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Patent Searching and Data


Title:
LIQUID CRYSTAL PANEL, LIQUID CRYSTAL DISPLAY, AND DISPLAY METHOD FOR LIQUID CRYSTAL PANEL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/117569
Kind Code:
A1
Abstract:
A liquid crystal panel (10) has a liquid crystal layer made up of a p-type liquid crystal, is homogeneously aligned at the time of no voltage application, and is aligned in the direction in which the direction of electric-field application and the direction of dipole moments (μ) of liquid crystal molecules (3a) at the time of no electric-field application are equal. This makes it possible to realize a wide viewing angle characteristic equal to an IPS mode and a high-speed response property like an OCB mode or exceeding the OCB mode at the same time and to provide a liquid crystal panel and a liquid crystal display for performing a display by means of a new display system requiring no initial bend-transfer operation.

Inventors:
ISHIHARA, Shoichi (())
石原 將市 (())
SAKURAI, Takehisa (())
Application Number:
JP2008/051572
Publication Date:
October 02, 2008
Filing Date:
January 31, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SHARP KABUSHIKI KAISHA (22-22, Nagaike-cho Abeno-k, Osaka-shi Osaka 22, 5458522, JP)
シャープ株式会社 (〒22 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 Osaka, 5458522, JP)
ISHIHARA, Shoichi (())
石原 將市 (())
International Classes:
G02F1/139
Attorney, Agent or Firm:
HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK (Daiwa Minamimorimachi Building, 2-6 Tenjinbashi 2-chome Kita, Kita-k, Osaka-shi Osaka 41, 5300041, JP)
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Claims:
 液晶材料からなる光学変調層を備え、
 上記液晶材料はp型液晶であり、電圧無印加時に、上記液晶材料の液晶分子はホモジニアス配向をしており、かつ、
 上記光学変調層における電界印加方向と、上記電界無印加時の液晶分子のダイポールモーメントの方向とがほぼ等しいことを特徴とする液晶パネル。
 上記光学変調層に電界を印加する電極を備え、
 上記電極は、各画素に、導電性部位と非導電性部位との繰り返しパターンを有していることを特徴とする請求項1記載の液晶パネル。
 上記導電性部位がITOからなることを特徴とする請求項2記載の液晶パネル。
 上記電極が櫛歯電極であることを特徴とする請求項2または3記載の液晶パネル。
 少なくとも一方が透明な一対の基板間に、液晶材料からなる光学変調層を備え、
 電圧無印加時に、上記液晶材料の液晶分子はホモジニアス配向をしており、かつ、電界印加時に、基板厚み方向に弓なりにベンド配向することを特徴とする液晶パネル。
 請求項1または5記載の液晶パネルを備えた液晶表示装置。
 液晶材料からなる光学変調層を備えた液晶パネルの表示方法であって、
 上記液晶材料としてp型液晶を使用し、電圧無印加時に、上記液晶材料の液晶分子をホモジニアス配向させ、
 上記光学変調層に対し、上記ホモジニアス配向した液晶分子のダイポールモーメントの方向とほぼ同じ方向に電界を印加することを特徴とする液晶パネルの表示方法。
Description:
液晶パネルおよび液晶表示装置 びに液晶パネルの表示方法

 本発明は新規な表示方式により表示を行 液晶パネルおよび液晶表示装置並びに液晶 ネルの表示方法に関するものであり、より しくは、液晶層の液晶分子を、電圧印加に りホモジニアス配向からベンド配向に変形 せて光の透過を制御する新規な表示方式を いた液晶パネルおよび液晶表示装置並びに 晶パネルの表示方法に関するものである。

 液晶表示装置は、薄型、軽量、低消費電 を特徴とし、様々な分野で広く用いられて る。液晶表示装置の表示性能は、年月の経 に伴って格段に進歩してきており、いまやC RT(陰極線管)を凌ぐほどまでになってきてい 。

 液晶表示装置の表示方式は、液晶セル内 液晶をどのように配列させるかによって決 される。従来、液晶表示装置の表示方式と ては、例えば、TN(Twisted Nematic)モード、MVA(M ulti-domain Vertical Alignment)モード、IPS(In-Plain S witching)モード、OCB(Optically Compensated Birefringen ce)モード等の各種表示方式が知られている。

 従来、このような表示方式を用いた液晶 示装置は大量に生産されている。そのなか も、例えば、TNモードの液晶表示装置は、 く一般的に用いられている。しかしながら TNモードの液晶表示装置は、応答が遅い、視 野角が狭い等の欠点を有している。

 これに対し、MVAモードは、アクティブマ リクス基板の画素電極にスリットを設ける ともに、対向基板の対向電極に液晶分子配 制御用の突起(リブ)を設け、これによって 成されるフリンジフィールド(Fringe Field)に って液晶分子の配向方向を複数方向に配設 せるものであり、電圧印加時に液晶分子が れる方向を複数に分割(Multi-domain)することに よって、広視野角を実現している。しかしな がら、TNモードと同様、応答が遅いという欠 を有している。

 上記した各種表示方式のなかでも、IPSモ ド(例えば、非特許文献3参照)は、より簡単 構成で広視野角を実現する表示方式であり 液晶分子を面内でスイッチングさせること ら、視野角が非常に広い。しかしながら、I PSモードもまた、TNモード、MVAモードと同様 応答が遅いという欠点を有している。

 一方、上記した各種表示方式のなかでも、O CBモード(例えば、非特許文献1および非特許 献2参照)は、平行に配向処理された2枚の基 間にネマチック液晶を挟持しただけの簡単 構成で高速応答が実現できる唯一の表示方 である。このため、OCBモードは、低温の応 特性が問題となる車載用途等において特に 目されている。

米国特許第3,687,515号公報(登録日:1972年8 29日)

日本国公開特許公報「特開2003-315833号公 (公開日:2003年11月6日)」 P. L. Bos and J. A. Rahman, “An Optically  Self-Compensating” Electro-Optical Effect with Wide Angle of View”, Technical Digest of SID Symp., p2 73-276, 1993. Y. Yamaguchi, T. Miyashita, and T. Uchida, “W ide-Viewing-Angle Display Mode for the Active-Matrix L CD Using Bend-Alignment Liquid-Crystal Cell”, Technic al Digest of SID Symp., p277-280, 1993. K. Kiefer, B. Weber, F. Windschield, and G. Ba ur, “In-Plane Switching of Nematic Liquid Crystals , Proc. The 12th Int’l Disp. Res. Conf. (Japan D isplay’92), No.P2-30, p547-550, 1992. Yoshio Shinbo, Yoichi Takanishi, Ken Ishikawa, E wa Gorecka, Damian Pociecha, Jozef Mieczkowski, Kinga Gomola and Hideo Takezoe, Jpn. J. Appl. Phys., Vol. 45, No.10, p L282-L284, 2006.

 しかしながら、OCBモードは、高速な応答 を示す一方で、電源投入時に、初期配向で るスプレイ配向から駆動時のベンド配向へ 転移操作が必要であり、通常駆動回路の他 初期転移用駆動回路が必要となるため、コ トアップ要因を内在している。また、視野 特性が、IPSモードに比べて劣るといった問 点を有している。

 以上のように、IPSモードと同等の広視野 特性を有し、かつOCBモード並、あるいはそ 以上の高速応答性を有する実用的な液晶パ ルおよび液晶表示装置、すなわち、高速応 性と広視野角特性とを同時に実現すること できる液晶パネルおよび液晶表示装置は、 れまで未だ発明されていない。また、初期 ンド転移操作が不要であり、実用的なベン 配向を実現することができる液晶パネルお び液晶表示装置も未だ発明されていない。

 本発明は、上記従来の問題点に鑑みてな れたものであり、その目的は、IPSモードと 等の広視野角特性と、OCBモード並、あるい それ以上の高速応答性とを同時に実現する とができるとともに、初期ベンド転移操作 不要な、新規な表示方式により表示を行う 晶パネルおよび液晶表示装置並びに液晶パ ルの表示方法を提供することにある。

 上記課題を解決するための液晶パネルは 液晶材料からなる光学変調層を備え、上記 晶材料はp型液晶であり、電圧無印加時に、 上記液晶材料の液晶分子はホモジニアス配向 をしており、かつ、上記光学変調層における 電界印加方向と、上記電界無印加時の液晶分 子のダイポールモーメントの方向とがほぼ等 しい。

 また、液晶パネルの表示方法は、液晶材 からなる光学変調層を備えた液晶パネルの 示方法であって、上記液晶材料としてp型液 晶を使用し、電圧無印加時に、上記液晶材料 の液晶分子をホモジニアス配向させ、上記光 学変調層に対し、上記ホモジニアス配向した 液晶分子のダイポールモーメントの方向とほ ぼ同じ方向に電界を印加する方法である。

 なお、液晶分野において、配向方位は、 常、±5度以内のばらつきは許容範囲とされ いる。したがって、上記電界無印加時の液 分子のダイポールモーメントの方向と電界 加方向とは、同じである(等しい)ことが望 しいが、一方を基準として他方が±5度の範 内にあればよい。

 上記表示方法により表示を行う液晶パネ では、上記液晶材料がp型液晶であり、電圧 無印加時に、上記液晶材料の液晶分子がホモ ジニアス配向をしており、かつ、上記光学変 調層における電界印加方向と、上記電界無印 加時の液晶分子のダイポールモーメントの方 向とが等しい(ほぼ等しければよい)ことで、 記液晶材料の液晶分子は、電界印加時に、 板厚み方向に弓なりにベンド配向する。

 すなわち、上記課題を解決するための液 パネルは、少なくとも一方が透明な一対の 板間に、液晶材料からなる光学変調層を備 、電圧無印加時に、上記液晶材料の液晶分 はホモジニアス配向をしており、かつ、電 印加時に、基板厚み方向に弓なりにベンド 向する。

 また、上記課題を解決するために、液晶 示装置は、上記液晶パネルを備えている。

 上記液晶パネルは、上記したように、ホ ジニアス配向している液晶分子のダイポー モーメントとほぼ同じ方向(ほぼ平行な方向 )に電界を印加するものであり、印加電界の 向並びに電界無印加時および電界印加時に ける液晶分子のダイポールモーメントの方 は、何れもほぼ同じ方向(ばらつきがないか あっても±5度以内)である。このため、上記 液晶分子は、OCBモードのようにスプレイ配向 ではなく、ホモジニアス配向からベンド配列 へと連続的に変化する。このため、上記液晶 パネルは、ベンド転移操作が本質的に不要で あり、また、駆動時(電界印加時)に、上記光 変調層、すなわち液晶層における液晶分子 、常にベンド配向していることから、OCBモ ドと同様に、液晶分子が動こうとする時、 晶分子の流れ(フロー)が、液晶分子の動き アシストする方向に働く。このため、階調 応答で高速応答が可能となる。

