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Patent Searching and Data


Title:
LINEAR MOTION GUIDANCE DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/028268
Kind Code:
A1
Abstract:
A linear motion guidance device has very high degree of motion precision achieved by suppressing a waving phenomenon. The linear motion guidance device (60) has a track rail (61) in which a rolling body rolling groove (61a) is formed in the longitudinal direction of the track rail, a movement block (63) in which a loaded rolling body groove facing the rolling body rolling groove (61a) is formed, and balls rollably arranged in a loaded rolling path formed by the rolling body rolling groove (61a) and the loaded rolling body rolling groove. The movement block (63) can reciprocate in the longitudinal direction of the track rail (61). The linear motion guidance device (60) is constructed such that the diameter of the balls is 1/10 or less of the width of the track rail (61) and such that the movement block (63) has a block length conforming to ISO. The number L of endless circulation paths is set to satisfy the relationship of L = 4 x N (N is a natural number of 2 or greater). It is particularly preferable that the number L be eight.

Inventors:
TAKAHASHI TORU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/062601
Publication Date:
March 05, 2009
Filing Date:
July 11, 2008
Export Citation:
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Assignee:
THK CO LTD (JP)
TAKAHASHI TORU (JP)
International Classes:
F16C29/06
Domestic Patent References:
WO1997041363A11997-11-06
Foreign References:
JPH08126247A1996-05-17
JPH1162961A1999-03-05
Attorney, Agent or Firm:
ISHIKAWA, Yasuo (17-11 Shiba 2-chome,Minato-k, Tokyo 14, JP)
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Claims:
 長手方向に沿って転動体転走溝が形成される軌道レールと、
 前記転動体転走溝に対向する負荷転動体転走溝が形成される移動ブロックと、
 前記転動体転走溝と前記負荷転動体転走溝とによって構成される負荷転走路内に転動自在に設置される複数のボールと、
 を有することにより、前記移動ブロックが前記軌道レールの長手方向で往復運動自在とされる直動案内装置であって、
 前記ボールの直径が、前記軌道レールの幅の1/10以下となるように構成されることを特徴とする直動案内装置。
 長手方向に沿って転動体転走溝が形成される軌道レールと、
 前記転動体転走溝に対向する負荷転動体転走溝が形成される移動ブロックと、
 前記転動体転走溝と前記負荷転動体転走溝とによって構成される負荷転走路内に転動自在に設置される複数のボールと、
 を有することにより、前記移動ブロックが前記軌道レールの長手方向で往復運動自在とされる直動案内装置であって、
 前記ボールの直径が前記軌道レールの幅の1/10以下となるように構成され、且つ、前記移動ブロックがISO準拠のブロック長を有して構成されることを特徴とする直動案内装置。
 請求項1又は2に記載の直動案内装置において、
 前記移動ブロックは、
 前記負荷転動体転走溝と当該負荷転動体転走溝に略平行な無負荷転走路が形成される移動ブロック本体部と、
 前記負荷転走路と前記無負荷転走路の端同士を連通する方向転換路が形成されるとともに前記移動ブロック本体部の両端にそれぞれ装着される一対の側蓋体と、
 を備え、
 負荷転走路、無負荷転走路及び一対の方向転換路によって形成される無限循環路の条数Lが、L=4×N(Nは2以上の自然数)となるように構成されていることを特徴とする直動案内装置。
 請求項3に記載の直動案内装置において、
 前記無限循環路の条数Lが8であることを特徴とする直動案内装置。
Description:
直動案内装置

 本発明は、直動案内装置に係り、特に、 ェービング現象の発生を抑制することによ て運動精度の向上を図った直動案内装置に するものである。

 機械の直線運動を転動体の回転を通じて 内する直動案内装置は、現在、あらゆる分 の機械装置で使用されるものである。かか 直動案内装置にあっては、これまで運動精 (位置決め精度、追従精度、走行精度など) 向上を図るために様々な改良が施されてき おり、例えば下記表1に示されるように、300m m当たりの真直精度では0.5μm~1.0μm、ウェービ グ精度では0.05μm~0.1μmを満足する精密直動 内装置が実現するに至っている。

