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Patent Searching and Data


Title:
LIGHT SHIELDING MEMBER FOR OPTICAL INSTRUMENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/156006
Kind Code:
A1
Abstract:
A light shielding member for an optical instrument has a reduced thickness and increased stiffness, which helps to further reduce the size and weight of high-performance single-lens reflex cameras, compact cameras, video cameras, etc. The light shielding member (3) has a base (1) constructed from at least two plastic films (11) and from an intermediate layer (12) with a curable resin placed between the at least two plastic films (11), and also has a light shielding film (2) formed on at least either surface of the base (1).

Inventors:
KATO TAKAAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/060547
Publication Date:
December 24, 2008
Filing Date:
June 09, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KIMOTO KK (JP)
KATO TAKAAKI (JP)
International Classes:
G03B9/00; B32B27/00; G03B9/02; G03B9/10
Foreign References:
JPS61129629A1986-06-17
JPS6485743A1989-03-30
JP2006138974A2006-06-01
JPH07214713A1995-08-15
JPS6488525A1989-04-03
Attorney, Agent or Firm:
TADA, Kimiko et al. (6-15Kasumigaseki 3-chome,Chiyoda-k, Tokyo 13, JP)
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Claims:
 基材と、前記基材の少なくとも片面に形成された遮光膜とからなる光学機器用遮光部材であって、
 前記基材は、プラスチックフィルムと硬化型樹脂を含む樹脂層との積層体であることを特徴とする光学機器用遮光部材。
 請求項1に記載の光学機器用遮光部材であって、
 前記基材は、少なくとも2枚のプラスチックフィルムからなり、前記樹脂層は、当該少なくとも2枚のプラスチックフィルムの間に設けられる中間層であることを特徴とする光学機器用遮光部材。
 請求項1に記載の光学機器用遮光部材であって、
 前記樹脂層の厚みが1~20μm、プラスチックフィルムの厚みが4~50μmであって、前記基材の厚みが60μm以下であることを特徴とする光学機器用遮光部材。
 請求項1に記載の光学機器用遮光部材であって、
 前記樹脂層は硬化型樹脂を50重量%以上含有し、鉛筆硬度がH以上であることを特徴とする光学機器用遮光部材。
 少なくとも2枚のプラスチックフィルムと当該少なくとも2枚のプラスチックフィルムの間に設けられる硬化型樹脂を含む中間層とからなる基材と、前記基材の少なくとも片面に形成された遮光膜とからなることを特徴とする光学機器用遮光部材。
Description:
光学機器用遮光部材

 本発明は、高性能一眼レフカメラ、コン クトカメラ、ビデオカメラ、携帯電話、プ ジェクタなどの光学機器のシャッター、絞 部材として好適に用いられる光学機器用遮 部材に関する。

 近年、高性能一眼レフカメラ、コンパク カメラ、ビデオカメラなどに対する小型化 軽量化の要求により、金属材料により形成 れていた光学機器のシャッター、絞り部材 プラスチック材料へと代わりつつある。

 このようなプラスチック材料の遮光部材 しては、基材フィルムにカーボンブラック 滑剤、微粒子を含有する遮光膜を設けた遮 性フィルムや遮光部材が知られている(特許 文献1、特許文献2)。

特開平9-274218号公報(特許請求の範囲)

WO2006/016555号公報(背景技術)

 しかしながら、高性能一眼レフカメラ、 ンパクトカメラ、ビデオカメラなどの更な 小型化、軽量化を図るために遮光部材の薄 化が求められるが、上述のような遮光部材 おいて、単に基材フィルムや遮光膜を薄型 すると、遮光部材自体の腰が弱くなり、シ ッター、絞り部材として使用できなくなっ しまうといった問題があった。

 そこで本発明は、厚みを薄くしつつ腰が い光学機器用遮光部材を提供することを目 とする。

 上述の課題を解決するため本発明の光学 器用遮光部材は、遮光膜が形成される基材 して、プラスチックフィルムと硬化型樹脂 含む樹脂層との積層体を用いたことを特徴 する。

 本発明の光学機器用遮光部材は、好適には 基材が、少なくとも2枚のプラスチックフィ ルムからなり、樹脂層は、当該少なくとも2 のプラスチックフィルムの間に設けられる 間層である。
 また本発明の光学機器用遮光部材は、好適 は、樹脂層の厚みが1~20μm、プラスチックフ ィルムの厚みが4~50μmであって、基材の厚み 60μm以下である。
 また本発明の光学機器用遮光部材は、好適 は、樹脂層が硬化型樹脂を50重量%以上含有 、鉛筆硬度がH以上である。

