本多洋介 (())
UENO, Iwao (())
松下電器産業株式会社 (〒01 大阪府門真市大字門真1006番地 Osaka, 5718501, JP)
HONDA, Yosuke (())
本多洋介 (())
| 蛍光体材料からなる発光表示装置用蛍光体粒子であって、 前記蛍光体材料は、Al、Mg、Ca、Ba、SrおよびYのうち少なくとも1つの元素を含み、 前記蛍光体粒子表面から深さ20nmまでの範囲内において、前記少なくとも1つの元素の深さ方向の濃度分布の極大値がある、発光表示装置用蛍光体粒子。 |
| 前記蛍光体粒子表面から深さ20nmまでの前記少なくとも1つの元素の平均濃度は、前記蛍光体粒子全体における平均濃度より1倍より大きく3倍以下である、請求項1に記載の発光表示装置用蛍光体粒子。 |
| 前記蛍光体粒子において、前記少なくとも1つの元素を除く、前記蛍光体材料を構成する他の元素の分布は、実質的に均一である請求項2に記載の発光表示装置用蛍光体粒子。 |
| 前記少なくとも1つの元素を前記蛍光体粒子表面から内部へ拡散させることによって、前記蛍光体粒子表面から深さ20nmまでの前記少なくとも1つの元素の平均濃度が高められている請求項3に記載の発光表示装置用蛍光体粒子。 |
| 前記蛍光体材料は、 (Ba、Sr)MgAl 10 O 17 :Eu、 SrMg(SiO 2 ):Eu、 Sr 2 MgSi 2 O 7 :Eu、 CaMgSi 2 O 6 :Eu、 SrMgSi 2 O 6 :Eu、 のうち、少なくとも1種を含む請求項1から4のいずれかに記載の発光表示装置用蛍光体粒子。 |
| 前記蛍光体材料は、 (Y、Gd)BO 3 :Tb、 LaPO 4 :Ce、Tb、 BaMg 2 Al1 4 O 24 :Eu、Mn、 BaAl 12 O 19 :Mn、 Zn 2 SiO 4 :Mn のうち、少なくとも1種を含む請求項1から4のいずれかに記載の発光表示装置用蛍光体粒子。 |
| 前記蛍光体材料は、 Y(P、V)O 4 :Eu、 Y 2 O 3 :Eu、 (Y、Gd) 2 O 3 :Eu、 (Y、Gd)BO 3 :Eu のうち、少なくとも1種を含む請求項1から4のいずれかに記載の発光表示装置用蛍光体粒子。 |
| 透明基板と、透明基板に設けられた複数のストライプ状の表示電極と含む前面パネル、および 支持基板と、前記支持基板に設けられた複数のストライプ状のアドレス電極と、少なくとも各アドレス電極間に位置するように、前記支持基板に設けられた複数の隔壁と、前記隔壁間の各アドレス電極を覆うように配置された蛍光体層とを含む背面パネル、 を備え、 前記アドレス電極および前記表示電極が互いに略直交し、前記隔壁間の空間内に放電ガスを封止するように、前記前面パネルおよび前記背面パネルが対向配置されたプラズマ表示装置であって、 前記蛍光体層は、請求項1から7のいずれかに規定される発光表示装置用蛍光体粒子を含むプラズマ表示装置。 |
| 前記蛍光体層において、前記発光表示装置用蛍光体粒子の表面は露出している請求項8に記載のプラズマ表示装置。 |
| 前記放電ガスは、15体積%以上のキセノンガスを含む請求項8に記載のプラズマ表示装置。 |
| 可視光よりも短い波長の電磁波または電子線を放出する励起源と、 前記電磁波または電子線が放射される位置に配置された、請求項1から7のいずれかに規定される発光表示装置用蛍光体粒子と、 を備えた発光表示装置。 |
| 蛍光体材料からなる蛍光体粒子を用意する工程と、 Al、Mg、Ca、Ba、SrおよびYのうち少なくとも1つの元素を含む非水溶性有機金属化合物および非水性溶媒を含む溶液に前記蛍光体粒子を漬浸する工程(A)と、 前記非水性溶媒を除去し、前記非水溶性有機金属化合物が表面に付着した蛍光体粒子を得る工程(B)と、 前記非水溶性有機金属化合物が表面に付着した蛍光体粒子を熱処理する工程(C)と、を包含する発光表示装置用蛍光体粒子の製造方法。 |
| 前記非水溶性有機金属化合物は、脂肪酸の金属塩、アセチルアセトン金属塩、不飽和カルボン酸金属塩、メタロセン化合物、β-ジケトンから選ばれる少なくとも1種である請求項12に記載の発光表示装置用蛍光体粒子の製造方法。 |
| 前記工程(C)は、前記非水溶性有機金属化合物が表面に付着した蛍光体粒子を500℃以上650℃以下で加熱する請求項12に記載の発光表示装置用蛍光体粒子の製造方法。 |
| 前記蛍光体材料は、 (Ba、Sr)MgAl 10 O 17 :Eu、 SrMg(SiO 2 ):Eu、 Sr 2 MgSi 2 O 7 :Eu、 CaMgSi 2 O 6 :Eu、 SrMgSi 2 O 6 :Eu、 のうち、少なくとも1種を含む請求項12から14のいずれかに記載の発光表示装置用蛍光体粒子の製造方法。 |
| 前記蛍光体材料は、 (Y、Gd)BO 3 :Tb、 LaPO 4 :Ce、Tb、 BaMg 2 Al1 4 O 24 :Eu、Mn、 BaAl 12 O 19 :Mn、 Zn 2 SiO 4 :Mn のうち、少なくとも1種を含む請求項12から14のいずれかに記載の発光表示装置用蛍光体粒子の製造方法。 |
| 前記蛍光体材料は、 Y(P、V)O 4 :Eu、 Y 2 O 3 :Eu、 (Y、Gd) 2 O 3 :Eu、 (Y、Gd)BO 3 :Eu のうち、少なくとも1種を含む請求項12から14のいずれかに記載の発光表示装置用蛍光体粒子の製造方法。 |
本発明は、テレビなどの画像表示に用い れるプラズマ表示装置などの発光表示装置 よびこれに用いられる蛍光体粒子に関する
近年、高精細、高品位で大画面のテレビ 対する需要が高まってきている。プラズマ 示装置(Plasma Display Panel(PDP)ともいう)は、 うした特徴に加えて、薄型であり、また、 量であるという特徴も備える。このため、 ラズマ表示装置を用いたプラズマテレビが 目されている。
プラズマ表示装置は、いわゆる3原色を加 法混色することにより、フルカラー表示を行 う。このフルカラー表示を行うために、PDPに は3原色である赤(R)、緑(G)、青(B)の各色を発 する蛍光体層が隔壁中に設けられている。 光体層を構成する蛍光体粒子は、プラズマ 示装置の放電セル内で発生する中心波長が14 7nmのXeの共鳴線や、中心波長が172nmの分子線 よる真空紫外線により励起され、赤、緑、 各色の可視光を生成する。
プラズマ表示装置では、放電セル内にプラ
マを閉じ込め紫外線を発生させる。このた
、蛍光体層がプラズマに曝され、プラズマ
の陽イオンが蛍光体粒子に衝突することに
って蛍光体粒子が劣化するという問題があ
。非特許文献1および特許文献1から4は、蛍
体粒子の表面を酸化アルミニウム、酸化マ
ネシウムなど金属酸化物でコーティングし
蛍光体粒子の表面を保護することによって
蛍光体粒子の劣化を防止することを開示し
いる。
高精細なテレビ放送が普及するにつれて 画素数が1920(水平)×1080(垂直)であるフルス ックハイビジョンの表示装置が求められる うになってきた。フルスペックハイビジョ の表示装置では、従来の画素数が852(水平)×4 80(垂直)であるNTSCの表示装置と比較して、画 数が6倍であり、表示電極やアドレス電極の 数が2.25倍になる。したがって、フルスペッ ハイビジョンのプラズマ表示装置では、単 インチあたりの発光セルの面積が、従来のNT SC方式の表示装置におけるセルの1/6程度と非 に小さくなり、また、電極数も2.25倍に増加 することになる。
上述した理由から、フルスペックハイビ ョンのプラズマ表示装置を実現するために 各セルの発光効率を高める必要がある。こ ため、従来のフルスペックハイビジョンの ラズマ表示装置では、セルを構成する隔壁 隔を小さくし、発光しない領域である隔壁 面積を小さくしている。例えば、42インチ フルスペックハイビジョンのプラズマ表示 置であれば、1画素のサイズが0.48mmであり、 色のセルを分離する隔壁の厚さは、0.16mm程 に設定されている。
また、セルサイズが小さくなることによ 発光効率の低下を防ぐために、放電ガスで るXeガスの濃度を高めている。例えば、Ne-Xe 混合ガス中のXeガス分圧は15%以上に高められ いる。
しかし、この様な構造を採用する場合、 ルの微細化に伴って放電空間が狭まり、放 で生じた電子が容易に隔壁側へドリフトし 消滅する。このため、従来のパネルと同じ 度を得るためには、より高い放電電圧を印 する必要がある。その結果、消費電力が増 し、輝度効率が低下するという新たな課題 生じる。また、放電電圧の上昇に伴い蛍光 粒子に衝突するイオンの衝撃が大きくなり パネルの輝度劣化が加速するという課題も じる(非特許文献1、2)。
非特許文献1や特許文献1から4に開示され 技術ではこれらの課題を十分には解決する とができない。こうした課題は、プラズマ 示装置のみならず、電界放出型表示装置な 、蛍光体を用いて画像を表示する発光表示 置に共通である。
