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Title:
LIGHTNING SIMULATION DEVICE, ITS METHOD, AND PROGRAM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/118921
Kind Code:
A1
Abstract:
The accuracy of a lightning simulation is improved. A lightning simulation device has a storage device (11) for storing lightning data, a setting section (12) for setting a simulation target or the like in a simulation space, a downward reader advancing section (13) for advancing a downward reader from a lightning starting position set by the setting section (12), an upward reader advancing section (14) for, if the distance between the end of the downward reader and a reference point is within a first threshold, advancing an upward reader from each lightning candidate point set in the simulation space, and a lightning point approving section (15) for, if the distance between the end of the downward reader and the end of any of the upward readers is within a second threshold, approving a lightning candidate point corresponding to the any of the upward readers as a lightning point.

Inventors:
NAKA TAKEHIRO (JP)
WAKASA TSUYOSHI (JP)
ARINAGA SHINJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/062793
Publication Date:
October 01, 2009
Filing Date:
July 16, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI HEAVY IND LTD (JP)
NAKA TAKEHIRO (JP)
WAKASA TSUYOSHI (JP)
ARINAGA SHINJI (JP)
International Classes:
G01W1/16; G06F19/00
Foreign References:
JP2005099942A2005-04-14
JP2005099942A2005-04-14
Other References:
RYUJI IWASHITA ET AL.: "Wind Farm no Rakugai Taisakuyo Dokuritsu Hirai Tetto no Koka no Kento", THE INSTITUTE OF ELECTRICAL ENGINEERS OF JAPAN KENKYUKAI SHIRYO, vol. ED-05, no. 134-42, 10 November 2005 (2005-11-10), pages 7 - 10, XP008129872
See also references of EP 2259094A4
Attorney, Agent or Firm:
FUJITA, Takaharu et al. (JP)
Takaharu Fujita (JP)
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Claims:
 自然界において発生した落雷の統計データに基づいて作成された落雷データが格納されている記憶部と、
 シミュレーション空間にシミュレーション対象、少なくとも1つの落雷候補点、及び基準点を設定するとともに、落雷開始位置及び雷電流波高値を設定する設定部と、
 前記設定部によって設定された落雷開始位置から下向きリーダを進展させる下向きリーダ進展部と、
 前記下向きリーダの先端と前記基準点との距離が第1閾値以内となった場合に、前記シミュレーション空間に設定されている各前記落雷候補点から上向きリーダをそれぞれ進展させる上向きリーダ進展部と、
 前記下向きリーダの先端といずれかの前記上向きリーダの先端との距離が第2閾値以内となった場合に、その上向きリーダに対応する落雷候補点を落雷地点として認定する落雷地点認定部と
 を具備し、
 前記下向きリーダ進展部および前記上向きリーダ進展部は、前記記憶部に格納されている前記落雷データを元に、前記下向きリーダ及び前記上向きリーダをそれぞれ進展させる落雷シミュレーション装置。
 前記上向きリーダ進展部は、前記落雷候補点が設定されている部位の物体着雷傾向に応じて前記上向きリーダの進展状況を異ならせる請求項1に記載の落雷シミュレーション装置。
 前記記憶部には、前記落雷データが着雷傾向に影響を及ぼす影響因子と対応付けられて格納されており、
 前記設定部によってシミュレーションの条件設定がなされた場合に、前記下向きリーダ及び前記上向きリーダは、前記シミュレーションの条件に該当する落雷データを用いて、前記下向きリーダ及び前記上向きリーダをそれぞれ進展させる請求項1または請求項2に記載の落雷シミュレーション装置。
 前記シミュレーション空間には、シミュレーション対象として、少なくとも1台の風車が設定される請求項1から請求項3のいずれかに記載の落雷シミュレーション装置。
 前記設定部は、前記記憶部に格納されている落雷データを元に、前記落雷開始位置及び前記雷電流波高値を乱数により設定する請求項1から請求項4のいずれかに記載の落雷シミュレーション装置。
 入力部を備え、
 前記設定部は、前記入力部から前記落雷候補点が入力された場合に、この入力情報に基づいて前記落雷候補点を設定する請求項1から請求項5のいずれかに記載の落雷シミュレーション装置。
  シミュレーション空間にシミュレーション対象、少なくとも1つの落雷候補点、及び基準点を設定するとともに、落雷開始位置及び雷電流波高値を設定する過程と、
 設定された落雷開始位置から下向きリーダを進展させる過程と、
 前記下向きリーダの先端と前記基準点との距離が第1閾値以内となった場合に、前記シミュレーション空間に設定されている各前記落雷候補点から上向きリーダをそれぞれ進展させる過程と、
 前記下向きリーダの先端といずれかの前記上向きリーダの先端との距離が第2閾値以内となった場合に、その上向きリーダに対応する落雷候補点を落雷地点として認定する過程と
 を有し、
 自然界において発生した落雷の統計データに基づいて作成された落雷データを元に、前記下向きリーダ及び前記上向きリーダを進展させる落雷シミュレーション方法。
 シミュレーション空間にシミュレーション対象、少なくとも1つの落雷候補点、及び基準点を設定するとともに、落雷開始位置及び雷電流波高値を設定する処理と、
 自然界において発生した落雷の統計データに基づいて作成された落雷データを元に、前記落雷開始位置から下向きリーダを進展させる処理と、
 前記下向きリーダの先端と前記基準点との距離が第1閾値以内となった場合に、前記落雷データに基づいて、前記シミュレーション空間に設定されている各前記落雷候補点から上向きリーダをそれぞれ進展させる処理と、
 前記下向きリーダの先端といずれかの前記上向きリーダとの距離が第2閾値以内となった場合に、その上向きリーダに対応する落雷候補点を落雷地点として認定する処理と
 をコンピュータに実行させるための落雷シミュレーションプログラム。
Description:
落雷シミュレーション装置及び の方法並びにプログラム