 また、上記液晶パネルは、電圧印加時に 上記光学変調層(液晶層)の光学的特性を表 屈折率楕円体の方位(屈折率楕円体の長軸の 位)が、常に印加電界の方向に存在するため 、電界無印加時と電界印加時とで屈折率楕円 体の方位が異なり、電界の印加に伴って屈折 率楕円体が回転するIPSモードよりも、位相差 板の設計の自由度が大きいため広い視野角特 性を有する。

 従って、上記の各構成によれば、IPSモー と同等の広視野角特性と、OCBモード並、あ いはそれ以上の高速応答性とを同時に実現 ることができるとともに、初期ベンド転移 作が不要な、新規な表示方式(表示モード) より表示を行う、表示パネルの表示方法、 びに、上記表示方式により表示を行う液晶 ネルおよび液晶表示装置を提供することが きる。

本発明の実施の一形態にかかる液晶表 装置における液晶パネルの要部の概略構成 模式的に示す分解斜視図である。 本発明の実施の一形態にかかる液晶表 装置における液晶パネルの要部の概略構成 模式的に示す断面図である。 図2に示す液晶パネルにおける偏光板の 透過軸方位と、配向処理方向との関係を示す 図である。 本発明における印加電界の方向と、電 無印加時および電界印加時における、屈折 楕円体にて示される液晶分子のダイポール ーメントとの関係を示す図である。 図2に示す液晶パネルにおいて、p型液 に代えてn型液晶を使用したときの、印加電 の方向と、屈折率楕円体にて示される液晶 子のダイポールモーメントとの関係を示す である。 図1および図2に示す液晶パネルにおけ 櫛歯電極に、5Vの電圧を印加した時の液晶セ ル内の電位分布を、等電位曲線にて示す図で ある。 図2に示す液晶パネルにおける液晶セル 内の液晶配向分布を示す図である。 図2に示す液晶パネルにおける、測定光 波長550nmでの電圧-位相差特性を示すグラフで ある。 図2に示す液晶パネルにおいて、1Vから0 Vへと印加電圧値を変化させた時の、0℃およ 25℃での光学応答波形を示すグラフである 比較例1で作製した液晶パネルの概略 成を示す断面図である。 実施例1および比較例1で作製した各液 パネルの駆動温度と立ち下がり応答時間と 関係を示すグラフである。 比較例2で作製した液晶パネルの配向 と、偏光板の透過軸方位と、配向処理方向 の関係を示す図である。 実施例2で作製した液晶パネルの電圧- 相差特性を示すグラフである。 本発明の実施の他の形態にかかる液晶 表示装置における液晶パネルの要部の概略構 成を模式的に示す断面図である。 図14に示す液晶パネルにおける位相差 ィルム各軸方位と、偏光板の透過軸方位と 配向処理方向との関係を示す図である。 (a)・(b)は、計算によって得られた、図 14に示す液晶パネルの最適構成での視野角特 を示し、(a)は、パネル正面に対する視角と ントラスト比との関係を示すグラフであり (b)は、パネル正面に対する視角と透過率と 関係を示すグラフである。 図14に示す液晶パネルにおける、測定 波長550nmでの電圧-透過率特性を示すグラフ ある。 (a)は、図14に示す液晶パネルの正面に する視角(θ、φ)と、コントラスト比(CR)が100 :1を示す等コントラスト曲線との関係を示す ラフであり、(b)は、図14に示す液晶パネル 正面に対する視角(θ、φ)と、δCu’v’が0.02 満である領域との関係を示すグラフである (a)~(c)は、OCBモードにより表示を行う 型的なOCBパネルの概略構成を模式的に示す 面図であり、(a)は電圧無印加時の状態を示 、(b)は電圧印加による白表示時の状態を示 、(c)は電圧印加による黒表示時の状態を示 。 図19(a)~(c)に示すOCBパネルにおいて、表 示を黒表示から白表示に切り替えた時の液晶 層の流れの方向を、OCBパネルの要部の概略構 成にて模式的に示す断面図であり、(a)は、黒 表示時の断面図であり、(b)は、白表示時の断 面図である。 TNモードを用いたTNパネルにおいて、 示を黒表示から白表示に切り替えた時の液 層の流れの方向を、TNパネルの要部の概略構 成にて模式的に示す断面図であり、(a)は、黒 表示時の断面図であり、(b)は、白表示時の断 面図である。 (a)・(b)は、IPSモードを用いたIPSパネル において、液晶材料として、p型液晶であるp ネマチック液晶を用いた時の液晶分子の回 を、屈折率楕円体を用いて、IPSパネルの要 の斜視図であり、(a)は電圧無印加時の斜視 であり、(b)は電圧印加時の斜視図である。 (a)・(b)は、IPSモードを用いた液晶パネ ル(IPSパネル)において、液晶材料として、n型 液晶であるn型ネマチック液晶を用いた時の 晶分子の回転を、屈折率楕円体を用いて、IP Sパネルの要部の斜視図であり、(a)は電圧無 加時の斜視図であり、(b)は電圧印加時の斜 図である。 図22(a)・(b)に示すIPSパネルにおける各 成要素の軸配置を模式的に説明する要部平 図である。 (a)は、IPSパネル正面に対する視角(θ、 φ)と、コントラスト比(CR)が100:1を示す等コン トラスト曲線との関係を示すグラフであり、 (b)は、IPSパネル正面に対する視角(θ、φ)と、 δCu’v’が0.02未満である領域との関係を示す グラフである。 フレクソエレクトリックモードにより 表示を行う典型的なフレクソエレクトリック パネルの概略構成を模式的に示す断面図であ る。 (a)・(b)は、図26に示すフレクソエレク リックパネルにおける液晶分子のダイポー モーメントの方向を示す平面図であり、(a) 電界無印加時の平面図、(b)は、電界印加時 平面図である。 バナナ形液晶を用いてフレクソエレク トリックモードにより表示を行うフレクソエ レクトリックパネルの概略構成を模式的に示 す断面図である。 スリッピーモードにより表示を行うス リッピーパネルの概略構成を模式的に示す断 面図である。 図29に示すスリッピーパネルの要部の 略構成を模式的に示す斜視図である。 本発明の実施の一形態にかかる液晶表 示装置の概略構成を模式的に示す分解断面図 である。 (a)・(b)は、本発明の実施の一形態にか かる液晶表示装置における画素表示部の電極 パターンの一例を模式的に示す平面図である 。

符号の説明

  1  基板
  2  基板
  3  液晶層
  3a 液晶分子
  4  偏光板
  5  偏光板
  6  基板
  7  基板
  8  櫛歯電極
  9  櫛歯電極
 10  液晶パネル
 11  配向膜
 12  配向膜
 13  スペーサ
 14  シール剤
 15  液晶セル
 20  液晶パネル
 21  位相差フィルム
 30  駆動回路
 40  バックライトユニット
  μ  ダイポールモーメント

 〔実施の形態1〕
 本発明の実施の一形態について図1~図13およ び図19~図31に基づいて説明すれば、以下の通 である。

 本実施の形態にかかる液晶表示パネルお び液晶表示装置は、電界の印加により、液 パネルにおける液晶セル内に電界強度の分 を形成することによって生じる液晶分子配 の歪みを利用して液晶層の位相差を変化さ るものである。本願発明者らは、液晶配向 メカニズムを鋭意検討する中で、液晶層の 期配向状態を、ホモジニアス配向(アンチパ ラレル)とし、該液晶層に歪んだ横電界を印 することにより、ベンド転移操作不要で、 ンド配向が実現できる、新規な手法(駆動方 )を見出した。以下、本実施の形態にかかる 駆動方式を、電界印加時における前記した特 異な液晶配向状態から、TBA(Transverse Bend Align ment)モードと称する。

 図31は、本実施の形態にかかる液晶表示 置の概略構成を模式的に示す分解断面図で る。

 本実施の形態にかかる液晶表示装置は、 31に示すように、液晶パネル10と、駆動回路 30と、必要に応じて、バックライト光源とし バックライトユニット40等を備えている。 記駆動回路30並びにバックライトユニット40 の構成は、従来と同じである。したがって 上記駆動回路30並びにバックライトユニッ 40等については、その説明並びに図示を省略 する。本実施の形態にかかる上記液晶表示装 置を構成する液晶パネル10の一例として、典 的なパネル構成を図1および図2に示す。

 図1は、本実施の形態にかかる液晶表示装 置における液晶パネルの要部の概略構成を模 式的に示す分解斜視図である。また、図2は 本実施の形態にかかる液晶表示装置におけ 液晶パネルの要部の概略構成を模式的に示 断面図である。なお、以下の説明において 、表示面側(観察者側の基板)を上側の基板と 称し、該上側の基板に対向する基板(透過型 液晶表示装置においては、例えばバックラ トユニット40側の基板)を、下側の基板とし 説明する。

 図1、図2および図31に示すように、本実施 の形態にかかる液晶パネル10は、互いに対向 て設けられた一対の基板1・2(電極基板およ 対向基板)を備え、これら基板1・2間に、図2 に示すように、光学応答により表示を行う光 学変調層として液晶層3が挟持されている構 を有している。上記電極基板および対向基 としては、例えば、アレイ基板およびカラ フィルタ基板が使用される。

 また、図1、図2および図31に示すように、 これら一対の基板1・2の外側、つまり、これ 両基板1・2の対向面とは反対側の面には、 光板4・5がそれぞれ設けられている。

 また、上記基板1・2と偏光板4・5との間に は、図31に示すように、必要に応じて位相差 22・23がそれぞれ設けられている。なお、図 31では、位相差板22・23を、上記液晶パネル10 表裏両面(具体的には、基板1・2と偏光板4・ 5との間)に配置したが、本実施の形態はこれ 限定されるものでなく、何れか一方の面に み設けられていてもよい。また、正面透過 のみを利用する表示装置の場合には、位相 板22・23は必ずしも必須ではない。