本発明は上記従来技術の課題に鑑みてな れたものであり、輝度劣化の少ない蛍光体 子、プラズマ表示装置および発光表示装置 提供することを目的とする。
本発明の発光表示装置用蛍光体粒子は、 光体材料からなる発光表示装置用蛍光体粒 であって、前記蛍光体材料は、Al、Mg、Ca、B a、SrおよびYのうち少なくとも1つの元素を含 、前記蛍光体粒子表面から深さ20nmまでの範 囲内において、前記少なくとも1つの元素の さ方向の濃度分布の極大値がある。
ある好ましい実施形態において、前記蛍 体粒子表面から深さ20nmまでの前記少なくと も1つの元素の平均濃度は、前記蛍光体粒子 体における平均濃度より1倍より大きく3倍以 下である。
ある好ましい実施形態において、前記蛍 体粒子において、前記少なくとも1つの元素 を除く、前記蛍光体材料を構成する他の元素 の分布は、実質的に均一である。
ある好ましい実施形態において、前記少 くとも1つの元素を前記蛍光体粒子表面から 内部へ拡散させることによって、前記蛍光体 粒子表面から深さ20nmまでの前記少なくとも1 の元素の平均濃度が高められている。
ある好ましい実施形態において、前記蛍光 材料は、(Ba、Sr)MgAl 10 O 17 :Eu、SrMg(SiO 2 ):Eu、Sr 2 MgSi 2 O 7 :Eu、CaMgSi 2 O 6 :Eu、SrMgSi 2 O 6 :Eu、のうち、少なくとも1種を含む。
ある好ましい実施形態において、前記蛍光 材料は、(Y、Gd)BO 3 :Tb、LaPO 4 :Ce、Tb、BaMg 2 Al1 4 O 24 :Eu、Mn、BaAl 12 O 19 :Mn、Zn 2 SiO 4 :Mnのうち、少なくとも1種を含む。
ある好ましい実施形態において、前記蛍光 材料は、Y(P、V)O 4 :Eu、Y 2 O 3 :Eu、(Y、Gd) 2 O 3 :Eu、(Y、Gd)BO 3 :Euのうち、少なくとも1種を含む。
本発明のプラズマ表示装置は、透明基板 、透明基板に設けられた複数のストライプ の表示電極と含む前面パネル、および支持 板と、前記支持基板に設けられた複数のス ライプ状のアドレス電極と、少なくとも各 ドレス電極間に位置するように、前記支持 板に設けられた複数の隔壁と、前記隔壁間 各アドレス電極を覆うように配置された蛍 体層とを含む背面パネルを備え、前記アド ス電極および前記表示電極が互いに略直交 、前記隔壁間の空間内に放電ガスを封止す ように、前記前面パネルおよび前記背面パ ルが対向配置されたプラズマ表示装置であ て、前記蛍光体層は、上記いずれかに規定 れる発光表示装置用蛍光体粒子を含む。
ある好ましい実施形態において、前記蛍 体層において、前記発光表示装置用蛍光体 子の表面は露出している。
ある好ましい実施形態において、前記放 ガスは、15体積%以上のキセノンガスを含む
本発明の発光表示装置は、可視光よりも い波長の電磁波または電子線を放出する励 源と、前記電磁波または電子線が放射され 位置に配置された、上記いずれかに規定さ る発光表示装置用蛍光体粒子とを備える。
本発明の発光表示装置用蛍光体粒子の製 方法は、蛍光体材料からなる蛍光体粒子を 意する工程と、Al、Mg、Ca、Ba、SrおよびYの ち少なくとも1つの元素を含む非水溶性有機 属化合物および非水性溶媒を含む溶液に前 蛍光体粒子を漬浸する工程(A)と、前記非水 溶媒を除去し、前記非水溶性有機金属化合 が表面に付着した蛍光体粒子を得る工程(B) 、前記非水溶性有機金属化合物が表面に付 した蛍光体粒子を熱処理する工程(C)とを包 する。
ある好ましい実施形態において、前記非 溶性有機金属化合物は、脂肪酸の金属塩、 セチルアセトン金属塩、不飽和カルボン酸 属塩、メタロセン化合物、β-ジケトンから ばれる少なくとも1種である。
ある好ましい実施形態において、前記工 (C)は、前記非水溶性有機金属化合物が表面 付着した蛍光体粒子を500℃以上650℃以下で 熱する。
ある好ましい実施形態において、前記蛍光 材料は、(Ba、Sr)MgAl 10 O 17 :Eu、SrMg(SiO 2 ):Eu、Sr 2 MgSi 2 O 7 :Eu、CaMgSi 2 O 6 :Eu、SrMgSi 2 O 6 :Eu、のうち、少なくとも1種を含む。
ある好ましい実施形態において、前記蛍光 材料は、(Y、Gd)BO 3 :Tb、LaPO 4 :Ce、Tb、BaMg 2 Al1 4 O 24 :Eu、Mn、BaAl 12 O 19 :Mn、Zn 2 SiO 4 :Mnのうち、少なくとも1種を含む。
ある好ましい実施形態において、前記蛍光 材料は、Y(P、V)O 4 :Eu、Y 2 O 3 :Eu、(Y、Gd) 2 O 3 :Eu、(Y、Gd)BO 3 :Euのうち、少なくとも1種を含む。
本発明によれば、蛍光体粒子表面から深 20nmまで範囲内の改質層において、Al、Mg、Ca 、Ba、SrおよびYのうちの少なくとも1つの元素 の深さ方向の濃度分布の極大値が存在する。 これにより蛍光体粒子の表面近傍のイオン欠 陥や格子欠陥が低減しているため、イオン衝 撃に耐え、結晶構造に乱れが生じにくい。そ の結果、蛍光体粒子の輝度劣化が抑えられる 。また、Al、Mg、Ca、Ba、SrおよびYのうちの少 くとも1つの元素は改質層内において、酸素 とイオン結合しており、電子を放出しやすい 。このため、放電電圧を低下させたり、隔壁 間隔が狭くなることに起因するドリフトによ る電子の消滅を補い、輝度を向上させること ができる。したがって、高精細で、パネル駆 動時の蛍光体の輝度劣化を防止することがで き、色むらや画面の焼きつきのない、長寿命 で低消費電力のプラズマ表示装置を得ること ができる。
2 全面パネル
3 背面パネル
4 表示電極
5 走査電極
6 維持電極
7 誘電体層
8 保護層
10 透明基板
11 支持基板
12 アドレス電極
13 誘電体層
14 隔壁
15 蛍光体層
16 放電セル
17 蛍光体粒子
17s 蛍光体粒子表面
17a 蛍光体粒子表面近傍の領域
17b 蛍光体粒子内部の領域
18 拡散した元素
50 プラズマ表示装置
51 表示放電
D 蛍光体粒子表面17Sからの深さ(距離)
H 隔壁14の高さ
L 隔壁14の間隔L
S10 蛍光体粒子を用意するステップ
S11 蛍光体粒子を有機金属化合物を含む溶液
浸漬するステップ
S12 有機溶媒を除去するステップ
S13 熱処理するステップ
蛍光体粒子の劣化を防止する従来の技術は 蛍光体粒子の表面をMgO、Al 2 O 3 などからなる保護層で覆い、蛍光体粒子に陽 イオン粒子などが直接衝突するのを防止する 。
しかし、このような保護層を設ける場合 保護層は蛍光体粒子内へ蛍光発光を生じさ る紫外線などの電子線を透過する必要があ 。また、蛍光体粒子において蛍光によって じた可視光を内部から外部へ透過させる必 がある。
したがって、保護層が厚い場合、紫外線 可視光が十分には透過せず、発光効率が低 する。一方、保護層が薄い場合、陽イオン 子などの衝突による劣化を十分には防止す ことができなくなる。また、保護層の剥離 どの問題も生じる。つまり、従来技術によ 蛍光体粒子の劣化防止方法は、劣化の防止 発光効率とがトレードオフの関係にあり、 光体粒子の劣化を十分に抑制しつつ、高発 効率を達成することが難しかった。
本願発明はこのような従来技術の課題に みて、蛍光体粒子の表面に保護層などをコ ティングするのではなく、蛍光体粒子の表 部分を改質する。改質された表層部分では 結晶の欠陥が修復され、粒子の結晶性が高 っているため、蛍光体粒子の表層部分にイ ンが衝突しても、結晶構造がくずれにくく る。また、蛍光体粒子の表面に蛍光を生じ い別な層を設けるのではないため、蛍光体 子の表面における蛍光発光が低下すること 抑制される。これにより、従来困難であっ 、蛍光体粒子の劣化の抑制および高発光効 が同時に達成し得る。
以下、本発明による蛍光体粒子および発 表示装置の実施形態を詳細に説明する。以 の実施形態では、プラズマ表示装置を発光 示装置の一例として詳細に説明する。しか 、本発明の主要な特徴のひとつは、劣化が 制された蛍光体粒子の構造にあり、本発明 、種々の蛍光体材料からなる蛍光体粒子に 用可能である。また、紫外線やX線など可視 光よりも波長の短い波長の電磁波や電子線を 励起源とし、可視領域の蛍光を発する蛍光体 粒子に適用が可能である。したがって、プラ ズマ表示装置のみならず、種々の電界放出型 ディスプレイ(Field Emission Display、FED)にも本 明を適用することが可能である。
図1(a)は、本発明によるプラズマ表示装置 の実施形態である面放電型AC型プラズマ表示 置50の放電単位である放電セル構造を模式 に示す断面図である。図1(a)に示すようにプ ズマ表示装置50は、前面パネル2と背面パネ 3とを備える。