 本発明は、落雷シミュレーション装置に するものである。

 従来、落雷に関するシミュレーションモデ として、回転球体法等が知られている。
 回転球体法は、電気幾何学モデルに基づい 代表的な雷遮蔽モデルであり、雷のパラメ タである電流波高値と物体の幾何学的な形 のみから雷撃確率を求める。回転球体法で 、電流波高値から雷撃距離(雷撃が最終的に 飛びつく距離)が一義的に決められ、その雷 距離の範囲内の物体に雷撃するという考え が用いられている(例えば、特許文献1参照)

特開2005-99942号公報

 しかしながら、上述した回転球体法では 構造物の電気幾何学モデルにのみ基づいて 雷地点を推定することから、落雷シミュレ ションの精度が低いという問題があった。

 本発明は、上記問題を解決するためにな れたもので、落雷シミュレーションの精度 上を図ることのできる落雷シミュレーショ 装置を提供することを目的とする。

 上記課題を解決するために、本発明は以下 手段を採用する。
 本発明は、自然界において発生した落雷の 計データに基づいて作成された落雷データ 格納されている記憶部と、シミュレーショ 空間にシミュレーション対象、少なくとも1 つの落雷候補点、及び基準点を設定するとと もに、落雷開始位置及び雷電流波高値を設定 する設定部と、前記設定部によって設定され た落雷開始位置から下向きリーダを進展させ る下向きリーダ進展部と、前記下向きリーダ の先端と前記基準点との距離が第1閾値以内 なった場合に、前記シミュレーション空間 設定されている各前記落雷候補点から上向 リーダをそれぞれ進展させる上向きリーダ 展部と、前記下向きリーダの先端といずれ の前記上向きリーダの先端との距離が第2閾 以内となった場合に、その上向きリーダに 応する落雷候補点を落雷地点として認定す 落雷地点認定部とを具備し、前記下向きリ ダ進展部および前記上向きリーダ進展部は 前記記憶部に格納されている前記落雷デー を元に、前記下向きリーダ及び前記上向き ーダをそれぞれ進展させる落雷シミュレー ョン装置を提供する。

