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Patent Searching and Data


Title:
LIGHT-TRANSMITTING ELECTROMAGNETIC SHIELDING MATERIAL, METHOD FOR PRODUCING THE SAME, AND FINE PARTICLE HAVING ULTRATHIN FILM OF NOBLE METAL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/108400
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for quickly producing a light-transmitting electromagnetic shielding material which is excellent in light transmittance, electromagnetic shielding performance, appearance and visibility, while having a high-precision mesh pattern. Specifically disclosed is a method for producing a light-transmitting electromagnetic shielding material, which comprises a step for forming a mesh-like pretreatment layer on a transparent substrate by printing an electroless plating pretreatment agent, which contains a fine particle having an ultrathin film of a noble metal on the surface, on the transparent substrate in a mesh-like pattern, and a step for forming a mesh-like metal conductive layer on the pretreatment layer by electroless plating.

Inventors:
KOTSUBO HIDEFUMI (JP)
FUNAKI TATSUYA (JP)
SASAKI KIYOMI (JP)
HANZAWA KENTARO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/053940
Publication Date:
September 12, 2008
Filing Date:
March 05, 2008
Export Citation:
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Assignee:
BRIDGESTONE CORP (JP)
KOTSUBO HIDEFUMI (JP)
FUNAKI TATSUYA (JP)
SASAKI KIYOMI (JP)
HANZAWA KENTARO (JP)
International Classes:
H05K9/00; B32B15/08; E04B1/92; G09F9/00
Foreign References:
JPS6318096A1988-01-25
JP2005150367A2005-06-09
JP2002170429A2002-06-14
JP2005213576A2005-08-11
JPH11170420A1999-06-29
JPH0317987B21991-03-11
JPH0317988B21991-03-11
JP3241348B22001-12-25
JP3425400B22003-07-14
JP3544498B22004-07-21
JP3532146B22004-05-31
JP3363083B22003-01-07
CU5100A
Other References:
See also references of EP 2120525A4
Attorney, Agent or Firm:
ETOH, Toshiaki (9F8-18, Kyobashi 2-chom, Chuo-ku Tokyo 31, JP)
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Claims:
 表面に貴金属の極薄膜を有する微粒子を含む無電解めっき前処理剤を、透明基板上にメッシュ状に印刷することにより、透明基板上にメッシュ状の前処理層を形成する工程、及び
 前処理層上に、無電解めっき処理によりメッシュ状の金属導電層を形成する工程、
を含む光透過性電磁波シールド材の製造方法。
 貴金属の極薄膜の膜厚が10~100nmの範囲にある請求項1に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
 貴金属の極薄膜が貴金属の単分子膜を含む請求項1又は2に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
 微粒子が、有機樹脂微粒子である請求項1~3のいずれか1項に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
 有機樹脂微粒子が、フェノール樹脂、アミノ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン/ジビニルベンゼン共重合体、アクリル樹脂又はスチレン/(メタ)アクリレート共重合体の微粒子である請求項4に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
 有機樹脂微粒子の有機樹脂が架橋されている請求項4又は5に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
 微粒子の平均粒径が、0.05~3μmの範囲にある請求項1~6のいずれか1項に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法
 前処理剤が、さらに合成樹脂を含む請求項1~7のいずれか1項に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
 貴金属が、パラジウム、銀、白金、及び金よりなる群から選択される少なくとも一種の金属である請求項1~8のいずれか1項に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
 表面に貴金属の極薄膜を有する微粒子が、微粒子を、貴金属塩化物及びスズ塩化物を含む溶液で処理し、次いで還元処理することにより得られる請求項1~9のいずれか1項に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
 表面に貴金属の極薄膜を有する微粒子が、微粒子を、シランカップリング剤とアゾール系化合物との混合物又は反応生成物、及び貴金属化合物を含む溶液で処理することにより得られる請求項1~9のいずれか1項に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
 シランカップリング剤が、エポキシ基含有シラン化合物である請求項11に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
 アゾール系化合物が、イミダゾールである請求項11又は12に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
 無電解めっき前処理剤を透明基板上にメッシュ状に印刷した後、80~160℃で乾燥させる請求項1~13のいずれか1項に記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
 無電解めっきのめっき金属が、銀、銅、又はアルミニウムである請求項1~14のいずれかに記載の光透過性電磁波シールド材の製造方法。
 透明基板、この透明基板上に設けられたメッシュ状の前処理層、前処理層上に設けられたメッシュ状の金属導電層を有し、
 前処理層が、表面に貴金属の極薄膜を有する微粒子を含んでいることを特徴とする光透過性電磁波シールド材。
 貴金属の極薄膜の膜厚が10~100nmの範囲にある請求項16に記載の光透過性電磁波シールド材。
 微粒子が、有機樹脂微粒子である請求項16又は17に記載の光透過性電磁波シールド材。
 表面に貴金属の極薄膜を有する微粒子。
 微粒子が有機樹脂微粒子である請求項19に記載の微粒子。
Description:
光透過性電磁波シールド材及び の製造方法、並びに貴金属の極薄膜を有す 微粒子

 本発明は、プラズマディスプレイパネル( PDP)の前面フィルタや、病院などの電磁波シ ルドを必要とする建築物の窓に用いられ得 貼着用シート等として有用な光透過性電磁 シールド材の製造方法、この製造方法によ 有利に製造される光透過性電磁波シールド 、及びこの光透過性電磁波シールド材の製 に有利に使用される貴金属の極薄膜を有す 微粒子に関する。

 近年、OA機器や通信機器等の普及にとも い、これらの機器から発生する電磁波によ もたらされる人体への影響が懸念されてい 。また、携帯電話等の電磁波により精密機 の誤作動などを起こす場合もあり、電磁波 問題視されている。

 そこで、OA機器のPDPの前面フィルタとし 、電磁波シールド性及び光透過性を有する 透過性電磁波シールド材が開発され、実用 供されている。このような光透過性電磁波 ールド材はまた、電磁波から精密機器を保 するために、病院や研究室等の精密機器設 場所の窓材としても利用されている。

 この光透過性電磁波シールド材では、光 過性と電磁波シールド性を両立することが 要である。そのために、光透過性電磁波シ ルド材には、例えば、(1)透明基板の一方の に、金属線又は導電性繊維を網状にした導 メッシュからなる電磁波シールド層が設け れたものが使用される。この導電性のメッ ュの部分によって電磁波がシールドされ、 口部によって光の透過が確保される。

 この他にも、光透過性電磁波シールド材 は、電子ディスプレイ用フィルタとして種 のものが提案されている。例えば、(2)金属 を含む透明導電薄膜が設けられた透明基板 (3)透明基板上の銅箔等の層を網状にエッチ グ加工し、開口部を設けたもの、(4)透明基 上に導電性粉末を含む導電性インクをメッ ュ状に印刷したもの、等が一般的に知られ いる。