前面パネル2は、透明基板10と、透明基板1 0上に設けられた複数の表示電極4とを含む。 明基板10は可視光を透過することが好まし 、例えば、ガラス基板によって構成される 表示電極4は、ストライプ状の走査電極(スキ ャン電極ともいう)5と維持電極(サスティン電 極ともいう)6とを含み、好ましくはITOなどの 明導電性材料によって形成される。図示し いないが、走査電極5および維持電極6上に これらの電極の電気抵抗を低下させるため 細線状のバス電極をさらに形成してもよい 好ましくは、表示電極4を覆うように、誘電 層7が透明基板10の表面に設けられ、さらに 誘電体層7上に、例えば、MgOなどからなる保 護層8が設けられている。
図1(b)は背面パネル3の部分断面斜視図で る。図1(a)および(b)に示すように、背面パネ 3は、支持基板11と、支持基板11上に設けら た複数のアドレス電極(データ電極ともいう) 12と、隔壁14と、蛍光体粒子17を含む蛍光体層 15とを含む。支持基板11は、ガラス基板など よって構成される。支持基板11上にはストラ イプ状の複数のアドレス電極12が設けられて る。アドレス電極12を覆うように支持基板11 上に誘電体層13が設けられていてもよい。誘 体層13は低融点ガラスなどからなる。
隔壁14は、少なくとも各アドレス電極12間 に位置するように、支持基板11に設けられた 数の隔壁14nを含む。図1(a)に示す図では、隔 壁14nは、図1(a)の紙面に平行に配置されるた 、示されていない。より好ましくは、隔壁14 はアドレス電極12と垂直に配置される複数の 壁14mも含み、隔壁14nと隔壁14mとで放電セル 周囲を囲む井桁構造(ワッフルリブ構造)を 成している。井桁構造を採用することによ 、隣接するセルへの発光漏れを防止するこ ができる。
隔壁14によって規定される空間が放電セ 16となる。放電セル16は、アドレス電極12の れぞれに沿って一次元に配列されている。 壁14は低融点ガラスからなり、高さHは120μm 度である。また、隔壁14の間隔Lは200μm程度 ある。
各放電セル16内においてアドレス電極12を 覆うように、隔壁14および誘電体層13上に蛍 体層15が設けられている。図1(b)に示すよう 、好ましくは、隣接する3つの放電セル16内 赤(R)、緑(G)、青(B)の各色を発光する蛍光体 15r、15g、15bがそれぞれ配置され、この3つの 電セル16で1画素を構成する。蛍光体層15は 蛍光体粒子17を含んでいる。蛍光体層15を印 により形成するためのバインダなどが蛍光 層15に含まれていてもよいが、蛍光体粒子17 に紫外線が照射され、蛍光を発するように、 バインダなどは蛍光体粒子17を覆い尽くさな 程度であることが好ましい。蛍光体粒子17 構造については以下において詳細に説明す 。
図1(a)に示すように、前面パネル2および 面パネル3は、表示電極4およびアドレス電極 12が互いに略直交し、背面パネル3に設けられ た隔壁14が前面パネル2の保護層8と接するこ によって、隔壁14間の空間、つまり、各放電 セル16を封止するように配置されている。こ により、各放電セル16において、表示電極4 アドレス電極12とが直交し、かつ、対向し いる。
各放電セル16には、放電用ガスとして、Xe (キセノン)を含むガスが封入されている。好 しくは、Xeが15体積%以上100体積%以下の割合 含まれるキセノン・ネオンあるいはキセノ ・ヘリウムなどの混合希ガスが約数十kPaの 力で封入されている。
プラズマ表示装置50において、まず点灯 せたい放電セル16のアドレス電極12と走査電 5との間に電圧を印加し、アドレス放電を行 う。これにより、放電セル16内に壁電荷が蓄 する。続いて維持電極6と走査電極5との間 電圧を印加すると、アドレス放電による壁 荷が蓄積された放電セル16のみ表示放電51が じる。表示放電51は、封止された放電用ガ のうちのXeの励起によって紫外線を発生させ る。発生した紫外線が蛍光体層15の蛍光体粒 17を励起し、所定の色の可視光を発光する したがって、アドレス電極12と走査電極5と 選択によって、マトリクス状に配置された 数の放電セル16のいずれかを任意に選択し、 発光させることができる。
次に蛍光体粒子17の構造を詳細に説明す 。図2は、蛍光体粒子17の断面構造を模式的 示している。蛍光体粒子17は、公知の蛍光体 材料からなり、単結晶あるいは結晶性の高い 粒子である。粒子の形状に特に制限はなく、 蛍光体材料の組成に依存した形状を有してい てよい。例えば、球状であってもよいし、平 板状であってもよい。蛍光体粒子17は、用途 応じた一般的な大きさを有している。本実 形態のように、プラズマ表示装置に用いら る場合には、蛍光体粒子17の直径、あるい 、長手方向の長さは、1μmから5μm程度である 。蛍光体粒子17の表面17sは外部に対して露出 ており、従来のような金属酸化膜が表面17s 覆うように設けられていない。
蛍光体粒子17を構成する蛍光体材料は、Al 、Mg、Ca、Ba、SrおよびYのうち少なくとも1つ 元素18を含んでおり、蛍光体粒子17の表面17s ら深さDが20nmまで範囲内において、少なく も1つの元素18の深さ方向の濃度分布の最大 がある。このため、少なくとも1つの元素18 、蛍光体粒子17の表面17sから深さDが20nmまで 平均濃度は、粒子17全体における平均濃度 り高くなっている。より好ましくは、少な とも1つの元素18の濃度が平均濃度の1倍より きく、3倍以下である。このような元素18の 度分布は、例えば、以下において詳細に説 するように、元素18を蛍光体粒子表面17sか 内部へ拡散させることによって実現される 元素18の深さ方向の濃度分布は、TEM-EDSによ て求められる。元素18の平均濃度は、以下の 実施例で説明するように、TEM-EDSによって求 た元素のライン分析から求めた値である。
また、以下において詳細に説明するよう 、元素18は、蛍光体粒子17の表面17sから深さ 20nmまでの領域において、結晶構造の欠陥の 置に入ることによって劣化を抑制する効果 発揮する。このため、この効果を発揮する 素18の濃度には上限があり、欠陥結晶構造の 欠陥すべてに元素18が入るとそれ以上、劣化 抑制する効果が生じなくなる。詳細な検討 よれば、元素18の濃度が、最大で平均濃度 3倍程度まで、蛍光体粒子の劣化を抑制する 果が改善すると考えられる。このため、元 18の濃度は平均濃度の3倍以下であることが ましい。
元素18を除く蛍光体材料を構成する他の 素の分布は、実質的に均一であることが好 しい。つまり、元素18が表面17sから拡散され ていることを除けば、蛍光体粒子17は実質的 均一な組成の蛍光体材料によって構成され いることが好ましい。ここで、実質的にと 、例えば、大気中において蛍光体粒子17が 管されることによって、蛍光体粒子17の最表 面がわずかに酸化したり、プラズマ表示装置 内に蛍光体粒子17が配置され、放電環境に曝 れることによって、蛍光体材料を構成する 素の一部が脱離したり、蛍光体粒子17を製 する際に不可避的に生じる構成元素の分布 無視するという意味である。
ただし、以下において説明するように、 光体粒子17のうち蛍光に寄与する部分は、 面からおよそ10nm~100nm程度の領域にある蛍光 材料であると考えられている。このため、 光体粒子17のうち、表面からおよそ10nm~100nm 度の領域において、蛍光体材料が存在し、 光体材料を構成する他の元素の分布が実質 に均一であればよい。この場合、蛍光体粒 17のうち、表面からおよそ100nm程度よりも内 部の領域は、表層の蛍光体材料を担持するた めの基材によって構成されていてもよい。内 部の基材は、表層の蛍光体材料と異なる組成 を有していてもよい。蛍光体粒子17が上述し ように表層部分と基材部分とに明瞭に区別 されなくても同様である。
このような場合、蛍光体粒子表面17sから 部へ拡散させる元素18が、表層の蛍光体材 とは異なる含有率で基材にも含まれること ある。したがって、この場合には、元素18の 深さ方向の濃度分布は、蛍光体粒子17の表面1 7sから深さDが20nmまで範囲内において、極大 を有し、基材の領域、つまり、表面からお そ100nm程度よりも内部の領域において、最大 値を有していてもよい。表面からおよそ100nm 度よりも内部の領域で元素18の濃度が最大 なるのは、基材の組成によるものであり、 面からの元素18の拡散とは無関係である。一 方、表面17sから深さDが20nmまで範囲内におい 、元素18の濃度分布が極大値を有していれ 、表面から元素18が拡散されていることなる 。したがって、このような構造の蛍光体粒子 17も上述した本発明の効果を奏する。
