TOYODA IZUMI
HASEGAWA KENJI
HIGASHIKAWA MASAHIRO
TOYODA IZUMI
HASEGAWA KENJI
WO2000019479A1 | 2000-04-06 |
基板と、 前記基板上に設けられた発光層と、 前記基板と前記発光層との間に設けられた反射層と、を備え、 前記反射層が、板状の無機酸化物粒子で形成されている、発光デバイス。 |
前記無機酸化物粒子は、当該無機酸化物粒子の最も面積の大きい面が前記基板の主面と略平行となる向きに配向した状態で、前記基板上に積層されている、請求項1に記載の発光デバイス。 |
前記無機酸化物粒子の最も面積の大きい面が扁平な面である、請求項2に記載の発光デバイス。 |
前記無機酸化物粒子の最も面積の大きい面における長径寸法を、前記無機酸化物粒子の厚み寸法で除したアスペクト比が、10よりも大きく100以下である、請求項1に記載の発光デバイス。 |
前記無機酸化物粒子の最も面積の大きい面における長径寸法が、0.1μm~10μmである、請求項1に記載の発光デバイス。 |
前記反射層の膜厚は、1μm以上100μm以下である、請求項1に記載の発光デバイス。 |
前記無機酸化物粒子は、Al 2 O 3 、TiO 2 、BaTiO 3 、ZrO 2 、MgO、ZnOおよびBaSO 4 からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項1に記載の発光デバイス。 |
主面に複数の凹部を有する基板と、 前記凹部の内側に設けられた蛍光体層と、 前記凹部内面と前記蛍光体層との間に設けられた反射層と、を備え、 前記反射層が、板状の無機酸化物粒子で形成されている、プラズマディスプレイパネル。 |
前記反射層において、 前記無機酸化物粒子は、当該無機酸化物粒子の最も面積の大きい面が前記凹部の内壁面と略平行となる向きに配向した状態で、前記反射層の厚さ方向に積層されている、請求項8に記載のプラズマディスプレイパネル。 |
前記無機酸化物粒子の最も面積の大きい面が扁平な面である、請求項9に記載のプラズマディスプレイパネル。 |
前記無機酸化物粒子の最も面積の大きい面における長径寸法を、前記無機酸化物粒子の厚み寸法で除したアスペクト比が、10よりも大きく100以下である、請求項8に記載のプラズマディスプレイパネル。 |
前記無機酸化物粒子の最も面積の大きい面における長径寸法が、0.1μm~10μmである、請求項8に記載のプラズマディスプレイパネル。 |
前記反射層の膜厚は、1μm以上50μm以下である、請求項8に記載のプラズマディスプレイパネル。 |
前記無機酸化物粒子は、アルミナ(酸化アルミニウム)、チタニア(酸化チタン)、チタン酸バリウム、ジルコニア(酸化ジルコニウム)、マグネシア(酸化マグネシウム)、酸化亜鉛および硫酸バリウムからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項8に記載のプラズマディスプレイパネル。 |
請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルを備えたプラズマディスプレイ装置。 |
本発明は、発光デバイス、プラズマディ プレイパネルおよびプラズマディスプレイ 置に関する。
プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと もいう。)を用いたプラズマディスプレイ装 は、高精細化、大画面化の実現が可能であ ことから、50インチクラスから100インチを超 えるクラスのフルスペックのハイビジョンテ レビや大型公衆表示装置として用いられてい る。
近年では、PDPの輝度向上を目的とした検 が行なわれている。
例えば、特開2002-334659号公報は、蛍光体 の下層側に反射性を備えたガラスビーズを 置することで、背面側に放出された蛍光体 らの光を前面側に反射させ、PDPの発光輝度 増大させる技術を開示している。
しかしながら、本発明者らは、特開2002-33 4659号公報が開示する構成には、蛍光体から 出された光を充分に前面側に反射させるこ ができないという課題があることを見出し 。特開2002-334659号公報が開示する構成では、 反射性を備えた材料として球形のガラスビー ズを用いているので、蛍光体から放出された 光は、その隙間を通ってガラスビーズで形成 された反射層内を乱反射し、背面側の隔壁や 背面基板に至り、そこで吸収されてしまう。
本発明は、上述の課題に鑑みてなされた のであり、輝度が高い発光デバイス、プラ マディスプレイパネルおよびプラズマディ プレイ装置を提供することを目的とする。