 このように電磁波シールド層において、 れた光透過性と電磁波シールド性を両立さ るには、メッシュ状の透明導電層を用い、 めて線幅を細くし、非常に微細なパターン する必要がある。しかしながら、上記した 来の光透過性電磁波シールド材では、光透 性と電磁波シールド性を十分に両立させる が困難であった。すなわち、(1)の光透過性 磁波シールド材では、細線化に限界があり 微細なメッシュパターンを得るのが困難で り、また目ずれや目曲がりなどの繊維の配 が乱れるとの問題がある。(2)の光透過性電 波シールド材の場合、電磁波シールド性が 分ではなく、金属特有の反射光沢が強い等 問題がある。(3)の光透過性電磁波シールド では、製造に長時間要し、コストが高くな ことに加え、透明基板と銅箔等の層との間 接着剤層が介在するために光透過性が低い の問題がある。また、(4)の光透過性電磁波 ールド材では、十分な電磁波シールド性を ることが困難であり、電磁波シールド性を 上させるためにパターンを厚くして導電性 末の量を多くすると、光透過性が低下する の問題を有している。

 一方、上記(4)の光透過性電磁波シールド の製造は、例えば、金属粉末やカーボン粉 などの導電性粉末と、樹脂とを含む導電性 ンクを用い、透明基板上に凹版オフセット 刷法により印刷パターンを形成する方法を 用して行われることから、上記(4)の光透過 電磁波シールド材では、エッチング加工な を必要とせず、簡易な方法かつ低コストで 造できるという利点を有している。

 そこで、上記(4)の技術を改良したものと て、特許文献1~6では、導電性インクを凹版 フセット印刷法により透明基板上に印刷パ ーンを形成した後、さらに電磁波シールド を向上させるために、無電解めっき又は電 めっきなどにより、印刷パターン上に金属 を選択的に形成する方法が開示されている

 また、特許文献7では、透明基体に、貴金 属超微粒子触媒と反対の表面電荷をもった粒 子に貴金属超微粒子触媒を担持させて作製し た担持体を含有するペーストでパターン印刷 を行い、このパターン印刷された貴金属超微 粒子触媒上に無電解めっき処理を施して、パ ターン印刷部のみに導電性の金属層を形成さ せる光透過性電磁波シールド材の製造方法が 開示されている。

特許第3017987号明細書

特許第3017988号明細書

特許第3241348号明細書

特許第3425400号明細書

特許第3544498号明細書

特許第3532146号明細書

特許第3363083号明細書

 上記特許文献7に記載されている、貴金属 超微粒子触媒上に無電解めっき処理を施して 、パターン印刷部のみに導電性の金属層を形 成させる方法は、貴金属触媒を利用している ため金属層を迅速に形成するのに有利な方法 である。ここで使用されている貴金属超微粒 子触媒は、シリカ等の微粒子の表面に貴金属 超微粒子触媒を付着させたものを使用してい る。本発明者の検討によれば、このような貴 金属超微粒子触媒を付着させた微粒子は、貴 金属が微粒子状になっているため、その触媒 作用を十分に効率よく利用できているとは言 えないことが明らかとなった。

 従って、本発明の目的は、光透過性、電 波シールド性、外観、及び視認性に優れ、 精度のメッシュパターンを有する光透過性 磁波シールド材を効率よく製造する方法を 供することにある。

 また、本発明の目的は、光透過性、電磁 シールド性、外観、及び視認性に優れ、高 度のメッシュパターンを有し、生産性に優 た光透過性電磁波シールド材を提供するこ にある。

 さらに、本発明の目的は、上記光透過性 磁波シールド材の製造に有利に使用するこ ができる貴金属の極薄膜を有する微粒子の 造方法を提供することにある。

 さらにまた、本発明の目的は、上記光透 性電磁波シールド材の製造に有利に使用す ことができる貴金属の極薄膜を有する微粒 を提供することにある。

 従って、本発明は、
 表面に貴金属の極薄膜を有する微粒子を含 無電解めっき前処理剤を、透明基板上にメ シュ状に印刷することにより、透明基板上 メッシュ状の前処理層を形成する工程、及
 前処理層上に、無電解めっき処理により、 ッシュ状の金属導電層を形成する工程、
を含む光透過性電磁波シールド材の製造方法 ;
にある。

 本発明の光透過性電磁波シールド材の製造 法の好ましい態様を以下に列記する。
(1)貴金属の極薄膜の膜厚が10~100nmの範囲にあ 。これにより、少量の貴金属を用いて、無 解めっきの形成速度を最大限に大きくする とが可能である。貴金属の極薄膜には、貴 属だけでなく、一部貴金属化合物(例、塩化 物)を含んでいても良い。
(2)貴金属の極薄膜が貴金属の単分子膜を含む 。これにより、極少量の貴金属を用いて、無 電解めっきの形成速度を最大限に大きくする ことが可能である。
(3)微粒子が、有機樹脂微粒子である。例えば 、特許文献7に記載のような無機微粒子を使 した場合は、粒子が硬いため、印刷機にお るロール等の各種機材に硬度の高いものを 用する必要があり、加工マージンが狭いこ 、さらに、その硬い粒子により上記各種機 が損傷し易く、これにより印刷物の外観不 をもたらす場合がある。従って、有機樹脂 粒子を使用することにより、加工マージン 向上、さらに作業性、生産性も向上すると 利点がある。さらに、有機樹脂微粒子は無 微粒子より比重が小さいため、処理剤の保 中、印刷中の沈殿や、凝集が起こり難いと 利点もある。
(4)上記有機樹脂微粒子が、フェノール樹脂、 アミノ樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹 脂、エポキシ樹脂、ジビニルベンゼン重合体 、スチレン/ジビニルベンゼン共重合体、ア リル樹脂又はスチレン/(メタ)アクリレート 重合体の微粒子である。アクリル樹脂(例、 ルキル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリ レートの重合体及び共重合体)、スチレン/(メ タ)アクリレート共重合体が好ましい。
(5)有機樹脂微粒子の有機樹脂が架橋されてい る。
(6)微粒子の平均粒径が、0.01~10μmの範囲、さ に0.05~3μmの範囲、特に0.1~1μmの範囲が好まし い。メッシュの線幅を小さくすることができ る。
(7)前処理剤が、さらに合成樹脂を含む。微粒 子の分散性が向上する。
(8)貴金属が、パラジウム、銀、白金、及び金 よりなる群から選択される少なくとも一種の 金属である。
(9)表面に貴金属の極薄膜を有する微粒子が、 微粒子を、貴金属塩化物及びスズ塩化物を含 む溶液で処理し、次いで酸処理することによ り得られる。
(10)表面に貴金属の極薄膜を有する微粒子が 微粒子を、シランカップリング剤とアゾー 系化合物との混合物又は反応生成物、及び 金属化合物を含む溶液で処理することによ 得られる。
 上記シランカップリング剤が、エポキシ基 有シラン化合物であることが好ましい。高 触媒活性及び密着性が得られる。また上記 ゾール系化合物が、イミダゾールであるこ が好ましい。シランカップリング剤が有す エポキシ基などの官能基及び貴金属化合物 の反応性に優れている。
(11)無電解めっき前処理剤を透明基板上にメ シュ状に印刷した後、80~160℃で乾燥させる これにより、微細なパターンを有する前処 層が得られやすい。
(12)無電解めっきのめっき金属が、銀、銅、 はアルミニウムである。これにより、金属 電層の電磁波シールド性を向上させること できる。
(13)無電解めっきを行った後、さらに、電解 っきを行う。これにより、所望の厚さを有 る金属導電層を得ることができる。
(14)金属導電層を黒化処理し、金属導電層の 面の少なくとも一部に黒化処理層を形成す 工程をさらに有する。
(15)黒化処理が、金属導電層を酸化処理又は 化処理することによって行われる。これに り、前記金属導電層に防眩性を付与して視 性を向上させることができる。