 また、図31では、バックライトユニット40 側の基板としてアレイ基板を使用し、上記ア レイ基板に対向する対向基板として、図示し ないカラーフィルタを有するカラーフィルタ 基板が設けられているものとするが、本実施 の形態はこれに限定されるものではない。特 に、本液晶表示装置の特徴の一つである高速 応答性を利用するフィールドシーケンシャル 駆動を用いる液晶表示装置の場合には、カラ ーフィルタは不要である。上記液晶表示装置 がフィールドシーケンシャル駆動を用いる液 晶表示装置である場合、高い光利用効率を得 ることができる。

 以下に、上記液晶パネル10の構成を、図1 図2および図31を参照してより詳細に説明す 。

 上記基板1・2のうち少なくとも一方の基 (上側の基板)は、透光性を有する、例えばガ ラス基板等の透明基板を、液晶層保持部材と して備えている。以下、本実施の形態では、 上記基板1・2が、ガラス基板からなる透明な 板6・7を、上記液晶層保持部材として備え いるものとするが、本実施の形態はこれに 定されるものではない。

 上記基板1・2のうち、一方の基板1におけ 他方の基板2との対向面、より具体的には、 上記一対の基板6・7のうち、一方の基板6にお ける他方の基板7との対向面上には、基板面 平行な(ほぼ平行であればよい)電界(横電界) 上記液晶層3に印加するための電界印加部材 として、櫛歯電極8・9(櫛形電極)が、互いに 歯が噛み合う方向に対向配置されている。

 本実施の形態において、上記櫛歯電極8・ 9の電極幅(線幅)、電極間距離(電極間隔)並び 厚みは、特に限定されるものではない。但 、上記電極間隔は、狭い方が、電界の歪み 大きく、大きな位相差変化を得ることがで るので望ましい。

 上記電極間隔としては、具体的には、1μm 以上、10μm未満であることが好ましい。1μm未 満では電極製造が困難であり、10μm以上では 動電圧が高くなる。

 上記櫛歯電極8・9は、例えば、後述する 施例に示すように、ITO(インジウム錫酸化物) 等の透明電極材料からなっていてもよく、ア ルミニウム等の金属からなっていてもよい。 上記櫛歯電極8・9の材質は、特に限定される のではない。

 上記櫛歯電極8・9上には、図2に示すよう 、これら櫛歯電極8・9を覆うように配向膜11 が設けられている。

 一方、上記基板2における他方の基板1と 対向面、より具体的には、上記基板7におけ 他方の基板6との対向面上には、必要に応じ て、図示しないアンダーコート膜、カラーフ ィルタ等の機能性膜が設けられており、基板 2表面には、配向膜12が設けられている。配向 膜12は、上記機能性膜が設けられている場合 これら機能性膜を覆うように製膜される。 お、図1および図31では、配向膜11・12の図示 を省略している。

 これら配向膜11・12の表面には、液晶層3 の液晶分子3aを、平行かつ同一方向に配向さ せるべく、ラビング処理等の配向処理が各々 施されている。

 上記配向膜11・12の材料としては、特に限 定されるものではなく、例えば、ポリイミド 等の公知の配向膜材料を用いることができる 。具体的には、プレチルト角が約4度の「SE-74 92」(商品名、日産化学工業株式会社製の配向 膜塗料)や、プレチルト角が約1度の「PIX-5400 (商品名、日立化学工業株式会社製の配向膜 料)等、市販の種々の配向膜材料を用いるこ とができる。

 但し、プレチルト角が大きくなると、駆 時に、ディスクリネーション発生の確率が がる。このため、上記配向膜11・12のプレチ ルト角は、10度未満であることが好ましい。 らに、上記配向膜11・12の表面アンカリング エネルギーは弱い方が、駆動電圧低減の意味 から好ましい。

 上記液晶パネル10における液晶セル15は、 例えば、図2に示すように、上記櫛歯電極8・9 並びに配向膜11が設けられた基板1と、上記配 向膜12が設けられた基板2とを、プラスチック ビーズやガラスファイバースペーサ等のスペ ーサ13…を介して、画素領域を取り囲むよう シール剤14によって貼り合わせ、両基板1・2 間の空隙に、光学変調層を構成する表示用の 媒質として、液晶材料を封入することにより 形成される。

 また、上記液晶パネル10は、上記液晶セ 15の外表面に、前記した偏光板4・5を貼り合 せることにより形成される。図3に、この時 の偏光板4・5の透過軸方位(各々、矢印4a、矢 5aにて示す)と、矢印A・Bにて示す配向膜11・ 12の配向処理方向との関係を示す。

 前記したように、本実施の形態にかかる 晶表示装置は、電界の印加により、液晶パ ル10における液晶セル15内に電界強度の分布 を形成することによって生じる液晶分子配列 の歪みを利用して、上記液晶層3の位相差を 化させるものである。

 したがって、本実施の形態で使用される 晶材料としては、屈折率異方性(δn)の大き 液晶材料、及び誘電率異方性(δε)の大きな 晶材料が好ましい。一般的に、δnの大きな 晶材料、あるいはδεの大きな液晶材料は、 性の大きな材料が多いため、イオン性不純 を取り込み易い性質を有している。したが て、実用的には、CN(シアノ)系液晶材料(カ ラルネマチック系液晶材料)よりも、F(フッ )系液晶材料の方がより好ましい。また、印 電界による電界強度の分布は、電界強度の 大につれて飽和する傾向にあるため、材料 計においては、δεを上げるよりもδnを大き くすることを優先した方が効率的である。

 なお、本実施の形態では、上記液晶分子3 aが、後述するように、駆動時にはベンド配 を示すため、OCBモードと同様に高速応答を す。しかしながら、電界印加により液晶分 3aが回転するという意味においては、本実施 形態で使用される液晶材料の粘性は、低い方 が好ましい。

 本実施の形態では、上記液晶材料として 液晶分子3aの屈折率楕円体の長軸方向が基 面に平行でかつダイポールモーメント(双極 モーメント)の方向も長軸方向にある、いわ ゆるp型液晶を使用する。以下、本実施の形 では、上記p型液晶として、p型ネマチック液 晶を用いた場合を例に挙げて説明するものと するが、本実施の形態は、これに限定される ものではない。

 図1~図3に示したように、基板1・2(具体的 は該基板1・2に設けられた前記配向膜11・12) は、各々、矢印A・Bにて示すように、基板面 平行かつ互いに逆向きに配向処理(水平配向 処理)が施されている。このため、電圧無印 時には、液晶層3の液晶分子3a…は、そのダ ポールモーメントμ(双極子モーメント)が、 定の方向にほぼ揃った(本実施の形態ではほ ぼ一方向、好適には一方向に揃った)ホモジ アス配向を示している。なお、図1中、矢印 は、液晶分子3aのダイポールモーメントμの 向を示す。

 本実施の形態にかかる液晶表示装置では 上記したようにホモジニアス配向している 晶分子3a…のダイポールモーメントμとほぼ 同じ方向(ほぼ平行な方向)に電界を印加する とにより、該液晶層3の液晶分子3a…を、OCB ードのようにスプレイ配向ではなく、ホモ ニアス配向から、ベンド配列へと連続的に 化させている。

 このために、本実施の形態では、液晶分 3aの長軸方向にダイポールモーメントμを有 するp型液晶を使用し、上記したように水平 向処理を行うことによってホモジニアス配 させた液晶分子3a…に、例えば上記櫛歯電極 8・9によって、基板面に平行な(ほぼ平行であ ればよい)横電界を、上記液晶分子3a…のダイ ポールモーメントμとほぼ同じ方向に印加し いる。言い換えれば、初期配向において、 晶分子3aのダイポールモーメントμを、ほぼ 印加電界の方向に揃えている。

 なお、液晶分野において、配向方位(配向 秩序度)は、通常、±5度以内のばらつきは許 範囲とされている。したがって、上記電界 印加時の液晶分子3aのダイポールモーメント μの方向と印加電界の方向とは、同じである( 等しい)ことが望ましいが、一方を基準とし 他方が±5度の範囲内にあればよい。

 本実施の形態にかかる印加電界の方向と 電界無印加時(Voff)および電界印加時(Von)に ける、屈折率楕円体にて示される液晶分子3a のダイポールモーメントμとの関係を、図4に 示す。なお、説明の便宜上、以下、各図に共 通して、印加電界の方向を矢印Eにて示す。 た、印加電界を、印加電界Eと称する場合も る。

 なお、これまで、初期配向状態にある液 のダイポールモーメントμの方向が印加電 Eの方向に対してほぼ平行な液晶表示装置は 未だ発明されていない。

 これまで知られている全ての液晶表示装 では、電界の印加方向と初期配向液晶分子 ダイポールモーメントμの方向とが異なっ おり、これらを一致させることは考えられ かった。

 従来は、電界の印加方向と初期配向状態 の液晶分子のダイポールモーメントμの方 とが同じ場合には、電圧を印加しても何も こらない(液晶分子は動かない)と考えられて いた。事実、図5に示すように、上記液晶パ ル10において、p型液晶に代えて、短軸方向 ダイポールモーメントμを有するn型液晶を 用し、櫛歯電極8.9によって上記n型液晶の液 分子(液晶分子3b)に横電界を印加しても何も 起こらない。

 現在知られている液晶表示装置は、一般 には交流電場で駆動しており、電圧無印加 には、印加電界Eの方向と液晶のダイポール モーメントμの方向とを異ならせるのが常識 ある。

 本願発明者らは、電極構成、セル中の電 強度分布を詳細に検討し、かつ積極的に利 することにより本発明に至ったものであり 本発明は、新たな電気光学応答(表示方式) 見出したことに基づいている。本発明によ ば、IPSモードと同等の広視野角特性を有し かつOCBモード並、あるいはそれ以上の高速 答性を、簡単な構成により実現することが きるとともに、OCBモードのような初期ベン 転移操作は不要である。本発明は、背景技 として記した構成を含め、従来技術からは 底想起できない発明である。以下、本実施 形態にかかる液晶パネル10の電気光学応答に ついて、公知の液晶パネルと対比しながら、 より詳細に説明する。

 図6は、図1および図2に示す液晶パネル10 おける櫛歯電極8・9に、5Vの電圧を印加した の液晶セル15内の電位分布を、等電位曲線 て示す図である。なお、上記櫛歯電極8・9の 電極幅並びに電極間隔は何れも4μmとした。 た、上記櫛歯電極8・9の厚み(t)は0.4μm、液晶 層3の層厚は5.3μmとし、液晶材料には、5CB(ペ チルシアノビフェニル)を用いた。