蛍光体粒子17を構成する蛍光体材料には、 途に応じた種々の公知の蛍光体材料を用い ことができる。例えば、プラズマ表示装置 の青色蛍光体材料としては、(Ba、Sr)MgAl 10 O 17 :Eu、SrMg(SiO 2 ):Eu、Sr 2 MgSi 2 O 7 :Eu、CaMgSi 2 O 6 :Eu、SrMgSi 2 O 6 :Euから選ばれる少なくとも一種を用いること ができる。ここで、例えば組成式(Ba、Sr)MgAl 10 O 17 :Euは(Ba、Sr)MgAl 10 O 17 の組成を有する酸化物において、BaとSrとは 意の割合で置換可能であり、かつ、Baまたは Srのサイトの一部がEuに置換していることを 味している。
プラズマ表示装置用の緑色蛍光体材料とし は、(Y、Gd)BO 3 :Tb、LaPO 4 :Ce、Tb、BaMg 2 Al 14 O 24 :Eu、Mn、BaAl 12 O 19 :Mn、Zn 2 SiO 4 :Mnから選ばれる少なくとも一種を用いること ができる。
プラズマ表示装置用の赤色蛍光体材料とし は、Y(P、V)O 4 :Eu、Y 2 O 3 :Eu、(Y、Gd) 2 O 3 :Eu、(Y、Gd)BO 3 :Euから選ばれる少なくとも一種を用いること ができる。
元素18は、Al、Mg、Ca、Ba、SrおよびYから選 ばれる限り、これら蛍光体粒子17を構成する 光体材料の構成元素であってもよいし、蛍 体材料を構成する元素とは異なっていても い。
元素18が蛍光体粒子17を構成する蛍光体材 料の構成元素である場合、蛍光体材料に由来 する元素18が蛍光体粒子17全体にほぼ均一に 布しており、これに加えて、蛍光体粒子17の 表面17sから拡散させられた元素18が表面17sか 深さDが20nm以下の範囲に分布する。このた 、表面17sから深さDが20nmまでの元素18の平均 度が蛍光体粒子17全体における元素18の平均 濃度よりも高くなる。
元素18が蛍光体材料を構成する元素と異 る場合、元素18は、表面17sから深さDが20nm以 の範囲にのみ分布する。このため、表面17s ら深さDが20nmまでの元素18の平均濃度が蛍光 体粒子17全体における元素18の平均濃度より 高くなる。
一般的に、蛍光体粒子は単結晶粒子であ と言われている。しかし、造粒過程、すな ち、構成粉末の配合、混合、焼成に至る過 において拡散や物理的な衝撃により、粒子 極表面部分ではイオン欠損や格子欠陥など 結晶構造に乱れが生じやすい。
一方、上述したように、蛍光体粒子にお て、蛍光に寄与しているのは表面からおよ 10nm~100nm程度の深さまでの領域にある蛍光体 材料であると考えられている。したがって、 蛍光に寄与している領域は、結晶構造の乱れ ている部分を含んでおり、このような結晶構 造が乱れた部分に外部からイオン粒子などが 衝突することによって、乱れた結晶構造の結 晶性がより低下したり、結晶構造の破壊が生 じたりするため、蛍光を生じなくなる。
本発明の蛍光体粒子では、元素18は、蛍 体粒子17の表面17sから内部に至る20nmまでの さにおいて、蛍光体の結晶格子を乱さずに 蛍光体粒子17に拡散している。拡散した元素 18は、結晶構造の乱れたイオン欠損や格子欠 のサイトに入り、酸素と結合することによ て、蛍光体粒子表面の結晶構造の乱れを低 し、イオン結合をより強固にするように作 する。このようにして、元素18が拡散した 蛍光体粒子17の表面17sから内部に至る20nm以 の領域17aは結晶性が改善された改質層とし 機能する。
したがって、蛍光体粒子17の表面近傍の 域17aにおいて、イオン結合が増すことによ て放電中に発生したイオン衝撃に耐え、結 構造に乱れが生じにくく、単結晶粒子の性 を長期間保つことが可能となり、その結果 輝度劣化が抑えられると考えられる。
以下の実施例で説明するように、MEM(最大 エントロピー法)で蛍光体粒子の電子密度分 を解析した結果、蛍光体粒子17では電子密度 が高く強固にイオン結合しているこが確認さ れた。また、高分解能TEMによって、蛍光体粒 子17の領域17aの結晶性が維持されていること 確認した。
また、Al、Mg、Ca、Ba、Sr、Yの酸化物、特 単結晶は、電子放出性能が良い材料(高γ材) して知られている。このため、蛍光体粒子1 7の表面17sから、放電中に電子が多く供給す ことが可能となる。これにより、放電電圧 低下し、放電中のイオンの衝撃強度も低下 、イオンの衝突による劣化を抑制すること できる。
また、蛍光体粒子17の表面17sから電子が 出されやすくなり、蛍光体粒子17から放出さ れた電子が、蛍光体層の表面全体に広がる。 その結果、隔壁間隔が狭くなっても、従来の 蛍光体と比べて、放電で生じた電子が、隔壁 へドリフトして、消滅せず、逆に電子を増や すことができる。したがって、電子の増加に より、放電電圧が低下し、更に高濃度のXeを 率よく励起することができる。これにより 147、172nmの波長を有する紫外線の発生確率 増大して、輝度向上につながると考えられ 。
このように、本実施形態によれば、蛍光 粒子は、表面から深さDが20nmまでの範囲の 域において、Al、Mg、Ca、Ba、SrおよびYのうち 少なくとも1つの元素が拡散した改質層を備 ている。この改質層は、イオン欠陥や格子 陥が低減しているため、イオン衝撃に耐え 結晶構造に乱れが生じにくい。その結果、 度劣化が抑えられる。また、Al、Mg、Ca、Ba、 SrおよびYのうち少なくとも1つの元素は改質 内において、酸素とイオン結合しており、 子を放出しやすい。このため、放電電圧を 下させたり、隔壁間隔が狭くなることに起 するドリフトにより電子の消滅を補い、輝 を向上させることができる。したがって、 ネル駆動時の蛍光体の輝度劣化を防止する とができ、色むらや画面の焼きつきのない 長寿命で低消費電力のフルスペックハイビ ョンなどの高精細プラズマ表示装置を得る とができる。
次に蛍光体粒子17およびプラズマ表示装 50の製造方法を説明する。
まず図3を参照しながら蛍光体粒子17の製 方法を説明する。図3に示すように、まず、 蛍光体材料からなる蛍光体粒子を用意する( テップS10)。蛍光体材料としては、上述した 知の組成を有する材料を用いることができ 。蛍光体材料を構成する原料粉末を配合、 合し、焼成することによって、蛍光体材料 らなり、単結晶構造の蛍光体粒子を用意す 。
次に、Al、Mg、Ca、Ba、Sr、Yのうち少なく も一種類以上などの元素を含む非水溶性の 機金属化合物を含む溶液を用意し、蛍光体 子を浸漬する(ステップS11)。
非水溶性有機金属化合物(有機金属錯体) しては、飽和カルボン酸金属塩、特に飽和 肪酸の金属塩(ナフテン酸、オクチル酸、ス アリン酸、ラウリン酸、カプロン酸等の金 塩)、および、不飽和カルボン酸金属塩(メ クリル酸、アクリル酸等の金属塩)などのカ ボン酸金属塩、アセチルアセトン金属塩、 タロセン化合物、β-ジケトン類を用いるこ が好ましい。これらの非水溶性有機金属化 物は、有機溶媒(非水性溶媒)に溶解する。 機溶媒としては、酢酸ブチル、トルエン、 シレン、ベンゼン類などの炭化水素を用い ことが好ましい。
例えば、2-エチル-ヘキサン酸Mg塩またはAl -エチルアセトアセテート・ジイソプロピレ トを非水溶性有機金属化合物として用い、 れらをキシレンに溶解することによって、 機金属化合物を含む溶液を調製する。有機 属化合物の濃度は、例えば、0.5mol/Lである。
これらの有機金属化合物を蛍光体粒子1.0 量部に対して0.05~5.0重量部添加し、さらに 釈剤としてキシレン溶液を1.0~5.0重量部添加 た。有機金属化合物を含む溶液の望ましい 加量は0.05重量部以上3.0重量部未満であった 。
添加量が0.05重量部未満では劣化の抑制効 果が現れなかった.また3.0重量部以上では蛍 体が有機金属化合物の酸化物でコーティン され、パネルの初期の発光強度が低下した 好ましい添加量は、0.05重量部以上3.0重量部 下の範囲であった。
有機金属化合物を含む溶液に蛍光体粒子 5~10分程度浸漬した後、蛍光体粒子を含む混 合溶液をろ過し、蛍光体粒子を120℃以上180℃ 以下の温度で乾燥させ、有機溶媒であるキシ レンもしくは酢酸ブチルを除去する(ステッ S12)。これにより、有機金属化合物が付着し 蛍光体粒子を得ることができる。
その後、蛍光体粒子を大気中、500℃以上6 50℃以下の温度、より好ましくは、520℃以上6 00℃以下の温度で熱処理する(ステップS13)。 持時間は10分以上120分以下であることが好ま しい。熱分析の結果からは、有機金属化合物 は、約480℃で分解が始まる。保持時間が10分 り短い場合、有機金属化合物中のAl、Mg、Ca Ba、SrまたはYの蛍光体粒子への拡散が十分 はない。また、120分より保持時間が長いと 光体粒子の酸化による輝度や色度の変化が こりやすくなる。より好ましい保持時間は30 分以上60分以下である。このようにして、本 施形態の蛍光体粒子を得ることができる。 気中以外にも酸素分圧をコントロールして 処理を行っても問題はない。