 また本発明は、
 透明基板、前記透明基板上に設けられたメ シュ状の前処理層、前処理層上に設けられ メッシュ状の金属導電層を有し、
 前処理層が、表面に貴金属の極薄膜を有す 微粒子を含んでいることを特徴とする光透 性電磁波シールド材;
にもある。

 前記本発明の光透過性電磁波シールド材 製造方法の好ましい態様は、上記本発明の 透過性電磁波シールド材にも適用すること できる。

 さらに本発明は、表面に貴金属の極薄膜 有する微粒子(好ましくは有機樹脂微粒子) もある。

 前記本発明の光透過性電磁波シールド材 製造方法の好ましい態様のうち、上記本発 の有機樹脂微粒子に関係する態様は、本発 の有機樹脂微粒子に適用することができる

 上記本発明の表面に貴金属の極薄膜を有す 微粒子は、貴金属塩化物及びスズ塩化物を む溶液で処理し、次いで還元処理(例、酸処 理)する工程を含む表面に貴金属の極薄膜を する微粒子の製造方法;又は
 微粒子を、シランカップリング剤とアゾー 系化合物との混合物又は反応生成物、及び 金属化合物を含む溶液で処理する工程を含 表面に貴金属の極薄膜を有する微粒子の製 方法;
により有利に得ることができる。

 上記製造方法の好ましい態様を以下に列記 る。
(1)シランカップリング剤が、エポキシ基含有 シラン化合物である。高い触媒活性及び密着 性が得られる
(2)アゾール系化合物が、イミダゾールである 。シランカップリング剤が有するエポキシ基 などの官能基及び貴金属化合物との反応性に 優れている。
(3)微粒子が、有機樹脂微粒子である。

 前記本発明の光透過性電磁波シールド材 製造方法の好ましい態様のうち、微粒子の 造方法に関係する態様は、上記微粒子の製 方法においても好ましい。

 本発明では、透明基板上にメッシュ状の 属導電層を形成するために、貴金属触媒を む無電解めっき前処理剤を用いているため 微細なパターンを有し、均一な厚さで精度 く形成された金属導電層を得ることができ 。さらに、本発明では、貴金属触媒として 貴金属が微粒子表面に吸着して、極薄膜と った微粒子を使用しているため、これを用 て得られる前処理層は、極少量の貴金属で 大の触媒効果を得ることができることから 無電解めっきを、極めて迅速に、且つ均一 行うことができる。

 特に、微粒子として、有機樹脂微粒子を 用した場合は、無機微粒子のように粒子が くないため、印刷機におけるロール等の各 機材に硬度の高いものを使用する必要がな 、加工マージンが広いこと、さらに、その らかい粒子により上記各種機材が損傷を与 ることが無く、これにより印刷物の外観不 をもたらすこともないほとんど無いとの利 がある。従って、有機樹脂微粒子を使用す ことにより、加工マージンの向上、さらに 業性、生産性も向上させることができる。 らに、有機樹脂微粒子は無機微粒子より比 が小さいため、処理剤の保管中、印刷中の 殿や、凝集が起こり難いとの利点もある。

 また、前処理剤として、貴金属触媒と共 、シランカップリング剤、アゾール系化合 を併用した場合は、貴金属がいっそう原子 ベルで分散される易くなり、また還元処理 を省略できることから、無電解めっきを、 おいっそう迅速に、且つ均一に行うことが きろ。またスジやカブリの発生も無いとの 点も得られやすい。

 従って、本発明の方法により、光透過性 電磁波シールド性、外観性、及び視認性に れた光透過性電磁波シールド材を提供する とが可能となる。

本発明による光透過性電磁波シールド の製造方法の各工程を説明した概略断面図 ある。 本発明による光透過性電磁波シールド の製造方法に使用される貴金属の極薄膜を する微粒子の概略断面図である。 本発明に透明基板上に設けられた前処 層の拡大された概略断面図である。 前処理層のパターンの一例を示す模式 である。

符号の説明

 11 透明基板
 12、22 メッシュ状の前処理層
 13 メッシュ状の金属導電層
 14 黒化処理層
 16 微粒子
 17 貴金属の極薄膜
 25 開口部

 本発明の光透過性電磁波シールド材、及 その製造方法について、以下に詳細に説明 る。

 本発明の光透過性電磁波シールド材の製 方法の各工程を説明するための概略断面図 一例を図1に示す。

 本発明の光透過性電磁波シールド材の製 方法では、まず、表面に貴金属の極薄膜を する微粒子を含む無電解めっき前処理剤を 透明基板11上にメッシュ状に印刷し、透明 板11上にメッシュ状の前処理層12を形成する( 図1の矢印(A1))。次に、メッシュ状の前処理層 12を有する透明基板に、無電解めっき処理を すことにより、メッシュ状の前処理層12上 金属導電層13を形成する(図1の矢印(A2))。こ により、表面に貴金属の極薄膜を有する微 子を用いて形成された前処理層12上に、金属 導電層13が微細な金属粒子が濃密で実質的な 続皮膜として沈積形成され、微細なパター を有する金属導電層を得ることができる。 に、前記金属導電層13を黒化処理し、前記 属導電層13の表面の少なくとも一部に黒化処 理層14を形成する(図1の矢印(A3))。この黒化処 理工程は、用途により必要がなければ実施し なくてもよい。以上のようにして、本発明の 光透過性電磁波シールド材を得ることができ る。

 上記本発明の製造方法では、無電解めっ 前処理剤として表面に貴金属の極薄膜を有 る微粒子を含む前処理剤が使用される。表 に貴金属の極薄膜を有する微粒子の概略断 図を図2に示す。微粒子16の表面に貴金属原 の極薄膜17が形成されている。一般に、こ は貴金属原子が吸着され、その貴金属原子 隙間無く連結した単分子膜と考えられる。 常、この極薄膜は単分子膜を含む極めて薄 膜である。即ち、この極薄膜の膜厚(平均)は 一般に10~100nmである。このように、これらの 金属原子は、粒子状となっていないため、 金属原子の触媒作用が効率よく示されると えられる。粒子状になった場合は、粒子内 の貴金属原子が触媒作用を示さないため、 媒効果は低下すると考えられる。貴金属原 17の中には、貴金属に変換されなかった錯 (例、Pd-Sn)等が残っている場合もある。

