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Patent Searching and Data


Title:
LEAD-FREE, FREE-MACHINING BRASS HAVING EXCELLENT CASTABILITY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/048008
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a brass which contains no lead (Pb), and which is excellent in cutting properties, castability, mechanical properties and others. Specifically disclosed is a brass comprising Cu at a content of 55 to 75 wt% (inclusive), Bi at a content of 0.3 to 4.0 wt% (inclusive), and B and Si at such contents that, when the contents of B and Si are represented by y wt% and x wt%, respectively, then y and x fulfill the relationship represented by the following formulae: 0≤x≤2.0, 0≤y≤0.3 and y>-0.15x+0.015ab [wherein a is a numeral number of 0.2, 0.85 or 1 when the content of Bi falls within the following range: 0.3≤Bi<0.75 wt%, 0.75≤Bi<1.5 wt% or 1.5≤Bi≤4.0 wt%, respectively; and b is a numeral number of 1 when the apparent Zn content is not less than 37 wt% and less than 41 wt%, and a numeral number of 0.75 when the apparent Zn content is 41 to 45 wt% (inclusive)], with the remainder being substantially Zn and unavoidable impurities. The brass has excellent castability, cutting properties, mechanical properties and others.

Inventors:
UCHIDA, Toru (1-1 Nakashima 2-chome, Kokura-kita-ku, Kitakyushu-sh, Fukuoka 01, 8028601, JP)
Application Number:
JP2008/067853
Publication Date:
April 16, 2009
Filing Date:
October 01, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOTO LTD. (1-1 Nakashima 2-chome, Kokura-kita-ku Kitakyushu-sh, Fukuoka 01, 8028601, JP)
TOTO株式会社 (〒01 福岡県北九州市小倉北区中島二丁目1番1号 Fukuoka, 8028601, JP)
International Classes:
C22C9/04; B22C9/06; B22D21/00
Attorney, Agent or Firm:
YOSHITAKE, Kenji et al. (Kyowa Patent & Law Office, Room 323 Fuji Bldg., 2-3, Marunouchi 3-chom, Chiyoda-ku Tokyo 05, 1000005, JP)
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Claims:
 結晶組織がα相とβ相との合計比率85%以上であり、
 Cuを55wt%以上75wt%以下、
 Biを0.3wt%以上4.0wt%以下、
 BおよびSiを、それぞれをywt%およびxwt%としたとき、
 0≦x≦2.0、0≦y≦0.3、およびy>-0.15x+0.015ab
(ここで、aは、Biが0.3≦Bi<0.75wt%、0.75≦Bi<1.5wt%、1.5≦Bi≦4.0wt%の場合、それぞれ0.2、0.85、および1であり、
 bは、見かけ上のZn含有量が、37%以上41%未満であるとき1であり、41%以上45%以下であるとき0.75である)
 の関係を満足する量、そして
 残部が実質的にZnと不可避不純物からなることを特徴とする、黄銅。
 結晶組織がα相とβ相との合計比率85%以上であり、
 Cuを55wt%以上75wt%以下、
 Biを0.3wt%以上4.0wt%以下、
 Niを0.1wt%以上0.3wt%未満、
 BおよびSiを、それぞれをywt%およびxwt%としたとき、
(1)0.05ab≦x≦0.75abのとき、0<y≦0.3、そして
(2)0.75ab<x≦2.0のとき、0≦y≦0.3
(ここで、aは、Biが0.3≦Bi<0.75wt%、0.75≦Bi<1.5wt%、1.5≦Bi≦4.0wt%の場合、それぞれ0.2、0.85、および1であり、
 bは、見かけ上のZn含有量が、37%以上41%未満であるとき1であり、41%以上45%以下であるとき0.75である)
 の関係を満足する量、そして
 残部が実質的にZnと不可避不純物からなることを特徴とする、黄銅。
 結晶組織がα相とβ相との合計比率85%以上であり、
 Cuを55wt%以上75wt%以下、
 Biを0.3wt%以上4.0wt%以下、
 Niを0.3wt%以上1.0wt%未満
 BおよびSiを、それぞれをywt%およびxwt%としたとき、
(1)0.05ab≦x≦0.2abのとき、-0.15x+0.03ab<y≦0.3、
(2)0.2ab<x≦0.75abのとき、0<y≦0.3、
(3)0.75ab<x≦1.75abのとき、0≦y≦0.3、そして
(4)1.75ab<x≦2.0のとき、0.004x-0.007(2-ab)<y≦0.3
(ここで、aは、Biが0.3≦Bi<0.75wt%、0.75≦Bi<1.5wt%、1.5≦Bi≦4.0wt%の場合、それぞれ0.2、0.85、および1であり、
 bは、見かけ上のZn含有量が、37%以上41%未満のとき1であり、41%以上45%以下のとき0.75である)
 の関係を満足する量、そして
 残部が実質的にZnと不可避不純物からなることを特徴とする、黄銅。
 結晶組織がα相とβ相との合計比率85%以上であり、
 Cuを55wt%以上75wt%以下、
 Biを0.3wt%以上4.0wt%以下、
 Niを1.0wt%以上2.0wt%以下、
 BおよびSiを、それぞれをywt%およびxwt%としたとき、
(1)0.05ab≦x≦0.2abのとき、0.02ab<y≦0.3、
(2)0.2ab<x≦0.3abのとき、-0.05x+0.03ab<y≦0.3、
(3)0.3ab<x≦0.5abのとき、0.015ab<y≦0.3、
(4)0.5ab<x≦1.0abのとき、-0.026x+0.028ab<y≦0.3、
(5)1.0ab<x≦1.5abのとき、0.011x-0.009(2-ab)<y≦0.3、そして