 液晶分子3aは、上記電界強度分布および 板1・2との界面からの束縛力に応じて配列す る。この時の上記液晶セル15内の液晶配向分 (液晶ダイレクタ分布)を図7に示す。なお、 レチルト角は0°とした。図7から、電圧印加 により、液晶分子3aが、ホモジニアス配向か ベンド配向(ベンド配列)へと連続的に変化 、OCBモードとは異なり、基板間でベンド配 (縦向きにベンド配列)するのではなく、基板 面に平行(ほぼ平行)な方向、つまり、横向き ベンド配向(ベンド配列)することが判る。

 ベンド配向状態においては高速な応答特 が得られるが、このようなベンド配向の状 を得るためには、これまで、初期配向状態 して、液晶層をスプレイ配向状態としてお 、臨界駆動電圧Vc以上の電圧を印加してベ ド配向に転移させる必要があった。

 以下に、OCBモードの表示原理について、 19(a)~(c)を用いて説明する。図19(a)~(c)は、OCB ードにより表示を行う典型的な液晶パネル( OCBパネル)の概略構成を模式的に示す断面図 ある。具体的には、図19(a)は電圧無印加時(V= 0)の状態を示し、図19(b)は電圧印加による白 示時(V=V1)の状態を示し、図19(c)は電圧印加に よる黒表示時(V=V2)の状態を示す。

 なお、以下の説明においては、表示面側( 観察者側の基板)を上側の基板と称し、該上 の基板に対向する基板を、下側の基板とし 説明する。

 上記OCBパネル100は、図19(a)~(c)に示すよう 、ガラス基板101上に電極102が設けられた一 の基板103・103間に、液晶分子104aを含む液晶 層104が挟持され、これら一対の基板103・103に おける液晶層104とは反対側の面上に、各々、 光学補償フィルム105・105並びに偏光板106・106 が、この順に設けられた構成を有している。

 図19(a)に示すように、このようなOCBパネ 100では、電圧無印加時には、液晶層104を構 する液晶分子104a…が、水平(スプレイ)配向 ている。このスプレイ配向は、上下の両基 103・103の配向処理を、同一方向(図19(a)にお ては、紙面左から右に向かう矢印A方向)に向 かって処理することによって得られる。

 次に、上記両基板103・103間に、臨界駆動 圧Vc以上の電圧を印加することにより、こ ら基板103・103間に挟持されている液晶層104 配向を、図19(a)に示すスプレイ配向から、図 19(b)・(c)に示す弓なりの配向(ベンド配向)に 移させる。

 液晶表示装置としての表示は、上記ベン 配向状態において、印加電圧(V)を、V1(白表 )とV2(黒表示)との間で変化させることによ て行う(Vc<V1<V2)。

 すなわち、OCBモードでは、電圧無印加時 は上記液晶層104はスプレイ配向しており、 期の状態において、装置の電源投入時に、 常の駆動電圧とは異なる特別の波形の高電 が上記電極102・102間に印加されることによ 、スプレイ配向からベンド配向に転移(スプ レイ-ベンド転移)し、その後、所定の電圧(駆 動電圧)を印加することにより、表示が行わ る。

 上記OCBモードでは、一旦、ベンド配向に れば、印加電圧(V)が、臨界駆動電圧(Vc)より も小さくならない限り、液晶層104が初期のベ ンド配向に戻ることはない。しかしながら、 OCBモードでは、上記したように、表示に先立 って、初期配向状態であるスプレイ配向から ベンド配向に転移させる転移操作が必要であ り、上記したように、通常駆動回路のほかに 初期転移用駆動回路が必要となるため、コス トアップ要因を内在している。

 また、上記臨界駆動電圧(Vc)とは、液晶層 104がスプレイ配向状態の時の自由エネルギー と、液晶層104がベンド配向状態の時の自由エ ネルギーとが等しくなる印加電圧値であり、 液晶物性値、基板界面での液晶分子104aのチ ト角、基板界面でのアンカリングエネルギ 、雰囲気温度等によって決まる。印加電圧(V )が上記Vcよりも小さい時には、液晶配向はス プレイ配向が安定であり、Vc以上ではベンド 向が安定となる。このため、上記パネル全 に渡って均一かつ短時間でスプレイ-ベンド 転移を行わせることは、容易ではなく、実用 上の課題となっている。

 ここで、図20(a)・(b)および図21(a)・(b)を用 いて、OCBモードにおいて高速な応答が実現で きる理由について説明する。図20(a)・(b)は、 記OCBパネル100において、表示を黒表示(V=V2) ら白表示(V=V1)に切り替えた時の液晶層104の れの方向を模式的に示す断面図であり、図2 0(a)は、黒表示時のOCBパネル100の要部の概略 成を模式的に示す断面図であり、図20(b)は、 白表示時のOCBパネル100の要部の概略構成を模 式的に示す断面図である。

 また、図21(a)・(b)は、TNモードを用いた液 晶パネル(TNパネル200)において、表示を黒表 (Von、電圧印加状態)から白表示(Voff、電圧無 加状態)に切り替えた時の液晶層204の流れの 方向を模式的に示す断面図であり、図21(a)は 黒表示時のTNパネル200の要部の概略構成を 式的に示す断面図であり、図21(b)は、白表示 時のTNパネル200の要部の概略構成を模式的に す断面図である。

 OCBモードは、その特異な配向(ベンド配向 )に起因して、高速応答特性を有している。OC Bモードでは、表示状態では、液晶層103の配 は、図20(a)・(b)に示すように常にベンド配向 であり、印加電圧の大きさによりベンド配向 の程度(弓なりの程度)を変化させて階調表示 実現している。上記OCBパネル100の印加電圧 、図20(a)・(b)に示すように、V=V2からV=V1に変 化させた時の液晶分子104aの回転に伴う液晶 104の流れの方向は、図20(b)に示すように、上 側の基板103に近い領域(液晶層103の中央部よ も上側の領域)と下側の基板103に近い領域(液 晶層103の中央部よりも下側の領域)において 同一方向である。このため、OCBモードでは 矢印Aにて示すように、同一方向にトルクが くため、各液晶分子104aが、互いにその動き を阻害するようなことがない。このため、高 速な応答を実現することができる。

 これに対して、TNモードでは、図21(a)・(b) に示すように、印加電圧を、VonからVoffに変 させた時の液晶分子204aの回転に伴う液晶層2 04の流れの方向は、図21(b)に示すように、上 の基板203に近い領域(液晶層204の中央部より 上側の領域)と下側の基板203に近い領域(液 層204の中央部よりも下側の領域)とでは互い 逆方向である。このため、TNモードでは、 印Aおよび矢印Bにて示すように、逆方向にト ルクが働くため、各液晶分子204aは、相互に の動きを抑制し合う。このため、応答特性 遅い。

 このように、OCBモードにおける高速応答 は、ベンド配向に起因するものである。そ て、このベンド配向は、スプレイ配向に対 て、臨界駆動電圧(Vc)よりも充分大きな電圧 を印加することによって得られる。

 また、上記したように、OCBモードでは、 圧印加時には、液晶分子104aの配列は常にベ ンド配向を示している。このため、OCBモード では、例えば図19(c)に示すように、どの角度( θ1、θ2)から見ても、液晶分子104aを長軸方向 ら見ることになる領域と、液晶分子104aを短 軸方向から見ることになる領域とが存在する 。このため、このようなOCBパネル100は、上記 した両領域が相互に液晶層104の位相差を補償 する自己補償効果を奏し、視角依存性のない 表示が可能である。

 しかしながら、図19(a)~(c)の紙面上にない 向からの視角では、液晶層104自身の配列が 相差の視角依存性を無くすという、上述し 自己補償効果が効かないため、図19(a)~(c)に すように、光学補償フィルム105・105(位相差 板)による光学補償が必須となる(非特許文献1 、非特許文献2参照)。

 液晶の光学的特性は一般的には屈折率楕 体で表記される。屈折率楕円体の形は、図1 9(a)~(c)に、液晶分子104aとして示すようにラグ ビーボール型であるため、これを光学的に補 償するためには、その屈折率楕円体が一般的 にはあんぱん型(欧米圏ではかぼちゃ型)と称 れる扁平な球状の位相差板が必要である。

 すなわち、表示状態のOCBモードでは液晶 子104aはベンド配列(ベンド配向)をしている め、位相差板においても、その厚み方向に かってあんぱん型の屈折率楕円体の主軸が 続的に変化するような設計が必要となって る。このような位相差板としては、富士写 フイルム株式会社製の「WVフィルム」(商品 )が知られているが、個々の液晶パネルでの 液晶分子配列に合わせて位相差板内のディス コチック液晶の配列を三次元的に精密に制御 する必要があり、これが、OCBモード採用に当 たってのネックとなっている。

 一方、IPSモードは、基板面内で液晶分子 回転する表示方式であり、広視野角特性を 徴としている。

 以下に、図22(a)・(b)、図23(a)・(b)、図24、 よび図25(a)・(b)を用いて、IPSモードの表示 理について説明する。

 図22(a)・(b)は、IPSモードを用いた液晶パ ル(IPSパネル)において、液晶材料として、p 液晶であるp型ネマチック液晶を用いた時の 晶分子の回転を、その屈折率楕円体にて模 的に示す斜視図であり、図23(a)・(b)は、IPS ードを用いた液晶パネル(IPSパネル)において 、液晶材料として、n型液晶であるn型ネマチ ク液晶を用いた時の液晶分子の回転を、そ 屈折率楕円体にて模式的に示す斜視図であ 。なお、図22(a)および図23(a)は、各々、電圧 無印加時(Voff)における上記IPSパネルの要部の 斜視図を示し、図22(b)および図23(b)は、各々 電圧印加時(Von)における上記IPSパネルの要部 の斜視図を示す。また、図22(a)・(b)および図2 3(a)・(b)に示す矢印μは、上記液晶分子のダイ ポールモーメントμの方向を示す。

 また、図24は、図22(a)・(b)に示すIPSパネル を例に挙げて、該IPSパネルにおける各構成要 素の軸配置を模式的に説明する要部平面図で ある。図24に示すように、上記IPSパネルにお る光源側(光の入射側)の偏光板の透過軸305 観察者側の偏光板の透過軸306とは、互いに ロスニコルの関係となるように設けられて る。