 また、本発明の上記前処理層12は、詳細 は、図3に示すように設けられている。即ち 透明基板11上に、貴金属原子の極薄膜17を有 する微粒子16からなる前処理層12が形成され いる。微粒子は、連続的に隙間無く配列さ ており、従って、その上に形成される金属 電層も均一な膜となる。バインダとして合 樹脂を用いた場合は、主として微粒子と透 基板の接着性の向上、微粒子間の連結に寄 する。

 上記前処理層に使用される表面に貴金属 極薄膜を有する微粒子は、例えば、微粒子 、貴金属塩化物及びスズ塩化物を含む溶液 処理し、次いで還元処理(例、酸処理)する とにより、或いは、微粒子を、シランカッ リング剤とアゾール系化合物との混合物又 反応生成物、及び貴金属化合物を含む溶液 処理することにより得られる。特に後者で られる微粒子を用いた場合、貴金属が微粒 表面に均一に配列されやすいので、無電解 っきにおいて金属を析出させるのに触媒効 が最大にすることができる。さらに、無電 めっき前処理剤を用いて形成された前処理 は、シランカップリング剤及びアゾール系 合物によって透明基板と金属導電層との密 性が向上する。

 図1の矢印(A2)では、上記のように、無電 めっき処理により、メッシュ状の前処理層 、無電解めっき処理により、前処理層の貴 属の表面に金属導電層13が形成される。これ により、貴金属を有する微粒子を含む前処理 層上に微細な金属粒子が濃密で実質的な連続 皮膜として沈積形成され、前処理層上に選択 的に密着し、微細なパターンを有する金属導 電層を得ることができる。

 このように、本発明の製造方法によって 微細なパターンを有する金属導電層を迅速 形成することができ、光透過性及び電磁波 ールド性の双方に優れた光透過性電磁波シ ルド材を得ることが可能である。

 以下に、本発明の電磁波シールド材に使 される材料等について、詳細に説明する。

 表面に貴金属の極薄膜を有する微粒子の 粒子としては、無機微粒子でも有機微粒子 も良いが、有機微粒子、特に有機樹脂微粒 が好ましい。無機微粒子としては、シリカ アルミナ、アルミナエアロゾル、クレイ、 オリン、タルク、硫酸カルシウム、炭酸カ シウム、ガラスフレーク、等の無機顔料を げることができる。有機樹脂微粒子の有機 脂としては、フェノール樹脂、アミノ樹脂 ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エポキ 樹脂、ジビニルベンゼン重合体、スチレン/ ジビニルベンゼン共重合体、アクリル樹脂又 はスチレン/(メタ)アクリレート共重合体を挙 げることができる。アクリル樹脂(例、アル ル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレー の重合体及び共重合体)、スチレン/(メタ)ア クリレート共重合体が好ましい。有機樹脂微 粒子の有機樹脂は硬化されていることが好ま しい。例えば、アクリル樹脂の場合、多官能 (メタ)アクリレート、ポリイソシアネート等 使用により架橋が行われる。また有機樹脂 粒子は、表面にOH基等の官能基を有してい も良い。貴金属原子の吸着が容易となり極 膜が得られやすい。

 上記微粒子の平均粒径が、0.01~10μmの範囲 、さらに0.05~3μmの範囲、特に0.1~1μmの範囲が ましい。これによりメッシュの線幅を小さ することができる。

 また、上記貴金属としては、パラジウム 銀、白金、及び金が好ましく、特に上記の うなパラジウム(Pd)が好ましい。

 表面に貴金属の極薄膜を有する微粒子は 上記微粒子を用いて、例えば以下のように て得ることができる。

 まず、微粒子の表面をアルカリ脱脂処理 、次いで、酸により中和する。このように 理された微粒子を、下記のように処理する

 1)上記微粒子を、塩化スズ溶液で処理して 表面を増感させ(センシタイジングし)、次い で塩化パラジウムで処理して活性化して(ア チベイティング)金属パラジウムを生成させ 方法;
 2)上記微粒子を、塩化スズ/塩化パラジウム 液で処理して、Pd-Sn錯体(触媒)を形成し、塩 酸等で還元処理してスズ塩を溶解させ、その 酸化還元反応により金属パラジウムを生成さ せる(アクセレーター)方法;又は
 3)微粒子を、シランカップリング剤とアゾ ル系化合物との混合物又は反応生成物、及 塩化パラジウム(貴金属化合物)を含む溶液で 処理する方法。

 上記2)及び3)の方法が好ましく、特に、前 述のように3)の方法が好ましい。

 上記2)の方法における貴金属イオンの還 処理に使用される還元剤としては、ホウ素 水素ナトリウム等の無機塩又はその化合物 塩酸等の無機酸、蟻酸、酢酸、クエン酸等 炭素原子数1~6の有機酸類や、ホルムアルデ ド、アセトアルデヒド等の炭素原子数1~2の ルデヒド類、メタノール、エタノール、プ パノール等どの炭素原子数1~3のアルコール 、水素、エチレン、一酸化炭素等の還元性 スを挙げることができる。貴金属の極薄膜 するために、特に、還元剤が塩酸等の無機 であることが好ましい。

 上記3)の方法において、貴金属極薄膜付 微粒子形成用の処理溶液に用いられる前記 ランカップリング剤は、一分子中に金属補 能を持つ官能基を有するものを用いるのが ましい。これにより、無電解めっき触媒で る貴金属の活性を効果的に発現する電子状 、配向とすることが可能となる。また、透 基板との高い密着性も得られる。

 シランカップリング剤として、エポキシ 含有シラン化合物を挙げることができる。 ポキシ基含有シラン化合物としては、例え 、γ-グリシドキシプロピルトリアルコキシ ラン、3-グリシドキシプロピルトリメトキ シラン、3-グリシドキシプロピルメチルジメ トキシシラン、3-グリシドキシプロピルトリ トキシシラン、3-グリシドキシプロピルメ ルジエトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロ キシル)エチルトリメトキシシラン等を挙げ ることができる。これらは、単独で用いても よく、2種以上を併用してもよい。特に、得 れる前処理層が透明基板及び金属導電層と い密着性を呈することから、γ-グリシドキ プロピルトリアルコキシシランが好ましく げられる。

