小林 賢一 (〒51 東京都豊島区長崎6-34-3 Tokyo, 1710051, JP)
MANABE, Takeshi (3-15-3 Chofugaoka, Chofu-cit, Tokyo 21, 1820021, JP)
株式会社東海産業 (〒21 東京都調布市調布ヶ丘3-15-3 Tokyo, 1820021, JP)
KOBAYASHI, Kenichi (6-34-3, Nagasaki Toshima-k, Tokyo 51, 1710051, JP)
小林 賢一 (〒51 東京都豊島区長崎6-34-3 Tokyo, 1710051, JP)
| 酸化バナジウムを含む混合物を調製した後に溶融及び急冷して得られる導電性バナジン酸塩ガラス又は当該ガラスに対して更にアニーリング処理を施した導電性バナジン酸塩ガラスを、水系液体媒体中に浸漬する工程を含む、低発塵性導電性バナジン酸塩ガラスの製造方法。 |
| 前記工程が、導電性バナジン酸塩ガラスに通電しながら行うものである、請求項1記載の方法。 |
| 前記工程が、30kHz~5MHzの超音波処理下で行うものである、請求項1又は2記載の方法。 |
| 前記工程が、30℃~沸点以下の温度条件下で行うものである、請求項1~3のいずれか一項記載の方法。 |
| 温度25℃、湿度80%の条件下、24時間放置したときの1μm以上の塵が0個の発塵量である、25℃における電気伝導度が10 -13 S・cm以上の低発塵性導電性バナジン酸塩ガラス。 |
| 酸化バナジウムを含む混合物を調製した後に溶融及び急冷して得られる導電性バナジン酸塩ガラス又は当該ガラスに対して更にアニーリング処理を施した導電性バナジン酸塩ガラスを、水系液体媒体中に浸漬する工程を含む、耐黄変性導電性バナジン酸塩ガラスの製造方法。 |
| 前記工程が、導電性バナジン酸塩ガラスに通電しながら行うものである、請求項6記載の方法。 |
| 前記工程が、30kHz~5MHzの超音波処理下で行うものである、請求項6又は7記載の方法。 |
| 前記工程が、30℃~沸点以下の温度条件下で行うものである、請求項6~8のいずれか一項記載の方法。 |
| 温度25℃、湿度80%の条件下、24時間放置したときのL *
a *
b *
表色データがL *
=5~20 a *
=5~20 b *
=10~30とならない、25℃における電気伝導度が10 -13
S・cm以上の耐黄変性導電性バナジン酸塩ガラス。 |
本発明は、電気伝導度が高い導電性バナ ン酸塩ガラスの処理技術に関し、特に電気 導度の低下を抑制しつつ、使用時及び保存 における発塵や、継続的に使用した際の黄 化を低減する技術に関する。
ホッピング伝導性ガラスである導電性バナ ン酸塩ガラスには、電気伝導度が10 -4 ~10 -1 S・cm -1 という、その電気抵抗がニクロム線程度と従 来の導電性ガラスと比較して極めて良好な導 電性を示すものも存在することが知られてい る。そのため、ヒーター、サーミスタ、二次 電池用カソード電極、燃料電池用電極、pHヒ ター用ガラス電極、太陽電池電極、電子顕 鏡等プラズマ発生装置における電極等の電 材料、Ba 2+ イオンの移動を利用した固体電解質等に応用 できるとされている(特許文献1)。
また、導電性バナジン酸塩ガラスは、電気
導度が非常に高く、荷電蓄積に関係する問
が発生しないため、イオンビーム照射によ
加工に適しており、寸法精度が1.0μ未満の
ブミクロンオーダとなるような精密加工に
耐えうる素材である。このため、精密加工
必要とするようなナノテクノロジー分野に
いても、その応用が期待される(特許文献2)
本発明者らは、このような導電性バナジ 酸塩ガラスについて各種用途への適用を検 しているが、当該検討の過程で、導電性バ ジン酸塩ガラスは、製造後、使用環境にお て空気中で数日間放置すると表面上に黄色 粉体が発生したり(発塵)、当該ガラスを例 ば電子材料として使用した場合に当該ガラ が黄変してしまうことを発見した。当該発 は、半導体分野をはじめとする一部分野に いては、当該用途への適用が妨げられる程 致命的な性質である。更に、当該黄変も、 部分野においては商品価値を低下させる事 を招く。
