から成長する場合と、溶融処理領 が溶融している状態から再固化する際に成 する場合とのいずれもある。ただし、どち の場合も溶融処理領域はシリコンウェハの 部に形成され、切断面においては、図7に示 すように、内部に溶融処理領域が形成されて いる。
 (2)改質領域がクラック領域を含む場合

 加工対象物(例えばガラスやLiTaO 3 からなる圧電材料)の内部に集光点を合わせ 、集光点における電界強度が1×10 8 (W/cm 2 )以上で且つパルス幅が1μs以下の条件でレー 光Lを照射する。このパルス幅の大きさは、 加工対象物の内部にレーザ光Lが吸収されて ラック領域が形成される条件である。これ より、加工対象物の内部には光学的損傷と う現象が発生する。この光学的損傷により 工対象物の内部に熱ひずみが誘起され、こ により加工対象物の内部に、1つ又は複数の ラックを含むクラック領域が形成される。 ラック領域は絶縁破壊領域とも言える。

 図9は電界強度とクラックの大きさとの関係 の実験結果を示す線図である。横軸はピーク パワー密度であり、レーザ光Lがパルスレー 光なので電界強度はピークパワー密度で表 れる。縦軸は1パルスのレーザ光Lにより加工 対象物の内部に形成されたクラック部分(ク ックスポット)の大きさを示している。クラ クスポットが集まりクラック領域となる。 ラックスポットの大きさは、クラックスポ トの形状のうち、最大の長さとなる部分の きさである。グラフ中の黒丸で示すデータ 集光用レンズ(C)の倍率が100倍、開口数(NA)が 0.80の場合である。一方、グラフ中の白丸で すデータは集光用レンズ(C)の倍率が50倍、開 口数(NA)が0.55の場合である。ピークパワー密 が10 11 (W/cm 2 )程度から加工対象物の内部にクラックスポ トが発生し、ピークパワー密度が大きくな に従いクラックスポットも大きくなること 分かる。
 (3)改質領域が屈折率変化領域を含む場合

 加工対象物(例えばガラス)の内部に集光点 合わせて、集光点における電界強度が1×10 8 (W/cm 2 )以上で且つパルス幅が1ns以下の条件でレー 光Lを照射する。このように、パルス幅が極 て短い状態で加工対象物の内部にレーザ光L が吸収されると、そのエネルギーが熱エネル ギーに転化せず、加工対象物の内部にはイオ ン価数変化、結晶化又は分極配向等の永続的 な構造変化が誘起され、屈折率変化領域が形 成される。

 なお、改質領域とは、溶融処理領域、絶 破壊領域、屈折率変化領域等やそれらが混 した領域を含めて、その材料において改質 域の密度が非改質領域の密度と比較して変 した領域であったり、格子欠陥が形成され 領域であったりする。これらをまとめて高 転移領域と言うこともできる。

 また、溶融処理領域や屈折率変化領域、 質領域の密度が非改質領域の密度と比較し 変化した領域、格子欠陥が形成された領域 、更にそれら領域の内部や改質領域と非改 領域との界面に亀裂(割れ、マイクロクラッ ク)を内包している場合がある。内包される 裂は改質領域の全面に渡る場合や一部分の や複数部分に形成される場合がある。

 ちなみに、加工対象物の結晶構造やその 開性等を考慮して、改質領域を次のように 成すれば、精度よく加工対象物を切断する とが可能になる。

 すなわち、シリコン等のダイヤモンド構造 単結晶半導体からなる基板の場合は、(111) (第1劈開面)や(110)面(第2劈開面)に沿った方向 に改質領域を形成するのが好ましい。また、 GaAs等の閃亜鉛鉱型構造のIII-V族化合物半導体 からなる基板の場合は、(110)面に沿った方向 改質領域を形成するのが好ましい。更に、 ファイア(Al 2 O 3 )等の六方晶系の結晶構造を有する基板の場 は、(0001)面(C面)を主面として(1120)面(A面)或 は(1100)面(M面)に沿った方向に改質領域を形 するのが好ましい。

 また、上述した改質領域を形成すべき方 (例えば、単結晶シリコン基板における(111) に沿った方向)、或いは改質領域を形成すべ き方向に直交する方向に沿って基板にオリエ ンテーションフラットを形成すれば、そのオ リエンテーションフラットを基準とすること で、改質領域を容易且つ正確に基板に形成す ることが可能になる。

 次に、本実施形態に係るレーザ加工装置 ついて説明する。

 図10に示すように、レーザ加工装置200は 板状の加工対象物1を支持する支持台201と、 ーザ光Lを出射するレーザ光源202と、レーザ 光源202から出射されたレーザ光Lを変調する 射型空間光変調器203と、支持台201によって 持された加工対象物1の内部に、反射型空間 変調器203によって変調されたレーザ光Lを集 光する集光光学系204と、反射型空間光変調器 203を制御する制御部205と、を備えている。レ ーザ加工装置200は、加工対象物1の内部に集 点Pを合わせてレーザ光Lを照射することによ り、加工対象物1の切断予定ライン5に沿って 切断の起点となる改質領域7を形成するもの である。

 反射型空間光変調器203は筐体231内に設置 れており、レーザ光源202は筐体231の天板に 置されている。また、集光光学系204は、複 のレンズを含んで構成されており、圧電素 等を含んで構成された駆動ユニット232を介 て筐体231の底板に設置されている。そして 筐体231に設置された部品によってレーザエ ジン230が構成されている。なお、制御部205 、レーザエンジン230の筐体231内に設置され もよい。

 筐体231には、筐体231を加工対象物1の厚さ 方向に移動させる移動機構が設置されている (図示せず)。これにより、加工対象物1の深さ に応じてレーザエンジン230を上下に移動させ ることができるため、集光光学系204の位置を 変化させて、レーザ光Lを加工対象物1の所望 深さ位置に集光することが可能となる。な 、筐体231に移動機構を設置する代わりに、 持台201に、支持台201を加工対象物1の厚さ方 向に移動させる移動機構を設けてもよい。ま た、後述するAFユニット212を利用して集光光 系204を加工対象物1の厚さ方向に移動させて もよい。そして、これらを組み合わせること も可能である。