そこで、本発明は、基板と、前記基板上 設けられた発光層と、前記基板と前記発光 との間に設けられた反射層と、を備え、前 反射層が、板状の無機酸化物粒子で形成さ ている、発光デバイスを提供する。
また、本発明は、主面に複数の凹部を有 る基板と、前記凹部の内側に設けられた蛍 体層と、前記凹部内面と前記蛍光体層との に設けられた反射層と、を備え、前記反射 が、板状の無機酸化物粒子で形成されてい 、プラズマディスプレイパネルも提供する
さらに、本発明は、上記本発明のプラズ ディスプレイパネルを備えたプラズマディ プレイ装置も提供する。
本発明によれば、輝度が高い発光デバイ 、プラズマディスプレイパネルおよびプラ マディスプレイ装置を提供することができ 。
以下、本発明の実施形態について図面を いて説明する。なお、以下の実施形態は一 であり、本発明は以下の実施形態に限定さ ない。また、以下の実施形態では、同一の 分については同一の符号を付して重複する 明を省略する場合がある。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る発光デ
イス10の概略構成を示す断面図である。
発光デバイス10は、基板11と、反射層12と 発光層13とで構成されている。反射層12は、 基板11と発光層13との間に設けられている。 体的には、基板11上に反射層12が形成され、 射層12上に発光層13が形成されている。
基板11は、その上に形成される各層を支 する。基板11は、その上に形成される各層を 支持できる材料、形状とする。具体的には、 ガラス基板、石英基板およびセラミック基板 等を基板11として用いることができる。
発光層13は、反射層12上に形成されている 。発光層13は、光を発する。発光層13の材料 は、具体的には、紫外線を照射することで 光する蛍光体材料や、電界を印加すること 発光する半導体材料等を用いることができ 。
反射層12は、基板11上に形成されている。 反射層12は、発光層13が発した光を反射させ 。反射層12は、板状の無機酸化物粒子(以下 板状粒子20ともいう)が基板11上に配置される ことによって形成されている。板状粒子20に いては後述する。反射層12は、例えば、ス リーン印刷法やインクジェット法等により 成できる。反射層12の膜厚は、1μm以上100μm 下とするのが好ましい。また、反射層12の膜 厚は5μm以上20μm以下であることがより好まし い。反射層12の膜厚が1μmよりも小さいと、光 を充分に反射させることができない場合があ る。また、反射層12の膜厚が100μmより大きい 反射率が飽和するため、反射層の役割とし はこれより厚い必要はない。
板状粒子20は、アスペクト比3以上の形状 有する粒子である。ここでのアスペクト比 は、無機酸化物粒子の最も面積の大きい面 おける長径寸法を、無機酸化物粒子の厚み 法で除した値のことである。以下、本明細 においては、「板状の無機酸化物粒子」を 様の意味で用いる。板状粒子20の形状には 例えば、最も面積の大きい面が扁平な面(平 )である板形状や、鱗片状はもちろんのこと 、球を一方向に押しつぶしたような形状(扁 状)も含まれる。これらの形状のうち、より 射率の高い反射層を実現することが可能で るという理由から、最も面積の大きい面が 平な面である形状が好ましい。
図2Aおよび図2Bは、反射層12を形成する板 粒子20の粒子形状例として、最も面積の大 い面が扁平である粒子形状を示した模式図 ある。ここで、板状粒子20の最も面積の大き い面において最も大きい幅を「長軸径(長径 法)21」とし、この最も面積の大きい面に直 する方向の長さを「板状粒子の厚み(厚み寸 )22」とする。板状粒子の厚み22は、長軸径21 よりも小さい。長軸径21を板状粒子20の厚み22 で除したアスペクト比(以下、単に「アスペ ト比」ともいう。)は3以上であり、好ましく は10よりも大きく100以下である。
板状粒子20の長軸径21は、0.1μm~10μmである ことが好ましい。なお、ここでは例として、 図2Aおよび図2Bに示すような形状を示したが 扁平な面の形は、これらに限定されるもの はなく、円形や楕円形、多角形等、他のい なる形であってもよい。また、本実施形態 発光デバイス10をPDPに適用する場合等、反射 層12を微小な領域に設ける場合には、板状粒 20の厚み22は例えば0.1μm~10μmが好ましい。