このように、本発明による蛍光体粒子の 造方法では、Al、Mg、Ca、Ba、Sr、Yのうち少 くとも1種を非水溶性有機金属化合物として い、有機溶媒に溶解させて蛍光体粒子の表 に付着または吸着させる。このように、水 子や水酸基(-OH基)を含有しない有機金属化 物(有機金属錯体)と、水分子や水酸基(-OH基) 含有しない有機溶媒(非水性溶媒)とを混合 た溶液に、無機酸化物である蛍光体粒子を 温中で浸漬し、混合または攪拌する。これ より、蛍光体粒子表面に、Al、Mg、Ca、Ba、Sr Yが酸化しない状態で、有機金属化合物のま ま吸着させることができる。
この時、混合溶液中には、水分や水酸基( -OH基)が存在しないため、有機金属化合物(有 金属錯体)は、混合溶液中で加水分解せずに 、そのままの状態(有機金属化合物の状態)で 光体粒子表面に吸着させることができると えられる。
混合溶液中の有機溶媒を除去し、大気中 乾燥させることにより、蛍光体粒子表面に 機金属化合物が付着した蛍光体粉末を得る とができる。有機溶媒の除去方法は濾過で 良いが遠心分離等で有機溶媒を除去する方 、有機金属化合物をより均一な厚さで蛍光 粒子の表面に付着させることができる。
その後、この有機金属化合物が付着した 光体粉末を、大気中で加熱することにより 蛍光体粒子表面で有機金属化合物が熱分解 、蛍光体粒子へ拡散するとともに蛍光体粒 と化学反応が生じる。このとき、有機金属 合物が付着した蛍光体粒子の熱処理温度は 上述した範囲で行うが、有機金属化合物の 分解反応は、発熱反応であるため、蛍光体 子と有機金属化合物との界面は、局所的に 処理温度を超えているものと推定される。 のため、有機金属化合物を構成する金属元 成分が蛍光体の結晶格子内に拡散し、蛍光 粒子の表面から内部に至る20nmまでの範囲に おいて蛍光体の結晶格子を乱さずに、蛍光体 の単結晶の性質を保ったまま、蛍光体中で酸 素と結合でき、拡散した元素の濃度の高い領 域を作り出していると考えられる。
従来の、純水又はアルコール水溶液中に 散あるいは溶解させて蛍光体表面に被覆す 方法(例えば、特許文献1~5参照)では、純水 はアルコール水溶液中に分散あるいは溶解 せている時に有機金属化合物が加水分解し 金属水酸化物が蛍光体表面に付着する。水 化物が付着すると、次の熱処理工程で、脱 反応が起こり、蛍光体と付着した水酸化物 の界面では、吸熱反応が起こるため、実効 に温度が下がることなり、付着した水酸化 が、蛍光体粒子の結晶格子内へ拡散しにく 。したがって、従来の方法では、蛍光体粒 の表面を覆うように金属酸化膜が形成され のみであり、蛍光体粒子内部へ金属が拡散 にくいと考えられる。
このような理由から、上述の方法にした って、蛍光体粒子にAl、Mg、Ca、Ba、Sr、Yの ち少なくとも1種を拡散させる場合、これら 金属は、蛍光体表面において酸化物として 在しないことが好ましい。しかし、製造工 上、多少蛍光体粒子の三重点等にこれらの 化物が偏析しても、蛍光体粒子の蛍光が大 に低下しない程度であれば、特に問題はな 。
次に図1(a)および(b)を参照しながらプラズ マ表示装置50の製造方法を説明する。
1.背面パネル3の作製
まず、ガラス基板からなる支持基板11表面
膜厚が例えば数μmでありストライプ状のア
レス電極12を形成する。 電極材料としては
Ag、Al、Cr(クロム)、Cu(銅)、Pd(パラジウム)な
どの金属やこれらの組み合わせ、あるいはこ
れらの金属層を積層して形成される積層電極
も必要に応じて使用できる。
その後、アドレス電極12を覆うように支持 板11上に誘電体層13を形成する。誘電体層13 、鉛系あるいは非鉛系の低融点ガラスやSiO 2 などから形成できる。
次に、誘電体層13上に、隔壁14を形成する 。誘電体層13の上全面に低融点ガラス材料ペ ストを塗布し、焼成した後、図1(b)に示すよ うにアドレス電極12と平行な隔壁14nおよびア レス電極12と垂直な隔壁14mとによる井桁状 パターンをサンドブラスト法やフォトリソ ラフィ法などにより形成する。隔壁14により 、隣接する放電セルが互いに仕切られる。隔 壁14の間隔は、例えば、200μmである。
次に、蛍光体層15を隔壁14によって区切られ た各放電セル16内の少なくともアドレス電極1 2上に形成する。蛍光体層15は、蛍光体色ごと に蛍光体粒子とビヒクルなどからなるペース トを印刷によって塗布し、焼成することによ って形成する。ここで、ペーストに用いる蛍 光体粒子として、上述した方法によって製造 された蛍光体粒子17を用いる。赤、緑、青の3 色の蛍光体材料として、例えば、(Y、Gd)BO 3 :Eu、(Y、Gd)BO 3 :Tb、およびBaMgAl 10 O 17 :Euを用いる。AC型プラズマ表示装置用の組成 有する蛍光体材料を用いてもよい。
また、上述した方法により、Al、Mg、Ca、B a、Sr、Yを含む有機金属化合物が蛍光体粒子 表面に付着した状態で、熱処理が施されて ないものをビヒクルと混合してペーストを 製し、蛍光体層15を形成するための焼成と、 有機金属化合物の分解およびAl、Mg、Ca、Ba、S r、Yの蛍光体粒子への拡散のための熱処理と 兼ねてもよい。これにより背面パネル3が完 成する。
2.前面パネル2の作製
図1(a)に示すように、ガラス基板からなる透
明基板10上にストライプ状の走査電極5、 維
電極6を形成する。具体的には、透明基板10
に、例えば、厚さ100nm程度の、ITO、SnO 2
、ZnOなどからなる比較的低抵抗で透明な、走
査電極5および 維持電極6を形成する。図示
ていないが、走査電極5および 維持電極6の
気抵抗を下げるために、好ましくは、Ag(銀)
、Al(アルミニウム)系電極材料などにより、
さが例えば数μmであり、細線状のバス電極
走査電極5および 維持電極6上に形成する。
次に、表示電極4を覆うように透明基板10上 誘電体層7を形成する。誘電体層7は、鉛系 るいは非鉛系の低融点ガラスやSiO 2 などからなり、厚さは数μm~数十μmである。 電体層7上に、放電開始電圧をより低下させ ように、2次電子放出係数γが大きく、かつ 誘電体層7を放電時のイオン衝撃から保護す ることができるよう耐スパッタ性が高く、ま た、光学的に透明で電気絶縁性が高い、例え ばMgO(酸化マグネシウム)などの金属酸化物材 により、厚さ500nm程度の保護膜8を形成する これにより、前面パネル2が形成される。
3.パネルの張り合わせによるプラズマ表示装
50の組み立て
このようにして作製された前面パネル2と背
面パネル3は、前面パネル2の表示電極4と背面
パネル3のアドレス電極12とが直交するように
重ね合わされるとともに、パネル周縁に封着
用ガラスを介挿させる。これを例えば450℃程
度で10~20分間焼成し、高真空(例えば、1.1×10 -4
Pa)に排気したのち、放電ガス(例えば、Xe分圧
が15%以上のHe-Xe系、Ne-Xe系、Ar-Xe系、Kr-Xe系の
活性ガス)を所定の圧力で封入する。これに
よりプラズマ表示装置が完成する。
以下、本発明による蛍光体粒子およびプ ズマ表示装置を作成し、特性を評価した結 を説明する。
(実施例1)
まず、表1に示す蛍光体材料と、有機金属化
合物を用い、上述の方法に従って、蛍光体粒
子を作製した。蛍光体材料には市販の物を用
いた。有機金属化合物を溶解する溶媒には、
キシレンを用い、有機金属化合物の濃度を0.5
mol/Lになるように予め調整した。
次に、空気中で、蛍光体粉末1.0重量部に して、有機金属化合物0.2重量部、さらに希 剤としてキシレン2.0重量部を配合し、ガラ 容器中で約30分間撹拌混合した。その後、 合液を濾過し、蛍光体粒子を分離した。次 、空気中、約150℃で蛍光体を1時間保持して 燥させた後、セラミック製のサヤに乾燥し 蛍光体粒子を詰め、大気中、約600℃で10分 熱処理行った。以降この工程を蛍光体粒子 有機金属処理と呼ぶ。
まず、作製した蛍光体粒子において、有機 属中の金属がどのような状態で蛍光体粒子 で存在しているのかを調べるために、BaMgAl 10 O 17 をオクチル酸Mgで処理したサンプルA19の蛍光 粒子におけるMgの酸化状態をX線光電子分光 析法(XPSまたはESCA)により分析した。XPSは固 の表面近傍の原子の酸化状態を評価するこ ができる。
図4は、サンプルA19のXPS分析スペクトルを示 している。図5は上述の有機金属処理前の蛍 体粒子(BaMgAl 10 O 17 )を約600℃で10分熱処理した試料のXPS分析スペ クトルを示している。また、図6は、サンプ A19を作製するために用いたオクチル酸Mgのキ シレン溶液をガラス基板に塗布し、約600℃で 10分熱処理した試料のXPS分析スペクトルを示 ている。
これらのスペクトルを比較すれば明らか ように、図4に示すサンプルA19のスペクトル は、図5に示す有機金属処理を行っていない 光体粒子のスペクトルとよく一致している 、図6に示すガラス基板にオクチル酸Mgを塗 した試料のスペクトルとは異なっている。