 このような構成によれば、設定部により ミュレーション空間にシミュレーション対 、少なくとも1つの落雷候補点、並びに基準 点、及び落雷開始位置、並びに雷電流波高値 を含む初期条件が設定部により設定される。 初期条件設定後、下向きリーダ進展部により 、該落雷開始位置から下向きリーダが進展さ れる。下向きリーダの進展が繰り返し行われ ることにより、進展させた下向きリーダの先 端と設定部によって設定された前記基準点と の距離が第1閾値以内となると、下向きリー の進展が停止され、続いて、上向き進展部 よって、各落雷候補点から上向きリーダが れぞれ進展されることとなる。そして、こ ようにして進展させたいずれかの上向きリ ダの先端と前記下向きリーダの先端との距 が第2閾値以下となると、その上向きリーダ 進展元である落雷候補地点が落雷地点であ と認定部によって認定される。この場合に いて、下向きリーダ進展部および上向きリ ダ進展部は、記憶部に記憶されている、自 界において発生した落雷の統計データに基 いて作成された落雷データを元に、下向き ーダおよび上向きリーダをそれぞれ進展さ るので、現実の落雷の状況を反映させた精 の高いシミュレーション結果を得ることが 能となる。

 上記落雷シミュレーション装置において 前記上向きリーダ進展部は、前記落雷候補 が設定されている部位の物体着雷傾向に応 て前記上向きリーダの進展状況を異ならせ こととしてもよい。

 このように、落雷候補点が設定されている 位の物体着雷傾向(例えば、絶縁物よりも金 属に雷が落ちやすい等)に応じて上向きリー の進展具合を異ならせるので、現実の落雷 傾向をより強くシミュレーションに反映さ ることが可能となる。
 上向きリーダ進展部は、例えば、金属の部 に設定されている落雷候補点から進展され 上向きリーダの長さを絶縁体の部材に設定 れている落雷候補点から進展される上向き ーダの長さよりも長くする。

 上記落雷シミュレーション装置において 前記記憶部には、前記落雷データが着雷傾 に影響を及ぼす影響因子と対応付けられて 納されており、前記設定部によってシミュ ーションの条件設定がなされた場合に、前 下向きリーダ及び前記上向きリーダは、前 シミュレーションの条件に該当する落雷デ タを用いて、前記下向きリーダ及び前記上 きリーダをそれぞれ進展させることとして よい。

 例えば、季節、地形等のさまざまな要因 より、着雷傾向が異なる。したがって、着 傾向に影響を及ぼす影響因子を落雷データ 対応付けて記憶しておき、シミュレーショ 実行時においては、シミュレーションの条 設定(例えば、季節は夏、場所はX市等)に該 する影響因子に対応付けられている落雷デ タを記憶部から抽出する。そして、抽出し 落雷データを用いて、下向きリーダ進展部 び上向きリーダ進展部が下向きリーダ及び 向きリーダをそれぞれ進展させる。このよ に、シミュレーションの設定条件に該当す 落雷データのみを用いて落雷シミュレーシ ンを行うので、落雷シミュレーションの精 を更に向上させることが可能となる。

 上記落雷シミュレーション装置において シミュレーション対象としては、例えば、 車が挙げられる。

 上記落雷シミュレーション装置において 前記設定部は、前記記憶部に格納されてい 落雷データを元に前記落雷開始位置及び前 雷電流波高値を乱数により設定することと てもよい。

 このように、落雷開始位置及び雷電流波 値についても落雷の統計データから生成さ ている落雷データに基づいて設定するので シミュレーション精度を更に向上させるこ が可能となる。

 上記落雷シミュレーション装置は、入力 を備え、前記設定部は、前記入力部から前 落雷候補点が入力された場合に、この入力 報に基づいて前記落雷候補点を設定するこ としてもよい。