 本発明によれば、遮光膜が形成される基 として、プラスチックフィルムと硬化型樹 を含む樹脂層との積層体を用いることによ 、中間層により遮光部材の腰を調節するこ ができるため、基材の厚みを薄くしても、 光部材として必要な腰を維持した光学機器 遮光部材が得られる。特に、少なくとも2枚 のプラスチックフィルムの間に中間層が設け られた基材を用いることにより、同じ厚みの 1枚のフィルムに比べ、衝撃が緩和されるた 、抜き加工適性が向上する。このような遮 部材は、高性能一眼レフカメラ、コンパク カメラ、ビデオカメラ、携帯電話、プロジ クタなどに好適に用いることができる。

 以下、本発明の光学機器用遮光部材(以下 、「遮光部材」という場合もある)の実施の 態について説明する。

 本発明の遮光部材は、基本的な構成とし 基材と遮光膜とからなり、基材は、プラス ックフィルムと硬化樹脂からなる樹脂層と 積層体からなる。プラスチックフィルムと 脂層との積層体は、種々の構成が可能であ 。例えば、1)1枚のプラスチックフィルムの 面又は両面に樹脂層を設ける、2)2枚のプラ チックフィルムの間に樹脂層を中間層とし 設ける、3)上記1)及び/又は2)の積層体を更に 積層する、などの構成を取りうる。具体的に は、2枚のプラスチックフィルムで中間層を み込み、さらに、もう一枚のプラスチック ィルムを中間層や、接着層で貼り合せる構 などがある。これらのうち、遮光膜との接 性などの観点から、少なくとも2枚のプラス ックフィルムの間に中間層として硬化樹脂 らなる層を設けることが好適である。

 図1及び図2に、2枚のプラスチックフィル 11、11の間に中間層12を設けた基材1の両面に 遮光膜2を形成した遮光部材3の例を示す。図2 中、13は接着層である。

 以下、遮光部材の各構成要素について詳述 る。
 基材を構成するプラスチックフィルムとし は、ポリエステル、ABS(アクリロニトリル- タジエン-スチレン)、ポリスチレン、ポリカ ーボネート、アクリル、ポリオレフィン、セ ルロース樹脂、ポリスルホン、ポリフェニレ ンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリ エーテルエーテルケトン、ポリイミドなどの 合成樹脂フィルムを用いることができる。そ の中でもポリエステルフィルムが好適に用い られ、延伸加工、特に二軸延伸加工されたポ リエステルフィルムが機械的強度、寸法安定 性に優れ、さらに腰が強いため特に好ましい 。このようなプラスチックフィルムの厚みは 、4~50μmが好ましく、特に薄型化の観点から 4~20μmがより好ましい。

 また、プラスチックフィルムは、透明なも はもちろん、発泡ポリエステルフィルムや カーボンブラックなどの黒色顔料や他の顔 を含有させた合成樹脂フィルムを使用する ともできる。この場合、上述のプラスチッ フィルムは、それぞれの用途により適切な のを選択することができる。例えば、遮光 材として使用する際に、部材断面の合成樹 フィルム部分においてレンズなどで集光さ た光が反射し悪影響を及ぼすため、高い遮 性が必要な場合には、カーボンブラックな の黒色顔料含有の合成樹脂フィルムを使用 ることができ、他の場合においては、透明 しくは発泡した合成樹脂フィルムを使用す ことができる。
 2枚以上のプラスチックフィルムを用いる場 合には、同種のものを用いてもよいし、異な るものを組み合わせてもよい。

 上述したプラスチックフィルムに積層され 硬化型樹脂を含む層、あるいは2枚のプラス チックフィルムの間に設けられる硬化型樹脂 を含む中間層は、熱硬化型樹脂及び/又は電 放射線硬化型樹脂からなるものである。以 、硬化型樹脂を含む層が設けられる位置に わりなく中間層として説明する。
 熱硬化型樹脂及び/又は電離放射線硬化型樹 脂としては、ポリエステル系樹脂、アクリル 系樹脂、アクリルウレタン系樹脂、ウレタン 系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート 系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂 、シリコーン系樹脂、ポリエステルアクリレ ート系樹脂、ポリウレタンアクリレート系樹 脂、エポキシアクリレート系樹脂などのアク リレート系樹脂など熱や電離放射線により硬 化膜を形成することができる樹脂を用いるこ とができ、常温硬化型樹脂も用いることがで きる。中でも硬度に優れる電離放射線硬化型 樹脂を用いることが、遮光部材としたときの 腰を強くすることができるため好ましい。ま た、これらの1種又は2種以上を混合して用い こともできる。