(6)1.5ab<x≦2.0のとき、0.0075ab<y≦0.3
(ここで、aは、Biが0.3≦Bi<0.75wt%、0.75≦Bi<1.5wt%、1.5≦Bi≦4.0wt%の場合、それぞれ0.2、0.85、および1であり、
 bは、見かけ上のZn含有量が、37%以上41%未満であるとき1であり、41%以上45%以下であるとき0.75である)
 の関係を満足する量、そして
 残部が実質的にZnと不可避不純物からなることを特徴とする、黄銅。
 結晶組織がα相とβ相との合計比率85%以上であり、
 Cuを55wt%以上75wt%以下、
 Biを0.3wt%以上4.0wt%以下、
 Alを0.1wt%以上0.3wt%未満、
 BおよびSiを、それぞれをywt%およびxwt%としたとき、
0≦y≦0.3、0≦x≦2.0、y>-0.15x+0.015ab
(ここで、aは、Biが0.3≦Bi<0.75wt%、0.75≦Bi<1.5wt%、1.5≦Bi≦4.0wt%の場合、それぞれ0.2、0.85、および1であり、
 bは、見かけ上のZn含有量が、37%以上41%未満であるとき1であり、41%以上45%以下であるとき0.75である)
 の関係を満足する量、そして
 残部が実質的にZnと不可避不純物からなることを特徴とする、黄銅。
 結晶組織がα相とβ相との合計比率85%以上であり、
 Cuを55wt%以上75wt%以下、
 Biを0.3wt%以上4.0wt%以下、
 Alを0.3wt%以上1.0wt%未満、
 BおよびSiを、それぞれをywt%およびxwt%としたとき、
(1)0≦x≦0.1abのとき、-0.15x+0.015ab<y≦0.3、
(2)0.1ab<x≦1.5abのとき、0<y≦0.3、そして
(3)1.5ab<x≦2.0のとき、0.002x-0.003(2-ab)<y≦0.3
(ここで、aは、Biが0.3≦Bi<0.75wt%、0.75≦Bi<1.5wt%、1.5≦Bi≦4.0wt%の場合、それぞれ0.2、0.85、および1であり、
 bは、見かけ上のZn含有量が、37%以上41%未満のとき1であり、41%以上45%以下のとき0.75である)
 の関係を満足する量、そして
 残部が実質的にZnと不可避不純物からなることを特徴とする、黄銅。
 結晶組織がα相とβ相との合計比率85%以上であり、
 Cuを55wt%以上75wt%以下、
 Biを0.3wt%以上4.0wt%以下、
 Alを1.0wt%以上、2.0wt%以下、
 BおよびSiを、それぞれをywt%およびxwt%としたとき、
(1)0.05ab≦x≦0.3abのとき、0.004ab<y≦0.3、
(2)0.3ab<x≦0.5abのとき、-0.01x+0.007ab<y≦0.3、
(3)0.5ab<x≦1.0abのとき、-0.004x+0.004ab<y≦0.3、
(4)1.0ab<x≦1.5abのとき、0.001x-0.001(2-ab)<y≦0.3、そして
(5)1.5ab<x≦2.0のとき、0.0005ab<y≦0.3
(ここで、aは、Biが0.3≦Bi<0.75wt%、0.75≦Bi<1.5wt%、1.5≦Bi≦4.0wt%の場合、それぞれ0.2、0.85、および1であり、
 bは、見かけ上のZn含有量が、37%以上41%未満のとき1であり、41%以上45%以下のとき0.75である)
 の関係を満足する量、そして
 残部が実質的にZnと不可避不純物からなることを特徴とする、黄銅。
 結晶組織がα相とβ相との合計比率85%以上であり、
 Cuを55wt%以上75wt%以下、
 Biを0.3wt%以上4.0wt%以下、
 Snを0.1wt%以上0.3wt%未満、
 BおよびSiを、それぞれをywt%およびxwt%としたとき、
(1)0≦x≦0.125abのとき、-0.16x+0.02ab<y≦0.3、
(2)0.125ab<x≦0.4abのとき、0<y≦0.3、そして
(3)0.4ab<x≦2.0のとき、0≦y≦0.3
(ここで、aは、Biが0.3≦Bi<0.75wt%、0.75≦Bi<1.5wt%、1.5≦Bi≦4.0wt%の場合、それぞれ0.2、0.85、および1であり、
 bは、見かけ上のZn含有量が、37%以上41%未満のとき1であり、41%以上45%以下のとき0.75である)
 の関係を満足する量、そして
 残部が実質的にZnと不可避不純物からなることを特徴とする、黄銅。
 結晶組織がα相とβ相との合計比率85%以上であり、
 Cuを55wt%以上75wt%未満、
 Biを0.3wt%以上4.0wt%以下、
 Snを0.3wt%以上1.5wt%未満、
 BおよびSiを、それぞれをywt%およびxwt%としたとき、
(1)0≦x≦0.25abのとき、-0.08x+0.02ab<y≦0.3、
(2)0.25ab<x≦1.25abのとき、0<y≦0.3、
(3)1.25ab<x≦1.75abのとき、0≦y≦0.3、そして
(4)1.75ab<x≦2.0のとき、0.002x-0.0035(2-ab)<y≦0.3
(ここで、aは、Biが0.3≦Bi<0.75wt%、0.75≦Bi<1.5wt%、1.5≦Bi≦4.0wt%の場合、それぞれ0.2、0.85、および1であり、
 bは、見かけ上のZn含有量が、37%以上41%未満のとき1であり、41%以上45%以下のとき0.75である)
 の関係を満足する量、そして
 残部が実質的にZnと不可避不純物からなることを特徴とする、黄銅。
 結晶組織がα相とβ相との合計比率85%以上であり、
 Cuを55wt%以上75wt%以下、
 Biを0.3wt%以上4.0wt%以下、
 Snを1.5wt%以上3.0wt%以下、
 BおよびSiを、それぞれをywt%およびxwt%としたとき、
(1)0≦x≦0.1abのとき、0.025ab<y≦0.3、
(2)0.1ab<x≦0.3abのとき、-0.105x+0.0355ab<y≦0.3、
(3)0.3ab<x≦0.5abのとき、0.004ab<y≦0.3、
(4)0.5ab<x≦1.0abのとき、0.007x+0.0005ab<y≦0.3、そして
(5)1.0ab<x≦2.0のとき、0.045x-0.0375(2-ab)<y≦0.3
(ここで、aは、Biが0.3≦Bi<0.75wt%、0.75≦Bi<1.5wt%、1.5≦Bi≦4.0wt%の場合、それぞれ0.2、0.85、および1であり、
 bは、見かけ上のZn含有量が、37%以上41%未満のとき1であり、41%以上45%以下のとき0.75である)
 の関係を満足する量、そして
 残部が実質的にZnと不可避不純物からなることを特徴とする、黄銅。
 結晶組織がα相とβ相との合計比率85%以上であり、
 Cuを55wt%以上75wt%以下、
 Biを0.3wt%以上4.0wt%以下、そして
 BおよびSi、さらに
 0.1wt%以上2.0wt%以下のNi、0.1wt%以上2.0wt%以下のAl、および0.1wt%以上3.0wt%以下のSnからなる群から選択される少なくとも二つの成分と、
 残部が実質的にZnと不可避不純物からなる黄銅であって、
 BおよびSiの量が、それぞれをywt%およびxwt%としたとき、前記Ni、Al、およびSnからなる群の少なくとも二つの元素のそれぞれの量に対応した、請求項2~10に規定される少なくとも二つの関係式を同時に満たすものとされてなることを特徴とする、黄銅。
 請求項1~11のいずれか一項に記載の黄銅に対して、Mnを0.3wt%以上4.0wt%以下、およびSiを0.7wt%以上2.0wt%以下の量添加されたことを特徴とする、黄銅。
 請求項1~11のいずれか一項に記載の黄銅に対して、Mnを0.3wt%未満の量添加されたことを特徴とする、黄銅。
 請求項1乃至13のいずれか一項に記載の黄銅からなる、水栓金具。
 金型鋳造により製造された、請求項14に記載の水栓金具。
Description:
鋳造性に優れた無鉛快削性黄銅 関連出願