 このように、入力部を備えることにより ユーザがシミュレーション空間に所望の場 に落雷候補点を設定することが可能となる

 本発明は、シミュレーション空間にシミ レーション対象、少なくとも1つの落雷候補 点、及び基準点を設定するとともに、落雷開 始位置及び雷電流波高値を設定する過程と、 設定された落雷開始位置から下向きリーダを 進展させる過程と、前記下向きリーダの先端 と前記基準点との距離が第1閾値以内となっ 場合に、前記シミュレーション空間に設定 れている各前記落雷候補点から上向きリー をそれぞれ進展させる過程と、前記下向き ーダの先端といずれかの前記上向きリーダ 先端との距離が第2閾値以内となった場合に その上向きリーダに対応する落雷候補点を 雷地点として認定する過程とを有し、自然 において発生した落雷の統計データに基づ て作成された落雷データを元に、前記下向 リーダ及び前記上向きリーダを進展させる 雷シミュレーション方法を提供する。

 本発明は、シミュレーション空間にシミ レーション対象、少なくとも1つの落雷候補 点、及び基準点を設定するとともに、落雷開 始位置及び雷電流波高値を設定する処理と、 自然界において発生した落雷の統計データに 基づいて作成された落雷データを元に、前記 落雷開始位置から下向きリーダを進展させる 処理と、前記下向きリーダの先端と前記基準 点との距離が第1閾値以内となった場合に、 記落雷データに基づいて、前記シミュレー ョン空間に設定されている各前記落雷候補 から上向きリーダをそれぞれ進展させる処 と、前記下向きリーダの先端といずれかの 記上向きリーダとの距離が第2閾値以内とな た場合に、その上向きリーダに対応する落 候補点を落雷地点として認定する処理とを ンピュータに実行させるための落雷シミュ ーションプログラムを提供する。

 本発明によれば、落雷シミュレーション 精度向上を図ることができるという効果を する。

本発明の一実施形態に係る落雷シミュ ーション装置のハードウェア構成の一例を した図である。 本発明の一実施形態に係る落雷シミュ ーション装置の機能を展開して示したブロ ク図である。 記憶装置に格納されている落雷データ 一つである雷電流波高値の頻度分布の一例 示した図である。 記憶装置に格納されている落雷データ 一つである下向きリーダの進展垂直角の頻 分布の一例を示した図である。 シミュレーション空間に設定されるシ ュレーション対象としての風車と、風車構 体に設定される複数の落雷候補点について 明するための説明図である。 下向きリーダの進展方法及び第1閾値に ついて説明するための図である。 上向きリーダの進展について説明する めの図である。 上向きリーダの進展及び第2閾値につい て説明するための図である。 本発明の第1の実施形態に係る落雷シミ ュレーション方法のフローチャートを示した 図である。 本発明の第1の実施形態に係るシミュ ーション結果を集計して表したシミュレー ョン集計結果の一例を示した図である。

符号の説明

1 CPU
2 主記憶装置
3 補助記憶装置
4 入力装置
5 出力装置
10 落雷シミュレーション装置
11 記憶装置
12 設定部
13 下向きリーダ進展部
14 上向きリーダ進展部
15 落雷地点認定部

 以下に、本発明に係る落雷シミュレーシ ン装置の各実施形態について、図面を参照 て説明する。

〔第1の実施形態〕
 図1は、本発明の第1の実施形態に係る落雷 ミュレーション装置の概略構成を示したブ ック図である。
 図1に示すように、本実施形態に係る落雷シ ミュレーション装置10は、コンピュータシス ム(計算機システム)であり、CPU(中央演算処 装置)1、RAM(Random AccessMemory)などの主記憶装 2、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard DiskDrive)など 補助記憶装置3、キーボードやマウスなどの 力装置4、及びモニタやプリンタなどの出力 装置5などを備えて構成されている。
 補助記憶装置3には、各種プログラムが格納 されており、CPU1が補助記憶装置3からRAMなど 主記憶装置2にプログラムを読み出し、実行 することにより種々の処理を実現させる。