 制御部205は、反射型空間光変調器203を制 する他、レーザ加工装置200の全体を制御す 。例えば、制御部205は、改質領域7を形成す る際に、レーザ光Lの集光点Pが加工対象物1の 表面(レーザ光入射面)3から所定の距離に位置 し且つレーザ光Lの集光点Pが切断予定ライン5 に沿って相対的に移動するように集光光学系 204を含むレーザエンジン230を制御する。なお 、制御部205は、加工対象物1に対してレーザ Lの集光点Pを相対的に移動させるために、集 光光学系204を含むレーザエンジン230ではなく 支持台201を制御してもよいし、或いは集光光 学系204を含むレーザエンジン230及び支持台201 の両方を制御してもよい。

 レーザ光源202から出射されたレーザ光Lは 、筐体231内において、ミラー206,207によって 次反射された後、プリズム等の反射部材208 よって反射されて反射型空間光変調器203に 射する。反射型空間光変調器203に入射した ーザ光Lは、反射型空間光変調器203によって 調されて反射型空間光変調器203から出射さ る。反射型空間光変調器203から出射された ーザ光Lは、筐体231内において、集光光学系 204の光軸に沿うように反射部材208によって反 射され、ビームスプリッタ209,210を順次透過 て集光光学系204に入射する。集光光学系204 入射したレーザ光Lは、支持台201上に載置さ た加工対象物1の内部に集光光学系204によっ て集光される。

 また、レーザ加工装置200は、加工対象物1 の表面3を観察するための表面観察ユニット21 1を筐体231内に備えている。表面観察ユニッ 211は、ビームスプリッタ209で反射され且つ ームスプリッタ210を透過する可視光VLを出射 し、集光光学系204によって集光されて加工対 象物1の表面3で反射された可視光VLを検出す ことで、加工対象物1の表面3の像を取得する 。

 更に、レーザ加工装置200は、加工対象物1 の表面3にうねりが存在するような場合にも 表面3から所定の距離の位置にレーザ光Lの集 光点Pを精度良く合わせるためのAF(autofocus)ユ ット212を筐体231内に備えている。AFユニッ 212は、ビームスプリッタ210で反射されるAF用 レーザ光LBを出射し、集光光学系204によって 光されて加工対象物1の表面3で反射されたAF 用レーザ光LBを検出することで、例えば非点 差法を用いて、切断予定ライン5に沿った表 面3の変位データを取得する。そして、AFユニ ット212は、改質領域7を形成する際に、取得 た変位データに基づいて駆動ユニット232を 動させることで、加工対象物1の表面3のうね りに沿うように集光光学系204をその光軸方向 に往復移動させ、集光光学系204と加工対象物 1との距離を微調整する。

 ここで、反射型空間光変調器203について 明する。図11に示すように、反射型空間光 調器203は、シリコン基板213と、シリコン基 213上に設けられた金属電極層214と、金属電 層214上に設けられたミラー層215と、ミラー 215上に設けられた液晶層216と、液晶層216上 設けられた透明電極層217と、透明電極層217 に設けられたガラス板218と、を備えている 金属電極層214及び透明電極層217は、マトリ クス状に配置された複数の電極部214a,217aを しており、金属電極層214の各電極部214aと透 電極層217の各電極部217aとは、反射型空間光 変調器203の積層方向において互いに対向して いる。

 以上のように構成された反射型空間光変 器203では、レーザ光Lは、外部からガラス板 218及び透明電極層217を順次透過して液晶層216 に入射し、ミラー層215によって反射されて、 液晶層216から透明電極層217及びガラス板218を 順次透過して外部に出射される。このとき、 互いに対向する1対の電極部214a,217a毎に電圧 印加され、その電圧に応じて、液晶層216に いて互いに対向する1対の電極部214a,217aに挟 れた部分の屈折率が変化している。これに り、レーザ光Lを構成する複数の光線のそれ ぞれにおいて、各光線の進行方向と直交する 所定の方向の成分の位相にずれが生じ、レー ザ光Lが整形(位相変調)されることになる。

 制御部205は、改質領域7を形成する際に、 加工対象物1の内部に集光されるレーザ光Lの 差が所定の収差以下となるように(換言すれ ば、加工対象物1の内部においてレーザ光Lの 面が所定の波面となるように)、互いに対向 する1対の電極部214a,217a毎に電圧を印加する とで、反射型空間光変調器203を制御する。 御部205は、反射型空間光変調器203に入射し レーザ光Lのビームパターン(ビーム波面)を 形(変調)させるための波面整形(収差補正)パ ーン情報を反射型空間光変調器203に入力す 。そして、入力されたパターン情報に基づ た信号により反射型空間光変調器203の一対 電極214a,217a毎に対応する液晶層216の屈折率 変化させることで、反射型空間光変調器203 ら出射されるレーザ光Lのビームパターン( ーム波面)を整形(変調)する。なお、反射型 間光変調器203に入力するパターン情報は逐 入力するようにしてもよいし、予め記憶さ たパターン情報を選択して入力するように てもよい。

 ところで、厳密に言えば、反射型空間光 調器203で変調(補正)されたレーザ光Lは、空 を伝播することにより波面形状が変化して まう。特に、反射型空間光変調器203から出 されたレーザ光Lや集光光学系204に入射する レーザ光Lが所定の拡がりを有する光(すなわ 、平行光以外の光)である場合には、反射型 空間光変調器203での波面形状と集光光学系204 での波面形状とが一致せず、結果的に、目的 とする精密な内部加工を妨げるおそれがある 。そこで、反射型空間光変調器203での波面形 状と集光光学系204での波面形状とを一致させ ることが重要となる。そのためには、レーザ 光Lが反射型空間光変調器203から集光光学系20 4に伝播したときの波面形状の変化を計測等 より求め、その波面形状の変化を考慮した 面整形(収差補正)パターン情報を反射型空間 光変調器203に入力することがより望ましい。

 或いは、反射型空間光変調器203での波面 状と集光光学系204での波面形状とを一致さ るために、図23に示すように、反射型空間 変調器203と集光光学系204との間を進行する ーザ光Lの光路上に、調整光学系240を設けて よい。これにより、正確に波面整形を実現 ることが可能となる。