そこで、本発明者らは、導電性バナジン 塩ガラスを実用レベルまで向上させるため 導電性バナジン酸塩ガラスを製造する際に 新たな成分の付加や混合比の変更等を行う とにより製造原料の組成を変更したり、溶 条件やアニーリング等の製造条件を変更す ことを実施することで、発塵や黄変の低減 を目指した。更には、導電性バナジン酸塩 ラスを製造した後に、当該ガラスに対して 用の粉塵低減手法(例えば、階層被膜処理) 施してみた。しかしながら、当業者が想定 るいずれの手法によっても、導電性バナジ 酸塩ガラスの電気伝導度を高いレベルに維 したまま、粉塵を低減できる有効な手法は 在しなかった。そこで、本発明は、導電性 ナジン酸塩ガラスの電気伝導度を高いレベ に維持しつつ、粉塵や黄変を低減させる手 を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、製造後 バナジン酸塩ガラスを所定条件下で水系液 媒体に浸漬させることにより、当該バナジ 酸塩ガラスの電気伝導度を下げることなく 粉塵や黄変を低減させることができること 見出し、本発明を完成させたものである。 こで、導電性バナジン酸塩ガラスを長時間 系液体媒体(例えば水)に浸漬させたとき、 ラス表面と水等との反応により表面上に遊 層を形成する場合があることが知られてい 。そして、導電性バナジン酸塩ガラスに当 遊離層が形成された場合、導電性ガラスの 電率を著しく低下させることに加え、当該 離層が粉塵の更なる原因となることが危惧 れていた。しかしながら、当該常識に反し 実施したところ、当該バナジン酸塩ガラス 電気伝導度を下げることなく、粉塵や黄変 低減させることができたという驚くべき効 を奏することが確認され、本発明を完成し ものである。
すなわち本発明(1)は、酸化バナジウムを む混合物を調製した後に溶融及び急冷して られる導電性バナジン酸塩ガラス又は当該 ラスに対して更にアニーリング処理を施し 導電性バナジン酸塩ガラスを、水系液体媒 中に浸漬する工程を含む、低発塵性導電性 ナジン酸塩ガラスの製造方法である。
本発明(2)は、前記工程が、導電性バナジ 酸塩ガラスに通電しながら行うものである 発明(1)の方法である。
本発明(3)は、前記工程が、30kHz~5MHzの超音 波処理下で行うものである、発明(1)又は(2)の 方法である。
本発明(4)は、前記工程が、30℃~沸点以下 温度条件下で行うものである、発明(1)~(3)の いずれか一の方法である。
本発明(5)は、温度25℃、湿度80%の条件下、24 時間放置したときの1μm以上の塵が0個の発塵 である、25℃における電気伝導度が10 -13 S・cm以上の低発塵性導電性バナジン酸塩ガラ スである。
本発明(6)は、酸化バナジウムを含む混合 を調製した後に溶融及び急冷して得られる 電性バナジン酸塩ガラス又は当該ガラスに して更にアニーリング処理を施した導電性 ナジン酸塩ガラスを、水系液体媒体中に浸 する工程を含む、耐黄変性導電性バナジン 塩ガラスの製造方法である。
本発明(7)は、前記工程が、導電性バナジ 酸塩ガラスに通電しながら行うものである 発明(6)の方法である。
本発明(8)は、前記工程が、30kHz~5MHzの超音 波処理下で行うものである、発明(6)又は(7)の 方法である。
本発明(9)は、前記工程が、30℃~沸点以下 温度条件下で行うものである、発明(6)~(8)の いずれか一の方法である。
本発明(10)は、温度25℃、湿度80%の条件下、2 4時間放置したときのL * a * b * 表色データがL * =5~20 a * =5~20 b * =10~30とならない、25℃における電気伝導度が1 0 -13 S・cm以上の耐黄変性導電性バナジン酸塩ガラ スである。