 これらの改良は、例えば無限循環するボ ルが無負荷域から負荷域に移動する際の転 り運動をスムーズなものとするために、当 箇所に設けられるクラウニング形状を最適 するなどといった、改良技術の積み重ねに って成されてきた経緯がある。

 しかしながら、近時の産業界にあっては さらなる直動案内装置の高精度化を要望さ ており、例えば300mm当たりの真直精度では0. 1μm~0.5μm、ウェービング精度では0.01μm~0.05μm どといった運動精度を満足する、超精密直 案内装置を実現することが求められている( 下記表2参照)。また、この超精密直動案内装 を実現した場合の更なる目標としては、下 表2で示される超々精密の直動案内装置の実 現が期待されている。そして、このような超 精密直動案内装置等を実現する際に乗り越え なければならない技術障壁として、ウェービ ング現象の極小化を図るという課題が存在し ていた。

 すなわち、ウェービング現象とは、転動 の転走溝に対する周期的な相対位置のずれ 起因する移動ブロックの姿勢変化や振動(脈 動)のことであるが、これまでウェービング 象を最小限に抑えるためには、移動ブロッ の転走溝の両端部、すなわち転走溝の無負 域と負荷域との境界位置に形成されたクラ ニングと密接な関係があり、このクラウニ グの形状を最適化することによってウェー ングの極小化を図ろうとする試みが成され きた。

 ただし、クラウニング形状の最適化とい 観点からの改良だけでは、産業界が要求す 超精密直動案内装置を実現することは難し 、新たな観点からの改良技術を創案するこ が求められていた。

 本発明は、上述した課題の存在に鑑みて されたものであって、その目的は、ウェー ング現象を抑制することによって、産業界 要求する超精密な直動案内装置を提供する とにある。

 本発明に係る直動案内装置は、長手方向 沿って転動体転走溝が形成される軌道レー と、前記転動体転走溝に対向する負荷転動 転走溝が形成される移動ブロックと、前記 動体転走溝と前記負荷転動体転走溝とによ て構成される負荷転走路内に転動自在に設 される複数のボールと、を有することによ 、前記移動ブロックが前記軌道レールの長 方向で往復運動自在とされる直動案内装置 あって、前記ボールの直径が、前記軌道レ ルの幅の1/10以下となるように構成されるこ とを特徴とする。

 本発明に係る他の直動案内装置は、長手 向に沿って転動体転走溝が形成される軌道 ールと、前記転動体転走溝に対向する負荷 動体転走溝が形成される移動ブロックと、 記転動体転走溝と前記負荷転動体転走溝と よって構成される負荷転走路内に転動自在 設置される複数のボールと、を有すること より、前記移動ブロックが前記軌道レール 長手方向で往復運動自在とされる直動案内 置であって、前記ボールの直径が前記軌道 ールの幅の1/10以下となるように構成され、 且つ、前記移動ブロックがISO準拠のブロック 長を有して構成されることを特徴とする。

 本発明に係る直動案内装置において、前 移動ブロックは、前記負荷転動体転走溝と 該負荷転動体転走溝に略平行な無負荷転走 が形成される移動ブロック本体部と、前記 荷転走路と前記無負荷転走路の端同士を連 する方向転換路が形成されるとともに前記 動ブロック本体部の両端にそれぞれ装着さ る一対の側蓋体と、を備え、負荷転走路、 負荷転走路及び一対の方向転換路によって 成される無限循環路の条数Lが、L=4×N(Nは2以 上の自然数)となるように構成することが好 である。