 調整光学系240は、少なくとも2つのレンズ (第1の光学素子)241a及びレンズ(第2の光学素子 )241bを有している。レンズ241a,241bは、反射型 間光変調器203での波面形状と集光光学系204 の波面形状とを相似的に一致させるための のである。レンズ241a,241bは、反射型空間光 調器203とレンズ241aとの距離がレンズ241aの 点距離(第1の焦点距離)f1となり、集光光学系 204とレンズ241bとの距離がレンズ241bの焦点距 (第2の焦点距離)f2となり、レンズ241aとレン 241bとの距離がf1+f2となり、且つレンズ241aと レンズ241bとが両側テレセントリック光学系 なるように、反射型空間光変調器203と反射 材208との間に配置されている。

 このように配置することで、1°以下程度 小さな拡がり角を有するレーザ光Lであって も、反射型空間光変調器203での波面と集光光 学系204での波面とを合わせることができる。 なお、より正確さを求める場合には、反射型 空間光変調器203と液晶層216とレンズ241aの主 との距離をf1とすることが望ましい。しかし ながら、図11に示すように、反射型空間光変 器203は非常に薄く、液晶層216とガラス板217 の距離も極めて小さいため、液晶層216とガ ス板217との間での波面形状の変化の程度も めて小さい。従って、簡易的に、反射型空 光変調器203の構成上、焦点距離を設定し易 位置(例えば、反射型空間光変調器203の表面 (表面近傍)等)とレンズ241aとの距離をf1に設定 してもよく、このようにすることで調整が容 易となる。また、より正確さを求める場合に は、集光光学系204の主点とレンズ241bの主点 の距離をf2とすることが望ましい。しかしな がら、集光光学系204は複数のレンズを含んで 構成され、主点での位置合わせが困難となる 場合がある。その場合には、簡易的に、集光 光学系204の構成上、焦点距離を設定し易い位 置(例えば、集光光学系204の表面(表面近傍)等 )とレンズ241bとの距離をf2に設定してもよく このようにすることで調整が容易となる。

 また、レーザ光Lのビーム径は、f1とf2と 比で決まる(集光光学系204に入射するレーザ Lのビーム径は、反射型空間光変調器203から 出射されるレーザ光Lのビーム径のf2/f1倍とな る)。従って、レーザ光Lが平行光、或いは小 な拡がりを有する光のいずれの場合であっ も、反射型空間光変調器203から出射される 度を保ったまま、集光光学系204に入射する ーザ光Lにおいて所望のビーム径を得ること ができる。

 以上のように、調整光学系240によれば、 ーザ光Lのビーム径及び拡がり角を調整する ことも可能となる。切断の起点となる改質領 域7を加工対象物1に形成するレーザ加工方法 おいては、精密な切断を実現するために表 から加工を行うレーザ加工方法と比較して ーザ光Lの拡がり角やビーム径に基づく集光 条件は極めて重要で、切断に適した改質領域 7を精度良く形成するために集光光学系204に 平行光ではなく小さな拡がり角(例えば、数m rad~十数mrad程度)を持ったレーザ光Lが必要と る場合もある。そのため、反射型空間光変 器203を設置している場合と、反射型空間光 調器203を設置していない場合とで、改質領 7を形成するための基本的な加工条件を合わ るために、集光光学系204に入射するレーザ Lのビーム径及び拡がり角を(反射型空間光 調器203を設置していない場合と)合わせる必 がある。

 そこで、調整光学系240を使用することに り、反射型空間光変調器203で変調された波 (収差)を維持したまま、レーザ光Lを集光光 系204で集光することができ、且つ所定のビ ム径及び所定の拡がり角を有するレーザ光L で内部に改質領域を形成することができる。 これにより、所定の拡がり角を有するレーザ 光Lで集光光学系204の有効径を効率良く利用 ることができ、切断に適した精密な改質領 を形成することが可能となる。

 なお、調整光学系240のレンズ241a,241bは、 射型空間光変調器203と反射部材208との間の ーザ光Lの光路上に設けることが好ましい。 その理由は次の通りである。すなわち、平板 状の反射部材208やビームスプリッタ209,210に きな広がりを持った光(レンズ241aとレンズ241 bとの間の光)を入射すると球面収差や非点収 が発生する。従って、レンズ241bを反射部材 208の後段に配置すると、レンズ241aから出射 れて光軸に対して角度を有する光が反射部 208やビームスプリッタ209,210に入射した後に ンズ241bに入射することになるため、球面収 差や非点収差の影響を受け、集光光学系204に 入射するレーザ光Lの精度が低下する。また 調整光学系240は、レンズ241a,241bのそれぞれ 位置を独立して微調整する機構を備えるこ が望ましい。また、反射型空間光変調器203 有効エリアを有効に使用するために、反射 空間光変調器203とレーザ光源202との間のレ ザ光Lの光路上にビームエキスパンダを設け もよい。

 次に、本実施形態に係るレーザ加工装置 製造方法として、上述したレーザ加工装置2 00の製造方法について説明する。

 まず、図12に示すように、上述したレー 加工装置200と略同一の構成を有する基準レ ザ加工装置200sを用意する。基準レーザ加工 置200sは、切断の起点としての機能が高い改 質領域7を形成し得るレーザ加工装置であっ 、例えば、一定の条件下で、格子状に設定 れた複数の切断予定ライン5に沿って改質領 7を形成して加工対象物1を切断した場合に 未切断部分が所定の割合以下となるレーザ 工装置である。

 この基準レーザ加工装置200sに対して、加 工対象物1に替えて参照球面ミラー221をその 軸が基準集光光学系204sの光軸と一致するよ に設置すると共に、AFユニット212に替えて 面計測器222を設置する。そして、基準レー 加工装置200sの基準集光光学系204sから出射さ れた基準レーザ光Lsの波面を波面計測器222に って計測し、基準波面データを取得する。 お、参照球面ミラー221は、波面計測器222の 度を上回る精度で作製されているため、参 球面ミラー221よって基準レーザ光Lsが反射 れることで生じる基準レーザ光Lsの波面の乱 れは無視することができる。

 続いて、図13に示すように、支持台201と レーザ光源202と、反射型空間光変調器203と 集光光学系204と、制御部205と、を備えてい 最終調整前のレーザ加工装置200を用意する