[規則91に基づく訂正 22.12.2008]
 本出願は、2007年10月10日に出願された日本 許出願2007-264490号出願、2008年1月9日に出願さ れたPCT/JP2008/050145出願、および2008年6月16日に 出願された日本特許出願2008-157024号出願の優 権を主張するものであり、これらの出願の 細書は引用することにより本願の開示の一 とされる。

発明の背景

  技術分野
 本発明は、鉛を含まない、いわゆる鉛フリ の黄銅に関し、さらに詳しくは鉛を含まな ため水栓金具等に好ましく用いられる、切 性、鋳造性、機械特性等に優れた鋳造用黄 に関する。

  背景技術
 水栓金具は一般に黄銅や青銅を材料として 造されており、その切削性を向上させるた に鉛(Pb)が黄銅では2~3wt%、青銅では4~6wt%程度 添加されている。しかしながら、近年、Pbの 体や環境に与える影響が懸念されるように り、各国でPbに関する規制の動きが活発化 ている。例えば、米国カリフォルニア州で 、2010年1月より、給水栓のPb含有量を0.25wt%以 下とする規制が発効した。また、Pbの浸出量 ついても将来的には5ppm程度までの規制がな されるであろうと言われている。米国以外の 国であっても、その規制の動きは顕著であり 、これらPb含有量またはPb浸出量の規制に対 した材料の開発が求められている。

 特開平7-310133号公報には、ビスマス(Bi)は 黄銅においてPbと類似の挙動を示すことか 、Pbに代えてをBi添加した黄銅が提案されて る。また、特開2005-290475号公報には、Biを添 加した系において、その切削性を改善するた めホウ素(B)、ニッケル(Ni)等を添加すること 開示されている。さらに、特開2001-59123号公 には、Biを添加した系において、鉄(Fe)を添 することで結晶を微細化できるとの知見が 示されている。しかしながら、これら従来 術が開示する系は、その鋳造性、とりわけ 造時の割れにおいて改善の余地を残すもの あった。よって、Pbを含まず、かつ鋳造性 切削性、機械特性等に優れた黄銅への希求 依然として存在しているといえる。

 本発明らは、今般、Pbに代えてBiを添加した 黄銅において、BおよびSiを所定の関係量で添 加することで、鋳造割れを有効に防止でき、 かつ切削性、機械特性、耐食性等にも優れる 黄銅が得られるとの知見を得た。また、黄銅 の特性改善に通常添加されるNi、Al、Snなどの 添加元素が鋳造割れに影響しており、その影 響をBとSiを所定の関係量で添加することで鋳 造割れを防止できることの知見を得た。本発 明は係る知見に基づくものである。
 従って、本発明は、Pbを含まず、かつ切削 、鋳造性、機械特性等に優れた黄銅の提供 その目的としている。

 そして、本発明による黄銅は、結晶組織が +β相比率85%以上であり、
 Cuを55wt%以上75wt%以下、
 Biを0.3wt%以上4.0wt%以下、
 BおよびSiを、それぞれをywt%およびxwt%とし とき、
 0≦x≦2.0、0≦y≦0.3、およびy>-0.15x+0.015ab
(ここで、aは、Biが0.3≦Bi<0.75wt%、0.75≦Bi< 1.5wt%、1.5≦Bi≦4.0wt%の場合、それぞれ0.2、0.85 、および1であり、
 bは、見かけ上のZn含有量が、37%以上41%未満 あるとき1であり、41%以上45%以下であるとき 0.75である)
 の関係を満足する量、そして
 残部が実質的にZnと不可避不純物からなる とを特徴とするものである。

鋳造割れ性を評価する、両端拘束型試 法に使用した金型1の形状を示す図である。

発明の具体的説明

  定義
 本発明において、「不可避不純物」とは、 に断らない限り、0.1wt%未満の量の元素を意 する。但し、Sb、P、As、Mg、Se、Te、Fe、Co、Z r、Cr、およびTiについては不可避不純物に包 されるが、その量は本明細書において別途 れぞれ定められる量の添加が許容される。 の不可避不純物の量は、好ましくは0.05wt%未 満である。
  α相・β相
 本発明による黄銅は、α相とβ相との合計比 率が85%以上、好ましくは90%以上とされる。α とβ相を主体とした結晶組織とすることで 良好な鋳造性を有する黄銅が実現できる。 た、本発明にあっては、初晶α相のデンドラ イト晶出は避けることが好ましい。なお、本 発明において、α相とβ相との合計比率は、 晶断面における面積比を基準とするもので り、例えば光学顕微鏡で撮影した結晶組織 真を画像処理して、α相とβ相との合計面積 率として求めることが出来る。