 次に、貴金属極薄膜付き微粒子形成用の 理溶液に用いられるアゾール系化合物とし は、イミダゾール、オキサゾール、チアゾ ル、セレナゾール、ピラゾール、イソオキ ゾール、イソチアゾール、トリアゾール、 キサジアゾール、チアジアゾール、テトラ ール、オキサトリアゾール、チアトリアゾ ル、ベンダゾール、インダゾール、ベンズ ミダゾール、ベンゾトリアゾール、インダ ール等を挙げることができる。これらに制 されるものではないが、シランカップリン 剤が有するエポキシ基等の官能基及び貴金 化合物との反応性に優れることから、イミ ゾールが特に好ましい。

 前記3)の方法における貴金属極薄膜付き 粒子形成用の処理溶液において、シランカ プリング剤及びアゾール系化合物は単に混 されているだけでもよいが、これらを予め 応させて反応生成物を形成してもよい。こ により、貴金属化合物を前処理層中に原子 ベルでより高分散できるとともに、得られ 前処理層の光透過性を向上させることがで る。

 シランカップリング剤とアゾール系化合 とを反応させるには、例えば、80~200℃でア ール系化合物1モルに対して0.1~10モルのシラ ンカップリング剤を混合して5分~2時間反応さ せるのが好ましい。その際、溶媒は特に不要 であるが、水の他、クロロホルム、ジオキサ ンメタノール、エタノール等の有機溶媒を用 いてもよい。このようにして得られた前記シ ランカップリング剤と前記アゾール系化合物 との反応生成物に、貴金属化合物を混合する ことで、無電解めっき前処理剤が得られる。

 本発明の貴金属極薄膜付き微粒子形成用 処理溶液に用いられる貴金属化合物は、無 解めっき処理において銅やアルミニウム等 金属を選択的に析出・成長させることがで る触媒効果を示すものである。具体的には 高い触媒活性が得られることから、前述の うに、パラジウム、銀、白金、及び金など 金属原子を含む化合物を用いるのが好まし 。このような化合物としては、金属原子の 化物、水酸化物、酸化物、硫酸塩、アンモ ウム塩等のアンミン錯体などが用いられる 、特にパラジウム化合物、中でも塩化パラ ウムが好ましい。

 3)の方法で用いられる貴金属吸着微粒子 成用の処理溶液は、アゾール系化合物及び ランカップリング剤に対し、貴金属化合物 、好ましくは0.001~50mol%、より好ましくは0.1~2 0mol%含むのがよい。貴金属化合物の濃度が、0 .001mol%未満では十分な触媒活性が得られずに 望する厚さを有する金属導電層を形成でき い恐れがあり、50mol%を超えると添加量の増 に見合った貴金属化合物による触媒効果が られない恐れがある。

 また、本発明の貴金属極薄膜付き微粒子 成用の処理溶液は、適当な溶媒を含んでい もよい。前記溶媒としては、水、メチルア コール、エチルアルコール、2-プロパノー 、アセトン、トルエン、エチレングリコー 、ポリエチレングリコール、ジメチルホル アミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサ などが挙げられる。これらは、1種単独で用 られてもよく、2種以上を混合して用いても よい。

 本発明で使用される無電解めっき前処理 には、上記本発明の貴金属極薄膜付き微粒 、必要により合成樹脂、溶剤、さらに必要 応じて体質顔料、界面活性剤、着色剤等の 種添加剤を含んでいる。

 本発明の無電解めっき前処理剤に用いら る合成樹脂は、透明基板及び金属導電層と 密着性を確保できるものであれば、特に制 されない。好ましい合成樹脂としては、ア リル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹 、塩化ビニル樹脂、及びエチレン酢酸ビニ 共重合体樹脂等を挙げることができる。こ らを用いることにより、透明基板及び金属 電層との高い密着性が得られ、前処理層上 金属導電層を精度よく形成することができ 。また、これらの合成樹脂は、1種単独で用 いられてもよいほか、2種以上を混合して用 てもよい。

 上記アクリル樹脂としては、アクリル酸 チル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ 、アクリル酸ヘキシル等のアクリル酸アル ルエステル類、メタクリル酸メチル、メタ リル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタ リル酸ヘキシル等のメタアクリル酸アルキ エステル類の重合体又は共重合体が使用で る。例えば、ポリメチルメタクリレート、 リエチルメタクリレート又はポリブチルメ クリレート等を挙げることができる。

 また、前記ポリエステル樹脂として、具 的には、ポリエチレンテレフタレート、ポ ブチレンテレフタレート、ポリトリメチレ テレフタレート、2,6-ポリエチレンナフタレ ートなどを用いることができる。

 合成樹脂は、高い密着性が得られること ら、活性水素を含有する官能基を分子末端 有するものが好ましい。活性水素を含有す 官能基としては、活性水素を有していれば に制限されず、1級アミノ基、2級アミノ基 イミノ基、アミド基、ヒドラジド基、アミ ノ基、ヒドロキシル基、ヒドロペルオキシ 、カルボキシル基、ホルミル基、カルバモ ル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、ス フェン酸基、チオール基、チオホルミル基 ピロリル基、イミダゾリル基、ピペリジル 、インダゾリル基、カルバゾリル基等を挙 ることができる。これらの中で、1級アミノ 、2級アミノ基、イミノ基、アミド基、イミ ド基、ヒドロキシル基、ホルミル基、カルボ キシル基、スルホン酸基又はチオール基が好 ましい。特に、1級アミノ基、2級アミノ基、 ミド基又はヒドロキシル基が好ましい。な 、これらの基はハロゲン原子や炭素原子数1 ~20の炭化水素基で置換されていてもよい。な かでも、ヒドロキシル基、カルボニル基、及 びアミノ基が好ましい。

 無電解めっき前処理剤における合成樹脂 含有量は、無電解めっき前処理剤の全量に して、1~50質量%、特に5~20質量%であることが 好ましい。これにより、高い密着性を有する 前処理層を形成することが可能となる。

 また無電解めっき前処理剤における貴金 極薄膜付き微粒子の含有量は、無電解めっ 前処理剤の全量に対して、10~60質量%、特に2 0~50質量%であることが好ましい。これにより 無電解めっきを迅速に行うことが可能とな 。

 また無電解めっき前処理剤は、さらに無 微粒子を含んでいてもよい。無機微粒子を 有することにより、印刷精度を向上するこ ができ、より精度の高い金属導電層を形成 ることが可能となる。無機微粒子としては シリカ、炭酸カルシウム、カーボン、アル ナ、タルク、マイカ、ガラスフレーク、金 ウィスカー、セラミッックウィスカー、硫 カルシウムウィスカー、スメクタイト等を げることができる。これらは、1種単独で用 いられてもよいし、2種以上を混合して用い もよい。

 無機微粒子の平均粒子径は、0.01~5μm、特 0.1~3μmであることが好ましい。無機微粒子 平均粒子径が、0.01μm未満であると無機微粒 の添加により所望するほどの印刷精度の向 が得られない恐れがあり、5μmを超えるとス ジやカブリが発生し易くなる恐れがある。

 無電解めっき前処理剤における無機微粒 の含有量は、合成樹脂100質量部に対して、0 .01~10質量部、特に1~5質量部であることが好ま しい。これにより、高い印刷適正を持った前 処理剤とすることができる。