 図2は、落雷シミュレーション装置10が備 る機能を展開して示した機能ブロック図で る。図2に示されるように、落雷シミュレー ション装置10は、記憶装置(記憶部)11、設定部 12(設定部)、下向きリーダ進展部13、上向きリ ーダ進展部14、及び落雷地点認定部15を備え いる。

 記憶装置11には、落雷シミュレーション 行う際に必要となる各種データが格納され いる。例えば、その一つとして落雷データ あげられる。落雷データは、自然界におい 発生した落雷の統計データに基づいて作成 れたものであり、例えば、どのような大き の雷が、どの程度の頻度で発生し、どの方 に進展させやすいかを示したデータである 具体的には、図3に示すような雷電流波高値( kA)、発生頻度(%)、及び累計(%)が対応付けられ た雷電流波高値の頻度分布や、図4に示すよ な下向きリーダの進展垂直角の頻度分布が 雷データの一部として記憶装置11に格納され ている。

 設定部12は、図5に示すように、3次元で表さ れるシミュレーション空間に、シミュレーシ ョン対象となる風車並びにその風車の周辺地 形に関する三次元座標を設定するとともに、 これらのシミュレーション空間に少なくとも 1つの落雷候補点P0-P8及び1つの基準点を設定 る。さらに、設定部12は、落雷開始位置並び に雷電流波高値を設定する。本実施形態では 、基準点として落雷候補点P0を設定したが、 準点と落雷候補点とは必ずしも一致してい くてもよい。
 上記風車並びに風車の周辺地形に関する三 元座標及び落雷候補点P0-P8については、例 ば、シミュレーションを行うにあたり、図2 入力装置4からユーザによって入力される三 次元データを元に設定されるものであっても よいし、また、記憶装置11に予め記憶されて る場合には、これらの記憶装置11から読み して設定することとしてもよい。

 また、落雷開始位置及び雷電流波高値につ ては、図2の入力装置4からユーザによって 力されたこれらのデータを設定してもよい 、記憶装置11に格納されている落雷データを 元にモンテカルロ法等を用いて統計的に設定 することとしてもよい。例えば、モンテカル ロ法とは、乱数を用いたシミュレーションを 何度も行うことにより近似解を求める計算手 法である。設定部12は、例えば、図3に示した 雷電流波高値の頻度分布を元に、モンテカル ロ法を用いて雷電流波高値を設定する。この ように、記憶装置11に格納されている自然界 おいて実際に発生した落雷の統計データを に、モンテカルロ法等の統計的手法を用い ことで落雷開始位置および雷電流波高値を 定することで、自然界における傾向を反映 せることが可能となり、より現実に即した れらの初期データを与えることができる。 れにより、シミュレーション精度の更なる 上を図ることができる。
 なお、落雷開始位置及び雷電流波高値のい れか一方を記憶装置11に格納されている落 データから設定し、他方を入力装置4から入 されたデータに基づいて設定することとし もよい。

 下向きリーダ進展部13は、設定部12によって 設定された落雷開始位置から下向きリーダを 進展させる。下向きリーダ進展部13は、記憶 置11に格納されている落雷データ、例えば 図4に示した下向きリーダの進展垂直角の頻 分布に基づいて発生確率に重み付けをし、 ンテカルロ法等の確率統計論を用いて下向 リーダを進展させる。
 具体的には、下向きリーダ進展部13は、以 の(1)式に基づいて下向きリーダのステップ Lsを求めるとともに、下向きリーダの進展垂 直角φ及び進展水平角θを図4に示される下向 リーダの進展垂直角の頻度分布に基づき乱 によって決定する。

 Ls=a×I b ×Kl   (1)