ここで、本特許請求の範囲及び本明細書に ける各用語の定義を記載する。まず、「水 液体媒体」とは、水、例えば、純水、塩化 トリウム等の他の成分を含有する水(例えば 水道水や海水)、アルコール、例えば、エタ ール、水とアルコールとの混合液、例えば エタノールと水との混合液体、を挙げるこ ができる。「導電性バナジン酸塩ガラス」 、一般的意義の導電性バナジン酸塩ガラス 同義であり、バナジン酸を必須的に含有し 電気伝導度が、25℃において10 -13 S・cm -1 以上(好適には、10 -9 S・cm -1 以上、より好適には、10 -7 S・cm -1 以上)のガラスを意味する。尚、上限値は特 限定されないが、例えば、10S・cm -1 以下である。「低発塵性導電性バナジン酸塩 ガラス」は、JIS B 9920:2002に準じた発塵性測 法(例えばシスメックス製モデル110を使用) 測定を行った場合、用途により異なるが、1 m以上の塵が0個であるガラスを指す(好適に 、0.5μm以上の塵が0個、更に好適には、0.3μm 上の塵が5個以下)。「沸点」とは、常圧下(1 atm)で測定された沸点のことを意味し、共沸 ない混合液体の場合、成分のうち最も低い 分の沸点を指し、更に、共沸する混合液体 場合には、共沸点を意味する。「アニーリ グ処理」とは、ガラス転移温度以上結晶化 度以下のみならず、結晶化温度以上であっ も軟化点温度以下であればよい。
尚、本最良形態に係る低発塵性処理は、導 性バナジン酸塩ガラスの耐黄変性処理とし も使用することができる。当該耐黄変性処 により、通電等の使用により黄変しにくい 黄変性導電性バナジン酸塩ガラスが得られ 。「耐黄変性導電性バナジン酸塩ガラス」 、JIS Z 8701に従った耐黄変性測定法(例えば マイセック製NF-777を使用)で測定を行った場 、L * =5~20 a * =5~20 b * =10~30とならないことを指す。
本発明に係る低発塵性導電性バナジン酸 ガラスは、水系液体媒体中に浸漬する工程 施されたものであり、当該工程により得ら る低発塵性導電性バナジン酸塩ガラスは、 い導電性が維持されていると共に、一定期 空気中又は水中で保存しても、表面には、 とんど粉体が析出せず、更には、黄変しな 。
以下、本発明の最良形態を詳述する。尚 以下の記載はあくまで最良形態に係るもの あるため、当該記載によって本発明の技術 範囲は限定されるものではない。また、以 の最良形態では、水系液体媒体として水を に採り詳述する。
本発明は、通常の手法により製造した導 性バナジン酸塩ガラスを水中に浸漬するこ により、粉体が表面に析出しない低発塵性 電性ガラスを得ることを本質とする。そこ 、まずは、水処理前の導電性バナジン酸塩 ラス(未処理)を構成する各成分について説 し、続いて、当該導電性バナジン酸塩ガラ (未処理)の性質を説明し、その次に、当該導 電性ガラス(未処理)を製造する方法について 明する。
《導電性バナジン酸塩ガラス(未処理)を構成
る各成分》
本最良形態に係る導電性バナジン酸塩ガラ
の組成は、酸化バナジウム、酸化バリウム
酸化鉄を含むことが好適であり、その他、
ン酸、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸
カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化ホ
素、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化
、ヨウ化銀、酸化リチウム、ヨウ化リチウ
、酸化アルミニウム、酸化セシウム、ヨウ
ナトリウム、酸化インジウム、酸化錫、酸
アンチモン、酸化レニウム等を含んでいて
よい。当該導電性バナジン酸塩ガラスとし
は、酸化バナジウムを好適には0.1~98モル%、
より好適には40~98モル%含有し、酸化バリウム
を好適に1~40モル%含有し、酸化鉄を1~20モル%
有するものが特に好ましい。更に、酸化バ
ウム(B)と酸化バナジウム(V)のモル比(B:V)は、
好適には5:90~35:50である。また、酸化鉄(F)と
化バナジウム(V)のモル比(F:V)は、好適には5:9
0~15:50である。但し、どのような組成とする
は、電気・電子材料の種類や用途等により
動するものであるので、前記範囲には何ら
定されない。
《導電性バナジン酸塩ガラス(未処理)の性質
本最良形態に係る導電性バナジン酸塩ガラ
(未処理)の電気伝導度は、25℃において10 -13
S・cm -1
以上で好適であり、10 -9
S・cm -1
以上でより好適であり、10 -7
S・cm -1
以上で更に好適である。ここで、電気伝導度
は、四端子法により測定された体積抵抗率を
意味する。
《導電性バナジン酸塩ガラス(未処理)の製造
法》
本最良形態に係る導電性バナジン酸塩ガラ
(未処理)は、公知の方法により製造するこ