 このような中間層は、遮光部材の腰を調 する機能を有するものである。本発明にお ては、中間層は硬化型樹脂を含むものであ が、中間層が硬化しすぎて遮光部材の可撓 を損なうことがないよう、比較的可撓性の る樹脂を混合することも可能である。この うな可撓性を付与するための樹脂としては 熱可塑性樹脂を用いることもでき、ガラス 移温度が低い樹脂や、高分子の主鎖が長い 脂を用いることができる。可撓性のある樹 を含む場合でも必要な腰を得るために、硬 型樹脂は全樹脂成分に対して、好ましくは5 0重量%以上、70重量%以上がより好ましい。ま 、硬化させたときの鉛筆硬度(JIS K5600-5-4:199 9)がH以上、より好ましくは2H以上となる中間 が好ましい。

 中間層の厚みは、1~20μmが好ましく、2~10μ mであることがより好ましく、4~8μmであるこ がさらに好ましい。1μm以上とすることによ 遮光部材の腰を強くすることができ、20μm 下とすることにより、型抜き加工時に中間 の端部が割れたり、中間層とプラスチック ィルムとの界面が剥がれたりすることを防 することができ、遮光部材の薄型化を図る とができる。

 中間層を少なくとも2枚のプラスチックフ ィルムの間に設けて基材とする場合には、図 1に示したように、接着層等を介在させるこ なく中間層12だけでプラスチックフィルム11 貼り合せることも、図2に示したように、プ ラスチックフィルム11との間に接着層13を設 て、中間層12とプラスチックフィルム11とを り合せることもできる。例えば、中間層と て電離放射線硬化型樹脂を用いた場合や溶 蒸発工程と硬化工程とを別個に行なうこと 可能な熱硬化型樹脂(例えば、硬化剤として ブロックイソシアネータを用いた熱硬化型樹 脂)を用いた場合には、一方のプラスチック ィルムに塗工した硬化型樹脂を硬化する前 他方のプラスチックフィルムと貼りあわせ 後、電離放射線照射等の硬化工程を行いプ スチックフィルムと接着させることも可能 ある。また一方のプラスチックフィルムに 化型樹脂の層を形成するとともに、他方の ラスチックフィルムに接着層を設けて両者 接着させることができる。

 接着層に用いられる接着剤としては、天 ゴム系、再生ゴム系、クロロプレンゴム系 ニトリルゴム系、スチレン・ブタジエン系 エポキシ系、ウレタン系、ポリエステル系 アクリル系、アクリレート系化合物などか なる感圧接着剤、ホットメルト接着剤、電 放射線硬化型接着剤などがあげられる。

 接着層の厚みは、1~10μmが好ましく、2~5μm であることがより好ましい。1μm以上とする とにより型抜き加工時に接着層の端部が割 たり、接着層とプラスチックフィルムとの 面が剥がれたりすることを防止することが き、10μm以下とすることにより、接着層の影 響を受けることなく遮光部材の腰を強くする ことができ、また、遮光部材の薄型化を図る ことができる。

 プラスチックフィルム及び中間層からな 基材全体の厚みとしては、9~100μm、特に薄 化の観点から9~60μmが好ましく、さらに好ま くは、9~25μmである。さらに機械的強度の観 点から上述した範囲のうち10μm以上が好まし 。本発明では、プラスチックと硬化型樹脂 層の積層体を基材とするため、プラスチッ フィルムだけでは充分ではなかった腰を強 することができ、遮光部材の使用用途であ シャッターや絞り部材として使用できるよ になる。また、腰を強くすることによって シャッターや絞り部材として抜き加工を行 際に遮光部材がたわみにくいため、抜き加 での不良を少なくすることができる。

 特に、少なくとも2枚のプラスチックフィ ルムを上述した中間層を介して貼り合せて基 材とした場合には、光学機器用遮光部材とし たときに、必要な腰を得ることができ、また 、一枚のプラスチックフィルム上に硬化型樹 脂膜を形成したときに起こりやすい、基材が カールしてしまうといった問題が生じること がない。