 また、本発明に係る直動案内装置におい は、前記無限循環路の条数Lを8とすること できる。

 本発明によれば、ウェービング現象を抑 することが可能となるので、産業界が要求 る超精密な直動案内装置を提供することが きる。

ISO規格が規定する直動案内装置(Series 1 )の形状を示す図であり、その寸法は表3にて されている。 ISO規格が規定する直動案内装置(Series 2 )の形状を示す図であり、その寸法は表4にて されている。 ISO規格が規定する直動案内装置(Series 3 )の形状を示す図であり、その寸法は表5にて されている。 本実施形態に係る数値解析で定義され 直動案内装置の座標系を示す図である。 型番 # 15において負荷転動体転走溝長さ基準値l t を変化させたときのボール径とウェービング 値との関係を示す図である。 型番 # 25において負荷転動体転走溝長さ基準値l t を変化させたときのボール径とウェービング 値との関係を示す図である。 型番 # 45において負荷転動体転走溝長さ基準値l t を変化させたときのボール径とウェービング 値との関係を示す図である。 型番 # 55において負荷転動体転走溝長さ基準値l t を変化させたときのボール径とウェービング 値との関係を示す図である。 型番 # 65において負荷転動体転走溝長さ基準値l t を変化させたときのボール径とウェービング 値との関係を示す図である。 型番 # 25、負荷転動体転走溝長さ基準値l t =100のときに、外部荷重を0.10Cから0.50Cで変化 せた場合のボール径とウェービング値との 係を示す図である。 図5で示した数値解析結果の波形を拡 することによって、更なるウェービング値 ボール径との関係を明らかにした図である 図6で示した数値解析結果の波形を拡 することによって、更なるウェービング値 ボール径との関係を明らかにした図である 図7で示した数値解析結果の波形を拡 することによって、更なるウェービング値 ボール径との関係を明らかにした図である 図8で示した数値解析結果の波形を拡 することによって、更なるウェービング値 ボール径との関係を明らかにした図である 図9で示した数値解析結果の波形を拡 することによって、更なるウェービング値 ボール径との関係を明らかにした図である 表7で示した解析結果をタイプごとに 較するために折れ線グラフで表した図であ 。 本実施例に係る直動案内装置の外観斜 視図である。 本実施例に係る直動案内装置の縦断面 図である。

符号の説明

 60 直動案内装置、61 軌道レール、61a 転 動体転走溝、61b ボルト取付孔、62 ボール、 63 移動ブロック、64 移動ブロック本体部、6 4a 負荷転動体転走溝、64b 上面、64c 雌ねじ 66 側蓋体、67 負荷転走路、68 方向転換路 70 無負荷転走路。

[発明者の着想]
 発明者は、今回初めて、直動案内装置に用 られるボールの径を小さくすることによっ 、ウェービング現象を抑制することができ のではないかとの着想を得るに至った。な なら、ボールを小径化することによって剛 は高くなるので、運動精度の向上に寄与す のではないかと考えたからである。また、 ールを小径化することは、ボール1個当たり に対する荷重あるいは面圧を下げる方向とな り、さらに、クラウニング形状が設けられた 箇所、すなわち無限循環するボールが無負荷 域から負荷域に移動する箇所でのボールの出 入りの影響を小さくできる方向となるので、 移動ブロックの姿勢変動や振動(脈動)を極小 できると考えられる。

 ただし、直動案内装置に関わる従来の設 者は、ボールを小径化すると直動案内装置 定格荷重が小さくなってしまうので、ボー の径を小さくするという設計思想自体を持 ことはなかった。したがって、従来技術で 、クラウニング形状が設けられた箇所にお るボールの通過振動を抑制するためには、 えば、移動ブロックの長さを大きくするこ によって従来の径を持ったボールの設置数 多くし、運動精度の向上を図ろうとする試 などが行われていた(例えば、特開2000-46052 公報参照)。