ができる。例えば、特許第3854985号や特開2004
-2181、特開2004-331416、特開2003-277101に開示され
ているように、酸化バナジウム、酸化バリウ
ム、酸化鉄等の混合物を溶融し、急冷するこ
とによって得ることができる。更に、前記ガ
ラス組成物を該組成物のガラス転移温度以上
、結晶化温度以下の温度で熱処理することに
より、特に高い電気伝導度を有する導電性バ
ナジン酸塩ガラスを得ることができる。より
好適な導電性バナジン酸塩ガラス(未処理)の
造方法は、酸化バナジウム、酸化バリウム
び酸化鉄を含む混合物を溶融、急冷してそ
ガラス組成物を得た後、前記ガラス組成物
ガラス転移温度以上、結晶化温度以下のア
ーリング処理の温度に加熱した後、所定時
保持させる方法である。尚、特許第3854985号
、特開2004-2181、特開2004-331416、特開2003-277101
記載内容は、本明細書に取り込まれている
のとし、本明細書で特記しない当該導電性
ナジン酸塩ガラス(未処理)の概念及び製造方
法については、これら文献の内容を参照すべ
きである。
以上で、水処理前の導電性バナジン酸塩 ラス(未処理)を構成する各成分、当該導電 バナジン酸塩ガラス(未処理)の製造方法を説 明した。次に、本発明の特徴であるところの 、当該導電性バナジン酸塩ガラスの発塵を低 減化する方法(低発塵性導電性バナジン酸塩 ラスの製造方法)を説明し、その後、当該低 塵性導電性バナジン酸塩ガラスの性質につ て説明し、続いて、当該低発塵性導電性バ ジン酸塩ガラスの用途を説明する。
《導電性バナジン酸塩ガラスの発塵低減方法
》
当該方法は、導電性バナジン酸塩ガラス(未
処理)を水中に浸漬する工程からなる。尚、
最良形態に係る工程は、前記の導電性バナ
ン酸塩ガラスの製造工程において、ガラス
成物の溶融・急冷後に行ってもよいし、ま
、前記アニーリング処理後に行ってもよい
具体的には、水中に導電性バナジン酸塩 ラスを浸して水温を所定温度に設定し、所 時間粉塵由来成分を水中に溶かす処理を実 する。ここで、当該浸漬の際、当該バナジ 酸塩ガラスに対して所定の大きさの電気を すこと、及び/又は、超音波処理を行うこと が好適である。これらを組み合わせることに より、粉塵由来成分の抽出を効率的かつ短時 間で実行することが出来る。
ここで、水温は30~100℃が好適であり、40~7 0℃でより好適である。また、電気を流す場 には、電源は、交流であっても、直流であ てもよく、1~100mAが好適であり、1~20mAでより 適である。また、水中で電流を流さず工程 行う場合には、好適には1~2000時間、更に好 には1~1500時間の処理を行うのがよい。また 電流を流しながら当該処理を行う場合には 好適には1~300時間、より好適には1~150時間、 処理を行うのがよい。また、超音波処理をし ながら行う場合、超音波の周波数は、30kHz~4MH zで好適であり、30kHz~3MHzでより好適であり、3 0~80kHzで更に好適である。また超音波処理の 間は、1~30時間で好適であり、1~10時間でより 好適であり、1~3時間で更に好適である。
尚、当該処理直後に得られる低発塵性導 性バナジン酸塩ガラスの表面には、黄色の が付着しており、これをふき取り、得られ 導電性バナジン酸塩ガラスを使用する。
超音波処理を行った場合、超音波による ャビテーション効果を得ることが出来る。 該キャビテーション効果は、超音波照射に り、液体が激しく揺さぶられて局所的に圧 が高い部分と低い部分が発生し、これによ 圧力が低い部分で液体中に小さな真空の気 (キャビテーション)が生じ、当該気泡が押 つぶされ破裂することにより衝撃波が生じ 現象である。当該キャビテーション効果を 用して低発塵性処理を行うことにより、当 衝撃波が、試料に対して衝撃を与えるため 発塵由来成分の抽出を効率的に行うことが きる。更に、試料表面に析出した成分がキ ビテーション効果に伴う洗浄効果により層 に張り付くことを防止し、円滑に操作が進 られる。
《低発塵性導電性バナジン酸塩ガラスの性質
》
本最良形態に係る低発塵性導電性バナジン
塩ガラスは、後述の発塵性測定法により得
れる結果が、用途により異なるが、好適に
、1μm以上の塵が0個であり、より好適には0.