 IPSモードの液晶パネル(IPSパネル)は、図22 (a)・(b)および図23(a)・(b)に示すように、一方 基板301上に、対向する対の電極302・303(櫛歯 電極)が備えられており、図示しない対向基 との間に挟持された液晶層に、上記電極302 303により、基板面に平行に電界(横方向電界) を印加する。これにより、基板面に平行な面 内で液晶分子304を回転(屈折率楕円体の軸方 、例えば長軸方向を変化)させて表示を行う め、液晶分子304が、基板面に対して立ち上 らず、本質的に広い視野角が得られる。

 上記したように液晶材料としてp型ネマチ ック液晶を用いた場合、液晶分子304は、その 屈折率楕円体の長軸方向にダイポールモーメ ントμを有し、電圧無印加時には、図22(a)に すように、上記ダイポールモーメントμが、 基板面に平行な面内で、印加電界Eの方向に ぼ垂直となるように配向しており、電界印 持には、図22(b)に示すように、印加電界Eの 向と平行となるように回転する。

 一方、液晶材料としてn型ネマチック液晶 を用いた場合、液晶分子304は、その屈折率楕 円体の短軸方向にダイポールモーメントμを し、電圧無印加時には、図23(a)に示すよう 、上記ダイポールモーメントμが、基板面に 平行な面内で、印加電界Eの方向にほぼ垂直 なるように配向しており、電界印加持には 図23(b)に示すように、矢印Eにて示す印加電 の方向と平行となるように回転する。

 ここで、図24に示すように、光源側の偏 板の透過軸305にて示す、光源側の偏光板の 過軸方向と、矢印306にて示す、液晶分子304 配向方向とのなす角度をωと定義した時、IPS モードでの透過率Tは、次式(1)で表される。 お、表示面側の偏光板の透過軸を307にて示 。

 なお、上式(1)において、δnは液晶材料の屈 率異方性を示し、dは液晶層の厚みを示し、 λは使用する光の波長を示す。

 IPSモードにおいては、液晶分子304は基板 内で動くため、上式(1)において位相差δndは 一定であり、ωが変化することにより透過光 変調が行われている。ここで、白表示状態 の輝度と黒表示状態での輝度との比をコン ラスト比(CR)として定義した場合、上下方向 、左右方向の何れの方向においても、±85度 視野角範囲においてCR≧100:1を達成すること できる。しかしながら、IPSモードにおける 晶の光学特性を規定する屈折率楕円体の主 方位は、印加電界の大きさに応じて、印加 界の方向に対して垂直な方向から平行な方 へと回転するため、色相の視角依存性とい 点では、充分な視角特性とは言い難い。

 図25(a)・(b)は、IPSパネル正面の色相に対 て、視角(θ、φ)を変化させた時の色変わり 様子を示すグラフであり、そのうち、図25(a) は、IPSパネル正面に対する視角(θ、φ)と、コ ントラスト比(CR)が100:1を示す等コントラスト 曲線310との関係を示すグラフである。また、 図25(b)は、IPSパネル正面に対する視角(θ、φ) 、次式(2)

で示される、色相の視角依存性の評価指標で あるδCu’v’が、0.02未満(δCu’v’<0.02)であ る領域320との関係を示すグラフである。

 通常、TV(テレビ)において許容される色変 わりの変化は、δCu’v’<0.02と言われてお 、更なる改善が求められている。上記した 相の視角依存性の評価指数は、表示画面に 色を表示させておいて、正面を含め各視角 色座標(u’,v’)を測定し、(u’,v’)座標系に いて、正面の(u’,v’)と、任意の視角での(u ’,v’)との距離を求めることにより算出する ことができる。

 なお、カラーフィルタを有しないテスト ルにおいては、RGBの各色光での透過光スペ トルを測定し、計算により(u’,v’)座標を めた。

 液晶表示装置の応答時間τは、セルギャッ をd、液晶回転粘性をγ 1 、液晶弾性定数をK eff とすると、以下の関係を有することが知られ ている。

 上記応答時間τは、IPSモードの場合にはK eff ~K 22 であり、VAモードの場合にはK eff ~K 33 であり、かつK 33 はK 22 の2倍~3倍である。このため、一般的には、IPS モードの応答特性は、VAモードの応答特性に べて遅いため、動画像表示に際して画像の 引きが問題になることがある。また、低温 の高速性が要求される携帯機器や車載機器 は適していない。

 これに対し、本実施形態にかかるTBAモー では、通常の駆動においては、液晶層3が常 にベンド配列を示し、階調間応答で高速応答 が可能となる。このようにベンド配向を利用 した液晶表示装置は、これまでOCBモードしか 知られておらず、ベンド転移操作が本質的に 不要な本発明の実用的な価値は極めて大きい 。

 上記TBAモードが高速応答を示す理由は、O CBモードと同様に、液晶分子3aが動こうとす 時、液晶分子3aの流れ(フロー)が、液晶分子3 aの動きをアシストする方向に働くためであ と考えられる。すなわち、上記TBAモードに いてVoff(電界無印加状態)からVon(電界印加状 )に変化させた時の液晶分子3aの回転に伴う 晶層3の流れの方向は、図7に示すように、 歯電極8・9間において同一である。このため 、TBAモードでは、矢印Cにて示すように、同 方向にトルクが働くため、各液晶分子3aが、 互いにその動きを阻害するようなことがない 。このため、高速な応答を実現することがで きる。

 なお、一般的に、液晶表示装置における 野角特性は、黒表示時の視角特性で決まる TABモードでは、上記したように、ベンド配 に起因する高速応答の特徴を有しつつ、電 無印加時にはホモジニアス配向のため容易 位相差板で補償し、広い視野角範囲での黒 ベルを達成することができる。また、図4に 示すように、電圧印加時には、液晶層3の光 的特性を表す屈折率楕円体の方位(屈折率楕 体の長軸の方位)が、常に印加電界Eの方向 存在するため、後述するように電界無印加 と電界印加時とで屈折率楕円体の方位が異 り、電界の印加に伴って屈折率楕円体が回 するIPSモードよりも、位相板による補償が 易であるため、広い色相視野角特性を得る とができる。

 次に、液晶のダイポールモーメントμの 向と印加電界Eの方向とから見た本願発明に 似する他の駆動方式を用いた液晶表示パネ と本願発明との表示原理の違い並びに構成 相違について以下に詳細に説明する。

 本実施形態における液晶パネル10と同じ 液晶層に横電界を印加する駆動方式として 、IPSモード以外に、フレクソエレクトリッ (Flexo-electric)モードと称される、フレクソエ クトリック効果(撓電効果:Flexo-electric Effect) を利用した電界効果型の液晶表示装置が知ら れている(特許文献1参照)。フレクソエレクト リックモードは、直流電場で駆動される、現 在知られている唯一の駆動方式である。

 上記フレクソエレクトリックモードの動 メカニズム(表示原理)について、図26および 図27(a)・(b)を参照して以下に説明する。

 図26は、フレクソエレクトリックモード より表示を行う典型的な液晶パネル(フレク エレクトリックパネル)の概略構成を模式的 に示す断面図である。また、図27(a)・(b)は、 26に示すフレクソエレクトリックパネルに ける液晶分子のダイポールモーメントμの方 向を示す平面図であり、図27(a)は電界無印加 (Voff状態)の平面図、図27(b)は、電界印加時(V on状態)の平面図を示す。

 上記フレクソエレクトリックパネル400は n型のネマチック液晶「MBBA」(p-methoxybenzyliden e-p’-n butyl-aniline(p-メトキシベンジリデン-p -(n-ブチルアニリン))からなる液晶層403が挟 された一対の基板401・402間に、柱状の電極40 4・405が設けられた構成を有し、液晶分子403a 、基板面に垂直に配向させ、上記した柱状 電極404・405により横電界を印加することに り、液晶層403に二軸性を出現させ、透過光 を制御している。

 上記フレクソエレクトリックパネル400に ける液晶分子403aの初期配向は垂直配向であ り、該液晶分子403のダイポールモーメントμ 方向は、電界無印加時に、図27(a)に示すよ に、基板面に平行な面内でランダムな方向 向いている。これに対し、図27(b)に示すよう に、上記液晶層403に、横方向に直流電界を印 加すると、印加電界Eの方向と異なる方向を いていた液晶分子403aは、印加電界Eの方向に 揃うようになり、液晶配列に歪みが発生し、 液晶層403に二軸性が出現するため、お互いに その透過軸が直交する二枚の偏光板で挟持す ると、光が透過するようになる。

 上記フレクソエレクトリックパネル400の では、初期の液晶配向は垂直配向という意 では揃っているが、ダイポールモーメント の方向はランダムであり、また、ベンド配 するものでもない。上記フレクソエレクト ックモードは、電界無印加時並びに電界印 時における液晶分子の配向状態がTBAモード は異なるものであり、また、フレクソエレ トリック効果により表示を行う点で、その 作メカニズムもまたTBAモードとは異なる。 た、上記フレクソエレクトリックパネル400 、印加電界に応じて誘起される二軸性の程 は小さく、実用的なデバイスと言い難い。

 なお、フレクソエレクトリック効果によ 表示を行うさらに別の液晶パネル(フレクソ エレクトリックパネル)として、図28に示すよ うに、分子短軸方向にダイポールモーメント μを有するバナナ形液晶(スメクチック液晶) 液晶分子424aを、基板421面に垂直に配向させ 櫛歯電極422・423により横方向電界を印加す ことにより、電界印加時における液晶層の 列を揃え、透過光量を制御するフレクソエ クトリックパネル420もまた、知られている( 非特許文献4参照)。以下に、上記バナナ型液 の一例を示す。

 上記フレクソエレクトリックパネル420の構 は、n型液晶に横電界を印加するという点で 、図26に示した前記フレクソエレクトリック ネル400の構成と類似している。上記フレク エレクトリックパネル420も初期配向時にお る液晶分子424aのダイポールモーメントμの 向がランダムであり、また、ベンド配向す ものでもない。したがって、上記フレクソ レクトリックパネル420もまた、上記電界無 加時並びに電界印加時における液晶分子424a の配向状態がTBAモードとは異なっている。ま た、上記フレクソエレクトリックパネル420は 、初期配向時における液晶分子424aのダイポ ルモーメントμの方向がランダムであり、横 電界印加により同方向にダイポールモーメン トμの向きを揃え、フレクソエレクトリック 果により表示を行う点で、TBAモードとはそ 動作メカニズムも異なっている。