 上記(1)式において、a、bは任意に設定され 定数であり、Klは任意に設定される補正係数 、Iは設定部12によって設定された雷電流波高 値である。下向きリーダ進展部13は、図6に示 すように、進展させた下向きリーダの先端と シミュレーション対象である風車に設定され ている基準点P0との距離が第1閾値Rs以下とな まで、下向きリーダの進展を繰り返し行う
 第1閾値Rsは、任意に設定されるものであり 例えば、入力装置4からユーザが入力するこ とも可能であるし、また、規定値として予め 記憶装置11に格納されていてもよい。また、 1閾値Rsは、以下に示す(2)に基づいて決定さ てもよい。

 Rs=c×I d ×Ks   (2)

 上記(2)式において、c、dは任意に設定さ る定数であり、Ksは任意に設定される補正係 数、Iは設定部12によって設定された雷電流波 高値である。

 上向きリーダ進展部14は、下向きリーダの 端とシミュレーション対象に設定されてい 基準点P0との距離が第1閾値Rs以内となった場 合に、設定部12によって設定された各落雷候 点P0-P8から上向きリーダを進展させる(図7参 照)。
 上向きリーダ進展部14は、以下の(3)式に基 いて各落雷候補点から進展させる上向きリ ダを決定する。

 Lup=e×I g ×Kup(i)   (3)

 上記(3)式において、e、gは任意に設定さ る定数であり、Iは設定部12によって設定さ た雷電流波高値であり、Kup(i)は、i番目の落 候補点Piの補正係数である。つまり、補正 数Kupは、落雷候補点毎にそれぞれ設定され いる値であり、かつ、各落雷候補点が設定 れている部位の着雷傾向が反映されている 例えば、落雷候補点が絶縁物上に設定され いた場合には、補正係数Kup(i)が相対的に低 設定され、落雷候補点が金属上に設定され いた場合には、補正係数Kup(i)が相対的に高 設定される。また、落雷候補点が金属上に 定されているが絶縁体によって覆われてい 場合には、相対的に低く設定される。

 このように、各落雷候補点の着雷傾向を 正係数Kupに反映させることにより、シミュ ーションの精度を高めることが可能となる 上向きリーダの進展垂直角φ及び進展水平 θについては、例えば、落雷候補点毎に角度 範囲(例えば、±5deg)を決めておき、この範囲 でランダムに決定することとすればよい。 た、上述した下向きリーダと同様に、落雷 補点毎に、上向きリーダの進展垂直角の頻 分布をシミュレーション等により予め設定 ておき、この頻度分布に基づき乱数によっ 決定することとしてもよい。

 上向きリーダ進展部14は、図8に示すように 下向きリーダの先端といずれかの落雷候補 から進展させた上向きリーダの先端との距 が第2閾値Rth以下となるまで、上向きリーダ の進展を繰り返し行う。
 第2閾値Rthは、任意に決定される値であり、 例えば、以下の(4)に示すように、各落雷候補 点に対してそれぞれ設定されていてもよい。

 Rth=Ls+Lup(i)   (4)

 ここで、Lsは下向きリーダの最後のステ プ長、Lup(i)は、各落雷候補点から進展され 上向きリーダの最新のステップ長である。

 落雷地点認定部15は、上向きリーダ進展 14によって進展された上向きリーダの先端と 下向きリーダの先端との距離が第2閾値Rth以 となった場合に、その上向きリーダに対応 る落雷候補点を落雷地点として認定し、認 結果を出力する。

 落雷地点認定部15から出力された落雷地 は、例えば、落雷シミュレーション装置10が 備えるディスプレイ等の出力装置5(図2参照) 表示されるとともに、シミュレーション結 として、補助記憶装置3或いは外部記憶装置( 図示略)に記憶される。このとき、シミュレ ション結果として得られた落雷地点は、そ シミュレーション結果が得られたときの条 、例えば、設定部12によって設定された落雷 候補点の座標データ、雷電流波高値I、落雷 始地点の座標値、各下向きリーダ及び上向 リーダのそれぞれの座標値等、今回のシミ レーションにおいて設定された初期条件デ タ並びに今回のシミュレーションの処理過 によって得られた各種データと対応付けら て記憶される。