板状粒子20は、酸化アルミニウム(アルミナ( Al 2 O 3 ))、酸化チタン(チタニア(TiO 2 、))、チタン酸バリウム(BaTiO 3 )、酸化ジルコニウム(ジルコニア(ZrO 2 ))、酸化マグネシウム(マグネシア(MgO))、酸化 亜鉛(ZnO)および硫酸バリウム(BaSO 4 )からなる群から選ばれる少なくとも1種を含 材料で形成されることが好ましい。これら 、無機酸化物の一例である。また、これら 、光を反射する材料の一例である。これら 材料の中でも、アルミナが特に好ましい。 ルミナは、短波長域(紫外域)の光に対して 較的高い反射率を有する。したがって、板 粒子20にアルミナを用いることにより、本実 施形態における反射層12の構成を、発光に紫 線を利用するPDP等に適用する場合に、より 輝度のPDPを得ることができる。
図1に示すように、第1実施形態における 状粒子20は、その最も面積の大きい面である 扁平な面が基板11の主面と略平行という配向 を有する状態で積層されていることが好ま い。なお、このような配向性の実現に関し 本発明者らは、実際に実験検討を行なった 果、スクリーン印刷法、ディスペンサ方式 インクジェット方式等の一般的なコーティ グ方法によって形成できることを確認して る。
第1実施形態に係る発光デバイス10は、反 層12に板状粒子20を用いた点に特徴を有して いる。以下、本実施形態の特徴部分について さらに詳細に説明する。なお、説明の便宜上 、図1中、発光層13よりも上側に向かう方向を 前面方向と称し、その反対方向を背面方向と 称する。
発光層13から放出される光の一部は、背 方向に放出される。第1実施形態では、反射 12に板状粒子20を用いている。そのため、球 形の粒子を用いた従来の反射層に比べると、 反射率が高い。要因の一つとして、板状粒子 間の隙間に入った光が他の板状粒子に反射さ れて、前面方向に出ていきやすいということ が考えられる。そのため、本実施形態の発光 デバイス10の場合、発光層13から背面方向に 出される光が板状粒子20の隙間を通って基板 11へと抜ける確率が、低くなっているものと えられる。したがって、反射層12は、背面 向に放出される光を、効率よく前面方向に 射させることができる。
また、板状粒子20は、その最も面積の大 い面が基板11の主面と略平行となる向きに配 向した状態で、基板11上に積層されているこ が好ましい。このような構成にすることで 板状粒子20における最も面積の大きい面が 発光層に対向する構成となる。そのため、 面方向に放出された光をより確実に前面方 に反射させることができる。したがって反 層12は、背面方向に放出される光を、より効 率よく前面方向に反射させることができる。
また、板状粒子20のアスペクト比は、10よ りも大きく100以下であってもよい。このよう な構成にすることで、上述したような、板状 粒子20における最も面積の大きい面が基板11 主面と略平行に配向した状態で積層されて るという構成を実現しやすくなる。
また、第1実施形態に係る発光デバイスは 、プラズマディスプレイ装置やエレクトロル ミネッセンス装置等の表示装置等に適用して もよい。
(実施例)
<反射層の実施例>
反射層の実施例として、板状粒子20からな
反射層12と、従来の球形粒子からなる反射層
とを作製し、反射率の比較を行なった。図3
、本発明の実施例1~3としての、板状粒子20か
らなる反射層12を示す概略断面図であり、図4
は、本発明の比較例1~3としての、従来の球形
粒子40からなる反射層41を示す概略断面図で
る。
以下に、実施例1~3および比較例1~3の詳細 示す。なお、本発明は以下の実施例に限定 れるものではない。また、以下の実施例お び比較例で使用したアルミナ粒子は、一般 販売されているものの中から、以下に示す 性および形状を有するアルミナを適宜選択 て用いた。
実施例1は、基板11としてのガラス基板上 、スクリーン印刷法を用いて板状粒子20を 布し、反射層12を形成したものである。反射 層12は、板状のアルミナ粒子により形成され いる。反射層12の膜厚は、スクリーン印刷 用いて重ね塗りすることで制御した。なお 本実施例に用いたスクリーン印刷は、1回の 布で膜厚5μmの膜を形成することができるの で、塗布回数により反射層12の膜厚を任意に 定することができる。
実施例1では、平均粒径(長軸径)が2μm、平 均板厚(板状粒子の厚み)が0.04μm、アスペクト 比が約50の板状のアルミナ粒子を使用した。 射層12の膜厚は5μmとした。この反射層12の 面をSEMで観察したところ、板状のアルミナ 子における扁平な面は、ガラス基板と略平 に配向した状態で積層していた。
次に、実施例2として、膜厚が10μmの反射 12を作製した。反射層12の膜厚以外は、実施 例1と同様の材料および製法を用いた。