  Bi
 本発明による黄銅は、Biを0.3wt%以上4.0wt%以 の範囲で含む。Biは、黄銅においてPbと類似 挙動を示すことから、Pbに代わりそれと同 の切削性を付与する。本発明において、良 な切削性を得るためにはBiは0.3wt%以上とされ る。他方、Biが過剰であると、Biの凝集が生 る傾向にあり、その凝集した部分が鋳造割 の起点となるおそれがあるから、その上限 4.0wt%とされる。本発明の好ましい態様によ ば、Biの好ましい下限値は0.5wt%以上であり、 切削性を考慮すると、より好ましくは1.0wt%で あり、また好ましい上限値は3.0wt%以下であり 、より好ましくは2.0wt%以下である。

 なお、本発明によれば、Pbを全く含まな とも良好な切削性が実現される。Pbは全く含 まれないことが好ましく、仮に含まれていた としても、それは不可避不純物としての存在 が許容されるに止まる。具体的には、人体や 環境への配慮から0.5wt%以下、好ましくは0.1wt% 以下とされる。

  BおよびSi
 本発明において、Bは結晶(とりわけ初晶β相 )の微細化を促進し、その結果、Biが微細分散 され、鋳造時の割れを有効に防止できる。ま た、Siはβ相中に固溶し、鋳造割れの起点と るBiとβ相との界面の破断を緩和する作用を していると推測される。また、本発明によ 黄銅は、この微細化の結果、機械的特性に いても良好な性能を示す。

 本発明による黄銅は、BおよびSiを含んで る。その量は、BおよびSiを、それぞれをywt% およびxwt%としたとき、0≦y≦0.3および0≦x≦2 .0であり、かつy>-0.15x+0.015abの関係を満足す る量とされる。ここで、係数aおよびbは、上 したBiの添加量および後述する見かけ上のZn 含有量によって、適正とされるBおよびSiの量 が変るので、その補正係数を示すものである 。具体的には、係数aは、Biの量に従い変動し 、Biが0.3≦Bi<0.75wt%、0.75≦Bi<1.5wt%、1.5≦Bi ≦4.0wt%の場合、それぞれ0.2、0.85、および1と る。また、係数bは、見かけ上のZnの量に従 変動し、見かけ上のZn含有量が、37%以上41% 満であるとき1とされ、41%以上45%以下である き0.75とされる。本発明の好ましい態様によ れば、yおよびxは、好ましくは0≦y≦0.03およ 0≦x≦1.8の範囲とされ、より好ましくは0≦y ≦0.01および0≦x≦1.5の範囲とされ、かつy>- 0.15x+0.015abの関係を満足する量とされる。結 を微細化するとの効果のためには上記の下 値のBの添加が必要であるが、過剰なBの添加 は合金の延伸性の悪化を招くおそれがあるこ とから、その上限は0.3wt%以下とされ、好まし くは0.03wt%、より好ましくは0.01wt%以下である

 また、Bは、Fe、Cr等と金属間化合物を形 し、ハードスポットを形成して、鋳造後の 形品の表面加工時に不具合を生じる恐れが る。従って表面に平滑性を求めるような場 には、Bの添加量を小さくするかおよび/また はFe、Cr等の含有量を小さくすることが好ま く、具体的にはBは、0.005wt%以下、より好ま くは0.003wt%以下とされ、Fe、Cr等は、0.1wt%よ 少なくすることが好ましい。

 また、Siは、後記するように、Guilletが提 したZn当量が10であり、見かけ上のZn含有量 増え、結晶組織中にγ相やκ相といった異相 が析出してしまうおそれがある。そこで、本 発明の一つの態様によれば、Siの添加量は2.0w t%以下とされ、好ましくは上限が1.5wt%以下で る。

 本明細書において、見かけ上のZn含有量と 、Guilletが提唱した以下の式により算出され 量を意味する。この式は、Zn以外の添加元 は、Znの添加と同じ傾向を示すという考え方 に基づく。
  見かけ上のZn含有量(%)=[(B+tq)/(A+B+tq)]×100
 式中、A=Cuwt%、B=Znwt%、tは、添加元素のZn当 、qは、添加元素の添加量wt%を意味する。そ て、各元素のZn当量は、Si=10、Al=6、Sn=2、Pb=1 、Fe=0.9、Mn=0.5、Ni=-1.3である。BiのZn当量は未 明確に規定されていないが、本明細書にあ ては、文献等を考慮して0.6として計算する また、それ以外の元素は、添加量が微量で り、Zn当量の値へ及ぼす影響も小さいため 1」とした。

  Cu、Zn、およびその他成分
 本発明による黄銅は、銅(Cu)を55wt%以上75wt% 下含んでなる。Cuが上記範囲を上回ると、初 晶α相のデンドライト晶出によるクラックの 生が懸念される。また、Cuが上記範囲を下 ると、α相の影響は受けがたくなるが、黄銅 として性能の低下が懸念される。本発明の好 ましい態様によれば、Cuの好ましい下限は58wt %であり、好ましい上限は70wt%である。

 なお、見かけ上のZn含有量が37~45%にして 結晶相をα+β相比率85%以上に調整できれば、 Cu分を上記範囲の上限部分でも利用できるた 、Cu分の上限が多くなっている。

 本発明による黄銅は、上述の成分からなる 分の残部は実質的に亜鉛(Zn)からなる。
 本発明による黄銅は、黄銅の特性を改質す ために種々の添加成分を含むことが可能で る。また、本発明にあっては不可避不純物 存在を排除するものではないが、それらは 来るだけ少ないものとされることが好まし 。

 本発明の一つの態様によれば、Niを強度 耐食性の向上のために添加することができ 。Niの添加による強度や耐食性の向上をより 効果的に得るためには、好ましくはNi0.3wt%以 を添加し、他方、過剰なNiは鋳造割れの観 から避けることが好ましく、その上限は好 しくは2.0wt%以下である。