 このレーザ加工装置200に対して、加工対 物1に替えて参照球面ミラー221をその光軸が 集光光学系204の光軸と一致するように設置す ると共に、AFユニット212に替えて波面計測器2 22を設置する。そして、レーザ加工装置200の 光光学系204から出射されたレーザ光Lの波面 を波面計測器222によって計測し、波面データ を取得する。

 続いて、基準波面データ及び波面データ 基づいて、レーザ光Lの波面が基準レーザ光 Lsの波面となるように反射型空間光変調器203 制御するための制御信号を算出し、制御部2 05に記憶させる。具体的には、基準波面デー 及び波面データをゼルニケ多項式として取 し、基準波面データのゼルニケ多項式と波 データのゼルニケ多項式との差をとって、 の差を埋めるような制御信号を算出し、制 部205に記憶させる。例えば、基準波面デー のゼルニケ多項式が「(1×第1項)+(4×第2項)+(4 ×第3項)」であり、波面データのゼルニケ多 式が「(1×第1項)+(2×第2項)+(4×第3項)」である 場合、波面データのゼルニケ多項式の第2項 更に2倍となるような制御信号を算出し、制 部205に記憶させる。

 なお、集光光学系204の出射側に波面計測 222を直接配置してレーザ光Lの波面を計測し ないのは、次の理由による。すなわち、板状 の加工対象物1の内部に集光点Pを合わせてレ ザ光Lを照射することにより、切断の起点と なる改質領域7を形成する場合には、集光光 系204によって加工対象物1の内部に集光され レーザ光Lの開口数が例えば0.55~0.80というよ うに非常に大きくなる。そのため、レーザ光 Lの強度が弱くなってしまったり、レーザ光L 構成する複数の光線間の位相差が波面計測 222の測定限界を超えてしまったりするから ある。このことは、基準レーザ加工装置200s において基準レーザ光Lsの波面を計測する場 にも同様である。

 以上のように、切断の起点としての機能 高い改質領域7を形成し得るレーザ加工装置 を基準レーザ加工装置200sとして用意するこ で、装置間の個体差を埋めて、基準レーザ 工装置200sと同等の性能を有するレーザ加工 置200を製造することができる。

 続いて、図14に示すように、レーザ加工 置200において、ビームスプリッタ210と集光 学系204との間に参照平面ミラー223をレーザ Lの光軸と直交するように設置する。そして 参照平面ミラー223及びビームスプリッタ210 よって順次反射されたレーザ光Lの波面を波 面計測器222によって計測し、波面データをゼ ルニケ多項式として取得する。なお、参照平 面ミラー223は、波面計測器222の精度を上回る 精度で作製されているため、参照平面ミラー 223よってレーザ光Lが反射されることで生じ レーザ光Lの波面の乱れは無視することがで る。

 続いて、図15に示すように、加工対象物1 同一の材料からなる所定の厚さの参照ウェ 224を用意し、レーザ加工装置200において、 光光学系204によって集光されたレーザ光Lの 集光点Pが参照ウェハ224の裏面(レーザ光出射 )に位置するように、参照ウェハ224を設置す る。更に、参照ウェハ224の出射側に参照球面 ミラー221をその光軸が集光光学系204の光軸と 一致するように設置する。そして、集光光学 系204及び参照ウェハ224を順次透過し、参照球 面ミラー221によって反射されて参照ウェハ224 及び集光光学系204を順次透過し、ビームスプ リッタ210によって反射されたレーザ光Lの波 を波面計測器222によって計測し、波面デー をゼルニケ多項式として取得する。なお、 照ウェハ224は、波面計測器222の精度を上回 精度で作製されているため、参照ウェハ224 レーザ光Lが透過することで生じるレーザ光L の波面の乱れは無視することができる。

 続いて、図14の状態で取得した波面デー のゼルニケ多項式と、図15の状態で取得した 波面データのゼルニケ多項式との差をとる。 これにより、ビームスプリッタ210によって反 射されることでレーザ光Lの波面が乱れたと ても、その波面の乱れをキャンセルするこ ができる。そして、ゼルニケ多項式間の差 所定の差以下となるように(すなわち、レー 光Lの集光点Pを加工対象物1の表面3から所定 の距離(参照ウェハ224の所定の厚さと等しい) 位置させた場合に、その位置で発生するレ ザ光Lの収差が所定の収差以下となるように )反射型空間光変調器203を制御するための制 信号を算出する。

 なお、ゼルニケ多項式間の差が所定の差 下であれば、反射型空間光変調器203を制御 るための制御信号は不要となる。また、ゼ ニケ多項式間の差が略ゼロとなるように(す なわち、レーザ光Lの集光点Pを加工対象物1の 表面3から所定の距離(参照ウェハ224の所定の さと等しい)に位置させた場合に、その位置 で発生するレーザ光Lの収差が略ゼロとなる うに)反射型空間光変調器203を制御するため 制御信号を算出してもよい。

 この反射型空間光変調器203を制御するた の制御信号の算出を、例えば参照ウェハ224 所定の厚さを50μmから700μmまで50μmずつ変え て実行する。そして、加工対象物1の内部に 光されるレーザ光Lの収差が所定の収差以下 なるように(換言すれば、加工対象物1の内 においてレーザ光Lの波面が所定の波面とな ように)反射型空間光変調器203を制御するた めの制御信号を、レーザ光Lの集光点Pが加工 象物1の表面3から所定の距離に位置するよ に集光光学系204を含むレーザエンジン230を 御するための制御信号と対応付けて制御部20 5に記憶させる。

 これにより、1本の切断予定ライン5に対 て、加工対象物1の厚さ方向に並ぶように改 領域7を複数列形成する場合に、形成すべき 複数列の改質領域7のそれぞれに応じて、加 対象物1の内部に集光されるレーザ光Lの収差 を所定の収差以下とすることができる(換言 れば、加工対象物1の内部においてレーザ光L の波面を所定の波面とすることができる)。