 遮光膜は、上述した積層体からなる基材 少なくとも片面に形成されるもので、バイ ダー樹脂、カーボンブラック、微粒子を含 する。

 バインダー樹脂としては、ポリ(メタ)ア リル酸系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ 酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、 リビニルブチラール系樹脂、セルロース系 脂、ポリスチレン/ポリブタジエン樹脂、ポ ウレタン系樹脂、アルキド樹脂、アクリル 樹脂、不飽和ポリエステル系樹脂、エポキ エステル系樹脂、エポキシ系樹脂、エポキ アクリレート系樹脂、ウレタンアクリレー 系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂 ポリエーテルアクリレート系樹脂、フェノ ル系樹脂、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、 アリルフタレート系樹脂などの熱可塑性樹 または熱硬化型樹脂があげられ、これらの1 種又は2種以上を混合して用いることもでき 。

 バインダー樹脂の含有率は、遮光膜中50~8 0重量%が好ましく、55~75重量%とすることがよ 好ましい。バインダー樹脂を50重量%以上と ることにより、基材と遮光膜との接着性が 下するのを防止することができ、80重量%以 とすることにより、遮光性、摺動性、艶消 性などの遮光膜の物性が低下するのを防止 ることができる。

 カーボンブラックは、遮光膜を黒色に着 し遮光性を付与すると共に、導電性を付与 静電気による帯電を防止するための役割を つものである。このようなカーボンブラッ の平均粒径は、充分な遮光性を得るため1μm 以下が好ましく、0.5μm以下とすることがさら に好ましい。

 カーボンブラックの含有率は、遮光膜中5 ~20重量%が好ましく、10~20重量%とすることが り好ましい。カーボンブラックを5重量%以上 とすることにより、遮光性及び導電性を付与 することができ、20重量%以下とすることによ り、接着性や耐擦傷性、塗膜強度の低下を防 止することができ、またコスト高となるのを 防止することができる。

 遮光膜に含有される微粒子は、表面に微 な凹凸を形成させることで遮光部材表面に 射する光の反射を少なくし、表面の光沢度( 鏡面光沢度)を低下させ、遮光部材とした際 艶消し性を向上させるためのものである。

 このような微粒子としては、架橋アクリ ビーズなどの有機系、シリカ、メタケイ酸 ルミン酸マグネシウム、酸化チタンなどの 機系いずれのものも用いることができ、そ 中でも無機系のものがつや消し効果が高い め好ましく、特に、微粒子の分散性・低コ トなどの観点からシリカを用いることが好 しい。また、これらの1種又は2種以上を混 して用いることもできる。

 微粒子の平均粒径は、1~10μmが好ましく、 1~6μmとすることがより好ましい。このような 範囲とすることにより、遮光部材の表面に微 細な凹凸が形成され、艶消し性が得られるた めである。

 微粒子の含有率は、遮光膜中1~10重量%が ましく、1~5重量%とすることがより好ましい 微粒子を1重量%以上とすることにより、表 の光沢度(鏡面光沢度)が増加して艶消し性が 低下するのを防止することができ、10重量%以 下とすることにより、遮光部材の摺動による 微粒子の脱落が生じたり、摺動性の低下を招 くことを防止することができる。

 また、遮光膜中には、バインダー樹脂、 ーボンブラック、微粒子のほかに、滑剤を 有させることが好ましい。滑剤を含有させ ことにより、遮光部材の表面の摺動性を向 させ、シャッターや絞り部材などに加工し 際、作動時の摩擦抵抗を小さくすると共に 表面の耐擦傷性を向上させることができる このようなものとしては、固体状のもので れば有機系、無機系いずれのものも用いる とができ、例えば、ポリエチレンワックス パラフィンワックスなどの炭化水素系滑剤 ステアリン酸、12-ヒドロキシステアリン酸 どの脂肪酸系滑剤、オレイン酸アミド、エ カ酸アミドなどのアミド系滑剤、ステアリ 酸モノグリセリドなどのエステル系滑剤、 ルコール系滑剤、金属石鹸、滑石、二硫化 リブデンなどの固体潤滑剤、シリコーン樹 粒子、ポリテトラフッ化エチレンワックス どのフッ素樹脂粒子、架橋ポリメチルメタ リレート粒子、架橋ポリスチレン粒子など あげられるが、特に有機系のものが好まし 用いられる。また、これらの1種又は2種以 を混合して用いることもできる。