 また、本発明の好ましい形態によれば、Ni 添加量とそれに対応するBおよびSiの量は以 のように場合分けされる。
 BおよびSiを、それぞれをywt%およびxwt%とし とき、
0.1≦Ni<0.3wt%の場合、
(1)0.05ab≦x≦0.75abのとき、0<y≦0.3
(2)0.75ab<x≦2.0のとき、0≦y≦0.3
0.3≦Ni<1.0wt%の場合、
(1)0.05ab≦x≦0.2abのとき、-0.15x+0.03ab<y≦0.3
(2)0.2ab<x≦0.75abのとき、0<y≦0.3
(3)0.75ab<x≦1.75abのとき、0≦y≦0.3
(4)1.75ab<x≦2.0のとき、0.004x-0.007(2-ab)<y≦0. 3
1.0≦Ni≦2.0wt%の場合、
(1)0.05ab≦x≦0.2abのとき、0.02ab<y≦0.3
(2)0.2ab<x≦0.3abのとき、-0.05x+0.03ab<y≦0.3
(3)0.3ab<x≦0.5abのとき、0.015ab<y≦0.3
(4)0.5ab<x≦1.0abのとき、-0.026x+0.028ab<y≦0.3
(5)1.0ab<x≦1.5abのとき、0.011x-0.009(2-ab)<y≦0 .3
(6)1.5ab<x≦2.0のとき、0.0075ab<y≦0.3
(ここで、aは、Biが0.3≦Bi<0.75wt%、0.75≦Bi< 1.5wt%、1.5≦Bi≦4.0wt%の場合、それぞれ0.2、0.85 、および1であり、
 bは、見かけ上のZn含有量が、37%以上41%未満 とき1であり、41%以上45%以下のとき0.75であ )の関係を満足する量とする。

 また、本発明のさらに好ましい形態によれ 、Niの添加量とそれに対応するBおよびSiの は以下のように場合分けされる。
 BおよびSiを、それぞれをywt%およびxwt%とし とき、
0.1≦Ni<0.3wt%の場合、
(1)0.05ab≦x≦0.3abのとき、0.001ab≦y≦0.3
(2)0.3ab<x≦0.5abのとき、-0.00375x+0.002125ab≦y≦ 0.3
(3)0.5ab<x≦0.75abのとき、-0.001x+0.00075ab≦y≦0. 3
(4)0.75ab<x≦2.0のとき、0≦y≦0.3
0.3≦Ni<1.0wt%の場合、
(1)0.05ab≦x≦0.22abのとき、-0.1375x+0.03125ab≦y≦0 .3
(2)0.22ab<x≦0.3abのとき、0.001ab≦y≦0.3
(3)0.3ab<x≦0.5abのとき、-0.00375x+0.002125ab≦y≦ 0.3
(4)0.5ab<x≦0.75abのとき、-0.001x+0.00075ab≦y≦0. 3
(5)0.75ab<x≦1.75abのとき、0≦y≦0.3
(6)1.75ab<x≦2.0のとき、0.006x-0.0105(2-ab)≦y≦0. 3
1.0≦Ni≦2.0wt%の場合、
(1)0.05ab≦x≦0.2abのとき、0.0225ab≦y≦0.3
(2)0.2ab<x≦0.3abのとき、-0.05x+0.0325ab≦y≦0.3
(3)0.3ab<x≦0.5abのとき、0.0175ab≦y≦0.3
(4)0.5ab<x≦1.0abのとき、-0.029x+0.032ab≦y≦0.3
(5)1.0ab<x≦1.5abのとき、0.0165x-0.0135(2-ab)≦y≦ 0.3
(6)1.5ab<x≦2.0のとき、0.01125ab≦y≦0.3
の関係を満たす量となる(上記において、x、y 、a、およびbは、上記と同義である)。

 また、本発明の別の態様によれば、Alを 流れ性や鋳肌性状の向上のために添加する とができる。Al添加による湯流れ性や鋳肌性 状の向上をより効果的に得るためには、好ま しくはAlを0.3wt%以上を添加し、他方、過剰なA lは鋳造割れの観点から避けることが好まし 、その上限は好ましくは2.0wt%以下である。

 また、本発明の好ましい形態によれば、Al 添加量とそれに対応するB、Siの量は以下の うに場合わけされる。
 BおよびSiを、それぞれをywt%およびxwt%とし とき、
0.1≦Al<0.3wt%の場合、
(1)0≦y≦0.3、0≦x≦2.0、y>-0.15x+0.015ab
0.3≦Al<1.0wt%の場合、
(1)0≦x≦0.1abのとき、-0.15x+0.015ab<y≦0.3
(2)0.1ab<x≦1.5abのとき、0<y≦0.3
(3)1.5ab<x≦2.0のとき、0.002x-0.003(2-ab)<y≦0.3
1.0≦Al≦2.0wt%の場合、
(1)0.05ab≦x≦0.3abのとき、0.004ab<y≦0.3
(2)0.3ab<x≦0.5abのとき、-0.01x+0.007ab<y≦0.3
(3)0.5ab<x≦1.0abのとき、-0.004x+0.004ab<y≦0.3
(4)1.0ab<x≦1.5abのとき、0.001x-0.001(2-ab)<y≦0 .3
(5)1.5ab<x≦2.0のとき、0.0005ab<y≦0.3
(ここで、aは、Biが0.3≦Bi<0.75wt%、0.75≦Bi< 1.5wt%、1.5≦Bi≦4.0wt%の場合、それぞれ0.2、0.85 、および1であり、
 bは、見かけ上のZn含有量が、37%以上41%未満 とき1であり、41%以上45%以下のとき0.75であ )の関係を満足する量となる。

 本発明のさらに好ましい態様によれば、Al 添加量とそれに対応するB、Siの量は以下の うに場合わけされる。
 BおよびSiを、それぞれをywt%およびxwt%とし とき、
0.1≦Al<0.3wt%の場合、
(1)0≦y≦0.3、0≦x≦2.0、y≧-0.14x+0.0175ab
0.3≦Al<1.0wt%の場合、
(1)0≦x≦0.1178abのとき、-0.14x+0.0175ab≦y≦0.3
(2)0.1178ab<x≦0.3abのとき、0.001ab≦y≦0.3
(3)0.3ab<x≦0.5abのとき、-0.00375x+0.002125ab≦y≦ 0.3
(4)0.5ab<x≦1.5abのとき、0.00025ab≦y≦0.3
(5)1.5ab<x≦2.0のとき、0.0025x-0.0035(2-ab)≦y≦0. 3
1.0≦Al≦2.0wt%の場合、
(1)0.05ab≦x≦0.3abのとき、0.00575ab≦y≦0.3
(2)0.3ab<x≦0.5abのとき、-0.01375x+0.009875ab≦y≦ 0.3
(3)0.5ab<x≦1.0abのとき、-0.0055x+0.00575ab≦y≦0. 3
(4)1.0ab<x≦1.5abのとき、0.001x-0.00075(2-ab)≦y≦ 0.3
(5)1.5ab<x≦2.0のとき、0.00075ab≦y≦0.3
の関係を満たす量となる(上記において、x、y 、a、およびbは、上記と同義である)。