 また、無電解めっき前処理剤は、さらに キソトロピック剤を含有してもよい。チキ トロピック剤を用いることにより、前処理 の流動性を調整することにより印刷精度を 上させることができ、より精度の高い金属 電層を形成することが可能となる。チキソ ロピック剤としては、従来公知のものであ ば使用できる。アマイドワックス、硬化ひ し油、蜜ロウ、カルナバワックス、ステア ン酸アミド、ヒドロキシステアリン酸エチ ンビスアミド等を使用することが好ましい

 無電解めっき前処理剤におけるチキソト ピック剤の含有量は、合成樹脂100質量部に して、0.1~10質量部、特に1~5質量部とするの 好ましい。これにより、高い印刷適正を持 た前処理剤とすることができる。

 本発明の無電解めっき前処理剤は、黒色 色剤をさらに含有していてもよい。これに り、印刷精度の向上とともに、得られる光 過性電磁波シールド材において透明基板側 ら見た際の防眩効果を付与することができ 。

 黒色着色剤としては、例えば、カーボン ラック、チタンブラック、黒色酸化鉄、黒 、及び活性炭等を挙げることができる。こ らは、1種単独で用いられてもよく、2種以 を混合して用いてもよい。なかでも、カー ンブラックが好ましい。カーボンブラック しては、アセチレンブラック、チャンネル ラック、ファーネスブラック等を挙げるこ ができる。カーボンブラックの平均粒径は 0.1~1000nmの範囲が好ましく、特に5~500nmが好ま しい。

 無電解めっき前処理剤における黒色着色 の含有量は、合成樹脂100質量部に対して、0 .1~10質量部、特に1~5質量部であることが好ま い。これにより、防眩効果を有する前処理 を精度よく形成することが可能となる。

 黒色着色剤を用いる場合、市販されてい 墨インキを用いて無電解めっき前処理剤を 製するのが好ましい。このような墨インキ しては、東洋インキ製造株式会社製のSS8911 十条ケミカル株式会社製のEXG-3590、大日精 工業株式会社製のNTハイラミック 795R墨等を 挙げることができる。例えば、東洋インキ製 造株式会社製のSS8911の場合、溶剤中に、カー ボンブラックの他、さらに塩化ビニル及びア クリル樹脂などを含んでいる。従って、上記 した市販品であれば、合成樹脂及び黒色着色 剤を含む無電解めっき前処理剤の調製を容易 に行うことができる。

 また、無電解めっき前処理剤は、適当な 媒を含んでいてもよい。溶媒としては、例 ば、水、メチルアルコール、エチルアルコ ル、2-プロパノール、アセトン、トルエン エチレングリコール、ポリエチレングリコ ル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル キシド、ジオキサン等を挙げることができ 。これらは、1種単独で用いられてもよく、2 種以上を混合して用いてもよい。

 無電解めっき前処理剤には、必要に応じ 体質顔料、界面活性剤、着色剤などの各種 加剤をさらに含有させてもよい。

 本発明の方法において、前処理剤を塗布 る透明基板としては、透明性及び可とう性 備え、その後の処理に耐えるものであれば に制限はない。透明基板の材質としては、 えば、ガラス、ポリエステル(例、ポリエチ レンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレ タレート)、アクリル樹脂(例、ポリメチル タクリレート(PMMA))、ポリカーボネート(PC)、 ポリスチレン、セルローストリアセテート、 ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル、ポ リ塩化ビニリデン、ポリエチレン、エチレン -酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラー 、金属イオン架橋エチレン-メタクリル酸共 合体、ポリウレタン、セロファン等を挙げ ことができる、これらの中で、加工処理(加 熱、溶剤、折り曲げ)による劣化が少なく、 明性の高い材料であるPET、PC、PMMAが好まし 。また、透明基板は、これらの材質からな シート、フィルム、又は板として用いられ 。

 透明基板の厚みは特に限定されないが、 透過性電磁波シールド材の光透過性を維持 るという観点からすると薄いほど好ましく 通常は、使用時の形態や必要とされる機械 強度に応じて0.05~5mmの範囲で適宜、厚みが 定される。

 本発明の方法では、上述の無電解めっき 処理剤を、透明基板上にメッシュ状に印刷 ることにより、透明基板上にメッシュ状の 処理層を形成する。

 前記無電解めっき前処理剤の粘度は、印 により微細な線幅及び間隙(ピッチ)を有す 前処理層を得るためには、25℃において、好 ましくは500~5000cps、より好ましくは1000~3000cps するのがよい。

 無電解めっき前処理剤を透明基板に印刷 るには、グラビア印刷、スクリーン印刷、 フセット印刷、インクジェット印刷、静電 刷、フレキソ印刷などの印刷方法を用いる とができる。特に、細線化のためにはグラ ア印刷が好適である。グラビア印刷を用い 場合、印刷速度は5~50m/分とするのがよい。

 また、前記前処理層は、転写方式によっ 印刷されてもよい。転写方式の場合は、例 ば、透明基板とは別の任意の転写用基材シ トに、無電解めっき前処理剤を上記と同様 印刷方法等によって印刷し、熱ラミネート 、ドライラミネート法、又はウエットラミ ート法、押出ラミネート法等により、透明 板と貼り合わせた後に、転写用基材シート みを剥離して、無電解めっき前処理剤を前 理層に転写する方法などを用いることがで る。

 このように無電解めっき前処理剤を印刷 た後、好ましくは80~160℃、より好ましくは9 0~130℃で加熱することにより乾燥させるのが い(特に3の方法の場合)。乾燥温度が80℃未 では溶媒の蒸発速度が遅く十分な成膜性が られない恐れがあり、160℃を超えると化合 の熱分解が生じる恐れがある。塗布後に熱 燥させる場合の乾燥時間は5秒~5分が好まし 。

 メッシュ状の前処理層におけるパターン 形状には特に制限はなく、例えば四角形の が形成された格子状や、円形、六角形、三 形又は楕円形の孔が形成されたパンチング タル状などが挙げられる。また、孔は規則 に並んだものに限らず、ランダムパターン しても良い。

 金属導電層に高い光透過性及び電磁波シ ルド性を付与する観点からは、前処理層に ける開口部は、等間隔で規則的に配列され いるのが望ましい。また、高い光透過性を する金属導電層を形成するには、前記金属 電層において、開口部の形状が角形状、特 正方形又は長方形とし、開口率を高くする が望ましい。従って、前記前処理層におけ 開口部の大きさは、微小であるのが好まし 。例えば、開口部15の形状が正方形である 処理層12のパターンの一例を図4に示す。