 ところで、厳密に言えば、反射型空間光 調器203,203sで変調(補正)されたレーザ光Lは 空間を伝播することにより波面形状が変化 てしまう。特に、反射型空間光変調器203,203s から出射されるレーザ光Lや集光光学系204,204s に入射するレーザ光Lが所定の拡がりを有す 光(すなわち、平行光以外の光)である場合に は、反射型空間光変調器203,203sでの波面形状 集光光学系204,204sでの波面形状とが一致せ 、結果的に目的とする精密な内部加工を妨 るおそれがある。そこで、反射型空間光変 器203,203sでの波面形状と集光光学系204,204sで 波面形状とを一致させる必要がある。また 集光光学系204,204sでの波面形状と波面計測 222での波面形状とを一致させることや、反 型空間光変調器203,203sでの波面形状と波面計 測器22での波面形状とを一致させることも重 である。そのためには、レーザ光Lが反射型 空間光変調器203,203sから集光光学系204,204sに 播したときの波面形状の変化を計測等によ て求め、その波面形状の変化を考慮した波 整形(収差整形)パターン情報を反射型空間光 変調器に入力することがより望ましい。

 或いは、反射型空間光変調器203,203sでの 面形状と集光光学系204,204sでの波面形状とを 一致させるために、図24~27に示すように、調 光学系240,250を設けることで、より正確な波 面整形を実現することが可能となる。この図 24~27に示すレーザ加工装置の製造方法は、図1 2~図15に示すレーザ加工装置の製造方法と基 的に同じである。異なる点は調整光学系240,2 50が存在する点である。

 まず、調整光学系240は、少なくとも2つの レンズ241a,241bを有している。レンズ241a,241bは 、反射型空間光変調器203,203sでの波面形状と 光光学系204,204sでの波面形状とを相似的に 致させるためのものである。レンズ241a,241b 、反射型空間光変調器203とレンズ241aとの距 がレンズ241aの焦点距離f1となり、集光光学 204とレンズ241bとの距離がレンズ241bの焦点 離f2となり、レンズ241aとレンズ241bとの距離 f1+f2となり、且つレンズ241aとレンズ241bとが 両側テレセントリック光学系となるように、 反射型空間光変調器203と反射部材208との間に 配置されている。

 このように配置することで、小さな拡が 角を有するレーザ光Lであっても、反射型空 間光変調器203,203sでの波面形状と集光光学系2 04,204sでの波面形状とを合わせることができ 。

 レーザ光Lのビーム径は、f1とf2との比で まる(集光光学系204,204sに入射するレーザ光L ビーム径は、反射型空間光変調器203,203sか 出射されるレーザ光Lのビーム径のf2/f1倍と る)。従って、レーザ光Lが平行光、或いは小 さな拡がりを有する光のいずれの場合であっ ても、反射型空間光変調器203,203sから出射さ る角度を保ったまま、集光光学系204,204sに 射するレーザ光Lにおいて所望のビーム径を ることができる。

 また、調整光学系250は、少なくとも2つの レンズ251a,251bを有している。レンズ251a,251bは 、集光光学系204,204s若しくは参照平面ミラー2 23での波面形状と波面計測器222での波面形状 を相似的に一致させるためのものである。 お、調整光学系250の配置については、調整 学系240と同様の技術的思想に基づく。また 調整光学系240,250は、それぞれが有するレン ズのそれぞれの位置を独立して微調整する機 構を備えることが望ましい。

 次に、本実施形態に係るレーザ加工方法 して、上述したレーザ加工装置200にて実施 れるレーザ加工方法について説明する。

 まず、加工対象物1を用意する。加工対象 物1は、図16に示すように、例えばシリコンか らなる厚さ300μmの半導体基板である。この半 導体基板の表面には、オリエンテーションフ ラット6に平行な方向及び垂直な方向にマト ックス状に配置された複数の機能素子(図示 ず)が形成されるのが一般的である。なお、 機能素子とは、例えば、結晶成長により形成 された半導体動作層、フォトダイオード等の 受光素子、レーザダイオード等の発光素子、 或いは回路として形成された回路素子等であ る。

 続いて、加工対象物1をレーザ加工装置200 の支持台201上に固定する。そして、オリエン テーションフラット6に平行な方向に延在す 複数本の切断予定ライン5a及びオリエンテー ションフラット6に垂直な方向に延在する複 本の切断予定ライン5bを隣り合う機能素子間 を通るように格子状に設定する。ここでは、 レーザ光Lの集光点Pが加工対象物1の表面3か 270μm,210μm,150μm,50μmに位置するようにして、 各切断予定ライン5a,5bに沿って、加工対象物1 の厚さ方向に並ぶように、溶融処理領域を含 む改質領域7を4列形成するものとする。

 初めに、集光光学系204を含むレーザエンジ 230の位置を制御するための制御信号を制御 205が出力し、図17(a)に示すように、レーザ Lの集光点Pが加工対象物1の表面3から270μmに 置するように集光光学系204を含むレーザエ ジン230を制御する。そして、レーザ光Lの集 光点Pが1本の切断予定ライン5aに沿って相対 に移動するように集光光学系204を含むレー エンジン230を制御する。同時に、反射型空 光変調器203を制御するための制御信号を制 部205が出力し、加工対象物1の内部に集光さ るレーザ光Lの収差が所定の収差以下となる ように反射型空間光変調器203を制御する。こ れにより、1本の切断予定ライン5aに沿って、 切断の起点となる改質領域7 1 が形成される。

 なお、反射型空間光変調器203を制御する めの制御信号は、レーザ光Lの集光点Pが加 対象物1の表面3から270μmに位置するように集 光光学系204を含むレーザエンジン230の位置を 制御するための制御信号と対応付けられて制 御部205に記憶されたものである。

 続いて、集光光学系204を含むレーザエンジ 230を制御するための制御信号を制御部205が 力し、図17(b)に示すように、レーザ光Lの集 点Pが加工対象物1の表面3から210μmに位置す ように集光光学系204を含むレーザエンジン2 30を制御する。そして、レーザ光Lの集光点P 同じ1本の切断予定ライン5aに沿って相対的 移動するように集光光学系204を含むレーザ ンジン230を制御する。同時に、反射型空間 変調器203を制御するための制御信号を制御 205が出力し、加工対象物1の内部に集光され レーザ光Lの収差が所定の収差以下となるよ うに反射型空間光変調器203を制御する。これ により、同じ1本の切断予定ライン5aに沿って 、切断の起点となる改質領域7 2 が形成される。

 なお、反射型空間光変調器203を制御するた の制御信号は、レーザ光Lの集光点Pが加工 象物1の表面3から210μmに位置するように集光 光学系204を含むレーザエンジン230の位置を制 御するための制御信号と対応付けられて制御 部205に記憶されたものである。また、レーザ 光Lの集光点Pを切断予定ライン5aに沿って相 的に移動させる方向は、改質領域7 2 の形成速度を向上させるために、改質領域7 1 を形成する場合と反対方向であってもよい。