 しかしながら、移動ブロックの長さを大き することは、図1乃至図3、及びこれら図1乃 図3に対応する表3乃至表5によって示されるI SO規格(ISO/CD 12090-1 及び ISO/CD 12090-2)の移動 ロック長さB MAX を逸脱するものであり、ユーザにとっては使 用条件が大きく制約されるという問題を有し ていた。

 そこで発明者は、移動ブロックが上記ISO規 に準拠するブロック長を有し、且つ、直動 内装置に要求される定格荷重を維持しなが も剛性を向上させることのできる直動案内 置を得るべく、最適なボール径を見出そう 努力したのである。次に、発明者が行った 自の数値解析の内容について、詳細に説明 行うこととする。
[着想の検証(数値解析)]
 図4に、本実施形態に係る数値解析で定義さ れた直動案内装置の座標系を示す。本実施形 態に係る数値解析で想定する外部荷重は、図 4に示すように直動案内装置の中心にとられ 座標原点に作用するものとし、その座標原 におけるウェービング値を算出することと た。また、z軸方向、つまり鉛直方向ウェー ングに焦点をあてて解析を行うこととした

 さらに、本実施形態に係る数値解析では、5 種類の型番( # 15, # 25, # 45, # 55, # 65であり、それぞれの数字が軌道レールの幅 向寸法(単位mm)を示している)を対象にボー 径と移動ブロックの負荷転動体転走溝長さ 変化させて、各々のボール径、移動ブロッ の負荷転動体転走溝長さに対して最適なク ウニング形状を付与させたときのウェービ グ値を算出した。このときの外部荷重は0.1C 純ラジアル荷重であり、最適クラウニング さはクラウニングを付与しない状態で0.1Cの 純ラジアル荷重を作用させたときの最大ボー ル弾性変形量の値とした。また、クラウニン グ形状は、直線クラウニングとしている。本 実施形態に係る数値解析の解析条件の詳細を 表6に示す。

 以上の条件での数値解析を実施した結果、 5乃至図9に示すような解析結果を得た。こ で、図5乃至図9は、各型番( # 15, # 25, # 45, # 55, # 65)において負荷転動体転走溝長さ基準値l t を変化させたときのボール径とウェービング 値との関係を示す図である。なお、図5乃至 9中において製品A,製品Bと表記されるものは 出願人が製造販売している従来の直動案内 置の製品シリーズを例示するものであり、 かる製品シリーズごとで従来から使用され いるボール径(D a )を縦方向の線分を引くことによって参考値 して示している。

 そして、図5乃至図9で示される数値解析結 から分かったことは、いずれの負荷転動体 走溝長さ基準値l t であっても、ボール径が小さくなれば小さく なるほどウェービング値が小さくなるという ことである。

 また、上記知見を得たことから、さらに直 案内装置に加わる外部荷重の違いによる影 を把握するために、型番 # 25、負荷転動体転走溝長さ基準値l t =100のときに、外部荷重を0.10Cから0.50Cで変化 せた場合のボール径とウェービング値との 係を求めた。その解析結果が、図10に示さ ている。図10から分かるとおり、外部荷重が 大きければ大きいほどウェービング値が大き くなることは予想されたことであったが、一 方で、どのような大きさの外部荷重であって も、ボール径が小さくなれば小さくなるほど ウェービング値が小さくなるという傾向に変 わりはないことが明らかとなった。

 以上の結果を得たことから、発明者は、 ェービング精度が0.01μm~0.05μmの超精密直動 内装置、あるいはウェービング精度が0.01μm 以下の超々精密直動案内装置を想定した場合 の最適なボール径を求めるために、図5乃至 9で示した数値解析結果の波形を拡大し、ウ ービング値が0.05μm以下となっている場合の ウェービング値とボール径との関係を求める こととした。その結果を、図11乃至図15に示 。