 本発明の前処理層において、線幅(W 1 )1~50μm、開口率50~95%、好ましくは線幅(W 1 )5~40μm、開口率60~95%とするのがよい。なお、 処理層の開口率とは、当該前処理層(外枠が ある場合はそれを除いた領域)の投影面積に ける開口部分が占める面積割合を言う。ま 、前処理層において、線間隔(W 2 )は、50~1000μm、好ましくは100~400μmとするのが よい。このように本発明によれば、微細なバ ターンを有する前処理層を精度よく形成する ことができる。

 前処理層は、透明基板上の中央部では上 したメッシュ状のパターンを有し、透明基 上の中央部を除く周縁部に額縁状のパター を有するものであってもよい。このような 成を有する前処理層上に金属導電層を形成 れば、金属導電層において、額縁状のパタ ンを有する部位がメッシュ状のパターンを する部位を保護することができる。

 前処理層の厚さは、0.01~2μm、好ましくは0 .05~0.5μmとするのがよい。これにより、透明 板及び金属導電層との高い密着性を確保す ことができる。

 次に、本発明の方法では、上述の通りに 成した前処理層上に、無電解めっき処理に り、メッシュ状の金属導電層を形成する工 を実施する。無電解めっき処理を行うこと より、微細な金属粒子が濃密で実質的な連 皮膜として沈積形成されて、前処理層上の に選択的に金属導電層を得ることが可能と る。

 めっき金属は、導電性を有してメッキ可 である金属であれば使用することができ、 属単体、合金、導電性金属酸化物等であっ もよく、均一な金属薄膜又は一様に塗布さ た微細な微粒子等からなるものであっても い。

 無電解めっきにおけるめっき金属として 、アルミニウム、ニッケル、インジウム、 ロム、金、バナジウム、スズ、カドミウム 銀、白金、銅、チタン、コバルト、鉛等を いることができる。特に、高い電磁波シー ド性が得られる金属導電層が得られること ら、銀、銅又はアルミニウムを用いること 好ましい。これらのめっき金属を用いて形 される金属導電層は、前処理層及びメッキ 護層との密着性に優れる他、光透過性と電 波シールド性の両立に好適である。

 無電解めっきは、無電解めっき浴を用い 常法に従って常温又は加温下で行うことが きる。即ち、めっき金属塩、キレート剤、p H調整剤、還元剤などを基本組成として含む っき液を建浴したものにめっき基材を浸漬 て行うか、構成めっき液を2液以上と分けて 加方式でめっき処理を施すなど適宜選択す ば良い。

 無電解めっきとして一例を挙げると、Cu らなる金属導電層を形成する場合、硫酸銅 の水溶性銅塩1~100g/L、特に5~50g/L、ホルムア デヒド等の還元剤0.5~10g/L、特に1~5g/L、EDTA等 錯化剤20~100g/L、特に30~70g/Lを含み、pH12~13.5 特に12.5~13に調整した溶液に、前処理層及び 数のめっき保護層が形成された透明基板を5 0~90℃、30秒~60分浸漬する方法を採用すること ができる。

 無電解めっきをする際に、めっきされる 板を揺動、回転させたり、その近傍を空気 拌させたりしてもよい。

 本発明の方法では、前記金属導電層が所 の厚さ、線幅を有するように、前処理層が 成された透明基板に、無電解めっきを行っ 後、さらに、電解めっきを行ってもよい。

 電解めっきにおけるめっき金属としては 無電解めっきにおいて上述したものと同様 ものが用いられる。

 電解めっきは、特に制限されず、常法に って行えばよい。例えば、メッシュ状の前 理層及び金属導電層が形成された透明基板 めっき液に浸漬させ、前記透明基板を陰極 し、単体のめっき金属を陽極とし、めっき に電流をかけて行えばよい。めっき液の組 は、特に制限されない。例えば、Cuからな 金属導電層を形成する場合には、硫酸銅水 液などが用いられる。

 メッシュ状の金属導電層におけるパター の形状には特に制限はなく、前処理層にお て上述したのと同様である。

 得られた金属導電層においては、前記図4と 同様に、線幅(W 1 )1~50μm、開口率50~95%、好ましくは線幅(W 1 )5~40μm、開口率60~95%であることが好ましい。 お、金属導電層の開口率とは、当該金属導 層(外枠がある場合はそれを除いた領域)の 影面積における開口部分が占める面積割合 言う。また、金属導電層において、線間隔(W 2 )は、50~1000μm、好ましくは100~400μmとするのが よい。このように本発明によれば、微細なバ ターンを有する前処理層上に金属導電層を精 度よく形成することができる。

 また、前処理層の説明において記載した り、金属導電層は、透明基板上の中央部に 述したメッシュ状のパターンを有し、前記 明基板上の中央部を除く周縁部に額縁状の ターンを有するものであってもよい。

 金属導電層の厚さは、一般に1~200μmであ 、5~100μmが好ましい。金属導電層の厚さが、 薄すぎると十分な電磁波シールド性が得られ ない恐れがあり、厚すぎると光透過性電磁波 シールド材の薄型化の観点から好ましくない 。

 次に、本発明の方法では、図1に示すよう に、前記金属導電層13を黒化処理し、前記金 導電層13の表面の少なくとも一部に黒化処 層14を形成する工程(図1の矢印(A3))をさらに 施してもよい。

 黒化処理は、前記金属導電層の金属の酸 処理又は硫化処理によって行うことが好ま い。特に酸化処理は、より優れた防眩効果 得ることができ、さらに廃液処理の簡易性 び環境安全性の点からも好ましい。

 前記黒化処理として酸化処理を行う場合 は、黒化処理液として、一般には次亜塩素 塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、亜塩 酸塩と水酸化ナトリウムの混合水溶液、ペ オキソ二硫酸と水酸化ナトリウムの混合水 液等を使用することが可能であり、特に経 性の点から、次亜塩素酸塩と水酸化ナトリ ムの混合水溶液、又は亜塩素酸塩と水酸化 トリウムの混合水溶液を使用することが好 しい。

 前記黒化処理として硫化処理を行う場合 は、黒化処理液として、一般には硫化カリ ム、硫化バリウム及び硫化アンモニウム等 水溶液を使用することが可能であり、好ま くは、硫化カリウム及び硫化アンモニウム あり、特に低温で使用可能である点から、 化アンモニウムを使用することが好ましい

 黒化処理層の厚さは、特に制限されない 、0.01~1μm、好ましくは0.01~0.5μmとするのが い。前記厚さが、0.01μm未満であると、光の 眩効果が充分でない恐れがあり、1μmを超え ると、斜視した際の見かけ上の開口率が低下 する恐れがある。

 上述した本発明の方法によれば、貴金属 着微粒子を含む無電解めっき前処理剤を用 ることにより、微細なパターンを有する金 導電層を精度よく、迅速に作製することが き、光透過性、電磁波シールド性、外観、 び視認性に優れた光透過性電磁波シールド を得ることができる。

 本発明の光透過性電磁波シールド材は、 記特定の無電解めっき前処理剤を用いるこ により前処理層が高い光透過性を有する。 って、前処理層が形成されることによって 透過性電磁波シールド材の光透過性が低下 ることがなく、光透過性電磁波シールド材 、75%以上、特に80~90%と高い全光線透過率を する。

