Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
LIQUID IMMERSION TYPE ABSORBANCE SENSOR ELEMENT AND ABSORPTION SPECTROMETER USING SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/105146
Kind Code:
A1
Abstract:
It is an object to provide an absorption spectrometer that can be immersed and used in measuring subject liquid without using an absorbance measuring cell and is yet hard to be influenced by ambient light. The absorption spectrometer is comprised of a sensor unit (10) that is thrown directly into the measuring subject liquid, a main body unit (20) and wires (31, 32). The sensor (10) is provided with a housing (14) where an LED light source (11) and a photodiode (12) are set opposite to each other and a distance between the pointed ends of the LED light source (11) and the photodiode (12) is set so as to be a predetermined length (L). The distance (L) corresponds to the cell thickness in a conventional absorption spectrometer. A driving electric current including an alternating current component of a predetermined frequency is input. An output of the photodiode (12) is amplified by an amplifier (13) and only a frequency component synchronous with the predetermined frequency is then extracted, so that absorbance of the measuring subject liquid is obtained in accordance with an output of this phase detecting circuit.

Inventors:
NAKAHARA KOICHI (JP)
OGATA TATEAKI (JP)
ITO TOMOHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/000262
Publication Date:
September 04, 2008
Filing Date:
February 19, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
SUNTORY LTD (JP)
NAKAHARA KOICHI (JP)
OGATA TATEAKI (JP)
ITO TOMOHIRO (JP)
International Classes:
G01N21/27; G01N21/01
Foreign References:
JP2004309451A2004-11-04
JP2001356609A2001-12-26
JPH06281575A1994-10-07
JPH05203561A1993-08-10
JPH01501247A1989-04-27
Other References:
BUNSEKI KAGAKU, vol. 54, no. 4, 2005, pages 291 - 295
See also references of EP 2124038A4
Attorney, Agent or Firm:
PATENT CORPORATE BODY ARCO PATENT OFFICE (Bo-eki Bldg. 123-1, Higashimachi,Chuo-ku, Kobe-sh, Hyogo 31, JP)
Download PDF:
Claims:
 測定対象液中に投入して使用される吸光度センサ素子であって、前記吸光度センサ素子は、
 ハウジングと、
 前記測定対象液の吸収波長の光を含む計測光を発する発光面を有し該発光面が前記ハウジングに固定された少なくとも一つの光源部と、
 該光源部の前記発光面から所定距離を置いて前記ハウジングに固定された受光面を有し該受光面により前記測定対象液を透過した後の計測光を受光してその強度を表す信号を出力する少なくとも一つの光検出器と
 を備えたことを特徴とする吸光度センサ素子。
 前記光源部は、LEDからなる光源であり、前記発光面は該LEDの先端部である請求項1記載の吸光度センサ素子。
 前記光源部は、LEDからなる光源及び光ファイバであり、前記発光面は該光ファイバの先端である請求項1記載の吸光度センサ素子。
 複数の前記光源部と一つの前記光検出器とを備え、
 前記各光源部は、それぞれ異なる波長の計測光を発する複数の光源と、該複数の光源からの計測光を前記ハウジング上の一の発光面に収束させる光ファイバとを有し、
 前記光検出器は、前記発光面から所定距離を置いて前記ハウジングに固定された受光面を有し該受光面により前記測定対象液を透過した後の計測光を受光してその強度を表す信号を出力する
 ことを特徴とする請求項1記載の吸光光度計。
 前記光源は、LEDであり、前記発光面は前記光ファイバの先端である請求項4記載の吸光度センサ素子。
 前記光検出器は、前記測定対象液の吸収波長の光を検出するフォトダイオード又はフォトトランジスタであり、前記受光面は該フォトダイオードの先端部である請求項1乃至5の何れかに記載の吸光度センサ素子。
 前記光検出器は、前記測定対象液の吸収波長の光を検出するフォトダイオード又はフォトトランジスタ及び光ファイバを備え、前記受光面は該光ファイバの先端である請求項1乃至5の何れかに記載の吸光度センサ素子。
 前記発光面と前記受光面との間の距離は、前記測定対象液の吸光度に応じて変更可能である請求項1乃至7の何れかに記載の吸光度センサ素子。
 前記光源部は、前記測定対象液の吸収波長に応じて交換可能である請求項1乃至8の何れかに記載の吸光度センサ素子。
 前記フォトダイオード又はフォトトランジスタは、前記測定対象液の吸収波長に応じて交換可能である請求項1乃至9の何れかに記載の吸光度センサ素子。
 前記ハウジングは、前記光源部と前記光検出器とを覆う遮光部を更に備えている請求項1乃至10の何れかに記載の吸光度センサ素子。
 請求項1又は2に記載の吸光度センサ素子と、前記吸光度センサ素子からの出力の信号処理を行う本体部とを備えたことを特徴とする吸光光度計。
 請求項3に記載の吸光度センサ素子と、前記吸光度センサ素子からの出力の信号処理を行う本体部とを備えたことを特徴とする吸光光度計。
 請求項4又は5に記載の吸光度センサ素子と、前記吸光度センサ素子からの出力の信号処理を行う本体部とを備えたことを特徴とする吸光光度計。
 請求項7に記載の吸光度センサ素子と、前記吸光度センサ素子からの出力の信号処理を行う本体部とを備えたことを特徴とする吸光光度計。
 前記本体部は、所定周波数の交流成分を含んだ駆動電流を前記光源部に供給する駆動回路と、前記光検出器の出力信号から前記所定周波数に同期する周波数成分を抽出して出力する位相検波回路とを更に備え、該位相検波回路の出力に基づいて前記測定対象液の吸光度を求めることを特徴とする請求項12又は13に記載の吸光光度計。
 前記複数の光源部には、それぞれ周波数の異なる交流成分を含んだ駆動電流が供給され、前記光検出器の出力信号のフーリエ変換を行うことにより、前記複数の光源部からの計測光の異なる波長のそれぞれについて同時に吸光度を求めることを特徴とする請求項14記載の吸光光度計。
 前記光源は、前記本体部に設けられている請求項13、14又は17に記載の吸光光度計。
 前記フォトダイオード又はフォトトランジスタは、前記本体部に設けられている請求項15に記載の吸光光度計。
Description:
液中投入型吸光度センサ素子及 それを用いた吸光光度計