 そして、図11乃至図15で示される解析結果 から、図11乃至図15の波形は、図中の縦方向 破線で示される箇所が変化点となり、この 線より左側のボール径が大きい方でウェー ング値の変化が大きく(すなわち、ボール径 径化の影響が大きいことを示している)、破 線より右側ではウェービング値の変化が小さ いことが分かった(すなわち、破線の値より ール径を小さくしてもウェービング値の抑 には影響が少ない)。

 さらに、図11乃至図15で示される解析結果か ら分かったこととして、型番 # 15の場合はボール径が1.5mmより小さくなると ェービング値が安定して小さくなり、型番 # 25の場合はボール径が3.0mmより小さくなると ェービング値が安定して小さくなり、型番 # 45の場合はボール径が4.5mmより小さくなると ェービング値が安定して小さくなり、型番 # 55の場合はボール径が5.7mmより小さくなると ェービング値が安定して小さくなり、型番 # 65の場合はボール径が6.5mmより小さくなると ェービング値が安定して小さくなるという とが挙げられる。

 この結果をボールの直径と軌道レールの幅 の関係として整理すると、型番 # 15の場合はボールの直径が軌道レールの幅の1 /10となったときに上記変化点が現れ、型番 # 25の場合はボールの直径が軌道レールの幅の1 /8.33となったときに上記変化点が現れ、型番 # 45の場合はボールの直径が軌道レールの幅の1 /10となったときに上記変化点が現れ、型番 # 55の場合はボールの直径が軌道レールの幅の1 /9.65となったときに上記変化点が現れ、型番 # 65の場合はボールの直径が軌道レールの幅の1 /10となったときに上記変化点が現れることが 明らかとなった。しかもこれらの結果は、全 ての型番を総合しても、その変化点が0.008μm~ 0.002μm以下のウェービング値を満足するもの あり、ボールの直径が軌道レールの幅の1/10 以下となるように直動案内装置を構成すれば ウェービング精度が0.01μm以下の超々精密直 案内装置を実現できることを示している。

 なお、図11乃至図15で示される解析結果から 、ボール径の下限値については小さければ小 さいほどウェービング値を抑制する方向にな ることが明らかであり、製造技術上の制約が 存在しなければ、ボール径は限りなく0(ゼロ) に近い値であればあるほど良いことが予想さ れる。ただし、現時点での製造技術を鑑みる と、現実的なボール直径の下限値は、0.7mm~0.5 mm程度であるとすることができる。
[実用化への更なる改良]
 さらに、発明者は、ボール径を小径化する とによる定格荷重の低下に対する対策とし 、無限循環路の条数Lを増加させることを着 想し、その効果を検証することとした。

 具体的な検証方法としては、下記表7に示 すように、出願人が従来から製造販売してい るSNS45という製品シリーズの直動案内装置を い、従来品であるSNS45と、SNS45のボールを小 径化したもの(すなわち、ボールの直径が軌 レールの幅の1/10以下となるようにしたもの あり、無限循環するボールの条数は4条であ る)、及びSNS45でボールを小径化するとともに 無限循環するボールの条数を8条としたもの という3つのタイプの製品を想定した。そし 、それぞれのタイプの製品ごとに、基本動 格荷重(Basic dynamic load rating)、ウェービン 値(Waving amplitude)、及びラジアル方向変位(Ra dial displacement)を解析ソフトによって算出し 。その解析結果を、表7及び図16に示す。な 、図16は、表7で示した解析結果をタイプご に比較するために折れ線グラフで表した図 ある。

 その結果、従来品であるSNS45と、SNS45のボ ールを小径化したものとを比べると、SNS45の ールを小径化したものは、ウェービング値 ラジアル方向変位が低下(改善)しているも の、基本動定格荷重も同時に低下(悪化)して おり、直動案内装置としての案内能力の低下 が危惧される。