次に、実施例3として、膜厚が15μmの反射 12を作製した。反射層12の膜厚以外は、実施 例1と同様の材料および製法を用いた。実施 3の反射層12を厚み方向に切断した断面を、SE Mで観察した。図14は、実施例3の反射層12の断 面をSEMで観察した状態を示している。なお、 反射層12の切断時に、切断面付近のアルミナ 子が崩れてしまっている。そのため、図14 示す反射層12の断面の状態は、アルミナ粒子 の配向性を十分に示すものとはなっていない 。しかしながら、断面の奥の方が一部露出し ており、この露出した部分を観察すると、こ の部分では、アルミナ粒子の扁平な面が基板 の主面と平行となっていることが確認できる 。すなわち、実施例3の反射層12を構成するア ルミナ粒子は、最も面積の大きい面である扁 平な面が基板11の主面と略平行となる向きに 向した状態となっていると判断できる。
次に、比較例1として、平均粒径0.5μmの球 形のアルミナ粒子からなる反射層41を形成し 。比較例1の反射層41の膜厚は5μmとした。反 射層41に球形のアルミナ粒子を用いた以外は 上述した実施例1と同様の材料および製法を 用いた。
次に、比較例2として、膜厚が10μmの反射 41を作製した。反射層41の膜厚以外は、比較 例1と同様の材料および製法を用いた。
次に、比較例3として、膜厚が15μmの反射 41を作製した。反射層41の膜厚以外は、比較 例1と同様の材料および製法を用いた。
このように作製した各反射層の反射率を 分光光度計(島津製作所製)を用いて測定し 。この分光光度計では、リファレンスとし 硫酸バリウムを用いた。すなわち、各反射 は、硫酸バリウムの反射率を基準(100%)とし ときの値である。
図5は、実施例1~3および比較例1~3の各反射 層に対し、波長550nmの光を反射させたときの 射率をプロットしたグラフである。縦軸は 射率(%)、横軸は反射層の膜厚(μm)である。 状のアルミナ粒子を用いた反射層(図5のグラ フにおける「実施例」)は、球形のアルミナ 子を用いた反射層(図5のグラフにおける「比 較例」)に比べ、約10%程度反射率が向上する 果となった。
<発光デバイスの実施例>
発光デバイスの実施例として、板状粒子20
らなる反射層12(図3参照)と、従来の球形粒子
40からなる反射層41(図4参照)とに、それぞれ
厚5μmの発光層を形成し、発光デバイスの輝
の比較を行なった。発光層を構成する蛍光
材料しては、(Y、Gd)BO 3
:Euを用いた。
以下に、実施例4~6および比較例4~6の詳細 示す。なお、本発明は以下の実施例に限定 れるものではない。
実施例4~6は、実施例1~3で作製した反射層1 2の上に、膜厚5μmの発光層をスクリーン印刷 により形成したものである。
比較例4~6は、比較例1~3として作製した反 層41の上に膜厚5μmの発光層をスクリーン印 法により形成したものである。
また、比較例7として、ガラス基板上に発 光層のみを形成した発光デバイスを作製した 。
このようにして作製した実施例4~6および 較例4~7の発光デバイスの輝度を、真空紫外 起蛍光測定装置(製品名「蛍光測定システム 」、大塚電子株式会社製、)を用いて測定し 。
図6は、実施例4~6の輝度と比較例4~7の輝度 をプロットしたグラフである。縦軸は発光デ バイスの輝度、横軸は反射層と発光層とを合 わせた膜厚となっている。ここで、発光デバ イスの輝度は、比較例7の輝度を基準値「1」 した。すなわち、実施例4~6の輝度(図6のグ フにおける「実施例」の輝度)および比較例4 ~6の輝度(図6のグラフにおける「比較例」の 度)は、比較例7(発光層単層)に対する相対的 値となっている。
実施例4の輝度は1.14、実施例5の輝度は1.11 、実施例6の輝度は1.12となった。また、比較 4の輝度は1.07、比較例5の輝度は1.02、比較例 6の輝度は1.02となった。このように、反射層 板状粒子で形成することにより、発光デバ スの輝度が向上することが確認できた。ま 、板状粒子で形成された反射層は、膜厚に かわらず、球形粒子で形成された反射層よ も高い輝度を得ることができることがわか た。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態に係るPDPについて図面を
用いて説明する。第2実施形態は、第1実施形
に係る発光デバイスをPDPに適用した実施形
である。
<PDPの構成>
図7は、第2実施形態に係るPDP100の概略構成
示す部分断面斜視図である。なお、図を見
すくするために、図7ではハッチングを省略