 次に、上述した落雷シミュレーション装置1 0が備える各部において実行される処理内容 ついて図9を参照して説明する。なお、図2に 示した各部により実現される後述の各種処理 は、図1に示したCPU1が補助記憶装置3に記憶さ れている落雷シミュレーションプログラムを 主記憶装置2に読み出して実行することによ 実現されるものである。
 また、本実施形態では、上述のように、風 をシミュレーション対象とした場合を例示 て説明する。

 まず、設定部12によって、初期条件の設 が行われる(図9のステップSA1)。具体的には 3次元で表されるシミュレーション空間に、 ミュレーション対象となる風車並びに、そ 風車の周辺地形に関する三次元座標が設定 れるとともに、これらのシミュレーション 間に落雷候補点P0-P8が設定される。更に、 雷開始位置、雷電流波高値、及び基準点が 定される。

 初期条件が設定されると、下向きリーダ 展部13によって、落雷開始位置から下向き ーダが進展される(ステップSA2)。下向きリー ダが1回進展される毎に、進展された下向き ーダの先端と基準点との距離L1が第1閾値Rs以 下であるか否かが判定され(ステップSA3)、第1 閾値Rsよりも大きければステップSA2に戻り、 向きリーダの進展が再度行われる。一方、 テップSA3において、進展された下向きリー の先端と基準点との距離L1が第1閾値Rs以下 あった場合には、下向きリーダの進展が停 され、上向きリーダ進展部14による上向きリ ーダの進展が開始される(ステップSA4)。これ より、各落雷候補点P0-P8から上向きリーダ それぞれ進展される。

 上向きリーダが各落雷候補点P0-P8におい 1回進展される毎に、進展された各上向きリ ダの先端と下向きリーダの先端との距離L2 第2閾値Rth以下であるか否かがそれぞれ判定 れ(ステップSA5)、全ての落雷候補点におい 、上記距離が第2閾値Rthよりも大きければス ップSA4に戻り、上向きリーダの進展が各落 候補点P0-P8において再度行われる。一方、 テップSA5において、いずれかの上向きリー の先端と下向きリーダの先端との距離L2が第 2閾値Rth以下であった場合には、上向きリー の進展が停止されるとともに、落雷地点認 部15により、第2閾値Rthとなった上向きリー に対応する落雷候補点が落雷地点として認 され、認定結果が出力される(ステップSA6)。 この結果、シミュレーション結果がディスプ レイ等の出力装置5(図1参照)に表示されると もに、シミュレーション結果として、補助 憶装置3或いは外部記憶装置に記憶される。 10に、本実施形態に係るシミュレーション 果を集計して表したシミュレーション集計 果の一例を示す。

 以上説明してきたように、本実施形態に係 シミュレーション装置、方法及びプログラ によれば、記憶装置11に格納されている自 界において収集された生データに基づいて 成された落雷データを元に落雷シミュレー ョンを行うので、現実に即した精度の高い ミュレーション結果を得ることが可能とな 。
 また、落雷候補点毎に補正係数を設定する とにより、上向きリーダの進展に際し、各 雷候補点が設定されている部位の落雷傾向 反映させることが可能となる。これにより 各落雷候補点の落雷傾向をシミュレーショ 結果に反映させることが可能となる。

 このような本実施形態に係る落雷シミュレ ション装置の用途としては、例えば、複数 落雷候補点のうち、その一部に避雷針を設 した場合を想定し、この条件下において上 の落雷シミュレーションを行い、避雷針を 定した落雷候補点への落雷頻度(落雷補足率 )を確認することで、避雷針の設置位置が最 であるか否かを検証することが一例として げられる。
 また、上記シミュレーション結果をタグチ ソッド等の公知の最適化手法の入力パラメ タとして用いて最適化処理を行うことによ 、シミュレーション空間、或いは、シミュ ーション対象における避雷針等の最適配置 置を得ることとも可能である。