 しかし、SNS45でボールを小径化するとと に無限循環するボールの条数を8条としたも については、SNS45のボールを小径化したの のものと比較して、さらにウェービング値 ラジアル方向変位が低下(改善)しながらも、 基本動定格荷重が非常に向上(良化)している この解析結果から、本発明品である「小径 ール」と「8条」を組み合わせた形式の直動 案内装置は、従来と同程度の運動案内機能( 本動定格荷重)を維持しながらも、運動精度 飛躍的に向上するという、非常に有意な効 を発揮できることが明らかとなった。

 なお、無限循環するボールの条数につい は、バランスのとれた安定走行可能な直動 内装置を得ることを考慮して、無限循環す ボールの条数をL=4×N(Nは2以上の自然数)とな るように構成することが好適であると考えら れる。ただし、条数Lの現実的な値について 、上記数式を満足するものであれば良いの あるが、ISO準拠の直動案内装置を想定した 合の値として、条数Lを8とすることが好まし い。

 以上の内容をまとめると、直動案内装置 用いられるボールの小径化、具体的にはボ ルの直径が軌道レールの幅の1/10以下となる ように構成することによって、ウェービング の発生を極小化できることが明らかとなった 。

 また、無限循環するボールの条数の多条 、具体的にはボールの条数LをL=4×N(Nは2以上 の自然数)となるように構成することによっ 、直動案内装置に用いられるボールの個数 増加し、ボールの小径化によって危惧され 定格荷重の低下を防止することが可能とな た。さらに、ボールの条数の多条化には、 ェービングの発生を抑制する効果があるこ も明らかとなった(図16参照)。

 なお、「ボールの小径化」と「条数の多条 」は、いずれも直動案内装置に設置される ールの個数が増加することにつながるので ボール1個当たりに対する荷重あるいは面圧 を下げるといった有意な構成を取り得ること を示しており、かかる構成の効果によって、 直動案内装置における運動精度の向上(例え 、移動ブロックの姿勢変動や振動(脈動)の極 小化)が実現する。また、「ボールの小径化 と「条数の多条化」は、ISO準拠の移動ブロ ク長を維持しながらも上述したボール設置 数を増加させることにつながるので、「ボ ルの小径化」と「条数の多条化」との相乗 果によって、直動案内装置における運動精 の向上が実現している。ちなみに、「ボー の小径化」は、移動ブロックの体積増加に 寄与するので、移動ブロックの剛性が向上 、かかる点からも直動案内装置の運動精度 上が実現されている。
[直動案内装置の具体例]
 次に、発明者の見出した上述の好適な条件 満足する直動案内装置の実施例について、 面を用いて説明する。なお、以下の実施例 、各請求項に係る発明を限定するものでは く、また、実施例の中で説明されている特 の組み合わせの全てが発明の解決手段に必 であるとは限らない。

 図17及び図18は、本実施例に係る直動案内 装置の一形態を示しており、特に、図17は本 施例に係る直動案内装置の外観斜視図であ 、図18は本実施例に係る直動案内装置の縦 面図である。そして、本実施例に係る直動 内装置60は、軌道レール61と、その軌道レー 61に複数のボール62…を介して移動自在に取 り付けられた移動ブロック63とを備えている

 軌道レール61は概略矩形の断面を有する 尺の部材であり、その上面及び両側面には ール62を受け入れ可能な転動体転走溝61aが軌 道レール61の長手方向に沿って形成されてい 。また、本実施例に係る直動案内装置の場 、軌道レール61の上面に4条、軌道レール61 両側面にそれぞれ2条ずつの転動体転走溝61a 形成されており、合計で8条の転動体転走溝 61aが軌道レール61の全長に亘って形成されて る。軌道レール61には、その長手方向に適 間隔をおいて複数のボルト取付孔61bが形成 れている。これらボルト取付孔61bに螺着さ るボルト(不図示)により、軌道レール61が所 の取付面、例えば工作機械のベッドの上面 固定される。なお、図示の軌道レール61は 線状であるが、一定の曲率を持った曲線状 レールが使用されることもある。