 さらに、上記したようなバナナ形液晶は 一般的に分子サイズが大きく、液晶相を示 温度域が高い上、駆動電圧が高い。このた 、上記フレクソエレクトリックパネル420を 現するための実用的な材料は未だ知られて ない。

 また、n型液晶に縦電界を印加する駆動モ ードとしては、水平配向させたn型液晶に縦 界を印加するスリッピーサーフェスモード(s lippy surface mode)、通称スリッピーモードが知 られている(特許文献2参照)。

 以下に、スリッピーモードを用いた液晶 ネル(スリッピーパネル)の動作メカニズム ついて説明する。

 図29は、スリッピーモードにより表示を うスリッピーパネルの概略構成を模式的に す断面図であり、図30は、図29に示すスリッ ーパネルの要部の概略構成を模式的に示す 視図である。

 図29に示すように、スリッピーモードによ 表示を行うスリッピーパネル500は、液晶材 としてn型液晶を使用するとともに、SiO 2 を斜方蒸着してなる配向膜(図示せず)を有す 基板501と、対向する基板502との間に挟持さ た液晶層505に、両基板501・502に設けられた 極503・504によって、基板面に垂直な縦電界 印加することで、液晶分子505aを、基板面に 平行な面内で回転させることにより表示を行 う。

 図30に示すように、基板501上に、酸化珪素(S iO x )を斜め蒸着した膜を配向膜(図示せず)として 用いた場合に、蒸着角度(基板法線方向と、 印Dにて示す蒸着方向とのなす角度)αにより 晶分子505aの配列方向が変化することは、よ く知られている。液晶分子505aは、蒸着角度α が小さい時には蒸着方向に対して垂直に配列 し、蒸着角度αが大きい時には、蒸着方向に して平行に配列する。75度近辺の蒸着角度α には、これら2つの配列方向のエネルギー差 小さく、僅かな条件の違いによってどちら 配列方向にもなり得る角度領域が存在する そのような角度領域では、例えば周囲温度 変化や電圧の印加によって、液晶分子505aの 列方向は、蒸着方向に対して平行な方向と 直な方向との間で連続的(可逆的)に変化す 。

 蒸着角度αが75度付近でSiO 2 を斜方蒸着すると、液晶分子505aは、低温で 蒸着方向に略平行一定の傾き角(チルト角φ) 有して配列する(方位F)が、温度を上げると 液晶分子505aの配列は、蒸着方向に垂直な方 向に配向する(方位H)。この時、チルト角φは ぼ0度である。その後、液晶層505(図29参照) 、前記したように縦電界を印加すると、液 分子505aの配向方向は、x方向からy方向に、 加電界Eの大きさに応じて連続的に変化して く(方位F→方位G→方位H)。この時、液晶材 としてp型液晶を用いると、液晶分子の配向 向が変化すると同時に液晶分子がz方向に起 き上がる(チルト角φが大きくなる)ため、輝 が低下してしまう。

 そこで、上記特許文献2では、n型液晶を いることにより、誘電エネルギーの発生・ 加を無くし、液晶分子505aが起き上がらない うにした。

 すなわち、上下に電圧を印加した時、基 面に水平な面上を液晶分子が回転するモー をスリッピーモードと言い、特許文献2は、 液晶分子の起き上がりによる輝度低下を防ぐ ために、印加電界Eに応じて反応しないn型液 を用いることを特徴としている。

 しかしながら、上記スリッピーモードで 、液晶分子505aを予め方位Hで配列させるた に、液晶層505の温度を上げておく必要があ 、実用的なものとは言えない。

 また、上記説明から判るように、上記ス ッピーモードもまた、電界無印加時並びに 界印加時における液晶分子505aの配向状態が TBAモードとは異なっているとともに、動作メ カニズムも異なっている。

 以上のように、上記TBAモードは、従来公 の各種駆動方式とは、その動作メカニズム( 表示原理)も、構成も全く異なるものである また、上記した従来公知の各種駆動方式は IPSモードと同等の広視野角特性と、OCBモー 並、あるいはそれ以上の高速応答性とを同 に実現することができるものではない。

 また、これまで、ベンド配向を形成する技 に関しては、(1)プレチルト角を大きくする (2)液晶の弾性定数(K 11 )を小さくする、(3)初期転移操作に大きな電 を印加する、(4)画素内配向膜の一部分に垂 配向性を付与する、(5)液晶-高分子複合体を いてベンド配向を固定化あるいはアシスト る、(6)画素内配向膜の一部分に突起もしく 柱を設ける、(7)180°ツイストセルを用いる 等々、いかに短時間で、大面積を均一にベ ド転移させるかに研究の中心が置かれてき 。しかしながら、転移操作なしでベンド配 を得ようという試みは無かった。

 さらに、現在の液晶表示装置は、フレク エレクトリックモード以外は、全て交流電 を用いたものであり、また、現在実用化さ ている液晶表示装置は、全て交流電場によ 駆動を行っており、前記したように、印加 界Eの方向と、電圧無印加時の液晶のダイポ ールモーメントμの方向とを異ならせるのが 識である。上記TBAモードは、この常識を打 破り、電圧無印加時の液晶のダイポールモ メントμの方向と同じ方向に電界Eを印加す ことで表示を行う全く新しいタイプの駆動 式(表示方式)である。

 以下に、本実施形態で用いた上記液晶パ ル10の構成並びに製造方法について、さら 詳細に説明するとともに、比較例1・2を用い て上記液晶パネル10の効果について検証する 但し、以下に示す実施例1・2は、図1および 2に示した液晶パネル10の構成並びに製造方 の単なる一例であり、本実施の形態はこれ 限定されるものではない。また、以下の各 較例1、2においては、上記液晶パネル10との 比較のために、上記液晶パネル10と同じ構成 素については同一の番号を付すものとする

 〔実施例1〕
 本実施例1では、電極幅4μm、電極間隔4μm、 極厚0.4μmのアルミ製の櫛歯電極8・9が表面 設けられたガラス製の基板6上に、日産化学 業株式会社製の配向膜塗料「SE-7492」(商品 )の5wt.%NMP(N-メチル-2-ピロリドン)溶液を、ス ンコート法にて塗布した後、250℃にて2時間 焼成することにより、前記基板1を形成した この時の配向膜11の膜厚は、600Å(60nm)であっ た。

 また、上記基板6と同じ大きさ並びに材質 の、ガラス製の基板7上に、上記配向膜11と同 一条件で配向膜12を製膜することにより、基 2を形成した。

 その後、ナイロン製の不織布を使用して 上記基板1・2の双方を、図1および図2に示す 矢印A・Bの方向に配向処理した。

 次に、上記基板1上に、スペーサ13として 直径5.5μmの樹脂ビーズ「ミクロパールSP」( 品名、積水化学工業株式会社製)を分散させ た。一方、基板2上に、シール樹脂「ストラ トボンドXN-21-S」(商品名、三井東圧化学工業 株式会社製)を印刷した。その後、上記両基 1・2を貼り合わせ、250℃で3時間焼成するこ により、液晶セル15を作製した。

 次いで、上記液晶セル15に、液晶材料と て、「SD-5544XX」(商品名、チッソ株式会社製 p型ネマチック液晶材料)を真空注入法にて 入するとともに、上記液晶セル15の表裏面に 各々、偏光板4・5を貼合し、図1に示す液晶パ ネル10を作製した。

 なお、この時の配向処理の方向と偏光板4 ・5の軸方位との関係は、図3に示した通りで り、矢印4a・5aにて示す偏光板4・5の透過軸 位は、入射光側(下側、すなわち、図示しな いバックライトユニット側)、出射光側(表示 側)の何れも、隣接する基板1・2における各 向膜11.12のラビング処理方向とは45度をなし 、互いに直交するように配置した。

 図8に、このようにして作製した上記液晶 パネル10における、測定光波長550nmでの印加 圧と上記液晶層3の位相差との関係(電圧-位 差特性)を示す。

 図8より、上記液晶パネル10に、7Vの電圧 印加することにより、184nmの位相差変調がで きることが判る。

 また、図9は、1Vから0Vへと印加電圧値を 化させた時の、0℃および25℃での光強度(ligh t intensity)と経過時間(応答時間)との関係を示 す光学応答波形を表している。なお、上記測 定は、定法に従って行った。すなわち、上記 応答時間の測定において、応答時間は、印加 電圧を変化させたときの透過光強度の変化の うち、90%変化するに要する時間でもって定義 した。

 図9から判るように、上記液晶パネル10は 0℃においても高速な応答を示しており、そ の実用的価値は極めて大きい。

 液晶表示装置においては、オーバードラ ブ方式のように立ち上がりに関しては所定 電圧よりも大きな電圧を印加し、見かけ上 高速な応答は容易に得られるが、立ち下が に関しては、液晶材料、パネル構成にのみ 存するため、粘度の低い液晶材料、あるい 高速応答を示すパネル構成が重要である。 れに対し、上記液晶パネル10において、液 層3はベンド配向(ベンド配列)を示しており 電界応答時に、液晶フローにより応答特性 阻害することがないため、高速な応答が実 できる。

 なお、ベンド配向そのものはOCBモード型 液晶表示装置において採用されているが、O CBモードでは、初期配向であるスプレイ配向 らベンド配向への転移操作を、毎回電源投 時に行わなければならず、改善が望まれて た。これに対し、TBAモード型の液晶パネル ある上記液晶パネル10を備えた液晶表示装 は、初期配向転移用の回路が不要であり、 た、これに加えて、低温操作時の転移不良 発生しないという利点も有している。

 〔比較例1〕
 本比較例1で作製した液晶パネルの断面の概 略構成を、図10に示す。本比較例1では、櫛歯 電極8・9に代えて、ガラス製の基板6・7にお る互いの対向面に、図10に示すように、両基 板6・7の互いの対向面全面を覆う、いわゆる タ状の電極601・602(電極厚0.1μm)を設けると もに、両配向膜11・12の表面を一定方向に配 処理し、液晶層3に、基板面に垂直な縦電界 を印加した以外は、前記実施例1と同様の方 並びに条件により、比較用の液晶パネル600 形成し駆動した。

 具体的には、本比較例1では、2枚のガラ 製の基板6・7と同じ基板6・7上に形成されたI TO電極601・602上に、実施例1と同様にして日産 化学工業株式会社製の配向膜塗料「SE-7492」 5wt.%NMP溶液を、スピンコート法にて塗布した 後、250℃にて2時間焼成することにより、比 用の基板603・604を形成した。この時の配向 11・12の膜厚は、実施例1同様、600Åであった 。