 このような滑剤は、粒子状のものが好ま く、平均粒径は、3~20μmが好ましく、5~10μm することがより好ましい。このような範囲 するのは、表面に適切な凹凸が形成され、 動性が得られるためである。

 滑剤の含有率は、遮光膜中5~20重量%が好 しく、10~20重量%とすることがより好ましい 滑剤を5重量%以上とすることにより、表面に 適切な凹凸が形成され摺動性を得ることがで き、20重量%以下とすることにより、カーボン ブラックの相対的含有量を高くすることがで き、遮光性及び導電性が低下するのを防止す ることができる。

 本発明の遮光膜は、本発明の機能を損な ない場合であれば、難燃剤、抗菌剤、防か 剤、酸化防止剤、可塑剤、レベリング剤、 動調整剤、消泡剤、分散剤などの種々の添 剤を含有させることができる。

 遮光膜の厚みは、5~30μmが好ましく、5~20μ mとすることがより好ましい。5μm以上とする とにより、遮光膜にピンホールなどが発生 て遮光性が低下することを防止することが き、充分な遮光性を得ることができる。ま 、30μm以下とすることにより、遮光膜に割 が発生して遮光性が低下することや、遮光 が基材から脱落することを防止することが きる。

 このような遮光部材を構成する中間層や 光膜は、樹脂などを適当な溶媒に溶解させ 塗布液を、公知の塗工法により塗布し、乾 ・硬化させて形成することができる。

 また、プラスチックフィルムと中間層や 光膜との接着を向上させるため、必要に応 てアンカー処理やコロナ処理などを行うこ もできる。

 以上のように、本発明の光学機器用遮光 材は、遮光膜を形成するための基材として プラスチックフィルムと硬化型樹脂を含む の積層体を用いていることから、薄型にし も腰の低下を抑えることができるため、高 能一眼レフカメラ、コンパクトカメラ、ビ オカメラ、携帯電話、プロジェクタなどの 学機器のシャッター、絞り部材として好適 用いることができる。

 以下、実施例により本発明を更に説明す 。なお、「部」、「%」は特に示さない限り 、重量基準とする。

[実施例1]
 厚み6μmのポリエステルフィルム(K200:三菱化 学ポリエステル社)の一方の面に下記中間層 塗布液を塗布・乾燥し、厚み5μmの中間層を 成し、中間層面に厚み6μmのポリエステルフ ィルムを貼り合せ、紫外線を照射して厚み17 mの基材を作製した。中間層の鉛筆硬度(JIS K 5600-5-4:1999)は、2Hであった。

<中間層用塗布液>
・電離放射線硬化型樹脂        5部
(ビームセット575:荒川化学工業社)
・希釈溶剤             20部

 次いで、作製された基材両面に、下記遮 膜用塗布液を塗布・乾燥し、厚み10μmの遮 膜を形成し、実施例1の光学機器用遮光部材 作製した。

<遮光膜用塗布液>
・アクリルポリオール        92部
(アクリディックA804:大日本インキ化学工業社 、固形分:50%)
・イソシアネート          25部
(バーノックDN980:大日本インキ化学工業社、 形分:75%)
・カーボンブラック       16.3部
(バルカンXC-72:キャボット社)
・微粒子             2.6部
(シリカTS100:デグサ社、平均粒径4μm)
・滑剤             16.3部
(セリダスト3620:ヘキスト社、平均粒径8.5μm)
・希釈溶剤            100部

[実施例2]
 厚み6μmのポリエステルフィルム(K200:三菱化 学ポリエステル社)の一方の面に下記中間層 塗布液を塗布・乾燥し、厚み5μmの中間層を 成し、中間層面に、下記接着層用塗布液を み1μmとなるように塗布・乾燥した。次いで 、接着層面に厚み6μmのポリエステルフィル を貼り合せ厚み18μmの基材を作製した。次い で、作製された基材の両面に、実施例1と同 の遮光膜を形成し、実施例2の光学機器用遮 部材を作製した。中間層の鉛筆硬度(JIS K560 0-5-4:1999)は、Hであった。

<中間層用塗布液>
・熱硬化型樹脂           10部
(アクリディックA817:大日本インキ化学工業社 、固形分:50%)
・イソシアネート         2.4部
(タケネートD110N:大日本インキ化学工業社、 形分:60%)
・希釈溶剤           14.3部