 さらに、本発明の別の態様によれば、Sn 耐食性の向上のために添加することができ が、Snも本発明による黄銅においては、鋳造 割れを発生させやすくするおそれがある。Sn 加による耐食性の向上をより効果的に得る めには好ましくはSnを0.3wt%以上を添加し、 方、過剰なSnは鋳造割れを生じさせるおそれ があることから、その上限は好ましくは3.0wt% 以下である。

 また、本発明の好ましい形態によれば、Sn 添加量とそれに対応するB、Siの量は以下の うに場合わけされる。
 BおよびSiを、それぞれをywt%およびxwt%とし とき、
0.1≦Sn<0.3wt%の場合、
(1)0≦x≦0.125abのとき、-0.16x+0.02ab<y≦0.3
(2)0.125ab<x≦0.4abのとき、0<y≦0.3
(3)0.4ab<x≦2.0のとき、0≦y≦0.3
0.3≦Sn<1.5wt%の場合、
(1)0≦x≦0.25abのとき、-0.08x+0.02ab<y≦0.3
(2)0.25ab<x≦1.25abのとき、0<y≦0.3
(3)1.25ab<x≦1.75abのとき、0≦y≦0.3
(4)1.75ab<x≦2.0のとき、0.002x-0.0035(2-ab)<y≦0 .3
1.5≦Sn≦3.0wt%の場合、
(1)0≦x≦0.1abのとき、0.025ab<y≦0.3
(2)0.1ab<x≦0.3abのとき、-0.105x+0.0355ab<y≦0.3
(3)0.3ab<x≦0.5abのとき、0.004ab<y≦0.3
(4)0.5ab<x≦1.0abのとき、0.007x+0.0005ab<y≦0.3
(5)1.0ab<x≦2.0のとき、0.045x-0.0375(2-ab)<y≦0. 3
(ここで、aは、Biが0.3≦Bi<0.75wt%、0.75≦Bi< 1.5wt%、1.5≦Bi≦4.0wt%の場合、それぞれ0.2、0.85 、および1であり、
 bは、見かけ上のZn含有量が、37%以上41%未満 とき1であり、41%以上45%以下のとき0.75であ )の関係を満足する量となる。

 また、本発明のさらに好ましい形態によれ 、Snの添加量とそれに対応するB、Siの量は 下のように場合わけされる。
 BおよびSiを、それぞれをywt%およびxwt%とし とき、
0.1≦Sn<0.3wt%の場合、
(1)0≦x≦0.1246abのとき、-0.1925x+0.025ab≦y≦0.3
(2)0.1246ab<x≦0.3abのとき、0.001ab≦y≦0.3
(3)0.3ab<x≦0.4abのとき、-0.01x+0.004ab≦y≦0.3
(4)0.4ab<x≦2.0のとき、0≦y≦0.3
0.3≦Sn<1.5wt%の場合、
(1)0≦x≦0.1abのとき、-0.1375x+0.025ab≦y≦0.3
(2)0.1ab<x≦0.286abのとき、-0.055x+0.01675ab≦y≦0 .3
(3)0.286ab<x≦0.3abのとき、0.001ab≦y≦0.3
(4)0.3ab<x≦0.5abのとき、-0.00375x+0.002125ab≦y≦ 0.3
(5)0.5ab<x≦1.0abのとき、0.00025ab≦y≦0.3
(6)1.0ab<x≦1.25abのとき、-0.001x+0.00125ab≦y≦0. 3
(7)1.25ab<x≦1.75abのとき、0≦y≦0.3
(8)1.75ab<x≦2.0のとき、0.003x-0.00525(2-ab)≦y≦0 .3
1.5≦Sn≦3.0wt%の場合、
(1)0≦x≦0.1abのとき、0.0275ab≦y≦0.3
(2)0.1ab<x≦0.2abのとき、-0.075x+0.035ab≦y≦0.3
(3)0.2ab<x≦0.3abのとき、-0.1425x+0.0485ab≦y≦0.3
(4)0.3ab<x≦0.5abのとき、0.00575ab≦y≦0.3
(5)0.5ab<x≦1.0abのとき、0.011x+0.00025ab≦y≦0.3
(6)1.0ab<x≦1.25のとき、0.075x-0.06375(2-ab)≦y≦0 .3
の関係を満たす量となる(上記において、x、y 、a、およびbは、上記と同義である)。

 なお、Ni、Al、Snが共存する場合には、共存 る元素のそれぞれの添加量によって、上記 ように規定される範囲を全て満たす範囲に 定すれば良い。すなわち、本発明の別の態 によれば、
 結晶組織がα相とβ相との合計比率85%以上で あり、
 Cuを55wt%以上75wt%以下、
 Biを0.3wt%以上4.0wt%以下、そして
 BおよびSi、さらに
 0.1wt%以上2.0wt%以下のNi、0.1wt%以上2.0wt%以下 Al、および0.1wt%以上3.0wt%以下のSnからなる群 ら選択される少なくとも二つの成分と、
 残部が実質的にZnと不可避不純物からなる 銅であって、
 BおよびSiの量が、それぞれをywt%およびxwt% したとき、前記Ni、Al、およびSnからなる群 少なくとも二つの元素のそれぞれの量に対 した、請求項2~10に規定される少なくとも二 の関係式を同時に満たすものとされてなる とを特徴とする黄銅が提供される。