 本発明は、液中投入型吸光度センサ素子 びそれを用いた吸光光度計に関し、より詳 には、吸光度測定用のセルを使用すること く測定対象液中に投入して使用することが き、しかも外乱光の影響を受け難い液中投 型吸光度センサ素子及びそれを用いた吸光 度計に関する。

 従来の吸光光度計では、その光源として えばハロゲンランプが使用されている。こ ハロゲンランプは可視光の全域に亘る波長 光を発するため、光学フィルタや回折格子 光学スリットなどを用いて必要な波長域の を取り出す必要がある。また、取り出した 長の光を試料に照射するための絞りやシャ ターなどの光学系も必要となる。更に、ハ ゲンランプを駆動するための電源等も必要 なるため、全体として大がかりな装置とな てしまい、簡便に吸光度の測定を行うこと できない。

 この問題点を解消するために、光源とし 発光ダイオード(LED)を使用した各種の吸光 度計が提案されている(特許文献1~6、非特許 献1)。LEDを光源として用いると、光学フィ タ、回折格子、絞り、シャッターなどが不 となるため、従来の吸光光度計に比較して 光光度計の大きさを小さくすることができ 。

 しかし、このようにLEDの使用により吸光光 計を小型化したとしても、測定対象の試料 光路長を一定にするための測定用セルやチ ーブを使用しなければならず、簡便性とい 点からは従来の吸光光度計と大差はなくな てしまう。従って、より簡便に吸光度の測 を行うことができる吸光光度計が待ち望ま ている。また、LEDを光源として使用すると 一つの波長についての吸光度しか求めるこ ができないという不便さがある。

特開平9-264845号公報

特開平9-264846号公報

特開平9-264847号公報

特開平11-37929号公報

特開平11-37930号公報

特開平11-37931号公報 BUNSEKI KAGAKU 第54巻,No.4,pp291~295(2005)

 本発明は、上記従来技術の問題点を解決 るために為されたものであり、本発明の目 は、吸光度測定用のセル等を使用すること く、測定対象液中に直接投入して使用する とができる吸光度センサ素子及びそれを用 た吸光光度計を提供することである。また 外乱光の影響を受け難い吸光度センサ素子 びそれを用いた吸光光度計を提供すること も目的とする。

 本発明の吸光度センサ素子は、測定対象 中に投入して使用される吸光度センサ素子 あって、前記吸光度センサ素子は、ハウジ グと、前記測定対象液の吸収波長の光を含 計測光を発する発光面を有し該発光面が前 ハウジングに固定された少なくとも一つの 源部と、該光源部の前記発光面から所定距 を置いて前記ハウジングに固定された受光 を有し該受光面により前記測定対象液を透 した後の計測光を受光してその強度を表す 号を出力する少なくとも一つの光検出器と 備えたことを特徴とする。

 この吸光度センサ素子では、ハウジング 固定された光源部の発光面と光検出器の受 面とを所定の距離を保ったまま測定対象液 に投入して使用することができるため、吸 度測定用のセルを使用することなく簡便に 定対象液の吸光度を測定することが可能と る。また、光源部と光検出器とをそれぞれ 数設けた構成では、異なる波長の光を発す 光源部を使用することにより、異なる波長 計測光による吸光度の測定を同時に行うこ が可能となる。