 その後、ナイロン製の不織布を使用して 上記基板603・604の双方を、一定方向に配向 理した。

 次に、一方の基板603上に、スペーサ13と て、直径5.5μmの樹脂ビーズ「ミクロパールSP 」を、実施例1と同じ条件で分散させた。ま 、他方の基板604上に、シール樹脂「ストラ トボンドXN-21-S」を実施例1と同様に印刷した 。その後、上記両基板603・604を貼り合わせ、 250℃で3時間焼成することにより、液晶セル60 5を作製した。

 次いで、上記液晶セル605に、液晶材料と て、「SD-5544XX」を、真空注入法にて、実施 1と同じ条件で封入するとともに、上記液晶 セル605の表裏面に各々、偏光板4・5を貼合し 図10に示す比較用の液晶パネル600を作製し 。なお、この時の上記配向膜11・12の配向処 方向と偏光板4・5の軸方位との関係は、実 例1において、図3に示した関係と同じであり 、矢印4a・5aにて示す偏光板4・5の透過軸方位 は、入射光側、出射光側の何れも、隣接する 基板603・604における各配向膜11.12のラビング 理方向とは45度をなし、互いに直交するよ に配置した。

 上記液晶パネル600は、いわゆるECB(Electrica lly Controlled Birefringence)モードを用いた液晶 ネルであり、実施例1と同様に、1Vから0Vへと 印加電圧値を変化させて、0℃および25℃での 立ち下がりの応答時間(立ち下がり応答時間) 測定したところ、各々、140ms、20msであった 上記液晶パネル600の駆動温度(環境温度)と ち下がり応答時間との関係を、実施例1の液 パネル10におけるそれと比較した結果を、 11に示す。

 〔比較例2〕
 液晶分子3aのダイポールモーメントμの方向 が印加電界Eの方向と直交するように、配向 11・12の配向処理方向I・Jを、図12に示すよう に、印加電界Eの方向と直交するように変更 た以外は、実施例1と全く同一構成の比較用 液晶パネルを作製した。実施例1と同様に、 印加電圧値を1Vから0Vに変化させた時の応答 間を、実施例1と同様にして0℃および25℃で 定したところ、各々、300ms、32msであった。

 図11に示す結果、並びに、実施例1と上記 較例2との対比からも明らかなように、液晶 パネル10は、低温での光学応答特性が優れて り、その実用的価値は極めて大きい。

 〔実施例2〕
 櫛歯電極8・9としてITO電極を用いた以外は 実施例1と同様にして、液晶パネル10を作製 、実施例1と同一の方法で電圧-位相差特性を 測定した。この結果を図13に示す。0Vから7Vの 間で液晶パネル10を駆動した時に変化させる とができる液晶層3の位相差の大きさは、実 施例1で作製した液晶パネル10では184nmである 、透明電極であるITO電極を用いた本実施例2 で作製した液晶パネル10では341nmの幅で液晶 3の位相差を変化させることができる。

 なお、位相差の調整幅が大きいことは、 動電圧を下げることができることと同じで り、その価値は極めて大きい。図13から明 かなように、櫛歯電極材料としてITOを用い ことにより、同一印加電圧でより大きな位 差を発現させることができることが判る。 れは、前記図7からも明らかなように、電圧 加によるダイレクタの回転が、櫛歯電極8.9 よりも、櫛歯電極8.9の上部でより多く起こ ことに起因している。

 〔実施の形態2〕
 本発明の実施の他の形態について、主に図1 4~図18に基づいて説明すれば、以下の通りで る。なお、本実施の形態では、前記実施の 態1との相違点について説明するものとし、 記実施の形態1と同様の機能を有する構成要 素には同一の番号を付し、その説明を省略す る。

 図14は、本実施の形態にかかる液晶表示 置における液晶パネルの要部の概略構成を 式的に示す断面図である。なお、本実施の 態でも、表示面側(観察者側の基板)を上側の 基板と称し、該上側の基板に対向する基板を 、下側の基板として説明する。

 図14に示すように、本実施の形態にかか 液晶パネル20は、前記実施の形態1に記載の 晶パネル10における上側の基板2と偏光板5と 間に、位相差フィルム21(位相差板)を備えた 構成を有している。

 広視野角化に関しては、液晶層位相差の 償と、偏光板交差角の視角依存性の補償と 双方を行う必要がある。

 本実施の形態において、上記液晶層位相 の補償とは、水平配向した液晶材料の一軸 (正の一軸性)の補償であり、上記液晶材料 配向処理方向に平行に負のAプレート(補償層 )を配設することで完全補償が可能である。

 ここで、正の一軸性を示す液晶層3の光学 特性を、

とし、負のAプレートの光学特性を、

とし、それらを足し合わせると、

となり、その屈折率楕円体は完全な球となる 。このことは、上記液晶層3を何れの方向か 見ても同じように見えること、すなわち、 記液晶層3の視野角依存性は、完全に解消さ ていることを意味している。

 なお、上記した負のAプレート(ネガティ Aプレート)とは、nx<ny=nz(なお、nx,nyはフィ ム面内のx,y方向、nzは厚み方向の屈折率を す)となる位相差板である。例えば、ポリス レン位相差フィルムは、このような性質を している。

 また、上記偏光板交差角の視角依存性の 償は、正の一軸性フィルム(nx>ny=nzで示さ る正のAプレート(ポジティブAプレート))と nx=ny<nzで示される正のCプレート(ポジティ Cプレート)とで行うことができる。

 また、計算によれば、正の一軸性フィル の位相差、および正のCプレートの位相差が 、各々、140nm、95nmの時、最も視野角特性が拡 大する。

 そこで、本実施の形態では、上記位相差 ィルム21として、負のAプレートと、正のCプ レートと、正の一軸性フィルム(正のAプレー )との積層フィルムを使用し、図15に示すよ に、矢印22にて示す正の一軸性フィルム(正 Aプレート)の遅相軸方向を、矢印5aにて示す 、隣接する偏光板5の透過軸方位(偏光軸方向) と一致させ、かつ偏光板5と、偏光板56に隣接 する基板2との間に配置した。また、正の一 性フィルムの位相差および正のCプレートの 相差は、各々、140nm、95nmとした。

 図15に、矢印22にて示す上記位相差フィル ム21の遅相軸方位と、矢印23にて示す正のAプ ートの遅相軸方位と、矢印24にて示す正のC レートのnx軸の方向と、矢印25にて示す負の Aプレートのnx軸の方向と、矢印4aにて示す偏 板4の透過軸方位と、矢印5aにて示す偏光板4 の透過軸方位と、矢印A・Bにて示す配向膜11 12の配向処理方向との関係を示す。

 以下に、本実施形態で用いた上記液晶パ ル20の構成並びに製造方法について、さら 詳細に説明する。但し、以下に示す実施例3 、図14に示した液晶パネル20の構成並びに製 造方法の単なる一例であり、本実施の形態は これに限定されるものではない。

 〔実施例3〕
 本実施例3では、電極幅5μm、電極間隔5μm、 極厚0.4μmのITO製の櫛歯電極8・9が表面に設 られたガラス製の基板6上に、日産化学工業 式会社製の配向膜塗料「PIX-5400」(商品名)の 5wt.%NMP溶液を、スピンコート法にて塗布した 、300℃にて2時間焼成することにより、基板 1を形成した。この時の配向膜11の膜厚は、600 Åであった。

 また、上記基板6と同じ大きさ並びに材質 の、ガラス製の基板7上に、上記配向膜11と同 一条件で配向膜12を製膜することにより、基 2を形成した。

 その後、ナイロン製の不織布を使用して 上記基板1・2の双方を、図1および図2に示す 矢印A・Bの方向に配向処理した。

 次に、上記基板1上に、スペーサ13として 直径5.5μmの樹脂ビーズ「ミクロパールSP」 分散させた。一方、基板2上に、シール樹脂 ストラクトボンドXN-21-S」を印刷した。その 後、上記両基板1・2を貼り合わせ、250℃で3時 間焼成することにより、液晶セル15を作製し 。

 次いで、上記液晶セル15に、液晶材料と て、「SD-5544XX」を真空注入法にて封入した その後、上記液晶セル15の裏面側(下側)、す わち、上記基板1における液晶層3との対向 とは反対側の表面に偏光板4を貼合せるとと に、上記液晶セル15の表面側(上側)の基板2 おける液晶層3との対向面とは反対側の表面 、前記した特性および構成を有する位相差 ィルム21、偏光板5を、この順に貼合し、図1 4に示す液晶パネル20を作製した。

 なお、この時の配向処理の方向と、偏光 4・5の軸方位および位相差フィルム21の各軸 方位との関係は、図15に示した通りであり、 印4a・5aにて示す偏光板4・5の透過軸方位は 入射光側、出射光側の何れも、隣接する基 1・2における各配向膜11.12のラビング処理方 向とは45度をなし、互いに直交するように配 した。また、位相差フィルム21は、矢印23に て示す正のAプレートの遅相軸方向が、矢印5a にて示す、隣接する偏光板5の透過軸方位(偏 軸方向)と一致するとともに、矢印24にて示 正のCプレートのnx軸の方向および矢印25に 示す負のAプレートのnx軸の方向が、各配向 11.12のラビング処理方向と平行となるように 配置した。このときの上記位相差フィルム21 遅相軸方位(矢印22にて示す)は、各配向膜11. 12のラビング処理方向に直交するとともに、 印4a・5aにて示す偏光板4・5の透過軸方位と なす角度は、45度である。

 また、図16(a)・(b)は、計算によって得ら た最適構成での視野角特性を示し、図16(a)は 、パネル正面に対する視角とコントラスト比 との関係を示すグラフであり、図16(b)は、パ ル正面に対する視角と透過率との関係を示 グラフ(vappl.=0)である。なお、図16(a)・(b)に いて、視角(θ、φ)は、基板法線方向からの き角θと、配向処理方向を0度としたときの 回りの方位角方向φで定義した。

 図17は、このようにして作製した上記液 パネル20における、測定光波長550nmでの印加 圧と透過率との関係を示す電圧-透過率特性 (実測値)であり、コントラストは、1200:1であ た。また、その視野角特性(実測)を、図18(a) ・(b)に示す。