 本発明による黄銅では、強度向上のため Mnを添加すると、MnとSiの金属間化合物が生 してSiが消費されるため、鋳造割れを生じ おそれがある。Mnを利用しない場合には、鋳 造割れ性への影響を抑えるために、その上限 を0.3wt%未満とする。一方、Mnの添加による強 向上を効果的に利用する場合には、Siの添 量を十分に高くすればよい。すなわち、Mnを 0.3wt%以上添加する場合には、上述の規定範囲 かつ0.7<Si≦2.0wt%を満足することで、Mn添加 よる鋳造割れ性への影響を抑えることがで る。なお、Mnの過剰な添加は金属間化合物 量を増やし、切削性を低下させるため、そ 上限は4.0wt%とする。

 本発明による黄銅には、その他の成分、 えば微量の添加で耐食性向上に寄与するSb P、微細化剤として、鋳造割れ性を改善し、 度の向上が期待できるFeなども目的に応じ 添加元素を選択して添加しても良い。これ 成分はその添加量によっては、鋳造性に影 を与えるおそれがあるが、BとSiを調整する とによって、その影響を抑えることが可能 なる。すなわち、鋳造割れを起こした系に いて、上述の範囲において更にB量を増やし り、逆にSi量を更に増やしたり、または、 者を増やしたりすることで、その影響を抑 ることが出来る。本発明の好ましい態様に れば、本発明による黄銅は、Sb、P、As、Mg、S e、Te、Fe、Co、Zr、Cr、およびTiからなる群か 選択される一種以上の元素を、好ましくは0. 01~2wt%含有することが出来る。本発明の別の ましい態様によれば、耐食性の向上のため Sb、P、As、およびMgからなる群から選択され 一以上の元素を含有することが出来、その ましい含有量はSb、P、およびAsが0.2wt%以下 あり、Mgが1wt%以下である。また、本発明の の好ましい態様によれば、切削性の向上の め、SeまたはTeを、好ましくは1wt%以下含有す る。また、本発明の別の好ましい態様によれ ば、強度向上のため、Fe、Co、Zr、Cr、およびT iからなる群から選択される一以上の元素を 有することが出来、その好ましい含有量はFe およびCoについては1wt%以下であり、その他の 元素については0.5wt%以下であることが好まし い。

  用途
 本発明による黄銅は、Pbを含まず、一方で の切削性、鋳造性、機械特性はPbを含む黄銅 と同等またはそれ以上の性能を有することか ら、水栓金具材料に好ましく用いられる。具 体的には、給水金具、排水金具、バルブなど の材料として好ましく用いられる。

  製造方法
 本発明による黄銅を材料とする成型品は、 の良好な鋳造性から、金型鋳造、砂型鋳造 いずれによっても製造可能であるが、金型 造においてその良好な鋳造性の効果をより 受できる。また、本発明による黄銅は、そ 切削性においても良好であるから、鋳造後 切削加工されてもよい。また、本発明によ 黄銅は、連続鋳造後に押し出しで成形され 切削用棒材や鍛造用棒材、さらに抽伸によ 成形される線材とされてもよい。

 本発明を以下の実施例によって更に詳細に 明するが、本発明はこれら実施例に限定さ るものではない。
 評価試験
 以下の実施例における各評価試験の詳細は 下の通りとした。

(1)鋳造割れ性試験
 鋳造割れ性を両端拘束型試験法により評価 た。使用した金型1の形状は図1に示される りであった。図1において、中央部に断熱材2 を設け、中央部の冷却が、両端拘束部3より 遅れるようにし、また拘束端距離(2L)は100mm 断熱材長さ(2l)は70mmとした。
 試験は、拘束部が急冷されて両端が拘束さ 、その状態でさらに中央部で凝固が進むよ にし、発生した凝固収縮応力により、最終 固部となる試験片中央部で割れが生じるか かを調べることにより行った。
 その結果、割れなしの場合を◎、部分的に れを生じたが、破断するまでには至らなか た場合を○、割れが発生し破断した場合を と判定した。

(2)切削性試験
 直径35mm、長さ100mmの鋳塊を金型鋳造で作製 、外径部を旋削加工して切削性を評価した 具体的には、切削性は、黄銅鋳物3種(JIS CAC 203)に対する切削抵抗指数で評価した。切削 件は、周速80~175m/min、送り量0.07~0.14mm/rev.、 り込み量0.25~1mmとし、切削抵抗指数は下記式 で算出した。
 切削抵抗指数(%)=CAC203の切削抵抗/試験材の 削抵抗×100
 その結果、切削抵抗指数が70%以上を◎、50 上70%未満を○、50%未満を×と判定した

(3)機械特性試験
 直径35mm、長さ100mmの鋳塊を金型鋳造で作製 、JIS Z 2201 14A号試験片に機械加工して引 試験を行った。すなわち、0.2%耐力、引張強 、破断伸びを測定し、0.2%耐力が100N/mm2以上 引張強さが245N/mm2以上、破断伸びが20%以上 判定基準とした。3項目全てを満足する場合 ◎、2項目を満足する場合を○、1項目以下 か満足できない場合を×と判定した。
(4)耐食性試験
 金型鋳造で作製した直径35mm、長さ100mmの鋳 を得て、これを試験片として、日本伸銅協 技術標準 JBMA T-303-2007に準じて試験を行っ 。
 最大侵食深さが150μm以下を◎、150μmを超え 300μm以下を○、300μmを超えるものを×と判 した。
(5)結晶相比率の測定
  光学顕微鏡で撮影した結晶組織写真を画 処理し、α相及びβ相の面積比率を求めた。

 例1~515:
 下記の表に記載の組成の黄銅を鋳造した。 なわち、電気Cu、電気Zn、電気Bi、電気Pb、 気Sn、Cu-30%Ni母合金、電気Al、Cu-15%Si母合金、 Cu-2%B母合金、Cu-30%Mn母合金、Cu-10%Cr母合金、Cu -15%P母合金、Cu-10%Fe母合金等を原料として、 周波溶解炉で成分調整しながら溶解し、ま 、両端拘束試験金型に鋳造して鋳造割れ性 評価した。
 引き続き、円筒形金型に鋳造して直径35mm、 長さ100mmの鋳塊を作製し、鋳塊を供試材とし 切削性および機械特性、耐食性の評価、結 相比率の測定を行った。
 その評価結果は以下の表に示される通りで った。