 また、前記光源部はLEDからなる光源であ 、前記発光面は該LEDの先端部である構成、 は前記光源部はLEDからなる光源及び光ファ バであり、前記発光面は該光ファイバの先 である構成とすることができる。前記光源 をLEDとすれば、前記発光面はLEDの先端部と る。LEDを使用すれば、吸光度センサ素子の 量化を図ることができる。また、前記光源 をLEDからなる光源及び光ファイバで構成す ば、前記発光面は該光ファイバの先端とな 、光ファイバの長さ等を変更することによ 、LEDを自由な位置に配することができる。

 また、上記において、複数の前記光源部 一つの前記光検出器とを備え、前記各光源 は、それぞれ異なる波長の計測光を発する 数の光源と、該複数の光源からの計測光を 記ハウジング上の一の発光面に収束させる ファイバとを有し、前記光検出器は、前記 光面から所定距離を置いて前記ハウジング 固定された受光面を有し該受光面により前 測定対象液を透過した後の計測光を受光し その強度を表す信号を出力する構成とする とができる。

 この構成により、計測光を発光させる光 部を測定対象液の吸収波長に応じて選択す ば、一の吸光度センサ素子を用い、測定対 液毎に吸収波長を変えてそ吸光度の測定を うことが可能となる。

 ここで、前記光検出器としては、前記測 対象液の吸収波長の光を検出するフォトダ オード又はフォトトランジスタを使用する とができる。前記光検出器としてフォトダ オード又はフォトトランジスタを使用する 合、前記受光面はフォトダイオード又はフ トトランジスタの先端部となる。フォトダ オード又はフォトトランジスタを使用すれ 、吸光度センサ素子の軽量化を図ることが きる。特に、フォトトランジスタを使用す 場合には、フォトダイオードを使用する場 に必要なオペアンプが不要となり、吸光度 ンサ素子の更なる小型化、軽量化を図るこ ができる。

 また、前記光検出器をフォトダイオード はフォトトランジスタ及び光ファイバで構 すれば、前記受光面は該光ファイバの先端 なり、光ファイバの長さ等を変更すること より、フォトダイオード又はフォトトラン スタを自由な位置に配することができる。

 前記発光面と前記受光面との間の距離は 前記測定対象液の吸光度に応じて変更可能 することが好ましい。即ち、測定対象液の 光度が大きい場合には発光面と受光面との の距離を小さくし、測定対象液の吸光度が さい場合には発光面と受光面との間の距離 大きくすることにより、検出感度の調節を 易に行うことができる。

 前記光源部は、前記測定対象液の吸収波 に応じて交換可能とすることが好ましい。 様に、前記フォトダイオード又はフォトト ンジスタは、前記測定対象液の吸収波長に じて交換可能とすることが好ましい。これ より、吸収波長の異なる種々の測定対象液 ついての吸光度の測定を行うことが可能と る。

 更に、前記ハウジングは、前記光源部と 記光検出器とを覆う遮光部を更に備えてい もよい。遮光部を設けることにより、外乱 の影響を小さくし、吸光度の測定精度を上 ることが可能となる。特に、後述するロッ インアンプ等及びフーリエ変換機能を備え いない吸光光度計では外乱光の影響を受け いので、暗所で使用する場合以外は遮光部 設けることが重要となる。

 本発明の吸光光度計は、上記何れかの吸 度センサ素子と、前記吸光度センサ素子か の出力の信号処理を行う本体部とを備えた とを特徴とする。

 上記吸光光度計は、外乱光のない暗所で 用することが必要であるが、本発明の吸光 度計は、照明などの外乱光のある明るい場 においても使用し得る構成とすることがで る。即ち、本発明の吸光光度計において、 記本体部は、所定周波数の交流成分を含ん 駆動電流を前記光源部に供給する駆動回路 、前記光検出器の出力信号から前記所定周 数に同期する周波数成分を抽出して出力す 位相検波回路とを更に備え、該位相検波回 の出力に基づいて前記測定対象液の吸光度 求めるように構成することを特徴とする。

 このように、所謂ロックインアンプ等と される駆動回路と位相検波回路とを備えた 成とすることにより、外乱光の影響を排除 ることができるので、明るい場所でも吸光 の測定が可能となる。

 上記の複数の光源部を備えた吸光光度計 は、複数の波長について同時に吸光度を測 し得る構成とすることも可能である。即ち 本発明の吸光光度計において、前記複数の 源部には、それぞれ周波数の異なる交流成 を含んだ駆動電流が供給され、前記光検出 の出力信号のフーリエ変換を行うことによ 、前記複数の光源部からの計測光の異なる 長のそれぞれについて同時に吸光度を求め ことを特徴とする。