 図18(a)・(b)は、上記液晶パネル20の色相に 対して、視角を変化させた時の色変わりの様 子を示すグラフであり、そのうち、図18(a)は 上記液晶パネル20の正面に対する視角(θ、φ )と、コントラスト比(CR)が100:1を示す等コン ラスト曲線26との関係を示すグラフである。 また、図18(b)は、上記液晶パネル20の正面に する視角(θ、φ)と、δCu’v’が、0.02未満(δCu ’v’<0.02)である領域27との関係を示すグラ フである。

 図18(a)から判るように、コントラスト比 100:1を示す視角範囲は全方位170度以上であり 、現行のIPSモードを用いた液晶表示装置と比 較して、同等以上であった。

 TBAモードでは、IPSモードにおける液晶分 の挙動と異なり、電圧を印加しても液晶層3 の複屈折の発生する方位が回転せず、前記図 4に示したように、一定方位を向いているた 、前記位相差フィルム21等の位相差板による 補償がより的確に制御し易い。このため、容 易に広視野角を達成することができる。図18( a)・(b)からも明らかなように、上記TBAモード 用いた液晶パネル、例えば本実施形態にか る液晶パネル20を用いた液晶表示装置は、 相の視角依存性も小さく、その実用的価値 大きい。

 また、IPSモードと同様に、電極構造を、 えばシェブロン形状、あるいは、くの字形 曲がった形状(dogleg形状)と称されるような 各種屈曲形状とすることにより、より一層 視角特性の向上を図ることも可能である。

 位相差フィルムの設計は、液晶表示装置 ノーマリーブラックモードを採用するか、 ーマリーホワイトモードを採用するかによ て異なる。

 上記実施例では、ノーマリーブラックモ ドでの位相補償を行ったが、ノーマリーホ イトモードの場合には、黒表示状態での液 配列は横向きに配置されたベンド配向であ ため、液晶の配向方向(配列方向)に直交す Aプレートと、主軸が傾斜した二軸性フィル 、Cプレート等との組み合わせが適している 。

 また、図14に示す液晶パネル20では、液晶 セル15の一方の主面のみに、位相差板を配置 た場合を例に挙げて説明したが、上記液晶 ル15の両側に位相差板を配置してもよいこ は言うまでもない。

 また、上記した各実施の形態では、電圧 加による液晶層3の位相差(セル位相差)の変 量が、半波長(例えば、使用する光の波長が 550nmであれば、275nm)以上あることが好ましい そのためには、電圧無印加時のセル位相差 、1000nm程度以上あることが好ましい。

 なお、上記各実施の形態にかかる液晶表 装置を、反射型の液晶表示装置として用い 場合には、約2倍の光路長を稼ぐことができ るため、位相差に対する液晶材料の制約が緩 和され、材料選択の裕度は増大する。反射型 では、透過型に比べ、さらに低電圧駆動とす ることが可能であり、その実用的価値は極め て大きい。

 上記各実施の形態に示したように、電圧 加により誘起される電界の歪みは、櫛歯電 構造により得ることができる。但し、本実 の形態はこれに限定されるものではなく、 記電界印加部材としては、櫛歯電極構造以 にも、例えば、電極内にスリット(あるいは 開口部)を設ける等、例えば、各画素内に、 電性部位と非導電性部位との繰り返しパタ ンを設けることによっても、上記した電界 歪みを得ることができる。

 なお、上記各実施の形態では、基板面に 行な(ほぼ平行であればよい)電界(横電界)を 液晶層3に印加するための電界印加部材とし 、一方の基板1に、櫛歯電極8・9が設けられ いる場合を例に挙げて説明したが、上記ベ ド配向を阻害しない配置であれば、両方の 板1・2に、上記したような導電性部位と非導 電性部位との繰り返しパターン(例えば櫛歯 極)が設けられている構成としてもよい。

 また、前記図1および図2に示す液晶パネ 10では、互いに櫛歯が噛み合う方向に対向配 置された櫛歯電極8・9が、画素の対向する二 に垂直(または平行)に延設された構造を有 ているものとしたが、上記櫛歯電極8・9の延 設方向(電界印加部材における導電性部位の びる方向)は、これに限定されるものではな 。

 図32(a)・(b)に、画素内の表示部分での上 櫛歯電極8・9の配置(電極パターン)の一例を す。

 図32(a)・(b)に示すように、上記櫛歯電極8 9は、画素の対向する二辺に対しそれそれ斜 め方向に延設された構造を有していてもよい 。また、上記櫛歯電極8・9は、図32(a)に示す うに、それぞれの櫛歯が互いに平行に延設 れた構造を有していてもよく、図32(b)に示す ように、例えばそれぞれの櫛歯が画素の中央 で折れ曲がるようにそれぞれ非平行に延設さ れた構造を有していてもよい。

 図32(a)に示す電極パターンでは、電界の 加により、配向分割された二種類のドメイ (小領域)が自動的に形成され、図32(b)に示す 極パターンでは、電極(櫛歯)が折れ曲がっ いるため、電界の印加により4種類のドメイ が形成される。

 また、上記各実施の形態では、電圧無印 時に、各画素内で、液晶分子のダイポール ントμの方向が、一方向(ほぼ一方向の場合 含む)に揃ったホモジニアス配向をしている 場合を例に挙げて説明したが、本実施の形態 はこれに限定されるものではなく、上記液晶 パネルは、液晶分子が各画素内で配向分割さ れた液晶層(光学変調層)を有する構成を有し いてもよい。配向分割された各ドメイン(小 領域)内では、電界無印加時の液晶分子のダ ポールモーメントμの方向は、ほぼ一方向に 揃っている。したがって、この場合にも、配 向分割された各ドメイン(小領域)内における 界無印加時の液晶分子のダイポールモーメ トμの方向と、電界印加方向とをほぼ揃え ことで、前記した効果を得ることができる すなわち、上記液晶パネルは、各画素内に 電界印加方向が異なる複数のドメインを有 ている構成を有していてもよい。

 また、上記各実施の形態では、液晶層厚 5μm~6μmで各液晶パネル(液晶表示装置)を作 したが、他の液晶層厚で行ってもよいこと 言うまでもない。液晶層厚を大きくするこ により、同一印加電圧で、より大きな変調 果が得られるが、一般に応答時間も大きく るため、液晶表示装置の仕様に合わせて液 パネル(液晶表示素子)の設計を行う必要があ る。

 上記TBAモードを用いた液晶パネルおよび 晶表示装置は、上記したように低温での応 特性に優れており、かつ広視野角特性をも しているため、アウトドアユースの公共掲 板や、携帯電話、PDA(携帯端末:personal digital  assistance)等のモバイル機器等に特に適して る。

 以上のように、上記液晶パネルおよび液 表示装置並びに液晶パネルの表示方法は、 記液晶材料がp型液晶であり、電圧無印加時 に、上記液晶材料の液晶分子がホモジニアス 配向をしており、かつ、上記光学変調層にお ける電界印加方向と、上記電界無印加時の液 晶分子のダイポールモーメントの方向とが等 しい(ほぼ等しければよい)ことで、上記液晶 料の液晶分子が、電界印加時に、基板厚み 向に弓なりにベンド配向する。

 上記液晶パネルおよび液晶表示装置並び 液晶パネルの表示方法によれば、印加電界 方向並びに電界無印加時および電界印加時 おける液晶分子のダイポールモーメントの 向は、何れもほぼ同じ方向であり、上記液 分子は、電界印加によって、初期配向転移 作無しに、ホモジニアス配向からベンド配 へと連続的に変化する。このため、本実施 形態によれば、例えば、(1)OCBモードと同等 高速応答が実現できると同時に、(2)IPSモー 以上の広視野角が達成可能である、(3)OCBモ ドでは必須であるスプレイ-ベンド間の初期 配向転移操作が不要である、等、従来にない 優れた効果を奏する。

 上記液晶パネルおよび液晶表示装置並び 液晶パネルの表示方法では、上記したよう 、ホモジニアス配向している液晶の液晶分 のダイポールモーメントとほぼ同じ方向(ほ ぼ平行な方向)に電界を印加して上記光学変 層内に電界強度の分布(電界の歪み)を形成し 、液晶分子をベンド配向させて液晶分子配列 に歪み(ベンド配列)を形成することで上記光 変調層の位相差を変化させて表示を行う。

 上記の構成によれば、上記表示パネルが 上記光学変調層に電界を印加する電界印加 材として電極を備え、上記電極が、各画素 、導電性部位と非導電性部位との繰り返し ターンを有していることで、上記光学変調 内に、基板に平行な(ほぼ平行であればよい )、いわゆる横電界を印加することができ、 界強度の分布(電界の歪み)を、容易に形成す ることができる。

 なお、上記電極としては、例えば櫛歯電 (櫛形電極)を用いることができる。電極間 は、狭い方が、電界の歪みが大きく、大き 位相差変化を得ることができる。上記電極 して櫛歯電極を用いることで、既存の電極 成により、容易に大きな位相差変化を得る とができる。

 また、上記電極の導電性部位は、ITOから ることが好ましい。上記液晶パネルにおい 、電圧印加によるダイレクタの回転は、上 非導電部位(例えば上記櫛歯電極における各 電極間)よりも、導電性部位の上部でより多 起こる。すなわち、電界印加時における上 液晶分子の傾き(歪み)の度合いは、導電性部 位の上部の方が大きい。このため、上記導電 性部位を透明電極、特に、ITOにて形成するこ とで、表示に利用することができる位相差の 調整幅を大きくすることができる。位相差の 調整幅が大きいことは、駆動電圧を下げるこ とができることと同じである。したがって、 上記構成とすることの価値は、上記した表示 方式を用いた液晶パネルおよび液晶表示装置 においては、極めて大きい。

 本発明は、上述した各実施形態に限定さ るものではなく、請求項に示した範囲で種 の変更が可能であり、異なる実施形態にそ ぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わ て得られる実施形態についても本発明の技 的範囲に含まれる。

 上記TBAモードは、電界印加により液晶層 に電界強度の分布を形成し、ホモジニアス 向を初期配向としてベンド配向を実現する 規な表示方式であり、OCBモードと同等の高 応答が実現できると同時に、IPSモード以上 広視野角が達成可能であり、また、OCBモー では必須であるスプレイ-ベンド間の初期配 向転移操作が不要である等の優れた特徴を有 している。このため、上記TBAモードを用いた 液晶パネルおよび液晶表示装置並びに液晶パ ネルの表示方法は、低温での応答特性並びに 広視野角特性を必要とする、アウトドアユー スの公共掲示板や、携帯電話、PDA等のモバイ ル機器等に特に好適に用いることができる。