ている。また、図8は、第2実施形態に係るPD
P100の電極配列を示す図であり、PDP100を前面
から見たときの図である。ただし、図8では
維持電極103、走査電極104およびアドレス電
107によって構成される電極マトリックス構
を見やすく示すために、背面パネル140の下
誘電体ガラス層108、隔壁109、蛍光体層110お
び反射層111と、前面パネル130の前面ガラス
板101、誘電体ガラス層105およびMgO保護層106
が省略されている。
PDP100は、前面パネル130と背面パネル140と 構成されている。
<前面パネルの説明>
前面パネル130は、前面ガラス基板101と、維
電極103と、走査電極104と、誘電体ガラス層1
05と、MgO保護層106とを備えている。
ここで、「前面」とは、PDP100により作製 れる画像を視聴者が視認する視聴者側の面 意味し、「背面」とは、「前面」と反対側 面を意味する。
前面ガラス基板101は、可視光を透過する 明基板である。前面ガラス基板101は、ガラ 材料からなり、例えば硼硅酸ナトリウム系 ラス等が用いられる。前面ガラス基板101は フロート法等を用いて製造される。
維持電極103および走査電極104は、それぞ N本(Nは2以上の整数)が互いに平行に対をな て配置されている。第2実施形態では、それ れN本の維持電極103と走査電極104とが、維持 電極103-走査電極104-維持電極103-走査電極104- ・・となるよう交互に配置されている。
維持電極103および走査電極104は、放電空 122に、放電に必要な電力を供給する。維持 極103および走査電極104は、後述の背面パネ 140側に設けられる蛍光体層110(110R、110G、110B )から放出される光を妨げないように、透明 極で形成されてもよい。また、維持電極103 よび走査電極104は、電気抵抗の低減を目的 してバス電極(図示せず)を備えてもよい。バ ス電極の材料は、電気抵抗が小さい金属が好 ましい。
誘電体ガラス層105は、維持電極103と走査 極104を覆って形成されている。誘電体ガラ 層105は、コンデンサとして働き、放電で生 た電荷を蓄積するメモリー機能を有してい 。誘電体ガラス層105は、高電圧が印加され も絶縁破壊しないように、耐圧性に優れて るものが好ましい。また、放電による発光 妨げないように、可視光域において高い透 性を備えているものが好ましい。誘電体ガ ス層105に用いる材料としては、低融点ガラ 粉末を、有機溶剤や樹脂に混ぜたものを用 ることができる。
MgO保護層106は、前面パネル101における背 パネル102と対向する面の最表面に、誘電体 ラス層105を覆うように形成される。MgO保護 106は、耐衝撃性、電子放出特性およびメモ ー機能を備える。MgO保護層106は、耐衝撃性 備えることにより、放電による衝撃から誘 体ガラス層105を保護することができる。ま 、MgO保護層106は、電子放出特性を備えるこ により二次電子が放出されるため、放電を 持しやすくなる。また、MgO保護層106は、メ リー機能を備えることで、電荷を蓄積する とができる。MgO保護層106は、主にスパッタ ングや電子ビーム蒸着法で、薄膜として形 される。
<背面パネルの説明>
背面パネル140は、背面ガラス基板102と、ア
レス電極107と、下地誘電体ガラス層108と、
壁109と、蛍光体層110R,110G,110Bと、反射層111
を備えている。
背面ガラス基板102は、前面ガラス基板101 所定の間隔を空けて、前面ガラス基板101と 向して配置されている。前面ガラス基板101 背面ガラス基板102との空間を、隔壁109によ 仕切ることによって、複数の放電空間122が 成される。背面ガラス基板102は、前面ガラ 基板101と同様にガラス材料を用いて製造さ るが、必ずしも透光性は必要ではない。
アドレス電極107は、維持電極103と走査電 104との間の維持放電をさらに容易にするた のアドレス放電を起こすためのものである 具体的には、維持放電が起こるための電圧 低める機能を有している。アドレス放電は 走査電極104とアドレス電極107との間に起こ 放電である。
アドレス電極107は、背面ガラス基板102の 面側に形成されている。アドレス電極107は M本(Mは2以上の整数)が互いに平行に配置さ ている。前面ガラス基板101と背面ガラス基 102とを貼り合わせる際、アドレス電極107は 維持電極103および走査電極104と直交するよ に配置される。このように配置することで 維持電極103および走査電極104とアドレス電 107とにより3電極構造の電極マトリックス構 が形成される(図8参照)。