 このように、出力信号のフーリエ変換を う構成とすることにより、複数の波長につ て同時に吸光度を測定することが可能とな 。

 更に、光源部が光源と光ファイバとによ 構成される吸光光度計では、光源を本体部 設け、光ファイバにより計測光を発光面に くことが可能となる。これにより、吸光度 ンサ素子を小型化、軽量化を図ることがで る。

 また、光検出器がフォトダイオード又は ォトトランジスタ及び光ファイバにより構 される場合には、フォトダイオード又はフ トトランジスタを本体部に設け、光ファイ により受光面からの計測光をフォトダイオ ド又はフォトトランジスタに導くことが可 となる。これにより、吸光度センサ素子を 型化、軽量化を図ることができる。

 以上の説明から明らかなように、本発明 吸光度センサ素子は、光源部と光検出器と 直接測定対象液中に投げ込むことができる め、セルなどを使用する必要がない。その め、例えば反応容器内の反応液に直接投げ む等、吸光度の測定を簡便かつ迅速に行う とが可能となり、生産ラインに組み込むこ が可能となる。更に、連続して吸光度の測 を行うことも可能なので、例えば反応の追 などを行うことも可能となる。

 また、光源部には所定周波数の交流成分 含んだ駆動電流が供給され、光検出器にお る検出光度から上記の所定周波数に同期す 周波数成分が出力される、所謂ロックイン ンプ等を設けた構成を有する吸光光度計で 、外乱光が光検出器に入射してもその影響 殆ど受けなくなるため、光源部からの計測 だけに基づいて吸光度を求めることが可能 なる。従って、明るい場所でも簡便に安定 つ高精度の吸光度測定を連続して行い得る いう有利な効果が発揮されることとなる。

 更に、複数の光源部と一つの光検出器と 備えた吸光光度計では、フーリエ変換機能 持たせることにより、複数の波長について 時に吸光度の測定を行うこと可能となる。

本発明の一実施形態に係る吸光光度計 概略構成を示す図である。 図1の吸光光度計の回路を表した詳細図 である。 図1の吸光光度計を用い、硫酸銅の試料 液について求めた検量線を表す図である。 従来から市販されている吸光光度計を 用して、図3と同様に作成した検量線を表す 図である。 図1の吸光光度計を用い、フォーリン・ チオカルト法を用いて処理したクロロゲン酸 試料液について求めたポリフェノールの検量 線を表す図である。 従来から市販されている吸光光度計を 用して、図5と同様に作成した検量線を表す 図である。 図1の吸光光度計に於けるハウジング14 遮光部を設けた他の実施形態に係る吸光度 ンサ素子の概略構成を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る、複数の 波数の計測光について吸光度を測定し得る 光光度計の概略構成を示す図である。 図8の吸光光度計により得られるデータ の一例を示す図である。

符号の説明

          10 吸光度センサ素子
          11 LED
          12 フォトダイオード
          13 アンプ
          14 ハウジング
          15 遮光部
          16 支持部
          20 本体部
          21 発振回路
          22 バッファアンプ
          23 バンドパスフィルタ
          24 移相器
          25 検波回路
          26 ローパスフィルタ回路
          27 表示器
       31,32 配線
          40 試料容器
          41 測定対象液
 51a,51b,51c LED
 52a,52b,52c 光ファイバ
          53 発光面
          12 フォトダイオード
         12a 受光面
          56 パソコン
          54 D/A変換器
          55 A/D変換器

 本発明の吸光光度計の実施形態の具体的 構成について、図面を参照しながら説明す 。図1は、本発明の一実施形態に係る吸光光 度計の概略構成を表すブロック図である。本 実施形態の吸光光度計は、同図に示すように 、吸光度センサ素子10と、本体部20と、これ の間を接続するフレキシブルコードからな 配線31,32とを備えている。吸光度センサ素子 10は、試料容器40内の測定対象液41に浸漬して 使用される。

 図2は図1の吸光光度計の回路を表した詳 図である。図1及び図2に示すように、吸光度 センサ素子10はハウジング14を有し、このハ ジング14には、光源としてのLED(発光ダイオ ド)11及び光検出器としてのフォトダイオー 12が取り付けられ、フォトダイオード12には 源Vccが接続されている。また、フォトダイ ード12と電源Vccとの間には、フォトダイオ ド12の出力を増幅するためのアンプ13が接続 れている。アンプ13からの出力は、配線32を 介して後述するバンドパスフィルタ23に入力 れている。