5μ以上の塵が0個であり、更に好適には、0.3μ
m以上の塵が5個以下である。加えて、本最良
態に係る低発塵性導電性バナジン酸塩ガラ
の電気伝導度は、25℃において10 -13
S・cm -1
以上で好適であり、10 -9
S・cm -1
以上でより好適であり、10 -7
S・cm -1
以上で更に好適である。
《低発塵性導電性バナジン酸塩ガラスの用途
》
本最良形態に係る低発塵性導電性バナジン
塩ガラスは、ヒーター、サーミスタ、二次
池用カソード電極、燃料電池用電極、pHヒ
ター用ガラス電極、太陽電池電極、電子顕
鏡等プラズマ発生装置における電極等の電
材料、Ba 2+
イオンの移動を利用した固体電解質等に使用
できるほか、半導体分野等の発塵が問題とな
る分野においても使用することができる。
製造例1(導電性バナジン酸塩ガラ
)
その化学組成が15BaO・70V 2
O 5
・15FeOにそれぞれ調整された混合物を作成し
この混合物を白金るつぼ等に移し電気炉中1
000℃で60分間加熱し、溶融した。これを直ち
氷水で急冷する(白金るつぼの外側、底部を
氷水に浸ける)ことにより、導電性バナジン
塩ガラス(電気伝導度:7×10 -3
S・cm -1
)を得た。当該ガラスを400℃で1時間アニーリ
グ処理して、以下の低発塵性処理に付され
導電性バナジン酸塩ガラス(電気伝導度:7×10
-3
S・cm -1
)を製造した。
電気伝導度の測定方法
電気伝導度は、厚さが1ミリメートル以下の
導電性バナジン酸塩ガラス片を四端子法によ
り求めた。ここでは、溶融した金属インジウ
ムを用いて、ガラス表面にリード線を固定さ
せたものを電極とした。電気伝導度(σ)の値
、電流密度(Acm -2
)の値を電場の大きさで割ったものである。
Acm -2
íVcm -1
=A/Vcm -1
=S/cm -1
=S・cm -1
なお、電気伝導度(S・cm -1
)は、比抵抗(ω・cm)の逆数である。
発塵性の測定方法
発塵性は、図4に示した測定装置100を用いて
、測定した。測定装置100は、10cm×10cm×10cmの
間101と、当該空間101内に設置された、細い
からなるY字状の試料ステージ102と、パーテ
クルカウンター接続用孔103とを有する。前
パーティクルカウンター接続用孔103は、パ
ティクルカウンター200(シスメックス製モデ
ル110)の空気吸引口に接続されている。
発塵性の測定方法は、以下の工程(1)~(4)で実
施する。
工程(1):脱脂綿を用いて試料A(3mm×3mm×40mmの直
体形状)を純水で洗浄(10秒)した後、十分に
燥させる。
工程(2):前記工程の後、試料Aを湿度80%及び25
の条件下で、1日間放置する。
工程(3):温度50℃、湿度0%の条件下で、1時間放
置する。
工程(4):空間100内を充分にクリーンな状態(JIS
B 9920:2002におけるクラス1)にして、前記工程
により得られた試料Aをステージ102に置き、
に、パーティクルカウンター接続用孔103と
料Aが1cmの距離となるように設置した後に、
分2.83リットルの速度で空間100内の空気をパ
ーティクルカウンターに吸引し、JIS B 9920:20
02における粒子の個数測定方法に準じて、0.1~
0.2μm、0.2~0.3μm、0.3~0.5μm、0.5μm~1.0μm、1.0μm以
上で分割測定を実施する。
尚、試験回数は基本的には1回であるが、複
数回実施した際に1回でも1μm以上の粒子が確
できなかった場合には、「低発塵性」と認
することとする。
黄変性の測定方法
発塵性の測定方法は、以下の工程(1)~(3)で実
施する。
工程(1):脱脂綿を用いて試料A(3mm×3mm×40mmの直
体形状)を純水で洗浄(10秒)した後、十分に
燥させる。
工程(2):前記工程の後、試料Aを湿度80%及び25