  例1~4
 Cu/Zn=60/40の黄銅にPbを2%添加した黄銅では、 造割れは発生しない。しかし、快削成分のP bの代替としてBiを添加すると鋳造割れが発生 した。BiはPbと同様に切削性を改善するが、 しく鋳造割れが発生しやすい。

  例5~10
 Biを添加した黄銅における鋳造割れは、BとS iの添加で防止することができるが、例5のよ にCuが75wt%を超えると鋳造割れが発生しやす くなる。一方、Cuは55wt%まで低くしても鋳造 れの発生は認められないが、Znが増えること でβ相の比率が増大し、材料の伸びの低下が られた。従って、良好な鋳造割れ性を得る めにはCuを75wt%以下とし、また良好な機械特 性も同時に得るためにはCuを55wt%以上とする

  例11~16
 BとSiの添加量を高くすると鋳造割れを防止 る効果がより高まる。しかし、過剰にBを添 加しすぎると、材料が硬質かつ脆くなる。す なわち、切削抵抗が高くなるとともに材料の 伸びが低下する。切削性や機械特性への影響 を考慮すると、B添加量は0.3wt%以下、好まし は0.03wt%以下、より好ましくは0.01wt%以下とす る。

  例17~100
 Biは添加量が多いほど切削性が向上し、0.3wt %以上の添加で効果が得られた。ただし高価 元素であるため、過剰に添加すると材料コ トが高くなることから、4wt%以下に抑えるこ が好ましい。また、Biは鋳造割れ発生の起 となるため、添加量によって鋳造割れの発 しやすさが変化する。添加量が多くなるほ 鋳造割れが発生する危険性が高くなるため 割れを防止するためにはBとSi添加量を増加 せることが好ましい。
 Bi添加量が1.5wt%未満であると、割れを防止 るために必要なBとSi添加量を減らすことが きるが、Biが1.5≦Bi≦4wt%の場合に必要となる B、Si添加量を基準とすると、Biが0.3≦Bi<0.75 wt%の場合は0.2倍、0.75≦Bi<1.5wt%の場合は、0. 85倍の添加量で鋳造割れを防止することが可 になる。

  例101~147
 例101~107は、見かけのZn当量を37~45%とするこ で良好な鋳造性を得ることができることを している。Zn当量が37%未満になると、初晶α 相のデンドライトが発生し、鋳造割れが発生 しやすくなる。一方、Zn当量が45%を超えると 相の比率が増大し、材料の伸びが低下する

 また、例108~147は、見かけのZn当量によっ も鋳造割れの発生しやすさが変化すること 示す。見かけのZn当量が高い方が鋳造割れ 発生しにくくなり、従って鋳造割れを防止 るために必要となるBとSiの添加量も少なく きる。見かけ上のZn含有量が39%以上41%未満の 場合に必要となるB、Si添加量を基準とすると 、37%以上39%未満の場合は1倍、41以上45%以下の 場合は0.75倍の添加量で鋳造割れを防止する とができる。

  例148~228
 Alの0.1wt%以上0.3wt%未満の添加による鋳造割 への影響は見られなかったが、0.3wt%以上に ると鋳造割れを発生しやくなり、BとSi量を める必要がある。また、BとSi添加量を高く れば、添加するAlの量を増やすことができる が、Alを添加しすぎると材料の伸びが低下す ため、Alは2wt%以下の添加に抑える必要があ 。

  例229~325
 Snは0.1wt%以上の添加で鋳造割れに影響する 能性があり、特にSn1.5wt%以上になると鋳造割 れが発生しやくなるが、BとSi添加量を高める ことでこれを抑制できる。

  例326~424
 Niは0.1wt%以上の添加で鋳造割れに影響する 能性があり、特にNiを添加する場合は、Siを 加することでその影響を排除できる。AlやSn 同様、Niも添加量が増えるにつれて鋳造割れ 発生しやくなり、それに応じてBとSi添加量 高めることが好ましい。

  例425~436
 Mnは鋳造割れに影響するが、0.3wt%未満であ ば、その影響を排除できる。Mnを0.3wt%以上添 加する場合には、Si添加量を0.7wt%以上に高め ことが好ましい。

  例437~454
 これらの例は、不可避的不純物の存在が許 され、BとSiの添加量を高めることで、不可 不純物の許容量が高くなることを示す。Sb 鋳造割れを発生させやすくするが、BまたはS iを高めることで、0.2wt%以下の添加が可能で る。また同様にFeは1wt%以下、Pbは0.5wt%以下、 Pは0.2wt%以下の添加が可能である。例に示し 以上にBとSiの添加量を高めれば、これら元 を更に多く添加することも可能であること 示唆される。

  例455~467
 BとSi添加量を高くすれば、鋳造割れを効果 に防止できるが、過剰に添加すると切削性 機械特性の悪化につながる。例455~467に示す ような組成が、鋳造性、切削性、機械特性を バランスよく保つことができる例である。

  例468~490
 上述のとおり、BはFeやCrなどと化合物を形 しやすく、そのような化合物を形成すると 磨などの表面加工時に外観不良の要因とな ことがある。従って、研磨仕上げを行う装 部品等では、FeやCrの含有量を極力少なくす とともに、Bの添加量も可能な限り少なくす ることが好ましい。Bを少なくすると鋳造割 が発生しやすくなるが、他方でSi添加量を高 めることで鋳造割れを防止することができる 。例468~490に示すような組成が、切削性、機 特性を悪化させることなく、良好な鋳造性 表面加工性を得ることができる例である。

  例491~515
 Snの添加により耐食性を向上させることが きる。Snを1wt%以上添加することで良好な耐 性が得られる。また、例495~498にようにCuを くすることで耐食性の向上させることも可 である。例499、500のようにCuを高くし、かつ Snを添加すれば、大幅に耐食性を向上させる とが可能であり、例501~515に示すような組成 は、切削性、機械特性表面加工性を悪化させ ることなく、良好な鋳造性と耐食性を得るこ とができる例である。
 なお、例5を除いた上記例1~515のα相+β相の 比率は、全て85%以上であった。