ガラス基板にオクチル酸Mgを塗布した試 では、熱処理によって、ガラス基板表面に 化マグネシウムが生成していると考えられ 。したがって、図6のスペクトルは、酸化マ ネシウム中のマグネシウムの酸化状態を示 ている。
これに対して、図5のスペクトルは、蛍光体 粒子を構成しているBaMgAl 10 O 17 中のマグネシウムの酸化状態を示している。 したがって、サンプルA19のスペクトル(図4)が 、BaMgAl 10 O 17 中のマグネシウムの酸化状態とよく一致して いるということは、サンプルA19中に異なる酸 化状態のマグネシウムが存在せず、サンプル A19中のマグネシウムは、すべてBaMgAl 10 O 17 中のマグネシウムと同じ酸化状態にあること を示している。
つまり、サンプルA19の蛍光体粒子は、従 のMgOからなる保護層が形成された蛍光体粒 のような構造をとっておらず、有機金属処 によって蛍光体粒子表面から内部へ拡散し マグネシウムが、蛍光体粒子を構成してい マグネシウムと同じ酸化状態になっている とが分かる。これは、蛍光体粒子の結晶構 の乱れたイオン欠損や格子欠陥のサイトに クチル酸Mgに由来するマグネシウムが入り 酸素と結合することによって、蛍光体粒子 面の結晶構造の一部となることによって格 の乱れ低減し、イオン結合をより強固にし いるものと考えられる。
次に、有機金属処理を施し、作成した蛍 体粒子にイオンを衝突させることによって 性の変化を評価した。
イオンの衝突によるダメージを簡便に評 するために、Arイオンスパッタ装置を用い 蛍光体粒子に加速度電圧100VのArイオンを照 した。イオンの衝突によるダメージを評価 るため、イオン衝突前後において、蛍光体 子に真空紫外線(波長147nm)を照射した場合の 光強度、MEMによる電子密度分布、およびTEM- EDSによる元素分布のライン分析をおこなった 。
図7から図11は、表1に示すサンプルを用い て、発光強度の変化を調べた結果を示す図で ある。図7から図11において、横軸は、イオン 衝撃を受けた時間(イオンスパッタ時間)を示 、縦軸はサンプルの初期値からの輝度変化 を示している。
一般的に、イオンスパッタ時間と輝度変 との間には拡散方程式の関係が成り立ち、 パッタ時間の平方根と輝度変化率は一次関 で表せる。各図において、有機金属処理を 施していないサンプルA37の結果と比較する とにより、イオンの衝撃によってどの程度 光強度が低下するかを評価した。
表1に示す種々の有機金属化合物のうち、 Al(サンプルA1、A2、A3、A14、A23)、Mg(サンプルA8 、A19、A20)、Ba(サンプルA16、A24、A28)、Sr(サン ルA25、A29)Ca(サンプルA10、A15、A21)Y(サンプル A17)を金属元素とする有機金属化合物を用い 処理を行ったサンプルは、サンプルA37に比 て勾配が緩になっており、耐スパッタ性の 上が見られた。特に、Al(図7のサンプルA1、A2 、A3、図9のサンプルA14、図10のサンプルA23)お よびMg(図8のサンプルA8、図9のサンプルA19、 10のサンプルA20)を含む有機金属化合物を用 たサンプルは、発光強度の低下を抑制する 著な効果が見られた。
これに対し、Ni(サンプルA6、A18)、Zn(サン ルA9、A13、A22)、Mn(サンプルA11、A26)、Ti(A7)を 金属元素とする有機金属化合物を用いて処理 を行ったサンプルは、サンプルA37よりも勾配 が急であり、耐スパッタ性が低下する傾向が 見られた。
これらの結果から、有機金属化合物とし 、Al、Mg、Ca、Ba、SrおよびYを含む有機金属 合物を用いてこれらの金属を蛍光体粒子の 部へ拡散させることが好ましく、AlまたはMg 用いることがより好ましいことが分かった
図には示していないが、サンプルA31からA 36は、有機金属化合物の加水分解が急速に進 でおり、評価可能なサンプルではなかった これらのサンプルは、炭素数が少ないため 有機金属化合物が空気中で不安定であり、 水分解しやすいものと考えられる。したが て、Al、Mg、Ca、Ba、SrおよびYを含む有機金 化合物であっても、炭素数が2から12の有機 属化合物を用いる場合には、有機金属化合 の加水分解が生じ易いと考えられる。
ただし、サンプルA1は加水分解すること く、試料を作製することができたため、有 化合物の構造によっては炭素数が12程度であ っても安定な有機金属化合物も存在すると考 えられる。これらのことから、炭素数が少な くとも12以上の有機金属化合物を用いること 好ましいと考えられる。図10に示すように 炭素数が54(サンプルA23)であっても、有機金 化合物が安定な状態で蛍光体表面に均一に 着し、熱処理により蛍光体内部に均一に拡 することによって、耐スパッタ性の向上が られる。しかし、炭素鎖が長くなり過ぎる 熱処理時に炭素鎖が分解しにくくなり、蛍 体粒子内部へ金属が拡散しにくくなると考 られる。したがって、炭素数1に対する好ま しい炭素数は12から30程度の範囲内であると られる。
次に、MEMによる電子密度の解析およびTEM- EDSによる測定結果を示す。MEM解析およびTEM-ED Sについては、実施例であるサンプルA1、A19と 比較例であるサンプルA37を評価した。
図12(a)および(b)は、サンプルA1のイオンスパ ッタ前とイオンスパッタ後(30秒)のMEM解析を った電子密度分布図をそれぞれ示す。同様 図13(a)および(b)は、サンプルA19のイオンスパ ッタ前とイオンスパッタ後のMEM解析を行った 電子密度分布図であり、同様に図14(a)および( b)は、サンプルA37(比較例)のイオンスパッタ とイオンスパッタ後のMEM解析を行った電子 度分布図である。これらの図は、BaMgAl 10 O 17 :Euの(110)面での電子密度分布を示しており、B a/EuイオンおよびOイオンの位置を元素記号で している。また、図中、電位が等しい位置 線で繋がれている。つまり、等電位線が示 れており、等電位線の密度が高い領域は大 な電位差が生じている。電子密度分布は電 密度0.0e/Å~1.0e/Åの範囲で解析し、分解能 0.02e/Åである。
図12(a)、(b)および図13(a)、(b)に示されるよ うに、実施例であるサンプルA1およびA19では イオンスパッタ後(図12(b)、図13(b))のBa/Euイ ンとその周りのOイオンとの間の等電位線の 度は、イオンスパッタ前(図12(a)、図13(a))に べて減少しているが、その減少量は小さい したがって、イオンスパッタ後でもBa/Euイ ンとその周りのOイオンとのイオン結合は強 と考えられる。
これに対し、比較例のサンプルA37では、 オンスパッタ後(図14(b))のBa/Euイオンとその りのOイオンとの間の等電位線の密度は、イ オンスパッタ前(図14(a))に比べて著しく減少 ている。また、イオンスパッタ前の電子密 分布を比較すると、比較例のサンプルA37のBa /Euイオンとその周りのOイオンとの間の等電 線の密度(図14(a))は、実施例のサンプルA1、A1 9のBa/Euイオンとその周りのOイオンとの間の 電位線の密度(図12(a)、図13(a))よりも小さい
これらのことから、実施例の蛍光体粒子 は、イオンスパッタ前の状態で、発光中心 陽イオンとOイオンとの結合が強いため、イ オンスパッタ(イオン衝撃)で結晶面に希ガス オンが衝突しても構成イオンの飛散が抑え れ輝度劣化が減少すると考えられる。
次にTEM-EDSによる元素分布のライン分析結 果を示す。図15(a)および(b)はイオンスパッタ およびイオンスパッタ後の実施例のサンプ A19のTEM-EDSによるライン分析結果をそれぞれ 示している。TEMの加速電圧は200kVであり、EDS ビーム径は1nmである。同様に、図16(a)およ (b)はイオンスパッタ前およびイオンスパッ 後の実施例のサンプルA1のTEM-EDSによるライ 分析結果をそれぞれ示しており、図17(a)およ び(b)はイオンスパッタ前およびイオンスパッ タ後の比較例のサンプルA37のTEM-EDSによるラ ン分析結果をそれぞれ示している。
図15(a)、図16(a)および図17(a)において、破線d 0 は蛍光体粒子の表面の位置を示しており、破 線d 1 は、粒子表面から20nm内部の位置を示してい 。
図15(a)、(b)に示すように、サンプルA19は、 光体粒子の表面から深さ20nmまで範囲内(d 0 からd 1 )において、Mgの深さ方向の濃度分布の最大値 がある。より具体的には、表面から深さ約10n mの位置に高濃度のMgピークを持つことが観察 された。このピークは、イオンスパッタの前 後において観測されている。