アドレス電極107に用いる材料としては、 気抵抗が低い金属材料が好ましく、特に銀 好ましい。
下地誘電体ガラス層108は、アドレス電極1 07を覆うように形成されている。下地誘電体 ラス層108は、アドレス電極107の電流制御、 縁破壊からの保護という機能を備えている 下地誘電体ガラス層108には、前面パネル101 おける誘電体ガラス層105と同様の材料を用 ることができる。
隔壁109は、下地誘電体ガラス層108の前面 に形成されている。隔壁109は、前面パネル1 30と背面パネル140との間の空間を仕切ること 、複数の放電空間122を形成する。放電空間1 22には、Ne-Xe等の混合ガスが放電ガスとして 入されている。
隔壁109は、サンドブラスト法、印刷法、 ォトエッチング法等により形成することが きる。また、隔壁109には、低融点ガラスや 材等を含んだ材料を用いることができる。
隔壁109は、PDP100の前面側から見たとき、 子状となるよう形成されている。しかし、 壁109の形状は、複数の放電空間122を形成で る形状であればよく、格子状に限定される のではない。例えば、ストライプ状や、規 的に蛇行したミアンダ状であってもよい。 た、放電空間122の形状も方形に限定される のではない。例えば、三角形や五角形等の 角形や、円形や楕円形であってもよい。す わち、背面パネル140の前面側に複数の凹部 設けられていればよい。本実施形態のPDP100 は、背面ガラス基板102、下地誘電体ガラス 108および隔壁109が本発明のPDPにおける基板 相当し、下地誘電体ガラス層108と隔壁109と よって形成される凹部が、本発明のPDPにお る基板の主面に複数設けられた凹部に相当 る。
蛍光体層110は、色の3原色である赤色、緑 色、青色のそれぞれの色を発光する赤色蛍光 体層110R、緑色蛍光体層110G、青色蛍光体層110B からなる。
隔壁109と下地誘電体ガラス層108とにより形 された複数の凹部の内側には、蛍光体層110 して、それぞれ赤色蛍光体粒子、緑色蛍光 粒子、青色蛍光体粒子が所定の厚さに形成 れている。蛍光体粒子は、紫外線を受けて 視光を放出する機能を有していればよく、 般的に知られる蛍光体材料を用いることが きる。赤色蛍光体層110Rには、(Y,Gd)BO 3 :Eu 3+ やY 2 O 3 :Eu 3+ 等を用いることができる。緑色蛍光体層110G は、Zn 2 SiO 4 :Mn 2+ 等を用いることができる。青色蛍光体層110B は、BaMgAl 10 O 17 :Eu 2+ 等を用いることができる。
図9は、背面パネル140の断面概略図である 。以下、図10を用いて、反射層111の説明をす 。なお、反射層111を形成する板状粒子20は 第1実施形態と同じものなので、ここでは説 を省略する。
反射層111は、隔壁109と下地誘電体ガラス 108とによって背面パネル140の前面側に複数 けられた各凹部の内面と、蛍光体層110との に設けられている。具体的には、反射層111 、下地誘電体ガラス層108の前面側の面上と 壁109の側面上とに形成されている。
反射層111は、板状粒子20により形成され おり、本実施形態では、板状粒子20の最も面 積の大きい面が扁平となっている。
放電によって発生した紫外線は、蛍光体 110のごく表面層(表面から0.1μm程度)で吸収 れ、蛍光体を励起し、蛍光体から光が放出 れる。この光は、全てが前面方向へ放出さ るわけではなく、一部の光は、背面方向へ 出される。ここで、「蛍光体層の表面」は 蛍光体層110における放電空間122に露出する のことを意味する。また、「前面方向」は 蛍光体層110から放電空間122へ向かう方向の とを意味する。また、「背面方向」は、蛍 体層110から隔壁109および下地誘電体ガラス 108へ向かう方向を意味する。別の表現を用 ると、「背面方向」は、蛍光体層110から、 壁109と下地誘電体ガラス層108とにより形成 れている凹部へ向かう方向、と表現するこ もできる。
反射層111は、蛍光体層110から蛍光体層110 背面方向へ放出された光を、前面方向へ反 させる。
<第2実施形態の特徴>
第2実施形態におけるPDP100は、板状粒子20に
り反射層111を形成した点が、従来のPDPとは
なる。第2実施形態における反射層111は、板
状粒子20を用いていることにより、球形粒子
用いられた従来の反射層に比べると、高い
射率が得られる。要因の一つとして、板状
子間の隙間に入った光が、他の板状粒子に
射されて、前面方向に出ていきやすいとい
ことが考えられる。そのため、背面方向に