 続いて、集光光学系204を含むレーザエンジ 230を制御するための制御信号を制御部205が 力し、図18(a)に示すように、レーザ光Lの集 点Pが加工対象物1の表面3から150μmに位置す ように集光光学系204を含むレーザエンジン2 30を制御する。そして、レーザ光Lの集光点P 同じ1本の切断予定ライン5aに沿って相対的 移動するように集光光学系204を含むレーザ ンジン230を制御する。同時に、反射型空間 変調器203を制御するための制御信号を制御 205が出力し、加工対象物1の内部に集光され レーザ光Lの収差が所定の収差以下となるよ うに反射型空間光変調器203を制御する。これ により、同じ1本の切断予定ライン5aに沿って 、切断の起点となる改質領域7 3 が形成される。

 なお、反射型空間光変調器203を制御するた の制御信号は、レーザ光Lの集光点Pが加工 象物1の表面3から150μmに位置するように集光 光学系204を含むレーザエンジン230の位置を制 御するための制御信号と対応付けられて制御 部205に記憶されたものである。また、レーザ 光Lの集光点Pを切断予定ライン5aに沿って相 的に移動させる方向は、改質領域7 3 の形成速度を向上させるために、改質領域7 2 を形成する場合と反対方向であってもよい。

 続いて、集光光学系204を含むレーザエンジ 230を制御するための制御信号を制御部205が 力し、図18(b)に示すように、レーザ光Lの集 点Pが加工対象物1の表面3から50μmに位置す ように集光光学系204を含むレーザエンジン23 0を制御する。そして、レーザ光Lの集光点Pが 同じ1本の切断予定ライン5aに沿って相対的に 移動するように集光光学系204を含むレーザエ ンジン230を制御する。同時に、反射型空間光 変調器203を制御するための制御信号を制御部 205が出力し、加工対象物1の内部に集光され レーザ光Lの収差が所定の収差以下となるよ に反射型空間光変調器203を制御する。これ より、同じ1本の切断予定ライン5aに沿って 切断の起点となる改質領域7 4 が形成される。

 なお、反射型空間光変調器203を制御するた の制御信号は、レーザ光Lの集光点Pが加工 象物1の表面3から50μmに位置するように集光 学系204を含むレーザエンジン230の位置を制 するための制御信号と対応付けられて制御 205に記憶されたものである。また、レーザ Lの集光点Pを切断予定ライン5aに沿って相対 的に移動させる方向は、改質領域7 4 の形成速度を向上させるために、改質領域7 3 を形成する場合と反対方向であってもよい。

 以上のようにして同じ1本の切断予定ライン 5aに沿って4列の改質領域7 1 ~7 4 を形成したら、他の1本の切断予定ライン5aに 沿って4列の改質領域7 1 ~7 4 を形成する。そして、全ての切断予定ライン 5aのそれぞれに沿って4列の改質領域7 1 ~7 4 を形成したら、切断予定ライン5aに沿って改 領域7 1 ~7 4 を形成する場合と同様に、全ての切断予定ラ イン5bのそれぞれに沿って4列の改質領域7 1 ~7 4 を形成する。

 このように、切断予定ライン5が加工対象 物1に対して複数本設定されている場合には 1本の切断予定ライン5に沿って複数列の改質 領域7を形成した後に、他の1本の切断予定ラ ン5に沿って複数列の改質領域7を形成する 、次のような効果が奏される。すなわち、AF ユニット212は、加工対象物1の表面3にうねり 存在するような場合であっても、表面3から 所定の距離の位置にレーザ光Lの集光点Pを精 良く合わせるために、切断予定ライン5に沿 った表面3の変位データを取得し、その変位 ータに基づいて集光光学系204と加工対象物1 の距離を微調整する。従って、1本の切断予 定ライン5に沿って複数列の改質領域7を形成 た後に、他の1本の切断予定ライン5に沿っ 複数列の改質領域7を形成すれば、変位デー の切替回数を減少させることができ、各切 予定ライン5において複数列の改質領域7を 工対象物1の表面3から所定の距離の位置に精 度良く形成することが可能となる。

 以上説明したように、本実施形態に係る ーザ加工方法では、加工対象物1の内部に集 光されるレーザ光Lの収差が所定の収差以下 なるように(或いは、加工対象物1の内部にお いてレーザ光Lの波面が所定の波面となるよ に)反射型空間光変調器203によって変調され レーザ光Lが加工対象物1に照射される。そ ため、レーザ光Lの集光点Pを合わせる位置で 発生するレーザ光Lの収差を極力小さくして その位置でのレーザ光Lのエネルギー密度を め、切断の起点としての機能が高い改質領 7を形成することができる。しかも、反射型 空間光変調器203を用いるため、透過型空間光 変調器に比べてレーザ光Lの利用効率を向上 せることができる。このようなレーザ光Lの 用効率の向上は、切断の起点となる改質領 7を板状の加工対象物1に形成する場合、特 重要である。従って、本実施形態に係るレ ザ加工方法によれば、切断の起点となる改 領域7を確実に形成することが可能となる。 の結果、改質領域7が形成された加工対象物 1に対し、エキスパンドテープ等を介して応 を印加すると、改質領域7が切断の起点とし の機能を充分に発揮するため、加工対象物1 を切断予定ライン5に沿って精度良く切断す ことができ、未切断部分の発生を防止する とが可能となる。

 本発明は、上述した実施形態に限定され ものではない。

 例えば、上記実施形態では、1本の切断予 定ライン5に沿って複数列の改質領域7を形成 た後に、他の1本の切断予定ライン5に沿っ 複数列の改質領域7を形成したが、複数本の 断予定ライン5に沿って1列の改質領域7を形 した後に、複数本の切断予定ライン5に沿っ て他の1列の改質領域7を形成してもよい。