 なお、前記光透過性電磁波シールド材の 光線透過率の測定は、全自動直読ヘイズコ ピューターHGM-2DP(スガ試験機株式会社製)等 用いて、光透過性電磁波シールド材の厚み 向の全光線透過率を測定することにより行 れる。

 本発明の光透過性電磁波シールド材は、 透過性が要求される用途、例えば電磁波を 生する各種電気機器のLCD、PDP、CRT等のディ プレイ装置のディスプレイ面、又は、施設 家屋の透明ガラス面や透明パネル面に好適 適用される。前記光透過性電磁波シールド は、高い光透過性及び電磁波シールド性を しているので、前述したディスプレイ装置 ディスプレイ用フィルタに好適に用いられ 。

 本発明のディスプレイ用フィルタとして 、本発明の光透過性電磁波シールド材をそ まま使用することができるが、例えばガラ 板等の透明基板に接着剤層などを介して貼 合わせる等することによっても得ることが きる。このようなディスプレイ用フィルタ は、メッシュ状の前処理層及び金属導電層 開口部は、接着剤層により埋められる。

 また、前記電子ディスプレイ用フィルタ 、透明基板、電磁波シールド層、及び接着 層の他、さらに反射防止層、色調補正フィ タ層、近赤外線カット層などを有していて よい。これらの各層の積層の順序は、目的 応じて決定される。また、ディスプレイ用 ィルタには、電磁波シールド機能を高める めに、PDP本体のアース電極と接続するため 電極を設けてもよい。

 以下、本発明を実施例により説明する。 発明は、以下の実施例により制限されるも ではない。

[実施例1]
(1)貴金属極薄膜付き微粒子の作製
 アクリル系樹脂微粒子(平均粒径:0.5μm、ケ スノーMP、綜研化学(株)製)を、5%水酸化ナト ウム水溶液で洗浄した後、塩酸(1N)に浸漬し て中和した。次いで、アクリル系樹脂微粒子 を塩化パラジウム(200mL/L)/塩化スズ(200mL/L)水 液中に30℃で2分間浸漬し、その後、アクリ 系樹脂微粒子を、塩酸(100mL/L)水溶液中に30℃ で2分間浸漬した。これにより、表面にPdの極 薄膜が設けられたアクリル系樹脂微粒子を得 た。極薄膜の膜厚は50nmであった(極薄膜の膜 は電子顕微鏡により測定した)。
(2)前処理剤の調製
 30質量部のPd極薄膜を有するアクリル系樹脂 微粒子及び100質量部(固形分)の二液硬化型ポ エステル樹脂溶液(AD-335/CAT-10L(混合物の固形 分10質量%)、東洋モートン(株)製)を混合して 処理液を得た。
(3)メッシュ状の前処理層の作製
 次に、前記前処理剤を、PETフィルム(厚さ100 μm)上にグラビア印刷によってパターニング た後、120℃、5分間乾燥させることにより、P ETフィルム上にメッシュ状の前処理層を形成 た。得られた前処理層の線幅は20μm、線間 は254μm、開口率は85%、厚さは0.15μmであった
(4)金属導電層の作製
 このようにして得られた前処理層が形成さ たPETフィルムを、次亜リン酸ナトリウム溶 (30g/L)に、60℃で3分間浸漬処理した。次いで 、無電解銅めっき液(メルテックス株式会社  メルプレートCU-5100)に浸漬し、50℃、20分間 で、無電解銅めっき処理して、メッシュ状の 金属導電層を得た。得られた金属導電層の線 幅は28μm、線間隔は254μm、開口率は79%、厚さ 4μmであった。
(5)金属導電層の黒化処理
 さらに、上記で得られた金属導電層が形成 れたPETフィルムに対して、下記組成の黒化 理を行った。

 黒化処理液組成(水溶液)
  亜塩素酸ナトリウム: 10質量%
  水酸化ナトリウム: 4質量%
 黒化処理条件
  浴温: 約60℃
  時間: 5分間
 この黒化処理により、金属導電層の表面が 化処理された光透過性電磁波シールド材を た。得られた光透過性電磁波シールド材表 の黒化処理層の厚さは、平均0.5μmであった

[実施例2]
 実施例1において、(1)貴金属極薄膜付き微粒 子の作製を以下のように行い、且つ(4)金属導 電層の作製において、次亜リン酸ナトリウム 溶液(30g/L)による浸漬処理を行わなかった以 同様にして光透過性電磁波シールド材を得 。
(1)貴金属極薄膜付き微粒子の作製
 アクリル系樹脂微粒子(平均粒径:0.5μm、ケ スノーMP、綜研化学(株)製)を、5%水酸化ナト ウム水溶液で洗浄した後、塩酸(1N)に浸漬し て中和した。次いで、アクリル系樹脂微粒子 を、パラジウム固定カップリング剤(PM-12、Pd 度12mg/L;日鉱金属(株)製)の処理溶液に25℃で1 0分間浸漬した。これにより、表面にPdの極薄 膜アクリル系樹脂微粒子を得た。極薄膜の膜 厚は10nmであり、ほぼ単分子膜であると考え れる。

[参考例1]
 実施例1において、(1)貴金属極薄膜付き微粒 子の作製を以下のように行った以外同様にし て光透過性電磁波シールド材を得た。
(1)貴金属付き微粒子(パラジウムコロイド)の 製
 精製水89 質量部に塩化パラジウム1質量部 溶解し、さらにクエン酸三ナトリウム 10質 部を溶解して均一に攪拌した後、水素化ホ 素ナトリウム0.01質量部を添加して塩化パラ ジウムを還元させ、クエン酸で安定、保護コ ロイド化されたパラジウムコロイドを得た。 その後、限外濾過により濃縮脱塩を行い、パ ラジウム0.5質量部を含有するパラジウムコロ イドを得た。

 アクリル系樹脂微粒子(平均粒径:0.5μm、 ミスノーMP、綜研化学(株)製)を、5%水酸化ナ リウム水溶液で洗浄した後、塩酸(1N)に浸漬 して中和した。次いで、アクリル系樹脂微粒 子を、上記パラジウムコロイドに25℃で10分 浸漬した。これにより、表面にPd粒子が付い たアクリル系樹脂微粒子を得た。

 参考例1では、実施例1と同様の厚さの金 導電層が得られたが、実施例1に比較して遙 に大量のPdが使用されている。

本発明の方法により、光透過性、電磁波シ ールド性、外観性、及び視認性に優れた光透 過性電磁波シールド材を得ることができる。 得られた本発明の光透過性電磁波シールド材 は、プラズマディスプレイパネル(PDP)の前面 ィルタや、病院などの電磁波シールドを必 とする建築物の窓に用いられ得る貼着用シ ト等として有利に使用することができる。




 
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