 LED11及びフォトダイオード12はハウジング 14上に対向するように配置され、LED11の光軸 フォトダイオード12の光軸が一致するように 固定されている。本実施形態では、LED11の先 部が発光面11aであり、フォトダイオード12 先端部が受光面12aである。発光面11aと受光 12aとの間の距離が所定の長さLとなるように 定されている。この距離Lは、従来の吸光光 度計に於けるセルの厚さに相当している。本 実施形態ではL=1cmに設定してある。

 このようにLED11及びフォトダイオード12を ハウジング14上に固定することにより、吸光 センサ素子10を試料容器40の中の測定対象液 中に直接投げ込んだ場合にも、発光面11aと受 光面12aとの間の距離Lが常に一定に保たれ、 来の吸光光度計に於ける一定長さLのセルを いた場合と同様の吸光度の測定を行うこと 可能となる。

 LED11としては、測定対象液の吸収波長の を発するものが選択される。例えば測定対 液が後述する硫酸銅溶液やフォーリン・チ カルト法による呈色溶液の場合、発光波長 ピークが700nmに近いGaP/GaP製のものが用いら る。図2に示すように、LED11のカソードは接 され(GND)、LED11のアノードには、後述するよ にバッファアンプ22から配線31を介して1kHz 矩形波が入力される。

 フォトダイオード12は、LED11の発光波長、 換言すれば、測定対象液の吸収波長を含む波 長域の光を検出可能なものである。上記硫酸 銅溶液やフォーリン・チオカルトの呈色溶液 の場合、フォトダイオード12は700nmの光を検 し得るものを使用する必要がある。図2に示 ように、フォトダイオード12のカソードは 地され(GND)、フォトダイオード12のアノード は、電源Vccが接続されている。また、フォ ダイオード12のアノードは、フォトダイオ ド12の出力を増幅するアンプ13に接続されて る。なお、アンプ13は本体部20に設けてもよ い。

 本実施形態では、吸光度センサ素子10は 接測定対象液41中に投げ込んで使用されるた め、吸光度センサ素子10のLED11、フォトダイ ード12、アンプ13及びそれらの間の配線には 測定対象液に含まれる水や有機溶媒に耐え るように防水・防液加工が施されている。

 本体部20には、所定周波数の交流成分を 生する発振回路21が設けられている。この発 振回路21は、発振周波数が1kHzの矩形波を出力 し、そのピーク電圧が0V~5Vの交流成分を発生 る。発振回路21からの電圧発振信号は、次 バッファアンプ22に入力されて電流信号に変 換され、電流制限抵抗(図示せず)を経た後、 波数1kHzの交流成分を含んだ駆動電流として 、配線31を介してLED11に供給される。本実施 態では、発振回路21及びバッファアンプ22が 動回路として機能している。これにより、L ED11は周波数1kHzで点滅することとなる。また 発振回路21の出力は、後述する移相器24にも 入力される。

 バッファアンプ22からの駆動電流により 周波数1kHzで点滅するLED11からの計測光は、LE D11の発光面11aとフォトダイオード12の受光面1 2aとの間の距離Lの部分に存在する測定対象液 によって一部分吸収された後、フォトダイオ ード12に達する。ここで、フォトダイオード1 2は、LED11からの計測光以外に、室内照明光や 太陽光に由来する外乱光が存在する場合には 、これをも検出することとなる。従って、フ ォトダイオード12からの出力信号は、外乱光 起因するノイズをも含んでいる場合がある フォトダイオード12からの出力信号はアン 13で増幅された後、配線32を介して本体部20 バンドパスフィルタ23に入力される。

 バンドパスフィルタ23は、中心周波数を1k Hzとし、比較的広帯域(Q=3)の成分のみを通過 せるフィルタである。このバンドパスフィ タ23を透過した信号は、ほぼ周波数1kHzの成 のみとなり、さらに検波回路25によって、発 振回路21から移相器24を介して入力される基 信号と乗算され、最後にローパスフィルタ 路26によって同期検波される。本実施形態で は、バンドパスフィルタ23、検波回路25及び ーパスフィルタ回路26が位相検波回路として 機能している。移相器24は基準信号の位相と 出信号の位相とを等しくする機能を果たし いる。以上により、本実施形態の吸光光度 は、計測された信号から周波数1kHzの成分を 抽出して出力するとともに、外乱光に起因す る信号を除去することが可能となる。

 また、本実施形態の吸光光度計は、ロー スフィルタ回路26内に増幅回路をも内蔵し おり、増幅された信号が表示器27に表示され るように構成されている。更に、図示してい ないが、本実施形態の吸光光度計では、ロー パフフィルタ回路26の前又は後に、呈色、退 、比色、沈降、懸濁、比濁などの分析の種 に応じて吸光度やその二次情報などを算出 る演算手段が設けられている。これにより 目的とする分析データを簡便に得ることが きる。