 その場合、次のような効果が奏される。 なわち、1本の切断予定ライン5に沿った複 列の改質領域7の形成によって加工対象物1が 割れるような場合には、1本の切断予定ライ 5に沿って複数列の改質領域7を形成した後に 、他の1本の切断予定ライン5に沿って複数列 改質領域7を形成すると、加工対象物1の割 によって加工対象物1の位置にずれが生じる そこで、切断予定ライン5に沿って改質領域 7を精度良く形成するためには、加工対象物1 位置を補正する必要がある。しかしながら 複数本の切断予定ライン5に沿って1列の改 領域7を形成した後に、複数本の切断予定ラ ン5に沿って他の1列の改質領域7を形成すれ 、加工対象物1の割れによって加工対象物1 位置がずれるのを防止することができ、加 対象物1の位置の補正回数を減少させて、複 本の切断予定ライン5に沿って複数列の改質 領域7を短時間で形成することが可能となる

 また、複数列の改質領域7のうち、加工対 象物1のレーザ光入射面である表面3から最も い改質領域7を含む1列又は複数列の改質領 7を形成する際に、形成する改質領域7に応じ て、加工対象物1の内部にレーザ光Lを集光す 集光光学系204と加工対象物1との距離が所定 の距離となるように集光光学系204と加工対象 物1との距離を変化させると共に、加工対象 1の内部においてレーザ光Lの波面が所定の波 面となるように(或いは、加工対象物1の内部 集光されるレーザ光Lの収差が所定の収差以 下となるように)反射型空間光変調器203によ てレーザ光Lを変調してもよい。

 このように、加工対象物1のレーザ光入射 面である表面3から最も遠い改質領域7を形成 る際に、反射型空間光変調器203によるレー 光Lの変調を必須とするのは、改質領域7を 成する位置がレーザ光入射面から遠くなる ど、レーザ光Lの集光点Pを合わせる位置で発 生するレーザ光Lの収差が大きくなるからで る。つまり、例えば、加工対象物1のレーザ 入射面である表面3に最も近い改質領域7を 成する場合において、反射型空間光変調器20 3によってレーザ光Lを変調しなくても、加工 象物1の内部に集光されるレーザ光Lの収差 所定の収差以下となるときには、反射型空 光変調器203によるレーザ光Lの変調は不要で る。これにより、1本の切断予定ライン5に して複数列の改質領域7を形成する場合であ ても、切断の起点となる改質領域7を確実に 形成することが可能となる。なお、反射型空 間光変調器203によるレーザ光Lの変調を行わ い場合は、反射型空間光変調器203を通常の 射ミラーとして利用するように制御する(す わち、パターン情報を未入力の状態もしく OFF状態で使用する)。

 また、レーザエンジン230を移動させる代 りに、支持台201に、支持台201を加工対象物1 の厚さ方向に移動させる移動機構を設けても よい。また、AFユニット212を利用して集光光 系204を加工対象物1の厚さ方向に移動させて もよい。また、これらを組み合わせることも 可能である。

 また、上述した反射型空間光変調器203や 整光学系240は、図29に示すように、AFユニッ ト212に代えて光路長光路長変移手段300を備え るレーザ加工装置200にも適用可能である。光 路長変移手段300は、高さ位置検出手段(不図 )により検出された加工対象物1の表面3の高 位置に基づいて、複数の偏向ミラー301の設 角度を変化させることで、レンズ303とレン 304との間の光路長を変化させ、集光光学系20 4によって集光されるレーザ光Lの集光点Pの位 置を変化させる。これは、集光光学系204によ って集光されるレーザ光Lの集光点Pの位置ま の距離は、レンズ303からレンズ304までの光 長の関数で表されるためである。なお、高 位置検出手段としては、例えば、所定の入 角度で加工対象物1の表面3にレーザ光Lを入 し、その反射光の高さ位置の変化に基づい 、表面3の高さ位置を検出するものが挙げら れる。

 また、図19に示すように、レーザ加工装 200は、支持台201と、レーザ光源202と、レー 光源202から出射されたレーザ光Lを変調する 数(ここでは、2つ)の反射型空間光変調器203a ,203bと、集光光学系204と、制御部205と、を備 たものであってもよい。制御部205は、レー 光Lの光学特性が所定の光学特性となるよう に反射型空間光変調器203a,203bを制御する機能 を有している。なお、図20に示すように、2つ の反射型空間光変調器203a,203bは、両側テレセ ントリック光学系のレンズ403a,403bの配置と等 価となるように配置されているため、レーザ 光Lの光学特性としてビーム径や光軸等を制 することができる。また、少なくとも1つの 射型空間光変調器203a又は203bによって、加 対象物1の内部においてレーザ光Lの波面が所 定の波面となるように(或いは、加工対象物1 内部に集光されるレーザ光Lの収差が所定の 収差以下となるように)レーザ光Lを変調する ともできる。

 このレーザ加工装置200によれば、複数の 射型空間光変調器203a,203bを備えているため レーザ光Lの光学特性としてビーム径や光軸 等を制御することができる。従って、何らか の原因でレーザ光Lの光軸にずれが生じた場 であっても、そのずれを容易に補正して、 断の起点となる改質領域7を確実に形成する とが可能となる。

 このとき、図28に示すように、調整光学 240を設けてもよい。調整光学系240の配置位 は、反射型空間光変調器203a,203bのどちらで 面を制御するかによって異なる。反射型空 光変調器203aで波面を制御する場合は、反射 空間光変調器203aとレンズ241aとの距離が焦 距離f1となるように配置する。一方、反射型 空間光変調器203bで波面を制御する場合は、 射型空間光変調器203bとレンズ241aとの距離が 焦点距離f1となるように配置する。そして、 ずれの場合も、レンズ241aとレンズ241bとの 離はf1+f2とし、レンズ241bと集光光学系204と 距離はf2とする。

 また、改質領域7を形成する際に、加工対 象物1の内部に集光されるレーザ光Lの開口数 所定の開口数となるように反射型空間光変 器203によってレーザ光Lを変調してもよい。 この場合、例えば、加工対象物1の材質や改 領域7を形成すべき位置までの距離等に応じ レーザ光Lの開口数を変化させて、切断の起 点としての機能が高い改質領域7を形成する とができる。

 また、図21,22に示すように、1本の切断予定 イン5に対して、加工対象物1の厚さ方向に ぶように、切断の起点となる改質領域7を少 くとも3列(ここでは、3列)形成する場合には 、次のように改質領域7 1 ~7 3 を形成してもよい。