これらの図から、本発明の蛍光体粒子で 、Al、Mg、Ca、Ba、SrまたはYが蛍光体粒子の 部に入り込んでおり、蛍光体粒子の表面に 着した状態にはなっていないことが分かる また、Al、Mg、Ca、Ba、SrまたはY以外の蛍光体 材料を構成する元素の分布はほぼ一定である ことが分かる。図4から図6を参照して説明し ように、内部へ拡散したMgはMgOとして存在 るのではなく、蛍光体の構成元素と反応し 結晶格子に組み込まれている。
また、図15(a)と図15(b)とで元素分布のプロ ファイルに大きな変化は見られない。このこ とから、イオンスパッタによって蛍光体粒子 を構成する元素が粒子の表面からたたき出さ れたり、削られたりしておらず、蛍光体粒子 の表面近傍において、結晶構造を維持してい ると推定される。
このように、蛍光体粒子の表面から20nmま での範囲内において、Al、Mg、Ca、Ba、Srまた Yが高濃度で存在することを示すピークが観 されるため、Al、Mg、Ca、Ba、SrまたはYの蛍 体粒子の表面から20nmまでの平均濃度は、蛍 体粒子全体のこれらの元素の平均濃度ある は、蛍光体粒子の表面から20nmよりも内部に おける平均濃度よりも大きくなっている。
一方、図16(a)および(b)に示すように、サ プルA1は、蛍光体粒子の表面から20nmのまで 範囲内において、Alの明瞭なピークが見られ ない。これは、Alイオンが、蛍光体粒子に多 に存在するため、拡散によるAlの分布が明 に識別できるピークとしては現れないため あると考えられる。しかしこの場合でも、Al の蛍光体粒子の表面から20nmまでの平均濃度 、蛍光体粒子全体の平均濃度よりも大きく っている。
また、サンプルA19と同様、図16(a)と図16(b) とで元素分布のプロファイルに大きな変化は みられない。このことから、イオンスパッタ によって蛍光体粒子を構成する元素が粒子の 表面からたたき出されたり、削られたりして おらず、蛍光体粒子の表面近傍において、結 晶構造を維持していると推定される。これは 、拡散されたAlによる効果であると考えられ 。
図17(a)および(b)に示すように、サンプルA3 7では、蛍光体粒子の表面から20nmまでの範囲 において、MgやAlの明瞭なピークは見られな い。また、図17(a)に比べ図17(b)の元素分布の ロファイルは大きくくずれている。これは イオンスパッタによって蛍光体粒子を構成 る元素が粒子の表面からたたき出されたり 削られたりしたためであると考えられる。
図18にサンプルA1、A19、A37のイオンスパッ タ前後での各元素の分布量の変化率を示す。 この変化率は表面から500nm内部における各元 のTEM-EDS強度の積分値から算出した。図18か 明らかなように、有機金属処理を実施して ないサンプルA37ではイオンスパッタ後のBa オンとEuイオンの減少が顕著であった。Arイ ンが蛍光体粒子に衝突することで、Baイオ 、Euイオンが飛散し結晶構造が乱れていると 考えられる。これらは蛍光中心であるため、 Baイオン、Euイオンの減少によって、蛍光強 も低下する。
これに対して、サンプルA1、A19ではBaイオ ン、Euイオンおよび他のイオンの減少量は少 い。すなわち、結晶構造の乱れが抑制され いると考えられる。
以上の結果から蛍光体粒子の表面に非水 性有機金属化合物に付着させ、熱処理を行 て金属を蛍光体粒子内に拡散させることに って、耐イオン衝撃(イオンスパッタ)性が 上することが分かった。また発光中心近傍 の電子密度が向上し、電子密度が高い状態 保つことができる。また、イオン衝撃によ て、結晶構造に乱れが生じ、BaイオンやEuイ ンが飛散するのを抑制することができる。
これらの結果より、有機金属処理を実施 た蛍光体粒子では結晶のイオン結合がより 固になり耐イオン衝撃が向上すると言える また、有機金属の希釈溶液への添加量が0.2 量部程度であれば、有機金属の構成元素は 光体粒子の表面にコーティング膜のように 理的に堆積するのではなく結晶粒子の内部 拡散し、蛍光体粒子を構成する結晶となっ いることが分かる。
(実施例2)
本発明による蛍光体粒子を用いたプラズマ
示装置を作製し、特性を評価した。
まず、表2に示す蛍光体材料と、有機金属 化合物を用い、上述の方法に従って、RGB各色 の蛍光体粒子を作製した。蛍光体材料には市 販の物を用いた。有機金属化合物を溶解する 溶媒には、キシレンを用い、有機金属化合物 の濃度を0.5mol/Lになるように予め調整した。
次に蛍光体粒子に有機金属処理を施した 実施例1と同様、空気中で、蛍光体粉末1.0重 量部に対して、有機金属化合物0.2重量部、さ らに希釈剤としてキシレン2.0重量部を配合し 、ガラス容器中で約30分間撹拌混合した。そ 後、混合液を濾過し、蛍光体粒子を分離し 。次に、空気中、約150℃で蛍光体を1時間保 持して乾燥させた後、セラミック製のサヤに 乾燥した蛍光体粒子を詰め、大気中、約600℃ で10分間熱処理行った。
このようにして作成された蛍光体粒子を い、上述の方法によってプラズマ表示装置 作製した。実施例のサンプルB1~B17および比 例のサンプルB18~B25の画素数は1920(水平)×1080 (垂直)であり、50インチフルスペックのハイ ジョン仕様を備えている。1セルピッチ(1隔 ピッチ)は、0.20mm(水平)とした。サンプルの 価は以下のように行った。
有機金属処理を行ったサンプル(B1からB17) と、有機金属処理を行わなかったサンプル(B2 5)及び、Al、Mg、Ca、Ba、Sr、Yのアルコキシド 使用して、加水分解処理し、蛍光体粒子の 面に酸化物をコートしたサンプル(B18-B24)に いて、放電電圧(パネルへの印加電圧を上昇 せ、全面均一に点灯する電圧)を測定した。
次に、各サンプルを最適駆動電圧180~220V 100KHzで駆動し、全白画像の条件で駆動した きの輝度を輝度計で測定し、コーティング ていない蛍光体を用いた比較例のサンプル25 の輝度との輝度比を求めた。また、各サンプ ルを最適駆動電圧180~220V、100KHzで駆動し、1000 時間後の全白画像の輝度を測定し、初期値に 対する輝度の変化率を計算した。
表2に示すように、有機金属処理を行った サンプルB1~B17は、有機金属処理を行っていな いサンプルB25や、金属アルコキシドを用い、 加水分解処理を施した比較例のサンプルB18~B2 5に比べ、放電電圧が低く、輝度が高くなっ いる。また、全白画像の輝度変化率も少な 。特に、Al、Mgを含む有機金属化合物を用い 場合に顕著な効果が見られる。
また、有機金属処理をおこなったサンプ B1~B17の中でも、有機金属化合物の種類によ て特に1000時間後の輝度変化率に差異が見ら れる。これは、金属数1に対する炭素数が多 なるほど有機金属化合物が空気中で安定で り、加水分解が起こりにくいため、酸化物 形成することなく、蛍光体粒子内へ金属が 散しやすくなり、蛍光劣化が抑制されるも と考えられる。しかし、炭素鎖が長くなり ぎると、加熱時に炭素鎖が分解しにくくな 、蛍光体粒子内へ金属が拡散しにくくなる 考えられる。したがって、金属数1に対する 素数は、12~30の範囲にあることが好ましい 見られる。
このように、蛍光体粒子の表面から深さD が20nmまでの領域において、Al、Mg、Ca、Ba、Sr よびYのうち少なくとも1つの元素を拡散さ ることにより、蛍光体粒子の表面近傍の結 構造の欠陥やイオン欠損が修復されるため 輝度の劣化を抑制することができる。また 拡散するこれらの金属は、蛍光体粒子内で 酸素とイオン結合しており、電子を放出し すい。このため、輝度が向上するとともに 放電電圧を低下させることができる。
次に、蛍光体粒子単体を用いて、蛍光体 子にイオンを衝突させることによる特性の 化を評価した。実施例1と同様、Arイオンス ッタ装置を用い、実施例のサンプルB1、サ プルB4および比較例のサンプルB25の青色蛍光 体粒子に加速電圧100VのArイオンを照射するこ とでダメージを与えたイオン衝突前後におい て、真空紫外線(波長147nmを照射した場合の発 光強度、MEMによる電子密度分布、およびTEM-ED Sによる元素分布のライン分析をおこなった その結果、実施例1の図12から図18に示す結果 と同様の測定結果が得られた。
以上の結果から、本発明による蛍光体粒 を用いたプラズマ表示装置を作製した場合 も、蛍光体粒子の表面に非水溶性有機金属 合物に付着させ、熱処理を行って金属を蛍 体粒子内に拡散させることによって、耐イ ン衝撃(イオンスパッタ)性が向上すること 分かった。また発光中心近傍での電子密度 向上し、電子密度が高い状態を保つことが きるため、放電で生じた電子が隔壁へドリ トして、消滅するのを抑制することができ 。また、電子の放出量を増加させることが きる。これにより、放電電圧が低下し、更 高濃度のXeを効率よく励起するため、結果的 に147、172nmの紫外線の発生確率増大し、輝度 上に繋がる。また、イオン衝撃によって、 晶構造に乱れが生じ、BaイオンやEuイオンが 飛散するのを抑制することができる。