 移動ブロック63は、鋼等の強度の高い材 にて構成された移動ブロック本体部64と、そ の移動ブロック本体部64の両端にボルト(不図 示)にて固定される一対の側蓋体66,66とを備え ている。

 移動ブロック本体部64には、軌道レール61 の転動体転走溝61aとそれぞれ対向する8条の 荷転動体転走溝64aが設けられている。これ 転動体転走溝61aと負荷転動体転走溝64aとの み合わせにより、軌道レール61と移動ブロッ ク63との間に8条の負荷転走路67が形成される 移動ブロック本体部64の上面64bには複数(図1 7では4本)の雌ねじ64cが形成されており、これ らの雌ねじ64cを利用することによって、移動 ブロック63が所定の取付面、例えば工作機械 サドルやテーブルの下面に固定される。

 また、移動ブロック本体部64には、8条の 荷転動体転走溝64aに対して略平行な無負荷 走路70が形成されている。一方、移動ブロ ク本体部64の両端に固定される一対の側蓋体 66,66には、負荷転走路67と無負荷転走路70の端 同士を連通する方向転換路68が8条ずつ形成さ れており、移動ブロック本体部64への装着に ってこれら8条の方向転換路68が負荷転走路6 7と無負荷転走路70とを連通し、8条の無限循 路を形成する。本実施例に係る直動案内装 60は、以上のような構成を備えているので、 移動ブロック63が軌道レール61の長手方向で 復運動自在となっている。

 そして、上述した本実施例に係る直動案内 置60においては、ボール62の直径が軌道レー ル61の幅の1/10以下となるように構成されてお り、且つ、移動ブロック63がISO準拠のブロッ 長B MAX を有して構成されている。ボール62の小径化 行われた上記構成を備えることによって、 実施例に係る直動案内装置60は、ウェービ グ現象を最小限に抑制することが可能とな 、運動精度の向上が図られている。

 また、本実施例に係る直動案内装置60で 、負荷転走路67、無負荷転走路70及び一対の 向転換路68,68によって形成される無限循環 の条数Lが8となるように構成されている。本 実施例に係る直動案内装置60は、ウェービン 現象の極小化のためにボール62の直径が軌 レール61の幅の1/10以下となるように構成さ ているのであるが、この構成は、直動案内 置60の定格荷重を低下させてしまう虞がある 。そこで、無限循環路の条数、すなわち無限 循環するボール62の条列の数を8条とすること によって、定格荷重を向上させ、ボール62の 径化による影響を排除したのである。かか 構成の採用によって、超々精密と呼ばれる ラスの運動精度を得ながらも、従来の直動 内装置と同等の定格荷重を維持した直動案 装置60を実現することができた。

 さらに、本実施例に係る直動案内装置60 、移動ブロック63の外形寸法をISO規格に準拠 したものとしながらもボール62の小径化が行 れているので、移動ブロック本体部64等に して負荷転走路67及び無負荷転走路70が占め 割合が少なくてすみ、ゆえに移動ブロック 体部64の剛性が向上するという効果をも発 することができる。

 またさらに、本実施例に係る直動案内装 60によれば、移動ブロック63の長さをISO規格 に準拠したものとすることができるので、広 い汎用性が有る。

 以上、本発明の好適な実施例について説 したが、本発明の技術的範囲は上記実施例 記載の範囲には限定されない。上記実施例 は、多様な変更又は改良を加えることが可 である。

 例えば、図17及び図18で示した本実施例に 係る直動案内装置60は、無限循環路の条数Lが 8となるように構成されていたが、負荷転走 67、無負荷転走路70及び一対の方向転換路68,6 8によって形成される無限循環路の条数Lにつ ては、L=4×N(Nは2以上の自然数)なる数式を満 足するように構成されていれば良い。具体的 には、条数Lは、12や16等であっても良い。

 その様な変更又は改良を加えた形態も本 明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許 求の範囲の記載から明らかである。