 まず、図21(a)に示すように、加工対象物1の 部に集光されるレーザ光Lの開口数が相対的 に大きくなるように反射型空間光変調器203に よって変調されたレーザ光Lを加工対象物1に 射することで、切断予定ライン5に沿って、 加工対象物1のレーザ光入射面である表面3か 最も遠い改質領域7 1 を形成する。

 続いて、図21(b)に示すように、加工対象物1 内部に集光されるレーザ光Lの開口数が相対 的に小さくなるように反射型空間光変調器203 によって変調されたレーザ光Lを加工対象物1 照射することで、切断予定ライン5に沿って 改質領域7 2 を形成する。

 続いて、図22に示すように、加工対象物1の 部に集光されるレーザ光Lの開口数が相対的 に大きくなるように反射型空間光変調器203に よって変調されたレーザ光Lを加工対象物1に 射することで、切断予定ライン5に沿って、 加工対象物1のレーザ光入射面である表面3に も近い改質領域7 3 を形成する。

 以上のように、3列の改質領域7 1 ~7 3 のうち、加工対象物1のレーザ光入射面であ 表面3から最も遠い改質領域7 1 及び表面3に最も近い改質領域7 3 を除く改質領域7 2 を形成する際には、改質領域7 1 ,7 3 を形成する場合に比べ、加工対象物1の内部 集光されるレーザ光Lの開口数が小さくなる うに反射型空間光変調器203によってレーザ Lを変調する。つまり、切断の起点として特 に重要な改質領域7として、加工対象物1のレ ザ光入射面である表面3から最も遠い改質領 域7 1 及び表面3に最も近い改質領域7 3 を形成する際に、その間の改質領域7 2 を形成する場合に比べ、加工対象物1の内部 集光されるレーザ光Lの開口数が大きくなる うに反射型空間光変調器203によって変調さ たレーザ光Lが加工対象物1に照射される。

 これにより、加工対象物1のレーザ光入射面 である表面3から最も遠い改質領域7 1 及び表面3に最も近い改質領域7 3 を、切断の起点としての機能が極めて高い改 質領域7(例えば、割れを含む改質領域7)とす ことができる。また、その間の改質領域7 2 を、加工対象物1の厚さ方向に相対的に長い 質領域7(例えば、溶融処理領域を含む改質領 域7)として、切断予定ライン5に沿ってのレー ザ光Lのスキャン回数を減少させることがで る。

 なお、切断予定ライン5に沿って、加工対 象物1の厚さ方向に並ぶように、改質領域7を 数列(例えば、2列)形成する場合において、 数列の改質領域7のうち、加工対象物1のレ ザ光入射面である表面3又は加工対象物1にお いてレーザ光入射面と対向する対向表面であ る裏面21に最も近い改質領域7を除く改質領域 7を形成する際には、表面3又は裏面21に最も い改質領域7を形成する場合に比べ、加工対 物1の内部に集光されるレーザ光Lの開口数 小さくなるように反射型空間光変調器203に ってレーザ光Lを変調することが好ましい。

 このレーザ加工方法では、切断の起点と て特に重要な改質領域7として、加工対象物 の表面3又は裏面21に最も近い改質領域7を形 する際に、その他の改質領域7を形成する場 に比べ、加工対象物1の内部に集光されるレ ーザ光Lの開口数が大きくなるように反射型 間光変調器203によって変調されたレーザ光L 加工対象物1に照射される。そのため、加工 対象物1の表面3又は裏面21に最も近い改質領 を、切断の起点としての機能が極めて高い 質領域(例えば、割れを含む改質領域)とする ことができる。

 また、集光光学系204を含むレーザエンジ 230や支持台201を移動させずに、反射型空間 変調器203によってレーザ光Lを変調すること で、加工対象物1のレーザ光入射面である表 3から所定の距離の位置にレーザ光Lの集光点 Pを合わせてもよい。具体的には、加工対象 1の表面3から相対的に深い位置に集光させる 場合には、反射型空間光変調器203から出射さ れて集光光学系204に入射するレーザ光Lの拡 り角が相対的に小さくなるように反射型空 光変調器203を制御し、加工対象物1の表面3か ら相対的に浅い位置に集光させる場合には、 反射型空間光変調器203から出射されて集光光 学系204に入射するレーザ光Lの拡がり角が相 的に大きくなるように反射型空間光変調器20 3を制御すればよい。

 また、上記実施形態では、波面データを ルニケ多項式として取得したが、これに限 されない。例えば、波面データをザイデル 5収差やルジャンドル多項式等として取得し てもよい。

 また、上記実施形態では、加工対象物1の 内部に集光されるレーザ光Lの収差が所定の 差以下となるように(或いは、加工対象物1の 内部においてレーザ光Lの波面が所定の波面 なるように)反射型空間光変調器203を制御す ための制御信号を実測に基づいて算出した 、シミュレーション等に基づいて算出して よい。シミュレーション等に基づいて制御 号を算出する場合には、制御信号を制御部2 05に記憶させておいてもよいことは勿論であ が、制御信号を制御部205に記憶させておか に、改質領域7を形成する直前に制御信号を 算出するようにしてもよい。

 また、厚さが20μm程度になると加工対象 1が反り易くなるため、加工対象物1のレーザ 光入射面である表面3から所定の距離の位置 改質領域7を形成するためには、ガラス板等 レーザ光透過部材で、加工対象物1の表面3 支持台201側に押さえることが好ましい。し しながら、この場合、レーザ光透過部材の 響で収差が生じ、レーザ光Lの集光度が劣化 てしまう。そこで、レーザ光透過部材を考 して、加工対象物1の内部に集光されるレー ザ光Lの収差が所定の収差以下となるように 射型空間光変調器203によってレーザ光Lを変 すれば、切断の起点となる改質領域7を確実 に形成することができる。

 また、改質領域7を形成する際におけるレ ーザ光入射面は、加工対象物1の表面3に限定 れず、加工対象物1の裏面21であってもよい

 また、上記実施形態では、半導体材料か なる加工対象物1の内部に、溶融処理領域を 含む改質領域7を形成したが、ガラスや圧電 料等、他の材料からなる加工対象物1の内部 、クラック領域や屈折率変化領域等、他の 質領域7を形成してもよい。

 本発明によれば、切断の起点となる改質 域を確実に形成することができる。