出される光が、板状粒子20の隙間を通って
隔壁109や下地誘電体ガラス層108へと抜ける
率が低くなっているものと考えられる。し
がって、反射層111は、背面方向に放出され
光を効率よく前面方向に反射させることが
きる。この効果は、板状粒子20の最も面積の
大きい面を扁平な面とすることにより、より
効果的に実現できる。
図10は、反射層111を示す概略断面図であ 。この図に示すように、板状粒子20は、板状 粒子20の最も面積の大きい面が、隔壁109と下 誘電体ガラス層108とにより形成されている 部の内壁面と略平行となる向きに配向した 態で、反射層111の厚さ方向に積層されてい もよい。このような構成とすることで、板 粒子20における最も面積の大きい面が蛍光 層110に対向する構成となる。そのため、背 方向に放出された光をより確実に前面方向 反射させることができる。したがって反射 111は、背面方向に放出される光を、より効 よく前面方向に反射させることができる。 の効果は、本実施形態のように、板状粒子20 の最も面積の大きい面が図10に示すような扁 な面である場合に、より効果的に得られる なお、このような構成の実現に関し、本発 者らが実際に実験検討を行なった結果、通 の蛍光体インクやペーストを用いてのスク ーン印刷、ディスペンサ方式、インクジェ ト方式等の一般的なコーティング方法によ て成されることを確認している。
また、反射層111を形成している板状粒子1 0のアスペクト比は、10よりも大きく100以下で あってもよい。このような構成にすることで 、上述したような、板状粒子20における最も 積の大きい面が蛍光体層に対向する構成を 現しやすくなる。
反射層111の膜厚は、1μm以上50μm以下とす のが好ましい。また、反射層111の膜厚は5μm 以上20μm以下であることがより好ましい。反 層111の膜厚が1μmより小さいと、光を充分に 反射させることができない場合がある。また 、反射層12の膜厚が50μmより大きいと、放電 間122が狭くなってしまうので、放電特性が くなってしまう場合がある。
<PDPの製造方法>
次に、PDP100の製造方法について、図7と図8
参照しながら説明する。
まず、前面パネル130の製造方法について 明する。前面ガラス基板101上に、各N本の維 持電極103と走査電極104とをストライプ状に形 成する。その後、維持電極103と走査電極104と を誘電体ガラス層105でコートする。さらに誘 電体ガラス層105上に、MgO保護層106を形成する 。
維持電極103と走査電極104とは、銀を主成分 する電極用の銀ペーストをスクリーン印刷 より塗布した後、焼成することによって形 される。誘電体ガラス層105は、酸化ビスマ 系のガラス材料を含むペーストをスクリー 印刷で塗布した後、焼成して形成する。酸 ビスマス系のガラス材料を含むペーストは 例えば、30重量%の酸化ビスマス(Bi 2 O 3 )と、28重量%の酸化亜鉛(ZnO)と、23重量%の酸化 硼素(B 2 O 3 )と、2.4重量%の酸化硅素(SiO 2 )と、2.6重量%の酸化アルミニウムと、10重量% 酸化カルシウム(CaO)と、4重量%の酸化タング ステン(WO 3 )とからなるガラス材料を、有機バインダ(例 ば、α-ターピネオールに10%のエチルセルロ スを溶解したもの)と混合して、このペース トを形成する。ここで、有機バインダとは、 樹脂を有機溶媒に溶解したものであり、樹脂 としてエチルセルロース以外にアクリル樹脂 、有機溶媒としてブチルカービトール等も使 用することができる。さらに、こうした有機 バインダに分散剤(例えば、グリセルトリオ エート)を混入させてもよい。
誘電体ガラス層105は、所定の厚み(約40μm) となるように塗布厚みを調整し、形成される 。MgO保護層106は、酸化マグネシウム(MgO)から るものであり、例えばスパッタリング法や オンプレーティング法によって、所定の厚 (約0.5μm)となるように形成される。
次に、背面パネル140の製造方法を説明す 。背面ガラス基板102上に、電極用の銀ペー トをスクリーン印刷し、焼成することによ て、M本のアドレス電極107をストライプ状に 形成する。アドレス電極107の上に酸化ビスマ ス系のガラス材料を含むペーストをスクリー ン印刷法で塗布した後、焼成して、下地誘電 体ガラス層108を形成する。同じく酸化ビスマ ス系のガラス材料を含むペーストをスクリー ン印刷法により所定のピッチで繰り返し塗布 した後に焼成することで、隔壁109が形成され る。放電空間122は、この隔壁109によって区画 されて、形成される。隔壁109の間隔寸法は、 42インチ~50インチのフルHD(high definition)テレ やHDテレビに合わせて130μm~240μm程度に規定 れている。