 上述のLED11の発光面11aとフォトダイオー 12の受光面12aの間の距離Lは、測定対象液の 光度(溶質の濃度)に応じて適宜変更すること ができるように、LED11及びフォトダイオード1 2の一方又は両方をハウジング14上で移動可能 に構成することもできる。また、LED11及びフ トダイオード12の種類及び距離Lの異なる吸 度センサ素子10を予め準備しておき、測定 象液の種類や濃度に応じて交換し得るよう 構成することもできる。

 以上の構成を有する本実施形態の吸光光度 について、その使用方法及びその動作を説 する。まず、入射光強度I 0 を求めるために、ブランク溶液を準備する。 ブランク溶液は、実際に測定したい試料対象 溶液から、測定対象成分を除いたものであり 、水や抽出溶媒がブランク溶液となる。吸光 度センサ素子10をブランク溶液に投入した状 で本体部20の電源を投入する。これにより LED11からフォトダイオード12に向けて計測光 照射される。この状態で計測を行い、入射 強度I 0 が求められる。この入射光強度I 0 は、前述の演算手段に記憶される。次に、吸 光度センサ素子10が入る大きさの容器に測定 象液を入れる。ここで、例えばプラント内 大型の反応槽内で計測する場合は、吸光度 ンサ素子10をその反応槽に直接に投入する とも可能であり、この場合は上記容器の準 は不要となる。次に、吸光度センサ素子10を 測定試料溶液中に直接投入し、本体部20の電 を投入する。これにより、LED11からフォト イオード12に向けて計測光が照射され、吸光 度の連続計測が可能となる。本実施形態の吸 光光度計はロックインアンプを備えているた め、照明の消灯や遮光は不要である。

 計測中、フォトダイオード12で検出され 信号のうちの周波数1kHzの成分のみがバンド スフィルタ23を通過し、検波回路25によって 基準信号である周波数1kHzの信号に同期する 号のみが検出される。従って、上述のよう 太陽光や蛍光灯からの外光成分は、周波数 異なるので除去され、あるいはその周波数 分が存在したとしても極めて僅かなので無 することが可能である。このようにして、 定対象液を透過した計測光のみに基づいて 過光強度Iが求められる。この透過光強度Iは 、前述の演算手段に記憶される。

 次に、演算部では、入射光強度I 0 と透過光強度Iとを用いて、吸光度Aが下記の から求められる。
[数1]
  A=log 10 (I 0 /I)
 一方、吸光度Aは、LED11及びフォトダイオー 12の間の距離L、測定対象液中の溶質の吸光 数ε及び測定対象液の溶質の濃度Cとの間に 下の関係がある。
[数2]
  A=εLC
 従って、測定対象液中の溶質の吸光係数ε 既知であれば、数1及び数2から測定対象液の 溶質の濃度Cを求めることができる。吸光度A 濃度C等の測定結果は、数値のまま、又はグ ラフ化等のデータ処理を施して表示器27に表 されることとなる。また、本実施形態の吸 光度計を使用すれば、連続して測定結果を ることができるため、例えば横軸に時間を り、縦軸に測定結果をプロットすることに り、経時的なデータの採取や反応追跡に使 することができる。

 上記では光検出器としてフォトダイオー 12を用いたが、これに代えてフォトトラン スタを使用することもできる。フォトトラ ジスタを使用する場合には、フォトダイオ ドを使用する場合に必要なアンプ13(図2)が不 要となり、吸光度センサ素子の更なる小型化 、軽量化を図ることができるという利点があ る。

 (硫酸銅の吸光度測定)
 本実施形態の吸光光度計を使用し、実際に 知濃度の硫酸銅溶液の測定を行い、その検 線を作成した結果について説明する。

 検量線の作成に使用した硫酸銅溶液は、 下のようにして調製した。約3.0gの硫酸銅5 和物を50mLメスフラスコに入れた。このメス ラスコにイオン交換水を少量入れ、0.5mol/L 硫酸を0.5mL滴下し、標線を超えないように50m Lにした(濃度0.24mol/Lの硫酸銅水溶液)。この硫 酸銅水溶液を標準溶液として、10mLビーカー 1/4、2/4、3/4、1倍となるように溶液を調製し 。このようにした調製した溶液の吸光度を 本発明の投込み式吸光光度計で測定し、測 した吸光度を検量線として図3に示した。上 述のように、LED11の発光波長は700nmであり、 光面11aとフォトダイオード12の受光面12aとの 間の距離Lは1cmである。また、比較のために 同じ測定液を用い、従来から市販されてい 吸光光度計(日立製作所、U-3000)を使用して作 成した検量線を図4に示した。