 なお、本実施形態においては、シミュレー ョン対象である風車上にのみ落雷候補点を 定したが、これに代えて、シミュレーショ 空間に周辺の地形、周辺に構造物が配置さ ている場合には、これらの構造物や地面に しても落雷候補点を設定してもよい。この うに、シミュレーション対象となる風車だ ではなく、その周辺も考慮することにより 周辺に落雷が発生する確率についても求め ことが可能となる。
 特に、複数の風車が一定の領域に建造され いるウィンドファーム等では、各風車に対 て避雷針を設定するのに代えて、ウィンド ァーム内に避雷鉄塔を建設する場合も考え れる。このような場合には、ウィンドファ ム内に設置されている複数の風車や避雷鉄 に落雷候補点を設定することにより、ウィ ドファーム一帯における落雷の状況を把握 ることが可能となる。

〔第2の実施形態〕
 次に、本発明の第2の実施形態について、説 明する。
 例えば、季節、地形等のさまざまな要因に り、落雷傾向は異なる。したがって、落雷 向に影響を及ぼす影響因子を落雷データに 応付けて記憶装置11に記憶しておき、シミ レーション実行時においては、シミュレー ョンを行いたい条件(例えば、季節は夏、場 はX市等)に該当する影響因子に対応付けら ている落雷データを記憶装置11から読み出し 、これらの落雷データを用いて上記シミュレ ーションを行う。影響因子としては、例えば 、季節、極性比率、雷放電継続時間、多重雷 発生確率、雷雲高度、雷雲襲来方向、大地落 雷密度、年間雷雨日数等が挙げられる。

 具体的には、図3に示したような雷電流波 高値の頻度分布や図4に示したような下向き ーダの進展垂直角の頻度分布を、季節、地 等の影響因子毎に作成し、これらを記憶装 11に格納する。シミュレーション開始時にお いて、入力装置4(図2参照)等からシミュレー ョンの条件、例えば、「夏」、「X市」等の 響因子を特定する情報が入力された場合に 、設定部12、下向きリーダ進展部13、上向き リーダ進展部14は、指定された影響因子で特 される落雷データを記憶装置11から読み出 、読み出した落雷データを用いて上述と同 の設定処理や下向きリーダの進展、上向き ーダの進展を行う。

 このように、シミュレーションの条件に づいて落雷傾向に影響を与える影響因子を 定し、この影響因子に該当する落雷データ みを用いて落雷シミュレーションを行うこ により、シミュレーションの精度を更に向 させることが可能となる。

〔第3の実施形態〕
 次に、本発明の第3の実施形態に係る落雷シ ミュレーション装置について説明する。
 本実施形態においては、上向きリーダを進 させる場合に用いる上記補正係数Kup(i)を最 化計算手法を用いて最適化する。
 具体的には、上述した第1の実施形態に係る 落雷シミュレーションを所定回数、繰り返し て行い、各落雷候補点の落雷補足率を求める 。そして、この落雷補足率を最適化計算の初 期値として与え、落雷確率を文献値に合わせ 込むような補正係数を落雷候補点毎に求める 。このように、補正係数を最適化することに より、落雷シミュレーションの精度を更に高 めることが可能となる。

 また、上記最適化計算を行う際に、落雷 向に影響を与える要因である地形及び周辺 境、例えば、地形(例えば、陸上、海上等) 風条件、標高、周囲の地形の起伏、風車の 状・配置、独立避雷鉄塔の形状及び配置、 囲の構造物の形状及び配置、風車翼表面状 (塩分汚損状態、水滴付着、氷結等)、土壌の 抵抗率、各種設備の設置抵抗等をパラメータ として与えるとよい。

 以上、本発明の実施形態について図面を 照して詳述してきたが、具体的な構成はこ 実施形態に限られるものではなく、本発明 要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含ま る。