したがって、プラズマ表示装置における ネルの放電電圧が低下し、輝度が向上する また、蛍光体粒子における結晶のイオン結 がより強固になり、耐イオン衝撃が向上す と言える。
(実施例3)
次に、有機金属化合物の添加濃度を検討し
結果を説明する。
実施例1では蛍光体粉末1.0重量部、有機金属 化合物0.2重量部および希釈剤としてキシレン 2.0重量部を配合して試料を調製していたが、 表3に示すように、有機金属化合物の添加量 0.05~5.0重量部の間で変化させた試料を作製し 、イオン衝撃前後での真空紫外線(波長147nm) 射時の発光強度の変化を評価した。実験に 用した蛍光体は青色蛍光体BaMgAl 10 O 17 :Eu、有機金属化合物はオクチル酸Mgを用いた
実施例1と同様、イオンの衝突によるダメ ージを簡便に評価するために、Arイオンスパ タ装置を用い、蛍光体粒子に加速度電圧100V のArイオンを照射した。図19は、表3に示すサ プルを用いて、発光強度の変化を調べて結 を示す図である。横軸は、イオン衝撃を受 た時間(イオンスパッタ時間)を示し、縦軸 サンプルの初期値からの輝度変化率を示し いる。また図20は、有機金属化合物の添加量 と発光強度の初期値との関係を示している。
図19から分かるように、有機金属化合物 添加しなかったサンプルA37に比べて、全て サンプルA19およびA38からA43は輝度変化率が さくなっており、耐イオン衝撃性の向上が られた。つまり、有機金属化合物の添加量 0.05重量部から2.0重量部の範囲である全ての ンプルで、イオン耐性特性の向上効果が見 れた。
しかし図20から分かるように、有機金属 合物の添加量が1.0重量部よりも多いと発光 度の初期値が低下する。これは、有機金属 合物の添加量が多いため、蛍光体粒子内に 散できなかった過剰な金属が蛍光体粒子の 面にとどまり、熱処理の際、酸化すること よって蛍光体粒子の表面に金属酸化物層を 成するからであると考えられる。このよう 場合でも、上述したように、イオン耐性特 の向上効果は得られる。したがって、有機 属化合物の添加量が1.0重量部よりも多く、 処理後に、蛍光体粒子の表面に金属酸化物 が形成されている場合には、適当なエッチ グ液を用い、形成された金属酸化物層を除 することによって、発光強度の初期値の低 を抑制することができる。これにより、初 の発光強度も強く、耐イオン衝撃性が向上 た蛍光体粒子を得ることができる。
MEM解析によって、サンプルA38、A41の電子 度分布を解析した結果、実施例1と同様に発 光中心近傍での電子密度が高く保たれている ことが確認できた。
図21は、サンプルA38のTEM-EDSライン分析結 を示している。図21から明らかなように、 光体粒子の表面から20nmの範囲にMgの濃度分 の最大値が見られる。
(実施例4)
サンプルA1およびA19の調製に使用したAlエチ
ルアセトアセテート・ジイソプロピレートお
よびオクチル酸Mgを用いて、別の蛍光体の評
を行った。使用した蛍光体と有機金属化合
との組み合わせを表4に示す。
表4に示すように、市販の(Y、Gd)BO 3 :Tb、LaPO 4 :Ce,Tb、BaMg 2 Al 14 O 24 :Eu,Mn、Zn 2 SiO 4 :Mn系の緑色蛍光体、YBO 3 :Eu、(Y,Gd)BO 3 :Eu系の赤色蛍光体を用いて同様の実験を行っ た。具体的には、実施例1と同様にして、表4 示す蛍光体材料と有機金属化合物との組み わせによって試料を作成し、イオン衝撃前 での真空紫外線(波長147nm)照射時の発光強度 の変化を評価した。図22は、表3に示すサンプ ルA44、A45、A46および比較例であるサンプルA51 ,A52,A53について発光強度の変化を測定した結 を示している。
実施例1と同様、有機金属処理を実施した サンプルA44、A45、A46では、有機金属処理を行 わなかったサンプルA51、A52、A53に比べて、輝 度変化率の傾きが小さくなっており、耐イオ ン衝撃性が向上していることが確認できた。
一方、同じ緑色蛍光体である、Zn 2 SiO 4 :Mn系のサンプルA47、A48については、輝度変化 率の傾きがサンプルA54に比べてあまり小さく ならず、耐イオン衝撃性の向上の効果が小さ かった。これは、Zn 2 SiO 4 :Mn系の蛍光体がもともと完全な結晶状態にあ っても耐イオン衝撃性が弱いからであると考 えられる。SEM等で解析した結果、有機金属処 理の有無に関わらず、イオンスパッタ後の蛍 光体表面にはアモルファス状の蛍光体層が形 成されていた。このアモルファス状の蛍光体 層が紫外線を遮断するものと考えられる。
また、赤色蛍光体であるサンプルA49、A50 は、輝度変化率の傾きがサンプルA55、A56に べて少し小さくなった。これは、赤色蛍光 が、他の青色や緑色の蛍光体に比べ、高い 晶性を備えており、もともと耐イオン衝撃 が高いことにより、有機金属処理による効 が小さいからであると考えられる。ただし 耐イオン衝撃性が低下することもなかった
以上の結果から、緑色および赤色蛍光体 対して有機金属処理をおこなっても効果に 少の差異はあるものの、耐イオン衝撃性が 上することが分かった。ただし、緑色およ 赤色蛍光体については、組成によって耐イ ン衝撃性の向上の程度に差があることも分 った。
(実施例5)
実施例2と同様、本発明による蛍光体粒子を
用いたプラズマ表示装置を作製し、有機金属
化合物の添加濃度を検討した結果を説明する
。
上述の実施例2では蛍光体粒子を1.0重量部 、有機金属化合物を0.2重量部、さらに希釈剤 としてキシレンを2.0重量部配合していたが、 有機金属化合物の添加量を0.05~5.0重量部の間 変化させ、パネルを実施例2と同様にして作 製した。作製したパネルの放電電圧、駆動電 圧185V、100KHzで駆動したときの全白画像の輝 、および、この条件で1000時間駆動した時の 白画像の輝度変化率を評価した。その結果 表5に示す。
実験に使用した蛍光体は、青色蛍光体BaMgAl 10 O 17 :Eu、緑色蛍光体(Y、Gd)BO 3 :Tb、赤色蛍光体(Y、Gd)BO 3 :Euであり、有機金属化合物はオクチル酸Mgを いた。サンプルB26からB35を作成した。
表5より全白画像の輝度変化率(1000時間後 輝度比)から評価すると0.05~5.0重量部の全範 で向上が見られた。しかし、パネルの初期 度ではサンプルB35(5.0重量部)では大きな輝 (例えばサンプルB27の値の1/2以下)の低下が見 られた。この原因は、有機金属の希釈溶液へ の添加量が1.0重量部を超えるあたりからは、 結晶格子内に入りきれない元素によって、蛍 光体表面にMgO膜がコーティングされ、真空紫 外線が蛍光体に吸収され、蛍光体の初期の発 光強度が低下することによるものと考えられ る。
ただし、このMgOのコーティング膜は、エ タキシャルな成長が見られており、そのた 、電子放出が良好であることが確認できた
以上の結果より有機金属化合物の最適量 、蛍光体1重量部に対して、0.05重量部から3. 0重量部であり、より好ましくは、0.05重量部 ら1.0重量部であると考えられる。実施例4で 説明したように、有機金属化合物の添加量が 1.0重量部以上3重量部以下であり、発光強度 初期値の低下が問題となる場合には、有機 属処理を行った後、表面に生成しているMgO らなる層をエッチングなどによって除去す ことが好ましい。
MEM分析でサンプルB27、B28の電子密度分布 解析した結果、上記したサンプルB4と同様 発光中心近傍での電子密度は高く保たれて ることを確認した。
図23(a)および(b)にサンプルB27のTEM-EDSライ 分析を示す。サンプルB4と同様に蛍光体粒 の表面から20nmの範囲に高濃度のMgピークを つことが観察された。
以上、本発明によれば、蛍光体粒子の表 に金属が拡散されていることによって、耐 オン衝撃が向上することが分かった。これ 、有機金属処理を実施した蛍光体粒子では の表面部分から内部に至り有機金属化合物 構成元素が拡散することによって、結晶の オン結合がより強固になり、耐イオン衝撃( イオンスパッタ)性が向上し、発光中心近傍 の電子密度の向上により、蛍光体粒子が励 発光しやすくなるためと考えられる。従っ 、従来の水溶液やアルコール溶液中で蛍光 表面に金属酸化物を物理的にコーティング せていた蛍光体では得られなかった特性を す。
本発明による蛍光体粒子によれば、蛍光 劣化が抑制され、高い蛍光輝度を達成する とができる。この蛍光体粒子は、種々のプ ズマ表示装置や、電界放出型ディスプレイ 好適に用いられる。
また、本発明のプラズマ表示装置は、放 電圧が低下し、輝度が向上し、輝度劣化を 止することができるため、高精細で低消費 力のプラズマ表示装置に好適に用いられる
また、本発明の蛍光体粒子は、蛍光灯や 晶表所装置のバックライトにも好適に用い れ、輝度および輝度劣化に優れた蛍光灯や ックライトを実現することができる。