 吸光光度をy、クロロゲン酸の濃度をx、 関係数をrとした場合、本実施形態の吸光光 計を用いた場合、図3に示すような傾きと相 関係数rとを得た。従来の吸光光度計用いた 合についても、図4に傾きと相関係数rとを示 した。

 (クロロゲン酸の吸光度測定)
 本実施形態の吸光光度計を使用し、実際に ォーリン・チオカルト法に従って既知濃度 クロロゲン酸溶液の測定を行い、クロロゲ 酸の検量線を作成した結果について説明す 。フォーリン・チオカルト法は、ポリフェ ール量を測定する方法として知られている

 検量線の作成に使用したクロロゲン酸試 液は、以下のようにして調製した。イオン 換水100mLにクロロゲン酸10mgを溶解させたも を標準試料溶液とし、その後試料溶液濃度 1、3/4、2/4、1/4倍になるように調製した。各 濃度のクロロゲン酸溶液4mLをそれぞれ10mLビ カーに入れ、市販の2規定のフェノール試薬 2倍希釈したフェノール試薬4mLを加えて3分 、スターラーで撹拌した。その後、10重量% 酸ナトリウム水溶液を4mL加えて、室温で1時 放置した。この際、初めの5分間はスターラ ーで撹拌した。

 以上のようにして調製した溶液について 度計の測定を行った。本発明の吸光光度計 使用に際しては、10mLビーカーに吸光光度計 の測定部分を入れて、値が安定するまで3分 静置し。数値が安定した後に測定を行った その結果を図5に示した。上述のように、LED1 1の発光波長は700nmであり、発光面11aとフォト ダイオード12の受光面12aとの間の距離Lは1cmで ある。また、比較のために、同じ測定液を用 い、従来から市販されている吸光光度計(日 製作所、U-3000)を使用して作成した検量線を 6に示した。この場合の吸光度測定用のセル の長さは、上記距離Lと同じ1cmである。

 吸光光度をy、クロロゲン酸の濃度をx、 関係数をrとした場合、本実施形態の吸光光 計を用いた場合、図5に示すような傾きと相 関係数rとを得た。従来の吸光光度計用いた 合についても、図6に傾きと相関係数rとを示 した。

 以上から、本実施形態の吸光光度計と従 の吸光光度計とにより求めた検量線の傾き ほぼ等しいため、従来と同様の定量分析が 分に可能であることがわかる。また、相関 数rの比較より、本実施形態の吸光光度計の 方が精度の高い測定が可能であることがわか る。

 図7は本発明の他の実施形態に係る吸光光 度計の吸光度センサ素子10の概略構成図であ 。この吸光度センサ素子10は、図1の吸光度 ンサ素子10に於けるハウジング14に遮光部15 設けたものであり、図1に対応する図6の同 構成要素には、同じ符号が付されている。 光部15はLED11及びフォトダイオード12を覆い 吸光度の測定に邪魔にならない位置に設け れた支持部16,16によってハウジング14に固定 れている。本実施形態に於ける遮光部15は フォトダイオード12への外乱光の入射を防止 すると共に、LED11の発光面11aとフォトダイオ ド12の受光面12aとの間の距離Lの部分への測 対象液の流入を可能としている。また、遮 部15による外乱光の入射防止の効果が高い 合には、発振回路21、移相器24等のロックイ アンプの技術を使用することなく、従来と 様の吸光度の測定を非常に簡便に行うこと できる。

 なお、図7の実施形態では、遮光部15は支 部16,16によってハウジング14に固定されてい るが、ハウジング14及び遮光部15を含めて全 を筒状とし、その内部にLED11、フォトダイオ ード12等を長手軸方向に配してもよい。この 合には、測定対象液は筒状のハウジングの 下の穴を介して流入することが可能である

 また、上記では吸光度センサ素子10をブラ ク液に投入した状態で入射光強度I 0 を求めたが、例えば反応追跡などの場合には 吸光度センサ素子10を投入した初期の光強度I を光強度I 0 としてもよい。また、予め外乱光のない暗所 において空気中又は計測光を吸収しない透明 溶媒中で測定した光強度Iを光強度I 0 としてもよい。特に、ロックインアンプを使 用しない構成では、光強度I 0 と光強度Iの計測条件をなるべく同じにする 要がある。

 図8は、本発明の他の実施形態に係る吸光 光度計の概念図である。本実施形態の吸光光 度計は、3つのLED51a,51b,51cを備え、各LED51a,51b,5 1cは、それぞれ700nm,565nm,465nmの計測光を発す ものである。各LED51a,51b,51cに近接して、それ ぞれ光ファイバ52a,52b,52cが配されており、各L EDからの計測光は光ファイバ52a,52b,52cに導入 れるように構成されている。そして、光フ イバ52a,52b,52cは束ねられ、それぞれの端部は 発光面53として揃えられる。従って、各LED51a, 51b,51cからの計測光は、発光面53に収束し、同 一方向に進行する束ねられた光束として出射 することとなる。なお、この発光面53は、図 しないハウジングに固定されている。