<接着層用塗布液>
・フルエーテル化メラミン     7.5部
(ニカラックMW-30M:三和ケミカル社)
・ポリエステル樹脂       50.0部
(バイロン55SS:東洋紡績社、固形分35%)
・希釈溶剤           42.5部

[実施例3]
 中間層の厚みを10μmとし、それ以外は実施 1と同様にして実施例3の光学機器用遮光部材 を作製した。

[比較例1]
 基材を厚み12μmのポリエステルフィルム(H100 :三菱化学ポリエステル社)に変更し、基材の 面に、実施例1と同様の遮光膜を形成し、比 較例1の光学機器用遮光部材を作製した。

[比較例2]
 厚み6μmのポリエステルフィルム(K200:三菱化 学ポリエステル社)の一方の面に下記中間層 塗布液を塗布・乾燥し、厚み1μmの中間層を 成した。次いで、中間層面に厚み12μmのポ エステルフィルム(H100:三菱化学ポリエステ 社)を貼り合せ厚み19μmの基材を作製した。 いで、作製された基材の両面に、実施例1と 様の遮光膜を形成し、比較例2の光学機器用 遮光部材を作製した。中間層の鉛筆硬度(JIS  K5600-5-4:1999)は、3Bであった。

<中間層用塗布液>
・ポリエステル樹脂       50.0部
(バイロン55SS:東洋紡績社、固形分35%)
・希釈溶剤           50.0部

[比較例3]
 基材を厚み25μmのポリエステルフィルム(T100 :三菱化学ポリエステル社)に変更し、基材の 面に、実施例1と同様の遮光膜を形成し、比 較例3の光学機器用遮光部材を作製した。

 実施例および比較例の遮光部材の腰の強さ 以下のような方法で評価した。
 図3に示すように、長さ12.5cm、幅2.5cmの大き のサンプル片Sを用意し、その一部(長さ1cm 幅2.5cmの部分)を台Tに固定し、残りの部分が れ下がるように設置し、サンプル片を固定 た台Tの端部から下ろした垂線Lと、垂れ下 ったサンプル片端部との距離Dを測定した。 の距離Dが、1cm未満のものを×、1cm以上3cm未 のものを○、3cm以上のものを◎とした。結 を表1に示す。
 表に示す結果からも明らかなように、実施 1、2の光学機器用遮光部材は、中間層とし 硬化型樹脂層が設けられているため、比較 3の光学機器用遮光部材と比較して、薄いも であるが同等の腰があり、加工時の作業性 優れるものであった。また実施例3の光学機 器用遮光部材は、厚みは比較例3の光学機器 遮光部材より若干薄い程度であるが、腰の さは比較例3よりも優れていた。また実施例1 及び3の光学機器用遮光部材は、硬化型樹脂 して電離放射線硬化型樹脂を用いているた 接着層を必要とせず、薄型で十分な腰を得 れるものであった。さらに、中間層が2枚の ラスチックフィルムで挟まれているため、 面性も良好であった。また、実施例1~3の光 機器用遮光部材は、適度な腰があるため、 要な接触部分がなくシャッターや絞り部材 して摺動性に優れるものであった。

 一方、比較例1の光学機器用遮光部材は、 腰がなく、加工時の作業性に劣るものであり 、シャッターや絞り部材としたときに接触部 分が多く摺動性に劣るものであった。

 比較例2の光学機器用遮光部材は、中間層 として硬化型樹脂を用いないものである。実 施例1、2の光学機器用遮光部材より厚みが厚 ものであるが、腰がなく、加工時の作業性 劣るものであり、シャッターや絞り部材と たときに接触部分が多く摺動性に劣るもの あった。

 比較例3の光学機器用遮光部材は、基材と して厚み25μmのフィルムを用いているため、 施例1、2と同程度の腰の強さがあるものの 厚みが実施例1、2の光学機器用遮光部材と比 べて厚く薄型の用途には適さないものであっ た。

本発明の光学機器用遮光部材の一実施 を示す断面図。 本発明の光学機器用遮光部材の他の実 例を示す断面図。 実施例の光学機器用遮光部材の評価方 を説明する図

符号の説明

1・・・基材
11・・プラスチックフィルム
12・・中間層
13・・接着層
2・・・遮光膜
3・・・光学機器用遮光部材