隣接する2本の隔壁109の間の溝に、反射層111 を形成する。反射層111は、例えばスクリーン 印刷法やインクジェット法等の塗布方式によ り形成される。反射層111は、例えば長軸径約 0.6μmで厚み約0.06μm(即ち、長径寸法を厚み寸 で除したアスペクト比が10程度)の板状アル ナ(酸化アルミニウム)粒子からなる。なお 板状の無機酸化物粒子の材質はアルミナに 定するものではなく、他の材質、例えば、 化チタン(チタニア(TiO 2 、))、チタン酸バリウム(BaTiO 3 )、酸化ジルコニウム(ジルコニア(ZrO 2 ))、酸化マグネシウム(マグネシア(MgO))、酸化 亜鉛(ZnO)、硫酸バリウム(BaSO 4 )等を用いてもよい。
次に、反射層111の表面に、それぞれ赤色蛍 体層110R、緑色蛍光体層110G、青色蛍光体層11 0Bを形成する。各蛍光体層は、例えばスクリ ン印刷法やインクジェット法等の塗布方式 より形成される。赤色蛍光体層110Rは、例え ば(Y,Gd)BO 3 :Euの赤色蛍光体材料からなる。緑色蛍光体層 110Gは、例えばZn 2 SiO 4 :Mnの緑色蛍光体材料からなる。青色蛍光体層 110Bは、例えばBaMgAl 10 O 17 :Euの青色蛍光体材料からなる。
このようにして作製された前面パネル130 背面パネル140とを、前面パネル130の走査電 104と背面パネル140のアドレス電極107とが直 するように対向して重ね合わせる。封着用 ラスを前面パネル130および背面パネル140の 縁部に塗布し、450℃程度で10分~20分間焼成 る。図8に示すように、封着用ガラスは、気 シール層121となり、前面パネル130と背面パ ル140とを封着する。そして、一旦放電空間1 22内を高真空に排気したのち、放電ガス(例え ば、ヘリウム-キセノン系、ネオン-キセノン の不活性ガス)を所定の圧力で封入すること によってPDP100が完成する。
(第3実施形態)
図11は、PDP100を用いたプラズマディスプレ
装置200の構成を示す概略図である。PDP100は
駆動装置150と接続されることで、プラズマ
ィスプレイ装置200を構成している。PDP100に
、表示ドライバ回路153、表示スキャンドラ
バ回路154、アドレスドライバ回路155が接続
れている。コントローラ152はこれらの電圧
加を制御する。点灯させる放電空間122(図7参
照)に対応する走査電極104とアドレス電極107
所定電圧を印加することで、アドレス放電
行う。コントローラ152はこの電圧印加を制
する。その後、維持電極103と走査電極104と
間にパルス電圧を印加して維持放電を行う
この維持放電によって、アドレス放電が行
れた放電セルにおいて紫外線が発生する。
の紫外線で励起された蛍光体層が発光する
とで放電セルが点灯する。各色セルの点灯
非点灯の組み合わせによって画像が表示さ
る。
(その他の実施の形態)
本発明は、上記実施形態に限定されるもの
はなく、適宜変更が可能である。以下に、
更の一例を説明する。
例えば、蛍光体層を板状の蛍光体粒子で 成してもよい。このような構成にすること 、蛍光体層の紫外線吸収量が増大するので 発光輝度を向上させることができる。
また、図7を参照すると、隔壁109の頂部を 黒色にしてもよい。ここで、隔壁109の頂部と は、隔壁109において前面パネル130と対向する 面のことである。このような構成にすること で、前面パネル130側から入射する外光を吸収 し、その外光を前面方向に反射させないので 、PDP100のコントラストを向上させることがで きる。
また、第2実施形態では、下地誘電体ガラ ス層108を設けているが、この下地誘電体ガラ ス層108を設けない構成であってもよい。図12 、下地誘電体ガラス層108を設けない構成のP DPの概略構成を示す部分断面斜視図である。 お、図を見やすくするために、図12におい はハッチングを省略する。図13は、下地誘電 体ガラス層108を設けない構成の背面パネルの 概略構成を示す断面図である。本発明のPDPに 設けられる反射層が誘電体層として機能する ことも可能であるため、下地誘電体ガラス層 を設けない構成を実現できる。このような構 成とすることで、PDP100をさらに薄型化するこ とができる。
本発明の発光デバイスは、高輝度を実現 きるので、プラズマディスプレイ装置やエ クトロルミネッセンス装置等の表示装置等 好適に利用できる。