 発光面53の延長上には、発光面53からの計 測光を受光してその強度を表す信号を出力す るフォトダイオード12が配置されている。フ トダイオード12の光軸は、発光面53からの計 測光の進行方向に一致するように、ハウジン グ(図示せず)に固定されている。本実施形態 おいても、フォトダイオード12の先端部が 光面12aとして機能している。本実施形態で 、光ファイバ52a,52b,52cの端部である発光面53 、フォトダイオード12の受光面12aとの間の 離Lの部分において、測定対象液の吸光度の 測が行われる。

 また、本実施形態では、LED51a,51b,51cには パソコン56から周波数の異なるデジタル信号 を取り出してD/A変換器54によりアナログ信号 変換した駆動電流が供給される。具体的に 、LED51aには1kHz、LED51bには2kHz、LED51cには3kHz 駆動電流が供給される。これにより、LED51a らは1kHzで点滅する赤(700nm)の計測光が、LED51 bからは2kHzで点滅する緑(565nm)の計測光が、LED 51cからは3kHzで点滅する青(465nm)の計測光が、 れぞれ同時に発せられることとなる。

 これらの3色の計測光は発光面53から出射 て測定対象液による光吸収を受けた後、フ トダイオード12の受光面12aに到達する。従 て、フォトダイオード12は、1kHzで点滅する (700nm)の計測光と、2kHzで点滅する緑(565nm)の 測光と、3kHzで点滅する青(465nm)の計測光とを 同時に計測し、その強度を表す信号を出力す ることとなる。

 この信号は、図8に示すように、フォトダ イオード12からの出力をデジタル信号に変換 るA/D変換器55に入力され、このデジタル信 は、パソコン56内に取り込まれる。パソコン 56内では、入力されたデジタル信号のフーリ 変換が行われる。これにより、フーリエ変 後の1kHzの成分が赤(700nm)の光強度として、2k Hzの成分が緑(565nm)の光強度として、3kHzの成 が青(465nm)の光強度としてそれぞれ得られる これらの光強度と、予めブランク液につい 求めておいた各周波数における光強度とを いて、これらの3つの周波数に於ける吸光度 が求められる。

 図9は、フーリエ変換により得られる各周 波数の計測光の吸光度データの一例を表して いる。同図に示すように、1kHzの位置に赤(700n m)の吸光度、2kHzの位置に緑(565nm)の吸光度、3k Hzの位置に青(465nm)の吸光度を読み取ることが できる。

 なお、上記では3つのLEDを用いた場合を示 したが、本発明はこれに限定されるものでは なく、1つ、2つ又は4つ以上のLEDを用いること ができる。

 また、上記ではフーリエ変換により3つの 計測光について吸光度を同時に求めたが、各 周波数の計測光について個別にロックインア ンプを設けてもよく、また一つのロックイン アンプを用いて時分割で測定してもよい。

 更に、暗所で測定する場合には、フーリ 変換やロックインアンプを使用せずに、時 割で吸光度の測定を行ってもよい。

 加えて、上記ではLEDの駆動及びフーリエ 換にパソコンを使用したが、専用のハード エアを使用することもできる。

 また、上記では光検出器としてフォトダ オードを用いたが、これに代えてフォトト ンジスタを使用することもできる。フォト ランジスタを使用する場合には、フォトダ オードを使用する場合に必要なアンプ13(図2 )が不要となり、吸光度センサ素子の更なる 型化、軽量化を図ることができる。

 また、上記では光検出器としてフォトダ オードを用いたが、光検出器をフォトダイ ードと光ファイバとによって構成し、測定 象液を透過した後の計測光を光ファイバを してフォトダイオードに導くように構成し もよい。その場合には、光ファイバの端部 受光面12aの位置に固定することになる。

 上記において、光源部をLEDと光ファイバ によって構成した場合には、LEDを吸光度セ サ素子ではなく本体部に設けることも可能 ある。また、光検出器をフォトダイオード 光ファイバとによって構成した場合には、 ォトダイオードを吸光度センサ素子ではな 本体部に設けることも可能である。

 本発明の吸光光度計を使用すれば、吸光 測定用のセルを使用することなく、測定対 の試料中に直接投入して吸光度を測定する とができるので、従来の分光機器の分野で 用し得るばかりではなく、センサの分野で 利用することできる。更に、本発明の吸光 度計は、例えばプラント制御の分野におい も利用可能である。