の条件下で、1日間放置する。
工程(3):JIS Z 8701に従ってL *
a *
b *
表色系を測定した。
実施例1
製造例1により得られた導電性バナジン酸塩
ガラスを、蓋付サンプル瓶に用意した水道水
の中に浸して、室温で約二ヶ月間、低発塵性
処理を行った。その結果、黄色い成分が水中
に溶け出し、水全体が黄色に染まった。その
後、サンプル瓶から導電性バナジン酸塩ガラ
スを取り出し、表面をきれいに洗い流し、実
施例1に係る低発塵性導電性バナジン酸塩ガ
スを得た。当該低発塵性導電性バナジン酸
ガラスを再度、水道水に浸したが、その後2
月間以上サンプル瓶の水に黄色い成分は溶
しなかった。尚、当該低発塵性導電性バナ
ン酸塩ガラスの電気伝導度は、処理前の導
性バナジン酸塩ガラスと変化は無かった(電
気伝導度:7×10 -3
S・cm -1
)。また、発塵試験の結果は表1に示す。尚、
該処理前の導電性バナジン酸塩ガラスは、
記発塵性試験の工程(2)の前後で、色の変化
観測された(黄色に変化した)。一方、当該
理後の低発塵性導電性バナジン酸塩ガラス
、前記発塵試験の工程(2)の前後で色の変化
観測されなかった(黄色に変化しなかった)。
実施例2
製造例1により得られた導電性バナジン酸塩
ガラスを、15℃の水中に浸け、100℃まで昇温
、5~10V、1~5mAの電流を流し、3~15時間、低発
性処理を行った後、表面に付着した黄色い
分を拭き取った上できれいに洗い流し、実
例2に係る低発塵性導電性バナジン酸塩ガラ
を得た(電気伝導度:7×10 -3
~1×10 -2
S・cm -1
)。尚、低発塵・耐黄変性導電性バナジン酸
ガラス表面に付着した黄色い成分の分析をXP
Sにて行った結果、表面に付着した成分は、C:
36.7、O:46.7、V:8.0、N:1.4、S:1.8、Fe:1.8、Ba:3.6(atom
%)であった。また、図5は、当該処理前の導電
性バナジン酸塩ガラスの表面の様子{図5(a)}と
、処理後の低発塵性導電性バナジン酸塩ガラ
ス表面の様子{図5(b)}を示した図である。尚、
当該処理前の導電性バナジン酸塩ガラスは、
前記発塵性試験の工程(2)の前後で、色の変化
が観測された(黄色に変化した)。一方、当該
理後の低発塵性導電性バナジン酸塩ガラス
、前記発塵試験の工程(2)の前後で色の変化
観測されなかった(黄色に変化しなかった)
実施例3
発信周波数40kHzの洗浄機(シチズン製超音波
浄機 SW7800)に対して、300ccの水を加え、製
例1により製造した導電性バナジン酸塩ガラ
を入れ、5分間、超音波処理を行った。その
結果、水中内に発塵し黄色に変色し、耐発塵
性導電性バナジン酸塩ガラスが得られた(電
伝導度7×10 -3
S・cm -1
)。また、発塵試験の結果は表1に示す。尚、
該処理前の導電性バナジン酸塩ガラスは、
記発塵性試験の工程(2)の前後で、色の変化
観測された(黄色に変化した)。一方、当該
理後の低発塵性導電性バナジン酸塩ガラス
、前記発塵試験の工程(2)の前後で色の変化
観測されなかった(黄色に変化しなかった)。
実施例4
発信周波数72KHzの洗浄機(Alex社 ATSL3022)に対
て、1,000ccの水を加え、製造例1により製造
た導電性バナジン酸塩ガラスを入れ、5分間
超音波処理を行った。その結果、水中内に
塵し黄色に変色し、耐発塵性導電性バナジ
酸塩ガラスが得られた(電気伝導度:7×10 -3
S・cm -1
)。また、発塵試験の結果は表1に示す。尚、
該処理前の導電性バナジン酸塩ガラスは、
記発塵性試験の工程(2)の前後で、色の変化
観測された(黄色に変化した)。一方、当該
理後の低発塵性導電性バナジン酸塩ガラス
、前記発塵試験の工程(2)の前後で色の変化
観測されなかった(黄色に変化しなかった)。
Next Patent: POLISHING COMPOSITION
